JP6491901B2 - 車内への揮散性成分の供給方法 - Google Patents

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本発明は、害虫防除成分や芳香成分、消臭成分といった揮散性成分を、所望する時に任意、簡便かつ安全に車内へ供給する方法に関する。
自動車の乗降時や窓を開けて走行している際、外から車内に虫や排気ガス等の不快な臭気が入ることがあり、乗り手に不快感を与えたり、運転に支障を来す場合がある。
そこでこれらの問題を解消するために、例えば、自動車などの閉じられた空間で使用する脱臭剤や香料、精油、防虫剤等の揮発性液体を拡散させる拡散器が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
この他にも自動車のシガレットライターのコンセントを使用してマット状殺虫剤を加熱くん蒸して、蚊の侵入を防止する自動車室内用殺虫器(例えば、特許文献2参照。)や自動車のドアガラスに取り付けることで虫の車内への侵入を防ぐ防虫ネット(例えば、特許文献3参照。)などが提案されている。
特開昭62−74365号公報 特開平4−23937号公報 特開2001−96号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたような車内設置型の薬剤は、夏の暑い時期等車内温度が高くなった場合に、前記薬剤が短期間に沢山揮散してしまい、車内の薬剤濃度が高くなったり、使用期間が短くなるという欠点があった。また、前記車内設置型の薬剤は、常に車内に載置されていることから邪魔となることがあった。
特許文献2に記載されたような器具は、シガーソケット電源を用いて熱により薬剤を蒸散させることから火傷等の危険を含む他、電力等のエネルギーも必要とする。
また特許文献3に記載されたような防虫ネットは、車への設置が煩雑であったり、視界を妨げるおそれがあり、また、網戸の構造によっては取り付ける車種毎にサイズを規格化する必要がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、車内に薬剤を常設することなく、害虫防除成分や芳香成分、消臭成分といった揮散性成分を、所望する時に任意、簡便かつ安全に車内に揮散することができる車内への揮散性成分の供給方法を新たに提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、車載の空調機器における外気導入口近傍に揮散性成分を含む薬剤を処理し、車内に取り入れられる空気流に前記揮散成分を接触させて含ませることにより、前記揮散性成分を車内に供給する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下のとおりである。
<1>車載の空調機器における外気導入口近傍に害虫防除成分、消臭成分及び芳香成分からなる群より選ばれる少なくとも1の揮散性成分を含む薬剤を処理し、車内に取入れられる空気流に前記揮散性成分を接触させて含ませることにより、前記揮散性成分を車内に供給することを特徴とする車内への揮散性成分の供給方法。
<2>前記揮散性成分の蒸気圧が1×10−5mmHg/25℃以上である、前記<1>に記載の車内への揮散性成分の供給方法。
本発明の車内への揮散性成分の供給方法によれば、薬剤を車内に載置する必要はなく、外気導入口より車内に取り入れられる空気流に揮散性成分を接触させて含ませることにより、前記揮散性成分も同時に車内に供給することができる。そのため、必要な時に簡易かつ安全に揮散性成分を車内に供給することができる。また車内の揮散性成分濃度が意図せず高くなりすぎることはなく、薬剤が短期間になくなることもない。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は車載の空調機器における外気導入口近傍に害虫防除成分、消臭成分及び芳香成分からなる群より選ばれる少なくとも1の揮散性成分を含む薬剤を処理し、車内に取入れられる空気流に前記揮散性成分を接触させて含ませることにより、前記揮散性成分を車内に供給することを特徴とする車内への揮散性成分の供給方法に関するものである。
車載の空調機器の電源を入れ、外気導入モードにすることで外気導入口から外気が車内に取り入れられる空気流が発生する。また空調機器の電源が入っていない場合でも、車を走行させることによって、外気導入口から車内へつながっている流路を経て外気が車内に取り入れられる空気流が発生する。当該空気流の発生により、車外に処理した薬剤に含まれる揮散性成分が前記空気流に接触して共に車内へ供給されるようになる。
そこで前記外気導入口の近傍に害虫防除成分、消臭成分及び芳香成分からなる群より選ばれる少なくとも1の揮散性成分を含む薬剤を処理し、外気が車内に取り入れられる空気流を発生させることで、前記揮散性成分を前記空気流に接触させて含ませることができ、前記揮散性成分を車内に供給することが可能となる。
なお、空調機器の電源を入れて外気導入モードにした状態で車を走行させると、車内に取り入れられる空気流が強くなることから、本発明における揮散性成分をより多く車内へ供給することができ、前記揮散性成分の有する効果をより強く発現することができる。
車載の空調機器における外気導入口とは、エンジンルームの後方上、車のフロントガラスにおけるワイパーの下方あたりに位置することが一般的である。
前記外気導入口近傍に薬剤を処理するとは、処理した薬剤中の揮散性成分が、車載の空調機器の電源を入れて外気導入モードにした際及び/または車を走行した際に取り入れられる空気流に乗って一緒に車内に供給されればよい。
薬剤の態様としては、例えば、シート状製剤、ネット状製剤、噴霧状製剤(ハンドポンプ、エアゾールなど)、ウィンドウウォッシャー液、ガラスコーティング液等の塗布剤等が挙げられる。
薬剤がシート状薬剤やネット状薬剤である場合には、外気導入口を覆うように薬剤を設置したり、外気導入口近傍に薬剤を設置することができる。薬剤がウィンドウウォッシャー液である場合には、散布したウィンドウウォッシャー液がワイパーによって外気導入口周囲に流れ落ちてくることで、外気導入口近傍に薬剤が処理される。薬剤がガラスコーティング液である場合には、フロントガラスの下方、外気導入口の上方付近のガラスに薬剤を塗布または散布することで、薬剤に含まれる揮散性成分が、車内に取り入れられる外気の空気流に乗って車内に供給される。
その他、本発明における薬剤を外気導入口近傍に処理する方法には、薬剤を外気導入口近傍に直接塗布、散布または載置する方法や、ワイパーのラバー部分に薬剤を塗布する方法等、様々な方法が挙げられるが、外気導入口から車内に取り入れられる空気流に揮散性成分を接触させて含ませることができれば、薬剤の態様や薬剤を処理する方法、場所に制限はされない。
本発明における薬剤は車外に処理されることから、車内に薬剤を載置する必要がなく、車内空間において邪魔になることはない。また、必要なときに所望の揮散性成分を車内に供給して揮散することができるため、常に車内に揮散性成分が充満することもない。そのため揮散性成分として殺虫成分等を用いる場合であっても、揮散量を必要最小限に抑えることができることから、高濃度での暴露を予防することができ非常に有用である。
本発明における揮散性成分は空気流に接触して該空気流に含まれる程度の揮散性を有していればよく、25℃における蒸気圧が1×10−5mmHg(1×10−5mmHg/25℃)以上であると、車の空調機器の電源を入れて外気導入モードにした際や車を走行させた際に発生する空気流との接触により、当該空気流に揮散成分の有効量が取り込まれることから好ましい。また1×10−3mmHg/25℃以下であると不必要な揮散を抑えることができ、薬剤の使用期間が短くなることを防げる点で好ましい。より好適には、1×10−3〜1×10−5mmHg/25℃である。
本発明における揮散性成分は害虫防除成分、消臭成分及び芳香成分からなる群より選ばれる少なくとも1の揮散性成分を含んでいればよい。
害虫防除成分としては、忌避成分や殺虫成分を用いることができ、例えば、除虫菊エキス、天然ピレトリン、アレスリン、ビフェントリン、レスメトリン、フラメトリン、プラレトリン、テラレスリン、フタルスリン、フェノトリン、ペルメトリン、シフェノトリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、エムペントリン、イミプロトリン、サイパーメスリン、エトフェンプロックス、シフルスリン、デルタメスリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、シラフルオフェン等のピレスロイド系化合物;プロポクスル、カルバリル、メソミル、チオジカルブ等のカーバメイト系化合物;フェニトロチオン、DDVP、ダイアジノン、マラソン、ピリダフェンチオン、プロチオホス、ホキシム、クロルピリホス、ジクロルボス等の有機リン系化合物;メトキサジアゾン等のオキサジアゾール系化合物;ジノテフラン、イミダクロプリド、アセタミプリド等のネオニコチノイド系化合物;メトプレン、ハイドロプレン、ピリプロキシフェン等の昆虫成長制御剤;フィプロニル、ピリプロール等のフェニルピラゾール系化合物;クロルフェナピル等のピロール系化合物;アミドフルメト等のスルホンアミド系化合物;フィットンチッド、ハッカ油、オレンジ油、桂皮油、丁子油、ヒノキ、スギ及びヒバの精油、柑橘類の果皮及び種子からの抽出物等の天然成分由来の成分が挙げられる。
これらの中でも、蒸気圧が1×10−5mmHg/25℃以上である、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、エムペントリン、プロポクスル、メトキサジアゾン、アミドフルメト、ジノテフラン等が好ましく、さらにトランスフルトリン(2.6×10−5mmHg/25℃)、メトフルトリン(1.4×10−5mmHg/25℃)、プロフルトリン(7.7×10−5mmHg/25℃)が、蒸散性がよく、害虫防除効果に優れることから好ましい。
消臭成分としては、例えば、ツバキ、バラ、キク、マツ、スギ、オオバコ等の植物抽出エキス;茶抽出物、カテキン、植物ポリフェノール、リナロール、メントール、ボルネオール等の植物精油;ラウリルメタクリレート、メチル化サイクロデキストリン、ゲラニルクロトネート、ミリスチル酸アセトフェノン、パラメチルアセトフェノンベンズアルデヒド等が挙げられる。
芳香成分としては、例えば、じゃ香、ベルガモット油、シンナモン油、シトロネラ油、レモン油、レモングラス油、ハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油、オレンジ油、ユーカリ油、ラベンダー油、イグサ、ヒノキ等の天然香料;ピネン、リモネン、リナロール、メントール、ボルネオール、オイゲノール、シトロネラ、シトラール、シトロネラール、ゲラニオール、ウンデカラクトン、リモネン、フェネチルアルコール等の人工香料等が挙げられる。
本発明の薬剤に含まれる揮散性成分は1種でも2種以上でもよく、その他に、任意の成分(添加剤)を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、溶剤、界面活性剤、殺菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、揮散調整剤、着色剤、撥水剤、pH調整剤、オイル類、増粘剤、展着剤等が挙げられる。
溶剤としては、例えば、水、アルコール類、ペンタン類、エステル類、ケトン類、エーテル類、炭化水素類、芳香族類、石油類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、両性系界面活性剤等が挙げられる。
殺菌剤や防腐剤としては、例えば、クロロキシレノール、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、チモール等のフェノール系化合物;塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、ジンクピリチオン等の第4級アンモニウム系化合物;トリクロロカルバニリド等のカーバニリド系化合物;トリアルキルトリアミン等のアミン系化合物;3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイト、フェノキシエタノール、トリクロサン、N−ジクロロフルオロメチルチオ−N’,N’−ジメチル−N−フェニルスルファミド、ベンジルアルコール、パラベン類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)エンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、γ−オリザノール、アスコルビン酸等が挙げられる。
上記の他にも、例えば、青色1号、緑色202号、紫色201号等の法定色素、リボフラビン、クロロフィル等の天然色素等の着色剤;シリコーンオイル等の撥水剤;ポリビニルピロリドン等の揮散調整剤;クエン酸、リン酸、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、コハク酸等のpH調整剤;シリコーンオイル類、植物油、動物油、合成油、石油類等のオイル類;キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ベントナイト等の増粘剤;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等の展着剤などが挙げられる。
本発明に用いられる薬剤の剤形は特に制限されず、例えば、固型状、シート状、ネット状、液状、ゲル状、ゾル状等が挙げられるが、使用する薬剤の使用態様に合わせて適宜選択すればよい。
シート状薬剤やネット状薬剤は、車載の空調機器における外気導入口近傍に設置されればよく、外気導入口を覆うように設置することが、車内へ供給されずに車外へ拡散してしまう揮散性成分量が少なくなることから好ましい。また、自動車の走行に伴って薬剤が外れないようにしっかりと固定しておくことが必要である。
本発明における揮散性成分を含んだシート状薬剤やネット状薬剤は、空調の電源を入れて外気導入モードにすることによって、及び/または車を走行させることによって、車内に流入する外気と共に揮散性成分が車内に供給されて揮散する。この方法によれば、運転に支障を来すことなく、所望時に安全に揮散性成分を車内に供給、揮散することができる。
本発明における揮散性成分を含むウィンドウウォッシャー液をフロントガラスに散布し、ワイパーによって当該ウィンドウウォッシャー液が外気導入口近傍に流れ落ちることで、揮散性成分が外気導入口近傍に処理される。そこで空調の電源を入れて外気導入モードにすることによって、及び/または車を走行させることによって、外気と共に揮散性成分が車内に流入し、車内に供給、揮散することが可能となる。当該方法によれば、運転に支障を来すことなく、所望時に揮散性成分を車内に供給、揮散することができる。
薬剤としてガラスコーティング液を用いる場合には、通常のガラスコーティング液の処方に、所望の揮散性成分を添加して調製することができる。
本発明における揮散性成分を含んだガラスコーティング液をフロントガラスの下方、すなわち外気導入口の上方に塗布または散布することにより、外気が車内に導入される空気流に乗って揮散性成分も共に車内に導入される。当該方法によれば、空調の電源を入れて外気導入モードにする、及び/または車を走行させるという簡易な操作のみで、運転に支障を来すことなく安全に、揮散性成分を車内に供給、揮散することができる。
揮散成分である害虫防除成分、消臭成分及び芳香成分の薬剤に対する割合(濃度)は薬剤の使用態様に合わせて任意に決定することができる。例えば、揮散成分の濃度を低くして薬剤を大量及び/又は広範囲に処理する方法や、揮散成分の濃度を高くして薬剤を少量及び/又は局所的に処理する方法等が挙げられる。このように、薬剤の態様や薬剤を処方する場所、期間、範囲等に合わせて揮散成分の濃度を任意に決定すればよく、特に制限されない。
以下、試験例により本発明をさらに説明するが、本発明は下記例に何ら制限されるものではない。
<試験例1:ガラスコーティング液>
(試験検体の調製)
室温下(約25℃)で、市販のフロントガラス撥水剤(商品名;ミストガラコ(ソフト99コーポレーション社製))にメトフルトリンを30質量%となるように攪拌下混合し、検体1を調製した。
(防虫効果試験)
供試虫としてヒトスジシマカ(メス)の成虫20頭をいれたケージを車内助手席上に設置した。次いで、車の空調機器(エアコン)の電源を入れて外気導入モードとし、自動車のフロントガラス30cm四方あたり0.3mlの割合で検体1を吹き付けた。その状態で一般道を30分(20km程度)走行し、供試虫のノックダウンの有無を確認した。
<試験例2:ガラスコーティング液>
(試験検体の調製)
下記表1に記載した各成分を、室温下(約25℃)で撹拌下混合し、ガラスコーティング液として検体2を調製した。
(防虫効果試験)
供試虫としてヒトスジシマカ(メス)の成虫20頭をいれたケージを車内助手席上に設置した。次いで、車の空調機器(エアコン)の電源を入れて外気導入モードとし、自動車のフロントガラス全体に0.3mlの割合で検体2をハンドポンプにて吹き付けた。その状態で一般道を30分(20km程度)走行し、供試虫のノックダウンの有無を確認した。
<試験例3:ウィンドウウォッシャー液>
(試験検体の調製)
下記表2に記載した各成分を、室温下(約25℃)で撹拌下混合し、ウィンドウウォッシャー液として検体3を調製した。なお、本明細書において「POE」とは「ポリオキシエチレン」を意味する。
(防虫効果試験)
あらかじめ車のウィンドウウォッシャー液を上記で得た検体3に置換した。供試虫としてヒトスジシマカ(メス)の成虫20頭をいれたケージを車内助手席上に設置した。次いで、車の空調機器(エアコン)の電源を入れて外気導入モードとし、検体3であるウィンドウウォッシャー液をフロントガラスに約5秒間処理した。その状態で一般道を30分(20km程度)走行し、供試虫のノックダウンの有無を確認した。
(香り官能試験)
あらかじめ車のウィンドウウォッシャー液を上記で得た検体3に置換した。次いで、車の空調機器(エアコン)の電源を入れて外気導入モードとし、検体3であるウィンドウウォッシャー液をフロントガラスに約5秒間処理した。その状態で被験者5名を車内に乗せ、一般道を30分(20km程度)走行した。その後、車内の香りの有無について、被験者5名による官能評価を行った。
<試験例4:ネット状薬剤>
(試験検体の調製)
メトフルトリンをポリエステル製ネット(142mm×91mm)に約3g含浸させて、外装容器(175mm×105mm、厚さ20mm)に収納して検体4を得た。なお外装容器の両面には、面積の半分程度にスリット状の開口部が設けられている。
(防虫効果試験)
上記で得た検体4を車外の外気導入口付近に針金で2個固定した。供試虫としてヒトスジシマカ(メス)の成虫20頭をいれたケージを車内助手席上に設置した。次いで、車の空調機器(エアコン)の電源を入れて外気導入モードとした。その状態で一般道を30分(20km程度)走行し、供試虫のノックダウンの有無を確認した。
上記試験例1〜4における防虫効果試験の結果を以下の表3に示す。すべての試験例において、供試虫が全頭ノックダウンする結果が得られた。
また、試験例3における車内の香り官能試験では、被験者5名全員が香料であるローズ系の香りを強く感じる結果が得られた。
検体4を追加処理することなく、薬剤設置から1日、2日、および12〜14日経過した後に同様の試験を行ったところ、いずれも10分以内に供試虫全頭がノックダウンした。
以上の結果から、本発明にかかる揮散性成分の車内への供給方法によれば、薬剤の態様によらず、揮散性成分を含む薬剤の処理直後から高い効果が得られることが分かった。中でも薬剤をネット状薬剤(検体4)とすることで揮散性成分の過度な揮散を抑制でき、効果が長期間継続することが確認された。
また、薬剤をウィンドウウォッシャー液(検体3)とすることにより、所望時に薬剤を散布して外気導入口近傍に揮散性成分を処理することができ、かつ効果も優れることから、好ましい態様であると言える。

Claims (3)

  1. 車載の空調機器における外気導入口近傍かつ車外に害虫防除成分、消臭成分及び芳香成分からなる群より選ばれる少なくとも1の揮散性成分を含む薬剤を処理し、車内に取入れられる空気流に前記揮散性成分を接触させて含ませることにより、前記揮散性成分を車内に供給することを特徴とする車内への揮散性成分の供給方法。
  2. 前記揮散性成分の蒸気圧が1×10−5mmHg/25℃以上である、請求項1に記載の車内への揮散性成分の供給方法。
  3. 前記薬剤が、シート状製剤、ネット状製剤、噴霧状製剤、及び塗布剤からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1または2に記載の車内への揮散性成分の供給方法。
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