JP6488593B2 - 照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は照明装置に関し、特に有機EL素子を用いた照明装置等の光取り出し効率向上に関するものであり、発光層表面に凹凸形状を作らずに光り取り出しの機構を作ることによって、効率よく光を取り出しつつ、陽極端子部を低抵抗化することに用いて好適な技術に関する。
一般的な有機EL(Electro−Luminescence)素子のような照明装置の場合、ガラス基板から空気中へ放射される光取出し効率はわずか20%に過ぎない。そこで、パネル量産性等を勘案し、外付けフィルムを素子に貼付するケースが多い。パネルの素子構造に依存するが外付けフィルムを素子に貼付した場合でも光取出し効率は25%程度であり、光のロスが大きい。この理由としては有機層と基板、主にガラス基板やプラスチック製基板の屈折率が異なり、その界面にて全反射することが要因として上げられる。さらに光取出し効率を向上させるには、素子内部にも光取出し構造を設ける必要ある。照明装置の光取出し効率を検討したものとして、例えば特許文献1及び2が知られている。
特許文献1は、基板上に外付けフィルムを貼付した一例であり、基板と空気層の界面での光の全反射を抑制し、光取出し効率を向上することが可能となる(図1)。
特許文献2は、有機層と基板の屈折率差を緩和するために母型を使用し凹凸を設ける方法である。
特許文献3は、ITO等の透明陽における低抵抗化のために、補助配線を設ける方法が記載されている。
特開平8−83688号公報 特開2009−009861号公報 特開2003−316291号公報
しかし、特許文献1では、光を取り出す際に光散乱性のフィルム表面と、アルミや銀等の陰極部での再帰反射を利用し、光を外部に取り出すために、光散乱性のフィルムによる外部取り出し効率が上昇する半面、再帰反射の際の透明陽極部及び発光素子部、陰極での光の吸収があり、光がロスするという問題がある。また、先にも述べた通り、取り出し効果は有機層と基板の屈折率差を考慮しておらず、その点において取り出し効果は十分とは言えない。
また、特許文献2は、特許文献1と同様再帰反射の際の透明陽極部及び発光素子部、陰極での光の吸収があり、光がロスするという問題がある。また、このように有機層にまで凹凸形状が及ぶと、陽極陰極間のリークあるいはショートが発生することが多くなり、生産性の低いものとなってしまう欠点があった。
また、ディスプレイや照明用途での有機EL素子は、発光した光を外部に放出する必要があるため電極を透明にする必要がある。この透明電極は一般的にITO等を用いることが多く、抵抗値が通常のAlやAgと比較して高いことが一般的である。抵抗値が高いため、発光面積が大きくなると外部から供給した電力が電圧降下してしまう。それにより、発光面内で電力供給部の近辺は明るく、電力供給部から遠くなるにつれて暗くなるといった輝度ムラが発生するという課題がある。この場合、課題の回避策として、Al等の抵抗値の低い補助電極を用いることが一般的であるが、補助電極を用いた場合、その部分が発光しないか、発光しても隠蔽されてしまうため、発光面積が減るという問題がある。
さらに、特許文献3の技術であると、補助配線により陽極の低抵抗化を図っているが、一般的な構成だと、通常補助配線した箇所は発光しないため、照明装置の発光面内に発光部と非発光部ができることになり、製品のデザインを損ねる原因となる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、有機EL素子を利用した照明装置等の光取り出し効率向上を図るものであり、発光層表面に凹凸形状を作ることなく光り取り出しの機構を作ることによって、効率よく光を取り出しつつ、陽極端子部を低抵抗化する以下の目的を達成しようとするものである。
本発明は、透光性基板に、透明陽極部と発光素子部と陰極部とが積層されて、島状の発光領域とその周囲の非発光領域とが形成される照明装置である。
この照明装置は、透光性基板と透明陽極部との間に積層され透光性基板よりも屈折率が高く設定された高屈折平坦層と、非発光領域における透明陽極部の透光性基板側に積層されて導電性及び光反射性を有する電気伝導光反射層とを備える。
透明陽極部の一部は、発光領域において電気伝導光反射層を貫通しており、発光素子部の一部は、発光領域において電気伝導光反射層の厚さの範囲内に位置している。
本発明によれば、発光領域において、発光素子部から発せられた光が透光性基板と高屈折平坦層との界面で全反射した場合でも、非発光領域の電気伝送光反射層によって反射して外部に光を取り出すことが可能となる。また、発光領域において、発光素子部から発せられた光が透光性基板と外部との界面で全反射した場合でも、非発光領域の電気伝送光反射層によって反射して外部に光を取り出すことが可能となる。これにより、透光性基板の両表面位置において発光素子部から発せられた光が全反射して発光素子部に戻ってしまうことを低減して、効率よく光を取り出すことが可能となる。
本発明は、前記非発光領域に設けられた散乱部を具備することより、発光領域において、発光素子部から発せられた光が透光性基板と高屈折平坦層との界面で全反射した場合でも、非発光領域の散乱部によって外部に光を取り出すことが可能となる。また、発光領域において、発光素子部から発せられた光が透光性基板と外部との界面で全反射した場合でも、非発光領域の散乱部によって反射して外部に光を取り出すことが可能となる。これにより、透光性基板の両表面位置において発光素子部から発せられた光が全反射して発光素子部に戻ってしまうことを低減して、さらに効率よく光を取り出すことが可能となる。
本発明は、前記発光領域における前記発光素子部と前記透明基板との厚さ方向距離が、厚さ方向に屈折率が1.5以上として設定され、前記発光素子部からの光を前記透光性基板との界面側で全反射可能とされることにより、発光素子部から発せられた光が全反射して発光素子部に戻ってしまうことを低減して、効率よく光を取り出すことが可能となる。
本発明では、前記発光領域における前記発光素子部から前記透光性基板までの厚さ寸法Bと、前記発光領域の径寸法Aとが、
B>(A/2)
となるように設定されることにより、発光素子部から発せられた光が透光性基板と高屈折平坦層との界面で全反射して発光素子部に戻ってしまうことを低減して、非発光領域において効率よく光を取り出すことが可能となる。
本発明の前記非発光領域には、前記透明陽極部と前記発光素子部との間に、絶縁層が積層されることにより、電気伝導光反射層部でのロスとなる発光が無くなり、発光素子部のパターニングの必要が無く製造工程を簡単化することができる。
本発明は、前記散乱部として、前記高屈折平坦層と前記透明陽極部との間に、高屈折散乱層が設けられる手段か、前記散乱部として、前記透光性基板側の前記高屈折平坦層に、散乱凹凸形状が設けられる手段か、前記散乱部として、前記透光性基板の前記高屈折率層と反対側面に微細凹凸形状が設けられる手段を採用することにより、効率よく非発光層において全反射してきた光を散乱して外に取り出すことが容易にできる。
本発明は、前記高屈折散乱層に、光散乱性を有する微粒子が含まれることにより、容易に散乱により全反射してきた光を外に取り出せるため、構造の自由度を向上することができる。
本発明によれば、全反射して発光ロスとなるはずの光を効率よく取り出し、且つ、透明陽極を低抵抗化できる、さらに、発光素子部(発光層)の存在する厚み方向に、光散乱層が無く、平坦性を確保できることから、発光層を長寿命化することができ、信頼性も向上することができるという効果を奏することが可能となる。
本発明に係る照明装置の第1実施形態を示す側断面図である。 本発明に係る照明装置の第1実施形態における導電反射部及び開口部の配置を示す平面図である。 本発明に係る照明装置の第1実施形態における照明装置の製造方法を示す工程断面図である。 本発明に係る照明装置の第1実施形態における照明装置の製造方法を示す工程断面図である。 本発明に係る照明装置の第1実施形態における照明装置の製造方法を示す工程断面図である。 本発明に係る照明装置の第1実施形態における照明装置の製造方法を示す工程断面図である。 本発明に係る照明装置の第1実施形態における導電反射部及び開口部の配置の他の例を示す平面図である。 本発明に係る照明装置の第2実施形態を示す側断面図である。 本発明に係る照明装置の第2実施形態における照明装置の製造方法を示す工程断面図である。 本発明に係る照明装置の第2実施形態における照明装置の製造方法を示す工程断面図である。 本発明に係る照明装置の第2実施形態における照明装置の製造方法を示す工程断面図である。 本発明に係る照明装置の第3実施形態を示す側断面図である。
以下、本発明に係る有機EL素子用前面板、照明装置の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における照明装置を示す側断面図、図2は、本実施形態における照明装置を示す平面図であり、図において、符号1は、照明装置である。
本実施形態に係る照明装置(有機EL素子)1は、図1、図2に示すように、透光性基板11と、透光性基板11に積層された高屈折率層12と、高屈折率層12に積層された透明陽極部13と、透明陽極部13に積層された電気絶縁層14と、電気絶縁層14に積層された発光素子部15と、発光素子部15に積層された陰極部16と、高屈折率層12に積層された高屈折散乱層(散乱部)17と、高屈折散乱層に積層されて透明陽極部13が積層された電気伝導光反射層18とを備えている。照明装置1は、図1、図2に示すように、発光素子部15の発光する発光領域R1とその周囲の非発光領域R2とを有する。
これら、透光性基板側11と、高屈折率層12と、高屈折散乱層(散乱部)17と、電気伝導光反射層18とは、有機EL素子用前面板1aを構成する。
透光性基板11は、ガラスあるいはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等のプラスチック材質でシート状に形成されている。透光性基板11の厚さは、例えば0.3〜3mm程度である。一般的に、透光性基板11が薄ければ曲げることが可能となり、フレキシブル用途に用いられ、また、ロールtoロールとしての巻回された長尺基板に有機EL素子を製造することもできる。また、透光性基板11が厚い場合には、剛性が必要とされる用途に用いることが可能となる。
高屈折率層12は、発光素子部15の屈折率以上の屈折率とすることが好ましい。具体的には、高屈折率層12の屈折率は、1.5以上2.0以下であることが好ましく、より好ましくは1.7以上1.85以下とすることが望ましい。なお、本発明において、高屈折率層12の屈折率とは、透光性基板11の法線方向、または、照明装置1の視認方向における屈折率を意味するものとされ、屈折率の異方性があった場合でもこの方向における屈折率が上述の範囲に設定されていればよく、透光性基板11の面内方向における高屈折率層12の屈折率が上記の範囲外であることも可能である。
高屈折率層12は、例えばアクリル樹脂やウレタン樹脂、有機物質と無機物質とのハイブリッド材料を用いることができる。高屈折率層12の厚さは、0.5μm(マイクロメートル)〜30μmの範囲であることが好ましい。
高屈折率層12の厚さが、0.5μmより薄くなってくると干渉作用、トンネル効果等の作用により幾何光学的な界面として機能しなくなってしまうため、光を散乱部17に十分に導波できないため好ましくない。また、高屈折率層12の厚さが30μmを超える場合には、高屈折率層12の材料に含まれる水分量が大きすぎて発光素子部15にダメージを与えたり、高屈折率層12が散乱層として厚すぎるため、光の透過性が弱くなり好ましくない。
また、高屈折率層12の透明陽極部13と接する面の粗さは、Ra<10nmが好ましい。これより粗いと、透明陽極部13の表面を研磨したとしても十分に平滑にできず、発光素子部15で均一な発光が得られないため好ましくない。高屈折率層12の透明陽極部13と接する面の粗さの下限値は、特にないが、Raが0.05nm以上に平滑であれば十分であり、これより平滑であっても発光面内の均一性には影響しないため、Raが0.05nm以上の平滑であればよい。
高屈折率層12は、透光性基板11における視認側とされる表面とは反対側の面に全面にわたり積層されている。
透明陽極部13は、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)等の透明な材料で形成することができる。透明陽極部13は、高屈折率層12の透光性基板11とは反対側に積層されている。透明陽極部13は、有機EL素子としてのタイプによって、全面積層あるいは、パターニングされた部分積層のどちらかが適応される。透明陽極部13は、後述する発光領域R2でのみ高屈折率層12と接触し、後述する非発光領域R1では高屈折率層12との間に、高屈折散乱層(散乱部)17や電気伝導光反射層18が積層される。
高屈折散乱層(散乱部)17は、高屈折率層12と同等の材料からなり、その中に後述する光散乱性を有する微粒子を入れることができる。この場合、微粒子の粒径を高屈折散乱層17の厚さよりも小さくする必要がある。
散乱性微粒子(微粒子)にはTiO,SiO,Al,ZrO,CaCO,BaSO,MgSiO10(OH)等を適用することができ、粒径も数十nmから数百μm 等さまざま有り、これに限るものではないが、粒径が小さいと散乱効果があまりでなく、粒径が100nmより小さいと十分な散乱効果が得られない。サイズが大きくなればさらに散乱効果は増えるが、限界があり、30μm以上の粒径のフィラーを入れてもそれ以上は散乱の効果を期待できないため、粒径は100nmから30μm範囲で調整することが好ましい。
また、高屈折散乱層17の厚さが0.5μmよりも薄いと、添加できる微粒子の粒径が小さすぎて光の散乱性が弱まり、散乱材として機能しないため、好ましくない。
高屈折散乱層(散乱部)17は、後述する非発光領域R1のみに設けられ、発光領域R2には設けられない。
なお、本実施形態では、高屈折散乱層17を高屈折率層12と一体として、微粒子含有の有無のみで後述する非発光領域R1と発光領域R2との領域を区別して形成することも可能である。
電気伝導光反射層18は、Mo(モリブデン)、Ni(ニッケル)、Al(アルミニウム)、Ag(銀)等で形成され、電気を効率良く伝導させる導電性、及び光を反射させる光反射性を有する層である。
電気伝導光反射層18は、透明陽極部13に蒸着でつけることもでき、その場合、厚さが数10nm(ナノメートル)以上あれば強く光を反射させることが可能となる。この場合光を反射させるだけではなく、電気伝導光反射層18と透明陽極部13とで、あわせて全体の抵抗値を下げる効果もある。電気伝導光反射層18と透明陽極部13との合計として厚膜化すればするほど、抵抗値は下がるが、材料コストもかかり、蒸着でも厚膜化には限界があるため、電気伝導光反射層18厚さの上限としては10μm程度とすることが好ましい。電気伝導光反射層18は、側面視で(透光性基板11の厚さ方向に直交する方向に見たときに)矩形状に形成されている。
電気伝導光反射層18は、例えば、透光性基板11側からMo/Al/Moの積層構造とすることや、Al/Moまたは、Al/Ni、Ag/Mo,Ag/Niとして視認側となる透光性基板11側に反射率の高いAl,Ag等を設けることができる。
この場合、Moは反射率は低いもののITO等とされる透明陽極部13や発光素子層15に対するバリア層とすることができる。
電気伝導光反射層18は、パターニングされた透明陽極部13に対応して積層されることもでき、また、非発光領域R1の全体に積層されることもできる。
本実施形態の照明装置1は、図1に示すように、高屈折散乱層(散乱部)17および電気伝導光反射層18が、発光領域R2を除く非発光領域R1全面に積層されている。これにより、電気伝導光反射層18の透光性基板11と反対側の面で見ると、発光領域R2が非発光領域R1に設けられた穴部のようになっている。つまり、内壁が高屈折散乱層(散乱部)17および電気伝導光反射層18の二層からなり、底面が高屈折率層12とされた凹部が形成されていることになる。また、内壁が高屈折散乱層(散乱部)17および電気伝導光反射層18の二層からなり、底面が高屈折率層12とされた凹部の内面全部、および、その外側である非発光領域R1の全面に積層されている。透明陽極部13は、透明陽極部13は、内壁が高屈折散乱層(散乱部)17および電気伝導光反射層18の二層からなり、底面が高屈折率層12とされた凹部の内面全部に積層されるとともに、その外側である非発光領域R1では、所定の形状にパターニングされることができる。
さらに、発光素子部15は、内壁が高屈折散乱層(散乱部)17および電気伝導光反射層18の二層からなり底面が高屈折率層12とされた凹部において、その内面の透明陽極部13表面全部、および、その外側である非発光領域R1の全面に積層されている。
電気絶縁層(絶縁層)14は、非発光領域R1における発光素子部15を覆うように積層されている。
電気絶縁層14は光を伝導させない遮光性の層であり、アクリル樹脂やウレタン樹脂等の多くのプラスチック材料、無機材料で形成することができる。なお、電気絶縁層14を非発光領域R1全面に形成する場合には、透明電極13を電気を伝導させない(絶縁性を有する)ために、電気絶縁層14の厚さは、1nm以上あれば絶縁として問題ないが、電気絶縁層14にある程度のラフネスがある場合には厚膜にする必要がある。また、電気絶縁層14を形成する下地のラフネスも考慮する必要があり、下地の表面粗さRaに対して10倍程度の厚みを設けると、十分な電気絶縁性が得られるため漏電等を防げ安全性上好ましい。
なお、図2に示すように、視認方向に見たときに、電気絶縁層14が積層された範囲が後述する光L2を反射する導電反射部(非発光領域)R1となり、電気絶縁層14が積層されていない範囲が発光素子部15の発光する開口部(発光領域)R2となる。
図2に示すように、各発光領域R2は島状に形成され、複数の発光領域R2は所定の間隔を有して六方最密状に配列されている。開口部(発光領域)R2は円形であれば、発光した光が非発光領域R1の高屈折散乱層(散乱部)17に効率的に拡散され、外部に取り出されるため、高い外部発光効率を得られ好ましい。また、開口部(発光領域)R2が六方最密状に配置されていれば、導電反射部(非発光領域)R1のうち、開口部(発光領域)R2からの光が到達しない領域を最小限にできるため好ましい。
電気絶縁層14により各発光領域R2をこのように構成することで、発光領域R2の1つ1つを目立たなくし、複数の発光領域R2全体で面発光しているのと同等に見せることができる。
この例では、電気絶縁層14は、非発光領域R1における透明陽極部13の電気伝導光反射層18とは反対側の面、及び、発光領域R2において、内壁が高屈折散乱層(散乱部)17および電気伝導光反射層18の二層からなり底面が高屈折率層12とされた凹部に形成された透明陽極部13のうち、凹部の内側壁面に沿って積層されている。また、非発光領域R1において透明陽極部13がパターニングされている場合には、透明陽極部13の有無と関係なく電気伝導光反射層18を覆って電気絶縁層14が積層され、非発光領域R1の全域に電気絶縁層14が積層される。発光素子部15の一部は、凹部の底面で透明陽極部13に直接接触している。
発光素子部15は、透明陽極部13の電気伝導光反射層18とは反対側に電気絶縁層14を介して積層される。本実施形態では、発光素子部15は、発光領域R2および非発光領域R1の全面に積層されている。
発光素子部15には、電極から注入された電荷を移動させ、正孔と電子が再結合する材料を用いることが好ましい。
具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)や、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体(BeBq)、トリ(ジベンゾイルメチル)フェナントロリンユーロピウム錯体(Eu(DBM)3(Phen))、ジトルイルビニルビフェニル(DTVBi)等を用いることができる。
発光素子部15の厚さは構成によって異なるが、数100nm以下であることが好ましい。
陰極部16は、電気伝導光反射層18と同様にAlやAg等で形成され、導電性及び光反射性を有する層である。
陰極部16の厚さは、数nm〜500nmであることが好ましい。
陰極部16は、発光領域R2における発光素子部15の全面、および、非発光領域R1における発光素子部15の電気絶縁層14とは反対側に積層されている。非発光領域R1においては、透明陽極部13と同様に、全面積層あるいはパターニングされた部分積層のどちらかが適応される。
本実施形態における照明装置1では、図1に示すように、発光領域R2における発光素子部15から透光性基板11までの厚さ寸法Bと、発光領域R2の径寸法Aとが、
B>(A/2)
となるように設定される。この設定から外れると、全反射した光が再度発光素子側に戻る可能性が高くなり、素子側の反射率は低いためその分光のロスになる。
このように構成された照明装置1では、透光性基板11、高屈折率層12、透明陽極部13、電気絶縁層14、発光素子部15、陰極部16、高屈折散乱層(散乱部)17、電気伝導光反射層18等は、従来の有機EL素子と同様に、蒸着やエッチングなどの公知の手法により所定のパターン形状に形成するとともに、公知のロールtoロール方式にて製造することができる。
以下、本実施形態における照明装置1の製造方法を説明する。
図3〜図6は、本実施形態における照明装置の製造方法を示す工程断面図である。
本実施形態における照明装置1の製造方法は、まず透光性基板準備工程として、図3(a)に示すように、透光性基板11を用意する。こここで、透光性基板11の厚さによって、薄い場合には、ロールtoロールでの製造を選択することもでき、厚い場合には、複数領域の有機EL素子として、枚葉の処理とすることもできる。
次いで、高屈折平坦層塗工程として、図3(b)に示すように、透光性基板11の必要な領域全面に、上述した高屈折率層12を塗布・貼着等の方法によって積層する。
次いで、高屈折散乱層塗工程として、図3(c)に示すように、高屈折率層12上の透光性基板11と反対側の面で必要な領域全面に、上述した高屈折散乱層(散乱部)17を塗布・貼着等の方法によって積層する。
次いで、高屈折散乱層パターニング工程として、図3(d)に示すように、高屈折率層12上で非発光領域R1となる部分に、フォトリソグラフ法等によりマスクMを形成し、図3(e)に示すように、マスクMにより、高屈折散乱層(散乱部)17をドライエッチング・ウエットエッチング等の方法により、発光領域R2となる部分のみ除去し、高屈折率層12まで達する凹部を形成する。
次いで、電気伝導光反射層成膜工程として、図4(a)に示すように、高屈折率層12および高屈折散乱層(散乱部)17上の全面に、上述した電気伝導光反射層18を蒸着・スパッタリング等の方法によって積層する。
次いで、電気伝導光反射層パターニング工程として、図4(b)に示すように、電気伝導光反射層18上で非発光領域R1となる部分に、フォトリソグラフ法等によりマスクMを形成し、図4(c)に示すように、マスクMにより、電気伝導光反射層18をドライエッチング・ウエットエッチング等の方法により、発光領域R2となる部分のみ除去し、高屈折率層12まで達する凹部を形成する。
図4(c)に示すようにマスクMを除去した後、透明陽極部成膜工程として、図4(d)に示すように、高屈折率層12上の非発光領域R1領域全面および上記凹部の内部に、上述した透明陽極部13をスパッタリング等の方法によって積層する。
次いで、透明陽極部パターニング工程として、図5(a)に示すように、透明陽極部13上で必要な部分に、フォトリソグラフ法等によりマスクMを形成し、マスクMにより、透明陽極部13をドライエッチング・ウエットエッチング等の方法により、必要な形状となるようにパターニングする。
次いで、電気絶縁層成膜工程として、図5(b)に示すように、透明陽極部13上、電気伝導光反射層18上および発光領域R2となる凹部内の全面に、上述した電気絶縁層14を積層する。
次いで、電気絶縁層パターニング工程として、図5(c)に示すように、電気絶縁層14上で非発光領域R1となる部分に、フォトリソグラフ法等によりマスクMを形成し、図6(a)に示すように、マスクMにより、電気絶縁層14を、ドライエッチング・ウエットエッチング等の方法によって発光領域R2となる部分のみ除去し、発光領域R2の透明陽極部13を露出させる。
マスクMを除去した後、発光層成膜工程として、図6(b)に示すように、電気絶縁層14および、発光領域R2の露出した透明陽極部13上の全面に、上述した蒸着等の方法によって上述した発光素子部15を積層する。
次いで、陰極成膜工程として、図6(c)に示すように、発光素子部15上の必要な領域全面に、上述した陰極部16を蒸着・スパッタリング等の方法によって積層する。必要であればフォトリソ等によってパターニングした後、封止等の仕上げ工程をおこない照明装置1を完成する。
以下、このように構成され製造される本照明装置1における光の効率的な取り出しについて説明する。
通常、高屈折率層12がない場合には、発光領域R2の発光素子部15で発した光は、透光性基板11から外部へ放射される際に、透光性基板11と内部の透明陽極部13との屈折率の差により、界面で全反射を起こして積層部分の内側に向けて反射されてしまう。同様に、発光領域R2の発光素子部15で発した光は、透光性基板11と外部の空気との屈折率の差により、界面で全反射を起こして積層部分の内側に向けて反射されてしまう。
このままでは、有意EL素子(照明装置)の外部に光が出られず、光のロスが発生する。
しかし、本実施形態の照明装置1では、図1に示すように、発光領域R2の発光素子部15で発した光L1は、高屈折率層12が設けられているために、高屈折率層12と透光性基板11との界面で全反射して光L2となる。
この光L2は、高屈折散乱層(散乱部)17内部で含有されている微粒子により、散乱しながら電気伝導光反射層18に当たるため、光L3の向きが光L1の向きに対して変化して、元々全反射しロスするはずであった光L2を透光性基板11より外部へ取り出すことが可能となる。
光L1の向きに対して光L3の向きを変えるために、高屈折散乱層(散乱部)17に含有させる微粒子(フィラー)の大きさ、密度等を所定の値に設定することができる。
同様に、発光領域R2の発光素子部15で発した光L4も、透光性基板11と外部の空気との屈折率の差により、界面で全反射を起こした場合でも、この光L5も、高屈折散乱層(散乱部)17内部で含有されている微粒子により、散乱しながら電気伝導光反射層18に当たるため、光の向きが変化して、元々全反射しロスするはずであった光L4を透光性基板11より外部へ取り出すことが可能となる。
さらに、実施形態の照明装置1では、電気伝導光反射層18の表面が、散乱部として、平坦ではなくある程度粗く設定されることができる。
これにより、図1に示すように、発光領域R2の発光素子部15で発した光L1が界面で反射された光L2は、電気伝導光反射層18の透明陽極部13側の表面に当たって反射されて光L3となる。反射されることにより、光L3の向きが光L1の向きに対して変化して、元々全反射しロスするはずであった光L2を透光性基板11より外部へ取出すことが可能となる。光L1の向きに対して光L3の向きを変えるために、電気伝導光反射層18の表面の算術平均粗さ(Ra)は、例えば100μm以上500μm以下であることが好ましい。
電気伝導光反射層18の表面がさらに粗い(算術平均粗さが大きい)場合には、図1に示した高屈折散乱層(散乱部)17と同様に、光L2が電気伝導光反射層18の表面で散乱して散乱光L3となる。
このように、高屈折散乱層(散乱部)17と同等の性能を電気伝導光反射層18に付与することができる。さらに、高屈折率層12に微粒子を添加し散乱効果を持たせることも可能である。
また、電気伝導光反射層18は発光領域R2から放射する光の放射方向となる位置に沿って、発光領域R2の全周となる非発光領域R1全体に配置されているため、電気伝導光反射層部18は光っていないにもかかわらず、外部から照明を視認した際に、あたかも電気伝導光反射層18が光っているように見せて、これにより、面発光させたように見せることが可能となる。また、高屈折散乱層(散乱部)17に散乱性微粒子(微粒子)を入れることによって、有機EL素子(パネル)1の非点灯時にも点灯時にも、外部から見た際の電気伝導光反射層18そのものをより隠蔽する効果がある。さらに透光性基板11から光を取り出す効果をさらに高めることに寄与する効果がある。
また、高屈折散乱層(散乱部)17に含有させる散乱性微粒子の添加量は40wt%以下であることが好ましく、それ以上になると、散乱微粒子が凝集し、好ましくない。また、添加量が、5wt%より少ないと十分な散乱効果が得られないため、好ましくない。そのため、散乱性微粒子の添加量としては、5wt%〜40wt%が好ましい。また高屈折率化のためにZrOやTiO等の微粒子を添加し屈折率を制御することができる。
また、高屈折率層12および高屈折散乱層(散乱部)17の厚みの和は1〜100μmの範囲とすることが好ましい。この高屈折率層12および高屈折散乱層17の厚みの和が1μmより小さく薄いと、その中に入れる散乱性微粒子の粒径を厚みより小さくする必要があるため、微粒子の粒径が小さすぎて光の散乱性が弱まり、散乱材として機能しないため、好ましくない。また、厚みの和が100μm以上の場合には材料に含まれる水分量が大きすぎ、発光素子部15にダメージを与える可能性があり、また、散乱微粒子を入れた場合の表面粗さが大きくなり過ぎてリークの原因となる可能性がある。さらに、厚みの和が100μm以上の場合には散乱層として厚すぎるため、光の透過性が弱くなるため、好ましくない。
また、照明装置1として、発光素子全体の面積に対する、発光する面積の割合を開口率とすると、(発光領域R2/発光領域R2+非発光領域R1)で示される開口率が大きい場合には、発光素子の輝度値は大きくなるものの、発光効率は低下し、逆に開口率が小さい場合には、発光効率は高まるものの、面内輝度は低下する。よって、面内輝度と、発光効率のどちらを重視するかで、開口率を決める必要がある。
実施形態の照明装置1では、図1に示すように、凹部内壁での発光素子部15の間隔をA、発光領域R2において透明陽極部13に接した発光素子部15から透光性基板11までの距離をBとした場合、B>(A/2)となることが好ましい。B<(A/2)の場合、ガラス表面にて全反射した光が再度発光面側に戻ってしまう可能性が高くなり、その結果取り出し効率が下がってしまう。ここで、発光素子部15の間隔Aは、発光領域R2の径寸法として設定できる。
また、開口率を小さくした場合、電気伝導光反射層18の表面積割合が必然的に増えることになるが、これにより、発光素子での熱を伝達し、素子全体の熱上昇を緩和する効果がある。これにより、照明装置(発光素子)1の寿命を高めることが可能となる。
また、本実施形態の照明装置1では、高屈折散乱層(散乱部)17の散乱により光を外部に取り出せるため、高屈折率層12へ散乱微粒子を入れないことも可能である。高屈折率層12に散乱微粒子を入れない場合には、また、高屈折率層12と透明陽極部13との界面において散乱微粒子による凹凸ができないことから、透明陽極部13と発光素子部15との界面も下地の影響による粗面になることがないため、透明陽極部13と発光素子部15との界面を容易に平滑化しやすく、均一な発光を得ることができるため好ましい。
このとき、発光領域R2における発光素子部15から透光性基板11までの厚さ寸法Bと、発光領域R2の径寸法Aとが、
B>(A/2)
となるように設定することにより、発光素子部15から発せられた光が透光性基板11と高屈折平坦層12との界面で全反射して発光素子部15に戻ってしまうことを低減して、非発光領域R1において効率よく光を取り出すことが可能となる。
また、高屈折散乱層17を設けない場合、電気伝導光反射層18と高屈折率層12との界面に散乱部として凹凸を設け、これにより散乱効果を持たせることも可能である。
また、高屈折率層12を発光素子部側へ向けていることで、透光性基板の表面を平坦にすることができるため、清掃を簡単にし、デザイン性能も向上することができる。
また、透光性基板11、高屈折率層12、高屈折散乱層17、電気伝導光反射層18、透明陽極部13等の構成は、ロールtoロールにて製造することが可能であるため、有機材料の製膜についても同様にロールtoロールで作製することが可能となるため、従来のガラス基板へ素子構造部を作製し、光散乱性のフィルムをプラスチック基材上に成型し、その後粘着材等を介してガラス基板上へ光散乱性のフィルムをプ密着させるといった製造工程と比較し工程を簡単化し、製造のリードタイムを上げ、低コスト化を図ることが可能となる。
透明陽極部13を薄膜化することは、陽極としての抵抗値が上昇することを意味する。有機EL素子の給電は発光面の端部から行う場合が多く、端部から給電した場合、透明電極の抵抗による電圧降下により発光面内の電流密度を均一に保つことが難しく、発光面中央付近での発光量が減少するため、発光面の面内における明るさの分布の悪化の原因となる。陽極の抵抗値を下げるためは厚みを厚くするのが一番簡単な方法であるが、外部に対する発光の透過率を下げるため、トレードオフの関係となる。
また、透明陽極部13の低抵抗化のために、200℃程度もしくはそれ以上でのアニールによって、透明陽極部13を結晶化し抵抗を下げる工程を付加することが一般的である。その場合、加熱対象の基板がその温度まで耐えうる必要があり、材料に有機材料が用いられている場合には、高温のため材料が劣化する可能性がある。これに対し本実施形態における構成によれば、光の反射材料として使用している電気伝導光反射層18が透明陽極部13の低抵抗化にも寄与しているため、透明陽極部13に対する高温でのアニールは絶対必須条件ではなくなり、本実施形態における構成の場合はアニールをおこなわなくても、十分に陽極の抵抗値を抑えることが可能となっている。よって、本実施形態の構成においては、透明陽極部13にはITO等の一般的なものに加え、PEdot等の導電性高分子のような比較的高抵抗のものも使用可能とすることができる。
さらに、特許文献3のように補助配線をした部分が発光しないということがないため、照明装置の発光面内に発光する部分と非発光の部分ができてしまうことがなく、製品のデザイン性を毀損することがない。
本実施形態の照明装置1では、電気伝導光反射層18によって、透光性基板11と空気界面での全反射が少ない構造としているが、全反射し、素子側へ戻る光についてもなるべく素子の陰極側で反射させるのではなく、電気伝導光反射層18にて反射させる構造となっているため、全反射によって戻った光が発光素子部15を通過して吸収されてしまうことを避けることができる。
本実施形態では、電気伝導光反射層18が、光の反射だけでなく透明陽極部13の抵抗値を下げる役割もしており、電気伝導光反射層18があることによって、透明陽極部13の厚みを極力薄くして照明装置1における発光素子部15から発光させた光のうち吸収されてしまう割合を低減することが可能となる。
電気伝導光反射層18のある部位の透明陽極部13に密着するように電気絶縁層14を設けたことにより、電気伝導光反射層部18で隠れた部分でのロスとなる発光を無くすことができるとともに、発光素子部15の積層においてこの発光素子部15のパターニングの必要が無く製造工程を簡単化することができる。
したがって、本実施形態における照明装置1においては、透明陽極部13における低抵抗を保ちつつ、光の取り出し効率を向上することができるという効果を確認することができる。
以上説明したように、本実施形態のEL素子とされる照明装置1によれば、高屈折率層12、高屈折散乱層17、電気伝導光反射層18を備えているため、発光素子部15で発した光が透光性基板11の界面で反射されても、その光を電気伝導光反射層18で再び反射することができる。これにより、照明装置1の光取出し効率を向上させ、効率良く光を取出すことができる。
電気伝導光反射層18は発光領域R2の周囲にある非発光領域R1に配置されているため、電気伝導光反射層18自体は光っていないにもかかわらず、照明装置1を透光性基板11側から見た際に、あたかも電気伝導光反射層18が光っているように見せることができる。このように、全反射して素子側(発光素子部15側)へ戻る光を、照明装置1の陰極部16側で反射させるのではなく、より透光性基板側11側の電気伝導光反射層18にてなるべく反射させる構造となっているため、全反射によって戻った光が発光素子部15を通過して吸収される確率が低い。
また本実施形態では、発光領域R2を平面視円形として形成したが、図7に示すように、矩形として格子状に配置してもよい。
以下、本発明に係る照明装置の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図8は、本実施形態における照明装置1Aを示す即断面図である。
本実施形態において上述した第1実施形態と異なるのは散乱部27および高屈折散乱層17に関する点であり、これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の照明装置1Aにおいては、図8に示すように、高屈折散乱層17が設けられていない代わりに、非発光領域R1となる高屈折率層12の透光性基板11側に微細凹凸形状(散乱部)27が設けられている。
これら、透光性基板側11と、高屈折率層12と、微細凹凸形状(散乱部)27と、電気伝導光反射層18とは、有機EL素子用前面板1bを構成する。
微細凹凸形状(散乱部)27における微細凹凸形状としては、外径が0.1μm〜500μm程度のマイクロレンズ形状(例えば、半球状や楕円球状)のものや、四角錐形状、微細な粒子を散りばめた形状のもの等がある。
いずれの形状の微細凹凸形状も、光の散乱する向きを変え、照明装置1中で発光した光を透光性基板11より外側に取出すことを目的とする。微細凹凸形状(散乱部)27における屈折率は、高屈折率層12の屈折率よりも低くすることができる。
透光性基板11に微細凹凸形状を設けることで、光の射出角度及び光取出し効率のコントロールをすることができる。
発光領域R2の発光素子部15で発した光のうち非発光領域R1に照射された光L1は、微細凹凸形状(散乱部)27が設けられているために、高屈折率層12と透光性基板11との界面位置の微細凹凸形状(散乱部)27によって光L1の向きが光L2の向きに対して変化して、元々全反射しロスするはずであった光L1を透光性基板11より外部へ取り出すことが可能となる。
さらに、高屈折率層12と透光性基板11との界面で反射した光L3は、高屈折率層12と電気伝導光反射層部18との界面で反射して再度微細凹凸形状(散乱部)27に入射して、この微細凹凸形状(散乱部)27によって光L2の向きが変えられて、透光性基板11より外部へ取り出すことが可能となる。
さらに、本実施形態では、図8に示すように、発光領域R2において透明陽極部13に接した発光素子部15から透光性基板11までの距離をBAとした場合、距離BAを、図1に示したBよりも小さくすることができる。このため、開口率を大きくする、つまり、発光領域R2の径寸法Aを大きくしても、BA>(A/2)を維持することが容易となる。このため、同じ発光領域R2の径寸法Aであっても、非発光領域R1に入射した光が再度発光面側に戻ってしまう可能性が高くなるB<(A/2)となることがなく、その結果取り出し効率低下を防止できる。これにより、開口率を大きくして、発光量を増大させることができる。
同時に、距離BAを設定することにより、さらに光の配光角も制御することが可能となる。
以下、本実施形態における照明装置1Aの製造方法を説明する。
図9〜図11は、本実施形態における照明装置の製造方法を示す工程断面図である。
本実施形態における照明装置の製造方法は、まず透光性基板準備工程として、図9(a)に示すように、透光性基板11を用意する。こここで、透光性基板11の厚さによって、薄い場合には、ロールtoロールでの製造を選択することもでき、厚い場合には、複数領域の有機EL素子として、枚葉の処理とすることもできる。
次いで、微細凹凸形状形成工程として、図9(b)に示すように、非発光領域R1となる透光性基板11上に、微細凹凸形状(散乱部)27が形成された樹脂フィルムを貼着する、あるいは、樹脂層を塗布した後成形して凹凸形状(散乱部)27を形成する。
次いで、高屈折平坦層塗工工程として、図9(c)に示すように、凹凸形状(散乱部)27の形成された透光性基板11の必要な領域全面に、上述した高屈折率層12を塗布・貼着等の方法によって積層する。
次いで、電気伝導光反射層成膜工程として、図9(d)に示すように、高屈折率層12上の全面に、上述した電気伝導光反射層18を蒸着・スパッタリング等の方法によって積層する。
次いで、電気伝導光反射層パターニング工程として、図9(e)に示すように、電気伝導光反射層18上で非発光領域R1となる部分に、フォトリソグラフ法等によりマスクMを形成し、図4(c)に示すように、マスクMにより、電気伝導光反射層18をドライエッチング・ウエットエッチング等の方法により、発光領域R2となる部分のみ除去し、高屈折率層12まで達する凹部を形成する。
マスクMを除去した後、透明陽極部成膜工程として、図10(a)に示すように、電気伝導光反射層18上の非発光領域R1領域全面および上記凹部の内部の高屈折率層12上に、上述した透明陽極部13をスパッタリング等の方法によって積層する。
次いで、透明陽極部パターニング工程として、図10(b)に示すように、透明陽極部13上で必要な部分に、フォトリソグラフ法等によりマスクMを形成し、マスクMにより、透明陽極部13をドライエッチング・ウエットエッチング等の方法により、必要な形状となるようにパターニングする。
次いで、電気絶縁層成膜工程として、図10(c)に示すように、透明陽極部13上、電気伝導光反射層18上および発光領域R2となる凹部内の全面に、上述した電気絶縁層14を積層する。
次いで、電気絶縁層パターニング工程として、図10(d)に示すように、電気絶縁層14上で非発光領域R1となる部分に、フォトリソグラフ法等によりマスクMを形成し、図11(a)に示すように、マスクMにより、電気絶縁層14を、ドライエッチング・ウエットエッチング等の方法によって発光領域R2となる部分のみ除去し、発光領域R2の透明陽極部13を露出させる。
マスクMを除去した後、発光層成膜工程として、図11(b)に示すように、電気絶縁層14および、発光領域R2の露出した透明陽極部13上の全面に、上述した蒸着等の方法によって上述した発光素子部15を積層する。
次いで、陰極成膜工程として、図11(c)に示すように、発光素子部15上の必要な領域全面に、上述した陰極部16を蒸着・スパッタリング等の方法によって積層する。必要であればフォトリソ等によってパターニングした後、封止等の仕上げ工程をおこない照明装置1Aを完成する。
本実施形態の照明装置1Aでは、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができるとともに、透光性基板11と電気伝導光反射層18との厚さ距離を縮小して、凹凸形状(散乱部)27への入射を増やして、より一層光り取り出し効率を高めることができる。
以下、本発明に係る照明装置の第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
図12は、本実施形態における照明装置1Bを示す即断面図である。
本実施形態において上述した第1実施形態と異なるのは散乱部37に関する点であり、これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の照明装置1Bにおいては、図12に示すように、透光性基板側11の視認側表面に、発光領域R2および非発光領域R1全面に微細凹凸形状(散乱部)37が設けられている。
これら、透光性基板側11と、高屈折率層12と、高屈折散乱層(散乱部)17と、微細凹凸形状(散乱部)37と、電気伝導光反射層18とは、有機EL素子用前面板1cを構成する。
微細凹凸形状(散乱部)37における微細な凹凸形状としては、外径が0.1μm〜500μm程度のマイクロレンズ形状(例えば、半球状や楕円球状)のものや、四角錐形状、微細な粒子を散りばめた形状のもの等がある。
いずれの形状の微細凹凸形状も、光の散乱する向きを変え、照明装置1中で発光した光を透光性基板11より外側に取出すことを目的とする。微細凹凸形状(散乱部)37における屈折率は、高屈折率層12の屈折率よりも低くすることができる。
透光性基板11に微細凹凸形状を設けることで、光の射出角度及び光取出し効率のコントロールをすることができる。
以下、本発明にかかる実施例を説明する。
図1に示す照明装置1を、隣り合う発光素子部15の間隔である発光素子部15のピッチ;200μm、発光領域R1の径寸法Aを10μm、発光素子部15から透光性基板11までの距離Bを10μmとして作製した。
透明陽極部13にはITOを使用し150nmスパッタにて製膜した。高屈折率層12はPETフィルム188μm上に作製し、透湿性対策のためにPETフィルムの高屈折率層12とは逆側をガラス面へ透明粘着フィルムにて貼り合せた。
透光性基板11としては、本実施例ではガラス基板及びPENとされる。高屈折率層12の屈折率を1.7とし、電気伝導光反射層18の厚みを、3μmとした。
高屈折散乱層16としては、高屈折率層12へ散乱粒子として、SiOの粒径φ2.0μmのものを20w%添加した。
電気伝導光反射層18としてアルミを使用し、高屈折率層12側に蒸着した。
素子構造はITO上にα−npdを70nm、Alq3を60nm、Alを100nmとした。
このような本発明の実施例においては、単純にガラス上に作製したリファレンスと比較し、約1.9倍の効率向上を確認することができた。
本発明の活用例として、薄く自在な形の照明を実現できるため、インテリア照明として用いることができ、また薄いという特性から自動車などの室内空間などに用いることができる。
1…照明装置
1a,1b,1c…有機EL素子用前面板
11…透光性基板
12…高屈折率層
13…透明陽極部
14…電気絶縁層
15…発光素子部
16…陰極部
17…高屈折散乱層(散乱部)
18…電気伝導光反射層
27,37…凹凸形状(散乱部)
R1…非発光領域
R2…発光領域

Claims (9)

  1. 透光性基板に、透明陽極部と発光素子部と陰極部とが積層されて、島状の発光領域とその周囲の非発光領域とが形成される照明装置であって、
    前記透光性基板と前記透明陽極部との間に積層され前記透光性基板よりも屈折率が高く設定された高屈折平坦層と、
    前記非発光領域における前記透明陽極部の前記透光性基板側に積層されて導電性及び光反射性を有する電気伝導光反射層と、
    を備え、
    前記透明陽極部の一部が、前記発光領域において前記電気伝導光反射層を貫通し、
    前記発光素子部の一部が、前記発光領域において前記電気伝導光反射層の厚さの範囲内に位置している、
    照明装置。
  2. 前記非発光領域に設けられた散乱部をさらに備える、請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記高屈折率平坦層の厚さ方向における屈折率が1.5以上として設定され、前記発光素子部からの光前記透光性基板と前記高屈折率平坦層との界面側で全反射可能とされている、請求項1または2に記載の照明装置。
  4. 前記発光領域における前記発光素子部から前記透光性基板までの厚さ寸法Bと、前記発光領域の径寸法Aとが、
    B>(A/2)
    となるように設定されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の照明装置。
  5. 前記非発光領域には、前記透明陽極部と前記発光素子部との間に、絶縁層が積層されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の照明装置。
  6. 前記散乱部として、前記高屈折平坦層と前記透明陽極部との間に、高屈折散乱層が設けられている、請求項2に記載の照明装置。
  7. 前記高屈折散乱層に、光散乱性を有する微粒子が含まれている、請求項6に記載の照明装置。
  8. 前記散乱部として、前記透光性基板側の前記高屈折平坦層に、散乱凹凸形状が設けられている、請求項2に記載の照明装置。
  9. 前記散乱部として、前記透光性基板の前記高屈折率層と反対側面に微細凹凸形状が設けられている、請求項2に記載の照明装置。
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