JP6490839B2 - 生体安定性pvdfをベースとする材料を用いた医療用リード線 - Google Patents

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    • D01D5/24Formation of filaments, threads, or the like with a hollow structure; Spinnerette packs therefor

Description

本発明は、医療用装置に関する。より詳細には、医療用電気リード線および医療用電気リード線を製造する方法に関する。
心臓ペーシングリード線は良く知られ、バッテリで動作するペースメーカまたはその他のパルス発生手段から心臓にパルス刺激信号を伝達する為および身体の外側の場所から心臓の電気的活動を監視する為に広く使用されている。心臓を正常なリズムに回復させる為に、電極を用いて心臓に電気的エネルギが付与される。電極の性能に影響を与える因子には、電極と組織との界面での分極や電極容量、インピーダンスの感知、および電圧閾値が含まれる。これら全ての用途において、電極と組織との界面において電気的な性能特性を最適化することが強く求められている。
電極として従来使用されてきた材料について認識されている性能上の問題点には、組織の内部成長と、植込式装置近傍の炎症と、繊維性瘢痕組織の形成との少なくともいずれか1つを制御することの困難性がある。これらの問題点は、時間の経過と共にリード線の除去を難しくしたり電極の性能を低下させたりすることにつながる可能性がある。
例1は、遠位領域から近位領域まで延びる絶縁性リード線本体と、絶縁リード線本体内に配置されて近位領域から遠位領域まで延びる導体と、絶縁性リード線本体上に配置されて導体に対して接触する電極と、電極の少なくとも一部の上に配置される繊維マトリクスとを備えた医療用電気リード線である。繊維性マトリクスは、繊維を含む。繊維は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)をベースとするポリマーと結晶変更添加物(crystal-modifying additive)とを含む。PVDFをベースとするポリマーは、アモルファス性PVDF相と結晶性PVDF相とを含む。結晶性PVDF相は、結晶性PVDF相の他のどの結晶構造よりも多量のβ型結晶構造を含む。
例2では、例1の医療用電気リード線において、PVDFをベースとするポリマーは、ポリフッ化ビニリデンである。
例3では、例1の医療用電気リード線において、PVDFをベースとするポリマーは、ポリ(ビニリデンフルオライド‐co‐ヘキサフルオロプロピレン)である。
例4では、例1〜3のいずれか1つの医療用電気リード線において、添加物は、PVDFをベースとするポリマーと混和可能なポリマーを含む。
例5では、例1〜4のいずれか1つの医療用電気リード線において、添加物は、ポリアクリロニトリルと、ポリ(ブチルメタクリレート)と、ポリカプロラクトンと、ポリ(メチルメタクリレート)と、ポリスルホンと、ポリ塩化ビニルとのうちの少なくともいずれか1つを含む。
例6では、例5の医療用電気リード線において、添加物は、ポリ(メチルメタクリレート)を含む。
例7では、例1〜6のいずれか1つの医療用電気リード線において、繊維性マトリクスは、コートされていない繊維に比べて繊維の湿潤性を高める材料からなるコートをさらに含む。
例8では、例7の医療用電気リード線において、材料は、ポリ(エチレングリコールジメタクリレート)である。
例9では、例1〜8のいずれか1つの医療用電気リード線において、結晶性PVDF相は、α型結晶構造をさらに含み、β型対α型の比率は、少なくとも約50対1である。
例10では、例9の医療用電気リード線において、結晶性PVDF相は、α型結晶構造を実質的に欠く。
例11は、請求項1〜10のいずれか一項に係る、絶縁性リード線本体と絶縁リード線本体上に配置される電極とを備える医療用電気リード線を形成する方法である。その方法は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)をベースとするポリマーと、そのPVDFをベースとするポリマーと混和可能な結晶変更添加物との混合物を形成することと、繊維性マトリクスを形成する為に混合物を電子スピニングすることと、電極上に少なくとも部分的に繊維性マトリクスを配置することと、110℃〜150℃の温度で繊維性マトリクスを焼結することとを含み、焼結後PVDFをベースとするポリマーが結晶性PVDF相の他のどの結晶構造よりも多量のβ型結晶構造を含む。
例12では、例11の方法において、方法は、コートされていない繊維性マトリクスに比べて繊維性マトリクスの湿潤性を高める材料で繊維性マトリクスをコートすることをさらに含む。
例13では、例11または12の方法において、焼結は、10分〜20分の範囲の時間で行われる。
例14では、例11〜13のいずれか1つの方法において、方法は、電子スピニングする前に、混合物に溶剤を添加することをさらに含む。
例15では、例11〜14のいずれか1つの方法において、方法は、電子スピニングの前に、混合物に金属塩溶液を添加することをさらに含む。
例16は、遠位領域から近位領域まで延びる絶縁性リード線本体と、絶縁性リード線本体内に配置されて近位領域から遠位領域まで延びる導体と、絶縁性リード線本体上に配置されて導体に対して電気的に接触する電極と、電極の少なくとも一部の上に配置された繊維性マトリクスとを含む医療用電気リード線である。繊維性マトリクスは繊維を含む。繊維は、ポリフッ化ビニリデンをベースとするポリマーと結晶変更添加物とを含む。PVDFをベースとするポリマーはアモルファス性PVDF相と結晶性PVDF相とを含む。結晶性PVDF相は、結晶性PVDF相の他のどの結晶構造よりも多量のβ型結晶構造を含み、結晶性PVDF相は、α型結晶構造を実質的に欠く。
例17では、例16の医療用電気リード線において、PVDFをベースとするポリマーは、ポリフッ化ビニリデンである。
例18では、例16の医療用電気リード線において、PVDFをベースとするポリマーは、ポリ(ビニリデンフルオライド‐co‐ヘキサフルオロプロピレン)である。
例19では、例16〜18のいずれか1つの医療用電気リード線において、添加物は、PVDFをベースとするポリマーと混和可能なポリマーを含む。
例20では、例16〜19のいずれか1つの医療用電気リード線において、添加物は、ポリアクリロニトリルと、ポリ(ブチルメタクリレート)と、ポリカプロラクトンと、ポリ(メチルメタクリレート)と、ポリスルホンと、ポリ塩化ビニルとのうちの少なくともいずれか1つを含む。
例21では、例16〜20のいずれか1つの医療用電気リード線において、添加物は、ポリ(メチルメタクリレート)を含む。
例22では、例16〜21のいずれか1つの医療用電気リード線において、繊維性マトリクスは、コートされていない繊維に比べて繊維の湿潤性を高める材料から成るコートをさらに含む。
例23では、例22の医療用電気リード線において、材料は、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレートである。
例24は、絶縁性リード線本体と絶縁性リード線本体上に配置された電極とを備える医療用電気リード線を形成する方法である。その方法は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)をベースとするポリマーと、PVDFをベースとするポリマーと混和可能な結晶変更添加物の混合物を形成することと、繊維性マトリクスを形成する為に、混合物を電子スピニングすることと、電極上に少なくとも部分的に繊維性マトリクスを配置することと、繊維性マトリクスを焼結すること、とを含む。繊維性マトリクスは、110℃〜150℃の温度で、10分〜20分の範囲の時間にわたって焼結され、焼結後PVDFをベースとするポリマーは、結晶性PVDF相の他のどの結晶構造よりも多量のβ型結晶構造を含む。
例25では、例24の方法は、コートされていない繊維性マトリクスに比べて、繊維性マトリクスの湿潤性を高める材料を用いて繊維性マトリクスをコートすることをさらに含む。
例26では、例25の方法において、材料は、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレートである。
例27では、例24〜26のいずれか1つの方法において、PVDFをベースとするポリマーは、ポリフッ化ビニリデンである。
例28では、例24〜26のいずれか1つの方法において、PVDFをベースとするポリマーは、ポリ(ビニリデンフルオライド‐co‐ヘキサフルオロプロピレン)である。
例29では、例24〜28のいずれか1つの方法において、添加物は、ポリアクリロニトリル、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリカプロラクトン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスルホン、ポリ塩化ビニルのうちの少なくともいずれか1つを含む。
例30では、例24〜29のいずれか1つの方法において、添加物は、ポリ(メチルメタクリレート)を含む。
例31は、遠位領域から近位領域まで延びる絶縁性リード線本体と、絶縁性リード線本体内に配置されて近位領域から遠位領域まで延びる導体と、絶縁性リード線本体に配置されて導体に対して電気的に接触する電極と、電極の少なくとも一部に配置される繊維性マトリクスとを含む医療用電気リード線である。繊維性マトリクスは、電子スピニングされた繊維を含む。繊維は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)をベースとするポリマーと結晶変更添加物とを含む。PVDFをベースとするポリマーは、アモルファス性PVDF相と結晶性PVDF相とを含む。結晶性PVDF相は、結晶性PVDF相内の他のどの結晶構造よりも多量のβ型結晶構造を含む。
例32では、例31の医療用電気リード線において、添加物は、ポリアクリロニトリルと、ポリ(ブチルメタクリレート)と、ポリカプロラクトンと、ポリ(メチルメタクリレート)と、ポリスルホンと、ポリ塩化ビニルのうちの少なくともいずれか1つを含む。
例33では、例31または32の医療用電気リード線において、PVDFをベースとするポリマーは、ポリ(ビニリデンフルオライド‐co‐ヘキサフルオロプロピレン)であり、添加物は、ポリ(メチルメタクリレート)を含む。
例34では、例31〜33のいずれか1つの医療用電気リード線において、繊維性マトリクスは、コートされていない繊維に比べて繊維の湿潤性を高める材料から成るコートをさらに含む。
例35では、例31〜34のいずれか1つの医療用電気リード線において、結晶性PVDF相は、α型結晶構造をさらに含み、β型対α型の比率は、少なくとも約50対1である。
多数の実施形態が開示されているが、本願発明のその他の実施形態は、当業者であれば、発明の例示の実施形態について示し説明する以下の詳細な説明から明らかであろう。したがって、図面と詳細な説明は、例示であって限定ではないと解されたい。
本願発明の実施形態に係る医療用電気リード線を示す概略図。 本願発明の実施形態に係る医療用電気リード線の縦断面を示す概略図。 本願発明の実施形態に係る医療用電気リード線の縦断面を示す概略図。 電子スピニングを示す概略図。 本願発明の実施形態に係る医療用電気リード線の電極上に形成されたポリイソブチレンポリウレタンブロック共重合体の薄いポリマー網を示す図。
本願発明は、様々な変更形態および変化形態が可能であるが、特別な実施形態が図面に例示され下記の詳細な説明で説明されている。しかしながら、これは、本願発明を説明した特定の実施形態に限定することを意図したものではない。むしろ、添付の請求項によって定義される発明の範囲に入る全ての変更形態、均等形態、および変化形態を包含させることを意図したものである。
本願発明は、発明の様々な態様、および、実施形態に関する下記の詳細な説明を参照することによってより完全に理解することができる。下記の発明の詳細な説明は、本願発明を例示することを意図しているのであって、限定することを意図するものではない。
医療用電気リード線の電極近傍における、組織の内部成長、繊維性瘢痕組織の形成、および、炎症の少なくともいずれか一つを制御することについての困難性は、引用によってここにその全てを援用する米国特許第8,903,506号明細書の「電子スピニングと溶融吹き付けを用いるコーティング装置の為の方法」に記載されているように、電極上に繊維性マトリックスを配置することによって克服しうる。このような繊維性マトリックスは、非導電性のフッ化ポリマー材料から形成し得る。好適なフッ化ポリマー材料には、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(ビニリデンフルオライド‐co‐ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF−HEP)などのポリフッ化ビニリデン(PVDF)をベースとする素材が含まれる。これらのフッ化ポリマー素材は、耐摩耗性と化学的耐性とを備えることで知られる。
図1は、医療用電気リード線を用いた医療用途の非限定的な例を示したものである。この用途と配置とは、単なる例示であって、本願発明の実施形態に含まれる医療用電気リード線は、生体の様々な部位において様々な用途に使用することができる。
図1は、本願発明の様々な実施形態に係る医療用電気リード線10の部分断面図である。いくつかの実施形態では、医療用電気リード線10は、患者の心臓内に植込むように構成される。別の実施形態では、医療用電気リード線10は、患者の神経血管領域内に植込むように構成される。また別の実施形態では、リード線10は、蝸牛に植込むように構成される。医療用電気リード線10は、近位端16から遠位端20まで延びる長尺状の絶縁性リード線本体12を備える。近位端16は、接続部24を介してパルス発生器に動作可能に接続されるように構成される。少なくとも1つの導体32は、リード線10の近位端16の接続部24からリード線10の遠位端20の1つ以上の電極28まで延びる。複数の導体が含まれる実施形態では、リード線は、コイル状の導体とケーブル状の導体との組み合わせを備えることが可能である。コイル状の導電体が使用される場合には、いくつかの実施形態では、導体は、同径構成またはと同軸構成のいずれかの構成を備える。
医療用電気リード線10は、実施される治療の種類に応じて単極性、双極性、または多極性とすることが可能である。複数の電極28と複数の導体32とを用いる発明の実施形態では、各導体32は、各電極28を個別に指定できるように1対1の関係で各電極28に接続される。加えて、リード線本体12は、患者の心臓内の標的部位にリード線10を搬送するためのガイドワイヤまたはスタイレット等のガイド要素を受承する1つ以上の菅腔を備えることが可能である。
電極28は、当該分野で周知のどのような電極構成でも備えることが可能である。本願発明の一実施形態では、少なくとも1個の電極は、リング電極または部分的にリング電極であり得る。別の実施形態では、少なくとも1個の電極28は、ショック用コイルである。さらに別の実施形態では、少なくとも1個の電極28は、露出部分と絶縁部分とを備える。いくつかの実施形態では、複数の電極構成の組み合わせを用いることができる。電極28は、白金、ステンレス鋼、チタン、タンタル、パラジウム、MP35N、その他の類似の導電材料、白金‐イリジウム合金などの前出の材料の任意の組み合わせから成る合金、およびクラッド金属層または複数の金属材料を含む前出の材料のその他の任意の組み合わせを用いて被覆または形成することが可能である。
リード線10は、絶縁性リード線本体12の様々な部分に配置された繊維性マトリクスを含む。図2Aおよび2Bは、繊維性マトリクスを含むリード線10の部分の非限定的な例である。図2Aと2Bとは、図1のリード線の縦断面を示した概略図であり、内部構造は明瞭性のため省略されている。
図2Aは、絶縁性リード線本体12の一部に配置された繊維性マトリクス40を示す。絶縁性リード線本体12の図示の部分は、電極28などの電極に隣接、または間隔をあけて配置される。これに対し、図2Bは、電極28上に配置された繊維性マトリクス40を示している。繊維性マトリクス40は、電極28全体を覆っているように示されているが、いくつかの実施形態では、繊維性マトリクス40は、電極28の一部のみを覆う場合、電極28の実質的な部分を覆う場合、または電極28の介在部分を覆う場合がある。
いくつかの実施形態では、繊維性マトリクス40は、リード線10に対して様々な有益な機能を付与し得る。いくつかの実施形態では、繊維性マトリクス40は、リード線10の耐摩耗性を高める。いくつかの実施形態では、繊維性マトリクス40は、リード線10の電気的絶縁性または熱的絶縁性を高める。いくつかの実施形態では、繊維性マトリクス40は、特に電極28の部分において、組織の内部成長の制御性を向上させる。ある実施形態では、組織の内部成長の程度は、植込まれたリード線10を組織から抜き出す際に、植込まれたリード線10を取り除く為に必要とされる力をインストロン荷重測定器(Instron force gauge)で計測することによって決定することができる。繊維マトリクス40の厚さおよび平均繊維直径は、組織の内部成長に影響を与える。繊維マトリクス40の厚さおよび平均繊維直径は、繊維マトリクス40を用いて電気生理学的治療の実施能力にも影響を与える可能性がある。ある実施形態では、繊維性マトリクス40は、リード線10のインピーダンスに大きな影響を与えない。
繊維性マトリクス40は、マトリクスを構成するランダムに配列された複数の繊維を含む。ある実施形態では、繊維性マトリクス40は、電子スピニングによって形成される。繊維は、約10〜3000ナノメートル(nm)の範囲の直径を有する。繊維の直径は、例えば、約40〜2000nm、約50〜1500nm、約100〜1000nmである。繊維の直径は、複数の繊維の平均寸法を得ることによって計測される。ある実施形態では、繊維の直径は、最低40nm、50nm、100nm、または、150nm、および最大300nm、400nm、500nm、600nm、650nm、700nm、725nm,750nm、または、800nm程度、または、前出の値の任意のペアの値で定められる範囲内である。別の実施形態では、繊維は、約800nm、750nm、725nm、700nm、600nm、500nm、または、400nmよりも小さな径の平均直径を有する。別の実施形態では、繊維マトリクス40は、改良電子スピニング技術を用いて部分的または全体的に中空繊維を用いて形成される。
繊維性マトリクス40は、約1ミクロン〜100ミクロンの範囲、より詳細には、約10ミクロン〜約50ミクロンの範囲、さらにより詳細には、約10ミクロン〜約25ミクロンの範囲の繊維‐繊維間平均間隔を有する。いくつかの実施形態では、隣接する繊維間の繊維間隔は、ペーシング能力への影響を最小限にしつつ、組織の内部成長を制御する為に調節または制御することができる。これは、例えば、配置パラメータや配置材料を変更することによって達成することができる。別の実施形態では、組織の内部成長は、マトリクスの厚さで制御される。繊維マトリクスの好適な厚さは、約0.00254ミリメートル(mm)から約0.254mm(約0.0001インチから約0.01インチ)、より詳細には、約0.0127mmから約0.127mm(約0.00005インチから約0.005インチ)、より詳細には、約0.0254mmから約0.0762mm(約0.001インチから約0.003インチ)の範囲である。
いくつかの実施形態では、特に繊維性マトリクス40が電極28等の電極の上に配置される場合において、繊維マトリクス40は、繊維マトリクス40に隣接する組織内部と組織周囲の溶液からイオンが繊維マトリクス40を通って流入するのを可能にするべく十分な繊維間隔を備える。イオンが流入することによって電極28と組織との間に電気的接触が形成され、電気生理学的治療を実施することや医療用電気リード線10近傍の電気的状態を検出することが可能になる。
組織内部および組織の周囲の溶液は、生体の免疫系の酸化的効果が一部原因で弱い腐食性を有することが知られている。この環境下で使用される材料や装置は、高温度で過酸化水素および塩化コバルト(II)の溶液にさらすことによって生体安定性について評価される。塩化コバルト(II)は、過酸化水素の酸化反応を触媒して、酸化ストレス試験を促進する。このような溶液には、例えば、3%過酸化水素溶液と0.1M塩化コバルト(II)溶液との混合液がある。
電極の上に配置されるPVDFをベースとするポリマーであるPVDF−HEPを含む繊維性マトリクスを70℃の温度で14日間の間、上述の溶液にさらした。驚くべきことに、酸化ストレステストの後、繊維性マトリクスが観察され、繊維性マトリクスの大部分を電極表面から完全に取り除くには至らなかった。この結果は、PVDFをベースとするポリマーは、一般的にもっと過酷な化学的暴露に耐えることが知られている為、予想外のことであった。
上述の酸化ストレステストの後に残った繊維性マトリクス部分を解析して、酸化ストレステスト実施前のPVDFをベースとするポリマーを含む繊維性マトリクスの試料と比較した。PVDFは、結晶相とアモルファス相の混合物である。PVDFの結晶相は、α型、β型、γ型、δ型、および、ε型として知られる5つの結晶構造を含む。下記の化学式1に係るα型結晶構造は、熱力学的に最も好ましい結晶構造であるため、最もよく見られる形態である。
化学式1
PVDFをベースとするポリマーの初期試料と酸化ストレステスト後に残ったPVDFをベースとするポリマー残留物とで結晶構造の違いを決定する為に、粉末X線回折解析を実施した。粉末X線回折解析から、酸化ストレステストで残った繊維性マトリクスの部分は、酸化ストレステスト前のPVDFをベースとするポリマーよりもα型結晶構造が少ないことが分かった。如何なる理論にも縛られることを望まないが、酸化ストレステストの間にα型の結晶構造が化学的に攻撃され且つ除去されることによって、繊維性マトリクスが崩壊したことが考えられる。
いくつかの実施形態では、繊維マトリクス40を構成するランダムに配列された複数の繊維は、アモルファス性PVDF相と結晶性PVDF相とを有するPVDFをベースとするポリマーを含む。アモルファス性PVDF相と結晶性PVDF相の両方は、繊維性マトリクス40全体に亘って分布している。いくつかの実施形態では、化学式IIに係るβ型結晶構造は、結晶性PVDF相内の他のどの結晶構造よりも多量に存在する。
化学式2
β型結晶構造は、α型ほど化学的攻撃を受けやすくない可能性がある。繊維マトリクス40に含まれるβ型結晶構造を増やしてα型を少なくすることによって、繊維マトリクス40を酸化ストレスによる攻撃に対して影響を受けにくくして生体安定性を高めることができる可能性がある。いくつかの実施形態では、結晶性PVDF相は、約50対1、100対1、500対1、または1000対1のβ型対α型比率で、β型とα型とを含む。いくつかの実施形態では、結晶性のPVDF相は、α型結晶構造を実質的に欠く。実質的に欠くとは、結晶構造の存在や複数の結晶構造の相対量を調べる為に使用される技術によって検出することができないことを意味する。結晶性PVDF相を形成するα型とβ型結晶構造の存在及び相対量は、例えば、フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)などを用いて決定することができる。
繊維性マトリクス40は、結晶変更添加物をさらに含む場合がある。結晶変更添加物は、PVDFをベースとするポリマーと混和する。PVDFをベースとするポリマーと混和する結晶変更添加物の例には、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリ(ブチルメタクリレート)(PBMA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリスルホン(PSF)、ポリ塩化ビニル(PVC)が含まれる。別の実施形態では、結晶変更添加物には、有機官能性ナノクレイ(nanoclay)またはヘマタイトナノ粒子(hematite nanoparticles)が含まれる。いくつかの実施形態では、結晶変更添加物は、約1重量パーセント濃度(wt%)、約2wt%、約5wt%程度の量で、または、約10wt%、約20wt%、または約30wt%程度の量で、または上記値の任意のペアで定義される範囲内の量で繊維マトリクス40内に存在する。例示の実施形態では、結晶変更添加物は、約1wt%〜約30wt%の量で、または約2wt%〜約20wt%の量で、若しくは、約5wt%〜約10wt%の量で存在しうる。いくつかの例示の実施形態では、結晶変更添加物は、繊維マトリクス40内に約7wt%の量で存在する。
PVDFをベースとするポリマーで形成される繊維は疎水性であり、疎水性は、繊維マトリクス40を通って腐食性溶液が流入するのを妨げる為に、酸化ストレステストで攻撃を受けにくい。しかしながら、疎水性は、繊維マトリクス40を通ってイオンの流入を妨げたり遅らせたりするため、電極28と隣接組織の間の電気的接触を制限して電気生理学的治療の実施を妨げる。いくつかの実施形態では、繊維性マトリクス40の繊維は、コートされていない繊維に比べて繊維の湿潤性を増大させる材料からなるコートをさらに含む。このような材料には、ポリ(エチレングリコール)、またはポリ(エチレングリコール)ジメタクリレートなどがある。上記材料でコートされた繊維は親水性であるため、繊維マトリクス40を通過するイオンの流れをほとんどあるいは全く妨害することがなく、電気生理学的治療の実施や医療用電気リード線10近傍の電気的状況の検出を可能にする。このような実施形態では、β型結晶構造が、繊維マトリクス40内に結晶性PVDF相内の他のどの結晶構造よりも多量に存在することでα型が少なくなり、酸化ストレスによる攻撃に対して影響を受けにくくなることは特に有用である。
繊維性マトリクス40は、上述したように、PVDFをベースとするポリマーと結晶変更添加物との混合物から形成される。混合物は、図3に関して下記に説明するように、繊維性マトリクス40を形成する為に電子スピニングされる。いくつかの実施形態では、医療用電気リード線10は、繊維性マトリクス40が電極28の少なくとも一部に直接形成されるより前に組み立てられる。いくつかの実施形態では、繊維性マトリクス40は、医療用電気リード線10が組み立てられる前に電極28の少なくとも一部に形成される。いくつかの実施形態では、繊維性マトリクス40は別体として形成された後、電極28の少なくとも一部に配置される。
いくつかの実施形態では、繊維性マトリクス40は、繊維性マトリクス40の性質を安定化させる為に焼結される。いくつかの実施形態では、繊維性マトリクス40は、電極28上に少なくとも部分的に配置される前に焼結される。別の実施形態では、繊維性マトリクス40は、電極28上に少なくとも部分的に配置された後に焼結される。繊維性マトリクス40は、約110℃、または約120℃程度の温度で、または約140℃、または約150℃程度の温度で、または上述の値の任意のペアで定義される範囲の温度で焼結される。例示の実施形態では、繊維性マトリクス40は、約110℃〜約150℃の温度で、または約120℃〜約140℃の温度で焼結される。いくつかの例示の実施形態では、繊維マトリクス40は、約130℃の温度で焼結される。いくつかの実施形態では、繊維マトリクス40は、約10分間、約12分間、または、約14分間程度、あるいは約16分間、約18分間、または約20分間程度、または上記時間の任意のペアで定義される時間焼結される。例示の実施形態では、繊維マトリクス40は、約10分間〜約20分間かけて、または約12分間〜約18分間かけて、若しくは約14分間〜約16分間かけて焼結される。いくつかの例示の実施形態では、繊維マトリクス40は、約15分間焼結される。
いくつかの実施形態では、焼結工程の後、PVDFをベースとする繊維マトリクス40のポリマーは、結晶性PVDF相の他のどの結晶構造よりも多量のβ型結晶構造を含む。いくつかの実施形態では、焼結工程後、結晶性PVDF相は、約50対1、または100対1、または500対1、若しくは1000対1のβ型対α型比率で、β型とα型とを含む。いくつかの実施形態では、結晶性PVDF相は、α型結晶構造を実質的に欠く。特定の理論に縛られることを望まないが、電子スピニング工程は、β型結晶構造が多いPVDFを形成すると考えられる。結晶変更添加物は、α型結晶構造の形成を妨害し、この妨害は、焼結過程で起こると考えられる。結晶変更添加物を用いない場合には、焼結工程がβ型結晶構造の一部をα型結晶構造に変換する為に、繊維マトリクス40が化学的攻撃を受けやすくなるのではないかと考えられる。
図3は、電子スピニングを示す概略図である。キャピラリ源52からポリマーの溶液または溶融物54を引き出すために電場が用いられる。いくつかの実施形態では、キャピラリ源52は、シリンジである。ポリマー溶液または溶融物54は、接地されたコレクタ58に対して引き出される。高電圧電力源56がこの工程に電力を供給する為に使用される。コートされる要素60は、コートされるために、コレクタ58の上に配置される。乾燥すると、薄いポリマー網62が形成される。いくつかの実施形態では、繊維寸法は、ポリマー溶液または溶融物54に含まれるポリマーの相対濃度を調節することによって制御しうる。
電子スピニング溶液内のポリマー濃度と溶媒の選択は、所望の繊維性マトリクスの性質を得る為、および、有孔性や繊維寸法を制御する為に、重要な因子となる。加えて、配置性を向上させる為に、少量の金属塩溶液が電子スピニング溶液に添加される場合がある。別の実施形態では、電子スピニング溶液は、約1wt%〜約40wt%、より詳細には、約1wt%〜約30wt%、さらにより詳細には、約3wt%〜約15wt%のポリマー濃度を有する。好適な溶剤には、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N‐メチル‐2‐ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトン、シクロヘキサンテトロヒドロフラン(cyclohexane tetrahydrofuran)および、それらの混合液や共溶剤が含まれる。
本明細書においてリード線上の繊維性マトリクス40について説明したが、繊維性マトリクス40は、これらに限定されるものではないが、脊髄刺激システム(SCS :spinal cord stimulation systems)、脳深部刺激システム(DBS:deep brain stimulation systems)、末梢神経刺激システム(PNS:peripheral nerve stimulation systems)、胃神経刺激システム(gastric nerve stimulation systems)、蝸牛インプラントシステム(cochlear implant systems)、網膜インプラントシステム(retinal implant systems)など、および植込式心臓リズム管理システム(CRM:cardiac rhythm management systems)、植込式カルジオバータ除細動装置(ICD’s :cardioverter-defibrillators)、心臓再同期化除細動装置(CRDT: cardiac resynchronization and defibrillation devices)などの植込式電気刺激システムなど、如何なる医療電子機器にも用いることができる。
実施例
当業者であれば、本願発明の範囲を逸脱しない範囲の様々な変更形態や変化形態は明白であろうと考えられるため、例示することのみを目的として、本願発明を、以下の例で特に詳細に説明する。
90wt%のポリフッ化ビニリデン(PVDF)と10wt%のポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)とからなる混合物を、80wt%ジメチルホルムアミドと20wt%アセトンとからなる混合溶剤に混合した。PVDFとPMMAとの混合物は、得られた溶液の22.5wt%であった。
PVDFとPMMAとを含む溶液をシリンジに詰めて、電子スピニング装置のノズルに連結した。電極上にポリマー網を形成する為に、PVDFとPMMAとを含む溶液を1時間に0.3ミリリットルの流速で、ノズルの先端から10cmの位置に配置された医療用電気リード線の電極上に電子スピニングした。環境条件は、相対湿潤度34%と温度20℃であった。図4は、得られたPVDFとPMMAからなる薄いポリマー網を1000倍拡大して示した図である。
本願の発明の範囲を逸脱することなく、説明した例示の実施形態に対して様々な変更形態や変化形態を形成することができる。例えば、上述の実施形態は、特定の要素に特に言及しているが、本願発明の範囲には、複数の要素の異なる組み合わせを備える実施形態や、上述の要素を全て備えない実施形態も含まれる。したがって、本願発明の範囲は、請求項の全ての均等物と共に請求項の範囲内に入る全ての代替形態と変更形態と変化形態とを包含することが意図されている。

Claims (15)

  1. 遠位領域から近位領域まで延びる絶縁性リード線本体と
    前記絶縁性リード線本体内に配置されて前記近位領域から前記遠位領域に延びる導体と、
    前記絶縁性リード線本体上に配置され、かつ、前記導体に対して電気的に接触する電極と、
    前記電極の少なくとも一部の上に配置された繊維性マトリクスと、
    からなる医療用電気リード線であって、前記繊維性マトリクスが繊維を含み、
    前記繊維がアモルファス性PVDF相と結晶性PVDF相とを含むポリフッ化ビニリデン(PVDF)をベースとするポリマーを含み、前記結晶性PVDF相が結晶性PVDF相のどの結晶性構造よりも多量のβ型結晶構造を含み、前記繊維が結晶変更添加物を含むこと、
    とからなる医療用電気リード線。
  2. 前記PVDFをベースとするポリマーは、ポリフッ化ビニリデンである、請求項1に記載の医療用電気リード線。
  3. 前記PVDFをベースとするポリマーは、ポリ(ビニリデンフルオライド‐co‐ヘキサフルオロプロピレン)である、請求項1に記載の医療用電気リード線。
  4. 前記添加物は、前記PVDFをベースとするポリマーと混和可能なポリマーを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医療用電気リード線。
  5. 前記添加物は、ポリアクリロニトリル、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリカプロラクトン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスルホン、ポリ塩化ビニルのうちの少なくともいずれか1つである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医療用電気リード線。
  6. 前記添加物は、ポリ(メチルメタクリレート)を含む、請求項5に記載の医療用電気リード線。
  7. 前記繊維性マトリクスは、コートされていない繊維に比べて、繊維の湿潤性を高める材料からなるコートをさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の医療用電気リード線。
  8. 前記材料は、ポリ(エチレングリコールジメタクリレート)である、請求項7に記載の医療用電気リード線。
  9. 前記結晶性PVDF相は、α型結晶構造をさらに含み、β型対α型の比率は50対1、100対1、500対1若しくは1000対1である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の医療用電気リード線。
  10. 結晶性PVDF相は、α型結晶構造を実質的に欠く、請求項1〜8のいずれか一項に記載の医療用電気リード線。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に係る絶縁性リード線本体と、前記絶縁性リード線本体上に配置される電極と、を備える医療用電気リード線を形成する方法であって、前記方法は、
    ポリフッ化ビニリデン(PVDF)をベースとするポリマー、および、PVDFをベースとするポリマーと混和可能な結晶変更添加物からなる混合物を形成することと、
    前記繊維性マトリクスを形成する為に前記混合物を電子スピニングすることと、
    前記電極上に少なくとも部分的に前記繊維性マトリクスを配置することと、
    110℃〜150℃の温度で前記繊維性マトリクスを焼結することと、焼結後、前記PVDFをベースとするポリマーが結晶性PVDF相の他のどの結晶構造よりも多量のβ型結晶構造を含むこと、
    とからなる方法。
  12. 前記方法は、コートされていない繊維性マトリクスに比べて、繊維性マトリクスの湿潤性を高める材料で前記繊維性マトリクスをコートすることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記焼結は、10分〜20分の範囲の時間で行われる、請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記方法は、電子スピニングする前に、前記混合物に溶剤を添加することをさらに含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記方法は、電子スピニングする前に、前記混合物に金属塩溶液を添加することをさらに含む、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。
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