JP6496606B2 - 血液浄化装置 - Google Patents

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本発明は、体外循環する患者の血液を浄化して血液浄化治療を行い得る治療手段と、血液浄化治療中の患者の最高血圧、最低血圧及び脈拍を検出し得る血圧検出手段とを備えた血液浄化装置に関するものである。
一般に、透析治療においては、患者の血液を体外循環させるための血液回路と、該血液回路の途中に接続されたダイアライザと、しごき型の血液ポンプと、ダイアライザとの間で透析液の導入又は導出を行って血液透析処理を行いつつ除水可能な透析装置本体とを有した透析治療装置が用いられる。このような透析治療装置により行われる透析治療は、通常、1日おきに約4時間行われるものであるため、治療中の患者の血行動態が大きく変化することとなり、特に、余剰水分の除去(除水)による血圧低下防止を有効且つ確実に行うことは、重要な課題となっている。
このような課題に対処すべく、従来、血液浄化治療中の患者の血圧を測定するための血圧計(血圧検出手段)を備えた透析治療装置が提案されている。かかる従来の透析治療装置によれば、血液浄化治療中の患者の血圧(特に、患者の最高血圧)を血圧計にて監視することができ、血圧低下を医師等医療従事者に把握させることができる(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2010−104750号公報 特開平5−115546号公報 特表2004−527296号公報
しかしながら、上記従来技術においては、最高血圧を監視して血圧低下を報知させることができるものの、最低血圧や平均血圧等、血圧に関する他のパラメータを有効に活用できていないという問題があった。本出願人は、最高血圧以外の血圧に関するパラメータを有効活用することを鋭意検討し、特に、最高血圧と最低血圧との差から算出される脈圧、最低血圧及び平均血圧について監視することを検討した。すなわち、脈圧は、中枢の動脈硬化の指標として用いることができるとともに、最低血圧及び平均血圧は、冠動脈血流量の指標及び重要臓器の血流状態の指標としてそれぞれ用いることができるからである。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、血圧に関するパラメータを有効活用して患者の異常を精度よく報知することができる血液浄化装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、体外循環する患者の血液を浄化して血液浄化治療を行い得る治療手段と、血液浄化治療中の患者の血圧及び脈拍を検出し得る血圧検出手段とを備えた血液浄化装置において、前記血圧検出手段による検出値に基づいて、少なくとも脈圧、平均血圧及び最低血圧を求める算出手段と、該算出手段で求められた前記脈圧、平均血圧及び最低血圧がそれぞれ所定閾値を超えたか否か判定する判定手段と、該判定手段にて前記脈圧、最低血圧又は平均血圧が所定閾値を超えたと判定されたことを条件として、当該脈圧、最低血圧又は平均血圧に応じた所定の報知を行わせる報知手段とを備え、前記脈圧が所定閾値を超え、且つ、前記最低血圧及び平均血圧が所定閾値を超えない第1の状態と、当該脈圧が所定閾値を超え、且つ、最低血圧及び平均血圧の少なくとも一方が所定閾値を超えた第2の状態とで前記報知手段による危険度に関する報知形態を異ならせ、当該第2の状態の方が第1の状態より危険度が高い旨の報知を行わせることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1記載の血液浄化装置において、前記算出手段は、前記脈圧、平均血圧及び最低血圧に加え、前記血圧検出手段による検出値に基づいて、最高血圧及び血液浄化治療開始からの最高血圧低下度を求めるものとされ、前記判定手段にて前記最高血圧及び最高血圧低下度が所定閾値を超えたか否か判定するとともに、前記報知手段にて前記最高血圧又は最高血圧低下度が所定閾値を超えたと判定されたことを条件として、当該最高血圧又は最高血圧低下度に応じた所定の報知を行わせることを特徴とする。
請求項記載の発明は、体外循環する患者の血液を浄化して血液浄化治療を行い得る治療手段と、血液浄化治療中の患者の血圧及び脈拍を検出し得る血圧検出手段とを備えた血液浄化装置において、前記血圧検出手段による検出値に基づいて、少なくとも脈圧、平均血圧及び最低血圧を求める算出手段と、該算出手段で求められた前記脈圧、平均血圧及び最低血圧がそれぞれ所定閾値を超えたか否か判定する判定手段と、該判定手段にて前記脈圧、最低血圧又は平均血圧が所定閾値を超えたと判定されたことを条件として、当該脈圧、最低血圧又は平均血圧に応じた所定の報知を行わせる報知手段とを備え、前記算出手段は、前記脈圧、平均血圧及び最低血圧に加え、前記血圧検出手段による検出値に基づいて、脈拍数及び該脈拍数に最高血圧を乗算して求められるPRPを求めるものとされ、前記判定手段にて前記脈拍数及びPRPが所定閾値を超えたか否か判定するとともに、前記報知手段にて前記脈拍数又はPRPが所定閾値を超えたと判定されたことを条件として、当該脈拍数又はPRPに応じた所定の報知を行わせることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1〜3の何れか1つに記載の血液浄化装置において、前記報知手段は、血液浄化治療に関わる情報をリアルタイムに表示させ得る表示手段から成り、当該表示手段によって、前記算出手段で求められた算出値と血液浄化治療中の循環血液量の変化率とが併せて表示されることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載の血液浄化装置において、血液浄化治療中の患者の心電図を測定し得る心電図用測定手段と、該心電図用測定手段からの測定信号に基づいて心電図を得る心電図取得手段とを具備するとともに、前記判定手段にて前記心電図取得手段で取得された心電図に異常があるか否かを判定するとともに、前記心電図に異常があると判定されたことを条件として、前記報知手段にて当該心電図の異常に応じた所定の報知を行わせることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の血液浄化装置において、前記心電図取得手段で取得された心電図に基づき心拍変動解析を行って自律神経機能を評価し得る解析手段を具備するとともに、当該解析手段による心拍変動解析の結果に応じて前記判定手段による判定が行われることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の血液浄化装置において、前記心電図取得手段及び解析手段は、血液浄化治療中の患者の近傍に配設されたベッドサイド端末装置、又は血液浄化治療に関わる条件又は情報を送信し得る中央監視装置に配設されたことを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1〜7の何れか1つに記載の血液浄化装置において、前記報知手段は、前記算出手段で算出された算出値に基づいて推定される患者の状態を表示し得ることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、血圧検出手段による検出値に基づいて、少なくとも脈圧、平均血圧及び最低血圧を求める算出手段と、算出手段で求められた脈圧、平均血圧及び最低血圧がそれぞれ所定閾値を超えたか否か判定する判定手段と、判定手段にて脈圧、最低血圧又は平均血圧が所定閾値を超えたと判定されたことを条件として、当該脈圧、最低血圧又は平均血圧に応じた所定の報知を行わせる報知手段とを備えたので、血圧に関するパラメータを有効活用して患者の異常を精度よく報知することができる。
さらに、脈圧が所定閾値を超え、且つ、最低血圧及び平均血圧が所定閾値を超えない第1の状態と、当該脈圧が所定閾値を超え、且つ、最低血圧及び平均血圧の少なくとも一方が所定閾値を超えた第2の状態とで報知手段による危険度に関する報知形態を異ならせ、当該第2の状態の方が第1の状態より危険度が高い旨の報知を行わせるので、危険度の重み付け(危険度の軽重付け)を行って報知することができる。
請求項の発明によれば、算出手段は、脈圧、平均血圧及び最低血圧に加え、血圧検出手段による検出値に基づいて、最高血圧及び血液浄化治療開始からの最高血圧低下度を求めるものとされ、判定手段にて最高血圧及び最高血圧低下度が所定閾値を超えたか否か判定するとともに、報知手段にて最高血圧又は最高血圧低下度が所定閾値を超えたと判定されたことを条件として、当該最高血圧又は最高血圧低下度に応じた所定の報知を行わせるので、最高血圧及び最高血圧低下度を有効活用して患者の異常を精度よく報知することができる。
請求項の発明によれば、算出手段は、脈圧、平均血圧及び最低血圧に加え、血圧検出手段による検出値に基づいて、脈拍数及び該脈拍数に最高血圧を乗算して求められるPRPを求めるものとされ、判定手段にて脈拍数及びPRPが所定閾値を超えたか否か判定するとともに、報知手段にて脈拍数又はPRPが所定閾値を超えたと判定されたことを条件として、当該脈拍数又はPRPに応じた所定の報知を行わせるので、脈拍数及びPRPを有効活用して患者の異常を精度よく報知することができる。
請求項の発明によれば、報知手段は、血液浄化治療に関わる情報をリアルタイムに表示させ得る表示手段から成り、当該表示手段によって、算出手段で求められた算出値と血液浄化治療中の循環血液量の変化率とが併せて表示されるので、循環血液量の変化率と算出手段で求められた算出値とを関連させて監視することができる。
請求項の発明によれば、血液浄化治療中の患者の心電図を測定し得る心電図用測定手段と、該心電図用測定手段からの測定信号に基づいて心電図を得る心電図取得手段とを具備するとともに、判定手段にて心電図取得手段で取得された心電図に異常があるか否かを判定するとともに、心電図に異常があると判定されたことを条件として、報知手段にて当該心電図の異常に応じた所定の報知を行わせるので、血圧に関するパラメータに加え、心電図取得手段で取得された心電図を活用して患者の異常をより精度よく報知することができる。
請求項の発明によれば、心電図取得手段で取得された心電図に基づき心拍変動解析を行って自律神経機能を評価し得る解析手段を具備するとともに、当該解析手段による心拍変動解析の結果に応じて判定手段による判定が行われるので、自律神経機能を勘案した判定を行わせることができる。
請求項の発明によれば、心電図取得手段及び解析手段は、血液浄化治療中の患者の近傍に配設されたベッドサイド端末装置、又は血液浄化治療に関わる条件又は情報を送信し得る中央監視装置に配設されたので、従来の血液浄化装置が具備するベッドサイド端末装置又は中央監視装置を流用することができる。
請求項の発明によれば、報知手段は、算出手段で算出された算出値に基づいて推定される患者の状態を表示し得るので、算出手段で算出された算出値を単に表示させるものに比べ、医師等医療従事者に対して患者の状態をより容易に把握させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る血液浄化装置を示す模式図 同血液浄化装置における治療手段を示す模式図 同血液浄化装置における治療手段(透析装置本体)の内部構成を示す模式図 同血液浄化装置における透析装置本体の外観を示す斜視図 同血液浄化装置における制御内容を示すフローチャート 本発明の第2の実施形態に係る血液浄化装置を示す模式図 同血液浄化装置における制御内容を示すフローチャート
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
第1の実施形態に係る血液浄化装置は、図1に示すように、治療手段1と、血圧検出手段2と、入力手段3と、算出手段4と、判定手段5と、制御手段6と、表示手段7(本発明の「報知手段」に相当)とを主に有して構成されている。なお、本実施形態においては、透析装置本体Hに入力手段3、算出手段4、判定手段5、制御手段6及び表示手段7が配設されている。
本実施形態に係る治療手段1は、患者の血液を体外循環させつつ血液透析処理及び除水を行って血液浄化治療を行うためのものであり、図2、3に示すように、患者の血液を体外循環させるための血液回路8と、該血液回路8に接続されて血液透析処理を行うための血液浄化器としてのダイアライザ9と、該ダイアライザ9に接続されて透析液を供給しつつ除水する透析装置本体Hとから主に構成されている。
血液回路8は、血液等の液体を流通させ得る可撓性チューブから成り、動脈側血液回路8a及び静脈側血液回路8bを有して構成されている。動脈側血液回路8aには、その先端に動脈側穿刺針aが接続可能とされているとともに、途中にしごき型の血液ポンプ10、及びヘマトクリットセンサ12が配設されている。一方、静脈側血液回路8bには、その先端に静脈側穿刺針bが接続されているとともに、途中に除泡用のエアトラップチャンバ11が接続されている。
ヘマトクリットセンサ12は、例えばLED等の発光素子及びフォトダイオード等の受光素子を備え、発光素子から血液に所定波長の光を照射するとともに、その透過した光或いは反射した光を受光素子にて受光することにより、血液回路8内を流れる患者の血液の濃度を示すヘマトクリット値を測定するものである。なお、ヘマトクリット値とは、血液の濃度を示す指標であり、具体的には、全血に占める赤血球の容積率で表されるものである。
本実施形態においては、ヘマトクリットセンサ12で検出されたヘマトクリット値に基づいて循環血液量の変化率(ΔBV)を求めることができるよう構成されている。具体的には、ヘマトクリットセンサ12にて得られるヘマトクリット値をHtとおくと、循環血液量の変化率ΔBVは、(透析開始時のHt−測定時のHt)/測定時のHt×100なる演算式から求めることができる。これにより、透析治療時間経過に伴って患者の循環血液量の変化率(ΔBV)を逐次検出することができる。
しかして、動脈側穿刺針a及び静脈側穿刺針bを患者に穿刺した状態で、血液ポンプ10を駆動させると、患者の血液は、動脈側血液回路8aを通ってダイアライザ9に至り、該ダイアライザ9によって血液浄化が施され、エアトラップチャンバ11で除泡がなされつつ静脈側血液回路8bを通って患者の体内に戻る。これにより、患者の血液を血液回路8にて体外循環させつつダイアライザ9にて浄化することができるのである。
ダイアライザ9は、その筐体部に、血液導入ポート9a、血液導出ポート9b、透析液導入ポート9c及び透析液導出ポート9dが形成されており、このうち血液導入ポート9aには動脈側血液回路8aの基端が、血液導出ポート9bには静脈側血液回路8bの基端がそれぞれ接続されている。また、透析液導入ポート9c及び透析液導出ポート9dは、透析装置本体Hから延設された透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2とそれぞれ接続されている。
ダイアライザ9の筐体部内には、複数の中空糸が収容されており、該中空糸内部が血液の流路とされるとともに、中空糸外周面と筐体部の内周面との間が透析液の流路とされている。中空糸には、その外周面と内周面とを貫通した微少な孔(ポア)が多数形成されて中空糸膜を形成しており、該膜を介して血液中の不純物等が透析液内に透過し得るよう構成されている。
透析装置本体Hは、図3に示すように、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2に跨って形成された複式ポンプPと、透析液排出ラインL2において複式ポンプPを迂回して接続されたバイパスラインL3と、該バイパスラインL3に接続された除水ポンプ13とを有して構成されている。そして、透析液導入ラインL1の一端がダイアライザ9(透析液導入ポート9c)に接続されるとともに、他端が所定濃度の透析液を調製する透析液供給装置(不図示)に接続されている。また、透析液排出ラインL2の一端は、ダイアライザ9(透析液導出ポート9d)に接続されるとともに、他端が排液手段(不図示)と接続されており、透析液供給装置から供給された透析液が透析液導入ラインL1を通ってダイアライザ9に至った後、透析液排出ラインL2及びバイパスラインL3を通って排液手段に送られるようになっている。
除水ポンプ13は、ダイアライザ9中を流れる患者の血液から水分を除去するためのものである。すなわち、除水ポンプ13を駆動させると、透析液導入ラインL1から導入される透析液量よりも透析液排出ラインL2から排出される液体の容量が多くなり、その多い容量分だけ血液中から水分が除去されるのである。なお、除水ポンプ13以外の手段(例えば所謂バランシングチャンバ等を利用するもの)にて患者の血液から水分を除去するようにしてもよい。
なお、透析装置本体H内における透析液排出ラインL2に排液濃度センサを配設してもよい。この排液濃度センサは、血液浄化に伴って流れる液体(本実施形態においては、血液浄化器としてのダイアライザ9から排出された排液)の濃度(例えば、排液に含まれる尿素、尿酸等の物質濃度)を検出し得るものである。かかる排液濃度センサによれば、検出した排液の濃度変化に基づいて標準化透析量(Kt/V)を求めることができ、透析治療時間経過に伴って標準化透析量(Kt/V)を逐次検出することができる。
透析装置本体Hは、図4に示すように、血液浄化治療に関わる情報をリアルタイムに表示させ得る表示手段7を具備している。この表示手段7は、例えばタッチパネル式の液晶画面に種々情報を表示し得るもので、制御手段6(図1参照)にて表示内容が制御される。例えば、表示手段7の液晶画面には、治療中に逐次算出されたΔBVのグラフを時系列に表示させるとともに、現在のΔBV、ΔBVの変化率等が数値として表示させることができる。
ここで、本実施形態に係る血液浄化装置には、血液浄化治療中の患者の血圧及び脈拍を検出し得る血圧検出手段2が接続されている。かかる血圧検出手段2は、患者の腕にカフを巻き付けて、その患者の血圧(最高血圧及び最低血圧等の血圧に関するパラメータ)及び脈拍を測定し得る血圧計から成り、透析装置本体Hに配設された入力手段3と電気的に接続されている。因みに、心拍とは心臓の拍動を、脈拍とは心臓が血液を全身に送る際に生じる動脈の脈動を指すもので、両者は原則として同一値になることが多いが、不整脈等により、両者が一致しないこともある。
なお、本実施形態に係る血圧検出手段2は、患者の腕に巻かれて血圧及び脈拍を検出し得るカフ等から成り、その検出結果を入力手段3を介して算出手段4に送信し、算出手段4により、血液浄化治療中、間歇的に血圧及び脈拍を得るものとされているが、これに代えて、血圧検出手段2内に算出手段4を内蔵させたものとしてもよい。さらに、血圧検出手段2は、連続的且つリアルタイムで血圧及び脈拍を測定し得るものとしてもよく、例えば外部接続する生体情報モニタリング機器等を用いて血圧及び脈拍を連続的且つリアルタイムで測定することにより、より精度よく患者の異常を判定することができる。
入力手段3は、血圧検出手段2からの検出値を受信するもので、算出手段4と電気的に接続されており、血圧検出手段2からの検出値を入力手段3を介して算出手段4に送信し得るようになっている。算出手段4は、血圧検出手段2による検出値に基づいて、少なくとも脈圧、平均血圧及び最低血圧を求めるもので、本実施形態においては、当該脈圧、平均血圧及び最低血圧の他、最高血圧、最高血圧低下度、脈拍数及びPRPをそれぞれ算出するよう構成されている。
最高血圧は、心臓の収縮期血圧、及び最低血圧は、心臓の拡張期血圧から成り、それぞれ血圧検出手段2にて測定された血圧の最高値及び最低値を示すものである。このうち、最低血圧は、交感神経が抗進することで血管が収縮するため比較的維持されるとともに、心臓の拡張期で冠動脈に血液が流れるため、冠動脈血流量の指標となり得る。最高血圧低下度は、血液浄化治療開始から測定時点までに最高血圧が低下した程度を示すもので、「血液浄化治療開始時の最高血圧−現在の最高血圧」なる演算式で求めることができる。
平均血圧は、最低血圧+(脈圧/3)(脈圧は、下記の通り、「最高血圧−最低血圧」なる演算式で求められる)なる演算式で求めることができ、末梢の動脈硬化の指標として用いることができる。この平均血圧は、血管内に血液を流す力を示すことから、重要臓器の血流状態の指標となり得る。脈圧は、最高血圧−最低血圧なる演算式(最高血圧と最低血圧との差)で求めることができ、中枢の動脈硬化の指標として用いることができる。この脈圧は、最高血圧よりも敏感に循環血液量や心拍数を反映することから、循環管理に適した指標となり得る。
PRPは、最高血圧×脈拍数なる演算式(最高血圧と心拍数の積)で求めることができ、非侵襲的に心筋酸素消費量の指標を得ることができる。運動負荷心電図検査等で使用されており、心臓の労作強度を計測するパラメータとして知られている。透析治療(血液浄化治療)においても、循環動態が大きく変化しており、心臓に対する負担が増大しているため、有用なパラメータの一つである。
上記のように、最高血圧及び最低血圧のみならず、平均血圧、脈圧及びPRP等を算出して血液浄化治療時の監視に用いることは、血圧低下の予測に有効であり、このとき、脈拍及び脈拍数も同時に検出及び算出することができるので、より監視の精度を向上させることができる。なお、脈拍数で収縮期血圧を除算(最高血圧/脈拍数)することで得られるショック指数を利用してもよい。このショック指数は、循環血液量減少性ショックの重症度を把握するために用いることができる。
判定手段5は、算出手段4と電気的に接続され、当該算出手段4で求められた脈圧、平均血圧及び最低血圧(本実施形態においては、脈圧、平均血圧及び最低血圧に加えて、脈拍数、PRP、最高血圧及び最高血圧低下度)がそれぞれ所定閾値を超えたか否か判定するものである。所定閾値は、判定対象である血圧のパラメータに応じて予め定められたもので、異常値と正常値との境界値とされている。
制御手段6は、表示手段7の表示内容を制御するためのもので、治療手段1、判定手段5及び表示手段7と電気的に接続されるとともに、治療手段1の作動状態や設定状態、判定手段5による判定結果等を表示手段7の画面に表示させ得るよう構成されている。表示手段7は、本発明の報知手段を構成するもので、判定手段5にて脈圧、最低血圧又は平均血圧等(本実施形態においては、脈圧、平均血圧及び最低血圧に加えて、脈拍数、PRP、最高血圧及び最高血圧低下度)が所定閾値を超えたと判定されたことを条件として、当該脈圧、最低血圧又は平均血圧等に応じた所定の報知(表示による報知)を行わせるものである。
さらに、本実施形態においては、脈圧が所定閾値を超え、且つ、最低血圧及び平均血圧が所定閾値を超えない第1の状態と、当該脈圧が所定閾値を超え、且つ、最低血圧及び平均血圧の少なくとも一方が所定閾値を超えた第2の状態とで表示手段7(報知手段)による危険度に関する報知形態を異ならせ、当該第2の状態の方が第1の状態より危険度が高い旨の報知を行わせるようになっている。
またさらに、本実施形態に係る報知手段は、血液浄化治療に関わる情報をリアルタイムに表示させ得る表示手段7から成り、当該表示手段7によって、算出手段4で求められた算出値と血液浄化治療中の循環血液量の変化率(ΔBV)とが併せて表示されるようになっている。すなわち、表示手段7には、血液浄化治療中の循環血液量の変化率(ΔBV)と併せて、患者の脈圧、平均血圧及び最低血圧の他、最高血圧、最高血圧低下度、脈拍数及びPRP等の血圧に関する種々パラメータが表示可能とされているのである。
次に、本実施形態に係る血液浄化装置における判定手段5の判定方法について、図5のフローチャートに基づいて説明する。
まず、血圧検出手段2の検出値に基づいて算出手段4で算出された脈拍数が所定閾値(例えば100(bpm))を超えたか否かが判定され(S1)、所定閾値を超えたと判定されると、患者が頻脈状態である旨を表示手段7にて表示して報知する(S2)。その後、算出手段4で算出されたPRPが所定閾値(例えば12000)を超えたか否かが判定され(S3)、所定閾値を超えたと判定されると、患者が心筋虚血状態の可能性がある旨を表示手段7にて表示して報知する(S4)。なお、PRPが所定閾値を超えない場合、S4をスキップしてS5に進む。
一方、S1にて脈拍数が所定閾値を超えていないと判定されると、S17に進み、脈拍数が所定閾値(S1で判定される所定閾値より低い値であって、例えば50(bpm))を超えたか否かが判定され(S17)、所定閾値を超えない場合、S18にて患者が徐脈状態である旨を表示手段7にて表示して報知した後、一連の制御を終了させる。なお、S17にて脈拍数が所定閾値を超えたと判定されると、S5に進むこととなる。
S5においては、血圧検出手段2の検出値に基づいて算出手段4で算出された最高血圧が所定閾値(例えば90(mmHg))を超えたか否かが判定され、所定閾値を超えた(この場合、所定閾値を下回った)と判定されると、患者の最高血圧が低下した状態である旨を表示手段7にて表示して報知する(S6)とともに、所定値を超えない(この場合、所定閾値を上回った)と判定されると、S6をスキップしてS7に進む。
S7においては、血圧検出手段2の検出値に基づいて算出手段4で算出された最高血圧低下度が所定閾値(例えば30(mmHg))を超えたか否かが判定され、所定閾値を超えたと判定されると、患者の最高血圧低下度を表示手段7にて表示して報知する(S8)とともに、所定値を超えないと判定されると、S8をスキップしてS9に進む。
S9においては、血圧検出手段2の検出値に基づいて算出手段4で算出された脈圧(循環動態の指標)が所定閾値(例えば30(mmHg))を超えたか否かが判定され、所定閾値を超えた(この場合、所定閾値を下回った)と判定されると、患者が脈圧低下状態である旨を表示手段7にて表示して報知する(S10)とともに、所定値を超えない(この場合、所定閾値を上回った)と判定されると、S10をスキップしてS11、S13に進む。ここで、本実施形態においては、S10にて、患者の治療中における危険度が中程度として報知するよう構成されている。
S11においては、血圧検出手段2の検出値に基づいて算出手段4で算出された平均血圧(重要臓器の血流量の指標)が所定閾値(例えば60(mmHg))を超えたか否かが判定され、所定閾値を超えた(この場合、所定閾値を下回った)と判定されると、患者が平均血圧低下状態である旨を表示手段7にて表示して報知する(S12)とともに、所定値を超えない(この場合、所定閾値を上回った)と判定されると、S12をスキップしてS15に進む。
S13においては、血圧検出手段2の検出値に基づいて算出手段4で算出された最低血圧(冠動脈血流量の指標)が所定閾値(例えば40(mmHg))を超えたか否かが判定され、所定閾値を超えた(この場合、所定閾値を下回った)と判定されると、患者が最低血圧低下状態である旨を表示手段7にて表示して報知する(S14)とともに、所定値を超えない(この場合、所定閾値を上回った)と判定されると、S14をスキップしてS15に進む。
S15においては、S10による報知が行われ、且つ、S12による報知又はS14による報知が行われたか否かが判定され、S10による報知が行われ、且つ、S12による報知又はS14による報知が行われたと判定されると、S16にて患者の治療中における危険度が高い状態として報知するとともに、S10による報知が行われ、且つ、S12による報知及びS14による報知が行われない場合、S16をスキップして一連の制御が終了するよう構成されている。すなわち、脈圧が所定閾値を超え、且つ、最低血圧及び平均血圧が所定閾値を超えない第1の状態と、当該脈圧が所定閾値を超え、且つ、最低血圧及び平均血圧の少なくとも一方が所定閾値を超えた第2の状態とで表示手段7(報知手段)による危険度に関する報知形態を異ならせ、当該第2の状態の方が第1の状態より危険度が高い旨の報知を行わせるようになっているのである。
上記実施形態によれば、血圧検出手段2による検出値に基づいて、少なくとも脈圧、平均血圧及び最低血圧を求める算出手段4と、算出手段4で求められた脈圧、平均血圧及び最低血圧がそれぞれ所定閾値を超えたか否か判定する判定手段5と、判定手段5にて脈圧、最低血圧又は平均血圧が所定閾値を超えたと判定されたことを条件として、当該脈圧、最低血圧又は平均血圧に応じた所定の報知を行わせる表示手段7(報知手段)とを備えたので、血圧に関するパラメータを有効活用して患者の異常を精度よく報知することができる。
また、脈圧が所定閾値を超え、且つ、最低血圧及び平均血圧が所定閾値を超えない第1の状態と、当該脈圧が所定閾値を超え、且つ、最低血圧及び平均血圧の少なくとも一方が所定閾値を超えた第2の状態とで報知手段による危険度に関する報知形態を異ならせ、当該第2の状態の方が第1の状態より危険度が高い旨の報知を行わせるので、危険度の重み付け(危険度の軽重付け)を行って報知することができる。
さらに、本実施形態に係る算出手段4は、脈圧、平均血圧及び最低血圧に加え、血圧検出手段2による検出値に基づいて、最高血圧及び血液浄化治療開始からの最高血圧低下度を求めるものとされ、判定手段5にて最高血圧及び最高血圧低下度が所定閾値を超えたか否か判定するとともに、表示手段7(報知手段)にて最高血圧又は最高血圧低下度が所定閾値を超えたと判定されたことを条件として、当該最高血圧又は最高血圧低下度に応じた所定の報知を行わせるので、最高血圧及び最高血圧低下度を有効活用して患者の異常を精度よく報知することができる。
またさらに、本実施形態に係る算出手段4は、脈圧、平均血圧及び最低血圧に加え、血圧検出手段2による検出値に基づいて、脈拍数及び該脈拍数に最高血圧を乗算して求められるPRPを求めるものとされ、判定手段5にて脈拍数及びPRPが所定閾値を超えたか否か判定するとともに、表示手段7(報知手段)にて脈拍数又はPRPが所定閾値を超えたと判定されたことを条件として、当該脈拍数又はPRPに応じた所定の報知を行わせるので、脈拍数及びPRPを有効活用して患者の異常を精度よく報知することができる。
特に、本実施形態に係る報知手段は、血液浄化治療に関わる情報をリアルタイムに表示させ得る表示手段7から成り、当該表示手段7によって、算出手段4で求められた算出値と血液浄化治療中の循環血液量の変化率とが併せて表示されるので、循環血液量の変化率と算出手段で求められた算出値とを関連させて監視することができる。なお、本実施形態においては、報知手段が表示手段7にて構成されているが、他の手段(スピーカや別途設けられたモニタ等)であってもよい。
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る血液浄化装置は、図6に示すように、治療手段1と、血圧検出手段2と、入力手段3と、算出手段4と、判定手段5と、制御手段6と、表示手段7(本発明の「報知手段」に相当)とを主に有するとともに、心電図用測定手段14と、入力手段15と、心電図取得手段16と、解析手段17と、出力手段18とを有して構成されている。なお、本実施形態においては、透析装置本体Hとは別個の外部情報処理装置Lに入力手段15、心電図取得手段16、解析手段17及び出力手段18が配設されている。また、第1の実施形態と同様の構成要素には、同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
心電図用測定手段14は、患者の皮膚に密着して取り付けられ、その患者の心電図(生体情報)を測定し得るもので、心臓を挟んだ位置にそれぞれ密着して取り付けられる少なくとも一対の電極で構成されるとともに、入力手段15に電気的に接続されている。入力手段15は、心電図取得手段16と電気的に接続されたもので、心電図用測定手段14からの測定信号を心電図取得手段16に送信可能とされている。かかる心電図取得手段16は、心電図用測定手段14からの測定信号に基づいて、血液浄化治療中の患者の心電図をリアルタイムに得るよう構成されている。
解析手段17は、心電図取得手段16で取得された心電図に基づき心拍変動解析を行って自律神経機能を評価し得るもので、後述するように、当該解析手段17による心拍変動解析の結果に応じて判定手段5による判定が行われるよう構成されている。出力手段18は、入力手段3に電気的に接続されたもので、心電図用測定手段14で取得された心電図及び解析手段17による心拍変動解析の結果等の外部情報を出力することにより、当該外部情報を入力手段3にて入力させ得るよう構成されている。なお、入力手段3と出力手段18とは、配線にて接続されるものの他、無線等で接続されていてもよい。
ここで、本実施形態に係る血液浄化装置においては、判定手段5にて心電図取得手段16で取得された心電図に異常があるか否かを判定するとともに、心電図に異常があると判定されたことを条件として、表示手段7(報知手段)にて当該心電図の異常に応じた所定の報知を行わせるよう構成されている。また、本実施形態おいては、心電図取得手段16で取得された心電図に基づき心拍変動解析を行って自律神経機能を評価し得る解析手段17を具備するとともに、当該解析手段17による心拍変動解析の結果に応じて判定手段5による判定が行われるようになっている。
次に、本実施形態に係る血液浄化装置における判定手段5の判定方法について、図7のフローチャートに基づいて説明する。
まず、心電図用測定手段14で得られた心電図に基づいたST測定値が正常であるか否かが判定され(S1)、当該ST値が異常であると判定されると、患者が心筋虚血状態の可能性がある旨を表示手段7にて表示して報知する(S2)とともに、正常であると判定されると、S2をスキップしてS3に進む。なお、S2の報知により、心電図の異常により心原性ショックか否かが判定されることとなる。
S3においては、心電図用測定手段14で得られた心電図に基づき不整脈の発生頻度が判定され、発生頻度が多いと判定されると、患者が不整脈頻発状態である旨を表示手段7にて表示して報知する(S4)とともに、発生頻度が少ないと判定されると、S9に進み、解析手段17による心拍変動解析の結果、交感神経が亢進した状態であるか、或いは副交感神経が亢進した状態であるか判定される。そして、S19にて交感神経亢進と判定されると、S20に進み、副交感神経亢進と判定されると、S22に進む。
S20においては、心拍数が所定閾値(例えば100(bpm))を超えたか否かが何低され、所定閾値を超えたと判定されると、患者が頻脈状態である旨を表示手段7にて表示して報知する(S21)とともに、所定閾値を超えないと判定されると、S21をスキップしてS5に進む。また、S22においては、心拍数が所定閾値(S20で判定される所定閾値より低い値であって、例えば50(bpm))を超えたか否かが判定され、所定閾値を超えない場合、S23にて患者が徐脈状態である旨を表示手段7にて表示して報知した後、一連の制御を終了させる。なお、S22にて心拍数が所定閾値を超えたと判定されると、S7に進むこととなる。
一方、算出手段4で算出されたPRPが所定閾値(例えば12000)を超えたか否かが判定され(S5)、所定閾値を超えたと判定されると、患者が心筋虚血状態の可能性がある旨を表示手段7にて表示して報知する(S6)。なお、PRPが所定閾値を超えない場合、S6をスキップしてS7に進む。
S7においては、血圧検出手段2の検出値に基づいて算出手段4で算出された最高血圧が所定閾値(例えば90(mmHg))を超えたか否かが判定され、所定閾値を超えた(この場合、所定閾値を下回った)と判定されると、患者の最高血圧が低下した状態である旨を表示手段7にて表示して報知する(S8)とともに、所定値を超えない(この場合、所定閾値を上回った)と判定されると、S8をスキップしてS9に進む。
S9においては、血圧検出手段2の検出値に基づいて算出手段4で算出された最高血圧低下度が所定閾値(例えば30(mmHg))を超えたか否かが判定され、所定閾値を超えたと判定されると、患者の最高血圧低下度を表示手段7にて表示して報知する(S10)とともに、所定値を超えないと判定されると、S10をスキップしてS11に進む。
S11においては、血圧検出手段2の検出値に基づいて算出手段4で算出された脈圧(循環動態の指標)が所定閾値(例えば30(mmHg))を超えたか否かが判定され、所定閾値を超えた(この場合、所定閾値を下回った)と判定されると、患者が脈圧低下状態である旨を表示手段7にて表示して報知する(S12)とともに、所定値を超えない(この場合、所定閾値を上回った)と判定されると、S12をスキップしてS13、S15に進む。ここで、本実施形態においては、S12にて、患者の治療中における危険度が中程度として報知するよう構成されている。
S13においては、血圧検出手段2の検出値に基づいて算出手段4で算出された平均血圧(重要臓器の血流量の指標)が所定閾値(例えば60(mmHg))を超えたか否かが判定され、所定閾値を超えた(この場合、所定閾値を下回った)と判定されると、患者が平均血圧低下状態である旨を表示手段7にて表示して報知する(S14)とともに、所定値を超えない(この場合、所定閾値を上回った)と判定されると、S14をスキップしてS17に進む。
S15においては、血圧検出手段2の検出値に基づいて算出手段4で算出された最低血圧(冠動脈血流量の指標)が所定閾値(例えば40(mmHg))を超えたか否かが判定され、所定閾値を超えた(この場合、所定閾値を下回った)と判定されると、患者が最低血圧低下状態である旨を表示手段7にて表示して報知する(S16)とともに、所定値を超えない(この場合、所定閾値を上回った)と判定されると、S16をスキップしてS17に進む。
S17においては、S12による報知が行われ、且つ、S14による報知又はS16による報知が行われたか否かが判定され、S12による報知が行われ、且つ、S14による報知又はS16による報知が行われたと判定されると、S18にて患者の治療中における危険度が高い状態として報知するとともに、S12による報知が行われ、且つ、S14による報知及びS16による報知が行われない場合、S18をスキップして一連の制御が終了するよう構成されている。すなわち、脈圧が所定閾値を超え、且つ、最低血圧及び平均血圧が所定閾値を超えない第1の状態と、当該脈圧が所定閾値を超え、且つ、最低血圧及び平均血圧の少なくとも一方が所定閾値を超えた第2の状態とで表示手段7(報知手段)による危険度に関する報知形態を異ならせ、当該第2の状態の方が第1の状態より危険度が高い旨の報知を行わせるようになっているのである。
上記実施形態によれば、第1の実施形態の効果の他、血液浄化治療中の患者の心電図を測定し得る心電図用測定手段14と、該心電図用測定手段14からの測定信号に基づいて心電図を得る心電図取得手段16とを具備するとともに、判定手段5にて心電図取得手段16で取得された心電図に異常があるか否かを判定するとともに、心電図に異常があると判定されたことを条件として、表示手段7(報知手段)にて当該心電図の異常に応じた所定の報知を行わせるので、血圧に関するパラメータに加え、心電図取得手段16で取得された心電図を活用して患者の異常をより精度よく報知することができる。
また、本実施形態によれば、心電図取得手段16で取得された心電図に基づき心拍変動解析を行って自律神経機能を評価し得る解析手段17を具備するとともに、当該解析手段17による心拍変動解析の結果に応じて判定手段5による判定が行われるので、自律神経機能を勘案した判定を行わせることができる。なお、解析手段17による解析を行わず、専ら心電図取得手段16で取得した心電図の情報を出力手段18及び入力手段3を介して算出手段4、判定手段5等に送信するようにしてもよい。
さらに、外部情報処理装置Lは、血液浄化装置に血液浄化治療に関わる条件又は情報を送信し得る中央監視装置、又は血液浄化治療中の患者の近傍に配設されたベッドサイド端末装置(例えば、ベッドサイドモニタ等)から成るものとしてもよい。外部情報処理装置Lを中央監視装置又はベッドサイド端末装置とした場合、従来の血液浄化装置が具備するベッドサイド端末装置又は中央監視装置を流用することができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば算出手段4で算出されるとともに判定手段5で判定される血圧に関するパラメータは、少なくとも脈圧、平均血圧及び最低血圧であれば足り、他のパラメータに関しては任意のものとすることができる。特に、第2の実施形態における入力手段15、心電図取得手段16、解析手段17及び出力手段18を透析装置本体Hに備えるものとし、外部情報処理装置Lを経由しないものとしてもよい。
また、報知手段(本実施形態においては表示手段7)は、算出手段4で算出された算出値に基づいて推定される患者の状態を表示し得るものとしてもよく、例えば脈圧が所定閾値を超えた場合、「循環血液量又は心拍出量の低下」なる表示、平均血圧が所定閾値を超えた場合、「重要臓器への血流量低下」なる表示、最低血圧が所定閾値を超えた場合、「冠動脈血流量の低下」「血圧が維持できない虞がある」なる表示等を行って報知してもよい。このように、算出手段4で算出された算出値に基づいて推定される患者の状態を表示手段7(報知手段)にて表示するようにすれば、算出手段4で算出された算出値を単に表示させるものに比べ、医師等医療従事者に対して患者の状態をより容易に把握させることができる。
さらに、報知手段による報知に加え、治療手段1による所定の動作を停止(例えば、脈圧が所定閾値を超えた場合、除水ポンプ13を停止させる等)させるようにしてもよい。なお、本実施形態に係る血液浄化装置は、血液透析治療を行うための血液透析装置に適用されているが、他の形態の血液浄化治療を行うための血液浄化装置であってもよい。
血圧検出手段による検出値に基づいて、少なくとも脈圧、平均血圧及び最低血圧を求める算出手段と、該算出手段で求められた脈圧、平均血圧及び最低血圧がそれぞれ所定閾値を超えたか否か判定する判定手段と、該判定手段にて脈圧、最低血圧又は平均血圧が所定閾値を超えたと判定されたことを条件として、当該脈圧、最低血圧又は平均血圧に応じた所定の報知を行わせる報知手段とを備え、脈圧が所定閾値を超え、且つ、最低血圧及び平均血圧が所定閾値を超えない第1の状態と、当該脈圧が所定閾値を超え、且つ、最低血圧及び平均血圧の少なくとも一方が所定閾値を超えた第2の状態とで報知手段による危険度に関する報知形態を異ならせ、当該第2の状態の方が第1の状態より危険度が高い旨の報知を行わせる血液浄化装置、或いは、血圧検出手段による検出値に基づいて、少なくとも脈圧、平均血圧及び最低血圧を求める算出手段と、該算出手段で求められた脈圧、平均血圧及び最低血圧がそれぞれ所定閾値を超えたか否か判定する判定手段と、該判定手段にて脈圧、最低血圧又は平均血圧が所定閾値を超えたと判定されたことを条件として、当該脈圧、最低血圧又は平均血圧に応じた所定の報知を行わせる報知手段とを備え、算出手段は、脈圧、平均血圧及び最低血圧に加え、血圧検出手段による検出値に基づいて、脈拍数及び該脈拍数に最高血圧を乗算して求められるPRPを求めるものとされ、判定手段にて脈拍数及びPRPが所定閾値を超えたか否か判定するとともに、報知手段にて脈拍数又はPRPが所定閾値を超えたと判定されたことを条件として、当該脈拍数又はPRPに応じた所定の報知を行わせる血液浄化装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
1 治療手段
2 血圧検出手段
3 入力手段
4 算出手段
5 判定手段
6 制御手段
7 表示手段
8 血液回路
9 ダイアライザ(血液浄化手段)
10 血液ポンプ
11 エアトラップチャンバ
12 ヘマトクリットセンサ
13 除水ポンプ
14 心電図用測定手段
15 入力手段
16 心電図取得手段
17 解析手段
18 出力手段

Claims (8)

  1. 体外循環する患者の血液を浄化して血液浄化治療を行い得る治療手段と、
    血液浄化治療中の患者の血圧及び脈拍を検出し得る血圧検出手段と、
    を備えた血液浄化装置において、
    前記血圧検出手段による検出値に基づいて、少なくとも脈圧、平均血圧及び最低血圧を求める算出手段と、
    該算出手段で求められた前記脈圧、平均血圧及び最低血圧がそれぞれ所定閾値を超えたか否か判定する判定手段と、
    該判定手段にて前記脈圧、最低血圧又は平均血圧が所定閾値を超えたと判定されたことを条件として、当該脈圧、最低血圧又は平均血圧に応じた所定の報知を行わせる報知手段と、
    を備え、前記脈圧が所定閾値を超え、且つ、前記最低血圧及び平均血圧が所定閾値を超えない第1の状態と、当該脈圧が所定閾値を超え、且つ、最低血圧及び平均血圧の少なくとも一方が所定閾値を超えた第2の状態とで前記報知手段による危険度に関する報知形態を異ならせ、当該第2の状態の方が第1の状態より危険度が高い旨の報知を行わせることを特徴とする血液浄化装置。
  2. 前記算出手段は、前記脈圧、平均血圧及び最低血圧に加え、前記血圧検出手段による検出値に基づいて、最高血圧及び血液浄化治療開始からの最高血圧低下度を求めるものとされ、前記判定手段にて前記最高血圧及び最高血圧低下度が所定閾値を超えたか否か判定するとともに、前記報知手段にて前記最高血圧又は最高血圧低下度が所定閾値を超えたと判定されたことを条件として、当該最高血圧又は最高血圧低下度に応じた所定の報知を行わせることを特徴とする請求項1記載の血液浄化装置。
  3. 体外循環する患者の血液を浄化して血液浄化治療を行い得る治療手段と、
    血液浄化治療中の患者の血圧及び脈拍を検出し得る血圧検出手段と、
    を備えた血液浄化装置において、
    前記血圧検出手段による検出値に基づいて、少なくとも脈圧、平均血圧及び最低血圧を求める算出手段と、
    該算出手段で求められた前記脈圧、平均血圧及び最低血圧がそれぞれ所定閾値を超えたか否か判定する判定手段と、
    該判定手段にて前記脈圧、最低血圧又は平均血圧が所定閾値を超えたと判定されたことを条件として、当該脈圧、最低血圧又は平均血圧に応じた所定の報知を行わせる報知手段と、
    を備え、前記算出手段は、前記脈圧、平均血圧及び最低血圧に加え、前記血圧検出手段による検出値に基づいて、脈拍数及び該脈拍数に最高血圧を乗算して求められるPRPを求めるものとされ、前記判定手段にて前記脈拍数及びPRPが所定閾値を超えたか否か判定するとともに、前記報知手段にて前記脈拍数又はPRPが所定閾値を超えたと判定されたことを条件として、当該脈拍数又はPRPに応じた所定の報知を行わせることを特徴とする血液浄化装置。
  4. 前記報知手段は、血液浄化治療に関わる情報をリアルタイムに表示させ得る表示手段から成り、当該表示手段によって、前記算出手段で求められた算出値と血液浄化治療中の循環血液量の変化率とが併せて表示されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の血液浄化装置。
  5. 血液浄化治療中の患者の心電図を測定し得る心電図用測定手段と、
    該心電図用測定手段からの測定信号に基づいて心電図を得る心電図取得手段と、
    を具備するとともに、前記判定手段にて前記心電図取得手段で取得された心電図に異常があるか否かを判定するとともに、前記心電図に異常があると判定されたことを条件として、前記報知手段にて当該心電図の異常に応じた所定の報知を行わせることを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の血液浄化装置。
  6. 前記心電図取得手段で取得された心電図に基づき心拍変動解析を行って自律神経機能を評価し得る解析手段を具備するとともに、当該解析手段による心拍変動解析の結果に応じて前記判定手段による判定が行われることを特徴とする請求項記載の血液浄化装置。
  7. 前記心電図取得手段及び解析手段は、血液浄化治療中の患者の近傍に配設されたベッドサイド端末装置、又は血液浄化治療に関わる条件又は情報を送信し得る中央監視装置に配設されたことを特徴とする請求項記載の血液浄化装置。
  8. 前記報知手段は、前記算出手段で算出された算出値に基づいて推定される患者の状態を表示し得ることを特徴とする請求項1〜7の何れか1つに記載の血液浄化装置。
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