以下、添付図面に従って本開示の技術に係る実施形態の一例について説明する。なお、本実施形態では、説明の便宜上、測距装置から計測対象となる被写体までの距離を単に「距離」とも称する。また、本実施形態では、被写体に対する画角(被写体を示す被写体像の画角)を単に「画角」とも称する。
[第1実施形態]
一例として図1に示すように、本第1実施形態に係る測距装置10Aは、測距ユニット12及び撮像装置14を備えている。なお、本実施形態では、測距ユニット12及び後述の測距制御部68(図2参照)が本開示の技術に係る計測部の一例であり、撮像装置14が本開示の技術に係る撮像部の一例である。
撮像装置14は、レンズユニット16及び撮像装置本体18を備えており、レンズユニット16は、撮像装置本体18に対して着脱自在に取り付けられる。
撮像装置本体18の上面にはホットシュー(Hot Shoe)20が設けられており、測距ユニット12は、ホットシュー20に対して着脱自在に取り付けられる。
測距装置10Aは、測距ユニット12に対して測距用のレーザ光を射出させて測距を行う測距系機能と、撮像装置14に対して被写体を撮像させて撮像画像を得る撮像系機能とを備えている。なお、以下では、説明の便宜上、撮像系機能を働かせることで撮像装置14により被写体が撮像されて得られた撮像画像を、単に「画像」又は「撮像画像」と称する。
測距装置10Aは、測距系機能を働かせることで、1回の指示に応じて1回の計測シーケンス(図3参照)を行い、1回の計測シーケンスが行われることで最終的に1つの距離が出力される。なお、本実施形態では、ユーザの指示に応じて、測距系機能を働かせて本計測及び仮計測が選択的に行われる。本計測とは、測距系機能を働かせて計測された距離が本採用される計測を意味し、仮計測とは、本計測の精度を高めるための準備段階で行われる計測を意味する。
測距装置10Aは、撮像系機能の動作モードとして、静止画撮像モードと動画撮像モードとを有する。静止画撮像モードは、静止画像を撮像する動作モードであり、動画撮像モードは、動画像を撮像する動作モードである。静止画撮像モード及び動画撮像モードは、ユーザの指示に応じて選択的に設定される。
なお、本実施形態では、ユーザの指示に応じて、撮像系機能を働かせて本撮像及び仮撮像が選択的に行われる。本撮像は、本計測と同期して行われる撮像であり、仮撮像は、仮計測と同期して行われる撮像である。以下では、説明の便宜上、本撮像が行われて得られた画像を「本撮像画像」と称し、仮撮像が行われて得られた画像を「仮撮像画像」と称し、「本撮像画像」と「仮撮像画像」とを区別して説明する必要がない場合、「画像」又は「撮像画像」と称する。また、以下では、説明の便宜上、「本撮像画像」を「本画像」とも称し、「仮撮像画像」を「仮画像」とも称する。
測距装置10Aは、測距系機能の動作モードとして、距離導出モードと寸法導出モードとを有する。距離導出モードは、測距装置10Aが距離を計測する動作モードである。寸法導出モードは、測距装置10Aにより計測された距離に基づいて、ユーザによって指定された実空間領域の寸法を、後述の寸法導出機能を働かせて導出する動作モードである。
なお、以下では、説明の便宜上、実空間領域の寸法として、実空間における2点間の長さを導出する場合を例に挙げて説明する。また、以下では、説明の便宜上、「実空間上の2点間」を「実空間上の区域」又は単に「区域」とも称する。
一例として図2に示すように、測距ユニット12は、射出部22、受光部24、及びコネクタ26を備えている。
コネクタ26は、ホットシュー20に接続可能とされており、コネクタ26がホットシュー20に接続された状態で、測距ユニット12は、撮像装置本体18の制御下で動作する。
射出部22は、LD(レーザダイオード:Laser Diode)30、集光レンズ(図示省略)、対物レンズ32、及びLDドライバ34を有する。
集光レンズ及び対物レンズ32は、LD30により射出されるレーザ光の光軸に沿って設けられており、LD30側から光軸に沿って集光レンズ及び対物レンズ32の順に配置されている。
LD30は、本開示の技術に係る指向性光の一例である測距用のレーザ光を発光する。LD30により発光されるレーザ光は、有色のレーザ光であり、例えば、射出部22から数メートル程度の範囲内であれば、レーザ光の照射位置は、実空間上で視覚的に認識され、撮像装置14によって撮像されて得られた撮像画像からも視覚的に認識される。
集光レンズは、LD30により発光されたレーザ光を集光し、集光したレーザ光を通過させる。対物レンズ32は、被写体に対向しており、集光レンズを通過したレーザ光を被写体に対して射出する。
LDドライバ34は、コネクタ26及びLD30に接続されており、撮像装置本体18の指示に従ってLD30を駆動させてレーザ光を発光させる。
受光部24は、PD(フォトダイオード:Photo Diode)36、対物レンズ38、及び受光信号処理回路40を有する。対物レンズ38は、PD36の受光面側に配置されており、射出部22により射出されたレーザ光が被写体に当たって反射したレーザ光である反射レーザ光は対物レンズ38に入射される。対物レンズ38は、反射レーザ光を通過させ、PD36の受光面に導く。PD36は、対物レンズ38を通過した反射レーザ光を受光し、受光量に応じたアナログ信号を受光信号として出力する。
受光信号処理回路40は、コネクタ26及びPD36に接続されており、PD36から入力された受光信号を増幅器(図示省略)で増幅し、増幅した受光信号に対してA/D(Analog/Digital)変換を行う。そして、受光信号処理回路40は、A/D変換によってデジタル化された受光信号を撮像装置本体18に出力する。
撮像装置14は、マウント42,44を備えている。マウント42は、撮像装置本体18に設けられており、マウント44は、レンズユニット16に設けられている。レンズユニット16は、マウント42にマウント44が結合されることにより撮像装置本体18に交換可能に装着される。
レンズユニット16は、撮像レンズ50、ズームレンズ52、ズームレンズ移動機構54、及びモータ56を備えている。
被写体からの反射光である被写体光は、撮像レンズ50に入射される。撮像レンズ50は、被写体光を通過させ、ズームレンズ52に導く。
ズームレンズ移動機構54には、光軸に対してスライド可能にズームレンズ52が取り付けられている。また、ズームレンズ移動機構54にはモータ56が接続されており、ズームレンズ移動機構54は、モータ56の動力を受けてズームレンズ52を光軸方向に沿ってスライドさせる。
モータ56は、マウント42,44を介して撮像装置本体18に接続されており、撮像装置本体18からの命令に従って駆動が制御される。なお、本実施形態では、モータ56の一例としてステッピングモータを適用している。従って、モータ56は、撮像装置本体18からの命令によりパルス電力に同期して動作する。
撮像装置本体18は、撮像素子60、主制御部62、画像メモリ64、画像処理部66、測距制御部68、モータドライバ72、撮像素子ドライバ74、画像信号処理回路76、及び表示制御部78を備えている。また、撮像装置本体18は、タッチパネルI/F(Interface:インタフェース)79、受付I/F80、及びメディアI/F82を備えている。
主制御部62、画像メモリ64、画像処理部66、測距制御部68、モータドライバ72、撮像素子ドライバ74、画像信号処理回路76、及び表示制御部78は、バスライン84に接続されている。また、タッチパネルI/F79、受付I/F80、及びメディアI/F82も、バスライン84に接続されている。
撮像素子60は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semicondutor)型のイメージセンサであり、カラーフィルタ(図示省略)を備えている。カラーフィルタは、輝度信号を得るために最も寄与するG(Green:緑)に対応するGフィルタ、R(Red:赤)に対応するRフィルタ、及びB(Blue:青)に対応するBフィルタを含む。撮像素子60は、マトリクス状に配置された複数の画素(図示省略)を有しており、各画素には、カラーフィルタに含まれるRフィルタ、Gフィルタ、及びBフィルタの何れかのフィルタが割り当てられている。
ズームレンズ52を通過した被写体光は、撮像素子60の受光面である撮像面に結像され、被写体光の受光量に応じた電荷が撮像素子60の画素に蓄積される。撮像素子60は、各画素に蓄積された電荷を、被写体光が撮像面で結像されて得られた被写体像に相当する画像を示す画像信号として出力する。
主制御部62は、バスライン84を介して測距装置10Aの全体を制御する。
モータドライバ72は、マウント42,44を介してモータ56に接続されており、主制御部62の指示に従ってモータ56を制御する。
撮像装置14は、画角変更機能を有する。画角変更機能は、ズームレンズ52を移動させることで被写体に対する画角を変更する機能であり、本実施形態において、画角変更機能は、ズームレンズ52、ズームレンズ移動機構54、モータ56、モータドライバ72、及び主制御部62によって実現される。なお、本実施形態では、ズームレンズ52による光学式の画角変更機能を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、ズームレンズ52を利用しない電子式の画角変更機能であってもよい。
撮像素子ドライバ74は、撮像素子60に接続されており、主制御部62の制御下で、撮像素子60に駆動パルスを供給する。撮像素子60の各画素は、撮像素子ドライバ74によって供給された駆動パルスに従って駆動する。
画像信号処理回路76は、撮像素子60に接続されており、主制御部62の制御下で、撮像素子60から1フレーム分の画像信号を画素毎に読み出す。画像信号処理回路76は、読み出した画像信号に対して、相関二重サンプリング処理、自動利得調整、A/D変換等の各種処理を行う。画像信号処理回路76は、画像信号に対して各種処理を行うことでデジタル化した画像信号を、主制御部62から供給されるクロック信号で規定される特定のフレームレート(例えば、数十フレーム/秒)で1フレーム毎に画像メモリ64に出力する。画像メモリ64は、画像信号処理回路76から入力された画像信号を一時的に保持する。
撮像装置本体18は、表示部86、タッチパネル88、受付デバイス90、及びメモリカード92を備えている。
本開示の技術に係る警報部の一例である表示部86は、表示制御部78に接続されており、表示制御部78の制御下で各種情報を表示する。表示部86は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により実現される。
タッチパネル88は、表示部86の表示画面に重ねられており、ユーザの指及び/又はタッチペン等の指示体による接触を受け付ける。タッチパネル88は、タッチパネルI/F79に接続されており、指示体により接触された位置を示す位置情報をタッチパネルI/F79に出力する。タッチパネルI/F79は、主制御部62の指示に従ってタッチパネル88を作動させ、タッチパネル88から入力された位置情報を主制御部62に出力する。
受付デバイス90は、本計測・本撮像ボタン90A、仮計測・仮撮像ボタン90B、撮像系動作モード切替ボタン90C、広角指示ボタン90D、及び望遠指示ボタン90Eを有している。また、受付デバイス90は、計測系動作モード切替ボタン90F及び照射位置調整ボタン90G等も有しており、ユーザによる各種指示を受け付ける。受付デバイス90は、受付I/F80に接続されており、受付I/F80は、受付デバイス90によって受け付けられた指示の内容を示す指示内容信号を主制御部62に出力する。
本計測・本撮像ボタン90Aは、本計測及び本撮像の開始の指示を受け付ける押圧式のボタンである。仮計測・仮撮像ボタン90Bは、仮計測及び仮撮像の開始の指示を受け付ける押圧式のボタンである。撮像系動作モード切替ボタン90Cは、静止画撮像モードと動画撮像モードとを切り替える指示を受け付ける押圧式のボタンである。
広角指示ボタン90Dは、画角を広角にする指示を受け付ける押圧式のボタンであり、広角側への画角の変更量は、許容される範囲内で、広角指示ボタン90Dへの押圧が継続して行われる押圧時間に応じて定まる。
望遠指示ボタン90Eは、画角を望遠にする指示を受け付ける押圧式のボタンであり、望遠側への画角の変更量は、許容される範囲内で、望遠指示ボタン90Eへの押圧が継続して行われる押圧時間に応じて定まる。
計測系動作モード切替ボタン90Fは、距離導出モードと寸法導出モードとを切り替える指示を受け付ける押圧式のボタンである。照射位置調整ボタン90Gは、画像内照射位置を調整する指示を受け付ける押圧式のボタンである。
なお、以下では、説明の便宜上、本計測・本撮像ボタン90A及び仮計測・仮撮像ボタン90Bを区別して説明する必要がない場合、「レリーズボタン」と称する。また、以下では、説明の便宜上、広角指示ボタン90D及び望遠指示ボタン90Eを区別して説明する必要がない場合、「画角指示ボタン」と称する。
なお、本実施形態に係る測距装置10Aでは、マニュアルフォーカスモードとオートフォーカスモードとが受付デバイス90を介したユーザの指示に応じて選択的に設定される。レリーズボタンは、撮像準備指示状態と撮像指示状態との2段階の押圧操作を受け付ける。撮像準備指示状態とは、例えば、レリーズボタンが待機位置から中間位置(半押し位置)まで押下される状態を指し、撮像指示状態とは、レリーズボタンが中間位置を超えた最終押下位置(全押し位置)まで押下される状態を指す。なお、以下では、説明の便宜上、「レリーズボタンが待機位置から半押し位置まで押下された状態」を「半押し状態」といい、「レリーズボタンが待機位置から全押し位置まで押下された状態」を「全押し状態」という。
オートフォーカスモードでは、レリーズボタンが半押し状態にされることで撮像条件の調整が行われ、その後、引き続き全押し状態にすると本露光が行われる。つまり、本露光に先立ってレリーズボタンが半押し状態にされることでAE(Automatic Exposure)機能が働いて露出調整が行われた後、AF(Auto−Focus)機能が働いて焦点調整が行われ、レリーズボタンが全押し状態にされると本露光が行われる。
ここで、本露光とは、後述の静止画像ファイルを得るために行われる露光を指す。また、本実施形態において、露光とは、本露光の他に、後述のライブビュー画像を得るために行われる露光、及び後述の動画像ファイルを得るために行われる露光も意味する。以下では、説明の便宜上、これらの露光を区別して説明する必要がない場合、単に「露光」と称する。
なお、本実施形態では、主制御部62がAE機能による露出調整及びAF機能による焦点調整を行う。また、本実施形態では、露出調整及び焦点調整が行われる場合を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、露出調整又は焦点調整が行われるようにしてもよい。
画像処理部66は、画像メモリ64から特定のフレームレートで1フレーム毎に画像信号を取得し、取得した画像信号に対して、ガンマ補正、輝度・色差変換、及び圧縮処理等の各種処理を行う。
画像処理部66は、各種処理を行って得た画像信号を特定のフレームレートで1フレーム毎に表示制御部78に出力する。また、画像処理部66は、各種処理を行って得た画像信号を、主制御部62の要求に応じて、主制御部62に出力する。
表示制御部78は、主制御部62の制御下で、画像処理部66から入力された画像信号を1フレーム毎に特定のフレームレートで表示部86に出力する。
表示部86は、画像及び文字情報等を表示する。表示部86は、表示制御部78から特定のフレームレートで入力された画像信号により示される画像をライブビュー画像として表示する。ライブビュー画像は、連続フレームで撮像されて得られた連続フレーム画像であり、スルー画像とも称される。また、表示部86は、単一フレームで撮像されて得られた単一フレーム画像である静止画像も表示する。更に、表示部86は、ライブビュー画像の他に、再生画像及び/又はメニュー画面等も表示する。
なお、本実施形態では、画像処理部66及び表示制御部78は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって実現されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、画像処理部66及び表示制御部78の各々は、FPGA(Field−Programmable Gate Array)によって実現されてもよい。また、画像処理部66は、CPU(中央処理装置:Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を含むコンピュータによって実現されてもよい。また、表示制御部78も、CPU、ROM、及びRAMを含むコンピュータによって実現されてもよい。更に、画像処理部66及び表示制御部78の各々は、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
主制御部62は、静止画撮像モード下でレリーズボタンによって静止画像の撮像の指示が受け付けられた場合、撮像素子ドライバ74を制御することで、撮像素子60に1フレーム分の露光を行わせる。主制御部62は、1フレーム分の露光が行われることによって得られた画像信号を画像処理部66から取得し、取得した画像信号に対して圧縮処理を施して特定の静止画像用フォーマットの静止画像ファイルを生成する。なお、ここで、特定の静止画像用フォーマットとは、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)を指す。
主制御部62は、動画撮像モード下でレリーズボタンによって動画像の撮像の指示が受け付けられた場合、画像処理部66によりライブビュー画像用として表示制御部78に出力される画像信号を特定のフレームレートで1フレーム毎に取得する。そして、主制御部62は、画像処理部66から取得した画像信号に対して圧縮処理を施して特定の動画像用フォーマットの動画像ファイルを生成する。なお、ここで、特定の動画像用フォーマットとは、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)を指す。なお、以下では、説明の便宜上、静止画像ファイル及び動画像ファイルを区別して説明する必要がない場合、画像ファイルと称する。
メディアI/F82は、メモリカード92に接続されており、主制御部62の制御下で、メモリカード92に対する画像ファイルの記録及び読み出しを行う。なお、メディアI/F82によってメモリカード92から読み出された画像ファイルは、主制御部62によって伸長処理が施されて表示部86に再生画像として表示される。
なお、主制御部62は、測距制御部68から入力された距離情報及び後述の寸法導出機能を働かせて導出された寸法を示す寸法情報のうちの少なくとも1つを含む測距情報を画像ファイルに関連付けて、メディアI/F82を介してメモリカード92に保存する。そして、測距情報は、メモリカード92からメディアI/F82を介して主制御部62によって画像ファイルと共に読み出される。そして、主制御部62によって読み出された測距情報に距離情報が含まれている場合、距離情報により示される距離が、関連する画像ファイルによる再生画像と共に表示部86に表示される。また、主制御部62によって読み出された測距情報に寸法情報が含まれている場合、寸法情報により示される寸法が、関連する画像ファイルによる再生画像と共に表示部86に表示される。
測距制御部68は、主制御部62の制御下で、測距ユニット12を制御する。なお、本実施形態において、測距制御部68は、ASICによって実現されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、測距制御部68は、FPGAによって実現されてもよい。また、測距制御部68は、CPU、ROM、及びRAMを含むコンピュータによって実現されてもよい。更に、測距制御部68は、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
ホットシュー20は、バスライン84に接続されており、測距制御部68は、主制御部62の制御下で、LDドライバ34を制御することで、LD30によるレーザ光の発光を制御し、受光信号処理回路40から受光信号を取得する。測距制御部68は、レーザ光を発光させたタイミングと受光信号を取得したタイミングとを基に、被写体までの距離を導出し、導出した距離を示す距離情報を主制御部62に出力する。
ここで、測距制御部68による被写体までの距離の計測について更に詳細に説明する。
一例として図3に示すように、測距装置10Aによる1回の計測シーケンスは、電圧調整期間、実計測期間、及び休止期間で規定される。
電圧調整期間は、LD30及びPD36の駆動電圧を調整する期間である。実計測期間は、被写体までの距離を実際に計測する期間である。実計測期間では、LD30にレーザ光を発光させ、PD36に反射レーザ光を受光させる動作が数百回繰り返され、レーザ光を発光させたタイミングと受光信号を取得したタイミングとを基に、被写体までの距離が導出される。休止期間は、LD30及びPD36の駆動を休止させるための期間である。よって、1回の計測シーケンスでは、被写体までの距離の計測が数百回行われることになる。
なお、本実施形態では、電圧調整期間、実計測期間、及び休止期間の各々を数百ミリ秒としている。
一例として図4に示すように、測距制御部68には、測距制御部68がレーザ光の発光の指示を与えるタイミング、及び測距制御部68が受光信号を取得するタイミングを規定するカウント信号が供給される。本実施形態では、カウント信号は、主制御部62によって生成されて測距制御部68に供給されるが、これに限らず、バスライン84に接続されたタイムカウンタ等の専用回路によって生成されて測距制御部68に供給されるようにしてもよい。
測距制御部68は、カウント信号に応じて、レーザ光を発光させるためのレーザトリガをLDドライバ34に出力する。LDドライバ34は、レーザトリガに応じて、LD30を駆動してレーザ光を発光させる。
図4に示す例では、レーザ光の発光時間が数十ナノ秒とされている。この場合、射出部22により数キロメートル先の被写体に向けて射出されたレーザ光が反射レーザ光としてPD36で受光されるまでの時間は、“数キロメートル×2/光速”≒数マイクロ秒となる。従って、数キロメートル先の被写体までの距離を計測するためには、一例として図3に示すように、最低必要時間として、数マイクロ秒の時間を要する。
なお、本実施形態では、レーザ光の往復時間等を考慮して、一例として図3に示すように、1回の計測時間を数ミリ秒としているが、被写体までの距離によりレーザ光の往復時間は異なるので、想定する距離に応じて1回あたりの計測時間を異ならせてもよい。
測距制御部68は、1回の計測シーケンスにおける数百回の計測から得た計測値を基に、被写体までの距離を導出する場合、例えば、数百回の計測から得た計測値のヒストグラムを解析して被写体までの距離を導出する。
一例として図5に示すように、1回の計測シーケンスにおける数百回の計測から得られた計測値のヒストグラムでは、横軸が被写体までの距離であり、縦軸が計測回数であり、計測回数の最大値に対応する距離が測距結果として測距制御部68によって導出される。なお、図5に示すヒストグラムはあくまでも一例であり、被写体までの距離に代えて、レーザ光の往復時間(発光から受光までの経過時間)及び/又はレーザ光の往復時間の1/2等に基づいてヒストグラムが生成されてもよい。
一例として図6に示すように、主制御部62は、本開示の技術に係る導出部及び出力部の一例であるCPU100を備えている。また、主制御部62は、一次記憶部102及び二次記憶部104を備えている。CPU100は、測距装置10Aの全体を制御する。一次記憶部102は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。一次記憶部102の一例としては、RAMが挙げられる。二次記憶部104は、測距装置10Aの作動を制御する制御プログラム及び/又は各種パラメータ等を予め記憶する不揮発性のメモリである。二次記憶部104の一例としては、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)及び/又はフラッシュメモリ等が挙げられる。CPU100、一次記憶部102、及び二次記憶部104は、バスライン84を介して相互に接続されている。
ところで、測距装置10Aには、寸法導出機能が備えられている。寸法導出機能とは、一例として図7に示すように、指定された画素のアドレスu1,u2、及び測距装置10Aにより計測された距離D等に基づいて、被写体に含まれる実空間上の区域の長さLを導出したり、長さLに基づく面積を導出したりする機能を指す。ここで、「指定された画素」とは、例えば、ユーザによってライブビュー画像上で指定された2点に対応する撮像素子60における画素を指す。長さLは、例えば、下記の数式(1)により導出される。数式(1)において、pは、撮像素子60に含まれる画素間のピッチであり、u1,u2は、ユーザによって指定された画素のアドレスであり、fは、撮像レンズ50の焦点距離である。
なお、数式(1)は、寸法の導出対象とされる対象物が撮像レンズ50に対して正面視で正対している状態で撮像されることを前提として用いられる数式である。従って、測距装置10Aでは、例えば、寸法の導出対象とされる対象物を含む被写体が、撮像レンズ50に対して正面視で正対していない状態で撮像された場合、射影変換処理が行われる。射影変換処理とは、例えば、撮像されて得られた撮像画像、及び/又は、撮像画像のうちの四角形状の部分の画像を、アフィン変換等の公知技術を利用して、撮像画像に含まれる四角形状の画像に基づいて正対視画像に変換する処理を指す。正対視画像とは、撮像レンズ50に対して正面視で正対している状態の画像を指す。そして、正対視画像を介して撮像素子60における画素のアドレスu1,u2が指定され、数式(1)より長さLが導出される。
このように、アドレスu1,u2に基づいて実空間上の区域の長さLを正確に導出するには、画像内照射位置を高精度に導出して距離と共にユーザに把握させることが好ましい。なぜならば、画像内照射位置と実空間上のレーザ光の照射位置とが、例えば、向きも位置も異なる平面に対する位置だとすると、導出された長さLが実際の長さとは全く異なってしまうからである。
ここで、画像内照射位置の高精度な導出を実現するために、測距装置10Aが後述の照射位置導出用データ取得処理(図14参照)を実行する方法が考えられる。照射位置導出用データ取得処理が測距装置10Aにより実行されると、測距系機能を働かせて計測された距離に基づいて、画像内照射位置の導出に用いる因子(表1参照)を導出するための導出用データとして、例えば、後述の位置・距離対応情報が取得される。
なお、本実施形態において、因子とは、例えば、図15に示すように、半画角α、射出角度β、及び基準点間距離dを指す。半画角αとは、撮像装置14により撮像される被写体に対する画角の半分を指す。射出角度βとは、射出部22からレーザ光が射出される角度を指す。基準点間距離dとは、撮像装置14に規定された第1基準点P1と測距ユニット12に規定された第2基準点P2との距離を指す。第1基準点P1の一例としては、撮像レンズ50の主点が挙げられる。第2基準点P2の一例としては、測距ユニット12における3次元空間の位置を特定可能な座標の原点として予め設定された点が挙げられる。具体的には、対物レンズ38の正面視左右端の一端、又は測距ユニット12の筐体(図示省略)が直方体状である場合の筐体の1つの頂点が挙げられる。
画像内照射位置は、後述の計測処理(図12参照)で示すように、照射位置導出用データ取得処理が測距装置10Aによって実行されることで導出用データとして取得された後述の位置・距離対応情報と測距系機能を働かせて計測された距離とに基づいて導出される。
ユーザが画像内照射位置を常時高精度に把握することを希望するのであれば、照射位置導出用データ取得処理は、画像内照射位置に影響を及ぼす要因である照射位置影響要因(例えば、撮像部のレンズの交換又は画角の変更)が発生するたびに行われるのが好ましい。
しかし、照射位置影響要因が発生するたびに測距装置10Aに照射位置導出用データ取得処理を実行させるのは面倒な作業である。また、照射位置影響要因が存在しているために厳密な距離の計測が困難であったとしても、大よその距離が把握できれば良い場合も考えられる。
そこで、測距装置10Aでは、一例として図6に示すように、二次記憶部104が計測プログラム106及び要因記憶プログラム107を記憶している。なお、計測プログラム106及び要因記憶プログラム107は、本開示の技術に係る測距プログラムの一例である。また、以下では、説明の便宜上、計測プログラム106及び要因記憶プログラム107を区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「プログラム」と称する。
一例として図8に示すように、CPU100は、二次記憶部104からプログラムを読み出して一次記憶部102に展開し、プログラムを実行することで、導出部100A1,100A2及び出力部100B1,100B2として動作する。なお、以下では、導出部100A1,100A2を区別して説明する必要がない場合、「導出部100A」と称し、出力部100B1,100B2を区別して説明する必要がない場合、「出力部100B」と称する。
導出部100A1は、撮像装置14による本撮像で得られた本画像内の、測距ユニット12及び測距制御部68による本計測で用いられたレーザ光による照射位置に相当する本画像内照射位置に関連させた複数画素の間隔に対応する区域の寸法を、測距系機能を働かせて計測された距離、指定された複数画素の間隔、及び撮像装置14の焦点距離に基づいて導出する。
出力部100B1は、後述の要因・精度テーブル111(図10参照)に基づいて、測距装置10Aに実際に存在する照射位置影響要因に対応する導出精度を導出し、導出した導出精度に基づく情報を出力する。
ここで、出力部100B1により導出される導出精度とは、導出部100A1により導出される寸法の精度を指す。また、本実施形態において、出力部100B1により出力される導出精度に基づく情報とは、導出部100A1により導出される寸法の誤差を指す。
また、導出部100A2は、撮像装置14による本撮像で得られた本画像内の本画像内照射位置を、測距系機能を働かせて計測された距離に基づいて導出する。そして、出力部100B2は、後述の要因・精度テーブル111(図10参照)に基づいて、測距装置10Aに実際に存在する照射位置影響要因に対応する導出精度を導出し、導出した導出精度に基づく情報を出力する。
ここで、出力部100B2により出力される導出精度とは、導出部100A2により導出される本画像内照射位置の精度を指す。また、本実施形態において、出力部100B2により出力される導出精度に基づく情報とは、導出部100A2により導出される本画像内照射位置の誤差を指す。
なお、本実施形態では、出力部100B1により出力される導出精度と出力部100B2により出力される導出精度とは同一である。そのため、以下では、説明の便宜上、出力部100B1により出力される導出精度と出力部100B2により出力される導出精度とを区別する必要がない場合、単に「導出精度」と称する。
一例として図6に示すように、二次記憶部104は、位置・距離テーブル109及び要因・精度テーブル111を記憶している。
一例として図9に示すように、位置・距離テーブル109は、位置・距離対応情報を格納している。位置・距離対応情報とは、後述のステップ316の処理が実行されることによって特定された仮画像内照射位置毎に、仮画像内照射位置と後述のステップ306,308の処理が実行されることによって得られる距離とを対応付けた情報を指す。図9に示す例では、仮画像内照射位置X1,X2,X3及び距離D1,D2,D3が示されており、仮画像内照射位置X1,X2,X3及び距離D1,D2,D3は、照射位置導出用データ取得処理が実行される毎に更新される。
ここで、前述の「仮画像内照射位置」とは、測距ユニット12及び測距制御部68により複数の距離の各々が仮計測される毎に被写体が撮像装置14により仮撮像されて得られた仮画像内の、レーザ光による被写体に対する照射位置に相当する位置を指す。
なお、以下では、説明の便宜上、本画像内照射位置と仮画像内照射位置とを区別して説明する必要がない場合、単に「画像内照射位置」と称する。また、本実施形態において、画像内照射位置は、CPU100によって照射位置画素座標が導出され、導出された照射位置画素座標から特定される。すなわち、照射位置画素座標が導出されることは、画像内照射位置が導出されることを意味する。
位置・距離対応情報は、本開示の技術に係る位置距離対応関係を示す情報の一例である。本開示の技術に係る位置距離対応関係とは、複数の距離の各々が仮計測される毎に仮撮像されて得られた仮画像内の仮画像内照射位置と、仮画像内照射位置に対応するレーザ光で測距ユニット12及び測距制御部68により仮計測された距離との対応関係を指す。
すなわち、位置・距離対応情報により特定される仮画像内照射位置は、本開示の技術に係る位置距離対応関係における「複数の距離の各々が仮計測される毎に被写体が撮像部により仮撮像されて得られた仮画像内の仮画像内照射位置」の一例である。また、位置・距離対応情報により特定される距離は、本開示の技術に係る位置距離対応関係における「仮画像内照射位置に対応する指向性光で計測部により仮計測された距離」の一例である。
一例として図10に示すように、要因・精度テーブル111は、本開示の技術に係る要因精度対応関係を示す情報の一例である要因・精度対応情報を格納している。要因・精度対応情報とは、照射位置影響要因として想定された想定要因と、導出部100Aによる導出精度と、を対応付けた情報を指す。
なお、本実施形態において、要因・精度対応情報は、測距装置10Aの出荷前の段階で固定化されている。すなわち、要因・精度テーブル111には、測距装置10Aの出荷前の段階で、測距装置10Aの実機による試験及び/又は測距装置10Aの設計仕様等に基づくコンピュータ・シミュレーション等の結果から導き出された要因・精度対応情報が格納されている。
図10に示す例では、仮に想定要因が実際に発生した場合の導出精度δ,ε,ζ,η,λが想定要因毎に規定されている。図10に示す例では、想定要因の一例として、画角変更、レンズ交換、測距ユニット交換、射出方向の変更、及び製造ばらつきが挙げられている。
レンズ交換とは、レンズユニット16における撮像レンズ50のみの交換、及びレンズユニット16そのものの交換を指す。測距ユニット交換とは、測距ユニット12における対物レンズ32のみの交換、測距ユニット12における対物レンズ38のみの交換、及び測距ユニット12そのものの交換を指す。画角変更とは、画角指示ボタンが押下されたことによるズームレンズ52の移動に伴う画角の変更を指す。射出方向の変更とは、射出部22によりレーザ光が射出される方向の変更を指す。製造ばらつきとは、同じ機種の複数の測距装置10A間での製造上の各種特性等のばらつきを指す。
なお、図10に示す(1)・・・・(n)は、同じ種類の想定要因であっても内容が異なっていることを識別するための識別符号である。
例えば、画角変更(1)・・・・(n)は、画角の変更の異なる特徴を示している。そのため、画角変更(1)・・・・(n)に対しては、異なる導出精度である導出精度δ1・・・・δnが対応付けられている。なお、画角の変更の異なる特徴の一例としては、画角の変更方向及び変更量の違いが挙げられる。
また、例えば、レンズ交換(1)・・・・(n)は、レンズ交換の異なる特徴を示している。そのため、レンズ交換(1)・・・・(n)に対しては、異なる導出精度である導出精度ε1・・・・εnが対応付けられている。なお、レンズ交換の異なる特徴の一例としては、レンズユニット16の焦点距離の違いが挙げられる。
また、例えば、測距ユニット交換(1)・・・・(n)は、測距ユニット12の異なる特徴を示している。そのため、測距ユニット交換(1)・・・・(n)に対しては、異なる導出精度である導出精度ζ1・・・・ζnが対応付けられている。なお、測距ユニット交換の異なる特徴の一例としては、測距ユニット12の型式の違いが挙げられる。
更に、例えば、射出方向の変更(1)・・・・(n)は、レーザ光の射出方向の変更の異なる特徴を示している。そのため、射出方向の変更(1)・・・・(n)に対しては、異なる導出精度である導出精度η1・・・・ηnが対応付けられている。なお、射出方向の変更の異なる特徴としては、例えば、測距ユニット12の経時変化に伴う射出部22の外形形状の変換、及び/又は、レーザ光の射出方向が異なる測距ユニット12の型式の違いが挙げられる。
なお、測距装置10A毎に対する固有の製造ばらつきに対しては、各測距装置10Aに対して一意に定められた導出精度λが対応付けられている。
次に、測距装置10Aの作用について説明する。
先ず、測距装置10Aの電源スイッチがオン(投入)された場合にCPU100が要因記憶プログラム107を実行することで実現される要因記憶処理について図11を参照して説明する。なお、以下では、説明の便宜上、ライブビュー画像が表示部86に表示されている場合について説明する。また、以下では、説明の便宜上、レーザ光の被写体に対する実空間上の照射位置を「実空間照射位置」と称する。
図11に示す要因記憶処理では、先ず、ステップ200で、出力部100Bは、新たな照射位置影響要因が発生したか否かを判定する。ステップ200において、新たな照射位置影響要因が発生した場合は、判定が肯定されて、ステップ202へ移行する。ステップ200において、新たな照射位置影響要因が発生していない場合は、判定が否定されて、ステップ204へ移行する。
ステップ202で、出力部100Bは、発生した新たな照射位置影響要因を示し、かつ、発生した新たな照射位置影響要因の特徴を示す要因情報を二次記憶部104に時系列で記憶し、その後、ステップ208へ移行する。
ここで、照射位置影響要因の特徴とは、例えば、画角変更の特徴、レンズ交換の特徴、測距ユニット交換の特徴、及び射出方向の変更の特徴を指し、対応する想定要因の特徴と同一の特徴であればよい。なお、ここで言う「同一」とは、完全な同一の他に、予め定められた誤差の範囲内での同一も意味する。
ステップ204で、出力部100Bは、照射位置導出用データ取得処理(図14参照)が実行されたか否かを判定する。ステップ204において、照射位置導出用データ取得処理が実行された場合は、判定が肯定されて、ステップ206へ移行する。ステップ204において、照射位置導出用データ取得処理が実行されていない場合は、判定が否定されて、ステップ208へ移行する。なお、ステップ204では、二次記憶部104に要因情報が記憶されていない場合も、判定が否定されて、ステップ208へ移行する。
ステップ206で、出力部100Bは、二次記憶部104に記憶されている要因情報を消去し、その後、ステップ208へ移行する。
ステップ208で、出力部100Bは、本要因記憶処理を終了する条件である終了条件を満足したか否かを判定する。本要因記憶処理において、終了条件とは、例えば、本要因記憶処理を終了する指示がタッチパネル88を介して受け付けられたとの条件を指す。
ステップ208において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ200へ移行する。ステップ208において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、本要因記憶処理を終了する。
次に、測距装置10Aの電源スイッチがオン(投入)された場合にCPU100が計測プログラム106を実行することで実現される計測処理について図12〜図14を参照して説明する。
なお、以下では、説明の便宜上、ライブビュー画像が表示部86に表示されている場合について説明する。また、以下では、説明の便宜上、被写体をオフィスビルの外壁部とし、オフィスビルの外壁部が四角形状の窓及び/又は四角形状の模様等を有している平面状の壁部(平面状領域)であることを前提として説明する。ここで言う「平面状」には、平面のみならず、窓又は換気口等による若干の凸凹を許容する範囲での平面形状も含まれ、例えば、目視により、又は、既存の画像解析技術により、「平面状」と認識される平面又は平面形状であればよい。
また、以下では、説明の便宜上、被写体であるオフィスビルの外壁部が撮像レンズ50に対して正面視で正対していない状態で測距装置10Aによって撮像されることを前提として説明する。また、以下では、説明の便宜上、測距系機能の動作モードとして、距離導出モード又は寸法導出モードが設定されていることを前提として説明する。
また、以下では、説明の便宜上、撮像装置14に含まれる撮像素子60の撮像面に対する正面視左右方向であるX方向についての画像内照射位置の導出を例に挙げて説明するが、撮像装置14に含まれる撮像素子60の撮像面に対する正面視上下方向であるY方向についての画像内照射位置の導出も同様に行われる。このように、X方向及びY方向の各々について画像内照射位置の導出が行われることによって最終的に出力される画像内照射位置は2次元座標で表現される。
また、以下では、説明の便宜上、撮像装置14に含まれる撮像素子60の撮像面に対する正面視左右方向を「X方向」又は「行方向」と称し、撮像装置14に含まれる撮像素子60の撮像面に対する正面視左右方向を「Y方向」又は「列方向」と称する。
図12に示す計測処理では、先ず、ステップ210で、導出部100Aは、距離導出モードが設定されているか否かを判定する。ステップ210において、距離導出モードが設定されていない場合は、判定が否定されて、ステップ234へ移行する。ステップ210において、距離導出モードが設定されている場合は、判定が肯定されて、ステップ212へ移行する。
ステップ212で、導出部100A2は、本計測・本撮像ボタン90Aがオンされたか否かを判定する。ステップ212において、本計測・本撮像ボタン90Aがオンされていない場合は、判定が否定されて、ステップ228へ移行する。ステップ212において、本計測・本撮像ボタン90Aがオンされた場合は、判定が肯定されて、ステップ214へ移行する。
ステップ214で、導出部100A2は、測距制御部68を制御することで、本計測を実行する。また、導出部100A2は、撮像素子ドライバ74及び画像信号処理回路76を制御することで、本撮像を実行し、その後、ステップ216へ移行する。
ステップ216で、導出部100A2は、位置・距離テーブル109に格納されている位置・距離対応情報に基づいて因子を導出し、その後、ステップ218へ移行する。
ここで、本ステップ216の処理が実行されることによって導出される因子は、現時点で不確定の因子であり、下記の表1に示すように、照射位置影響要因毎に異なる。
不確定の因子の個数は、1〜3個の場合があり得る。例えば、表1に示す例では、測距ユニット交換と画角変更との双方が行われた場合、不確定の因子は、半画角α、射出角度β、及び基準点間距離dの3つとなる。また、レンズ交換のみが行われた場合、不確定の因子は、半画角α及び射出角度βの2つとなる。また、測距ユニット交換のみが行われた場合、不確定の因子は、射出角度β及び基準点間距離dの2つとなる。また、画角変更のみが行われた場合に、不確定の因子は、半画角αの1つとなる。更に、射出方向の変更のみが行われた場合、不確定の因子は、射出角度βの1つとなる。
本ステップ216において、因子は、例えば、下記の数式(2)〜(4)により導出される。数式(2)及び数式(3)において、距離Dは、位置・距離対応情報から特定される距離であり、図9に示す例において、位置・距離対応情報から特定される距離とは、距離D1,D2,D3を指す。数式(4)において、「照射位置の行方向画素」は、行方向における画像内照射位置であり、「行方向画素数の半分」は、撮像素子60における行方向の画素数の半分である。また、本実施形態において、半画角αは、例えば、下記の数式(5)により導出される。数式(5)において、“f”とは、焦点距離を指す。数式(5)に代入される焦点距離fは、例えば、ステップ230の本撮像で用いられた焦点距離であることが好ましい。
本ステップ216では、位置・距離テーブル109に格納されている位置・距離対応情報から特定される仮画像内照射位置が「照射位置の行方向画素」とされる。図9に示す例において、位置・距離対応情報から特定される仮画像内照射位置とは、X1,X2,X3を指す。位置・距離テーブル109に格納されている位置・距離対応情報から特定される距離が、対応する仮画像内照射位置(対応する「照射位置の行方向画素」)毎に、数式(2)及び数式(3)における距離Dとして用いられる。そして、「照射位置の行方向画素」の各々に最も近付けることができる因子が導出部100A2によって導出される。
ここで、因子の導出方法について図9に示す位置・距離テーブル109に格納されている位置・距離対応情報を例に挙げて説明する。
例えば、仮画像内照射位置X1が「照射位置の行方向画素」として数式(4)で用いられる場合には、距離D1が数式(2)及び数式(3)の距離Dとして用いられる。また、仮画像内照射位置X2が「照射位置の行方向画素」として数式(4)で用いられる場合には、距離D2が数式(2)及び数式(3)の距離Dとして用いられる。また、仮画像内照射位置X3が「照射位置の行方向画素」として数式(4)で用いられる場合には、距離D3が数式(2)及び数式(3)の距離Dとして用いられる。そして、数式(2)〜(4)から、仮画像内照射位置X1,X2,X3の各々に最も近付けることができる半画角α、射出角度β、及び基準点間距離dが導出される。
ステップ218で、導出部100A2は、ステップ216で導出した因子に基づいて本画像内照射位置を導出し、その後、ステップ220へ移行する。
本ステップ218では、例えば、数式(2)〜(4)により本画像内照射位置が導出される。すなわち、ステップ216で導出された因子が数式(2)〜(4)に代入され、ステップ214で本計測が実行されて得られた距離が距離Dとして数式(2)〜(4)に代入される。これにより、「照射位置の行方向画素」が本画像内照射位置として導出される。
ステップ220で、出力部100B2は、要因・精度対応情報から特定の想定要因に対応付けられた導出精度を導出し、導出した導出精度に基づいて、導出部100A2により導出された本画像内照射位置の誤差を導出し、その後、ステップ222へ移行する。
本ステップ220において、特定の想定要因とは、測距装置10Aに実際に存在する照射位置影響要因に相当する想定要因を指す。具体的には、特定の想定要因とは、要因・精度対応情報に含まれる想定要因のうちの、現時点で二次記憶部104に記憶されている要因情報に対応する想定要因と、要因・精度対応情報に含まれる想定要因のうちの製造ばらつきと、を指す。なお、現時点で二次記憶部104に要因情報が記憶されていない場合、特定の想定要因とは、要因・精度対応情報に含まれる想定要因のうちの製造ばらつきのみを指す。
例えば、現時点で二次記憶部104に記憶されている要因情報に対応する想定要因が画角変更(1)の場合、特定の想定要因に対応する導出精度は、導出精度δ1,λである。また、例えば、現時点で二次記憶部104に要因情報が記憶されていない場合、特定の想定要因に対応する導出精度は、導出精度λである。
本ステップ220では、例えば、上記のように特定の想定要因が画角変更(1)及び製造ばらつきの場合、導出精度δ1,λが総合化され、総合化された導出精度に基づいて本画像内照射位置の誤差が導出される。また、例えば、特定の想定要因が製造ばらつきのみの場合、導出精度λに基づいて本画像内照射位置の誤差が導出される。すなわち、測距装置10Aの出荷後に初めて測距装置10Aを稼働させて本計測処理が実行されると、導出精度λに基づいて本画像内照射位置の誤差が導出されることになる。
複数の導出精度が総合化された導出精度とは、例えば、特定の想定要因に対応付けられた導出精度を独立変数として含む多項式により総合化された従属変数により得られる導出精度を指す。多項式の一例としては、下記の数式(6)が挙げられる。数式(6)において、Qは従属変数であり、F(δ)、G(ε)、H(ζ)、J(η)及びK(λ)は関数である。また、数式(6)において、F(δ)は、独立変数である導出精度δにより規定された関数である。また、数式(6)において、G(ε)は、独立変数である導出精度εにより規定された関数である。また、数式(6)において、H(ζ)は、独立変数である導出精度ζにより規定された関数である。また、数式(6)において、J(η)は、独立変数である導出精度ηにより規定された関数である。更に、数式(6)において、K(λ)は、独立変数である導出精度λにより規定された関数である。
なお、複数の導出精度が総合化された導出精度に基づいて導出された誤差は、本開示の技術に係る従属変数に基づく情報の一例である。また、ここで、複数の導出精度が総合化された導出精度は、数式(6)の従属変数Qそのものであってもよいし、従属変数Qを調整して得た値であってもよい。従属変数Qを調整して得た値とは、例えば、従属変数Qに対して係数(例えば、ユーザがタッチパネル88を介して指示した係数)を乗じて得た値を指す。
また、本ステップ220では、誤差が、例えば、導出精度及び本画像内照射位置の座標とこれらに対応する誤差とが予め対応付けられた位置誤差テーブル(図示省略)に基づいて導出されるが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。誤差は、例えば、導出精度及び本画像内照射位置の座標を独立変数とし、誤差を従属変数とする演算式に基づいて導出されてもよい。
ステップ222で、出力部100B2は、一例として図16に示すように、本画像、距離、誤差、及び照射位置目印116を表示部86に表示させ、その後、ステップ224へ移行する。
本ステップ222の処理が実行されることで表示部86に表示される本画像は、ステップ214で本撮像が実行されることで得られた画像である。
また、本ステップ222の処理が実行されることで表示部86に表示される距離は、ステップ214で本計測が実行されることで得られた距離である。なお、図16に示す例では、「133325.0」との数値が距離に該当し、単位はミリメートルである。
また、本ステップ222の処理が実行されることで表示部86に表示される誤差は、ステップ220の処理が実行されることで導出された誤差である。なお、図16に示す例では、「±15.2」との数値が誤差に該当し、単位はミリメートルである。
更に、本ステップ222の処理が実行されることで表示部86に表示される照射位置目印116は、ステップ218の処理が実行されることで導出された本画像内照射位置を示す目印である。
ステップ224で、出力部100Bは、ステップ220又は後述のステップ260の処理が実行されることで導出された誤差が閾値を超えたか否かを判定する。閾値は、照射位置導出用データ取得処理(図14参照)が実行されるべき好ましい値として測距装置10Aの実機による試験、及び/又は、測距装置10Aの設計仕様等に基づくコンピュータ・シミュレーション等の結果に基づいて事前に得られた値である。なお、本ステップ224において、ステップ220又はステップ260の処理が実行されることで導出された誤差が閾値を超える場合とは、導出部100A2による本画像内照射位置の導出精度が予め定められた導出精度未満であることを意味する。
ステップ224において、ステップ220又はステップ260の処理が実行されることで導出された誤差が閾値以下の場合は、判定が否定されて、ステップ228へ移行する。ステップ224において、ステップ220又はステップ260の処理が実行されることで導出された誤差が閾値を超えた場合は、判定が肯定されて、ステップ226へ移行する。
ステップ226で、出力部100Bは、一例として図17に示すように、表示部86に対して照射位置調整推奨画面110を表示させ、その後、ステップ228へ移行する。
照射位置調整推奨画面110は、本画像内照射位置の調整を推奨するための画面である。図17に示す例では、照射位置調整推奨画面110に、「本画像内照射位置の調整をお奨めします。」というメッセージが表示されている。また、図17に示す例では、照射位置調整推奨画面110に、本画像内照射位置の調整を行う意思を表明する場合に指定される「はい」のソフトキーが表示されている。また、図17に示す例では、照射位置調整推奨画面110に、本画像内照射位置の調整を行わない意思を表明する場合に指定される「いいえ」のソフトキーが表示されている。
このように、本ステップ226では、出力部100Bによって導出された導出精度が予め定められた導出精度未満であることを示す警報として、照射位置調整推奨画面110が表示部86に表示される。
ステップ228で、出力部100Bは、本画像内照射位置を調整する指示があったか否かを判定する。ステップ250において、本画像内照射位置を調整する指示があった場合、判定が肯定されて、ステップ230へ移行する。ここで、本画像内照射位置を調整する指示があった場合とは、照射位置調整推奨画面110の「はい」のソフトキーがオンされた場合、及び照射位置調整ボタン90Gがオンされた場合を指す。
ステップ228において、本画像内照射位置を調整する指示がなかった場合、判定が否定されて、ステップ232へ移行する。ここで、本画像内照射位置を調整する指示がなかった場合とは、例えば、照射位置調整推奨画面110の「いいえ」のソフトキーが押された場合、及び照射位置調整推奨画面110が表示されてから既定時間(例えば、30秒)が経過した場合等を指す。
ステップ230で、導出部100Aは、一例として図14に示す照射位置導出用データ取得処理を実行し、その後、ステップ232へ移行する。
図14に示す照射位置導出用データ取得処理では、先ず、ステップ300で、導出部100Aは、一例として図18に示すように、表示部86に対して仮計測・仮撮像案内画面112を表示させ、その後、ステップ302へ移行する。
仮計測・仮撮像案内画面112は、レーザ光の射出方向を変えて仮計測及び仮撮像を複数回(本実施形態では、一例として3回)行うことをユーザに案内するための画面である。図18に示す例では、仮計測・仮撮像案内画面112に、「レーザ光の射出方向を変えて仮計測・仮撮像を3回行って下さい。」というメッセージが表示されている。
ステップ302で、導出部100Aは、仮計測・仮撮像ボタン90Bがオンされたか否かを判定する。ステップ302において、仮計測・仮撮像ボタン90Bがオンされていない場合は、判定が否定されて、ステップ304へ移行する。ステップ302において、仮計測・仮撮像ボタン90Bがオンされた場合は、判定が肯定されて、ステップ306へ移行する。
ステップ304で、導出部100Aは、本照射位置導出用データ取得処理を終了する条件である終了条件を満足したか否かを判定する。本照射位置導出用データ取得処理において、終了条件とは、例えば、本照射位置導出用データ取得処理を終了する指示がタッチパネル88を介して受け付けられたとの条件を指す。
ステップ304において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ302へ移行する。ステップ304において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、ステップ210へ移行する。
ステップ306で、導出部100Aは、測距制御部68を制御することで、仮計測を実行する。また、導出部100Aは、撮像素子ドライバ74及び画像信号処理回路76を制御することで、仮撮像を実行し、その後、ステップ308へ移行する。
ステップ308で、導出部100Aは、仮撮像を実行して得た画像である仮画像、及び仮計測を実行して得た距離を一次記憶部102に記憶し、その後、ステップ310へ移行する。
ステップ310で、導出部100Aは、仮計測・仮撮像ボタン90Bが3回オンされたか否かを判定することで、仮計測及び仮撮像が3回行われたか否かを判定する。ステップ310において、仮計測及び仮撮像が3回行われていない場合は、判定が否定されて、ステップ302へ移行する。ステップ310において、仮計測及び仮撮像が3回行われた場合は、判定が肯定されて、ステップ312へ移行する。
次に、導出部100Aは、仮計測された複数の距離(ここでは、一例として3つの距離)の関係が本画像内照射位置の導出に用いる位置・距離対応情報の構築に有効に寄与しない予め定められた関係でないか否かを判定する。すなわち、ステップ312で、導出部100Aは、ステップ308で一次記憶部102に記憶した3つの距離が有効な距離か否かを判定する。ここで、有効な距離とは、一次記憶部102に記憶されている3つの距離が本画像内照射位置の導出に用いる位置・距離対応情報の構築(生成)に有効に寄与する関係の距離を指す。3つの距離が本画像内照射位置の導出に用いる位置・距離対応情報の構築に有効に寄与する関係とは、例えば、3つの距離が互いに予め定められた距離以上(例えば、0.3メートル以上)離れた関係を意味する。
ステップ312において、ステップ308で一次記憶部102に記憶した3つの距離が有効な距離でない場合は、判定が否定されて、ステップ314へ移行する。ステップ312において、ステップ308で一次記憶部102に記憶した3つの距離が有効な距離である場合は、判定が肯定されて、ステップ316へ移行する。
ステップ314で、導出部100Aは、一例として図19に示すように、表示部86に対して再実行案内画面114を表示させ、その後、ステップ302へ移行する。
再実行案内画面114は、仮計測及び仮撮像のやり直しをユーザに案内するための画面である。図19に示す例では、再実行案内画面114に、「有効な距離が計測できませんでした。レーザ光の射出方向を変えて仮計測・仮撮像を3回行って下さい。」というメッセージが表示されている。
ステップ316で、導出部100Aは、ステップ308で一次記憶部102に記憶した仮画像毎に仮画像内照射位置を特定し、その後、ステップ318へ移行する。仮画像内照射位置は、例えば、ライブビュー画像において仮計測及び仮撮像が行われる前(例えば、1フレーム前)に得られた画像と仮撮像が行われて得られた仮画像との差分から特定される。なお、仮計測が行われた距離が数メートル程度であれば、ユーザは仮画像からレーザ光の照射位置を視覚的に認識することができる。この場合、仮画像から視覚的に認識された照射位置がタッチパネル88を介してユーザによって指定されるものとし、指定された位置が仮画像内照射位置として特定されるようにしてもよい。
ステップ318で、導出部100Aは、位置・距離対応情報を生成して位置・距離テーブル109に上書きすることで位置・距離テーブル109を更新し、その後、本照射位置導出用データ取得処理を終了する。
一方、図12に示す計測処理では、ステップ232で、導出部100Aは、本計測処理を終了する条件である終了条件を満足したか否かを判定する。本計測処理において、終了条件とは、例えば、本計測処理を終了する指示がタッチパネル88を介して受け付けられたとの条件を指す。
ステップ232において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ210へ移行する。ステップ232において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、本計測処理を終了する。
一方、図13に示すステップ234で、導出部100A1は、本計測・本撮像ボタン90Aがオンされたか否かを判定する。ステップ234において、本計測・本撮像ボタン90Aがオンされていない場合は、判定が否定されて、ステップ228へ移行する。ステップ234において、本計測・本撮像ボタン90Aがオンされた場合は、判定が肯定されて、ステップ236へ移行する。
ステップ236で、導出部100A1は、測距制御部68を制御することで、本計測を実行する。また、導出部100A1は、撮像素子ドライバ74及び画像信号処理回路76を制御することで、本撮像を実行し、その後、ステップ240へ移行する。
ステップ238で、導出部100A1は、位置・距離テーブル109に格納されている位置・距離対応情報に基づいて因子を導出し、その後、ステップ240へ移行する。なお、因子の導出方法は、ステップ216と同様である。
ステップ240で、導出部100A1は、ステップ238で導出した因子に基づいて本画像内照射位置を導出し、その後、ステップ242へ移行する。
本ステップ240では、例えば、数式(2)〜(4)により本画像内照射位置が導出される。すなわち、ステップ238で導出された因子が数式(2)〜(4)に代入され、ステップ236で本計測が実行されて得られた距離が距離Dとして数式(2)〜(4)に代入される。これにより、「照射位置の行方向画素」が本画像内照射位置として導出される。
ステップ242で、導出部100A1は、一例として図20に示すように、本画像、距離、及び照射位置目印116を表示部86に表示させる。
本ステップ242の処理が実行されることで表示部86に表示される本画像は、ステップ236で本撮像が実行されることで得られた画像である。
また、本ステップ242の処理が実行されることで表示部86に表示される距離は、ステップ236で本計測が実行されることで得られた距離である。なお、図20に示す例では、「42351.2」との数値が距離に該当し、単位はミリメートルである。
更に、本ステップ242の処理が実行されることで表示部86に表示される照射位置目印116は、ステップ240の処理が実行されることで導出された本画像内照射位置を示す目印である。
ここで、ユーザは、表示部86に本画像、距離、及び照射位置目印116を含む画面が表示されると、タッチパネル88を介して本画像の表示領域内で枠を指定する。
そこで、次のステップ244で、導出部100A1は、タッチパネル88を介して本画像の表示領域内で枠が正しく指定されたか否かを判定する。ここで、正しく指定された枠とは、一例として図20に示すように、本画像の表示領域内において照射位置目印116を内包する四角形状の枠117を指す。一例として図20に示すように、枠117は、点119A,119B,119C,119Dの4点によって画定される。枠117によって囲まれた領域は、照射位置目印116から特定される本画像内照射位置に関連して指定された領域である。
ステップ244において、タッチパネル88を介して本画像の表示領域内で枠が正しく指定されていない場合は、判定が否定されて、ステップ246へ移行する。ステップ244において、タッチパネル88を介して本画像の表示領域内で枠が正しく指定された場合は、判定が肯定されて、ステップ248へ移行する。
ステップ246で、導出部100A1は、本計測処理を終了する条件である前述の終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ246において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ244へ移行する。ステップ246において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、本計測処理を終了する。
ステップ248で、導出部100A1は、枠117内に四角形状の領域が存在するか否かを判定する。四角形状の領域とは、例えば、図20に示すように、台形状領域121を指す。なお、オフィスビルの外壁部のうちの台形状領域121に対応する部分は、撮像レンズ50に対して正面視で正対している状態で撮像されると、本画像には長方形領域として表れる。
ステップ248において、枠117内に四角形状の領域が存在しない場合は、判定が否定されて、ステップ254へ移行する。ステップ248において、枠117内に四角形状の領域が存在する場合は、判定が肯定されて、ステップ250へ移行する。
ステップ250で、導出部100A1は、枠117内に含まれる四角形状の領域(図20に示す例では、台形状領域121)に基づいて射影変換用の係数である射影変換係数を導出する。そして、導出部100A1は、導出した射影変換係数を用いて最新の本画像(ステップ236の処理で得られた本画像)に対して射影変換処理を実行し、その後、ステップ252へ移行する。本ステップ250の処理が実行されることで、最新の本画像は、上述の正対視画像に相当する画像に変換される。
なお、以下では、説明の便宜上、最新の本画像に対して射影変換処理が実行されることで得られた正対視画像に相当する画像を、符号を付さずに「射影変換後画像」と称する。
ステップ252で、導出部100A1は、ステップ250で射影変換処理が実行されることで得られた射影変換後画像を表示部86に表示させる。
ここで、ユーザは、表示部86に射影変換後画像を含む画面が表示されると、タッチパネル88を介して射影変換後画像の表示領域内で2点、すなわち、2つの画素を指定することで区域を指定する。ここで、指定される区域とは、2つの画素の間隔に対応する実空間上の区域を指す。
そこで、次のステップ254で、導出部100A1は、指定された区域の長さの導出に用いる画像である区域長さ導出対象画像のうちの2つの画素が指定されたか否かを判定する。
ここで、区域長さ導出対象画像とは、例えば、ステップ250,252の処理が実行された場合、射影変換後画像を指し、ステップ250,252の処理が実行されなかった場合、最新の本画像を指す。
なお、本実施形態では、最新の本画像の全体に対して射影変換処理が実行されることで得られた正対視画像に相当する画像である射影変換後画像を区域長さ導出対象画像としているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図20に示すように、枠117によって囲まれた画像領域(例えば、枠117によって外縁が画定された四角形の画像領域)に対して前述の射影変換処理が実行されるようにしてもよい。
この場合、ステップ252では、導出部100A1により、一例として図21に示すように、ステップ250で射影変換処理が実行されることで得られた射影変換後画像123を表示部86に表示させる。射影変換後画像123とは、例えば、枠117によって囲まれた画像領域に対応する部分が撮像レンズ50に対して正面視で正対している状態で撮像されて得られた画像に相当する画像を指す。従って、射影変換後画像123は、台形状領域121に対して射影変換処理が実行されて得られた長方形領域123Aを含む。
ここで、一例として図22に示すように、表示部86に射影変換後画像123を含む画面が表示されると、ユーザは、タッチパネル88を介して射影変換後画像の表示領域内で2点、すなわち、2つの画素を指定することで区域を指定する。ここで、指定される区域とは、2つの画素の間隔に対応する実空間上の区域を指す。
図22に示す例において、区域長さ導出対象画像とは、ステップ250,252の処理が実行された場合、射影変換後画像123を指す。なお、ステップ250,252の処理が実行されなかった場合、本画像のうちの枠117で囲まれた領域(例えば、枠117によって外縁が画定された四角形の画像領域)を指す。
ステップ254において、タッチパネル88を介して区域長さ導出対象画像のうちの2つの画素が指定されていない場合は、判定が否定されて、ステップ256へ移行する。ステップ254において、タッチパネル88を介して区域長さ導出対象画像のうちの2つの画素が指定された場合は、判定が肯定されて、ステップ258へ移行する。
ステップ256で、導出部100A1は、本計測処理を終了する条件である前述の終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ256において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ254へ移行する。ステップ256において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、本計測処理を終了する。
ステップ258で、導出部100A1は、ユーザによってタッチパネル88を介して指定された2つの画素の間隔に対応する区域の長さを、寸法導出機能を働かせて導出し、その後、ステップ260へ移行する。
本ステップ258では、ユーザによってタッチパネル88を介して指定された2つの画素の間隔に対応する区域の長さが、数式(1)により導出される。なお、この場合、数式(1)のu1,u2は、ユーザによってタッチパネル88を介して指定された2つの画素のアドレスである。
ステップ260で、出力部100B1は、要因・精度対応情報から特定の想定要因に対応付けられた導出精度を導出し、導出した導出精度に基づいて、導出部100A1により導出された区域の長さの誤差を導出し、その後、ステップ262へ移行する。
本ステップ260において、特定の想定要因とは、測距装置10Aに実際に存在する照射位置影響要因に相当する想定要因を指す。具体的には、特定の想定要因とは、要因・精度対応情報に含まれる想定要因のうちの、現時点で二次記憶部104に記憶されている要因情報に対応する想定要因と、要因・精度対応情報に含まれる想定要因のうちの製造ばらつきと、を指す。
なお、現時点で二次記憶部104に要因情報が記憶されていない場合、特定の想定要因とは、要因・精度対応情報に含まれる想定要因のうちの製造ばらつきのみを指す。従って、測距装置10Aがデフォルトで稼動された場合、二次記憶部104には要因情報が記憶されていないため、ステップ220又はステップ260の処理が実行されることで、製造ばらつきに関する想定要因に基づく誤差が導出される。そして、ステップ222又は後述のステップ262の処理が実行されることで、製造ばらつきに関する想定要因に基づく誤差が表示部86に表示される。
本ステップ260でも、ステップ220と同様に、要因・精度対応情報から複数の導出精度が導出された場合、複数の導出精度が総合化され、総合化された導出精度に基づいて区域の長さの誤差が導出される。また、例えば、特定の想定要因が製造ばらつきのみの場合、導出精度λに基づいて区域の長さの誤差が導出される。すなわち、測距装置10Aの出荷後に初めて測距装置10Aを稼働させて本計測処理が実行されると、導出精度λに基づいて区域の長さの誤差が導出されることになる。
なお、本ステップ260でも、ステップ220と同様に、数式(6)に基づいて複数の導出精度が総合化される。また、本ステップ260では、誤差が、例えば、導出精度及び区域の長さと誤差とが予め対応付けられた長さ誤差テーブル(図示省略)に基づいて導出されるが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。誤差は、例えば、導出精度及び区域の長さを独立変数とし、誤差を従属変数とする演算式に基づいて導出されてもよい。
ステップ262で、出力部100B1は、画像、区域の長さ、誤差、及び双方向矢印を表示部86に表示させ、その後、ステップ224へ移行する。
本ステップ262の処理が実行されることで表示部86に表示される画像は、本画像又は射影変換後画像である。すなわち、ステップ250の処理が実行された場合のみ射影変換後画像が表示され、それ以外の場合は、ステップ214で本撮像されて得られた本画像が表示部86に表示される。
また、本ステップ262の処理が実行されることで表示部86に表示される区域の長さは、ステップ258の処理が実行されることで導出された区域の長さである。
また、本ステップ262の処理が実行されることで表示部86に表示される誤差は、ステップ260の処理が実行されることで導出された誤差である。
更に、本ステップ262の処理が実行されることで表示部86に表示される双方向矢印は、ユーザによってタッチパネル88を介して指定された2つの画素間を特定する矢印である。
なお、区域長さ導出対象画像として、射影変換後画像123(図21及び図22参照)が採用された場合、本ステップ262の処理が実行されると、一例として図22に示すように、画像、区域の長さ、誤差、及び双方向矢印125が表示部86に表示される。
この場合、本ステップ262の処理が実行されることで表示部86に表示される画像は、本画像又は射影変換後画像123である。すなわち、ステップ250の処理が実行された場合のみ射影変換後画像123が表示され、それ以外の場合は、ステップ214で本撮像されて得られた本画像が表示部86に表示される。
なお、図22に示す例では、「63」との数値が区域の長さに該当し、単位はミリメートルである。また、図22に示す例では、「±1」との数値が誤差に該当し、単位はミリメートルである。更に、本ステップ262の処理が実行されることで表示部86に表示される双方向矢印125は、ユーザによってタッチパネル88を介して指定された2つの画素間を特定する矢印である。
以上説明したように、測距装置10Aでは、区域長さ導出対象画像に関連させた2つの画素の間隔に対応する区域の長さが、測距系機能を働かせて計測された距離、指定された2つの画素の間隔、及び撮像装置14での焦点距離に基づいて導出される。また、出力部100B1により、位置・距離対応情報に基づいて、測距装置10Aに実際に存在する照射位置影響要因としての想定要因に対応する導出精度が導出され、導出された導出精度に基づいて、区域の長さの誤差が導出される(ステップ260)。そして、出力部100B1により、導出された誤差が表示部86に表示される(ステップ262)。従って、測距装置10Aによれば、照射位置影響要因が実際に存在するにも拘らず、区域の長さの誤差が表示されない場合に比べ、区域の長さの誤差をユーザに容易に把握させることができる。
また、測距装置10Aでは、導出部100A2により、測距系機能を働かせて計測された距離に基づいて本画像内照射位置が導出される(ステップ218)。また、出力部100B2により、位置・距離対応情報に基づいて、測距装置10Aに実際に存在する照射位置影響要因としての想定要因に対応する導出精度が導出され、導出された導出精度に基づいて、本画像内照射位置の誤差が導出される(ステップ220)。そして、出力部100B2により、導出された誤差が表示部86に表示される(ステップ222)。従って、測距装置10Aによれば、照射位置影響要因が実際に存在するにも拘らず、本画像内照射位置の誤差が表示されない場合に比べ、本画像内照射位置の誤差をユーザに容易に把握させることができる。
また、測距装置10Aでは、導出部100Aにより、位置・距離対応情報が生成されて位置・距離テーブル109が更新される(ステップ318)。そして、導出部100Aにより、位置・距離テーブル109に格納されている位置・距離対応情報に基づいて本画像内照射位置が導出される(ステップ216,218,238,240)。従って、測距装置10Aによれば、位置・距離対応情報に基づいて本画像内照射位置が導出されない場合に比べ、本画像内照射位置を高精度に導出することができる。
また、測距装置10Aでは、異なる想定要因の各々に対して異なる導出精度が対応付けられた要因・精度対応情報が要因・精度テーブル111に格納されている。そして、出力部100Bにより、測距装置10Aに実際に存在する照射位置影響要因に対応する想定要因に対応付けられた導出精度が要因・精度対応情報から導出される(ステップ220,260)。従って、測距装置10Aによれば、単一の想定要因のみに対して導出精度が対応付けられている場合に比べ、導出精度を精度良く導出することができる。
また、測距装置10Aでは、実際に照射位置影響要因が複数存在する場合、測距装置10Aに実際に存在する複数の照射位置影響要因の各々に対応する想定要因に対応付けられた導出精度が総合化されて導出される(ステップ220,260)。従って、測距装置10Aによれば、測距装置10Aに実際に存在する複数の照射位置影響要因の各々に対応する想定要因に対応付けられた各導出精度が個別に導出される場合に比べ、導出精度の簡便な取り扱いを実現することができる。
また、測距装置10Aでは、多項式である数式(6)により導出精度が総合化される。従って、測距装置10Aによれば、単項式を用いる場合に比べ、導出精度を容易に総合化することができる。
また、測距装置10Aでは、照射位置影響要因がレンズ交換、測距ユニット交換、画角変更、射出方向の変更、及び製造ばらつき、とされている。従って、測距装置10Aによれば、レンズ交換、測距ユニット交換、画角変更、射出方向の変更、及び製造ばらつきの何れも照射位置影響要因とされていない場合に比べ、適用した要因の影響を考慮した導出精度を導出することができる。
また、測距装置10Aでは、測距装置10Aの出荷前の段階で要因・精度対応情報が要因・精度テーブル111に格納されている。従って、測距装置10Aによれば、測距装置10Aの出荷後に要因・精度対応情報を作成して要因・精度テーブル111に格納する場合に比べ、導出精度を迅速に導出することができる。
また、測距装置10Aでは、出力部100Bにより導出された誤差が閾値を超えている場合に照射位置調整推奨画面110が表示部86に表示されることで警報が発せられる(ステップ224,226)。従って、測距装置10Aによれば、誤差が閾値を超えているにも拘らず警報を発しない場合に比べ、誤差が閾値を超えていることをユーザに容易に認識させることができる。
なお、上記第1実施形態では、出力部100Bにより要因・精度対応情報に基づいて導出精度が導出される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、想定要因を独立変数とし、導出精度を従属変数とする演算式に基づいて導出精度が導出されるようにしてもよい。このように、想定要因と導出精度との対応関係が規定された要因・精度対応情報又は演算式に基づいて、出力部100Bにより導出精度が出力されるようにすればよい。
また、上記第1実施形態では、出力部100Bにより導出された導出精度に基づいて誤差が本開示の技術に係る「導出精度に基づく情報」の一例として導出され、導出された誤差が表示部86に表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、本開示の技術に係る「導出精度に基づく情報」の一例として出力部100Bにより導出された導出精度そのものを表示部86に表示されるようにしてもよい。また、例えば、本開示の技術に係る「導出精度に基づく情報」の一例として各々導出された導出精度及び誤差の両方が表示部86に表示されるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、測距装置10Aの出荷前に要因・精度テーブル111が二次記憶部104に予め記憶されている場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。すなわち、要因・精度テーブル111は、出力部100Bが初めて稼働するまでに二次記憶部104に記憶されていればよい。例えば、測距装置10Aの出荷後、出力部100Bが初めて稼働するまでに要因・精度テーブル111がダウンロードされるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、要因・精度テーブル111に格納されている要因・精度対応情報が固定化されている場合について説明したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、測距装置10Aの出荷後に、タッチパネル88を介して受け付けられた指示に応じて要因・精度対応情報が書き換えられるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、出力部100Bが多項式を用いて複数の導出精度を総合化したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、出力部100Bが多項式と同様の出力が得られる総合化テーブル(図示省略)を用いて複数の導出精度を総合化してもよい。
また、上記第1実施形態では、区域の長さが導出される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、ユーザによって指定された複数画素により画定される画像領域に対応する実空間領域の面積は、寸法導出機能を働かせることによって導出されるようにしてもよい。なお、ここで、「指定された複数画素により画定される画像領域」とは、例えば、指定された3つ以上の画素によって取り囲まれた画像領域を指す。
また、上記第1実施形態では、オフィスビルの外壁部が撮像レンズ50に対して正面視で正対していない状態で測距装置10Aによって撮像されることを前提として説明したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。すなわち、オフィスビルの外壁部が撮像レンズ50に対して正面視で正対している状態で測距装置10Aによって撮像されるようにしてもよい。この場合、計測処理に含まれるステップ250,252の処理を省略することができる。
また、上記第1実施形態では、製造ばらつきに基づく誤差が表示部86に表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、製造ばらつきの誤差が表示部86に表示されなくてもよい。
また、上記第1実施形態では、要因・精度対応情報に、画角変更、レンズ交換、測距ユニット交換、射出方向の変更、及び製造ばらつきが含まれる例を挙げて説明したが本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、製造ばらつきは、要因・精度対応情報に含まれていなくてもよい。このように、要因・精度対応情報は、画角変更、レンズ交換、測距ユニット交換、射出方向の変更、及び製造ばらつきのうちの少なくとも1つを削除した形態としてもよい。
また、上記第1実施形態では、照射位置目印116が表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、ステップ216,238の処理が実行されることで導出された因子も表示されるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、半画角α、射出角度β、及び基準点間距離dの3つの因子が不確定の因子であることを前提としていたので、仮計測及び仮撮像が3回実行される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。半画角α、射出角度β、及び基準点間距離dの3つの因子が不確定の因子であったとしても、仮計測及び仮撮像が4回以上実行されるようにしてもよく、仮計測及び仮撮像の実行回数が多いほど精度も高くなる。また、不確定の因子が2つの場合は、仮計測及び仮撮像が少なくとも2回実行され、不確定の因子が1つの場合は、仮計測及び仮撮像が少なくとも1回実行されるようにすればよい。
また、上記第1実施形態では、照射位置影響要因として、レンズ交換、測距ユニット交換、画角変更、射出方向の変更、及び製造ばらつきを例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、これらのうちの少なくとも1つが照射位置影響要因であればよい。また、例えば、前回の因子の導出から予め定められた期間(例えば、30日)が経過したことを照射位置影響要因としてもよい。また、温度及び湿度のうちの少なくとも一方の変化量の絶対値が基準値を超えたことを照射位置影響要因としてもよい。また、測距ユニット12若しくは撮像装置14の特定の構成部材が交換されたこと、又は、特定の構成部材が除去されたことを照射位置影響要因としてもよい。
また、照射位置影響要因が発生したことを検知する検知部が測距装置10Aに設けられてもよいし、照射位置影響要因が発生したことを示す情報がユーザによってタッチパネル88を介して入力されるようにしてもよい。また、複数の照射位置影響要因が発生したことを検知する検知部が測距装置10Aに設けられてもよいし、複数の照射位置影響要因が発生したことを示す情報がユーザによってタッチパネル88を介して入力されるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、測距制御部68が撮像装置本体18に内蔵されている場合について説明したが、測距制御部68は、撮像装置本体18ではなく、測距ユニット12に内蔵されていてもよい。この場合、主制御部62の制御下で、測距ユニット12に内蔵されている測距制御部68によって測距ユニット12の全体が制御されるようにすればよい。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、因子を導出し、導出した因子に基づいて本画像内照射位置を導出したが、本第2実施形態では、因子を導出せずに本画像内照射位置を導出する場合について説明する。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
本第2実施形態に係る測距装置10Bは、測距装置10Aに比べ、二次記憶部104に計測プログラム106に代えて計測プログラム130が記憶されている点が異なる。
次に、測距装置10Bの作用として、測距装置10Bの電源スイッチがオン(投入)された場合にCPU100が計測プログラム130を実行することで実現される計測処理について図23及び図24を参照して説明する。なお、図12及び図13と同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
図23に示すフローチャートは、図12に示すフローチャートに比べ、ステップ216,218に代えてステップ300を有する点が異なる。また、図23に示すフローチャートは、図12に示すフローチャートに比べ、ステップ222に代えてステップ302を有する点が異なる。
図23に示すステップ300で、導出部100A2は、位置・距離対応情報に基づいて本画像内照射位置を導出し、その後、ステップ220へ移行する。
本ステップ300では、例えば、図25に示すように、位置・距離対応情報について近似曲線ZXが作成される。そして、ステップ214で本計測が実行されて得られた距離に対応する本画像内照射位置が近似曲線ZXから導出される。すなわち、本ステップ300では、本開示の技術に係る位置距離対応関係を示す情報の一例である位置・距離対応情報により規定された近似曲線ZXと本計測が実行されて得られた距離との関係から本画像内照射位置が導出される。
ステップ302で、導出部100A2は、一例として図16に示すように、本画像、距離、誤差、及び照射位置目印116を表示部86に表示させ、その後、ステップ224へ移行する。
なお、本ステップ302の処理が実行されることで表示部86に表示される照射位置目印116は、ステップ300の処理が実行されることで導出された本画像内照射位置を示す目印である。
一方、図24に示すステップ304で、導出部100A1は、位置・距離対応情報に基づいて本画像内照射位置を導出し、その後、ステップ306へ移行する。
本ステップ304では、例えば、図25に示すように、位置・距離対応情報について近似曲線ZXが作成される。そして、ステップ236で本計測が実行されて得られた距離に対応する本画像内照射位置が近似曲線ZXから導出される。すなわち、本ステップ304では、本開示の技術に係る位置距離対応関係を示す情報の一例である位置・距離対応情報により規定された近似曲線ZXと本計測が実行されて得られた距離との関係から本画像内照射位置が導出される。
ステップ306で、導出部100A1は、一例として図20に示すように、本画像、距離、及び照射位置目印116を表示部86に表示させ、その後、ステップ244へ移行する。
なお、本ステップ306の処理が実行されることで表示部86に表示される照射位置目印116は、ステップ304の処理が実行されることで導出された本画像内照射位置を示す目印である。
以上説明したように、測距装置10Bでは、位置・距離対応情報により規定された近似曲線と本計測で得られた距離との関係から本画像内照射位置が導出される。従って、測距装置10Bによれば、位置・距離対応情報により規定された近似曲線を用いずに本画像内照射位置を導出する場合に比べ、本画像内照射位置の導出を簡易な構成で実現することができる。
[第3実施形態]
上記第2実施形態では、測距ユニット12及び撮像装置14により測距装置10Bが実現される場合を例示したが、本第3実施形態では、測距ユニット12、撮像装置140及びスマートデバイス142により実現される測距装置10C(図26)について説明する。なお、本第3実施形態では、上記各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略し、上記各実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
また、以下では、説明の便宜上、計測プログラム106,130を区別して説明する必要がない場合は、符号を付さずに「計測プログラム」と称する。
一例として図26に示すように、本第3実施形態に係る測距装置10Cは、上記第1実施形態に係る測距装置10Aに比べ、撮像装置14に代えて撮像装置140を有する点が異なる。また、測距装置10Cは、測距装置10Aに比べ、スマートデバイス142を有する点が異なる。
撮像装置140は、撮像装置14に比べ、撮像装置本体18に代えて撮像装置本体143を有する点が異なる。
撮像装置本体143は、撮像装置本体18に比べ、無線通信部144及び無線通信用アンテナ146を有する点が異なる。
無線通信部144は、バスライン84及び無線通信用アンテナ146に接続されている。主制御部62は、スマートデバイス142へ送信される対象の情報である送信対象情報を無線通信部144に出力する。
無線通信部144は、主制御部62から入力された送信対象情報を無線通信用アンテナ146を介してスマートデバイス142へ電波で送信する。また、無線通信部144は、スマートデバイス142からの電波が無線通信用アンテナ146で受信されると、受信された電波に応じた信号を取得し、取得した信号を主制御部62に出力する。
スマートデバイス142は、CPU148、一次記憶部150、及び二次記憶部152を備えている。CPU148、一次記憶部150及び二次記憶部152は、バスライン162に接続されている。
CPU148は、スマートデバイス142を含めて測距装置10Cの全体を制御する。一次記憶部150は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。一次記憶部150の一例としては、RAMが挙げられる。二次記憶部152は、スマートデバイス142を含めて測距装置10Cの全体の作動を制御する制御プログラム及び/又は各種パラメータ等を予め記憶する不揮発性のメモリである。二次記憶部152の一例としては、フラッシュメモリ及び/又はEEPROM等が挙げられる。
スマートデバイス142は、表示部154、タッチパネル156、無線通信部158、及び無線通信用アンテナ160を備えている。
表示部154は、表示制御部(図示省略)を介してバスライン162に接続されており、表示制御部の制御下で各種情報を表示する。なお、表示部154は、例えば、LCDにより実現される。
タッチパネル156は、表示部154の表示画面に重ねられており、指示体による接触を受け付ける。タッチパネル156は、タッチパネルI/F(図示省略)を介してバスライン162に接続されており、指示体により接触された位置を示す位置情報をタッチパネルI/Fに出力する。タッチパネルI/Fは、CPU148の指示に従ってタッチパネルI/Fを作動させ、タッチパネル156から入力された位置情報をCPU148に出力する。
表示部154には、上記第1実施形態で説明した本計測・本撮像ボタン90A、仮計測・仮撮像ボタン90B、撮像系動作モード切替ボタン90C、広角指示ボタン90D、及び望遠指示ボタン90Eに相当するソフトキーが表示される。また、表示部154には、上記第1実施形態で説明した計測系動作モード切替ボタン90F、及び照射位置調整ボタン90Gに相当するソフトキーも表示される。
例えば、図27に示すように、表示部154には、本計測・本撮像ボタン90Aとして機能する本計測・本撮像ボタン90A1がソフトキーとして表示され、タッチパネル156を介してユーザによって押下される。また、例えば、表示部154には、仮計測・仮撮像ボタン90Bとして機能する仮計測・仮撮像ボタン90B1がソフトキーとして表示され、タッチパネル156を介してユーザによって押下される。また、例えば、表示部154には、撮像系動作モード切替ボタン90Cとして機能する撮像系動作モード切替ボタン90C1がソフトキーとして表示され、タッチパネル156を介してユーザによって押下される。また、例えば、表示部154には、広角指示ボタン90Dとして機能する広角指示ボタン90D1がソフトキーとして表示され、タッチパネル156を介してユーザによって押下される。また、例えば、表示部154には、望遠指示ボタン90Eとして機能する望遠指示ボタン90E1がソフトキーとして表示され、タッチパネル156を介してユーザによって押下される。
また、例えば、表示部154には、計測系動作モード切替ボタン90Fとして機能する計測系動作モード切替ボタン90F1がソフトキーとして表示され、タッチパネル156を介してユーザによって押下される。更に、例えば、表示部154には、照射位置調整ボタン90Gとして機能する照射位置調整ボタン90G1がソフトキーとして表示され、タッチパネル156を介してユーザによって押下される。
無線通信部158は、バスライン162及び無線通信用アンテナ160に接続されている。無線通信部158は、CPU148から入力された信号を無線通信用アンテナ160を介して撮像装置本体143へ電波で送信する。また、無線通信部158は、撮像装置本体143からの電波が無線通信用アンテナ160で受信されると、受信された電波に応じた信号を取得し、取得した信号をCPU148に出力する。従って、撮像装置本体143は、スマートデバイス142との間で無線通信が行われることで、スマートデバイス142によって制御される。
二次記憶部152は、計測プログラム及び要因記憶プログラム107を記憶している。CPU148は、二次記憶部152から計測プログラム及び要因記憶プログラム107を読み出して一次記憶部150に展開し、計測プログラム及び要因記憶プログラム107を実行することで、本開示の技術に係る導出部100A及び出力部100Bとして動作する。例えば、CPU148が計測プログラムを実行することで、上記各実施形態で説明した計測処理が実現され、CPU148が要因記憶プログラム107を実行することで、上記第1実施形態で説明した要因記憶処理が実現される。
以上説明したように、測距装置10Cでは、CPU148により、複数の距離の各々が仮計測される毎に、仮画像内照射位置と、仮画像内照射位置に対応するレーザ光で仮計測された距離とが対応付けられた位置・距離対応情報が求められる。そして、スマートデバイス142のCPU148により、求められた位置・距離対応情報に基づいて本画像内照射位置が導出される。従って、測距装置10Cによれば、仮計測及び仮撮像を行うことなく本計測及び本撮像を行う場合に比べ、本画像内照射位置を高精度に導出することができる。
また、測距装置10Cによれば、撮像装置140によって測距処理及び照射位置調整処理が実行される場合に比べ、上記各実施形態で説明した効果を得るにあたって、撮像装置140にかかる負荷を軽減することができる。
また、上記各実施形態では、プログラムを二次記憶部104(152)から読み出す場合を例示したが、必ずしも最初から二次記憶部104(152)に記憶させておく必要はない。例えば、図28に示すように、SSD(Solid State Drive)又はUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの任意の可搬型の記憶媒体500に先ずはプログラムを記憶させておいてもよい。この場合、記憶媒体500に記憶されているプログラムが測距装置10A(10B,10C)にインストールされ、インストールされたプログラムがCPU100(148)によって実行される。
また、通信網(図示省略)を介して測距装置10A(10B,10C)に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部にプログラムを記憶させておき、プログラムが測距装置10A(10B,10C)の要求に応じてダウンロードされるようにしてもよい。この場合、ダウンロードされたプログラムがCPU100(148)によって実行される。
また、上記各実施形態では、本画像、仮画像、距離、区域の長さ、誤差、本画像内照射位置、及び仮計測・仮撮像案内画面112等の各種情報が表示部86(154)に表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、測距装置10A(10B,10C)に接続して使用される外部装置の表示部に各種情報が表示されるようにしてもよい。外部装置の一例としては、パーソナル・コンピュータ、又は眼鏡型若しくは腕時計型のウェアラブル端末装置が挙げられる。
また、上記各実施形態では、各種情報が表示部86(154)により可視表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、音声再生装置による音声の出力等の可聴表示、又は、プリンタによる印刷物の出力等の永久可視表示を可視表示に代えて行ってもよいし、可視表示、可聴表示、及び永久可視表示の少なくとも2つを併用してもよい。
また、上記各実施形態では、照射位置調整推奨画面110及び仮計測・仮撮像案内画面112等の各種画面の他に、距離、照射位置目印116、区域の長さ、誤差が表示部86(154)に表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、各種画面が表示部86(154)と異なる表示部(図示省略)に表示されるようにし、距離、区域の長さ、誤差、及び照射位置目印116が表示部86(154)に表示されるようにしてもよい。また、照射位置調整推奨画面110及び仮計測・仮撮像案内画面112等の各種画面の各々が表示部86(154)を含めた複数の表示部に個別に表示されるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、測距用の光としてレーザ光を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、指向性のある光である指向性光であればよい。例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)又はスーパールミネッセントダイオード(SLD:Super Luminescent Diode)等により得られる指向性光であってもよい。指向性光が有する指向性は、レーザ光が有する指向性と同程度の指向性であることが好ましく、例えば、数メートルから数キロメートルの範囲内における測距で使用可能な指向性であることが好ましい。
また、上記各実施形態で説明した要因記憶処理(図11)及び計測処理(例えば、図12〜図14参照)はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。また、要因記憶処理及び計測処理に含まれる各処理は、ASIC等のハードウェア構成のみで実現されてもよいし、コンピュータを利用したソフトウェア構成とハードウェア構成との組み合わせで実現されてもよい。
また、上記第1実施形態では、測距系機能による計測可能範囲において、本計測されて得られた距離が位置・距離対応情報から特定される距離の範囲外であるか否かを示す情報が表示されない場合について例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、図29に示すように、計測可能範囲が対応情報距離範囲(本開示の技術に係る位置距離対応関係により特定される距離の範囲の一例)内であるか否かがCPU100により判定され、判定結果が表示部86に表示されるようにしてもよい。
この場合、一例として図29に示すように、計測可能範囲は、対応情報距離範囲内及び対応情報距離範囲外に類別される。ここで、対応情報距離範囲内とは、ステップ318の処理が実行されることで生成された最新の位置・距離対応情報から特定される距離の範囲内を指す。これに対し、対応情報距離範囲外とは、ステップ318の処理が実行されることで生成された最新の位置・距離対応情報から特定される距離の範囲外を指す。
対応情報距離範囲外は、第1対応情報距離範囲外と第2対応情報距離範囲外に類別される。最新の位置・距離対応情報から特定される距離D1,D2,D3の大小関係が“D1<D2<D3”の場合、対応情報距離範囲及び対応情報距離範囲外は、次のように定義される。
すなわち、図29に示す例において、対応情報距離範囲内とは、距離D1以上、かつ、距離D3以下の範囲を指す。第1対応情報距離範囲外とは、距離D1未満の範囲を指す。第2対応情報距離範囲外とは、距離D3を超えた範囲を指す。なお、対応情報距離範囲外は、本開示の技術に係る「位置距離対応関係により特定される距離の範囲外」の一例である。
そして、CPU100により、ステップ214又はステップ236で本計測が実行されて得られた距離が対応情報距離範囲外の場合は、一例として図30に示すように、表示部86に対して警告・推奨メッセージ120を本画像に重畳して表示させてもよい。従って、測距装置10Aによれば、本画像内照射位置の精度の低下の抑制に供する処理を行わない場合に比べ、本画像内照射位置の精度を高めることができる。
なお、CPU100は、本開示の技術に係る実行部の一例である。本開示の技術に係る実行部は、本計測で得られた距離が本開示の技術に係る位置距離対応関係を示す情報の一例である位置・距離対応情報により特定される距離の範囲外の場合に、本画像内照射位置の精度の低下の抑制に供する処理として予め定められた処理を実行する。
警告・推奨メッセージ120は、照射位置目印116の位置に相当する実空間上の位置にレーザ光が照射されていない可能性が高いことを警告し、かつ、照射位置導出用データ取得処理の実行をユーザに推奨するためのメッセージである。なお、警告・推奨メッセージ120は、本開示の技術に係る「画像内照射位置の精度の低下の抑制に供する処理として予め定められた処理」の一例である。
図30に示す例では、警告・推奨メッセージ120に、「照射位置目印は精度(信頼性)が低いです。」という警告メッセージが含まれる。また、図19に示す例では、警告・推奨メッセージ120に、「○○メートル〜△△メートルの範囲で仮計測・仮撮像をお奨めします。」という推奨メッセージが含まれている。
ここで、推奨メッセージに含まれる「○○メートル〜△△メートルの範囲」は、第1対応情報距離範囲外に対応する範囲又は第2対応情報距離範囲外に対応する範囲である。すなわち、ステップ214又はステップ236で本計測が実行されて得られた距離が第1対応情報距離範囲外の場合、第1対応情報距離範囲外の既定の範囲が採用される。また、ステップ214又はステップ236で本計測が実行されて得られた距離が第2対応情報距離範囲外の場合、第2対応情報距離範囲外の既定の範囲が採用される。
既定の範囲とは、ステップ214又はステップ236で本計測が実行されて得られた距離と対応情報距離範囲との関係に基づいて仮計測で推奨される距離の範囲を指す。例えば、既定の範囲とは、ステップ214又はステップ236で本計測が実行されて得られた距離と対応情報距離範囲内の特定の値との乖離度に応じて予め定められたテーブル又は演算式から一意に求まる範囲を指す。対応情報距離範囲内の特定の値は、対応情報距離範囲内の中央値又は平均値等であってもよい。また、第1対応情報距離範囲外の既定の範囲は、例えば、図29に示す距離D2とステップ214又はステップ236で本計測が実行されて得られた距離との差分に応じて一意に求まる範囲であってもよい。また、第2対応情報距離範囲外の既定の範囲は、例えば、図29に示す距離D2とステップ214又はステップ236で本計測が実行されて得られた距離との差分に応じて一意に求まる範囲であってもよい。また、「既定の範囲」ではなく、「既定の複数の距離」であってもよい。既定の複数の距離としては、例えば、上記のように求めた既定の範囲内での等間隔に離れた3つ以上の距離が挙げられ、仮計測で推奨される複数の距離であればよい。
なお、ここでは、警告・推奨メッセージ120が表示部86に可視表示されることでユーザに提示されるが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、測距装置10Aに搭載されている音声再生装置(図示省略)がメッセージを音声で出力することでユーザに提示するようにしてもよいし、可視表示及び可聴表示の両方が行われるようにしてもよい。
また、上記第2実施形態では、測距系機能による計測可能範囲において、本計測されて得られた距離が位置・距離対応情報から特定される距離の範囲外であるか否かを示す情報が表示されない場合について例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。この場合も、図29と同様に、例えば、図31に示すように、計測可能範囲が対応情報距離範囲内及び対応情報距離範囲外とに類別される。
図31に示す例において、対応情報距離範囲内とは、最新の位置・距離対応情報により特定される距離の範囲内を指す。これに対し、対応情報距離範囲外とは、最新の位置・距離対応情報により特定される距離外を指す。対応情報距離範囲外は、第1対応情報距離範囲外と第2対応情報距離範囲外とに類別される。
例えば、図31に示す例において、第1対応情報距離範囲外とは、最新の位置・距離対応情報により特定される距離の最小値未満の範囲を指す。また、例えば、図31に示す例において、第2対応情報距離範囲外とは、最新の位置・距離対応情報により特定される距離の最大値を超えた範囲を指す。
図31に示す例では、ステップ214又はステップ236で本計測が実行されて得られた距離が第2対応情報距離範囲外に属する場合が示されている。従って、図31に示すように、ステップ214又はステップ236で本計測が実行されて得られた距離が第2対応情報距離範囲外に属する場合、一例として図30に示すように、警告・推奨メッセージ120が表示部86に表示される。従って、測距装置10Bによれば、本画像内照射位置の精度の低下の抑制に供する処理を行わない場合に比べ、本画像内照射位置の精度を高めることができる。
なお、ステップ214又はステップ236で本計測が実行されて得られた距離が対応情報距離範囲内に属する場合、警告・推奨メッセージ120は表示部86に表示されない。
また、図30に示す例では、警告メッセージ及び推奨メッセージの両方が表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、警告メッセージ及び推奨メッセージのうちの警告メッセージのみが表示されるようにしてもよい。
また、図30に示す例では、本計測が実行されて得られた距離が対応情報距離範囲外であっても照射位置目印116が表示されるが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、本計測が実行されて得られた距離が第1対応情報距離範囲外の距離の場合、本計測が実行されて得られた距離と対応情報距離範囲内に含まれる最小の距離との差が閾値以上の場合に照射位置目印116が表示されないようにしてもよい。また、例えば、本計測が実行されて得られた距離が第2対応情報距離範囲外の距離の場合、本計測が実行されて得られた距離と対応情報距離範囲内に含まれる最大の距離との差が閾値以上の場合に照射位置目印116が表示されないようにしてもよい。本構成によれば、本計測が実行されて得られた距離と対応情報距離範囲内に含まれる距離との差が閾値以上であっても照射位置目印116が表示される場合に比べ、精度の低い照射位置目印116がユーザによって参照されることを抑制することができる。
上記各実施形態では、本画像内照射位置と区域の長さとをCPU100(148)によって導出される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、本画像内照射位置と区域の長さとの一方がCPU100によって導出され、他方が別のCPU(図示省略)によって導出されるようにしてもよい。例えば、図13に示す計測処理のステップ240,258の処理は、同一のCPU100によって実行されるが、ステップ240の処理がCPU100以外のCPUによって実行され、ステップ258の処理がCPU100によって実行されるようにしてもよい。
なお、2015年9月28日に出願された日本国特許出願2015−190354号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
被写体を示す被写体像を撮像する撮像部と、
指向性のある光である指向性光を被写体に射出し、指向性光の反射光を受光することにより被写体までの距離を計測する計測部と、
撮像部により撮像されて得られた撮像画像内の、指向性光による被写体に対する照射位置に相当する位置として導出された画像内照射位置に関連させた複数画素の間隔に対応する実空間領域の寸法を、計測部により計測された距離、間隔、及び撮像部での焦点距離に基づいて導出する導出部と、
画像内照射位置に影響を及ぼす要因として想定された想定要因と導出部による導出精度との第1対応関係に基づいて、実際に存在する要因に対応する導出精度を導出し、導出した導出精度に基づく情報を出力する出力部と、
を含む測距装置。
(付記2)
被写体を示す被写体像を撮像する撮像部と、
指向性のある光である指向性光を被写体に射出し、指向性光の反射光を受光することにより被写体までの距離を計測する計測部と、
撮像部により撮像されて得られた撮像画像内の、指向性光による被写体に対する照射位置に相当する画像内照射位置を、計測部により計測された距離に基づいて導出する導出部と、
画像内照射位置に影響を及ぼす要因として想定された想定要因と導出部による導出精度との第1対応関係に基づいて、実際に存在する要因に対応する導出精度を導出し、導出した導出精度に基づく情報を出力する出力部と、
を含む測距装置。