JP6605677B1 - 船舶用自動操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より対象船の特性に準じた船体パラメータの更新値を算出する。【解決手段】船体パラメータの同定値を算出する同定演算部と、同定値に基づく更新値を算出する更新演算部13とを備える。同定演算部は、船体パラメータを調節した同定値を算出するパラメータ調節部と、同定値演算期間における船体のsurge速度の平均値を同一の同定値演算期間において算出された同定値に対応する平均船速として算出する平均船速算出部とを備える。更新演算部13は、同定値と同定値に対応する平均船速とを取得する取得部131と、取得された同定値を時系列に蓄積する同定値記憶部133と、船速に関する1次関数である更新関数の係数を蓄積された同定値に基づく最小二乗法により算出し、算出した係数と前記取得された平均船速とを用いた更新関数により船体パラメータの更新値を算出する演算処理部134とを備えた。【選択図】図4

Description

本発明は、同定モデルにおける船体パラメータを同定する船舶用自動操舵装置に関する。
船舶用自動操舵装置は、設定針路にジャイロコンパスからの方位を追従させるために舵を制御する装置であり、その制御系は、設定針路と船首方位との入力から偏差と旋回角速度とを求め、制御ゲインを乗じて制御量である命令舵角を操舵機に出力する。操舵機は舵を動かして、船体に旋回角速度を誘起させて方位を変化させる。ここで命令舵角は、より具体的には、偏差に制御ゲインを乗じるフィードバック制御器の出力と、フィードフォワード制御器の出力とが加算されることにより算出される。設定針路から軌道計画に基づいた参照方位を演算する軌道演算部、フィードバック制御器及びフィードフォワード制御器には同定された船体パラメータが入力され、この船体パラメータは軌道演算部、フィードバック制御器及びフィードフォワード制御器において各演算及び制御に用いられる。
船体パラメータは、船舶用自動操舵装置が制御対象とする船体運動モデルを構成するパラメータである。この船体パラメータは殆どの場合で未知であるため、パラメータ同定によって取得される。例えば、貨物船やタンカーなどの船舶は荷物の積み下ろしにより船体の喫水が変化して船体特性が変化する。そのため、荷物を積んだ船体に荷物を積み下ろした状態の船体パラメータに基づく制御ゲインを用いた場合、操舵系の閉ループ安定性が低下してヨーイング現象が生じてしまう状況を招きかねない。このような状況を回避するため、船舶用自動操舵装置は船体パラメータを同定する。つまり、船舶用自動操舵装置は、この船体パラメータを適切に同定することによって船体の制御性を向上させる。
このようなパラメータ同定に関連する技術として、船体パラメータを用いた参照方位と船首方位に基づく命令舵角の出力において、入力データ(命令舵角)及び出力データ(船首方位)を蓄積し、蓄積された入力データからモデル出力データを出力し、このモデル出力データと出力データとの比較結果から船体パラメータを調節する船舶用自動操舵装置が知られている(特許文献1参照)。
また、各変針モードの度に船体パラメータを同定する同定演算部と、同定演算部で同定された船体パラメータに対して制限をかけた更新値を使用するべき船体パラメータとして出力する更新判断部とを備え、この更新判断部が、各変針モードの度に更新される複数の更新値の平均値を求め、同定演算部により同定された船体パラメータの同定値のうち少なくとも1つの船体パラメータの同定値が平均値から規定尺度以上離れた場合に複数の同定値の平均値を新たな更新値とする船舶用自動操舵装置が知られている(特許文献2参照)。
特開2006−321455号公報 特開2012−71621号公報
しかしながら、実船においては、外乱などの要因によって同定値はバラツキをもち、特許文献2に記載されるように複数の同定値を平均化して更新値を求めた場合、この更新値は対象船の特性に準じない要因の影響を含んでしまう、という問題がある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、より対象船の特性に準じた船体パラメータの更新値を算出することができる船舶用自動操舵装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本実施形態に係る船舶用自動操舵装置は、参照方位と船首方位とに基づいて船体パラメータを用いて命令舵角を出力する船舶用自動操舵装置であって、前記船体パラメータの同定値を算出する同定演算部と、前記同定値に基づく更新値を算出する更新演算部とを備え、前記同定演算部は、前記船舶用自動操舵装置で得られる所定の入力データからモデル出力データを出力し、船体の船体運動に関する船体モデルを含む同定モデルと、船体の変針開始時点を少なくとも含む同定値演算期間における前記モデル出力データと前記船体に係る実測値である出力データとの比較結果から前記船体パラメータを調節した同定値を算出するパラメータ調節部と、前記同定値演算期間における前記船体のsurge速度の平均値を同一の同定値演算期間において算出された前記同定値に対応する平均船速として算出する平均船速算出部とを備え、前記更新演算部は、前記同定値と該同定値に対応する前記平均船速とを取得する取得部と、前記取得された同定値を時系列に蓄積する同定値記憶部と、前記船速に関する1次関数である更新関数の係数を前記蓄積された同定値に基づく最小二乗法により算出し、算出した係数と前記取得された平均船速とを用いた前記更新関数により前記船体パラメータの更新値を算出する演算処理部とを備える。
本発明によれば、より対象船の特性に準じた船体パラメータの更新値を算出することができる。
実施形態に係る船舶用自動操舵装置を含むシステムを示すブロック図である。 同定演算部の構成を示すブロック図である。 データ採用期間を示す図である。 更新演算部の構成を示すブロック図である。 船体運動で用いる座標系を示す説明図である。 更新演算部の全体動作を示すフローチャートである。 船速に基づく停泊監視を示す図である。 船体位置に基づく停泊監視を示す図である。 更新関数を示す図である。 更新値算出処理の動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
1.1 船舶用自動操舵装置の構成
まず、本発明に係る船舶用自動操舵装置を含むシステムについて説明する。図1は、実施形態に係る船舶用自動操舵装置を含むシステムを示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態におけるシステムは、船舶用自動操舵装置1とその制御対象である船体プラント2とを含む。ここで船体プラント2は、操舵機21、船体22及びセンサ類23を合わせたものである。船舶用自動操舵装置1は、軌道演算部11、同定演算部12、更新演算部13、減算器14、フィードバック制御器15、フィードフォワード制御器16、加算器17を備える。
軌道演算部11は、設定針路ψを入力し、設定針路ψから軌道計画に基づいた参照方位ψを演算するものである。同定演算部12は、後述する船体モデルを構成するパラメータである船体パラメータを同定し、船体パラメータの同定値として出力する。更新演算部13は、同定演算部12により同定された複数の同定値に基づいて船体パラメータの更新値を算出し、この更新値を軌道演算部11、フィードバック制御器15及びフィードフォワード制御器16へ出力する。軌道演算部11、フィードバック制御器15及びフィードフォワード制御器16は、更新値を用いて各演算及び制御を行う。
減算器14は、軌道演算部11から出力された参照方位ψと船体22の船首方位ψとの偏差eを出力する。フィードバック制御器15は、減算器14より出力された偏差eに制御ゲインを乗じてフィードバック舵角δFBを出力する。フィードフォワード制御器16は、軌道演算部11により出力された参照方位ψに基づいてフィードフォワード舵角δFFを出力する。加算器17は、フィードバック制御器15により出力されたフィードバック舵角δFBと、フィードフォワード制御器16により出力されたフィードフォワード舵角δFFとを加算して、操舵機21に対して命令舵角δを出力する。
また、船体プラント2のセンサ類23は、船体22のsurge速度(以下、船速)uを検出するスピードログ、船体22の船首方位ψを検出するジャイロコンパス、GPS等の衛星測位システム(GNSS)からの船体位置(x,y)を検出するGNSSセンサを含む。同定演算部12には、センサ類23によって検出された船速u、船首方位ψ、船体位置(x,y)が入力され、更新演算部13には、センサ類によって検出された船速u、船体位置(x,y)が入力されるものとする。なお、ここで船体位置(x,y)は、後述する局地水平座標系における船体位置である。
1.2 同定演算部の構成
同定演算部の構成について説明する。図2は、同定演算部の構成を示すブロック図である。図3は、データ採用期間を示す図である。
図2に示すように、同定演算部12は、出力データ記憶部121、入力データ記憶部122、同定モデル123、減算器124、パラメータ調節部125、平均船速算出部126を備える。
出力データ記憶部121は、船体22の船首方位ψ、船体位置(x,y)を出力データとして時系列に蓄積する。入力データ記憶部122は、加算器17により出力された命令舵角δと、センサ類23によって検出された船速u及び船首方位ψとを入力データとして時系列に蓄積する。なお、出力データ記憶部121、入力データ記憶部122は、いずれもリングバッファ型メモリとすることができる。同定モデル123は、船体モデル、初期値及びオフセット成分から構成され、入力データ記憶部122に蓄積された入力データとしての命令舵角δ,船首方位ψと、平均船速算出部126により算出された船速uを入力し、モデル出力データとしてモデル船首方位、モデル船体位置を出力する。減算器124は、同定モデル123により出力されたモデル出力データと、出力データ記憶部121に記憶された出力データとの差異である同定誤差を算出する。
パラメータ調節部125は、船体プラント2においてなされた各変針に対して、減算器124により算出された同定誤差に基づいて船体パラメータを調節してその同定値を算出して更新演算部13へ出力する。この船体パラメータの調節については、特開2015−160606号公報、特開2016−16712号公報を参照されたい。パラメータ調節部125は、図3に示す同定値演算期間における同定誤差に基づいて船体パラメータの同定値の算出を行うものとし、この同定値演算期間は、参照方位が変動している期間である変針期間と、この変針期間の直前にある事前期間とを含む。ここで事前期間は予め設定された時間であり、本実施形態において、60秒に設定される。なお、同定値演算期間は、変針開始時点を含む所定期間であれば良い。
なお、パラメータ調節部125は、各変針に応じて調節された船体パラメータを記憶し、設定針路が変化した際に船体パラメータの同定値として出力する。
平均船速算出部126は、入力データとして入力データ記憶部122に時系列に蓄積された入力データのうち、同定値演算期間における全ての船速uに基づいて、パラメータ調節部125により算出される同定値に対応する平均船速を算出して更新演算部13へ出力する。
1.3 更新演算部の構成
更新演算部の構成について説明する。図4は、更新演算部の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、更新演算部13は、取得部131、判定部132、同定値記憶部133、演算処理部134、係数記憶部135、停泊監視部136を備える。
取得部131は、同定演算部12により出力された船体パラメータの同定値と、平均船速とを取得する。判定部132は、取得部131により取得された同定値が正常であるか否かを判定する。同定値記憶部133は、取得部131に取得された同定値のうち、判定部132により正常と判定された同定値を時系列に蓄積する。演算処理部134は、同定値記憶部133に蓄積された同定値に基づいて、船体パラメータの更新値を算出して出力する。係数記憶部135は、演算処理部134が更新値の算出に用いる更新関数(後述)の係数を記憶する。停泊監視部136は、船速uまたは船体位置(x,y)に基づいて、船体プラント2が停泊しているか否かを監視する。なお、一部の対象船においては、変針方向によって船体パラメータを分別することが有効であるが、更新演算部13による更新値の算出が複数の同定値を要するのに対して、同定値が得られる機会は少ないため、上述したように、本実施形態においては、同定値は変針方向毎に分別されないものとする。
2 座標系
船体運動で用いる座標系について説明する。図5は、船体運動で用いる座標系を示す説明図である。
図5に示すように、船体運動で用いる座標系は、局地水平座標系O−XYとボディ座標系G−Xからなり、いずれも右手系3軸直交座標系である。座標系においてZ軸は重力方向を正とし、回転極性は右ねじ方向を正とする。なお、座標系はX軸、Y軸の2次元を用いるため、図5においてZ軸は省略される。また、局地水平座標系はX軸を北向き、Y軸を東向きにとり、ボディ座標系はX軸をsurge方向、Y軸をsway方向にとる。また、図5において、uはsurge速度、vはsway速度、rは旋回角速度、ψは船首方位を示す。
3 船体モデル
船体モデルについて説明する。
船体運動方程式において、船速uを一定として、方位まわりと横方向の連成運動を応答モデルで表すと
Figure 0006605677
になる。ここで、sはラプラス演算子、R(s)は旋回角速度(yaw角速度)、V(s)は横流れ速度(sway速度)、Δ(s)は命令舵角を示す。また、P (s)はsway運動の伝達関数(sway船体モデル)、P (s)はyaw運動の伝達関数(yaw船体モデル)であり、
Figure 0006605677
である。ここで、K は横流れゲイン、K は旋回力ゲイン、T 、T 、Tv3 、Tr3 はそれぞれ時定数である。これらのパラメータは、次式の関係をもつとする。
Figure 0006605677
パラメータは、(2)式において、船長L、船速uによって無次元化される。1つの対象船を扱うならば、パラメータの速度変化は、
Figure 0006605677
になり、船速uに比例する。ここで、添字は初期値を示す。
(2)式を近似した船体モデルを、yaw同定モデル、sway同定モデルとして、
Figure 0006605677
と定める。ここで、P(s)は伝達関数であり、添字はそれぞれyaw,swayの運動を意味する。また、Kは旋回力ゲイン、Kは横流れゲイン、T,Tr3はいずれも時定数を示す。これらのパラメータは次式の関係をもつとする。
Figure 0006605677
近似式である(6)式、(7)式において、モデル化誤差のため(5)式は適用できないが、
Figure 0006605677
になる傾向をもつ。
上述したように、船体モデルは2次式を近似した1次式として表される。2次式は運動方程式から導出され、そのパラメータが船速と船長により無次元化されるために船速に比例する。1次式としての船体モデルのパラメータは、モデル化誤差のために船速との比例関係が2次式と比較すると弱くなるものの、船速に依存する関係をもつ。
3 更新演算部の全体動作
更新演算部の全体動作について説明する。図6は、更新演算部の全体動作を示すフローチャートである。図7は、船速に基づく停泊監視を示す図である。図8は、船体位置に基づく停泊監視を示す図である。なお、図6に示すフローチャートにおいては、同定演算部により同定値及び平均船速が出力されているものとし、この全体動作は、同定演算部により同定値が算出される度に、即ち、変針毎に実行されるものとする。
図6に示すように、まず、取得部131は、同定値データSetを取得する(S101)。この同定値データSetは次式により示される。
Figure 0006605677
ここで、uは平均船速算出部126により算出された同定値算出時の平均船速、Parはパラメータ調節部125により算出された同定値としての船体モデルのパラメータの要素である。この同定値データSetは、同定値Parと平均船速uとが対応付けられたものである。
次に、判定部132は、同定値データSetに含まれるTが正であるか否かを判定することによって、船体プラント2が安定船、不安定船のいずれであるかを判定する(S102)。なお、T=0となることはない。
が正である場合、即ち、船体プラント2が安定船である場合(S102,YES)、安定船に対する更新値算出処理が実行される(S103)。この更新値算出処理については後に詳述する。
更新値算出処理後、停泊監視部136は、船体プラント2が停泊しているか否かを判定する(S104)。ここで、船体プラント2の停泊は、センサ類23により検出された船速uまたは船体位置(x,y)に基づいて判断される。以下、船速、船体位置のそれぞれに基づく停泊監視について説明する。
ステップS104において、船速uを利用する場合、次式によって停泊が監視される。
Figure 0006605677
ここで、usetは停泊船速で例えば3knに設定される閾値であり、tsetは停泊時間で例えば10hに設定される閾値である。
(13)式により停泊が監視される場合、停泊監視部136は、図7に示すように、停泊時間tset未満の時間tだけ船速uがuset以下である場合には船体プラント2が航行していると判定し、停泊時間tset以上の時間tだけ船速uがuset以下である場合に船体プラント2が停泊したと判定する。
また、ステップS104において、船体位置(x,y)を利用する場合、次式によって停泊が監視される。
Figure 0006605677
ここで、distは所定の時点の船体位置である基点位置から所定の時間t後の船体位置までの距離、radiussetは基点位置を中心とする設定半径であり、例えば1.5M(1M=1852m)に設定される閾値である。
(14)式により停泊が監視される場合、停泊監視部136は、図8に示すように、停泊時間tset後における船体プラント2が基点位置からの距離がradiusset以下であるdist1である船体位置Aにある場合に船体プラント2が停泊したと判定し、停泊時間tset後における船体プラント2が基点位置からの距離がradiussetより大きいdist2である船体位置Bにある場合には船体プラント2が航行していると判定する。
ステップS104において、船体プラント2が停泊していると判定された場合(S104,YES)、演算処理部134は、同定値記憶部133に時系列に蓄積された同定値データSetを全て消去して初期化し(S105)、再度、取得部131が、同定値データSetを取得する(S101)。
一方、船体プラント2が航行していると判定された場合(S104,YES)、再度、取得部131が、同定値データSetを取得する(S101)。
また、ステップS102において、Tが負である場合、即ち、船体プラント2が不安定船である場合(S102,NO)、不安定船に対する更新値算出処理が実行される(S106)。
4 更新値の推定方法
更新値算出処理の説明に先立って、更新値の推定方法について説明する。図9は、更新関数を示す図である。
同定値Parは、判定部132によるTの符号に基づく判定によって、安定船と不安定船のそれぞれの場合に分別されて、同定値記憶部133に時系列に蓄積される。更新値Parは同定値記憶部133に記憶された同定値Parから安定船と不安定船のそれぞれに対して推定される。ただし、更新値Parの推定方法は、同定値Parの蓄積個数i、安定船か不安定船かなどの条件によって異なる。
Par ,i≧2の場合、つまり、同定値が同定値記憶部133に複数個蓄積されている場合、まず、後述する更新関数の係数が求められ、次いで、この係数に定められた更新関数と平均船速uとに基づいて更新値が算出される。
更新関数は、図9に示す特性をもち、更新値は平均船速uの関数で表され、次式になる。
Figure 0006605677
ここで、A,Bは、それぞれ、一次式の傾斜、切片であり、u,uは平均船速uのそれぞれ最大値、最小値であり、
Figure 0006605677
であり、それぞれの初期値は、
Figure 0006605677
である。
係数A,Bは、同定値データ列Setを用いて、最小二乗法による直線近似によって求められる。蓄積個数iに比例して係数A,Bの変動は減少する。更新値Parのうち、時定数Trを例にとると、T =ATru+BTrは、同定値データ列Set={u,Tri}から最小二乗法により求められる。なお、その詳細な算法は、公知な最小二乗法によるものであるため省略する。このように求められた係数A,Bと平均船速の最大値u及び最小値uは、係数記憶部135により、安定船に対して算出されたものと、不安定船に対して算出されたものとに分別されて、直近の値のみが記憶される。
更新値Par は、平均船速uとA,B,uHi,uLi,を用いて(15)式から求められる。
Par ,i=1の場合、更新値は次式で置き換える。
Figure 0006605677
ここで、Par は初期値であり、
Figure 0006605677
である。ここで、装備時とは、船体プラント2に船舶用自動操舵装置1を装備してから初回の航海が開始される状況を示し、具体的には、更新関数の係数が未だ算出されていない状態にあることを示す。また、装備時の安定船において初期値Par に代入される船体パラメータ表は、対象船の船長と船速に基づいて予め設定される船体パラメータである。装備時の不安定船の場合には、初期値Par として同定値Parを用いるため、Par は結果として平均をとらない。
装備時以外、即ち、停泊監視部136により船体プラント2が停泊していると判定される前に、即ち前回の航海において算出された更新関数の係数と平均船速の最大値及び最小値が係数記憶部135に記憶されている場合、この係数、最大値及び最小値と、平均船速uとに基づく更新関数により初期値Par が求められる。この初期値Par とParは、いずれも同じ平均船速uに基づくものであるが、Parは同定値データSetに基づく更新関数の係数と平均船速の最大値及び最小値を用いて算出される点においてPar とは異なる。
5 更新値算出処理
更新値算出処理の動作について説明する。図10は、更新値算出処理の動作を示すフローチャートである。なお、上述したように、この更新値算出処理は、安定船と不安定船のそれぞれに対して別個になされる処理である。
図10に示すように、まず、判定部132は、同定値の変動の程度を示す変動値RK/Tを次式により算出する(S201)。
Figure 0006605677
ここで、(K/T)におけるK,Tのそれぞれは、現行の変針に対して算出された同定値であり、また、(K/Tは基準値であり、この基準値におけるK,Tのそれぞれは、現行の変針に対して算出された平均船速uを用いて上述した更新値の算出方法により算出された値であり、更新関数により算出される場合は係数記憶部135に記憶されたAi−1,Bi−1,uHi−1,uLi−1を用いた更新関数により算出される。つまり、基準値(K/Tは、現行の同定値に基づかない更新値である。
変動値の算出後、判定部132は、変動値RK/Tが、所定の閾値範囲内であるか否かを判定する(S202)。この判定は、具体的には次の条件によってなされる。
Figure 0006605677
ここでRset=2.5であり、このRsetは、(K/Tの周期換算で0.63倍から1.6倍までの変化に相当する。
この判定によれば、前回の同定値データからの変動が所定の範囲内である同定値データのみに基づいて更新値が算出されることとなり、これによって、更新値に対する異常な同定値データの影響を除去することができる。
変動値RK/Tが、閾値範囲内である場合(S202,YES)、演算処理部134は、蓄積個数iをインクリメントし(S203)、取得部131により取得された同定値データSetに含まれる同定値Parを同定値記憶部133に時系列に蓄積する(S204)。ここで、蓄積個数iは、安定船と不安定船とで別個にカウントされ、同定値記憶部133においても分別して時系列に蓄積され、安定船に対する更新値算出処理においては安定船に対応して蓄積された同定値Parが用いられ、不安定船に対する更新値算出処理においては不安定船に対応して蓄積された同定値Parが用いられる。
同定値Parが同定値記憶部133に蓄積された後、演算処理部134は、同定値記憶部133における同定値Parの蓄積個数iが2以上であるか否かを判定する(S205)。
蓄積個数iが2以上である場合(S205,YES)、演算処理部134は、同定値記憶部133に蓄積された全ての同定値Parに基づいて、同定値Parに含まれる全ての船体パラメータ要素それぞれについて係数記憶部135に記憶されている係数A,Bを更新し(S206)、上述した式(15)により全ての船体パラメータ要素それぞれについて更新値を算出する(S207)。
更新値の算出後、演算処理部134は、係数記憶部135に記憶されている平均船速uの最大値u、最小値uのそれぞれと、現行の平均船速uとを比較して、必要に応じて最大値u、最小値uを更新し(S208)、算出した船体パラメータの更新値を軌道演算部11、フィードバック制御器15、フィードフォワード制御器16のそれぞれに出力し(S209)、更新値算出処理を終了する。
ステップS205において、蓄積個数iが2未満である場合(S205,NO)、演算処理部134は、上述した式(19)による初期値を用いて式(18)によって、全ての船体パラメータ要素それぞれについて更新値を算出し(S210)、この更新値の算出が停泊監視部136により船体プラント2が停泊していると判定された直後であるか否かを判定する(S211)。
更新値の算出が停泊直後である場合(S211,YES)、演算処理部134は、(17)式により係数A,B、最大値u、最小値uを初期化し(S212)、算出した船体パラメータの更新値を軌道演算部11、フィードバック制御器15、フィードフォワード制御器16のそれぞれに出力し(S209)、更新値算出処理を終了する。
一方、更新値の算出が停泊直後ではない場合(S211,NO)、演算処理部134は、算出した船体パラメータの更新値を軌道演算部11、フィードバック制御器15、フィードフォワード制御器16のそれぞれに出力し(S209)、更新値算出処理を終了する。
上述したように、複数の同定値に基づいて船速に関する更新関数により更新値を算出することにより、より確度の高い船体パラメータを得ることができる。また、船舶の停泊が判定された場合に更新値が基づく同定値をクリアすることによって、例えば、積荷の積載状態が変化するなどの航海毎の船舶の喫水変化による同定値の変動に更新値を追従させることができる。また、安定船、不安定船のそれぞれに対して個別に更新値の算出を行うことにより、更新値をそれぞれの特性に適切に対応させることができる。
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 船舶用自動操舵装置
12 同定演算部
13 更新演算部
123 同定モデル
125 パラメータ調節部
126 平均船速算出部
131 取得部
133 同定値記憶部
134 演算処理部

Claims (5)

  1. 参照方位と船首方位とに基づいて船体パラメータを用いて命令舵角を出力する船舶用自動操舵装置であって、
    前記船体パラメータの同定値を算出する同定演算部と、前記同定値に基づく更新値を算出する更新演算部とを備え、
    前記同定演算部は、
    前記船舶用自動操舵装置で得られる所定の入力データからモデル出力データを出力し、船体の船体運動に関する船体モデルを含む同定モデルと、
    船体の変針開始時点を少なくとも含む同定値演算期間における前記モデル出力データと前記船体に係る実測値である出力データとの比較結果から前記船体パラメータを調節した同定値を算出するパラメータ調節部と、
    前記同定値演算期間における前記船体のsurge速度の平均値を同一の同定値演算期間において算出された前記同定値に対応する平均船速として算出する平均船速算出部とを備え、
    前記更新演算部は、
    前記同定値と該同定値に対応する前記平均船速とを取得する取得部と、
    前記取得された同定値を時系列に蓄積する同定値記憶部と、
    前記船速に関する1次関数である更新関数の係数を前記蓄積された同定値に基づく最小二乗法により算出し、算出した係数と前記取得された平均船速とを用いた前記更新関数により前記船体パラメータの更新値を算出する演算処理部とを備える船舶用自動操舵装置。
  2. 前記更新関数は、Parを前記更新値、Aを一次式の傾斜、Bを一次式の切片、uを前記平均船速、uを前記平均船速の最大値、uを前記平均船速uの最小値、添字を前記同定値記憶部における同定値の蓄積個数として、
    Figure 0006605677
    で表されることを特徴とする請求項1に記載の船舶用自動操舵装置。
  3. 前記更新演算部は、前記船体のsurge速度が予め設定された停泊船速以下である時間が予め設定された停泊時間以上である場合、または、前記停泊時間における前記船体の移動距離が予め設定された停泊距離以下である場合、前記船体が停泊していると判定する停泊監視部を更に備え、
    前記演算処理部は、前記船体が停泊していると判定された場合、前記同定値記憶部に蓄積される同定値を消去することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の船舶用自動操舵装置。
  4. 前記更新演算部は、前記取得された同定値の値に基づいて、前記船体が安定船または不安定船のいずれであるかを判定する第1判定部を更に備え、
    前記同定値記憶部は、前記第1判定部による判定に基づいて、前記取得された同定値を前記安定船または前記不安定船のいずれかに分別して時系列に蓄積し、
    前記演算処理部は、前記同定値記憶部において分別して蓄積された同定値に基づいて、前記安定船、前記不安定船それぞれに対する前記更新値を算出することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の船舶用自動操舵装置。
  5. 前記更新演算部は、前記同定値記憶部に蓄積された同定値に対する前記取得された同定値の変動が所定の閾値範囲内であるか否かを判定する第2判定部を更に備え、
    前記同定値記憶部は、前記変動が前記閾値範囲内であると判定された同定値を時系列に蓄積することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の船舶用自動操舵装置。
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