JP6487365B2 - 船舶用自動操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ウォータージェット推進船の制御に関する。
水流を噴射するノズルによって推進力を得るウォータージェット推進船は、プロペラ船と比較して、省エネルギー性が劣るが高速航行に適していると言われている。ウォータージェット推進船においてノズルは左右に対で設けられるものがあり、ウォータージェット推進船はこれらのノズルを傾けることによって変針を行う。
ウォータージェット推進船の変針において、ノズルは船を直進させる直進方向から左右に傾く所定角度内に不感帯をもつ。このような不感帯を取り除く技術として、操舵システムの不感帯パラメータを推定し、命令舵角に不感帯逆特性のパラメータを与える、不感帯特性をもつ操舵システムの補償方法、が知られている(特許文献1参照)。
米国特許出願公開第2007/0050113A1号明細書
しかしながら、上述の補償方法によれば、ウォータージェット推進船のノズルの傾きについて不感帯相当のノズル変化を与えるために、これが大きな負荷となり故障や摩損の原因になりかねない、という問題がある。
本発明の実施形態は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ウォータージェット推進船におけるノズルの不感帯の影響をより低減させノズルの変動を抑制させることができる船舶用自動操舵装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本実施形態の船舶用自動操舵装置は、少なくとも一対のノズルを有するウォータージェット推進機を備えるウォータージェット推進船に対し、参照方位と船首方位とに基づいて船体パラメータを用いて命令舵角を出力する船舶用自動操舵装置であって、前記船体パラメータを同定する同定演算部を備え、前記同定演算部は、前記船舶用自動操舵装置で得られる所定の入力データからモデル出力データを出力する同定モデルと、前記同定モデルからのモデル出力データと、船体に係る実測値である出力データとの比較結果から前記船体パラメータを調整して同定するパラメータ調節部とを備え、前記同定モデルはノズルモデルと船体運動モデルとを含み、該ノズルモデルは、δを出力舵角、δを命令舵角、δDZをノズルオフセット、Wを前記一対のノズルの不感帯の片側幅、αを不感帯外のゲインに対する不感帯のゲイン比率として、
で表され、前記ウォータージェット推進機は、前記一対のノズルの動作位置を、前記不感帯幅Wに対応するノズルオフセットδ DZ だけ外方に傾けた通常状態と、該ノズルオフセットδ DZ を適用しない装備状態とに切り替え可能であり、前記同定演算部は、前記船体運動モデルに関する船体パラメータと共に、前記不感帯幅W、前記ゲイン比率αを同定するべきパラメータとし、前記装備状態において、前記船体パラメータと共に、前記不感帯幅W、前記ゲイン比率αを同定した後、前記通常状態において、前記船体パラメータのみを同定するべきパラメータとすることを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、ウォータージェット推進船におけるノズルの不感帯の影響をより低減させノズルの変動を抑制させることができる。
実施形態の船舶用自動操舵装置を含むシステムを示すブロック図である。 同定演算部の構成を示すブロック図である。 航路制御系で用いる座標系を示す説明図である。 不感帯特性を示す図である。 正規化されたノズルモデルを示す図である。図の修正:横軸 δ ->δc 同定値誤差の影響を示す図である。 同定値誤差の解析結果を示す図である。 船体モデルを示す図である。 パラメータ同定に用いるデータの収録時間を示す図である。 同定処理の動作を示すフローチャートである。 同定値誤差を示す図である。 誤差係数ε=0.5の場合の同定結果の時系列応答を示す図である。 誤差係数ε=−0.1の場合の同定結果の時系列応答を示す図である。 装備状態に対応したパラメータ同定のシミュレーション結果を示す図である。 通常状態に対応した初回のパラメータ同定のシミュレーション結果を示す図である。 通常状態に対応した更新後のパラメータ同定のシミュレーション結果を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
1 船舶用自動操舵装置
1.1 全体構成
まず、本発明の船舶用自動操舵装置を含むシステムについて説明する。図1は、実施形態の船舶用自動操舵装置を含むシステムを示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態におけるシステムは、船舶用自動操舵装置1とその制御対象であるウォータージェット推進船2とを含む。ここでウォータージェット推進船2は、それぞれ対応するアクチュエータによりノズル角が変更される右舷ノズル21a及び左舷ノズル21bを有するウォータージェット推進機21、船体22及びセンサ類23を合わせたものである。
ウォータージェット推進機21は、不感帯に対応した通常状態と、不感帯を特定するための装備状態との2つの状態に切り替え可能となっている。右舷ノズル21a及び左舷ノズル21bは、それぞれ、通常状態において、その動作位置を、不感帯に対応した修正角であるノズルオフセットδDZ分だけ、ハの字形状となるように外方に傾けられ、これによって不感帯が等価的に相殺されるようになっている。また、右舷ノズル21a及び左舷ノズル21bは、それぞれ、装備状態において、その動作位置にノズルオフセットδDZは適用されない状態となっている。
また、センサ類23は、船体22のsurge速度uを検出するスピードログ、船体22の船首方位ψを検出するジャイロコンパス、GPS等の衛星測位システム(GNSS)からの船体位置(x,y)を検出するGNSSセンサを含む。センサ類23によって検出された船首方位ψ、surge速度u、船体位置(x,y)が船舶用自動操舵装置1の同定演算部12に入力されるものとする。なお、ここで船体位置(x,y)は、後述する局地水平座標系における船体位置であり、x,yはそれぞれ北方向、東方向の船体位置を示す。
船舶用自動操舵装置1は、軌道演算部11、同定演算部12、減算器13、フィードバック制御器14、フィードフォワード制御器15、加算器16、17a及び17bを備える。軌道演算部11は、設定針路ψを入力し、設定針路ψから軌道計画に基づいた参照方位ψを演算するものである。同定演算部12は、船体パラメータを同定し、同定した船体パラメータを軌道演算部11、フィードバック制御器14及びフィードフォワード制御器15へ出力する。減算器13は、軌道演算部11から出力された参照方位ψと船体22の船首方位ψとの偏差eを出力する。フィードバック制御器14は、減算器13より出力された偏差eに制御ゲインを乗じてフィードバック舵角δFBを出力する。フィードフォワード制御器15は、軌道演算部11により出力された参照方位ψに基づいてフィードフォワード舵角δFFを出力する。加算器16は、フィードバック制御器14により出力されたフィードバック舵角δFBと、フィードフォワード制御器15により出力されたフィードフォワード舵角δFFとを加算して命令舵角δを出力する。加算器17aは、命令舵角δと、正のノズルオフセット+δDZとを加算した命令舵角δcSを右舷ノズル21aへ出力する。加算器17bは、命令舵角δと、負のノズルオフセット−δDZとを加算した命令舵角δcPを左舷ノズル21bへ出力する。
1.2 同定演算部
同定演算部の構成について説明する。図2は、同定演算部の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、同定演算部12は、出力データ記憶部121、入力データ記憶部122、同定モデル123、減算器124、パラメータ調節部125を備える。出力データ記憶部121は、船体22の船首方位ψ、船体位置(x,y)を出力データとして蓄積する。入力データ記憶部122は、加算器16により出力された命令舵角δ、センサ類23によって検出されたsurge速度u及び船首方位ψを入力データとして蓄積する。なお、出力データ記憶部121、入力データ記憶部122は、いずれもリングバッファ型メモリとすることができる。同定モデル123は、船体モデル、初期値及びオフセット成分から構成され、入力データ記憶部122に蓄積された入力データとしての命令舵角δ,船首方位ψとsurge速度uを入力し、モデル出力データとしてモデル船首方位、モデル船体位置を出力する。減算器124は、同定モデル123により出力されたモデル出力データと、出力データ記憶部121に記憶された出力データとの差異である同定誤差を算出する。パラメータ調節部125は、減算器124により算出された同定誤差に基づいて、同定モデル123を構成するパラメータを調節する。なお、このパラメータの調節については、後に詳述する。
1.3 航路座標系
航路座標系について説明する。図3は、航路制御系で用いる座標系を示す説明図である。
図3に示すように、航路制御系で用いる座標系は、局地水平座標系O−XYとボディ座標系O−Xからなり、いずれも右手系3軸直交座標系である。座標系においてZ軸は重力方向を正とし、回転極性は右ねじ方向を正とする。なお、座標系はX軸、Y軸の2次元を用いるため、図3においてZ軸は省略される。また、局地水平座標系はX軸を北向きにとり、ボディ座標系はX軸を船首方位にとる。また、図3において、uはsurge速度、vはsway速度、rは旋回角速度、ψは船首方位を示す。
2 船体運動モデル
ウォータージェット推進船の船体運動モデル(船体モデル)、及び不感帯の修正方法について説明する。船体モデルは、後述するように、ノズルモデル、yaw運動、sway運動に関する船体モデルとにより構成される。ノズルモデルは、一対のウォータージェットであり、不感帯(DZ:Dead−Zone)をもつ。
2.1 ノズルモデル
ノズルモデルについて説明する。図4は、不感帯特性を示す図である。図5は、正規化されたノズルモデルを示す図である。なお、図4において、縦軸はyaw角速度、横軸は命令舵角を示し、図5において、縦軸はノズルモデルによる出力角、横軸は命令舵角を示す。
右舷ノズル21a及び左舷ノズル21bは、互いに同一の不感帯特性をもつ。ノズルモデルは、図4に示すように、不感帯特性は点対象であり、不感帯はyaw角速度とsway速度のゲインに現れ、ノズルの応答は船体運動の応答に比べて十分に早い、と仮定する。一対のノズルを単一のノズルの和として表すと、
になる。ここでδは仮想的な舵角で通常舵の舵角に相当し、添え字は右舷方向Starboard、添え字は左舷方向Port、δnozはノズルモデルの出力角を示す。このδnozは、図5に示すように、命令舵角δを用いて、
と定める。ここでWは不感帯の片側幅、αは不感帯外を1とした場合の不感帯のゲイン比率を示す。
2.2 不感帯修正の影響
船舶用自動操舵装置による不感帯への対策について説明する。図6は、不感帯オフセットの影響を示す図である。図7は、同定値誤差の解析結果を示す図である。
不感帯はウォータージェット推進機21の機構に起因して発生するものであるため、制御信号によってそれ自体を除去することは難しい。そこで、ノズルへの入力である命令舵角δに不感帯オフセットδDZを与えて、ノズル角の動作条件を変更することで、見かけ上、等価的に不感帯を相殺することができる。(1),(2)式において、右舷ノズル21aに命令舵角と正のノズルオフセットを、左舷ノズル21bの命令舵角に負のノズルオフセットをそれぞれ加える。ノズルオフセットに誤差を加えて、
とおく。ここで添え字^は同定値、ΔWは誤差、εは誤差係数、(3)式は不感帯の同定値に誤差がある場合に相当する。このときノズルオフセットを(1),(2)式に代入すると、舵角は、
のように得られる。上式を模式的に示すと図6になる。上式及び図6よりΔWは横軸δ及び横軸δに影響を与える。ΔW=0の場合と比較して、ΔW>0の場合には不感帯は生じず、線形域は2Wになり変わらない。また、ΔW<0の場合には不感帯が生じ、線形域が2W−2|ΔW|になり狭くなる。ここで、線形域は、ΔW=0での2Wの範囲を示す。これより、ノズルオフセットはδDZ≧Wとなる。ただし、その際、δDZ>Wによる推力低下に注意が必要になる。W=4deg,α=0.1とした図7において、δDZ=W,ΔW=0の場合は、不感帯の2倍の範囲で不感帯が相殺され、αWの影響が現れず、傾斜0.5(1+α)になる。
2.3 船体運動モデル
船体運動モデル(船体モデル)について説明する。図8は、船体モデルを示す図である。
船体モデルは、図8に示すように、ノズルモデルと、yaw運動、sway運動に関する船体モデルとにより構成される。
ウォータージェット推進船2のyaw運動、sway運動に関する船体モデルは、それぞれ、
になる。ここで、sはラプラス演算子、r,R(s)は旋回角速度、v,V(s)は横流れ速度、ψ,Ψ(s)は船首方位、δ,Δ(s)は舵角を示し、
である。ここでKは旋回力ゲイン、Kは横流れゲイン、T,Tr3,Tはそれぞれ時定数を示す。また、添え字は旋回(yaw)運動に関することを示し、添え字は横流れ(sway)運動に関することを示す。なお、本実施形態においては安定船を制御対象とする。
3 制御動作
3.1 船体パラメータ
船舶用自動操舵装置による制御システムは、(1),(2)式の不感帯による非線形項を含めず、(9),(10)式の線形モデルに基づいて設計される。この際、非線形項の影響を無視できなくなる状況が生じるが、このような状況を回避するためにノズルオフセットが用いられる。上述したように、不感帯において、命令舵角の線形範囲は2Wに、ゲイン傾斜は不感帯外側のゲイン傾斜の約半分となる。制御ゲインはその検討を考慮して、船体パラメータから算出するものとする。船体パラメータは以下のように設定される。
ウォータージェット推進機21は、装備状態から通常状態へ切り替え可能となっており、同定前において、初期値(添え字)は
に設定される。また、ウォータージェット推進機21が装備状態である場合、同定値(添え字^)は、
に設定される。また、ウォータージェット推進機21が通常状態である場合、同定値は、
に設定される。
同定前においては、不感帯でKが小さくなるが、微分ゲインの過減衰による不安定が生じなければ安定性は保持される。装備状態においては、通常状態の船体パラメータを想定してこれを予め設定する。通常状態においては、不感帯特性を同定しないので、船体パラメータ同定値を更新する。
3.2 パラメータ同定
船体モデルのパラメータ同定は、同定演算部12、具体的にはパラメータ調節部125によって行われる。同定モデル123は、上述した、ノズルモデル、yaw運動に関する船体モデル、sway運動に関する船体モデルから構成する。不感帯特性としての不感帯の片側幅W、不感帯のゲイン比率αは、装備状態におけるyaw同定から推定される。同定値W^,α^は、通常状態におけるyaw同定及びsway同定において、既知として用いられる。
3.2.1 同定モデル
yaw同定モデルは、(1),(2)式のノズルモデルと(9)式のyaw運動モデルから構成する。すなわち、
と定める。ここで、δroは風力に起因する舵角オフセットを示す。これにより同定されるパラメータは次式となる。
ここでXrDZは装備状態において同定されるパラメータを示し、Xは通常状態において同定値W^,α^を用いて同定されるパラメータである。
このように、装備状態と通常状態とは、同定モデルは互いに同様であるが、同定パラメータが互いに異なる。sway同定モデルは、W^,α^を用いたノズルモデルからの舵角δを入力にして、swayモデルから構成する。すなわち、

と定める。ここで、W^,α^はyaw同定からの同定値、x,yはそれぞれ、北方向、東方向の船体位置、ψは検出方位を示し、δvoは潮流に起因する局地水平座標系の速度オフセット成分を示す。よって、同定するパラメータは次式になる。
3.2.2 同定計算
同定計算について説明する。図9は、パラメータ同定に用いるデータの収録時間を示す図である。なお、図9において、(a)は装備状態におけるデータの収録時間を示し、(b)は通常状態におけるデータの収録時間を示す。
同定演算部12によるデータのサンプル時間は、ウォータージェット推進線の船体運動が速いことを考慮して0.4秒とし、出力データ記憶部121及び入力データ記憶部122に蓄積される収録データは、図9(a)に示すように、装備状態において左舷右舷変針、通常状態において片舷変針(現行)の時系列になる。また、同定演算部12は、装備状態において不感帯特性(W,α)と船体パラメータとを推定し、通常状態において船体パラメータを推定する。パラメータの初期値、制限値を以下の表1に示す。
この表1においては、制限値として下限値及び上限値が示され、TとK/Tとの初期値はそれぞれ2つずつある。同定演算部12は、同定計算を初期値ごとに2×2=4回行い、その評価量(後述)が最小になる同定値を選択する。
3.2.3 同定処理
パラメータの同定処理について説明する。図10は、同定処理の動作を示すフローチャートである。
パラメータ調節部125は、装備状態、通常状態それぞれにおいて、変針応答時の時系列データに基づいてyaw同定を行う。また、パラメータ調節部125は、yaw同定において同定した同定値(W^,α^)と時系列データとに基づいてsway同定を行う。
ここで、yaw同定及びsway同定を行う同定処理について説明する。この同定処理は、装備状態、通常状態それぞれにおけるyaw同定、通常状態におけるsway同定について略同様の手順で行われ、同定値は左舷右舷変針(装備状態)または片舷変針(通常状態)の応答から求められるものとする。まず、出力データ記憶部121及び入力データ記憶部122は、変針時における時系列データとして、それぞれ、出力データ、入力データを記憶する(S101)。ここで出力データは、センサ類23により検出された船首方位及び船体位置であり、yaw同定においては船首方位が用いられ、sway同定においては船体位置が用いられる。また、yaw同定において入力データは命令舵角であり、sway同定において入力データは命令舵角、船首方位、及びsurge速度である。変針後、同定モデル123に計算条件及び入力データが与えられモデル出力データが出力される(S102)。ここで、モデル出力データは、yaw同定においては船首方位であり、sway同定においては船体位置である。モデル出力データが出力された後、パラメータ調節部125は、減算器124により算出された出力データとモデル出力データとの誤差(同定誤差)の2乗和である評価量をパラメータ毎に複数回、例えば上述したように4回算出し(S103)、評価量が最小値となるパラメータを同定値として出力する(S104)。
4.検証
以上に説明した同定モデルによる同定の効果をシミュレーションによって検証する。このシミュレーションにおける制御対象の船体パラメータ及び制御パラメータの初期値を以下の表に示す。なお、シミュレーションにおいて計算回数は2回、同定値更新は2回とし、初期方位は40度、変針量は10度とする。
4.1 不感帯修正の影響
(3)式での誤差係数εに関する影響を検証する。図11は、同定値誤差を示す図である。図12は、誤差係数ε=0.5の場合の同定結果の時系列応答を示す図である。図13は、誤差係数ε=−0.1の場合の同定結果の時系列応答を示す図である。なお、これらの図において外乱成分は含まれないものとする。
図11によれば、ΔW>0の方がΔW<0の方よりも誤差が小さく、K,Kの誤差がT,Tr3の誤差に比べて小さい。よって、これらは不感帯の有無の影響であり、T,Tr3は応答の影響を受けやすいことが分かる。また、図12及び図13によれば、ΔW>0(図12)の方がΔW<0(図13)の方に比べ、応答性及び同定具合が良好であり、ΔW<0の方はε=−0.1程度が限界であることがわかる。
このように、同定値誤差がΔW≧0となれば、時系列応答が良好になる。上述した同定演算部12による同定によれば、ΔW≠0の場合に真値を求められないが、ΔWを含んだパラメータを同定するため図11に示した同定誤差の影響は少ない。よって、不感帯対策はΔW≧0のときに効果が期待できる。
4.2 時系列応答
装備状態及び通常状態の応答結果について説明する。図14は、装備状態に対応したパラメータ同定のシミュレーション結果を示す図である。図15は、通常状態に対応した初回のパラメータ同定のシミュレーション結果を示す図である。図16は、通常状態に対応した更新後のパラメータ同定のシミュレーション結果を示す図である。図14〜図16のそれぞれにおいて、(a)は外乱成分なしの場合を示し、(b)は外乱成分ありの場合を示す。
ここでのシミュレーションにおいては、外乱成分として、振幅1deg、周期10秒、サイン入力、舵角オフセットを1degとした波浪外乱と、北向き5knとした潮流成分とが含まれるものとし、パラメータは同定後に(12)式により更新されるものとする。装備状態、通常状態における同定値結果を以下の表3、表4にそれぞれ示す。
表3より、外乱の有無にかかわらず、適切にパラメータが同定されていることがわかる。また、表4より、外乱の有無にかかわらず、δDZ=W^の場合に適切にパラメータが同定されていることがわかる。
また、図14〜図16において、制御対象の方位は不感帯の特徴を示し、方位応答は命令舵角が±4度を境に緩急の変化をもつ。図14に示すシミュレーション結果は表3に対応するものであり、図14から同定誤差はほぼゼロになっていることがわかり、よって表3の値は適切である。また、図15及び図16に示すシミュレーション結果は表4に対応するものである。初回の同定結果を示す図15より同定できていないことがわかり、更新後の同定結果を示す図16より同定できていることがわかり、よって表4の値は適切である。
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 船舶用自動操舵装置
2 ウォータージェット推進船
12 同定演算部
21 ウォータージェット推進機
21a 右舷ノズル
21b 左舷ノズル
22 船体
123 同定モデル
125 パラメータ調節部

Claims (2)

  1. 少なくとも一対のノズルを有するウォータージェット推進機を備えるウォータージェット推進船に対し、参照方位と船首方位とに基づいて船体パラメータを用いて命令舵角を出力する船舶用自動操舵装置であって、
    前記船体パラメータを同定する同定演算部を備え、
    前記同定演算部は、
    前記船舶用自動操舵装置で得られる所定の入力データからモデル出力データを出力する同定モデルと、
    前記同定モデルからのモデル出力データと、船体に係る実測値である出力データとの比較結果から前記船体パラメータを調整して同定するパラメータ調節部とを備え、
    前記同定モデルはノズルモデルと船体運動モデルとを含み、該ノズルモデルは、δを出力舵角、δを命令舵角、δDZをノズルオフセット、Wを前記一対のノズルの不感帯の片側幅、αを不感帯外のゲインに対する不感帯のゲイン比率として、
    で表され、
    前記ウォータージェット推進機は、前記一対のノズルの動作位置を、前記不感帯幅Wに対応するノズルオフセットδ DZ だけ外方に傾けた通常状態と、該ノズルオフセットδ DZ を適用しない装備状態とに切り替え可能であり、
    前記同定演算部は、前記船体運動モデルに関する船体パラメータと共に、前記不感帯幅W、前記ゲイン比率αを同定するべきパラメータとし、前記装備状態において、前記船体パラメータと共に、前記不感帯幅W、前記ゲイン比率αを同定した後、前記通常状態において、前記船体パラメータのみを同定するべきパラメータとすることを特徴とする船舶用自動操舵装置。
  2. 前記同定モデルは、前記ノズルモデルとyaw運動モデルとを含むyaw同定モデルと、前記ノズルモデルとsway運動モデルとを含むsway同定モデルとを有し、
    前記同定演算部は、前記yaw同定モデルによる同定において、前記yaw同定モデルに関する船体パラメータと共に、不感帯幅W、前記ゲイン比率αを推定し、前記sway同定モデルによる同定において、推定された不感帯幅W^及びゲイン比率α^を既知として、前記sway同定モデルに関する船体パラメータを推定することを特徴とする請求項に記載の船舶用自動操舵装置。
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