以下、本実施形態に係る電源装置及びそれを用いた照明装置について図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する構成は本発明の一例に過ぎない。本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
図1は本実施形態の照明装置1の回路図である。照明装置1は、電源装置2と、光源ユニット3とを備える。
光源ユニット3は、端子P21,P22間に接続された第1LED光源31と、端子P21,P23間に接続された第2LED光源32とを備える。本実施形態では第1LED光源31と第2LED光源32とで発光色の色温度が異なっている。第1LED光源31は、発光色が昼光色(色温度が約6000K)の発光ダイオードLD1を複数(例えば72個)備えている。複数の発光ダイオードLD1は、端子P21と端子P22との間に、端子P21から端子P22に電流を流す向きに直列に接続されている。第2LED光源32は、発光色が電球色(色温度が約3000K)の発光ダイオードLD2を複数(例えば72個)備えている。複数の発光ダイオードLD2は、端子P21と端子P23との間に、端子P21から端子P23に電流を流す向きに直列に接続されている。
電源装置2は、整流回路20と、電圧変換回路としての昇圧チョッパ回路21と、第1降圧チョッパ回路22と、第2降圧チョッパ回路23と、第1制御回路25と、第2制御回路26とを備える。
整流回路20は、ダイオードブリッジからなり、商用交流電源のような交流電源100から入力される交流電圧を全波整流する。
昇圧チョッパ回路21は、整流回路20から入力される脈流電圧を平滑して、所望の電圧値(例えば約400V)の直流電圧に変換する。昇圧チョッパ回路21は、チョークコイルL1と、スイッチング素子Q1と、ダイオードD1と、電解コンデンサのような平滑コンデンサC1とを備える。整流回路20の高電位側(正極側)の出力端にはチョークコイルL1の一端が接続される。チョークコイルL1の他端と整流回路20の低電位側(負極側)の出力端との間には、電界効果トランジスタからなるスイッチング素子Q1が接続される。チョークコイルL1とスイッチング素子Q1との接続点にはダイオードD1のアノードが接続される。整流回路20の低電位側の出力端と、ダイオードD1のカソードとの間には、電解コンデンサよりなる平滑コンデンサC1が接続される。
第1制御回路25は、スイッチング素子Q1のゲートに駆動信号を印加し、スイッチング素子Q1を高周波でオン/オフさせることによって、昇圧チョッパ回路21に昇圧動作を行わせる。第1制御回路25は、昇圧チョッパ回路21の出力電圧が所望の電圧値(例えば400V)となるように、スイッチング素子Q1に印加する駆動信号のオンデューティや周波数を制御する。
第1降圧チョッパ回路22は、ダイオードD2と、平滑コンデンサC2と、チョークコイルL2と、スイッチング素子Q2と、抵抗R21〜R23とを備える。昇圧チョッパ回路21の出力端子間(平滑コンデンサC1の両端間)には、平滑コンデンサC2とチョークコイルL2とスイッチング素子Q2との直列回路が接続される。昇圧チョッパ回路21の高電位側の出力端にはダイオードD2のカソードが接続され、ダイオードD2のアノードはチョークコイルL2とスイッチング素子Q2との接続点に接続される。平滑コンデンサC2の両端は出力端子P11,P12に接続されている。出力端子P11は電線を介して光源ユニット3の端子P21に電気的に接続され、出力端子P12は電線を介して光源ユニット3の端子P22に電気的に接続されており、平滑コンデンサC2の両端間に第1LED光源31が電気的に接続されている。平滑コンデンサC2の両端間には放電用の抵抗R21が接続される。また、チョークコイルL2とスイッチング素子Q2との直列回路と並列に抵抗R22,R23の直列回路が接続されており、抵抗R23の両端電圧V23は第2制御回路26に入力されている。スイッチング素子Q2の駆動電極には第2制御回路26から駆動信号VQ2が入力されており、スイッチング素子Q2のオン/オフは第2制御回路26によって制御される。スイッチング素子Q2が高周波(約50kHz)でオン/オフを繰り返すことによって、第1降圧チョッパ回路22が降圧動作を行う。
第2降圧チョッパ回路23は、ダイオードD3と、平滑コンデンサC3と、チョークコイルL3と、スイッチング素子Q3と、抵抗R31〜R33とを備える。昇圧チョッパ回路21の出力端子間には、平滑コンデンサC3とチョークコイルL3とスイッチング素子Q3との直列回路が接続される。昇圧チョッパ回路21の高電位側の出力端にはダイオードD3のカソードが接続され、ダイオードD3のアノードはチョークコイルL3とスイッチング素子Q3との接続点に接続される。平滑コンデンサC3の両端は出力端子P11,P13に接続されている。出力端子P13は電線を介して光源ユニット3の端子P23に電気的に接続されており、平滑コンデンサC3の両端間に第2LED光源32が電気的に接続されている。平滑コンデンサC3の両端間には放電用の抵抗R31が接続される。また、チョークコイルL3とスイッチング素子Q3との直列回路と並列に抵抗R32,R33の直列回路が接続されており、抵抗R33の両端電圧V33は第2制御回路26に入力されている。スイッチング素子Q3の駆動電極には第2制御回路26から駆動信号VQ3が入力されており、スイッチング素子Q3のオン/オフは第2制御回路26によって制御される。スイッチング素子Q3が高周波(約50kHz)でオン/オフを繰り返すことによって、第2降圧チョッパ回路23が降圧動作を行う。
第2制御回路26には、外部の設定器200から調色信号S1と調光信号S2とが入力されている。第2制御回路26は、調色信号S1と調光信号S2とに基づいて、スイッチング素子Q2に印加する駆動信号VQ2のオンデューティ及び周波数、並びにスイッチング素子Q3に印加する駆動信号VQ3のオンデューティ及び周波数を制御する。第2制御回路26が第1降圧チョッパ回路22の出力電圧V1、第2降圧チョッパ回路23の出力電圧V2をそれぞれ制御することによって、第1LED光源31の光出力及び第2LED光源32の光出力がそれぞれ制御される。これにより、第1LED光源31の出力光と第2LED光源32の出力光とを混色した光(照明装置1の出力光)の色温度及び光束が制御される。
ここで、第2制御回路26による調色動作を図2に基づいて説明する。図2中の一点鎖線は、調色時における第1降圧チョッパ回路22の出力電流(第1LED光源31に流れる負荷電流)I1と色温度との関係を示している。図2中の実線は、調色時における第2降圧チョッパ回路23の出力電流(第2LED光源32に流れる負荷電流)I2と色温度との関係を示している。
設定器200から第2制御回路26に、色温度を3000Kとする調色信号S1と、光束を最大とする調光信号S2とが入力された場合の動作を説明する。この場合、第2制御回路26は、第1降圧チョッパ回路22の出力電流I1をゼロ(電流値I11)とするように、駆動信号VQ2のオンデューティ、周波数を決定する。また、第2制御回路26は、第2降圧チョッパ回路23の出力電流I2を最大値(電流値I21)とするように、駆動信号VQ3のオンデューティ、周波数を決定する。第2制御回路26の制御によって、発光色が昼白色の第1LED光源31は消灯し、発光色が電球色の第2LED光源32が最大の明るさで点灯するため、混色光の色温度は約3000K(電球色の色温度)となる。
設定器200から第2制御回路26に、色温度を6000Kとする調色信号S1と、光束を最大とする調光信号S2とが入力された場合の動作を説明する。この場合、第2制御回路26は、第1降圧チョッパ回路22の出力電流I1を最大値(電流値I13)とするように、駆動信号VQ2のオンデューティ、周波数を決定する。また、第2制御回路26は、第2降圧チョッパ回路23の出力電流I2をゼロ(電流値I23)とするように、駆動信号VQ3のオンデューティ、周波数を決定する。第2制御回路26の制御によって、発光色が昼白色の第1LED光源31は最大の明るさで点灯し、発光色が電球色の第2LED光源32が消灯するため、混色光の色温度は約6000K(昼白色の色温度)となる。
設定器200から第2制御回路26に、色温度を3000Kよりも高く、かつ6000Kよりも低い色温度(例えば4000K)とする調色信号S1と、光束を最大とする調光信号S2とが入力された場合の動作を説明する。この場合、第2制御回路26は、第1降圧チョッパ回路22の出力電流I1を最大値(電流値I13)よりも小さい電流値であって、調色信号S1に応じて予め設定された電流値I12とするように、駆動信号VQ2のオンデューティ、周波数を決定する。また、第2制御回路26は、第2降圧チョッパ回路23の出力電流I2を最大値(電流値I21)よりも小さい電流値であって、調色信号S1に応じて予め設定された電流値I22とするように、駆動信号VQ3のオンデューティ、周波数を決定する。第2制御回路26の制御によって、第1LED光源31及び第2LED光源32はそれぞれ調色信号S1に応じて予め設定された明るさで点灯し、光源ユニット3は全体として調色信号S1で設定された色温度(例えば4000K)で点灯する。
第2制御回路26は、混色光(光源ユニット3)の色温度を高くする場合、第1LED光源31に流れる電流I1を増やし、かつ第2LED光源32に流れる電流I2を減らすように、第1降圧チョッパ回路22及び第2降圧チョッパ回路23の出力を制御する。第2制御回路26は、混色光(光源ユニット3)の色温度を低くする場合、第1LED光源31に流れる電流I1を減らし、かつ第2LED光源32に流れる電流I2を増やすように、第1降圧チョッパ回路22及び第2降圧チョッパ回路23の出力を制御する。
次に、第2制御回路26による調光動作を図2に基づいて説明する。
設定器200から第2制御回路26に、色温度を4000Kとする調色信号S1と、光束を最大値の0.5倍とする調光信号S2とが入力された場合の調光、調色動作について説明する。この場合、第2制御回路26は、第1降圧チョッパ回路22の出力電流I1を電流値I12の0.5倍の電流値I14とするように、駆動信号VQ2のオンデューティ、周波数を決定する。また、第2制御回路26は、第2降圧チョッパ回路23の出力電流I2を電流値I22の0.5倍の電流値I24とするように、駆動信号VQ3のオンデューティ、周波数を決定する。一般的に、発光ダイオードの発する光束は発光ダイオードに流れる電流の大きさに比例するので、第2制御回路26は、光束を最大値の0.5倍とするために、発光ダイオードに流れる電流を、光束が最大値となる場合の電流値の0.5倍に制御する。第2制御回路26の調光、調色制御によって、第1LED光源31及び第2LED光源32はそれぞれ予め設定された明るさで点灯し、混色光(光源ユニット3)の色温度は調色信号S1で設定された約4000Kとなり、光束は最大値の約0.5倍に制御される。
また第2制御回路26には、抵抗R23の両端電圧V23と、抵抗R33の両端電圧V33とが入力されている。第2制御回路26は、両端電圧V23及び両端電圧V23と所定の基準値との高低を比較することによって、回路の異常の有無を判定する。第2制御回路26は、両端電圧V23が所定の基準値を超えるか、又は両端電圧V33が所定の基準値を超えると、異常が発生したと判断して、スイッチング素子Q2,Q3をオフさせ、降圧動作を停止させる。
次に、照明装置1の構造を図3及び図4に基づいて説明する。本実施形態の照明装置1は天井直付け型の照明装置である。
照明装置1は、天井材に取り付けられる器具本体11と、器具本体11に対して着脱自在に取り付けられる光源ユニット3とを備える。
器具本体11は、板金にプレス加工を施すことによって形成され、下面には光源ユニット3を収容するための凹部12が器具本体11の全長にわたって形成されている。
光源ユニット3は、図4に示すように、2つの回路基板41と、2つの回路基板41が長手方向に並んだ状態で取り付けられる長尺の取付部材42と、2つの回路基板41を覆うようにして取付部材42に取り付けられるカバー43とを備える。
回路基板41は細長い矩形板状のプリント配線基板からなる。回路基板41の下面(カバー43との対向面)には、第1LED光源31を構成する複数の発光ダイオードLD1が、回路基板41の長手方向に沿ってほぼ等間隔に並ぶように実装されている。同様に、回路基板41の下面には、第2LED光源32を構成する複数の発光ダイオードLD2が、回路基板41の長手方向に沿ってほぼ等間隔に並ぶように実装されている。なお、発光ダイオードLD1,LD2の光が混色しやすいように、回路基板41の長手方向において発光ダイオードLD1と発光ダイオードLD2とが交互に実装されてもよい。
2個の回路基板41のうち一方(図4中の右側)の回路基板41には、電源装置2の出力端子P11〜P13に電線を介して電気的に接続されるコネクタ411が設けられ、端子P21〜P23となる銅箔の導電路が形成されている。2個の回路基板41の各々には、隣接する回路基板41との対向部位に、2個の回路基板41の間を電気的に接続するコネクタ412が設けられている。2個の回路基板41のコネクタ412を互いに接続することで、電源装置2から一方(図4中の右側)の回路基板41に供給された電力が、一方の回路基板41から他方(図4中の左側)の回路基板41へと供給される。なお、本実施形態では、発光ダイオードLD1,LD2が実装された回路基板41を2つ備えているが、発光ダイオードLD1,LD2の必要個数に応じて回路基板41の数は適宜変更が可能である。
取付部材42は、板金に曲げ加工を施すことで、長手方向から見た断面形状が略U型に形成されている。取付部材42の下面には、発光ダイオードLD1,LD2の実装面を下側に向けた状態で、2個の回路基板41が長手方向に並べて取り付けられている。また、取付部材42の上面には電源装置2と端子台4とが取り付けられる。端子台4には、電源装置2の入力線が電気的に接続されている。端子台4には、天井材の裏側から天井材を通して室内側(下側)に露出する電源線が接続され、電源線と電源装置2とが端子台4を介して電気的に接続される。この端子台4は取付金具5を介して取付部材42の上面に取り付けられる。
カバー43は、透光性及び拡散性を有する合成樹脂材料(例えば乳白色のアクリル樹脂)により、上面(取付部材42側の面)が開口する長尺状に形成されている。このカバー43は、側面視の形状が下向きに凸となる半円形に形成されており、2個の回路基板41を覆うようにして、取付部材42に取り付けられる。
電源装置2は、取付部材42の上面に取り付けられる。電源装置2は、図4及び図5に示すように、回路基板51と、ケース52と、絶縁シート53とを備える。
ケース52は、図4及び図5に示すように、板金にプレス加工を施すことによって、下面が開口した箱状に形成されている。ケース52は、回路基板51を内部に収納した状態で取付部材42の上面に固定される。
絶縁シート53は絶縁性を有する合成樹脂により、側面視の形状がU型に形成されている。絶縁シート53は、ケース52の内側面に沿って配置されており、ケース52と回路基板51との間を電気的に絶縁する。
回路基板51は、細長い矩形板状に形成されたプリント配線基板からなる。回路基板51は両面実装基板である(図6A,図6B参照)。回路基板51の表裏両面には、図1に示した電源装置2の回路(整流回路20、昇圧チョッパ回路21、第1降圧チョッパ回路22、第2降圧チョッパ回路23、第1制御回路25、第2制御回路26など)を構成する構成部品が実装されている。
ここで、回路基板51の表裏両面で、昇圧チョッパ回路21の実装領域と、第1降圧チョッパ回路22の実装領域と、第2降圧チョッパ回路23の実装領域とが、回路基板51の長手方向に並ぶように部品配置が設計されている。すなわち、電球色の第2LED光源32を点灯させる第2降圧チョッパ回路23の実装領域と、昇圧チョッパ回路21の実装領域との間に、昼光色の第1LED光源31を点灯させる第1降圧チョッパ回路22の実装領域が配置されている。
近年の技術開発によって発光ダイオードの発光効率は年々向上しているが、一般的に、発光色の色温度が低い電球色タイプの発光ダイオードは、発光色の色温度が高い昼光色タイプの発光ダイオードに比べて発光効率が低い値となっている。したがって、第1LED光源31を構成する昼光色タイプの発光ダイオードLD1に比べて、第2LED光源32を構成する電球色タイプの発光ダイオードLD2の方が発光効率が低くなる。よって、同程度の光出力を得るためには第1LED光源31よりも多くの電流を第2LED光源32に流す必要があり、第1降圧チョッパ回路22の最大電流(電流値I13)よりも第2降圧チョッパ回路23の最大電流(電流値I21)の方が大きくなる。したがって、第1降圧チョッパ回路22のチョークコイルL2、スイッチング素子Q2、ダイオードD2による発熱よりも、第2降圧チョッパ回路23のチョークコイルL3、スイッチング素子Q3、ダイオードD3による発熱の方が大きくなると予想される。また、昇圧チョッパ回路21は、第1降圧チョッパ回路22と第2降圧チョッパ回路23の両方に電力を供給しているから、昇圧チョッパ回路21には第1降圧チョッパ回路22や第2降圧チョッパ回路23よりも大きな電流が流れる可能性がある。そのため、昇圧チョッパ回路21のチョークコイルL1、スイッチング素子Q1、ダイオードD1による発熱は、第1降圧チョッパ回路22や第2降圧チョッパ回路23の発熱よりも大きくなる可能性がある。
本実施形態の電源装置2が備える回路基板51は、長手方向における一端側(図6A,図6Bにおける左側)に、交流電源100からの電源線が接続される端子が配置されている。回路基板51の長手方向における他端側(図6A,図6Bにおける右側)には、光源ユニット3との間を電気的に接続する電線が接続される出力端子(上述の出力端子P11,P12,P13)が設けられている。回路基板51には、昇圧チョッパ回路21の実装領域と、第1降圧チョッパ回路22の実装領域と、第2降圧チョッパ回路23の実装領域とが図6A,図6Bにおける左側から右側へと順番に並ぶように、部品配置が設定されている。したがって、回路基板51では、第1降圧チョッパ回路22及び第2降圧チョッパ回路23のうち最大電流が最も大きい第2降圧チョッパ回路23の実装領域と、昇圧チョッパ回路21の実装領域との間に、第1降圧チョッパ回路22の実装領域が配置されている。これにより、昇圧チョッパ回路21の実装領域と第2降圧チョッパ回路23の実装領域とが隣り合っている場合に比べて、回路部品の温度上昇を抑制することができ、回路部品の寿命を長くできるから、電源装置2の寿命を長くすることができる。
上述のように本実施形態の電源装置2は、電圧変換回路(昇圧チョッパ回路21)と、複数の降圧チョッパ回路(第1降圧チョッパ回路22、第2降圧チョッパ回路23)と、回路基板51とを備える。電圧変換回路は、入力電圧を所望の電圧値の直流電圧に変換する。複数の降圧チョッパ回路の各々は、電圧変換回路から出力される直流電圧を所望の電圧に降圧して、対応するLED光源(第1LED光源31、第2LED光源32)に印加する。回路基板51には、電圧変換回路及び複数の降圧チョッパ回路の構成部品が実装される。回路基板51は、電圧変換回路の実装領域と、複数の降圧チョッパ回路のうち最大電流が最も大きい降圧チョッパ回路の実装領域との間に、残りの降圧チョッパ回路の実装領域が配置されるように部品配置が設定される。
これにより、最大電流が最も大きい降圧チョッパ回路の実装領域と、電圧変換回路の実装領域との間に、別の降圧チョッパ回路の実装領域が配置されるから、発熱量の大きな構成部品を離して配置できる。したがって、回路部品の温度上昇を抑制できるから、回路部品の寿命を長くでき、電源装置2の寿命を長くすることができる。
本実施形態の照明装置1は、上述の電源装置2と、複数の降圧チョッパ回路(第1降圧チョッパ回路22、第2降圧チョッパ回路23)の各々に接続される複数のLED光源(第1LED光源31,第2LED光源32)と、器具本体11とを備える。器具本体11は複数のLED光源を保持する。
この照明装置1は、上述の電源装置2を備えているので、電源装置2を構成する回路部品の温度上昇が抑制され、回路部品の寿命を長くできるから、長寿命の照明装置1を実現することができる。
本実施形態の照明装置1において、複数のLED光源(第1LED光源31、第2LED光源32)は、発光色の色温度が互いに異なるように構成されてもよい。
一般的に、発光ダイオードは発光色の色温度が低いほど発光効率が低下する傾向があり、発光色の色温度が互いに異なる複数のLED光源を同程度の明るさで点灯させる場合、色温度が低いLED光源には色温度が高いLED光源よりも大きな電流を流す必要がある。したがって、色温度が低いLED光源に電圧を印加する降圧チョッパ回路には、色温度が高いLED光源に電圧を印加する降圧チョッパ回路よりも、大きな電流が流れることになり、発熱量も大きくなる。このような照明装置1において、最大電流が最も大きい降圧チョッパ回路の実装領域と電圧変換回路の実装領域との間に残りの降圧チョッパ回路の実装領域が配置されるように部品配置が設定されているので、回路部品の温度上昇を抑制できる。よって、回路部品の寿命が長くなり、長寿命の照明装置1を実現できる。
なお、本実施形態において、第1LED光源31と第2LED光源32とで発光色の色温度を同じ色温度とし、第1LED光源31を構成する発光ダイオードLD1の数と、第2LED光源32を構成する発光ダイオードLD2の数とを異なる数としてもよい。第1LED光源31を構成する発光ダイオードLD1の個数よりも、第2LED光源32を構成する発光ダイオードLD2の個数の方が多ければ、第1LED光源31に印加される電圧よりも、第2LED光源32に印加される電圧の方が大きくなる。したがって、第1LED光源31に電圧を印加する第1降圧チョッパ回路22よりも、第2LED光源32に電圧を印加する第2降圧チョッパ回路23の方が最大電流が大きくなり、第1降圧チョッパ回路22よりも第2降圧チョッパ回路23の方が発熱量が大きくなる。ここで、回路基板51において、最大電流が最も大きい第2降圧チョッパ回路23の実装領域と昇圧チョッパ回路21の実装領域との間に第1降圧チョッパ回路22の実装領域が配置されるように部品配置が設定されている。よって、最大電流が最も大きい第2降圧チョッパ回路23の実装領域と、昇圧チョッパ回路21の実装領域との間に、第1降圧チョッパ回路22の実装領域が配置されるから、発熱量の大きな回路部品を離して配置できる。したがって、回路部品の温度上昇を抑制できるから、回路部品の寿命が長くなり、電源装置2の寿命を長くすることができる。
また、図1の回路例では電源装置2は2つの降圧チョッパ回路(第1降圧チョッパ回路22、第2降圧チョッパ回路23)を備えていたが、降圧チョッパ回路の数は2つに限定されず、LED光源の数に合わせて3つ以上でもよい。
図7は、電源装置2が3つの降圧チョッパ回路(第1降圧チョッパ回路22、第2降圧チョッパ回路23、第3降圧チョッパ回路24)を備えている場合の照明装置1の回路図である。なお、図1の回路と共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
光源ユニット3は、端子P21,P22間に接続された第1LED光源31と、端子P21,P23間に接続された第2LED光源32と、端子P21,P24間に接続された第3LED光源33とを備える。本実施形態では第1LED光源31と第2LED光源32と第3LED光源33とで発光色の色温度が異なっている。第1LED光源31は、発光色が昼光色(色温度が約6000K)の発光ダイオードLD1を複数(例えば72個)備えている。複数の発光ダイオードLD1は、端子P21と端子P22との間に、端子P21から端子P22に電流を流す向きに直列に接続されている。第2LED光源32は、発光色が電球色(色温度が約3000K)の発光ダイオードLD2を複数(例えば72個)備えている。複数の発光ダイオードLD2は、端子P21と端子P23との間に、端子P21から端子P23に電流を流す向きに直列に接続されている。第3LED光源33は、発光色が白色(色温度が約4000K)の発光ダイオードLD3を複数(例えば72個)備えている。複数の発光ダイオードLD3は、端子P21と端子P24との間に、端子P21から端子P24に電流を流す向きに直列に接続されている。
電源装置2は、整流回路20と、昇圧チョッパ回路21と、第1降圧チョッパ回路22と、第2降圧チョッパ回路23と、第3降圧チョッパ回路24と、第1制御回路25と、第2制御回路26とを備える。なお、第3降圧チョッパ回路24以外は、図1に示す回路と同じであるから、第3降圧チョッパ回路24以外の説明は省略する。
第3降圧チョッパ回路24は、ダイオードD4と、平滑コンデンサC4と、チョークコイルL4と、スイッチング素子Q4と、抵抗R41〜R43とを備える。昇圧チョッパ回路21の出力端子間(平滑コンデンサC1の両端間)には、平滑コンデンサC4とチョークコイルL4とスイッチング素子Q4との直列回路が接続される。昇圧チョッパ回路21の高電位側の出力端にはダイオードD4のカソードが接続され、ダイオードD4のアノードはチョークコイルL4とスイッチング素子Q4との接続点に接続される。平滑コンデンサC4の両端は出力端子P11,P14に接続されている。出力端子P11は電線を介して光源ユニット3の端子P21に電気的に接続され、出力端子P14は電線を介して光源ユニット3の端子P24に電気的に接続されており、平滑コンデンサC4の両端間に第3LED光源33が電気的に接続されている。平滑コンデンサC4の両端間には放電用の抵抗R41が接続される。また、チョークコイルL4とスイッチング素子Q4との直列回路と並列に抵抗R42,R43の直列回路が接続されており、抵抗R43の両端電圧V43は第2制御回路26に入力されている。スイッチング素子Q4の駆動電極には第2制御回路26から駆動信号VQ4が入力されており、スイッチング素子Q4のオン/オフは第2制御回路26によって制御される。スイッチング素子Q4が高周波(約50kHz)でオン/オフを繰り返すことによって、第3降圧チョッパ回路24が降圧動作を行う。すなわち、第2制御回路26が第3降圧チョッパ回路24の出力電圧V3を制御することによって、第3LED光源33の光出力が制御される。
上述したように、色温度が低い発光ダイオードは、色温度が高い発光ダイオードに比べて発光効率が低くなる傾向がある。したがって、発光色が昼白色の第1LED光源31を構成する発光ダイオードLD1の発光効率が最も高く、発光色が電球色の第2LED光源32を構成する発光ダイオードLD2の発光効率が最も低くなる。発光色が白色の第3LED光源33を構成する発光ダイオードLD3の発光効率は、第1LED光源31を構成する発光ダイオードLD1の発光効率よりも低く、第2LED光源32を構成する発光ダイオードLD2の発光効率よりも高くなる。
よって、第1LED光源31と第2LED光源32と第3LED光源33とで同程度の光出力を得るためには、第1LED光源31よりも多くの電流を第3LED光源33に流し、第3LED光源33よりも多くの電流を第2LED光源32に流す必要がある。そのため、第1降圧チョッパ回路22の最大電流よりも第3降圧チョッパ回路24の最大電流の方が大きくなり、第3降圧チョッパ回路24の最大電流よりも第2降圧チョッパ回路23の最大電流の方が大きくなる。したがって、第1降圧チョッパ回路22のチョークコイルL2、スイッチング素子Q2、ダイオードD2による発熱よりも、第3降圧チョッパ回路24のチョークコイルL4、スイッチング素子Q4、ダイオードD4による発熱の方が大きくなると予想される。また、第3降圧チョッパ回路24のチョークコイルL4、スイッチング素子Q4、ダイオードD4による発熱よりも、第2降圧チョッパ回路23のチョークコイルL3、スイッチング素子Q3、ダイオードD3による発熱の方が大きくなると予想される。また、昇圧チョッパ回路21は、第1〜第3降圧チョッパ回路22〜24に電力を供給しているから、昇圧チョッパ回路21には第1降圧チョッパ回路22や第2降圧チョッパ回路23や第3降圧チョッパ回路24よりも大きな電流が流れる可能性がある。そのため、昇圧チョッパ回路21のチョークコイルL1、スイッチング素子Q1、ダイオードD1による発熱は、第1降圧チョッパ回路22や第2降圧チョッパ回路23や第3降圧チョッパ回路24の発熱よりも大きくなる可能性がある。
図8は、回路基板51における昇圧チョッパ回路21と第1降圧チョッパ回路22と第2降圧チョッパ回路23と第3降圧チョッパ回路24との実装領域を模式的に示した図である。図8では回路部品の図示は省略し、各回路の実装領域のみを点線で図示している。
回路基板51では、昇圧チョッパ回路21の実装領域と、第1降圧チョッパ回路22の実装領域と、第3降圧チョッパ回路24の実装領域と、第2降圧チョッパ回路23の実装領域とが図8における左側から右側へと順番に並ぶように、部品配置が設計されている。したがって、回路基板51では、第1〜第3降圧チョッパ回路22〜24のうち最大電流が最も大きい第2降圧チョッパ回路23の実装領域と、昇圧チョッパ回路21の実装領域との間に、第1、第3降圧チョッパ回路22,24の実装領域が配置されている。また、第1〜第3降圧チョッパ回路22〜24のうち最大電流が最も小さい第1降圧チョッパ回路22の実装領域が、昇圧チョッパ回路21の実装領域に最も近い位置に実装されるように部品配置が設計されている。
これにより、第1〜第3降圧チョッパ回路22〜24のうち最大電流が最大となる第2降圧チョッパ回路23の実装領域と、昇圧チョッパ回路21の実装領域とが隣り合っている場合に比べて、発熱の大きい部品を離して配置でき、回路部品の温度上昇を抑制できるから、長寿命の電源装置2及び照明装置1を実現できる。
なお、降圧チョッパ回路を4つ以上備える場合、回路基板51において、最大電流が最も大きい降圧チョッパ回路の実装領域と、昇圧チョッパ回路21の実装領域との間に、残りの降圧チョッパ回路の実装領域が配置されるように部品配置が設計されていればよい。また、最大電流が最も小さい降圧チョッパ回路の実装領域が、昇圧チョッパ回路21の実装領域に最も近い位置に実装されるように部品配置が設計されていればよい。なお、残りの降圧チョッパ回路の実装領域は適宜変更が可能であり、最大電流が小さい降圧チョッパ回路ほど、昇圧チョッパ回路21の実装領域に近い位置に配置されてもよい。
このように、本実施形態の電源装置2において、3つ以上の降圧チョッパ回路(例えば第1降圧チョッパ回路22、第2降圧チョッパ回路23、第3降圧チョッパ回路24)を備えてもよい。そして、回路基板51は、複数の降圧チョッパ回路のうち最大電流が最も小さい降圧チョッパ回路(第1降圧チョッパ回路22)の実装領域が、電圧変換回路(昇圧チョッパ回路21)の実装領域のとなりに配置されるように、部品配置が設定されてもよい。最大電流が最も小さい降圧チョッパ回路の実装領域が、電圧変換回路の実装領域の隣に配置されるから、最大電流がより大きな降圧チョッパ回路の実装領域が電圧変換回路の実装領域のとなりに配置される場合に比べて、回路部品の温度上昇を抑制することができ、回路部品の寿命を延ばして、長寿命の電源装置2及び照明装置1を実現できる。