以下、添付図面に従って本開示の技術に係る実施形態の一例について説明する。
なお、本実施形態では、説明の便宜上、測距装置10Aから計測対象となる被写体までの距離を単に「距離」又は「被写体までの距離」とも称する。また、本実施形態では、被写体に対する画角を単に「画角」とも称する。また、本実施形態において、「測距」とは、被写体までの距離の計測を指す。
[第1実施形態]
一例として図1に示すように、本開示の技術に係る情報処理装置の一例である測距装置10Aは、測距装置本体10A1及び変更機構11を備えており、三脚13によって支持されている。
測距装置本体10A1は、測距ユニット12及び撮像装置14を備えている。なお、本実施形態では、測距ユニット12及び後述の測距制御部68(図5参照)が本開示の技術に係る計測部の一例である。
変更機構11は、縦回転機構15及び横回転機構17を備えており、後述のモータ21,23で生成される動力に応じて撮像装置14の撮像方向を変更する。横回転機構17の上面には、縦回転機構15が重ねられて配置されている。縦回転機構15の上面には、測距装置本体10A1が重ねられて配置されている。横回転機構17は、三脚13の雲台13Aの上面に着脱自在に取り付けられている。
横回転機構17の平面視中央部には、測距装置10Aの正面視上下方向に起立した支柱状の回転軸17Aが設けられており、縦回転機構15は、回転軸17Aを介して横回転機構17に対して回転自在に取り付けられている。
撮像装置14の下面にはホットシュー(Hot Shoe)19が設けられており、撮像装置14には、ホットシュー19を介して変更機構11が着脱自在に取り付けられている。
撮像装置14は、レンズユニット16及び撮像装置本体18を備えており、レンズユニット16は、撮像装置本体18に対して着脱自在に取り付けられる。
撮像装置本体18の正面視左側面にはホットシュー20が設けられており、測距ユニット12は、ホットシュー20に対して着脱自在に取り付けられる。
測距装置10Aは、測距ユニット12に測距用のレーザ光を射出させて測距を行う測距系機能と、撮像装置14に被写体を撮像させて撮像画像を得る撮像系機能とを備えている。なお、以下では、撮像画像を単に「画像」とも称する。また、以下では、説明の便宜上、鉛直方向において、測距ユニット12から射出されるレーザ光の光軸L1(図5参照)が、レンズユニット16の光軸L2(図5参照)と同一の高さであることを前提として説明する。
測距装置10Aは、測距系機能を働かせることで、原則として1回の指示に応じて1回の計測シーケンス(図6参照)を行い、1回の計測シーケンスが行われることで最終的に1つの距離が出力される。
測距装置10Aは、測距系機能の動作モードとしてパノラマ撮像計測モードと寸法導出モードとを有する。パノラマ撮像計測モードは、パノラマ撮像と共に測距を行う動作モードである。寸法導出モードは、測距装置10Aにより計測された距離である実測距離に基づいて、ユーザによって指定された実空間領域の寸法を、後述の寸法導出機能を働かせて導出する動作モードである。
なお、以下では、説明の便宜上、実空間領域の寸法として、実空間における2点間の長さを導出する場合を例に挙げて説明する。また、以下では、説明の便宜上、「実空間における2点間」を「実空間上の区域」又は単に「区域」とも証する。
測距装置10Aは、撮像系機能の動作モードとして、静止画撮像モード及び動画撮像モードを有する。静止画撮像モードは、静止画像を撮像する動作モードであり、動画撮像モードは、動画像を撮像する動作モードである。静止画撮像モード及び動画撮像モードは、ユーザの指示に応じて選択的に設定される。
一例として図2及び図3に示すように、縦回転機構15は、測距装置本体10A1が縦回転機構15に取り付けられている状態で、後述のモータ23(図5参照)によって生成された動力を受けることで、測距装置本体10A1を正面視上下方向に回転させる。
一例として図2に示すように、測距装置本体10A1が縦回転機構15に取り付けられている状態で縦回転機構15によって測距装置本体10A1の右側面視中央点a1を中心として反時計周りに回転されると、撮像範囲の位置が正面視下方に変更される。この場合、測距ユニット12によるレーザ光の射出方向も正面視下方に変更される。なお、本実施形態において、撮像範囲とは、撮像装置14による撮像の対象とされる実空間上の範囲を指す。
一例として図3に示すように、測距装置本体10A1が縦回転機構15に取り付けられている状態で縦回転機構15によって測距装置本体10A1の右側面視中央点a1を中心として時計周りに回転されると、撮像範囲の位置が正面視上方に変更される。この場合、測距ユニット12によるレーザ光の射出方向も正面視上方に変更される。
一例として図4に示すように、横回転機構17の回転軸17Aには、縦回転機構15の底面視中央部が固定されている。回転軸17Aは、後述のモータ21(図5参照)によって生成された動力が回転力として伝達されることによって回転される。従って、横回転機構17は、測距装置本体10A1が縦回転機構15に取り付けられている状態で、後述のモータ21によって生成された動力を受けることで、測距装置本体10A1を正面視左右方向に回転させる。
すなわち、測距装置本体10A1が縦回転機構15に取り付けられている状態で横回転機構17により測距装置本体10A1の回転軸17Aを中心として平面視反時計周りに回転されると、撮像範囲の位置が正面視右方向に変更される。この場合、測距ユニット12によるレーザ光の射出方向も正面視右方向に変更される。
また、測距装置本体10A1が縦回転機構15に取り付けられている状態で横回転機構17によって測距装置本体10A1の回転軸17Aを中心として平面視時計周りに回転されると、撮像範囲の位置が正面視左方向に変更される。この場合、測距ユニット12によるレーザ光の射出方向も正面視左方向に変更される。
一例として図5に示すように、測距ユニット12は、射出部22、受光部24、及びコネクタ26を備えている。
コネクタ26は、ホットシュー20に接続可能とされており、コネクタ26がホットシュー20に接続された状態で、測距ユニット12は、撮像装置本体18の制御下で動作する。
射出部22は、LD(レーザダイオード;Laser Diode)30、集光レンズ(図示省略)、対物レンズ32、及びLDドライバ34を有する。
集光レンズ及び対物レンズ32は、LD30により射出されるレーザ光の光軸L1に沿って設けられており、LD30側から光軸L1に沿って集光レンズ及び対物レンズ32の順に配置されている。
LD30は、本開示の技術に係る指向性光の一例である測距用のレーザ光を発光する。LD30により発光されるレーザ光は、有色のレーザ光であり、例えば、射出部22から数メートル程度の範囲内であれば、レーザ光の照射位置は、実空間上で視覚的に認識され、撮像装置14によって撮像されて得られた撮像画像からも視覚的に認識される。
集光レンズは、LD30により発光されたレーザ光を集光し、集光したレーザ光を通過させる。対物レンズ32は、被写体に対向しており、集光レンズを通過したレーザ光を被写体に対して射出する。
LDドライバ34は、コネクタ26及びLD30に接続されており、撮像装置本体18の指示に従ってLD30を駆動させてレーザ光を発光させる。
受光部24は、PD(フォトダイオード;Photo Diode)36、対物レンズ38、及び受光信号処理回路40を有する。対物レンズ38は、PD36の受光面側に配置されており、射出部22により射出されたレーザ光が被写体に当たって反射したレーザ光である反射レーザ光は対物レンズ38に入射される。対物レンズ38は、反射レーザ光を通過させ、PD36の受光面に導く。PD36は、対物レンズ38を通過した反射レーザ光を受光し、受光量に応じたアナログ信号を受光信号として出力する。
受光信号処理回路40は、コネクタ26及びPD36に接続されており、PD36から入力された受光信号を増幅器(図示省略)で増幅し、増幅した受光信号に対してA/D(Analog/Digital)変換を行う。そして、受光信号処理回路40は、A/D変換によってデジタル化された受光信号を撮像装置本体18に出力する。
撮像装置14は、マウント42,44を備えている。マウント42は、撮像装置本体18に設けられており、マウント44は、レンズユニット16に設けられている。レンズユニット16は、マウント42にマウント44が結合されることにより撮像装置本体18に交換可能に装着される。
レンズユニット16は、フォーカスレンズ50、ズームレンズ52、フォーカスレンズ移動機構53、ズームレンズ移動機構54、及びモータ56,57を備えている。
被写体からの反射光である被写体光は、フォーカスレンズ50に入射される。フォーカスレンズ50は、被写体光を通過させ、ズームレンズ52に導く。
フォーカスレンズ移動機構53には、光軸L2に対してスライド可能にフォーカスレンズ50が取り付けられている。また、フォーカスレンズ移動機構53にはモータ57が接続されており、フォーカスレンズ移動機構53は、モータ57の動力を受けてフォーカスレンズ50を光軸L2方向に沿ってスライドさせる。
ズームレンズ移動機構54には、光軸L2に対してスライド可能にズームレンズ52が取り付けられている。また、ズームレンズ移動機構54にはモータ56が接続されており、ズームレンズ移動機構54は、モータ56の動力を受けてズームレンズ52を光軸L2方向に沿ってスライドさせる。
モータ56,57は、マウント42,44を介して撮像装置本体18に接続されており、撮像装置本体18からの命令に従って駆動が制御される。
変更機構11は、縦回転機構15、横回転機構17、モータ21,23、及びコネクタ25を備えている。本開示の技術に係る動力源の一例であるモータ21及びモータ23は、コネクタ25に接続されている。
コネクタ25は、ホットシュー19と接続可能とされている。コネクタ25がホットシュー19に接続されると、モータ21,23は、撮像装置本体18に接続され、撮像装置本体18からの命令に従って駆動が制御される。
なお、本実施形態では、モータ21,23,56,57の一例としてステッピングモータを適用している。従って、モータ21,23,56,57は、撮像装置本体18からの命令によりパルス電力に同期して動作する。
撮像装置本体18は、撮像素子60、主制御部62、画像メモリ64、画像処理部66、測距制御部68、モータドライバ29,31,72,73、撮像素子ドライバ74、画像信号処理回路76、及び表示制御部78を備えている。また、撮像装置本体18は、タッチパネルI/F(インタフェース;Interface)79、受付I/F80、及びメディアI/F82を備えている。
主制御部62、画像メモリ64、画像処理部66、測距制御部68、モータドライバ29,31,72,73、撮像素子ドライバ74、画像信号処理回路76、及び表示制御部78は、バスライン84に接続されている。また、タッチパネルI/F79、受付I/F80、及びメディアI/F82も、バスライン84に接続されている。
撮像素子60は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semicondutor)型のイメージセンサであり、カラーフィルタ(図示省略)を備えている。カラーフィルタは、輝度信号を得るために最も寄与するG(緑;Green)に対応するGフィルタ、R(赤;Red)に対応するRフィルタ、及びB(青;Blue)に対応するBフィルタを含む。撮像素子60は、マトリクス状に配置された複数の撮像画素60A1を含む撮像画素群60Aを有する。各撮像画素60A1には、カラーフィルタに含まれるRフィルタ、Gフィルタ、及びBフィルタの何れかのフィルタが割り当てられており、撮像画素群60Aは、被写体光を受光することにより被写体を撮像する。
すなわち、ズームレンズ52を通過した被写体光は、撮像素子60の受光面である撮像面60Bに結像され、被写体光の受光量に応じた電荷が撮像画素60A1に蓄積される。撮像素子60は、各撮像画素60A1に蓄積された電荷を、被写体光が撮像面60Bで結像されて得られた被写体像に相当する画像を示す画像信号として出力する。
主制御部62は、バスライン84を介して測距装置10Aの全体を制御する。
モータドライバ72は、マウント42,44を介してモータ56に接続されており、主制御部62の指示に従ってモータ56を制御する。モータドライバ73は、マウント42,44を介してモータ57に接続されており、主制御部62の指示に従ってモータ57を制御する。
撮像装置14は、画角変更機能を有する。画角変更機能は、ズームレンズ52を移動させることで画角を変更する機能であり、本実施形態において、画角変更機能は、ズームレンズ52、ズームレンズ移動機構54、モータ56、モータドライバ72、及び主制御部62によって実現される。なお、本実施形態では、ズームレンズ52による光学式の画角変更機能を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、ズームレンズ52を利用しない電子式の画角変更機能であってもよい。
撮像素子ドライバ74は、撮像素子60に接続されており、主制御部62の制御下で、撮像素子60に駆動パルスを供給する。撮像画素群60Aに含まれる各撮像画素60A1は、撮像素子ドライバ74によって撮像素子60に供給された駆動パルスに従って駆動する。
画像信号処理回路76は、撮像素子60に接続されており、主制御部62の制御下で、撮像素子60から1フレーム分の画像信号を撮像画素60A1毎に読み出す。画像信号処理回路76は、読み出した画像信号に対して、相関二重サンプリング処理、自動利得調整、及びA/D変換等の各種処理を行う。画像信号処理回路76は、画像信号に対して各種処理を行うことでデジタル化した画像信号を、主制御部62から供給されるクロック信号で規定される特定のフレームレート(例えば、数十フレーム/秒)で1フレーム毎に画像メモリ64に出力する。画像メモリ64は、画像信号処理回路76から入力された画像信号を一時的に保持する。
モータドライバ29は、ホットシュー19及びコネクタ25を介してモータ21に接続されており、主制御部62の指示に従ってモータ21を制御する。モータドライバ31は、ホットシュー19及びコネクタ25を介してモータ23に接続されており、主制御部62の指示に従ってモータ23を制御する。モータ21によって生成された動力は横回転機構17に伝達され、モータ23によって生成された動力は縦回転機構15に伝達される。
撮像装置本体18は、本開示の技術に係る第1表示部及び第2表示部の一例である表示部86、タッチパネル88、受付デバイス90、及びメモリカード92を備えている。
表示部86は、表示制御部78に接続されており、表示制御部78の制御下で各種情報を表示する。表示部86は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により実現される。
タッチパネル88は、表示部86の表示画面に重ねられており、ユーザの指又はタッチペン等の指示体による接触を受け付ける。タッチパネル88は、タッチパネルI/F79に接続されており、指示体により接触された位置を示す位置情報をタッチパネルI/F79に出力する。タッチパネルI/F79は、主制御部62の指示に従ってタッチパネル88を作動させ、タッチパネル88から入力された位置情報を主制御部62に出力する。なお、本実施形態では、タッチパネル88を例示しているが、これに限らず、タッチパネル88に代えて、測距装置10Aに接続して使用されるマウス(図示省略)を適用してもよいし、タッチパネル88及びマウスを併用してもよい。
受付デバイス90は、撮像計測ボタン90A、撮像ボタン(図示省略)、撮像系動作モード切替ボタン90B、広角指示ボタン90C、望遠指示ボタン90D、パノラマ撮像計測ボタン90E、及び寸法導出ボタン90Fを有する。また、受付デバイス90は、縦回転用ロータリスイッチ90G及び横回転用ロータリスイッチ90H等も有しており、ユーザによる各種指示を受け付ける。受付デバイス90は、受付I/F80に接続されており、受付I/F80は、受付デバイス90によって受け付けられた指示の内容を示す指示内容信号を主制御部62に出力する。
撮像計測ボタン90Aは、撮像及び計測の開始の指示を受け付ける押圧式のボタンである。撮像ボタンは、撮像の開始の指示を受け付ける押圧式のボタンである。撮像系動作モード切替ボタン90Bは、静止画撮像モードと動画撮像モードとを切り替える指示を受け付ける押圧式のボタンである。
広角指示ボタン90Cは、画角を広角にする指示を受け付ける押圧式のボタンであり、広角側への画角の変更量は、許容される範囲内で、広角指示ボタン90Cへの押圧が継続して行われる押圧時間に応じて定まる。
望遠指示ボタン90Dは、画角を望遠にする指示を受け付ける押圧式のボタンであり、望遠側への画角の変更量は、許容される範囲内で、望遠指示ボタン90Dへの押圧が継続して行われる押圧時間に応じて定まる。
パノラマ撮像計測ボタン90Eは、後述のパノラマ撮像計測処理の開始の指示を受け付ける押圧式のボタンである。寸法導出ボタン90Fは、後述の寸法導出処理の開始の指示を受け付ける押圧式のボタンである。縦回転用ロータリスイッチ90Gは、縦回転機構15を作動させて撮像範囲の位置及びレーザ光の照射方向を正面視上下方向に変更する指示を受け付ける回転式のスイッチである。横回転用ロータリスイッチ90Hは、横回転機構17を作動させて撮像範囲の位置及びレーザ光の照射方向を正面視左右方向に変更する指示を受け付ける回転式のスイッチである。
なお、以下では、説明の便宜上、縦回転用ロータリスイッチ90G及び横回転用ロータリスイッチ90Hを区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「ロータリスイッチ」と称する。
また、以下では、説明の便宜上、撮像計測ボタン90A及び撮像ボタンを区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「レリーズボタン」と称する。また、以下では、説明の便宜上、広角指示ボタン90C及び望遠指示ボタン90Dを区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「画角指示ボタン」と称する。
なお、本実施形態に係る測距装置10Aでは、マニュアルフォーカスモードとオートフォーカスモードとが受付デバイス90を介したユーザの指示に応じて選択的に設定される。レリーズボタンは、撮像準備指示状態と撮像指示状態との2段階の押圧操作を受け付ける。撮像準備指示状態とは、例えば、レリーズボタンが待機位置から中間位置(半押し位置)まで押下される状態を指し、撮像指示状態とは、レリーズボタンが中間位置を超えた最終押下位置(全押し位置)まで押下される状態を指す。なお、以下では、説明の便宜上、「レリーズボタンが待機位置から半押し位置まで押下された状態」を「半押し状態」と称し、「レリーズボタンが待機位置から全押し位置まで押下された状態」を「全押し状態」と称する。
オートフォーカスモードでは、レリーズボタンが半押し状態にされることで撮像条件の調整が行われ、その後、引き続き全押し状態にすると本露光が行われる。つまり、本露光に先立ってレリーズボタンが半押し状態にされることでAE(Automatic Exposure)機能が働いて露出調整が行われた後、AF(Auto−Focus)機能が働いて焦点調整が行われ、レリーズボタンが全押し状態にされると本露光が行われる。
ここで、本露光とは、後述の静止画像ファイルを得るために行われる露光を指す。また、本実施形態において、露光とは、本露光の他に、後述のライブビュー画像を得るために行われる露光、及び後述の動画像ファイルを得るために行われる露光も意味する。以下では、説明の便宜上、これらの露光を区別して説明する必要がない場合、単に「露光」と称する。
なお、本実施形態では、主制御部62がAE機能による露出調整及びAF機能による焦点調整を行う。また、本実施形態では、露出調整及び焦点調整が行われる場合を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、露出調整又は焦点調整が行われるようにしてもよい。
画像処理部66は、画像メモリ64から特定のフレームレートで1フレーム毎に画像信号を取得し、取得した画像信号に対して、ガンマ補正、輝度色差変換、及び圧縮処理等の各種処理を行う。
画像処理部66は、各種処理を行って得た画像信号を特定のフレームレートで1フレーム毎に表示制御部78に出力する。また、画像処理部66は、各種処理を行って得た画像信号を、主制御部62の要求に応じて、主制御部62に出力する。
表示制御部78は、主制御部62の制御下で、画像処理部66から入力された画像信号を1フレーム毎に特定のフレームレートで表示部86に出力する。
表示部86は、画像及び文字情報等を表示する。表示部86は、表示制御部78から特定のフレームレートで入力された画像信号により示される画像をライブビュー画像として表示する。ライブビュー画像は、連続的に撮像されて得られた連続フレーム画像であり、スルー画像とも称される。また、表示部86は、単一フレームで撮像されて得られた単一フレーム画像である静止画像も表示する。更に、表示部86は、ライブビュー画像の他に、再生画像及びメニュー画面等も表示する。
なお、本実施形態では、画像処理部66及び表示制御部78は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって実現されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、画像処理部66及び表示制御部78の各々は、FPGA(Field−Programmable Gate Array)によって実現されてもよい。また、画像処理部66は、CPU(中央処理装置;Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を含むコンピュータによって実現されてもよい。また、表示制御部78も、CPU、ROM、及びRAMを含むコンピュータによって実現されてもよい。更に、画像処理部66及び表示制御部78の各々は、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
主制御部62は、静止画撮像モード下でレリーズボタンによって静止画像の撮像の指示が受け付けられた場合、撮像素子ドライバ74を制御することで、撮像素子60に1フレーム分の露光を行わせる。主制御部62は、1フレーム分の露光が行われることによって得られた画像信号を画像処理部66から取得し、取得した画像信号に対して圧縮処理を施して特定の静止画像用フォーマットの静止画像ファイルを生成する。なお、ここで、特定の静止画像用フォーマットとは、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)を指す。
主制御部62は、動画撮像モード下でレリーズボタンによって動画像の撮像の指示が受け付けられた場合、画像処理部66によりライブビュー画像用として表示制御部78に出力される画像信号を特定のフレームレートで1フレーム毎に取得する。そして、主制御部62は、画像処理部66から取得した画像信号に対して圧縮処理を施して特定の動画像用フォーマットの動画像ファイルを生成する。なお、ここで、特定の動画像用フォーマットとは、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)を指す。また、以下では、説明の便宜上、静止画像ファイル及び動画像ファイルを区別して説明する必要がない場合、画像ファイルと称する。
メディアI/F82は、メモリカード92に接続されており、主制御部62の制御下で、メモリカード92に対する画像ファイルの記録及び読み出しを行う。なお、メディアI/F82によってメモリカード92から読み出された画像ファイルは、主制御部62によって伸長処理が施されて表示部86に再生画像として表示される。
なお、主制御部62は、測距制御部68から入力された距離情報を画像ファイルに関連付けて、メディアI/F82を介してメモリカード92に保存する。そして、距離情報は、メモリカード92からメディアI/F82を介して主制御部62によって画像ファイルと共に読み出され、読み出された距離情報により示される距離は、関連する画像ファイルによる再生画像と共に表示部86に表示される。
測距制御部68は、主制御部62の制御下で、測距ユニット12を制御する。なお、本実施形態において、測距制御部68は、ASICによって実現されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、測距制御部68は、FPGAによって実現されてもよい。また、測距制御部68は、CPU、ROM、及びRAMを含むコンピュータによって実現されてもよい。更に、測距制御部68は、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
ホットシュー20は、バスライン84に接続されており、測距制御部68は、主制御部62の制御下で、LDドライバ34を制御することで、LD30によるレーザ光の発光を制御し、受光信号処理回路40から受光信号を取得する。測距制御部68は、レーザ光を発光させたタイミングと受光信号を取得したタイミングとを基に、被写体までの距離を導出し、導出した距離を示す距離情報を主制御部62に出力する。
ここで、測距制御部68による被写体までの距離の計測について更に詳細に説明する。
一例として図6に示すように、測距装置10Aによる1回の計測シーケンスは、電圧調整期間、実計測期間、及び休止期間で規定される。
電圧調整期間は、LD30及びPD36の駆動電圧を調整する期間である。実計測期間は、被写体までの距離を実際に計測する期間である。実計測期間では、LD30にレーザ光を発光させ、PD36に反射レーザ光を受光させる動作が数百回繰り返され、レーザ光を発光させたタイミングと受光信号を取得したタイミングとを基に、被写体までの距離が導出される。休止期間は、LD30及びPD36の駆動を休止させるための期間である。よって、1回の計測シーケンスでは、被写体までの距離の計測が数百回行われることになる。
なお、本実施形態では、電圧調整期間、実計測期間、及び休止期間の各々を数百ミリ秒としている。
一例として図7に示すように、測距制御部68には、測距制御部68がレーザ光の発光の指示を与えるタイミング、及び受光信号を取得するタイミングを規定するカウント信号が供給される。本実施形態では、カウント信号は、主制御部62によって生成されて測距制御部68に供給されるが、これに限らず、バスライン84に接続されたタイムカウンタ等の専用回路によって生成されて測距制御部68に供給されるようにしてもよい。
測距制御部68は、カウント信号に応じて、レーザ光を発光させるためのレーザトリガをLDドライバ34に出力する。LDドライバ34は、レーザトリガに応じて、LD30を駆動してレーザ光を発光させる。
図7に示す例では、レーザ光の発光時間が数十ナノ秒とされている。この場合、射出部22により数キロメートル先の被写体に向けて射出されたレーザ光が反射レーザ光としてPD36で受光されるまでの時間は、“数キロメートル×2/光速”≒数マイクロ秒となる。従って、数キロメートル先の被写体までの距離を計測するためには、一例として図6に示すように、最低必要時間として、数マイクロ秒の時間を要する。
なお、本実施形態では、レーザ光の往復時間等を考慮して、一例として図6に示すように、1回の計測時間を数ミリ秒としているが、被写体までの距離によりレーザ光の往復時間は異なるので、想定する距離に応じて1回あたりの計測時間を異ならせてもよい。
測距制御部68は、1回の計測シーケンスにおける数百回の計測から得た計測値を基に、被写体までの距離を導出する場合、例えば、数百回の計測から得た計測値のヒストグラムを解析して被写体までの距離を導出する。
一例として図8に示すように、1回の計測シーケンスにおける数百回の計測から得られた計測値のヒストグラムでは、横軸が被写体までの距離であり、縦軸が計測回数であり、計測回数の最大値に対応する距離が測距結果として測距制御部68によって導出される。なお、図8に示すヒストグラムはあくまでも一例であり、被写体までの距離に代えて、レーザ光の往復時間(発光から受光までの経過時間)、又はレーザ光の往復時間の1/2等に基づいてヒストグラムが生成されてもよい。
一例として図9に示すように、主制御部62は、本開示の技術に係る取得部及び実行部の一例であるCPU100、一次記憶部102、及び二次記憶部104を備えている。CPU100は、測距装置10Aの全体を制御する。一次記憶部102は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。一次記憶部102の一例としては、RAMが挙げられる。二次記憶部104は、測距装置10Aの作動を制御する制御プログラム又は各種パラメータ等を予め記憶する不揮発性のメモリである。二次記憶部104の一例としては、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)又はフラッシュメモリが挙げられる。CPU100、一次記憶部102、及び二次記憶部104は、バスライン84を介して相互に接続されている。
測距装置10Aでは、一例として図9に示すように、二次記憶部104が、パノラマ撮像計測プログラム105A及び寸法導出プログラム106Aを記憶している。なお、パノラマ撮像計測プログラム105Aは、本開示の技術に係るプログラムの一例である。
CPU100は、二次記憶部104からパノラマ撮像計測プログラム105Aを読み出し、読み出したパノラマ撮像計測プログラム105Aを一次記憶部102に展開する。そして、CPU100は、一次記憶部102に展開したパノラマ撮像計測プログラム105Aを実行する。
CPU100は、パノラマ撮像計測プログラム105Aを実行することで、一例として図10に示すように、取得部110A及び実行部112Aとして動作する。
取得部110Aは、被写体に対するパノラマ撮像における撮像対象となる複数の撮像範囲のうちの特定撮像範囲内の被写体を計測対象として測距系機能を働かせて計測処理が実行された場合に、計測成否情報を取得する。ここで、計測処理とは、測距ユニット12及び測距制御部68に対して被写体までの距離の計測を計測させる処理を指す。また、計測成否情報とは、測距ユニット12及び測距制御部68による被写体までの距離の計測が成功したか否かを示す情報を指す。また、特定撮像範囲とは、パノラマ撮像が行われている間に測距系機能を働かせることにより、計測対象となる被写体を含む撮像範囲115として定められた撮像範囲115を指す。
なお、第1実施形態では、主制御部62の主導下で変更機構11を作動させることによって特定撮像範囲の位置が変更されるが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、ユーザによる手動で特定撮像範囲の位置が変更されるようにしてもよい。
なお、以下では、説明の便宜上、測距ユニット12及び測距制御部68を、符号を付さずに「計測部」とも称する。また、以下では、説明の便宜上、計測部による被写体までの距離の計測を、単に「計測部による計測」とも称する。
実行部112Aは、取得部110Aにより取得された計測成否情報が計測部による計測が成功したことを示す場合に、複数の撮像範囲内の被写体を対象とした計測部による計測を抑制する計測抑制処理を実行する。
また、CPU100は、二次記憶部104から寸法導出プログラム106Aを読み出し、読み出した寸法導出プログラム106Aを一次記憶部102に展開する。そして、CPU100は、一次記憶部102に展開した寸法導出プログラム106Aを実行する。
測距装置10Aには、寸法導出機能が備えられており、寸法導出機能は、CPU100が寸法導出プログラム106Aを実行することにより実現される機能である。
寸法導出機能とは、一例として図11に示すように、指定された画素のアドレスu1,u2、並びに、計測部により計測された被写体までの距離L等に基づいて、被写体に含まれる実空間上の区域の長さLMを導出したり、長さLMに基づく面積を導出したりする機能を指す。
ここで、被写体までの距離Lとは、実測距離を指す。なお、以下では、説明の便宜上、被写体までの距離Lを単に「距離L」と称する。また、以下では、説明の便宜上、被写体に含まれる実空間上の区域の長さLMを単に「長さLM」と称する。また、「指定された画素」とは、例えば、ユーザによって撮像画像上で指定された2点に対応する撮像素子60における画素を指す。
長さLMは、例えば、下記の数式(1)により算出される。数式(1)において、pは、撮像素子60に含まれる画素間のピッチであり、u1,u2は、ユーザによって指定された画素のアドレスであり、f0は、焦点距離である。
数式(1)は、寸法の導出対象とされる対象物がフォーカスレンズ50に対して正面視で正対している状態で撮像されることを前提として用いられる数式である。従って、測距装置10Aでは、例えば、寸法の導出対象とされる対象物を含む被写体が、フォーカスレンズ50に対して正面視で正対していない状態で撮像された場合、射影変換処理が行われる。射影変換処理とは、例えば、撮像されて得られた撮像画像を、アフィン変換等の公知技術を利用して、撮像画像に含まれる四角形状の画像に基づいて正対視画像に相当する画像に変換する処理を指す。正対視画像とは、フォーカスレンズ50に対して正面視で正対している状態の画像を指す。そして、正対視画像を介して撮像素子60における画素のアドレスu1,u2が指定され、数式(1)より長さLMが導出される。
次に、測距装置10Aの本開示の技術に係る部分の作用について説明する。
先ず、パノラマ撮像計測ボタン90Eが長押しされた場合にCPU100がパノラマ撮像計測プログラム105Aを実行することで実現されるパノラマ撮像計測処理について図12〜図15を参照して説明する。
なお、上記の「長押し」とは、例えば、受付デバイス90に含まれるパノラマ撮像計測ボタン90E等のボタンを既定時間(例えば、3秒間)以上継続してオンする操作を指す。ここで、ボタンをオンする操作は、「長押し」と「通常押し」とに大別される。「通常押し」とは、ボタンに対して上記の既定時間未満の範囲内でオンする操作を指す。
また、以下では、説明の便宜上、一例として図16に示すように、オフィスビル120の外壁面121がパノラマ撮像の被写体であり、かつ、レーザ光の照射対象であることを前提として説明する。
また、外壁面121は、平面状に形成されており、本開示の技術に係る平面状領域の一例である。また、一例として図16に示すように、外壁面121には、四角形状の複数の窓122が設けられている。また、一例として図16に示すように、外壁面121には、各窓122の下側に横長の長方形状の模様124が描かれているが、これに限らず、外壁面121に付された汚れ又は皹などであってもよい。
なお、本実施形態において、「平面状」には、平面のみならず、窓又は換気口等による若干の凹凸を許容する範囲での平面形状も含まれ、例えば、目視により、又は、既存の画像解析技術により、「平面状」と認識される平面又は平面形状であればよい。
また、以下では、説明の便宜上、測距装置10Aにより、外壁面121にレーザ光が照射されることで外壁面121までの距離が計測されることを前提として説明する。
また、以下では、説明の便宜上、ライブビュー画像が表示部86に表示されている状態を前提として説明する。
また、以下では、説明の便宜上、一例として図16に示すように、撮像範囲115の正面視左右方向の中心を正面視上下方向に通る中心線CLに沿って撮像範囲115の位置を矢印A方向に変化させながらパノラマ撮像が行われることを前提として説明する。
また、以下では、説明の便宜上、一例として図16に示すように、中心線CLに沿った範囲R1内で撮像範囲115の位置が正面視上方から下方にかけて変更されることを前提として説明する。
なお、範囲R1は、例えば、パノラマ撮像計測処理の実行が開始される前段階で確定される。範囲R1の確定は、例えば、範囲R1を確定可能にする動作モードである範囲確定モード下で実現される。測距装置10Aは、ユーザによってパノラマ撮像計測ボタン90Eが通常押しされると、範囲確定モードに移行する。測距装置10Aが範囲確定モードに移行すると、範囲R1の確定が完了するまでの操作の手順を案内する画面である案内画面(図示省略)が、範囲R1の確定が完了するまでの間、表示部86の一部領域に表示され、ユーザは案内画面を見ながら必要な操作を行う。
範囲確定モード下では、ユーザによるロータリスイッチの操作及びタッチパネル88を介して受け付けられた指示に従って最初の撮像範囲115の位置と最後の撮像範囲115の位置とが設定されることによって範囲R1が確定される。ここで、最初の撮像範囲115とは、パノラマ撮像における最初の撮像対象となる撮像範囲115を指す。また、最後の撮像範囲115とは、パノラマ撮像における最後の撮像対象となる撮像範囲115を指す。
範囲確定モード下で上記の案内画面の表示が開始されると、先ず、ユーザがロータリスイッチを操作することにより変更機構11を作動させて、撮像範囲115の位置を、最初の撮像範囲115の位置としてユーザが望む位置に到達させる。そして、ユーザが望む位置に撮像範囲115の位置が維持された状態で、タッチパネル88によって特殊な操作が受け付けられると、現在の撮像範囲115の位置が最初の撮像範囲115の位置として設定される。特殊な操作とは、例えば、タッチパネル88の特定の領域(例えば、タッチパネル88の中央部)に対するダブルタップ操作が挙げられる。また、現在の撮像範囲115とは、撮像が実施される前に撮像対象として指定された撮像範囲であって、現時点において、撮像装置14による撮像が可能な被写体が含まれている撮像範囲115を指す。
次に、ユーザがロータリスイッチを操作することにより変更機構11を作動させて、撮像範囲115の位置を、最後の撮像範囲115の位置としてユーザが望む位置に到達させる。そして、ユーザが望む位置に撮像範囲115の位置が維持された状態で、タッチパネル88によって上記の特殊な操作が受け付けられると、現在の撮像範囲115の位置が最後の撮像範囲115の位置として設定され、上記の案内画面の表示が終了する。
このように、範囲R1が確定されると、主制御部62の制御下で変更機構11が作動されて、撮像範囲115の位置が最初の撮像範囲115の位置に戻され、CPU100は、パノラマ撮像計測ボタン90Eに対する長押しの待機状態となる。この状態でパノラマ撮像計測ボタン90Eが長押しされると、図12〜図15に示すパノラマ撮像計測処理が実行される。
なお、本第1実施形態において、パノラマ撮像計測処理が実行されることによって範囲R1内でのパノラマ撮像で静止画像用の撮像対象となる撮像範囲115は、本開示の技術に係る指定撮像範囲の一例である。本開示の技術に係る指定撮像範囲とは、範囲R1内のパノラマ撮像における撮像対象となる複数の撮像範囲115のうち、個々の撮像が実施される前に撮像の実施対象として指定された撮像範囲115を指す。また、ここで、個々の撮像とは、例えば、後述のステップ260の処理が実行されることによって実施される静止画像用の1回分の撮像を指す。
また、以下では、説明の便宜上、最初の撮像範囲115を、一例として図16に示すように、「撮像範囲115A」と称する。また、以下では、説明の便宜上、一例として図17に示すように、パノラマ撮像における2番目の撮像対象となる撮像範囲115を「撮像範囲115B」と称する。また、以下では、説明の便宜上、一例として図18に示すように、パノラマ撮像における3番目の撮像対象となる撮像範囲115を「撮像範囲115C」と称する。
更に、以下では、説明の便宜上、複数の撮像範囲115のうちの少なくとも1つの撮像範囲115内の被写体が撮像されて得られた撮像画像に、四角形を規定する4頂点を特定可能な4画素が含まれていることを前提として説明する。
図12に示すパノラマ撮像計測処理では、先ず、ステップ200で、取得部110Aは、表示部86に対して、一例として図19に示すように、ライブビュー画像の表示領域内に撮像計測開始メッセージ134の表示を開始させ、その後、ステップ202へ移行する。ここでは、撮像計測開始メッセージ134の一例として、「撮像計測ボタンをオンして下さい。」とのメッセージが採用されているが、あくまでも一例であり、撮像装置14による撮像及び計測部による計測の開始の指示をユーザに促すメッセージであればよい。
また、図19に示す例では、撮像計測開始メッセージ134が可視表示される場合を示しているが、音声再生装置(図示省略)による音声の出力等の可聴表示又はプリンタによる印刷物の出力等の永久可視表示を可視表示に代えて行ってもよいし、併用してもよい。
ステップ202で、取得部110Aは、撮像計測ボタン90Aがオンされたか否かを判定する。ステップ202において、撮像計測ボタン90Aがオンされていない場合は、判定が否定されて、ステップ202の判定が再び行われる。ステップ202において、撮像計測ボタン90Aがオンされた場合は、判定が肯定されて、ステップ204へ移行する。
なお、本第1実施形態において、ユーザにより撮像計測ボタン90Aがオンされる操作は、本開示の技術に係る計測開始指示の一例である。また、計測開始指示とは、計測部に対して被写体までの距離の計測を開始させる指示を指す。
ステップ204で、取得部110Aは、表示部86に対して、撮像計測開始メッセージ134の表示を終了させ、その後、ステップ206へ移行する。
ステップ206で、実行部112Aは、パノラマ撮像計測処理の実行が開始されてから静止画像用の撮像が行われた回数が0回か否かを判定する。パノラマ撮像計測処理の実行が開始されてから静止画像用の撮像が行われたか否かは、後述のステップ260の処理が実行されたか否かによって判定される。
ステップ206において、パノラマ撮像計測処理の実行が開始されてから静止画像用の撮像が行われた回数が1回以上の場合は、判定が否定されて、ステップ238へ移行する。ステップ206において、パノラマ撮像計測処理の実行が開始されてから静止画像用の撮像が行われた回数が0回の場合は、判定が肯定されて、ステップ208へ移行する。
ステップ208で、実行部112Aは、撮像範囲115内の被写体を示すライブビュー画像を対象として、本開示の技術に係る多頂点画素の一例である4頂点対応画素を探索し、その後、ステップ210へ移行する。
本開示の技術に係る多頂点画素とは、第1撮像画像に含まれる画素のうちの多角形の頂点を規定する少なくとも4つ以上の画素を指す。第1撮像画像とは、隣接撮像範囲のうちの先に撮像が実施される一方の撮像範囲115内の被写体が撮像されて得られた撮像画像を指す。隣接撮像範囲とは、複数の撮像範囲115における隣接する撮像範囲115を指す。なお、本第1実施形態では、4頂点画素を多頂点画素の一例として挙げているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、多角形の頂点を規定する少なくとも4つ以上の画素であれば代替が可能である。
4頂点対応画素とは、撮像画像内の四角形の4頂点を規定する4つの画素を指す。図16に示す例では、撮像範囲115内の被写体に、四角形を規定する4頂点である実空間4頂点が含まれており、実空間4頂点が4頂点対応画素に対応している。図16に示す例では、撮像範囲115A内の窓122の外枠の4頂点である頂点126A,126B,126C,126Dが実空間4頂点に該当する。
一方、図19に示す例では、撮像範囲115A内の被写体が撮像されて得られたライブビュー画像が示されている。図19に示す例では、ライブビュー画像に含まれる画素のうち、頂点126A,126B,126C,126Dに対応する4画素である画素128A,128B,128C,128Dが4頂点対応画素に該当する。
ステップ210で、実行部112Aは、撮像範囲115内の被写体を示すライブビュー画像に4頂点対応画素が存在するか否かを判定する。
なお、図19に示す例では、撮像範囲115A内の被写体を示すライブビュー画像に画素128A,128B,128C,128Dが4頂点対応画素として存在している。
また、図17に示す例では、撮像範囲115B内の被写体にも、実空間4頂点として頂点126A,126B,126C,126Dが含まれている。従って、撮像範囲115B内の被写体を示すライブビュー画像にも、図19に示す例と同様に、画素128A,128B,128C,128Dが4頂点対応画素として存在している。
更に、図18に示す例では、撮像範囲115C内の被写体に、実空間4頂点として頂点126C,126D,126E,126Fが含まれている。従って、この場合、撮像範囲115C内の被写体を示すライブビュー画像には、頂点126C,126D,126E,126Fに対応する4頂点対応画素が存在している。
ステップ210において、撮像範囲115内の被写体を示すライブビュー画像に4頂点対応画素が存在する場合は、判定が肯定されて、ステップ218へ移行する。ステップ210において、撮像範囲115内の被写体を示すライブビュー画像に4頂点対応画素が存在しない場合は、判定が否定されて、ステップ214へ移行する。
ステップ214で、実行部112Aは、許容範囲内に撮像範囲115の未配置領域が存在するか否かを判定する。
ここで、未配置領域とは、許容範囲内において撮像範囲115が未だに配置されていない領域を指す。また、許容範囲とは、例えば、撮像範囲115に対する正面視左右方向に撮像範囲115を拡大させた範囲であって、パノラマ撮像が可能な範囲として許容される範囲を指す。
図16に示す例では、範囲130が許容範囲に該当する。範囲130は、撮像範囲115Aに対する正面視左右方向に撮像範囲115を、一例として1.5倍拡大させた範囲である。
ステップ214において、許容範囲内に未配置領域が存在する場合は、判定が肯定されて、ステップ216へ移行する。ステップ214において、許容範囲内に未配置領域が存在しない場合は、判定が否定される。ステップ214において判定が否定されると、実行部112Aは、一次記憶部102の第1記憶領域(図示省略)に位置特定情報を時系列で記憶し、その後、ステップ220へ移行する。
ここで、位置特定情報とは、現在の撮像範囲115の位置を特定する情報を指す。位置特定情報は、例えば、縦回転機構15及び横回転機構17による回転方向及び回転量に基づいて導出される。縦回転機構15による回転方向及び回転量は、例えば、モータ23の回転方向及び回転量により特定され、横回転機構17による回転方向及び回転量は、例えば、モータ21の回転方向及び回転量により特定される。
ステップ216で、未配置領域を変更先として、実行部112Aは、変更機構11を作動させることで、撮像範囲115の位置を未配置方向に微小変更させ、その後、ステップ208へ移行する。
ここで、未配置方向とは、未配置領域が存在する方向を指す。図16〜図18に示す例では、範囲130内の矢印B方向及び矢印C方向が未配置方向に該当する。
また、微小変更とは、許容範囲内における撮像範囲115の位置の既定の変更量での変更を指す。既定の変更量は、例えば、許容範囲内で撮像範囲115の位置の変更が数十回(例えば、20回)行われることで未配置領域が無くなるように導出された1回分の変更量を指す。なお、ここで言う「数十回」は、固定された回数であってもよいし、ユーザの指示に応じて変更可能な回数であってもよい。
ステップ218で、実行部112Aは、第1画素特定座標と位置特定情報とを対応付けた状態で一次記憶部102の第1記憶領域に時系列で記憶し、その後、ステップ220へ移行する。なお、ここで、第1画素特定座標とは、現在の撮像範囲115内の被写体を示すライブビュー画像内の画素のうち、探索して得た4頂点対応画素の位置を特定する座標を指す。
ステップ220で、実行部112Aは、計測部に対して、本開示の技術に係る特定撮像範囲及び指定撮像範囲の一例である現在の撮像範囲115内の被写体に向けてレーザ光を射出させることで被写体までの距離の計測を開始させ、その後、ステップ222へ移行する。
ステップ222で、実行部112Aは、計測部による計測が終了したか否かを判定する。ここで、計測部による計測が終了した場合は、距離導出成功状態の場合と距離導出失敗状態の場合とに大別される。距離導出成功状態とは、被写体までの距離の導出が成功した状態、すなわち、射出部22から射出されたレーザ光の反射光が受光部24のPD36により受光され、測距制御部68により被写体までの距離が導出された状態を指す。距離導出失敗状態とは、射出部22から射出されたレーザ光の反射光が受光部24のPD36により受光されなかった又はPD36による受光量が既定の受光量に達しなかったことに起因して測距制御部68により被写体までの距離が導出されなかった状態を指す。なお、既定の受光量とは、例えば、実機による試験又はコンピュータ・シミュレーション等により、被写体までの距離を導出する上で有効とされる受光量として予め得られた受光量を指す。
ステップ222において、計測部による計測が終了していない場合は、判定が否定されて、ステップ222の判定が再び行われる。ステップ222において、計測部による計測が終了した場合は、判定が肯定されて、ステップ224へ移行する。
ステップ224で、取得部110Aは、計測部による計測結果を測距制御部68から取得し、その後、ステップ226へ移行する。計測結果は、距離導出成功状態の場合の計測結果と、距離導出失敗状態の場合の計測結果とに大別される。距離導出成功状態の場合の計測結果とは、実測距離を指す。距離導出失敗状態の場合の計測結果とは、計測部による計測が失敗したことを示す計測失敗情報を指す。なお、本ステップ224の処理が実行されることで取得部110Aにより取得される計測結果は、本開示の技術に係る計測成否情報の一例である。
ステップ226で、実行部112Aは、取得部110Aにより取得された計測結果を用いて計測部による計測が成功したか否かを判定する。すなわち、本ステップ226において、実行部112Aは、取得部110Aにより取得された計測結果が実測距離の場合は計測部による計測が成功したと判定する。また、本ステップ226において、実行部112Aは、取得部110Aにより取得された計測結果が計測失敗情報の場合は計測部による計測が失敗したと判定する。
ステップ226において、計測部による計測が成功した場合は、判定が肯定されて、ステップ228へ移行する。ステップ226において、計測部による計測が失敗した場合は、判定が否定されて、ステップ232へ移行する。
ステップ228で、実行部112Aは、計測部による計測が成功したことを示す計測成功フラグをオンし、その後、ステップ230へ移行する。
なお、パノラマ撮像計測処理の実行が開始されてから計測成功フラグがオンされるまでの間に静止画像用の撮像で用いられた撮像範囲115は、本開示の技術に係る特定撮像範囲の一例である。
また、ステップ228の処理は、本開示の技術に係る計測禁止処理の一例である。ここで、計測禁止処理とは、範囲R1内で使用される複数の撮像範囲115内の被写体を計測対象とした計測部による計測を禁止する処理を指す。
ステップ230で、実行部112Aは、取得部110Aにより取得された計測結果である実測距離を一次記憶部102の第2記憶領域(図示省略)に記憶し、その後、図14に示すステップ260へ移行する。
ステップ232で、実行部112Aは、表示部86に対して、一例として図20に示すように、ライブビュー画像の表示領域内に、計測部による計測が失敗したことを示す計測失敗メッセージ136の表示を開始させ、その後、ステップ234へ移行する。ここでは、計測失敗メッセージ136の一例として、「測距が失敗しました。」とのメッセージが示されているが、あくまでも一例であり、計測部による計測が失敗したことをユーザに認識させることができるメッセージであれば如何なるメッセージであってもよい。
また、図20に示す例では、計測失敗メッセージ136が可視表示される場合を示しているが、音声再生装置(図示省略)による音声の出力等の可聴表示又はプリンタによる印刷物の出力等の永久可視表示を可視表示に代えて行ってもよいし、併用してもよい。
ステップ234で、実行部112Aは、計測失敗メッセージ136の表示を終了する条件である表示終了条件を満足したか否かを判定する。表示終了条件の一例としては、タッチパネル88によってダブルタップ操作が受け付けられたとの条件、又は、受付デバイス90に含まれる特定のボタン(例えば、撮像計測ボタン90A)がオンされたとの条件等が挙げられる。
ステップ234において、表示終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ234の判定が再び行われる。ステップ234において、表示終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、ステップ236へ移行する。
ステップ236で、実行部112Aは、表示部86に対して、計測失敗メッセージ136の表示を終了させ、その後、図14に示すステップ260へ移行する。
ステップ238で、実行部112Aは、本開示の技術に係る第1撮像画像の一例である前回の静止画像に4頂点対応画素が含まれているか否かを判定する。ここで、前回の静止画像とは、複数の撮像範囲115のうち、現在の撮像範囲115の1つ手前の静止画像用の撮像で用いられた撮像範囲115(後述のステップ260の処理での撮像で用いられた撮像範囲115)内の被写体を示す静止画像を指す。
ステップ238において、前回の静止画像に4頂点対応画素が含まれていない場合は、判定が否定されて、ステップ242へ移行する。ステップ238において、前回の静止画像に4頂点対応画素が含まれている場合は、判定が肯定されて、ステップ240へ移行する。
ステップ240で、実行部112Aは、前回の静止画像に含まれている4頂点対応画素に対応する4つの画素(本開示の技術に係る対応画素の一例)が重複領域に存在していないか否かを判定する。ここで、重複領域とは、現在の撮像範囲115内の被写体を示すライブビュー画像のうち、前回の静止画像と重複した領域を指す。なお、現在の撮像範囲115内の被写体を示すライブビュー画像は、本開示の技術に係る第2撮像画像の一例である。本開示の技術に係る第2撮像画像とは、上述した隣接撮像範囲のうちの他方の撮像範囲115内の被写体が撮像されて得られた撮像画像を指す。
図17に示す例では、撮像範囲115Aと撮像範囲115Bとが重複した範囲132A(図17に示すハッチング領域)が示されている。図17に示す例において、範囲132A内には、撮像範囲115A内の被写体における頂点126A,126B,126C,126Dが実空間4頂点として含まれている。従って、この場合、撮像範囲115B内の被写体を示すライブビュー画像には、頂点126A,126B,126C,126Dに対応する4つの画素が存在する。
撮像範囲115B内の被写体を示すライブビュー画像において、図17に示す頂点126A,126B,126C,126Dに対応する4つの画素は、本開示の技術に係る対応画素の一例である。対応画素とは、例えば、図17に示す撮像範囲115B内の被写体を示すライブビュー画像に含まれる画素のうち、撮像範囲115A内の被写体を示す静止画像に含まれる4頂点対応画素(本開示の技術に係る第1多頂点画素の一例)に対応する4つの画素を指す。
また、図17に示す例において、撮像範囲115A及び撮像範囲115Bは、本開示の技術に係る隣接撮像範囲の一例である。図17に示す例において、撮像範囲115Aは、本開示の技術に係る「隣接撮像範囲のうちの先に撮像が実施される一方の撮像範囲」の一例である。撮像範囲115Bは、本開示の技術に係る「隣接撮像範囲のうちの他方の撮像範囲」の一例である。
ここで、一例として図19に示すように、撮像範囲115A内の被写体を示すライブビュー画像に含まれる画素128A,128B、128C,128Dは、頂点126A,126B,126C,126Dに対応する画素である。画素128A,128B、128C,128Dは、後述のステップ260の処理が実行されることで撮像範囲115A内の被写体が撮像されて得られる静止画像にも含まれる。この場合、図17に示す範囲132A内に頂点126A,126B,126C,126Dが含まれる。従って、画素128A,128B、128C,128Dに対応する4つの画素は、上述した対応画素として、撮像範囲115B内の被写体を示すライブビュー画像にも含まれる。
図18に示す例では、撮像範囲115Bと撮像範囲115Cとが重複した範囲132B(図18に示すハッチング領域)が示されている。図18に示す例において、範囲132B内には、撮像範囲115B内の被写体における頂点126C,126D,126E,126Fが実空間4頂点として含まれている。従って、この場合、撮像範囲115C内の被写体を示すライブビュー画像には、頂点126C,126D,126E,126Fに対応する4つの画素が存在する。
撮像範囲115C内の被写体を示すライブビュー画像において、図18に示す頂点126C,126D,126E,126Fに対応する4つの画素は、本開示の技術に係る対応画素の一例である。また、図18に示す例において、撮像範囲115B及び撮像範囲115Cは、本開示の技術に係る隣接撮像範囲の一例である。図18に示す例において、撮像範囲115Bは、本開示の技術に係る「隣接撮像範囲のうちの先に撮像が実施される一方の撮像範囲」の一例である。撮像範囲115Cは、本開示の技術に係る「隣接撮像範囲のうちの他方の撮像範囲」の一例である。なお、図8に示す例は、撮像範囲115A内の被写体を示す静止画像内に4頂点対応画素が存在せず、かつ、撮像範囲115B内の被写体を示す静止画像内に4頂点対応画素が存在することを前提とした例である。
図18に示す撮像範囲115B内の被写体を示す静止画像には、頂点126C,126D,126E,126Fに対応する4つの画素が存在する。また、この場合、図18に示す範囲132B内に頂点126C,126D,126E,126Fが含まれる。従って、頂点126C,126D,126E,126Fに対応する4つの画素は、上述した対応画素として、撮像範囲115C内の被写体を示すライブビュー画像にも含まれる。
また、本実施形態では、説明の便宜上、多頂点画素として4つの画素を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、多角形の頂点を規定する少なくとも4つ以上の画素であればよい。
ステップ240において、前回の静止画像に含まれている4頂点対応画素に対応する4つの画素が重複領域に存在している場合(例えば、図17に示す例の場合及び図18に示す例の場合)は、判定が否定されて、ステップ244へ移行する。ステップ240において、前回の静止画像に含まれている4頂点対応画素に対応する4つの画素が重複領域に存在していない場合は、判定が肯定されて、ステップ242へ移行する。
ステップ242で、実行部112Aは、計測成功フラグがオンされているか否かを判定する。ステップ242において、計測成功フラグがオフされている場合は、判定が否定されて、ステップ208へ移行する。ステップ242において判定が否定されてステップ208へ移行すると、結果的に、ステップ220の処理にて、計測部による計測が再び行われる。ステップ242において、計測成功フラグがオンされている場合は、判定が肯定されて、図13に示すステップ246へ移行する。なお、ステップ242において判定が肯定される処理は、本開示の技術に係る計測禁止処理の一例である。
ステップ244で、実行部112Aは、重複領域に含まれる4つの画素の位置を特定する座標である第2画素特定座標と位置特定情報とを対応付けた状態で第1記憶領域に時系列で記憶し、その後、ステップ246へ移行する。なお、本ステップ244が実行されることで第1記憶領域に記憶された第2画素特定座標により特定される位置の4つの画素は、本開示の技術に係る対応画素の一例である。また、以下では、説明の便宜上、第1及び第2画素特定座標を区別して説明する必要がない場合、「画素特定座標」と称する。
ステップ246で、実行部112Aは、計測成功フラグがオフされているか否かを判定する。ステップ246において、計測成功フラグがオフされている場合は、判定が肯定されて、ステップ220へ移行する。ステップ246において判定が否定されてステップ220へ移行すると、ステップ220にて、計測部による計測が再び行われる。ステップ246において、計測成功フラグがオンされている場合は、判定が否定されて、図14に示すステップ260へ移行する。なお、ステップ246において判定が否定される処理は、本開示の技術に係る計測禁止処理の一例である。
図13に示すステップ248で、実行部112Aは、ステップ208の処理と同様の処理を実行し、ステップ250へ移行する。
ステップ250で、実行部112Aは、撮像範囲115内の被写体を示すライブビュー画像に4頂点対応画素が存在するか否かを判定する。ステップ250において、撮像範囲115内の被写体を示すライブビュー画像に4頂点対応画素が存在する場合は、判定が肯定されて、ステップ258へ移行する。ステップ250において、撮像範囲115内の被写体を示すライブビュー画像に4頂点対応画素が存在しない場合は、判定が否定されて、ステップ254へ移行する。
ステップ254で、実行部112Aは、ステップ214の処理と同様の処理を実行し、その後、ステップ256へ移行する。
ステップ256で、実行部112Aは、ステップ216の処理と同様の処理を実行し、その後、ステップ248へ移行する。
ステップ258で、実行部112Aは、ステップ218の処理と同様の処理を実行し、その後、図14に示すステップ260へ移行する。
図14に示すステップ260で、実行部112Aは、撮像装置14に対して、静止画像用の撮像を行わせ、その後、ステップ262へ移行する。
ステップ262で、実行部112Aは、ステップ260の処理が実行されることで撮像されて得られた静止画像を取得し、取得した静止画像を一次記憶部102の第3記憶領域(図示省略)に時系列で記憶し、その後、ステップ264へ移行する。
ステップ264で、実行部112Aは、第3記憶領域に時系列で記憶された静止画像のうちの最新の静止画像に対して、第1記憶領域に記憶されている最新の位置特定情報を対応付け、その後、ステップ266へ移行する。
なお、以下では、説明の便宜上、第3記憶領域に時系列で記憶された静止画像のうちの最新の静止画像を、単に「最新の静止画像」と称する。また、以下では、説明の便宜上、静止画像に対応付けられている位置特定情報を「静止画像に対応する位置特定情報」とも称する。
ステップ266で、実行部112Aは、ステップ264の処理が実行されることで最新の静止画像に対応付けられた位置特定情報に対して画素特定座標が対応付けられているか否かを判定する。ステップ266において、ステップ264の処理が実行されることで最新の静止画像に対応付けられた位置特定情報に対して画素特定座標が対応付けられていない場合は、判定が否定されて、図15に示すステップ282へ移行する。ステップ266において、ステップ264の処理が実行されることで最新の静止画像に対応付けられた位置特定情報に対して画素特定座標が対応付けられている場合は、判定が肯定されて、ステップ268へ移行する。なお、以下では、説明の便宜上、静止画像に対応付けられた位置特定情報に対して対応付けられている画素特定座標を、「静止画像に対応する画素特定座標」と称する。
ステップ268で、実行部112Aは、最新の静止画像を処理対象として、最新の静止画像に対応する画素特定座標に基づいて射影変換処理を実行し、処理対象とされた静止画像を第3記憶領域から消去した後、ステップ270へ移行する。本ステップ268で射影変換処理が実行されると、画素特定座標により画定される四角形に基づいて射影変換用の係数である射影変換係数が導出される。そして、導出された射影変換係数を用いて最新の静止画像が上述の正対視画像に相当する画像に変換される。
なお、以下では、説明の便宜上、静止画像に対して射影変換処理が実行されることで得られる正対視画像に相当する画像を「射影変換後画像」と称する。また、射影変換後画像には、ステップ268で処理対象とされた静止画像に対応する位置特定情報が射影変換後画像に対しても対応付けられる。また、以下では、説明の便宜上、射影変換後画像に対応付けられている位置特定情報を「射影変換後画像に対応する位置特定情報」とも称する。また、以下では、説明の便宜上、ステップ268の処理が実行されて得られた最新の射影変換後画像を、単に「最新の射影変換後画像」とも称する。
ステップ270で、実行部112Aは、ステップ268で処理対象とされた静止画像以外の静止画像が第3記憶領域に残存していないか否かを判定する。ステップ270において、ステップ268で処理対象とされた静止画像以外の静止画像が第3記憶領域に残存していない場合は、判定が否定されて、ステップ272へ移行する。ステップ270において、ステップ268で処理対象とされた静止画像以外の静止画像が第3記憶領域に残存している場合は、判定が肯定されて、図15に示すステップ284へ移行する。
ステップ272で、実行部112Aは、一次記憶部102の第4記憶領域(図示省略)にパノラマ画像が記憶されているか否かを判定する。なお、第4記憶領域には、後述のステップ278の処理が実行された場合及びステップ280の処理が実行された場合に、パノラマ画像が記憶される。
ステップ272において、第4記憶領域にパノラマ画像が記憶されている場合は、判定が肯定されて、ステップ280へ移行する。ステップ272において、第4記憶領域にパノラマ画像が記憶されていない場合は、判定が否定されて、ステップ274へ移行する。
ステップ274で、実行部112Aは、複数の射影変換後画像が存在しているか否かを判定する。ここで、複数の射影変換後画像が存在するパターンとしては、第1〜第4のパターンが考えられる。
第1のパターンとは、既に後述のステップ276の処理が実行されることによって一次記憶部102の第5記憶領域(図示省略)に射影変換後画像が記憶されており、かつ、最新の射影変換後画像が存在するパターンを指す。第2のパターンとは、第5記憶領域に射影変換後画像が記憶されており、かつ、最新の射影変換後画像が存在し、かつ、後述のステップ292の処理が実行されることで射影変換後画像が得られているパターンを指す。第3のパターンとは、第5記憶領域に射影変換後画像が記憶されていないものの、最新の射影変換後画像が存在し、かつ、後述のステップ292の処理が実行されることで射影変換後画像が得られているパターンを指す。第4のパターンとは、最新の射影変換後画像が存在せず、かつ、後述のステップ292の処理が実行されることで複数の射影変換後画像が得られているパターンを指す。なお、第5記憶領域には、後述のステップ276の処理が実行された場合に、ステップ268の処理が実行されて得られた射影変換後画像が記憶される。
ステップ274において、第5記憶領域に射影変換後画像が記憶されている場合は、判定が肯定されて、ステップ278へ移行する。ステップ274において、第5記憶領域に射影変換後画像が記憶されていない場合は、判定が否定されて、ステップ276へ移行する。
ステップ276で、実行部112Aは、ステップ268の処理が実行されて得られた最新の射影変換後画像を第5記憶領域に記憶し、その後、ステップ296へ移行する。
ステップ278で、実行部112Aは、ステップ268及びステップ292の少なくとも一方の処理が実行されることで得られた射影変換後画像と第5記憶領域に記憶されている射影変換後画像とを繋ぎ合わせることでパノラマ画像を生成する。そして、実行部112Aは、生成したパノラマ画像を第4記憶領域に記憶し、その後、ステップ296へ移行する。なお、ステップ278の処理は、本開示の技術に係る生成処理の一例である。
ステップ280で、実行部112Aは、第4記憶領域に記憶されているパノラマ画像を取得する。次いで、実行部112Aは、取得したパノラマ画像に対して、ステップ268及びステップ292の少なくとも一方の処理が実行されることで得られた射影変換後画像を繋ぎ合わせることでパノラマ画像を更新する。そして、実行部112Aは、更新したパノラマ画像を第4記憶領域に記憶(上書き保存)し、その後、ステップ296へ移行する。なお、ステップ280の処理は、本開示の技術に係る生成処理の一例である。
図15に示すステップ282で、実行部112Aは、射影変換処理の実績があるか否かを判定する。射影変換処理の実績とは、パノラマ撮像計測処理の実行が開示されてから現時点までに静止画像に対して射影変換処理が実行された事実を指す。射影変換処理の実績の有無は、図14に示すステップ268の処理が実行されたか否かによって判定される。
ステップ282において、射影変換処理の実績がない場合は、判定が否定されて、図14に示すステップ296へ移行する。ステップ282において、射影変換処理の実績がある場合は、判定が肯定されて、ステップ284へ移行する。
ステップ284で、実行部112Aは、最先の静止画像を取得し、その後、ステップ286へ移行する。ここで、最先の静止画像とは、第3記憶領域に記憶されている静止画像のうち、最も先に記憶された静止画像、すなわち、最も古い静止画像を指す。なお、以下では、説明の便宜上、本ステップ284の処理が実行されることで得られた最先の静止画像を、単に「最先の静止画像」とも称する。
ステップ286で、実行部112Aは、最新の射影変換後画像に対応する位置特定情報を取得し、その後、ステップ288へ移行する。
ステップ288で、実行部112Aは、2つの位置特定情報を用いて位置関係情報を導出し、その後、ステップ290へ移行する。
ここで、位置関係情報とは、最先の静止画像を得るために行われた撮像で用いられた撮像範囲115と最新の射影変換後画像に対応する静止画像を得るために行われた撮像で用いられた撮像範囲115との位置関係を示す情報である。位置関係情報は、撮像範囲間距離と撮像範囲方向とを含む情報である。撮像範囲間距離とは、最先の静止画像を得るために行われた撮像で用いられた撮像範囲115と最新の射影変換後画像に対応する静止画像を得るために行われた撮像で用いられた撮像範囲115との距離を指す。撮像範囲方向とは、最新の射影変換後画像に対応する静止画像を得るために行われた撮像で用いられた撮像範囲115に対する、最先の静止画像を得るために行われた撮像で用いられた撮像範囲115の方向を指す。
ステップ290で、実行部112Aは、ステップ288の処理で導出した位置関係情報に基づいて、最新の射影変換後画像の射影変換係数を、最先の静止画像を射影変換後画像に変換可能な係数に調整し、その後、ステップ292へ移行する。
ステップ292で、実行部112Aは、最先の静止画像を処理対象として、ステップ290の処理で調整した射影変換係数を用いて射影変換処理を実行し、処理対象とされた静止画像を第3記憶領域から消去した後、ステップ294へ移行する。
ステップ294で、実行部112Aは、第3記憶領域に記憶されている全ての静止画像がステップ292の射影変換処理の処理対象とされたか否かを判定する。ステップ294において、第3記憶領域に記憶されている全ての静止画像がステップ292の射影変換処理の処理対象とされていない場合は、判定が否定されて、ステップ284へ移行する。ステップ294において、第3記憶領域に記憶されている全ての静止画像がステップ292の射影変換処理の処理対象とされた場合は、判定が肯定されて、図14に示すステップ272へ移行する。
図14に示すステップ296で、実行部112Aは、パノラマ撮像計測処理を終了する条件である撮像計測終了条件を満足したか否かを判定する。撮像計測終了条件の一例としては、最後の撮像範囲115内の被写体に対する撮像によって得られた静止画像を基に得られた射影変換後画像を含むパノラマ画像が生成されて第4記憶領域に記憶された、との条件が挙げられる。撮像計測終了条件の他の一例としては、タッチパネル88又は受付デバイス90によって、パノラマ撮像計測処理を終了する指示が受け付けられた、との条件が挙げられる。
ステップ296において、撮像計測終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ298へ移行する。
ステップ298で、実行部112Aは、変更機構11を作動させて、撮像範囲115の位置を、パノラマ撮像に要する静止画像用の撮像として次に静止画像用の撮像を予定している位置に移動させることで、撮像範囲115の位置を変更させる。ステップ298の処理の実行が終了すると、パノラマ撮像計測処理は図12に示すステップ200へ移行する。
なお、次に静止画像用の撮像を予定している位置とは、例えば、現在の撮像範囲115が撮像範囲115Aの場合は撮像範囲115Bの位置を指し、現在の撮像範囲115が撮像範囲115Bの場合は撮像範囲115Cの位置を指す(図17及び図18参照)。また、ステップ298の処理は、本開示の技術に係る移動処理の一例である。
ステップ296において、撮像計測終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、パノラマ撮像計測処理を終了する。
次に、第4記憶領域にパノラマ画像が記憶されている状態で寸法導出ボタン90Fがオンされた場合にCPU100が寸法導出プログラム106Aを実行することにより寸法導出機能を働かせることで実現される寸法導出処理について図21を参照して説明する。
なお、以下では、説明の便宜上、第2記憶領域に実測距離が記憶されていることを前提として説明する。また、以下では、説明の便宜上、パノラマ撮像計測処理が実行されてから測距装置10Aがシャットダウンされることなく寸法導出ボタン90Fがオンされたことを前提として説明する。
また、以下では、説明の便宜上、数式(1)の“f0”は、パノラマ画像の撮像で用いられた代表的な焦点距離であることを前提として説明する。代表的な焦点距離の一例としては、パノラマ撮像で要した複数回に及ぶ静止画像用の撮像の各々で用いられた焦点距離の平均値が挙げられる。代表的な焦点距離の他の一例としては、後述の指定された2つの画素を含む射影変換後画像に対応する静止画像を得るために行われた撮像で用いられた焦点距離が挙げられる。
先ず、ステップ350で、実行部112Aは、第4記憶領域からパノラマ画像を取得する。そして、実行部112Aは、表示部86に対して、一例として図22に示すように、パノラマ画像の表示を開始させ、その後、ステップ352へ移行する。
ステップ352で、実行部112Aは、表示部86に対して、一例として図23に示すように、パノラマ画像の横の表示領域内に画素指定案内メッセージ138を表示させ、その後、ステップ354へ移行する。
図23に示す例では、画素指定案内メッセージ138として、「パノラマ画像内で2点をタップして、長さを計測したい区域の始点と終点を指定して下さい。」とのメッセージが示されているが、これはあくまでも一例である。画素指定案内メッセージ138は、図23に示す例に限定されるものではなく、長さを計測したい区域の始点と終点とを特定する2画素の指定をユーザに促すメッセージであれば如何なるメッセージであってもよい。
ステップ354で、実行部112Aは、ユーザによりタッチパネル88を介して2つの画素が指定されたか否かを判定する。ステップ354において、ユーザによりタッチパネル88を介して2つの画素が指定されていない場合は、判定が否定されて、ステップ356へ移行する。ステップ354において、一例として図24に示すように、ユーザによりタッチパネル88を介して2つの画素が指定された場合は、判定が肯定されて、ステップ358へ移行する。
ステップ356で、実行部112Aは、寸法導出処理を終了する条件である寸法導出終了条件を満足したか否かを判定する。寸法導出終了条件の一例としては、タッチパネル88又は受付デバイス90によって寸法導出処理を終了する指示が受け付けられた、との条件が挙げられる。寸法導出終了条件の他の一例としては、寸法導出処理の実行が開始されてから予め定められた時間(例えば、30分)が経過した、との条件が挙げられる。
ステップ356において、寸法導出終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ354へ移行する。ステップ356において、寸法導出終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、ステップ368へ移行する。
ステップ358で、実行部112Aは、表示部86に対して、画素指定案内メッセージ138の表示を終了させ、その後、ステップ360へ移行する。
ステップ360で、実行部112Aは、ユーザによりタッチパネル88を介して指定された2つの画素の間隔に対応する実空間上の区域の長さを、寸法導出機能を働かせて導出し、その後、ステップ362へ移行する。
本ステップ360では、ユーザによってタッチパネル88を介して指定された2つの画素の間隔に対応する実空間上の区域の長さが、上記の数式(1)により導出される。なお、この場合、数式(1)のu1,u2は、ユーザによりタッチパネル88を介して指定された2つの画素のアドレスである。また、数式(1)のLは、パノラマ撮像計測処理に含まれるステップ230の処理が実行されることで第2記憶領域に記憶された実測距離である。
ステップ362で、実行部112Aは、一例として図25に示すように、表示部86に対して、区域の長さ及び双方向矢印125Aをパノラマ画像に重畳した表示を開始させ、その後、ステップ364へ移行する。
本ステップ362の処理が実行されることで表示部86に表示される区域の長さは、ステップ360の処理が実行されることで実行部112Aにより導出された区域の長さである。なお、図25に示す例では、「630mm」との長さが区域の長さに該当する。また、本ステップ362の処理が実行されることで表示部86に表示される双方向矢印125Aは、ユーザによりタッチパネル88を介して指定された2つの画素間を特定する矢印である。
ステップ364で、実行部112Aは、上述した寸法導出終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ364において、寸法導出終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ366へ移行する。ステップ364において、寸法導出終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、ステップ368へ移行する。
ステップ366で、実行部112Aは、ユーザによりタッチパネル88を介して2つの画素が更に指定されたか否かを判定する。ステップ366において、ユーザによりタッチパネル88を介して2つの画素が更に指定されていない場合は、判定が否定されて、ステップ364へ移行する。ステップ366において、一例として図26に示すように、ユーザによりタッチパネル88を介して2つの画素が更に指定された場合は、判定が肯定されて、ステップ360へ移行する。
ステップ366において判定が肯定されてステップ360及びステップ362の処理が再び実行されると、一例として図27に示すように、ユーザによりタッチパネル88を介して更に指定された2つの画素間に対応する区域の長さが表示部86に表示される。なお、図27に示す例では、「705mm」との長さが、ユーザによりタッチパネル88を介して更に指定された2つの画素間に対応する区域の長さに該当する。また、図27に示す例では、双方向矢印125Bが、ユーザによりタッチパネル88を介して更に指定された2つの画素間を視認可能に特定している。なお、以下では、説明の便宜上、双方向矢印125A,125Bを区別して説明する必要がない場合、単に「双方向矢印125」と称する。
ステップ368で、実行部112Aは、表示部86に対して、パノラマ画像等の表示を終了させ、その後、寸法導出処理を終了する。なお、ここで、パノラマ画像等とは、ステップ356において判定が肯定された場合は、パノラマ画像及び画素指定案内メッセージ138を指し、ステップ364において判定が肯定された場合、パノラマ画像、区域の長さ、及び双方向矢印125を指す。
以上説明したように、測距装置10Aでは、取得部110Aにより取得された計測結果が計測部による計測が成功したことを示す場合(ステップ226:Y)、計測成功フラグがオンされ、これにより、計測部による計測が抑制される(ステップ242:N)(ステップ246:N)。
従って、測距装置10Aによれば、1回のパノラマ撮像で要する全ての撮像の各々について1回ずつ被写体までの距離を計測する場合に比べ、不要な計測を抑制することができる。
また、測距装置10Aでは、計測成功フラグがオンされると、パノラマ撮像における撮像対象となる複数の撮像範囲115内の被写体を対象とした計測部による計測が禁止される(ステップ246:N)。
従って、測距装置10Aによれば、1回のパノラマ撮像で要する全ての撮像の各々につい1回ずつ被写体までの距離を計測する場合に比べ、不要な計測を禁止することができる。
また、測距装置10Aでは、撮像計測ボタン90Aがオンされた場合に計測部による計測が実行される(ステップ220)。そして、計測成功フラグがオンされると(ステップ228)、撮像計測ボタン90Aがオンされたとしても(ステップ202:Y)、計測部による計測の実行の指示が無効化される(ステップ242:N)(ステップ246:N)。
従って、測距装置10Aによれば、計測部による計測の実行の指示が無効化されない場合に比べ、簡易な制御で、不要な計測を禁止することができる。
また、測距装置10Aでは、複数の撮像範囲115のうちの撮像が未実施の撮像範囲115内の被写体を対象とした計測部による計測が抑制される(ステップ242:N)(ステップ246:N)。
従って、測距装置10Aによれば、1回のパノラマ撮像で要する全ての撮像の各々について1回ずつ被写体までの距離を計測する場合に比べ、パノラマ撮像の途中であっても不要な計測を抑制することができる。
また、測距装置10Aでは、撮像が終了した場合に、変更機構11を作動させることで、現在の撮像範囲115をパノラマ撮像で要する次の撮像を予定している位置に移動させる処理が実行される(ステップ298)。
従って、測距装置10Aによれば、現在の撮像範囲115をパノラマ撮像で要する次の撮像を予定している位置に手動で移動させる場合に比べ、手間をかけずに、現在の撮像範囲115の位置をパノラマ撮像で要する次の撮像を予定している位置に移動させることができる。
また、測距装置10Aでは、複数の静止画像の各々が射影変換されて得られた射影変換後画像が繋ぎ合わされてパノラマ画像が生成される(ステップ278,280)。
従って、測距装置10Aによれば、射影変換されていない画像を繋ぎ合わせてパノラマ画像を生成する場合に比べ、高精度なパノラマ画像を生成することができる。
また、測距装置10Aでは、前回の静止画像である第1静止画像に4頂点対応座標が含まれており、かつ、4頂点対応画素に対応する4つの画素である対応画素が最新の静止画像である第2静止画像に含まれる場合に(ステップ240:N)、第1静止画像は4頂点対応画素に基づいて射影変換される(ステップ268)。また、第2静止画像は、対応画素に基づいて射影変換される(ステップ268)。そして、第1静止画像が射影変換されて得られた射影変換後画像(本開示の技術に係る第1射影変換後画像の一例)と第2静止画像が射影変換されて得られた射影変換後画像(本開示の技術に係る第2射影変換後画像の一例)とを含む画像であるパノラマ画像が生成される(ステップ278)。
従って、測距装置10Aによれば、パノラマ撮像における撮像対象となる複数の撮像範囲115の各々に含まれる各被写体を撮像して得た全ての静止画像の各々について4頂点対応画素を探索する場合に比べ、手間をかけずに、射影変換後画像を含むパノラマ画像を生成することができる。
更に、測距装置10Aでは、パノラマ撮像計測処理が実行されることで得られた実測距離とパノラマ画像とに基づいて寸法導出機能を働かせることで、パノラマ画像内で指定された2つの画素間に対応する実空間上の区域の長さが導出される(ステップ360)。
従って、測距装置によれば、1回のパノラマ撮像で要する全ての撮像の各々について1回ずつ被写体までの距離を計測する場合に比べ、パノラマ画像を介して指定された実空間上の区域の長さを、手間をかけずに導出することができる。
なお、上記第1実施形態では、許容範囲として範囲130を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、一例として図28に示すように、許容範囲として範囲140を用いてもよい。範囲140は、撮像範囲115に対する正面視左右方向に加えて正面視上下方向にも撮像範囲115を拡大させた範囲であり、図28に示す例では、範囲140は、撮像範囲115に対する正面視左右方向及び左右方向ともに撮像範囲115を、一例として1.5倍拡大させた範囲とされている。この場合、撮像範囲115の位置は、上記第1実施形態で説明した微小変更と同様の要領で、許容範囲内で正面視上下方向にも微小変更される。
また、上記第1実施形態では、計測成功フラグがオンされると、それ以降、パノラマ撮像計測処理が終了するまで、撮像計測ボタン90Aがオンされても計測部による計測の開始の指示が無効化される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、LDドライバ34とLD30との間にスイッチ(図示省略)を設け、計測部による計測の開始の指示が有効であったとしても、計測成功フラグがオンされている場合に限り、LDドライバ34とLD30との間のスイッチがオフされるようにすればよい。
また、上記第1実施形態では、計測成功フラグがオンされると、計測部による計測を禁止する計測禁止処理(図12に示すステップ228,242,246参照)を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、複数の撮像範囲115のうちの撮像が未実施の撮像範囲115内の被写体を対象とした計測部による計測を抑制する処理であってもよい。
計測部による計測を抑制する処理の一例としては、計測部による計測の回数を減らす処理が挙げられる。計測部による計測の回数を減らす処理の一例としては、事前に定められた複数回(例えば、3回)の撮像につき、計測部に対して被写体までの距離の計測を1回実施させる処理が挙げられる。
計測部による計測を抑制する処理の他の一例としては、レーザ光の射出強度をレーザ光の反射光が受光不可能なレベルにまで低下させる処理が挙げられる。
また、上記第1実施形態では、被写体に対して正面視上下方向に配置された複数の撮像範囲115の各々に含まれる被写体が撮像されることで得られた静止画像に基づいてパノラマ画像が生成される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、被写体に対して正面視左右方向に撮像範囲115の位置を動かしながら、複数の撮像範囲115の各々に含まれる被写体が撮像されることで得られた静止画像に基づいてパノラマ画像が生成されるようにしてもよい。また、被写体に対して正面視上下方向及び左右方向に予め定められたルートに従って撮像範囲115の位置を動かしながら、各撮像範囲115内の被写体が撮像されることで得られた静止画像に基づいてパノラマ画像が生成されるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、計測成功フラグがオンされるまでの間に静止画像用の撮像に用いられる全ての撮像範囲115の各々に含まれる被写体を計測対象として計測部による計測が実行される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、計測成功フラグがオンされるまでの間に静止画像用の撮像に用いられる全ての撮像範囲115のうちの一部の撮像範囲115に含まれる被写体を計測対象として計測部による計測が実行されるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、範囲R1内で定められた最後の撮像範囲115内の被写体に対する静止画像用の撮像が終了するまでパノラマ撮像計測処理が継続される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、範囲R1内の前半の範囲に定められた全ての撮像範囲115の各々に含まれる被写体に対する静止画像用の撮像が終了するまでパノラマ撮像計測処理が継続されるようにしてもよい。この場合、範囲R1内の前半の範囲を対象としたパノラマ撮像計測処理で計測成功フラグがオンされた場合、範囲R1内の後半の範囲での測距を実行せずにパノラマ撮像のみを行うようにしてもよい。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、撮像範囲115の位置の変更がユーザによる手動に依らずとも実現される場合を例示したが、本第2実施形態では、撮像範囲115の位置の変更がユーザによるロータリスイッチの操作に応じて行われる場合について説明する。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本第2実施形態に係る測距装置10Bは、一例として図1〜図4に示すように、測距装置10Aに比べ、測距装置本体10A1に代えて測距装置本体10B1を有する点が異なる。測距装置本体10B1は、測距装置本体10A1に比べ、撮像装置14に代えて撮像装置150を有する点が異なる。撮像装置150は、撮像装置14に比べ、撮像装置本体18に代えて撮像装置本体152を有する点が異なる。
一例として図5に示すように、撮像装置本体152は、撮像装置本体18に比べ、主制御部62に代えて主制御部154を有する点が異なる。一例として図9に示すように、主制御部154は、主制御部62に比べ、二次記憶部104にパノラマ撮像計測プログラム105Aに代えてパノラマ撮像計測プログラム105Bが記憶されている点が異なる。
CPU100は、パノラマ撮像計測プログラム105Bを実行することで、一例として図10に示すように、取得部110B及び実行部112Bとして動作する。取得部110Bは、上記第1実施形態で説明した取得部110Aに対応し、実行部112Bは、上記第1実施形態で説明した実行部112Aに対応する。なお、本第2実施形態では、説明の便宜上、取得部110B及び実行部112Bについては、上記第1実施形態で説明した取得部110A及び実行部112Aと異なる部分について説明する。
次に、測距装置10Bの本開示の技術に係る部分の作用として、CPU100がパノラマ撮像計測プログラム105Bを実行することで実現されるパノラマ撮像計測処理について図29〜図33を参照して説明する。なお、上記第1実施形態で説明したパノラマ撮像計測処理(図12〜図15)に含まれるステップと同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
一例として図30に示すように、本第2実施形態に係るパノラマ撮像計測処理は、上記第1実施形態に係るパノラマ撮像計測処理に比べ、ステップ214,216に代えてステップ398〜ステップ410を有する点が異なる。また、一例として図31に示すように、本第2実施形態に係るパノラマ撮像計測処理は、上記第1実施形態に係るパノラマ撮像計測処理に比べ、ステップ254,256に代えてステップ412〜ステップ422を有する点が異なる。
また、一例として図32に示すように、本第2実施形態に係るパノラマ撮像計測処理は、上記第1実施形態に係るパノラマ撮像計測処理に比べ、ステップ296に代えてステップ424を有する点が異なる。更に、一例として図33に示すように、本第2実施形態に係るパノラマ撮像計測処理は、上記第1実施形態に係るパノラマ撮像計測処理に比べ、ステップ298に代えてステップ426〜ステップ434を有する点が異なる。
図30に示すステップ398で、実行部112Bは、許容範囲内に未配置領域が存在するか否かを判定する。ステップ398において、許容範囲内に未配置領域が存在しない場合は、判定が否定されて、図29に示すステップ220へ移行する。ステップ398において、許容範囲内に未配置領域が存在する場合は、判定が肯定されて、ステップ400へ移行する。
ステップ400で、実行部112Bは、現在の撮像範囲115を対象として、許容範囲内で撮像範囲115の位置が変更された回数が既定回数(例えば、10回)未満か否かを判定する。ステップ400において、現在の撮像範囲115を対象として、許容範囲内で撮像範囲115の位置が変更された回数が既定回数に到達した場合は、判定が否定されて、図29に示すステップ220へ移行する。ステップ400において、現在の撮像範囲115を対象として、許容範囲内で撮像範囲115の位置が変更された回数が既定回数未満の場合は、判定が肯定されて、ステップ402へ移行する。
ステップ402で、実行部112Bは、表示部86に対して、一例として図34に示すように、ライブビュー画像の表示領域内に微小変更誘導情報142の表示を開始させ、その後、ステップ404へ移行する。
微小変更誘導情報142は、微小変更誘導メッセージ144と矢印Dとを含む情報である。図34に示す例では、微小変更誘導メッセージ144として、「撮像範囲の位置を矢印方向に少しだけずらして下さい。」とのメッセージが示されている。また、図34に示す例では、矢印Dが未配置方向を指し示している。
また、矢印Dは、インジケータの機能を有している。すなわち、矢印Dの大きさは、撮像範囲115の位置が許容範囲の限界に近くなるに従って小さくなり、撮像範囲115の位置が許容範囲の限界から遠くなるに従って大きくなる。換言すると、矢印Dの大きさは、許容範囲内で撮像範囲115の中心が図16に示す中心線CLから遠くなるに従って小さくなり、許容範囲内で撮像範囲115の中心が図16に示す中心線CLに近くなるに従って大きくなる。
また、図34に示す例では、微小変更誘導情報142が可視表示される場合を示しているが、音声再生装置(図示省略)による音声の出力等の可聴表示又はプリンタによる印刷物の出力等の永久可視表示を可視表示に代えて行ってもよいし、併用してもよい。
ステップ404で、実行部112Bは、撮像範囲115の位置が変更されたか否かを判定する。なお、本第2実施形態では、撮像範囲115の位置の変更は、ユーザによるロータリスイッチの操作に従って変更機構11が作動することによって実現される。
ステップ404において、撮像範囲115の位置が変更されていない場合は、判定が否定されて、ステップ404の判定が再び行われる。ステップ404において、撮像範囲115の位置が変更された場合は、判定が肯定されて、ステップ406へ移行する。
ステップ406で、実行部112Bは、撮像範囲115の位置が許容範囲外か否かを判定する。ステップ406において、現在の撮像範囲115の位置が許容範囲外の場合は、判定が肯定されて、ステップ408へ移行する。ステップ406において、現在の撮像範囲115の位置が許容範囲内の場合は、判定が否定されて、ステップ410へ移行する。
ステップ408で、実行部112Bは、表示部86に対して、微小変更誘導情報142の表示を終了させ、その後、パノラマ撮像計測処理を終了する。
ステップ410で、実行部112Bは、表示部86に対して、微小変更誘導情報142の表示を終了させ、その後、図29に示すステップ208へ移行する。
図31に示すステップ412で、実行部112Bは、許容範囲内に未配置領域が存在するか否かを判定する。ステップ412において、許容範囲内に未配置領域が存在しない場合は、判定が否定されて、図32に示すステップ260へ移行する。ステップ412において、許容範囲内に未配置領域が存在する場合は、判定が肯定されて、ステップ414へ移行する。
ステップ414で、実行部112Bは、現在の撮像範囲115を対象として、許容範囲内で撮像範囲115の位置が変更された回数が既定回数(例えば、10回)未満か否かを判定する。ステップ414において、現在の撮像範囲115を対象として、許容範囲内で撮像範囲115の位置が変更された回数が既定回数に到達した場合は、判定が否定されて、図32に示すステップ260へ移行する。ステップ414において、現在の撮像範囲115を対象として、許容範囲内で撮像範囲115の位置が変更された回数が既定回数未満の場合は、判定が肯定されて、ステップ416へ移行する。
ステップ416で、実行部112Bは、表示部86に対して、一例として図34に示すように、ライブビュー画像の表示領域内に微小変更誘導情報142の表示を開始させ、その後、ステップ418へ移行する。
ステップ418で、実行部112Bは、撮像範囲115の位置が変更されたか否かを判定する。ステップ418において、撮像範囲115の位置が変更されていない場合は、判定が否定されて、ステップ418の判定が再び行われる。ステップ418において、撮像範囲115の位置が変更された場合は、判定が肯定されて、ステップ420へ移行する。
ステップ420で、実行部112Bは、撮像範囲115の位置が許容範囲外か否かを判定する。ステップ420において、現在の撮像範囲115の位置が許容範囲外の場合は、判定が肯定されて、ステップ422へ移行する。ステップ420において、現在の撮像範囲115の位置が許容範囲内の場合は、判定が否定されて、ステップ248へ移行する。
ステップ422で、実行部112Bは、表示部86に対して、微小変更誘導情報142の表示を終了させ、その後、パノラマ撮像計測処理を終了する。
図32に示すステップ424で、実行部112Bは、撮像計測終了条件を満足したか否かを判定する。なお、本第2実施形態に係る撮像計測終了条件は、上記第1実施形態で説明した撮像計測終了条件と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
ステップ424において、撮像計測終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、図33に示すステップ426へ移行する。
図33に示すステップ426で、実行部112Bは、表示部86に対して、一例として図35に示すように、位置変更誘導情報146の表示を開始させ、その後、ステップ428へ移行する。
位置変更誘導情報146は、位置変更誘導メッセージ148と矢印Eとを含む情報である。図35に示す例では、位置変更誘導メッセージ148として、「撮像範囲の位置を矢印方向にずらして下さい。」とのメッセージが示されている。また、図35に示す例において、矢印Eは、パノラマ撮像に要する静止画像用の撮像として次に予定している静止画像用の撮像で用いられる撮像範囲115の位置の方向を指し示している。
また、矢印Eは、インジケータの機能を有している。すなわち、矢印Eの大きさは、撮像範囲115の位置が撮像可能範囲の限界が近くなるに従って小さくなり、撮像範囲115の位置が撮像可能範囲の限界から遠くなるに従って大きくなる。なお、撮像可能範囲とは、パノラマ撮像が可能な範囲を指す。パノラマ撮像が可能な範囲とは、例えば、許容範囲内であり、かつ、図16に示す矢印A方向で現在の撮像範囲115との連続性が確保される範囲を指す。
また、図35に示す例では、位置変更誘導情報146が可視表示される場合を示しているが、音声再生装置(図示省略)による音声の出力等の可聴表示又はプリンタによる印刷物の出力等の永久可視表示を可視表示に代えて行ってもよいし、併用してもよい。
ステップ428で、実行部112Bは、撮像範囲115の位置が変更されたか否かを判定する。ステップ428において、撮像範囲115の位置が変更されていない場合は、判定が否定されて、ステップ428の判定が再び行われる。ステップ428において、撮像範囲115の位置が変更された場合は、判定が肯定されて、ステップ430へ移行する。
ステップ430で、実行部112Bは、撮像範囲115の位置が撮像可能範囲外か否かを判定する。ステップ430において、撮像範囲115の位置が撮像可能範囲外の場合は、判定が肯定されて、ステップ432へ移行する。ステップ430において、撮像範囲115の位置が撮像可能範囲内の場合は、判定が否定されて、ステップ434へ移行する。
ステップ432で、実行部112Bは、表示部86に対して、位置変更誘導情報146の表示を終了させ、その後、本第2実施形態に係るパノラマ撮像計測処理を終了する。
ステップ434で、実行部112Bは、表示部86に対して、位置変更誘導情報146の表示を終了させ、その後、図29に示すステップ200へ移行する。
図32に示すステップ424において、撮像計測終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、本第2実施形態に係るパノラマ撮像計測処理を終了する。
以上説明したように、測距装置10Bでは、取得部110Bにより取得された計測結果が計測部による計測が成功したことを示す場合(ステップ226:Y)、計測成功フラグがオンされ、これにより、計測部による計測が抑制される(ステップ246:N)。
従って、上記第1実施形態で説明した測距装置10Aと同様に、測距装置10Bによれば、1回のパノラマ撮像で要する全ての撮像の各々について1回ずつ被写体までの距離を計測する場合に比べ、不要な計測を抑制することができる。
また、測距装置10Bでは、微小変更誘導情報142が表示されている状態で(ステップ416)、ユーザによりロータリスイッチが操作されると、ロータリスイッチの操作に応じて撮像範囲115の位置が変更される(ステップ418:Y)。従って、測距装置10Bによれば、撮像範囲115の位置を許容範囲内でユーザが意図する位置に移動させることができる。
更に、測距装置10Bでは、撮像が終了した場合に、位置変更誘導情報146が表示された状態で(ステップ426)、ユーザによりロータリスイッチが操作されると、ロータリスイッチの操作に応じて撮像範囲115の位置が変更される(ステップ428:Y)。従って、測距装置10Bによれば、撮像範囲115の位置を、次の静止画像用の撮像が予定されている位置にユーザが意図するタイミングで移動させることができる。
なお、上記第2実施形態では、図33に示すステップ434の処理の実行が終了すると単に図29に示すステップ200へ移行する場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。一例として図36に示すように、図33に示すステップ430〜434に代えてステップ450〜ステップ476を適用してもよい。なお、図33に示すステップ430〜434に代えて図36に示すステップ450〜ステップ476を適用する場合、図29に示すステップ238,240はそのまま残してもよいし、除去してもよい。
図36に示すステップ450で、実行部112Bは、撮像範囲115の位置が撮像可能範囲内か否かを判定する。ステップ450において、撮像範囲115の位置が撮像可能範囲外の場合は、判定が否定されて、ステップ452へ移行する。ステップ450において、撮像範囲115の位置が撮像可能範囲内の場合は、判定が肯定されて、ステップ456へ移行する。
ステップ452で、実行部112Bは、位置変更誘導情報146が表示状態か否かを判定する。ステップ452において、位置変更誘導情報146が表示状態の場合は、判定が肯定されて、ステップ454へ移行する。ステップ452において、位置変更誘導情報146が表示状態でない場合は、判定が否定されて、パノラマ撮像計測処理を終了する。
ステップ454で、実行部112Bは、表示部86に対して、位置変更誘導情報146の表示を終了させ、その後、パノラマ撮像計測処理を終了する。
ステップ456で、実行部112Bは、上記第1実施形態で説明した前回の静止画像に上記第1実施形態で説明した4頂点対応画素が含まれているか否かを判定する。ステップ456において、前回の静止画像に4頂点対応画素が含まれていない場合は、判定が否定されて、ステップ460へ移行する。ステップ456において、前回の静止画像に4頂点対応画素が含まれている場合は、判定が肯定されて、ステップ458へ移行する。
ステップ458で、実行部112Bは、前回の静止画像に含まれている4頂点対応画素に対応する4頂点対応画素が上記第1実施形態で説明した重複領域に存在していないか否かを判定する。ステップ458において、前回の静止画像に含まれている4頂点対応画素に対応する4頂点対応画素が重複領域に存在していない場合は、判定が肯定されて、ステップ460へ移行する。ステップ458において、前回の静止画像に含まれている4頂点対応画素に対応する4頂点対応画素が重複領域に存在している場合は、判定が否定されて、ステップ464へ移行する。
ステップ460で、実行部112Bは、位置変更誘導情報146が表示状態か否かを判定する。ステップ460において、位置変更誘導情報146が表示状態の場合は、判定が肯定されて、ステップ462へ移行する。ステップ460において、位置変更誘導情報146が表示状態でない場合は、判定が否定されて、図29に示すステップ200へ移行する。
ステップ462で、実行部112Bは、表示部86に対して、位置変更誘導情報146の表示を終了させ、その後、図29に示すステップ200へ移行する。
ステップ464で、実行部112Bは、位置変更誘導情報146が表示状態か否かを判定する。ステップ464において、位置変更誘導情報146が表示状態の場合は、判定が肯定されて、ステップ466へ移行する。ステップ464において、位置変更誘導情報146が表示状態でない場合は、判定が否定されて、ステップ468へ移行する。
ステップ466で、実行部112Bは、表示部86に対して、位置変更誘導情報146の表示を終了させ、その後、ステップ468へ移行する。
ステップ468で、実行部112Bは、表示部86に対して、一例として図19に示すように、ライブビュー画像の表示領域内に撮像計測開始メッセージ134の表示を開始させ、その後、ステップ470へ移行する。
なお、本ステップ468の処理は、本開示の技術に係る第2表示処理の一例である。また、本ステップ468では、撮像計測開始メッセージ134を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、被写体の撮像を開始するタイミングであることを示す情報である撮像開始タイミング情報であれば如何なる情報であってもよい。
ステップ470で、実行部112Bは、撮像計測ボタン90Aがオンされたか否かを判定する。ステップ470において、撮像計測ボタン90Aがオンされていない場合は、判定が否定されて、ステップ474へ移行する。ステップ470において、撮像計測ボタン90Aがオンされた場合は、判定が肯定されて、ステップ472へ移行する。
ステップ472で、実行部112Bは、表示部86に対して、撮像計測開始メッセージ134の表示を終了させ、その後、図29に示すステップ244へ移行する。
ステップ474で、実行部112Bは、撮像範囲115の位置が変更されたか否かを判定する。ステップ474において、撮像範囲115の位置が変更されていない場合は、判定が否定されて、ステップ470へ移行する。ステップ474において、撮像範囲115の位置が変更された場合は、判定が肯定されて、ステップ476へ移行する。
ステップ476で、実行部112Bは、表示部86に対して、撮像計測開始メッセージ134の表示を終了させ、その後、ステップ450へ移行する。
以上のように、図36に示す例によれば、撮像範囲115の位置が、パノラマ撮像に要する静止画像用の撮像として次に静止画像用の撮像を予定している位置に変更された場合に、ユーザが意図するタイミングで、計測部に対して被写体までの距離を計測させることができる。
また、図36に示す例によれば、撮像計測開始メッセージ134が表示されない場合に比べ、高精度な射影変換に寄与する撮像画像を取得可能なタイミングをユーザに容易に認識させることができる。
また、上記第2実施形態では、ステップ228の処理が実行されることによって計測成功フラグがオンされると、それ以降、計測部による計測が禁止されるようにしたが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、計測部による計測を禁止しなくても、計測成功フラグがオンされた場合に、一例として図37に示すように、実行部112Bが表示部86に対して、計測抑制情報151を表示させる処理(本開示の技術に係る第1表示処理の一例)を実行するようにしてもよい。この場合、計測抑制情報151が表示されない場合に比べ、既に行われたパノラマ撮像で用いられた撮像範囲115内の被写体までの距離の再計測を抑制することができる。なお、計測抑制情報151は、本開示の技術に係る計測部による計測の抑制を促す情報の一例である。
また、計測抑制情報151は、計測成功フラグがオンされ、かつ、最後の撮像範囲115内の被写体に対する撮像が終了した場合に表示部86に表示される処理が実行されるようにしてもよい。この場合、計測部による計測が成功し、かつ、複数の撮像範囲115に対する撮像が終了したにも拘わらず、撮像済みの撮像範囲115内に被写体が計測対象とされて計測部による計測が再実行される場合に比べ、不要な計測を抑制することができる。
図37に示す例では、計測抑制情報151として「測距が成功したので、再測距は不要です。」とのメッセージが示されている。なお、図37に示す計測抑制情報151はあくまでも一例であり、これに限らず、複数の撮像範囲115内の被写体を対象とした計測部による計測の抑制をユーザに促す情報であれば如何なる情報であってもよい。
また、図37に示す例では、計測抑制情報151が可視表示される場合を示しているが、音声再生装置(図示省略)による音声の出力等の可聴表示又はプリンタによる印刷物の出力等の永久可視表示を可視表示に代えて行ってもよいし、併用してもよい。
また、計測成功フラグがオンされ、かつ、最後の撮像範囲115内の被写体に対する撮像が終了した場合の計測抑制処理は、計測抑制情報151を表示する表示処理に限定されるものではない。例えば、計測成功フラグがオンされ、かつ、最後の撮像範囲115内の被写体に対する撮像が終了した後、再び同一の撮像範囲115内の被写体に対する測距の開始の指示が受け付けられた場合に測距の開始の指示が無効化される処理を実行してもよい。また、計測成功フラグがオンされ、かつ、最後の撮像範囲115内の被写体に対する撮像が終了した後、再び同一の撮像範囲115内の被写体に対する測距の開始の指示が受け付けられた場合に測距不可能な強度でレーザ光を射出させる処理を実行してもよい。
また、上記第2実施形態では、測距装置10Bを例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、一例として図1及び図38に示すように、測距装置10Bに代えて測距装置10Cが採用されてもよい。
一例として図1及び図38に示すように、測距装置10Cは、測距装置10Bに比べ、測距装置本体10B1に代えて測距装置本体10C1を有する点、及び、変更機構11に代えて変更機構164を有する点が異なる。測距装置本体10C1は、測距装置本体10B1に比べ、撮像装置150に代えて撮像装置160を有する点が異なる。撮像装置160は、撮像装置150に比べ、撮像装置本体152に代えて撮像装置本体162を有する点が異なる。
一例として図38に示すように、撮像装置本体162は、撮像装置本体152に比べ、受付デバイス90に代えて受付デバイス166を有する点が異なる。受付デバイス166は、受付デバイス90に比べ、縦回転用ロータリスイッチ90G及び横回転用ロータリスイッチ90Hを有していない点が異なる。また、撮像装置本体162は、撮像装置本体152に比べ、モータドライバ29,31を有していない点が異なる。
一例として図38に示すように、変更機構164は、変更機構11に比べ、モータ21に代えてロータリエンコーダ168を有する点、及び、モータ23に代えてロータリエンコーダ170を有する点が異なる。
ロータリエンコーダ168は、横回転機構17に接続されている。また、ロータリエンコーダ168は、コネクタ25及びホットシュー19を介してバスライン84に接続されている。ロータリエンコーダ168は、横回転機構17により回転される縦回転機構15の回転方向及び回転量を検出する。主制御部154は、ロータリエンコーダ168により検出された回転方向及び回転量を取得する。
ロータリエンコーダ170は、縦回転機構15に接続されている。また、ロータリエンコーダ170は、コネクタ25及びホットシュー19を介してバスライン84に接続されている。ロータリエンコーダ170は、縦回転機構15により回転される測距装置本体10C1の回転方向及び回転量を検出する。主制御部154は、ロータリエンコーダ170により検出された回転方向及び回転量を取得する。
測距装置10Bでは、縦回転機構15による回転方向及び回転量は、モータ23の回転方向及び回転量により特定され、横回転機構17による回転方向及び回転量は、モータ21の回転方向及び回転量により特定される。これに対し、測距装置10Cでは、縦回転機構15による回転方向及び回転量は、ロータリエンコーダ170による検出結果に基づいて特定され、横回転機構17による回転方向及び回転量は、ロータリエンコーダ168による検出結果に基づいて特定される。そして、測距装置10Cでも、位置特定情報は、測距装置10Bと同様に、縦回転機構15及び横回転機構17による回転方向及び回転量に基づいて導出される。
図38に示す測距装置10Cは、ロータリエンコーダ168,170の検出結果に基づいて位置特定情報が導出されるが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、測距装置10Cに代えて、一例として図39及び図40に示す測距装置10Dが採用されてもよい。 一例として図39及び図40に示すように、測距装置10Dは、測距装置10Cに比べ、変更機構164を有していない点が異なる。また、測距装置10Dは、測距装置10Cに比べ、撮像装置160に代えて撮像装置172を有する点が異なる。撮像装置172は、撮像装置160に比べ、撮像装置本体162に代えて撮像装置本体174を有する点が異なる。撮像装置本体174は、撮像装置本体162に比べ、ジャイロセンサ176を有する点が異なる。ジャイロセンサ176はバスライン84に接続されており、ジャイロセンサ176による検出結果は、主制御部154によって取得される。
測距装置10Cでは、ロータリエンコーダ168,170の検出結果に基づいて位置特定情報が導出されるのに対し、測距装置10Dでは、ジャイロセンサ176による検出結果に基づいて位置特定情報が導出される点が測距装置10Cと異なる。
[第3実施形態]
上記第1実施形態では、測距ユニット12及び撮像装置14により測距装置10Aが実現される場合を例示したが、本第3実施形態では、更にスマートデバイス500を備えることによって実現される測距装置10Eについて説明する。なお、本第3実施形態では、上記各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略し、上記各実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
一例として図41に示すように、本第3実施形態に係る測距装置10Eは、上記第1実施形態に係る測距装置10Aに比べ、測距装置本体10A1に代えて測距装置本体10E1を有する点、スマートデバイス500を有する点が異なる。なお、スマートデバイス500は、本開示の技術に係る情報処理装置の一例である。また、本第3実施形態では、スマートデバイス500を例示しているが、スマートデバイスに代えてPC(パーソナル・コンピュータ;Personal Computer)であってもよい。
測距装置本体10E1は、測距装置本体10A1に比べ、撮像装置14に代えて撮像装置502を有する点が異なる。撮像装置502は、撮像装置14に比べ、撮像装置本体18に代えて撮像装置本体504を有する点が異なる。
撮像装置本体504は、撮像装置本体18に比べ、無線通信部506及び無線通信用アンテナ508を有する点が異なる。
無線通信部506は、バスライン84及び無線通信用アンテナ508に接続されている。主制御部62は、スマートデバイス500へ送信される対象の情報である送信対象情報を無線通信部506に出力する。
無線通信部506は、主制御部62から入力された送信対象情報を無線通信用アンテナ508を介してスマートデバイス500へ電波で送信する。また、無線通信部506は、スマートデバイス500からの電波が無線通信用アンテナ508で受信されると、受信された電波に応じた信号を取得し、取得した信号を主制御部62に出力する。
スマートデバイス500は、CPU510、一次記憶部512、及び二次記憶部514を備えている。CPU510、一次記憶部512、及び二次記憶部514は、バスライン516に接続されている。
CPU510は、スマートデバイス500を含めて測距装置10Eの全体を制御する。一次記憶部512は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。一次記憶部512の一例としては、RAMが挙げられる。二次記憶部514は、スマートデバイス500を含めて測距装置10Eの全体の作動を制御する制御プログラム又は各種パラメータ等を予め記憶する不揮発性のメモリである。二次記憶部514の一例としては、フラッシュメモリ又はEEPROMが挙げられる。
スマートデバイス500は、表示部518、タッチパネル520、無線通信部522、及び無線通信用アンテナ524を備えている。
表示部518は、表示制御部(図示省略)を介してバスライン516に接続されており、表示制御部の制御下で各種情報を表示する。なお、表示部518は、例えば、LCDにより実現される。
タッチパネル520は、表示部518の表示画面に重ねられており、指示体による接触を受け付ける。タッチパネル520は、タッチパネルI/F(図示省略)を介してバスライン516に接続されており、指示体により接触された位置を示す位置情報をタッチパネルI/Fに出力する。タッチパネルI/Fは、CPU510の指示に従ってタッチパネルI/Fを作動させ、タッチパネル520から入力された位置情報をCPU510に出力する。
表示部518には、撮像計測ボタン90A、撮像系動作モード切替ボタン90B、広角指示ボタン90C、望遠指示ボタン90D、パノラマ撮像計測ボタン90E、及び寸法導出ボタン90F等に相当するソフトキーが表示される(図42参照)。
例えば、図42に示すように、表示部518には、撮像計測ボタン90Aとして機能する撮像計測ボタン90A1がソフトキーとして表示され、タッチパネル520を介してユーザによって押下される。また、例えば、表示部518には、上記第1実施形態で説明した撮像ボタンとして機能する撮像ボタン(図示省略)がソフトキーとして表示され、タッチパネル520を介してユーザによって押下される。また、例えば、表示部518には、撮像系動作モード切替ボタン90Bとして機能する撮像系動作モード切替ボタン90B1がソフトキーとして表示され、タッチパネル520を介してユーザによって押下される。
また、例えば、表示部518には、広角指示ボタン90Cとして機能する広角指示ボタン90C1がソフトキーとして表示され、タッチパネル520を介してユーザによって押下される。更に、例えば、表示部518には、望遠指示ボタン90Dとして機能する望遠指示ボタン90D1がソフトキーとして表示され、タッチパネル520を介してユーザによって押下される。
また、例えば、表示部518には、パノラマ撮像計測ボタン90Eとして機能するパノラマ撮像計測ボタン90E1ソフトキーとして表示され、タッチパネル520を介してユーザによって押下される。また、例えば、表示部518には、寸法導出ボタン90Fとして機能する寸法導出ボタン90F1がソフトキーとして表示され、タッチパネル520を介してユーザによって押下される。
一例として図42に示すように、表示部518には、縦回転用タッチパッド90G1及び横回転用タッチパッド90H1が表示される。
縦回転用タッチパッド90G1は、縦回転用ロータリスイッチ90Gとして機能する円状のタッチパッドである。一例として図42に示すように、縦回転機構15による回転量及び回転方向は、タッチパネル520を介して縦回転用タッチパッド90G1の表示領域の内側で円弧状の軌跡が描かれることによって定められる。
すなわち、縦回転機構15による回転量は、縦回転用タッチパッド90G1の表示領域の内側に描かれた軌跡の長さに応じて定まる。ここで、縦回転用タッチパッド90G1の表示領域の内側に描かれた軌跡の長さは、例えば、タッチパネル520に接触した状態でスライドさせた指示体(例えば、ユーザの指)のスライド量に相当する。
また、縦回転機構15による回転方向は、縦回転用タッチパッド90G1の表示領域の内側での軌跡が描かれた方向(図42に示す例では、矢印G方向)に応じて定まる。ここで、縦回転用タッチパッド90G1の表示領域の内側での軌跡が描かれた方向は、例えば、タッチパネル520に接触した状態でスライドさせた指示体のスライド方向に相当する。
横回転用タッチパッド90H1は、横回転用ロータリスイッチ90Hとして機能する円状のタッチパッドである。一例として図42に示すように、横回転機構17による回転量及び回転方向は、タッチパネル520を介して横回転用タッチパッド90H1の表示領域の内側で円弧状の軌跡が描かれることによって定められる。
すなわち、横回転機構17による回転量は、横回転用タッチパッド90H1の表示領域の内側に描かれた軌跡の長さに応じて定まる。ここで、横回転用タッチパッド90H1の表示領域の内側に描かれた軌跡の長さは、例えば、タッチパネル520に接触した状態でスライドさせた指示体のスライド量に相当する。
また、横回転機構17による回転方向は、横回転用タッチパッド90H1の表示領域の内側での軌跡が描かれた方向(図42に示す例では、矢印H方向)に応じて定まる。ここで、横回転用タッチパッド90H1の表示領域の内側での軌跡が描かれた方向は、例えば、タッチパネル520に接触した状態でスライドさせた指示体のスライド方向に相当する。
無線通信部522は、バスライン516及び無線通信用アンテナ524に接続されている。無線通信部522は、CPU510から入力された信号を無線通信用アンテナ524を介して撮像装置本体504へ電波で送信する。また、無線通信部522は、撮像装置本体504からの電波が無線通信用アンテナ524で受信されると、受信された電波に応じた信号を取得し、取得した信号をCPU510に出力する。従って、撮像装置本体504は、スマートデバイス500との間で無線通信が行われることで、スマートデバイス500によって制御される。
二次記憶部514は、パノラマ撮像計測プログラム105A及び寸法導出プログラム106Aを記憶している。CPU510は、二次記憶部514からパノラマ撮像計測プログラム105Aを読み出して一次記憶部512に展開し、パノラマ撮像計測プログラム105Aを実行する。また、CPU510は、二次記憶部514から寸法導出プログラム106Aを読み出して一次記憶部512に展開し、寸法導出プログラム106Aを実行する。
CPU510は、パノラマ撮像計測プログラム105Aを実行することで、取得部110A及び実行部112Aとして動作する。また、CPU510は、寸法導出プログラム106Aを実行することで上記第1実施形態で説明した寸法導出処理が実現される。
従って、測距装置10Eでは、スマートデバイス500がパノラマ撮像計測プログラム105A及び寸法導出プログラム106Aを実行することで、上記各実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
なお、上記各実施形態では、パノラマ撮像計測プログラム105A(105B)及び寸法導出プログラム106A(以下、単に「プログラム」と称する)を二次記憶部104(514)から読み出す場合を例示したが、これはあくまでも一例である。例えば、図43に示すように、SSD(Solid State Drive)又はUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの任意の可搬型の記憶媒体600に先ずはプログラムを記憶させておいてもよい。この場合、記憶媒体600のプログラムが測距装置10A(10B,10C,10D,10E)(以下、「測距装置10A等」と称する)にインストールされ、インストールされたプログラムがCPU100(510)によって実行される。
また、通信網(図示省略)を介して測距装置10A等に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部にプログラムを記憶させておき、プログラムが測距装置10A等の要求に応じてダウンロードされるようにしてもよい。この場合、ダウンロードされた導出プログラムがCPU100(510)によって実行される。
また、上記各実施形態では、パノラマ画像、区域の長さ、及び各種メッセージ等の各種情報が表示部86に表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、測距装置10A等に接続して使用される外部装置の表示部に各種情報が表示されるようにしてもよい。外部装置の一例としては、PC、又は眼鏡型若しくは腕時計型のウェアラブル端末装置が挙げられる。
また、上記各実施形態では、パノラマ画像、区域の長さ、及び各種メッセージ等の各種情報が表示部86に表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、撮像計測開始メッセージ134、位置変更誘導情報146、及び計測抑制情報151等のうちの少なくとも1つが表示部86と異なる表示部(図示省略)に表示されるようにし、残りが表示部86に表示されるようにしてもよい。また、撮像計測開始メッセージ134、位置変更誘導情報146、及び計測抑制情報151等の各々が表示部86を含めた複数の表示部に個別に表示されるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、測距用の光としてレーザ光を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、指向性のある光である指向性光であればよい。例えば、発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)又はスーパールミネッセントダイオード(SLD;Super Luminescent Diode)等により得られる指向性光であってもよい。指向性光が有する指向性は、レーザ光が有する指向性と同程度の指向性であることが好ましく、例えば、数メートルから数キロメートルの範囲内における測距で使用可能な指向性であることが好ましい。
また、上記各実施形態で説明したパノラマ撮像計測処理及び寸法導出処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。また、パノラマ撮像計測処理及び寸法導出処理に含まれる各処理は、ASIC等のハードウェア構成のみで実現されてもよいし、コンピュータを利用したソフトウェア構成とハードウェア構成との組み合わせで実現されてもよい。
また、上記各実施形態では、説明の便宜上、測距装置10A等に含まれる撮像装置本体18の側面に測距ユニット12が取り付けられる場合について説明したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、撮像装置本体18の上面又は下面に測距ユニット12が取り付けられてもよい。また、例えば、図44に示すように、測距装置10A等に代えて測距装置10Fを適用してもよい。一例として図44に示すように、測距装置10Fは、測距装置10A等に比べ、測距ユニット12に代えて測距ユニット12Aを有する点、及び撮像装置本体18に代えて撮像装置本体18Aを有する点が異なる。
図44に示す例において、測距ユニット12Aは、撮像装置本体18Aの筐体18A1に収容されており、対物レンズ32,38は、測距装置10Eの正面側(フォーカスレンズ50が露出している側)に筐体18A1から露出している。また、測距ユニット12Aは、光軸L1,L2が鉛直方向において同一の高さに設定されるように配置されることが好ましい。なお、筐体18A1に対して測距ユニット12Aが挿脱可能な開口(図示省略)が筐体18A1に形成されていてもよい。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。