JP6496549B2 - 脊髄性筋萎縮症における誘発されたエクソン包含 - Google Patents

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Description

本発明は、脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置としてエクソン包含を誘発するためのアンチセンス化合物の使用に関する。より具体的には、本発明は、生存運動ニューロン(SMN)遺伝子によってコードされた生存運動ニューロン(SMN)タンパク質のレベルを回復するためのエクソン7包含の誘発に関する。
選択的スプライシングは、1つの遺伝子から複数のタンパク質を産生することによってヒトゲノムのコーディングポテンシャルを増大する。更に、ヒト疾患の数の増大にも関連する。
SMAは、生存運動ニューロンSMN遺伝子によってコードされたSMNタンパク質の損失の結果生じる、しばしば致命的となる遺伝性疾患である。SMN遺伝子、SMN1及びSMN2は染色体5上に位置し、SMAは両方の染色体からSMN1が失われることによって引き起こされる。SMN2はSMN1とほぼ同一であるが、SMNタンパク質の生成における有効性がより低い。SMAの重症度は、SMN2(数個のコピーが存在する)がSMNタンパク質を産生する効率によって影響される。
SMN1は、細胞生存に不可欠なプロセスであるsnRNPアセンブリに必要な、遍在的に発現する38kDaのSMNタンパク質をコードする。この遺伝子のほぼ同一のコピーであるSMN2は、エクソン7スキッピングにより、不安定なトランケート型タンパク質であるSMNΔ7を産生することから、SMN1の損失を補正できない。SMN1とSMN2は、エクソン7の6位(SMN2転写物のC6U)における重要なC→T置換によって異なる。C6Uはコード配列を変更しないが、SMN2においてエクソン7スキッピングを引き起こすには十分である。
現在のSMAの処置は、長期的な運動単位損失の二次的影響の防止及び管理からなる。現在、SMAの処置又は予防に使用できる薬物療法は存在しない。
アンチセンス技術は、ほとんどがRNA下方制御に使用されるが、最近はスプライシングプロセスの変更に適応されている。SMN2プレmRNAのスプライシングを変更できる有効な作用剤は、治療的に有用である可能性が高い。
本出願は、細胞内のエクソン7含有SMN2mRNAのエクソン欠失SMN2mRNAに対するレベルを増強する方法であって、SMN2遺伝子内の一領域に特異的にハイブリダイズするのに十分な長さ及び相補性のアンチセンスオリゴヌクレオチドに細胞を接触させて、細胞内のエクソン7含有SMN2mRNAのエクソン欠失SMN2mRNAに対するレベルを増強する工程を含み、このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、生理学的pHにおいて正に荷電したヌクレオシドを少なくとも1つ有する、方法に関する。
一実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、約4.5〜約12のpKaを示す少なくとも1つのヌクレオシド間結合を有する。好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、塩基性窒素とアルキル、アリール、又はアラルキル基との両方を含有するヌクレオシド間結合を有する。他の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドはモルホリノを含む。
他の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、次式:

を有するヌクレオチドを少なくとも1つ包含し、式中、Nuは核酸塩基であり;
は次式

の部分であり、qは0、1、2、3又は4であり;
は、水素、C〜Cアルキル、ホルムアミジニル部分からなる群から選択され、かつ
は、水素及びC〜Cアルキルからなる群から選択されるか、又は
及びRは、結合して、任意追加的に酸素ヘテロ原子を含有する5〜7員の複素環を形成し、この環は任意追加的にC〜Cアルキル、フェニル、ハロゲン、及びアラルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;
は、不在、水素、C〜Cアルキル及びアラルキルからなる群から選択され;
は、HO−、ヌクレオチド、膜透過性ペプチド部分、及びピペラジニルからなる群から選択され;
は、水素、C〜Cアルキル、ヌクレオチド、ペプチド部分、アミノ酸、ホルムアミジニル部分、及びアシルからなる群から選択され;
は、不在、水素、C〜Cアルキル、及びアシル;並びにこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群から選択される。
好ましくは、Nuは、アデニン、グアニン、チミン、ウラシル、シトシン、及びヒポキサンチンからなる群から選択される。
細胞内のエクソン7含有SMN2mRNAのエクソン欠失SMN2mRNAに対するレベルを増強する別の方法は、SMN2遺伝子内の一領域に特異的にハイブリダイズするのに十分な長さ及び相補性のアンチセンスオリゴヌクレオチドに細胞を接触させて、細胞内のエクソン7含有SMN2mRNAのエクソン欠失SMN2mRNAに対するレベルを増強する工程を含み、このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、次式:

を有するヌクレオシドを少なくとも1つ有し、式中、Rx、Ry、Rz、及びNuは上述の通りである。
別の実施形態において、細胞内のエクソン7含有SMN2mRNAのエクソン欠失SMN2mRNAに対するレベルを増強する方法は、SMN2遺伝子内の一領域、例えばSMN2遺伝子のエクソン7、イントロン7、又はエクソン8内の一領域(又はスプライスジャンクションに広がる領域)に特異的にハイブリダイズするのに十分な長さ及び相補性のアンチセンスオリゴヌクレオチドに細胞を接触させて、細胞内のエクソン7含有SMN2mRNAのエクソン欠失SMN2mRNAに対するレベルを増強する工程を含む。好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、SMN2遺伝子のイントロン7に相補的又はSMN2遺伝子のエクソン8に相補的な配列を含む。別の実施形態は、細胞取り込みを増強するペプチド部分を更に含むアンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。
一実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは無電荷である。更なる実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは帯電している。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド内の1つ以上のヌクレオチド間結合がAPN修飾を有してもよい。修飾されたオリゴヌクレオチドは、核酸塩基T、A、C、G、U又はそれらの類似体を含有する。好ましくは、修飾されたヌクレオチド間結合は、T、C又はAサブユニットから誘導される。
本発明はまた、APN修飾を有する表1に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド及び本発明の方法におけるその使用にも関する。
患者の脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置方法もまた、本発明の範囲内である。このような方法は、SMN2遺伝子内の一領域に特異的にハイブリダイズするのに十分な長さ及び相補性のヌクレオチド配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを患者に投与して、細胞内のエクソン7含有SMN2mRNAのエクソン欠失SMN2mRNAに対するレベルを増強する工程を含み、このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、生理学的pHにおいて正に荷電したヌクレオシドを少なくとも1つ有し、それによって患者を処置する。
本発明は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
細胞内のエクソン7含有SMN2mRNAのエクソン欠失SMN2mRNAに対するレベルを増強する方法であって、SMN2遺伝子内の一領域に特異的にハイブリダイズする10〜40ヌクレオチドの長さのアンチセンスオリゴヌクレオチドに細胞を接触させて、細胞内のエクソン7含有SMN2mRNAのエクソン7欠失SMN2mRNAに対するレベルを増強する工程を含み、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、生理学的pHにおいて正に荷電したヌクレオシド間結合を少なくとも1つ有する、方法。
(項目2)
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、約4.5〜約12のpKaを示すヌクレオシド間結合を少なくとも1つ有する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、塩基性窒素とアルキル、アリール、又はアラルキル基との両方を含有するヌクレオシド間結合を有する、項目1に記載の方法。
(項目4)
アンチセンスオリゴヌクレオチドがモルホリノを含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記オリゴヌクレオチドが次式:


並びにこれらの薬学的に許容可能な塩を有するヌクレオチドを少なくとも1つ有し、式中、Nuは核酸塩基であり;
は次式


の部分であり、qは0、1、2、3又は4であり;
は、水素、C 〜C アルキル、ホルムアミジニル部分からなる群から選択され、かつ
は、水素及びC 〜C アルキルからなる群から選択されるか、又は
及びR は、結合して、任意追加的に酸素ヘテロ原子を含有する5〜7員の複素環を形成し、この環は任意追加的にC 〜C アルキル、フェニル、ハロゲン、及びアラルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;
は、不在、水素、C 〜C アルキル及びアラルキルからなる群から選択され;
は、HO−、ヌクレオチド、膜透過性ペプチド部分、及びピペラジニルからなる群から選択され;
は、水素、C 〜C アルキル、ヌクレオチド、ペプチド部分、アミノ酸、ホルムアミジニル部分、及びアシルからなる群から選択され;
は、不在、水素、C 〜C アルキル、及びアシルからなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目6)
Nuが、アデニン、グアニン、チミン、ウラシル、シトシン、及びヒポキサンチンからなる群から選択される、項目5に記載の方法。
(項目7)
Nuがチミン又はウラシルである、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記ヌクレオチドが次式:


を有し、式中、Rx、Ry、Rz、及びNuは項目5に記載の通りである、項目1に記載の方法。
(項目9)
Nuがチミン又はウラシルである、項目8に記載の方法。
(項目10)
標的領域が、SMN2遺伝子のエクソン7、イントロン7、又はエクソン8内にある、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、SMN2遺伝子のイントロン7に相補的な配列を含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、SMN2遺伝子のイントロン7及びエクソン8の一部分に相補的な配列を含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、約10〜約30ヌクレオチドの配列を含む、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、約14〜約21ヌクレオチドの配列を含む、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、表1に記載の配列を含む、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、細胞取り込みを増強するペプチド部分を更に含む、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記ペプチドが、アルギニンリッチペプチドである、項目16に記載の方法。
(項目18)
患者の脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置方法であって、SMN2プレmRNA内の一領域に特異的にハイブリダイズする10〜40ヌクレオチドの長さのヌクレオチド配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを前記患者に投与して、細胞内のエクソン7含有SMN2mRNAのエクソン欠失SMN2mRNAに対するレベルを増強する工程を含み、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、生理学的pHにおいて正に荷電したヌクレオシドを少なくとも1つ有し、それによって前記患者を処置する、方法。
モルホリノオリゴマーを合成するための固体担体の調製。 モルホリノオリゴマーを合成するための固体担体の調製。 モルホリノオリゴマーの固相合成。 モルホリノオリゴマーの固相合成。 試験した脊髄性筋萎縮症(SMA)配列。上記の配列を含有し、図6で試験したオリゴヌクレオチドは、赤色太字で下線を引いたT塩基にAPN修飾を有するPMO骨格を含有する(各APN含有オリゴについて合計4つの修飾)。 オリゴヌクレオチド処理した脊髄性筋萎縮症患者線維芽細胞から得られた用量反応曲線。GM03813線維芽細胞(Coriell)中のSMN2エクソン7の包含又は除外を表すゲルバンドの強度を、ImageQuant(GE)で定量化した。エクソン7包含は、エクソン7包含バンド強度をエクソン7包含バンドと除外バンドからの強度の合計で除算した比から計算されたパーセンテージとして報告される。各ドットは、各濃度における2つのレプリケートの平均+/−1標準偏差を表す。3種類の独立した実験を組み合わせて上記のデータセットを得た。包含パーセンテージの分析は、Microsoft Excelで実施した。データポイント及び曲線は、Graphpad Prismでプロットした。データは、オリゴヌクレオチドに対するAPN修飾が、化合物の効力を、同じ配列を含有する非修飾PMOと比較して増強することを示す。 SMN2のRT−PCR。示されている濃度においてE8/4b APN修飾オリゴヌクレオチドでヌクレオフェクトしたGM03813線維芽細胞からのRNAを、「方法」に記載するように、RT−PCR増幅した。その結果生じる反応を含有するゲルを、「方法」及び図6に記載のように分析した。 図7に示すように、本発明は、細胞内のエクソン7含有SMN2mRNAのエクソン欠失SMN2mRNAに対するレベルを増強するための方法を提供する。これをこの図に模式的に示す。図7のゲルで最大のバンドは、エクソン6、7、イントロン7及びエクソン8を含有するcDNAに相当する。中間のバンドは、エクソン6、7、及びエクソン8を含有する逆転写産物を含有する。最小のバンドは、エクソン6及び8に相当する。このように、細胞をAPNオリゴヌクレオチドで処理すると、cDNA内のエクソン7包含に相当する高分子量のバンドが増大する。エクソン7は終止コドンを包含することから、いずれの高分子量cDNAのタンパク質産物も同じになるであろう。 APN及びplus関連のカチオン修飾の代表的構造。APN関連及びplus関連のカチオン修飾の代表的な種を示している。APN関連修飾はAPN及びmapTを包含し、puls関連修飾はplusT、medaT、及びetpipTを包含する。例示された修飾はチミンに関するが、いかなる塩基(例えば、チミン、シトシン、グアニン、アデニン)も、APN関連及びplus関連のカチオン修飾で修飾できる。
本明細書で使用するとき、「核酸塩基」(Nu)、「塩基対合部分」又は「塩基」は、互換可能に使用されて、改良された特性、例えばオリゴヌクレオチドに対する結合親和性を付与する未変性DNA又はRNA(ウラシル、チミン、アデニン、シトシン、及びグアニン)に見出されるプリン又はピリミジン塩基、並びに天然のプリン及びピリミジンの類似体を指す。代表的な類似体としては、ヒポキサンチン(ヌクレオシドイノシンの塩基成分);5−メチルシトシン;C5−プロピニル修飾ピリミジン、9−(アミノエトキシ)フェノキサジン(G−クランプ)等が挙げられる。
塩基対合部分の更なる例としては、限定するものではないが、ウラシル、チミン、アデニン、シトシン、及びグアニン(それぞれのアミノ基がアシル保護基によって保護されたもの)、2−フルオロウラシル、2−フルオロシトシン、5−ブロモウラシル、5−ヨードウラシル、2,6−ジアミノプリン、アザシトシン、ピリミジン類似体(プソイドイソシトシン及びプソイドウラシル等)並びにその他の修飾核酸塩基、例えば8−置換プリン、キサンチン、又はヒポキサンチン(後者2つは天然分解産物である)が挙げられる。Chiu and Rana,RNA,2003,9,1034−1048、Limbach et al.Nucleic Acids Research,1994,22,2183−2196及びRevankar and Rao,Comprehensive Natural Products Chemistry,vol.7,313に開示されている修飾核酸塩基もまた想到される。
塩基対合部分の更なる例としては、限定するものではないが、1つ以上のベンゼン環が付加された拡大核酸塩基が挙げられる。Glen Researchカタログ(www.glenresearch.com);Krueger AT et al,Acc.Chem.Res.,2007,40,141−150;Kool,ET,Acc.Chem.Res.,2002,35,936−943;Benner S.A.,et al.,Nat.Rev.Genet.,2005,6,553−543;Romesberg,F.E.,et al.,Curr.Opin.Chem.Biol.,2003,7,723−733;Hirao,I.,Curr.Opin.Chem.Biol.,2006,10,622−627に記載されている核酸塩基置換は、本明細書に記載のオリゴマーの合成に有用であると想到される。これらの拡大核酸塩基のいくつかの例を以下に示す:
リボース、糖類似体又はモルホリノに共有結合した核酸塩基はヌクレオシドを含む。「ヌクレオチド」は、ヌクレオシドを1個のリン酸基と共に含む。リン酸基は、隣接するヌクレオチドと互いに共有結合して、オリゴヌクレオチドを形成する。本明細書で使用するとき、「オリゴヌクレオチド」は、ヌクレオチド、又はヌクレオチド類似体の線形配列であって、Watson−Crick塩基対合によって核酸塩基をRNAの標的配列にハイブリダイズさせて標的配列内にオリゴヌクレオチド:RNAヘテロ二本鎖を形成することができる。「アンチセンスオリゴヌクレオチド」、「アンチセンスオリゴマー」、「オリゴマー」及び「化合物」という用語は、オリゴヌクレオチドを指すために互換可能に使用され得る。
「モルホリノオリゴマー」又は「PMO」は、代表的なポリヌクレオチドと水素結合することができる核酸塩基を担持する骨格を有するオリゴヌクレオチドを指し、このポリマーはペントース糖骨格部分を欠くが、代わりにモルホリノ環を含有する。したがって、PMOにおいてモルホリノ環構造は塩基対合部分を担持し、細胞内又は処置中の被験体内で選択されたアンチセンス標的とハイブリダイズするように一般的に設計された塩基対合部分の配列を形成する。代表的な「モルホリノ」オリゴマーは、1つのサブユニットのモルホリノ窒素を隣接するサブユニットの4’環外炭素に結合するホスホロアミデート又はホスホロジアミデート結合によって一緒に結合されたモルホリノサブユニット構造を含み、このサブユニットの各々は、塩基特異的な水素結合によってポリヌクレオチド内の塩基と結合するのに有効なプリン又はピリミジン核酸塩基を含む。モルホリノオリゴマー(アンチセンスオリゴマーを包含する)は、例えば、米国特許第5,698,685号;同第5,217,866号;同第5,142,047号;同第5,034,506号;同第5,166,315号;同第5,185,444号;同第5,521,063号;同第5,506,337号及び係属中の米国特許出願公開第12/271,036号;同第12/271,040号並びにPCT公開番号WO/2009/064471号に詳述されており、これらは全て、参照によりその全体を本明細書に組み込む。
オリゴヌクレオチド構造内で、リン酸基は一般にオリゴヌクレオチドの「ヌクレオシド間結合」を形成すると言われる。RNA及びDNAの天然のヌクレオシド間結合は、3’〜5’ホスホジエステル結合である。「ホスホロアミデート」基は3個の結合酸素原子と1個の結合窒素原子とを有するリンを含み、一方「ホスホロジアミデート」基は2個の結合酸素原子と2個の結合窒素原子とを有するリンを含む。本明細書中に記載のPMO及び/又はPMOXオリゴマーの無電荷又はカチオン性のサブユニット間結合において、1個の窒素は常に骨格鎖にペンダントしている。ホスホロジアミデート結合において、第2の窒素は、一般的にモルホリノ環構造内の環窒素である。
「PMOX」は、(i)モルホリノ環の窒素原子への共有結合及び(ii)4−アミノピペリジンン−1−イル(すなわち、APN)又は4−アミノピペリジン−1−イルの誘導体の環窒素への第2の共有結合によってリン原子を有するホスホロジアミデートモルホリノオリゴマーを指す。PMOXオリゴマーは、PCT出願番号PCT/US11/38459号(WO/2011/150408号として公開)に開示されており、参照によりその全体を本明細書に組み込む。「PMOapn」又は「APN」は、リン原子がモルホリノ基及び4−アミノピペリジン−1−イル(すなわち、APN)の環窒素に結合したPMOXオリゴマーを指す。
本明細書で使用するとき、LNAはロックド核酸オリゴヌクレオチドを指す。「LNA」は、架橋核酸(BNA)と呼ばれる修飾の分類の1つである。BNAは、C30エンド(ノーザン)糖パッカーのリボース環のコンフォーメーションをロックする共有結合を特徴とする。LNAでは、架橋が2’−O位と4’−C位との間のメチレンで構成される。LNAは骨格のプレオーガナイゼーション及び塩基スタッキングを増強し、ハイブリダイゼーション及び熱安定性を増大させる。
オリゴヌクレオチドは、Tmが実質的に45℃を超え、好ましくは少なくとも50℃であり、典型的には60℃〜80℃又はそれ以上である生理学的条件下でオリゴマーが標的にハイブリダイズした場合に、標的ポリヌクレオチドに「特異的にハイブリダイズ」する。このようなハイブリダイゼーションは、好ましくは厳しいハイブリダイゼーション条件に相当する。所与のイオン強度及びpHにおいて、Tmは標的配列の50%が相補的ポリヌクレオチドにハイブリダイズする温度である。そのようなハイブリダイゼーションは、アンチセンスオリゴマーの標的配列に対する「近い」又は「実質的な」相補性、並びに完全な相補性で生じ得る。
標的化配列は、標的配列に「近い」又は「実質的な」相補性を有してもよく、なおも本発明の目的で機能する、すなわち、なおも「相補性」であってもよい。好ましくは、本発明で用いられるオリゴヌクレオチド類似化合物は、標的配列に対して、10ヌクレオチドのうち多くても1つのミスマッチ、好ましくは、20のうち多くても1つのミスマッチを有する。あるいは、用いられるアンチセンスオリゴマーは、本明細書中で指定される例示的な標的化配列に対し、少なくとも90%の配列相同性、好ましくは、少なくとも95%の配列相同性を有する。
「電子対」は、他の原子と結合又は共有していない一価の電子の対を指す。
「膜透過性ペプチド」(CPP)又は「細胞取り込みを増強するペプチド部分」は、互換可能に使用されてカチオン性膜透過性ペプチドを指し、「輸送ペプチド」、「キャリアペプチド」、又は「ペプチド導入ドメイン」とも呼ばれる。このペプチドは、本明細書中に示されるように、所与の細胞培養集団の30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%(これらの間のすべての整数を包含する)以内の細胞の膜透過を誘導する能力を有し、全身投与された際に、インビボにおいて複数の組織内での高分子転座を可能にする。一実施形態において、膜透過性ペプチドは、アルギニンリッチペプチドトランスポータである。別の実施形態において、膜透過性ペプチドは、ペネトラチン又はTatペプチドであってもよい。これらのペプチドは、当該技術分野において周知であり、例えば、参照によりその全体を組み込む米国特許出願公開第2010−0016215A1号に開示されている。ペプチドをアンチセンスオリゴヌクレオチドにコンジュゲートするための特に好ましいアプローチは、参照によりその全体が組み込まれるPCT公開WO2012/150960号に見出すことができる。オリゴにコンジュゲートされたペプチドの好ましい実施形態は、グリシンをCPPとアンチセンスオリゴヌクレオチドとの間のリンカーとして使用する。例えば、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、(Arg)Gly(6つのアルギニンと1つのグリシンがオリゴヌクレオチドに結合)のようにアルギニンリッチペプチドと連結することができ;例えば、好ましいペプチドコンジュゲートPMOはR6−G−PMOからなる。
「単離された」とは、自然の状態で通常それを伴う成分を実質的又は本質的に含まない材料のことを意味する。例えば、本明細書で使用するとき、「単離されたポリヌクレオチド」又は「単離されたオリゴヌクレオチド」は、天然に存在する状態でそれに隣接する配列から精製されたか又は取り出されたポリヌクレオチド、例えば、ゲノム内でそのフラグメントに隣接する配列から取り出されたDNAフラグメントのことを指し得る。「単離する」という用語は、細胞に関する場合、供給被験体(例えば、ポリヌクレオチド反復疾患を有する被験体)から細胞(例えば、線維芽細胞、リンパ芽球)を精製することを指す。mRNA又はタンパク質に関する場合、「単離する」は、供給源、例えば細胞から、mRNA又はタンパク質を回収することを指す。
本明細書で使用するとき、「十分な長さ」は、RNA中の少なくとも8、より一般的には8〜40の隣接核酸塩基に相補的であるアンチセンスオリゴヌクレオチドを指す。十分な長さのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも、RNAに特異的にハイブリダイズできる最小限の数のヌクレオチドを有する。好ましくは、十分な長さのオリゴヌクレオチドは、10〜40ヌクレオチドの長さであり、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39及び40ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドを包含する。一実施形態において、十分な長さのオリゴヌクレオチドは、10〜約30ヌクレオチドの長さである。別の実施形態において、十分な長さのオリゴヌクレオチドは、15〜約25ヌクレオチドの長さである。更に別の実施形態において、十分な長さのオリゴヌクレオチドは、20〜約30ヌクレオチドの長さである。
本明細書で使用するとき、「細胞に接触する」、「導入する」又は「送達する」という用語は、本発明のオリゴヌクレオチドを当該技術分野において常用の方法、例えば、トランスフェクション(例えば、リポソーム、リン酸カルシウム、ポリエチレンイミン)、電気穿孔法(例えば、ヌクレオフェクション)、顕微注入法によって細胞内に送達することを指す。
本明細書で使用するとき、「定量化する」、「定量化」又はその他の関連する語は、核酸、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質の単位体積中の量、質量、又は濃度を決定することを指す。
本明細書で使用するとき、被験体(例えば、ヒトのような哺乳類)又は細胞の「処置」は、その個人又は細胞の自然経過を変える試みに使用される任意の種類の介入である。処置は、限定するものではないが、医薬組成物の投与を包含し、予防的に又は病的事象の開始若しくは病原体との接触の後のいずれかに実施されてもよい。
オリゴヌクレオチドの構造的特徴
上記のように、実質的に無電荷のオリゴヌクレオチドは、本発明の一態様に従って、荷電した結合を、例えば、2〜5個の無電荷結合につき約1個まで、例えば10個の無電荷結合につき約4〜5個を、包含するように修飾されてもよい。特定の実施形態において、アンチセンス活性の最適な改良は、骨格結合の約25%がカチオン性である場合に見られることがある。特定の実施形態において、増強は、少数、例えば、10〜20%のカチオン性結合、又はカチオン性結合の数が50〜80%の範囲、例えば約60%の場合に見られる場合がある。
特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、上記で引用した参考文献、及び混合物若しくは無電荷及びカチオン性の骨格結合を有するオリゴヌクレオチドの合成に関しては下記に詳述されている方法を用いて、段階的固相合成によって調製できる。場合によっては、アンチセンス化合物に追加の化学的部分を、例えば薬物動態を増強するため又は化合物の捕獲若しくは検出を容易にするために、付加することが望ましい場合がある。そのような部分は、標準的な合成方法に従って共有結合で結合することができる。例えば、ポリエチレングリコール部分又はその他の親水性ポリマー、例えば、1〜100のモノマーサブユニットを有するものの付加は、溶解度の増強に有用となる場合がある。
フルオレセイン又は放射線標識基のようなレポーター部分を、検出の目的で結合させてもよい。あるいは、オリゴマーに結合するレポーター標識は、標識した抗体又はストレプトアビジンに結合することができる、抗原又はビオチンのようなリガンドであってもよい。アンチセンス化合物の結合又は修飾のための部分の選択において、当然、生体適合性であり、望ましくない副作用を生じることなく被験体が耐容できる可能性の高い群の化合物を選択することが一般的に望ましい。
上記のように、特定のアンチセンス化合物を、上記の種類の無電荷結合が点在した状態で選択した数のカチオン性結合を含有するように構築することができる。サブユニット間結合は、無電荷及びカチオン性のいずれも、好ましくは下記の構造:

を有するリン含有結合である。式中、
WはS又はOであり、好ましくはOであり、
X=R、NR1112又はOR16であり、
Y=O又はNR17であり、
オリゴマー中の結合はそれぞれ以下から選択される:
(a)無電荷結合(a)、ここでR11、R12、R16及びR17のそれぞれは水素及びC〜Cアルキルから独立して選択される;又は
(b1)カチオン性結合(b1)、ここでRは次式

の部分であり、qは0、1、2、3又は4であり;
は、水素、C〜Cアルキル、及びホルムアミジニル部分からなる群から選択され、かつ
は、水素及びC〜Cアルキルからなる群から選択されるか、又は、
及びRは、結合して、任意追加的に酸素ヘテロ原子を含有する5〜7員の複素環を形成し、この環は任意追加的にC〜Cアルキル、フェニル、ハロゲン、及びアラルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;
は、不在、水素、C〜Cアルキル及びアラルキルからなる群から選択される;
(b2)カチオン性結合(b2)、ここでX=NR1112及びY=Oであり、NR1112は次式

の任意追加的に置換されたピペラジノ基を表し、式中、
各Rは独立してH又はCHであり、
14はH、CH、又は不在であり、
13はH、C〜Cアルキル、5〜7員の置換又は非置換アリール、N及びOからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を含有するヘテロアリール又は複素環、C(=NH)NH、Z−L−NRR、Z−L−NHC(=NH)NH、Z−L−COOH、Z−L−SH、Z−L−PPh、Z−L−R21−R22、コラート、及び[C(O)CHR’NH]Hから選択され、ここで:ZはC(O)又は直接結合であり、Lは18原子までの長さ、好ましくは12原子まで、より好ましくは8原子までの長さで、アルキル、アルコキシ、及びアルキルアミノから選択される結合を有する任意追加的なリンカーであり、R’は天然アミノ酸又はその1炭素又は2炭素相同体の側鎖であり、mは1〜6、好ましくは1〜4であり;R21は5〜7員のアリール環であり、R22はN及びOからなる群から選択される4個までのヘテロ原子を含有する5〜7員のヘテロアリール環である;
(b3)カチオン性結合(b3)、ここでX=NR1112及びY=O、R11=H又はCH、及びR12=LNR131415であり、ここでL、R13、及びR14は上記で定義された通りであり、R15はH、C〜Cアルキル、又はC〜C(アルコキシ)アルキルである;並びに
(b4)カチオン性結合(b4)、ここでY=NR17及びX=OR16であり、R17=LNR131415であり、ここでL、R13、R14及びR15は上記で定義された通りであり、R16はH又はC〜Cアルキルである;
そして、少なくとも1つの結合が、カチオン性結合(b1)、(b2)、(b3)及び(b4)から選択される。
特定の実施形態において、オリゴマーは少なくとも2つの連続する(a)型結合(すなわち、無電荷結合)を包含してもよい。更なる実施形態において、オリゴマー中の結合の少なくとも5%はカチオン性結合(すなわち、(b1)型、(b2)型、(b3)型又は(b4)型)である;例えば、10%〜60%、好ましくは20%〜50%の結合がカチオン性結合であってもよい。
一実施形態において、少なくとも1つの結合が(b1)型であり、ここでqは1であり、R及びRは水素であり、Rは不在である。
一実施形態において、少なくとも1つの結合が(b2)型の結合であり、ここで、好ましくは、各RはHであり、R14はH、CH、又は不在であり、R13はH、C〜Cアルキル、C(=NH)NH、及びC(O)−L−NHC(=NH)NHから選択される。R13の後者2つの実施形態は、それぞれ、ピペラジン環に直接結合するか、又はリンカー基Lにペンダントするかのいずれかのグアニジニル部分を提供する。合成を容易にするために、R13内の変数Zは、好ましくは、示されているように、C(O)(カルボニル)である。
リンカー基Lは、上述のように、その骨格に、アルキル(例えば、−CH−CH−)、アルコキシ(−C−O−)、及びアルキルアミノ(例えば、−CH−NH−)から選択される結合を含むが、ただし、L中の末端原子(例えば、カルボニル又は窒素に隣接する原子)は炭素原子である。分枝した結合(例えば、−CH−CHCH−)も可能であるが、リンカーは好ましくは未分枝状である。一実施形態において、リンカーは、炭化水素リンカーである。このようなリンカーは、構造−(CH−を有してもよく、ここでnは1〜12、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6である。
モルホリノサブユニット(ヌクレオチド)は次の構造:

を有し、式中、Piは塩基対合部分であり、上記結合は(i)の窒素原子を隣接するサブユニットの5’炭素に連結する。塩基対合部分Piは、同じであっても異なっていても良く、一般的には、標的核酸に結合する配列を提供するように設計される。
モルホリノサブユニットを連結するための上記の結合型(b1)、(b2)、(b3)及び(b4)の実施形態の使用は、図式的に次のように例示される:

必ずしも必要ではないが好ましくは、オリゴマー中の全てのカチオン性結合は、同じ型のものである;すなわち、全て(b1)型、全て(b2)型、全て(b3)型又は全て(b4)型である。
更なる実施形態において、カチオン性結合は、以下に示すように結合(b2’)及び(b2’’)から選択され、ここで(b2’)は、本明細書において「Pip」結合と称され、(b2’’)は本明細書において「GuX」結合と称される:

上記の構造において、WはS又はOであり、好ましくはOであり;R11及びR12のそれぞれは水素及びC〜Cアルキルから独立して選択され、好ましくはメチル又はエチルであり;Aは(b2’)及び(b2’’)中の1つ以上の炭素原子上の水素又はC〜Cアルキルを表す。好ましくは、ピペラジン環中の環炭素は非置換であり;ただし、メチルのような非干渉性の置換基を含んでもよい。好ましくは、多くても1個又は2個の炭素原子がこのように置換される。更なる実施形態において、結合の少なくとも10%が(b2’)型又は(b2’’)型の結合である;例えば、結合の10%〜60%、好ましくは20%〜50%が(b2’)型又は(b2’’)型であってもよい。
特定の実施形態において、オリゴマーは上記の(b2’)型の結合を含有しない。あるいは、オリゴマーは各RがHであり、R13がH又はCHであり、R14がH、CH、又は不在である(b2)型の結合を含有しない。
モルホリノサブユニットはまた、以下に更に記載されるような、非リン系サブユニット間結合によって結合されてもよく、この場合、少なくとも1つの結合が、上記のように、カチオン性のペンダント基で修飾される。
非修飾状態では無電荷であるがペンダントのアミン置換基もまた有することができるその他のオリゴヌクレオチド類似体結合を使用することができる。例えば、モルホリノ環上の5’窒素原子は、スルファミド結合又は尿素結合(この場合、リンがそれぞれ、炭素又は硫黄で置換される)に用いることができ、上記構造(b4)の5’窒素原子に類似した様式で修飾されることができる。
任意の数のカチオン性結合を有するオリゴマーが提供され、これには、完全にカチオン性結合されたオリゴマーが包含される。ただし、好ましくは、オリゴマーは部分的に、例えば10%〜80%が荷電している。好ましい実施形態において、結合の約10%〜60%、好ましくは20%〜50%がカチオン性である。
実施形態では、カチオン性結合は、骨格に沿って点在する。部分的に荷電したオリゴマーは、好ましくは、少なくとも2つの連続した無電荷結合を含有する;すなわち、オリゴマーは、好ましくは、その全長に沿って厳密に交互になるパターンは有さない。
カチオン性結合のブロックと無電荷結合のブロックとを有するオリゴマーも考えられる;例えば、無電荷結合の中央ブロックがカチオン性結合のブロックで挟まれてもよく、又はその逆であってもよい。一実施形態において、オリゴマーは、およそ等しい長さの5’、3’及び中央領域を有し、中央領域におけるカチオン性結合の割合は約50%を超え、好ましくは約70%を超える。
アンチセンス用途で使用するためのオリゴマーは、一般に、長さが約10〜約40サブユニット、より好ましくは約10〜30サブユニット、及び典型的には15〜25塩基の範囲である。例えば、アンチセンス化合物にとって有用な長さである19〜20サブユニットを有する本発明のオリゴマーは、理想的には、2〜10個、例えば、4〜8個のカチオン性結合を有し、残りが無電荷結合であってもよい。14〜15サブユニットを有するオリゴマーは、理想的には2〜7個、例えば、3、4、又は5個のカチオン性結合を有し、残りが無電荷結合であってもよい。
各モルホリノ環構造は塩基対合部分を担持し、細胞内又は処置中の被験体内で選択されたアンチセンス標的とハイブリダイズするように一般的に設計された塩基対合部分の配列を形成する。塩基対合部分は、未変性DNA又はRNA(例えば、A、G、C、T又はU)に見られるプリン若しくはピリミジン又は類似体、例えばヒポキサンチン(ヌクレオシドイノシンの塩基成分)又は5−メチルシトシンであってもよい。
上記のように、特定の実施形態は、新規サブユニット間結合を含むオリゴマーに関し、これはPMO−Xオリゴマー及び修飾末端基を有するオリゴマーを包含する。いくつかの実施形態において、これらのオリゴマーはDNA及びRNAに対する親和性が対応する未修飾オリゴマーよりも高く、他のサブユニット間結合を有するオリゴマーと比較して、改良された細胞送達、効力、及び/又は組織分布特性を示す。一実施形態において、オリゴマーは、本明細書に定義される(B)型のサブユニット間結合を少なくとも1つ含む。オリゴマーは、本明細書に定義される(A)型のサブユニット間結合も1つ以上含んでもよい。種々の結合型及びオリゴマーの構造的特徴及び特性を、以下の考察で更に詳細に記載する。これらのオリゴマー及び関連オリゴマーの合成は、共同出願の米国特許出願公開第13/118,298号に記載されており、その全体を参照により組み込む。
好ましい実施形態において、本発明は、ヒト疾患に関連する標的配列に対して相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドを提供し、このオリゴヌクレオチドは次式:

を有するヌクレオチドの配列を含み、式中、Nuは核酸塩基であり;
は、R’及びR’’からなる群から選択され、式中R’はジメチルアミノであり、R’’は次式

の部分であり、式中、少なくとも1つのRがR’’であり;
qは0、1、2、3又は4であり;
は、水素、C〜Cアルキル、ホルムアミジニル部分からなる群から選択され、かつ
は、水素及びC〜Cアルキルからなる群から選択されるか、又は
及びRは、結合して、任意追加的に酸素ヘテロ原子を含有する5〜7員の複素環を形成し、この環は任意追加的にC〜Cアルキル、フェニル、ハロゲン、及びアラルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;
は、不在、水素、C〜Cアルキル及びアラルキルからなる群から選択され;
Rxは、HO−、ヌクレオチド、膜透過性ペプチド部分、及びピペラジニルからなる群から選択され;
Ryは、水素、C〜Cアルキル、ヌクレオチド、ペプチド部分、アミノ酸、ホルムアミジニル部分、及びアシルからなる群から選択され;
Rzは、不在、水素、C〜Cアルキル、及びアシル;並びにこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群から選択される。
Nuは、アデニン、グアニン、チミン、ウラシル、シトシン、及びヒポキサンチンからなる群から選択されてもよい。より好ましくは、Nuはチミン又はウラシルである。
基の約50〜90%は、ジメチルアミノ(すなわち、R’)である。最も好ましくは、R基の約66%(3分の2)はジメチルアミノである。
は以下

からなる群から選択されてもよい。
好ましくは、オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオチドは次式:

を有し、式中、Rx、Ry、Rz、及びNuは上述の通りである。最も好ましくは、Nuはチミン又はウラシルである。
チミン(T)は、上記の化学修飾を含有する好ましい塩基対合部分(Nu又はPi)であるが、当業者に既知のいかなる塩基サブユニットも塩基対合部分として使用することができる。
アンチセンスオリゴヌクレオチド
本発明は、表1に記載の群から選択される配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用を提供する。好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、14−mer−APN、E−8/4a−APN及びE8/4b−APNからなる群から選択される配列を含む。本発明に従って使用できる追加的なアンチセンスオリゴヌクレオチドとしては、以下の特許及び特許出願公開に記載されているものが挙げられ、その内容を参照により本明細書に組み込む:PCT国際公開WO2007/002390号、PCT国際公開WO2010/120820号、WO2010/148249号、米国特許第7,838,657号、米国特許出願公開第2011/0269820号。
本発明は更に、APN修飾又はAPN誘導体を有する表1に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。本明細書に記載の方法に有用な特定のアンチセンスオリゴヌクレオチドとしては、14−mer−APN、E−8/4a−APN及びE8/4b−APNが挙げられる。
本明細書で使用するとき、「アンチセンスオリゴヌクレオチド」という用語は、標的RNA(例えば、プレmRNA)の一領域を有効にブロックするための、標的RNA(すなわち、スプライス部位選択が調節されたRNA)に相補的な十分な配列を有する核酸(好ましい実施形態において、RNA)(又はその類似体)を指す。本発明の代表的実施形態において、このようなSMN2プレmRNAのブロックは、そうしなければスプライシングを調節すると予想される未変性タンパク質の結合部位をマスキングすることによって、及び/又は標的RNAの構造を変えることによって、スプライシングを調節する作用がある。本発明の好ましい実施形態において、標的RNAは標的プレmRNA(例えば、SMN2プレmRNA)である。標的RNAのスプライシングを調節するための標的RNA配列に対する十分な配列相補性を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドとは、アンチセンス剤が、そうしなければスプライシングを調節する及び/又は標的RNAの3次元構造を変えると予想される未変性タンパク質の結合部位のマスキングを引き起こすのに十分な配列を有することを意味する。同様に、標的RNAのスプライシングを調節するための標的RNA配列に対する十分な配列相補性を有するオリゴヌクレオチド試薬とは、オリゴヌクレオチド試薬が、そうしなければスプライシングを調節する及び/又は標的RNAの3次元構造を変えると予想される未変性タンパク質の結合部位のマスキングを引き起こすのに十分な配列を有することを意味する。
いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは無電荷である。更なる実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは荷電している。
いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、「モルホリノオリゴマー」、「PMO」、「PMOX」、「PPMO」、又は「PMO+」であってもよい。更に、アンチセンスオリゴヌクレオチド、例えばPMOは、当該技術分野において既知のいかなる方法で修飾されてもよい。アンチセンスオリゴヌクレオチド内の1つ以上のヌクレオチド間結合が修飾されてもよい。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドにおける1つ以上のヌクレオチド間結合が、カチオン性修飾を有してもよい。カチオン性修飾は、APN修飾であってもよい。好ましくは、修飾されたヌクレオチド間結合は、T、C又はAサブユニットから誘導される。例えば、一実施形態において、PMOはカチオン性修飾を含んでもよい。PMOはAPN修飾PMOであってもよく、これは「PMOapn」又は「APN」と称される場合がある。
本明細書で使用するとき、「SMA」という用語は、しばしば罹患者のSMNタンパク質の過少発現を特徴とするヒト常染色体劣性疾患である脊髄性筋萎縮症を指す。
本明細書で使用するとき、「標的」という用語は、RNA領域を指し、具体的には、SMN2遺伝子によって識別される領域を指す。特定の実施形態において、標的領域は、エクソン7欠失の原因となりSMNと関連するSMN2イントロン7領域のmRNAの領域である。別の実施形態において、標的領域は、SMN2エクソン8のmRNAの領域である。
「標的配列」という用語は、オリゴヌクレオチド類似体が配向される標的RNAの部分、すなわち、オリゴヌクレオチド類似体が相補的配列のWatson−Crick塩基対合によってハイブリダイズする配列を指す。
「標的化配列」という用語は、RNAゲノム中の標的配列に対して相補的な(加えて、実質的に相補的であることを意味する)オリゴヌクレオチド類似体内の配列である。アンチセンスオリゴヌクレオチドの全配列又は一部のみが、標的配列に対して相補的であってもよい。例えば、20塩基を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドにおいて、12〜14のみが標的化配列であってもよい。典型的には、標的化配列は、オリゴヌクレオチド内の連続塩基の形態をとるが、別の方法として、共に配置した場合に(例えば、オリゴヌクレオチドの反対側の末端から)標的配列にわたる配列を構成する、不連続配列の形態をとってもよい。
一般的に、標的RNAの部分に完全に相補的であるヌクレオチド配列を含有するオリゴヌクレオチド試薬が、標的RNAのブロッキングに好ましい。ただし、オリゴヌクレオチド試薬と標的RNAとの間の100%配列相補性は、本発明を実施する上で必要ではない。したがって、本発明は、遺伝的突然変異、系統多型、又は進化的分岐から予想される配列変動を許容し得る。例えば、標的配列に対して挿入、欠失、及び一点変異を有するオリゴヌクレオチド試薬配列もまた阻害に有効となる場合がある。あるいは、ヌクレオチド類似体置換又は挿入を有するオリゴヌクレオチド試薬配列は、ブロッキングに有効となり得る。
70%を超える配列同一性(又は相補性)、例えば、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は更には100%の配列同一性が、オリゴヌクレオチド試薬と標的RNA、例えば、標的プレmRNAとの間にあることが好ましい。
加えて、同じ機能を保持する表1のオリゴヌクレオチド配列の変異体を、本発明の方法に使用できる。例えば、一連の突然変異体を、その選択的スプライシング阻害能力について試験してもよい。一実施形態において、そのような変異体配列は、その配列の全長にわたって表1に記載の配列と少なくとも約95%同一の配列である。別の実施形態において、そのような変異体配列は、その配列の全長にわたって少なくとも約90%同一の配列である。
調査したRNA及びタンパク質のスプライシング型及び発現レベルは、転写された核酸又はタンパク質のスプライシング型及び/又は発現を検出するための多種多様な周知の方法のいずれかで評価されてもよい。このような方法の非限定例としては、RNAのスプライシング型のRT−PCR後のPCR産物のサイズ分離、核酸ハイブリダイゼーション法、例えば、ノーザンブロット及び/又は核酸アレイの使用;核酸増幅法;タンパク質検出のための免疫学的方法;タンパク質精製法;及びタンパク質機能又は活性アッセイが挙げられる。
RNA発現レベルは、mRNA/cDNA(すなわち、転写されたポリヌクレオチド)を細胞、組織又は生体から調製することによって、及びmRNA/cDNAをアッセイされた核酸の相補体である参照ポリヌクレオチド又はそのフラグメントとハイブリダイズすることによって、評価することができる。cDNAは、任意追加的に、相補的ポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションの前に種々のポリメラーゼ鎖反応又はインビトロ転写方法のいずれかを用いて増幅することができ;好ましくは、増幅されない。1つ以上の転写体の発現を定量的PCRを用いて検出して、転写体の発現のレベルを評価することもできる。
本発明の方法
一態様において、本発明は、細胞内のエクソン7含有SMN2mRNAのエクソン7欠失SMN2mRNAに対するレベルを増強する方法であって、SMN2遺伝子内の一領域に特異的にハイブリダイズするのに十分な長さ及び相補性のアンチセンスオリゴヌクレオチドに細胞を接触させて、細胞内のエクソン7含有SMN2mRNAのエクソン7欠失SMN2mRNAに対するレベルを増強する工程を含み、このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、生理学的pHにおいて正に荷電したヌクレオシド間結合を少なくとも1つ有する、方法を提供する。
任意追加的に、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、塩基性窒素とアルキル、アリール、又はアラルキル基の両方とのヌクレオシド間結合を有してもよい。好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチドはモルホリノを含む。
更に、本発明は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが生理学的pHにおいて正に荷電したヌクレオシド間結合を少なくとも1つ有することを定める。本発明は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが、5.5〜12のpKaを示すヌクレオシド間結合を少なくとも1つを有することも定める。
理論に束縛されるものではないが、正に荷電したAPN基又はAPN誘導体は、PMOXオリゴマーにおいて、標的ヌクレオチド内の負に荷電したリン酸塩への結合を促進すると考えられる。したがって、突然変異体RNAとPMOXオリゴマーとの間のヘテロ二本鎖の形成は、イオン引力によって、並びにWatson−Crick塩基対合によって一緒に保持されてもよい。
標的核酸へのアンチセンスオリゴマーの有効な送達は、処置の重要な観点である。アンチセンスオリゴマー送達の経路としては、限定するものではないが、種々の全身経路、例えば、経口経路及び非経口経路(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、及び筋肉内)、並びに吸入、経皮送達及び局所送達が挙げられる。適切な経路は、処置されている被験体の状態に適切であるように、当業者によって決定されてもよい。血管又は血管外循環、血液又はリンパ系、及び脳脊髄液は、RNAを導入してもよい非限定的部位の一部である。
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、当該技術分野で認められた任意の方法によって被験体の神経系に送達することができる。例えば、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドの末梢血注入を用いて、拡散的及び/又は能動的手段により試薬を末梢神経に送達することができる。一実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは被験体の脳に送達されてもよい。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、脳室内(ICV)注入によって送達されてもよい。あるいは、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、血液脳関門(BBB)の通過を促進するように修飾し、中枢神経系(CNS)の神経細胞への試薬の送達を達成することができる。アンチセンスオリゴヌクレオチド技術及び送達戦略における特異な最近の進歩は、神経疾患のためのアンチセンスオリゴヌクレオチド使用の範囲を広げた(Forte,A.,et al.2005.Curr.Drug Targets 6:21−29;Jaeger,L.B.,and W.A.Banks.2005.Methods Mol.Med.106:237−251;Vinogradov,S.V.,et al.2004.Bioconjug.Chem.5:50−60;これらの全体を参照により本明細書に組み込む)。例えば、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、ペプチド核酸(PNA)化合物として生成することができる。PNA試薬はそれぞれ、BBBを通過することが確認されている(Jaeger,L.B.,and W.A.Banks.2005.Methods Mol.Med.106:237−251)。被験体を、例えば、血管作用剤で処置することも、BBBを通過する輸送を促進すると記載されている(同上)。BBBを通過して能動的に輸送される作用剤に本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドをテザーすることも、送達機構として有用な場合がある。
特定の実施形態において、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、経皮的方法によって送達することができる(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドを、例えば、乳濁液に組み込み、このようなアンチセンスオリゴヌクレオチドが任意追加的にリポソーム内にパッケージ化された状態で)。このような経皮的な及び乳濁液/リポソーム媒介性の送達方法は、当該技術分野におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドの送達に関して、例えば、米国特許第6,965,025号に記載されており、その内容の全体を参照により本明細書に組み込む。
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、移植可能なデバイスを介して送達されてもよい。このようなデバイスの設計は、例えば、その内容の全体を参照により本明細書に組み込む米国特許第6,969,400号に記載されている合成インプラント設計を用いた、当該技術分野で認められたプロセスである。
アンチセンスオリゴヌクレオチドは当該技術分野で認められた技法(例えば、遺伝子移入、電気穿孔法、癒合、リポソーム、コロイドポリマー粒子並びにウイルス性及び非ウイルス性ベクター並びにその他の当該技術分野において既知の手段)を用いて細胞に導入できる。選択される送達方法は、少なくとも処置される細胞及びその細胞の位置に依存すると思われ、熟練者には明らかであろう。例えば、局在化は、リポソームを指向するための特異的マーカーを表面に有するリポソーム、標識細胞を含有する組織への直接注入、特定の受容体媒介性の取り込み、ウイルス性ベクター等によって達成できる。
核酸を導入する物理的方法としては、RNAを含有する溶液の注入、RNAで被覆された粒子による衝突、RNAの溶液への細胞又は生体の浸漬、又はRNA存在下での細胞膜の電気穿孔が挙げられる。ウイルス粒子内にパッケージ化されたウイルスコンストラクトは、細胞への発現コンストラクトの効率的導入と、その発現コンストラクトによってコードされるRNAの転写との両方を達成するであろう。脂質媒介性キャリア輸送、リン酸カルシウムなどの化学品媒介性輸送等の、核酸を細胞へ導入するための当該分野において既知のその他の方法を用いてもよい。したがって、RNAを以下の活動の1つ以上を行う成分と共に導入してもよい:細胞によるRNAの取り込みを増強する、一本鎖のアニーリングを阻害する、一本鎖を安定化する、又は標的遺伝子の発現を増大させる。
当該技術分野で既知のように、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、リポソーム媒介性の取り込み、脂質コンジュゲート、ポリリシン媒介性の取り込み、ナノ粒子媒介性の取り込み、及び受容体媒介性のエンドサイトーシスを伴う方法、並びに追加的な非エンドサイトーシスの送達様式、例えば顕微注入法、膜透過処理(例えば、ストレプトリジン−O膜透過処理、アニオン性ペプチド膜透過処理)、電気穿孔法、及び当該技術分野において既知の種々の非侵襲性の非エンドサイトーシス送達方法を用いて送達されてもよい(参照によりその全体を本明細書に組み込むDokka and Rojanasakul,Advanced Drug Delivery Reviews 44,35−49参照)。
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、生理学的及び/又は薬学的に許容可能な任意の都合の良いビヒクル又はキャリア中で投与することができる。このような組成物としては、当業者によって使用される任意の種々の標準的な薬学的に許容可能なキャリアが挙げられる。例としては、限定するものではないが、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、水、エタノール水溶液、乳濁液(例えば、油/水乳濁液又はトリグリセリド乳濁液)、錠剤及びカプセルが挙げられる。適切な生理学的に許容可能なキャリアの選択は、選択した投与様式に依存して変わるであろう。「薬学的に許容可能なキャリア」は、医薬品投与に適合可能な任意及び全ての溶剤、分散媒体、コーティング、抗菌及び抗真菌剤、等張及び吸収遅延剤等を包含することを意図する。薬学的に活性な物質へのこのような媒体及び作用剤の使用は、当該技術分野において周知である。いかなる従来の媒体又は作用剤もまた、活性化合物に不適合である場合を除き、組成物への使用が想到される。補助的活性化合物も組成物中に組み込むことができる。
本発明の化合物(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド)は、一般に、遊離酸又は遊離塩基として利用されてもよい。あるいは、本発明の化合物を、酸付加塩又は塩基付加塩の形態で使用してもよい。本発明の遊離アミノ化合物の酸付加塩は、当該技術分野で周知の方法によって調製してもよく、有機酸及び無機酸から形成してもよい。好適な有機酸としては、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、桂皮酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、グリコール酸、グルタミン酸、及びベンゼンスルホン酸が挙げられる。
好適な無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、及び硝酸が挙げられる。塩基付加塩は、カルボキシレートアニオンと共に形成される塩を包含し、アルカリ金属及びアルカリ土類金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、バリウム及びカルシウム)、並びにアンモニウムイオン及びその置換誘導体(例えば、ジベンジルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、2−ヒドロキシエチルアンモニウム等)から選択されるもののような、有機及び無機カチオンと共に形成される塩を包含する。したがって、「薬学的に許容可能な塩」という用語は、任意及び全ての許容可能な塩形態を含むことが意図される。
更に、プロドラッグもまた本発明の文脈内に含まれる。プロドラッグは、かかるプロドラッグを患者に投与した場合にインビボで化合物を放出する任意の共有結合したキャリアである。プロドラッグは、一般に、日常的な操作又はインビボのいずれかによって修飾が切断されて親化合物が得られるような方法で官能基を修飾することによって調製される。プロドラッグとしては、例えば、患者に投与された場合に切断されてヒドロキシ基、アミン基又はスルフヒドリル基を形成する任意の基にヒドロキシ基、アミン基又はスルフヒドリル基が結合した本発明の化合物が挙げられる。したがって、プロドラッグの代表例としては(限定するものではないが)、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドのアルコール及びアミン官能基の酢酸、ギ酸、及び安息香酸誘導体が挙げられる。更に、カルボン酸(―COOH)の場合、メチルエステル、エチルエステル等のエステルを使用してもよい。
場合によっては、アンチセンスオリゴヌクレオチドの細胞内への取り込みを促進するためにリポソームを用いてもよい。(例えば、Williams,S.A.,Leukemia 10(12):1980−1989,1996;Lappalainen et al.,Antiviral Res23:119,1994;Uhlmann et al.,antisense oligonucleotides:a new therapeutic principle,Chemical Reviews,Volume 90,No.4,25 pages544−584,1990;Gregoriadis,G.,Chapter 14,Liposomes,Drug Carriers in Biology and Medicine,pp.287−341,Academic Press,1979参照)。例えば、PCT国際公開WO93/01286号に記載されるように、ヒドロゲルもまた、アンチセンスオリゴマー投与のためのビヒクルとして使用できる。あるいは、オリゴヌクレオチドは、ミクロスフェア又は微粒子中で投与されてもよい(例えば、Wu,G.Y.and Wu,C.H.,J.Biol.Chem.262:4429−4432,30 1987参照)。別の方法としては、米国特許第6,245,747号に記載されるように、アンチセンスオリゴマーと複合体を形成するガス充填マイクロバブルの使用により、標的組織への送達を増強できる。持続放出組成物もまた使用できる。これは、フィルム又はマイクロカプセルのような成形物品の形態の半透性ポリマーマトリクスを包含してもよい。
一実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ポリヌクレオチド関連疾患の症状を示す哺乳類の被験体、例えば、ヒト又は家畜に、好適な薬学的キャリア中で投与される。本方法の一態様では、被験体はヒト被験体、例えばSMAを有すると診断された患者である。患者の症状から、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドの予防的投与が指示されてもよい。例えば、患者が(1)免疫不全患者;(2)火傷被害者;(3)留置カテーテルを有する;又は(4)手術直前か若しくは手術を最近受けた場合である。1つの好ましい実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、薬学的に許容可能なキャリアに含有され、経口送達される。別の好ましい実施形態では、オリゴマーは、薬学的に許容可能なキャリアに含有され、静脈内(i.v.)送達される。
一実施形態では、アンチセンス化合物を、少なくとも200〜400nMアンチセンスオリゴヌクレオチドのピーク血中濃度を得るのに有効な量及び様式で投与する。典型的には、1用量以上のアンチセンスオリゴマーを、一般に、一定間隔を置いて約1〜2週間にわたって投与する。経口投与に好ましい用量は、約1〜1000mgオリゴマー/70kgである。場合によっては、1000mgオリゴマー/患者を超える用量が必要である。i.v.投与の場合、好ましい用量は、約0.5mg〜1000mgオリゴマー/70kgである。アンチセンスオリゴマーを、一定間隔をおいて短期間、例えば、2週間以下にわたって毎日;2日毎に1回:3日毎に1回:3〜7日毎に1回;3〜10日毎に1回;7〜10日毎に1回;2週間毎に1回;毎月1回、投与してもよい。ただし、場合によっては、オリゴマーを、より長期間にわたって、例えば、数週間、数ケ月又は数年間にわたって断続的に投与する。例えば、アンチセンスオリゴマーを、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12ケ月毎に1回投与してもよい。更に、アンチセンスオリゴマーを、1、2、3、4又は5年毎に1回投与してもよい。投与後又は投与と同時に、抗生物質の投与又は他の治療上の処置を行ってもよい。処置レジメンを、処置下の被験体の免疫アッセイ、他の生化学試験、及び生理学検査の結果に基づく指示に従って調節してもよい(用量、頻度、経路等)。
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用した有効なインビボでの処置レジメンは、投与の持続時間、用量、頻度及び経路、並びに処置下の被験体の状態に応じて様々であり得る(すなわち、予防的投与に対して局所若しくは全身性感染に対応した投与)。したがって、かかるインビボでの治療は、しばしば、処置下の特定の疾患の種類に適した試験によるモニタリング、及びモニタリングに従って最適な治療結果を達成するための用量又は処置レジメンの調節が必要であろう。
処置を、例えば、当該技術分野において既知の一般的な疾患の指標によってモニタリングしてもよい。インビボで投与した本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドの有効性を、アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与前、投与中及び投与後に被験体から採取した生体試料(組織、血液、尿等)から決定してもよい。かかる試料のアッセイとしては、(1)当業者に既知の手順(例えば、電気泳動ゲル移動アッセイ)を使用した標的配列及び非標的配列とのヘテロ二重鎖形成の有無のモニタリング;(2)RT−PCR、ノーザンブロット、ELISA又はウェスタンブロッティングのような標準的技法によって測定された参照正常mRNA又はタンパク質と比較した突然変異mRNAの量のモニタリングが挙げられる。
いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、哺乳動物細胞によって能動的に取り込まれる。更なる実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドを、かかる取り込みを容易にするために本明細書中に記載の通り輸送部分(例えば、輸送ペプチド)にコンジュゲートさせることができる。
処置方法
本発明はまた、治療目的で(例えば、SMAの被験体の処置のため)、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて、エクソン7含有SMN2mRNA又はタンパク質の発現を増大させる方法にも関する。したがって、一実施形態において、本発明はSMAを患う個人を処置する方法を提供する。
一実施形態では、SMAを有する被験体からの細胞を本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドと接触させて、エクソン7含有SMN2mRNA又はタンパク質の発現を増大させる。14−mer−APN、E−8/4a−APN及びE8/4b−APNのような代表的なアンチセンス配列及び組成物を表1に開示する。
一実施形態では、脊髄性筋萎縮症を有する被験体からの細胞を本発明のオリゴヌクレオチド試薬と接触させて、SMN2エクソン7のスプライシングを阻害する。代表的なオリゴヌクレオチド試薬としては、イントロン7標的配列又はエクソン8標的配列及びその変異体(例えば、本明細書に示すもの)に相補的な配列が挙げられる。別の実施形態において、選択的スプライシングの阻害から利益を得ると考えられる別の疾患を有する被験体からの細胞を、本発明のオリゴヌクレオチド試薬と接触させる。本明細書に開示される標的配列に関係する標的配列が、ヒトイントロン配列に存在する。例えば、ヒトCFTRのイントロン10に位置するイントロン7配列に部分的に相同な配列が存在する。
このような作用剤はまた、パラコートへの曝露のような酸化的ストレスに対する高い感受性に関連する疾患及び誘発されたパーキンソン病、並びに筋萎縮性側索硬化症(ALS)、低レベルのSMNタンパク質を特徴とするその他の神経疾患の処置にも使用できる(Veldink,J.H.,et al.2005 Neurology 65(6):820−5)。
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、SMAの処置(予防的又は治療的)のために被験体に投与することができる。このような処置と共に、薬理ゲノミクス(すなわち個人の遺伝子型とその個人の異物又は薬物に対する反応との関係の研究)を考慮してもよい。治療の代謝の違いは、薬学的に活性な薬物の用量と血中濃度との関係を変えることによって、重度の毒性又は治療障害を招き得る。したがって、医師又は臨床医は、治療薬を投与するか否かの決定並びに治療薬の用量及び/又は処置レジメンの調節において、関連する薬理ゲノミクス研究で得られた知識の適用を考慮してもよい。
APN修飾オリゴヌクレオチドと非修飾オリゴヌクレオチドとの比較
APN修飾オリゴヌクレオチドが非修飾オリゴヌクレオチドと比較してSMN2エクソン7包含を増強するか否かを判断するため、本発明のいくつかの実施形態のオリゴヌクレオチドを試験した。14−mer−APN(T TC AA AG CG G)と称されるAPN修飾オリゴマーは、太字で示したT塩基にAPN修飾を含有する(SEQ ID NO:21)。N1(A TTC ACT TTC ATA ATG CTG G)及び14merオリゴマー(T TTC ATA ATG CTG G)はAPN修飾を含有しない(それぞれ、SEQ ID NO:1及び19)。同様に、E8/4a−APN(C AG AT TTC CG CAA AG AG)及びE8/4b−APN(C CAG CAC CG CAA AG AG)と称されるオリゴマーは、太字で示したT塩基にAPN修飾を含有する(それぞれ、SEQ ID NO:43及び54);E8/4a(C TAG TAT TTC CTG CAA ATG AG)及びE8/4b(C CAG CAT TTC CTG CAA ATG AG)と称される対応するオリゴマーは、APN修飾を含有しない(それぞれ、SEQ ID NO:42及び53)。図5及び表1参照。
オリゴヌクレオチドに対するAPN修飾の追加は、化合物の効力を、同じ配列を含有する非修飾PMOと比較して増強することが明らかになった(図6参照)。具体的には、14mer(11/15)APNは、APN結合のない14mer(11/15)よりも効力が約1桁高かった。同様に、E8/4a−APN(11/15)及びE8/4b−APN(11/15)は、それぞれE8/4a(11/15)及びE8/4b(11/15)よりも効力が高かった(実施例24及び実施例25並びに図6及び図7参照)。
塩基性窒素ヌクレオシド間リンカーを有するPMO−Xの調製
モルホリノサブユニット、修飾されたサブユニット間結合及びこれを含むオリゴマーを、実施例並びに米国特許第5,185,444号及び同第7,943,762号(参照によりその全体を本明細書中に組み込む)に記載のように調製することができる。モルホリノサブユニットを、以下の一般的な反応スキームIに従って調製することができる。
反応スキーム1.モルホリノサブユニットの調製

反応スキーム1を参照すると、Bは塩基対合部分を示し、PGは保護基を示し、モルホリノサブユニットは、図示のように、対応するリボヌクレオシド(1)から調製することができる。モルホリノサブユニット(2)を、任意追加的に、適切な保護基前駆体(例えば、トリチルクロリド)との反応によって保護することができる。以下により詳細に記載するように、3’保護基は、一般的に、固相オリゴマー合成中に除去される。塩基対合部分を、固相オリゴマー合成のために適切に保護してもよい。好適な保護基としては、アデニン及びシトシンについてはベンゾイル、グアニンについてはフェニルアセチル、ヒポキサンチン(I)についてはピバロイルオキシメチルが挙げられる。ピバロイルオキシメチル基を、ヒポキサンチン複素環塩基のN1位上に導入することができる。非保護ヒポキサンチンサブユニットを用いてもよいが、活性化反応の収率は、塩基が保護されている場合の方がはるかに優れている。他の好適な保護基としては、同時係属米国特許出願第12/271,040号(参照によりその全体を本明細書に組み込む)に開示されている保護基が挙げられる。
3の活性化リン化合物4との反応により、所望の結合部分5を有するモルホリノサブユニットが得られる。構造4の化合物を、当業者に既知の任意数の方法を使用して調製することができる。例えば、かかる化合物を、対応するアミン及びオキシ塩化リンの反応によって調製してもよい。これに関して、アミン出発物質を、当該分野で既知の任意の方法、例えば、実施例及び米国特許第7,943,762号に記載の方法を使用して調製することができる。
構造5の化合物を、サブユニット間結合を含むオリゴマーの調製のための固相自動化オリゴマー合成に使用することができる。かかる方法は、当該分野で周知である。簡潔に述べれば、構造5の化合物を、固体担体に対するリンカーを含有するように5’末端において修飾してもよい。例えば、化合物5を、L11及びL15を含むリンカーによって固体担体に結合してもよい。例示的な方法を、図1及び図2に示す。担持された後、保護基(例えば、トリチル)を除去し、遊離アミンを構造5の第2の化合物の活性化リン部分と反応させる。所望の長さのオリゴが得られるまで、この手順を繰り返す。5’末端中の保護基は除去してもよく、5’修飾が望ましい場合は残してもよい。オリゴは、任意数の方法を用いて固体担体から除去することができ、例えば図3及び4に示すように、DTTで処理した後水酸化アンモニウムで処理することによって除去することができる。
修飾されたモルホリノサブユニット及びモルホリノオリゴマーの調製は、実施例に更に詳細に記載されている。任意数の修飾結合を含有するモルホリノオリゴマーを、本明細書中に記載の方法、当該分野で既知の方法及び/又は本明細書中の参考文献に記載の方法を使用して調製することができる。以前に記載されているように(例えば、PCT公開WO2008036127号参照)調製したモルホリノオリゴマーの包括的修飾もまた実施例に記載されている。
用語「保護基」は、化合物の一部又は全ての反応性部分をブロックし、保護基が除去されるまで、そのような部分が化学反応に参加するのを防ぐ化学的部分を指し、例えば、T.W.Greene,P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd ed.John Wiley&Sons(1999)に列挙及び記載されている部分である。異なる保護基を用いる場合、それぞれの(異なる)保護基を異なる手段によって除去できることが有利となり得る。完全に異なる反応条件下にて開裂される保護基は、そのような保護基の特異的な除去を可能とする。例えば、保護基を酸、塩基、及び水素化分解によって除去することができる。トリチル、ジメトキシトリチル、アセタール及びtert−ブチルジメチルシリルのような基は、酸不安定性であり、水素化分解によって除去可能なCbz基、及び塩基不安定性のFmoc基で保護されたアミノ基の存在下でカルボキシ及びヒドロキシ反応性部分を保護するために使用できる。カルボン酸部分は、メチル、又はエチル等であるがこれらに限定されない塩基不安定性基でブロックすることができ、ヒドロキシ反応性部分は、tert−ブチルカルバメートのような酸不安定性基又は酸及び塩基のいずれにも安定であるが加水分解除去できるカルバメートでブロックされたアミンの存在下で、アセチルのような塩基不安定性基でブロックできる。
カルボン酸及びヒドロキシル反応性部分はまたベンジル基のような加水分解除去可能な保護基でもブロックでき、一方でアミン基はFmocのような塩基不安定性基でブロックすることができる。式(I)の化合物の合成に特に有用なアミン保護基は、トリフルオロアセトアミドである。カルボン酸反応性部分は、2,4−ジメトキシベンジルなどの酸化的に除去可能な保護基でブロックすることができ、一方で共存するアミノ基はフッ化物不安定性のシリルカーバメートでブロックすることができる。
アリルブロック基は、酸保護基が安定で、後に金属又はπ酸触媒によって除去することができるため、酸保護基及び塩基保護基の存在下で有用である。例えば、アリルブロックされたカルボン酸は、酸不安定性t−ブチルカーバメート又は塩基不安定性酢酸アミン保護基の存在下でパラジウム(0)触媒反応で脱保護することができる。保護基の更に別の形態は、化合物又は中間体が結合できる樹脂である。残基が樹脂に結合する限り、その官能基はブロックされ、反応することができない。樹脂から放出されるとすぐに、官能基は反応に利用可能となる。
典型的なブロック/保護基は当該技術分野において既知であり、限定するものではないが、下記の部分を包含する:
他に記載のない限り、全ての化学物質はSigma−Aldrich−Flukaから入手した。ベンゾイルアデノシン、ベンゾイルシチジン、及びフェニルアセチルグアノシンは、Carbosynth Limited,UKから入手した。
本明細書に記載の更なる結合修飾を含有するPMO、PMO+、PPMO、及びPMO−Xの合成は、当該技術分野において既知の方法並びに係属中の米国特許出願公開第12/271,036号及び同第12/271,040号並びにPCT公開番号WO/2009/064471号(これらの全体を参照により本明細書に組み込む)に記載の方法を用いて実施した。
3’トリチル修飾を有するPMOは、脱トリチル化工程が削除されていることを除き、本質的にPCT公開番号WO/2009/064471号の記載の通りに合成した。
活性化サブユニットの調製手順A:

撹拌した6(1当量)のジクロロメタン溶液に、0℃にてPOCl(1.1当量)、続いてジイソプロピルエチルアミン(3当量)を添加し、氷浴により冷却した。15分後、氷浴を除去し、溶液を1時間かけて室温まで自然昇温させた。反応が完了すると、反応溶液をジクロロメタンで希釈し、10%クエン酸水溶液で3回洗浄した。MgSO上で乾燥した後、有機層をシリカゲルのプラグに通し、減圧濃縮した。得られたホスホロアミドジクロリド(4)を、更に精製することなく次の工程に直接使用した。
ホスホロアミドジクロリド(4)(1当量)、2,6−ルチジン(1当量)のジクロロメタン溶液に、Mo(Tr)T(7)(0.5当量)/ジクロロメタン溶液、続いてN−メチルイミダゾール(0.2当量)を添加した。反応を室温で一晩撹拌した。反応が完了すると、反応溶液をジクロロメタンで希釈し、10%クエン酸水溶液で3回洗浄した。MgSO上で乾燥した後、有機層を濾過し、続いて濃縮した。生成物(8)をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサンの勾配で溶離)で精製した後、−20℃で保管した。構造を、LCMS分析によって確認した。
活性化サブユニットの調製手順B:

POCl(1.1当量)のジクロロメタン溶液に、2,6−ルチジン(2当量)を添加し、続いてMo(Tr)T(7)(1当量)/ジクロロメタン溶液を0℃で滴下により添加した。1時間後、反応溶液をジクロロメタンで希釈し、素早く10%クエン酸水溶液で3回洗浄した。所望のホスホロジクロリデート(9)は、MgSO上で乾燥し、溶媒を蒸発させた後に得られた。
ホスホロジクロリデート(1当量)のジクロロメタン溶液に、アミン(1当量)/ジクロロメタンを0℃で滴下により添加した。15分後、反応混合物を約1時間かけて室温まで自然昇温させた。反応が完了すると、生成物(8)を、ヘキサン添加による沈殿、その後濾過によって白色固体として回収した。生成物は、真空乾燥後、−20℃で保管した。構造を、LCMS分析によって確認した。
実施例1:((2S,6R)−6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチルホスホロジクロリデート

冷却(氷/水浴)したオキシ塩化リン(2.12mL、22.7mmol)のDCM溶液(20mL)に2,6−ルチジン(4.82mL、41.4mmol)を滴下により添加し、続いてMo(Tr)T(2)(10.0g、20.7mmol)のDCM溶液(20mL)を15分かけて滴下により添加し(内部温度0〜10℃)、続いて浴を除去し、周囲温度で撹拌を20分間継続した。反応をクエン酸溶液で洗浄(40mL×3、10%w/v aq)、乾燥(MgSO)、濾過及び濃縮して得た白色発泡体(9.79g)を、以後の手順に直接使用した。
実施例2:(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−(ジメチルアミノ)ピペリジン−1−イル)ホスホノクロリデート

冷却(氷/水浴)した実施例1からのジクロロホスフェート(5.00g、5.00mmol)のDCM溶液(5mL)に、ピペリジン(0.61g、4.76mmol)のDCM溶液(5mL)を滴下により添加し、続いて浴を除去し、周囲温度で撹拌を30分間継続した。反応を、直接カラムにロードした。[SiOカラム(40g)、DCM/EtOH溶離液(勾配1:0〜1:1)]を用いたクロマトグラフィーで、表題化合物(2.5g)を白色発泡体として得た。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C4655PのESI/MS計算値862.4、実測値m/z=863.6(M+1)。
実施例3:1−(1−(クロロ((6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メトキシ)ホスホリル)ピペリジン−4−イル)−1−メチルピロリジン−1−イウムクロリド

表題化合物を実施例2に記載の方法と類似の方法で合成し、表題化合物(0.6g)を白色固体として得た。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C4960PのESI/MS計算値903.4、実測値m/z=903.7(M+)。
実施例4:((2S,6R)−6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−メチルピペラジン−1−イル)ホスホノクロリデート

冷却(氷/水浴)したオキシ塩化リン(1.02mL、11.0mmol)のDCM溶液(10mL)に、2,6−ルチジン(3.49mL、29.9mmol)続いてメチルピペラジン(1.00g、10.0mmol)のDCM溶液(10mL)を滴下により添加し、撹拌を1時間継続した。Mo(Tr)T(2)(4.82、10.0mmol)のDCM溶液(10mL)及びNMI(79μL、1.0mmol)を添加し、4時間撹拌した後、直接カラムにロードした。[SiOカラム(80g)、DCM/アセトン(2%TEA含有)溶離液(勾配1:0〜0:1)]を用いたクロマトグラフィーで、表題化合物(0.8g)を白色発泡体として得た。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C4348PのESI/MS計算値834.4、実測値m/z=835.5(M+1)。
実施例5:((2S,6R)−6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−エチルピペラジン−1−イル)ホスホノクロリデート

表題化合物を実施例4に記載の方法と類似の方法で合成し、表題化合物(11.5g)を白色発泡体として得た。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C4553PのESI/MS計算値848.4、実測値m/z=849.7(M+1)。
実施例6:((2S,6R)−6−(6−ベンジルアミド−9H−プリン−9−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−エチルピペラジン−1−イル)ホスホノクロリデート

表題化合物を実施例4に記載の方法と類似の方法で合成し、表題化合物(4.5g)を白色発泡体として得た。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C525611PのESI/MS計算値961.4、実測値m/z=962.8(M+1)。
実施例7:((2S,6R)−6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)ホスホノクロリデート

表題化合物を実施例4に記載の方法と類似の方法で合成し、表題化合物(3.5g)を白色発泡体として得た。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C4655PのESI/MS計算値862.4、実測値m/z=863.7(M+1)。
実施例8:((2S,6R)−6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチルメチル(2−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)エチル)ホスホロアミドクロリデート

表題化合物を実施例4に記載の方法と類似の方法で合成し、表題化合物(1.0g)を白色発泡体として得た。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C4448PのESI/MS計算値904.3、実測値m/z=903.7(M−1)。
実施例9:((2S,6R)−6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチルメチル(2−(2,2,2−トリフルオロ−N−メチルアセトアミド)エチル)ホスホロアミドクロリデート

表題化合物を実施例4に記載の方法と類似の方法で合成し、表題化合物(1.8g)を白色発泡体として得た。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C4550PのESI/MS計算値918.3、実測値m/z=1836.6(2M+)。
実施例10:((2S,6R)−6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ピペリジン−1−イル)ホスホノクロリデート

冷却(氷/水浴)したオキシ塩化リン(17.7mL、190mmol)のDCM溶液(190mL)に2,6−ルチジン(101mL、864mmol)を滴下により添加し、続いてMo(Tr)T(2)(83.5g、173mmol)を15分かけて少しずつ添加し(内部温度0〜10℃)、撹拌した。30分後、4−アミノピペリジンモノトリフルオロアセトアミド(48.9g、約190mmol)を15分かけて滴下により添加し(内部温度0〜8℃)、撹拌した。1時間後、DIPEA(50mL)を滴下により添加し(内部温度0〜10℃)、1時間撹拌した。反応をクエン酸溶液で洗浄(500mL×3、10%w/v aq)、乾燥(MgSO)、濾過及び濃縮して粘稠油を得、これを直接カラムにロードした。[SiOカラム(300g)、ヘキサン/EtOAc溶離液(勾配1:0〜0:1)]を用いたクロマトグラフィーで、表題化合物(91.3g、収率70%)を白色発泡体として得た。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C4348PのESI/MS計算値930.9、実測値m/z=954.4(M+Na)。
実施例13〜37は、上記の手順Aにより調製した。
実施例11:(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−(1−(2,2,2−トリフルオロアセチル)ピペリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)ホスホノクロリデート
実施例12:(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−モルホリノピペリジン−1−イル)ホスホノクロリデート
実施例13:(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチルビス(3−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)プロピル)ホスホロアミドクロリデート
実施例14:(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル[1,4’−ビピペリジン]−1’−イルホスホノクロリデート

以下の実施例15〜20は、上記の手順Bにより調製した。
実施例15:(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)ホスホノクロリデート
実施例16:(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−(2−(ジメチルアミノ)エチル)ピペラジン−1−イル)ホスホノクロリデート
実施例17:(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−フェニルピペラジン−1−イル)ホスホノクロリデート
実施例18:(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−(2,2,2−トリフルオロ−N−メチルアセトアミド)ピペリジン−1−イル)ホスホノクロリデート
実施例19:(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチルメチル(3−(2,2,2−トリフルオロ−N−メチルアセトアミド)プロピル)ホスホロアミドクロリデート
実施例20:((2S,6R)−6−(6−ベンズアミド−9H−プリン−9−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ピペリジン−1−イル)ホスホノクロリデート
実施例21:(4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)ホスホン酸ジクロリド塩酸塩

冷却(氷/水浴)したオキシ塩化リン(5.70mL、55.6mmol)のDCM溶液(30mL)に、2,6−ルチジン(19.4mL、167mmol)及び4−(1−ピロリジニル)−ピペリジン(8.58g、55.6mmol)のDCM溶液(30mL)を添加し、1時間撹拌した。懸濁液を濾過し、固体を過剰のジエチルエーテルで洗浄して、表題ピロリジン(17.7g、収率91%)を白色固体として得た。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C1930PのESI/MS計算値423.2、実測値m/z=422.2(M−1)。
実施例22:((2S,6R)−6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)ホスホノクロリデート塩酸塩

撹拌、冷却(氷/水浴)した実施例21からのジクロロホスホロアミデート(17.7g、50.6mmol)のDCM溶液(100mL)に、Mo(Tr)T(2)(24.5g、50.6mmol)のDCM溶液(100mL)、2,6−ルチジン(17.7mL、152mmol)、及び1−メチルイミダゾール(0.401mL、5.06mmol)を10分かけて滴下により添加した。懸濁液を撹拌しながら、浴を周囲温度まで自然昇温させた。6時間後、懸濁液をジエチルエーテル(1L)に注ぎ、15分撹拌、濾過し、固体を追加のエーテルで洗浄して白色固体(45.4g)を得た。粗生成物をクロマトグラフィー[SiOカラム(120グラム)、DCM/MeOH溶離液(勾配1:0〜6:4)]で精製し、合わせた画分をジエチルエーテル(2.5L)に注ぎ、15分間撹拌、濾過し、得られた固体を追加のエーテルで洗浄して、表題化合物(23.1g、収率60%)を白色固体として得た。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C4857PのESI/MS計算値888.4、実測値m/z=887.6(M−1)。
実施例23:モルホリノオリゴマーの調製
トリチルピペラジンフェニルカルバメート1bの調製(図1参照):冷却した化合物1aのジクロロメタン(6mL/g11)懸濁液に、炭酸カリウム(3.2当量)の水溶液(4mL/g炭酸カリウム)を添加した。この2相混合物に、クロロギ酸フェニル(1.03当量)のジクロロメタン溶液(2g/gクロロギ酸フェニル)をゆっくりと添加した。反応混合物を20℃に加温した。反応が完了すると(1〜2時間)、層を分離した。有機層を水で洗浄し、無水炭酸カリウム上で乾燥した。生成物1bを、アセトニトリルからの結晶化により単離した。収率=80%。
カルバメートアルコール1cの調製:水素化ナトリウム(1.2当量)を1−メチル−2−ピロリジノン(32mL/g水素化ナトリウム)に懸濁した。この懸濁液にトリエチレングリコール(10.0当量)及び化合物1b(1.0当量)を添加した。得られるスラリーを95℃に加熱した。反応が完了すると(1〜2時間)、混合物を20℃に冷却した。この混合物に、30%ジクロロメタン/メチルtert−ブチルエーテル(v:v)及び水を添加した。生成物を含有する有機層を、NaOH水溶液、コハク酸水溶液、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で連続して洗浄した。生成物1cをジクロロメタン/メチルtert−ブチルエーテル/ヘプタンから結晶化により単離した。収率=90%。
Tail酸1dの調製:化合物1cのテトラヒドロフラン(7mL/g36)溶液に無水コハク酸(2.0当量)及びDMAP(0.5当量)を添加した。混合物を50℃に加熱した。反応が完了すると(5時間)、この混合物を20℃に冷却し、NaHCO3水溶液でpH8.5に調節した。メチルtert−ブチルエーテルを添加し、生成物を水層に抽出した。ジクロロメタンを添加し、混合物をクエン酸水溶液でpH3に調節した。生成物を含有する有機層をpH=3クエン酸塩緩衝液と飽和塩化ナトリウム水溶液との混合物で洗浄した。この1dのジクロロメタン溶液を、単離せずに化合物1eの調製に使用した。
1eの調製:化合物1dの溶液にN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド(HONB)(1.02当量)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.34当量)、続いて1−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(1.1当量)を添加した。混合物を55℃に加熱した。反応が完了すると(4〜5時間)、混合物を20℃に冷却し、1:1の0.2Mクエン酸/ブライン及びブラインで連続的に洗浄した。ジクロロメタン溶液を、アセトン、続いてN,N−ジメチルホルムアミドと溶媒交換し、生成物をアセトン/N,N−ジメチルホルムアミドから飽和塩化ナトリウム水溶液への沈殿によって単離した。粗生成物を、水に数回再スラリー化し、残留するN,N−ジメチルホルムアミド及び塩を除去した。化合物1cからの1eの収率=70%活性化した「Tail」のジスルフィドアンカー樹脂上への導入を、固相合成中のサブユニット組み込みに使用した手順によって、NMP中で実施した。
モルホリノオリゴマーの合成用の固体担体の調製(図2参照):この手順は、粗大空隙(40〜60μm)ガラスフリット、オーバーヘッド撹拌子、及びTeflon三方コックを備え、フリットを通したN2のバブリング又は減圧抽出が可能な、シラン処理されたジャケット付きペプチド容器(ChemGlass,NJ,USAによる注文生産)で実施した。反応容器における温度の制御は、循環水浴によって達成した。
以下の手順における樹脂の処理/洗浄の工程は、樹脂流動化と溶媒/溶液抽出との2つの基本操作からなる。樹脂流動化では、N2がフリットを通って上方に流れるようにコック位置を設定し、特定の樹脂処理/洗浄剤を反応器に添加して、樹脂に浸透させ、樹脂を完全に湿潤させた。続いて、混合を開始し、樹脂のスラリーを、特定の時間にわたって混合した。溶媒/溶液抽出では、混合及びN2の流れを停止し、減圧ポンプを始動し、続いて、樹脂処理/洗浄剤が廃棄物に排出されるようにコック位置を設定した。樹脂処理/洗浄剤の全体積は、別途記載のない限り、15mL/g樹脂であった。
シラン処理されたジャケット付きペプチド容器中のアミノメチルポリスチレン樹脂(100〜200メッシュ、約1.0mmol/g N2置換;75g、1当量、Polymer Labs,UK、部品#1464−X799)に、1−メチル−2−ピロリジノン(NMP;20ml/g樹脂)を添加し、1〜2時間混合しながら樹脂を膨潤させた。膨潤溶媒排出後、樹脂をジクロロメタン(2×1〜2分間)、25%イソプロパノール/ジクロロメタン中の5%ジイソプロピルエチルアミン(2×3〜4分間)及びジクロロメタン(2×1〜2分間)で洗浄した。最終洗浄液を排出した後、樹脂を、ジスルフィドアンカー2aの1−メチル−2−ピロリジノン(0.17M;15mL/g樹脂、約2.5当量)溶液で流動化し、この樹脂/試薬混合物を45℃で60時間加熱した。反応が完了すると、加熱を停止し、アンカー溶液を排出し、樹脂を1−メチル−2−ピロリジノン(4×3〜4分)及びジクロロメタン(6×1〜2分)で洗浄した。樹脂を10%(v/v)ジエチルジカルボナートのジクロロメタン溶液(16mL/g;2×5〜6分)で処理し、次いでジクロロメタン(6×1〜2分)で洗浄した。樹脂2bをN2流下で1〜3時間乾燥し、続いて減圧下で一定重量(±2%)まで乾燥した。収率:樹脂の原重量の110〜150%。
アミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂の負荷の決定:樹脂の負荷(潜在的に利用可能な反応性部位の数)は、樹脂1gあたりのトリフェニルメチル(トリチル)基の数の分光アッセイにより決定される。
既知重量の乾燥樹脂(25±3mg)を、シラン処理した25mLメスフラスコに移し、約5mLの2%(v/v)トリフルオロ酢酸ジクロロメタン溶液を添加する。内容物を静かに旋回させて混合し、次いで30分間静置する。追加の2%(v/v)トリフルオロ酢酸ジクロロメタン溶液で25mLに増量し、内容物を十分に混合する。容積式ピペットを使用して、一定分量のトリチル含有溶液(500μL)を10mLメスフラスコに移し、メタンスルホン酸で10mLに増量する。
最終溶液におけるトリチルカチオン含量を、431.7nmにおけるUV吸光度により測定し、適切な容量、希釈、消光係数(ε:41μmol−1cm−1)及び樹脂重量を用いて、樹脂の負荷を、樹脂1g当たりのトリチル基(μmol/g)として算出する。このアッセイをトリプリケートで行い、平均の負荷を算出する。
この実施例における樹脂の負荷手順は、約500μmol/gの負荷を有する樹脂を提供する。ジスルフィドアンカー組み込み工程を、室温で24時間行った場合、300〜400μmol/gの負荷が得られた。
Tailの負荷:アミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂の調製と同じ設定及び容量を用いて、Tailを分子に導入することができる。カップリング工程では、ジスルフィドアンカー溶液の代わりに、1e(0.2M)の4−エチルモルホリン(NEM、0.4M)含有NMP溶液を用いた。45℃で2時間の後、樹脂2bを5%ジイソプロピルエチルアミンの25%イソプロパノール/ジクロロメタン溶液で2回、及びDCMで1回洗浄した。この樹脂に、無水安息香酸(0.4M)及びNEM(0.4M)の溶液を添加した。25分後、反応器のジャケットを室温まで冷却し、樹脂を、5%ジイソプロピルエチルアミンの25%イソプロパノール/ジクロロメタン溶液で2回及びDCMで8回洗浄した。樹脂2cを濾過し、高真空下で乾燥した。樹脂2cの負荷は、Tailの負荷において使用した、最初のアミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂2bの負荷であると定義される。
固相合成:モルホリノオリゴマーを、2mLのGilsonポリプロピレン反応カラム(部品#3980270)中、Gilson AMS−422自動ペプチド合成装置にて調製した。水を流すためのチャネルを備えるアルミニウムブロックを、合成装置に据えたカラムの周りに配置した。AMS−422は、あるいは試薬/洗浄溶液を加え、特定の時間にわたり保持し、真空を用いてカラムから排出させる。
約25サブユニットまでの範囲の長さのオリゴマーには、約500μmol/g樹脂の負荷のアミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂が好ましい。より長いオリゴマーには、300〜400μmol/g樹脂の負荷のアミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂が好ましい。5’−Tailを持つ分子が望ましい場合、Tail負荷された樹脂を、同じ負荷ガイドラインを用いて選択する。
以下の試薬溶液を調製した:
脱トリチル化溶液:10%シアノ酢酸(w/v)の4:1ジクロロメタン/アセトニトリル溶液;中和溶液:5%ジイソプロピルエチルアミンの3:1ジクロロメタン/イソプロパノール溶液;カップリング溶液:0.18M(又は、20サブユニットより長く成長したオリゴマーについては0.24M)の所望の塩基及び結合型の活性化されたルモホリノサブユニット及び0.4MのN−エチルモルホリンの1,3−ジメチルイミダゾリジノン溶液。異なる試薬溶液洗浄液を分離する移行用洗浄として、ジクロロメタン(DCM)を用いた。
ブロックを42℃に設定した合成装置において、30mgのアミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂(又はTail樹脂)を含有する各カラムに、2mLの1−メチル−2−ピロリジノンを加え、室温で30分間静置した。2mLのジクロロメタンで2回洗浄した後、以下の合成サイクルを用いた:

各カラムが、適切なカップリング溶液(A、C、G、T、I)を適切な順序で受け取るように、個々のオリゴマーの順序を合成装置にプログラムした。カラム内のオリゴマーがその最後のサブユニットの組み込みを完了すると、カラムをブロックから外し、0.89Mの4−エチルモルホリンを含有する4−メトキシトリフェニルメチルクロリド(DMI中0.32M)を含むカップリング溶液を用いて、手動で最後のサイクルを実施した。
樹脂からの切断並びに塩基及び骨格保護基の除去:メトキシトリチル化の後、樹脂を、2mLの1−メチル−2−ピロリジノンで8回洗浄した。0.1M1,4−ジチオスレイトール(DTT)及び0.73Mトリエチルアミンの1−メチル−2−ピロリジノン溶液からなる切断溶液を1mL添加し、カラムに蓋をして、室温で30分間静置した。その後、この溶液を、12mLのWheatonバイアル中に排液した。大幅に縮んだ樹脂を、300μLの切断溶液で2回洗浄した。この溶液に、4.0mLの濃アンモニア水溶液(−20℃で保管)を添加し、(Teflonライニング付スクリューキャップで)バイアルにしっかりと蓋をし、混合物を旋回させて溶液を混合した。バイアルを、45℃のオーブン内に16〜24時間置いて、塩基及び骨格保護基を切断した。
初期オリゴマーの単離:バイアル中のアンモノリシス溶液をオーブンから取り出し、室温まで放置冷却した。この溶液を、20mLの0.28%アンモニア水溶液で希釈し、Macroprep HQ樹脂(BioRad)を含有する2.5×10cmのカラムに通した。塩勾配(A:0.28%アンモニア+B:0.28%アンモニア中の1M塩化ナトリウム;60分で0〜100%のB)を用いて、メトキシトリチルを含有するピークを溶離した。合わせた画分をプールし、所望される生成物に応じて更に処理した。
モルホリノオリゴマーの脱メトキシトリチル化:Macroprep精製からのプールした画分を、1MのH3PO4で処理して、pHを2.5まで下げた。最初の混合の後、試料を、室温で4分間静置し、この時点で2.8%アンモニア/水を用いてpH10〜11に中和する。生成物を、固相抽出(SPE)により精製した。
Amberchrome CG−300M(Rohm and Haas;Philadelphia,PA)(3mL)を20mLのフリット状カラム(BioRad Econo−Pacクロマトグラフィーカラム(732−1011))に充填し、樹脂を以下の溶液3mLですすいだ:0.28%NH4OH/80%アセトニトリル;0.5M NaOH/20%エタノール;水;50mM H3PO4/80%アセトニトリル;水;0.5NaOH/20%エタノール;水;0.28%NH4OH。
脱メトキシトリチル化からの溶液をカラム上にロードし、樹脂を、3〜6mLの0.28%アンモニア水溶液で3回すすいだ。Wheatonバイアル(12mL)をカラムの下に置き、45%アセトニトリル0.28%アンモニア水溶液2mLで2回洗浄することによって、生成物を溶離した。この溶液をドライアイス中で凍結し、バイアルを、凍結乾燥装置中に置いて、綿毛状の白色粉末を生じた。この試料を水に溶解し、シリンジを用いて0.22マイクロメートルフィルター(Pall Life Sciences,Acrodisc 25mmシリンジフィルター+0.2マイクロメートルのHT Tuffrynメンブラン)を通して濾過し、UV分光光度計にて光学密度(OD)を測定して、存在するオリゴマーのOD単位を決定し、分析用の試料を分与した。続いて、この溶液を、凍結乾燥のためWheatonバイアルに戻した。
モルホリノオリゴマーの分析:MALDI−TOF質量分析を用いて、精製物における画分の組成を決定し、オリゴマーを同定する証拠(分子量)を得た。試料を3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸(シナピン酸)、3,4,5−トリヒドロキシアセトフェノン(THAP)又はα−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸(HCCA)の溶液をマトリクスとして希釈した後、測定した。
Dionex ProPac SCX−10、4×250mmカラム(Dionex Corporation;Sunnyvale,CA)を用いたカチオン交換(SCX)HPLCを、25mM(pH=5)酢酸ナトリウム25%アセトニトリル(緩衝液A)と25mM(pH=5)酢酸ナトリウム25%アセトニトリル1.5M塩化カリウム(緩衝液B)(15分で10〜100%Bの勾配)、又は25mM KH2PO4 25%アセトニトリル(pH=3.5)(緩衝液A)と25mM KH2PO4 25%アセトニトリル(pH=3.5)+1.5M塩化カリウム(緩衝液B)(15分で0〜35%Bの勾配)を用いて行った。前者の系は、ペプチドが結合していない正に荷電したオリゴマーに用い、後者はペプチドコンジュゲートに用いた。
カチオン交換クロマトグラフィーによるモルホリノオリゴマーの精製:試料を、20mMの酢酸ナトリウム(pH=4.5)(緩衝液A)に溶解して、Source30カチオン交換樹脂のカラム(GE Healthcare)にアプライし、20mM酢酸ナトリウム中0.5Mの塩化ナトリウム及び40%アセトニトリル(pH=4.5)(緩衝液B)の勾配を用いて溶離した。プールした生成物含有画分を濃アンモニア水溶液で中和し、Amberchrome SPEカラムにアプライした。生成物を、上述のようにして、溶離、凍結及び凍結乾燥した。
実施例24:APNオリゴヌクレオチド修飾によるSMN2エクソン7包含の増強
図5に示す配列を含有するオリゴヌクレオチドを試験して、APNオリゴヌクレオチドがSMN2エクソン7包含を増強するか否かを判断した。表1に示すオリゴヌクレオチドの各々を、下記のヌクレオフェクションプロトコルを用いて細胞に導入した。結果を逆転写酵素プロトコルを用いて定量化し、図6及び図7に示す。GM03813線維芽細胞(Coriell)中のSMN2エクソン7の包含又は除外を表すゲルバンドの強度を、ImageQuant(GE)で定量化した。エクソン7包含は、エクソン7包含バンド強度をエクソン7包含バンドと除外バンドからの強度の合計で除算した比から計算されたパーセンテージとして報告される。各ドットは、各濃度における2つのレプリケートの平均+/−1標準偏差を表す。3種類の独立した実験を組み合わせて上記のデータセットを得た。包含パーセンテージの分析は、Microsoft Excelで実施した。データポイント及び曲線は、Graphpad Prismでプロットした。図6に示すように、オリゴヌクレオチドに対するAPN修飾の追加は、化合物の効力を、同じ配列を含有する非修飾PMOと比較して増強する。したがって、図6に示すように、14mer(11/15)APNは、APN結合のない14mer(11/15)よりも効力が約1桁高かった。同様に、E8/4a−APN(11/15)及びE8/4b−APN(11/15)は、それぞれE8/4a(11/15)及びE8/4b(11/15)よりも効力が高かった。
実施例25:SMA細胞ヌクレオフェクションプロトコル
脊髄性筋萎縮症罹者からの患者由来線維芽細胞(Coriell細胞系GM03813)を、標準的プロトコルに従って、10%FBS添加イーグルMEMを用いて培養した。細胞は、実験までに3〜5日経過しており、ヌクレオフェクション時点で約80%コンフルエントであった。オリゴは、ヌクレアーゼフリー水(DEPC未処理)中1〜2mMの原液として調製し、この原液から適切な希釈液をヌクレオフェクション用に調製した。線維芽細胞をトリプシン処理し、計数し、90gで10分間遠心分離し、1〜5×10e5細胞/ウェルをヌクレオフェクション溶液P2(Lonza)に再懸濁した。続いて、オリゴ溶液及び細胞をNucleocuvette16ウェルストリップの各ウェルに加え、プログラムEN−100でパルス処理した。細胞を室温で10分間インキュベートし、12ウェルプレートにデュプリケートで移植した。48時間後に、GE Illustra96スピンキットを用い、製造業者が推奨するプロトコルに従って、全RNAを処理細胞から単離した。回収したRNAを、分析前に−80℃で保管した。
SMN2対立遺伝子を増幅するため、SuperScript III One−Step RT−PCRシステム(Invitrogen)を用いて逆転写酵素PCRを実施した。ヌクレオフェクトした細胞から単離した400ngの全RNAを逆転写し、以下の遺伝子特異的なプライマー及び条件で増幅した(Hua 2007に記載):E6−F:5’ATA ATT CCC CCA CCA CCT CCC 3’;E8−467−R:5’TTG CCA CAT ACG CCT CAC ATA C 3’;PCRプログラム:60℃で30分のRTインキュベーション;変性94℃、アニール55℃、伸長72℃、22サイクル。One−Stepキットに入れた増幅液に、Cy5標識dCTP(GE)を加え、蛍光によるバンド可視化を可能とした。増幅後、PCR産物をDDEIで消化して、SMN1又はSMN2対立遺伝子を差別化した(Hua 2007の記載による)。消化された試料を、10%アクリルアミド/TBEプレキャストゲル(Invitrogen)に流し、633nm励起レーザー及びプラテン面に焦点面を有する670nm BP 30発光フィルタを用いてTyphoon Trio(GE)で可視化した。ゲルをImageQuant(GE)で分析し、バンドの強度を測定した。エクソン7を含有する全バンドから得た強度を加算し、包含分析における全エクソン7転写物レベルを表した。
実施例26:SMAマウスモデル
SMNΔ7マウスを、アンチセンスオリゴヌクレオチドを修飾する疾患を特性化するためのSMAモデルとして使用することができる。マウスはSmn遺伝子を1つだけ有し、この遺伝子の損失は胚致死性である。ヒトSMAをモデル化するSMN欠失を有するマウスを作成するため、ヒトSMN2遺伝子をマウスに導入することができる。例えば、2コピーのヒトSMN2を、Smnを欠くマウスに導入して、平均寿命5日の重篤なSMAを有するマウスを作成することができる一方で、8コピーのSMN2を導入してこのマウスを救うことができる。更に、SMNΔ7、エクソン7を欠くSMN導入遺伝子を、重篤なSMAのマウスに導入して、平均寿命を延ばすことができる。更に、SMNを生後に導入して、SMNΔ7マウスのSMAを調節することができる。したがって、SMNΔ7マウスを、アンチセンスオリゴヌクレオチドを修飾する疾患を特性化するためのSMAモデルとして使用することができる。
SMAのSMNΔ7マウスモデルを使用して、SMN発現を増大するための多処置戦略を実施することができる。SMNプロモータの活性化又はエクソン7スプライシングパターンの変更のいずれかを行うためにアンチセンスオリゴマー等の様々な薬理化合物を用いた標的化SMN産生を実施して、SMNΔ7のSMAマウスの表現型を改善することができる。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、エクソンスプライシングエンハンサー又はイントロンスプライシングサイレンサー(ISS)を包含する標的配列をブロックすることができる。更に、SMNを生後に誘発して治療効果を達成することができる。
PMO、PMO+、PPMO、及びPMO−Xのようなアンチセンスオリゴマーを、高濃度でのICV注入によってマウスに送達して、SMN2スプライシングの変更及びSMNレベルの増大を行うことができる。処置したSMAマウスは、体重増加、運動活性及び寿命延長で改善を示す場合がある。アンチセンスオリゴマーは、限定するものではないが、脳室内(ICV)注入、末梢FV送達、末梢送達とICV送達との組み合わせ、及びデュアルICV注入等が挙げられる数種類の機構によって送達されてもよい。
早期のCNS処置は、ロバストな作用を与える可能性が高い。ただし、遅延したCNS送達もなお生存レベルを増大する可能性がある。
ICV注入により、脳及び脊髄において、SMN2エクソン7取り込みとSMNタンパク質レベルとの両方の増大が得られる可能性がある。したがって、SMAに衝撃を与えるためにニューロン内のSMNレベルを回復することは好ましい場合がある。長期生存効果が、末梢におけるSMNレベルの有意な増強なく得られる可能性がある。ただし、血液脳関門の外側での自律神経系におけるSMN発現増大が、SMAの矯正を生じる可能性もある。
表1
SMA標的オリゴヌクレオチドのためのPMO及びAPN修飾配列
APN修飾位置を太赤字及び下線で示す。


Claims (13)

  1. 細胞内のエクソン7含有SMN2mRNAのエクソン欠失SMN2mRNAに対するレベルを増強するための10〜40ヌクレオチドの長さのアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む組成物であって、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、SMN2遺伝子内の一領域に特異的にハイブリダイズし、前記細胞を、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドと接触させて、細胞内のエクソン7含有SMN2mRNAのエクソン7欠失SMN2mRNAに対するレベルが増強することを特徴とし、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、生理学的pHにおいて正に荷電したヌクレオシド間結合を少なくとも1つ有し、
    ここで、前記オリゴヌクレオチドは、次式:
    並びにこれらの薬学的に許容可能な塩を有するヌクレオチドを少なくとも1つ有し、
    式中、Nuは核酸塩基であり
    は、HO−、ヌクレオチド、膜透過性ペプチド部分、及びピペラジニルからなる群から選択され;
    は、水素、C〜Cアルキル、ヌクレオチド、ペプチド部分、アミノ酸、ホルムアミジニル部分、及びアシルからなる群から選択され;
    は、不在、水素、C〜Cアルキル、及びアシルからなる群から選択される、組成物。
  2. 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、4.5〜12のpKaを示すヌクレオシド間結合を少なくとも1つ有する、請求項1に記載の組成物。
  3. Nuが、アデニン、グアニン、チミン、ウラシル、シトシン、及びヒポキサンチンからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  4. Nuがチミン又はウラシルである、請求項3に記載の組成物。
  5. 標的領域が、SMN2遺伝子のエクソン7、イントロン7、又はエクソン8内にある、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、SMN2遺伝子のイントロン7に相補的な配列を含む、請求項に記載の組成物。
  7. 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、SMN2遺伝子のイントロン7及びエクソン8の一部分に相補的な配列を含む、請求項に記載の組成物。
  8. 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、10〜30ヌクレオチドの配列を含む、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、14〜21ヌクレオチドの配列を含む、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、以下:
    (下線のヌクレオチドはAPN修飾を含む)
    からなる群より選択される配列を含む、請求項1に記載の組成物。
  11. 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、細胞取り込みを増強するペプチド部分を更に含む、請求項1に記載の組成物。
  12. 前記ペプチドが、アルギニンリッチペプチドである、請求項11に記載の組成物。
  13. 患者の脊髄性筋萎縮症(SMA)を処置するための10〜40ヌクレオチドの長さのアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む組成物であって、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、SMN2プレmRNA内の一領域に特異的にハイブリダイズし、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが前記患者に投与されて、前記患者におけるエクソン7含有SMN2mRNAのエクソン欠失SMN2mRNAに対するレベルが増強することを特徴とし、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、生理学的pHにおいて正に荷電したヌクレオシド間結合を少なくとも1つ有し、
    ここで、前記オリゴヌクレオチドは、次式:
    並びにこれらの薬学的に許容可能な塩を有するヌクレオチドを少なくとも1つ有し、
    式中、Nuは核酸塩基であり
    は、HO−、ヌクレオチド、膜透過性ペプチド部分、及びピペラジニルからなる群から選択され;
    は、水素、C〜Cアルキル、ヌクレオチド、ペプチド部分、アミノ酸、ホルムアミジニル部分、及びアシルからなる群から選択され;
    は、不在、水素、C〜Cアルキル、及びアシルからなる群から選択される、する、組成物。
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