以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.紙幣出金機の構成]
図1に模式的な側面図を示すように、第1の実施の形態による紙幣出金機1は、例えば金融機関等に設置され、利用者(すなわち金融機関の顧客)の操作に応じて紙幣を出金するようになっている。この紙幣出金機1は、大きく分けて下側の収納ユニット2及び上側の束搬送ユニット3により構成されており、さらに全体を制御する制御部4が組み込まれている。
制御部4は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、出金処理等の処理を行う。また制御部4は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。
以下では、紙幣出金機1のうち顧客が対峙する側を前側(すなわち正面側)とし、その反対を後側とし、正面側に対峙した顧客から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
収納ユニット2は、直方体状の収納筐体10内に、紙幣に関する種々の処理を行う複数の部分が組み込まれている。この収納筐体10内には、4個の紙幣収納庫11(11A、11B、11C及び11D)、搬送部13、鑑別部14、切替部15、集積部16及びリジェクト収納庫17が設けられている。
紙幣収納庫11(11A、11B、11C及び11D)は、収納筐体10の前面側における上下方向の中央から下側にかけて、互いに積み重なるように取り付けられている。各紙幣収納庫11は、上下方向に短く前後方向に長い扁平な直方体状に形成されており、その内部に、紙幣面を前後方向に向けて前後方向に沿って集積した状態で紙幣を収納する。また紙幣収納庫11の後側下部、すなわち束搬送ユニット3から遠い箇所には、収納されている紙幣を1枚ずつに分離して繰り出す繰出部12が設けられている。
各紙幣収納庫11は、収納筐体10に対し前方向へ引き抜かれることにより、当該収納筐体10から取り外すことができ、また当該収納筐体10に対し位置を合わせて後方向へ押し込まれることにより、当該収納筐体10に装着することができる。すなわち各紙幣収納庫11は、収納筐体10の前面から着脱可能に構成されている。また各紙幣収納庫11は、それぞれに収納される紙幣の金種が予め定められている。
搬送部13は、図示しないローラやベルト、或いはこれらを駆動するモータ等により、紙幣を搬送する経路である搬送路を構成している。この搬送路は、図中に実線で示すように、各紙幣収納庫11の繰出部12と接続され、各紙幣収納庫11の後側を上下方向に沿って進行し、さらに最も上方に位置する紙幣収納庫11Aの上側における前後方向の中央付近まで到達するように配設されている。搬送部13は、各紙幣収納庫11の繰出部12から繰り出された紙幣を概ね上方向へ進行させる。
鑑別部14は、搬送部13における紙幣収納庫11Aの後側部分に、搬送部13の搬送路に沿って、すなわち束搬送ユニット3へ近づく方向に沿って設けられている。すなわち鑑別部14は、束搬送ユニット3からの距離が紙幣収納庫11Aとほぼ同等となる箇所に設置されている。
この鑑別部14は、内部に厚みセンサやイメージセンサといった複数種類のセンサが組み込まれており、各センサから得られた情報を基に、搬送される紙幣の金種や走行状態等を鑑別し、その鑑別結果を制御部4へ供給する。制御部4は、得られた鑑別結果を基に、各紙幣の搬送先を決定する。具体的に制御部4は、出金すべき正常な紙幣の搬送先を集積部16に、出金すべきで無い紙幣(以下これをリジェクト紙幣と呼ぶ)の搬送先をリジェクト収納庫17に、それぞれ決定する。
切替部15は、紙幣収納庫11Aの上側における前後方向のほぼ中央に配置されており、制御部4の制御に基づき、紙幣に当接して進行方向を変化させるブレード(図中三角形で示す)の傾斜角度を変更することにより、紙幣の進行方向を切り替える。また切替部15は、搬送部13により、下側の鑑別部14、後側の集積部16及び前側のリジェクト収納庫17とそれぞれ接続されている。この切替部15は、下方から搬送されてきた紙幣それぞれの進行方向を、制御部4において決定された搬送先に応じて切り替え、後側の集積部16又は前側のリジェクト収納庫17へ進行させる。
集積部16は、収納筐体10内における最も上側の後側に位置しており、内部に紙幣を集積するための集積空間を形成している。この集積部16は、集積空間内に、上面に紙幣を集積するためのステージ16Tを有している。ステージ16Tは、上下方向に薄い板状に形成されており、前後方向の長さ及び左右方向の長さが、紙幣における短辺及び長辺の長さよりもそれぞれ長くなっている。
また集積部16における前側上寄りには、切替部15から搬送されてきた紙幣を集積空間内へ放出する放出部16Rが設けられている。このため集積部16は、切替部15から搬送され放出部16Rにより集積空間内へ放出された紙幣を、ステージ16T上に集積させることができる。このときステージ16T上に集積された紙幣は、束状に積み重ねられている。
さらにステージ16Tは、図示しないステージ移動機構により、上下方向へ移動することができる。また集積部16の上面には、上下方向に貫通する集積孔16Hが穿設されている。集積孔16Hの大きさは、ステージ16Tの大きさよりも僅かに大きくなっている。この集積孔16Hは、収納筐体10の上面も貫通しており、集積空間と収納筐体10よりも上側の束搬送ユニット3の内部とを連通させている。このため集積部16は、ステージ16Tに紙幣を集積した状態で当該ステージ16Tを上方へ移動させることにより、当該ステージ16T及び集積した紙幣の束(すなわち紙幣束)を収納筐体10の上面よりも上側の束搬送ユニット3の内部まで持ち上げることができる。
リジェクト収納庫17は、収納筐体10内における最も上側の前側に位置しており、内部に紙幣を収納する収納空間を形成している。この収納空間は、仕切板17Pにより前上側と後下側とに仕切られている。またリジェクト収納庫17における後側上寄りには、切替部15から搬送されてきた紙幣を収納空間内へ放出する放出部17Rが設けられている。このためリジェクト収納庫17は、切替部15から搬送され放出部17Rにより収納空間内へ放出された紙幣(すなわちリジェクト紙幣)を収納することができる。
またリジェクト収納庫17の上面には、上下方向に貫通する取込孔17Hが穿設されている。取込孔17Hの大きさは、集積部16の集積孔16Hの大きさと同程度となっている。さらに取込孔17Hは、収納筐体10の上面も貫通しており、収納空間と収納筐体10よりも上側の束搬送ユニット3の内部とを連通させている。このためリジェクト収納庫17は、上方の束搬送ユニット3の内部から紙幣が落下してきた場合、この紙幣を収納空間内に収納することができる。
さらにリジェクト収納庫17は、紙幣収納庫11と同様、収納筐体10に対し前方向へ引き抜かれることにより、当該収納筐体10から取り外すことができ、また当該収納筐体10に対し位置を合わせて後方向へ押し込まれることにより、当該収納筐体10に装着することができる。
一方、束搬送ユニット3は、全体として、上下方向に短く前後方向に長い、扁平な直方体状に形成されており、その前後方向の長さが収納ユニット2よりも長くなっている。束搬送ユニット3は、直方体状の束搬送筐体20内に、紙幣束を搬送するための種々の機構が設けられている。
束搬送筐体20の内部における上側部分には、上部ベルト21が設けられている。上部ベルト21は、束搬送筐体20内部の後端近傍の上側に配置された上部駆動ローラ22及び前端近傍の上側に配置された上部排出プーリ23の周囲に巻き回されており、上部駆動ローラ22が回転されることにより、前後方向に走行する。尚、説明の都合上、以下では、上部ベルト21における下面部分の走行方向を、当該上部ベルト21の走行方向と見なす。また、図中省略しているが、上部ベルト21は、図中奥側にもう1本設けられている。つまり、上部ベルト21は、左側に1本と右側に1本の計2本設けられていて、それぞれ同一方向に走行するようになっている。同様に、上部排出プーリ23も、図中奥側にもう1個設けられている。つまり、上部排出プーリ23も、左側に1個と右側に1個の計2個設けられていて、それぞれ、左側の上部ベルト21と、右側の上部ベルト21が巻き回されている。
束搬送筐体20における下面のうち、前後方向の中央付近から後側に渡る広い範囲には大孔部20Hが穿設されている。この大孔部20Hにおける後側部分は集積部16の集積孔16Hと連通し、前側部分はリジェクト収納庫17の取込孔17Hと連通している。つまり、大孔部20Hと集積孔16Hとを介して、束搬送ユニット3の内部と集積部16の集積空間とが繋がり、大孔部20Hと取込孔17Hとを介して、束搬送ユニット3の内部とリジェクト収納庫17の収納空間とが繋がるようになっている。
束搬送筐体20の内部における下側部分のうち、大孔部20Hの範囲内には、挟持搬送ガイド24が設けられている。挟持搬送ガイド24は、上下方向に薄い扁平な直方体状ないし板状に形成されており、その上面を上部ベルト21の下面と対向ないし当接させている。この挟持搬送ガイド24における前後方向の長さは、大孔部20Hの前後方向の長さよりも、集積部16の集積孔16Hの前後方向の長さ又はリジェクト収納庫17の取込孔17Hの前後方向の長さだけ短くなっている。
また、挟持搬送ガイド24は、図示しない移動機構により、大孔部20Hの範囲内で前後方向へ移動することができる。例えば挟持搬送ガイド24は、前側に移動した場合、大孔部20Hのうち、集積部16の集積孔16Hと対向する後側の範囲を開放するとともに、リジェクト収納庫17の取込孔17Hと対向する前側の範囲を含む残りの範囲を閉塞する。また挟持搬送ガイド24は、後側に移動した場合、大孔部20Hのうち、リジェクト収納庫17の取込孔17Hと対向する前側の範囲を開放するとともに、集積部16の集積孔16Hと対向する後側の範囲を含む残りの範囲を閉塞する。
さらに、束搬送筐体20の内部における下側部分のうち、大孔部20Hよりも前側には、下部ベルト25が設けられている。下部ベルト25は、束搬送筐体20内部の大孔部20H近傍の下側に配置された下部駆動ローラ26及び前端近傍の下側に配置された下部排出プーリ27の周囲に巻き回されており、下部駆動ローラ26が回転されることにより、前後方向に走行する。尚、説明の都合上、以下では、下部ベルト25における上面部分の走行方向を、当該下部ベルト25の走行方向と見なす。また、図中省略しているが、下部ベルト25も、図中奥側にもう1本設けられている。つまり、下部ベルト25も、左側に1本と右側に1本の計2本設けられていて、それぞれ同一方向に走行するようになっている。同様に、下部排出プーリ27も、図中奥側にもう1個設けられている。つまり、下部排出プーリ27も、左側に1個と右側に1個の計2個設けられていて、それぞれ、左側の下部ベルト25と、右側の下部ベルト25が巻き回されている。
また、挟持搬送ガイド24が前方へ移動された状態において、集積部16のステージ16Tを上方へ移動させ、集積孔16H及び大孔部20Hを介して、束搬送ユニット3の内部にまで到達させたとき、束搬送ユニット3の内部には、上部ベルト21と、ステージ16T、挟持搬送ガイド24及び下部ベルト25とにより束搬送路3Yが形成される。
さらに、束搬送ユニット3の内部には、押出部28が設けられている。押出部28は、その一部を上部ベルト21の下面よりも下方に突出させており、図示しない移動機構により、前後方向に沿って、すなわち束搬送路3Yに沿って移動することで、束搬送路3Y内にある紙幣束を前後方向へ押して進行させることができるようになっている。尚、束搬送ユニット3は、紙幣束の長辺方向を左右方向、短辺方向を前後方向とする向きで、紙幣束を前後方向に搬送するようになっている。
また、押出部28は、図示しない変位機構により、上下方向へ変位できるようになっている。すなわち押出部28は、上部ベルト21の下面よりも下方へその一部を降ろすことの他、後述するように、上部ベルト21の下面よりも上方へ変位することもできる。
また、束搬送筐体20の前端には、束搬送路3Y内を前方へ搬送されてきた紙幣束を利用者に引き渡す引き渡し口としての出金口29が形成されている。この出金口29の近傍には、紙幣束を検知する為のセンサ30が設けられている。センサ30は、検知結果を制御部4に通知する。制御部4は、この検知結果を基に、出金口29に紙幣束があるか否かを判断することができる。
さらに、束搬送筐体20の出金口29の内側には、紙幣束にコシを付けて排出する為のコシ付け機構40が配置されている。尚、上述した上部排出プーリ23と下部排出プーリ27は、このコシ付け機構40の一部でもある。コシ付け機構40の具体的な構成については後述する。
紙幣出金機1は、このような構成でなり、図示しない操作部により利用者から出金の指示及び出金額を受け付けると、制御部4の制御に基づき、制御プログラム等を読み出して実行することにより出金処理を開始する。
すなわち、制御部4は、まずステージ16Tを下方へ移動させると共に、挟持搬送ガイド24を後方へ移動させることにより集積部16の集積孔16Hを閉塞する。また制御部4は、押出部28を最も後側に移動させる。
この状態で制御部4は、紙幣収納庫11から出金額に応じた金種及び枚数の紙幣を繰出部12により順次繰り出させ、搬送部13により上方へ搬送し、鑑別部14により鑑別させる。このとき制御部4は、鑑別部14から得られる鑑別結果を基に、紙幣が出金可能であるか否かに応じて、その搬送先を集積部16又はリジェクト収納庫17に決定する。
続いて制御部4は、鑑別部14により鑑別された紙幣を、搬送部13により前方及び上方へ搬送して切替部15に到達させる。切替部15は、制御部4の制御に基づき、紙幣それぞれについて決定された搬送先に応じて進行方向を切り替え、集積部16又はリジェクト収納庫17へ進行させる。
集積部16は、搬送されてきた紙幣を放出部16Rにより集積空間内へ放出し、ステージ16T上に集積させる。このとき集積部16は、集積孔16Hが挟持搬送ガイド24により閉塞されている為、放出部16Rから放出された紙幣が上方へ舞い上がることを防止して、ステージ16T上に安定的に集積させることができる。また、リジェクト収納庫17は、搬送されてきた紙幣を放出部17Rにより収納空間内へ放出して収納させる。
制御部4は、搬送先を集積部16とした紙幣、すなわち集積部16に集積した紙幣の金種及び枚数を逐次集計しており、集計した金額が出金額に到達した段階で、紙幣収納庫11からの紙幣の繰出を中止する。この結果、集積部16のステージ16T上には、出金額の紙幣が束状に集積された紙幣束が載置される。
次に、制御部4は、挟持搬送ガイド24を前方へ移動させることにより集積部16の集積孔16Hを開放してから、集積部16のステージ16Tを上方へ移動させることにより、紙幣束を持ち上げさせる。このとき制御部4は、ステージ16Tの上面を挟持搬送ガイド24の上面と同等の高さに揃えて、当該ステージ16Tにより束搬送路3Yの一部を構成させると共に、当該ステージ16T上の紙幣束Wを当該束搬送路3Y内に位置させる。
さらに制御部4は、上部ベルト21及び下部ベルト25を前方へ走行させると共に押出部28を前方へ移動させることにより、紙幣束を束搬送路3Yに沿って前方へ進行させていく。その後、制御部4は、センサ30からの通知を基に紙幣束が出金口29に到達したことを検知すると、上部ベルト21及び下部ベルト25の走行を停止する。因みに制御部4は、このときステージ16Tを下方へ移動させて、出金動作を終了する。
これにより紙幣出金機1は、出金口29から紙幣束の先端側の一部分を露出させ、且つ上部ベルト21及び下部ベルト25により当該紙幣束の後端側を挟持した状態として、利用者にこの紙幣束を取り出させることができる。
またこのとき、紙幣出金機1は、出金口29の内側に配置されたコシ付け機構40により、紙幣束にコシを付けた状態で、出金口29から紙幣束の先端側の一部分を露出させるようになっている。尚、紙幣出金機1は、例えば、1度に1枚〜60枚の紙幣を出金できるようになっている。ゆえに、紙幣出金機1の出金口29から出金される紙幣束は、最小1枚〜最大60枚の紙幣で構成されるものとする。
さらにこのとき、制御部4は、センサ30からの通知を基に、出金口29から紙幣束が取り出されたか否かを監視しており、所定の待機時間(例えば30秒間)が経過しても取り出されなかった場合、この紙幣束を取り込む取込動作を開始する。
具体的に制御部4は、まず挟持搬送ガイド24を後方へ移動させることにより、取込孔17Hを開放させる。続いて制御部4は、押出部28を上方へ変位させて退避させた上で上部ベルト21及び下部ベルト25を後方へ走行させることにより、紙幣束を束搬送路3Y内に取り込み、束搬送路3Yに沿って後方へ進行させていく。このとき制御部4は、図示しないセンサにより紙幣束が押出部28よりも後方に到達したことを検知すると、当該押出部28を下方へ変位させると共に後方へ移動させることにより、紙幣束の後方への搬送を補助する。
その後、制御部4は、紙幣束が取込孔17Hに到達すると、この紙幣束を束搬送路3Yから落下させ、リジェクト収納庫17の収納空間内に収納させて取込動作を終了する。かくして、紙幣出金機1は、利用者が出金口29から取り忘れた紙幣束を取り込んでリジェクト収納庫17に収納することができる。
[1−2.コシ付け機構の構成]
ここで、上部ベルト21と下部ベルト25との間に挟持されて搬送されてくる紙幣束にコシを付けて排出するコシ付け機構40の構成について図2乃至図4を用いて詳しく説明する。尚、図2は、コシ付け機構40を紙幣出金機1の正面側から見た図であり、図3は、コシ付け機構40を紙幣出金機1の側面側から見た図であり、図4は、図2に示すコシ付け機構40の左半分を拡大した図である。
図2及び図3に示すように、コシ付け機構40は、出金口29の内側に設けられ、左右2個の上部排出プーリ23A、23Bと、左右2個の下部排出プーリ27A、27Bと、1本の上部可動軸41と、左右2本の下部固定軸42A、42Bと、上部可動ガイド43と、左右2本の上部ベルト21A、21Bと、左右2本の下部ベルト25A、25Bとで構成される。
出金口29は、紙幣出金機1が1度に出金できる最大枚数(例えば60枚)の紙幣束を容易に排出できるよう、最大枚数の紙幣束の搬送方向の側面(長辺側の側面)の面積よりも大きな左右方向に長い長方形状となっている。
左側の下部固定軸42Aは、左右方向に延びる軸であり、出金口29における左側部分の奥に配置されている。またこの下部固定軸42Aは、出金口29より下方に位置する。一方、右側の下部固定軸42Bは、下部固定軸42Aと同形状同サイズでなり、出金口29における右側部分の奥に配置されている。またこの下部固定軸42Bは、出金口29より下方で、且つ下部固定軸42Aの延長線上に位置する。すなわち、2本の下部固定軸42A、42Bは、左右方向に平行な同一直線上に所定の間隔を隔てて設けられている。これら2本の下部固定軸42A、42Bは、束搬送筐体20のフレーム(図示せず)に固定されている。尚、下部固定軸42A、42Bは左右方向に延びる軸である為、下部固定軸42A、42Bの軸方向と紙幣出金機1の左右方向は同義である。また、紙幣出金機1の正面側から見て左側を軸方向一端側、右側を軸方向他端側と同義とする。
2個の下部排出プーリ27A、27Bは、それぞれ左右の下部固定軸42A、42Bの中央に回転自在に支持されていて、出金口29の左右方向の中心から等距離に位置する。また、図4に示すように、左側の下部排出プーリ27Aは、左側の下部ベルト25Aが巻き回される略円筒状のベルト巻き付け部44Aと、ベルト巻き付け部44Aの左側(軸方向一端側)に離れた位置に設けられ、ベルト巻き付け部44Aよりも外径が大きい円筒状のコシ付け部45Aと、ベルト巻き付け部44Aとコシ付け部45Aとの間に位置し、ベルト巻き付け部44Aよりも外径が小さい円筒状の中間部46Aとで構成されている。
ベルト巻き付け部44Aは、その外周面に、下部ベルト25Aの幅よりわずかに大きな幅を有する凹状のベルト用溝47Aが形成されていて、下部ベルト25Aがこのベルト用溝47Aに嵌まるようにして巻き回されている。これにより、ベルト巻き付け部44Aは、下部ベルト25Aの左右方向(軸方向)への位置ズレを防止している。尚、上述したベルト巻き付け部44Aの外径とは、ベルト用溝47Aが形成されていない左右両端部の外径を指すものである。
また、ベルト用溝47Aは、その深さが、下部ベルト25Aの厚さよりも小さくなっている。この為、ベルト巻き付け部44Aに巻き回された下部ベルト25Aは、その外周面が、ベルト巻き付け部44Aのベルト用溝47Aが形成されていない左右両端部の外周面よりも径方向の外側に突出するようになっている。
コシ付け部45Aは、左右方向(軸方向)の長さが、ベルト巻き付け部44Aの左右方向の長さよりも短く、且つその外周面が、ベルト巻き付け部44Aに巻き回された下部ベルト25Aの外周面よりも径方向の外側に突出するように、その外径が選定されている。中間部46Aは、左右方向(軸方向)の長さが、ベルト巻き付け部44Aの左右方向の長さよりも短くなっている。
一方、図2に示すように、右側の下部排出プーリ27Bは、左側の下部排出プーリ27Aを左右反転した形状でなり、左側の下部排出プーリ27Aと同様、右側の下部ベルト25Bが巻き回される略円筒状のベルト巻き付け部44Bと、ベルト巻き付け部44Bの右側(軸方向他端側)に離れた位置に設けられ、ベルト巻き付け部44Bよりも外径が大きい略円筒状のコシ付け部45Bと、ベルト巻き付け部44Bとコシ付け部45Bとの間に位置し、ベルト巻き付け部44Bよりも外径が小さい円筒状の中間部46Bとで構成されている。さらに、ベルト巻き付け部44Bには、その外周面に、下部ベルト25Bの幅よりわずかに大きな幅を有する凹状のベルト用溝47Bが形成されていて、下部ベルト25Bがこのベルト用溝47Bに嵌まるようにして巻き回されている。
尚、左側の下部排出プーリ27Aの左側(すなわち軸方向の外側)の端面から右側の下部排出プーリ27Bの右側(すなわち軸方向の外側)の端面までの距離は、紙幣の長辺よりも短くなるように選定されている。
上部可動軸41は、左右方向に延びる軸であり、下部固定軸42A及び42Bより上方に配置されている。つまり、上部可動軸41は、下部固定軸42A及び42Bと平行な軸である。よって、紙幣出金機1の左右方向、下部固定軸42A、42Bの軸方向、及び上部可動軸41の軸方向は同義である。
この上部可動軸41は、上部可動ガイド43に支持されていて、上部可動ガイド43が上下方向に可動することにともなって、下部固定軸42A及び42Bから遠ざかる方向(上方向)及び下部固定軸42A及び42Bに近づく方向(下方向)に可動できるようになっている。
2個の上部排出プーリ23A、23Bは、それぞれ上部可動軸41に回転自在に支持されている。上部排出プーリ23Aは、左側の下部排出プーリ27Aの上方に配置され、上部排出プーリ23Bは、右側の下部排出プーリ27Bの上方に配置されている。
図4に示すように、左側の上部排出プーリ23Aは、略円筒状でなり、その外周面に、左側の上部ベルト21Aの幅よりわずかに大きな幅を有する凹状のベルト用溝48Aが形成されていて、上部ベルト21Aがこのベルト用溝48Aに嵌まるようにして巻き回されている。これにより、上部排出プーリ23Aは、上部ベルト21Aの左右方向(軸方向)への位置ズレを防止している。
また、ベルト用溝48Aは、その深さが、上部ベルト21Aの厚さよりも小さくなっている。この為、上部排出プーリ23Aに巻き回された上部ベルト21Aは、その外周面が、上部排出プーリ23Aのベルト用溝48Aが形成されていない左右両端部の外周面よりも径方向の外側に突出するようになっている。
さらに、左側の上部排出プーリ23Aは、ベルト用溝48Aの左右方向(軸方向)の位置が、下方に位置する左側の下部排出プーリ27Aのベルト用溝47Aの左右方向(軸方向)の位置と一致するように、上部可動軸41上に配置されている。これにより、左側の下部排出プーリ27Aに巻き回されている左側の下部ベルト25Aの上方に、左側の上部排出プーリ23Aに巻き回されている左側の上部ベルト21Aが位置することになる。
さらに、左側の上部排出プーリ23Aは、ベルト用溝48Aから左側(軸方向一端側)の端面までの長さが、左側の下部排出プーリ27Aのベルト用溝47Aからコシ付け部45Aまでの長さよりも短くなっている。すなわち、左側の下部排出プーリ27Aのコシ付け部45Aは、左側の上部排出プーリ23Aよりも左側(すなわち軸方向の外側)に位置するようになっている。
一方、図2に示すように、右側の上部排出プーリ23Bは、左側の上部排出プーリ23Aと同形状同サイズでなり、左側の上部排出プーリ23Aと同様、その外周面にベルト用溝48Bが形成されていて、右側の上部ベルト21Bがこのベルト用溝48Bに嵌まるようにして巻き回されている。
右側の上部排出プーリ23Bは、ベルト用溝48Bの左右方向(軸方向)の位置が、下方に位置する右側の下部排出プーリ27Bのベルト用溝47Bの左右方向の位置と一致するように、上部可動軸41上に配置されている。これにより、右側の下部排出プーリ27Bに巻き回されている右側の下部ベルト25Bの上方に、右側の上部排出プーリ23Bに巻き回されている右側の上部ベルト21Bが位置することになる。さらに、右側の上部排出プーリ23Bは、ベルト用溝48Bから右側(軸方向他端側)の端面までの長さが、右側の下部排出プーリ27Bのベルト用溝47Bからコシ付け部45Bまでの長さよりも短くなっている。すなわち、右側の下部排出プーリ27Bのコシ付け部45Bは、右側の上部排出プーリ23Bよりも右側(すなわち軸方向の外側)に位置するようになっている。
このように、左右の上部排出プーリ23A、23Bは、ベルト用溝48A、48Bが、左右の下部排出プーリ27A、27Bのベルト用溝47A、47Bの上方に位置するように配置されている。また、左右の上部排出プーリ23A、23Bは、左右の下部排出プーリ27A、27Bのコシ付け部45A、45Bよりも軸方向の内側に位置するようになっている。
これにより、上部可動軸41は、左右の上部排出プーリ23A、23Bに巻き回されている左右の上部ベルト21A、21Bが、左右の下部排出プーリ27A、27Bに巻き回されている左右の下部ベルト25A、25Bに接触するまで、下方向に可動できるようになっている。
図2及び図4に示すように、上部可動ガイド43は、左右方向に長い長方形板状でなり、下部固定軸42A、42Bより束搬送路3Yの奥側(すなわち後方)で且つ束搬送路3Yの上方の上部フレーム49の近傍に配置された左右方向に延びるガイド支持軸50に支持されている。
ガイド支持軸50は、上部可動軸41と同径もしくは上部可動軸41よりも小さい径の軸であり、束搬送筐体20のフレーム(図示せず)に固定されている。
上部可動ガイド43は、その厚さが、上部可動軸41の径よりもわずかに大きく、短辺方向の一端部にガイド支持軸50が挿通されていて、これにより、短辺方向の一端部を軸として上下方向に回転可能となっている。また、上部可動ガイド43は、短辺方向の他端部が、下部固定軸42A、42Bの上方に位置するように配置されていて、この短辺方向の他端部に上部可動軸41が挿通されている。これにより、上部可動ガイド43は、上部可動軸41を、下部固定軸42A、42Bから遠ざける方向及び近づける方向(すなわち上下方向)に可動することができるようになっている。
また、上部可動ガイド43は、短辺方向の一端部と他端部の外周の形状が、ガイド支持軸50及び上部可動軸41の外周に沿った丸みを帯びた形状となっている。
さらに、この上部可動ガイド43には、上部可動軸41上に設けられた左右の上部排出プーリ23A、23Bのそれぞれと対応する位置に、切り欠き51A、51Bが形成されており、この左右の切り欠き51A、51Bから、左右の上部排出プーリ23A、23Bが露出するようになっている。また、上部可動ガイド43は、その厚さが、左右の上部排出プーリ23A、23Bの外径より小さくなっている。この為、上部排出プーリ23A、23Bに巻き回されている上部ベルト21A、21Bの下面は、上部可動ガイド43より下方に位置することになる。すなわち、上部可動ガイド43は、上部ベルト21A、21Bの走行及び上部ベルト21A、2Bと下部ベルト25A、25Bとの接触を妨げないように配置されている。また、上部可動ガイド43は、束搬送路3Yに沿って搬送されてくる紙幣束と接触し、出金口29の方向へ案内するガイド部材でもある。
また、左右の上部ベルト21A、21Bと、左右の下部ベルト25A、25Bとが接触したとき、左右の下部排出プーリ27A、27Bのコシ付け部45A、45Bと、これらの上側に位置する上部可動ガイド43との間には一定の隙間が空くようになっている。
さらに、上部可動ガイド43を支持するガイド支持軸50にはトーションバネ52が取り付けられている。このトーションバネ52は、コイル部53と、コイル部の両端から延びる2本のアーム54A、54Bとでなり、コイル部53にガイド支持軸50が挿通されている。また、このトーションバネ52は、一方のアーム54Aがガイド支持軸50の上方に位置する上部フレーム49に当接するとともに、他方のアーム54Bがガイド支持軸50の下方に位置する上部可動ガイド43の内壁に当接して圧縮された状態となっている。このトーションバネ52によって、上部可動ガイド43には、常に、上部可動軸41を下部固定軸42A、42Bに近づける方向への付勢力が働いている。
コシ付け機構40は、このような構成でなり、束搬送路3Yに沿って搬送されてくる紙幣束がコシ付け機構40に到達するまでは、上部可動ガイド43に働いている付勢力によって、上部ベルト21A、21Bの上部排出プーリ23A、23Bに巻き回されている部分が、下部ベルト25A、25Bの下部排出プーリ27A、27Bに巻き回されている部分に接触して上方から押圧した状態となっている。
その後、図2に示すように、上部ベルト21A、21Bと下部ベルト25A、25Bとの間に挟持されて搬送されてくる紙幣束Wがコシ付け機構40に到達すると、紙幣束Wによって上部排出プーリ23A、23Bが上部可動軸41とともに紙幣束Wの厚みの分だけ上方に持ち上げられ、上部排出プーリ23A、23Bと下部排出プーリ27A、27Bとの間に紙幣束Wが挟み込まれた状態となる。
このとき、紙幣束Wは、左右の下部排出プーリ27A、27Bの軸方向の外側に設けられた左右のコシ付け部45A、45Bによって、左右両端部が中央部よりも上方に持ち上げられて浮き上がることにより、紙幣出金機1の正面側から見て略U字状に湾曲するようにコシが付けられる。
そして図3に示すように、コシ付け機構40は、コシを付けた状態の紙幣束Wの先端側の一部分を、出金口29から露出させる。これにより、紙幣束Wは、出金口29から露出した部分の先端が図中点線で示すように垂れ下がることなく、利用者が取り出し易い姿勢を維持できる。
また、コシ付け機構40は、紙幣束Wの厚みに応じて上部可動軸41が下部固定軸42A、42Bに対して上下方向に可動しながら、左右の上部ベルト21A、21Bと左右の下部ベルト25A、25Bとにより挟持された状態の紙幣束Wの左右両端部を左右のコシ付け部45A、45Bによって上方に持ち上げてコシを付けるようにしたことにより、紙幣束Wの厚みに依らず、紙幣束Wに、先端が垂れ下がらないよう十分なコシを付けることができる。
実際、コシ付け機構40によれば、紙幣出金機1から出金される最小枚数である1枚の紙幣束(すなわち1枚の紙幣)Wに対しても、最大枚数である60枚の紙幣束(すなわち60枚の紙幣の束)Wに対しても十分なコシを付けることができる。
また一方で、コシ付け機構40においては、1枚の紙幣束Wであっても60枚の紙幣束Wであっても、スムーズに出金口29から排出できることが望ましい。
ここで、1枚の紙幣束Wにコシを付けて排出する場合と、60枚の紙幣束Wにコシを付けて排出する場合のコシ付け機構40の動作の違いについて、図5を用いて説明する。
図5(A)に示すように、1枚の紙幣束Wにコシを付けて排出する場合、紙幣束Wの厚さが紙幣1枚分の最小の厚さとなる為、コシ付け機構40の左右の上部排出プーリ23A、23Bと、左右の下部排出プーリ27Bとの間隔も最小となる。一方、図5(B)に示すように、60枚の紙幣束Wにコシを付けて排出する場合、紙幣束Wの厚さが紙幣60枚分の最大の厚さとなる為、コシ付け機構40の左右の上部排出プーリ23A、23Bと、左右の下部排出プーリ27A、27Bとの間隔も最大となる。
さらに、1枚の紙幣束Wにコシを付けて排出する場合、左右の上部排出プーリ23A、23Bの軸方向の外側の端部の下端が、左右の下部排出プーリ27A、27Bのコシ付け部45A、45Bの上端より下方に位置することになり、紙幣束Wの中央部に対する左右両端部の浮き上がり量が比較的大きくなる為、紙幣束Wの左右両端部の上端の位置が高くなりやすい。この為、紙幣束Wの左右両端部が出金口29の上辺に引っ掛かる可能性が出てくる。
一方で、60枚の紙幣束Wにコシを付けて排出する場合、左右の上部排出プーリ23A、23Bの軸方向の外側の端部の下端が、左右の下部排出プーリ27A、27Bのコシ付け部45A、45Bの上端より上方に位置することになり、紙幣束Wの中央部に対する左右両端部の浮き上がり量が小さくなるが、紙幣束Wの厚さが最大となる為、紙幣束Wの左右両端部の上端の位置が高くなりやすい。この為、紙幣束Wの左右両端部が出金口29の上辺に引っ掛かる可能性が出てくる。
したがって、コシを付けた紙幣束Wをスムーズに排出する為には、1枚の紙幣束Wを排出するときも、60枚の紙幣束Wを排出するときも、紙幣束Wの左右両端部が出金口29の上辺に接触しないことが条件となる。
そこで、第1の実施の形態のコシ付け機構40は、この条件を満足するように、各部の配置、形状、寸法が規定されている。
各部の大まかな配置及び形状は、上述した通りである為、ここでは、主に各部の寸法について図6を用いて説明する。尚、図6は、上部可動ガイド43を省略した図である。コシ付け機構40は、出金口29の左右方向の中心を境として左側部分と右側部分が左右対称である為、ここでは、左側部分の寸法のみを説明することとする。
まず、基準となる出金口29の寸法は、左右方向(すなわち横方向)の長さL1が200±1[mm]、上下方向(すなわち縦方向)の長さL2が13±0.5[mm]に規定されている。尚、出金口29の左右方向の長さL1は、紙幣の長辺の長さ以上であり、左右方向の長さL2は、最大60枚の紙幣束の厚さ以上となっている。
これに対して、コシ付け機構40の寸法は、左側の上部ベルト21Aの左端と出金口29の左端との左右方向の間隔L3が65±1[mm]、左側の上部ベルト21Aの左端と左側の上部排出プーリ23Aの左端との左右方向の間隔L4が1.5±0.3[mm]、左側の下部ベルト25Aの左端と左側の下部排出プーリ27Aのコシ付け部45Aの右端との左右方向の間隔L5が5.5±0.3[mm]に規定されている。
さらに、左側の上部ベルト21Aの下端と、左側の上部排出プーリ23Aの左右両端部の下端との上下方向の間隔L6が0.21±0.3[mm]、出金口29の下辺と左側の下部ベルト25Aの上端との上下方向の間隔L7が0.5±0.5[mm]、左側の下部ベルト25Aの上端と左側の下部排出プーリ27Aのコシ付け部45Aの上端との間隔L8が1.17±0.3[mm]に規定されている。尚、図中省略しているが、左側の下部ベルト25Aの上端と、左側の下部排出プーリ27Aのベルト巻き付け部44Aの左右両端部の上端との上下方向の間隔も間隔D6と同様0.21±0.3[mm]に規定されている。
コシ付け機構40は、このような寸法と、上述した配置及び形状を有していることにより、最小1枚の紙幣束Wを排出するときも、最大60枚の紙幣束Wを排出するときも、紙幣束Wの左右両端部が出金口29の上辺に接触しないようにして、1枚〜60枚の紙幣束Wをスムーズに排出できるようになっている。
くわえて、コシ付け機構40は、上部可動ガイド43に働いている付勢力、すなわち上部可動軸41を下部固定軸42A、42Bに近づけようとする力が、1枚〜60枚の紙幣束Wに十分なコシを付けることができ、且つ利用者が紙幣束Wを容易に抜き取ることができる強さに設定されている。
[1−3.まとめと効果]
ここまで説明したように、第1の実施の形態では、紙幣出金機1の出金口29の内側に、左右2本の下部固定軸42A、42Bと、これら下部固定軸42A、42Bにそれぞれ支持される左右の下部排出プーリ27A、27Bと、下部固定軸42A、42Bの上側に配置され上下方向に可動する上部可動軸41と、上部可動軸41に支持され左右の下部排出プーリ27A、27Bの上側に配置される左右2個の上部排出プーリ23A、23Bと、左右の下部排出プーリ27A、27Bに巻き回された左右の下部ベルト25A、25Bと、左右の上部排出プーリ23A、23Bに巻き回される左右の上部ベルト21A、21Bを有するコシ付け機構40を設けた。
そして、コシ付け機構40は、紙幣束Wの厚みに応じて上部可動軸41が下部固定軸42A、42Bに対して上下方向に可動しながら、左右の上部ベルト21A、21Bと左右の下部ベルト25A、25Bとにより中央部を挟持された紙幣束Wの左右両端部を、左右の下部排出プーリ27A、27Bの軸方向の外側に設けられた左右のコシ付け部45A、45Bによって上方に持ち上げてコシを付けるようにした。
これにより、コシ付け機構40は、紙幣束Wの厚みに依らず、紙幣束Wに、先端が垂れ下がらないよう十分なコシを付けることができ、かくして、従来と比して、より確実に紙幣束Wにコシを付けることができる。
また、第1の実施の形態では、最小1枚の紙幣束Wを排出するときも、最大60枚の紙幣束Wを排出するときも、紙幣束Wの左右両端部が出金口29の上辺に接触しないという条件を満足するように、コシ付け機構40の各部の配置、形状、寸法を規定した。
これにより、コシ付け機構40は、最小1枚の紙幣束Wを排出するときも、最大60枚の紙幣束Wを排出するときも、紙幣束Wの左右両端部が出金口29の上辺に接触しないようにして、1枚〜60枚の紙幣束Wをスムーズに排出できる。
ところで、紙幣出金機1は、利用者が取り忘れた紙幣束Wを取り込んでリジェクト収納庫17に収納する際、束搬送ユニット3の上部ベルト21及び下部ベルト25を後方へ走行させることにより出金口29から露出している紙幣束Wを束搬送路3Y内に取り込むようになっているが、このとき、先端が垂れ下がっている状態の紙幣束Wを上部ベルト21及び下部ベルト25によって取り込もうとすると崩れてしまう可能性がある。
しかしながら、第1の実施の形態の紙幣出金機1では、コシ付け機構40によって出金口29から露出している紙幣束Wを、先端が垂れ下がらないようにコシを付けた状態の姿勢で維持できるので、上部ベルト21及び下部ベルト25によって取り込もうとする際に紙幣束Wが崩れてしまうことを防ぐことができ、紙幣束Wを束の状態のまま取り込むことができる。
[2.第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、紙幣出金機1に、第1の実施の形態のコシ付け機構40とは異なる構成のコシ付け機構を設けたものである。尚、紙幣出金機1の基本的な構成は、第1の実施の形態と同様の為、詳しい説明については第1の実施の形態を参照することとする。よって、ここでは、主に、コシ付け機構について説明する。
[2−1.コシ付け機構の構成]
図7に、第2の実施の形態のコシ付け機構60を示す。尚、図7は、コシ付け機構60を紙幣出金機1の正面側から見た図であり、第1の実施の形態のコシ付け機構40と同一の箇所には同一の符号を付している。
図7に示すように、コシ付け機構60は、下部固定軸61が1本の固定軸でなり、下部固定軸61に支持されている左右の下部排出プーリ27A、27Bの間に、下部固定軸61に支持される中央の下部排出プーリ27Cが設けられている。つまり、下部固定軸61には、左右と中央の3箇所に下部排出プーリ27A、27B、27Cが設けられている。第2の実施の形態の紙幣出金機1は、左右2本の下部ベルト25A、25Bの間に、中央の下部ベルト25Cが設けられ、また左右2本の上部ベルト21A,21Bの間に、中央の下部ベルト25Cが設けられている。中央の下部排出プーリ27Cには、中央の下部ベルト25Cが巻き回されるようになっている。
中央の下部排出プーリ27Cは、中央の下部ベルト25Cが巻き回される略円筒状のベルト巻き付け部62と、ベルト巻き付け部62の左右両端から軸方向に離れた位置に設けられベルト巻き付け部62よりも外径が大きい2個の円筒状のコシ付け部63A、63Bと、ベルト巻き付け部62と左右のコシ付け部63A、63Bとの間に位置し、ベルト巻き付け部62よりも外径が小さい2個の円筒状の中間部64A、64Bとで構成されている。
ベルト巻き付け部62は、その外周面に、中央の下部ベルト25Cの幅よりわずかに大きな幅を有する凹状のベルト用溝65が形成されていて、下部ベルト25Cがこのベルト用溝65に嵌まるようにして巻き回されている。また、ベルト用溝65は、その深さが、下部ベルト25Cの厚さよりも小さくなっている。
中央の下部排出プーリ27Cのベルト巻き付け部62の外径、左右のコシ付け部63A、63Bの外径、左右の中間部64A、64Bの外径は、例えば、それぞれ左右の下部排出プーリ27A、27Bと同一となっている。
さらに、コシ付け機構60は、上部可動軸41に支持されている左右の上部排出プーリ23A、23Bの間に、上部可動軸41に支持される中央の上部排出プーリ23Cが設けられている。つまり、上部可動軸41には、左右と中央の3箇所に上部排出プーリ23A、23B、23Cが設けられている。
中央の上部排出プーリ23Cは、左右の上部排出プーリ23A、23Bと同形状同サイズとなっており、外周面に形成されたベルト用溝48Cに、中央の上部ベルト21Cが嵌まるようにして巻き回されている。また、ベルト用溝48Cは、その深さが、上部ベルト21Cの厚さよりも小さくなっている。
尚、中央の下部排出プーリ27Cの左右両端に設けられた2個のコシ付け部63A及び63Bは、それぞれ左右方向(軸方向)の位置が、中央の上部排出プーリ23Cと左側の上部排出プーリ23Aの間、及び中央の上部排出プーリ23Cと右側の上部排出プーリ23Aの間に位置するようになっている。
上部可動ガイド66は、左右の切り欠き51A、51Bの間に、切り欠き51Cが形成されており、それ以外の構成は、第1の実施の形態の上部可動ガイド43と同じである。上部可動ガイド66は、左右と中央の切り欠き51A、51B、51Cから、左右と中央の上部排出プーリ23A、23B、23Cが露出するようになっている。
第2の実施の形態のコシ付け機構60は、このような構成でなり、上部ベルト21A、21B、21Cと下部ベルト25A、25B、25Cとの間に挟持されて搬送されてくる紙幣束Wがコシ付け機構60に到達すると、紙幣束Wによって上部排出プーリ23A、23B、23Cが上部可動軸41とともに紙幣束Wの厚みの分だけ上方に持ち上げられ、上部排出プーリ23A、23B、23Cと下部排出プーリ27A、27B、27Cとの間に紙幣束Wが挟み込まれた状態となる。
このとき、紙幣束Wは、左右の下部排出プーリ27A、27Bのそれぞれの軸方向の外側に設けられた左右のコシ付け部45A、45Bと、中央の下部排出プーリ27Cの左右両端に設けられた2個のコシ付け部63A、63Bによって、左右両端部と中央付近の2箇所の計4箇所が上方に持ち上げられて浮き上がることにより、紙幣出金機1の正面側から見てジグザグ状に湾曲するようにコシが付けられる。
そしてコシ付け機構60は、コシを付けた状態の紙幣束Wの先端側の一部分を、出金口29から露出させる。これにより、紙幣束Wは、出金口29から露出した部分の先端が垂れ下がることなく、利用者が取り出し易い姿勢を維持できる。
また、第2の実施の形態のコシ付け機構60も、紙幣束Wの厚みに応じて上部可動軸41が下部固定軸61に対して上下方向に可動しながら、左右及び中央の上部ベルト21A、21B、21Cと左右及び中央の下部ベルト25A、25B、25Cとにより挟持された状態の紙幣束Wの左右両端部と中央付近の2箇所の計4箇所を左右及び中央付近のコシ付け部45A、45B、63A、63Bによって上方に持ち上げてコシを付けるようにしたことにより、紙幣束Wの厚みに依らず、紙幣束Wに、先端が垂れ下がらないよう十分なコシを付けることができる。
実際、コシ付け機構60によれば、紙幣出金機1から出金される最小枚数である1枚の紙幣束(すなわち1枚の紙幣)Wに対しても、最大枚数である60枚の紙幣束(すなわち60枚の紙幣の束)Wに対しても十分なコシを付けることができる。
また、この第2の実施の形態のコシ付け機構60においても、1枚の紙幣束Wであっても60枚の紙幣束Wであっても、スムーズに出金口29から排出できることが望ましい。
コシ付け機構60は、紙幣束Wの左右両端部にくわえて、中央付近の2箇所を浮き上がらせる為、最小1枚の紙幣束Wにコシを付けて排出する場合、紙幣束Wの左右両端部の上端の位置が高くなりやすいことにくわえて、中央付近の2箇所の上端の位置も高くなりやすい。この為、紙幣束Wの左右両端部にくわえて、中央付近の2箇所が出金口29の上辺に引っ掛かる可能性が出てくる。
また、コシ付け機構60は、最大60枚の紙幣束Wにコシを付けて排出する場合、紙幣束Wの左右両端部の上端の位置が高くなりやすいことにくわえて、中央付近の2箇所の上端の位置も高くなりやすい。この為、紙幣束Wの左右両端部にくわえて、中央付近の2箇所が出金口29の上辺に引っ掛かる可能性が出てくる。
したがって、コシを付けた紙幣束Wをスムーズに排出する為には、1枚の紙幣束Wを排出するときも、60枚の紙幣束Wを排出するときも、紙幣束Wの左右両端部と中央付近の2箇所の計4箇所が出金口29の上辺に接触しないことが条件となる。
そこで、第2の実施の形態のコシ付け機構60は、この条件を満足するように、各部の配置、形状、寸法が規定されている。
くわえて、コシ付け機構60は、上部可動ガイド66に働いている付勢力、すなわち上部可動軸41を下部固定軸61に近づけようとする力が、1枚〜60枚の紙幣束Wに十分なコシを付けることができ、且つ利用者が紙幣束Wを容易に抜き取ることができる強さに設定されている。
[2−2.まとめと効果]
ここまで説明したように、第2の実施の形態では、紙幣出金機1の出金口29の内側に、下部固定軸61と、下部固定軸61に支持される左右及び中央の下部排出プーリ27A、27B、27Cと、下部固定軸61の上側に配置され上下方向に可動する上部可動軸41と、上部可動軸41に支持され左右及び中央の下部排出プーリ27A、27B、27Cの上側に配置される左右及び中央の上部排出プーリ23A、23B、23Cと、左右及び中央の下部排出プーリ27A、27B、27Cに巻き回された左右及び中央の下部ベルト25A、25B、25Cと、左右及び中央の上部排出プーリ23A、23B、23Cに巻き回された左右及び中央の上部ベルト21A、21B、21Cを有するコシ付け機構60を設けた。
コシ付け機構60は、紙幣束Wの厚みに応じて上部可動軸41が下部固定軸61に対して上下方向に可動しながら、左右及び中央の上部ベルト21A、21B、21Cと左右及び中央の下部ベルト25A、25B、25Cとにより挟持された紙幣束Wの左右両端部と中央付近の2箇所の計4箇所を、左右及び中央の下部排出プーリ27A、27B、27Cに設けた左右及び中央付近のコシ付け部45A、45B、63A、63Bによって上方に持ち上げてコシを付けるようにした。
これにより、コシ付け機構60は、紙幣束Wの厚みに依らず、紙幣束Wに、先端が垂れ下がらないよう十分なコシを付けることができ、かくして、従来と比して、より確実に紙幣束Wにコシを付けることができる。
また、コシ付け機構60は、コシを付ける箇所を、第1の実施の形態のコシ付け機構40よりも2箇所多くしたことにより、例えば、紙幣束Wの先端の垂れ下がりを、第1の実施の形態のコシ付け機構と比べて、より確実に防止することができる。
また、第2の実施の形態では、最小1枚の紙幣束Wを排出するときも、最大60枚の紙幣束Wを排出するときも、紙幣束Wの左右両端部と中央付近の2箇所の計4箇所が出金口29の上辺に接触しないという条件を満足するように、コシ付け機構60の各部の配置、形状、寸法を規定した。
これにより、コシ付け機構60は、最小1枚の紙幣束Wを排出するときも、最大60枚の紙幣束Wを排出するときも、紙幣束Wの左右両端部と中央付近の2箇所の計4箇所が出金口29の上辺に接触しないようにして、1枚〜60枚の紙幣束Wをスムーズに排出できる。
[3.他の実施の形態]
[3−1.他の実施の形態1]
尚、上述した第1の実施の形態では、下部排出プーリ27A、27Bのそれぞれの軸方向の外側に設けた左右のコシ付け部45A、45Bにより、紙幣束Wの左右両端部にコシを付けるようにした。これに限らず、図8に示すコシ付け機構70のように、左側の下部固定軸42Aに、左側の下部排出プーリ27Aの代わりに、軸方向の外側だけでなく内側にもコシ付け部71Aを有する下部排出プーリ72Aを設けるとともに、右側の下部固定軸42Bに、右側の下部排出プーリ27Bの代わりに、軸方向の外側だけでなく内側にもコシ付け部71Bを有する下部排出プーリ72Bを設け、4個のコシ付け部45A、45B、71A、71Bによって、紙幣束Wの左右両端部と中央付近の2箇所の計4箇所にコシを付けるようにしてもよい。
尚、この場合、左側の下部排出プーリ72Aは、例えば、ベルト用溝47Aの左右方向の中心を境として左右対称の構成とすればよい。また、右側の下部排出プーリ72Bについても同様に、ベルト用溝47Bの左右方向の中心を境として左右対称の構成とすればよい。
[3−2.他の実施の形態2]
また、上述した第1の実施の形態では、紙幣出金機1が、左右2本の上部ベルト21A、21Bと、左右2本の下部ベルト25A、25Bとの間で紙幣束を挟持して搬送し、第2の実施の形態では、左右及び中央の3本の上部ベルト21A、21B、21Cと、左右及び中央の3本の下部ベルト25A、25B、25Cとの間で紙幣束を挟持して搬送するようにした。これに限らず、例えば、紙幣出金機1が、1本の上部ベルトと、1本の下部ベルトの間で紙幣束を挟持して搬送するようにしてもよい。
この場合、図は省略するが、1本の下部固定軸と、下部固定軸に支持される1個の下部排出プーリと、下部固定軸の上側に配置され上下方向に可動する上部可動軸と、上部可動軸に支持される1個の上部排出プーリと、下部排出プーリに巻き回された1本の下部ベルトと、上部排出プーリに巻き回された1本の上部ベルトとでコシ付け機構を構成して、下部排出プーリの左右両端部(軸方向一端側と他端側)にコシ付け部を設けるようにすればよい。
[3−3.他の実施の形態3]
さらに、上述した第1の実施の形態では、コシ付け機構40に、2本の下部固定軸42A、42Bを設けるようにした。これに限らず、2本の下部固定軸42A、42Bの代わりに、1本の下部固定軸を設けるようにしてもよい。図8に示した他の実施の形態のコシ付け機構70の場合も同様である。
[3−4.他の実施の形態4]
さらに、上述した第1の実施の形態では、上部可動軸41を下部固定軸42A、42B側に押し付ける機構として、トーションバネ52によって上部可動軸41を下部固定軸42A、42B側に押し付ける上部可動ガイド43を用いたが、これに限らず、上部可動軸41を下部固定軸42A、42B側に押し付けることのできる機構であれば、上部可動ガイド43とは異なる機構を用いるようにしてもよい。第2の実施の形態についても同様である。
[3−5.他の実施の形態5]
さらに、上述した各実施の形態では、集積部としての集積部16と、媒体搬送部としての押出部28、上部駆動ローラ22、下部駆動ローラ26、上部ベルト21及び下部ベルト25と、コシ付け機構としてのコシ付け機構40、60、70とを有する媒体引渡装置としての紙幣出金機1に本発明を適用したが、これに限らず、紙葉類でなる媒体の束にコシを付ける機能を有するものであれば、紙幣出金機1以外の媒体引渡装置に適用してもよい。
さらに、上述した第1の実施の形態では、下部固定軸としての下部固定軸42A、42Bと、第1の下部プーリ及び第2の下部プーリとしての下部排出プーリ27A、27Bと、第1の下部ベルト及び第2の下部ベルトとしての下部ベルト25A、25Bと、上部可動軸としての上部可動軸41と、第1の上部プーリ及び第2の上部プーリとしての上部排出プーリ23A、23Bと、第1の上部ベルト及び第2の上部ベルトとしての上部ベルト21A、21Bと、上部可動ガイドとしての上部可動ガイド43とを有する媒体搬送機構としてのコシ付け機構40に本発明を適用したが、これに限らず、紙葉類でなる媒体の束にコシを付ける機構であれば、コシ付け機構40以外の媒体搬送機構に適用してもよい。
さらに、上述した第2の実施の形態では、下部固定軸としての下部固定軸61と、第1の下部プーリ及び第2の下部プーリとしての下部排出プーリ27A、27Bと、第1のコシ付け部及び第2のコシ付け部としてのコシ付け部63A、63Bを有する第3の下部プーリとしての下部排出プーリ27Cと、第1の下部ベルト及び第2の下部ベルトとしての下部ベルト25A、25Bと、第3の下部ベルトとしての下部ベルト25Cと、上部可動軸としての上部可動軸41と、第1の上部プーリ及び第2の上部プーリとしての上部排出プーリ23A、23Bと、第3の上部プーリとしての上部排出プーリ23Cと、第1の上部ベルト及び第2の上部ベルトとしての上部ベルト21A、21Bと、第3の上部ベルトとしての上部ベルト21Cと、上部可動ガイドとしての上部可動ガイド66とを有する媒体搬送機構としてのコシ付け機構60に本発明を適用したが、これに限らず、紙葉類でなる媒体の束にコシを付ける機構であれば、コシ付け機構60以外の媒体搬送機構に適用してもよい。
また、上述した第1の実施の形態では、コシ付け機構40の各部の配置、形状、寸法を規定したが、扱う紙幣束の大きさ、扱う紙幣束の最小枚数と最大枚数、出金口29の大きさなどが第1の実施の形態と異なる場合には、各部の配置、形状、寸法の規定を変えてもよい。さらに、上述した第1の実施の形態では、出金口29の寸法についても規定したが、出金口29の寸法については、扱う紙幣の寸法及び紙幣束の最大枚数(すなわち最大出金枚数)に応じて適宜変更してもよい。第2の実施の形態についても同様である。
[3−5.他の実施の形態6]
さらに本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。