JP6493779B2 - 89Zrの標識方法 - Google Patents

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本発明は、89Zrの標識方法、及び89Zrの標識装置に関する。
例えば、病院等でのPET検査(ポジトロン断層撮影検査)等に使用される放射性薬剤を生成するための放射性同位元素(RI)として、ジルコニウム(89Zr)が用いられる場合がある。89Zrを用いて放射性薬剤を生成する場合、89Zrを抗体と結合させることによって89Zrを標識する。このような89Zrの標識方法が、特許文献1に開示されている。特許文献1では、精製した89Zrをシュウ酸水溶液で溶解させ、pH調整を行った後に、89Zrを抗体と結合させることによって89Zrを標識する。
特表2013−510093号公報
ここで、シュウ酸は医薬用外劇物であるため、89Zrを溶解させたシュウ酸水溶液から89Zrを分離させる必要が生じる。上述の特許文献1では、カラムを用いることによってシュウ酸と89Zrとを分離しているが、その分、作業が煩雑になるという問題がある。一方、89Zr以外の金属RIの溶解液は無害な物質である塩化物塩の溶液、例えば希塩酸溶液が用いられている。しかしながら、塩化物塩の溶液を89Zrに適用することはできないという問題がある。これは、89Zrの塩化物塩溶液を用いた場合、89Zr同士がクラスターを作り、89Zrと抗体との反応性が落ちるためである。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、容易に89Zrを標識することができる89Zrの標識方法、及び89Zrの標識装置を提供することを目的とする。
ここで、本発明の発明者らは、鋭意研究の結果、炭酸塩水溶液によって89Zrを溶解させた場合には、炭酸イオンが無害であるにも関わらず、89Zrと抗体を結合させることができる、標識抗体を生成できることを見出すに至った。
そこで、本発明に係る89Zrの標識方法は、89Zrを抗体と結合させることによって89Zrを標識する標識方法であって、炭酸塩水溶液によって89Zrを溶解させる溶解工程と、89Zrが溶解した炭酸塩水溶液と抗体とを混合することによって標識抗体を生成する標識抗体生成工程と、を備える。
また、本発明に係る89Zrの標識装置は、89Zrを抗体と結合させることによって89Zrを標識する標識装置であって、炭酸塩水溶液によって89Zrを溶解させる溶解部と、89Zrが溶解した炭酸塩水溶液と抗体とを混合することによって標識抗体を生成する標識抗体生成部と、を備える。
本発明に係る89Zrの標識方法及び89Zrの標識装置によれば、弱塩基性の炭酸塩水溶液を用いて89Zrを溶解させるため、溶解後に溶液のpH調整を行う作業を不要とすることができる。また、炭酸イオンは無害な物質であるため、標識抗体を生成した後に、有害なシュウ酸を用いる時のように水溶液から標識抗体を分離させる作業を不要とすることができる。以上によって、容易に89Zrを標識することができる。
本発明によれば、容易に89Zrを標識することができる。
本発明の実施形態に係る89Zrの標識装置を示している。 (a)は本発明の実施形態に係る89Zrの標識方法を示し、(b)は比較例に係る89Zrの標識方法を示している。 実施例に係る実験結果を示す写真である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る89Zrの標識装置を示している。図1に示すように、標識装置1は、89Zrが収容される第1の容器(溶解部)2と、炭酸塩水溶液が収容される第2の容器(炭酸塩水溶液収容部)3と、抗体溶液が収容される第3の容器(抗体溶液収容部)4と、89Zrと抗体溶液を混合する混合槽(標識抗体生成部)5と、を備えている。
第1の容器2には、放射性同位元素(RI)として89Zrが収容される。この89Zrは、公知のRI製造装置(ターゲット装置)において、イットリウム(89Y)に荷電粒子線を照射することによって生成されたものであり、公知の精製装置において不純物を除去した後、不純物を除去された状態にて第1の容器2に収容される。第2の容器3には、89Zrを溶解させるための炭酸塩水溶液が収容されている。炭酸塩水溶液の溶質として、炭化水素ナトリウム溶液などが用いられる。この炭酸塩水溶液は、1〜3M程度の濃度に設定されている。また、炭酸水溶液のpHは、8.5程度である。
第2の容器3の炭酸塩水溶液は、ラインL1を介して第1の容器2に供給される。これによって、第1の容器2にて89Zrと炭酸塩水溶液が混合され、89Zrが炭酸塩水溶液に溶解する。このとき、第1の容器2は、炭酸塩水溶液によって89Zrを溶解させる溶解部として機能する。第1の容器2内の89Zrが溶解した炭酸塩水溶液は、ラインL2を介して混合槽5へ供給される。なお、第2の容器3に89Zrを供給することで89Zrを炭酸塩水溶液に溶解させてもよく、第1の容器2及び第2の容器3とは別の容器に89Zr及び炭酸塩水溶液を供給して混合してもよい。
第3の容器4には、89Zrと結合させるための抗体溶液が収容されている。抗体として、DFOのようなキレート部位を持つペプチド単位のものから、scFv、フルボディ抗体までが用いられる。第3の容器4の抗体溶液は、ラインL3及びラインL2を介して混合槽5へ供給される。
混合槽5では、ラインL2を介して供給された89Zrが溶解した炭酸塩水溶液と、ラインL3を介して供給された抗体溶液とが混合される。混合槽5での混合は、室温付近の環境下において、0.5〜2時間静置することによって行われる。
次に、89Zrの標識方法について説明する。まずは、本実施形態との比較を行うために、比較例に係る89Zrの標識方法について、図2(b)を参照して説明する。比較例に係る標識方法では、89Zrを溶解させる溶液として、シュウ酸水溶液が用いられる点で、本実施形態に係る標識方法と相違している。具体的には、シュウ酸水溶液によって89Zrを溶解させる工程が実行される(ステップS110)。これによって、89Zrが溶解したシュウ酸水溶液が得られる。
ここで、シュウ酸水溶液は強い酸性を示す水溶液であるため、アルカリ性の溶液を混合することでpHの調整を行ってpHを上げる必要がある。従って、ステップS110で得られた89Zrが溶解したシュウ酸のpH調整が行われる(ステップS120)。次に、89Zrが溶解したシュウ酸水溶液と抗体溶液とを混合することによって標識抗体を生成する工程が実行される(ステップS130)。この時、得られる標識抗体には、人体に有害な物質であるシュウ酸イオンが含まれた状態となっている。従って、当該シュウ酸を除去するために、脱塩カラム等を用いて脱塩処理が実行される(ステップS140)。当該脱塩処理によって、シュウ酸イオンが除去された状態の標識抗体を得ることができる。
次に、図2(a)を参照して、本実施形態に係る89Zrの標識方法について説明する。当該標識方法は、図1に示す標識装置1を用いて実行される。
まず、炭酸塩水溶液によって89Zrを溶解させる工程が実行される(ステップS10:溶解工程)。この工程では、図1に示す標識装置1において、89Zrが収容された第1の容器2に対して、第2の容器3からラインL1を介して炭酸塩水溶液が供給される。これによって、89Zrが溶解した炭酸塩水溶液が得られる。
次に、ステップS10で得られた89Zrが溶解した炭酸塩水溶液と抗体溶液とを混合することによって標識抗体を生成する工程が実行される(ステップS20:標識抗体生成工程)。この工程では、図1に示す標識装置1において、混合槽5に対して第1の容器2からラインL2を介して89Zrが溶解した炭酸塩水溶液が供給されると共に、第3の容器4から抗体溶液が供給される。混合槽5では、89Zrが溶解した炭酸塩水溶液と抗体水溶液が混合された状態で所定の時間の間、静置される。これによって、標識抗体が得られる。なお、標識抗体には炭酸イオンが含まれているが、人体に影響がない物質であるため、当該炭酸イオンを含んだまま標識抗体を患者に投与してもよい。
以上のように、本実施形態に係る89Zrの標識方法及び89Zrの標識装置1によれば、弱塩基性の炭酸塩水溶液を用いて89Zrを溶解させるため、溶解後に溶液のpH調整を行う作業を不要とすることができる。また、炭酸イオンは無害な物質であるため、標識抗体を生成した後に、有害なシュウ酸水溶液を用いる時のように水溶液から標識抗体を分離させる作業を不要とすることができる。以上によって、容易に89Zrを標識することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
精製装置で得られた乾固後の89Zrを炭酸水素ナトリウム溶液(pH8強)で溶解させた。89Zrが溶解した炭酸水素ナトリウム溶液に対して、バッファー、及び0〜100μmol/LのDFOを添加し、室温で1時間のインキュベーション後に標識率を確認した。DFO単体に対する89Zrの標識率を図3(b)に示す。
[実施例2]
精製装置で得られた乾固後の89Zrを炭酸水素ナトリウム溶液(pH8強)で溶解させた。89Zrが溶解した炭酸水素ナトリウム溶液に対して、バッファー、及び0〜4mg/mLのDFO修飾抗体のゲンチジン酸溶液(放射線分解保護のため)を添加し、37℃で1時間のインキュベーション後に標識率を確認した。DFO修飾抗体に対する89Zrの標識率を図3(c)に示す。
[比較例1]
精製装置で得られた乾固後の89Zrをシュウ酸水溶液(2M炭酸ナトリウム水溶液でpH7程度に中和)で溶解させた。89Zrが溶解したシュウ酸水溶液に対して、バッファー、及び0〜100μmol/LのDFOを添加し、室温で1時間のインキュベーション後に標識率を確認した。DFO単体に対する89Zrの標識率を図3(a)に示す。
[評価]
図3においては、「始点」付近に存在している89Zrが抗体と結合していることを示し、「終点」付近に存在している89Zrが抗体と結合していないイオン状態であることを示す。図3(a)及び図3(b)から理解されるように、炭酸水素ナトリウム溶液を用いた場合であっても、シュウ酸水溶液を用いた場合と、DFO単体に対する反応性には大きな差は生じないことが確認される。また、図3(c)から、抗体1mg/mL以上の濃度で95%以上の89Zrが標識された。
以上より、炭酸水素ナトリウム溶液を用いても、比較例に係るシュウ酸水溶液を用いた場合と同等の結果を得ることができるため、シュウ酸水溶液に代えて炭酸水溶液を用いることが出来ることが確認された。従って、炭酸塩水溶液を用いることにより、シュウ酸水溶液を用いた場合から性能を低下させることなく、pH調整及び溶液から89Zrを除去する工程を行うことなく、標識抗体を生成できることが確認された。
1…標識装置、2…第1の容器(溶解部)、3…第2の容器、4…第3の容器、5…混合槽(標識抗体生成部)。

Claims (1)

  1. 89Zrを抗体と結合させることによって89Zrを標識する標識方法であって、
    炭酸塩水溶液によって前記89Zrを溶解させる溶解工程と、
    前記89Zrが溶解した前記炭酸塩水溶液と抗体とを混合することによって標識抗体を生成する標識抗体生成工程と、を備える89Zrの標識方法。
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