JP6488253B2 - 保全計画支援システム、及び保全計画支援方法 - Google Patents

保全計画支援システム、及び保全計画支援方法 Download PDF

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Description

本発明は、建物の保全計画の策定を支援する技術に関する。
商業ビルや集合住宅などの建物には、電気設備や空調設備、昇降設備などの各種の建築設備が設けられている。また一般に、建物や建築設備を良好な状態で保全するために、修繕や改修、保守・点検などの保全作業が、これら建物、及び建築設備に対し適宜の時期に施されている。
保全計画は、この保全作業の予定を計画し、当該計画の期間内で発生する保全費用を算出したものである。保全計画にしたがって保全作業が行われることで、中期、又は長期に亘って、建物の構造躯体、及び建築設備が使用不可能な状態になることが未然に防止され、かつ、これら構造躯体、及び建築設備の当初の用途、性能、及び機能が回復し維持される。
そして従来、保全計画の策定を支援する各種の技術が提案されている。
例えば、建築設備の工事内容や物価上昇率を加味して修繕費用を算出する技術(例えば特許文献1参照)、中長期保全運用計画に基づいて建物の運用管理コストを年度毎に予測し実測値とともに表示する技術(例えば特許文献2参照)がある。また例えば、建物長期修繕計画において建物の目標維持レベルに応じた所用修繕費用を予測する技術(例えば特許文献3参照)がある。また例えば、適切なメンテナンス計画の策定を支援するために、設備を入れ替えた場合と、入れ替えない場合との各々について、減価償却費及び電力使用費に基づいて計画運転費用を求める技術もある(特許文献4参照)。また例えば、対象期間内における各時点の所定機器のランニングコストを確率分布として予測し、このランニングコストの予測に基づいてリニューアル費を求める技術がある(例えば特許文献5参照)。また長期修繕を含む建物の各種の情報をデータベース化して管理する技術(例えば特許文献6参照)もある。
特開平9−34946号公報 特開2003−345883号公報 特開2005−173734号公報 特開2015−103128号公報 特開2015−207037号公報 特開2005−173957号公報
ところで、上記建築設備には、稼働によってエネルギーを消費する設備(以下、「エネルギー消費設備」という)が含まれる。特許文献2には、これらエネルギー消費設備の運用費(光熱費)を含めた運用管理コストを算出する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献2には、光熱費の具体的な算出手法については記載されていない。一般に、エネルギー消費設備が定格で消費する平均的なエネルギー消費量(以下、「平均エネルギー消費量」という)がメーカーによって公表されており、この平均エネルギー消費量を用いることで光熱費の予測が可能である。しかしながら、平均エネルギー消費量には、エネルギー消費設備の個体差、建物における稼働状況、及び保守状況が反映されておらず、光熱費が正確に予測されていない。また、特許文献4は、光熱費を予測するものではない。特許文献5は、稼働時間ごとのランニングコストの実績値に基づいて将来のランニングコストを確率分布として求めるものであり、特許文献2と同様に、エネルギー消費設備の個体差、建物における稼働状況、及び保守状況が反映されたものではない。
特許文献6には、修繕計画を含む各種の情報をデータベース化する技術が開示されている。しかしながら、この特許文献6には、これらを連携させる点については開示がなく、修繕計画を支援するものでもない。
本発明は、エネルギー消費設備を含む建物の保全費用の精度が高められる保全計画支援システム、及び保全計画支援方法を提供することを目的とする。
本発明は、エネルギー消費設備が設けられた建物の複数年に亘る計画期間の保全スケジュール、及び保全費用を含む保全計画を取得する保全計画取得部と、前記建物における前記エネルギー消費設備のエネルギー消費に係る計測データに基づいて算出された前記エネルギー消費設備の機器効率を取得し、或いは前記エネルギー消費に係る計測データに基づいて前記エネルギー消費設備の機器効率を算出する機器効率取得部と、前記機器効率取得部によって取得、或いは算出された機器効率に基づいて、前記エネルギー消費設備のエネルギー消費によるエネルギー消費費用を求めるエネルギー消費費用算出部と、前記エネルギー消費費用算出部によって求められたエネルギー消費費用に基づく前記保全費用を出力する保全費用出力部と、を備えることを特徴とする。
本発明は、上記保全計画支援システムにおいて、前記計画期間の残存期間における見込みの機器効率を、前記機器効率の推移に基づいて求める機器効率予測部を備え、前記エネルギー消費費用算出部は、前記機器効率予測部によって求められた見込みの機器効率に基づいて前記エネルギー消費費用を求めることを特徴とする。
本発明は、上記保全計画支援システムにおいて、前記エネルギー消費設備に対して行われた保全作業に要した保全作業費用実績値を取得する保全作業費用取得部と、前記保全作業によって削減が見込まれるエネルギー消費費用の削減量を、前記エネルギー消費費用算出部によって求められたエネルギー消費費用に基づいて算出し、前記保全作業費用実績値、及び前記削減量を出力する費用対効果出力部と、を備えたことを特徴とする。
本発明は、上記保全計画支援システムにおいて、前記保全スケジュールを変更する保全スケジュール変更部と、前記保全スケジュール変更部によって変更された保全スケジュールに要する保全費用を算出する保全費用算出部と、を備える特徴とする。
本発明は、上記保全計画支援システムにおいて、前記保全スケジュール変更部は、前記エネルギー消費設備に対する保全作業の実施によって生じた前記機器効率の変化に基づいて、前記保全スケジュールにおいて前記エネルギー消費設備に予定されている当該保全作業の予定時期、又は予定回数を変更することを特徴とする。
本発明は、上記保全計画支援システムにおいて、前記計画期間の単年ごとの保全費用の算出条件の入力を受け付ける算出条件入力部を備え、前記算出条件には、指定の単年の予算、又は単年ごとの前記保全費用の増減条件が含まれており、前記保全費用算出部は、前記計画期間の残存期間における保全費用を、前記算出条件に合わせて各単年に割り当てることを特徴とする。
本発明は、上記保全計画支援システムにおいて、前記機器効率取得部は、前記エネルギー消費設備のエネルギー消費を管理するエネルギー管理システムによって算出された機器効率を取得することを特徴とする。
本発明は、エネルギー消費設備が設けられた建物の複数年に亘る計画期間の保全スケジュール、及び保全費用を含む保全計画を取得する第1ステップと、前記建物における前記エネルギー消費設備のエネルギー消費に係る計測データに基づいて算出された前記エネルギー消費設備の機器効率を取得し、或いは前記エネルギー消費に係る計測データに基づいて前記エネルギー消費設備の機器効率を算出する第2ステップと、前記第2ステップにおいて取得、或いは算出された機器効率に基づいて、前記エネルギー消費設備のエネルギー消費によるエネルギー消費費用を求める第3ステップと、前記第3ステップにおいて求められたエネルギー消費費用に基づく前記保全費用を出力する第4ステップと、を備えることを特徴とする保全計画支援方法を提供する。
本発明では、建物におけるエネルギー消費設備のエネルギー消費に係る計測データに基づいて算出された機器効率を用いて、その後のエネルギー消費費用が求められるので、エネルギー消費費用の予測値が正確になり、保全費用の精度が高められる。
本発明の実施形態に係る建物管理システムの構成を模式的に示す図である。 BASの概略構成を示すブロック図である。 エネルギー管理システムの概略構成を示すブロック図である。 保全計画に係る情報の説明図である。 保全計画支援システムの機能的構成を示すブロック図である。 ライフサイクルデータ管理の説明図である。 機器効率の時系列的な推移を概念的に示す図である。 保全計画期間におけるエネルギー消費設備の機器効率の推移を概念的に示す図である。 保全計画期間におけるエネルギー消費費用削減量を説明するための概念図である。 保全スケジュールの変更の説明図である。 保全計画支援システムを用いた保全計画作業の流れを示す説明図である。 保全費用の算出結果の表示画面の一例を示す図である。 保全費用の算出結果の表示画面の一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る建物管理システム1の構成を模式的に示す図である。
建物管理システム1は、建物2の管理を実施する複数のシステムが相互に連携して建物2の各種の管理を可能にする。この管理の中には、後述する保全計画に係る管理も含まれる。建物管理システム1が管理する建物2は、例えば商業ビルや工場などの商業利用に供される建築物や、集合住宅などの複数住戸から成る建築物であり、かつ、複数の建築設備3を備えた建築物である。
建築設備3は、建物2に求められる諸機能を充足し、建物2に居住し、或いは利用する人の健康を守り、安全性、作業能率、快適性を高めるために、建物2に付設されている各種の設備項目を指し、後述する保全作業の対象となるものである。建築設備3の例には、空気調和設備や給排水設備、消火設備、防災設備、電気供給設備、搬送設備、衛生設備、ガス設備などが挙げられる。
空気調和設備は温度や湿度、気流、輻射熱、浮遊粉塵、細菌、臭気、有毒ガスなどの環境要因を、室内の人間あるいは物品に対して良好な状態に保つ設備であり、冷房や暖房、換気などの機能を有する。空気調和設備は、例えば冷房用の冷水を製造する冷凍機などの熱源設備や冷水を所定の場所まで搬送するポンプなどを含んでいる。給排水設備は、給水設備、及び排水設備を含み、業務や生活に必要な水を建物2に供給し、また、建物2で消費された又は不要な水を外部に排出する設備である。消火設備は、火災を鎮め延焼を防ぐために設けられる設備である。防災設備は、建物2、及び建物2の居住者や利用者を安全に災害から守るために設けられる各種の設備である。電気供給設備は、建物2における発電や変電、送電、配電などの設備、或いは電気使用のために設けられる設備であり、例えば変圧器や照明器具などを備える。搬送設備は、建物2の居住者や利用者、荷物を搬送する設備であり、エレベータやエスカレータ等の設備が挙げられる。衛生設備は、トイレや流し台(キッチン)廻りの設備である。ガス設備は、建物2においてガス燃料を利用する設備、及びガス燃料利用のために設けられる設備である。
また建築設備3のうちの幾つかは、建物2の外部から供給されるエネルギーを消費する設備であり、係る設備のそれぞれを、以下ではエネルギー消費設備4と称し、エネルギーを消費しない建築設備3(例えば避雷針や排煙ダクト等)と区別することにする。ただし、エネルギー消費設備4は、建物保全技術の分野において一般に取り扱われる建築設備3と必ずしも一致する必要はない。すなわち、エネルギー消費設備4は、少なくとも後述する保全作業の対象となる設備であって、エネルギーを消費する設備ごとに区別されていればよい。また、これら建築設備3、及びエネルギー消費設備4は、一般に、1又は複数の設備、装置、及び機器の集合から成る。
エネルギー消費設備4が消費するエネルギーには、例えば燃料(ガス、石油)や電気が挙げられる。
さて、建物管理システム1は、図1に示すように、BIMシステム6と、BAS8と、エネルギー管理システム10と、保全計画支援システム12と、を備えている。これらBIMシステム6、BAS8及びエネルギー管理システム10と、保全計画支援システム12とは、LANやインターネットなどの電気通信回線11を通じて相互にデータ通信可能に接続されている。
BIMシステム6は、建物情報を統合管理する建物情報管理システムであり、例えばコンピュータ装置、入力装置、及び出力装置を備えたパーソナルコンピュータシステムによって実現される。
建物情報は、建物2の形状情報と、当該形状情報に関連付けられた各種の属性情報とを含む情報であり、この建物情報にはBIMモデルが用いられている。BIMモデルは、BIM(BIM:Building Information Modeling(ビルディングインフォメーションモデリング))を用いて構築されたモデルである。具体的には、BIMモデルは、コンピュータ上に作成した建物2の3次元の形状情報に加え、室などの名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げなどの建築に係る属性情報を含んだ建物情報モデルである。このBIMモデルは、コンピュータで実行される、いわゆるBIMソフトウェアと称されるコンピュータプログラムを用いて作成される。
BIMシステム6は、図1に示すように、BIMデータベース13を備え、このBIMデータベース13には、建物2のBIMモデルをデータ化したBIMモデルデータ14が記憶されている。BIMモデルデータ14は、建物2の3次元の形状情報として例えば3次元CADデータを含み、3次元CADデータによって建物2の外観形状、内部形状、及び構造が特定される。BIMモデルデータ14は、属性情報として設計図書、及び機器仕様書と同等の情報を含んでいる。
設計図書は、建物2の施工請負者と同程度の技術を有する企業が、同一の建築設備3を製作、据付けることを可能とする情報を含んだ図面、及び書類である。設計図書は、一般に、建物2の竣工時に施工請負者によって提供され、例えば実施仕様書、計算書、詳細図、施工管理記録書、数量表、購入品等機器一覧表、取扱説明書、完成写真などが含まれる。これらのうち、例えば取扱説明書には、建築設備3の設備概要と、設備諸元(設備の設計条件、及び主要仕様を整理した情報)と、操作方法と、故障対応手順書と、系統図と、主要機器および主要装置のメーカー発行の取扱説明書と、機器類、及び部品の名称、規格、数量、交換時期、交換方法、設定値ならびに規格値等を記した一覧表と、点検・整備方法と、いった情報が含まれている。
かかる設計図書は、同一施工請負者が建物2の改修時に、既設部材を参照し改修計画を立案する際などにも参照される。
機器仕様書とは、建築設備3を構成する機器の能力、品質、性能、施工方法、メーカーなどを文章や数値で示した書類である。
なお、BIMモデルデータ14が、形状情報、及び属性情報として、上記以外の任意の情報を含んでいてもよいことは勿論である。
図2は、BAS8の概略構成を示すブロック図である。
BAS8は、ビルディングオートメーションシステム(Building Automation System)と称されるビル設備集中監視制御システムである。図2に示すように、BAS8は、中央監視装置16と、計測部17と、設備制御部18と、BASデータベース19と、入出力装置20と、を備え、建物2が備えるエネルギー消費設備4の制御、及び監視を行う。
中央監視装置16は、BAS8の各部を中枢的に管理する装置である。
計測部17は、各種のセンサ類や計測メータ機器を備え、建物2の室内環境や、エネルギー消費設備4の稼働状況、運転状況、エネルギー消費量を計測し、中央監視装置16に例えばLANを通じて出力する。室内環境は、建物2の空間内を測定して得られる物理量のうち、エネルギー消費設備4の運転頻度や出力などの運転状態を可変する要素である。エネルギー消費量は、建物2に設置された電力計やガスメータ等の計器類に設けられたセンサや読取装置などから自動的に取得される。
設備制御部18は、エネルギー消費設備4の運転をリモート制御する。
入出力装置20は、例えば表示装置や印刷装置などの出力装置、及びキーボードや各種操作スイッチといった各種指令を中央監視装置16に与えるための入力装置であり、建物2を保守する保守員の監視作業に供される。
中央監視装置16は、エネルギー消費設備4の集中監視機能として、スケジュール運転機能、運転状態制御機能、異常監視機能、及びエネルギー消費監視機能を備える。
スケジュール運転機能は、予め定められたスケジュールにしたがってエネルギー消費設備4を運転する機能である。運転状態制御機能は、エネルギー消費設備4の運転状態を室内環境に適した運転状態にする機能である。異常監視機能は、エネルギー消費設備4の故障や異常の発生を監視する機能である。エネルギー消費監視機能は、エネルギー消費設備4のエネルギー消費量を監視する機能である。
中央監視装置16は、エネルギー消費設備4の運転を制御する場合、計測部17から得られる各種の計測データに基づいて制御情報を設備制御部18に与え、設備制御部18が、中央監視装置16の指示に基づいて、エネルギー消費設備4を制御する。これによって、エネルギー消費設備4のスケジュール運転や、運転状態の制御などが行われる。
BASデータベース19は、計測部17によって計測された各種の計測データや、中央監視装置16によって生成された各種のデータが蓄積される。これらのデータの中には、エネルギー消費設備4のエネルギー消費量に関する計測データが含まれている。
図3は、エネルギー管理システム10の概略構成を示すブロック図である。
エネルギー管理システム10は、BAS8が計測した各種の計測データを取得し、これらの計測データ、及び、ユーザによって適宜に入力されたデータに基づいて、建物2におけるエネルギー使用の合理性を評価する。エネルギー管理システム10は、図3に示すように、データ相互変換部21と、エネルギー管理装置22と、を備えている。
データ相互変換部21は、BAS8との間でデータを送受するインターフェースである。またデータ相互変換部21は、BAS8によって計測された計測データのデータ形式、及びエネルギー管理システム10の側からBAS8に出力されるデータのデータ形式を相互に変換する。
エネルギー管理装置22は、合理性評価部23と、機器効率算出部24と、EMS(Energy Management System)データベース25と、を備えた装置であり、例えばコンピュータシステムによって構成されている。
合理性評価部23は、建物2におけるエネルギー使用状況の合理性を、建物2の形状や規模、用途、さらにはエネルギー消費設備4の負荷の変動状況に照らし合わせて評価する。特に、合理性評価部23は、エネルギーフローにおける供給、変換、及び需要の各々についてエネルギー使用状況の合理性を評価し、これらの評価結果に基づき、エネルギー使用状況の合理性を統合的に評価する。
さらに詳述すると、このエネルギー管理システム10では、複数のエネルギー消費設備4を備えた建物2のエネルギー管理において、エネルギー使用状況の合理性を適切に評価するために必要な複数の項目(以下、「管理項目」という)が規定されている。管理項目のそれぞれには、当該管理項目の評価結果が「合理的」となる数値である管理基準値が設定されている。
合理性評価部23は、データ相互変換部21を通じて取得される計測データに基づいて、管理項目ごとに管理基準値が満足されているか、及び、管理基準値との乖離度を判定し、これら全ての管理項目の判定結果に基づいて合理性を評価する。
機器効率算出部24は、BAS8から取得する計測データに基づいて、エネルギー消費設備4の機器効率を算出する。
機器効率は、エネルギー消費設備4におけるエネルギー消費の効率性を示す指標値であり、エネルギー消費設備4の出力と、エネルギー消費設備4への入力の比によって求められる。
エネルギー消費設備4が、単一の機器だけで構成されるのではなく、複数の設備、及び複数の機器を備える場合、エネルギー消費設備4の機器効率は、それぞれの設備、及び機器ごとに求めた機器効率の平均値となる。この平均値の算出において、設備や機器ごとに重み付けを異ならせた荷重平均を用いてもよい。
また入力、及び出力に用いられる物理量は、算出対象のエネルギー消費設備4、設備、或いは機器ごとに適宜に設定される。例えば、冷凍機を例にすると、出力には製造熱量が用いられ、入力には消費熱量が用いられ、機器効率は、出力/入力によって求められる。例えば冷凍機の機器効率は、いわゆる成績係数(COP:Coefficient Of Performance)である。
機器効率算出部24は、エネルギー消費設備4の各々の機器効率を所定のタイミングで算出し、EMSデータベース25に蓄積する。
EMSデータベース25は、機器効率と、保全作業の実施日時と、この機器効率が算出された日付とを、算出対象のエネルギー消費設備4、或いは、このエネルギー消費設備4が含む設備、機器、又は装置に紐付けて格納する。この結果、エネルギー消費設備4、このエネルギー消費設備4が含む設備、機器、及び装置ごとに、それぞれの機器効率の時系列な推移を示すデータが蓄積される。またEMSデータベース25には、機器効率の他にも、エネルギー管理に必要な各種のデータ(例えばエネルギー消費量など)が適宜に記憶される。
なお、エネルギー管理システム10には、例えば国際公開第2010/092805号や、日本国出願公開公報である特開2011−227654号公報に記載された技術を適宜に用いることができる。
保全計画支援システム12は、建物2の所有者や管理者等のユーザによる保全計画の策定を支援するシステムである。
ここで、保全とは、多数の建築設備3を備えた建物2を良好な状態で維持することを指し、良好な状態の維持を目的とした行為の全てを含んでいる。この行為には、例えば改修や、更新、修繕、補修、点検などが挙げられる。なお、以下の説明において、これらの行為を区別する必要がない場合、これらの行為を「保全作業」と称する。
図4は、保全計画が含む情報の説明図である。
同図に示すように、保全計画には、保全スケジュール、及び保全費用が含まれる。
保全スケジュールは、保全計画期間における保全作業の予定を示すものである。保全計画期間は、保全計画支援システム12による保全計画の実施期間としてユーザが設定した期間である。この実施期間には、例えば建物管理システム1(或いは、少なくとも保全計画支援システム12)に建物2に係るデータが登録され、各種の管理が可能になった時点以降のユーザ指定のタイミングから建物2の立替時期、或いは建物寿命までの期間が用いられる。保全スケジュールは、保全計画期間と、保全作業対象の建築設備3と、それぞれの建築設備3に対して予定されている保全作業の内容と、保全作業の実施時期とを含む。
保全費用は、保全計画期間の間に発生する費用を示す。
この保全費用には、図4に示すように、保全作業費用と、見込みのエネルギー消費費用とが含まれている。
保全作業費用は、保全計画期間における建築設備3、及びエネルギー消費設備4のそれぞれの保全作業に要する見込みの費用である。
見込みのエネルギー消費費用は、エネルギー消費設備4ごとに、保全計画期間において見込まれるエネルギー需要量(見込みのエネルギー需要量)と、機器効率と、エネルギー単価と、に基づいて見積もられた費用である。
詳述すると、保全計画の策定時には、保全計画期間における各エネルギー消費設備4のエネルギー需要量が見積もられる。一般に、エネルギー需要量と、エネルギー消費量と、機器効率との間には、「エネルギー消費量=エネルギー需要量÷機器効率」の関係が成立する。したがって、見込みのエネルギー需要量と機器効率とに基づいて、保全計画期間におけるエネルギー消費量が見積もられ、当該エネルギー消費量にエネルギー単価を乗じることで、エネルギー消費費用が見積もられる。
この機器効率には、メーカーの技術資料等によって示されている値や、エネルギー管理システム10などによって既に評価されている値が用いられる。エネルギー単価には、保全計画期間における予測値が用いられる。エネルギー単価の予測には既存の適宜の手法が用いられる。
この保全計画には、図4に示すように、見込みのエネルギー消費費用の算出の根拠となった見込みのエネルギー需要量、及びエネルギー単価の情報も含まれている。見込みのエネルギー需要量、及びエネルギー単価の導出や設定には、長期或いは中期修繕計画の策定時に一般的に用いられる任意の手法が用いられる。
保全作業は、上記のとおり、その内容に応じて、改修や更新、修繕、補修、点検などに分けられる。
改修とは、経年劣化、又は、社会的或いは技術的な変化に起因し、相対的価値が低下した建築設備3、及びエネルギー消費設備4の性能や機能を、設置当時の水準以上に改善するための行為を指す。改修に係る行為には、既存の建築設備3、及びエネルギー消費設備4を、高性能、或いは高機能な設備に入れ替える作業(いわゆるリプレイス)が挙げられる。
更新とは、建築設備3、及びエネルギー消費設備4の性能や機能を、設置当時の水準まで回復(原状回復)するための行為を指す。更新に係る行為には、既存の建築設備3、及びエネルギー消費設備4の全部、或いは、一部の部品や一部の機器を、同等の性能、及び機能を有するものに取り替える作業が挙げられる。
修繕とは、建築設備3、及びエネルギー消費設備4の性能や機能を、原状回復には至らずとも支障なく使用できる状態にするための行為を指す。なお、更新を修繕と区別せずに、これらをまとめて修繕と呼ばれることもある。
補修とは、建築設備3、及びエネルギー消費設備4に生じた損傷箇所を修理する行為を指す。
点検とは、建築設備3、及びエネルギー消費設備4の損傷箇所の有無を調べ、また、動作や機能に異常が無いかを検査する行為を指す。また、補修には含まれないような、定期的な小部品の取り替え作業なども点検に含まれる。
これら補修、及び点検を含めて保守とも称される。
また一般に、修繕に係る保全計画であって、保全計画期間が1〜3年程度の保全計画は短期修繕計画と称されており、3年を超える保全計画は中期修繕計画、或いは長期修繕計画と称されている。すなわち、この保全計画支援システム12は、短期修繕計画、中期修繕計画、及び長期修繕計画の支援に好適に用いられる。
図5は、保全計画支援システム12の機能的構成を示すブロック図である。
保全計画支援システム12は、図5に示すように、システム間データ連携部32と、ユーザ入力部34と、表示部35と、データベース36と、保全計画部38とを備えている。
保全計画支援システム12は、少なくともパーソナルコンピュータ(記憶装置、演算装置)、入力装置、出力装置(表示装置を含む)、及び通信装置を備えたコンピュータシステムに、上記の各部の機能を実現させるコンピュータプログラムを実行させることで実現されている。
システム間データ連携部32は、BIMデータベース13、BASデータベース19、及び、EMSデータベース25に記憶されているデータを、電気通信回線11を通じてBIMシステム6、BAS8、及びエネルギー管理システム10の各々から取得する。すなわち、システム間データ連携部32は、各種の情報をBIMシステム6、BAS8、及びエネルギー管理システム10の各々から取得する取得部に相当する。このように、システム間データ連携部32が各種のデータを他のシステムから取得できるので、他のシステムで既に管理されているデータについて、ユーザが保全計画支援システム12に再入力する作業が不要となる。
ユーザ入力部34は、ユーザによるデータ入力を受け付ける。
システム間データ連携部32によって取得されたデータ、及びユーザ入力部34から入力されたデータは適宜にデータベース36に格納される。
表示部35は、各種の情報を表示してユーザに提示する、いわゆる表示装置である。
データベース36は、保全計画支援システム12で使用される各種のデータを記憶する記憶装置である。データベース36には、図5に示すように、当初保全計画A0や、機器効率初期データA1、ユーザ入力された各種のデータが格納される。
当初保全計画A0は、策定当初の保全計画のデータである。このデータには、策定当初の保全スケジュールである当初保全スケジュールA01と、策定当初の保全費用である当初保全費用A02とが含まれている。
機器効率初期データA1は、保全計画策定当初におけるエネルギー消費設備4の上述した機器効率を示すデータである。
これら当初保全計画A0、及び機器効率初期データA1の取得は、上記システム間データ連携部32、及びユーザ入力部34の少なくともいずれかによって行われる。
なお、保全計画の最初の策定の手法には、例えば長期修繕計画や中期修繕計画を策定するときの一般的な手法が用いられる。
またデータベース36には、BIMシステム6、BAS8、及びエネルギー管理システム10の各々からシステム間データ連携部32が取得した各種のデータも格納されている。
データベース36に格納されるデータのうち、時系列的に推移する要素のデータについては、グラフ化、或いは数式化によって推移を特定可能にする適宜のデータ形式でデータベース36に蓄積される。このようなデータには、例えば、エネルギー消費設備4の機器効率が挙げられる。
ここで、保全計画支援システム12は、ライフサイクルに係るドキュメントを一元化して管理するライフサイクルデータ管理機能を備えている。このライフサイクルデータ管理機能を実現するために、データベース36には、ライフサイクルの各工程において作成される各種のドキュメントがデータ化されて格納されている。
図6は、ライフサイクルデータ管理の説明図である。
ライフサイクルデータ管理機能は、ユーザが建物2のライフサイクルコスト(Life Cycle Cost)を算出する場合に有用な機能である。
ライフサイクルコストとは、建物2の設計から施工、運用、廃棄に至るまでに要するコストを言う。設計、及び施工に要するコストは、いわゆるイニシャルコストに該当し、運用、及び廃棄に要するコストはランニングコストに該当する。これら設計、施工、運用、及び廃棄の各々の工程において、通常、多種多様な図書や資料といったドキュメント(印刷物)及び電子データが作成される。これらドキュメント及び電子データは、一般に、作成者や建物2の所有者によって管理されており、これらを纏めて管理することは行われていなかった。したがって、ユーザが建物2のライフサイクルコストを算出する場合、これらのドキュメント及び電子データを方々から収集する必要があり、大変な労力を要していた。
これに対し、保全計画支援システム12では、これらのドキュメント、及び電子データがデータベース36に格納されているので、建物2のライフサイクルコストの算出が容易になる。
なお、印刷物であるドキュメントのデータ化には、任意の手法が用いられる。例えば図書や資料が印刷された紙媒体をスキャナ装置で読み取って電子データ化する手法がある。また、紙媒体の印刷の元となった多数の電子データをデータ加工し、或いはそのまま用いることもできる。
これらのドキュメント及び電子データのうち、BIMシステム6、BAS8、及びエネルギー管理システム10の各々が保持しているものは、上記システム間データ連携部32によって取得され、データベース36に格納される。なお、この場合、ドキュメントのデータ化は、データソースであるBIMシステム6、BAS8、及びエネルギー管理システム10で既に行われている。勿論、データベース36へのデータの格納に伴い、取得されたデータに対して適宜の処理が行われてもよい。
建物管理システム1において、例えばBIMシステム6は、設計、及び建設(施工)の工程において作成される設計図書、機器仕様書、及び保全計画をBIMデータベース13に保持している。BAS8は、保守・点検管理に係るドキュメント及び電子データをBASデータベース19に保持している。またエネルギー管理システム10は、エネルギー消費設備4のエネルギー管理に係るドキュメント及び電子データをEMSデータベース25に保持している。これら保守、点検、及びエネルギー管理に係るドキュメント及び電子データは、建物2の運用の工程において作成される。
図6に示すように、これらのドキュメント、及び電子データに基づいて、例えば次のデータがデータベース36に格納されている。すなわち、CADデータ、及び機器リストデータが設計図書に基づいて格納され、機器技術データが機器仕様書に基づいて格納され、当初保全計画A0が保全計画に基づいて格納される。また保守・点検データ、及び機器管理台帳データが保守・点検管理に係るドキュメント及び電子データに基づいて格納され、エネルギー消費量データ、エネルギー費用データ、及び機器効率データがエネルギー管理に係るドキュメント及び電子データに基づいて格納される。
CADデータは、建物2の躯体の設計データであり、このデータによって躯体の形状や構造が特定される。
機器リストデータは、建築設備3が備える設備や機器、装置を列挙したデータである。
機器技術データは、建築設備3が備える設備や機器、装置に関する技術的データである。技術的データに含まれる情報には、上述した設備概要、設備諸元、操作方法、故障対応手順書、系統図、メーカー発行の取扱説明書、部品情報(名称や規格、数量、交換時期、交換方法など)、設定値、規格値、点検・整備方法などが挙げられる。
点検・保守データは、建築設備3に対する点検、保守に関する情報を示す。この情報には、保守作業の予定を示す予定情報と、保守作業の結果を示す結果情報とがある。保守作業の予定情報には、例えば保守作業の周期(頻度)、保守作業の予定内容、点検項目などが含まれる。保守作業の結果情報には、例えば作業日時、点検結果が含まれる。
機器管理台帳データは、建築設備3の各々が備える設備や機器、装置に対して実施された修繕履歴、及び廃棄履歴を示すデータである。修繕履歴には、修繕日付、修繕内容、及び修繕に要した費用(修繕コスト)が含まれている。また廃棄履歴には、廃棄日付、廃棄物、廃棄に要した費用(廃棄コスト)が含まれている。
エネルギー消費量データは、エネルギー消費設備4のエネルギー消費量を示すデータである。エネルギー消費量データには、エネルギー消費設備4が備える設備、装置、及び機器ごとのエネルギー消費量が含まれている。また、これらのエネルギー消費量は、エネルギー種別ごとに分けて示されている。
エネルギー費用データは、エネルギー消費量データに基づくエネルギー消費費用の算出に必要な情報を含むデータである。例えばエネルギー費用データには、エネルギー種別、及び期間ごとのエネルギー単価が含まれている。
機器効率データは、エネルギー消費設備4の上述した機器効率を示すデータである。この機器効率データには、エネルギー消費設備4が備える設備、装置、及び機器ごとの機器効率が含まれている。また機器効率が取得される度に、当該機器効率が過去の時系列的な推移を特定可能に機器効率データに格納される。
上述の通り、エネルギー消費量に機器効率を乗じた値がエネルギー需要量に相当する。換言すれば、エネルギー消費量、或いは機器効率のいずれかに代えて、エネルギー消費設備4のエネルギー需要量を示すデータが取得されれば、当該エネルギー需要量からエネルギー消費量、或いは機器効率の算出も可能である。
これらの各種データのうち、運用の工程に対応するデータは、システム間データ連携部32によって所定の頻度でBAS8やエネルギー管理システム10から取得され、データベース36に格納される。この所定の頻度は、少なくとも保全作業ごとの後述する機器効率の推移曲線f、及び回復量gを算出可能とし、なおかつ、後述する保全計画シミュレーション部44によるシミュレーションを実行するために十分なデータが蓄積される頻度である。
また、この建物管理システム1では、保全計画支援システム12のデータベース36に格納されている各種のデータが、BIMシステム6、BAS8、及びエネルギー管理システム10のそれぞれから参照可能に構成されている。具体的には、保全計画支援システム12のシステム間データ連携部32は、他のシステムからの要求を受付け、要求された情報をデータベース36から読み出し、要求元のシステムに返信する機能を備える。
これにより、建物管理システム1では、BIMシステム6、BAS8、及びエネルギー管理システム10のそれぞれが、保全計画支援システム12で一元的に管理されている各種のデータを参照できるので、それぞれがより高度、かつ緻密な管理が実現可能になる。
前掲図5に戻り、保全計画部38は、エネルギー消費費用予測機能と、保全費用修正機能と、費用対効果出力機能と、保全計画シミュレーション機能とを実現する。
エネルギー消費費用予測機能は、上述の当初保全計画A0の保全計画期間の残存期間において見込まれるエネルギー消費費用を予測する機能である。保全費用修正機能は、見込みのエネルギー消費費用に基づいて当初保全費用A02を修正する機能である。費用対効果出力機能は、エネルギー消費設備4に対して行われた保全作業の費用対効果を出力する機能である。保全計画シミュレーション機能は、残存期間における保全計画をシミュレーションする機能である。これらの機能によってユーザによる当初保全計画A0の見直しなどの作業が支援される。
保全計画部38は、図5に示すように、エネルギー消費費用算出部40と、保全費用変更部41と、費用対効果出力部42と、保全計画シミュレーション部44と、を備えている。
エネルギー消費費用算出部40は、上記エネルギー消費費用予測機能を実現するものであり、機器効率予測部50と、コスト予測部51とを備える。
機器効率予測部50は、保全計画期間の残存期間における見込みの機器効率(以下、「機器効率予測値」と言う)を求める。すなわち、機器効率は、エネルギー消費設備4の経年劣化により低下し、また、そのエネルギー消費設備4が設置された環境(以下、「設置環境」と言う)の変化によっても低下することがある。
コスト予測部51は、機器効率予測値に基づいて、保全計画期間の残存期間における見込みのエネルギー消費費用の予測値(以下、「エネルギー消費費用予測値」と言う)を求める。
機器効率予測部50による機器効率予測値の算出について詳述する。
図7は、機器効率の時系列的な推移を概念的に示す図である。なお、同図に示された機器効率の推移は実際のものと必ずしも一致はしていない。
一般に、エネルギー消費設備4の機器効率は稼働時間の経過に伴って低下する。機器効率の標準的な推移は、例えばエネルギー消費設備4のメーカーが提供する技術資料等から特定される。図7において、グラフB1が機器効率の標準的な推移を示すものとする。
一方、機器効率の推移は、エネルギー消費設備4の個体差のみならず、建物2における使用状況(設置環境、使用頻度など)の影響を大きく受けるので、メーカーの技術資料等から特定される通りには推移せず、例えばグラフB2に示すように、グラフB1とは異なる推移となる。
さらに、エネルギー消費設備4に対して保全作業が行われた場合、その後の機器効率の推移は、同じ建物2での使用においても、グラフB1、及びグラフB2とは異なり、機器効率の推移は、保全作業の内容に応じた傾向をみせる(例えば、グラフB3、グラフB4)。例えば、保全作業対象のエネルギー消費設備4が空気調和設備である場合、冷媒配管清掃、及び冷媒交換のみを行う保全作業に対し、冷媒配管清掃、及び冷媒交換に加えて冷凍機の置き換えを伴う保全作業の方が機器効率の低下は緩やかになる。また、例えば冷媒交換のみの保全作業であっても、交換する冷媒の種類によって冷媒の経年劣化の傾向が異なるため、機器効率の推移にも差異が生じる。
したがって、機器効率の推移は、少なくとも保全作業(より正確には、保全作業の内容)ごとに特定される必要がある。
そこで機器効率予測部50は、保全作業ごとに、その次の保全作業までの期間における機器効率の推移曲線f(図8)を求め、これを保全作業の内容と対応付けてデータベース36に格納している。なお、推移曲線fが既にデータベース36に格納されている保全作業については、必ずしも推移曲線fを新たに求める必要はない。
機器効率の推移曲線fは、算出対象期間の機器効率の各データ(データソースは、上記機器効率データ)に基づいて、機器効率の時系列的な推移を数式化して求められる。
この数式化には、データ解析に基づく適宜の手法(例えば線形近似や非線形近似)が用いられる。また、この機器効率の推移の数式化において、時間軸には、エネルギー消費設備4の設置後の経過時間ではなく、エネルギー消費設備4の稼働時間が用いられる。
このようにして求められた機器効率の推移曲線fのそれぞれは、時間経過に伴うエネルギー消費設備4の劣化を示しているとも言える。
図8は、保全計画期間におけるエネルギー消費設備4の機器効率の推移を概念的に示す図である。
同図において、時点C1、C2、・・・は、保全作業が行われた実施時期を示す。そして、上述のとおり、時点C1、C2、・・・の各々の間の期間において、機器効率は、直前に行われた保全作業の内容に応じた推移曲線fにしたがって推移する。
また、エネルギー消費設備4に対する保全作業によってエネルギー消費設備4の性能の回復が図られるので、同図に示すように、時点C1、C2、・・・のそれぞれで保全作業の内容に応じて機器効率が回復する。機器効率の回復量gは、保全作業の直前と直後との機器効率の差によって求められる。また、保全作業の直前と直後の機器効率は、上記機器効率データに基づいて特定される。機器効率予測部50は、機器効率の回復量gについても保全作業ごとに求めており、これを保全作業の内容と対応付けてデータベース36に格納している。
この保全計画支援システム12では、エネルギー消費設備4に対する保全作業は、その作業内容にかかわらず機器効率に何らかの影響を与えるという前提の下、実施された全ての保全作業について、機器効率の推移曲線f、及び回復量gが求められている。
しかしながら、機器効率に影響を与えない事が明らかである保全作業(例えば、設備や機器、部品に対し何らの変更を生じさせない作業)については、機器効率の推移曲線f、及び回復量gの算出を除外してもよい。
なお、保全作業の後の機器効率の推移曲線f、及び回復量gを、その保全作業が実施されてからの経過時間、機器効率データによって示される機器効率の変化、その保全作業の内容に基づき、多変量解析による近似式を用いて特定しても良い。
また、予定されている保全作業が、エネルギー消費設備4のリプレイスである場合、機器効率の推移曲線f、及び回復量gには、リプレイス予定の設備や機器、装置の機器効率の初期値が、その保全作業に対応する回復量gに用いられる。またメーカーの技術資料等から特定された機器効率の推移が、その保全作業に対応する推移曲線fに用いられる。
また、機器効率の推移曲線f、及び回復量gは、データベース36に、他のシステムやユーザ等から何時でも参照可能に格納されている。これら機器効率の推移曲線f、及び回復量gは、保全作業の作業内容の有効性を示す指標にもなるので、他の建物2についての当初保全計画A0の策定の際、ユーザ等によって参考にされる。
機器効率予測部50が機器効率予測値を求めるときには、機器効率の推移曲線f、及び機器効率の回復量gを用いて次のようにして求める。すなわち、保全スケジュールにおいて今後に予定されている保全作業の実施時期のタイミングで、機器効率の推移曲線f、及び回復量gに合せて機器効率の推移を変化させる。
次いで、コスト予測部51によるエネルギー消費費用予測値の算出について説明する。
コスト予測部51は、保全計画期間の残存期間における見込みのエネルギー需要量と、上述の機器効率予測値とに基づいて、保全計画期間の残存期間における見込みのエネルギー消費量を求める。そして、コスト予測部51は、この見込みのエネルギー消費量と見込みのエネルギー単価とに基づいてエネルギー消費費用予測値を求める。
見込みのエネルギー需要量は、データベース36に格納されている上記エネルギー消費量データに基づいて求められる。すなわち、コスト予測部51は、エネルギー消費量データが示すエネルギー消費量の各々に、当該エネルギー消費量の取得時期に対応した機器効率を乗じ、エネルギー消費量をエネルギー需要量に変換する。これらのエネルギー需要量は、エネルギー消費量と同様に、エネルギー消費設備4のエネルギー需要量の時系列的な推移を示している。そして、コスト予測部51は、これらのエネルギー需要量に基づいて、エネルギー需要量の時系列推移を数式化し、当該数式に基づいて、保全計画期間の残存期間における見込みのエネルギー需要量を求める。
見込みのエネルギー単価は、当初保全計画A0に含まれているエネルギー単価(図4)が用いられる。この場合において、ユーザ等によって入力された値をエネルギー単価として用いてもよい。また、エネルギー費用データによって示されるエネルギー単価の過去の推移に基づいて、保全計画期間の残存期間における見込みのエネルギー単価を求めてもよい。
図5において、保全費用変更部41は、上記保全費用修正機能を実現するものである。
すなわち、保全費用変更部41は、エネルギー消費費用予測値がエネルギー消費費用算出部40から入力された場合、当初保全費用A02において見積もられているエネルギー消費費用(図4)を、このエネルギー消費費用予測値に変更し、変更後の当初保全費用A02を表示部35に出力する。
なお、データベース36に格納されている当初保全計画A0が、変更後の当初保全費用A02に基づいて変更更新されてもよい。
エネルギー消費費用予測値は、機器効率予測値によって建物2における残存期間のエネルギー消費費用が正確に予測されたものであるので、残存期間における保全費用の精度も高められる。
これに加え、エネルギー消費費用予測値の算出においては、保全計画期間の残存期間における見込みのエネルギー需要量も、建物2における過去のエネルギー需要量の推移に基づいて、その予測値が変更されている。したがって、その建物2において見込まれるエネルギー需要量もより正確になるので、エネルギー消費費用予測値がより正確になり、これに伴い、残存期間における保全費用の確度も更に高められる。
費用対効果出力部42は、上記費用対効果出力機能を実現するものであり、保全作業費用実績値とエネルギー消費費用削減量との対比を出力する。
保全作業費用実績値は、エネルギー消費設備4に対して既に行われた1、又は複数の保全作業によって実際に発生した保全作業費用の金額である。保全作業費用実績値は、上述した機器管理台帳データに含まれる修繕コストや、ユーザ入力部34の入力などから取得される。
エネルギー消費費用削減量は、1又は複数の保全作業が行われたことによって見込まれるエネルギー消費費用の削減量である。エネルギー消費費用削減量は、直前の当初保全費用A02において見積もられているエネルギー消費費用と、コスト予測部51によって求められた上記エネルギー消費費用予測値とによって次のように求められる。
図9は、保全計画期間におけるエネルギー消費費用削減量を説明するための概念図である。
同図において、グラフE1は保全作業の実施前における見込みのエネルギー消費費用、すなわち当初保全費用A02で見積もられているエネルギー消費費用を概念的に示したものである。この見込みのエネルギー消費費用は、当初保全計画A0の保全スケジュールに沿って実施される保全作業などの要因により値が変動する。
グラフE2は、時点Dでの保全作業の実施後にエネルギー消費費用算出部40によって算出されたエネルギー消費費用予測値を概念的に示したものである。図示例は、機器効率の回復量gが、当初保全費用A02の見積もり時よりも時点Dの保全作業によって大きく回復し、推移曲線fには変化が無いケースを想定したものである。
エネルギー消費費用削減量は、グラフE1の時間積分値からグラフE2の時間積分値を差し引いた差分値Fに相当する。1または複数の保全作業に費やした費用である保全作業費用実績値に対し、当該保全作業によって得られたエネルギー消費費用の削減効果(費用対効果)のユーザ評価に供する値として、差分値Fであるエネルギー消費費用削減量を保全作業費用実績値で割った値(以下、「費用対効果指標値」という)が費用対効果出力部42によって求められる。
費用対効果出力部42は、費用対効果指標値を表示部35に表示し、ユーザが保全作業の費用対効果を評価可能にする。
なお、ユーザが保全作業の費用対効果を評価できる出力態様であれば、保全作業費用実績値と、エネルギー消費費用削減量との出力態様には任意の態様を採用できる。例えば図9に示すような、保全計画期間におけるエネルギー消費費用削減量の変化を表示してもよい。また、保全作業費用実績のうち、機器効率の変化に関与しない作業費用を区別できる場合には、当該作業費用を除いて出力することで、費用対効果を、より正確に評価できる。
また、費用対効果出力部42は、複数の保全作業が行われている場合には、保全作業ごとに費用対効果指標値や、保全作業費用実績値、及びエネルギー消費費用削減量を出力してもよい。
図5において、保全計画シミュレーション部44は、上記保全計画シミュレーション機能を実現するものであり、保全スケジュール変更部60と、保全費用再算出部61と、単年保全費用算出部62と、を備えている。
保全スケジュール変更部60は、当初保全計画A0の当初保全スケジュールA01を変更するものであり、ユーザ入力変更部64と、自動変更部65とを備える。
ユーザ入力変更部64は、ユーザ入力部34からのユーザ入力に基づいて当初保全スケジュールA01を変更する。この変更内容の例には、保全作業の実施予定時期の変更、保全作業の取り消し、保全作業の追加、保全作業の作業内容の変更が挙げられる。
自動変更部65は、保全計画期間の残存期間における機器効率予測値に基づいて、当初保全スケジュールA01に対し、保全作業の実施予定時期の変更、保全作業の取り消し、及び保全作業の追加を行う。
詳述すると、エネルギー消費設備4に対する保全作業は、エネルギー消費設備4の機器効率が、建物2においてエネルギー消費設備4に要求される機器効率の最低要求値H(図10)以上に維持されればよい。
そこで、自動変更部65は、残存期間におけるエネルギー消費設備4の機器効率予測値を最低要求値H以上で推移させることができる保全スケジュールのうち、保全作業に要するトータルの費用が小さくなる保全スケジュールを、保全作業の実施予定時期の変更、保全作業の取り消し、及び保全作業の追加などを行って求める。
このように求められた保全スケジュールにより、ユーザは、保全作業に要する費用が抑えられる保全スケジュールを簡単に知ることができる。
なお、保全スケジュールの見直しは任意の時期で良いが、好適には機器効率やエネルギー単価あるいは経営環境が変動したときに行うのが効果的である。
図10は、保全スケジュールの変更の説明図である。
同図において、グラフK1は、当初保全スケジュールA01にしたがって保全作業が行われたると仮定した場合のエネルギー消費設備4の機器効率予測値である。また、同図において、機器効率の最低要求値Hは、機器効率初期データA1や当初保全計画A0などのライフサイクル工程において生成される各種ドキュメントのデータ(図6)、或いは、ユーザ入力部34から取得される。
そして同図に示すように、グラフK1において、実施時期J2で予定されている保全作業を取り消しても、グラフK2に示すように機器効率予測値が最低要求値Hを下回らないケースがある。
上述の通り、機器効率予測値は、保全作業の内容に応じた機器効率の推移曲線f、及び回復量gを用いて容易に求められるので、残存期間において、機器効率予測値が最低要求値Hを下回らないように保全作業を予定した保全スケジュールを、最適化手法や総当たり法などの適宜のプログラムアルゴリズムを用いて特定することが可能である。
そこで、自動変更部65は、適宜のプログラムアルゴリズムを用いて、かかる保全スケジュールを特定し、これらの保全スケジュールの各々のうち、保全作業に要する費用の合計値が小さいものを求める。個々の保全作業に要する費用は、上述した当初保全費用A02が含む情報に基づいて特定される。
図5において、保全費用再算出部61は、上記ユーザ入力変更部64または自動変更部65によって変更された後の当初保全スケジュールA01に要する保全費用を算出する。
すなわち、保全費用再算出部61は、エネルギー消費費用算出部40に、変更後の当初保全スケジュールA01に合せた残存期間における機器効率予測値を求めさせ、この機器効率予測値に基づいてエネルギー消費費用予測値を求めさせる。
次いで、保全費用再算出部61は、上記ユーザ入力変更部64または自動変更部65によって変更された後の当初保全スケジュールA01についての保全作業費用を見積もる。そして、保全費用再算出部61は、これらエネルギー消費費用予測値、及び保全作業費用の合算により保全費用を見積もる。
単年保全費用算出部62は、保全計画期間の残存期間における保全費用を、単年ごとに割り当てて、各単年の保全費用を算出する。各単年の開始期間には、年度の初日や、暦の新年の初日が用いられる。
また各単年の保全費用の増減等に係る算出条件がユーザ入力部34から入力されている場合、単年保全費用算出部62は、この算出条件に適合した単年ごとの保全費用を算出する。この算出条件の具体例としては、均等割、及び指定年の予算指定が挙げられる。
均等割は、各単年の単年保全費用を一律にするものであり、残存期間における保全費用を当該残存期間の年数で割った値である。予算指定では、残存期間におけるユーザが指定した年の単年の保全費用の予算が当該ユーザによって指定される。この予算指定では、ユーザが指定した年の予算が当該単年の保全費用に割り当てられ、残余の保全費用が、他の単年の保全費用に例えば均等に割り当てられる。
なお、算出条件としては、これらの他にも、年を追う毎に各単年の保全費用を、ユーザ指定の割合で増加、或いは減少させる増減条件等を用いてもよい。
単年保全費用算出部62は、ユーザが指定した算出条件に応じて単年ごとの保全費用を算出する場合、算出条件に適合した単年ごとの保全費用に合致する保全スケジュールが保全スケジュール変更部60の自動変更部65によって求められる。
これにより、ユーザは、予算計画に合わせた保全スケジュールを簡単に求めることができる。
保全計画シミュレーション部44は、これら保全費用(エネルギー消費費用予測値、及び保全作業費用)、及び年次保全費用を表示部35に出力する。表示部35の表示により、ユーザは、当初保全スケジュールA01を変更した場合、どのように保全費用が変化するかを簡単に検討できる。また、保全計画シミュレーション部44は、エネルギー消費費用予測値に基づくエネルギー消費費用削減量や上記費用対効果指標値を表示部35に表示し、ユーザが保全費用に対するエネルギー消費費用削減量を評価できるようにする。
図11は、保全計画支援システム12を用いた保全計画作業の流れを示す説明図である。
保全計画支援システム12には、先ず、管理対象の建物2についての初期データが設定される(ステップS1)。
この初期データは、少なくとも上述の当初保全計画A0(当初保全スケジュールA01、当初保全費用A02)と、エネルギー消費設備4ごとの保全計画期間に亘る見込みのエネルギー需要量、及び見込みのエネルギー単価とを含む。上述のとおり、この保全計画支援システム12では、見込みのエネルギー需要量、及びエネルギー単価は、当初保全計画A0に予め含まれている。また、上述の機器効率初期データA1も初期データとして設定される。これらのデータは、システム間データ連携部32やユーザ入力部34から入力され、データベース36に格納される。
初期データの設定の後、保全計画支援システム12は、システム間データ連携部32を通じて、建物2のライフサイクルの運用工程に係るドキュメントや電子データを所定の頻度で取得し、当該運用工程に係るデータをデータベース36に蓄積する(ステップS2)。この所定の頻度は、少なくとも保全作業ごとの機器効率の推移曲線f、及び回復量gを算出可能とし、なおかつ、保全計画シミュレーション部44によるシミュレーションを実行するために十分なデータが蓄積される頻度である。
これらのドキュメントや電子データの例には、図5に示したように、BAS8、及びエネルギー管理システム10における保守・点検管理、及びエネルギー管理のドキュメントや電子データが挙げられる。また、ドキュメントや電子データに基づき、図6を参照して説明した保守・点検データ、機器管理台帳データ、エネルギー消費量データ、エネルギー費用データ、及び機器効率データが生成される。
そして、これらのデータに、修繕履歴や機器廃棄履歴、エネルギー消費量の履歴、エネルギー消費費用の履歴、エネルギー単価の履歴、機器効率の履歴の情報がデータベース36に蓄積される。
このステップS2の建物2の運用工程に係るデータ蓄積は、建物2のライフサイクルが運用工程に属する間、継続される。
その後、当初保全計画A0の見直し等の保全計画検討作業がユーザによって保全計画支援システム12を用いて行われる(ステップS3)。
例えば、当初保全費用A02の見直しを図る場合、ユーザは、保全計画支援システム12に、建物2におけるエネルギー消費設備4の実際の機器効率を反映した保全費用を求めさせる。
具体的には、ユーザは、機器効率を反映した保全費用算出の指示をユーザ入力部34から入力する。この指示を受けて保全計画部38のエネルギー消費費用算出部40が、その指示入力の時点、或いはユーザが指定した日時までに既に行われている保全作業ごとに、機器効率の推移曲線f、及び回復量gを求め、これに基づいて、エネルギー消費費用予測値を求め、これを保全費用変更部41、及び費用対効果出力部42に出力する。
次いで、保全費用変更部41が、エネルギー消費費用予測値に基づいて当初保全費用A02を変更し、費用対効果出力部42がエネルギー消費費用予測値に基づいて費用対効果指標値を求める。そして保全計画部38は、変更後の当初保全費用A02や費用対効果指標値を表示部35に出力してユーザに提示する。
これにより、当初保全費用A02よりも正確な保全費用が見積もられ、ユーザは、この保全費用を参考にして、当初保全スケジュールA01の変更を検討できる。
またユーザは、費用対効果指標値に基づいて、保全作業の費用対効果を評価できる。
係る保全費用算出は、機器効率の回復や復元が見込まれる保全作業が行われる都度に行うこともできる。
なお、図11におけるステップS1、及びステップS2は、少なくともステップS3の実行前に行われていればよい。例えば、保全計画支援システム12が、その導入前に既に運用工程に入っている建物2を管理の対象とする場合などには、初期データの設定(ステップS1)、及び運用工程に係るドキュメントの蓄積(ステップS2)を、ステップS3における保全計画検討作業のときまでに、一度にまとめて行ってもよい。
図12、及び図13は、保全費用の算出結果の表示画面の一例を示す図である。
図12に示すように、表示部35には、保全費用が単年(図示例では、単年度)ごとに棒グラフで表示され、また年を重ねるごとの保全費用の累計額が折れ線グラフで示される。各単年の保全費用の棒グラフは、エネルギー消費費用に、エネルギー消費設備4ごとの保全作業費用を積み上げた、いわゆる積み上げ棒グラフによって表示され、ユーザが保全費用の内訳を容易に把握できるようになっている。
また図13に示すように、表示部35には、エネルギー消費設備4ごとに保全作業費用の内訳(保全作業の内容ごとの費用)と、エネルギー消費費用の内訳(エネルギー種別ごとの費用)が表示される。さらに、表示部35には、これらの費用と対比可能に、単年度ごとに、各エネルギー消費設備4の機器効率予測値が表示される。なお、同図に示す例では、各単年の機器効率予測値は、機器効率の初期値で正規化した値(すなわち、機器効率の初期値からみた劣化率)で示されている。
この表示により、ユーザは、保全作業費用、及びエネルギー消費費用と、各単年の機器効率予測値や当該機器効率予測値の推移とを比較考慮して、保全作業の予定の見直しを図ることができる。
また例えば、ユーザは、当初保全スケジュールA01の変更検討作業に、保全計画支援システム12の上述した保全計画シミュレーション機能を用いることもできる。
すなわち、ユーザは、当初保全スケジュールA01で予定されている保全作業の実施時期や内容、或いは単年ごとの保全費用などの変更をユーザ入力部34から入力する。
保全計画部38の保全計画シミュレーション部44は、係る変更に基づいて、変更後の当初保全スケジュールA01の保全費用を求め、表示部35に表示する。これにより、当初保全スケジュールA01に対するユーザの変更に応じた保全費用、及び機器効率予測値が、例えば図12、及び図13の表示例のように表示される。
以上説明したように、本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、本実施形態の保全計画支援システム12では、建物2におけるエネルギー消費設備4のエネルギー消費に係る計測データに基づいて算出された機器効率を用いて、その後のエネルギー消費費用が求められている。
したがって、保全計画期間の残存期間におけるエネルギー消費費用の予測値が正確になり、保全費用の精度が高められる。
また保全計画支援システム12では、保全計画期間の残存期間における見込みの機器効率が、それまでの機器効率の推移に基づいて求められている。
したがって、保全計画期間の残存期間における機器効率が、より正確に予測される。
また保全計画支援システム12では、保全作業によって削減が見込まれるエネルギー消費費用の削減量(エネルギー消費費用削減量)と、保全作業費用実績値とを表示部35に表示して対比できるようにしている。
したがって、ユーザは、係る表示により、保全作業の費用対効果を容易に把握できる。
また保全計画支援システム12では、当初保全スケジュールA01の変更を受け付け、変更後の当初保全スケジュールA01に要する保全費用を算出している。
したがって、ユーザは、保全スケジュールの変更後の保全費用を容易にシミュレーションでき、保全作業(修繕、更新、補修、点検など)の最適なタイミングを、保全費用や機器効率に基づいて評価できる。このとき、保全費用のエネルギー消費費用は、上述したように正確な値であるので、シミュレーションによる保全費用も正確なものになる。
また保全計画支援システム12は、エネルギー消費設備4に対する保全作業の実施によって生じた機器効率の変化を蓄積し、この蓄積に基づいて、当初保全スケジュールA01において予定されている保全作業の予定時期、又は予定回数を、機器効率が最低要求値Hを下回らないように変更する構成(自動変更部65)を備えている。
したがって、ユーザは、エネルギー消費設備4の機器効率を少なくとも最低要求値H以上に維持できる当初保全スケジュールA01を容易に知ることができる。
また保全計画支援システム12では、保全計画期間の残存期間における保全費用を、ユーザが指定した算出条件に合わせて各単年に割り当てる構成(単年保全費用算出部)を備えている。
したがって、ユーザは、係る表示により、保全作業の費用対効果を容易に把握できる。
また保全計画支援システム12は、エネルギー消費設備4のエネルギー消費を管理するエネルギー管理システム10によって算出された機器効率を取得している。
したがって、保全計画支援システム12は、機器効率の算出に要する各種の計測データの取得のためにエネルギー消費設備4を計測する必要がなく、構成が簡単になり、また、機器効率をリアルタイムにエネルギー管理システム10から取得できる。また、エネルギー管理システム10と保全計画支援システム12とを備えるシステムは、保全計画の支援を包括したライフサイクルエネルギーマネージメントシステム、すなわち、従前のエネルギー管理システムを拡張したシステムとも言える。
また保全計画支援システム12は、エネルギー管理システム10に加え、BIMシステム6、及びBAS8と連携し、これらの各システムが管理しているデータをデータベース36に格納し、一元的に管理している。特に、データベース36には、建物2のライフサイクルの各工程で作成されるドキュメント、及び電子データが格納されるので、建物2の設計から施工、運用及び廃棄に至るまでの一貫した情報管理が実現される。また、これらのデータ、及び保全計画に基づき、ユーザは、建物2のライフサイクルにおける費用を統合的に検討することができる。
なお、ライフサイクルの各工程において発生する二酸化炭素(CO)発生量を示すデータをデータベース36に格納し、ユーザがライフサイクルの費用を検討する再に、二酸化炭素発生量を統合して検討できるようにしてもよい。
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様の例示であり、本発明の要旨の範囲において任意に変形、及び応用が可能である。
上述した実施形態では、建物2のエネルギー消費設備4のエネルギー消費に係る計測データをBAS8が収集する構成としたが、これに限らず、例えばエネルギー管理システム10や保全計画支援システム12が行ってもよい。
また、これらの計測データに基づいて、エネルギー管理システム10が機器効率を算出する構成としたが、保全計画支援システム12が計測データに基づいて機器効率を算出してもよい。この場合、機器効率の算出は、図11のステップS2において、計測データが蓄積されるごとに適宜のタイミングで行われる。
上述した実施形態では、保全計画支援システム12は、保全計画期間の残存期間における機器効率を予測し、当該機器効率の予測に基づいて、エネルギー消費費用を求めた。
しかしながら、機器効率の現在値(最新の算出値)に基づいて、保全計画期間の残存期間におけるエネルギー消費費用を求めてもよい。
詳述すると、上述のとおり、エネルギー消費費用は、エネルギー需要量とエネルギー単価、及び機器効率とによって求められる。仮に、残存期間におけるエネルギー需要量とエネルギー単価とが当初の保全計画の策定時と同じとすれば、見込みのエネルギー消費費用は、保全計画の策定時の機器効率初期値と現在値との比率に応じて増減する。この比率は、エネルギー消費設備4の当初の機器効率を基準とした劣化率にも相当する。このように、保全計画支援システム12は、機器効率初の最新の算出値と、機器効率初期値との比率を求めることで、エネルギー消費費用を簡単に求めることもできる。
上述した実施形態では、保全計画支援システム12は、建物2(エネルギー消費設備4の各々)におけるエネルギー消費量の計測データに基づいて、保全計画期間の残存期間における見込みのエネルギー需要量を求めた。しかしながら、この見込みのエネルギー需要量に代えて、当初保全計画A0に含まれている見込みのエネルギー需要量(図4)を用いてもよい。
上述した実施形態において、BAS8が保全計画支援システム12を包含してもよい。この場合、例えば、BAS8の中央監視装置16が保全計画支援システム12の各部を備えて構成される。
保全計画支援システム12の機能的構成を示す図5は、本願発明を理解容易にするために、当該保全計画支援システム12の機能構成を主な処理内容に応じて分類して示した概略図である。したがって、保全計画支援システム12の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
1 建物管理システム
2 建物
3 建築設備
4 エネルギー消費設備
6 BIMシステム
8 BAS
10 エネルギー管理システム
12 保全計画支援システム
22 エネルギー管理装置
24 機器効率算出部(機器効率取得部)
25 EMSデータベース
32 システム間データ連携部(保全計画取得部、機器効率取得部、保全作業費用取得部)
34 ユーザ入力部(算出条件入力部)
36 データベース
38 保全計画部
40 エネルギー消費費用算出部
41 保全費用変更部(保全費用出力部)
42 費用対効果出力部
44 保全計画シミュレーション部
50 機器効率予測部
51 コスト予測部
60 保全スケジュール変更部
61 保全費用再算出部
62 年保全費用算出部
64 ユーザ入力変更部
65 自動変更部
A0 当初保全計画
A01 当初保全スケジュール
A02 当初保全費用
A1 機器効率初期データ
f 機器効率の推移曲線
g 機器効率の回復量

Claims (8)

  1. エネルギー消費設備が設けられた建物の複数年に亘る計画期間の保全スケジュール、及び保全費用を含む保全計画を取得する保全計画取得部と、
    前記建物における前記エネルギー消費設備のエネルギー消費に係る計測データに基づいて算出された前記エネルギー消費設備の機器効率を取得し、或いは前記エネルギー消費に係る計測データに基づいて前記エネルギー消費設備の機器効率を算出する機器効率取得部と、
    前記機器効率取得部によって取得、或いは算出された機器効率に基づいて、前記エネルギー消費設備のエネルギー消費によるエネルギー消費費用を求めるエネルギー消費費用算出部と、
    前記エネルギー消費費用算出部によって求められたエネルギー消費費用に基づく前記保全費用を出力する保全費用出力部と、
    を備えることを特徴とする保全計画支援システム。
  2. 前記計画期間の残存期間における見込みの機器効率を、前記機器効率の推移に基づいて求める機器効率予測部を備え、
    前記エネルギー消費費用算出部は、
    前記機器効率予測部によって求められた見込みの機器効率に基づいて、前記エネルギー消費費用を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載の保全計画支援システム。
  3. 前記エネルギー消費設備に対して行われた保全作業に要した保全作業費用実績値を取得する保全作業費用取得部と、
    前記保全作業によって削減が見込まれるエネルギー消費費用の削減量を、前記エネルギー消費費用算出部によって求められたエネルギー消費費用に基づいて算出し、前記保全作業費用実績値、及び前記削減量を出力する費用対効果出力部と、
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の保全計画支援システム。
  4. 前記保全スケジュールを変更する保全スケジュール変更部と、
    前記保全スケジュール変更部によって変更された保全スケジュールに要する保全費用を算出する保全費用算出部と、
    を備える特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の保全計画支援システム。
  5. 前記保全スケジュール変更部は、
    前記エネルギー消費設備に対する保全作業の実施によって生じた前記機器効率の変化に基づいて、前記保全スケジュールにおいて前記エネルギー消費設備に予定されている当該保全作業の予定時期、又は予定回数を変更する
    ことを特徴とする請求項4に記載の保全計画支援システム。
  6. 前記計画期間の単年ごとの保全費用の算出条件の入力を受け付ける算出条件入力部を備え、
    前記算出条件には、指定の単年の予算、又は単年ごとの前記保全費用の増減条件が含まれており、
    前記保全費用算出部は、
    前記計画期間の残存期間における保全費用を、前記算出条件に合わせて各単年に割り当てる
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の保全計画支援システム。
  7. 前記機器効率取得部は、
    前記エネルギー消費設備のエネルギー消費を管理するエネルギー管理システムによって算出された機器効率を取得する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の保全計画支援システム。
  8. エネルギー消費設備が設けられた建物の複数年に亘る計画期間の保全スケジュール、及び保全費用を含む保全計画を取得する第1ステップと、
    前記建物における前記エネルギー消費設備のエネルギー消費に係る計測データに基づいて算出された前記エネルギー消費設備の機器効率を取得し、或いは前記エネルギー消費に係る計測データに基づいて前記エネルギー消費設備の機器効率を算出する第2ステップと、
    前記第2ステップにおいて取得、或いは算出された機器効率に基づいて、前記エネルギー消費設備のエネルギー消費によるエネルギー消費費用を求める第3ステップと、
    前記第3ステップにおいて求められたエネルギー消費費用に基づく前記保全費用を出力する第4ステップと、
    を備えることを特徴とする保全計画支援方法。
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