JP6493899B1 - 抗ウイルス剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな抗ウイルス剤の提供。
【解決手段】カリン種子抽出物を有効成分とする抗ウイルス剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗ウイルス剤、特に抗ウイルス性遺伝子発現増強剤に関する。
細胞がウイルスに感染すると、様々なサイトカイン、ケモカイン等が産生され炎症反応を引き起こす。これらの中で特に重要なものは、インターフェロン(IFN)、特にI型インターフェロン(I型IFN)であり、ウイルス感染後の自然免疫応答に重要な役割を果たしている。ウイルス感染によって分泌されたIFNは、近傍のまだウイルス感染を受けていない細胞のIFN受容体に結合して、JAK−STAT経路を介して抗ウイルス活性をもつタンパク質の発現誘導を行い、細胞にウイルス抵抗性の性質を誘起する。
I型IFNによって発現誘導を受けるタンパク質の一つにMxタンパク質がある。Mxタンパク質はインフルエンザウイルスや水泡口内炎ウイルス等に抵抗性を示すことが知られており、中でもMx1遺伝子はIFN誘導性タンパク質としてRNAウイルスの増殖を抑制する遺伝子である(非特許文献1)。
また、I型IFNの産生は転写レベルで厳密に制御されており、ここにはIRFファミリー転写因子が必須の役割を果たしている。中でもIRF3とIRF7は、IFNα遺伝子あるいはIFNβ遺伝子の転写誘導に深く関与している(非特許文献2〜4)。
また、IFIT2及びIFIT4は、インターフェロン誘発タンパク質として知られているタンパク質である(非特許文献2〜4)。
一方、植物由来の抗ウイルス剤としては、カリン抽出物を有効成分とする抗インフルエンザウイルス剤が知られている(特許文献1〜4)。
国際公開第2011/036883号 特開2012−229178号公報 特開2013−87101号公報 特開2013−87102号公報
Trends in Microbiology, March 2015, Vol.23, No.3, p154-163 蛋白質・核酸・酵素 Vol.53, No.10, P1231-1238(2008) Immunity 25, p349-360, September 2006 Genes and Immunity(2011)12, p399-414
前記のようにインターフェロンは、ウイルス感染症に対して優れた治療作用を有し、実際にC型肝炎治療薬、B型肝炎治療薬として広く用いられている。しかし、インターフェロン製剤は、タンパク製剤であるために副作用が発生している。
従って、本発明の課題は、安全性が高い、インターフェロン誘導を介した新たな抗ウイルス剤を提供することにある。
そこで、本発明者は、新たなインターフェロン誘発を介した抗ウイルス剤を開発すべく種々検討したところ、前記特許文献1〜4に記載されているようなカリン果実抽出物にはインターフェロン関連遺伝子の発現を増強させる作用がほとんどないにもかかわらず、全く意外にも、カリン種子抽出物がインターフェロン誘発性遺伝子の発現を増強する作用を有し、優れた抗ウイルス剤として有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔6〕を提供するものである。
〔1〕カリン種子抽出物を有効成分とする抗ウイルス剤。
〔2〕カリン種子抽出物が、カリン種子エタノール抽出物である〔1〕記載の抗ウイルス剤。
〔3〕抗ウイルス剤が、抗ウイルス薬又は抗ウイルス用食品組成物である〔1〕又は〔2〕記載の抗ウイルス剤。
〔4〕カリン種子抽出物を有効成分とする抗ウイルス性遺伝子発現増強剤。
〔5〕カリン種子抽出物が、カリン種子エタノール抽出物である〔4〕記載の抗ウイルス性遺伝子発現増強剤。
〔6〕抗ウイルス性遺伝子発現増強剤が、抗ウイルス性遺伝子発現増強薬又は抗ウイルス性遺伝子発現増強用食品組成物である〔4〕又は〔5〕記載の抗ウイルス性遺伝子発現増強剤。
本発明の抗ウイルス剤及び抗ウイルス性遺伝子発現増強剤は、インターフェロン誘発に関与する種々の遺伝子の発現を増強させる作用を有し、種々のウイルス感染性疾患の治療薬及び食品組成物として有用である。
炎症を誘導したHaCaT細胞に各抽出物で処理を行った際のインターフェロン関連遺伝子の相対発現量を示す。垂線は標準誤差(n=3)。NC,対照群;PC,炎症誘導群;CqSE,カリン種子抽出物固形分溶液(1%(w/v));CqFE,カリン果肉抽出物固形分溶液(1%(w/v)) マイクロアレイ解析による遺伝子発現量を示す(マイクロアレイ)(値はPCに対する発現量比で示している)。
本発明の抗ウイルス剤及び抗ウイルス性遺伝子発現増強剤の有効成分は、カリン種子抽出物である。
特許文献1〜4には、カリン果実抽出物に抗ウイルス作用があることは記載されているが、カリン種子抽出物に抗ウイルス作用があることは全く記載されていない。また、特許文献1〜4のいずれにも、カリン抽出物がインターフェロン誘発性遺伝子にどのような作用をするのかについても全く記載されていない。
カリン(Pseudocydonia sinensis)は、バラ科の落葉高木である。本発明ではカリンの果実ではなく、カリンの種子を使用する。カリンの種子は、カリン果実の中央部に存在する。カリンの種子としては、果実が熟したカリンの種子を用いるのが好ましい。
抽出溶媒としては、有機溶媒及び/又は水が挙げられる。有機溶媒としては、アルコール類、アセトン、アセトニトリル等の親水性有機溶媒が好ましく、アルコール類がより好ましい。アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられるが、低級アルコールが好ましく、エタノールが特に好ましい。また、エタノール等の親水性有機溶媒は、水と混合して用いることができ、その混合比率(質量比率)は親水性有機溶媒(エタノール等):水=5:95〜95:5が好ましく、特に30:70〜70:30がより好ましい。また、水により抽出する場合は室温又は熱水(50〜100℃)抽出するのがより好ましい。使用する溶媒の量は、カリン種子の質量の10〜100質量倍が好ましい。
抽出にあたっては、カリンの種子から溶媒で直接抽出することもできるが、種子の乾燥物を粉砕し、当該粉砕物から抽出するのが好ましい。抽出方法としては、常温又は加温下で行えばよく、浸漬法、ソックスレー抽出器を用いる方法などが挙げられる。抽出後は、抽出物をそのまま用いてもよく、濃縮物、乾燥物として用いてもよい。
カリン種子抽出物は、後記実施例に示すように、インターフェロン誘発性Mxタンパク質の遺伝子やインターフェロン誘発性遺伝子であるIFIT2、IFIT3、IFIT4、IRF7等の遺伝子の発現を増強させる作用を有する。一方、カリン果実抽出物には、これらの遺伝子の発現を増強させる作用はほとんどない。
従って、カリン種子抽出物は、抗ウイルス剤、抗ウイルス性遺伝子発現増強剤として有用である。ここで、Mxタンパク質の抗ウイルス作用の対象となるウイルスとしては、種々の肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、コクサッキーウイルス、麻疹ウイルス、水胞性口炎ウイルス、レオウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ノロウイルス、ヘルペスウイルス等が挙げられる。
本発明の抗ウイルス剤及び抗ウイルス性遺伝子発現増強剤は、医薬品、医薬部外品、食品組成物、化粧品として使用することができる。また、食品組成物としては、特定保健用食品、機能性食品等が挙げられる。
医薬品、医薬部外品又は食品組成物とする場合には、賦形剤、安定剤、等張剤、崩壊剤、滑沢剤等を添加して、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、液剤等の経口投与用製剤とすることができる。また、医薬品、医薬部外品、化粧品とする場合には、植物油、脂肪酸類、高級アルコール、シリコーン類、界面活性成分、水溶性合成高分子、増粘成分、粉体成分、保湿成分、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽物、香料、金属キレート剤、pH調整剤などの公知の成分を含有させて、皮膚外用剤とすることができる。さらには、抗炎症成分、活性酸素消去成分、血行促進成分、美白成分あるいは、その他の公知の添加剤である有効成分を配合することもできる。ここで、皮膚外用剤の形態としては、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、液剤が挙げられる。
これらの医薬品、医薬部外品、食品組成物又は化粧品中のカリン種子抽出物の含有量は、0.001〜80質量%が好ましく、0.001〜50質量%がより好ましい。
本発明の抗ウイルス剤、抗ウイルス性遺伝子発現増強剤は、カリン種子抽出物の乾燥固形分量として、0.001mg〜100mgを1日1〜数回に分けて投与するのが好ましい。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
実施例1
カリン種子(信州産、毛涯かりん)の乾燥種子50gにエタノール200mLを加え室温で1週間浸漬抽出した。エタノール50mLで洗浄しながら濾過した。抽出液をエバポレータでエタノールを除去し、水に転溶後凍結乾燥してカリン種子抽出物の凍結乾燥粉末を得た。
試験に用いる際には、凍結乾燥粉末を1%(w/v)になるようにエタノールに溶解して用いた。
比較例1
カリン果実の果肉乾燥物(種子除去)50gを用いて、実施例1と同様にして、カリン果肉抽出物を得た。
実施例2
(試験方法)
ヒト皮膚角化細胞(HaCaT細胞)を用いて、以下の条件で試験をおこなった。
(細胞培養および抽出物による処理)
細胞は10%のウシ胎児血清(FBS)を含んだDMEM培地10mLをディッシュに入れ、37℃、5%CO2インキュベーター内でコンフルエントになるまで培養した。コンフルエントになった細胞は培地を全て吸い取り、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)5mLで一度洗浄してトリプシン処理をおこなった。トリプシン処理により細胞をディッシュから剥がし、4℃、10000rpmで5分間遠心した。上清を除き、ペレット化した細胞をDMEM培地に溶かし、再度10mLディッシュに植え付けて継代をおこなった。実験のために継代は2回おこなった。
継代し、コンフルエントとなった細胞は上記と同様の処理を行い、血球計算盤上でペレット化した細胞を溶かしたDMEM培地10μL中に含まれる細胞数をカウントし、全体の細胞数を計数した。細胞は2.5×105cells/mLの濃度で24ウェルプレートに植えつけ、ポアサイズ0.2μmの滅菌シリンジフィルターを通した各抽出物の1%(w/v)EtOH 溶液を添加し、37℃、5%CO2インキュベーターで24時間インキュベートした。コントロール区には同量のEtOHを添加した。24時間後に、炎症を誘導するためTNF−αを10μg/mLの濃度で10μLずつ添加し、37℃、5%CO2インキュベーターで6時間インキュベートした。炎症を誘導しない区には、同量の滅菌水を添加した。6時間インキュベート後培養液を吸い取り、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、TRI reagent試薬1mLを加えピペッティングにより細胞を剥がして回収した。
(培養細胞からのRNA調製)
使用する試薬は全てRNAグレードのものを使用した。細胞が溶解したTRI reagent試薬を5分間室温におき、200μLのクロロホルムを加えて15秒間手で激しくシェイクした。その後3分間室温に静置し、4℃、15000rpmで15分間遠心し、上清を400〜500μL回収した。回収した上清にイソプロピルアルコール500μLを加えて15秒間手で激しくシェイクし、10分間室温で静置し、4℃、15000rpmで15分間遠心した。イソプロピルアルコールを除いた後に75%EtOH/DEPC水を1mL加え、4℃、15000rpmで5分間遠心し、ピペットを用いて上清を完全に取り除いた。細胞のペレットは30μLのDEPC水に沈殿が見えなくなるまで溶解した。細胞懸濁液30μLのうち5μLを用いてRNA量を測定し、その残りでcDNAの合成をおこなった。
RNA量の測定は、分光光度計(GE healthcare Ultrospec 3300 pro)による吸光度測定によっておこなった。細胞懸濁液5μLにDPEC水95μLを加え、20倍希釈された100μLの測定用希釈サンプルを調製し、260nmおよび280nmでの吸光度を測定し、懸濁液中のRNA濃度を算出した。ゼロ合わせはDPEC水100μLによっておこなった。算出された濃度をもとに、吸光度測定に使用した細胞懸濁液の残りにDPEC水を加え、RNAサンプルが1μgとなるように調製した。
(RNAからのcDNA合成)
PCRチューブにRNAサンプル+DPEC水5.5μLと、10μMオリゴdT18プライマー0.5μL をそれぞれ分注して遠心でMixし、サーマルサイクラ―にセットして65℃で5分間加熱した。サンプルは一旦取り出して氷上で急冷し、軽く遠心した。別のエッペンチューブ1本に、1サンプルあたり5×First strand buffer 2.0μL、0.1M DTT 1.0μL、10mM dNTP Mix 0.5μLを氷冷しながら加え、遠心により混合した。ピペット操作によるロスを考慮し、サンプル数+1本分調製した。その後、サンプル数+1本分の逆転写酵素0.5μL(200U/L)を加え、サーマルサイクラ―で加温したチューブに4μLずつ分注し、遠心でMixした。チューブは再びサーマルサイクラ―にセットし、42℃で50分、75℃で15分加熱してRT反応をおこなった。プログラムが終了し、15℃の保温状態でサンプルを取り出した。
(RT−PCR解析)
PCR解析は、Eco Real Time PCRシステムにより行った。RT反応により調製したcDNAテンプレートをPCR用精製水で20倍希釈したものを調製した。エッペンチューブに、1反応あたり滅菌蒸留水を2.2μL、PCR Forward プライマー(10μL)を0.4μL、PCR Reverse プライマー(10μL)を0.4μL、SYBR Premix Ex Taq IIを5μL加え、PCRマスターミックスを調製した。プライマーはGAPDH、TARC、TNF−α、IL−11、IL−12 p35(IL−12A、NKSF1)、IL−12 p40(IL−12B、NKSF2)、Interferon regulatory factor 7(IRF7)、Interferon−induced GTP−binding protein(MX1、MxA)、Interferon induced protein 44(IFI44)、Interferon induced protein with tetratricopeptide repeats 2(IFIT2)、Interferon induced transmembrane protein 3(IFITM3)についてのものを使用した。また、1つのターゲットの反応あたり3点設定した。マスターミックスは各ターゲットごとに必要量+1反応分程度調製した。専用の48ウェル反応プレートにターゲットの配置を決め、区画ごとに3点分のマスターミックス8μLとcDNAテンプレート2.0μLを分注した。プレートはシーラーで完全にシールし、卓上プレート遠心にかけ、サンプルをウェルの底に落とした。Eco ソフトウェアを起動し、Application Option(Quantification)、Detection Chemistry(DNA Binding dye)、Starting Material(DNA)、Quantification Material(Relative Quantification)を選択し、サーマルプロファイルの入力でPCR Cycleの項目を設定した。プレートレイアウトでサンプルを配置した通りに測定項目とサンプル項目の両方を入力した。測定項目のGAPDHはReference指定とした。機器にシーラーでシールした48ウェル反応プレートを設置し、リッドをしっかりと閉め、Runボタンにより反応をスタートさせた。各遺伝子の発現量は、GAPDHに対する相対発現量で表した。
結果を図1に示す。図1より、カリン果肉抽出物に比べて、カリン種子抽出物は、Mx1、IRF7、IFIT2、IFIT3及びIFIT4遺伝子の発現量を顕著に増強することがわかる。
実施例3
(試験方法)
In vivo系における活性試験を、Nc/Ngaマウスを用いて次のように実施した。
(抽出液の塗布処理)
Nc/Ngaマウスをコントロール群、対照群、マルメロ種子抽出溶液で処理した試験群、カリン種子抽出溶液で処理した試験群の4つの群に各2匹ずつ振り分け、個別飼いで2週間の塗布試験を行った。皮膚炎誘導は上記の操作を行い、2週目の塗布試験時に、ビオスタADを塗る直前に対照群にはEtOH 100μL、試験群には各試料をそれぞれ100μL均一に塗布した。塗布試験終了後の翌日にマウスの皮膚を約5mm平方の大きさに切り取り、すぐに1mLのTRI reagentに浸して細断し、細胞を溶解させた。その後、RNA抽出を行うまで−80℃で保存した。
(皮膚組織からのRNA調製)
使用する試薬は全てRNAグレードのものを使用した。細胞が溶解したTRI reagent試薬を5分間室温におき、200μLのクロロホルムを加えて15秒間手で激しくシェイクした。その後3分間室温に静置し、4℃、15000rpmで15分間遠心し、上清を400〜500μL回収した。回収した上清にイソプロピルアルコール500μLを加えて15秒間手で激しくシェイクし、10分間室温で静置し、4℃、15000rpmで15分間遠心した。イソプロピルアルコールを除いた後に75%EtOH/DEPC水を1mL加え、4℃、15000rpmで5分間遠心し、ピペットを用いて上清を完全に取り除いた。細胞のペレットは30μLのDEPC水に沈殿が見えなくなるまで溶解した。細胞懸濁液30μLのうち5μLを用いてRNA量を測定し、その残りでcDNAの合成をおこなった。
RNA量の測定は、分光光度計(GE healthcare Ultrospec 3300 pro)による吸光度測定によっておこなった。細胞懸濁液5μLにDPEC水95μLを加え、20倍希釈された100μLの測定用希釈サンプルを調製し、260nmおよび280nmでの吸光度を測定し、懸濁液中のRNA濃度を算出した。ゼロ合わせはDPEC水100μLによっておこなった。算出された濃度をもとに、吸光度測定に使用した細胞懸濁液の残りにDPEC水を加え、RNAサンプルが1μgとなるように調製した。
調製したRNAサンプルを、RNeasy MinElureTM Cleanupを用いてマイクロアレイ解析用RNAに精製した。まず、RNAサンプルを100μLのRNase−free Waterに溶解し、350μLのRLTバッファーを加えた。その後,250μLのエタノールを加え、ピペッティングでよく混合した。次に、Collection Tube(2mL)にRNeasy MinElute Spin Columnをセットし、500μLのエタノール添加RPEバッファーを分注して蓋をし、10000rpmで15秒間遠心した。RNeasy MinElute Spin Columnを新しいCollection Tubes(2mL)にセットし、再度500μLのエタノール添加RPEバッファーを分注して蓋をし、10000rpmで15秒間遠心した。洗浄後のエタノール添加RPEバッファーは廃棄した。同様の作業を80%エタノールに変更して行い、10000rpmで2分間遠心した。その後、再度RNeasy MinElute Spin Columnを新しいCollection Tubes(2mL)にセットして15000rpmで5分間遠心を行い、エタノールを完全に除去した。最後に、RNeasy MinElute Spin Columnを新しいCollection Tubes(1.5mL)にセットし、16μLのRNase−free waterをspin colimnのメンブレンの中央部に分注して蓋をし、15000rpmで1分間遠心を行った。精製されたRNA懸濁液から1μLを用いてRNA濃度の測定を行った。RNA懸濁液は99μLの10mM Tris−HClで100倍に希釈した後,分光光度計(GE healthcare Ultrospec 3300 pro)による吸光度測定をおこなった。260nmおよび280nmでの吸光度を測定し、懸濁液中のRNA濃度を算出した。精製されたRNA懸濁液が入った1.5mLチューブをパラフィルムで密閉し、三菱レイヨン株式会社に解析を委託した。
結果を図2に示す。図2より、カリン種子抽出物は、Mx1、IRF7、IFIT2、IFIT3及びIFIT4遺伝子の発現量を顕著に増強することが判明した。

Claims (6)

  1. カリン種子抽出物を有効成分とする抗ウイルス剤。
  2. カリン種子抽出物が、カリン種子エタノール抽出物である請求項1記載の抗ウイルス剤。
  3. 抗ウイルス剤が、抗ウイルス薬又は抗ウイルス用食品組成物である請求項1又は2記載の抗ウイルス剤。
  4. カリン種子抽出物を有効成分とする抗ウイルス性遺伝子発現増強剤。
  5. カリン種子抽出物が、カリン種子エタノール抽出物である請求項4記載の抗ウイルス性遺伝子発現増強剤。
  6. 抗ウイルス性遺伝子発現増強剤が、抗ウイルス性遺伝子発現増強薬又は抗ウイルス性遺伝子発現増強用食品組成物である請求項4又は5記載の抗ウイルス性遺伝子発現増強剤
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