JP6490990B2 - Cyp2c19遺伝子増幅用プライマーセット、cyp2c19遺伝子増幅用キット、遺伝子増幅方法、多型解析方法、及び薬効判定方法 - Google Patents

Cyp2c19遺伝子増幅用プライマーセット、cyp2c19遺伝子増幅用キット、遺伝子増幅方法、多型解析方法、及び薬効判定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6490990B2
JP6490990B2 JP2015043933A JP2015043933A JP6490990B2 JP 6490990 B2 JP6490990 B2 JP 6490990B2 JP 2015043933 A JP2015043933 A JP 2015043933A JP 2015043933 A JP2015043933 A JP 2015043933A JP 6490990 B2 JP6490990 B2 JP 6490990B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
primer
seq
cyp2c19
oligonucleotide
base sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015043933A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016158612A (ja
Inventor
秀章 田副
秀章 田副
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arkray Inc
Original Assignee
Arkray Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Arkray Inc filed Critical Arkray Inc
Priority to JP2015043933A priority Critical patent/JP6490990B2/ja
Priority to EP16157930.5A priority patent/EP3064596B1/en
Publication of JP2016158612A publication Critical patent/JP2016158612A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6490990B2 publication Critical patent/JP6490990B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6844Nucleic acid amplification reactions
    • C12Q1/6858Allele-specific amplification
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6883Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/106Pharmacogenomics, i.e. genetic variability in individual responses to drugs and drug metabolism
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/156Polymorphic or mutational markers

Description

本発明は、CYP2C19遺伝子増幅用プライマーセット、CYP2C19遺伝子増幅用キット、遺伝子増幅方法、多型解析方法、及び薬効判定方法に関する。
シトクロムP450は、スーパーファミリーに分類される酵素群であって、多くのサブファミリー(CYP1A、CYP1B、CYP2C、CYP2D、CYP2E、CYP3A等)が存在する。その中でも、ヒトCYP2CサブファミリーのアイソザイムであるCYP2C19は、薬剤代謝に関与する代表的な酵素の1つである。
CYP2C19には、CYP2C19*2、CYP2C19*3、CYP2C19*17等の遺伝子多型が存在することが知られている。CYP2C19*2は、エキソン5の681番目の塩基であるグアニンがアデニンとなる変異であり、スプライシング異常の原因となり、遺伝情報の翻訳開始部位が変化する。CYP2C19*3は、エキソン4の636番目の塩基であるグアニンがアデニンとなる変異であり、終始コドンへの変化により翻訳が変異部位で中断される。CYP2C19*2及びCYP2C19*3の遺伝子多型では、いずれもCYP2C19の酵素活性が失活又は低下する。CYP2C19*17は、プロモーター領域の−806番目の塩基であるシトシンがチミンとなる変異であり、CYP2C19の発現及び酵素活性が上昇する。
これらの遺伝子多型は、いずれも薬剤の血中動態及び薬効に影響を与える。このため、CYP2C19の遺伝子多型を解析することは、薬剤による副作用を予測し、より良い効果を示す薬剤の投与条件を決定するために、極めて重要である。
他方、あらゆる疾患の原因や、個体の疾患易罹患性(疾患のかかり易さ)、個体間における薬効の違い等を遺伝子レベルで解析する方法として、点突然変異、いわゆる一塩基多型(SNP)の検出が広く行われている。点突然変異の一般的な検出方法としては、(1)試料の標的DNAについて、検出対象配列に相当する領域をPCR(Polymerase Chain Reaction)により増幅させ、その全遺伝子配列を解析するダイレクトシークエンス法、(2)試料の標的DNAについて、検出対象配列に相当する領域をPCRにより増幅させ、検出対象配列における目的の変異の有無により切断作用が異なる制限酵素によってその増幅産物を切断し、電気泳動することでタイピングを行うRFLP(Restriction Fragment Length Polymorphisms)解析、(3)3’末端領域に目的の変異が位置するプライマーを用いてPCRを行い、増幅の有無によって変異を判断するASP−PCR(Allele Specific Primer PCR)法等が挙げられる。
しかし、これらの方法は、例えば、試料から抽出したDNAの精製、電気泳動、制限酵素処理等が必須であるため、手間やコストがかかってしまう。また、PCRを行った後、反応容器を一旦開封する必要があるため、増幅産物が次の反応系に混入し、解析精度が低下する虞がある。さらに、自動化が困難であるため、大量のサンプルを解析することができない。また、上記(3)のASP−PCR法については、特異性が低いという問題もある。
このような問題から、近年、点突然変異の検出方法として、標的核酸とプローブとから形成される二本鎖核酸の融解温度(Tm:melting temperature)を解析する方法が実用化されている。このような方法は、例えば、Tm解析又は融解曲線解析と呼ばれている。これは、以下のような方法である。すなわち、まず、検出目的の点突然変異を含む検出対象配列に相補的なプローブを用いて、検出試料の標的一本鎖DNAとプローブとのハイブリッド(二本鎖DNA)を形成させる。続いて、このハイブリッド形成体に加熱処理を施し、温度上昇に伴うハイブリッドの解離(融解)を、吸光度等のシグナルの変動によって検出する。そして、この検出結果に基づいてTm値を決定することにより、点突然変異の有無を判断する方法である。Tm値は、ハイブリッド形成体の相同性が高い程高く、相同性が低い程低くなる。このため、点突然変異を含む検出対象配列とそれに相補的なプローブとのハイブリッド形成体について予めTm値(評価基準値)を求めておき、検出試料の標的一本鎖DNAとプローブとのTm値(測定値)を測定し、得られた測定値が評価基準値と同じであればマッチ、すなわち標的DNAに点突然変異が存在すると判断できる。一方、測定値が評価基準値より低ければミスマッチ、すなわち標的DNAに点突然変異が存在しないと判断できる。そして、この方法によれば、自動化も可能である。
しかし、このようなTm解析を利用した検出方法についても、PCRにおいて、検出目的部位を含む領域を特異的且つ効率的に増幅できなければならないという問題がある。特に、シトクロムP450は、前述のように、スーパーファミリーに分類される酵素群であって、同じサブファミリー(CYP2Cサブファミリー)に属する分子種には、非常に相同性の高いアイソザイムが存在し、それらをコードする配列も極めて類似している。このため、PCRにおいて、CYP2C19以外のアイソザイムのコード遺伝子までもが増幅される虞がある。また、このように他のアイソザイムのコード遺伝子までも増幅された場合、例えば、CYP2C19の遺伝子多型の解析において、解析結果の信頼性を低下させる原因にもなる。
国際公開第2008/066162号
このような背景の下、本件出願人は、CYP2C19*2及びCYP2C19*3の遺伝子多型部位を含む領域を特異的且つ効率的に増幅するためのプライマーセットを提案している(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載のプライマーセットを用いることにより、CYP2C19*2及びCYP2C19*3の遺伝子多型部位を含む各領域を同一反応液において同時に且つ特異的に増幅することができる。
ところで、日本人を含むアジア人に存在するCYP2C19の遺伝子多型は、大部分がCYP2C19*2及びCYP2C19*3であり、CYP2C19*17の頻度は低い。一方、人種によっては、CYP2C19*17の頻度が高いことが知られている。例えば、CYP2C19*17の頻度は、スウェーデン人及びエチオピア人では18%、ドイツ人では25%、ポーランド人では27%という報告がある。
近年、日本においても人種の多様化が進んでいるため、多様な人種に対応できるように、CYP2C19*2、CYP2C19*3、及びCYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む各領域を同一反応液において同時に且つ特異的に増幅することが望まれる。
しかし、CYP2C19*2、CYP2C19*3、及びCYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む各領域を同一反応液において同時に且つ特異的に増幅するには、各領域の増幅を阻害せず、且つ、同一の温度条件にて増幅できるプライマーセットを探索する必要がある。また、その増幅産物は、プローブを用いて安定的に遺伝子型の検出ができるものでなければならない。このため、そのようなプライマーセットは、これまで提案されていないのが現状であった。
そこで、本発明は、CYP2C19*2、CYP2C19*3、及びCYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む各領域を特異的且つ効率的に増幅するためのCYP2C19遺伝子増幅用プライマーセット、及びこれを含むCYP2C19遺伝子増幅用キットを提供することを課題とする。また、本発明は、CYP2C19遺伝子増幅用プライマーセットを用いた遺伝子増幅方法、多型解析方法、及び薬効判定方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は以下のとおりである。
[1] 下記プライマーセット(1)及び(2)と、下記プライマーセット(3a)、(3b)、及び(3c)から選ばれる1種のプライマーセット(3)とを含み、核酸増幅法によりCYP2C19遺伝子の目的領域を増幅するためのCYP2C19遺伝子増幅用プライマーセット:
プライマーセット(1)
配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
配列番号4の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
を含む一対のプライマーセット、
プライマーセット(2)
配列番号5の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
配列番号6の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
を含む一対のプライマーセット、
プライマーセット(3a)
配列番号7の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
配列番号11の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
を含む一対のプライマーセット、
プライマーセット(3b)
配列番号7の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
配列番号12の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
を含む一対のプライマーセット、
プライマーセット(3c)
配列番号9の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
配列番号11の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
を含む一対のプライマーセット。
[2] 上記プライマーセット(1)、(2)、及び(3b)を含む、上記[1]に記載のCYP2C19遺伝子増幅用プライマーセット。
[3] 生体試料中のCYP2C19遺伝子を増幅するためのプライマーセットである、上記[1]又は[2]に記載のCYP2C19遺伝子増幅用プライマーセット。
[4] 上記生体試料が全血である、上記[3]に記載のCYP2C19遺伝子増幅用プライマーセット。
[5] 試料中の核酸を鋳型として、上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のCYP2C19遺伝子増幅用プライマーセットを用いて、一反応液中でCYP2C19遺伝子の目的領域を増幅する増幅工程を含む遺伝子増幅方法。
[6] 上記プライマーセット(1)の合計モル量と上記プライマーセット(2)の合計モル量との比が1:1〜1:3であり、上記プライマーセット(1)の合計モル量と上記プライマーセット(3)の合計モル量との比が1:1.5〜1:4である、上記[5]に記載の遺伝子増幅方法。
[7] 上記[5]又は[6]に記載の遺伝子増幅方法によりCYP2C19遺伝子の目的領域を増幅する増幅工程と、
上記増幅工程で得られた増幅産物の一本鎖増幅核酸と、CYP2C19*2、CYP2C19*3、及びCYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む各領域にハイブリダイズ可能な各プローブとのハイブリッドを形成するハイブリッド形成工程と、
上記ハイブリッドを含む反応液の温度を変化させ、上記ハイブリッドの解離に基づくシグナルの変動を測定するシグナル測定工程と、
上記シグナルの変動に基づいてCYP2C19遺伝子の多型を解析する解析工程と、を含む多型解析方法。
[8] 上記増幅工程と上記ハイブリッド形成工程とが同時に進行する、上記[7]に記載の多型解析方法。
[9] 上記プローブが蛍光標識化プローブである、上記[7]又は[8]に記載の多型解析方法。
[10] 上記[7]〜[9]のいずれか1項に記載の多型解析方法によりCYP2C19遺伝子の多型を解析する解析工程と、
上記解析工程における解析結果に基づいて薬剤の薬効を判定する判定工程と、を含む薬効判定方法。
[11] 上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のCYP2C19遺伝子増幅用プライマーセットを含み、核酸増幅法によりCYP2C19遺伝子の目的領域を増幅するためのCYP2C19遺伝子増幅用キット。
[12] CYP2C19*2、CYP2C19*3、及びCYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む各領域にハイブリダイズ可能な各プローブをさらに含む、上記[11]に記載のCYP2C19遺伝子増幅用キット。
[13] 上記プローブが蛍光標識化プローブである、上記[11]又は[12]に記載のCYP2C19遺伝子増幅用キット。
本発明によれば、CYP2C19*2、CYP2C19*3、及びCYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む各領域を特異的且つ効率的に増幅するためのCYP2C19遺伝子増幅用プライマーセット、及びこれを含むCYP2C19遺伝子増幅用キットを提供することができる。また、本発明によれば、CYP2C19遺伝子増幅用プライマーセットを用いた遺伝子増幅方法、多型解析方法、及び薬効判定方法を提供することができる。
実験例1におけるCYP2C19*17、CYP2C19*2、又はCYP2C19*3の遺伝子多型部位を含む目的領域の増幅判定値を示す図である。 実験例2におけるCYP2C19*17、CYP2C19*2、又はCYP2C19*3の遺伝子多型部位を含む目的領域の増幅判定値を示す図である。 実験例3におけるCYP2C19*17、CYP2C19*2、又はCYP2C19*3の遺伝子多型部位を含む目的領域の増幅判定値を示す図である。 実験例4におけるTm解析結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
また、本明細書において組成物中のある成分の量について言及する場合、組成物中に当該成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に別途定義しない限り、当該量は、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
また、本明細書において「Tm値」とは、二本鎖核酸が解離する温度(融解温度:Tm)であって、一般に、260nmにおける吸光度が吸光度全上昇分の50%に達した時点の温度と定義される。二本鎖核酸、例えば二本鎖DNAを含む溶液を加熱していくと、260nmにおける吸光度が上昇する。これは、二本鎖DNAにおける両鎖間の水素結合が加熱によってほどけ、一本鎖DNAに解離(DNAの融解)することが原因である。そして、全ての二本鎖DNAが解離して一本鎖DNAになると、その吸光度が加熱開始時の吸光度(二本鎖DNAのみの吸光度)の約1.5倍程度を示し、これによって解離が完了したと判断できる。Tm値は、この現象に基づき設定される。
<CYP2C19遺伝子増幅用プライマーセット>
本発明のCYP2C19遺伝子増幅用プライマーセット(以下、単に「本発明のプライマーセット」という。)は、下記プライマーセット(1)及び(2)と、下記プライマーセット(3a)、(3b)、及び(3c)から選ばれる1種のプライマーセット(3)とを含むものであり、核酸増幅法によりCYP2C19遺伝子の目的領域を増幅するために用いられる。
プライマーセット(1)
配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
配列番号4の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
を含む一対のプライマーセット。
プライマーセット(2)
配列番号5の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
配列番号6の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
を含む一対のプライマーセット。
プライマーセット(3a)
配列番号7の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
配列番号11の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
を含む一対のプライマーセット。
プライマーセット(3b)
配列番号7の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
配列番号12の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
を含む一対のプライマーセット。
プライマーセット(3c)
配列番号9の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
配列番号11の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
を含む一対のプライマーセット。
詳しくは後述するが、上記プライマーセット(1)及び(2)は、それぞれCYP2C19*2、CYP2C19*3の遺伝子多型部位を含む領域を増幅するためのプライマーセットである。また、上記プライマーセット(3a)、(3b)、及び(3c)は、いずれもCYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む領域を増幅するためのプライマーセットである。
このような本発明のプライマーセットによれば、CYP2C19*2、CYP2C19*3、及びCYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む各領域を同一反応液において同時に且つ特異的に増幅することができる。このため、従来法と比較して手間やコストを低減することが可能となる。また、このように同一反応液において3つの目的領域が特異的に増幅されるため、例えば、それぞれの目的領域における検出対象配列に相補的なプローブを使用することで、上記反応液を用いてそのままTm解析を行い、上記3種類の多型をタイピングすることが可能となる。
上記プライマーセット(1)は、前述のように、配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、配列番号4の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、を含む一対のプライマーセットである。
ここで、ヒト染色体10におけるCYP2C19遺伝子のエキソン4及びエキソン5を含むゲノムDNAの塩基配列を配列番号1に示す。配列番号1において、1〜161番目の領域がエキソン4、1323〜1449番目の領域がエキソン5を示し、その間はイントロンを示す。
配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは、配列番号1の1302〜1341番目の領域と同じ配列であり、1341番目のアデニンを3’末端とするオリゴヌクレオチドである。また、配列番号4の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは、配列番号1の1442〜1464番目の領域に相補的な配列であり、1442番目のグアニンに相補的なシトシンを3’末端とするオリゴヌクレオチドである。すなわち、上記プライマーセット(1)は、配列番号1における1302〜1464番目の領域及びその相補鎖を増幅させるためのプライマーセットである。
配列番号1における1361番目の塩基はエキソン5の681番目の塩基に対応する。エキソン5の681番目の塩基には、CYP2C19の機能に影響を与える点突然変異(681G、681A)の存在が知られており、この多型が前述のCYP2C19*2である。この部位の多型は、ホモ接合体の場合には681G/G又は681A/A、ヘテロ接合体の場合には681G/Aで表すことができる。
上記プライマーセット(2)は、前述のように、配列番号5の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、配列番号6の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、を含む一対のプライマーセットである。
配列番号5の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは、配列番号1の109〜143番目の領域と同じ配列であり、143番目のアデニンを3’末端とするオリゴヌクレオチドである。また、配列番号6の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは、配列番号1の231〜260番目の領域に相補的な配列であり、231番目のチミンに相補的なアデニンを3’末端とするオリゴヌクレオチドである。すなわち、上記プライマーセット(2)は、配列番号1における109〜260番目の領域及びその相補鎖を増幅させるためのプライマーセットである。
配列番号1における155番目の塩基はエキソン4の636番目の塩基に対応する。エキソン4の636番目の塩基には、CYP2C19の機能に影響を与える点突然変異(636G、636A)の存在が知られており、この多型が前述のCYP2C19*3である。この部位の多型は、ホモ接合体の場合には636G/G又は636A/A、ヘテロ接合体の場合には636G/Aで表すことができる。
上記プライマーセット(3a)は、前述のように、配列番号7の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、配列番号11の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、を含む一対のプライマーセットである。
ここで、ヒト染色体10におけるCYP2C19遺伝子のコーディング領域の5’上流の塩基配列を配列番号2に示す。
配列番号7の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドのうち、5’末端側から21番目の塩基がチミンであるオリゴヌクレオチドは、配列番号2の4113〜4141番目の領域と同じ配列であり、4141番目のシトシンを3’末端とするオリゴヌクレオチドである。また、配列番号11の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは、配列番号2の4232〜4257番目の領域に相補的な配列であり、4232番目のチミンに相補的なアデニンを3’末端とするオリゴヌクレオチドである。すなわち、上記プライマーセット(3a)は、配列番号2における4113〜4257番目の領域及びその相補鎖を増幅させるためのプライマーセットである。
なお、配列番号7の5’末端側から21番目の塩基は配列番号2の4133番目の塩基に対応し、世界人口の約0.09%は当該塩基がアデニンに変異していると推定されている。
上記プライマーセット(3b)は、前述のように、配列番号7の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、配列番号12の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、を含む一対のプライマーセットである。
配列番号12の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは、配列番号2の4219〜4239番目の領域に相補的な配列であり、4219番目のグアニンに相補的なシトシンを3’末端とするオリゴヌクレオチドである。すなわち、上記プライマーセット(3b)は、配列番号2における4113〜4239番目の領域及びその相補鎖を増幅させるためのプライマーセットである。
上記プライマーセット(3c)は、前述のように、配列番号9の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、配列番号11の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、を含む一対のプライマーセットである。
配列番号9の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは、配列番号2の4058〜4087番目の領域と同じ配列であり、4087番目のチミンを3’末端とするオリゴヌクレオチドである。すなわち、上記プライマーセット(3c)は、配列番号2における4058〜4257番目の領域及びその相補鎖を増幅させるためのプライマーセットである。
配列番号2における4195番目の塩基(3’末端側から806番目の塩基)はコーディング領域の5’上流の−806番目の塩基に対応する。この−806番目の塩基には、CYP2C19の機能に影響を与える点突然変異(−806C、−806T)の存在が知られており、この多型が前述のCYP2C19*17である。この部位の多型は、ホモ接合体の場合には−806C/C又は−806T/T、ヘテロ接合体の場合には−806C/Tで表すことができる。
本発明のプライマーセットは、上記プライマーセット(3)として上記プライマーセット(3a)、(3b)、及び(3c)のいずれを含んでいてもよいが、PCRにより増幅する際の増幅効率、反応温度の変動に対する許容性等の観点から、上記プライマーセット(3b)を含むことが好ましい。
なお、本発明のプライマーセットに含まれる少なくとも1種類のオリゴヌクレオチドは、それぞれの塩基配列に対して1個〜3個の塩基が伸長、短縮、挿入、欠失、又は置換された塩基配列からなる改変オリゴヌクレオチドであってもよい。すなわち、少なくとも1種類のオリゴヌクレオチドが改変オリゴヌクレオチドであるプライマーセットも、本発明のプライマーセットに包含される。なお、本発明のプライマーセットに含まれる少なくとも1種類のオリゴヌクレオチドが改変オリゴヌクレオチドであっても、CYP2C19*2、CYP2C19*3、及びCYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む各領域を同一反応液において同時に且つ特異的に増幅することができる。
本発明のプライマーセットは、全血試料等の生体試料におけるCYP2C19遺伝子の目的領域を増幅する際に使用することが好ましい。
<遺伝子増幅方法>
本発明の遺伝子増幅方法は、試料中の核酸を鋳型として、本発明のプライマーセットを用いて、反応液中でCYP2C19遺伝子の目的領域を増幅する増幅工程を含むものである。本発明の遺伝子増幅方法によれば、試料中の核酸を鋳型として、CYP2C19*2、CYP2C19*3、及びCYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む各領域を同一反応液において同時に且つ特異的に増幅することができる。
鋳型核酸を含む試料としては、例えば生体試料が挙げられる。生体試料としては、全血、口腔粘膜等の口腔内細胞、爪、毛髪等の体細胞、生殖細胞、喀痰、羊水、パラフィン包埋組織、尿、胃液、胃洗浄液、あるいはそれらの懸濁液等が挙げられる。また、生体試料から単離した核酸を鋳型として用いてもよい。例えば、全血からのゲノムDNAの単離には、市販のゲノムDNA単離キットを使用することができる。また、生体試料に含まれるDNAを遺伝子増幅法により増幅させた増幅産物を鋳型として用いてもよい。あるいは、生体試料に含まれるRNAから逆転写PCR反応によりcDNAを生成し、このcDNAを遺伝子増幅法により増幅させた増幅産物を鋳型として用いてもよい。
増幅工程における核酸増幅法は、特に制限されない。核酸増幅法としては、PCR法、NASBA(Nucleic Acid Sequence Based Amplification)法、TMA(Transcription-Mediated Amplification)法、SDA(Strand Displacement Amplification)法等が挙げられ、中でもPCR法が好ましい。
増幅工程において、上記反応液における試料の添加割合は特に制限されない。具体例として、上記試料が生体試料(例えば、全血試料)の場合、添加割合の下限は、0.01体積%以上であることが好ましく、0.05体積%以上であることがより好ましく、0.1体積%以上であることがさらに好ましい。また、上記試料が生体試料(例えば、全血試料)の場合、添加割合の上限は、2体積%以下であることが好ましく、1体積%以下であることがより好ましく、0.5体積%以下であることがさらに好ましい。
また、後述する多型解析方法において、例えば標識化プローブを用いた光学的検出を行う場合、上記反応液における生体試料の添加割合は、例えば、0.1体積%〜0.5体積%に設定することが好ましい。この範囲であれば、例えば、変性による沈殿物等の発生による影響を十分に防止でき、光学的手法による測定精度を向上できる。また、生体試料中の夾雑物によるPCRの阻害も十分に抑制されるため、増幅効率をより一層向上できることも期待される。
また、増幅反応の開始前に、上記反応液にさらにアルブミンを添加することが好ましい。このようなアルブミンの添加によって、例えば、沈殿物又は濁りの発生による影響をより一層低減でき、且つ、増幅効率もさらに向上する。
上記反応液におけるアルブミンの添加割合は、例えば、0.01質量%〜2質量%であり、好ましくは0.1質量%〜1質量%であり、より好ましくは0.2質量%〜0.8質量%である。アルブミンとしては、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン、ラット血清アルブミン、ウマ血清アルブミン等が挙げられ、特に制限されない。これらのアルブミンはいずれか1種類を使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
以下、増幅工程における増幅についてPCR法を例に挙げて説明するが、本発明は、この例に制限されない。
まず、鋳型核酸と本発明のプライマーセットとを含むPCR反応液を調製する。
PCR反応液における各種プライマーの添加割合は、特に制限されない。例えば、上記プライマーセット(1)におけるフォワードプライマー及びリバースプライマーの合計の添加割合は、1.0mol/L〜2.0μmol/Lであることが好ましく、1.4μmol/L〜1.6μmol/Lであることがより好ましい。
また、上記プライマーセット(2)におけるフォワードプライマー及びリバースプライマーの合計の添加割合は、2.5μmol/L〜3.5μmol/Lであることが好ましく、2.8μmol/L〜3.2μmol/Lであることがより好ましい。
また、上記プライマーセット(3)におけるフォワードプライマー及びリバースプライマーの合計の添加割合は、3.0μmol/L〜5.0μmol/Lであることが好ましく、3.8μmol/L〜4.2μmol/Lであることがより好ましい。
PCR反応液における上記プライマーセット(1)、(2)、及び(3)の含有比率は特に限定されない。増幅効率の観点から、上記プライマーセット(1)の合計モル量と上記プライマーセット(2)の合計モル量との比は、1:1〜1:3であることが好ましく、1:1.5〜1:2.5であることがより好ましい。また、上記プライマーセット(1)の合計モル量と上記プライマーセット(3)の合計モル量との比は、1:1.5〜1:4であることが好ましく、1:2〜1:3であることがより好ましい。
また、上記プライマーセット(1)、(2)、及び(3)のそれぞれにおけるフォワードプライマー(F)とリバースプライマー(R)とのモル比は特に制限されない。例えば、F:R=1:0.25〜1:4が好ましい。
PCR反応液における他の組成成分は、特に制限されず、従来公知の成分が挙げられ、その割合も特に制限されない。他の組成成分としては、DNAポリメラーゼ、ヌクレオシド三リン酸(dNTP)等のヌクレオチド、溶媒等が挙げられる。PCR反応液において、各組成成分の添加順序は何ら制限されない。
DNAポリメラーゼとしては特に制限されない。例えば、従来公知の耐熱性細菌由来のポリメラーゼが使用できる。具体例としては、テルムス・アクアティカス(Thermus aquaticus)由来DNAポリメラーゼ(米国特許第4889818号明細書及び米国特許第5079352号明細書を参照)(Taqポリメラーゼ(商品名))、テルムス・テルモフィラス(Thermus thermophilus)由来DNAポリメラーゼ(国際公開第91/09950号を参照)(rTth DNA polymerase)、ピロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)由来DNAポリメラーゼ(国際公開第92/9689号を参照)(Pfu DNA polymerase;Strategene社製)、テルモコッカス・リトラリス(Thermococcus litoralis)由来DNAポリメラーゼ(欧州特許第0455430号明細書を参照)(Vent(商標);New England Biolabs社製)等が商業的に入手可能である。中でも、テルムス・アクアティカス(Thermus aquaticus)由来の耐熱性DNAポリメラーゼが好ましい。
PCR反応液中のDNAポリメラーゼの添加割合は、目的核酸を増幅する目的で当業界において通常用いられる割合であればよい。
ヌクレオシド三リン酸としては、通常、dNTP(例えば、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、dUTP等)が挙げられる。PCR反応液中のdNTPの添加割合は、目的核酸を増幅する目的で当業界において通常用いられる割合であればよい。
溶媒としては、Tris−HCl、Tricine、MES(2-morpholinoethanesulfonic acid)、MOPS(3-morpholinopropanesulfonic acid)、HEPES(4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazineethanesulfonic acid)、CAPS(N-cyclohexyl-3-aminopropanesulfonic acid)等の緩衝液が挙げられ、市販のPCR用緩衝液やPCRキットに付属の緩衝液等をそのまま使用すればよい。
また、PCR反応液には、グリセロール、ヘパリン、ベタイン、NaN、KCl、MgCl、MgSO等が含まれていてもよい。
PCRは、通常、(i)二本鎖核酸の一本鎖核酸への解離(解離工程)、(ii)プライマーの鋳型核酸へのアニーリング(アニーリング工程)、(iii)DNAポリメラーゼによるプライマーからの核酸配列の伸長(伸長工程)の3工程を含む。各工程の条件は特に制限されない。解離工程の条件は、例えば、90℃〜99℃、1秒間〜120秒間が好ましく、92℃〜95℃、1秒間〜60秒間がより好ましい。アニーリング工程の条件は、例えば、40℃〜70℃、1秒間〜300秒間が好ましく、50℃〜70℃、5秒間〜60秒間がより好ましい。また、伸長工程の条件は、例えば、50℃〜80℃、1秒間〜300秒間が好ましく、50℃〜80℃、5秒間〜60秒間がより好ましい。サイクル数も特に制限されない。3工程を1サイクルとして、例えば、30サイクル以上が好ましい。上限は特に制限されない。例えば、合計100サイクル以下、好ましくは70サイクル以下、より好ましくは50サイクル以下である。各工程の温度変化は、例えば、サーマルサイクラー等を用いて自動的に制御すればよい。なお、アニーリング工程と伸長工程とを同じ温度条件とし、2工程でPCRを行ってもよい。
以上のようにして、CYP2C19*2、CYP2C19*3、及びCYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む3つの目的領域に対応する増幅産物を得ることができる。
<多型解析方法>
本発明の多型解析方法は、本発明の遺伝子増幅方法によりCYP2C19遺伝子の目的領域を増幅する増幅工程と、上記増幅工程で得られた増幅産物の一本鎖増幅核酸と、CYP2C19*2、CYP2C19*3、及びCYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む各領域にハイブリダイズ可能な各プローブとのハイブリッドを形成するハイブリッド形成工程と、上記ハイブリッドを含む反応液の温度を変化させ、上記ハイブリッドの解離状態に基づくシグナルの変動を測定するシグナル測定工程と、上記シグナルの変動に基づいてCYP2C19遺伝子の多型を解析する解析工程と、を含むものである。本発明の多型解析方法によれば、試料中の核酸を鋳型として、CYP2C19*2、CYP2C19*3、及びCYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む各領域を同一反応液において同時に且つ特異的に増幅し、CYP2C19遺伝子の多型を解析することができる。
上記増幅工程は、本発明の遺伝子増幅方法における増幅工程と同様であるため、詳細な説明を省略する。
次に、上記ハイブリッド形成工程では、上記増幅工程で得られた増幅産物の一本鎖増幅核酸と、CYP2C19*2、CYP2C19*3、及びCYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む各領域にハイブリダイズ可能な各プローブ(以下、各プローブを区別する場合には「CYP2C19*2用プローブ」、「CYP2C19*3用プローブ」、「CYP2C19*17用プローブ」とも記し、各プローブを区別しない場合には「多型解析用プローブ」とも記す。)とのハイブリッドを形成する。上記一本鎖増幅核酸は、例えば、反応液を加熱し、上記増幅工程で得られた増幅産物である二本鎖増幅核酸を解離することで調製することができる。多型解析用プローブの配列等の詳細については後述する。
多型解析用プローブを反応液に添加するタイミングは特に制限されない。例えば、増幅工程前、増幅工程の開始時、増幅工程の途中、及び増幅工程後のいずれであってもよい。中でも、増幅工程前又は増幅工程の開始時に添加することが、増幅反応とハイブリダイゼーションとを連続的に行うことができるため好ましい。すなわち、上記増幅工程と上記ハイブリッド形成工程とが同時に進行することが、処理効率の観点から好ましい。
上記反応液における多型解析用プローブの添加割合は特に制限されない。例えば、多型解析用プローブを10nmol/L〜400nmol/Lの範囲となるように添加することが好ましく、20nmol/L〜200nmol/Lの範囲となるように添加することがより好ましい。
上記一本鎖増幅核酸と多型解析用プローブとのハイブリダイゼーションの手法及び条件には、特に制限はない。二本鎖増幅核酸を解離して一本鎖増幅核酸にすること、一本鎖核酸同士をハイブリダイズすることを目的として当業界で既知の条件をそのまま適用すればよい。
例えば、解離における加熱温度は、上記増幅産物が解離できる温度であれば特に制限されないが、例えば、85℃〜95℃である。加熱時間も特に制限されないが、通常、1秒間〜10分間であり、好ましくは1秒間〜5分間である。また、解離した一本鎖増幅核酸と多型解析用プローブとのハイブリダイズは、例えば、解離後、解離における加熱温度を降下させることによって行うことができる。温度条件は、例えば40℃〜50℃である。
上記増幅工程において、本発明のプライマーセットと多型解析用プローブとを共存させる場合、DNAポリメラーゼの反応対象となって多型解析用プローブ自体の伸長を予防するために、3’末端側に後述する蛍光標識が付加されているか、多型解析用プローブの3’末端にリン酸基が付加されていることが好ましい。
また、多型解析用プローブは、標識が付されている標識化プローブであることが検出の効率性の観点から好ましい。特に、本発明の多型解析方法では、CYP2C19*2用プローブ、CYP2C19*3用プローブ、及びCYP2C19*17用プローブの3種類の多型解析用プローブが使用されるため、これらの3種類の多型解析用プローブは、それぞれ異なる条件で検出される異なる標識によって標識化されていることが好ましい。このように異なる標識を使用することによって、同一反応液であっても、検出条件を変えることによって各増幅産物を別個に解析することが可能となる。
標識化プローブにおける標識物質の具体例としては、蛍光色素及び蛍光団が挙げられる。標識化プローブとしては、このような蛍光色素又は蛍光団で標識された蛍光標識化プローブを用いることが好ましい。蛍光標識化プローブの具体例としては、蛍光色素で標識され、単独(相補配列にハイブリダイズしていないとき)で蛍光を示し且つハイブリッド形成(相補配列にハイブリダイズしているとき)により蛍光が減少(例えば、消光)するプローブが挙げられる。
このような蛍光消光現象(Quenching phenomenon)を利用したプローブは、一般に蛍光消光プローブと称される。上記蛍光消光プローブは、オリゴヌクレオチドの3’領域(例えば、3’末端)又は5’領域(例えば、5’末端)の塩基が蛍光色素で標識化されていることが好ましく、標識化される塩基は、シトシン(C)であることが好ましい。この場合、蛍光消光プローブがハイブリダイズする検出目的配列において、蛍光消光プローブの末端塩基Cと対をなす塩基又は当該対をなす塩基から1〜3塩基離れた塩基がグアニン(G)となるように、蛍光消光プローブの塩基配列を設計することが好ましい。このような蛍光消光プローブは、一般にグアニン消光プローブと称され、いわゆるQ Probe(登録商標)として知られている。
このようなグアニン消光プローブが検出目的配列にハイブリダイズすると、蛍光色素で標識化された末端のシトシン(C)が検出目的配列におけるグアニン(G)に近づくことによって、蛍光色素の発光が弱くなる(蛍光強度が減少する)という現象を示す。このようなグアニン消光プローブを使用すれば、シグナルの変動により、ハイブリダイズと解離とを容易に確認することができる。標識物質は、通常、ヌクレオチドのリン酸基に結合することができる。
なお、Q Probeを用いた検出方法以外にも、公知の検出様式を適用してもよい。このような検出様式としては、Taq−man Probe法、RFLP法、Hybridization Probe法、Molecular Beacon法、MGB probe法等が挙げられる。
上記蛍光色素としては、特に制限されないが、フルオレセイン、リン光体、ローダミン、ポリメチン色素誘導体等が挙げられる。市販の蛍光色素としては、例えば、Pacific Blue(登録商標、モレキュラープローブ社製)、TAMRA(登録商標、モレキュラープローブ社製)、BODIPY FL(登録商標、モレキュラープローブ社製)、FluorePrime(商品名、アマシャムファルマシア社製)、Cy3及びCy5(商品名、アマシャムファルマシア社製)、Fluoredite(商品名、ミリポア社製)、FAM(登録商標、ABI社製)等が挙げられる。複数のプローブに使用する蛍光色素の組み合わせは、異なる条件で検出できればよく、特に制限されないが、例えば、Pacific Blue(検出波長:450nm〜480nm)、TAMRA(検出波長:585nm〜700nm)、及びBODIPY FL(検出波長:515nm〜555nm)の組み合わせ等が挙げられる。
また、多型解析用プローブが、蛍光色素等の標識物質で標識化された標識化プローブである場合、標識化プローブと同じ配列である未標識プローブを併用してもよい。これにより、例えば、検出する蛍光強度等のシグナル強度を調節することができる等の利点が得られる。この未標識プローブは、その3’末端にリン酸基が付加されていてもよい。
次に、上記シグナル測定工程では、上記ハイブリッドを含む反応液の温度を変化させ、上記ハイブリッドの解離状態に基づくシグナルの変動を測定する。上記ハイブリッドの解離状態を示すシグナルの測定は、260nmの吸光度測定でもよいが、標識物質のシグナル測定であることが好ましい。標識物質のシグナル測定とすることによって、検出感度を高めることができる。
上記ハイブリッドの解離状態に基づくシグナルの変動は、反応液の温度を変化させて行う。例えば、上記反応液を加熱し、すなわち、一本鎖増幅核酸と多型解析用プローブとのハイブリッドを加熱し、温度上昇に伴うシグナルの変動を測定する。前述のように、例えば、末端のC塩基が標識化された標識化プローブ(グアニン消光プローブ)を使用した場合、一本鎖増幅核酸とハイブリダイズした状態では蛍光が減少(又は消光)し、解離した状態では蛍光を発する。したがって、例えば、蛍光が減少(又は消光)しているハイブリッドを徐々に加熱し、温度上昇に伴う蛍光強度の増加を測定すればよい。なお、標識化プローブを使用する場合、シグナルは、標識化プローブの標識物質に応じた条件で測定することができる。
シグナルの変動を測定する際の温度範囲は、特に制限されないが、例えば、開始温度が室温〜85℃、好ましくは25℃〜70℃であり、終了温度が40℃〜105℃である。また、温度の上昇速度は、特に制限されないが、例えば0.1℃/秒〜20℃/秒であり、好ましくは0.3℃/秒〜5℃/秒である。
次に、上記解析工程では、上記シグナルの変動に基づいてCYP2C19遺伝子の多型を解析する。その際、上記シグナル測定工程で得られたシグナルの変動を解析してTm値を決定し、このTm値に基づいてCYP2C19遺伝子の多型を解析することが好ましい。
Tm値の決定は、例えば、以下のようにして行うことができる。前述のように、例えば、末端のC塩基が標識化された標識化プローブ(グアニン消光プローブ)を使用した場合、得られた蛍光強度の変動から、各温度における単位時間当たりの蛍光強度変化量を算出する。変化量を(−d(蛍光強度増加量)/dt)とする場合は、例えば、最も低い値を示す温度をTm値として決定することができる。また、変化量を(d(蛍光強度増加量)/dt)とする場合は、例えば、最も高い値を示す温度をTm値として決定することができる。
なお、標識化プローブとして、単独でシグナルを示さず且つハイブリッド形成によりシグナルを示すプローブを使用した場合には、反対に、蛍光強度の減少量を測定すればよい。
上記解析工程では、このようにして決定されたTm値に基づいて、CYP2C19遺伝子の多型を解析することができる。
例えば、目的の塩基部位の塩基を変異型と仮定し、その変異型塩基を含む検出目的配列に相補的な多型解析用プローブを使用した場合、形成したハイブリッドのTm値が、基準値として予め決定しておいた完全に相補的なハイブリッドのTm値と同じであれば、目的塩基は変異型と判断できる。また、形成したハイブリッドのTm値が、基準値として予め決定しておいた一塩基異なるハイブリッドのTm値と同じ(完全に相補的なハイブリッドのTm値よりも低い値)であれば、目的塩基は正常型と判断できる。また、両方のTm値が検出された場合には、変異型を示す核酸と正常型を示す核酸とが共存すると決定できる。
なお、以上の説明では、上記シグナル測定工程においてハイブリッドを加熱し、温度上昇に伴うシグナル変動を測定するものとしたが、ハイブリッド形成時におけるシグナルの変動を測定するようにしてもよい。つまり、多型解析用プローブを含む反応液の温度を降下させてハイブリッドを形成する際に、温度降下に伴うシグナルの変動を測定してもよい。
具体例として、単独でシグナルを示し且つハイブリッド形成によりシグナルを示さない標識化プローブ(例えば、グアニン消光プローブ)を使用した場合、一本鎖増幅核酸と標識化プローブとが解離している状態では蛍光を発するが、温度の降下によりハイブリッドを形成すると、蛍光が減少(又は消光)する。したがって、例えば、反応液の温度を徐々に降下させて、温度降下に伴う蛍光強度の減少を測定すればよい。他方、単独でシグナルを示さず且つハイブリッド形成によりシグナルを示す標識化プローブを使用した場合、一本鎖増幅核酸と標識化プローブとが解離している状態では蛍光を発しないが、温度の降下によりハイブリッドを形成すると、蛍光を発するようになる。したがって、例えば、反応液の温度を徐々に降下させて、温度降下に伴う蛍光強度の増加を測定すればよい。
以下、本発明の多型解析方法で用いられる多型解析用プローブについて詳細に説明する。
多型解析用プローブは、特に制限されず、従来公知の方法によって設定できる。例えば、遺伝子多型部位を含む検出対象配列として、CYP2C19遺伝子のセンス鎖の配列に基づいて設計してもよいし、アンチセンス鎖の配列に基づいて設計してもよい。また、遺伝子多型部位の塩基は、各多型の種類に応じて適宜決定できる。
例えば、CYP2C19*2の場合、配列番号1における1361番目の塩基に「G」及び「A」の多型が知られていることから、1361番目がGである検出対象配列、及び1361番目がAである検出対象配列のいずれかに相補的なプローブ(センス鎖の検出用プローブ)、並びにそのアンチセンス鎖の配列に相補的なプローブ(アンチセンス鎖の検出用プローブ)を、CYP2C19*2用プローブとして使用することができる。
また、CYP2C19*3の場合、配列番号1における155番目の塩基に「G」及び「A」の多型が知られていることから、例えば、155番目がGである検出対象配列、及び155番目がAである検出対象配列のいずれかに相補的なプローブ(センス鎖の検出用プローブ)、並びにそのアンチセンス鎖の配列に相補的なプローブ(アンチセンス鎖の検出用プローブ)を、CYP2C19*3用プローブとして使用することができる。
また、CYP2C19*17の場合、配列番号2における4195番目の塩基に「C」及び「T」の多型が知られていることから、例えば、4195番目がCである検出対象配列、及び4195番目がTである検出対象配列のいずれかに相補的なプローブ(センス鎖の検出用プローブ)、並びにそのアンチセンス鎖の配列に相補的なプローブ(アンチセンス鎖の検出用プローブ)を、CYP2C19*17用プローブとして使用することができる。
CYP2C19*2用プローブ、CYP2C19*3用プローブ、及びCYP2C19*17用プローブの具体例を表1〜3に示す。表1のプローブはCYP2C19*2用プローブの一例であり、アンチセンス鎖を検出するためのプローブである。また、表2のプローブはCYP2C19*3用プローブの一例であり、アンチセンス鎖を検出するためのプローブである。また、表3のプローブはCYP2C19*17用プローブの一例であり、センス鎖を検出するためのプローブである。
表1〜3において、大文字の塩基はCYP2C19*2、CYP2C19*3、又はCYP2C19*17の遺伝子多型部位の塩基を示す。この塩基はrに置き換えることができ、当該rはA及びGのいずれでもよい。
表1〜3に示す多型解析用プローブは、前述のように、蛍光色素等の標識物質で標識化することが好ましい。
CYP2C19*2用プローブ、CYP2C19*3用プローブ、及びCYP2C19*17用プローブの具体例としては、表1〜3に示すオリゴヌクレオチドの相補鎖であってもよい。
なお、本発明の多型解析方法で用いられる多型解析用プローブがこれらの具体例に限定されないことは勿論である。
<薬効判定方法>
本発明の薬効判定方法は、本発明の多型解析方法によりCYP2C19遺伝子の多型を解析する解析工程と、上記解析工程における解析結果に基づいて薬剤の薬効を判定する判定工程と、を含むものである。
前述のように、本発明の多型解析方法によれば、試料中の核酸を鋳型として、CYP2C19*2、CYP2C19*3、及びCYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む各領域を同一反応液において同時に且つ特異的に増幅し、CYP2C19遺伝子の多型を解析することができる。CYP2C19*2、CYP2C19*3、及びCYP2C19*17の遺伝子多型は、プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾール等)、ジアゼパム、フェニトイン、イミプラミン、ヘキソバルビタール、プログアニル、カリソプロドール、クロピドグレル、ボリコナゾール、ネルフィナビル、シクロホスファミド、タモキシフェン等の様々な薬剤の血中動態及び薬効に影響を与えることが知られている。したがって、本発明の薬効判定方法によれば、CYP2C19遺伝子の多型解析結果に基づき、薬剤の薬効を判定することができる。
得られた判定結果は、薬剤による副作用の予測に用いることができるほか、投与量の変更、他の薬剤への切り替え等を含めた治療方針の決定に用いることができる。
<CYP2C19遺伝子増幅用キット>
本発明のCYP2C19遺伝子増幅用キット(以下、単に「本発明のキット」という。)は、本発明のプライマーセットを含むものであり、核酸増幅法によりCYP2C19遺伝子の目的領域を増幅するために用いられる。本発明のキットが本発明のプライマーセットを含むことにより、CYP2C19*2、CYP2C19*3、及びCYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む領域を特異的且つ効率的に増幅することができる。
本発明のキットは、本発明のプライマーセットを用いた遺伝子増幅法により得られる増幅産物を検出するために、CYP2C19*2、CYP2C19*3、及びCYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む各領域にハイブリダイズ可能な各プローブをさらに含むことが好ましい。このプローブは、前述のように、蛍光標識化プローブであることが好ましい。プローブについては、前述した多型解析用プローブに関する事項をそのまま適用することができる。
本発明のキットに含まれるプライマーセット(1)〜(3)は、別個に収容されていてもよく、混合物とされていてもよい。また、本発明のプライマーセットと上記プローブとは、別個に収容されていてもよく、混合物とされていてもよい。
なお、「別個に収容」とは、各試薬が非接触状態を維持できるように区分けされていればよく、必ずしも独立して取扱い可能な個別の容器に収容される必要はない。
本発明のキットは、上記のほかに、本発明の遺伝子増幅方法又は本発明の多型解析方法に必要な各種の試薬類をさらに含んでいてもよい。また、本発明のキットは、本発明の遺伝子増幅方法又は本発明の多型解析方法について記載された使用説明書、本発明のキットに含まれる若しくは追加的に含むことが可能な各種の試薬について記載された使用説明書等をさらに含んでいてもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例では、CYP2C19の遺伝子多型部位を含む目的領域を増幅させるためのプライマーとして、表4に示す各プライマーを用いた。これらのプライマーは、いずれも常法に従って作製した。
また、以下の実施例では、CYP2C19*2、CYP2C19*3、及びCYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む各領域にハイブリダイズ可能な各プローブとして、表5に示す各プローブを用いた。これらのプローブは、いずれも常法に従って作製した。3’末端又は5’末端のシトシン(C)の標識化は、常法に従って、BODIPY FL(登録商標、モレキュラープローブ社製)、TAMRA(登録商標、モレキュラープローブ社製)、又はPacific Blue(登録商標、モレキュラープローブ社製)を用いて行った。5T−CYP2C19*3については、常法に従って3’末端にリン酸基を付加した。なお、表5に示す塩基配列中、大文字の塩基は、CYP2C19*2、CYP2C19*3、又はCYP2C19*17の遺伝子多型部位を示す。
また、以下の実施例では、プライマーによる増幅効率を評価するために、「増幅判定値」という指標を用いた。この増幅判定値が概ね2.5以上であると、十分な量の増幅産物が得られたと判断できる。
なお、増幅判定値は次のようにして計算される値である。
まず、各種プライマーと蛍光消光プローブとを含むPCR反応液を用いてPCRを行う。PCR反応後、反応液を加熱して温度上昇に伴う蛍光強度変化を測定する。そして、単位時間当たりの蛍光強度の変化量(一次微分値)を求め、その一次微分値に基づいて二次微分値を求める。一例として、PCR反応後の反応液を40℃から95℃まで加熱した結果、表6のような蛍光強度、一次微分値、二次微分値が得られたと仮定する。なお、表6では、t+1(℃)(t=41℃〜94℃)における蛍光強度からt(℃)における蛍光強度を減算した値をt(℃)における一次微分値としている。また、t+3(℃)(t=41℃〜91℃)における一次微分値からt(℃)における一次微分値を減算した値をt(℃)における二次微分値としている。
一方、使用した蛍光消光プローブとミスマッチする場合のTm値である最小ピーク温度Tminと、パーフェクトマッチする場合のTm値である最大ピーク温度Tmaxとを求めておく。ここでは仮に、最小ピーク温度Tminを59℃、最大ピーク温度Tmaxを77℃とする。
次に、Tmin−5(℃)からTmax+5(℃)までの範囲を探索範囲とし、この探索範囲内の最大蛍光強度を求める。表6の場合、54℃から82℃までの探索範囲内の最大蛍光強度は2778である。
次に、Tmin−5(℃)からTmax+1(℃)までの探索範囲内の二次微分値の最大値及び最小値を求める。表6の場合、54℃から78℃までの探索範囲内の二次微分値の最大値は106、最小値は−161である。
その後、下記式に従って増幅判定値を計算する。
増幅判定値=100×(|二次微分値の最大値|+|二次微分値の最小値|)/最大蛍光強度
表6の場合、増幅判定値=100×(106+161)/2778≒9.6となる。
<実験例1>
表7に示す処方のE−Mix及び表8に示す処方のMK−Mixをそれぞれ調製した。また、表9に示す処方のPreP−Mixを調製し、このPreP−Mixを用いて表10に示す条件1〜8の処方のP−Mixをそれぞれ調製した。そして、E−Mix、P−Mix、及びMK−Mixと全血から精製したヒトゲノムDNAとを表11のように混合し、反応液を調製した。なお、使用したヒトゲノムDNAは、CYP2C19*2、CYP2C19*3、及びCYP2C19*17のいずれも野生型(すなわち、CYP2C19*2は681G/G、CYP2C19*3は636G/G、CYP2C19*17は−806C/C)を示すものである(以下、同じ)。
調製した反応液を用いて、全自動SNPs検査装置(商品名i−densy IS−5320、アークレイ社製)によりPCR及びTm解析を行った。なお、測定は各反応液の各反応温度について1回ずつ行った(n=1)。
PCRは、95℃で60秒間処理した後、95℃で1秒間及びt℃で30秒間を1サイクルとして、50サイクル繰り返した。反応温度tとしては、58℃、60℃、62℃、64℃の4段階を設定した。
Tm解析は、95℃で1秒間、40℃で60秒間処理し、続けて温度の上昇速度1℃/3秒で40℃から95℃まで温度を上昇させ、その間の経時的な蛍光強度の変化を測定した。なお、Tm解析における蛍光色素BODIPY FLの励起波長は420nm〜485nmであり、検出波長は520〜555nmである。また、蛍光色素TAMRAの励起波長は520nm〜555nmであり、検出波長は585nm〜700nmである。また、蛍光色素Pacific Blueの励起波長は365nm〜415nmであり、検出波長は445nm〜480nmである。
CYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む目的領域の増幅判定値を図1(A)に示し、CYP2C19*2の遺伝子多型部位を含む目的領域の増幅判定値を図1(B)に示し、CYP2C19*3の遺伝子多型部位を含む目的領域の増幅判定値を図1(C)に示す。
図1(A)に示されるとおり、CYP2C19*17について増幅判定値が2.5以上となるのは、P−Mixの条件1、2、5であった。また、図1(B)に示されるとおり、CYP2C19*2について増幅判定値が2.5以上となるのは、P−Mixの条件1、2であった。また、図1(C)に示されるとおり、CYP2C19*3について増幅判定値が2.5以上となるのは、P−Mixの条件1であった。図1(A)〜(C)の結果から、P−Mixの条件1、2、5においてDNAポリメラーゼの量を増やせば、CYP2C19*17、CYP2C19*2、及びCYP2C19*3の全てについて増幅判定値が2.5以上になると考えられる。なお、P−Mixの条件1、2、5の中でも特に条件2は、反応温度を変化させたときの影響が小さく、反応温度の変動に対する許容性が高かった。
<実験例2>
表12に示す処方のPreE−Mixを調製し、このPreE−Mixを用いて表13に示す条件1、2の処方のE−Mixをそれぞれ調製した。また、表9に示す処方のPreP−Mixを調製し、このPreP−Mixを用いて表10に示す条件1、2、5の処方のP−Mixをそれぞれ調製した。さらに、表8に示す処方のMK−Mixを調製した。そして、E−Mix、P−Mix、及びMK−Mixと全血から精製したヒトゲノムDNAとを表14のように混合し、反応液を調製した。
調製した反応液を用いて、全自動SNPs検査装置(商品名i−densy IS−5320、アークレイ社製)によりPCR及びTm解析を行った。なお、測定は各反応液について4回行った(n=4)。
PCRは、95℃で60秒間処理した後、95℃で1秒間及び64℃で30秒間を1サイクルとして、50サイクル繰り返した。
Tm解析は、95℃で1秒間、40℃で60秒間処理し、続けて温度の上昇速度1℃/3秒で40℃から95℃まで温度を上昇させ、その間の経時的な蛍光強度の変化を測定した。
なお、実験例2における反応条件(E−MixとP−Mixとの組み合わせ)は表15に示すとおりである。
CYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む目的領域の増幅判定値を図2(A)に示し、CYP2C19*2の遺伝子多型部位を含む目的領域の増幅判定値を図2(B)に示し、CYP2C19*3の遺伝子多型部位を含む目的領域の増幅判定値を図2(C)に示す。
図2(A)〜(C)に示されるとおり、DNAポリメラーゼの量を2倍とした反応条件4〜6(E−Mixの条件2)では、CYP2C19*17、CYP2C19*2、及びCYP2C19*3の全てについて増幅判定値の平均値が2.5以上になった。特に、反応条件5、6(P−Mixの条件2、5)では、測定した4回全てで増幅判定値が2.5以上になった。反応条件5と反応条件6とを比較すると、増幅判定値の大きさから、反応条件5の方が好ましいと考えられる。
<実験例3>
表16に示す処方のE−Mix及び表17に示す処方のP−Mixをそれぞれ調製した。また、表8に示す処方のMK−Mixを調製した。そして、E−Mix、P−Mix、及びMK−Mixと全血から精製したヒトゲノムDNAとを表18のように混合し、反応液を調製した。
調製した反応液を用いて、全自動SNPs検査装置(商品名i−densy IS−5320、アークレイ社製)によりPCR及びTm解析を行った。なお、測定は各反応液の各反応温度について4回ずつ行った(n=4)。
PCRは、95℃で60秒間処理した後、95℃で1秒間及びt℃で30秒間を1サイクルとして、50サイクル繰り返した。反応温度tとしては、58℃、60℃、62℃、64℃、66℃の5段階を設定した。
Tm解析は、95℃で1秒間、40℃で60秒間処理し、続けて温度の上昇速度1℃/3秒で40℃から95℃まで温度を上昇させ、その間の経時的な蛍光強度の変化を測定した。
CYP2C19*17の遺伝子多型部位を含む目的領域の増幅判定値を図3(A)に示し、CYP2C19*2の遺伝子多型部位を含む目的領域の増幅判定値を図3(B)に示し、CYP2C19*3の遺伝子多型部位を含む目的領域の増幅判定値を図3(C)に示す。
図3(A)〜(C)に示されるとおり、特に反応温度を62℃とした場合、CYP2C19*17、CYP2C19*2、及びCYP2C19*3の全てについて増幅判定値が安定し、且つ、少なくとも±2℃の反応温度の許容性を有していた。
<実験例4>
表16に示す処方のE−Mix、表17に示す処方のP−Mix、及び表8に示す処方のMK−Mixをそれぞれ調製した。
一方、CYP2C19*17及びCYP2C19*2がヘテロ接合型(Ht)(すなわち、CYP2C19*17が−806C/T、CYP2C19*2が681G/A)、CYP2C19*3が野生型(WT)(すなわち、636G/G)である全血1と、CYP2C19*17が野生型(WT)(すなわち、−806C/C)、CYP2C19*2及びCYP2C19*3がヘテロ接合型(Ht)(すなわち、CYP2C19*2が681G/A、CYP2C19*3が636G/A)である全血2とを準備した。この全血1、2の各20μLと下記希釈液Aの140μLとを混合し、さらにこの混合液の20μLと下記希釈液Bの140μLとを混合した。この混合液17μLを95℃で10分間加熱することにより、4μLの前処理後の全血を得た。
(希釈液A)
10mM Tris−HCl(pH8.0)、0.1mM EDTA、0.05% NaN、0.3% SDS
(希釈液B)
10mM Tris−HCl(pH8.0)、0.1mM EDTA、0.05% NaN
その後、E−Mix、P−Mix、及びMK−Mixと前処理後の全血1又は全血2とを表19のように混合し、反応液を調製した。
調製した反応液を用いて、全自動SNPs検査装置(商品名i−densy IS−5320、アークレイ社製)によりPCR及びTm解析を行った。
PCRは、95℃で60秒間処理した後、95℃で1秒間及び62℃で30秒間を1サイクルとして、50サイクル繰り返した。
Tm解析は、95℃で1秒間、40℃で60秒間処理し、続けて温度の上昇速度1℃/3秒で40℃から95℃まで温度を上昇させ、その間の経時的な蛍光強度の変化を測定した。
全血2又は全血1を用いた反応液について、3PB−CYP2C19*17のプローブに対応する検出波長で蛍光強度を測定したときのTm解析結果を、それぞれ図4(A)、(B)に示す。また、全血2を用いた反応液について、3FL−CYP2C19*2のプローブに対応する検出波長で蛍光強度を測定したときのTm解析結果を図4(C)に示す。また、全血1又は全血2を用いた反応液について、5T−CYP2C19*3のプローブに対応する検出波長で蛍光強度を測定したときのTm解析結果を、それぞれ図4(D)、(E)に示す。
図4(A)〜(E)に示されるとおり、野生型(WT)の検体については1つのピークのみが観察され、ヘテロ接合型(Ht)の検体については野生型(WT)及び変異型(mt)の2つのピークが観察された。したがって、このTm解析結果に基づいて遺伝子型の判定が可能である。

Claims (8)

  1. 下記プライマーセット(1)及び(2)と、
    下記プライマーセット(3a)、(3b)、及び(3c)から選ばれる1種のプライマーセット(3)と
    配列番号24の塩基配列であり且つ、3’末端のシトシンが蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチドであるプローブ、配列番号36の塩基配列であり且つ、5’末端のシトシンが蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチドであるプローブ、及び配列番号51の塩基配列であり且つ、3’末端のシトシンが蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチドであるプローブと、
    を含む、CYP2C19遺伝子の多型を解析するためのキット
    プライマーセット(1)
    配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
    配列番号4の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
    を含む一対のプライマーセット、
    プライマーセット(2)
    配列番号5の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
    配列番号6の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
    を含む一対のプライマーセット、
    プライマーセット(3a)
    配列番号7の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
    配列番号11の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
    を含む一対のプライマーセット、
    プライマーセット(3b)
    配列番号7の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
    配列番号12の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
    を含む一対のプライマーセット、
    プライマーセット(3c)
    配列番号9の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
    配列番号11の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
    を含む一対のプライマーセット。
  2. 前記プライマーセット(1)、(2)、及び(3b)を含む、請求項1に記載のキット
  3. 試料中の核酸を鋳型として、下記プライマーセット(1)及び(2)と、下記プライマーセット(3a)、(3b)、及び(3c)から選ばれる1種のプライマーセット(3)とを用いて、一反応液中でCYP2C19遺伝子の目的領域を増幅する増幅工程と、
    前記増幅工程で得られた増幅産物の一本鎖増幅核酸と、配列番号24の塩基配列であり且つ、3’末端のシトシンが蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチドであるプローブ、配列番号36の塩基配列であり且つ、5’末端のシトシンが蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチドであるプローブ、及び配列番号51の塩基配列であり且つ、3’末端のシトシンが蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチドであるプローブのそれぞれとのハイブリッドを形成するハイブリッド形成工程と、
    前記ハイブリッドを含む反応液の温度を変化させ、前記ハイブリッドの解離状態に基づくシグナルの変動を測定するシグナル測定工程と、
    前記シグナルの変動に基づいてCYP2C19遺伝子の多型を解析する解析工程と、を含む多型解析方法
    プライマーセット(1)
    配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
    配列番号4の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
    を含む一対のプライマーセット、
    プライマーセット(2)
    配列番号5の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
    配列番号6の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
    を含む一対のプライマーセット、
    プライマーセット(3a)
    配列番号7の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
    配列番号11の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
    を含む一対のプライマーセット、
    プライマーセット(3b)
    配列番号7の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
    配列番号12の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
    を含む一対のプライマーセット、
    プライマーセット(3c)
    配列番号9の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
    配列番号11の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるリバースプライマーと、
    を含む一対のプライマーセット
  4. 前記試料が生体試料である、請求項3に記載の多型解析方法。
  5. 前記生体試料が全血である、請求項4に記載の多型解析方法。
  6. 前記プライマーセット(1)の合計モル量と前記プライマーセット(2)の合計モル量との比が1:1〜1:3であり、前記プライマーセット(1)の合計モル量と前記プライマーセット(3)の合計モル量との比が1:1.5〜1:4である、請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の多型解析方法
  7. 前記増幅工程と前記ハイブリッド形成工程とが同時に進行する、請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載の多型解析方法。
  8. 請求項〜請求項のいずれか1項に記載の多型解析方法によりCYP2C19遺伝子の多型を解析する解析工程と、
    前記解析工程における解析結果に基づいて薬剤の薬効を判定する判定工程と、を含む薬効判定方法。
JP2015043933A 2015-03-05 2015-03-05 Cyp2c19遺伝子増幅用プライマーセット、cyp2c19遺伝子増幅用キット、遺伝子増幅方法、多型解析方法、及び薬効判定方法 Active JP6490990B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015043933A JP6490990B2 (ja) 2015-03-05 2015-03-05 Cyp2c19遺伝子増幅用プライマーセット、cyp2c19遺伝子増幅用キット、遺伝子増幅方法、多型解析方法、及び薬効判定方法
EP16157930.5A EP3064596B1 (en) 2015-03-05 2016-02-29 Method for analysing cyp2c19 gene polymorphism, kit and use thereof for analysing the cyp2c19 gene polymorphisms and to evaluate drug efficacy.

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015043933A JP6490990B2 (ja) 2015-03-05 2015-03-05 Cyp2c19遺伝子増幅用プライマーセット、cyp2c19遺伝子増幅用キット、遺伝子増幅方法、多型解析方法、及び薬効判定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016158612A JP2016158612A (ja) 2016-09-05
JP6490990B2 true JP6490990B2 (ja) 2019-03-27

Family

ID=55806119

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015043933A Active JP6490990B2 (ja) 2015-03-05 2015-03-05 Cyp2c19遺伝子増幅用プライマーセット、cyp2c19遺伝子増幅用キット、遺伝子増幅方法、多型解析方法、及び薬効判定方法

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP3064596B1 (ja)
JP (1) JP6490990B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107287339A (zh) * 2017-08-15 2017-10-24 北京鑫诺美迪基因检测技术有限公司 一种用于检测cyp2c19基因多态性的组合物及其应用
CN108823295A (zh) * 2018-07-16 2018-11-16 厦门为正生物科技股份有限公司 一种用于人cyp2c19基因多态性位点检测试剂盒
CN113817815A (zh) * 2021-09-08 2021-12-21 菲思特(上海)生物科技有限公司 一种用于西酞普兰和艾司西酞普兰代谢标志物的检测试剂盒及其检测方法和应用
CN113789375A (zh) * 2021-10-14 2021-12-14 联合基因生物科技(上海)有限公司 一种基于硅基微流片的cyp2c19基因分型的检测试剂、试剂盒和方法
CN114150058A (zh) * 2021-12-27 2022-03-08 上海美吉逾华生物医药科技有限公司 一种检测cyp2c19基因多态性的引物组及试剂盒

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5079352A (en) 1986-08-22 1992-01-07 Cetus Corporation Purified thermostable enzyme
US4889818A (en) 1986-08-22 1989-12-26 Cetus Corporation Purified thermostable enzyme
EP0506825B1 (en) 1989-12-22 1998-08-05 F. Hoffmann-La Roche Ag RECOMBINANT EXPRESSION VECTORS AND PURIFICATION METHODS FOR $i(THERMUS THERMOPHILUS) DNA POLYMERASE
US5322785A (en) 1990-04-26 1994-06-21 New England Biolabs, Inc. Purified thermostable DNA polymerase obtainable from thermococcus litoralis
WO1992009689A1 (en) 1990-12-03 1992-06-11 Stratagene PURIFIED THERMOSTABLE $i(PYROCOCCUS FURIOSUS)
US20090269756A1 (en) 2006-11-30 2009-10-29 Arkray, Inc. Primer set for amplifying cyp2c19 gene, reagent for amplifying cyp2c19 gene containing the same, and the uses thereof
US20110244460A1 (en) * 2008-12-16 2011-10-06 Arkray, Inc. Method for detecting controls for nucleic acid amplification and use thereof
JP2013162783A (ja) * 2012-01-10 2013-08-22 Arkray Inc Pon1遺伝子多型(q192r)を検出する方法
CN102776279B (zh) * 2012-05-29 2014-10-01 西安金磁纳米生物技术有限公司 一种针对疾病个体化用药的基因分型快速试纸条检测方法
CN103468818B (zh) * 2013-09-22 2015-09-16 刘辉 一种检测cyp2c19基因多态性的试剂盒及方法
CN104212904B (zh) * 2014-09-17 2016-05-04 武汉康录生物技术有限公司 一种用于快速检测人类cyp2c19基因多态性的试剂盒及其使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP3064596B1 (en) 2019-01-30
JP2016158612A (ja) 2016-09-05
EP3064596A1 (en) 2016-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5307538B2 (ja) Ugt1a1遺伝子増幅用プライマーセット、それを含むugt1a1遺伝子増幅用試薬およびその用途
JP5509075B2 (ja) 核酸増幅のコントロールの検出方法およびその用途
JP5637850B2 (ja) 標的核酸配列の増幅方法、それを用いた変異の検出方法、および、それに用いる試薬
JP5224526B2 (ja) 遺伝子増幅用プライマーセット、それを含む遺伝子増幅用試薬およびその用途
JPWO2009081967A1 (ja) 標的核酸配列の増幅方法およびそれに用いるプローブ
JP6490990B2 (ja) Cyp2c19遺伝子増幅用プライマーセット、cyp2c19遺伝子増幅用キット、遺伝子増幅方法、多型解析方法、及び薬効判定方法
JPWO2008066162A1 (ja) Cyp2c19遺伝子増幅用プライマーセット、それを含むcyp2c19遺伝子増幅用試薬およびその用途
US20100216123A1 (en) Method of detecting mutation and kit used in the same
WO2011062258A1 (ja) Mthfr遺伝子増幅用プライマーセット、それを含むmthfr遺伝子増幅用試薬およびその用途
JPWO2008066163A1 (ja) Cyp2c9遺伝子増幅用プライマーセット、それを含むcyp2c9遺伝子増幅用試薬およびその用途
KR101649179B1 (ko) 표적 서열의 증폭 방법, 다형 검출 방법 및 그것에 사용하는 시약
JP5279492B2 (ja) 肥満遺伝子増幅用プライマーセット、それを含む肥満遺伝子増幅用試薬およびその用途
JP5367365B2 (ja) Sult1a1遺伝子増幅用プライマーセット、それを含むsult1a1遺伝子増幅用試薬およびその用途
US8624018B2 (en) Probe, polymorphism detection method, method of evaluating drug efficacy or tolerance, and reagent kit
JPWO2011077990A1 (ja) c−kit遺伝子の多型検出用プローブおよびその用途
JPWO2008066161A1 (ja) Nat2遺伝子増幅用プライマーセット、それを含むnat2遺伝子増幅用試薬およびその用途
JP5635496B2 (ja) Egfr遺伝子多型検出用プローブおよびその用途
JP6754202B2 (ja) K−ras遺伝子増幅用フォワードプライマーセット、K−ras遺伝子増幅用キット、K−ras遺伝子増幅方法、多型解析方法、及び薬効判定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170908

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180731

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6490990

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250