JP6492304B2 - ガス透過度の測定装置及び測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス透過度の測定装置及び測定方法に関する。
食品及び薬品等の包装材や、有機ELデバイス及び太陽電池等の精密機械の部品として、高いガスバリア性をもった薄膜材料を用いることが知られている。そして、薄膜材料のガスバリア性を評価する方法として、薄膜材料の水蒸気、酸素等のガスの透過度(以下、ガス透過度と記載)を測定することが知られている。ガス透過度は、密閉された空間の中で、測定の対象となるガス(対象ガス)に薄膜材料の一方の面を暴露し、他方の面側において検出される対象ガスの量を測定することによって測定される(例えば、特許文献1)。
以下に、ガス透過度の測定装置の一般的な構成について、図12を用いて説明する。図12は、ガス透過度を測定する測定装置の構成を示す概略図である。
図12に示す測定装置は、薄膜材料である試料103を挟んで2つの空間を内部に有しているガス透過セル101と、各空間にガスを供給するか、または該各空間からガスを排出させる管102a〜102dと、管102bから排出されるガスを検出する検出器104とを備えている。このような構成の測定装置において、不活性ガスなどのキャリアガスを管102aから上部の空間に供給するとともに、標的成分を含んでいるガスを管102cから下部の空間に供給すると、下部の空間から上部の空間に試料103を透過して移動した標的成分のガス105が管102bを通じて検出器104に検出される。
特開2005−233943号公報(2005年9月2日公開)
上記の測定装置を用いたガスバリア性の評価においては、ガスバリア性が高いことを確認する場合、すなわち、ガスが透過しないこと、あるいはほぼ透過しないことを確認する場合に、測定時間を長く要してしまうという問題がある。例えば10-5g/m2/day以下の高感度な領域でガス透過度を測定する際には、1週間〜4週間程度と測定時間が長くかかる。そのため、1つの検出器に対して1つのガス透過セルを備えた測定装置で測定を実施した場合、測定装置の占有時間が長く一定期間に得られる結果が少なく効率が悪い。とはいえ、複数台の測定装置を準備するにはコスト面、スペース面で問題が生じる。
そこで、複数のガス透過セルを、そのそれぞれから伸ばした流路を介して1つのガス検出器に接続した測定装置が知られている。この測定装置では、検出対象となるガス透過セルを切り替えることによってガス透過度の測定の迅速化を図っている。複数のガス透過セルを備えたものとしては、MOCON社製の品名「MOCON超高感度水蒸気透過率測定装置」がある。
ところで、本願発明者らは、複数のガス透過セルを備えた上述の測定装置を用いて測定をおこなったところ、高感度測定の迅速性に改善の余地があることを見出した。また、この測定装置を用いて脆弱な薄膜材料を測定した場合に、薄膜材料がガス透過セル内で破損する場合があることを見出した。
そこで、本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、迅速な高感度ガス透過度測定を実現し、且つ試料(薄膜材料)を破損させることがないガス透過度の測定装置及び測定方法を提供することにある。
本発明の一形態に係るガス透過度の測定装置は、ガス透過度の測定対象物を固定して、該対象物を透過する気体を排出する複数のセルと、上記気体中の標的成分を検出する1つの検出器と、上記検出器への上記気体の流路を開閉する第1のバルブ、排気口、及び該排気口を開閉する第2のバルブが各上記セルに対応して設けられた、上記複数のセルと上記検出器との間に配された管と、上記第1のバルブ及び上記第2のバルブを制御して、上記排気口が開である状態において或る1つの上記セルに対応する上記流路を閉から開に切り替えた後に、該或る1つのセルに対応する上記排気口を閉として、該或る1つのセルの上記気体を上記検出器に導入させる制御部とを備えたことを特徴としている。
また、本発明の一形態に係る測定装置は、上記の構成に加えて、上記制御部が、上記第1のバルブ及び上記第2のバルブを制御して、上記排気口が開である状態において上記或る1つのセルに対応する上記流路を開から閉へ切り替える構成となっている。
また、本発明の一形態に係る測定装置は、上記の構成に加えて、上記排気口から排気された上記気体を排気する排気用管を更に備え、上記第2のバルブは、上記排気用管に設けられており、上記排気用管には、更に、該排気用管内の気圧を自動調整する自動圧力制御機器が設けられていることが好ましい。
また、本発明の一形態に係る測定装置は、上記の構成に加えて、上記第1のバルブ及び上記第2のバルブが、金属から構成されていることが好ましい。
また、本発明に係るガス透過度の測定方法は、上述した構成の測定装置を用いたガス透過度の測定方法であって、上記測定対象物を透過する気体を上記セルから排出させるセル排出工程と、上記排気口を開としている状態において或る1つの上記セルに対応する上記流路を閉から開に切り替え、切り替えた後に、該或る1つのセルに対応する上記排気口を閉とするように、上記第1のバルブ及び上記第2のバルブを制御する制御工程と、上記制御工程の後に、上記或る1つのセルから導入された上記気体中の上記標的成分を検出する検出工程とを含むことを特徴としている。
本発明によれば、測定が行われている際、第1のバルブまたは第2のバルブのいずれかは流路が開いている状態にあり、ガスの流れが滞ることがない。そのため、測定装置内において、ガスが圧縮されるのを回避することができる。これにより、検出器の検出値のデータ変動が小さくなり、またこれに伴って、検出値が適正値(理想値)までに近づいて安定するまでの時間が短縮される。そして、1つのガス透過セルにおいて測定が迅速化できるため、ガス透過セル間の切り替えを迅速におこなうことができ、ガス透過度測定全体の迅速化を実現することができる。更に、測定装置内のガスの圧力変動が小さいため、ガス透過セルに固定した測定対象物への負担が軽減され、破損が防がれる。そのため、脆弱な測定対象物の測定も可能となる。
本発明に係る測定装置の一実施形態であるガス透過度測定装置の構成を示す図である。 図1の部分拡大図である。 図1に示すガス透過度測定装置に設けられたバルブ自動制御部の制御タイミングのプログラムチャートを示す図である。 図1に示すガス透過度測定装置に設けられたバルブ自動制御部によるバルブの切り替え工程のフローチャートを示す図である。 図1に示すガス透過度測定装置を用いた本発明の一実施形態のバルブ自動制御方式におけるガス透過度測定の検出値と、比較構成のバルブ制御方式によるガス透過度測定の検出値とを比較した図である。 本発明の一実施形態のバルブ自動制御方式を用いてガス透過セルを切り替えて得られたガス透過度のプロット図である。 比較構成のバルブ制御方式を用いてガス透過セルを切り替えて得られたガス透過度のプロット図である。 本発明に係る測定装置の他の実施形態であるガス透過度測定装置の一部の構成を示す部分拡大図である。 本発明に係る測定装置の他の実施形態であるガス透過度測定装置の一部の構成を示す部分拡大図である。 本発明の一実施例において測定した水蒸気透過度(ガス透過度)の測定グラフを示す図である。 比較構成において測定した水蒸気透過度(ガス透過度)の測定グラフを示す図である。 従来技術の構成を示す図である。
〔実施形態1〕
本発明に係る測定装置及び測定方法の一実施形態について、図1から図7を参照して以下に説明する。
1.測定装置の構成
図1は、本発明に係る測定装置の一実施形態であるガス透過度測定装置の構成を示す概略図である。
本実施形態1に係るガス透過度測定装置1(測定装置)は、密閉された空間の中で、測定の対象となる薄膜材料(測定対象物)の一方の面を、測定の対象となるガスで暴露し、他方の面側において検出される対象ガスの量を測定することによって、薄膜材料のガス透過度を測定するための測定装置である。そのため、ガス透過度測定装置1は、図1に示すように、3つのガス透過セル(複数のセル)に構成される第1のガス透過セル2a、第2のガス透過セル2b及び第3のガス透過セル2cと、1つの検出器3とを備えている。
更に、ガス透過度測定装置1は、図1に示すように、3つのガス透過セルと検出器3との間に配された管4に、検出器3に導入する気体(標的成分を含む気体)を排出するガス透過セルを切り替えるための複数のバルブを備えている。具体的には、第1の排気用バルブβ1(第2のバルブ)、第1の検出用バルブγ1(第1のバルブ)、第2の排気用バルブβ2、第2の検出用バルブγ2、第3の排気用バルブβ3及び第3の検出用バルブγ3を備えている。
更に、ガス透過度測定装置1は、図1に示すように、これらバルブを制御するためのバルブ自動制御部5(制御部)を備えている。
<ガス透過セル>
詳細は後述するが、第1のガス透過セル2aには、第1の供給系6aが接続されており、第1の供給系6aを介してガスが供給される。そして、供給されたガスは、第1のガス透過セル2aに固定されたガス透過度について試験される薄膜材料100(図2)(測定対象物)を透過して、第1の検出用管7aを介して検出器3と、第1の排気用管8aを介して第1の排気口9aとに排出される。
また、第2のガス透過セル2bには、第2の供給系6bが接続されており、第2の供給系6bを介してガスが供給される。そして、供給されたガスは、第2のガス透過セル2bに固定された薄膜材料100(図2)を透過して、第2の検出用管7bを介して検出器3と、第2の排気用管8bを介して第2の排気口9bとに排出される。
また、第3のガス透過セル2cには、第3の供給系6cが接続されており、第3の供給系6cを介してガスが供給される。そして、供給されたガスは、薄膜材料100(図2)を透過して、第3の検出用管7cを介して検出器3と、第3の排気用管8cを介して第3の排気口9cとに排出される。
ここで、各ガス透過セルの検出用管にはその流路の開閉をおこなう検出用バルブが設けられており、各ガス透過セルの排気用管にもその流路の開閉をおこなう排気用バルブが設けられている。各ガス透過セルに対応して検出用バルブと排気用バルブが設けられ、且つこれらが切り替えられることにより、第1のガス透過セル2a、第2のガス透過セル2b及び第3のガス透過セル2cのなかから、測定を行うガス透過セルと排気を行うガス透過度セルとの選択をすることができる。具体的には、第1のガス透過セル2aに対応して、第1の検出用管7aに第1の検出用バルブγ1が設けられ、第1の排気用管8aに第1の排気用バルブβ1が設けられている。また、第2のガス透過セル2bに対応して、第2の検出用管7bに第2の検出用バルブγ2が設けられ、第2の排気用管8bに第2の排気用バルブβ2が設けられている。また、第3のガス透過セル2cに対応して、第3の検出用管7cに第3の検出用バルブγ3が設けられ、第3の排気用管8cに第3の排気用バルブβ3が設けられている。
そして、詳細は後述するが、第1の排気用バルブβ1、第1の検出用バルブγ1、第2の排気用バルブβ2、第2の検出用バルブγ2、第3の排気用バルブβ3及び第3の検出用バルブγ3の切り替え(開閉動作)は、バルブ自動制御部5による制御を受けておこなわれる。
図2は、第1のガス透過セル2aの具体的構成を示す概略図である。なお、第2のガス透過セル2b及び第3のガス透過セル2cは、第1のガス透過セル2aと同一の構成であるため、ここでは第1のガス透過セル2aのみについて説明し、第2のガス透過セル2b及び第3のガス透過セル2cについての説明は省略する。
第1のガス透過セル2aは、上部材10aと下部材10bとを有しており、上部材10aと下部材10bとを組み合わせることよって中空構造のセルを形成する。そして、組み合わせる際に、間に薄膜材料100を挟むことによって、薄膜材料100を第1のガス透過セル2aに固定することができる。固定された薄膜材料100が中空構造を二分するようにセル内部に配されることにより、第1のガス透過セル2aの内部空間は、薄膜材料100を境にして第1の空間11a及び第2の空間11bに分けられる。
第1のガス透過セル2aの第2の空間11b側には、第1の供給系6a(図1)を構成する供給管12aが接続されており、この供給管12aに接続されたガス供給部13aから第1のガスが供給される。第1のガスが供給されると、第2の空間11b側に同じく設けられた管12dを通って排気されるが、第1のガスに含まれている成分の1種以上が、薄膜材料100を透過して第2の空間11bから第1の空間11aに移動する。
第1のガス透過セル2aの第1の空間11a側には、第1の供給系6a(図1)を構成する供給管12bが接続されており、この供給管12bに接続されたガス供給部13bから第2のガスが供給される。そして、第1の空間11a側に同じく設けられた排出口から、第2のガスと、薄膜材料100を透過して第2の空間11bから第1の空間11aに移動した第1のガスに含まれている成分との混合物が排出される。この排出口から排出されたガスが、第1の検出用管7aと、第1の排気用管8aとに流れる構成となっている。
なお、第1のガス透過セル2aの外表面の大部分は、温度制御部14に覆われている。第1のガス透過セル2aは直接的に温度制御をされているので、ガス透過セルの温度を一定に保つことが容易である。
<検出器>
検出器3は、第1のガス透過セル2a、第2のガス透過セル2b及び第3のガス透過セル2cが排出したガス(標的成分を含む気体)を導入して、ガスに含まれる標的成分を測定することにより、薄膜材料100のガス透過度を測定する。標的成分としては、水蒸気などを挙げることができる。検出器3には、ガス透過度を測定する従来周知の検出器を採用することができる。
検出器3には、第1の検出用管7a、第2の検出用管7b及び第3の検出用管7cが合わさって成る共通管(不図示)が接続しており、第1のガス透過セル2a、第2のガス透過セル2b及び第3のガス透過セル2cが排出したガスが導入される。具体的には、後述するようにバルブを制御することによって、検出器3には、第1のガス透過セル2a、第2のガス透過セル2b及び第3のガス透過セル2cのいずれかから排出されたガスが導入される。すなわち、同時に複数のガス透過セルから排出されたガスが検出器3に導入することはない。
<バルブ自動制御部>
バルブ自動制御部5は、第1のガス透過セル2a、第2のガス透過セル2b及び第3のガス透過セル2cのいずれかから排出されたガスが検出器3に導入されるように、各ガス透過セルに対応して設けられた先述のバルブ群の動作(開閉動作)を制御する。本実施形態1では、このバルブ自動制御部5のバルブ制御機構に主な特徴がある。これを説明するにあたり、まずは比較構成の問題点を挙げ、その解決方法を説明することによりバルブ自動制御部5を説明する。
<比較構成とその問題点>
比較構成として、図1の本実施形態1のバルブ自動制御部5以外の構成において同一の構成のガス透過度測定装置を仮定する。すなわち、比較構成のガス透過度測定装置には、図1のバルブ自動制御部5とは異なる比較構成のバルブ制御装置が設けられているものとする。
そして、比較構成のバルブ制御装置は、第1のガス透過セル2aに対応する第1の検出用バルブγ1と第1の排気用バルブβ1とを同時に切り替えるように制御するものとする。具体的には、次の工程で切り替えがおこなわれるものとする;
(工程A)排気用バルブが開かれており、ガスは第1のガス透過セル2aから第1の排気口9aに流れている工程
(工程B)工程Aに続いて、第1の排気用バルブβ1が閉じられると同時に第1の検出用バルブγ1が開かれて、ガスが第1のガス透過セルから検出器に流れる工程。
なお、各バルブは、その特性上(構造上)、バルブの動作中、すなわちバルブを切り替えて流路を開から閉、またその逆にする間はガスの流通が遮断されるため、第1の排気用バルブβ1と第1の検出用バルブγ1とを同時に切り替えると、第1の検出用バルブγ1及び第1の排気用バルブβ1の上流(ガス透過セル側)においてガスの流れが滞ってガスの圧縮が生じる。
ガスの圧縮が生じた状態で、比較構成のバルブ制御装置が第1の検出用バルブγ1を切り替えて検出用管の流路が開き、ガスが検出器3に導入されると、検出値のデータに不都合なピークが生じる(詳細は後述)。このように、検出値のデータが変動することにより、検出値が安定するまでの時間が長くなり、測定の迅速性に欠ける。
また、薄膜材料100がガスバリア性が高いことを確認する場合、すなわち、ガスが透過しないこと、あるいはほぼ透過しないことを確認する場合に、ガス透過度の適正値(理想値)に近づけることが難しく、例えば10-5g/m2/day以下のガス透過度を確認するような高感度の測定が困難となる。
また、薄膜材料100が脆弱な試料である場合には、ガスの圧縮によって、ガス透過セル内の圧力の上昇により薄膜材料100を破損してしまうことがある。
ここで、薄膜材料100とは、周知の多孔性材料を挙げることができるが、ガスバリア性の高いものとして、ガラスからなる薄膜を挙げることができ、ガラスからなる薄膜のうちの厚さ5μm〜50μm程度の薄膜は脆弱な試料の一例として挙げることができる。
このように、比較構成において生じる問題を、本実施形態1のガス透過度測定装置1は、バルブ自動制御部5を用いて次のようにして解決する。
2.ガス透過度の測定方法
<バルブ自動制御部5の制御機構>
図3は、バルブ自動制御部5が、第1の検出用バルブγ1及び第1の排気用バルブβ1の制御を行うタイミングのプログラムのチャートを示している。プログラム上では、バルブ自動制御部5が、第1の排気用バルブβ1をONにして第1の排気用管8a(図2)の流路を開いている(排気している)間に、OFFにしている第1の検出用バルブγ1をONに切り替えて第1の検出用管7a(図2)の流路を開き(図3中のA)、第1の検出用管7aの流路が完全に開いてから第1の排気用バルブβ1をONからOFFに切り替えて第1の排気用管8a(図2)の流路を閉じる(図3中のB)。また、第1の検出用管7aの流路を閉じる際には、第1の検出用バルブγ1がONで第1の検出用管7aの流路が完全に開いている状態において、OFFにしている第1の排気用バルブβ1をONに切り替えて第1の排気用管8aを開き(図3中のC)、第1の排気用管8aが完全に開いてから第1の検出用バルブγ1をOFFして第1の検出用管7aの流路を閉じている(図3中のD)。すなわち、プログラム上では次の各工程に沿ってバルブの切り替えをおこなう。
(工程1)バルブ自動制御部5が、第1の排気用バルブβ1をONにして第1の排気用管8aの流路を開いている間に、第1の検出用バルブγ1をOFFからONに切り替えて第1の検出用管7aの流路を開く工程
(工程2)バルブ自動制御部5が、工程1に続いて、第1の検出用管7aの流路が完全に開いてから第1の排気用バルブβ1をONからOFFに切り替えて、第1の排気用管8aの流路を閉じる工程
(工程3)バルブ自動制御部5が、工程2に続いて、第1の検出用バルブγ1がONで第1の検出用管7aの流路が完全に開いている状態において、第1の排気用バルブβ1をOFFからONに切り替えて、第1の排気用管8aの流路を開く工程
(工程4)バルブ自動制御部5が、工程3に続いて、第1の排気用管8aが完全に開いてから第1の検出用バルブγ1をONからOFFに切り替えて、第1の検出用管7aの流路を閉じる工程。
このバルブ自動制御部5による切り替え方式によれば、図3に示すA−B期間及びC−D期間において、第1の排気用バルブβ1及び第1の検出用バルブγ1がともにONになっていて、第1の検出用管7aと第1の排気用管8aとがともに開いている状態となるため、ガス透過度測定装置1内のガスの流れが比較構成のように止まることがない。
ここで、A−B期間及びC−D期間は、流路が完全に閉じられている状態から完全に開いた状態となるまで(またはその逆)の期間とすることができ、例えば1〜20秒間であることが好ましく、3〜10秒間がより好ましい。
なお、検出器3による検出は、図3に示すB−C期間において行われる。
なお、以上の(工程1)〜(工程4)は、本実施形態1のガス透過度測定装置1を用いたガス透過度の測定方法を説明していると換言することもできる。
このように、バルブ自動制御部5は、第1のガス透過セル2aに対応して設けられた第1の排気用バルブβ1及び第1の検出用バルブγ1を制御する。なお、バルブ自動制御部5は、第2のガス透過セル2b及び第3のガス透過セル2cのそれぞれに対応して設けられた排気用バルブ及び検出用バルブも同様におこなうので、ここでは説明を省略する。
以上のような各ガス透過セルに対応したバルブのバルブ自動制御部5による制御機構を用いて、本実施形態1のガス透過度測定装置1は、次のようなフローで、検出器3によって検出する対象のガス透過セルを切り替える。
図4は、バルブ自動制御部5により制御された、バルブの切り替え工程のフローチャートを示している。なお、ステップS1を開始する時点では、第1の排気用バルブβ1、第2の排気用バルブβ2、第3の排気用バルブβ3、第1の検出用バルブγ1、第2の検出用バルブγ2及び第3の検出用バルブγ3は閉じて(OFFにして)いる。
ステップS1では、図1に示すバルブ自動制御部5が第1の排気用バルブβ1、第2の排気用バルブβ2及び第3の排気用バルブβ3を開いて(ONにして)、第1の排気用管8a、第2の排気用管8b及び第3の排気用管8cの流路を開く。これにより、第1のガス透過セル2a、第2のガス透過セル2b及び第3のガス透過セル2cから透過されたガスを、第1の排気口9a、第2の排気口9b及び第3の排気口9cから排気させる。なお、第1のガス透過セル2a、第2のガス透過セル2b及び第3のガス透過セル2cのそれぞれからのガスの排出(セル排出工程)は、第1の排気用バルブβ1、第2の排気用バルブβ2及び第3の排気用バルブβ3を開く(ONにする)前におこなってもよい。
ステップS2では、ステップS1後に、図1に示すバルブ自動制御部5が、第1の検出用バルブγ1を開いて(ONにして)、第1の検出用管7aを開く。これにより、第1のガス透過セル2aから排出されるガスは、第1の排気口9aへ供給されるとともに、検出器3へも供給される。
ステップS3では、ステップS2後に、バルブ自動制御部5が、第1の排気用バルブβ1を閉じて(OFFにして)、第1の排気用管8aを閉じる。これにより、第1のガス透過セル2aから排出されたガスの第1の排気口9aからの排気が停止し、ガスの流れを検出器3への供給のみにする(制御工程)。これにより、検出器3は、第1のガス透過セル2aから排出されたガスの測定を実施する(検出工程)。すなわち、ステップS2及びS3は、第1のガス透過セル2aの測定工程であると換言することができる。
ステップS4では、ステップS3後に、バルブ自動制御部5が、第1の排気用バルブβ1を開いて(ONにして)、第1の排気用管8aを開く。これにより、第1のガス透過セル2aから排出されるガスを再び第1の排気口9aと検出器3とに供給する。
ステップS5では、ステップS4後に、バルブ自動制御部5が、第1の検出用バルブγ1を閉じて(OFFにして)、第1の検出用管7aを閉じる。これにより、第1のガス透過セル2aから排出されるガスの検出器3への供給が停止する。すなわち、ステップS4及びS5は、ガスの流路の切り替える工程であると換言することができる。
ステップS6では、ステップS5後に、バルブ自動制御部5が、第2の検出用バルブγ2を開いて(ONにして)、第2の検出用管7bを開く。これにより、第2のガス透過セル2bから排出されるガスは、第2の排気口9bへ供給されるとともに、検出器3へも供給される。
ステップS7では、ステップS6後に、バルブ自動制御部5が、第2の排気用バルブβ2を閉じて(OFFにして)、第2の排気用管8bを閉じる。これにより、第2のガス透過セル2bから排出されるガスの第2の排気口9bからの排気が停止し、ガスの流れを検出器3への供給のみにする。これにより、検出器3は、第2のガス透過セル2bから排出されたガスの測定を実施する。すなわち、ステップS6及びS7は、第2のガス透過セル2bの測定工程であると換言することができる。
ステップS8では、ステップS7後に、バルブ自動制御部5が、第2の排気用バルブβ2を開いて(ONにして)、第2の排気用管8bを開く。これにより、第2のガス透過セル2bから排出されるガスを再び第2の排気口9bと検出器3とに供給する。
ステップS9では、ステップS8後に、バルブ自動制御部5が、第2の検出用バルブγ2を閉じて(OFFにして)、第2の検出用管7bを閉じる。これにより、第2のガス透過セル2bから排出されるガスの検出器3への供給が停止する。すなわち、ステップS8及びS9は、ガスの流路の切り替える工程であると換言することができる。
ステップS10では、ステップS9後に、バルブ自動制御部5が、第3の検出用バルブγ3を開いて(ONにして)、第3の検出用管7cを開く。これにより、第3のガス透過セル2cから排出されるガスは、第3の排気口9cへ供給されるとともに、検出器3へも供給される。
ステップS11では、ステップS10後に、バルブ自動制御部5が、第3の排気用バルブβ3を閉じて(OFFにして)、第3の排気用管8cを閉じる。これにより、第3のガス透過セル2cから排出されるガスの第3の排気口9cからの排気が停止し、ガスの流れを検出器3への供給のみにする。これにより、検出器3は、第3のガス透過セル2cから排出されたガスの測定を実施する。すなわち、ステップS10及びS11は、第3のガス透過セル2cの測定工程であると換言することができる。
ステップS12では、ステップS11後に、バルブ自動制御部5が、第3の排気用バルブβ3を開いて(ONにして)、第3の排気用管8cを開く。これにより、第3のガス透過セル2cから排出されるガスを再び第3の排気口9cと検出器3とに供給する。
ステップS13では、ステップS12後に、バルブ自動制御部5が、第3の検出用バルブγ3を閉じて(OFFにして)、第3の検出用管7cを閉じる。これにより、第3のガス透過セル2cから排出されるガスの検出器3への供給が停止する。以上で測定が終了する。すなわち、ステップS12及びS13は、ガスの流路の切り替える工程であると換言することができる。
<バルブの材質>
本実施形態1のガス透過度測定装置1に用いられる各バルブ(第1の排気用バルブβ1、第1の検出用バルブγ1、第2の排気用バルブβ2、第2の検出用バルブγ2、第3の排気用バルブβ3及び第3の検出用バルブγ3)は、従来周知のバルブを用いることができるが、なかでも金属からなるものを用いることが好ましい。その理由は、金属からなるものを用いれば、水分が吸着することがないため、高感度な測定ができ、耐熱であればガス透過セルを加熱することができるため、様々な条件での測定を実施することができる。仮に樹脂製のバルブを採用した場合、ガスが流れる際にバルブに水分が吸着してしまい。ガス透過度の測定データに影響を与え、高感度な測定が困難になる場合がある。また樹脂製のバルブではガス透過セルを加熱することができないため、測定条件が制限されてしまう場合がある。なお、本発明は樹脂製のバルブを使用する態様を発明の範囲から排除するものではない。
<本実施形態1の効果>
本実施形態1において説明した第1の排気用バルブβ1及び第1の検出用バルブγ1の切り替え方式と、比較構成の切り替え方式(第1の排気用バルブβ1及び第1の検出用バルブγ1を同時に切り替える方式)とを比較することによって、本実施形態1の効果を説明する。
図5は、本実施形態1のバルブ自動制御方式(図5中の(i))と、比較構成のバルブ制御方式(図5中の(ii))とにおけるガス透過度測定の検出値の比較図である。なお、図5には、適正値(図5中の(iii))も併せて示している。適正値(iii)は、バルブの切り換えをすることがなく、1つの検出器に対して1つのガス透過度セルのみが接続されているガス透過度測定装置によってガスバリア性が高い薄膜材料を用いて得られる検出器の検出値であり、該ガス透過のガス透過度である。
先述したように比較構成のバルブ制御方式は、2つのバルブを同時に切り替える際に、ガスの流れが止まり、ガスが圧縮され圧力変動を起こす。そのため、検出器へのガスの供給が開始した時点で圧縮したガスが供給されるため、検出器の検出値に異常に大きなピークが生じる(図5中の(ii)の矢印aで示した検出値のピーク)。これにより、比較構成の場合では、ガス供給を開始してから検出値が安定するのに、矢印cまでの比較的長い時間が必要となる。
また比較構成のバルブ制御方式を用いた場合には、検出値が適正値(iii)に至らない。すなわち、比較構成のバルブ制御方式を用いた場合には、高感度の測定が困難であるといえる。
一方、本実施形態1では、一方のバルブの開閉を切り替える途中の間においても、もう一方のバルブが開いているため、ガス透過度測定装置内のガスの流れが滞ることはない。そのため、比較構成のように圧縮したガスが検出器に供給されることがない。そのため、図5中の(i)に示すように、本実施形態1の検出値には、比較構成のように異常に大きなピークは生じない。そのため、ガス供給を開始してから検出値が安定するのに、矢印bまでの比較的短い時間、すなわち比較構成において検出値が安定する時点(矢印c)よりも短い時間、で安定する。
したがって、ガス透過度を迅速に測定することが可能である。
また、本実施形態1の場合、ガスの圧縮が生じないため、比較構成において説明したような薄膜材料100への負荷を減らすことができる。これにより、比較構成に比べて、脆弱な薄膜材料100を測定対象とすることができる。
本実施形態1のバルブ自動制御方式を用いれば、バルブを切り替える際に、ガスの流れが止まることがないため、検出値のデータが安定するまでの時間が短く迅速に測定を実施することができる。
ここで、図6は、本実施形態1のバルブ自動制御方式を用いて、測定するガス透過セルを切り替えて得られたガス透過度のプロット図である。なお、図6における3種のグラフは、第1のガス透過セル2aから排出されるガスを用いた検出値のグラフ(図6中の丸印)、第2のガス透過セル2bから排出されるガスを用いた検出値のグラフ(図6中の四角印)及び第3のガス透過セル2cから排出されるガスを用いた検出値のグラフ(図6中の三角印)である。図6では、図4を用いて説明したように、第1のガス透過セル2a、第2のガス透過セル2b、第3のガス透過セル2cをこの順で切り替えて検出器3で検出し、更に複数回繰り返した場合のプロット図である。
本実施形態1のバルブ自動制御方式によれば、1つのガス透過セルにおける1回の測定において検出値が安定するまでの時間が比較的短い(つまり、図6において1つの測定点をとるまでの時間が短い)。そのため、ガス透過セルから次のガス透過セルに切り替えるまでの測定間隔が短くなる(例えば図6の間隔T)。そのため、所定の時間内において多くの測定点をとることができ、ガス透過度の安定の判断が早くなり、測定の迅速性が得られる。
図7は、比較構成のバルブ制御方式を用いて、測定するガス透過セルを切り替えて得られたガス透過度のプロット図であり、図6の本実施形態1のものに対応している。比較構成のバルブ制御方式によれば、1つのガス透過セルにおける1回の測定の検出値が安定するまでの時間が長い。そのため、ガス透過セルから次のガス透過セルに切り替えるまでの測定間隔が長くなる(例えば図6の間隔t)。そのため、所定の時間内においてとれる測定点は図6に比べて少なくなり、ガス透過度の変化が分かり難く、ガス透過度の安定の判断に時間が掛かり、測定の迅速性が損なわれる。
なお、本実施形態1では、例えば第1のガス透過セル2aに対応した第1の排気用バルブβ1及び第1の検出用バルブγ1において、第1の検出用バルブγ1を閉めるときにも、閉める前に第1の排気用バルブβ1を開ける構成となっている。しかしながら、本発明は、第1の検出用バルブγ1を閉めるときには、閉めると同時に第1の排気用バルブβ1を開ける構成としてもよい。要するに、本発明の主な目的は、第1の検出用バルブγ1を開いて検出器3にガスを導入する時点において、圧縮したガスが検出器3に流れることを防ぐことにある。そのため、この目的を達成することだけを考慮すれば、検出器3へのガスの供給を停止するタイミングにおいては、本実施形態1のようなバルブの制御方式を採用する必要はない。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図8は、本実施形態2のガス透過度測定装置1における第1のガス透過セル2a及びその近傍を図示した模式図である。なお、第2のガス透過セル2bの第2の排気口9b及び第3のガス透過セル2cの第3の排気口9cは、第1のガス透過セル2aの第1の排気口9aと同一の構成であるため、図8では第1のガス透過セル2a近傍のみを図示している。
図8は示す本実施形態2のガス透過度測定装置1には、第1のガス透過セル2aの第1の排気口9aに実施形態1には無い自動圧力制御機器15が設けられている。
上述の実施形態1においては、第1の排気用バルブβ1によって第1の排気用管8aの流路が開いている場合、第1の排気口9aは外部に向かって開口しているため、第1の排気用管8a内は外気圧(すなわち大気圧)となる。また、第1のガス透過セル2aから検出器3に流れるガスの圧力は大気圧より大きい。そのため、上述の実施形態1においては、第1の検出用管7a内の気圧は、第1の排気用管8a内の気圧よりも高く、両者に差が生じている。そのため、上述の実施形態1においては、第1の排気用バルブβ1を開く際、ガス透過度測定装置1の中で僅かながらガスの圧力変動が起きる。
そこで、本実施形態2では、これを回避するべく、第1の排気用管8aに自動圧力制御機器15を設けている。自動圧力制御機器15は、第1の排気用管8a内の気圧を、第1の検出用管7a内の気圧と等しくすることができる。自動圧力制御機器15を設けることにより、第1の排気用バルブβ1を切り替えた際も、ガス透過度測定装置1の中の圧力を一定に保つことができ、圧力変動を実施形態1よりも一層抑えることができる。また、これに伴って、薄膜材料100への負荷もより軽減でき、薄膜材料100の破損を更に生じ難くすることができる。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
上述の実施形態1では、各ガス透過セルに接続された管4の排気用管と検出用管との分岐部(第1のガス透過セル2aの場合の第1の排気用管8aと第1の検出用管7aとの連結部)にそれぞれ2つのバルブ(第1のガス透過セル2aの場合の第1の排気用バルブβ1及び第1の検出用バルブγ1)が設けられた構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図9に示す構成であってもよい。
図9は、本実施形態3を示す図であり、図1の第1のガス透過セル2aに接続された配4の分岐部に相当する部分拡大図である。
図9に示す本実施形態3では、分岐部(第1のガス透過セル2aの場合の第1の排気用管8aと第1の検出用管7aとの連結部)に3つのバルブが設けられている。具体的には、図1と同じ第1の排気用バルブβ1、第1の検出用バルブγ1に加えて、分岐部の上流位置にもバルブα1が配されている。
このバルブα1も、他のバルブと同様にバルブ自動制御部5により制御されているが、常に分岐部の上流位置の流路を開いているように制御されていればよい。このバルブα1は、第2のガス透過セル2b及び第3のガス透過セル2cに対応する分岐部の上流位置にも設けてもよい。
本発明の一実施例について図10に基づいて説明する。
図10は、実施形態1に示すガス透過度測定装置1を用いた実施例によって得られる水蒸気透過度(ガス透過度)の測定グラフを示す図である。図10中の(a)は、測定グラフに全測定データが納まるように水蒸気透過度の値を調整したグラフである。図10中の(b)は、測定グラフの安定の判断を容易にするために、図10中の(a)の測定グラフを縦軸方向に拡大したグラフである。本実施例では、バルブ切り替え時の水蒸気透過度(ガス透過度)の変化を観測するため、試験ガスに暴露される面積が19.6cm2のガス透過セルに、水蒸気を通さないSUS板(図2における薄膜材料100に相当)を装着した状態で水蒸気透過試験を行い、ブランク値を測定した経時変化を示す。なお、測定前には高純度窒素をガス透過セル内及び管内に供給して内部の水蒸気を十分減衰させた。また、測定は、温度を40℃に設定し、湿度を90%RHの条件において実施した。なお、比較例として、比較構成のバルブ切り替え方式を用いて実施した結果を図11中の(a)及び図11中の(b)に示す。なお、図11中の(b)は図11中の(a)の測定グラフを縦方向に拡大したグラフである。
図10に示す実施例では、グラフの横軸が0の時点よりも前に第1の排気用バルブと第1の検出用バルブとを開いておいた。このとき、第2の排気用バルブ及び第3の排気用バルブも開いており、第2の検出用バルブ及び第3の検出用バルブは閉じていた。
次に横軸が0の時点で第1の排気用バルブを閉じて第1の検出用バルブのみを開いた状態とし、第1のガス透過セルから排出されたガスのみを検出器に供給するようにした。
そして、横軸が2の時点まで第1のガス透過セルが排出したガスの水蒸気透過度の測定が行われた。
次に横軸が2の時点で、第1の排気用バルブを再び開き、第1の排気用バルブと第1の検出用バルブとが開いた状態を5秒間確保した。
その後、第1の検出用バルブを閉じて、第2の検出用バルブを開き、第2の排気用バルブを閉じて第2の検出用バルブのみを開いた状態とし、第2のガス透過セルから排出されたガスのみを検出器に供給するようにした。
その結果、図10中の(a)に示すように、0から0.5時間までの水蒸気透過度の上昇(ピーク)を抑えることができていることが示された。また0.5から2時間までの水蒸気透過度の数値が小さくなり適正値(図5の(iii))に近づけることができた。
一方、図11中の(a)に示す比較構成の場合、ガス透過度は、排気用バルブ及び検出用バルブを横軸0の時点と横軸2の時点とにおいて同時に切り替えた。すると、0から0.5時間までの水蒸気透過度の上昇は、図10の実施例の上昇に比べて格段に大きくなった。
また、図10中の(b)に示すように、実施例の場合は、横軸が1の時点でガス透過度が安定した(つまり、検出値の仮想近似線がフラットになった)。これに対して、図11中の(b)に示された比較構成では、横軸が1の時点ではガス透過度は安定せず、横軸が2の時点で安定した。すなわち、実施例のほうが、迅速な測定を実施することができることが示された。
本発明は上述した各実施形態及び変形形態並びに実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、種々の薄膜材料のガス透過度測定に利用することができる。
1 ガス透過度測定装置
2a 第1のガス透過セル
2b 第2のガス透過セル
2c 第3のガス透過セル
3 検出器
4 管
5 バルブ自動制御部
6a〜6c 供給系
7a 第1の検出用管
7b 第2の検出用管
7c 第3の検出用管
8a 第1の排気用管
8b 第2の排気用管
8c 第3の排気用管
9a 第1の排気口
9b 第2の排気口
9c 第3の排気口
10a 上部材
10b 下部材
11a 第1の空間
11b 第2の空間
12a〜12d 管
13a、13b ガス供給部
14 温度制御部
15 自動圧力制御機器
100 薄膜材料(測定対象物)
α1 バルブ
β1 第1の排気用バルブ
β2 第2の排気用バルブ
β3 第3の排気用バルブ
γ1 第1の検出用バルブ
γ2 第2の検出用バルブ
γ3 第3の検出用バルブ

Claims (5)

  1. ガス透過度の測定対象物を固定して、該対象物を透過する気体を排出する複数のセルと、
    上記気体中の標的成分を検出する1つの検出器と、
    上記検出器への上記気体の流路を開閉する第1のバルブ、排気口、及び該排気口を開閉する第2のバルブが各上記セルに対応して設けられた、上記複数のセルと上記検出器との間に配された管と、
    上記第1のバルブ及び上記第2のバルブを制御して、上記排気口が開である状態において或る1つの上記セルに対応する上記流路を閉から開に切り替えた後に、該或る1つのセルに対応する上記排気口を閉として、該或る1つのセルの上記気体を上記検出器に導入させる制御部とを備えたことを特徴とするガス透過度の測定装置。
  2. 上記制御部は、上記第1のバルブ及び上記第2のバルブを制御して、上記排気口が開である状態において上記或る1つのセルに対応する上記流路を開から閉へ切り替えることを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  3. 上記排気口から排気された上記気体を排気する排気用管を更に備え、
    上記第2のバルブは、上記排気用管に設けられており、
    上記排気用管には、更に、該排気用管内の気圧を自動調整する自動圧力制御機器が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の測定装置。
  4. 上記第1のバルブ及び上記第2のバルブは、金属から構成されていることを特徴とする請求項1から3までの何れか1項に記載の測定装置。
  5. 請求項1から4までの何れか1項に記載の測定装置を用いたガス透過度の測定方法であって、
    上記測定対象物を透過する気体を上記セルから排出させるセル排出工程と、
    上記排気口を開としている状態において或る1つの上記セルに対応する上記流路を閉から開に切り替え、切り替えた後に、該或る1つのセルに対応する上記排気口を閉とするように、上記第1のバルブ及び上記第2のバルブを制御する制御工程と、
    上記制御工程の後に、上記或る1つのセルから導入された上記気体中の上記標的成分を検出する検出工程とを含むことを特徴とする、ガス透過度の測定方法。
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