JP6487554B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)技術に関し、特に、磁化移動画像生成技術に関する。
MRI装置は、主にプロトンの核磁気共鳴現象を利用した医用画像診断装置である。MRI装置は、非侵襲に任意の断面の撮像が可能であり、形態情報の他、血流や代謝機能などの生体機能に関する情報が取得可能である。
MRI装置では、生体組織の物性値(例えば、T1:縦緩和時間、T2:横緩和時間、PD:プロトン密度、D:拡散係数、MT:磁化移動など)の相対的な違いを強調した強調画像を取得できる。これらの強調画像(例えば、T1強調画像、T2強調画像、FLAIR(Fluid Attenuated IR)、拡散強調画像、MRA、磁化移動強調画像)は、撮像に用いるシーケンス(パルスシーケンス)やパラメータ(撮像パラメータ)を変更して撮像を行うことにより取得する。
MRIの対象となるプロトンには、自由水のプロトンの他に、タンパク質やリン脂質などの高分子を構成する結合水のプロトンがある。磁化移動(MT:Magnetic Transfer)効果とは、一方のプロトンの緩和や飽和が他方のプロトンの緩和や飽和に影響を与える現象である。この磁化移動効果を強調した磁化移動強調画像(以後、単に磁化移動画像あるいは、MTR(Magnetization Transfer Rate)画像と呼ぶ)は、脳の白質における髄鞘化の程度や脱髄の程度を検知可能であるため、多発性硬化症の診断に有用であるとされている。
結合水のプロトンのみを飽和する目的で照射されるRFパルスをMTC(Magnetization Transfer Contrast)パルスと呼ぶ。磁化移動画像を取得する手法として、このMTCパルスをプリパルスとして印加して得た画像と、MTCパルスを印加しないで得た画像との比を計算する手法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。MTCパルスは、自由水の共鳴周波数帯域から離れた周波数帯域に照射されるため、この手法は、一般にオフレゾナンス法と呼ばれる。
これに対し、自由水の共鳴周波数をもつ2項パルスをRFパルスとして照射し、結合水のみの磁化を飽和させるオンレゾナンス法と呼ばれる手法がある(例えば、非特許文献2参照)。この手法では、共鳴周波数帯が広いほどT2減少が速いことを利用し、T2の短い結合水のプロトンのみ信号を消失させる。
Hirohiko Kimura、Robert I.Grossman、Robert E.Lenkinski、Francisco Gonzalez−Scarano著、 "Proton MR spectroscopy magnetization transfer ratio in multiple sclerosis: correlative findings of active versus irreversible plaque disease" American Journal of Neuroradiology 1996 17 p1539−1547 Christian T. Stoeck、Peng Hu, Dana C. Peters、Kraig V. Kissinger、Beth Goddu, Lois Goepfert、Long Ngo、Warren J. Manning、Sebastian Kozerke、Reza Nezafat著、 "Optimization of on−resonant magnetization transfer contrast in coronary vein MRI" Magn Reson Med 2010 64 p1827−1831
上述のように、非特許文献1および非特許文献2に記載の手法では、磁化移動効果を観察するための専用のプリパルス(MTCパルス)が必要である。プリパルスは画像取得のパルスシーケンスに追加されるものであり、プリパルスを用いない場合と比較して撮像時間が延長する。
また、MTCパルスは、エネルギーが大きく、特に、3T(テスラ)以上の高磁場装置においては、SAR(specific absorption rate)が増大し、撮像が制約される。
本発明は、上記事情に鑑みたもので、MRI装置において、撮像時間を長引かせることなく、かつ、SARを増大させることなく、磁化移動画像を得る技術を提供することを目的とする。
本発明は、磁化移動画像取得のための専用のプリパルスを用いず、磁化移動画像を得る。すなわち、磁化移動効果に影響を与える撮像パラメータの値を変えて画像取得シーケンスを実行し、それぞれ、磁化移動効果の異なる2以上の画像を取得する。そして、各画像の画素値から、磁化移動効果を評価する指標を算出し、磁化移動画像として表示する。
具体的には、第一の撮像パラメータセットを用いて撮像された第一の画像データと、前記第一の撮像パラメータセットと少なくとも1つの撮像パラメータの値が異なる第二の撮像パラメータセットとを用いて撮像された第二の画像データとから、磁化移動効果を評価する指標である磁化移動指標を算出する磁化移動指標算出部を備え、前記第一の画像データと前記第二の画像データとは、前記磁化移動効果が異なることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置を提供する。
本発明によれば、MRI装置において、撮像時間を長引かせることなく、かつ、SARを増大させることなく、磁化移動画像を得ることができる。
第一の実施形態のMRI装置の典型的な構成を示すブロック図である。 第一の実施形態の計算機の機能ブロック図である。 (a)および(b)は、磁化移動効果を説明するための説明図である。 第一の実施形態の磁化移動画像生成処理のフローチャートである。 第一の実施形態のパラメータ設定画面例を説明するための説明図である。 (a)および(b)は、第一の実施形態の画像データ例を説明するための説明図であり、(c)は、(a)および(b)の画像データの画素値の変化を示すグラフである。 第一の実施形態の磁化移動画像例を説明するための説明図である。 第一の実施形態の磁化移動算出手法の変形例を説明するための説明図である。 第二の実施形態の計算機の機能ブロック図である。 第二の実施形態の磁化移動画像生成処理のフローチャートである。 (a)〜(h)は、第二の実施形態の磁気共鳴パラメータ画像例を説明するための説明図である。 (a)〜(d)は、第二の実施形態の磁化移動画像例を説明するための説明図である。
<<第一の実施形態>>
以下、本発明を適用する第一の実施形態について説明する。本発明の実施形態を説明するための全図において、特に断らない限り、同一機能を有するものは同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
まず、本実施形態の、磁気共鳴イメージング(MRI)装置について説明する。
MRI装置は、一般に、静磁場に置かれた被検体にスライス傾斜磁場を印加すると同時に特定の周波数をもつ高周波磁場(RF)パルスを印加して、撮像したい断面内の核磁化を励起させる。励起された核磁化には位相エンコード傾斜磁場およびリードアウト傾斜磁場を印加することで平面位置情報を与え、核磁化が発生するNMR信号(エコー信号)を計測する。NMR信号の計測は、k空間と呼ばれる計測空間が充填されるまで繰り返し行う。k空間に充填された信号は、逆フーリエ変換により画像化される。
エコー信号を発生させるためのRFパルスと各傾斜磁場とは、あらかじめ設定されたパルスシーケンスおよび撮像パラメータに基づいて印加される。このパルスシーケンスは、目的に応じて種々のものが知られている。例えば、グラディエントエコー(GrE)タイプの高速撮像法は、そのパルスシーケンスの繰り返し時間(以下、TR)ごとに位相エンコード傾斜磁場を順次変化させ、1枚の断層像を得るために必要な数のNMR信号を計測していく方法である。
撮像パラメータは、パルスシーケンスで印加される各パルス、傾斜磁場を制御するものであり、繰り返し時間TR、エコー時間TE、RFパルスの強度を決定するフリップ角α、RFパルスの照射の位相θなどがある。
一般的なMR検査では、位置決め用の撮像で取得した画像を用いて診断したい撮像部位を設定し、パルスシーケンスあるいは撮像パラメータを変更して、複数の画像種(例えば、T1強調画像、T2強調画像、FLAIR、拡散強調画像、MRA)を取得する。ユーザは、手動操作によって取得画像のウィンドウレベル(WL)やウィンドウ幅(WW)を調整し、必要に応じて診断の妨げとなる信号をクリッピングすることで診断画像を作成する。
本実施形態のMRI装置100は、上述のように、静磁場に置かれた被検体103に高周波磁場を印加して、被検体103内の核磁化を励起し、発生する核磁気共鳴信号(NMR信号、エコー信号)を計測する。このとき、傾斜磁場を印加して計測する磁気共鳴信号に位置情報を与え、画像化(撮像)する。
図1は、これを実現する、本実施形態のMRI装置100の典型的な構成を示すブロック図である。本実施形態のMRI装置100は、静磁場を発生するマグネット101と、傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル102と、被検体(生体)103に高周波磁場パルス(以下、RFパルス)を照射するRFコイル107と、被検体103から発生するエコー信号を検出するRFプローブ108と、マグネット101の発生する静磁場空間内で被検体(例えば、生体)103を載置する寝台(テーブル)115と、を備える。
さらに、本実施形態のMRI装置100は、傾斜磁場コイル102を駆動する傾斜磁場電源105と、RFコイル107を駆動する高周波磁場発生器106と、RFプローブ108で検出したエコー信号を受信する受信器109と、傾斜磁場電源105と高周波磁場発生器106とに命令を送り、それぞれ傾斜磁場および高周波磁場を発生させるとともに、検波の基準とする核磁気共鳴周波数を受信器109にセットするシーケンサ104と、検波された信号に対して信号処理を施す計算機110と、計算機110での処理結果を表示する表示装置111と、同処理結果を保持する記憶装置112と、ユーザからの指示を受け付ける入力装置116と、を備える。また、記憶装置112には、計算機110における処理に必要な各種のデータが保持される。
また、MRI装置100は、静磁場均一度を調節する必要があるときには、シムコイル113と、シムコイル113を駆動するシム電源114をさらに備えてもよい。シムコイル113は、複数のチャネルからなり、シム電源114から供給される電流によりにより静磁場不均一を補正する付加的な磁場を発生する。静磁場均一度調整時にシムコイル113を構成する各チャネルに流す電流は、シーケンサ104により制御される。
以上の構成を有するMRI装置100では、シーケンサ104の制御により、RFパルスがRFコイル107を通じて被検体103に印加されるとともに、スライス選択や位相エンコードなどの位置情報をエコー信号に与えるための傾斜磁場パルスが傾斜磁場コイル102によって印加される。また、被検体103から発生した信号はRFプローブ108によって受波され、検波された信号は計算機110に送られ、ここで画像再構成などの信号処理が行われる。なお、記憶装置112には、信号処理の結果だけでなく、必要に応じて、検波された信号自体、撮像条件等を記憶させてもよい。
また、計算機110は、CPUとメモリとを備え、受信した信号を処理する信号処理だけでなく、MRI装置100全体の動作の制御等を行う。例えば、予めプログラムされたタイミング、強度で各部が動作するようシーケンサ104に指示を出し、MRI装置100を構成する各部の動作を制御し、計測を行う。パルスシーケンスは、上記プログラムのうち、特に、高周波磁場、傾斜磁場、信号受信のタイミングや強度を記述したものである。計測は、上述のように、パルスシーケンスとこれを制御するために必要な撮像パラメータとに従って行われる。パルスシーケンスは、予め作成され、記憶装置112に保持され、撮像パラメータは、ユーザからユーザインタフェースを介して入力される。
なお、マグネット101は、静磁場発生部、傾斜磁場コイル102および傾斜磁場電源105は、傾斜磁場発生部、RFコイル107および高周波磁場発生器106は、高周波送信部、RFプローブ108および受信器109は、被検体103から発生するNMR信号を検出する検出部、シーケンサ104と計算機110は制御部、計算機110は、さらに画像再構成部として、それぞれ機能する。
このようなMRI装置100では、パルスシーケンスに設定する高周波磁場、傾斜磁場のタイミングや強度を制御することにより、撮像対象被検体の任意の撮像断面を撮像できる。一般に撮像対象被検体に対する撮像断面の位置を決定し、パルスシーケンスに反映することにより、所望の撮像断面を撮像する。
このとき、計算機110は、入力装置116および表示装置111などのユーザインタフェースを制御し、ユーザに処理結果を提示する、ユーザからの入力を受け付けるといったユーザインタフェース処理を行う。また、MRI装置100で取得したエコー信号を処理し、画像を再構成する。あるいは、エコー信号を処理し、中心周波数やRF照射強度等の撮像に必要な制御値を算出し、シーケンサ104に送信する。
さらに、本実施形態の計算機110は、予め定めたパルスシーケンスを実行し、演算により磁化移動効果を評価可能な指標(以下、磁化移動指標と呼ぶ)を得、磁化移動画像、診断情報として出力する。
これを実現するために、本実施形態の計算機110は、図2に示すように、磁化移動効果に影響を与える撮像パラメータ(以下、磁化移動パラメータと呼ぶ)を含む撮像パラメータの値を受け付け、設定する撮像パラメータ設定部210と、撮像部220と、磁化移動指標を算出する磁化移動指標算出部230と、得られた画素値から表示画像を生成し、表示装置111に表示する表示処理部250と、を備える。
なお、計算機110が実現する各機能は、予め記憶装置112に記憶されたソフトウェア(プログラム)を、CPUがメモリにロードして実行することにより実現される。なお、上記の各機能の全てをソフトウェアで実現する必要はなく、一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェアによって実現するようにしてもよい。
また、各機能が実現する処理の実行に必要な情報、処理の途中および最終的に得られる情報は、記憶装置112に格納される。
[磁化移動効果]
各部の説明に先立ち、磁化移動効果を説明する。図3(a)および図3(b)は、磁化移動効果を説明するための説明図である。
一般に、自由水のプロトン(以下、自由水プロトンと呼ぶ)と、高分子等のプロトン(以下、結合水プロトンと呼ぶ)とが混在している生体組織では、自由水プロトン(H)は、化学交換、または、空間を介した双極子−双極子相互作用を経由して、高分子表面に接している動きの限られた結合水プロトンン(H)と交差緩和を行う。すなわち、一方の緩和や飽和が他方の緩和に影響を与える。この現象を、磁化移動効果と呼ぶ。
図3(a)に自由水と結合水との周波数スペクトラム910、920を示す。一般に、自由水は、T2緩和(横緩和)時間が長く、結合水は、T2緩和時間が短い。自由水プロトンの信号値は、T2緩和時間が長いため、フーリエ変換後の信号値は、図3(a)に示すように、半値幅の狭い鋭いピークを示す。これに対し、結合水プロトンの信号値は、T2緩和時間が短いため、フーリエ変換後の信号値は、半値幅が広い。
従来の、MTCパルスを用いる手法のうち、オフレゾナンス法では、自由水プロトンの共鳴周波数帯域911から数kHz離れた周波数帯931にRFパルスを照射し、結合水プロトンのみに飽和現象を起こして画像を取得する。ここでは、結合水プロトンの共鳴周波数帯域921が広く、自由水プロトンの共鳴周波数帯域911が狭いことを利用している。
図3(b)に示すように、飽和現象により結合水プトロンの信号強度は減少する(920から923へ)。このとき、結合水プロトンの飽和が磁化移動効果932によって自由水プロトンに影響し、自由水プロトンの信号強度も減少する(910から913へ)。
磁化移動効果により、自由水と結合水との間の化学的交換および/または交差緩和が反映される部位と、そうでない部位とで、信号値に差が生じ、異なるコントラスト像が得られる。このコントラスト像が磁化移動画像であり、生体などの病巣部と正常組織との識別に利用できる。
この磁化移動画像は、従来は、上述のように、プリパルスとしてMTCパルスを印加し、磁化移動効果を生じさせて取得した画像と、MTCパルスを印加せずに取得した画像との比を取り、生成している。本実施形態では、このMTCパルスを印加することなく、磁化移動画像を算出する。すなわち、本実施形態では、撮像時に必須の撮像パラメータの中で、磁化移動効果に影響を与える撮像パラメータを変化させてそれぞれ画像を取得し、各画素値を用いて磁化移動指標を算出し、磁化移動画像とする。
[磁化移動画像生成処理の流れ]
本実施形態の計算機110が実現する各機能による、本実施形態の磁化移動画像生成処理の流れを説明する。図4は、本実施形態の磁化移動画像生成処理の処理フローである。
はじめに、撮像パラメータ設定部210は、操作者による入力装置116を介した指示に従って、磁化移動指標算出用のデータを取得するための撮像パラメータセットを設定する(ステップS1101)。なお、ここでは、目的とする撮像に応じたパルスシーケンスも併せて設定される。
設定手法の詳細は、後述する。なお、本実施形態では、2セット以上の撮像パラメータセットを設定する。なお、設定する2以上の撮像パラメータセット間では、磁化移動パラメータのうち、少なくとも1つ以上の磁化移動パラメータの値が異なるものとする。
次に、操作者の入力装置116を介した撮像開始の指示により、撮像部220は、撮像を行う(ステップS1102)。本実施形態では、撮像部220は、撮像パラメータ設定部210が設定した撮像パラメータセットおよびパルスシーケンスに従ってシーケンサ104に指示を行い、エコー信号を計測する。そして、得られたエコー信号から画像を再構成する。なお、上述のように、2セット以上の撮像パラメータセットが設定されるため、ここでは、設定されたセット数の画像を得る。また、各画像は、同一のパルスシーケンスに従って、取得される。
次に、磁化移動指標算出部230は、得られた画像から磁化移動指標を算出する(ステップS1103)。
最後に、表示処理部250は、算出された磁化移動指標を画素値とする画像を生成し、表示装置111に表示する(ステップS1104)。
以下、各処理の詳細を説明する。
[撮像パラメータセット設定処理]
まず、撮像パラメータ設定部210による磁化移動パラメータ設定処理について説明する。
撮像パラメータ設定部210は、入力装置116を介して、操作者による撮像パラメータの入力を受け付け、受け付けた撮像パラメータを設定する。受け付けにあたり、撮像パラメータ設定部210は、例えば、表示装置111にパラメータ設定画面300を表示し、当該画面を介して入力を受け付ける。なお、パラメータ設定画面300を構成する各データは、予め記憶装置112に保持される。
このとき表示されるパラメータ設定画面300の一例を図5に示す。ここでは、RFパルスの照射帯域(RF照射帯域)を、磁化移動パラメータとする場合を例示する。
本図に示すように、パラメータ設定画面300は、プロトコル指示受付領域310と、撮像パラメータ設定領域320と、プロトコル保存指示受付領域330とを備える。
[プロトコル指示受付領域]
プロトコル指示受付領域310は、当該領域を介して、撮像に用いるプロトコルの指示を受け付ける領域である。ここでは、予め用意された1以上の撮像プロトコルが選択可能なように表示される。本実施形態では、操作者は、選択可能な撮像プロトコルの中から、磁化移動画像撮像用のプロトコルを選択する。
なお、選択可能な撮像プロトコルは、予め、記憶装置112に保持される。また、各撮像プロトコルには、それぞれ、当該撮像プロトコルに用いられるパルスシーケンスと、当該パルスシーケンスを実行する際、設定すべき撮像パラメータ種と、各撮像パラメータ種の設定条件を特定する情報と、が対応づけて記憶される。また、設定すべき撮像パラメータ種毎の、推奨値が併せて保持されていてもよい。
例えば、磁化移動効果撮像用のプロトコルに対応づけて、3Dのグラディエントエコー法のパルスシーケンスが保持される。また、設定すべき撮像パラメータ種として、撮像視野(FOV)、繰返し時間(TR)、エコー時間(TE)、フリップ角(FA)、他、磁化移動パラメータ等が登録される。
撮像パラメータ種の設定条件としては、例えば、各撮像パラメータ種の値の設定可能範囲等が格納される。設定可能な範囲は、ハードウェアによる制約、撮像種による制約、あるいは、SAR(Specific Absorption Rate)に関わる撮像パラメータについては、SARの上限値による制約などにより、予め定められる。
また、上述のように、磁化移動画像撮像時は、1つ以上の磁化移動パラメータについて、複数の異なる撮像パラメータ値を設定する必要がある。従って、磁化移動パラメータについては、設定条件を特定する情報として、各パラメータ値の設定可能範囲だけでなく、同じ撮像パラメータの値間の制約情報も予め保持しておく。
同じ撮像パラメータ値間の制約情報は、例えば、磁化移動パラメータがRF照射帯域の場合、値が異なっていればよい。なお、RF照射帯域の値により、RF照射時間が決定するため、他の撮像パラメータによって決められる傾斜磁場印加、エコー取得等のタイミングやSARなどによる制約もある。
[撮像パラメータ設定領域]
撮像パラメータ設定領域320には、設定すべき撮像パラメータ種を特定する情報として撮像パラメータ名が表示される。表示される撮像パラメータ名は、プロトコル指示受付領域310で選択されたプロトコルに対応づけて保持される。また、撮像パラメータ設定領域320は、撮像パラメータ種毎に、撮像に用いる値の入力を受け付ける値受付領域321を備える。なお、推奨値が予め保持されている場合は、この値受付領域321に推奨値が表示される。
また、撮像パラメータ設定領域320は、撮像プロトコルごとに、当該プロトコル特有の設定領域を備えてもよい。例えば、本実施形態のように磁化移動効果撮像用のプロトコルが選択された場合、撮像に必須の撮像パラメータのうち、1以上の磁化移動パラメータは、2つ以上の値が設定される。このため、本実施形態の場合、撮像パラメータ設定領域320は、2以上の前記磁化移動パラメータの値を受け付ける磁化移動パラメータ設定領域340を備える。
図5には、磁化移動パラメータとして、RF照射帯域が表示される場合を例示する。
なお、磁化移動パラメータ設定領域340も同様に、磁化移動パラメータとして設定する撮像パラメータ名を表示する領域と、設定する値の入力を受け付ける値受付領域341とを備える。そして、推奨値が予め保持されている場合は、この値受付領域341に推奨値が表示される。
操作者は、値受付領域321、341を介して、設定可能範囲内で値を入力できる。また、推奨値が表示されている場合も、同様に、設定可能範囲内で、値を変更することができる。
すなわち、推奨値が保持されている場合、本実施形態の撮像パラメータ設定部210は、撮像プロトコルの指定を受け付けると、撮像パラメータ設定領域320に、当該撮像パラメータを特定する情報とともに推奨値を表示する。また、撮像パラメータ設定部210は、値受付領域321、341を介して操作者から入力された値を受け付ける。
なお、このとき、設定可能範囲外の値、または、制約条件を満たさない値の入力を受け付けた場合、撮像パラメータ設定部210は、その旨、操作者に通知するよう構成してもよい。また、撮像パラメータ設定部210は、設定可能範囲外の値の入力を受け付けた場合、受け付けた値に最も近い設定可能範囲内の値を設定し、制約条件を満たさない値の入力を受け付けた場合、受け付けた値に最も近い制約条件を満たす値を設定するよう構成してもよい。
[プロトコル保存指示受付領域]
プロトコル保存指示受付領域330は、撮像パラメータ設定領域320を介して入力された撮像パラメータを確定する指示を受け付ける。
撮像パラメータ設定部210は、プロトコル保存指示受付領域330を介して、操作者から指示を受け付けると、その時点で、撮像パラメータ設定領域320に表示される撮像パラメータを、パルスシーケンスとともに、プロトコル指示受付領域310で受け付けたプロトコルに対応づけて記憶装置112に保存する。
[磁化移動指標算出処理]
次に、磁化移動指標算出部230による磁化移動指標算出処理について説明する。
本実施形態では、磁化移動指標算出部230は、第一の撮像パラメータセットを用いて撮像された第一の画像データと、第一の撮像パラメータセットと少なくとも1つの撮像パラメータの値が異なる第二の撮像パラメータセットとを用いて撮像された第二の画像データとから、磁化移動効果を評価する指標である磁化移動指標を算出する。
このとき、第一の画像データと前記第二の画像データとは、前記磁化移動効果が異なるように、第一および第二の撮像パラメータセットは設定される。このため、本実施形態では、第一の撮像パラメータセットと第二の撮像パラメータセットとで値が異なる撮像パラメータは、前記磁化移動効果に影響を与える撮像パラメータである磁化移動パラメータとする。なお、値を変える磁化移動パラメータは、撮像時に設定が必須の撮像パラメータの中から選択される。
そして、本実施形態の磁化移動指標算出部230は、第一の画像データと第二の画像データとの差異を、磁化移動指標として算出する。このとき、本実施形態の磁化移動指標算出部230は、差異として、差、比、および差分比のいずれかを算出する。
磁化移動に関連する撮像パラメータの一例として、上述のように、RFパルスの照射帯域(RF照射帯域)がある。以下、第一の撮像パラメータセットと第二の撮像パラメータセットとで値を変える磁化移動パラメータが、このRF照射帯域である場合を例にあげ、具体的に、本実施形態の磁化移動指標算出処理を説明する。
図6(a)および図6(b)に、このRF照射帯域の値を変えて撮像を行い、得られた画像401、402を示す。第一の画像データである画像401は、RF照射帯域を、±556kHzとし、第二の画像データである画像402は、RF照射帯域を±278kHzとし、それぞれ、3Dのグラディエントエコー法にて取得したものである。なお、RF照射帯域以外の撮像パラメータ(撮像条件)は全て等しくして取得したものである。すなわち、画像401と画像402との、撮像パラメータの違いは、RF照射帯域のみである。
また、図6(c)は、画像401および画像402それぞれのライン403における画素値をプロットしたグラフ411、412である。本図に示すように、RF照射帯域のみを変えた場合であっても、画素値に差が出ることが確認できる。
本図に示すように、被検体103領域では、RF照射帯域を±278kHzに設定して得た画像402の信号値412の方が高いことがわかる。これは、高分子のプロトン(結合水プロトン)の共鳴周波数帯域が広いため、オンレゾナンスのRF照射帯域を広げることでより磁化移動現象が促進されるために発生する現象である。
磁化移動指標算出部230は、上述のように、磁化移動パラメータのみ変えて取得した2つの画像401、402の画素値(ボクセル値)を用いて、画素(ボクセル)毎に、磁化移動指標を算出する。本実施形態では、磁化移動指標として、例えば、以下の式(1)で表される、差分の比を算出する。
Figure 0006487554
なお、A(r)は、画像401の画素rの画素値、B(r)は、画像402の画素rの画素値、R(r)は、画素rの差分比である。
なお、磁化移動指標は、これに限定されない。磁化移動パラメータを変えて取得した画像間の、画素値の違い(差異)を反映することができればよく、例えば、差分のみであってもよいし、比のみであってもよい。
図7に、磁化移動指標を画素値とする画像(磁化移動画像)501を示す。前述のとおり、画像401と画像402とは、RF照射帯域が異なるため、画素に含まれる磁化移動効果の影響がそれぞれ異なる。これらの画像の差分比を画素値とする画像501の各画素は、磁化移動効果の大小を示す。すなわち、画像501においては、画素値が大きいほど磁化移動現象が活発に起こっており、高分子の存在が多いことが示唆される。
以上説明したように、本実施形態のMRI装置100は、第一の撮像パラメータセットを用いて撮像された第一の画像データと、前記第一の撮像パラメータセットと少なくとも1つの撮像パラメータの値が異なる第二の撮像パラメータセットとを用いて撮像された第二の画像データとから、磁化移動効果を評価する指標である磁化移動指標を算出する磁化移動指標算出部230を備える。このとき、前記第一の画像データと前記第二の画像データとは、前記磁化移動効果が異なるようにする。例えば、前記第一の撮像パラメータセットと前記第二の撮像パラメータセットとで値が異なる前記撮像パラメータは、前記磁化移動効果に影響を与える撮像パラメータである磁化移動パラメータとする。また、前記第一の画像データと前記第二の画像データとは、同一のパルスシーケンスに従って取得されるものとする。
また、本実施形態のMRI装置100では、磁化移動指標算出部230は、前記第一の画像データと前記第二の画像データとの差異を、前記磁化移動指標として算出する。ここで算出する差異は、差、比、および差分比のいずれかとする。
このように、本実施形態によれば、撮像時に必須の撮像パラメータのうち、磁化移動効果に影響を与える磁化移動パラメータの値を変えて撮像して得た2以上の画像データから磁化移動指標を算出する。
従って、本実施形態によれば、MTCパルス等の磁化移動効果専用のプリパルスを用いることなく、撮像時に必須のパラメータの変更のみで、磁化移動効果を反映した指標を算出できる。従って、プリパルスの印加時間分撮像時間を短縮できる。また、このプリパルスを印加しない分、SARの低減が期待できる。
<磁化移動パラメータの他の例>
なお、上記実施形態では、磁化移動パラメータとして、RF照射帯域を磁化移動パラメータとして用いる場合を例にあげて説明したが、磁化移動パラメータは、これに限定されない。値を変化させることで、磁化の飽和度が変化する撮像パラメータであればよく、例えば、フリップ角(FA)、繰り返し時間(TR)などでも良い。
これらの撮像パラメータは、それぞれ、値を変えることで飽和度が変化するため、RF照射帯域と同様に、画素値に含まれる磁化移動効果の影響を変えた撮像が可能である。このため、その結果を用い、本実施形態同様、プリパルスを用いずに磁化移動効果に関する指標を計算することができる。
<磁化移動指標の他の例>
また、上記実施形態では、磁化移動指標として、上記式(1)に従って、取得した画像の各画素値(ボクセル値)の差を計算する例を示している。しかしながら、磁化移動指標の算出は、これに限定されない。
例えば、値を変化させる対象の磁化移動パラメータに3つ以上の値を設定し、得られた画像から、以下の手法で磁化移動指標を算出しても良い。
すなわち、磁化移動指標算出部230は、第一の撮像パラメータセットおよび第二の撮像パラメータセットと少なくとも1つの撮像パラメータの値が異なる第三の撮像パラメータセットを用いて撮像された第三の画像データ、第一の画像データ、および第二の画像データをフィッティングすることにより得た近似式の係数を磁化移動指標として算出する。このとき、第三の画像データと第一の画像データおよび第二の画像データとは、それぞれ磁化移動効果が異なるよう、磁化移動パラメータを設定する。
以下、磁化移動パラメータとしてRF照射帯域を用い、値を3つ設定する場合を例にあげて、本手法を説明する。
なお、本例においても、3つの異なる値の撮像パラメータは、撮像パラメータ設定部210を介して受け付け、MRI装置100は、撮像部220の指示に従って、3つの画像を取得する。
磁化移動指標算出部230は、図8に示すように、取得した各画像421、422、423のボクセル430毎に、そのボクセル値441、442、443を、横軸(x軸)をRF照射帯域(RF BW[kHz])、縦軸(y軸)を信号強度(Signal Intensity)とした座標上にプロットする。
そして、プロット結果を多項式450にてフィッティングする。ここでは、例えば、多項式として、以下の式(2)の式を用いる。
y=ax+bx+c ・・・(2)
磁化移動指標算出部230は、各項の係数a、b、cを、磁化移動指標として算出する。各係数の算出は、例えば、最小二乗法等により求める。画像数が係数の数以上の場合は、解析的に計算してもよい。そして、得られたそれぞれの係数を画素値とする画像を、磁化移動画像として出力する。
このように、磁化移動パラメータの値毎の画素値の近似式の係数を磁化移動指標とすることにより、RFパルスの照射帯域と磁化移動効果の影響度との関連性が表現され、特定の周波数帯に存在する高分子の解析が可能となると考えられる。
<パラメータ設定画面の他の例>
また、撮像パラメータの推奨値が撮像パラメータセットとして予め用意されている場合、推奨値毎の磁化移動効果の、おおよその影響度合いも併せて保持しておくよう構成してもよい。この場合、パラメータ設定画面300に、用意された撮像パラメータセット同士の磁化移動効果の、おおよその影響度合いを提示するよう構成してもよい。
すなわち、撮像パラメータ設定部210は、撮像プロトコル毎に、撮像パラメータの推奨値を複数保持するとともに、推奨値毎の磁化移動効果の変化度合いを示す情報を保持する。そして、撮像パラメータ設定部210は、撮像プロトコルの指定を受け付けると、撮像パラメータ設定領域320に、当該撮像パラメータを特定する情報とともに選択可能な態様で推奨値を表示し、選択を受け付ける毎に、当該推奨値に対応づけて保持される磁化移動効果の変化の度合いを表示する。
このように構成することにより、より磁化移動効果の高い磁化移動パラメータの値の設定を支援できる。従って、専門知識のない操作者でも、容易に最適な磁化移動パラメータを設定できる。
<その他の変形例>
また、上記実施形態では、撮像パラメータセットを設定する際、プロトコルの指定を受け付けると、それに応じ、用いられる撮像パラメータを表示し、操作者からの修正を受け、確定に指示を受け付けるよう構成しているが、これに限定されない。
例えば、推奨値が予め保持され得いる場合、操作者からプロトコルの指定を受け付けると、操作者に各撮像パラメータの値を提示することなく、そのまま、予め保持された推奨値を用い、撮像を実行するよう構成してもよい。すなわち、パラメータの呼び出しから磁化移動効果に関する指標の算出までを、操作者の一回の指示でシームレスに実行するような構成としても良い。これにより、より検査時間を短縮することが期待できる。
<<第二の実施形態>>
次に、本発明を適用する第二の実施形態について説明する。第一の実施形態では、磁化移動パラメータの値を変えてそれぞれ取得した画像の画素値(ボクセル値)を用い、磁化移動効果を評価可能な指標(磁化移動指標)を算出する。一方、本実施形態では、より定量的な磁化移動指標を算出する。
本実施形態のMRI装置は、基本的に第一の実施形態のMRI装置100と同様の構成を有する。ただし、上述のように、磁化移動指標の算出手法が異なるため、計算機110が実現する機能が異なる。以下、第一の実施形態と異なる構成に主眼をおいて説明する。
本実施形態では、磁化移動指標に加え、磁化移動の異なる画像データ群毎に、磁気共鳴パラメータを算出する。すなわち、同じ磁気共鳴パラメータで、磁化移動効果の異なる磁気共鳴パラメータを算出する。そして、磁化移動効果の異なる磁気共鳴パラメータを用いて、磁化移動指標を算出する。なお、磁気共鳴パラメータとは、被検体103の物性値であり、例えば、T1、T2、PDなどである。
これを実現するために、本実施形態の計算機110は、図9に示すように、図2に示す第一の実施形態の構成(撮像パラメータ設定部210、撮像部220、および磁化移動指標算出部230)を備える。そして、本実施形態の磁化移動指標算出部230は、さらに、磁気共鳴パラメータ算出部231を備える。
磁気共鳴パラメータ算出部231は、撮像部220の指示により撮像された画像の画素値(ボクセル値)から、磁気共鳴パラメータを算出する。なお、磁気共鳴パラメータは、例えば、T1値、T2値、PDといった被検体103の物性値である。
また、本実施形態では、磁化移動指標算出部230の処理が異なる。第一の実施形態では、磁化移動効果の異なる画像データそれぞれの画素値(ボクセル値)を用い、磁化移動指標を計算しているが、本実施形態では、磁気共鳴パラメータ算出部231が算出した、それぞれ磁化移動効果の異なる磁気共鳴パラメータから磁化移動指標を計算する。
[磁化移動画像生成処理の流れ]
本実施形態の計算機110が実現する各機能による、本実施形態の磁化移動画像生成処理の流れを説明する。図10は、本実施形態の磁化移動画像生成処理の処理フローである。
まず、第一の実施形態同様、撮像パラメータ設定部210は、操作者による入力装置116を介した指示に従って、磁化移動指標算出用のデータを取得するための撮像パラメータセットを設定する(ステップS2101)。なお、本実施形態においても、第一の実施形態同様、2セット以上の撮像パラメータセットを設定する。そして、設定する2以上の撮像パラメータセット間では、磁化移動パラメータのうち、少なくとも1つ以上の磁化移動パラメータの値が異なるものとする。
次に、操作者の入力装置116を介した撮像開始の指示により、撮像部220は、撮像を行う(ステップS2102)。本処理も第一の実施形態と同じである。
次に、本実施形態では、磁気共鳴パラメータ算出部231が、撮像部220の指示により実行されたパルスシーケンスに従って取得された、磁化移動効果の異なる画像データそれぞれから、磁気共鳴パラメータを算出する(ステップS2103)。この、磁気共鳴パラメータ算出処理の詳細は、後述する。
そして、磁化移動指標算出部230は、磁気共鳴パラメータから、磁化移動指標を算出する(ステップS2104)。本実施形態では、磁気共鳴パラメータ毎に磁化移動指標を算出する。この磁化移動指標算出処理の詳細も後述する。
最後に、表示処理部250は、磁化移動指標を画素値とする画像を生成し、表示装置111に表示する(ステップS2105)。このとき、本実施形態では、磁気共鳴パラメータ毎に、磁化移動指標が算出されるため、磁気共鳴パラメータ名も併せて表示する。
以下、第一の実施形態と異なる処理である、磁気共鳴パラメータ算出処理、および、磁化移動指標算出処理の詳細を説明する。
[磁気共鳴パラメータ算出処理]
本実施形態の磁気共鳴パラメータ算出部231は、磁化移動効果の異なる画像データ群毎に、同種の磁気共鳴パラメータを算出する。すなわち、第一の画像データと第二の画像データとから、それぞれ、被検体103の物性値である磁気共鳴パラメータを1以上算出する。なお、第一の画像データは、第一の撮像パラメータセットを用いて撮像されたものであり、第二の画像データは、第一の撮像パラメータセットと少なくとも1つの撮像パラメータの値が異なる第二の撮像パラメータセットを用いて撮像されたものである。これらの第一の画像データと第二の画像データとは、磁化移動効果が異なる。
磁気共鳴パラメータの算出手法は、問わない。種々の既存の手法を用いることができる。例えば、スピンエコー系のシーケンスなど、信号強度が数式化されているシーケンスが撮像に用いる場合、得られた画像の画素値から、数式化された信号強度関数を用いて算出する。
以下、パルスシーケンスとして、信号強度関数が定式化されていないシーケンス(例えば、RF−spoiled Grassシーケンス)を用いて撮像を行う場合の、磁気共鳴パラメータの算出処理を説明する。
この場合、予め、シミュレーション等で信号関数fsを作成する。そして、磁気共鳴パラメータ算出部231は、異なる撮像パラメータで取得したそれぞれの画像の画素毎の信号値(画素値)を、予め作成した信号関数fsにフィッティングし、磁気共鳴パラメータ推定する。
[信号関数]
まず、信号関数fsの作成手法を説明する。この信号関数fsは、数値シミュレーションにより、予め作成しておく。
信号関数fsは、撮像シーケンス毎に生成される関数であり、生体組織の物性値である被検体103に依存するパラメータ(被検体パラメータ;磁気共鳴パラメータ)および装置に依存するパラメータ(装置パラメータ)の少なくとも一方と、ユーザがパルスシーケンスを実行する際に設定する撮像条件(撮像パラメータ)と、を変数とし、各画素の信号強度を返す関数である。
RF−spoiled Grassシーケンスで変更可能な撮像パラメータは、フリップ角FA、繰り返し時間TR、エコー時間TE、RF位相増分値θである。このうち、RF位相増分値θは、高速撮像法の一つであるFLASHと同等のT2依存性の少ない画像コントラストが得られるように、一般に117度に固定される。このRF位相増分値θを変化させると、画像コントラストのT2依存性が大きく変化するためである。
また、被検体パラメータには、縦緩和時間T1、横緩和時間T2、ケミカルシフトCs、スピン密度PDがある。装置パラメータには、磁場強度B0、送信コイルの照射強度B1、受信コイルの感度Scがある。
RF−spoiled Grassシーケンスの信号関数fsは、上記各パラメータを用いて、以下の式(3)で表される。
Figure 0006487554
なお、送信コイルの照射強度B1は撮像時にはフリップ角FAの係数となるため、FAとの積の形にしておく。
信号関数fsは、被検体パラメータのT1、T2、Csそれぞれの任意の値に対して撮像パラメータを網羅的に変化させて数値シミュレーションにて信号を作成し、補間により作成する。このとき、撮像対象のPD、B1およびScは、一定とする(例えば1とする)。また、B0は、撮像に用いる装置の磁場強度(例えば3T)と同じにする。
数値シミュレーションは、格子点上にスピンを配置した被検体モデルを用い、撮像シーケンス、撮像パラメータ、装置パラメータを入力とし、磁気共鳴現象の基礎方程式であるBlochの式を解いて核磁気共鳴信号を出力するものとする。
被検体モデルは、スピンの空間分布(γ,M0,T1,T2,Cs)として与えられる。ここで、γは磁気回転比、M0は熱平衡磁化(スピン密度)、核磁気共鳴信号を画像再構成することにより、与えられた条件での画像を得ることができる。
なお、Blochの式は、1階線形常微分方程式であり、以下の式(4)で表される。
Figure 0006487554
ここで、(x,y,z)は3次元の直交座標系を表し、zは静磁場(強度がB0)の向きに等しい。また、(Mx,My,Mz)はスピン、G,G,Gはそれぞれ添字方向の傾斜磁場強度、H1は高周波磁場強度、f0は回転座標系の周波数である。
[磁気共鳴パラメータ推定手法]
次に、この信号関数fsを用い、物性値を推定する手法を説明する。この場合、撮像パラメータFA、TR、TE、θを変化させて複数の画像を撮像し、ピクセルごとの信号値Iを信号関数fsにフィッティングすることにより、磁気共鳴パラメータを推定する。
なお、このフィッティングにより推定できるパラメータには、MRI装置100に依存する装置パラメータもある。装置パラメータは撮像時に自由に制御することが困難であり、また、B1以外は撮像パラメータを変化させただけでは分離できない。このため、信号関数fsを、以下の式(5)ように変数変換した関数fに対してフィッティングを行う。なお、関数フィッティングには、例えば、最小二乗法を用いる。
Figure 0006487554
撮像時に用いるパルスシーケンスが、信号強度関数が定式化されていないシーケンスの場合、本実施形態の磁気共鳴パラメータ算出部231は、上記関数fを用い、得られた画像の画素値から、磁気共鳴パラメータ(例えば、T1値、T2値、PDといった被検体103の物性値)を推定する。
なお、この場合、撮像パラメータ設定部210は、磁化移動パラメータの値毎に、異なる撮像パラメータ(例えば、FA、TR、TE、θ)を設定する。すなわち、この場合、磁化移動パラメータについては、第一の実施形態同様、2以上の値を設定する。さらに、各磁化移動パラメータの値毎に、複数の撮像パラメータ種について異なる値を設定する。このため、例えば、磁化移動パラメータにn個の異なる値を設定し、磁気共鳴パラメータ算出のためにm個の異なる値を設定する場合、合計、n×m種の撮像パラメータセットが設定される。なお、n、mは、2以上の整数とする。
撮像パラメータの設定は、第一の実施形態同様、例えば、パラメータ設定画面300を介して行う。本実施形態においても、第一の実施形態同様、推奨値、設定条件等を予め保持しておいてもよい。設定可能範囲外、制約条件を満たさない値が入力された場合の処理も第一の実施形態同様とする。
[磁化移動指標算出処理]
本実施形態の磁化移動指標算出部230は、磁化移動効果の異なる画像データ群毎にえられた同種の磁気共鳴パラメータを用い、磁化移動指標を算出する。すなわち、第一の画像データから推定した第一の磁気共鳴パラメータと、前記第二の画像データから推定した第二の磁気共鳴パラメータとを用いて、前記磁化移動指標を算出する。
磁化移動指標算出部230は、第一の磁気共鳴パラメータと第二の磁気共鳴パラメータとの差異を、磁気共鳴パラメータ毎に前記磁化移動指標として算出する。ここで、算出する差異は、例えば、差、比、および差分比のいずれかとする。
例えば、磁気共鳴パラメータとして、T1、T2、PDの3種の値を推定した場合、それぞれを用い、磁化移動指標を算出する。従って、少なくとも、3つの磁化移動指標を算出する。
また、複数種の磁気共鳴パラメータが算出された場合、それらを組み合わせて、磁化移動指標を算出してもよい。
例えば、磁化移動効果を抑制した場合のプロトン密度PDであるMと、磁化移動減少が発生し、飽和が起こっている場合のPDであるMと、磁化移動効果を抑制した場合のT1値であるT1とを用い、交換速度定数Kを以下の式(6)に従って算出し、磁化移動指標としてもよい。
Figure 0006487554
<実施例>
以下に、本実施形態の具体例を示す。
ここでは、撮像パラメータセットとして、以下の表1に示す12セットが設定されたものとする。なお、この撮像パラメータセットは、撮像パラメータ設定部210が、パラメータ設定画面300を介して受け付けたものである。
Figure 0006487554
本実施例では、磁化移動パラメータのRF照射帯域の値を、±278kHzおよび556kHzの2通り設定した。そして、それぞれの帯域について、撮像パラメータのTR、FA、θについて、6通りの組み合わせの値を設定し、計12の撮像パラメータセットを設定した。
これらの撮像パラメータセットを用いて実行された撮像により得た12の画像データから、磁気共鳴パラメータ算出部231が算出した磁気共鳴パラメータを画素値とする画像を、図11(a)〜図11(h)に示す。
図11(a)〜図11(d)は、RF照射帯域±278kHzで取得した画像から演算した、aを画素値とする画像(a画像)611、B1を画素値とする画像(B1画像)612、T1を画素値とする画像(T1画像)613、T2を画素値とする画像(T2画像)614である。また、図11(e)〜図11(f)は、RF照射帯域±556kHzで取得した画像から演算した、a画像621、B1画像622、T1画像623、T2画像624である。
なお、磁気共鳴パラメータ算出部231は、これらの画像を、撮像結果の画像データから、上記信号関数を用い、関数フィッティングにより、a、B1、T1、T2の値を算出した(推定した)。このとき、RF照射帯域ごとに、これらの値(a、B1、T1、T2)を算出した(推定した)。
また、磁化移動指標算出部230が、磁気共鳴パラメータ算出部231による演算結果を用い、算出した磁化移動指標を画素値とする画像を、図12(a)〜図12(d)に示す。ここで、図12(a)〜図12(c)は、それぞれ、aの差分比を画素値とする画像(磁化移動画像)631、T1の差分比を画素値とする画像(磁化移動画像)633、T2の差分比を画素値とする画像(磁化移動画像)634である。また、図12(d)は、上述の交換速度定数Kを画素値とする画像(磁化移動画像)635である。
以上説明したように、本実施形態のMRI装置100は、第一の実施形態同様、第一の撮像パラメータセットを用いて撮像された第一の画像データと、前記第一の撮像パラメータセットと少なくとも1つの撮像パラメータの値が異なる第二の撮像パラメータセットを用いて撮像された第二の画像データとから、磁化移動効果を評価する指標である磁化移動指標を算出する磁化移動指標算出部230を備える。このとき、前記第一の画像データと前記第二の画像データとは、前記磁化移動効果が異なるようにする。例えば、前記第一の撮像パラメータセットと前記第二の撮像パラメータセットとで値が異なる前記撮像パラメータは、前記磁化移動効果に影響を与える撮像パラメータである磁化移動パラメータとする。また、前記第一の画像データと前記第二の画像データとは、同一のパルスシーケンスに従って取得されるものとする。
本実施形態の前記磁化移動指標算出部230は、前記第一の画像データと前記第二の画像データとから、それぞれ、被検体の物性値である磁気共鳴パラメータを1以上算出する磁気共鳴パラメータ算出部231を備える。そして、本実施形態の磁化移動指標算出部230は、前記第一の画像データから推定した第一の磁気共鳴パラメータと、前記第二の画像データから推定した第二の磁気共鳴パラメータとを用いて、前記磁化移動指標を算出する。このとき、例えば、前記磁化移動指標算出部は、前記第一の磁気共鳴パラメータと前記第二の磁気共鳴パラメータとの差異を、前記磁気共鳴パラメータ毎に前記磁化移動指標として算出する。なお、差異は、差、比、および差分比のいずれかであってもよい。
このように、本実施形態によれば、第一の実施形態同様、MTCパルス等の磁化移動効果専用のプリパルスを用いることなく、撮像時に必須のパラメータの変更のみで、磁化移動効果を反映した指標(磁化移動指標)を算出できる。従って、プリパルスの印加時間分撮像時間を短縮できる。また、このプリパルスを印加しない分、SARの低減が期待できる。
さらに、本実施形態によれば、この磁化移動指標を物性値と関連付けることで、より定量的な指標を得ることができる。
<変形例>
磁化移動パラメータの値は、少なくとも2つ必要である。撮像時に用いるパルスシーケンスが信号強度関数が定式化されていないシーケンスであって、上記推定手法を用いると、算出対象の磁気共鳴パラメータの数がm種(上記例では4つ)である場合、画像データ数(撮像パラメータセット数)は少なくとも2×m個必要となる。しかしながら、必ずしも、これに限定されない。
前記第一の撮像パラメータセットと前記第二の撮像パラメータセットとにおいて、複数の前記撮像パラメータの値が異なり、この値の異なる複数の撮像パラメータは、組み合わせることにより、第一の画像と第二の画像とに異なる磁化移動効果を生じさせる撮像パラメータであれば、特に、磁化移動パラメータの値を変えて画像データを得る必要はない。
例えば、TRが短く、かつ、FAが高い磁気共鳴パラメータは、磁化移動効果が高く、TRが長く、かつ、FAが小さい磁気共鳴パラメータは磁化移動効果が低い画像データが得られる。これを利用し、撮像パラメータセットとして、磁化移動パラメータの値(上記例では、RFのパルス帯域の値)を変えずにパラメータを設定し、相対的に、TRが短く、かつ、FAが高い磁気共鳴パラメータで計測された画像データ群と、TRが長く、かつ、FAが小さい磁気共鳴パラメータで計測された画像データ群とに分けて、ぞれぞれで磁気共鳴パラメータを求め、両磁気共鳴パラメータから磁化移動指標を算出するよう構成してもよい。
例えば、RF照射帯域は±556とし、(TR、FA、θ)={(20、30、2)、(20、30、22)、(40、10、2)、(40、30、2)、(40、10、8)、(40、10、5)、(10、40、2)、(10、40、22)}で得た画像データを取得し、(TR、FA、θ)={(20、30、2)、(20、30、22)、(40、10、2)、(40、30、2)、(40、10、8)、(40、10、5)}の第一のデータ群よりT1,T2,PDを推定する。次に、(TR、FA、θ)={(40、10、2)、(40、30、2)、(40、10、8)、(40、10、5)、(10、40、2)、(10、40、22)}の第二のデータ群よりT1,T2、PDを推定する。このように磁気共鳴パラメータを算出する際のデータの組合せを変えることで磁化移動効果の異なる磁気共鳴パラメータを算出し、磁化移動指標を算出する。
また、例えば、5つの値の異なる撮像パラメータセットがある場合、磁化移動効果の高い撮像パラメータセットから順に4つの撮像パラメータセットを選択し、その結果から磁化移動効果の高い磁気共鳴パラメータを算出し、また、磁化移動効果の低い撮像パラメータセットから順に4つのパラメータを選択し、磁化移動効果の低い磁気共鳴パラメータを算出する。そして、両磁気共鳴パラメータから、磁化移動指標を算出するよう構成してもよい。
これにより、磁化移動パラメータを変えずに、磁化移動効果の異なる磁気共鳴パラメータの算出が可能なる。よって、より短時間で、物性値ごとの磁化移動の指標を算出することが可能となる。
なお、本実施形態においても、物性値ごとの磁化移動指標を算出する際、3つ以上の磁化移動効果の異なる画像データを用い、近似式を決定し、当該近似式の係数を磁化移動指標とするよう構成してもよい。
100…MRI装置、101…マグネット、102…傾斜磁場コイル、103…被検体、104…シーケンサ、105…傾斜磁場電源、106…高周波磁場発生器、107…RFコイル、108…RFプローブ、109…受信器、110…計算機、111…表示装置、112…記憶装置、113…シムコイル、114…シム電源、116…入力装置、210…撮像パラメータ設定部、220…撮像部、230…磁化移動指標算出部、231…磁気共鳴パラメータ算出部、250…表示処理部、300…パラメータ設定画面、310…プロトコル指示受付領域、320…撮像パラメータ設定領域、321…値受付領域、330…プロトコル保存指示受付領域、340…磁化移動パラメータ設定領域、341…値受付領域、401…RF照射帯域が狭い場合の画像、402…RF照射帯域が広い場合の画像、403…ライン、411…画像401の信号値のグラフ、412…画像402の信号値のグラフ、421…画像、422:画像、423:画像、430…ボクセル、441…ボクセル値、442:ボクセル値、443:ボクセル値、450…多項式、501…磁化移動画像、611…a画像、612…B1画像、613…T1画像、614…T2画像、621…a画像、622…B1画像、623…T1画像、624…T2画像、631…aの磁化移動画像、633…T1の磁化移動画像、634…T2の磁化移動画像、635…交換速度定数Kの磁化移動画像、910…自由水の周波数スペクトラム、911…自由水プロトンの共鳴周波数帯域、912…結合水プロトンの共鳴周波数帯域、920…結合水の周波数スペクトラム、931…周波数帯、932…磁化移動効果

Claims (12)

  1. 同一のパルスシーケンスの複数の撮像パラメータのうち、磁化移動効果に影響を与える1以上の磁化移動パラメータの値として、磁化移動効果の異なる第一の値と第二の値をユーザから受け付ける磁化移動パラメータ設定部と、
    前記磁化移動パラメータの値として前記第一の値を含む第一の撮像パラメータセットを用いて前記パルスシーケンスにより撮像された第一の画像データと、前記磁化移動パラメータの値として前記第二の値を含む第二の撮像パラメータセットを用いて前記パルスシーケンスにより撮像された第二の画像データとから、磁化移動効果を評価する指標である磁化移動指標を算出する磁化移動指標算出部を備え、
    前記第一の画像データと前記第二の画像データとは、前記磁化移動効果が異なり、
    前記パルスシーケンスは、MTC(Magnetization Transfer Contrast)パルスを印加しないパルスシーケンスであり、
    前記磁化移動パラメータ設定部は、前記磁化移動パラメータの複数の推奨値と、前記推奨値ごとの磁化移動効果の変化度合を示す情報とを表示すること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 第一の撮像パラメータセットを用いて撮像された第一の画像データと、前記第一の撮像パラメータセットと少なくとも1つの撮像パラメータの値が異なる第二の撮像パラメータセットを用いて撮像された第二の画像データとから、磁化移動効果を評価する指標である磁化移動指標を算出する磁化移動指標算出部を備え、
    前記第一の画像データと前記第二の画像データとは、前記磁化移動効果が異なり、
    前記第一の画像データと前記第二の画像データとは、同一のパルスシーケンスに従って取得され、
    前記第一の撮像パラメータセットと前記第二の撮像パラメータセットとで値が異なる前記撮像パラメータには、前記磁化移動効果に影響を与える磁化移動パラメータである高周波磁場パルスの照射帯域が含まれ、
    前記パルスシーケンスは、MTC(Magnetization Transfer Contrast)パルスを印加しないパルスシーケンスであること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記磁化移動パラメータ設定部は、前記磁化移動パラメータとして、前記パルスシーケンスで照射する高周波磁場パルスの照射帯域およびフリップ角(FA)、ならびに、前記パルスシーケンスの繰り返し時間(TR)のうちの1以上を設定可能であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項1または2記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記磁化移動指標算出部は、前記第一の画像データと前記第二の画像データとの差異を、前記磁化移動指標として算出すること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置であって
    前記磁化移動指標算出部は、前記第一の画像データと前記第二の画像データとから、それぞれ、被検体の物性値である磁気共鳴パラメータを1以上算出する磁気共鳴パラメータ算出部を備え、
    前記第一の画像データから推定した第一の磁気共鳴パラメータと、前記第二の画像データから推定した第二の磁気共鳴パラメータとを用いて、前記磁化移動指標を算出すること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項5記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記磁化移動指標算出部は、前記第一の磁気共鳴パラメータと前記第二の磁気共鳴パラメータとの差異を、前記磁気共鳴パラメータ毎に前記磁化移動指標として算出すること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  7. 請求項5記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記第一の撮像パラメータセットと前記第二の撮像パラメータセットとにおいて、複数の前記撮像パラメータの値が異なり、
    当該値の異なる複数の撮像パラメータは、組み合わせることにより、前記第一の画像と前記第二の画像とに異なる前記磁化移動効果を生じさせる撮像パラメータであること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  8. 請求項4記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記差異は、差、比、および差分比のいずれかであること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  9. 請求項1または2記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記磁化移動指標算出部は、前記第一の撮像パラメータセットおよび前記第二の撮像パラメータセットと少なくとも1つの磁化移動パラメータの値が異なる第三の撮像パラメータセットを用いて前記パルスシーケンスにより撮像された第三の画像データ、前記第一の画像データ、および前記第二の画像データをフィッティングすることにより得た近似式の係数を前記磁化移動指標として算出し、
    前記第三の画像データと前記第一の画像データおよび前記第二の画像データとは、前記磁化移動効果が異なること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  10. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記磁化移動パラメータ設定部は、前記磁化移動パラメータの設定可能範囲を特定する情報と、前記磁化移動パラメータの前記第一の値と前記第二の値との間の制約条件を特定する情報とを保持し、
    当該磁化移動パラメータ設定部は、前記設定可能範囲外の値、または、前記制約条件を満たさない値の入力を受け付けた場合、操作者に通知すること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  11. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記磁化移動パラメータ設定部は、前記磁化移動パラメータの設定可能範囲を特定する情報と、前記磁化移動パラメータの前記第一の値と前記第二の値との間の制約条件を特定する情報とを保持し、
    当該磁化移動パラメータ設定部は、前記設定可能範囲外の値の入力を受け付けた場合、受け付けた値に最も近い、前記設定可能範囲内の値を設定し、前記制約条件を満たさない値の入力を受け付けた場合、受け付けた値に最も近い、前記制約条件を満たす値を設定すること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  12. 請求項記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記磁化移動パラメータ設定部は、前記パルスシーケンスを設定する撮像プロトコル毎に、前記磁化移動パラメータの推奨値を複数保持するとともに、当該推奨値毎の磁化移動効果の変化度合いを示す情報を保持すること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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