JP6487675B2 - 多結晶シリコンインゴット製造方法、多結晶シリコンインゴットの用途の製造方法及び多結晶シリコンインゴット - Google Patents

多結晶シリコンインゴット製造方法、多結晶シリコンインゴットの用途の製造方法及び多結晶シリコンインゴット Download PDF

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Description

本発明は、多結晶シリコンインゴット製造方法、多結晶シリコンインゴットの用途の製造方法及び多結晶シリコンインゴットに関する。
地球環境に様々な問題を引き起こしている石油などの代替として自然エネルギーの利用が注目されている。その中でも太陽電池は大きな設備を必要とせず、稼働時に騒音などを発生しないことから、日本や欧州などで特に積極的に導入されてきている。
カドミウムテルルなどの化合物半導体を用いた太陽電池も一部で実用化されているが、物質自体の安全性やこれまでの実績、またコストパフォーマンスの面から、結晶シリコン基板を用いた太陽電池が大きなシェアを占め、その中でも多結晶シリコン基板を用いた太陽電池(多結晶シリコン太陽電池)が大きなシェアを占めている。
多結晶シリコン太陽電池の基板として一般的に広く用いられている多結晶シリコンウェハは、坩堝内で溶融シリコンを一方向凝固させて大きな多結晶シリコンインゴットを得るキャスト法と呼ばれる方法で製造したインゴットをブロックに切り出し、スライスによりウェハ化したものである。
キャスト法で製造した多結晶シリコンウェハは、インゴットまたはブロック内の高さ方向の位置により、一般的に図8に示すような太陽電池の出力特性に分布を有している。
図8の特性分布が生じる原因は一般的に以下のように説明されている。まず一方向凝固の初期の領域Iでは、坩堝から拡散した不純物の影響により特性低下が起こる。その上部側の領域IIでは、偏析による原料中の不純物の結晶中への取り込みや結晶欠陥の発生が少ないために、ブロック中で最も特性が良好となる。さらに上部側の領域IIIでは、結晶中に取り込まれる不純物量が徐々に増えることに加え、結晶欠陥が増加し、領域IIよりも特性が低下する。さらに上部側の領域IVでは、領域IIIと同様に、結晶中に取り込まれる不純物量や結晶欠陥がさらに増加することに加えて、インゴットが最後まで凝固した後に、最上部表面部分にできた不純物の高濃度部分から不純物の逆拡散が起こり、さらに不純物量が増加するために、領域IIIよりもさらに特性低下が顕著になる。
上記の説明では、原料中の不純物や坩堝から溶出する不純物の影響を考慮しているが、仮にそれらの影響がない場合でも、領域IIIおよびIVでは、上部に向かうにしたがって少数キャリアトラップとなる結晶欠陥が徐々に増加するために、太陽電池の特性は低下する傾向にある。
従来、多結晶シリコンインゴットの高品質化には結晶粒径を大きくし、単結晶に近づける方法が提案されてきたが、近年になって、例えば特許文献1に記載の通り、逆に結晶粒径が小さな方が結晶欠陥の増殖を抑制でき、全体として太陽電池用インゴットとして好ましいことがあきらかとなってきた。
本発明者はこれまでに、多結晶シリコンインゴットの成長開始時の温度変化率を小さく設定することでシリコンの初期核発生を促し、小さな結晶粒径の多結晶シリコンインゴットを成長させる方法を提案してきた(特許文献1)。
本発明者はまた、多結晶シリコンインゴット鋳造用鋳型の底板部上面にシリコン結晶の核発生を促すように粒を配置する方法もこれまでに提案してきた(特許文献2)。
また特許文献3、4では、多結晶シリコンインゴット鋳造用鋳型の底に核発生促進層(a nucleation promotion layer)をのせ、その上にシリコン原料を装填し、少なくとも一つの熱的なパラメーターを制御する方法が提案されている。核発生促進層としては、粒子がランダムジオメトリーをもち、サイズが50mm未満の複数の結晶粒子、および融点が1400℃より高い材質からなり、シリコン融液との界面の粗さが300ミクロンから1000ミクロンの板が具体例として提案されている。
特開2013−129580号公報 特開2013−177274号公報 米国特許出願公開第2013−0136918号明細書 米国特許出願公開第2014−0127496号明細書
特許文献1、2に記載の方法でもこれまでに良好な結果が得られているが、さらに製造の際の制御が容易な多結晶シリコンインゴットの製造方法が望まれる。
また特許文献3、4に記載の核発生促進層の例として、粒子がランダムジオメトリーをもち、サイズが50mm未満の複数の結晶粒子の場合には、部分的に核発生が促進され、高品質な多結晶シリコンが成長するものの、面内で均一ではなく、再現性も確保できないという問題がある。
また核発生促進層として直径数mm程度の細かい結晶粒子を用いた場合には、シリコン結晶がシリコン融液よりも比重が小さいために容易に液面に浮き上がり、核発生促進層としての役割を果たさないこともあり、この場合も再現性に問題があるようである。
また特許文献3,4に記載の核発生促進層の例として、融点が1400℃より高く、シリコン融液との界面の粗さが300ミクロンから1000ミクロンの板を用いた場合、板とシリコン融液との濡れ性や、板とシリコン融液との界面の特徴的な変化の周期(波長のようなもの)によっては必ずしも核発生が促進されるわけではなく、この方法でも再現性という面で問題がある。またここで核発生促進層として用いられた板が部分的に溶融するような例えばシリコンのような材質の場合には、該板とシリコン融液との界面の粗さ(roughness)が測定出来ず、制御出来ないという問題もある。
本発明は、上記問題に鑑み、結晶欠陥密度が低く、太陽電池用インゴットとして好ましい高品質の多結晶シリコンインゴットを制御性よく製造可能な多結晶シリコンインゴット製造方法を提供し、それにより低価格で高品質の多結晶シリコンインゴットおよびその用途を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、坩堝中の溶融シリコンを坩堝の底部から上部に一方向凝固させて多結晶シリコンインゴットを製造する際、多結晶シリコンインゴット鋳造用鋳型の底板部上面に、特定の特徴を有するシリコン塊を配置し、該シリコン塊から多結晶シリコンを成長させることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
かくして、本発明によれば、坩堝底板上面に平均結晶粒径が15mm以下の多結晶シリコン塊を配置し、その後シリコン原料を坩堝内に投入し、投入されたシリコン原料を溶融させてから一方向凝固させて多結晶シリコンインゴットを得る結晶シリコンインゴット製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記多結晶シリコンインゴット製造方法により製造された多結晶シリコンインゴットを用いて、多結晶シリコンブロック、多結晶シリコンウェハ及び太陽電池から選ばれる用途を得る多結晶シリコンインゴットの用途の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、一方向凝固させた多結晶シリコンインゴットであって、一方向凝固させた方向において結晶粒界が不連続となる部分を複数含む境界部を備える多結晶シリコンインゴットが提供される。
本明細書において「多結晶シリコン塊の平均結晶粒径」とは、多結晶シリコン塊の外観的な大きさを意味するのではなく、坩堝底板上に並べた際に坩堝底板に垂直な方向(通常上方)から見た、多結晶シリコン塊の中に存在する一つあるいは複数の結晶領域の結晶学的な大きさの平均値を意味する。
多結晶シリコン塊の平均結晶粒径の測定方法は、例えば、求めたい多結晶シリコン塊全体を観察し、結晶粒の数をカウントし、それらが占めている面積から求めることが可能である。より簡便には、多結晶シリコン塊の写真上などに適切な長さの線分を引き、その線分内に含まれる結晶粒界の数をカウントすることで近似的な平均結晶粒径を求めることも可能である。
また、本明細書において「太陽電池」とは、最小ユニットを構成する「太陽電池セル」およびその複数個を電気的に接続した「太陽電池モジュール」を意味する。
本発明によれば、結晶欠陥密度が低く、太陽電池用インゴットとして好ましい高品質の多結晶シリコンインゴットを制御性よく製造することが可能となる。また該多結晶シリコンインゴットに加工、処理を行うことで、高品質の多結晶シリコンブロック、多結晶シリコンウェハ、多結晶シリコン太陽電池を低価格で市場に供給することが可能となる。
実施の形態の多結晶シリコンインゴット製造方法の基本的工程を説明するための概略構造を示す断面図である。 実施の形態の多結晶シリコンインゴット製造方法の基本的工程を説明するための概略構造を示す断面図である。 実施の形態の多結晶シリコンインゴット製造方法の基本的工程を説明するための概略構造を示す断面図である。 実施の形態の多結晶シリコンインゴット製造方法の基本的工程を説明するための概略構造を示す断面図である。 実施の形態の多結晶シリコンインゴットの概略構造を示す要部断面図である。 実施の形態の多結晶シリコンインゴットの製造方法に用いられる装置の一例を示す概略断面図である。 実施例1〜10及び比較例における多結晶シリコン塊の平均結晶粒径と太陽電池セル出力ランク1〜3の発生率との関係を示すグラフである。 一般的な多結晶シリコンインゴットの高さ方向の位置と作製した太陽電池の出力との関係を示す概念図である。
以下に、本発明による実施の形態の多結晶シリコンインゴット製造方法、多結晶シリコンブロック、多結晶シリコンウェハ及び太陽電池の製造方法及び多結晶シリコンインゴットについて、図を参照して説明する。
図1〜4は、本実施の形態の多結晶シリコンインゴット製造方法を説明するための概略構造を示す断面図である。図1〜4において、1は多結晶シリコン塊であり、2はシリコン原料であり、3は坩堝であり、4は一方向凝固させた多結晶シリコンである。
本実施の形態の多結晶シリコンインゴット製造方法は、坩堝3底板上面に平均結晶粒径が15mm以下の多結晶シリコン塊1を配置し、その後シリコン原料2を坩堝3内に投入し、投入されたシリコン原料を溶融させてから一方向凝固させて多結晶シリコンインゴットを得るというものである。
一連の基本的な工程を説明すれば、まず、図1に示すように、坩堝3の底板の上面に、平均結晶粒径が15mm以下の多結晶シリコン塊1を配置し、坩堝3内にシリコン原料2を投入する。
次に、図2に示すように、坩堝3内に投入されたシリコン原料2を溶融させるように加熱する。ここで、多結晶シリコン塊1を完全に溶融させずに、多結晶シリコン塊1の少なくとも一部を残す状態とする。
引き続き、図3に示すように、溶融させたシリコン原料2を坩堝3の底板側から上方に向かうように冷却して、図3の矢印方向に多結晶シリコン4を凝固させ、多結晶シリコン4を坩堝3の底板側から一方向凝固させる。ここで、溶け残った多結晶シリコン塊1のそれぞれの結晶粒からその結晶粒の方位を受け継いだエピタキシャル成長する傾向が高いため、初期に成長する多結晶シリコン4の平均結晶粒径は、坩堝3底板上面に配置した多結晶シリコン塊1の平均結晶粒径とほぼ同等になる傾向がある。従って、多結晶シリコン塊1として、平均結晶粒径が15mm以下のものを用いることで、ほぼ同等の結晶粒径の多結晶シリコン4の成長が可能となる。
この後、図4に示すように、溶融させたシリコン原料2の上面まで凝固するまで、冷却を行う。
このように、多結晶シリコン塊1として、平均結晶粒径が15mm以下のものを用いることで、ほぼ同等の結晶粒径の多結晶シリコン4の成長が可能となり、結晶欠陥密度が低く、太陽電池用インゴットとして好ましい高品質の多結晶シリコンインゴットを制御性よく製造することが可能となる。
本実施の形態の多結晶シリコンインゴット製造方法により製造された多結晶シリコンインゴットにおいては、その要部断面図である図5に示すように、多結晶シリコン塊1の全ての結晶粒でエピタキシャル成長が起こるわけではないため、多結晶シリコン塊1と一方向凝固させた多結晶シリコン4との界面部分の断面を観察すると、結晶粒が不連続になっている部分A,B,Cが見られ、この点が本実施の形態の多結晶シリコンインゴットの特徴となる。なお、図5は、一方向凝固させた方向において結晶粒界が不連続となる部分を複数含む境界部を含む部分を示している。
多結晶シリコン塊1としては、多結晶シリコンインゴットの一部または全部を用いることが出来る。例えばキャスト法を用いて製造した、高さが200mm以上あるような多結晶シリコンインゴットから切り出した太陽電池用多結晶シリコンインゴット一部でもよいし、同様にキャスト法を用いて製造した高さが10mm程度の多結晶シリコンインゴットの一部あるいは全部を用いてもよい。
その他にも、例えばシリコン融液にシリコン成長用基板を接触させ、成長させた多結晶シリコンインゴットや、シリコンの融点以下の材料にシリコン融液を注湯して固化させた多結晶シリコンインゴット、シリコンの粒をヒーターやレーザーなどのエネルギー照射により部分的、あるいは全体を融解し、固化させた多結晶シリコンインゴットなどを用いることも可能である。
またその中でも、キャスト法(シリコン融液の一方向凝固)により得られた多結晶シリコンの一部を用いる場合、底部が多結晶シリコン塊1としてより望ましい。ここで、底部とは、多結晶シリコンインゴットの底面から高さ方向3分の1以内から切り出した部分である。
底部の中でも、特に底(ボトム)面に平行な方向に切り出した多結晶シリコン塊が結晶粒径の観点からより適しており、さらに太陽電池用には用いないボトム側端材を用いるのが最も好ましい。その理由は、ボトム側端材は本来太陽電池用としては使用しない部分であるだけでなく、結晶粒径の観点からも適しており、かつ転位などの結晶欠陥も少ないことから、高品質の多結晶シリコンインゴットの成長起点となるのに最適であるからである。
本実施の形態の多結晶シリコンインゴットの製造方法に利用できる多結晶シリコンインゴット製造装置は、特に限定されるわけではなく、公知の製造装置を用いて実施できる。但し、サイドヒータ型とトップヒータ型とでは、坩堝上下方向の温度分布をつけやすいことからトップヒータ型の方がより適している。サイドヒータでも坩堝底からの抜熱とヒータからの入熱のバランスを考慮することで使用することは可能である。
(多結晶シリコンインゴットの製造方法)
本実施の形態の多結晶シリコンインゴットの製造方法について、以下に図面に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
本実施の形態の多結晶シリコンインゴットの製造方法は、図6に示されるような公知の装置を用いても実施することができる。
図6は、本実施の形態の多結晶シリコンインゴットの製造方法に用いられる装置の一例を示す概略断面図である。
この装置は、一般に多結晶シリコンインゴットを製造するために使用され、抵抗加熱炉を構成するチャンバー(密閉容器)9を有している。
チャンバー9の内部には、黒鉛製、石英(SiO2)製などの坩堝3が配置され、チャンバー9の内部の雰囲気を密閉状態で保持できるようになっている。
坩堝3が収容されるチャンバー9内には、坩堝3を支持する、黒鉛製の坩堝台6が配置されている。坩堝台6は、昇降駆動機構14により昇降が可能であり、その内部には冷却槽13内の冷媒(冷却水)が循環されるようになっている。
坩堝台6の上部には、黒鉛製などの外坩堝5が配置され、その中に坩堝3が配置されている。外坩堝5の代わりに、坩堝3を取り囲むような黒鉛製などのカバーが配置されていてもよい。
外坩堝5を取り囲むように、黒鉛ヒータのような抵抗加熱体12が配置され、さらにこれらを上方から覆うように、断熱材10が配置されている。
抵抗加熱体12は、坩堝3の周囲から加熱して、坩堝3内のシリコン原料2を融解させることができる。
抵抗加熱体12による加熱、上記の冷却槽13による坩堝3下方からの冷却および昇降駆動機構14による坩堝3の昇降により、坩堝内での上下方向の温度分布をつけることが出来、坩堝底板上に配置した多結晶シリコン塊の一部または全部を残して、シリコン原料を融解させることが可能であれば、発熱体などの加熱機構の形態や配置は特に限定されない。
坩堝3の底面の温度を検出するために、坩堝3下面中央近傍に坩堝下熱電対7が、外坩堝5下面の中央近傍に外坩堝下熱電対8がそれぞれ配置され、これらの出力を制御装置11に入力し、抵抗加熱体12による加熱状態を制御する。上記の熱電対以外にも温度を検出するための熱電対や放射温度計が配置されていてもよい。
チャンバー9は、外部の酸素ガス、窒素ガスなどが流入しないように、その内部を密閉状態に保持でき、通常、多結晶シリコンなどのシリコン原料を投入した後でその溶融前に、チャンバー9内を真空にし、その後アルゴンガスなどの不活性ガスを導入して、不活性な雰囲気に保持する。
このような構成の装置により、基本的に、坩堝3へのシリコン原料2の充填、脱気(真空化)および不活性ガスの導入によるチャンバー9内のガス置換、加熱によるシリコン原料2の溶融、溶融確認とその保持、温度制御および昇降駆動機構14の動作による凝固開始、固化完了確認およびアニールならびにインゴット取り出しの工程により、多結晶シリコンインゴットを製造する。
図1〜4に本実施の形態の多結晶シリコンインゴット製造方法における、坩堝3内部をの簡略化して示す断面図を示す。まず図1の通り、坩堝3の底板上に平均結晶粒径が15mm以下の多結晶シリコン塊1を配置し、その上にシリコン原料2を充填する。装置内の脱気(真空化)及び不活性ガス置換の後、坩堝3上部が下部よりも温度が高くなるように加熱、抜熱等制御し、前記多結晶シリコン塊の一部または全部を残してシリコン原料を溶融する(図2)。その後、下方から一方向凝固を行い(図3)、全体を凝固させる(図4)。その後、アニールを行い、高品質の多結晶シリコンインゴットを制御性よく得ることが可能である。なお、坩堝3の底板上に配置する多結晶シリコン塊1は、必ずしも坩堝3底板に接触するように配置する必要はなく、該多結晶シリコン塊1から結晶成長が始まるよう配置されていればよい。
(多結晶シリコンインゴット)
本実施の形態の多結晶シリコンインゴットは、本実施の形態の多結晶シリコンインゴット製造方法により製造される。本実施の形態の多結晶シリコンインゴットは、平均結晶粒径が15mm以下の多結晶シリコン塊から部分的にエピタキシャル成長するため、結晶粒の構造に特徴を有する。結晶成長の核となった多結晶シリコン塊と、その上に成長した多結晶シリコンの界面近傍の境界部の結晶状態の様子を示す概略図を図5に示す。図5から明らかな通り、上記界面部分の断面観察した場合、界面部分で結晶構造に不連続が存在する。これは多結晶シリコン塊の結晶粒全てに対して必ずしも同一方位の結晶がエピタキシャル成長するわけではないためである。
従来の多結晶シリコンインゴットにおいても各結晶粒が同一結晶方位のまま結晶成長するわけではなく、例えば(111)面のずれによるΣ3粒界で結晶構造に不連続が起こることがある。ただしこの場合には、各結晶粒内で独立して起こるため、広い領域にわたって不連続が発生するわけではなく、本発明の多結晶シリコンインゴットとは明らかに異なっている。
また、結晶成長の過程で組成的過冷却が起こった場合、液相中で細かいシリコン結晶核が発生し、既に成長した結晶粒表面に結晶粒方位とは無関係に固着する。この場合には、組成的過冷却条件となった広い領域にわたって、結晶構造に不連続が確認されるが、この場合も本発明の多結晶シリコンインゴットとは明らかに異なっている。
したがって、本実施の形態の多結晶シリコンインゴットにおいて、上記界面部分(境界部)での結晶構造の不連続性は、上述のΣ3に起因するものでないと共に、上述の組成的開冷却に起因するものでもない。
(多結晶シリコンブロック)
本実施の形態の多結晶シリコンブロックは、本実施の形態の多結晶シリコンインゴットを加工することにより得られる。
多結晶シリコンブロックは、例えば、バンドソーなどの公知の装置を用いて、本実施の形態の多結晶シリコンインゴットにおいて坩堝材料などの不純物が拡散されているおそれのある表面部分を切断加工することにより得ることができる。
また、必要に応じて、多結晶シリコンブロックの表面を研磨加工してもよい。
(多結晶シリコンウェハ)
本実施の形態の多結晶シリコンウェハは、本実施の形態の多結晶シリコンブロックを加工することにより得られる。
多結晶シリコンウェハは、例えば、マルチワイヤーソーなどの公知の装置を用いて、本実施の形態の多結晶シリコンブロックを所望の厚さにスライス加工することにより得ることができる。現状では、厚さ170〜200μm程度が一般的であるが、傾向としてはコスト削減のため、薄型化の傾向にある。
また、必要に応じて、多結晶シリコンウェハの表面を研磨加工してもよい。
(多結晶シリコン太陽電池)
本実施の形態の多結晶シリコン太陽電池は、本実施の形態の多結晶シリコンウェハを用いて製造される。
多結晶シリコン太陽電池セルは、例えば、本実施の形態の多結晶シリコンウェハを用いて、公知の太陽電池セルプロセスにより製造することができる。すなわち、公知の材料を用いて、公知の方法により、p型の不純物がドープされたシリコンウェハの場合、n型の不純物をドープしてn型層を形成してpn接合を形成し、表面電極および裏面電極を形成して多結晶シリコン太陽電池セルを得る。同様に、n型の不純物がドープされたシリコンウェハの場合、p型の不純物をドープしてp型層を形成してpn接合を形成し、表面電極および裏面電極を形成して多結晶シリコン太陽電池セルを得る。あるいは、これらシリコン同士のpn接合を利用したものの他にも、薄い絶縁層を挟んで金属を蒸着するなどしたMIS型太陽電池、たとえば多結晶シリコンウェハと反対の導電型のアモルファスなどのシリコン薄膜を製膜し、異なる構造のp型、n型シリコンヘテロ接合を利用したものなどがある。また、その複数個を電気的に接続して、多結晶シリコン太陽電池モジュールを得る。
上記のように、本明細書においては、「太陽電池セル」と「太陽電池モジュール」とを含む概念として、単に「太陽電池」と称する。したがって、例えば、「多結晶シリコン太陽電池」と記載されたものがあれば、それは「多結晶シリコン太陽電池セル」および「多結晶シリコン太陽電池モジュール」を含む意味となる。
以下に実施例及び比較例についてより具体的に説明するが、これらの例により本発明が限定されるものではない。
(実施例1〜10)多結晶シリコン塊の平均結晶粒径に関する検討
図6に示される多結晶シリコンインゴット製造装置内の黒鉛製坩堝台6(880mm×880mm×厚さ200mm)上に、黒鉛製外坩堝5(内寸:900mm×900mm×高さ460mm、底板肉厚および側面肉厚20mm)を設置し、その中に石英製坩堝3(内寸:830mm×830mm×420mm、底板肉厚および側面肉厚22mm)を設置した。また、温度測定用の熱電対を、坩堝3下面中央近傍および外坩堝5下面中央近傍の2ヵ所に設置した。
次いで、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、実施例9及び実施例10の多結晶シリコン塊1を坩堝3の底板上に並べた後、インゴットの比抵抗が約1.5Ωcmになるようにホウ素ドーパント濃度を調整した原料シリコン4の420kgを坩堝3にチャージした後、装置内を真空引きし、アルゴンガスで置換した。その後、加熱機構(黒鉛ヒータ12)を用いてシリコン原料を融解し、底板上に配置した多結晶シリコン塊1が部分的に溶融するまで加熱後、坩堝3下方向からの冷却を開始し、坩堝3下方から上方に向けて一方向凝固を行い、多結晶シリコン4を成長させた。その後、約1200℃で2時間アニールし、100℃/時間の冷却速度で降温させ、装置から多結晶シリコンインゴットを取り出した。なお。実施例1〜10で用いた多結晶シリコン塊1は、キャスト法にて、シリコン融液を下部から上部へ一方向凝固して得られた多結晶シリコンインゴットのボトム部分から、底面に平行な方向に切り出した(インゴットの高さ方向)13mm厚程度のものを用いた。また比較例として、多結晶シリコン塊1を完全に溶融させ、これ以外は上記実施例1〜10同様にして作製した場合の多結晶シリコンインゴットとした。
上述のようにして得られた実施例1〜10及び比較例の多結晶シリコンインゴットのそれぞれを、バンドソーを用いてブロック(156mm×156mm×220mm)に加工し、さらにワイヤーソーを用いてスライスして、各多結晶シリコンインゴットから多結晶シリコンウェハ(156mm×156mm×厚さ0.18mm)約16,000枚を得た。
得られた多結晶シリコンウェハを通常の太陽電池セルプロセスに投入して、1つのインゴット当たり16,000個の太陽電池セルを作製し、その出力(W)を測定した。
各太陽電池セルを高出力側から以下の通りランク1〜3に分類し、各インゴット毎にその存在割合(%)を算出した。
ランク1:出力100以上(ランク1の下限出力を100として以下規格化)
ランク2:出力93以上100未満
ランク3:出力93未満
得られた結果を表1および図7に示す。
Figure 0006487675
表1および図7から明らかなように、今回の実施例の範囲では、多結晶シリコン塊の平均結晶粒径が小さいほど高ランク品(高出力品)の発生率が高く、インゴット品質が良好であることがわかる。
多結晶シリコン塊の平均結晶粒径が15mmよりも小さい場合には、完全溶融後に一方向凝固を始めた比較例よりもわずかに良好な結果が得られたが、平均結晶粒径が25mmでは比較例と同等であり、効果が見られなかった。従って、多結晶シリコン塊の平均結晶粒径が0.1mm以上15mm以下の範囲で比較例よりも良好な結果が得られた。平均結晶粒径8.6mm以下ではさらに良好な結果が得られ、平均結晶粒径が0.1mm以上であれば、5.2mm以下、3.1mm以下、2mm以下、1mm以下、0.3mm以下と小さくなるほど良好な結果が得られた。
出力が良好な太陽電池セルを用いることで、それらを複数配列した太陽電池モジュールでも良好な特性が得られる。
今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 多結晶シリコン塊
2 シリコン原料
3 坩堝
4 多結晶シリコン

Claims (5)

  1. 坩堝底板上面に平均結晶粒径が15mm以下であって多結晶インゴットの一部を切り出した板状の多結晶シリコン塊を配置し、その後シリコン原料を坩堝内に投入し、投入されたシリコン原料を溶融させてから一方向凝固させて多結晶シリコンインゴットを得る、多結晶シリコンインゴット製造方法。
  2. 前記多結晶シリコン塊として、シリコン融液の一方向凝固により得られた多結晶シリコンインゴットの底部を用いる、請求項1に記載の多結晶シリコンインゴット製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の多結晶シリコンインゴット製造方法により製造された多結晶シリコンインゴットを用いて、多結晶シリコンブロックを得る、多結晶シリコンブロックの製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の多結晶シリコンインゴット製造方法により製造された多結晶シリコンインゴットを用いて、多結晶シリコンウェハを得る、多結晶シリコンウェハの製造方法。
  5. 請求項1または2に記載の多結晶シリコンインゴット製造方法により製造された多結晶シリコンインゴットを用いて、太陽電池を得る、太陽電池の製造方法。
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