JP6494441B2 - 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム - Google Patents
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Description
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、およびプログラムに関し、特に、撮像画像を表示するために用いて好適なものである。
従来から、外部より伝送された画像をリアルタイムで表示する場合に、入力のタイミングに対して表示のタイミングが遅くなることを抑制することが求められている。そうしないと、撮像した画像を見ながら作業を行うことが困難になる等の課題があるからである。画像の入力に対して表示のタイミングの遅れ(表示遅延)を低減する技術として特許文献1に記載の技術が開示されている。
特許文献1には、必要時間が許容遅延時間を上回る場合には、表示タイミングを早めて必要時間を小さくし、必要時間が許容遅延時間以下である場合には、表示タイミングを遅らせて必要時間を大きくすることが記載されている。ここで、許容遅延時間とは、画像の書き込みが開始された書込み開始時刻から、予め決められた所要時間で書き込みを終了できないときに許容される遅延時間である。必要時間とは、許容遅延時間以下の遅延時間で書き込まれた画像の書き込み開始時刻から、画像の表示を開始する表示タイミングまでに要する時間である。
また、表示の遅延を低減するメモリアクセスの方法に関して、追い掛け制御に関する技術が開示されている。追い掛け制御では、同じメモリ領域に対してデータの読み出しが書き込みを追い越さないように所定の遅延量を持たせてメモリアクセス制御を行うことにより、メモリアクセスによる遅延量を低減する。この種の技術として特許文献2に記載の技術が開示されている。
特許文献2には、同じメモリ領域に対してデータの読み出しが書き込みを追い越さないように所定の遅延量を持たせ、遅延量が所定の範囲にない場合にアクセスアラームを出力し、データの読み出しを一時的に停止することが記載されている。
特許文献2には、同じメモリ領域に対してデータの読み出しが書き込みを追い越さないように所定の遅延量を持たせ、遅延量が所定の範囲にない場合にアクセスアラームを出力し、データの読み出しを一時的に停止することが記載されている。
ところで、撮像装置においても、撮像画像をリアルタイムで表示する場合に、撮像のタイミングに対して表示のタイミングが遅くなることを抑制することが求められる。そうしないと、素早い被写体の動きに追従しながら撮像することが困難になる等の課題があるからである。
撮像装置における動画像の記録・表示を行う場合、記録・表示のフレームレートを一定に保つ必要がある。例えば、時間的に大きさ・位置等が変化する物体を撮影している場合に記録・表示のフレームレートが変わってしまうとスムーズな変化が阻害されてしまい、見え方に違和感が出てしまう可能性がある。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、表示のタイミングを調整することで表示の遅延の低減を図る。したがって、特許文献1に記載の技術を撮像装置に適用することは容易ではない。
また、撮像装置におけるメモリ領域へのアクセスのタイミングは常に一定とはならない。カメラ制御や、周辺機器との通信等においてもメモリのアクセスが発生する。このため、帯域が混雑する場合には動画像の記録・表示のためのデータの読み出しに対して書き込みが通常よりも遅くなる場合がある。
特許文献2に記載の技術では、このようなデータの書き込みの遅れによって、追い掛け制御で設定している書き込みと読み出しとの間の遅延量が所定の遅延量を超えた場合、表示の遅延量が不安定になる場合がある。したがって、特許文献2に記載の技術を撮像装置に適用すると、画像の一部でフレームの更新が間に合わず、以前のフレームで読み出した画像が表示されることになり、表示される画像が破綻する可能性がある。このため、表示される画像が破綻しないように、必要以上の遅延量を設ける必要があり、表示の遅延が増大する。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、撮像画像をその場で表示する際に、表示の遅延を抑制することと、安定して表示させることとの双方を実現することを目的とする。
本発明の画像処理装置は、撮像手段により撮像された画像データに対してフィルタ処理を行うフィルタ処理手段と、前記フィルタ処理が行われた画像データを記憶手段に書き込む書き込み手段と、前記記憶手段に記憶された画像データを読み出す読み出し手段と、前記フィルタ処理で用いるフィルタのタップ数をフレーム単位で制御する制御手段と、前記読み出し手段により読み出された画像データに基づく画像をフレーム単位で表示手段に表示させる表示処理手段と、を有し、前記制御は、前記画像データが前記記憶手段に書き込まれるタイミングから、当該画像データが前記記憶手段から読み出されるタイミングまでの時間である遅延時間が、前記タップ数を変更する前よりも長くなるように、前記タップ数を変更する制御を含むことを特徴とする。
本発明によれば、撮像画像をその場で表示する際に、表示の遅延を抑制することと、安定して表示させることとの双方を実現することができる。
撮像装置においてEVF(電子ビューファインダー)等に撮像画像をその場でリアルタイムに表示する際の表示の遅延の要因には、撮像センサーにおける撮像速度の限界、メモリ領域に対するアクセス遅延、フィルタ処理における回路遅延等、様々なものがある。
フィルタ処理の例としては、各種レンズの収差補正、周辺光量落ち補正、ノイズ低減処理、合成処理等が挙げられる。フィルタ処理では、着目領域の周辺の領域を参照するタップ処理を行うことが多い。タップ処理では、メモリを遅延ラインとして使用するため、ライン単位での遅延が発生する。そこで、以下の各実施形態では、主として、このような撮像装置におけるフィルタ処理による遅延を抑制するための技術を示す。以下、図面を参照しながら、実施形態を説明する。
フィルタ処理の例としては、各種レンズの収差補正、周辺光量落ち補正、ノイズ低減処理、合成処理等が挙げられる。フィルタ処理では、着目領域の周辺の領域を参照するタップ処理を行うことが多い。タップ処理では、メモリを遅延ラインとして使用するため、ライン単位での遅延が発生する。そこで、以下の各実施形態では、主として、このような撮像装置におけるフィルタ処理による遅延を抑制するための技術を示す。以下、図面を参照しながら、実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態を説明する。
図1は、撮像装置10の構成の一例を示す図である。尚、撮像装置10は、例えば、デジタルカメラまたはデジタルビデオカメラである。また、図1では、撮像装置10の構成のうち、本実施形態の説明に必要な構成のみを示す。撮像装置10は、図1に示す構成要素以外にも、撮像装置が備える公知の構成要素を備える。
まず、第1の実施形態を説明する。
図1は、撮像装置10の構成の一例を示す図である。尚、撮像装置10は、例えば、デジタルカメラまたはデジタルビデオカメラである。また、図1では、撮像装置10の構成のうち、本実施形態の説明に必要な構成のみを示す。撮像装置10は、図1に示す構成要素以外にも、撮像装置が備える公知の構成要素を備える。
図1において、撮像センサー100は、不図示の光学レンズやおよび絞り等を通過した光学像を電気信号に変換し、画像を生成する。フィルタ処理部101は、撮像センサー100から画像を入力し、各種レンズの収差補正、周辺光量落ち補正、ノイズ低減処理、および合成処理等の各種のフィルタ処理(画像処理)を施す。尚、撮像装置の本体に対し鏡筒レンズを取り外し可能とし、撮像センサー10を鏡筒レンズに配置してもよい。
メモリ書き込み部102は、フィルタ処理部101によりフィルタ処理された画像データをメモリに書き込む。VRAM103は、メモリ書き込み部102により書き込まれたメモリ内の画像を表す。本実施形態では、メモリとして、揮発性メモリであるダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)を使用する。しかしながら、メモリとして、不揮発性メモリ等の他の一時記憶手段を使用しても構わない。このように本実施形態では、メモリ書き込み部102を用いることにより書き込み手段の一例が実現される。
メモリ読み出し部104は、メモリ書き込み部102で書き出されたVRAM103をメモリから読み出す。このように本実施形態では、メモリ読み出し部104を用いることにより読み出し手段の一例が実現される。表示部105は、メモリ読み出し部104により読み出された画像を不図示の表示デバイスに表示する。表示デバイスは、例えば液晶ディスプレイ、TVモニタ等既存のものを使用する。本実施形態では、表示デバイスは、EVF(電子ビューファインダー)としての機能を有する。このように本実施形態では、表示部105を用いることにより表示処理手段の一例が実現される。
同期信号生成部106は、フレームレートを規定する同期信号を生成し、撮像センサー100、表示部105、および後述するタップ数制御部107に、生成した同期信号を送信する。フレームレートは、30fps、60fps等の規格等で規定される一定のレートである。タップ数制御部107は、同期信号生成部106から送信される同期信号および後述するタイミング監視部108からの情報を受けて、フィルタ処理部101におけるフィルタ処理で使用するフィルタのタップ数をフレーム単位で決定する。このように本実施形態では、タップ数制御部107を用いることにより制御手段の一例が実現される。
タイミング監視部108は、メモリ書き込み部102、メモリ読み出し部104、およびカメラ制御・周辺機器との通信等で使用する不図示の他のメモリアクセス手段によってメモリ帯域が混んでいるかどうか監視する。具体的にタイミング監視部108は、メモリ書き込み部102における画像データの書き込みのタイミングと、メモリ読み出し部104における画像データの読み出しのタイミングを検知する。そして、タイミング監視部108は、メモリ書き込み部102によりメモリに画像データが書き込まれるタイミングから、当該画像データがメモリから読み出されるタイミングまでの時間である遅延時間が所定の期間よりも小さいか否かを判断する。すなわち、タイミング監視部108は、メモリ書き込み部102による画像データの書き込みに対する、メモリ読み出し部104による画像データの読み出しの遅延量が所定の遅延量よりも小さいか否かを判断する。尚、以下の説明では、「メモリ書き込み部102による画像データの書き込みに対する、メモリ読み出し部104による画像データの読み出しの遅延量」を必要に応じて「画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量」と称する。この画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量が所定の遅延量よりも小さい場合、タイミング監視部108は、メモリ帯域が混んでいると判断し、そのことを示す情報をタップ数制御部107に送信する。
次に、図2を参照して、メモリに対して画像データを読み書きする際の追い掛け制御の一例について説明する。
図2において、画像領域200は、撮像センサー100から入力されメモリ書き込み部102によりメモリに書き込まれる画像の領域を表す。書き込みの走査201は、メモリ書き込み部102により画像データをメモリに書き込む際の走査順を表す。図2に示す例では、ラスタースキャン処理により画像の上端から下端に向けて行われる。画像領域210は、メモリ読み出し部104により読み出される画像の領域を表す。読み出しの走査211は、メモリ読み出し部104により画像データをメモリから読み出す際の走査順を表す。書き込みの走査201と同様に、読み出しの走査211は、ラスタースキャン処理により画像の上端から下端に向けて行われる。表示領域220は、表示部105により表示される画像の領域を表す。本実施形態では、表示領域220のサイズは、画像領域210(メモリから読み出される画像の領域)と同じサイズであるものとする。表示の走査221は、表示部105により画像を表示する際の走査順を表す。読み出しの走査211と同様に、表示の走査221は、ラスタースキャン処理により画像の上端から下端に向けて行われる。
図2において、画像領域200は、撮像センサー100から入力されメモリ書き込み部102によりメモリに書き込まれる画像の領域を表す。書き込みの走査201は、メモリ書き込み部102により画像データをメモリに書き込む際の走査順を表す。図2に示す例では、ラスタースキャン処理により画像の上端から下端に向けて行われる。画像領域210は、メモリ読み出し部104により読み出される画像の領域を表す。読み出しの走査211は、メモリ読み出し部104により画像データをメモリから読み出す際の走査順を表す。書き込みの走査201と同様に、読み出しの走査211は、ラスタースキャン処理により画像の上端から下端に向けて行われる。表示領域220は、表示部105により表示される画像の領域を表す。本実施形態では、表示領域220のサイズは、画像領域210(メモリから読み出される画像の領域)と同じサイズであるものとする。表示の走査221は、表示部105により画像を表示する際の走査順を表す。読み出しの走査211と同様に、表示の走査221は、ラスタースキャン処理により画像の上端から下端に向けて行われる。
図2において、表示の走査221は、表示デバイスで規定された画像サイズおよびレートで行われる必要がある。一方、書き込みのレートに関しては、撮像センサー100に対する同期信号に合わせて行われる。このレートで処理を行うことで、書き込みの走査201と読み出し走査211は、所定の遅延時間を持って少しタイミングがずれながら行われる。これにより、同じメモリ領域に対して、読み出しと書き込みのアクセスを同時に行う制御が可能となる。
次に、図3および図4を参照しながら、本実施形態におけるメモリ書き込み部102とメモリ読み出し部104による画像データの読み書きのタイミングの一例について説明する。図3および図4は、画像データの読み書きのタイミングの一例を示す図である。図3および図4の横軸は時刻である。図3および図4の縦軸は、画像の水平方向ライン(画像の垂直方向の位置)である。図3および図4に示す例では、画像の上端から下端に向けて順に画像データの書き込みと読み出しが行われる。
タイミング300a、300b、300cは、撮像センサー100に対する撮像センサー同期信号(垂直同期信号(VD))がハイレベルになるタイミングの一例を示す。撮像センサー100に対する撮像センサー同期信号は、同期信号生成部106によって生成される。
グラフ301a、301b、301cは、メモリ書き込み部102によってメモリに書き込まれる画像データの、画像上の水平方向のラインの位置と書き込みタイミングとの関係の一例を示す。メモリ書き込み部102は、撮像センサー100に対する撮像センサー同期信号がハイレベルになるタイミング300a、300b、300cに従って、画像の上端から下端に向けてライン単位でメモリへ画像データを書き込む。
タイミング302a、302b、302cは、表示部105に対する表示同期信号がハイレベルになるタイミングの一例を示す。表示同期信号は、同期信号生成部106によって生成される。
グラフ303a、303b、303cは、メモリ読み出し部104によってメモリから読み出される画像データの、画像上の水平方向のラインの位置と読み出しのタイミングとの関係の一例を示す。メモリ読み出し部104は、表示同期信号がハイレベルになるタイミング302a、302b、302cに従って、画像の上端から下端に向けてライン単位でメモリから画像データを読み出す。
本実施形態では、画像データの読み出しのタイミングが書き込みのタイミングよりも早くならないようにする。そのために、画像データの書き込みと読み出しのタイミングに所定の遅延量を持たせる。これにより、画像データの読み出し速度が、画像データの書き込みの速度と同等以下となるようにする。画像データの読み出し速度が、画像データの書き込み速度よりも早い場合は、所定の遅延量として大きな値を設定することにより、画像データの読み出しのタイミングが、当該画像データの書き込みのタイミングよりも早くならないようにすればよい。
間隔304は同期間隔を示す。本実施形態においては、撮像センサー100に対する撮像センサー同期信号の同期間隔(タイミング300a、300b、300cの間隔)と、表示部105に対する表示同期信号の同期間隔(タイミング302a、302b、302cの間隔)は同じである。しかしながら、これらの同期間隔は、異なっていても構わない。例えば、撮像センサー100に対する撮像センサー同期信号が、表示部105に対する表示同期信号に対して2倍のフレームレートである場合は、表示同期信号は撮像センサー同期信号に対して2倍の間隔で生成されることになる。この場合、メモリ読み出し部104は、メモリ書き込み部102が書き込むフレームを1フレームずつ間引いて読み出せばよい。
間隔305は、フィルタ処理部101で通常のタップ数を使用している時の、撮像センサー同期信号がハイレベルになるタイミング300cと、メモリに書き込まれる画像データの書き込みタイミング(グラフ301c)との間隔である。この間隔305は、フィルタ処理部101による遅延量を表している。
遅延量306は、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量を表す。この遅延量306が、追い掛け制御における所定の遅延量よりも大きい場合、メモリ読み出し部104は、当該フレームの画像データを破綻することなく、且つ、表示同期信号がハイレベルになるタイミング302a、302b、302cに同期して読み出せる。図3では、このような状態を示す。
一方、この遅延量306が、追い掛け制御における所定の遅延量よりも小さくなり、メモリからデータを読み出すタイミングがメモリへデータを書き込むタイミングを追い越してしまうと、前のフレームの画像データを読み出すことになり、表示が破綻する。ただし、この遅延量306が、追い掛け制御における所定の遅延量よりも大きくなりすぎると、メモリへのデータの書き込みに対するメモリからの画像データの読み出しのタイミングが遅くなり、表示の遅延が大きくなる。
図4は、メモリ書き込み部102が画像データの書き込み中に画像データの書き込みが一時的に中断される場合を表す。グラフ400は、カメラ制御や周辺機器との通信等によって、メモリ書き込み部102による画像データの書き込みが中断される場合のグラフを示す。グラフ400は、図3に示すグラフ301a、301b、301cと同様に、メモリ書き込み部102によってメモリに書き込まれる画像データの、画像上の水平方向のラインの位置と書き込みタイミングとの関係を示す。
間隔401は、メモリ書き込み部102による画像データの書き込みの中断により、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量が所定の遅延量より小さくなっていることを表す。尚、この遅延量は、例えば、1フレーム分の画像データの書き込みが終了したタイミングと、当該1フレーム分の画像データの読み出しが終了したタイミングとの差になる。ただし、同一のデータのメモリに対する書き込みと読み出しのタイミングの差であれば、遅延量は、書き込みおよび読み出しが終了するタイミングの差に限定されない。
このように画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量が所定の遅延量より小さい場合、タイミング監視部108は、メモリ帯域が混雑していると判断し、そのことを示す情報をタップ数制御部107に送信する。タップ数制御部107は、この情報を受信すると、次の処理をフレーム単位で行う。すなわち、タップ数制御部107は、撮像センサー同期信号が次にハイレベルになるタイミングで、フィルタ処理部101で使用するフィルタのタップ数が、通常のタップ数よりも少なくなるようにフィルタ処理部101におけるタップ数の設定を変更する。
間隔402は、フィルタ処理部101で通常のタップ数よりも少ないタップ数を使用している時の、撮像センサー同期信号がハイレベルになるタイミングと、メモリに書き込まれる画像データの書き込みのタイミングとの間隔である。前述したように、この間隔402は、フィルタ処理部101による遅延量を表している(図3の間隔305の説明を参照)。間隔402は、通常のタップ数を使用している時の間隔305に比較して小さくなる。したがって、メモリ書き込み部102による画像データの書き込みに対する、メモリ読み出し部104による画像データの読み出しの遅延量は所定の遅延量を維持できる。よって、メモリ読み出し部104は、当該フレームの画像データを破綻することなく、且つ、表示同期信号がハイレベルになるタイミング302に同期して画像データを読み出すことができる。
すなわち、フィルタ処理部101で使用されるタップ数を通常よりも小さくすることによって、メモリに画像データを書き込むタイミングを早めることができる。その結果、画像表示を破綻させずに追い掛け制御を可能とする所定時間を遅延時間として確保することができる。また、遅延時間を確保するために画像データの書き込みのタイミングを早めているので、読み込みのタイミングを一定の周期にすることができる。換言すると、撮像のタイミングから画像データがメモリから読み出されるタイミングまでの時間間隔を、タップ数の変更に依らず同じとすることが可能となり、使用者に表示タイミングが変化することによる違和感を与えることを防止できる。
次に、図5を参照して、フィルタ処理部101におけるタップ数と遅延量との関係の一例を説明する。ここでは、説明を簡単にするために、タップ数が3タップである場合と5タップである場合を示す。すなわち、通常のタップ数が5タップであり、通常のタップ数よりも少ないタップ数が3タップである場合を例に挙げて示す。
図5において、入力VD期間501(図5において立ち上がっている期間)に、nライン分の画像データがフィルタ処理部101に入力される。垂直カウント502は、フィルタ処理部101で現在処理を行っているラインをカウントする。ラインメモリ503は、3タップ時のラインメモリである。フィルタ処理部101は、入力された画像データを一度ラインメモリに格納し、複数のラインの画像データを同時に読み出すことで垂直タップ処理を実現する。コピーと記載している部分504、505は、3タップ時における、画像データのラインメモリ503へのコピーを示す。フィルタ処理部101は、垂直カウント502が「1」および「n」のときに、それぞれ、入力した画像データ(垂直カウント502が「0(ゼロ)」、「n−1」のときに入力した画素のデータ)をコピーする。この処理により、画像の上端および下端におけるフィルタ処理を実現する。出力VD期間506(図5において立ち上がっている期間)に、フィルタ処理された画像データが出力される。フィルタ処理部101によるフィルタ処理により、3タップ時の出力VD期間506は、入力VD期間501に対して1ライン遅延する。
ラインメモリ507は、5タップ時のラインメモリである。3タップのラインメモリ503を使用する場合と同様に、フィルタ処理部101は、入力された画像データを一度ラインメモリに格納する。コピーと記載している部分508〜511は、5タップ時における、画像データのラインメモリ507へのコピーを示す。フィルタ処理部101は、は、垂直カウント502が「2」、「3」、「n」、および「n+1」のときに、それぞれ入力した画像データ(垂直カウント502が「0(ゼロ)」、「n−1」のときに入力した画素のデータ)をコピーする。この処理により、画像の上端および下端におけるフィルタ処理を実現する。出力VD期間512に、フィルタ処理された画像データが出力される。フィルタ処理部101によるフィルタ処理により、5タップ時の出力VD期間512は、入力VD期間501に対して2ライン遅延する。
図5に示すように、フィルタ処理部101による遅延量は、タップ数が2つ増えるたびに1ラインずつ増える。尚、本実施形態では、1つのモジュールでフィルタ処理部101を構成する場合を例に挙げて示す。しかしながら、フィルタ処理部101は、複数のモジュールで構成されていても構わない。その場合、フィルタ処理部101に入力される画像データに対する、フィルタ処理部101から出力される画像データの遅延量は、複数のモジュールにおけるそれぞれの遅延量の合計になる。
尚、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量が所定の遅延量よりも小さい場合には、記録用の画像データに対するフィルタ処理を、表示用の画像データに対するフィルタ処理とは別に行ってもよい。具体的には、まず、フィルタ処理部101は、通常のタップ数よりも少ないタップ数を使用して、撮像センサー100から出力された画像データに対して前述したように表示用のフィルタ処理を行う。その後、フィルタ処理部101は、通常のタップ数を使用して、撮像センサー100から出力された画像データに対して記録用のフィルタ処理を行い、当該フィルタ処理を行った画像データをHDD等に記憶する。
次に、図6のフローチャートを参照しながら、表示部105に対する画像の表示の遅延を低減するための撮像装置10の制御処理の一例を説明する。
まず、ステップS601において、タイミング監視部108は、所定の遅延量nを設定する。
次に、ステップS602において、タイミング監視部108は、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量mを監視する。
次に、ステップS603において、タイミング監視部108は、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量mが所定の遅延量nよりも小さいか否かを判定する。この判定の結果、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量が所定の遅延量よりも小さい場合には、ステップS604に進む。
まず、ステップS601において、タイミング監視部108は、所定の遅延量nを設定する。
次に、ステップS602において、タイミング監視部108は、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量mを監視する。
次に、ステップS603において、タイミング監視部108は、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量mが所定の遅延量nよりも小さいか否かを判定する。この判定の結果、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量が所定の遅延量よりも小さい場合には、ステップS604に進む。
ステップS604に進むと、タイミング監視部108は、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量が所定の遅延量よりも小さいことを示す情報をタップ数制御部107に送信する。タップ数制御部107は、同期信号生成部106で生成される撮像センサー同期信号が次にハイレベルになるタイミングで、フィルタ処理部101で使用するフィルタのタップ数が、通常のタップ数よりも少なくなるように当該タップ数の設定を変更する。フィルタ処理部101は、撮像センサー同期信号がハイレベルになると、通常のタップ数よりも少ないタップ数で、撮像センサー100から出力された画像データに対するフィルタ処理を行う。メモリ書き込み部102は、フィルタ処理が行われた画像データをメモリに書き込む。この場合、フィルタ処理部101による遅延量は小さくなり、その結果、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量が大きくなる。そして、後述するステップS606に進む。
一方、ステップS603の判定の結果、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量が所定の遅延量よりも小さくない場合には、ステップS605に進む。
ステップS605に進み、撮像センサー同期信号がハイレベルになると、フィルタ処理部101は、通常のタップ数で、撮像センサー100から出力された画像データに対するフィルタ処理を行う。メモリ書き込み部102は、フィルタ処理が行われた画像データをメモリに書き込む。そして、ステップS606に進む。
ステップS605に進み、撮像センサー同期信号がハイレベルになると、フィルタ処理部101は、通常のタップ数で、撮像センサー100から出力された画像データに対するフィルタ処理を行う。メモリ書き込み部102は、フィルタ処理が行われた画像データをメモリに書き込む。そして、ステップS606に進む。
ステップS606に進み、表示同期信号がハイレベルになると、メモリ読み出し部104は、メモリに記憶された画像データを読み出す。表示部105は、メモリ読み出し部104により読み出された画像データに対して表示用の処理を行い、表示デバイスに表示させる。
次に、ステップS607において、撮像装置10は、表示デバイスへの表示を終了するか否かを判定する。この判定は、例えば、撮像装置10に対するユーザーの操作の結果に基づいて行われる。この判定の結果、表示デバイスへの表示を終了しない場合には、ステップS602に戻り、表示デバイスへの表示を終了するまでステップS602〜S607の処理を繰り返し行う。そして、表示デバイスへの表示を終了すると判定すると、図6のフローチャートによる処理を終了する。
次に、ステップS607において、撮像装置10は、表示デバイスへの表示を終了するか否かを判定する。この判定は、例えば、撮像装置10に対するユーザーの操作の結果に基づいて行われる。この判定の結果、表示デバイスへの表示を終了しない場合には、ステップS602に戻り、表示デバイスへの表示を終了するまでステップS602〜S607の処理を繰り返し行う。そして、表示デバイスへの表示を終了すると判定すると、図6のフローチャートによる処理を終了する。
以上のように本実施形態では、他のメモリアクセス要因等によりメモリ書き込み部102による書き込みが遅れた場合、タップ数制御部107は、フィルタ処理部101におけるフィルタ処理で使用するフィルタのタップ数を少なくする。したがって、フィルタ処理部101におけるフィルタ処理の遅延量を小さくすることができる。よって、メモリ書き込み部102とメモリ読み出し部104による追い掛け制御による遅延量を一定以上確保することができる。これにより、撮像画像をその場で表示する(ライブビュー表示する)際に、撮像画像を破綻することなく安定して表示することを実現し、且つ、撮像画像の表示の遅延を低減することができる。
尚、本実施形態では、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量が所定の遅延量よりも小さい場合には、通常のタップ数よりも少ないタップ数を選択し、そうでない場合には、通常のタップ数を選択する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量に応じて異なるタップ数を選択するようにしていれば、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量に応じて、3つ以上の異なるタップ数のうちの何れか1つを選択してもよい。このようにする場合、例えば、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量の範囲とタップ数とを相互に関連付けてテーブルに記憶しておき、このテーブルから、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量に対応するタップ数を取得することができる。
また、本実施形態では、画像の垂直方向のタップのタップ数をフレーム単位で制御する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、フィルタ処理における画像の走査方向と垂直な方向のタップのタップ数を制御していれば、必ずしも、画像の垂直方向のタップのタップ数をフレーム単位で制御する必要はない。例えば、フィルタ処理における画像の走査方向が図2に示すように画像の水平方向ではなく、画像の垂直方向である場合には、画像の水平方向のタップのタップ数をフレーム単位で制御する。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を説明する。第1の実施形態では、タップ数制御部107が動的にフレーム単位でタップ数を制御する場合を例に挙げて説明した。これに対し本実施形態では、タップ数制御部は、撮像装置のカメラ制御モードに応じて静的にタップ数を制御する。このように本実施形態と第1の実施形態は、タップ数制御部における処理が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図6に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
次に、第2の実施形態を説明する。第1の実施形態では、タップ数制御部107が動的にフレーム単位でタップ数を制御する場合を例に挙げて説明した。これに対し本実施形態では、タップ数制御部は、撮像装置のカメラ制御モードに応じて静的にタップ数を制御する。このように本実施形態と第1の実施形態は、タップ数制御部における処理が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図6に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
撮像装置の構成は、図1に示した構成と同じである。本実施形態では、タップ数の制御を、以下のようにして行う。ユーザーは、撮像装置10を操作して、カメラ制御モードの設定を行う。本実施形態では、カメラ制御モードとして、画質重視モードと低表示遅延モードの2種類を選択することができる。画質重視モードは、表示される画像の画質を高めることを目的とするモードである。低表示遅延モードは、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量が小さくなることを抑制することを目的とするモードである。このように本実施形態では、例えば、カメラ制御モードにより動作モードが実現され、低表示遅延モードにより第1のモードが実現され、画質重視モードにより第2のモードが実現される。
タップ数制御部は、カメラ制御モードが画質重視モードおよび低表示遅延モードの何れであるかを判定する。この判定の結果、カメラ制御モードが画質重視モードの場合には、タップ数制御部は、フィルタ処理部101で使用するフィルタのタップ数を、設定可能な最大タップ数に設定する。また、タップ数制御部は、この最大タップ数において表示が破綻せずに追い掛け制御が可能になるように、例えば、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量306を、例えば、通常のタップ数のときの値よりも大きい値に設定する。
一方、カメラ制御モードが低表示遅延モードの場合には、タップ数制御部は、フィルタ処理部101で使用するタップ数を設定可能な最大タップ数よりも小さい値に設定する。また、タップ数制御部は、この最大タップ数よりも小さいタップ数において表示が破綻せずに追い掛け制御が可能になる範囲で、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量306を、最大タップ数のときの値よりも小さい値に設定する。
フィルタ処理部101におけるフィルタ処理において、タップ数と遅延量はトレードオフの関係にある。タップ数が大きいほど高度な処理が可能なため、画質を重視した処理が可能になる。逆にタップ数が小さいほど遅延量を小さくすることができ、表示の破綻を抑制し安定した表示が可能になる。
尚、本実施形態では、例えば、図6のフローチャートのS601をなくし、ステップS602においてカメラ制御モードの監視を行い、ステップS603において、カメラ制御モードが低表示遅延モードであるか否かを判定することにより処理を実現できる。したがって、本実施形態では、フローチャートの図示を省略する。
尚、本実施形態では、例えば、図6のフローチャートのS601をなくし、ステップS602においてカメラ制御モードの監視を行い、ステップS603において、カメラ制御モードが低表示遅延モードであるか否かを判定することにより処理を実現できる。したがって、本実施形態では、フローチャートの図示を省略する。
以上のように本実施形態では、カメラ制御モードが、画質重視モードである場合と低表示遅延モードである場合とでタップ数を変える。具体的には、後者の場合のタップ数が前者の場合のタップ数よりも相対的に少なくなるようにする。したがって、第1の実施形態で説明した効果に加え、ユーザーの要望を反映させた記録・表示を行うことができる。
尚、本実施形態では、カメラ制御モードが、画質重視モードである場合と低表示遅延モードである場合とでタップ数を変える場合を例に挙げて説明した。しかしながら、カメラ制御モードの数は、3つ以上であってもよい。このようにする場合、例えば、カメラ制御モードとタップ数とを相互に関連付けてテーブルに記憶しておき、このテーブルから、カメラ制御モードに対応するタップ数を取得することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第1、第2の実施形態では、1フレームの画像データに対するフィルタ処理で使用するタップ数を変えない場合を例に挙げて説明した。これに対し本実施形態では、タップ数制御部が1フレームの中で動的にタップ数を制御する場合について説明する。このように本実施形態と第1、第2の実施形態とは、1フレームの中で動的にタップ数を制御することによる構成および処理が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において、第1、第2の実施形態と同一の部分については、図1〜図6に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
次に、第3の実施形態について説明する。第1、第2の実施形態では、1フレームの画像データに対するフィルタ処理で使用するタップ数を変えない場合を例に挙げて説明した。これに対し本実施形態では、タップ数制御部が1フレームの中で動的にタップ数を制御する場合について説明する。このように本実施形態と第1、第2の実施形態とは、1フレームの中で動的にタップ数を制御することによる構成および処理が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において、第1、第2の実施形態と同一の部分については、図1〜図6に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
第1、第2の実施形態では、フィルタ処理において、フレーム単位でラスタースキャン処理が行われるようにした。この場合、タップ処理に必要なラインメモリは、ライン毎に画像の水平サイズ分必要になる。したがって、メモリの回路規模の削減のためにラインメモリのサイズを小さくし、フィルタ処理の単位を、フレームを分割した分割ブロックの単位とする。本実施形態では、このような分割ブロックの単位でフィルタ処理を行う。
図7は、撮像装置70の構成の一例を示す図である。本実施形態の撮像装置70の図1に示した撮像装置10との違いの一つは、撮像センサー100により撮像された画像データをフィルタ処理部101でフィルタ処理する前に一度メモリに書き込む点である。メモリ書き込み部702は、撮像センサー100から受けとった画像データを中間画像データ703としてメモリに一時的に書き込む。このメモリは、例えば、VRAM103が書き込まれるメモリと同様にDRAMである。
次に、メモリ読み出し部704は、中間画像データ703をメモリから読み出す。フィルタ処理部705は、メモリ読み出し部704により読み出された中間画像データ703に対してフィルタ処理を行う。以降の処理は、第1、第2の実施形態で説明した処理と同じである。
図8は、分割ブロックの単位でフィルタ処理を行う際の画像の走査方法の一例を説明する図である。
図8に示す例では、1フレームの画像を、水平方向に2分割、垂直方向に3分割し、6個の分割ブロック800a〜800fの単位でフィルタ処理を行う。矢印線801は、メモリ読み出し部704およびメモリ書き込み部102における画像の走査順を表す。図8に示す例では、最初にフィルタ処理が行われる分割ブロックは、左上の分割ブロック800aである。フィルタ処理部705は、分割ブロック内ではラスタースキャン処理を行う。次に、フィルタ処理部705は、メモリのアドレスを変更し、分割ブロック800bの左上からラスタースキャン処理を行う。フィルタ処理部705は、同様に分割ブロック800c、800d、800e、800fの順で処理を行う。
図8に示す例では、1フレームの画像を、水平方向に2分割、垂直方向に3分割し、6個の分割ブロック800a〜800fの単位でフィルタ処理を行う。矢印線801は、メモリ読み出し部704およびメモリ書き込み部102における画像の走査順を表す。図8に示す例では、最初にフィルタ処理が行われる分割ブロックは、左上の分割ブロック800aである。フィルタ処理部705は、分割ブロック内ではラスタースキャン処理を行う。次に、フィルタ処理部705は、メモリのアドレスを変更し、分割ブロック800bの左上からラスタースキャン処理を行う。フィルタ処理部705は、同様に分割ブロック800c、800d、800e、800fの順で処理を行う。
図8に示すように、1フレームの画像を水平方向に2分割して処理を行うことで、フィルタ処理部705が使用するメモリは、1フレームの画像を分割しない場合の半分で済む。1フレームの画像を垂直方向に分割する理由は、以下の通りである。1フレームの画像を垂直方向に分割しない場合、メモリ読み出し部704は、左右両側の2つの分割ブロックのうち、左側の分割ブロックをメモリ書き込み部102が全て処理し、右側の分割ブロックを処理し始めるまで読み出しを開始することができない。よって、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量として約1/2フレームの処理期間の遅延量が生じ、これにより、表示部105における表示の遅延が生じる。一方、図8に示すように、1フレームの画像を垂直方向に3分割すると、メモリ読み出し部704は、次のようにすることができる。すなわち、メモリ読み出し部704は、フィルタ処理部101により分割ブロック800bに対するフィルタ処理が開始するタイミングで、分割ブロック800aのフィルタ処理後の画像データの読み出しを開始することができる。よって、1フレームの画像を垂直方向に分割すれば、分割しない場合と比較して、表示の遅延を小さくすることが可能になる。
次に、図9および図10を参照しながら、分割ブロックの単位で画像データをメモリに書き込むタイミングの一例について説明する。図9は、画像データの書き込みのタイミングの一例を示す図である。図9の横軸は時刻である。図9の縦軸は、画像の水平方向ライン(画像の垂直方向の位置)である。図9に示す例では、画像の上端から下端に向けて順に画像データの書き込みが行われる。
図10は、1フレームの画像に対して使用するフィルタのタップ数の一例を示す図である。図10(a)は、フィルタ処理部705で使用するフィルタのタップ数を、全ての分割ブロック800a〜800fにおいて通常のタップ数としていることを示す図である。図10(b)は、フィルタ処理部705で使用するフィルタのタップ数を、分割ブロック800a〜800fに応じて異ならせていることを示す図である。
図9(a)は、全ての分割ブロックに対するタップ数を通常のタップ数にした場合のメモリ書き込み部702における画像データの書き込みのタイミングを示す。期間901a〜901eは、各分割ブロックのタップ処理による遅延期間を示す。図9(b)は、分割ブロック800a、800b、800e、800fに対してはタップ数を通常よりも小さくし、分割ブロック800c、800dに対してはタップ数を通常にした場合のメモリ書き込み部702における画像データの書き込みタイミングを示す。
第1の実施形態では、タップ数制御部107は、1フレーム内の画像の全体(全ての分割ブロック)に対して、通常のタップ数よりも少ないタップ数を、フィルタ処理部101で使用するフィルタのタップ数として設定する。これに対し、本実施形態のタップ数制御部706は、タイミング監視部108から、メモリ帯域が混雑していることを示す情報を受信すると、フィルタ処理部101で使用するフィルタのタップ数が、図10(b)に示す状態になるようにする。すなわち、タップ数制御部706は、分割ブロック800a、800b、800e、800fに対してはタップ数を通常よりも少ないタップ数にし、分割ブロック800c、800dに対してはタップ数を通常のタップ数にする。一方、メモリ帯域が混雑していない場合、タップ数制御部706は、1フレーム内の画像の全体(全ての分割ブロック)に対して、通常のタップ数を、フィルタ処理部101で使用するフィルタのタップ数として設定する(図10(a)を参照)。この場合の処理は、第1の実施形態と同じである。
図10(b)において、分割ブロック800a、800b、800e、800fと分割ブロック800c、800dとでタップ数に差をつけている理由は、一般的に画角の端の方が中央に比較して画質の低下が目立ちにくいためである。よって、本実施形態においては、相対的に中央に位置する分割ブロックである分割ブロック800c、800dに対するタップ数を他の分割ブロックに対するタップ数よりも多くする。
図9(b)において、期間911は、タップ数を通常よりも小さくした場合のフィルタ処理による遅延時間を示す。また、期間912は、タップ数を通常のタップ数にした場合のフィルタ処理による遅延時間である。図9(a)、図9(b)に示す通り、一部の分割ブロックにおけるタップ数を小さくすることにより、フレーム単位での書き込みタイミングが早く完了する。
尚、本実施形態では、例えば、図6のフローチャートのS604において、図9(b)、図10(b)を参照しながら説明した処理を行い、ステップS605において、図9(a)、図10(a)を参照しながら説明した処理を行うことにより処理を実現できる。したがって、本実施形態では、フローチャートの図示を省略する。
以上のように、1フレーム内の画像の相対的に端に近い位置にある分割ブロック800a、800b、800e、800fに対するタップ数を、相対的に中央に近い位置にある分割ブロック800c、800eに対するタップ数よりも小さくする。したがって、第1の実施形態で説明した効果に加え、1フレームの画像を複数のブロックに分けてブロックの単位で処理する場合においても、画質を出来るだけ維持しつつ表示の遅延を小さくすることができる。
尚、本実施形態の手法は、第2の実施形態の手法に適用することができる。例えば、画質重視モードである場合には、フィルタ処理部101で使用するタップ数が、図10(a)に示す状態になるようにする。一方、低表示遅延モードである場合には、フィルタ処理部101で使用するタップ数が、図10(a)に示す状態になるようにする。
また、本実施形態では、分割ブロック800c、800eに対するタップ数を通常のタップ数とし、分割ブロック800a、800b、800e、800fに対するタップ数を通常のタップ数よりも少なくした。しかしながら、1フレームの画像の相対的に端の領域に対するタップ数を相対的に中央の領域に対するタップ数よりも少なくしていれば、1フレームの画像に対して設定されるタップ数のパターンは2種類に限定されず、3種類以上であってもよい。第1の実施形態に本実施形態の手法を適用する場合、例えば、画像データの書き込みに対する読み出しの遅延量の範囲とタップ数のパターンとを相互に関連付けてテーブルに記憶しておき、このテーブルから、遅延量に対応するタップ数を取得することができる。また、第2の実施形態本実施形態の手法を適用する場合、例えば、カメラ制御モードとタップ数のパターンとを相互に関連付けてテーブルに記憶しておき、このテーブルから、カメラ制御モードに対応するタップ数のパターンを取得することができる。
尚、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
(その他の実施例)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、まず、以上の実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が当該コンピュータプログラムを読み出して実行する。
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、まず、以上の実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が当該コンピュータプログラムを読み出して実行する。
101、705:フィルタ処理部、102、702:メモリ書き込み部、104、704:メモリ読み出し部、107、706:タップ数制御部、108:タイミング監視部
Claims (9)
- 撮像手段により撮像された画像データに対してフィルタ処理を行うフィルタ処理手段と、
前記フィルタ処理が行われた画像データを記憶手段に書き込む書き込み手段と、
前記記憶手段に記憶された画像データを読み出す読み出し手段と、
前記フィルタ処理で用いるフィルタのタップ数をフレーム単位で制御する制御手段と、
前記読み出し手段により読み出された画像データに基づく画像をフレーム単位で表示手段に表示させる表示処理手段と、を有し、
前記制御は、前記画像データが前記記憶手段に書き込まれるタイミングから、当該画像データが前記記憶手段から読み出されるタイミングまでの時間である遅延時間が、前記タップ数を変更する前よりも長くなるように、前記タップ数を変更する制御を含むことを特徴とする画像処理装置。 - 前記制御手段は、前記画像の走査方向と垂直な方向のタップのタップ数をフレーム単位で制御することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記撮像手段による撮像のタイミングから、前記画像データが前記記憶手段から読み出されるタイミングまでの時間の間隔は、前記タップ数の変更に依らず同じであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
- 前記制御手段は、前記遅延時間が所定の期間よりも短い場合の方が、前記遅延時間が前記所定の期間よりも長い場合よりも、小さい値の前記タップ数を設定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像処理装置。
- 前記制御手段は、撮像装置の動作モードとして、第1のモードが設定されている場合の方が、第2のモードが設定されている場合よりも、小さい値の前記タップ数を設定し、
前記第1のモードは、前記第2のモードよりも、前記遅延時間が長くなる動作モードであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の画像処理装置。 - 前記書き込み手段、前記読み出し手段、および前記フィルタ処理手段は、1フレームの画像データを、複数のブロックの単位で処理し、
前記制御手段は、前記複数のブロックの単位で前記タップ数を制御することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像処理装置。 - 前記制御手段は、前記複数のブロックのうち、相対的に画角の端に近い位置にあるブロックに対するタップ数を、相対的に画角の中央に近い位置にあるブロックにタップ数よりも小さくすることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
- 撮像手段により撮像された画像データに対してフィルタ処理を行うフィルタ処理工程と、
前記フィルタ処理が行われた画像データを記憶手段に書き込む書き込み工程と、
前記記憶手段に記憶された画像データを読み出す読み出し工程と、
前記フィルタ処理で用いるフィルタのタップ数をフレーム単位で制御する制御工程と、
前記読み出し工程により読み出された画像データに基づく画像をフレーム単位で表示手段に表示させる表示処理工程と、を有し、
前記制御は、前記画像データが前記記憶手段に書き込まれるタイミングから、当該画像データが前記記憶手段から読み出されるタイミングまでの時間である遅延時間が、前記タップ数を変更する前よりも長くなるように、前記タップ数を変更する制御を含むことを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1〜7の何れか1項に記載の画像処理装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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