JP6489846B2 - 太陽光発電出力推定装置、太陽光発電出力推定システム及び太陽光発電出力推定方法 - Google Patents

太陽光発電出力推定装置、太陽光発電出力推定システム及び太陽光発電出力推定方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力系統に接続された負荷に電力を供給する太陽光発電設備の発電出力を推定する太陽光発電出力推定装置、太陽光発電出力推定システム及び太陽光発電出力推定方法に関する。
近年、太陽光発電設備などの分散型電源を設置し、商用電力系統(以下、単に電力系統という)に接続された負荷に当該太陽光発電設備からの電力を供給する需要家が増えてきている。このため、各需要家が設置した太陽光発電設備の発電出力を推定する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−95941号公報
ここで、太陽光発電設備が大量に導入されれば、電力系統運用上、様々な問題が生じる。つまり、太陽光発電設備の発電出力を加味した見かけ上の電力系統の負荷は計測器で計測できるものの、太陽光発電設備の発電出力が未知であるため、実際の負荷(実負荷)を把握することができない。このため、太陽光発電設備が大量に導入されれば、需要想定の誤差が大きくなるという需給制御上のリスクが増大したり、事故時の復旧作業に支障が生じるという系統制御上のリスクが増大したりする。
このため、太陽光発電設備の発電出力を推定する必要があるが、上記従来の装置は、個々の需要家が設置した太陽光発電設備の発電出力を推定する装置であるため、太陽光発電設備が大量に導入されれば、全ての需要家に当該装置を設置する必要が生じる。しかしながら、全ての需要家に当該装置を導入するのは、技術的にもコスト的にも問題がある。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、個々の需要家に装置を設置することなく、太陽光発電設備の発電出力を推定することができる太陽光発電出力推定装置、太陽光発電出力推定システム及び太陽光発電出力推定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る太陽光発電出力推定装置は、電力系統に接続された負荷に電力を供給する太陽光発電設備の所定時点での発電出力である太陽光発電出力を推定する太陽光発電出力推定装置であって、前記所定時点以前の期間であって、太陽の南中高度が前記所定時点での当該南中高度から所定範囲内の期間における、所定地点での日射強度と前記電力系統の有効電力とを用いて、前記太陽光発電出力を推定する発電出力推定部を備える。
これによれば、太陽光発電出力推定装置は、所定時点以前の期間であって、太陽の南中高度が所定範囲内の期間における、所定地点での日射強度と電力系統の有効電力とを用いて、太陽光発電出力を推定する。つまり、例えば所定時点より1〜2週間程度前の太陽の南中高度が同等の期間におけるデータを用いることで、より正確に太陽光発電出力を推定することができ、また、日射強度と電力系統の有効電力とを用いることで、簡易に太陽光発電出力を推定することができる。ここで、推定する太陽光発電出力は、電力系統に接続された負荷に電力を供給する太陽光発電設備の所定時点での発電出力、つまり、電力系統に接続された太陽光発電設備全体の発電出力である。このため、太陽光発電出力推定装置によれば、正確かつ簡易に、電力系統に接続された太陽光発電設備全体の発電出力を推定することができるため、個々の需要家に装置を設置することなく、太陽光発電設備の発電出力を推定することができる。
また、前記発電出力推定部は、前記期間内の短時間における、前記日射強度の時系列データと前記有効電力の時系列データとを用いて、前記太陽光発電出力を推定することにしてもよい。
これによれば、太陽光発電出力推定装置は、短時間における、日射強度と電力系統の有効電力との時系列データとを用いて、太陽光発電出力を推定する。つまり、例えば30分〜2時間程度の短い期間におけるデータを用いて、太陽光発電出力を推定することができる。このため、太陽光発電出力推定装置によれば、長時間の時系列データを取得する必要がないため、簡易かつ迅速に、太陽光発電設備の発電出力を推定することができる。
また、前記発電出力推定部は、前記電力系統に連系された前記太陽光発電設備の合計設備容量が前記所定時点での当該合計設備容量から所定範囲内の期間における、前記日射強度と前記有効電力とを用いて、前記太陽光発電出力を推定することにしてもよい。
これによれば、太陽光発電出力推定装置は、電力系統に連系された太陽光発電設備の合計設備容量が所定範囲内の期間における、日射強度と電力系統の有効電力とを用いて、太陽光発電出力を推定する。つまり、太陽光発電出力推定装置は、太陽光発電設備の合計設備容量が同等の期間におけるデータを用いることで、より正確に太陽光発電設備の発電出力を推定することができる。
また、さらに、前記日射強度と前記有効電力との時系列データの共分散である第一共分散を取得する第一共分散取得部と、遅延時間ずれた2つの前記日射強度の時系列データの自己共分散である第二共分散を取得する第二共分散取得部とを備え、前記発電出力推定部は、取得された前記第一共分散と前記第二共分散とを用いて、前記太陽光発電出力を推定することにしてもよい。
これによれば、太陽光発電出力推定装置は、日射強度と電力系統の有効電力との時系列データの共分散である第一共分散と、遅延時間ずれた2つの日射強度の時系列データの自己共分散である第二共分散とを用いて、太陽光発電出力を推定する。このため、太陽光発電出力推定装置は、当該第一共分散と第二共分散とを用いて、簡易に太陽光発電設備の発電出力を推定することができる。
また、前記発電出力推定部は、前記第一共分散と前記第二共分散とを用いて得られる係数に、前記所定地点における日射強度を乗じることで、前記太陽光発電出力を算出することにしてもよい。
これによれば、太陽光発電出力推定装置は、第一共分散と第二共分散とを用いて得られる係数に、所定地点における日射強度を乗じることで、太陽光発電出力を算出することができるため、簡易な計算で太陽光発電設備の発電出力を推定することができる。
また、前記発電出力推定部は、前記第一共分散を前記第二共分散で除してマイナスを乗じた値を前記係数として、前記太陽光発電出力を算出することにしてもよい。
これによれば、太陽光発電出力推定装置は、第一共分散を第二共分散で除してマイナスを乗じた値を上記の係数として、太陽光発電出力を算出することができるため、さらに簡易な計算で太陽光発電設備の発電出力を推定することができる。
また、前記第二共分散取得部は、前記日射強度の測定地点と前記太陽光発電設備の設置地点との間を日射強度が移動する時間を前記遅延時間として、前記第二共分散を取得することにしてもよい。
これによれば、太陽光発電出力推定装置は、日射強度の測定地点と太陽光発電設備の設置地点との間を日射強度が移動する時間を遅延時間として第二共分散を算出することで、太陽光発電設備の発電出力を推定することができる。
また、前記第一共分散取得部は、所定期間における前記日射強度と前記有効電力との時系列データの共分散である前記第一共分散を取得し、前記第二共分散取得部は、前記所定期間における前記日射強度と前記有効電力との時系列データの共分散関数が最小値をとる場合のラグを前記遅延時間として、前記第二共分散を取得することにしてもよい。
これによれば、太陽光発電出力推定装置は、当該所定期間における日射強度と電力系統の有効電力との時系列データの共分散関数が最小値をとる場合のラグを遅延時間として第二共分散を算出することで、簡易に第二共分散を取得することができる。
また、前記第一共分散取得部は、第一期間における前記日射強度の時系列データと前記有効電力の時系列データとを取得し、前記日射強度の時系列データと前記有効電力の時系列データとの共分散を前記第一共分散として算出し、前記第二共分散取得部は、前記第一期間における前記日射強度の時系列データと、前記第一期間より前記遅延時間ずれた期間である第二期間における前記日射強度の時系列データとを取得し、当該2つの日射強度の時系列データの自己共分散を前記第二共分散として算出し、前記発電出力推定部は、前記第一共分散と前記第二共分散とを用いて得られる係数に、前記所定時点から前記遅延時間ずれた時点における前記日射強度を乗じることで、前記太陽光発電出力を算出することにしてもよい。
これによれば、太陽光発電出力推定装置は、第一期間における日射強度の時系列データと電力系統の有効電力の時系列データとの共分散を第一共分散として算出し、第一期間における日射強度の時系列データと、第一期間より遅延時間ずれた第二期間における日射強度の時系列データとの自己共分散を第二共分散として算出する。そして、太陽光発電出力推定装置は、算出した第一共分散と第二共分散とを用いて得られる係数に、所定時点から遅延時間ずれた時点における日射強度を乗じることで、太陽光発電出力を算出する。これにより、太陽光発電出力推定装置は、太陽光発電設備の発電出力を推定することができる。
また、日射強度が強くかつ日射強度の変動が大きい期間を前記第一期間として、前記第一共分散取得部は、前記第一共分散を算出し、前記第二共分散取得部は、前記第二共分散を算出することにしてもよい。
これによれば、太陽光発電出力推定装置は、日射強度が強くかつ日射強度の変動が大きい期間を第一期間として、第一共分散と第二共分散とを算出する。つまり、太陽光発電出力推定装置は、太陽光発電出力を推定する期間の特徴が顕著にあらわれた期間を第一期間として、第一共分散と第二共分散とを算出することで、より正確に太陽光発電設備の発電出力を推定することができる。
また、本発明は、このような太陽光発電出力推定装置として実現することができるだけでなく、当該太陽光発電出力推定装置と、所定地点での日射強度を計測する日射計と、電力系統の有効電力を計測する計測器とを備える太陽光発電出力推定システムとしても実現することができる。
また、本発明は、上記の太陽光発電出力推定装置に含まれる処理部が行う特徴的な処理をステップとする太陽光発電出力推定方法としても実現することができる。また、当該太陽光発電出力推定方法に含まれる特徴的な処理をコンピュータに実行させるプログラムや集積回路として実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
本発明によれば、個々の需要家に装置を設置することなく、太陽光発電設備の発電出力を推定することができる太陽光発電出力推定装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る太陽光発電出力推定装置を備える太陽光発電出力推定システムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る太陽光発電出力推定装置の機能的な構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る太陽光発電出力推定装置が太陽光発電出力を推定する処理(太陽光発電出力推定方法)の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る第一共分散取得部が第一共分散を取得する処理の一例を示すフローチャートである。 1年間における南中高度の推移と、1週間及び2週間離れた日での南中高度の差の推移を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係る第二共分散取得部が第二共分散を取得する処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る発電出力推定部が太陽光発電出力を推定する処理の一例を示すフローチャートである。 負荷と日射強度には相関がないことを説明する図である。 負荷と日射強度には相関がないことを説明する図である。 負荷と日射強度には相関がないことを説明する図である。 負荷と日射強度には相関がないことを説明する図である。 本発明の実施の形態に係る第二共分散取得部が遅延時間を取得する処理を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る太陽光発電出力推定装置が奏する効果を説明する際の構成を示す図である。 冬の平日における日射強度と電力潮流との時系列データを示すグラフである。 冬の平日における日射強度と電力潮流との共分散を示すグラフである。 冬の平日において日射強度及び電力潮流を計測した当日の太陽光発電設備の発電出力の推定値と真値とを示すグラフである。 冬の平日において日射強度及び電力潮流を計測した翌日の太陽光発電設備の発電出力の推定値と真値とを示すグラフである。 冬の平日において日射強度及び電力潮流を計測した当日の太陽光発電設備の発電出力の推定値の真値からの誤差を示すヒストグラムである。 冬の平日において日射強度及び電力潮流を計測した翌日の太陽光発電設備の発電出力の推定値の真値からの誤差を示すヒストグラムである。 冬の土日における日射強度と電力潮流との時系列データを示すグラフである。 冬の土日における日射強度と電力潮流との共分散を示すグラフである。 冬の土日において日射強度及び電力潮流を計測した当日の太陽光発電設備の発電出力の推定値と真値とを示すグラフである。 冬の土日において日射強度及び電力潮流を計測した翌日の太陽光発電設備の発電出力の推定値と真値とを示すグラフである。 冬の土日において日射強度及び電力潮流を計測した当日の太陽光発電設備の発電出力の推定値の真値からの誤差を示すヒストグラムである。 冬の土日において日射強度及び電力潮流を計測した翌日の太陽光発電設備の発電出力の推定値の真値からの誤差を示すヒストグラムである。 春の土日において日射強度及び電力潮流を計測した当日の太陽光発電設備の発電出力の推定値と真値とを示すグラフである。 春の土日において日射強度及び電力潮流を計測した翌日の太陽光発電設備の発電出力の推定値と真値とを示すグラフである。 春の土日において日射強度及び電力潮流を計測した当日の太陽光発電設備の発電出力の推定値の真値からの誤差を示すヒストグラムである。 春の土日において日射強度及び電力潮流を計測した翌日の太陽光発電設備の発電出力の推定値の真値からの誤差を示すヒストグラムである。 春の平日において日射強度及び電力潮流を計測した当日の太陽光発電設備の発電出力の推定値と真値とを示すグラフである。 春の平日において日射強度及び電力潮流を計測した翌日の太陽光発電設備の発電出力の推定値と真値とを示すグラフである。 春の平日において日射強度及び電力潮流を計測した当日の太陽光発電設備の発電出力の推定値の真値からの誤差を示すヒストグラムである。 春の平日において日射強度及び電力潮流を計測した翌日の太陽光発電設備の発電出力の推定値の真値からの誤差を示すヒストグラムである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る太陽光発電出力推定装置及び太陽光発電出力推定システムについて、説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る太陽光発電出力推定装置100を備える太陽光発電出力推定システム10の構成を示す図である。
同図に示すように、太陽光発電出力推定システム10は、太陽光発電出力推定装置100と、日射計200と、計測器300とを備えている。
太陽光発電出力推定装置100は、電力系統に接続された負荷に電力を供給する太陽光発電設備の所定時点での発電出力である太陽光発電出力を推定するコンピュータである。ここで、所定時点とは、現在の時点のみならず、過去または未来の時点も含まれる。なお、この太陽光発電出力推定装置100は、パーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータシステムがプログラムを実行することによって実現されてもよいし、専用のコンピュータシステムによって実現されてもよい。太陽光発電出力推定装置100の詳細な構成については、後述する。
日射計200は、所定地点での日射強度を計測する日射計である。つまり、日射計200は、所定地点に配置され、一定時間間隔で、日射強度を計測し、計測した当該日射強度を太陽光発電出力推定装置100に出力する。なお、日射計200が配置される地点は、ユーザによって任意に定められる。
また、日射計200が日射強度を計測する時間間隔は、1秒、10秒、1分など特に限定されず、ユーザによって適切な数値が定められる。また、日射計200は、一定時間間隔で日射強度を計測するのではなく、ユーザによって任意に定められたタイミングで日射強度を計測することにしてもよい。また、日射計200が計測した日射強度を太陽光発電出力推定装置100に出力するタイミングについても特に限定されず、日射強度を計測するたびに出力してもよいし、ユーザによって定められた所定のタイミングで出力することにしてもよい。
計測器300は、電力系統400の有効電力を計測する計測器である。つまり、計測器300は、電力系統400の有効電力及び無効電力のうち、少なくとも電力系統400の有効電力を計測する。具体的には、計測器300は、電力系統400の近傍に設置されており、一定時間間隔で、電力系統400の有効電力を計測し、計測した当該有効電力を太陽光発電出力推定装置100に出力する。
計測器300が当該有効電力を計測する時間間隔は、1秒、10秒、1分など特に限定されず、ユーザによって適切な数値が定められる。また、計測器300は、一定時間間隔で当該有効電力を計測するのではなく、ユーザによって任意に定められたタイミングで当該有効電力を計測することにしてもよい。また、計測器300が計測した当該有効電力を太陽光発電出力推定装置100に出力するタイミングについても特に限定されず、当該有効電力を計測するたびに出力してもよいし、ユーザによって定められた所定のタイミングで出力することにしてもよい。
なお、計測器300として、例えば、有効電力(P)、無効電力(Q)、電圧(V)及び周波数(F)の変動の記録を目的として、変電所等に設置されているPQVF記録装置(系統情報記録装置)や、給電制御所等にテレメータを送信する遠隔監視制御システム(テレコン)、電柱上に設置されているセンサ付き区間開閉器(VS)等を用いることができる。
ここで、電力系統400は、電力会社等の発電設備500から変電所(S/S)を介して電力が供給される商用電力系統である。また、電力系統400には、複数の負荷410が接続され、また、複数の太陽光発電設備420が連系されている。
負荷410は、需要家が消費している電力負荷であり、例えば、エアコンなどの家電機器の消費電力や、工場で機械を稼動するための消費電力などである。なお、負荷410は、電力系統400に接続されている電力負荷であれば、どのようなものであってもかまわない。
太陽光発電設備420は、例えば、需要家が有する建築物の屋根等に設置されている太陽光発電(PV)設備であり、小規模な太陽光発電設備のみならず、大規模太陽光発電所(いわゆるメガソーラー)も含まれる。太陽光発電設備420は、発生した電力を、電力系統400に接続された負荷410に供給する、または、電力系統400に供給する。つまり、太陽光発電設備420は、直接的または間接的に電力系統400に連系された発電設備である。
このように、電力系統400に接続されている全ての負荷410の大きさと、電力系統400に連系されている全ての太陽光発電設備420の発電出力の大きさとによって、電力系統400の見かけ上の負荷は、変動することになる。なお、この電力系統400の見かけ上の負荷は、電力潮流(または線路潮流)と言うこともでき、以下では、電力潮流とも呼ぶこととする。
次に、太陽光発電出力推定装置100の詳細な機能構成について、説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る太陽光発電出力推定装置100の機能的な構成を示すブロック図である。
太陽光発電出力推定装置100は、電力系統400に接続された負荷410に電力を供給する太陽光発電設備420の所定時点での発電出力である太陽光発電出力を推定する装置である。同図に示すように、太陽光発電出力推定装置100は、第一共分散取得部110と、第二共分散取得部120と、発電出力推定部130と、記憶部140とを備えている。
記憶部140は、太陽光発電設備420の所定時点での発電出力を推定するためのデータなどを記憶しているメモリである。具体的には、記憶部140は、日射計200や計測器300から入力されるデータや、第一共分散取得部110、第二共分散取得部120または発電出力推定部130が算出したデータなどを含む推定用データ141を記憶している。
なお、図示していないが、太陽光発電出力推定装置100は、キーボードやマウスなどの入力部や液晶ディスプレイなどの表示部を備えていてもよい。
発電出力推定部130は、所定時点以前の期間であって、太陽の南中高度が所定時点での当該南中高度から所定範囲内の期間における、所定地点での日射強度と電力系統400の有効電力(以下、電力潮流の有効電力という)とを用いて、太陽光発電出力を推定する。ここで、太陽光発電出力とは、電力系統400に接続された負荷410に電力を供給する太陽光発電設備420の所定時点での発電出力である。
なお、太陽光発電設備420の発電出力には、有効電力と無効電力とが存在するが、一般的に、(特に家庭用の)太陽光発電設備420は、力率1で運転されており、有効電力しか出さないものが多い。このため、以下では、太陽光発電設備420の発電出力というと、太陽光発電設備420の発電出力の有効電力を指すものとする。
また、上記の期間は、太陽光発電設備420の合計設備容量が所定時点での当該合計設備容量から所定範囲内の期間であるのが好ましい。つまり、発電出力推定部130は、電力系統400に連系された太陽光発電設備420の合計設備容量が所定時点での当該合計設備容量から所定範囲内の期間における、当該日射強度と当該電力潮流の有効電力とを用いて、当該太陽光発電出力を推定する。なお、ある時点において電力系統400に連系されている太陽光発電設備420の合計設備容量とは、言い換えれば、当該時点において電力系統400に導入されている太陽光発電設備420の合計設備容量である。
このように、当該期間とは、太陽光発電出力を推定する所定時点以前の期間であって、太陽の南中高度が所定時点での当該南中高度から所定範囲内の期間であり、かつ、太陽光発電設備420の合計設備容量が所定時点での当該合計設備容量から所定範囲内の期間である。例えば、当該期間は、太陽光発電出力を推定する所定時点から遡って1〜2週間程度までにおける期間であり、具体的には、太陽光発電出力を推定する日の前日などである。
さらに具体的には、発電出力推定部130は、当該期間内の短時間における、当該日射強度の時系列データと当該電力潮流の有効電力の時系列データとを用いて、当該太陽光発電出力を推定する。ここで、当該短時間とは、例えば、30分〜2時間程度の短い期間であり、好ましくは1時間である。つまり、発電出力推定部130は、太陽光発電出力を推定する所定時点から遡って1〜2週間程度までにおける期間内の30分〜2時間程度の短時間における、当該日射強度及び当該電力潮流の有効電力の時系列データを用いて、当該太陽光発電出力を推定する。なお、当該短時間は、以下の第一期間に相当する。
ここで、発電出力推定部130は、以下で説明する第一共分散取得部110と第二共分散取得部120とが取得した第一共分散と第二共分散とを用いて、当該太陽光発電出力を推定する。
第一共分散取得部110は、所定地点での日射強度と電力潮流の有効電力との時系列データの共分散である第一共分散を取得する。具体的には、第一共分散取得部110は、第一期間における当該日射強度の時系列データと当該電力潮流の有効電力の時系列データとを取得し、当該日射強度の時系列データと当該電力潮流の有効電力の時系列データとの共分散を第一共分散として算出する。
例えば、所定地点に設置された日射計200が計測した日射強度の時系列データが記憶部140の推定用データ141に記憶されており、第一共分散取得部110は、推定用データ141を参照することで、第一期間における当該日射強度の時系列データを取得する。また、計測器300が計測した電力系統400の有効電力(電力潮流の有効電力)の時系列データが記憶部140の推定用データ141に記憶されており、第一共分散取得部110は、推定用データ141を参照することで、第一期間における当該電力潮流の有効電力の時系列データを取得する。そして、第一共分散取得部110は、取得した当該日射強度の時系列データと当該電力潮流の有効電力の時系列データとの共分散である第一共分散を算出する。
ここで、当該第一期間は、上記の短時間に相当する期間であり、例えば上述のように、太陽光発電出力を推定する所定時点から遡って1〜2週間程度までにおける期間内の30分〜2時間程度の期間である。また、当該第一期間は、当該日射強度が強くかつ当該日射強度の変動が大きい期間であるのが好ましい。なお、一般的に、12時から13時の間は、負荷が一時的に低下する傾向にあるため、当該第一期間は、12時から13時を除いた期間であるのがさらに好ましい。このように、第一共分散取得部110は、日射強度が強くかつ日射強度の変動が大きい期間を第一期間として、第一共分散を算出する。
そして、第一共分散取得部110は、算出した第一共分散を、記憶部140の推定用データ141に書き込むことで、記憶させる。
第二共分散取得部120は、遅延時間ずれた2つの日射強度の時系列データの自己共分散である第二共分散を取得する。具体的には、第二共分散取得部120は、上記の第一期間における日射強度の時系列データと、当該第一期間より遅延時間ずれた期間である第二期間における日射強度の時系列データとを取得し、当該2つの日射強度の時系列データの自己共分散を第二共分散として算出する。
例えば、所定地点に設置された日射計200が計測した日射強度の時系列データが記憶部140の推定用データ141に記憶されており、第二共分散取得部120は、推定用データ141を参照することで、第一期間及び第二期間における当該日射強度の時系列データを取得する。そして、第二共分散取得部120は、取得した当該2つの日射強度の時系列データの自己共分散である第二共分散を算出する。なお、遅延時間がゼロの場合には、第一期間と第二期間とは同じ期間となるため、第二共分散取得部120は、第一期間における日射強度の時系列データの分散を、第二共分散として算出する。
ここで、遅延時間とは、日射強度の測定地点(日射計200の設置地点)と太陽光発電設備420の設置地点との間を日射強度が移動する時間であり、具体的には、日射強度の測定地点に存在する雲が、太陽光発電設備420の設置地点に到達するまでの期間である。第二共分散取得部120は、例えば、当該日射強度と電力潮流の有効電力との時系列データの共分散関数が最小値をとる場合のラグを、当該遅延時間として算出することができる。なお、第二共分散取得部120は、気象データを参照する等により、当該遅延時間を取得することもできる。
このように、第二共分散取得部120は、日射強度の測定地点と太陽光発電設備420の設置地点との間を日射強度が移動する時間を当該遅延時間として、第二共分散を取得する。この際、第二共分散取得部120は、所定期間における当該日射強度と電力潮流の有効電力との時系列データの共分散関数が最小値をとる場合のラグを、当該遅延時間として取得することができる。ここで、当該所定期間とは、上記の第一期間と同じ期間であるのが好ましい。
そして、第二共分散取得部120は、算出した第二共分散を、記憶部140の推定用データ141に書き込むことで、記憶させる。
そして、発電出力推定部130は、第一共分散取得部110と第二共分散取得部120とが取得した第一共分散と第二共分散とを、推定用データ141から読み出して、太陽光発電出力を推定する。具体的には、発電出力推定部130は、第一共分散と第二共分散とを用いて得られる係数に、所定地点における日射強度であって、所定時点から上記の遅延時間ずれた時点における日射強度を乗じることで、太陽光発電出力を算出する。
ここで、当該係数とは、第一共分散を第二共分散で除してマイナスを乗じた値である。つまり、発電出力推定部130は、第一共分散を第二共分散で除してマイナスを乗じた値を係数として、太陽光発電出力を算出する。なお、当該係数は短期間では変化しにくいものの、風向や風速の変化によって遅延時間は短期間で変化しやすいため、この太陽光発電出力を推定(算出)する際の遅延時間は、気象データ等を考慮してリアルタイムで変更されたものが用いられるのが好ましい。
そして、発電出力推定部130は、算出した太陽光発電出力を、記憶部140の推定用データ141に書き込むことで、記憶させる。
次に、太陽光発電出力推定装置100が太陽光発電出力を推定する処理について、説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る太陽光発電出力推定装置100が太陽光発電出力を推定する処理(太陽光発電出力推定方法)の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、第一共分散取得部110は、所定地点での日射強度と電力潮流の有効電力との時系列データの共分散である第一共分散を取得する(S102)。具体的には、第一共分散取得部110は、当該第一共分散を算出することで取得し、取得(算出)した第一共分散を、記憶部140の推定用データ141に書き込む。なお、この第一共分散取得部110が第一共分散を取得する処理の詳細な説明については、後述する。
そして、第二共分散取得部120は、遅延時間ずれた2つの日射強度の時系列データの自己共分散である第二共分散を取得する(S104)。具体的には、第二共分散取得部120は、当該第二共分散を算出することで取得し、取得(算出)した第二共分散を、記憶部140の推定用データ141に書き込む。なお、この第二共分散取得部120が第二共分散を取得する処理の詳細な説明については、後述する。
そして、発電出力推定部130は、所定時点以前の期間であって、太陽の南中高度が所定時点での当該南中高度から所定範囲内の期間における、所定地点での日射強度と電力潮流の有効電力とを用いて、太陽光発電出力を推定する(S106)。具体的には、発電出力推定部130は、第一共分散取得部110が取得した第一共分散と、第二共分散取得部120が取得した第二共分散とを推定用データ141から読み出し、当該第一共分散と第二共分散とを用いて、太陽光発電出力を算出することで推定する。なお、この発電出力推定部130が太陽光発電出力を推定する処理の詳細な説明については、後述する。
以上のようにして、太陽光発電出力推定装置100が太陽光発電出力を推定する処理(太陽光発電出力推定方法)は、終了する。
次に、第一共分散取得部110が第一共分散を取得する処理(図3のS102)について、詳細に説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係る第一共分散取得部110が第一共分散を取得する処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、第一共分散取得部110は、日射強度の時系列データを取得する(S202)。具体的には、所定地点に設置された日射計200が計測した日射強度の時系列データが記憶部140の推定用データ141に記憶されており、第一共分散取得部110は、推定用データ141から、当該日射強度の時系列データを読み出すことで、取得する。
なお、第一共分散取得部110は、日射強度の時系列データの実測値ではなく、日射強度の時系列データの推定値を取得することにしてもよい。この場合、第一共分散取得部110は、例えば日射計200が複数の日射計で構成された日射計群の場合、当該複数の日射計のうちのいずれかの日射計の情報(過去、現在の日射強度の値)を用いて、周辺の日射強度を推定することで、当該推定値を取得することができる。なお、推定精度向上の観点から、第一共分散取得部110は、太陽光発電設備420の分布の形を考慮して、当該推定値を取得するのが好ましい。
さらに具体的には、第一共分散取得部110は、太陽光発電出力を推定する所定時点以前の期間であって、太陽の南中高度が所定時点での当該南中高度から所定範囲内の期間であり、かつ、太陽光発電設備420の合計設備容量が所定時点での当該合計設備容量から所定範囲内の期間における日射強度の時系列データを取得する。
ここで、太陽の南中高度が所定時点での当該南中高度から所定範囲内の期間として、例えば、当該南中高度が所定時点での当該南中高度から、±約6°以内(または±約12%以内)の期間が好ましく、±約3°以内(または±約6%以内)の期間がさらに好ましい。
この場合、図5に示すように、2週間離れた日での南中高度の差は、−約6°〜+約6°の間(−約12%〜+約12%の間)で推移し、1週間離れた日での南中高度の差は、−約3°〜+約3°の間(−約6%〜+約6%の間)で推移している。このため、当該期間として、所定時点から2週間前までの期間が好ましく、所定時点から1週間前までの期間がさらに好ましい。図5は、1年間における南中高度の推移と、1週間及び2週間離れた日での南中高度の差の推移を示すグラフである。
なお、当該南中高度の差は、夏と冬では小さく、春と秋では大きくなる傾向にあるため、上記の期間として、季節によって異なる期間を用いることにしてもよい。また、南中高度の観測地点によっても南中高度の差は異なってくるため、観測地点に応じた当該期間を用いることにしてもよい。
また、太陽光発電設備420の合計設備容量が所定時点での当該合計設備容量から所定範囲内の期間については、例えば、当該合計設備容量が所定時点での当該合計設備容量から±約5%以内など、ユーザによって適宜定められる。
なお、上記の期間は、予め定められ、第一共分散取得部110に予め入力されていてもよいし、ユーザによって適宜変更されてもよいし、第一共分散取得部110が当該期間を算出して決定することにしてもよい。本実施の形態では、第一共分散取得部110は、当該期間を、例えば、太陽光発電出力を推定する日の前日とし、当該前日における日射強度の時系列データを取得する。
そして、図4に戻り、第一共分散取得部110は、第一期間を探索する(S204)。具体的には、第一共分散取得部110は、取得した日射強度の時系列データを参照し、日射強度が強くかつ日射強度の変動が大きい期間を探索する。例えば、第一共分散取得部110は、太陽光発電出力を推定する日の前日のうち、日射強度が強くかつ日射強度の変動が大きい30分〜2時間程度の短い期間を探索する。そして、第一共分散取得部110は、探索した期間を、第一期間と決定する。なお、第一共分散取得部110は、12時から13時を除いた期間から、当該第一期間を探索するのが好ましい。
なお、第一共分散取得部110は、上記の期間(例えば、太陽光発電出力を推定する日の前日)の中から、第一期間を探索するのではなく、上記の期間自体を探索してから、当該期間の中から第一期間を探索することにしてもよい。
そして、第一共分散取得部110は、当該第一期間における日射強度の時系列データと電力潮流の有効電力の時系列データとを取得する(S206)。具体的には、第一共分散取得部110は、推定用データ141から、当該第一期間における日射強度の時系列データと、当該第一期間における電力潮流の有効電力の時系列データとを読み出すことで、取得する。
そして、第一共分散取得部110は、当該日射強度の時系列データと当該電力潮流の有効電力の時系列データとの共分散を第一共分散として算出する(S208)。そして、第一共分散取得部110は、算出した第一共分散を、推定用データ141に書き込む。
以上のようにして、第一共分散取得部110が第一共分散を取得する処理(図3のS102)は、終了する。
次に、第二共分散取得部120が第二共分散を取得する処理(図3のS104)について、詳細に説明する。
図6は、本発明の実施の形態に係る第二共分散取得部120が第二共分散を取得する処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、第二共分散取得部120は、日射強度の測定地点と太陽光発電設備420の設置地点との間の遅延時間を取得する(S302)。なお、電力系統400には、複数の太陽光発電設備420が接続されているため、太陽光発電設備420の設置地点は複数存在するが、この遅延時間を取得する際の太陽光発電設備420の設置地点とは、当該複数の太陽光発電設備420の中心位置となるような地点である。
具体的には、第二共分散取得部120は、上記の第一期間における日射強度と電力潮流の有効電力との時系列データの共分散関数が最小値をとる場合のラグを、当該遅延時間として取得する。そして、第二共分散取得部120は、取得した遅延時間を、推定用データ141に書き込む。この第二共分散取得部120が当該遅延時間を取得する処理の具体的な説明については、後述する。
そして、第二共分散取得部120は、遅延時間ずれた2つの日射強度の時系列データを取得する(S304)。つまり、第二共分散取得部120は、上記の第一期間における日射強度の時系列データと、当該第一期間より遅延時間ずれた第二期間における日射強度の時系列データとを取得する。具体的には、第二共分散取得部120は、推定用データ141から、第一期間及び第二期間における当該日射強度の時系列データを読み出す。
そして、第二共分散取得部120は、遅延時間ずれた2つの日射強度の時系列データの自己共分散である第二共分散を算出する(S306)。具体的には、第二共分散取得部120は、第一期間における日射強度の時系列データと、第二期間における日射強度の時系列データとの自己共分散を算出する。そして、第二共分散取得部120は、算出した第二共分散を、推定用データ141に書き込む。
以上のようにして、第二共分散取得部120が第二共分散を取得する処理(図3のS104)は、終了する。
次に、発電出力推定部130が太陽光発電出力を推定する処理(図3のS106)について、詳細に説明する。
図7は、本発明の実施の形態に係る発電出力推定部130が太陽光発電出力を推定する処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、発電出力推定部130は、第一共分散、第二共分散及び遅延時間を取得する(S402)。具体的には、発電出力推定部130は、推定用データ141から、第一共分散、第二共分散及び遅延時間を読み出す。
そして、発電出力推定部130は、第一共分散と第二共分散とを用いて、係数を算出する(S404)。具体的には、発電出力推定部130は、第一共分散を第二共分散で除してマイナスを乗じることで、当該係数を算出する。
そして、発電出力推定部130は、算出した係数に、所定地点における日射強度であって、所定時点から上記の遅延時間ずれた時点における日射強度を乗じることで、太陽光発電出力を算出する(S406)。なお、上述の通り、この太陽光発電出力を算出する際の遅延時間として、リアルタイムで変更されたものが用いられるのが好ましい。このため、発電出力推定部130は、気象データ等を考慮してリアルタイムで変更された遅延時間を用いて、太陽光発電出力を算出するのが好ましい。そして、発電出力推定部130は、算出した太陽光発電出力を、推定用データ141に書き込む。
以上のようにして、発電出力推定部130が太陽光発電出力を推定する処理(図3のS106)は、終了する。
ここで、発電出力推定部130が太陽光発電出力を算出する方法について、以下に具体的に説明する。
まず、電力系統400の電力潮流(見かけ上の負荷)の有効電力をP(t)、電力系統400に接続された負荷410の合算値(実際の負荷)をP(t)、太陽光発電設備420の発電出力の合算値をPPV(t)、所定地点での日射強度をSR(t)とすると、以下の式1のようにP(t)の式が成り立ち、またPPV(t)の式を仮定できる。
Figure 0006489846
ここで、wは係数(日射強度を太陽光発電設備420の発電出力に変換する係数)であり、ε(t)はゆらぎ(ノイズ)であり、τは遅延時間(日射計200の設置地点と太陽光発電設備420の設置地点とを日射変動が移動する時間)である。
そして、上記の式1から、以下の式2を導くことができる。
Figure 0006489846
このため、SR(t)とP(t)との共分散は、以下の式3のように算出できる。
Figure 0006489846
ここで、tが30分〜2時間程度の短時間である場合には、P(t)、SR(t)、ε(t)には相関がないと仮定することができるため、上記の式3を以下の式4のように変形することで、係数wを求めることができる。
Figure 0006489846
つまり、日射強度SR(t)と電力潮流の有効電力P(t)との共分散であるCov[SR(t)、P(t)]が第一共分散であり、遅延時間τずれた2つの日射強度であるSR(t)とSR(t−τ)との自己共分散であるCov[SR(t)、SR(t−τ)]が第二共分散である。そして、係数wは、第一共分散Cov[SR(t)、P(t)]を第二共分散Cov[SR(t)、SR(t−τ)]で除してマイナスを乗じたものである。
また、ε(t)は微小であり無視できると仮定すれば、上記の式1から、以下の式6の近似式を得ることができる。
Figure 0006489846
以上のようにして、発電出力推定部130は、第一共分散を第二共分散で除してマイナスを乗じることで得られる係数wに、所定時点tから遅延時間τずれた時点における日射強度SR(t−τ)を乗じることで、太陽光発電出力PPV(t)を算出することができる。
なお、上記の係数wの算出の際に、tが短時間である場合には、負荷P(t)と日射強度SR(t)には相関がないと仮定したが、これについて、図8〜図9Cを用いて説明する。図8〜図9Cは、負荷P(t)と日射強度SR(t)には相関がないことを説明する図である。
ここで、図8の(a)は、冬の平日の短時間(同図では、午前10時から11時までの1時間)における負荷P(t)と日射強度SR(t)との時系列データを示すグラフである。また、図8の(b)は、図8の(a)における負荷P(t)と日射強度SR(t)とを用いて算出された、負荷P(t)と日射強度SR(t)との相互相関係数を示すグラフである。なお、日射強度SR(t)は、スケールの調整のため、実際に計測された日射強度を7倍した値となっている。以下の図(図12A及び図15A)についても同様である。
また、図9Aは、図8の(b)と同様にして算出された、冬の土日の短時間(同図では、午前11時から12時までの1時間)における負荷P(t)と日射強度SR(t)との相互相関関数を示すグラフである。また、図9Bは、春の土日の短時間(同図では、午前11時から12時までの1時間)における負荷P(t)と日射強度SR(t)との相互相関関数を示すグラフである。また、図9Cは、春の平日の短時間(同図では、午前10時から11時までの1時間)における負荷P(t)と日射強度SR(t)との相互相関関数を示すグラフである。
これらの図に示すように、冬及び春の平日及び土日の短時間において、負荷P(t)と日射強度SR(t)との相互相関係数は非常に小さく、負荷P(t)と日射強度SR(t)には相関がないと言える。また、他の季節(夏、秋)においても同様の結果が得られると推認され、tが短時間である場合には、負荷P(t)と日射強度SR(t)には相関がないことが示された。
なお、図8は、後述の図12A〜図14Bにおける検証試験で計測された実際の系統のデータを利用したものである。つまり、図8における日射強度SR(t)は、図12Aにおける日射強度SR1から得られたものであり、また、負荷P(t)は、図12Aにおける電力潮流P1に図13Aにおける太陽光発電設備420の発電出力の真値を加算して得られたものである。同様に、図9Aは、後述の図15A〜図17Bにおける検証試験で計測された実際の系統のデータ、図9Bは、後述の図18A〜図19Bにおける検証試験で計測された実際の系統のデータ、図9Cは、後述の図20A〜図21Bにおける検証試験で計測された実際の系統のデータを利用したものである。
次に、第二共分散取得部120が遅延時間を取得する処理(図6のS302)について、具体的に説明する。
まず、ラグτの関数である共分散関数C(τ)を、上記の式1〜4と同様に計算すると、以下の式6が得られる。なお、共分散関数C(τ)は、C(τ)=Cov[SR(t)、P(t+τ)]で定義される日射強度SR(t)と電力潮流の有効電力P(t)との共分散関数である。
Figure 0006489846
ここで、上記の式6におけるCov[SR(t)、SR(t+τ−τ)]は、τ=τのときに最大値をとる。このため、日射強度と電力潮流の有効電力との時系列データの共分散関数であるC(τ)が最小値(マイナス側の絶対値の最大値)をとるときのラグが、遅延時間τである。
このように、第二共分散取得部120は、上記の第一期間における日射強度と電力潮流の有効電力との時系列データの共分散関数が最小値をとる場合のラグを、当該遅延時間として取得する。なお、この遅延時間については、以下のようにも考えることができる。図10は、本発明の実施の形態に係る第二共分散取得部120が遅延時間を取得する処理を説明する図である。
同図に示すように、第二共分散取得部120は、例えば、同図の(a)で示されるような日射強度の測定地点における時系列データと、同図の(b)で示されるような太陽光発電設備420の設置地点における日射強度の時系列データとを取得した場合には、同図の(c)で示されるような二つの日射強度の時系列データの共分散関数を算出することができる。この場合、第二共分散取得部120は、同図の(c)で示されるような共分散関数において最大値をとる場合のラグ(同図では、τ秒)を、遅延時間として取得することができる。つまり、同図の(c)は、同図の(a)で示されるような日射強度の時系列データからτ秒遅延して、同図の(b)で示されるような日射強度の時系列データが伝えられていることを示している。
次に、太陽光発電出力推定装置100が奏する効果の検証を行った結果について、以下に説明する。
図11は、本発明の実施の形態に係る太陽光発電出力推定装置100が奏する効果を説明する際の構成を示す図である。また、図12A〜図21Bは、本発明の実施の形態に係る太陽光発電出力推定装置100が奏する効果を説明する際の検証結果を示す図である。
図11に示すように、電力系統400には、複数の負荷410が接続されるとともに、1つの大規模(約10MW)な太陽光発電設備420が連系されている。また、太陽光発電設備420の近くには、太陽光発電設備420の発電出力を計測する計測器421が配置されている。なお、計測器421は、太陽光発電設備420の発電出力の推定結果の確からしさを判定するために設けたものであり、計測器300と同様、PQVF記録装置等を用いた。
このように構成された設備において、図12Aに示すように、日射計200から日射強度の時系列データSR1が計測され、計測器300から電力系統400の電力潮流の有効電力の時系列データP1が計測された。図12Aは、冬の平日における日射強度と電力潮流との時系列データを示すグラフである。なお、同図において、日射強度及び電力潮流の計測周期は1秒である。
そして、図12Aに示された日射強度の時系列データSR1と電力潮流の時系列データP1との共分散関数を算出した結果、図12Bに示すようなグラフが得られた。図12Bは、冬の平日における日射強度と電力潮流との共分散関数を示すグラフである。
なお、当該共分散関数は、図12Aにおける午前10時から11時までの日射強度の時系列データSR1及び電力潮流の時系列データP1を用いて得られたものであり、これにより、遅延時間τ=−6が得られた。
そして、図12Aにおける午前10時から11時までの日射強度の時系列データSR1及び電力潮流の時系列データP1と、遅延時間τとから、第一共分散と第二共分散とを算出する。このように、第一共分散及び第二共分散は、上記遅延時間の算出の場合と同じ時間帯(第一期間:午前10時〜11時)で、当該遅延時間を用いて算出される。つまり、第一共分散は、当該共分散関数の一部である。そして、第一共分散と第二共分散とから、係数w=9045.259211を算出した。
そして、係数wと、遅延時間τを加味した日射強度の時系列データとを用いて、太陽光発電設備420の発電出力を推定した。この推定結果(推定値)と、計測器421が計測した太陽光発電設備420の発電出力(真値)とを、図13A及び図13Bに示す。図13Aは、冬の平日において日射強度及び電力潮流を計測した当日の太陽光発電設備420の発電出力の推定値と真値とを示すグラフである。また、図13Bは、冬の平日において日射強度及び電力潮流を計測した翌日の太陽光発電設備420の発電出力の推定値と真値とを示すグラフである。
なお、図13A(計測の当日)及び図13B(計測の翌日)の双方において、上記の係数w(=9045.259211)及び遅延時間τ(=−6)を用いて、太陽光発電設備420の発電出力の推定を行った。
そして、図13A(計測の当日)及び図13B(計測の翌日)について、太陽光発電設備420の発電出力の推定値の真値からの誤差のヒストグラムを作成した。図14Aは、冬の平日において日射強度及び電力潮流を計測した当日の太陽光発電設備420の発電出力の推定値の真値からの誤差を示すヒストグラムである。また、図14Bは、冬の平日において日射強度及び電力潮流を計測した翌日の太陽光発電設備420の発電出力の推定値の真値からの誤差を示すヒストグラムである。
図14A及び図14Bに示すように、冬の平日においては、太陽光発電設備420の発電出力のほとんどを、太陽光発電設備420の定格出力(約10MW)に対して、プラマイナス10%(約1MW)以下の誤差で推定できており、そのうちの大半がプラマイナス5%(約0.5MW)以下の誤差で推定できている。
また、同様に、冬の土日においても、図15A〜図17Bに示すように、太陽光発電設備420の発電出力のほとんどを、太陽光発電設備420の定格出力(約10MW)に対して、プラマイナス10%(約1MW)以下の誤差で推定できており、そのうちの大半がプラマイナス5%(約0.5MW)以下の誤差で推定できている。
なお、図15Aは、冬の土日における日射強度と電力潮流との時系列データを示すグラフである。また、図15Bは、冬の土日における日射強度と電力潮流との共分散関数を示すグラフである。
なお、当該共分散関数は、図15Aにおける午前11時から12時までの日射強度の時系列データSR2及び電力潮流の時系列データP2を用いて得られたものであり、これらにより、遅延時間τ=−17、及び係数w=9028.524401が得られた。ここで、係数wは、図15Aにおける午前11時から12時まで(上記遅延時間の算出の場合と同じ時間帯、つまり第一期間)の日射強度の時系列データSR2及び電力潮流の時系列データP2と、遅延時間τとから算出された係数である。
また、図16Aは、冬の土日において日射強度及び電力潮流を計測した当日の太陽光発電設備420の発電出力の推定値と真値とを示すグラフである。また、図16Bは、冬の土日において日射強度及び電力潮流を計測した翌日の太陽光発電設備420の発電出力の推定値と真値とを示すグラフである。
また、図17Aは、冬の土日において日射強度及び電力潮流を計測した当日の太陽光発電設備420の発電出力の推定値の真値からの誤差を示すヒストグラムである。また、図17Bは、冬の土日において日射強度及び電力潮流を計測した翌日の太陽光発電設備420の発電出力の推定値の真値からの誤差を示すヒストグラムである。
また、同様に、春の土日においても、図18A〜図19Bに示すように、太陽光発電設備420の発電出力のほとんどを、太陽光発電設備420の定格出力(約10MW)に対して、プラマイナス10%(約1MW)以下の誤差で推定できており、そのうちの大半がプラマイナス5%(約0.5MW)以下の誤差で推定できている。
ここで、図18Aは、春の土日において日射強度及び電力潮流を計測した当日の太陽光発電設備420の発電出力の推定値と真値とを示すグラフである。また、図18Bは、春の土日において日射強度及び電力潮流を計測した翌日の太陽光発電設備420の発電出力の推定値と真値とを示すグラフである。
なお、遅延時間τは、午前11時から12時までの日射強度の時系列データ及び電力潮流の時系列データを用いて得られたものであり、τ=−2と算出される。また、係数wは、上記遅延時間の算出の場合と同じ時間帯(第一期間)である午前11時から12時までの日射強度の時系列データと電力潮流の時系列データとを用いて得られたものであり、w=7183.720341と算出された。
また、図19Aは、春の土日において日射強度及び電力潮流を計測した当日の太陽光発電設備420の発電出力の推定値の真値からの誤差を示すヒストグラムである。また、図19Bは、春の土日において日射強度及び電力潮流を計測した翌日の太陽光発電設備420の発電出力の推定値の真値からの誤差を示すヒストグラムである。
また、同様に、春の平日においても、図20A〜図21Bに示すように、太陽光発電設備420の発電出力のほとんどを、太陽光発電設備420の定格出力(約10MW)に対して、プラマイナス10%(約1MW)以下の誤差で推定できており、そのうちの大半がプラマイナス5%(約0.5MW)以下の誤差で推定できている。
ここで、図20Aは、春の平日において日射強度及び電力潮流を計測した当日の太陽光発電設備420の発電出力の推定値と真値とを示すグラフである。また、図20Bは、春の平日において日射強度及び電力潮流を計測した翌日の太陽光発電設備420の発電出力の推定値と真値とを示すグラフである。
なお、遅延時間τは、午前10時から11時までの日射強度の時系列データ及び電力潮流の時系列データを用いて得られたものであり、τ=14と算出される。また、係数wは、上記遅延時間の算出の場合と同じ時間帯(第一期間)である午前10時から11時までの日射強度の時系列データと電力潮流の時系列データとを用いて得られたものであり、w=6945.529665と算出された。
また、図21Aは、春の平日において日射強度及び電力潮流を計測した当日の太陽光発電設備420の発電出力の推定値の真値からの誤差を示すヒストグラムである。また、図21Bは、春の平日において日射強度及び電力潮流を計測した翌日の太陽光発電設備420の発電出力の推定値の真値からの誤差を示すヒストグラムである。
また、他の季節(夏、秋)についても、同様の結果が得られると推認できる。このため、太陽光発電出力推定装置100は、太陽光発電設備420の発電出力を精度良く推定できていることが分かる。
以上のように、本発明の実施の形態に係る太陽光発電出力推定装置100によれば、所定時点以前の期間であって、太陽の南中高度が所定範囲内の期間における、所定地点での日射強度と電力系統400の有効電力とを用いて、太陽光発電出力を推定する。つまり、例えば所定時点より1〜2週間程度前の太陽の南中高度が同等の期間におけるデータを用いることで、より正確に太陽光発電出力を推定することができ、また、日射強度と電力系統400の有効電力とを用いることで、簡易に太陽光発電出力を推定することができる。ここで、推定する太陽光発電出力は、電力系統400に接続された負荷410に電力を供給する太陽光発電設備420の所定時点での発電出力、つまり、電力系統400に接続された太陽光発電設備420全体の発電出力である。このため、太陽光発電出力推定装置100によれば、正確かつ簡易に、電力系統400に接続された太陽光発電設備420全体の発電出力を推定することができるため、個々の需要家に装置を設置することなく、太陽光発電設備420の発電出力を推定することができる。
また、太陽光発電出力推定装置100は、短時間における、日射強度と電力系統400の有効電力との時系列データとを用いて、太陽光発電出力を推定する。つまり、例えば30分〜2時間程度の短い期間におけるデータを用いて、太陽光発電出力を推定することができる。このため、太陽光発電出力推定装置100によれば、長時間の時系列データを取得する必要がないため、簡易かつ迅速に、太陽光発電設備420の発電出力を推定することができる。
また、太陽光発電出力推定装置100は、電力系統400に連系された太陽光発電設備420の合計設備容量が所定範囲内の期間における、日射強度と電力系統400の有効電力とを用いて、太陽光発電出力を推定する。つまり、太陽光発電出力推定装置100は、太陽光発電設備420の合計設備容量が同等の期間におけるデータを用いることで、より正確に太陽光発電設備420の発電出力を推定することができる。
また、太陽光発電出力推定装置100は、日射強度と電力系統400の有効電力との時系列データの共分散である第一共分散と、遅延時間ずれた2つの日射強度の時系列データの自己共分散である第二共分散とを用いて、太陽光発電出力を推定する。このため、太陽光発電出力推定装置100は、当該第一共分散と第二共分散とを用いて、簡易に太陽光発電設備420の発電出力を推定することができる。
また、太陽光発電出力推定装置100は、第一共分散と第二共分散とを用いて得られる係数wに、所定地点における日射強度を乗じることで、太陽光発電出力を算出することができるため、簡易な計算で太陽光発電設備420の発電出力を推定することができる。
また、太陽光発電出力推定装置100は、第一共分散を第二共分散で除してマイナスを乗じた値を上記の係数wとして、太陽光発電出力を算出することができるため、さらに簡易な計算で太陽光発電設備420の発電出力を推定することができる。
また、太陽光発電出力推定装置100は、日射強度の測定地点と太陽光発電設備420の設置地点との間を日射強度が移動する時間を遅延時間として第二共分散を算出することで、太陽光発電設備420の発電出力を推定することができる。
また、太陽光発電出力推定装置100は、日射強度と電力系統400の有効電力との時系列データの共分散関数が最小値をとる場合のラグを遅延時間として第二共分散を算出することで、簡易に第二共分散を取得することができる。
また、太陽光発電出力推定装置100は、第一期間における日射強度の時系列データと電力系統400の有効電力の時系列データとの共分散を第一共分散として算出し、第一期間における日射強度の時系列データと、第一期間より遅延時間ずれた第二期間における日射強度の時系列データとの自己共分散を第二共分散として算出する。そして、太陽光発電出力推定装置100は、算出した第一共分散と第二共分散とを用いて得られる係数wに、所定時点から遅延時間ずれた時点における日射強度を乗じることで、太陽光発電出力を算出する。これにより、太陽光発電出力推定装置100は、太陽光発電設備420の発電出力を推定することができる。
また、太陽光発電出力推定装置100は、日射強度が強くかつ日射強度の変動が大きい期間を第一期間として、第一共分散と第二共分散とを算出する。つまり、太陽光発電出力推定装置100は、太陽光発電出力を推定する期間の特徴が顕著にあらわれた期間を第一期間として、第一共分散と第二共分散とを算出することで、より正確に太陽光発電設備420の発電出力を推定することができる。
また、本発明は、このような太陽光発電出力推定装置100として実現することができるだけでなく、当該太陽光発電出力推定装置100と、所定地点での日射強度を計測する日射計200と、電力系統400の有効電力を計測する計測器300とを備える太陽光発電出力推定システム10としても実現することができる。
また、本発明は、太陽光発電出力推定装置100に含まれる処理部が行う特徴的な処理をステップとする太陽光発電出力推定方法としても実現することができる。また、当該太陽光発電出力推定方法に含まれる特徴的な処理をコンピュータに実行させるプログラムや集積回路として実現したりすることもできる。また、当該プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
以上、本発明の実施の形態に係る太陽光発電出力推定装置100及び太陽光発電出力推定システム10について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、発電出力推定部130は、1時間のような短時間における日射強度と電力系統400の有効電力との時系列データを用いて、太陽光発電出力を推定することとしたが、短時間の時系列データを用いることには限定されない。例えば、発電出力推定部130は、10時間、1日、1週間、1ヶ月のデータなど、中長期の時系列データを用いることにしてもかまわない。
また、上記実施の形態では、発電出力推定部130は、電力系統400に連系された太陽光発電設備420の合計設備容量が所定時点での当該合計設備容量から所定範囲内の期間におけるデータを用いて、太陽光発電出力を推定することとした。しかし、発電出力推定部130は、太陽光発電設備420の合計設備容量が所定範囲内となる期間を考慮することなく、太陽光発電出力を推定することにしてもよい。
なお、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
本発明は、個々の需要家に装置を設置することなく、太陽光発電設備の発電出力を推定することができる太陽光発電出力推定装置等に適用できる。
10 太陽光発電出力推定システム
100 太陽光発電出力推定装置
110 第一共分散取得部
120 第二共分散取得部
130 発電出力推定部
140 記憶部
141 推定用データ
200 日射計
300 計測器
400 電力系統
410 負荷
420 太陽光発電設備
421 計測器
500 発電設備

Claims (11)

  1. 電力系統に接続された負荷に電力を供給する太陽光発電設備の所定時点での発電出力である太陽光発電出力を推定する太陽光発電出力推定装置であって、
    前記所定時点以前の期間であって、太陽の南中高度が前記所定時点での当該南中高度から所定範囲内の期間における、所定地点での日射強度と前記電力系統の有効電力とを用いて、前記太陽光発電出力を推定する発電出力推定部と、
    前記日射強度と前記有効電力との時系列データの共分散である第一共分散を取得する第一共分散取得部と、
    遅延時間ずれた2つの前記日射強度の時系列データの自己共分散である第二共分散を取得する第二共分散取得部と、を備え
    前記発電出力推定部は、取得された前記第一共分散と前記第二共分散とを用いて得られる係数に、前記所定地点における日射強度を乗じることで、前記太陽光発電出力を算出する
    太陽光発電出力推定装置。
  2. 前記発電出力推定部は、前記期間内の短時間における、前記日射強度の時系列データと前記有効電力の時系列データとを用いて、前記太陽光発電出力を推定する
    請求項1に記載の太陽光発電出力推定装置。
  3. 前記発電出力推定部は、前記電力系統に連系された前記太陽光発電設備の合計設備容量が前記所定時点での当該合計設備容量から所定範囲内の期間における、前記日射強度と前記有効電力とを用いて、前記太陽光発電出力を推定する
    請求項1または2に記載の太陽光発電出力推定装置。
  4. 前記発電出力推定部は、前記第一共分散を前記第二共分散で除してマイナスを乗じた値を前記係数として、前記太陽光発電出力を算出する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽光発電出力推定装置。
  5. 前記第二共分散取得部は、前記日射強度の測定地点と前記太陽光発電設備の設置地点との間を日射強度が移動する時間を前記遅延時間として、前記第二共分散を取得する
    請求項のいずれか1項に記載の太陽光発電出力推定装置。
  6. 前記第一共分散取得部は、所定期間における前記日射強度と前記有効電力との時系列データの共分散である前記第一共分散を取得し、
    前記第二共分散取得部は、前記所定期間における前記日射強度と前記有効電力との時系列データの共分散関数が最小値をとる場合のラグを前記遅延時間として、前記第二共分散を取得する
    請求項に記載の太陽光発電出力推定装置。
  7. 前記第一共分散取得部は、第一期間における前記日射強度の時系列データと前記有効電力の時系列データとを取得し、前記日射強度の時系列データと前記有効電力の時系列データとの共分散を前記第一共分散として算出し、
    前記第二共分散取得部は、前記第一期間における前記日射強度の時系列データと、前記第一期間より前記遅延時間ずれた期間である第二期間における前記日射強度の時系列データとを取得し、当該2つの日射強度の時系列データの自己共分散を前記第二共分散として算出し、
    前記発電出力推定部は、前記第一共分散と前記第二共分散とを用いて得られる係数に、前記所定時点から前記遅延時間ずれた時点における前記日射強度を乗じることで、前記太陽光発電出力を算出する
    請求項のいずれか1項に記載の太陽光発電出力推定装置。
  8. 日射強度が強くかつ日射強度の変動が大きい期間を前記第一期間として、
    前記第一共分散取得部は、前記第一共分散を算出し、
    前記第二共分散取得部は、前記第二共分散を算出する
    請求項に記載の太陽光発電出力推定装置。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の太陽光発電出力推定装置と、
    所定地点での日射強度を計測する日射計と、
    電力系統の有効電力を計測する計測器と
    を備える太陽光発電出力推定システム。
  10. コンピュータが、電力系統に接続された負荷に電力を供給する太陽光発電設備の所定時点での発電出力である太陽光発電出力を推定する太陽光発電出力推定方法であって、
    前記所定時点以前の期間であって、太陽の南中高度が前記所定時点での当該南中高度から所定範囲内の期間における、所定地点での日射強度と前記電力系統の有効電力とを用いて、前記太陽光発電出力を推定する発電出力推定ステップと、
    前記日射強度と前記有効電力との時系列データの共分散である第一共分散を取得する第一共分散取得ステップと、
    遅延時間ずれた2つの前記日射強度の時系列データの自己共分散である第二共分散を取得する第二共分散取得ステップと、を含み、
    前記発電出力推定ステップでは、取得された前記第一共分散と前記第二共分散とを用いて得られる係数に、前記所定地点における日射強度を乗じることで、前記太陽光発電出力を算出する
    太陽光発電出力推定方法。
  11. 請求項10に記載の太陽光発電出力推定方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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