JP2016140417A - 磁気共鳴イメージング装置及びfseシーケンスの照射位相制御法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置及びfseシーケンスの照射位相制御法 Download PDF

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Abstract

【課題】 FSEシーケンスに基づいて再構成画像を得る際に、得られた計測データを後処理にて位相操作することなく、不要エコーに基づくアーチファクトが低減された再構成画像を得る。
【解決手段】 励起RFパルスと複数の再収束RFパルスとを有して成るFSEシーケンスを用いて、計測を繰り返す際に、第i(1≦i≦N)回目の計測では、0≦α<360として、再収束RFパルスの照射位相に加算する加算位相を、[(360/N)*(i−1)+α]°とし、N回の計測で計測されたエコーを複素加算して、被検体の画像を再構成する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号を測定し、核の密度分布や緩和時間分布等を画像化する核磁気共鳴イメージング(以下、「MRI」という)装置に関し、特に、FSE(Fast Spin Echo)法に基づくパルスシーケンスを用いた撮像の際に、計測データに混入するスピンエコー以外の不要エコーによる、再構成画像への影響を低減し、アーチファクトが低減された画像を得る技術に関する。
MRI装置は、被検体、特に人体の組織を構成する原子核スピンが発生するNMR信号を計測し、その頭部、腹部、四肢等の形態や機能を2次元的に或いは3次元的に画像化する装置である。撮影においては、NMR信号には、傾斜磁場によって異なる位相エンコードが付与されるとともに周波数エンコードされて、時系列データとして計測される。計測されたNMR信号は、2次元又は3次元フーリエ変換されることにより画像に再構成される。
上記MRI装置では、様々な撮像パルスシーケンスが用いられているが、中でもFSE法に基づくパルスシーケンス(以下、FSEシーケンスという)は、その撮像時間の短さと、撮像可能な画像種(T1,強調、T2強調、プロトン密度強調等)の多様さのため大変広く用いられ、MRI撮像では主要なパルスシーケンスとなっている。
FSEシーケンスでは、複数の再収束RFパルス(一般的には、そのフリップ角が180°に設定される)を用いてエコーを繰り返し再収束(反転)することで、1回の励起RFパルス(一般的には、そのフリップ角が90°に設定される)の印加の後に複数のスピンエコーが得られる。
しかしながら、RFパルスの励起プロファイルの非矩形性や、RF照射コイル自身のハードウェア性能に依る照射不均一性など様々な要因に依って、RFパルスによるスピンのフリップ角が設定値から外れる(一般的に設定値以下のフリップ角で励起される)領域がある。このような領域では、RFパルスによるスピンの振る舞いが理想から外れ、スピンエコー以外の不要エコーが発生することが知られている。このような不要エコーは、経験するRFパルスの経路がスピンエコーとは異なるため、スピンエコーとは違うプロパティを有するので、計測データにスピンエコー以外の不要エコーが混入すると、再構成画像にアーチファクトが生じてしまう。
上記問題に対して、例えば非特許文献1では、FSEシーケンスの連続する再収束RFパルスの位相角を1つおきに変更し、計測データを後処理にて位相操作した後に、再収束RFパルスの位相を変更せずに取得した計測データと加算することで、再構成画像への不要エコーの影響を軽減する方法が提案されている。
Y.Zur, S.Stokar, "A Phase-Cycling Technique for Canceling Spurious Echoes in NMR Imaging", J. Mahn. Reson. 71, 212-228 (1987)
しかしながら、非特許文献1の方法では、計測データを後処理にて位相操作する必要があるため、再構成画像を得るまでに時間を要してしまう。
そこで本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、FSEシーケンスに基づいて再構成画像を得る際に、得られた計測データを後処理にて位相操作することなく、不要エコーに基づくアーチファクトが低減された再構成画像を得ることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のMRI装置及びFSEシーケンスの照射位相制御法は次のように構成される。即ち、励起RFパルスと複数の再収束RFパルスとを有して成るFSEシーケンスを用いて、計測を繰り返す際に、第i(1≦i≦N)回目の計測では、0≦α<360として、再収束RFパルスの照射位相に加算する加算位相を、[(360/N)*(i−1)+α]°とし、N回の計測で計測されたエコーを複素加算して、被検体の画像を再構成する。
本発明の MRI装置及びFSEシーケンスの照射位相制御法によれば、FSEシーケンスに基づいて再構成画像を得る際に、得られた計測データを後処理にて位相操作することなく、不要エコーに基づくアーチファクトが低減された再構成画像を得ることができるようになる。
本発明によるMRI装置の全体構成を示すブロック図 一般的なFSEシーケンスによるパルスシーケンス図 FSEシーケンスにおけるRFパルスの一般的なフリップ角とRF照射位相を示す模式図 FSEシーケンスのRF部分において、再収束RFパルスの照射位相に0°と180°を加算した模式図 FSEシーケンスにおいて、計測されるスピンエコーと不要エコーのピークをずらして計測を行った場合の計測データプロファイル例。(a)は全体図、(b)はスピンエコー部の拡大図、(c)は不要エコー部分の拡大図 図5において、再収束RFパルスの照射位相に0°と180°を加算して撮像した計測したエコーの位相プロファイル例。(a)はエコー全体の位相、(b)はスピンエコー部の拡大図、(c)は不要エコー部分の拡大図 FSEシーケンスの再収束RFパルスの照射位相に0°と180°を加算して撮像したマルチスライス画像例。(a)は第1の計測エコーによる再構成画像、(b)は第2の計測エコーによる再構成画像、(c)は第1の計測エコーと第2の計測エコーの複素加算にによる再構成画像 FSEシーケンスのRF部分において、再収束RFパルスの照射位相にα°のオフセットを与え、α°と(α+180)°を加算した模式図 FSEシーケンスのRF部分において、撮像の回数を3回とした場合、再収束RFパルスの照射位相に0°、120°、240°を加算した模式図
以下、添付図面に従って本発明のMRI装置の好ましい実施例について詳説する。なお、発明の実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
最初に、本発明に係るMRI装置を図1に基づいて説明する。図1は、本発明に係るMRI装置の一実施例の全体構成を示すブロック図である。
このMRI装置は、NMR現象を利用して被検体101の断層画像を得るもので、図1に示すように、静磁場発生磁石102と、傾斜磁場コイル103及び傾斜磁場電源109と、RF送信コイル104及びRF送信部110と、RF受信コイル105及び信号処理部107と、計測制御部111と、全体制御部112と、表示・操作部118と、被検体101を搭載する天板を静磁場発生磁石102の内部に出し入れするベッド106と、を備えて構成される。
静磁場発生磁石102は、垂直磁場方式であれば被検体101の体軸と直交する方向に、水平磁場方式であれば体軸方向に、それぞれ均一な静磁場を発生させるもので、被検体101の周りに永久磁石方式、常電導方式あるいは超電導方式の静磁場発生源が配置されている。
傾斜磁場コイル103は、MRI装置の実空間座標系(静止座標系)であるX、Y、Zの3軸方向に巻かれたコイルであり、それぞれの傾斜磁場コイルは、それを駆動する傾斜磁場電源109に接続され電流が供給される。具体的には、各傾斜磁場コイルの傾斜磁場電源109は、それぞれ後述の計測制御部111からの命令に従って駆動されて、それぞれの傾斜磁場コイルに電流を供給する。これにより、X、Y、Zの3軸方向に傾斜磁場Gx、Gy、Gzが発生する。
2次元スライス面の撮像時には、スライス面(撮像断面)に直交する方向にスライス傾斜磁場パルス(Gs)が印加されて被検体101に対するスライス面が設定され、そのスライス面に直交して且つ互いに直交する残りの2つの方向に位相エンコード傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード(読み出し)傾斜磁場パルス(Gf)が印加されて、核磁気共鳴信号(エコー信号)にそれぞれの方向の位置情報がエンコードされる。
RF送信コイル104は、被検体101にRFパルスを照射するコイルであり、RF送信部110に接続され高周波パルス電流が供給される。これにより、被検体101の生体組織を構成する原子のスピンにNMR現象が誘起される。具体的には、RF送信部110が、後述の計測制御部111からの命令に従って駆動されて、高周波パルスを振幅変調し、増幅した後に被検体101に近接して配置されたRF送信コイル104に供給することにより、RFパルスが被検体101に照射される。
RF受信コイル105は、被検体101の生体組織を構成するスピンのNMR現象により放出されるエコー信号を受信するコイルであり、信号処理部107に接続されて受信したエコー信号が信号処理部107に送られる。
信号処理部107は、RF受信コイル105で受信されたエコー信号の検出処理を行う。具体的には、後述の計測制御部111からの命令に従って、信号処理部107が、受信されたエコー信号を増幅し、直交位相検波により直交する二系統の信号に分割し、それぞれを所定数(例えば128、256、512等)サンプリングし、各サンプリング信号をA/D変換してディジタル量に変換する。従って、エコー信号は所定数のサンプリングデータからなる時系列のデジタルデータ(以下、エコーデータという)として得られる。そして、信号処理部107は、エコーデータに対して各種処理を行い、処理したエコーデータを計測制御部111に送る。
計測制御部111は、被検体101の断層画像の再構成に必要なエコーデータ収集のための種々の命令を、主に、傾斜磁場電源109と、RF送信部110と、信号処理部107に送信してこれらを制御する制御部である。
具体的には、計測制御部111は、後述する全体制御部112の制御で動作し、ある所定のパルスシーケンスの制御データに基づいて、傾斜磁場電源109、RF送信部110及び信号処理部107を制御して、被検体101へのRFパルスの照射及び傾斜磁場パルスの印加と、被検体101からのエコー信号の検出と、を繰り返し実行し、被検体101の撮像領域についての画像の再構成に必要なエコーデータの収集を制御する。繰り返しの際には、2次元撮像の場合には位相エンコード傾斜磁場の印加量を、3次元撮像の場合には更にスライスエンコード傾斜磁場の印加量も、変えて行なう。
位相エンコードの数は通常1枚の画像あたり128、256、512等の値が選ばれ、スライスエンコードの数は、通常16、32、64等の値が選ばれる。これらの制御により信号処理部107からのエコーデータを全体制御部112に出力する。
全体制御部112は、計測制御部111の制御、及び、各種データ処理と処理結果の表示及び保存等の制御を行うものであって、演算処理部(CPU)114と、メモリ113と、磁気ディスク等の内部記憶部115と、外部ネットワークとのインターフェースを行うネットワークIF119と、を有して成る。また、全体制御部112には、光ディスク等の外部記憶部117が接続されていても良い。
具体的には、計測制御部111に撮像シーケンスの実行によりエコーデータを収集させ、計測制御部111からのエコーデータが入力されると、演算処理部114がそのエコーデータに印加されたエンコード情報に基づいて、メモリ113内のk空間に相当する領域に記憶させる。以下、エコーデータをk空間に配置する旨の記載は、エコーデータをメモリ113内のk空間に相当する領域に記憶させることを意味する。また、メモリ113内のk空間に相当する領域に記憶されたエコーデータ群をk空間データともいう。
そして演算処理部114は、このk空間データに対して信号処理やフーリエ変換による画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体101の画像を、後述の表示・操作部118に表示させ、内部記憶部115や外部記憶部117に記録させたり、ネットワークIF119を介して外部装置に転送したりする。
表示・操作部118は、再構成された被検体101の画像を表示する表示部と、MRI装置の各種制御情報や上記全体制御部112で行う処理の制御情報を入力するトラックボール又はマウス及びキーボード等の操作部と、から成る。この操作部は表示部に近接して配置され、操作者が表示部を見ながら操作部を介してインタラクティブにMRI装置の各種処理を制御する。
現在MRI装置の撮像対象核種は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮像する。
(FSEシーケンス及びその不要エコー)
次に、本発明に係るFSEシーケンス及びFSEシーケンスでの不要エコーについて述べる。FSEシーケンスはスピンエコー法を基本とした撮像法であるが、図2に示すように、1つの励起RFパルス201に続いて2つ以上の再収束RFパルス202(図2では3つの再収束RFパルス202-1〜202-3を示しているが3つに限定されない)を印加し、再収束RFパルス202毎にスピンエコー203を計測することで、1つの励起RFパルスに対して複数のスピンエコーを (エコートレイン)を計測する撮像法である。なお、各RFパルスに対応して印加される各傾斜磁場(スライス選択傾斜磁場Gs,位相エンコード傾斜磁場Gp,及び周波数エンコード傾斜磁場Gr)は周知であることから詳細な説明は省略する。
FSEシーケンスでは、CPMG条件に従ってスピンの再収束(反転)およびエコーの収集が行われる。そのため、各RFパルスの照射位相は、CPMG条件に適合するように設定される必要があり、一般的な一例を図3に示す。図3に示す一例は、励起RFパルス201の照射位相(0°)に対して、再収束RFパルス202の照射位相を90°シフトした位相とすることを示している。例えば右手座標系で、励起RFパルス201の照射位相をX軸方向(90x)とすると、再収束RFパルス202の照射位相をY軸方向(180y)とするものである。
次に、このように各RFパルスの照射位相が設定されたFSEシーケンスによって生成されるエコーについて説明する。前述したように、各再収束RFパルス自体の物理特性的やハードウェア特性に基づいて、各再収束RFパルスに励起誤差が生じる。励起誤差が生じた各再収束RFパルスによって生成されるエコーにはスピンエコーとは別経路の不要エコーが生じやすく、アーチファクトの原因となる。中でも、再収束RFパルスから生じるFIDエコーは励起誤差の程度に依って発生強度が変化するため、メインのスピンエコーに対する割合が変化しやすく、画質に与える影響が捉えにくい。
さらに、スピンエコーは励起RFパルスを起点とするためエコートレイン中では後半のスピンエコーになるほどT2減衰していく。他方、各再収束RFパルスによるFIDエコーは、再収束RFパルスを起点とするため、例えば、FSEシーケンスに使われている全ての再収束RFパルスから発生すると仮定すると、エコートレイン中の何番目であろうとも殆ど減衰せずにその程度が同じになる。その結果、エコートレイン中で後半になるに従って、スピンエコーに対してFIDエコーの割合が大きくなり、計測されるエコーにおけるFIDエコーの影響が大きくなっていく。
(実施例1)
次に、本発明の実施例1について説明する。実施例1は、各再収束RFパルスの照射位相へ加算する加算位相を、0°とする計測と180°とする計測をそれぞれ行い、各計測で得られたエコーを複素加算することで不要エコー成分のみを除去する。以下、本実施例1を図4に基づいて詳細に説明する。
図4に示すように、本実施例1では、計測制御部111が、第1の計測と第2の計測を一組みとする計測を少なくとも1回繰り返し、演算処理部114が、第1の計測で得られたエコーと第2の計測で得られたエコーとを複素加算することで、不要エコー成分を除去し、スピンエコー成分のみを抽出して画像再構成するものである。
第1の計測では、図3に示したように、励起RFパルス201の照射位相を0°として、該励起RFパルス201の照射位相に対して、相対的に各再収束RFパルスの照射位相を90°シフトしたFSEシーケンスにより各再収束RFパルス202に基づくエコー203を計測する。
一方、第2の計測では、第1の計測における各再収束RFパルスの照射位相を更に180°加算したものとする。具体的には、励起RFパルス201の照射位相を第1の計測と同じ0°とし、各再収束RFパルスの照射位相を(90+180)°=270°とする。
これらの計測で得られるエコーを図5に示す。(a)は全体図であり、(a)におけるスピンエコー部分の拡大図を(b)に、(a)における不要エコー部分の拡大図を(c)に、それぞれ示す。ここではスピンエコーと不要エコーを認識しやすくするため、特別にシーケンス中の傾斜磁場波形の面積を変更して、それぞれのピーク位置をずらして計測した例を示しているが、通常の撮像ではこれらのエコーは完全に重なった状態で計測される。
また、第1の計測で計測されたエコーの位相情報と、第2の計測で計測されたエコーの位相情報を図6に示す。(a)はエコー全体の位相を示し、(a)におけるスピンエコー部分の拡大図を(b)に、(a)における不要エコー部分の拡大図を(c)に、それぞれ示す。スピンエコー部分は第1の計測のエコーと第2の計測のエコーとが完全に同じ位相となっているが、不要エコー部分では第1の計測のエコーと第2の計測のエコーとが約180°ずれた位相となっている。従って、第1の計測のエコーと第2の計測のエコーとを複素加算することで、スピンエコー成分が残り、不要エコー成分が互いに打ち消してキャンセルされることが理解できる。
最後に、各エコーから得られる再構成画像の一例を図7に示す。いずれもファントムをマルチスライスで撮像した画像であり、(a)は第1の計測のエコーによる再構成画像を、(b)は第2の計測のエコーによる再構成画像を、(c)は第1の計測のエコーと第2の計測のエコーの複素加算による再構成画像を、それぞれ示す。(a)に示す第1の計測(再収束RFパルスの照射位相に0°を加算)の再構成画像と、(b)に示す第2の計測(再収束RFパルスの照射位相に180°を加算)の再構成画像は、位置毎の輝度が変化していることが理解できる。なお、スライス間でも輝度のバラツキが大きいことが確認された。
一方、(c)に示す第1の計測のエコーと第2の計測のエコーの複素加算による再構成画像では、輝度差が抑えられて位置毎の輝度が略一定であることが理解できる。なお、スライス間の輝度のバラつきが大きく低減したことも確認できた。これは、図6で示した不要エコーの位相が180°異なるエコーを複素加算することで、不要エコー成分がキャンセルされ、その影響が再構成画像に現れなくなったためである。
以上説明したように、本実施例1は、各再収束RFパルスの照射位相へ加算する加算位相を、0°とする計測と180°とする計測をそれぞれ行い、各計測で得られたエコーを複素加算することで不要エコー成分のみを除去する。これにより、FSEシーケンスに基づいて再構成画像を得る際に、得られた計測データを後処理にて位相操作することなく、不要エコーに基づくアーチファクトが低減された再構成画像を得ることができる。
(実施例2)
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例2は、励起RFパルスの照射位相にα(0≦α<360)°を加算する。励起RFパルスの照射位相が0°以外のとき、CPMG条件を維持するために各再収束RFパルスの照射位相もこれに追従する必要がある。そのため、各再収束RFパルスの照射位相へ加算する加算位相を、実施例1の加算位相に更にオフセット位相α°を加えたものとする。つまり、加算位相をα(0≦α<360)°とする計測と(180+α)°とする計測をそれぞれ行い、各計測で得られたエコーを複素加算することで不要エコー成分のみを除去する。尚、α=0とすると前述の実施例1と同じになる。以下、本実施例2を図8に基づいて詳細に説明する。
図8に示すように、本実施例2では、前述の実施例1と同様に、計測制御部111が、第1の計測と第2の計測を一組みとする計測を少なくとも1回繰り返し、演算処理部114が、第1の計測で得られたエコーと第2の計測で得られたエコーとを複素加算する。その際、第1の計測では、励起RFパルス201の照射位相をα°として、該励起RFパルス201の照射位相に対して、相対的に各再収束RFパルスの照射位相を(90+α)°シフトしたFSEシーケンスにより各再収束RFパルス202に基づくエコー203を計測する。一方、第2の計測では、第1の計測における各再収束RFパルスの照射位相を更に180°加算したものとする。
具体的には、励起RFパルス201の照射位相を第1の計測と同じα°とし、各再収束RFパルスの照射位相を(90+α+180)°=(α+270)°とする。これにより、複素加算後のエコーでは、不要エコー成分が除去され、スピンエコー成分のみが抽出されて、不要エコーによるアーチファクトが低減された画像再構成を得るものである。
再収束RFパルスに加算した位相が不要エコーの位相に直接作用するのは前述のとおりである。
したがって、複素加算するエコー間で不要エコーの位相が相対的に180°異なれば、不要エコー成分は複素加算によりキャンセルされる。したがって、α°というオフセット位相を両計測の再収束RFパルスの照射位相に加えても、不要エコー成分が複素加算によりキャンセルされる効果は同じである。
以上説明したように、本実施例2は、励起RFパルスの照射位相をα°(つまり任意の角度)とした場合に、各再収束RFパルスの照射位相へ加算する加算位相を、α°とする計測と(180+α)°とする計測をそれぞれ行い、各計測で得られたエコーを複素加算することで不要エコー成分のみを除去する。これにより、FSEシーケンスに基づいて再構成画像を得る際に、励起RFパルスの照射位相の設定において自由度を高めて、得られた計測データを後処理にて位相操作することなく、不要エコーに基づくアーチファクトが低減された再構成画像を得ることができる。
(実施例3)
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例3は、2回以上の計測を行い、各計測で再収束RFパルスの照射位相に加算する加算位相を、各計測で得られるエコーを複素加算した際に、不要エコー成分のみがキャンセルされるように設定する。
具体的には、N(N≧2)回の計測を行う場合には、計測制御部111は、第i(1≦i≦N)回目の計測における再収束RFパルスの照射位相に加算する加算位相θ(i)°を、
θ(i)=(360/N)*(i−1)+α
とする。ここで、0≦α<360である。
そして、計測制御部111が、i番目の計測において再収束RFパルスの照射位相に加算位相を追加して、iを1〜Nまで変えてN回繰り返し計測を行い、演算処理部114が、各計測で計測されたエコーを複素加算し、当該複素加算後のエコーを用いて再構成画像を得る。以下、本実施例3を図9に基づいて詳細に説明する。なお、Nの上限値は、現実的な撮像時間となる範囲で決定される。また、N=2の場合には、前述の実施例1又は実施例2と同様になる。
図9にはN=3、α=0の撮像の例を示す。複素加算する各エコーのベクトル和がゼロになれば、複素加算後のエコーにおいて不要エコー成分のみがキャンセルされることになる。そのためには、3回の計測の場合には、第i(1≦i≦3)回目の計測における再収束RFパルスの照射位相に加算する加算位相θ(i)は、上記式により、
第1の計測:θ(1) = 0
第2の計測:θ(2) = 120
第3の計測:θ(3) = 240
とする。
以上説明したように、本実施例3は、2回以上の計測を行い、各計測で再収束RFパルスの照射位相に加算する加算位相を、各計測で得られるエコーを複素加算した際に、不要エコー成分のみがキャンセルされるようにする。これにより、FSEシーケンスに基づいて再構成画像を得る際に、計測回数の自由度を高めて、得られた計測データを後処理にて位相操作することなく、不要エコーに基づくアーチファクトが低減された再構成画像を得ることができる。
尚、2回以上の計測回数の場合には実施例3を用いずに計測することも可能である。一つの方法は、加算回数に1以外の約数がある場合は、その約数で求めた照射位相で運用し、必要な撮像回数に至るまで繰り返してもよい。例えば、計測回数4回の場合は、計測回数2回の計測、つまり、再収束RFパルスの照射位相へ加算する加算位相を、0°とする計測と180°とする計測をそれぞれ行い、各計測で得られたエコーを複素加算する実施例1の手法を2回繰り返し、計4回の計測となるようにしてもよい。
以上本発明の各実施例で説明したRFパルスの位相制御は、任意のフリップ角(90°に限定されない)を有する励起RFパルスの後に、各々が任意のフリップ角(180°に限定されない)を有する複数の再収束RFパルスを印加して、複数のエコーを計測するタイプの任意のパルスシーケンスに適用可能である。
101 被検体、102 静磁場発生磁石、103 傾斜磁場コイル、104 送信RFコイル、105 RF受信コイル、106 寝台、107 信号処理部、108 全体制御部、109 傾斜磁場電源、110 RF送信部、111 計測制御部、113 メモリ、114 演算処理部(CPU)、115 内部記憶部、117 外部記憶部、118 表示・操作部、119 ネットワークIF

Claims (4)

  1. 励起RFパルスと複数の再収束RFパルスとを有して成るFSEシーケンスを用いて、被検体から前記再収束RFパルス毎のエコーの計測を行う計測制御部と、
    前記エコーを用いて前記被検体の画像を再構成する演算処理部と、
    を有して成り、
    前記計測は、第1の計測と第2の計測とを有して成り、
    前記第1の計測では、前記再収束RFパルスの照射位相に加算する加算位相を0°とし、
    前記第2の計測では、前記再収束RFパルスの照射位相に加算する加算位相を180°とし、
    前記演算処理部は、前記第1の計測で計測されたエコーと前記第2の計測で計測されたエコーとを複素加算して、前記被検体の画像を再構成する
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 励起RFパルスと複数の再収束RFパルスとを有して成るFSEシーケンスを用いて、被検体から前記再収束RFパルス毎のエコーの計測を行う計測制御部と、
    前記エコーを用いて前記被検体の画像を再構成する演算処理部と、
    を有して成り、
    前記計測は、第1の計測と第2の計測とを有して成り、
    前記第1の計測では、前記再収束RFパルスの照射位相に加算する加算位相をα(0≦α<360)°とし、
    前記第2の計測では、前記再収束RFパルスの照射位相に加算する加算位相を(180+α)°とし、
    前記演算処理部は、前記第1の計測で計測されたエコーと前記第2の計測で計測されたエコーとを複素加算して、前記被検体の画像を再構成する
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 励起RFパルスと複数の再収束RFパルスとを有して成るFSEシーケンスを用いて、被検体から前記再収束RFパルス毎のエコーの計測をN(N≧2)回繰り返す計測制御部と、
    前記エコーを用いて前記被検体の画像を再構成する演算処理部と、
    を有して成り、
    第i(1≦i≦N)回目の前記計測では、0≦α<360として、前記再収束RFパルスの照射位相に加算する加算位相を、
    [(360/N)*(i−1)+α]°
    とし、
    前記演算処理部は、N回の前記計測で計測されたエコーを複素加算して、前記被検体の画像を再構成する
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 励起RFパルスと複数の再収束RFパルスとを有して成るFSEシーケンスを用いて、被検体の画像を得る磁気共鳴イメージング装置における、前記FSEシーケンスの照射位相制御法であって、
    第i(1≦i≦N)回目の計測では、0≦α<360として、前記再収束RFパルスの照射位相に加算する加算位相を、
    [(360/N)*(i−1)+α]°
    として、前記エコーの計測を行うステップと、
    N回の前記計測で計測されたエコーを複素加算して、前記被検体の画像を再構成するステップと、
    を有して成ることを特徴とするFSEシーケンスの照射位相制御法。
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