JP6492725B2 - 運用計画支援装置 - Google Patents
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Description
カーシェアリング車両の運用計画を立てる方法が記載されている。
、利用時刻または利用区間に偏りがあるユーザが行ったトリップからなる第一のトリップ群と、それ以外のユーザが行ったトリップからなる第二のトリップ群に分類する分類手段と、前記第一のトリップ群に基づいて、定期利用の対象時間帯である定期利用時間帯を決定する時間帯決定手段と、前記定期利用時間帯の開始時刻または終了時刻における、車両の最適配置台数を対象ステーションごとに決定する車両配置決定手段と、前記決定した最適配置台数と、前記第一のトリップ群に基づいて、定期利用者の候補を抽出する候補者抽出手段と、を有することを特徴とする。
特定の時間帯または特定の区間において車両を利用する傾向があるユーザが行ったトリップは、第一のトリップ群に分類され、それ以外のユーザが行ったトリップは、第二のトリップ群に分類される。分類は、例えばクラスタリング等によって行ってもよいし、他の方法を用いてもよい。
例えば、時間帯の幅を変更しながら、含まれるトリップ数の多い順に、所定の数の時間帯を決定してもよいし、単位時間あたりのトリップ数と閾値とを比較し、連続して閾値を超えている複数の単位時間をまとめ、定期利用時間帯としてもよい。もちろん、これ以外
の方法によって定期利用時間帯を決定してもよい。
第一の実施形態に係る運用計画装置について、システム構成図である図1を参照しながら説明する。第一の実施形態に係る運用計画装置は、カーシェアリングの利用履歴を記憶し、当該利用履歴に基づいて、定期的に利用をさせるユーザの候補を抽出する装置である。
本実施形態におけるカーシェアリングシステムは、ワンウェイ型のカーシェアリングシステムである。ワンウェイ型とは、車両の貸し出しを受けるステーションと、車両を返却するステーションが異なる、片道型のサービスである。このようなサービスにおいては、ステーション間の需要によって、車両の偏りが発生する場合がある。例えば、ステーションAからステーションBへ向かう需要よりも、ステーションBからステーションAへ向かう需要のほうが多い場合、時間の経過とともに車両がステーションAに集まってしまい、ステーションBにてサービスを提供できなくなってしまう。
そこで、カーシェアリングのユーザに車両を回送してもらうという考え方がある。例えば、ステーションAからステーションBに定期的に移動しているユーザがいる場合、当該ユーザに何らかのインセンティブ(例えば、利用料金の割引や優先的な予約権など)を与え、より積極的に利用させるという考え方である。
第一の実施形態に係る運用計画装置10は、利用履歴記憶部11、トリップ分類部12、対象時間帯決定部13、車両配置決定部14、候補者抽出部15、入出力部16からなる。
また、車両配置決定部14は、対象時間帯決定部13が決定した定期利用時間帯の前後における、ステーションごとの最適な車両の配置台数(以下、最適配置台数)を決定する手段である。
また、候補者抽出部15は、トリップ分類部12が分類したトリップ群と、車両配置決定部14が決定した最適配置台数に基づいて、定期利用の候補者を抽出する手段である。
各手段が実行する具体的な方法については後述する。
(1)利用履歴に基づいて、定期利用時間帯の候補を決定する
(2)非定期利用時間帯において、最適な運用ができるような車両の配置を決定する
(3)定期利用時間帯と非定期利用時間帯の境界時刻において、上記車両の配置を実現できるような走行をしてくれるであろうユーザを、定期利用者の候補として抽出する
このようにして抽出したユーザを定期利用者とすることで、非定期利用時間帯における車両運用の効率化を図ることができる。
図3は、利用履歴記憶部11に記憶される利用履歴テーブルの例である。利用履歴テーブルは、利用者と車両のID、貸し出しおよび返却場所(ステーション)、貸し出しおよび返却時刻が記録される。なお、記録されるレコードをトリップと称する。利用履歴テーブルは、ステーションに車両が返却されるたびに更新される。
なお、本実施形態では、利用履歴に記録されている全てのステーションを、車両配置の最適化の対象とする。
ステップS11およびS12は、定期利用時間帯を決定するステップである。まず、ステップS11で、トリップ分類部12が、利用履歴記憶部11に記憶された利用履歴テーブルに含まれるトリップを分類する。
本実施形態に係る運用計画装置は、利用履歴テーブルに記録されたトリップを、定期利用者の候補となるユーザが行ったトリップ群と、それ以外のユーザが行ったトリップ群に分類する。
一方、図5(B)は、ユーザAとは異なるユーザBが行ったトリップの回数を同様に示したヒストグラムである。図からもわかるように、ユーザBは、一日を通して特定の時間帯に車両を利用する傾向がないことがわかる。
を生成し、利用時刻が偏っているユーザが行ったトリップ群と、利用時刻が偏っていないユーザが行ったトリップ群に分類する。トリップの分類は、例えばクラスタリングなどによって行うことができるが、一日における利用時刻の偏りに基づいてトリップを分類することができれば、どのような方法を用いてもよい。
本実施形態では、両者を組み合わせ、利用時刻および利用区間の双方に偏りがあるユーザが行ったトリップの集合を第一のトリップ群とし、それ以外のユーザが行ったトリップの集合を第二のトリップ群とする。
このため、例えば、利用時刻に基づいて分類を行った結果と、利用区間に基づいて分類を行った結果を論理演算するようにしてもよい。
図6は、第一のトリップ群に含まれるトリップに対応する利用時間を表形式で表した図である。ここでは、時間帯を5分単位で分割するものとし、矩形が利用時間を表している(T1〜T6はトリップ)。
対象時間帯決定部13は、単位時間ごとにトリップの数を合計し、所定の閾値を超える時間帯を決定する。例えば、図6の例において、閾値を3とすると、8時10分から8時45分という時間帯を得ることができる。このようにして取得した時間帯が、定期利用時間帯の候補となる。
なお、閾値は、装置のオペレータが設定してもよいし、過去の実績に基づいて装置が自動的に設定するようにしてもよい。
また、定期利用時間帯の候補が近接している場合(例えば30分以内に二つ以上の時間帯が抽出された場合など)、結合してもよい。
この他にも、時間帯の幅と位置を変更しながら、当該時間帯に含まれるトリップの数を取得し、トリップの数が所定数以上である時間帯を、定期利用時間帯の候補としてもよい。
ステップS13では、車両配置決定部14が、対象の時間帯における、車両の最適な配置を決定する。本ステップで行う処理について詳しく説明する。
車両配置決定部14は、
(1)ステーションごとの駐車枠数
(2)ステーション間の移動需要
についての情報を事前に有しており、当該情報に基づいて処理を行う。
ステーションごとの駐車枠数とは、ステーションごとの、駐車可能なシェアリング車両
の最大台数を表す情報である。また、ステーション間の移動需要とは、過去の利用履歴に基づいて求められた情報であり、どのステーションからどのステーションへ、どの時間帯に移動需要があるかを表す情報である。移動需要は、例えば、ステーション間の移動件数を時間帯ごとに分類した情報であってもよい。
ここでは、説明を簡単にするために、図7のように、ステーションA,B,Cと、各ステーションを結ぶ二つの経路があった場合の例を挙げて説明する。以降、各ステーションを連結する経路をリンクと称する。
本実施形態では、最初のタイムステップを、定期時間帯から非定期時間帯に移行する時刻(すなわち、朝の定期利用時間帯が終わる時刻)とし、最後のタイムステップを、非定期時間帯から定期時間帯に移行する時刻(すなわち、夕方の定期利用時間帯が始まる時刻)とする。
また、変数間の関係は、数式で表すことができる。例えば、時刻0においてステーションAに存在する車両の総数は、次のタイムステップまでの間、ステーションAにとどまっている車両の数、すなわち符号103を経由して時刻1まで遷移する車両の数と、リンクABに流出した車両の数、すなわち符号104を経由して時刻1まで遷移する車両の数との合計となる。同様に、時刻1においてステーションA(ノード105)に存在する車両の数は、時刻0においてステーションAに存在し、次のタイムステップまでの間ステーションAにとどまっていた車両の数と、時刻0においてリンクABに存在し、時刻1までの間にステーションAに入ってきた車両数の合計となる。
(1)ある時刻において、あるステーションまたはリンクに存在している車両の台数
(2)ある時刻から次の時刻までの間に、ステーションまたはリンクを流出し、目的地である他のステーションへ向かった車両の台数
(3)ある時刻から次の時刻までの間に、ステーションを流出し、他のステーションまたはリンクに流入した車両の台数
ノードまたはリンクから流出した車両は、所定の時間後に他のノードまたはリンクに流入するため、これらを組み合わせることで、各時刻における、各ステーションおよびリンクに存在する車両の台数を、数式によって表すことができる。
ここでは、利用需要(例えば、「ステーションAからBに向かう需要が、8時台において車両3台ぶんある」という情報)に基づいて、各ステーションから出発する車両を定義する。利用需要は、タイムステップごとに具体的に定義してもよいが、所定の法則に基づいてユーザが到着するものと仮定してもよい。例えば、ポアソン分布に従ってユーザが到
着するものとしてもよいし、ランダムな時刻に到着するものとしてもよい。ここでは、利用需要から、具体的なユーザの到着時刻パターンを一つ生成し、用いるものとする。
最適解条件は、特定の値を最大化または最小化するものであり、当該特定の値を数式によって表現することができれば、どのようなものであってもよい。例えば、「非定期時間帯における車両貸し出し回数(サービス率)を最大にする」「売り上げを最大にする」「利益率(利益額)を最大にする」などである。
前述した複数の数式による最適化問題を数理計画法によって解くことにより、定期時間帯から非定期時間帯に移行する時刻、および、非定期時間帯から定期時間帯に移行する時刻において、各ステーションに配置すべき車両の台数(以下、最適配置パターン)を決定することができる。図9は、このようにして求めた最適配置パターンの例である。
なお、本例では、朝の定期利用時間帯が終わるタイミングと、夕の定期利用時間帯が始まるタイミングにおける最適配置台数を求めたが、最適配置台数を求めるタイミングはこれ以外であってもよい。例えば、朝の定期利用時間帯が始まるタイミングや、夕の定期利用時間帯が終わるタイミングを対象に加えてもよい。
まず、第一のトリップ群から、定期利用時間帯に一回以上の利用があるユーザを、ステーションごとに抽出する。例えば、定期利用時間帯が終了する際のステーションAの台数を調整する場合、定期利用時間帯に、ステーションAに到着した履歴があるユーザを抽出する。また、定期利用時間帯が始まる際のステーションAの台数を調整する場合、定期利用時間帯に、ステーションAから出発した履歴があるユーザを抽出する。
このように、インセンティブを与えることによって、ユーザが利用するステーションや利用時刻が変わることが見込まれる場合、これを考慮してユーザを抽出するようにしてもよい。
例えば、定期利用時間帯が終了する時刻Aにおいて、ステーションAに必要な車両台数が5台である場合、ユーザを最大5人抽出する。なお、ユーザの抽出数は、実績に応じて変化させることが好ましい。例えば、定期利用が無い場合において、時刻AにステーションAに車両が2台程度あることが過去のデータからわかっている場合、抽出するユーザを最大3人としてもよい。反対に、時刻AにステーションAに車両が5台程度あることが過去のデータからわかっている場合、ステーションAについてはユーザの抽出を省略してもよい。
第一の実施形態では、定期利用者の候補であるユーザを抽出することはできるが、抽出したユーザが実際に定期利用を行った場合に、車両配置がどのように変化するか、または、事業性にどのような影響を与えるかについての情報を得ることができなかった。
これに対し、第二の実施形態は、抽出した定期利用者の候補であるユーザが定期利用を行ったと仮定し、事業性についてのシミュレーションを行う実施形態である。
また、定期利用時間帯の候補が複数ある場合、シミュレーションは、当該候補ごとに実
行される。すなわち、定期利用者の候補のパターン数と、定期利用時間帯の候補のパターン数を乗じた回数だけシミュレーションが実行される。
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。
このため、ステップS11では、一週間単位といったように、大きな単位でトリップの分類を行うようにしてもよい。
また、実施形態の説明では、利用履歴に記録された全てのステーションを対象として処理を行ったが、対象のステーションを選択可能としてもよい。
11 利用履歴記憶部
12 トリップ分類部
13 対象時間帯決定部
14 車両配置決定部
15 候補者抽出部
16 入出力部
Claims (10)
- カーシェアリングシステムにおいて、定期的に同じ区間を利用させるためのインセンティブを与えるユーザである定期利用者の候補を抽出する運用計画支援装置であって、
ユーザが過去に車両を利用した際の、利用区間と利用時刻に関する情報を含むトリップの集合であるトリップ群を取得する利用履歴取得手段と、
前記トリップ群を、少なくとも利用時刻または利用区間のいずれか一つに偏りがあるユーザが行ったトリップからなる第一のトリップ群と、それ以外のユーザが行ったトリップからなる第二のトリップ群に分類する分類手段と、
前記第一のトリップ群に基づいて、定期利用の対象時間帯である定期利用時間帯を決定する時間帯決定手段と、
前記定期利用時間帯の開始時刻または終了時刻における、車両の最適配置台数を対象ステーションごとに決定する車両配置決定手段と、
前記決定した最適配置台数と、前記第一のトリップ群に基づいて、定期利用者の候補を抽出する候補者抽出手段と、
を有する、運用計画支援装置。 - 前記候補者抽出手段が抽出した候補者が、定期利用者となった場合のシミュレーションを行い、事業性を評価する値を算出するシミュレーション手段をさらに有する、
請求項1に記載の運用計画支援装置。 - 前記候補者抽出手段は、定期利用者の候補を複数パターン抽出し、
前記シミュレーション手段は、それぞれのパターンについてシミュレーションを行う、
請求項2に記載の運用計画支援装置。 - 前記時間帯決定手段は、定期利用時間帯を複数パターン決定し、
前記シミュレーション手段は、それぞれのパターンについてシミュレーションを行う、
請求項2または3に記載の運用計画支援装置。 - 前記事業性を評価する値は、利益率またはサービス率である、
請求項2から4のいずれかに記載の運用計画支援装置。 - 前記候補者抽出手段は、前記第一のトリップ群に含まれるトリップのうち、対象のトリ
ップが定期利用者によってなされた場合に、前記定期利用時間帯の開始時刻または終了時刻において、対象ステーションにおける車両の配置台数が前記最適配置台数に近くなるように、前記第一のトリップ群から対象のトリップを抽出し、当該トリップに対応するユーザを定期利用者の候補とする、
請求項1から5のいずれかに記載の運用計画支援装置。 - 前記候補者抽出手段は、対象のステーションにおいて候補者が複数いる場合に、利用頻度または利用確度に基づいて優先度付けを行う、
請求項1から6のいずれかに記載の運用計画支援装置。 - 前記時間帯決定手段は、前記第一のトリップ群に含まれるトリップであって、対象のステーションに発着するトリップを時間帯別に分類し、各時間帯に含まれるトリップの数に基づいて一つ以上の定期利用時間帯を決定し、前記車両配置決定手段および候補者抽出手段は、前記一つ以上の定期利用時間帯に対してそれぞれ処理を行う、
請求項1から7のいずれかに記載の運用計画支援装置。 - 前記車両配置決定手段は、車両の移動に関する制約条件と、予測される需要に関する制約条件によって定式化される最適化問題を解くことで、車両の最適配置台数を決定する、
請求項1から8のいずれかに記載の運用計画支援装置。 - カーシェアリングシステムにおいて、定期的に同じ区間を利用させるためのインセンティブを与えるユーザである定期利用者の候補を抽出する運用計画支援装置が行う方法であって、
ユーザが過去に車両を利用した際の、利用区間と利用時刻に関する情報を含むトリップの集合であるトリップ群を取得する利用履歴取得ステップと、
前記トリップ群を、少なくとも利用時刻または利用区間のいずれか一つに偏りがあるユーザが行ったトリップからなる第一のトリップ群と、それ以外のユーザが行ったトリップからなる第二のトリップ群に分類する分類ステップと、
前記第一のトリップ群に基づいて、定期利用の対象時間帯である定期利用時間帯を決定する時間帯決定ステップと、
前記定期利用時間帯の開始時刻または終了時刻における、車両の最適配置台数を対象ステーションごとに決定する車両配置決定ステップと、
前記決定した最適配置台数と、前記第一のトリップ群に基づいて、定期利用者の候補を抽出する候補者抽出ステップと、
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