JP6489922B2 - 活性エネルギー線硬化型インキの多色セット - Google Patents

活性エネルギー線硬化型インキの多色セット Download PDF

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Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型インキの多色セットおよび該活性エネルギー線硬化型インキの多色セットによる印刷物に関する。
従来、フォーム用印刷物、各種書籍印刷物、カルトン紙等の各種包装用印刷物、各種プラスチック印刷物、シール、ラベル用印刷物、美術印刷物、金属印刷物(美術印刷物、飲料缶印刷物、缶詰等の食品印刷物)などの種々の印刷物を得るため、平版(湿し水を使用する通常の平版および湿し水を使用しない水無し平版)、凸版、凹版、孔版印刷など種々の印刷方式が採用されており、これら印刷には各々の印刷方式に適したインキが使用されている。そのようなインキの一つとして活性エネルギー線硬化型インキが知られている。
通常、プロセスインキの場合、墨、藍、紅、黄の順でインキの多色重ね刷りが行われる。しかし、活性エネルギー線硬化型インキを用いたオフセット印刷では、油性インキを用いた印刷物と比較して、印刷物の色の重ね部分で光沢が落ちるという現象がみられていた。また、活性エネルギー線硬化型インキとオーバープリントニスを同時刷りすることもあるが、表面保護の目的には効果はあるものの、光沢向上の効果は少なく、特に多色を重ねた部分の印刷部ではそれが顕著に現れる。印刷物の光沢は、品質を示すものであり、特に多色が重なり合う印刷部の光沢は印刷物に高級感を与えるものである。
さらに、活性エネルギー線硬化型インキを用いたオフセット印刷では、活性エネルギー線により硬化させた際に、特有の臭気が発生し、作業環境の悪化や、その硬化物である印刷物にも、特異な臭気が残存するといった問題がある。これは、組成中の光重合開始剤によるものであると考えられる。
特定のα−アミノアルキルフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物および4,4’−ジアルキルアミノベンゾフェノンを含有する活性エネルギー線硬化型インキの多色セットの提案があるが、硬化性と密着性に優れるものであって、光沢、臭気については記載も示唆もない(特許文献1)。
オフセット印刷における、重ね刷り部の光沢を改善した活性エネルギー線硬化型オフセットインキの提案があるが、臭気については記載がない(特許文献2)。
アセトフェノン系化合物とポリ(メタ)アクリル酸もしくはその酸ハライド誘導体とをエステル反応させた共重合性光開始剤と、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1もしくは2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドからなる開始剤組成物の提案があり、それを配合した被覆組成物が開示され、印刷時および印刷物の低臭気性について記載があるものの満足できるものではない。また、光沢については記載も示唆もない(特許文献3)。
また、特定の不飽和化合物とジアリルフタレート樹脂を含有した活性エネルギー線硬化性インキの提案があり、硬化性、密着性に優れるものであるが、臭気については記載も示唆もない。また、光沢について評価した結果もあるが比較例よりも劣るものもあり、決して満足できるものではない(特許文献4)。
マレイミド誘導体、4〜6官能モノマー、光重合開始剤を含有した放射線硬化型印刷インキ組成物の提案があり、悪臭、色焼けを最小限に抑えるとするものであるが、臭気については、光重合開始剤を5重量%より多く添加すると、硬化時に臭気が発生してしまうという問題が明らかである。また、光沢については、硬化した墨インキの上にクリヤーを塗布して硬化させた硬化物の光沢のみであって、OPニスについての光沢あるいは多色インキの同時重ね刷り部分の光沢については記載も示唆もない(特許文献5)。
近年の活性エネルギー線硬化型オフセットインキは、従来の水銀ランプやメタルハライドランプといった光源から、発光ピークが350〜420nmの範囲の紫外線を発生する発光ダイオード(以下、LED−UVともいう。)が使用されることが多くなってきた。
LED−UVによる硬化に適応した活性エネルギー線硬化型インキとして、特定のα−アミノアルキルフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物、ベンゾフェノン化合物、チオキサントン化合物を組み合わせたインキ組成物も提案されているが、光沢および臭気については記載も示唆もなく(特許文献6および8)、また光沢に優れたインキあるいはOPニスも提案されているが、臭気についての記載も示唆もない(特許文献7)。
再表2009−8226号公報 特開2013−079314号公報 特開平07−33810号公報 特開2002−80510号公報 特開2000−160086号公報 特開2011−236276号公報 特開2011−236277号公報 特開2012−214782号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、活性エネルギー線硬化型オフセット印刷において、重ね刷り部の光沢が改善され、かつ臭気の少ない活性エネルギー線硬化型インキの多色セットおよびその印刷物を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく研究した結果、最上層のインキ中にある種の可塑剤、かつ特定の光重合開始剤を添加することにより、重ね刷り部、いわゆる複色部の光沢を改善でき、さらに臭気が少なくなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキの多色セットであって、
各色の活性エネルギー線硬化型インキのうち、すくなくとも最上層のインキが、光沢向上剤としてフタル酸エステル、アジピン酸エステル、およびセバシン酸エステルから選択される1種または2種以上と、
光重合開始剤とを、含有し、
前記光沢向上剤が、インキ中に0.1〜6重量%、
前記光重合開始剤が、
(A)2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノンまたは2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、
(B)2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドまたはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドおよび
(C)4,4’−ビス−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンまたは4,4’−ビス−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンの3種類からなり
前記光重合開始剤(A)、(B)、(C)の総量が、インキ中に13〜23重量%であり、
かつ光重合開始剤(A):(B):(C)=0.5〜1.25:1:1.5〜2.5であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インキの多色セット、
(2)(1)に記載の活性エネルギー線硬化型インキの多色セットが、黄色インキ、紅色インキ、藍色インキ、墨色インキおよびオーバープリントニスから選ばれる1種以上を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型インキの多色セット、
(3)(1)または(2)に記載の活性エネルギー線硬化型インキの多色セットに用いられる活性エネルギー線硬化型インキであって、
前記活性エネルギー線硬化型インキが、光沢向上剤としてフタル酸エステル、アジピン酸エステル、およびセバシン酸エステルから選択される1種または2種以上と、
光重合開始剤とを、含有し、
前記光沢向上剤が、インキ中に0.1〜6重量%、
前記光重合開始剤が、
(A)2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノンまたは2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、
(B)2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドまたはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドおよび
(C)4,4’−ビス−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンまたは4,4’−ビス−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンの3種類からなり
前記光重合開始剤(A)、(B)、(C)の総量が、インキ中に13〜23重量%であり、
かつ光重合開始剤(A):(B):(C)=0.5〜1.25:1:1.5〜2.5であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インキ、
(4)(1)または(2)に記載の活性エネルギー線硬化型インキの多色セットを使用して得られた印刷物、
である。
本発明によれば、活性エネルギー線硬化型オフセット印刷において、重ね刷り部の光沢が改善され、かつ臭気の少ない活性エネルギー線硬化型インキのセットおよびその印刷物が提供される。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更、実施の形態が可能である。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキの多色セットは、すくなくとも最上層のインキが、光沢向上剤として可塑剤を含有することを特徴とする。通常、プロセスインキの場合、墨、藍、紅、黄の順でインキの多色重ね刷りが行われるため、黄色インキの層が最上層となり、印刷部を形成する。光沢向上剤として可塑剤を添加した黄色インキにより最上層の表面を平坦にしたため光沢が増したものと考えられる。本発明では、可塑剤をインキに可塑性を付与するために添加するのではなく、一般的に可塑剤として取り扱われる物品を添加したところ、印刷物複色部の光沢が驚異的に向上したものである。最上層が黄色でなく、藍、または紅の場合でも、最上層のインキが光沢向上剤を含んでいると、同様の効果を奏するものである。また、最上層が光沢向上剤を含むオーバープリントニスの場合でも、同様の効果を奏するものである。さらに、特定の光重合開始剤を含有することを特徴とする。通常、活性エネルギー線硬化型インキには光重合開始剤を使用するが、本発明の特定の光重合開始剤の組み合わせにより、インキ硬化時の臭気が大幅に低下したものである。特に、複色部ではインキ層が重なるため、臭気も発生しやすくなるが、本発明によれば同様に効果がある。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキの多色セットは、各色の活性エネルギー線硬化型インキ(以下、単にインキともいう)のうち、すくなくとも最上層のインキが、光沢向上剤としてフタル酸エステル、アジピン酸エステル、およびセバシン酸エステルから選択される1種または2種以上と、(A)2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノンまたは2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、(B)2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドまたはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドおよび(C)4,4’−ビス−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンまたは4,4’−ビス−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンの光重合開始剤とを含有する。
本発明に使用する光沢向上剤は、インキ中に0.1〜6重量%含有することが好ましい。光沢向上剤の量が0.1重量%未満では光沢向上の効果が認められず、6重量%を超えると活性エネルギー線による硬化性が低下し、また、印刷時の汚れが起こり易くなる。さらに好ましくは、光沢向上剤添加量はインキ中に0.5〜3重量%である。印刷適性が良好なインキ組成物が得られ、印刷したときに複色部の光沢が優れた印刷物を得ることができる。
フタル酸エステルとしては、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、アジピン酸エステルとしては、アジピン酸ジ−n−ブチル、アジピン酸ジペンチル、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジヘプチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸エステルとしては、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジプロピル、セバシン酸ジ−n−ブチル、セバシン酸ジペンチル、セバシン酸ジヘキシル、セバシン酸ジヘプチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジイソデシル、セバシン酸ジイソノニルを挙げることができる。なかでもフタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−ブチル、アジピン酸ジペンチル、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジヘプチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジ−n−ブチル、セバシン酸ジペンチル、セバシン酸ジヘキシル、セバシン酸ジヘプチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルが光沢向上の効果が大きく好ましい。
前記光重合開始剤(A)、(B)、(C)は、活性エネルギー線によって硬化した際に、特有の臭気が発生せず、その硬化物である印刷物にも臭気が残らない。このため、作業環境の悪化が抑制されることに加え、印刷物にも不快な臭気が残らないことから、高級印刷物としての価値に大いに寄与する。
本発明の光重合開始剤以外の開始剤として、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノンは、硬化時の臭気が強いため含まないことが好ましい。
前記光重合開始剤(A)、(B)、(C)の総量は、インキ中に6〜23重量%含有することが好ましい。前記光重合開始剤(A)、(B)、(C)の総量が6重量%未満では硬化性が劣り、23重量%を超えると顔料固形分が少なくなり、濃度が低下してしまう。さらに好ましくは、インキ中に10〜15重量%である。印刷適性が良好なインキが得られ、多色セットにより印刷したときに臭気の少ない印刷物を得ることができる。
さらに、光重合開始剤(A):(B):(C)=0.25〜1.25:1:0.5〜4.5であることが好ましい。さらに好ましくは、0.5〜1:1:1〜2である。硬化性や密着性が良好なインキが得られる。
本発明に使用する光沢向上剤および光重合開始剤(A)、(B)、(C)のインキへの添加の方法は、特定されるものではなく、インキ製造時の調整工程で添加混合することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキは、従来使用のインキ組成物をベースのインキとして使用することができ、前記光沢向上剤および光重合開始剤(A)、(B)、(C)を添加することにより容易に作製できる。
本発明における活性エネルギー線とは、硬化反応の出発物質が基底状態から遷移状態に励起するのに必要なエネルギーのことを表し、本発明における活性エネルギー線とは、紫外線や電子線を指す。
活性エネルギー線硬化型インキの光硬化方法には、一般的に有電極高圧水銀ランプ、有電極メタルハライドランプ、無電極高圧水銀ランプ、無電極メタルハライドランプ、LED−UVランプのような紫外線を発光する光源を用いる。
本発明は、オフセット印刷用のインキセットであり、印刷基材を特に選ばない。印刷に供される基材であれば本発明の効果が得られる。
印刷インキの製造は、従来の紫外線硬化型インキと同様の方法によって行えばよく、例えば、常温から100℃の間で、顔料、樹脂、モノマーもしくはオリゴマー、重合禁止剤、本発明の光沢向上剤および光重合開始剤(A)、(B)、(C)およびアミン化合物等の増感剤、その他添加剤などインキ組成物成分を、ニーダー、三本ロール、アトライター、サンドミル、ゲートミキサーなどの練肉、混合、調整機を用いて製造される。
以下に実施例および比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の部は重量部を、%は重量%を表す。
<プロセスインキ墨ベースの作製>
ジアリルフタレート樹脂(ダイソーダップ、ダイソー(株)製)18部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製)45.9部、トリメチロールプロパントリアクリレート(ビスコート#295、大阪有機化学工業(株)製))7部、炭酸マグネシウム(炭酸マグネシウムTT、(株)トクヤマ製)7.5部、カーボンブラック(ラーベン1060、コロンビアン・ケミカルズ・カンパニー社製)21.5部、重合禁止剤(Q−1301、和光純薬工業(株)製)0.1部を配合し、3本ロールミルで練肉して、プロセスインキ墨ベースを得た。
<プロセスインキ藍ベースの作製>
ジアリルフタレート樹脂(ダイソーダップ、ダイソー(株)製)16部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製)40.4部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(AD−TMP、新中村化学工業(株)製)13部、炭酸マグネシウム(炭酸マグネシウムTT、(株)トクヤマ製)6部、フタロシアニンブルー(リオノールブルーFG7400G、トーヨーカラー(株)製)24.5部、重合禁止剤(Q−1301、和光純薬工業(株)製)0.1部を配合し、3本ロールミルで練肉して、プロセスインキ藍ベースを得た。
<プロセスインキ紅ベースの作製>
ジアリルフタレート樹脂(ダイソーダップ、ダイソー(株)製)13部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製)41.9部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(AD−TMP、新中村化学工業(株)製)17部、炭酸マグネシウム(炭酸マグネシウムTT、(株)トクヤマ製)4部、カーミン6B(スミカプリントカーミン6BC 300スーパー、住化カラー(株)製)24部、重合禁止剤(Q−1301、和光純薬工業(株)製)0.1部を配合し、3本ロールミルで練肉して、プロセスインキ紅ベースを得た。
<プロセスインキ黄ベースの作製>
ジアリルフタレート樹脂(ダイソーダップ、ダイソー(株)製)20部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製)48.9部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(AD−TMP、新中村化学工業(株)製)8部、炭酸マグネシウム(炭酸マグネシウムTT、(株)トクヤマ製)6部、イエロー(サンブライトイエロー13、DIC(株)製)17部、重合禁止剤(Q−1301、和光純薬工業(株)製)0.1部を配合し、3本ロールミルで練肉して、プロセスインキ黄ベースを得た。
さらに、表1〜4の組成にしたがい、本発明に使用される各活性エネルギー線硬化型インキを得た。
Figure 0006489922
Figure 0006489922
Figure 0006489922
Figure 0006489922
各活性エネルギー線硬化型インキを使用して、表5〜7に指定した重ね印刷を行ない、それぞれ複色での光沢、臭気、硬化性、密着性を評価し、同表5〜7に示した。
<光沢性の評価>
活性エネルギー線硬化型インキを特菱アート両面N(76.5kg/菊判、三菱製紙社製)にRIテスターで各インキを1.2cc/mで展色させ、オゾンレスメタルハライドランプ80Wのランプ下20cmによりコンベア速度90m/分で照射硬化後、日本電色工業株式会社製ハンディ光沢計PG−1、60°にて光沢値を測定した。測定値が大きいほど光沢があり良好であり、光沢向上剤および光重合開始剤(A)、(B)、(C)を含まないインキを基準として判断した。なお、RIテスターとは、紙やフィルムにインキを展色させる試験機であり、インキの転移量や印圧を調整することができる。
<臭気の評価>
活性エネルギー線硬化型インキを特菱アート両面N(76.5kg/菊判、三菱製紙社製)にRIテスターで各インキを1.2cc/mで展色させ、オゾンレスメタルハライドランプ80Wのランプ下20cmによりコンベア速度90m/分で照射硬化し、硬化直後の印刷面から発散される臭気について、官能評価をした。○:臭気がまったくしない、△:臭気がほとんどしない(実用上問題ない)、×:臭気がある、××:不快な臭気がある、の4段階で評価した。
<硬化性の評価>
活性エネルギー線硬化型インキを特菱アート両面N(76.5kg/菊判、三菱製紙社製)にRIテスターで各インキを1.2cc/mで展色させ、オゾンレスメタルハライドランプ80Wのランプ下20cmによりコンベア速度90m/分で照射硬化し、硬化直後の印刷面を指で触わり、べたつきの有無を評価した。○:べたつきがない、△:ややべたつきがある(実用上問題ない)、×:べたつきがある、の3段階で評価した。
<密着性の評価>
活性エネルギー線硬化型インキを特菱アート両面N(76.5kg/菊判、三菱製紙社製)にRIテスターで各インキを1.2cc/mで展色させ、オゾンレスメタルハライドランプ80Wのランプ下20cmによりコンベア速度90m/分で照射硬化した印刷面に粘着テープを貼り、垂直方向に引き上げて剥離することにより、基材への密着状態を評価した。○:ほとんど剥離しない、△:やや剥離する(実用上問題ない)、×:半分以上が剥離する、の3段階で評価した。
Figure 0006489922
Figure 0006489922
Figure 0006489922
表5のデータから、光沢向上剤および光重合開始剤(A)、(B)、(C)を含んだ黄色インキを上部層としたときに、それらを含まないインキと比べ光沢値が大幅に上昇し、臭気も大幅に低減していることが明確となった。目視による光沢評価においても圧倒的に光沢の上昇が確認された。比較例2で使用したインキ黄1は、光沢向上剤を含み、光重合開始剤(A)、(C)は含むが、光重合開始剤(B)を含まない特許文献2に類似するものであるが、光沢の向上はみられるものの、臭気があることが認められた。
表6のデータから、光沢向上剤および光重合開始剤(A)、(B)、(C)を含んだ藍色インキおよび紅色インキを上部層としたときに、それらを含まないインキと比べ光沢値が大幅に上昇し、臭気も大幅に低減していることが明確となった。目視による光沢評価においても圧倒的に光沢の上昇が確認された。比較例7で使用したインキ藍2は、光沢向上剤を含まない特許文献8に類似するものであるが、光沢の向上は確認されなかった。比較例8で使用したインキ藍3は、光沢向上剤を含まず、さらに光重合開始剤(B)、(C)は含むが、光重合開始剤(A)を含まない(光重合開始剤(A):(B):(C)=0:1:1.3)特許文献7に類似するものであるが、光沢の向上が認められず、臭気もあることが認められた。
表7は、上部層を黄色インキとし、下部層を藍色インキまたは紅色インキとした場合の例であるが、表7のデータから、光沢向上剤および光重合開始剤(A)、(B)、(C)を含んだ黄色インキを上部層としたときに、それらを含まないインキと比べ光沢値が大幅に上昇し、臭気も大幅に低減していることが明確となった。目視による光沢評価においても圧倒的に光沢の上昇が確認された。
さらに、下部層および上部層の両方に光重合開始剤(A)、(B)、(C)を含んだインキセットとした場合、上部層のみにそれらを含んだインキセットよりも臭気が低減していることが明確となった。
<ワニスの作製>
ジアリルフタレ−ト樹脂(ダイソーダップ、ダイソー(株)製)24部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製)49.95部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(AD−TMP、新中村化学工業(株)製)26部、重合禁止剤(Q−1301、和光純薬工業(株)製)0.05部を、反応容器中に仕込み、100〜110℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスを得た。
表8の配合にしたがい、本発明に使用される活性エネルギー線硬化型オーバープリントニスを得た。
各活性エネルギー線硬化型オーバープリントニスおよび各活性エネルギー線硬化型インキを使用して、表9に指定した重ね印刷を行ない、それぞれ重ね印刷部の光沢、臭気、硬化性、密着性を評価し、同表9に示した。
Figure 0006489922
Figure 0006489922
表9のデータから、光沢向上剤および光重合開始剤(A)、(B)、(C)を含んだオーバープリントニスを上部層としたときに、光沢値が大幅に上昇し、臭気も抑えられていることが明確になった。さらに、光重合開始剤(A)、(B)、(C)を含んだインキによる下部層および光重合開始剤(A)、(B)、(C)を含んだオーバープリントニスによる上部層としたインキセットの場合、上部層のみにそれらを含んだオーバープリントニスによるインキセットよりも臭気が低減していることが明確となった。光沢向上剤を含み、光重合開始剤(A)、(B)、(C)を含まない比較例15は、光沢の向上はみられるものの、臭気があることが認められた。光沢向上剤を含まず、光重合開始剤(A)、(B)、(C)を含む比較例16は、臭気は抑えられるが、光沢は向上しない。
本発明のインキ多色セットによれば、複色時の印刷部光沢が良好で硬化時の臭気が大幅に低減可能な活性エネルギー線硬化型インキセットとして有効に利用することができる。

Claims (4)

  1. 活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキの多色セットであって、
    各色の活性エネルギー線硬化型インキのうち、すくなくとも最上層のインキが、光沢向上剤としてフタル酸エステル、アジピン酸エステル、およびセバシン酸エステルから選択される1種または2種以上と、
    光重合開始剤とを、含有し、
    前記光沢向上剤が、インキ中に0.1〜6重量%、
    前記光重合開始剤が、
    (A)2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノンまたは2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、
    (B)2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドまたはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドおよび
    (C)4,4’−ビス−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンまたは4,4’−ビス−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンの3種類からなり
    前記光重合開始剤(A)、(B)、(C)の総量が、インキ中に13〜23重量%であり、
    かつ光重合開始剤(A):(B):(C)=0.5〜1.25:1:1.5〜2.5であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インキの多色セット。
  2. 請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インキの多色セットが、黄色インキ、紅色インキ、藍色インキ、墨色インキおよびオーバープリントニスから選ばれる1種以上を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型インキの多色セット。
  3. 請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型インキの多色セットに用いられる活性エネルギー線硬化型インキであって、
    前記活性エネルギー線硬化型インキが、光沢向上剤としてフタル酸エステル、アジピン酸エステル、およびセバシン酸エステルから選択される1種または2種以上と、
    光重合開始剤とを、含有し、
    前記光沢向上剤が、インキ中に0.1〜6重量%、
    前記光重合開始剤が、
    (A)2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノンまたは2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、
    (B)2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドまたはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドおよび
    (C)4,4’−ビス−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンまたは4,4’−ビス−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンの3種類からなり
    前記光重合開始剤(A)、(B)、(C)の総量が、インキ中に13〜23重量%であり、
    かつ光重合開始剤(A):(B):(C)=0.5〜1.25:1:1.5〜2.5であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インキ。
  4. 請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型インキの多色セットを使用して得られた印刷物。
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