以下、本発明の実施形態について、図1〜図21を参照しながら詳細に説明する。
[デジタル一眼レフカメラ本体101および交換レンズ201]
図20は、本発明を実施した撮像装置としてのデジタル一眼レフカメラ本体101および交換レンズ201の断面図である。
図20において、交換レンズ201は、カメラ本体101に対して着脱可能である。カメラ側のマウント部102と交換レンズ側のマウント部202とが結合されることで、交換レンズ201は、カメラ本体101に装着されている。交換レンズ201がカメラ本体101に装着されると、カメラ本体101の接点部103と交換レンズ201の接点部203とが電気的に接続される。接点部103および接点部203を介して、カメラ本体101から交換レンズ201へ電力の供給を行う。また、接点部103および接点部203を介して、カメラ本体101と交換レンズ201との間で通信を行う。
交換レンズ201は、複数の撮影レンズ204と絞り205を備えている。撮影レンズ204を透過した光束は、カメラ本体101のメインミラー106に入射する。メインミラー106は撮影光路内を進退可能なミラーである。メインミラー106はハーフミラーとなっている。メインミラー106で反射された光束は、ファインダー光学系120に導かれる。
一方、メインミラー6を透過した光束は、サブミラー105で下方へ反射され、焦点検出ユニット121へと導かれる。焦点検出ユニット121は、デフォーカス量を検出し、合焦状態となるように、撮影レンズ204に含まれるフォーカスレンズを移動するためのレンズ駆動量を演算する。演算したレンズ駆動量は交換レンズ201に送信される。交換レンズ201は、受信したレンズ駆動量に基づいてモータを制御して、フォーカスレンズを移動させる。
メインミラー106は、メインミラー保持枠107に保持され、回転軸部106bによって回動可能に軸支されている。またサブミラー105は、サブミラー保持枠109に保持されている。このサブミラー保持枠109はメインミラー保持枠107に軸支されている。
ファインダー光学系120は、ピント板110、ペンタプリズム111および接眼レンズ112を備えている。メインミラー106で反射された光束は、ピント板110に被写体像を結像する。使用者はペンタプリズム111および接眼レンズ112を介してピント板110上の被写体像を観察することができる。
サブミラー105の後方にはシャッターユニット100が配置されている。シャッターユニット100は、露光動作を終了する際にアパーチャを開放している開放状態からアパーチャを閉鎖する閉鎖状態に走行するシングルブレードタイプのフォーカルプレーンシャッターである。
図20において、シャッターユニット100の後方には、光学ローパスフィルター114が配置されている。光学ローパスフィルター114の後方には、筐体に固定された撮像素子ホルダー115によって保持された撮像素子116と、撮像素子116を保護するカバー部材117が配置されている。ゴム部材118は光学ローパスフィルター114を保持するとともに、光学ローパスフィルター114と撮像素子116の間を密閉している。光学ローパスフィルター114を透過した光束が、撮像素子116に入射するように構成されている。
本実施形態では、撮像素子116の画素のリセット走査(以下、電子先幕走行と呼ぶ)を行うことで、撮像素子116の露光動作が開始される。撮像素子116の電子先幕走行開始後、設定されたシャッター秒時に対応する時間間隔をあけてから、シャッターユニット100がアパーチャを閉鎖する閉鎖状態に走行する。
図21は、カメラ本体101の制御系の構成を説明する機能ブロック図である。
A/D変換部150は、撮像素子116からのアナログの画像信号をデジタルの画像データに変換する。A/D変換部150から出力されるデータは、画像処理部154、メモリ制御部152を介して、画像表示メモリ155あるいはメモリ157に書き込まれる。
タイミング発生回路151は、撮像素子116、A/D変換部150にクロック信号や制御信号を供給しており、メモリ制御部152及びシステム制御部153により制御されている。
メモリ制御部152は、A/D変換部150、タイミング発生回路151、画像処理部154、画像表示メモリ155、表示制御部156、メモリ157、圧縮伸長部158を制御する。
システム制御部153は、CPUを含むマイクロコンピュータユニットから構成されており、メモリ166に格納されたプログラムを実行することでカメラ全体を制御する。
画像処理部154は、A/D変換部150あるいはメモリ制御部152からの画像データに対して画素補間処理や色変換処理等の所定の画像処理を行う。
メモリ157は、所定量の画像データを格納するのに十分な記憶量を備えている。
圧縮伸長部158は、メモリ157から読み出した画像データを所定の画像圧縮方法(例えば、適用離散コサイン変換など)に従って画像データを圧縮・伸長する。処理を終えた画像データは、メモリ157に書き込まれると同時にフラッシュメモリ等の不揮発性メモリによって構成された着脱可能な記録媒体159に記録される。
また、圧縮伸長部158は、記録媒体159の画像データをメモリ157に読み出し、画像処理部154やメモリ制御部52を介して画像表示メモリ155に画像データを書き込む。画像表示メモリ155に書き込まれた画像データは、表示制御部156により画像表示部160に表示する場合にも使用される。
ミラー制御部161はメインミラー106を含むミラーユニットの動作を制御する。制御回路312は、駆動回路313を介してシャッターユニット100の動作を制御する。絞り制御部163は絞り205の動作を制御する。焦点検出ユニット121は、デフォーカス量を検出し、合焦状態となるように、撮影レンズ204に含まれるフォーカスレンズを移動するためのレンズ駆動量を演算する。演算したレンズ駆動量を交換レンズ201に送信する。
メモリ166は、システム制御部153の動作用の定数、変数、プログラムなどを記憶し、撮影に伴う処理に関する各種プログラムが記録されている。
電源制御部167は、電源検出回路、DC−DCコンバータ、電力を供給する回路ブロックを切換えるスイッチ回路等により構成されている。電源制御部167は、電源部の装着の有無、電源の種類、電池残量の検出等を行い、検出結果及びシステム制御部153の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、各部へ電力を供給する。
レリーズボタン168は、静止画の記録動作を指示するための操作部材である。レリーズボタン168は、二段スイッチ構造のレリーズスイッチを有している。レリーズボタン168を1段目まで押下すると、第1スイッチ(SW1)がオンする。第1スイッチがオンすることで、測光動作および焦点検出動作が実行される。レリーズボタン168を2段目まで押下すると、第2スイッチ(SW2)がオンする。第2スイッチがオンすることで、静止画の記録動作が開始される。レリーズボタン168は、本発明の信号出力手段の一例に相当する。
モードダイアル169は、光学ファインダーモードまたはライブビューモードを選択することができる。光学ファインダーモードが選択されると、ファインダー光学系120で被写体の光学像を観察する状態で静止画の記録動作行うことができる。一方、ライブビューモードが選択されると、画像表示部160で被写体画像を観察するライブビュー状態で静止画の記録動作行うができる。
また、モードダイアル169は、光学ファインダーモードが選択される場合に、高速ミラー駆動モードまたは静音ミラー駆動モードを選択することができる。高速ミラー駆動モードが選択されると、メインミラー106を含むミラーユニットを高速で駆動させ、レリーズタイムラグが少なくなる。静音ミラー駆動モードが選択されると、メインミラー106を含むミラーユニットを低速で駆動させ、ミラー駆動音を小さくすることができる。ライブビューモードおよび高速ミラー駆動モードは、本発明の第1の撮影モードの一例に相当する。静音ミラー駆動モードは、本発明の第2の撮影モードの一例に相当する。
モードダイアル169は、バルブ露光モードまたは長秒時露光モードを選択することができる。バルブ露光モードが選択される場合には、レリーズボタン168を深く押し込み、第2スイッチ(SW2)がオンするタイミングで露光動作を開始し、第2スイッチ(SW2)がオフするタイミングで露光動作を終了する。なお、レリーズボタン168を深く押し込み、第2スイッチ(SW2)がオンするタイミングで露光動作を開始し、再度レリーズボタン168を深く押し込み、第2スイッチ(SW2)がオンするタイミングで露光動作を終了してもよい。長秒時露光モードが選択される場合には、レリーズボタン168を深く押し込み、第2スイッチ(SW2)がオンするタイミングで露光動作を開始し、設定ダイアル170によって設定された露光時間だけ露光動作を行う。
温度センサ171は、シャッターユニット100の周辺の環境温度を検出することができる。温度センサ170は、検出した温度情報をシステム制御部153に出力する。温度センサ171は、シャッターユニット100の近傍に配置されている。カメラ本体101の電源がオンされている間、温度センサ171は、所定の周期でシャッターユニット100の周辺の環境温度を検出している。
姿勢センサ172は、カメラ本体101に作用する重力方向を検出する。姿勢センサ172は、カメラ本体101に作用する重力方向に基づいて、カメラ本体101が正位置(横位置)なのか縦位置なのかといったカメラ本体101の姿勢を判定することができる。姿勢センサ172は、判定した姿勢情報をシステム制御部153に出力する。カメラ本体101の電源がオンされている間、姿勢センサ172は所定の周期でカメラ本体101に作用する重力方向を検出している。
[シャッターユニット100について]
図1〜図11を用いてシャッターユニット100について説明する。
図1(a)は、シャッターユニット100を撮像素子116側から見た図である。図1(b)は、シャッターユニット100を撮影レンズ204側から見た図である。
図2は、シャッターユニット100を撮像素子116側から見た分解斜視図である。図3は、シャッターユニット100を撮影レンズ204側から見た分解斜視図である。
シャッタ地板1の撮像素子116側には、カバー板8がビス14によって固定されている。シャッタ地板1とカバー板8の間には、遮光部材としての羽根ユニットが配置されている。羽根ユニットは、羽根部材としてのシャッタ羽根4、5、6と、連結部材としての羽根アーム2、3と、駆動部材11を備えている。
シャッタ地板1にはアパーチャ1aが形成されており、カバー板8にはアパーチャ8a形成されている。シャッタ羽根4、5、6は、アパーチャ1a、8aを閉鎖する閉鎖状態とアパーチャ1a、8aを開放する開放状態とに移動可能である。シャッタ羽根4、5、6が開放状態となるとき、撮影光束がシャッターユニット100のアパーチャ1a、8aを通過する。
図2に示すように、シャッタ地板1の撮像素子116側には、軸1b、1c、1d、1eが立設されている。
羽根アーム2には、穴2aおよび穴2bが形成されている。軸1bが羽根アーム2の穴2aに挿入されることで、羽根アーム2は軸1bに軸支されている。
羽根アーム3には、穴3a、穴3bおよび穴3cが形成されている。軸1dが羽根アーム3の穴3aに挿入されることで、羽根アーム3は軸1dに軸支されている。羽根アーム3の穴3cにはバランサー9が取り付けられている。
羽根アーム2の先端とシャッタ羽根4、5、6とは、それぞれ連結軸7によって連結されている。羽根アーム3の先端とシャッタ羽根4、5、6とは、それぞれ連結軸7によって連結されている。
ガタ寄せバネ10には巻き線部10aが形成されている。軸1cがガタ寄せバネ10の巻き線部10aに挿入される。ガタ寄せバネ10の一端は、羽根アーム3の穴3bに係合し、ガタ寄せバネ10の他端は、軸1dに係合する。ガタ寄せバネ10は、シャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを開放する方向に羽根アーム3を付勢している。
駆動部材11には、穴11a、遮光片11b1および11b2、フォロワピン11c、軸受部11d、駆動ピン11eが形成されている。フォロワピン11cは、本発明の係合部の一例に相当する。
シャッタ地板1の軸1bが駆動部材11の穴11aに挿入されることで、駆動部材11は軸1bに軸支されている。駆動ピン11eは羽根アーム2の穴2bに挿入され、羽根アーム2は駆動部材11と一体化される。したがって、羽根アーム2および駆動部材11は軸1bを回転中心として回転する。
羽根アーム2が軸1bを中心に回転し、羽根アーム3が軸1cを中心に回転することで、シャッタ羽根4、5、6は、アパーチャ1a、8aを閉鎖する閉鎖状態とアパーチャ1a、8aを開放する開放状態と、に移動する。
駆動部材11が軸1bを回転中心として回転する際に、遮光片11b1または11b2がフォトインタラプタ22のスリットを通過する。これによって、遮光片11b1または11b2によってフォトインタラプタ22が遮光される遮光状態と、遮光片11b1または11b2によってフォトインタラプタ22が遮光されない受光状態と、に切り換わる。フォトインタラプタ22は、駆動部材11の位置を光学的に検出することができる。フォトインタラプタ22の出力は、ステッピングモータ19の制御回路(制御部)312に入力される。なお、本実施形態では、フォトインタラプタ22が遮光状態となるときにLレベルの信号を出力し、フォトインタラプタ22が受光状態となるときにHレベルの信号を出力する。
駆動部材11は羽根アーム2と一体となって軸1bを回転中心として回転する。したがって、シャッタ羽根4、5、6が閉鎖状態と開放状態との間を移動する際に、フォトインタラプタ22の出力がLレベルまたはHレベルで変化する。
また、シャッタ羽根4、5、6が開放状態となるときに、フォトインタラプタ22がLレベルを出力し、シャッタ羽根4、5、6が閉鎖状態となるときにフォトインタラプタ22がHレベルを出力するように、遮光片11b1または11b2が形成されている。
コイルバネ12の内径部に軸受部11dが挿入されるように、駆動部材11の撮像素子116側にはコイルバネ12が配置される。
コイルバネ12を軸受部11dに取り付けた後、カバー部材13がビス14によってカバー板8に固定される。カバー部材13には、軸受部13aが形成されている。軸1bが軸受部13aに挿入されるように、カバー部材13がカバー板8に固定される。これによって、コイルバネ12は駆動部材11とカバー部材13との間で圧縮され、駆動部材11は、光軸方向にガタ無く回転する。
羽根先端ゴム23には穴23aが形成されている。軸1eが羽根先端ゴム23の穴23aに挿入されることで、羽根先端ゴム23はシャッタ地板1に取り付けられている。シャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを閉鎖する閉鎖状態となるとき、少なくともシャッタ羽根4の先端が羽根先端ゴム23に当接する。
図3に示すように、シャッタ地板1の撮影レンズ204側には、軸1fが立設されている。
図2および図3に示すように、カムギア15は、軸1fに軸支される。カムギア15には、カム溝15a、ギア部15b、突出部15c、切り欠き部15d、円筒部15eが形成されている。カムギア15は、本発明のカム部材の一例に相当する。カム溝15aは、本発明のカム部の一例に相当する。
図3に示すように、突出部15cは、カムギア15の基部からホルダー部材17側に突出するように形成されている。切り欠き部15dは、突出部15cの両側面に形成されている。軸受部15eは撮影レンズ204側に突出するように形成されている。円筒部15eにシャッタ地板1の軸1fが挿入されることで、カムギア15は、軸1fに軸支されている。ギア部15bは、円筒部15eの周囲に形成されている。
図2に示すように、カム溝15aは、カムギア15のシャッタ地板1側の面に形成されている。駆動部材11のフォロワピン11cがカムギア15のカム溝15aに係合する。したがって、駆動部材11はカムギア15の回転に連動する。カム溝15aには、第1の弾性部材24および第2の弾性部材25が設けられている。
図2および図3に示すように、ビス14によってウェイト16がカムギア15のホルダー部材17側の基部に固定される。ウェイト16には、切り欠き部16aが形成されている。突出部15cが切り欠き部16aに挿入されるように、ウェイト16がカムギア15の基部にビス14によって固定されている。ウェイト16は、カムギア15と比べて十分に大きな質量を持っている。ウェイト16がカムギア15に固定されることで、カムギア15はフライホイールとして機能する。
図2および図3に示すように、ウェイト16が固定されたカムギア15を軸1fに軸支させた後、ビス14によってホルダー部材17がシャッタ地板1の撮影レンズ204側に固定される。
図2および図3に示すように、ホルダー部材17には、係止部17a、係止部17b、穴17c、軸受部17d、当接部17e、開口部17fが形成されている。ホルダー部材17をシャッタ地板1の撮影レンズ204側に固定させると、軸1fが軸受部17dに挿入される。カムギア15およびウェイト16は、シャッタ地板1とホルダー部材17との間で回転可能に保持される。
図2および図3に示すように、ホルダー部材17の撮影レンズ204側の面には、駆動バネ18が取り付けられる。駆動バネ18には、腕部18aおよび18b、巻線部18cが形成されている。軸受部17dが巻線部18cに挿入され、腕部18aが係止部17aに係止され、腕部18bが係止部17bに係止されるように、駆動バネ18がホルダー部材17に取り付けられる。駆動バネ18は、本発明の付勢部材の一例に相当する。
ホルダー部材17をシャッタ地板1に固定すると、カムギア15の突出部15cが開口部17eに挿入される。カムギア15を回転させると、突出部15cは開口部17e内を移動する。突出部15cが開口部17e内を移動して、突出部15cが駆動バネ18の腕部18aに当接するとき、駆動バネ18の腕部18aが切り欠き部15dに係合する。同じように、突出部15cが駆動バネ18の腕部18bに当接するとき、駆動バネ18の腕部18bが切り欠き部15dに係合する。
図2および図3に示すように、ステッピングモータ19が取り付け板20を介して、ホルダー部材17の撮影レンズ204側の面に、ビス14によって固定されている。ステッピングモータ19の出力軸にはピニオンギア21が圧入されている。ステッピングモータ19をホルダー部材17に固定すると、ステッピングモータ19の出力軸が穴17cに挿入され、ピニオンギア21がカムギア15のギア部15bと噛み合う。したがって、ステッピングモータ19が駆動されることで、カムギア15が回転する。
カムギア15が回転すると、駆動部材11のフォロワピン11cがカム溝15aを従動して、駆動部材11が回転する。駆動部材11は羽根アーム2と一体化されているので、羽根アーム2が回転する。シャッタ羽根4、5、6は、羽根アーム2および3によって平行リンク運動を行うことができる。羽根アーム2が回転することで、シャッタ羽根4、5、6はアパーチャ1a、8aを閉鎖する閉鎖状態とアパーチャ1a、8aを開放する開放状態とに移動することができる。
[カムギア15について]
図4(a)は、ウェイト16が固定されたカムギア15をシャッタ地板1側から見た平面図である。図4(b)は、ウェイト16が固定されたカムギア15をホルダー部材17側から見た平面図である。
図4(a)に示すように、カム溝15aは区間A〜区間Eの5つの区間が形成されている。カム溝15aには、凹部15a−1、カム領域15a−2乃至15a−6が形成されている。駆動部材11のフォロワピン11cがカム溝15aの区間Aに位置しているとき、カムギア15が一方向に回転すると、フォロワピン11cは区間Aから区間Eまで順に従動する。
カム溝15aの区間Aには、カム領域15a−2が形成されている。カム溝15aの区間Bには、カム領域15a−3が形成されている。カム溝15aの区間Cには、カム領域15a−4が形成されている。カム溝15aの区間Dには、カム領域15a−5が形成されている。カム溝15aの区間Eには、カム領域15a−6が形成されている。
凹部15a−1は、区間Aと区間Bとの間に形成されている。シャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを開放する開放状態となるとき、駆動部材11のフォロワピン11cが凹部15a−1に入り込む。シャッターユニット100が待機状態となるとき、駆動部材11のフォロワピン11cが凹部15a−1に入り込むことで、駆動部材11のフォロワピン11cはカム溝15aの区間Aと区間Bとの間で安定的に保持される。
図4(a)にて、フォロワピン11cが凹部15a−1に入り込んでいる状態からカムギア15を時計回り方向に回転させると、駆動部材11のフォロワピン11cはカム溝15aのカム領域15a−2に当接して、カム溝15aの区間Aを従動する。カム領域15a−2はカムリフトがほぼゼロとなるように形成されているため、フォロワピン11cがカム溝15aの区間Aを従動している間は、駆動部材11がほとんど回転しない。したがって、フォロワピン11cがカム溝15aの区間Aを従動している間は、シャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを開放する開放状態を維持する。
図4(a)にて、フォロワピン11cが凹部15a−1に入り込んでいる状態からカムギア15を反時計回り方向に回転させると、駆動部材11のフォロワピン11cはカム溝15aのカム領域15a−3に当接して、カム溝15aの区間Bを従動する。カム領域15a−3はカムリフトがほぼゼロとなるように形成されているため、フォロワピン11cがカム溝15aの区間Bを従動している間は、駆動部材11がほとんど回転しない。したがって、フォロワピン11cがカム溝15aの区間Bを従動している間は、シャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを開放する開放状態を維持する。
フォロワピン11cがカム溝15aの区間Bを従動する状態からカムギア15を反時計回り方向に回転させると、駆動部材11のフォロワピン11cはカム溝15aのカム領域15a−4に当接して、カム溝15aの区間Cを従動する。フォロワピン11cがカム溝15aの区間Cを従動すると、駆動部材11が回転して、シャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを開放する開放状態からアパーチャ1a、8aを閉鎖する直前の状態まで移動する。
フォロワピン11cがカム溝15aの区間Cを従動する状態からカムギア15を反時計回り方向に回転させると、駆動部材11のフォロワピン11cはカム溝15aのカム領域15a−5に当接して、カム溝15aの区間Dを従動する。フォロワピン11cがカム溝15aの区間Dを従動すると、駆動部材11がさらに回転して、シャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを完全に閉鎖する閉鎖状態まで移動する。
フォロワピン11cがカム溝15aの区間Dを従動する状態からカムギア15を反時計回り方向に回転させると、駆動部材11のフォロワピン11cはカム溝15aのカム領域15a−6に当接して、カム溝15aの区間Eを従動する。カム領域15a−6はカムリフトがほぼゼロとなるように形成されているため、フォロワピン11cがカム溝15aの区間Eを従動している間は、駆動部材11がほとんど回転しない。したがって、フォロワピン11cがカム溝15aの区間Eを従動している間は、シャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを完全に閉鎖する閉鎖状態を維持する。
図4(a)に示すように、カム溝15aの区間Eには、第1の弾性部材24および第2の弾性部材25が設けられている。より具体的には、カム溝15aの区間Eでは、溝幅が大きく形成されている。カム溝15aの区間Eの内側に第1の弾性部材24が貼着され、カム溝15aの区間Eの外側に第2の弾性部材25が貼着されている。第1の弾性部材24および第2の弾性部材25がカム溝15aの区間Eに設けられることで、第1の弾性部材24と第2の弾性部材25との幅が、カム溝15aの区間E以外の溝幅とほぼ等しくなっている。
シャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを完全に閉鎖する閉鎖状態となるとき、シャッタ羽根4の先端が羽根先端ゴム23に当接して、シャッタ羽根4、5、6はバウンドする。シャッタ羽根4、5、6がバウンドすると、カム溝15aの区間Eにて、フォロワピン11cが第1の弾性部材24および第2の弾性部材25に交互に衝突する。第1の弾性部材24および第2の弾性部材25は弾性を有する材料で形成されているため、フォロワピン11cに衝突しても、第1の弾性部材24および第2の弾性部材25が衝撃を吸収することができる。
図4(b)に示すように、突出部15cは、カムギア15の基部からホルダー部材17側に突出するように形成されている。切り欠き部15dは、突出部15cの両側面に形成されている。軸受部15eはホルダー部材17側に突出するように形成されている。ギア部15bは、円筒部15eの周囲に形成されている。
図4(b)に示すように、カムギア15のホルダー部材17側の基部にウェイト16が固定されている。ウェイト16には、切り欠き部16aが形成されている。突出部15cが切り欠き部16aに挿入されるように、カムギア15のホルダー部材17側の基部にウェイト16がビス14によって固定されている。
[ステッピングモータ19について]
図5は、上述したステッピングモータ19を説明する図である。なお、説明のため、一部の部品を破断して示している。
ステッピングモータ19は、決められた時間間隔にしたがってコイルの通電状態を切り換えて駆動するステップ駆動(オープンループ駆動)と、進角値が異なる2種類のフィードバック駆動が可能なステッピングモータである。
ステップ駆動モード(オープンループ駆動モード)でステッピングモータ19が駆動される際には、決められた時間間隔にしたがってコイルの通電状態を切り換える駆動を行う。フィードバック駆動モードでステッピングモータ19が駆動される際には、ロータの回転位置を検出する位置センサの出力に応じてコイルの通電状態を切り換える駆動を行う。
図5に図示するように、ロータ301は、マグネット302を備えている。ステッピングモータ19は、制御回路(制御部)312および駆動回路313によって回転可能に制御される。マグネット302は、円筒形状に形成され、外周面を周方向に分割して、異なる極が交互に形成されている。本実施形態では、マグネット302が周方向に8分割され、8つの磁極が形成されている。
第1のコイル303は、マグネット302の軸方向の一端に配置されている。
第1のヨーク305は、軟磁性材料で形成されている。第1のヨーク305は、マグネット302の外周面に隙間を持って対向する複数の第1の磁極部305aを備えている。第1の磁極部305aは、第1のコイル303に通電されることで励磁される。
第1のコイル303と第1のヨーク305と複数の第1の磁極部305aに対向するマグネット302によって第1のステータユニットが構成される。
第2のコイル304は、マグネット302の第1のコイル303が取り付けられた軸方向の一端と反対側の他端に配置されている。
第2のヨーク306は、軟磁性材料で形成されている。第2のヨーク306は、マグネット302の外周面に隙間を持って対向する複数の第2の磁極部306aを備えている。第2の磁極部306aは、第2のコイル304に通電されることで励磁される。
第2のコイル304と第2のヨーク106と複数の第2の磁極部306aに対向するマグネット302によって第2のステータユニットが構成される。
第1の磁極部305aと第2の磁極部306aに励磁される極(N極、S極)を切り換えることで、ロータ301を回転させることができる。
第1磁気センサ(第1の検出素子)307、第2磁気センサ(第2の検出素子)308、第3磁気センサ(第3の検出素子)309、第4磁気センサ(第4の検出素子)310は、検出手段を構成する。各磁気センサは、それぞれマグネット302の磁束を検出するホール素子であり、モータカバー311に固定される。
モータカバー311は、第1の磁極部305aと第2の磁極部306aとがマグネット302の着磁位相に対して電気角で略90度ずれて配置されるように第1のヨーク305と第2のヨーク306を固定保持する。
ここで、電気角とは、マグネット磁力の1周期を360°として表したものであり、ロータの極数をM、機械角をθ0とすると、電気角θは以下の式で表せる。
θ=θ0×M/2
本実施形態では、マグネット2の磁極数は8極であるから電気角90度は機械角で22.5度となる。
制御回路312は、ステップ駆動と進角量が異なる2種類のフィードバック駆動とを切り換えて駆動することができる。ステップ駆動を行う場合には、所定の時間間隔で第1のコイル303および第2のコイル304の通電状態を切り換えるように、制御回路312が駆動回路313を制御する。
ステップ駆動を行う場合には、ステッピングモータ19の回転方向に関わらず、第1磁気センサ307、第2磁気センサ308、第3磁気センサ309、第4磁気センサ310の出力を使用しない。
ステッピングモータ19を第1の方向に駆動する場合であって、進角値が小さいフィードバック駆動を行う場合には、制御回路312が以下のように駆動回路313を制御する。第1磁気センサ307の出力によって第1のコイル303の通電状態を切り換え、第2磁気センサ308の出力によって第2のコイル304の通電状態を切り換える。
ステッピングモータ19を第1の方向に駆動する場合であって、進角値が大きいフィードバック駆動を行う場合には、制御回路312が以下のように駆動回路313を制御する。第3磁気センサ309の出力によって第1のコイル303の通電状態を切り換え、第4磁気センサ310の出力によって第2のコイル304の通電状態を切り換える。
ステッピングモータ19を第1の方向と反対方向となる第2の方向に駆動する場合であって、進角値が小さいフィードバック駆動を行う場合には、制御回路312が以下のように駆動回路313を制御する。第3磁気センサ309の出力によって第1のコイル303の通電状態を切り換え、第4磁気センサ310の出力によって第2のコイル304の通電状態を切り換える。
ステッピングモータ19を第2の方向に駆動する場合であって、進角値が大きいフィードバック駆動を行う場合には、制御回路312が以下のように駆動回路313を制御する。第1磁気センサ307の出力によって第1のコイル303の通電状態を切り換え、第2磁気センサ308の出力によって第2のコイル304の通電状態を切り換える。
[シャッターユニット100の動作について]
図6〜図12は、シャッターユニット100の動作を説明する図である。
まず、シャッターユニット100の走行動作を説明する。
図6は、シャッターユニット100の停止状態を説明する図である。図6(a)は、シャッターユニット100を撮像素子116側から見た図である。図6(a)では、シャッタ地板1、カバー板8およびカバー部材13を省略して描いている。図6(b)は、シャッターユニット100を撮影レンズ204側から見た図である。図6(b)では、シャッタ地板1、カバー板8およびステッピングモータ19を省略して描いている。図6(c)は、駆動部材11のフォロワピン11cとカム溝15aとの係合関係を説明する図である。
図6(a)に示すように、シャッターユニット100が停止状態となるとき、シャッタ羽根4、5、6はアパーチャ1a、8aを開放する開放状態となっている。ガタ寄せバネ10は、図6(a)において羽根アーム3を反時計方向に付勢している。この付勢力は、シャッタ羽根4、5、6を介して羽根アーム2に伝達されるので、図6(a)において羽根アーム2も反時計方向に付勢される。したがって、図6(a)において駆動部材11も反時計方向に付勢される。したがって、ガタ寄せバネ10の付勢力によって、フォロワピン11cは凹部15a−1に押し付けられる。このとき、遮光片11b1はフォトインタラプタ22のスリット内に位置し、フォトインタラプタ22の出力はLレベルとなる。フォトインタラプタ22は、シャッタ羽根4、5、6はアパーチャ1a、8aを開放しているときにLレベルを出力し、シャッタ羽根4、5、6はアパーチャ1a、8aを閉鎖しているときにHレベルを出力する。
図6(b)に示すように、シャッターユニット100が停止状態となるとき、駆動バネ18の腕部18aは係止部17aに係止されており、駆動バネ18の腕部18bは係止部17bに係止されている。すなわち、駆動バネ18はカムギア15の切り欠き部15dによってチャージされていない。
図6(c)に示すように、シャッターユニット100が停止状態となるとき、フォロワピン11cが凹部15a−1に入り込んでいる。フォロワピン11cを凹部15a−1に押し付けるように、ガタ寄せバネ10の付勢力が駆動部材11に作用している。これによって、ステッピングモータ19に保持通電を行わなくても、駆動部材11のフォロワピン11cをカム溝15aの区間Aと区間Bとの間で安定的に保持することができる。
制御回路312は、図6に示す停止状態から進角値が小さいフィードバック駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動して、カムギア15を時計回り方向に回転させる。これによって、シャッターユニット100は図6に示す停止状態から図7に示す走行待機状態となる。
図7は、シャッターユニット100の走行待機状態を説明する図である。図7(a)は、シャッターユニット100を撮像素子116側から見た図である。図7(a)では、シャッタ地板1、カバー板8およびカバー部材13を省略して描いている。図7(b)は、シャッターユニット100を撮影レンズ204側から見た図である。図7(b)では、シャッタ地板1、カバー板8およびステッピングモータ19を省略して描いている。図7(c)は、駆動部材11のフォロワピン11cとカム溝15aとの係合関係を説明する図である。
図7(c)に示すように、シャッターユニット100が走行待機状態となるとき、駆動部材11のフォロワピン11cはカム溝15aのカム領域15a−2に当接して、カム溝15aの区間Aを従動する。カム領域15a−2はカムリフトがほぼゼロとなるように形成されている。シャッターユニット100が停止状態から走行待機状態となるときには、フォロワピン11cが凹部15a−1から離脱する際に駆動部材11がわずかに回転する。しかし、図7(a)に示すように、シャッタ羽根4、5、6はアパーチャ1a、8aを開放する開放状態を維持する。シャッターユニット100が走行待機状態となるときには、フォトインタラプタ22の出力もLレベルを維持している。
図7(b)に示すように、シャッターユニット100が停止状態から走行待機状態となるときには、カムギア15が反時計回り方向に回転する。このとき、カムギア15の突出部15cが駆動バネ18の腕部18aに当接する。カムギア15は、突出部15cがホルダー部材17の当接部17eに当接するまで、駆動バネ18の付勢力に抗して反時計回り方向に回転する。カムギア15の突出部15cが駆動バネ18の腕部18aに当接するときには、腕部18aが突出部15cの両側面に形成されている切り欠き部15dの一方に安定的に保持される。
シャッターユニット100が図7に示す走行待機状態となった後、駆動バネ18をチャージした状態でカムギア15を停止させるように、制御回路312が駆動回路313を制御する。このとき、駆動回路313はステッピングモータ19を保持通電する。
制御回路312は、図7に示す走行待機状態からステップ駆動でステッピングモータ19を第2の方向に駆動して、カムギア15を反時計回り方向に回転させる。これによって、シャッターユニット100は図7に示す走行待機状態から図8に示す空走状態となる。このとき、ステッピングモータ19の第2の駆動方向は、ステッピングモータ19の第1の駆動方向と反対方向となる。
図8は、シャッターユニット100の空走状態を説明する図である。図8(a)は、シャッターユニット100を撮像素子116側から見た図である。図8(a)では、シャッタ地板1、カバー板8およびカバー部材13を省略して描いている。図8(b)は、シャッターユニット100を撮影レンズ204側から見た図である。図8(b)では、シャッタ地板1、カバー板8およびステッピングモータ19を省略して描いている。図8(c)は、駆動部材11のフォロワピン11cとカム溝15aとの係合関係を説明する図である。
図8(c)に示すように、シャッターユニット100が空走状態となるとき、駆動部材11のフォロワピン11cはカム溝15aのカム領域15a−3に当接して、カム溝15aの区間Bを従動する。カム領域15a−3はカムリフトがほぼゼロとなるように形成されている。したがって、図8(a)に示すように、シャッタ羽根4、5、6はアパーチャ1a、8aを開放する開放状態を維持する。シャッターユニット100が走行待機状態となるときには、フォトインタラプタ22の出力もLレベルを維持している。
シャッターユニット100が走行待機状態から空走状態となるときには、駆動部材11はほとんど回転しない。シャッターユニット100が走行待機状態から空走状態となるまでの間は、ステッピングモータ19の駆動力と駆動バネ18の付勢力との合力によって、カムギア15が反時計回り方向に回転する。フォロワピン11cが凹部15a−1を通過する際には、フォロワピン11cに大きな慣性力が作用している。この慣性力は、ガタ寄せバネ10によって、フォロワピン11cを凹部15a−1に押し付ける力よりも大きい。したがって、シャッターユニット100が走行待機状態から空走状態となるまでの間に、フォロワピン11cは凹部15a−1に入り込まない。
図8(b)に示すように、駆動バネ18の腕部18aが係止部17aに係止された後は、ステッピングモータ19の駆動力によって、カムギア15が反時計回り方向に回転する。
制御回路312は、図8に示す空走状態からステップ駆動でステッピングモータ19を第2の方向に駆動して、カムギア15を反時計回り方向に回転させる。これによって、シャッターユニット100は図8に示す空走状態から図9に示す走行開始状態となる。
図9は、シャッターユニット100の走行開始状態を説明する図である。図9(a)は、シャッターユニット100を撮像素子116側から見た図である。図9(a)では、シャッタ地板1、カバー板8およびカバー部材13を省略して描いている。図9(b)は、シャッターユニット100を撮影レンズ204側から見た図である。図9(b)では、シャッタ地板1、カバー板8およびステッピングモータ19を省略して描いている。図9(c)は、駆動部材11のフォロワピン11cとカム溝15aとの係合関係を説明する図である。
図9(c)に示すように、シャッターユニット100が走行開始状態となるとき、駆動部材11のフォロワピン11cはカム溝15aのカム領域15a−4に当接して、カム溝15aの区間Cを従動する。フォロワピン11cがカム溝15aの区間Cを従動すると、駆動部材11が図9(a)において時計回りに回転して、シャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを閉鎖し始める。
駆動部材11が、図9に示す走行開始状態から、わずかに図9(a)において時計回りに回転すると、遮光片11b1がフォトインタラプタ22のスリット内から離脱する。このとき、遮光片11b2もフォトインタラプタ22のスリット内に入っていないので、フォトインタラプタ22の出力がLからHに変化する。フォトインタラプタ22の出力がLからHに変化することは、本発明の第1の検出信号の出力の一例に相当する。
制御回路312は、進角値が大きいフィードバック駆動に切り換えてから、フォトインタラプタ22の出力がLからHに変化するまでの経過時間tp1(図13〜図18参照)を計測する。制御回路312に保持されている基準時間tp1refと計測した経過時間tp1とを比較する。基準時間tp1refは、シャッターユニット100の製造時に設定されている。
図9(b)に示すように、シャッターユニット100が走行開始状態となるとき、駆動バネ18の腕部18aは係止部17aに係止されており、駆動バネ18の腕部18bは係止部17bに係止されている。走行開始状態では、ステッピングモータ19の駆動力によってのみ、カムギア15が反時計回り方向に回転する。
制御回路312は、図9に示す走行開始状態から進角値が大きいフィードバック駆動でステッピングモータ19を第2の方向に駆動して、カムギア15を反時計回り方向に回転させる。これによって、シャッターユニット100は図9に示す走行開始状態から図10に示す走行終了直前状態となる。
図10は、シャッターユニット100の走行終了直前状態を説明する図である。図10(a)は、シャッターユニット100を撮像素子116側から見た図である。図10(a)では、シャッタ地板1、カバー板8およびカバー部材13を省略して描いている。図10(b)は、シャッターユニット100を撮影レンズ204側から見た図である。図10(b)では、シャッタ地板1、カバー板8およびステッピングモータ19を省略して描いている。図10(c)は、駆動部材11のフォロワピン11cとカム溝15aとの係合関係を説明する図である。
図10(c)に示すように、シャッターユニット100が走行終了直前状態となるとき、駆動部材11のフォロワピン11cはカム溝15aのカム領域15a−5に当接して、カム溝15aの区間Dを従動する。カム領域15a−5は、駆動部材11の回転速度を徐々に減らすように形成されている。
フォロワピン11cがカム溝15aの区間Dを従動する際に、制御回路312がステッピングモータ19の駆動速度を減速しなくても、駆動部材11は徐々に減速される。したがって、フォロワピン11cがカム溝15aの区間Dを従動すると、駆動部材11が回転速度を下げながら回転して、図10(a)に示すように、シャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを閉鎖する直前の状態となる。
本実施形態では、シャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを閉鎖する直前の状態となるときに、シャッタ羽根4、5、6にブレーキを掛けている。したがって、連結軸7がアパーチャ1aの縁を通過するタイミングよりも前に、シャッタ羽根4、5、6にブレーキが掛けられる。一般的に、連結軸7がアパーチャ1aの縁を通過するタイミングと、ブレーキ開始タイミングとが重なると、連結軸7がアパーチャ1aの縁に引っ掛かるという不具合が発生するおそれがある。本実施例では、ブレーキ開始タイミングが、連結軸7がアパーチャ1aの縁を通過するタイミングよりも手前であるため、このような不具合のリスクを避けることができる。
シャッターユニット100が図10に示す走行終了直前状態となるとき、遮光片11b2がフォトインタラプタ22のスリット内に進入して、フォトインタラプタ22の出力がHからLに変化する。フォトインタラプタ22の出力がHからLに変化することは、本発明の第2の検出信号の出力の一例に相当する。
制御回路312は、フォトインタラプタ22の出力がLからHに変化してから、フォトインタラプタ22の出力がHからLに変化するまでの経過時間tp2(図13〜図18参照)を計測する。シャッターユニット100の走行動作毎に経過時間tp2を計測して、制御回路312に保持されている基準時間tp2refと計測した経過時間tp2とを比較する。基準時間tp2refは、シャッターユニット100の製造時に設定されている。
図10(b)に示すように、シャッターユニット100が走行終了直前状態となるとき、駆動バネ18の腕部18aは係止部17aに係止されており、駆動バネ18の腕部18bは係止部17bに係止されている。走行終了直前状態では、ステッピングモータ19の駆動力によってのみ、カムギア15が反時計回り方向に回転する。
制御回路312は、図10に示す走行終了直前状態から引き続き、進角値が大きいフィードバック駆動でステッピングモータ19を第2の方向に駆動して、カムギア15を反時計回り方向に回転させる。これによって、シャッターユニット100は図10に示す走行終了直前状態から図11に示す走行終了直後状態となる。
図11は、シャッターユニット100の走行終了直後状態を説明する図である。図11(a)は、シャッターユニット100を撮像素子116側から見た図である。図11(a)では、シャッタ地板1、カバー板8およびカバー部材13を省略して描いている。図11(b)は、シャッターユニット100を撮影レンズ204側から見た図である。図11(b)では、シャッタ地板1、カバー板8およびステッピングモータ19を省略して描いている。図11(c)は、駆動部材11のフォロワピン11cとカム溝15aとの係合関係を説明する図である。
図11(a)に示すように、シャッターユニット100が走行終了直後状態となると、シャッタ羽根4の先端が羽根先端ゴム23に当接する。このとき、遮光片11b2はフォトインタラプタ22のスリット内から離脱して、フォトインタラプタ22の出力がLからHに再び変化する。シャッターユニット100が図11に示す走行終了直後状態となると、フォトインタラプタ22の出力はHになる。
フォトインタラプタ22は、シャッタ羽根4、5、6が開放状態となるときにLを出力し、シャッタ羽根4、5、6が閉鎖状態となるときHを出力する。
図11(c)に示すように、シャッターユニット100が走行終了直後状態となるとき、駆動部材11のフォロワピン11cはカム溝15aのカム領域15a−6に当接して、カム溝15aの区間Eを従動する。カム領域15a−6はカムリフトがほぼゼロとなるように形成されている。フォロワピン11cがカム溝15aの区間Eを従動している間は、駆動部材11がほとんど回転しない。
図11(c)に示すように、カム溝15aの区間Eの内側に第1の弾性部材24が貼着され、カム溝15aの区間Eの外側に第2の弾性部材25が貼着されている。したがって、フォロワピン11cがカム溝15aの区間Eを従動している間、フォロワピン11cは第1の弾性部材24および第2の弾性部材25に挟まれる状態となる。
図11(b)に示すように、シャッターユニット100が走行終了直後状態となるとき、駆動バネ18の腕部18aは係止部17aに係止されており、駆動バネ18の腕部18bは係止部17bに係止されている。走行終了直後状態では、ステッピングモータ19の駆動力によってのみ、カムギア15が反時計回り方向に回転する。
制御回路312は、図11に示す走行終了直後状態からステップ駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動する。ステッピングモータ19を第1の方向に駆動すると、カムギア15を時計回り方向に回転させることになるが、カムギア15を反時計回り方向に回転させる慣性力が大きいので、カムギア15は徐々に減速されながら反時計回り方向に回転する。
これによって、シャッターユニット100は図11に示す走行終了直後状態から図12に示す走行終了状態となる。
図12は、シャッターユニット100の走行終了状態を説明する図である。図12(a)は、シャッターユニット100を撮像素子116側から見た図である。図12(a)では、シャッタ地板1、カバー板8およびカバー部材13を省略して描いている。図12(b)は、シャッターユニット100を撮影レンズ204側から見た図である。図12(b)では、シャッタ地板1、カバー板8およびステッピングモータ19を省略して描いている。図12(c)は、駆動部材11のフォロワピン11cとカム溝15aとの係合関係を説明する図である。
図12(c)に示すように、シャッターユニット100が走行終了状態となるとき、駆動部材11のフォロワピン11cはカム溝15aのカム領域15a−6に当接して、カム溝15aの区間Eを従動する。
図12(a)に示すように、シャッタ羽根4の先端が羽根先端ゴム23に当接して、シャッタ羽根4、5、6はバウンドする。シャッタ羽根4、5、6がバウンドすると、図12(c)に示すように、カム溝15aの区間Eにて、フォロワピン11cが第1の弾性部材24および第2の弾性部材25に交互に衝突する。第1の弾性部材24および第2の弾性部材25は弾性を有する材料で形成されているので、フォロワピン11cに衝突しても、第1の弾性部材24および第2の弾性部材25が衝撃を吸収することができる。これによって、走行終了状態におけるシャッタ羽根4、5、6のバウンドを低減させている。
図12(b)に示すように、シャッターユニット100が走行終了状態となるときには、駆動バネ18の腕部18bは係止部17bに係止されており、駆動バネ18の腕部18bは係止部17bに係止されている。すなわち、駆動バネ18はカムギア15の切り欠き部15dによってチャージされていない。
図12(a)に示すように、シャッターユニット100が走行終了状態となるときには、フォトインタラプタ22の出力もHレベルを維持している。すなわち、シャッタ羽根4、5、6が閉鎖状態となるときには、フォトインタラプタ22がHレベルを出力し続ける。
シャッターユニット100が図12に示す走行終了状態となった後、制御回路312が駆動回路313を制御して、ステッピングモータ19を停止させる。
図12(c)に示すように、シャッターユニット100が走行終了状態となっても、フォロワピン11cはカム溝15aの区間Eの中ほどに位置している。ステッピングモータ19を停止させた後に、慣性力によって走行終了状態からカムギア15が反時計回り方向に回転することが考えられる。この場合には、図12(b)に示すように、カムギア15の突出部15cが駆動バネ18の腕部18bに当接するので、駆動バネ18の付勢力を利用してカムギア15の反時計回りの回転を止めることができる。
次に、シャッターユニット100の復帰動作を説明する。
シャッターユニット100の復帰動作では、ステッピングモータ19の駆動方向を走行動作と逆方向にすることで、図12に示す走行終了状態から図6に示す停止状態まで復帰させる。
制御回路312は、図12に示す走行終了状態から図11に示す走行終了直後状態までステップ駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動して、カムギア15を時計回り方向に回転させる。
その後、制御回路312は、図11に示す走行終了直後状態から図9に示す走行開始状態まで進角値が大きいフィードバック駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動して、カムギア15を時計回り方向に回転させる。
このとき、シャッタ羽根4、5、6は閉鎖状態から開放状態に移動する。フォトインタラプタ22の出力はHからLに変化し、その後、LからHに変化し、さらにHからLに変化する。
シャッターユニット100の復帰動作では、進角値が大きいフィードバック駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動しているときに、制御回路312がステッピングモータ19の減速を開始する。具体的には、進角値が大きいフィードバック駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動しているときに、フォトインタラプタ22の出力が2回目にHからLに変化するタイミングで、ステッピングモータ19の駆動方向を反転させる。すなわち、フォトインタラプタ22の出力が2回目にHからLに変化すると、制御回路312は、進角値が大きいフィードバック駆動でステッピングモータ19を第2の方向に駆動する。ステッピングモータ19を第2の方向に駆動すると、カムギア15を反時計回り方向に回転させることになるが、カムギア15を時計回り方向に回転させる慣性力が大きいので、カムギア15は徐々に減速されながら時計回り方向に回転する。
本実施形態では、フォロワピン11cがカム溝15aのカム領域15a−5を摺動する際の速度を落としている。これによって、走行精度に影響を与えるカム領域15a−5の摩耗を低減することができる。
その後、制御回路312は、図9に示す走行開始状態から図6に示す停止状態までステップ駆動でステッピングモータ19を減速させながら、第1の方向に駆動して、カムギア15を時計回り方向に回転させる。
シャッターユニット100の復帰動作では、図9に示す走行開始状態からステップ駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動して、フォロワピン11cが凹部15a−1に入り込む状態となるとき、ステッピングモータ19を停止制御する。すなわち、シャッターユニット100の復帰動作では、図7に示す走行待機状態にならない。
シャッターユニット100は、このような復帰動作によって、図6に示す停止状態に復帰する。
[カメラ本体101における静止画記録動作]
図13〜図18は、カメラ本体101で静止画の記録動作を説明するタイミングチャートである。
図13は、モードダイアル169によってライブビューモードが選択された場合における静止画の記録動作を説明するタイミングチャートである。
モードダイアル169によってライブビューモードが選択されると、システム制御部153が、ミラー制御部161を制御して、ミラーダウンしているミラーユニットをミラーアップさせる。その後、システム制御部153は、撮像素子116に逐次読み出し動作を開始させて、被写体画像を画像表示部160に逐次表示させる。
図13のタイミングA1にて、レリーズボタン168が軽く押下され、第1スイッチ(SW1)がオンすると、システム制御部153が制御回路312を制御する。制御回路312は駆動回路313を介して、進角値が小さいフィードバック駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動する。これによって、ステッピングモータ19がカムギア15を時計回り方向に回転させて、シャッターユニット100を図6に示す停止状態から図7に示す走行待機状態に動作させる。
シャッターユニット100が図7に示す走行待機状態となると、図13のタイミングB1にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステッピングモータ19を保持通電する。これによって、駆動バネ18をチャージした状態でカムギア15を停止させることができる。
レリーズボタン168が深く押下され、第2スイッチ(SW2)がオンすると、撮像素子116は、画面全体の電荷がリセットされる。その後、撮像素子116は、図13のタイミングD1から1ラインずつ電荷の蓄積を行う電子先幕走行を開始する。
電子先幕走行開始から設定された露光時間が経過すると、図13のタイミングC1にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステップ駆動でステッピングモータ19を第2の方向に駆動する。これによって、ステッピングモータ19がカムギア15を反時計回り方向に回転させて、シャッターユニット100を図7に示す走行待機状態から図8に示す空走状態に動作させる。
シャッターユニット100が図7に示す走行待機状態から図8に示す空走状態になるまでの間は、ステッピングモータ19の駆動力と駆動バネ18の付勢力との合力によって、カムギア15が反時計回り方向に回転する。
ステッピングモータ19のステップ駆動は、シャッターユニット100が図9に示す走行開始状態になるまで行われる。シャッターユニット100が図8に示す空走状態から図9に示す走行開始状態になるまでの間は、ステッピングモータ19の駆動力によって、カムギア15が反時計回り方向に回転する。図9に示す走行開始状態の直前まで、シャッタ羽根4、5、6はアパーチャ1a、8aを開放する開放状態を維持する。
図13のタイミングC1から所定の駆動パルス数だけステップ駆動でステッピングモータ19を第2の方向に駆動する。その後、図13のタイミングE1にて、制御回路312は駆動回路313を介して、進角値が大きいフィードバック駆動でステッピングモータ19を第2の方向に駆動する。
これによって、ステッピングモータ19がカムギア15を反時計回り方向に回転させて、シャッターユニット100を図9に示す走行開始状態の直前から図10に示す走行終了直前状態に動作させる。図9に示す走行開始状態からシャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを閉鎖し始め、図10に示す走行終了直前状態では、シャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを閉鎖する直前の状態となる。
シャッターユニット100が図9に示す走行開始状態となった後、カムギア15を反時計回り方向に回転すると、フォトインタラプタ22の出力がLからHに変化する。フォトインタラプタ22の出力は、ステッピングモータ19の制御回路312に入力されている。
制御回路312は、進角値が大きいフィードバック駆動に切り換えてから、フォトインタラプタ22の出力がLからHに変化するまでの経過時間tp1(図13参照)を求める。
本実施形態では、設定されたモードに関わらず、シャッターユニット100の走行動作毎に経過時間tp1を計測して、制御回路312に保持されている基準時間tp1refと計測した経過時間tp1とを比較する。基準時間tp1refは、シャッターユニット100の製造時に設定されている。計測した経過時間tp1と基準時間tp1refとの差分に基づいて、図13のタイミングC1を調整する。図13のタイミングC1は、本発明の駆動開始タイミングの一例に相当する。
図13に示す時間Tは、ステップ駆動でステッピングモータ19を第2の方向に駆動してからシャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを閉鎖し始めるまでの時間である。時間Tは、シャッターユニット100の製造時に設定されているが、長期間の使用におけるカム溝15aの摩耗などの理由によって、変化する可能性がある。本実施形態では、経過時間tp1と基準時間tp1refとの差分に基づいて、次回の走行動作における図13のタイミングC1を調整する。これによって、時間Tの変化を補正することができる。例えば、計測した経過時間tp1が基準時間tp1refより2ms長くなれば、次回の走行動作で図13のタイミングC1を2ms早める調整を行う。
その後、シャッターユニット100が図10に示す走行終了直前状態となると、図13のタイミングF1にて、フォトインタラプタ22の出力がHからLに変化する。
制御回路312は、フォトインタラプタ22の出力がLからHに変化してから、フォトインタラプタ22の出力がHからLに変化するまでの経過時間tp2(図13参照)を求める。
本実施形態では、設定されたモードに関わらず、シャッターユニット100の走行動作毎に経過時間tp2を計測して、制御回路312に保持されている基準時間tp2refと計測した経過時間tp2とを比較する。基準時間tp2refは、シャッターユニット100の製造時に設定されている。計測した経過時間tp2と基準時間tp2refとの差分に基づいて、図13のタイミングE1からタイミングG1までの間におけるステッピングモータ19の駆動速度を調整する。
図13のタイミングE1からタイミングG1までの間におけるステッピングモータ19の駆動速度は、シャッターユニット100の製造時に設定されているが、長期間の使用におけるカム溝15aの摩耗などの理由によって、変化する可能性がある。本実施形態では、計測した経過時間tp2と基準時間tp2refとの差分に基づいて、次回の走行動作における図13のタイミングE1からタイミングG1までの間におけるステッピングモータ19の駆動パルスの周波数を調整する。これによって、図13のタイミングE1からタイミングG1までの間におけるステッピングモータ19の駆動速度が調整される。例えば、計測した経過時間tp2が基準時間tp2refより2ms長くなれば、次回の走行動作で図13のタイミングE1からタイミングG1までの間におけるステッピングモータ19の駆動パルスの周波数を上げる調整を行う。これによって、ステッピングモータ19の駆動が上昇する。
図13のタイミングE1から所定の駆動パルス数だけ進角値が大きいフィードバック駆動でステッピングモータ19を第2の方向に駆動すると、シャッターユニット100が図11に示す走行終了直後状態となる。シャッターユニット100が走行終了直後状態となると、フォトインタラプタ22の出力がLからHに変化する。
シャッターユニット100が走行終了直後状態となるとき、図13のタイミングG1にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステップ駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動する。ステッピングモータ19を第1の方向に駆動すると、カムギア15を時計回り方向に回転させることになるが、カムギア15を反時計回り方向に回転させる慣性力が大きいので、カムギア15は徐々に減速されながら反時計回り方向に回転する。このように、制御回路312がステッピングモータ19を逆転駆動させることが本発明の減速制御の一例に相当する。
図13のタイミングG1から所定の駆動パルス数だけステップ駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動した後、シャッターユニット100が図12に示す走行終了状態となる。図13のタイミングG1から所定の駆動パルス数だけステップ駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動すると、図13のタイミングH1にて、制御回路312が駆動回路313を制御して、ステッピングモータ19を停止させる。
図13のタイミングI1にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステップ駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動する。これによって、シャッターユニット100を図12に示す走行終了状態から図11に示す走行終了直後状態に動作させる。
図13のタイミングI1から所定の駆動パルス数だけステップ駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動すると、シャッターユニット100が図11に示す走行終了直後状態となる。図13のタイミングJ1にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステッピングモータ19を進角値が大きいフィードバック駆動で第1の方向に駆動する。これによって、シャッターユニット100を図11に示す走行終了直後状態から図9に示す走行開始状態に動作させる。図13のタイミングJ1にて、フォトインタラプタ22の出力がHからLに変化し、図13のタイミングK1にて、フォトインタラプタ22の出力がLからHに変化する。
図13のタイミングJ1から所定の駆動パルス数だけステッピングモータ19を進角値が大きいフィードバック駆動で第1の方向に駆動すると、シャッターユニット100が図9に示す走行開始状態となる。図13のタイミングL1にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステップ駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動して、図13のタイミングM1にて、ステッピングモータ19を停止制御する。これによって、シャッターユニット100を図9に示す走行開始状態から図6に示す停止状態に動作させる。シャッターユニット100の復帰動作では、駆動バネ18をチャージすることなく、フォロワピン11cが凹部15a−1に入り込む状態となるとき、ステッピングモータ19が停止制御される。
このように、ライブビューモードが選択された場合には、第1スイッチ(SW1)がオンするタイミングで、シャッターユニット100を図6に示す停止状態から図7に示す走行待機状態に動作させている。第2スイッチ(SW2)がオンするタイミングでは、すでに駆動バネ18がチャージされた状態となっているので、駆動バネ18をチャージするために必要な時間だけレリーズタイムラグを短くすることができる。
図14は、モードダイアル169によって光学ファインダーモードが選択された場合であって、かつ静音ミラー駆動モードが選択された場合における静止画の記録動作を説明するタイミングチャートである。
モードダイアル169によってライブビューモードから光学ファインダーモードに選択されるモードが変更されると、システム制御部153は、撮像素子116の逐次読み出し動作を終了する。その後、システム制御部153が、ミラー制御部161を制御して、ミラーアップしているミラーユニットをミラーダウンさせる。
図14のタイミングA2にて、レリーズボタン168が深く押下され、第2スイッチ(SW2)がオンすると、システム制御部153が制御回路312を制御する。制御回路312は駆動回路313を介して、進角値が小さいフィードバック駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動する。これによって、ステッピングモータ19がカムギア15を時計回り方向に回転させて、シャッターユニット100を図6に示す停止状態から図7に示す走行待機状態に動作させる。
シャッターユニット100が図7に示す走行待機状態となると、図14のタイミングB2にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステッピングモータ19を保持通電する。これによって、駆動バネ18をチャージした状態でカムギア15を停止させることができる。このとき、システム制御部153が、ミラー制御部161を制御して、ミラーダウンしているミラーユニットをミラーアップさせる。
第2スイッチ(SW2)がオンすると、図14のタイミングA2にて、撮像素子116は、画面全体の電荷がリセットされる。その後、撮像素子116は、図14のタイミングD2から1ラインずつ電荷の蓄積を行う電子先幕走行を開始する。
電子先幕走行開始から設定された露光時間が経過すると、図14のタイミングC2にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステップ駆動でステッピングモータ19を第2の方向に駆動する。これによって、ステッピングモータ19がカムギア15を反時計回り方向に回転させて、シャッターユニット100を図7に示す走行待機状態から図8に示す空走状態に動作させる。
図14のタイミングC2から所定の駆動パルス数だけステップ駆動でステッピングモータ19を第2の方向に駆動。その後、図14のタイミングE2にて、制御回路312は駆動回路313を介して、進角値が大きいフィードバック駆動でステッピングモータ19を第2の方向に駆動する。
これによって、ステッピングモータ19がカムギア15を反時計回り方向に回転させて、シャッターユニット100を図9に示す走行開始状態の直前から図10に示す走行終了直前状態に動作させる。図9に示す走行開始状態からシャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを閉鎖し始め、図10に示す走行終了直前状態では、シャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを閉鎖する直前の状態となる。
静音ミラー駆動モードが選択された場合には、図9に示す走行開始状態から図11に示す走行終了直後状態までステッピングモータ19を駆動する際の駆動パルス周波数が、高速ミラー駆動モードを選択した場合のそれよりも低く設定される。これによって、シャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを閉鎖する際の速度が低くなり、シャッターユニット100の動作音も小さくすることができる。
シャッターユニット100が図9に示す走行開始状態となった後、カムギア15を反時計回り方向に回転すると、フォトインタラプタ22の出力がLからHに変化する。フォトインタラプタ22の出力は、ステッピングモータ19の制御回路312に入力されている。
制御回路312は、進角値が大きいフィードバック駆動に切り換えてから、フォトインタラプタ22の出力がLからHに変化するまでの経過時間tp1(図14参照)を求める。計測した経過時間tp1と基準時間tp1refとの差分に基づいて、図14のタイミングC1を調整する。具体的な調整方法は上述したとおりである。
その後、シャッターユニット100が図10に示す走行終了直前状態となると、図14のタイミングF2にて、フォトインタラプタ22の出力がHからLに変化する。
制御回路312は、フォトインタラプタ22の出力がLからHに変化してから、フォトインタラプタ22の出力がHからLに変化するまでの経過時間tp2(図14参照)を求める。計測した経過時間tp2と基準時間tp2refとの差分に基づいて、図14のタイミングE2からタイミングG2までの間におけるステッピングモータ19の駆動速度を調整する。
図14のタイミングE2から所定の駆動パルス数だけ進角値が大きいフィードバック駆動でステッピングモータ19を第2の方向に駆動すると、シャッターユニット100が図11に示す走行終了直後状態となる。シャッターユニット100が走行終了直後状態となると、フォトインタラプタ22の出力がLからHに変化する。
シャッターユニット100が走行終了直後状態となるとき、図14のタイミングG2にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステップ駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動する。ステッピングモータ19を第1の方向に駆動すると、カムギア15を時計回り方向に回転させることになるが、カムギア15を反時計回り方向に回転させる慣性力が大きいので、カムギア15は徐々に減速されながら反時計回り方向に回転する。
図14のタイミングG2から所定の駆動パルス数だけステップ駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動すると、シャッターユニット100が図12に示す走行終了状態となる。図14のタイミングG2から所定の駆動パルス数だけステップ駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動した後、図14のタイミングH2にて、制御回路312が駆動回路313を制御して、ステッピングモータ19を停止させる。このとき、システム制御部153が、ミラー制御部161を制御して、ミラーアップしているミラーユニットをミラーダウンさせる。
図14のタイミングI2にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステップ駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動する。これによって、シャッターユニット100を図12に示す走行終了状態から図11に示す走行終了直後状態に動作させる。
図14のタイミングI2から所定の駆動パルス数だけステップ駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動すると、シャッターユニット100が図11に示す走行終了直後状態となる。図14のタイミングJ2にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステッピングモータ19を進角値が大きいフィードバック駆動で第1の方向に駆動する。これによって、シャッターユニット100を図11に示す走行終了直後状態から図9に示す走行開始状態に動作させる。図14のタイミングJ2にて、フォトインタラプタ22の出力がHからLに変化し、図14のタイミングK2にて、フォトインタラプタ22の出力がLからHに変化する。
図14のタイミングJ2から所定の駆動パルス数だけステッピングモータ19を進角値が大きいフィードバック駆動で第1の方向に駆動すると、シャッターユニット100が図9に示す走行開始状態となる。図14のタイミングL2にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステップ駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動して、図14のタイミングM2にて、ステッピングモータ19を停止制御する。これによって、シャッターユニット100を図9に示す走行開始状態から図6に示す停止状態に動作させる。シャッターユニット100の復帰動作では、駆動バネ18をチャージすることなく、フォロワピン11cが凹部15a−1に入り込む状態となるとき、ステッピングモータ19が停止制御される。
このように、静音ミラー駆動モードが選択された場合には、第2スイッチ(SW2)がオンするタイミングで、シャッターユニット100を図6に示す停止状態から図7に示す走行待機状態に動作させている。第2スイッチ(SW2)がオンしてから駆動バネ18をチャージするので、駆動バネ18をチャージするために必要な時間だけレリーズタイムラグが長くなる。しかし、駆動バネ18をチャージした状態でステッピングモータ19を保持通電する時間を短くすることができるので、カメラ本体101の電力消費を低減させることができる。
図15は、モードダイアル169によって光学ファインダーモードが選択された場合であって、かつ高速ミラー駆動モードが選択された場合における静止画の記録動作を説明するタイミングチャートである。
モードダイアル169によってライブビューモードから光学ファインダーモードに選択されるモードが変更されると、システム制御部153は、撮像素子116の逐次読み出し動作を終了する。その後、システム制御部153が、ミラー制御部161を制御して、ミラーアップしているミラーユニットをミラーダウンさせる。
図15のタイミングA3にて、レリーズボタン168が軽く押下され、第1スイッチ(SW1)がオンすると、システム制御部153が制御回路312を制御する。制御回路312は駆動回路313を介して、進角値が小さいフィードバック駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動する。これによって、ステッピングモータ19がカムギア15を時計回り方向に回転させて、シャッターユニット100を図6に示す停止状態から図7に示す走行待機状態に動作させる。
シャッターユニット100が図7に示す走行待機状態となると、図13のタイミングB1にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステッピングモータ19を保持通電する。これによって、駆動バネ18をチャージした状態でカムギア15を停止させることができる。
レリーズボタン168が深く押下され、第2スイッチ(SW2)がオンすると、撮像素子116は、画面全体の電荷がリセットされる。その後、撮像素子116は、図13のタイミングD1から1ラインずつ電荷の蓄積を行う電子先幕走行を開始する。第2スイッチ(SW2)がオンすると、システム制御部153が、ミラー制御部161を制御して、ミラーダウンしているミラーユニットをミラーアップさせる。
図15のタイミングC3〜タイミングM3の動作は、図14のタイミングC2〜タイミングM2の動作と同様であるので、説明を省略する。
このように、高速ミラー駆動モードが選択された場合には、第1スイッチ(SW1)がオンするタイミングで、シャッターユニット100を図6に示す停止状態から図7に示す走行待機状態に動作させている。第2スイッチ(SW2)がオンするタイミングでは、すでに駆動バネ18がチャージされた状態となっているので、駆動バネ18をチャージするために必要な時間だけレリーズタイムラグを小さくすることができる。
図16は、モードダイアル169によってバルブ露光モードが選択された場合における静止画の記録動作を説明するタイミングチャートである。図16では、光学ファインダーモードにおけるバルブ露光動作であって、露光時間が30秒以下となるバルブ露光を例に挙げて説明する。
図16のタイミングA4にて、レリーズボタン168が深く押下され、第2スイッチ(SW2)がオンすると、システム制御部153が制御回路312を制御する。制御回路312は駆動回路313を介して、進角値が小さいフィードバック駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動する。これによって、ステッピングモータ19がカムギア15を時計回り方向に回転させて、シャッターユニット100を図6に示す停止状態から図7に示す走行待機状態に動作させる。
シャッターユニット100が図7に示す走行待機状態となると、図16のタイミングB4にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステッピングモータ19を保持通電する。これによって、駆動バネ18をチャージした状態でカムギア15を停止させることができる。このとき、システム制御部153が、ミラー制御部161を制御して、ミラーダウンしているミラーユニットをミラーアップさせる。
第2スイッチ(SW2)がオンすると、図16のタイミングA4にて、撮像素子116は、画面全体の電荷がリセットされる。その後、撮像素子116は、図16のタイミングD4から1ラインずつ電荷の蓄積を行う電子先幕走行を開始する。
システム制御部153は、第2スイッチ(SW2)がオンしてからの経過時間を計測して、第2スイッチ(SW2)がオンしてからの経過時間が所定時間を超えるかどうかを判定している。ここで、所定時間は、バルブ露光時間が30秒になる時間に設定されている。所定時間は、露光時間およびシャッターユニット100や撮像素子116の動作に要する時間に基づいて設定されている。第2スイッチ(SW2)がオンしてからの経過時間が所定時間を超えると判定される場合には、バルブ露光時間が30秒を超える。
第2スイッチ(SW2)がオンしてからの経過時間が所定時間以内に、第2スイッチ(SW2)がオフすると、図16のタイミングC4にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステップ駆動でステッピングモータ19を第2の方向に駆動する。すなわち、バルブ露光時間が30秒以下となる時間で第2スイッチ(SW2)がオフすると、図16のタイミングC4にて、制御回路312は、ステップ駆動でステッピングモータ19を第2の方向に駆動する。これによって、ステッピングモータ19がカムギア15を反時計回り方向に回転させて、シャッターユニット100を図7に示す走行待機状態から図8に示す空走状態に動作させる。
図16のタイミングC4〜タイミングM4の動作は、図14のタイミングC2〜タイミングM2の動作と同様であるので、説明を省略する。
このように、露光時間が30秒以下となるバルブ露光では、第2スイッチ(SW2)がオフされるまで、駆動回路313はステッピングモータ19を保持通電し続けている。
図17は、モードダイアル169によってバルブ露光モードが選択された場合における静止画の記録動作を説明するタイミングチャートである。図16では、光学ファインダーモードにおけるバルブ露光動作であって、露光時間が30秒を超えるバルブ露光を例に挙げて説明する。
図17のタイミングA5にて、レリーズボタン168が深く押下され、第2スイッチ(SW2)がオンすると、システム制御部153が制御回路312を制御する。制御回路312は駆動回路313を介して、進角値が小さいフィードバック駆動でステッピングモータ19を第1の方向に駆動する。これによって、ステッピングモータ19がカムギア15を時計回り方向に回転させて、シャッターユニット100を図6に示す停止状態から図7に示す走行待機状態に動作させる。
シャッターユニット100が図7に示す走行待機状態となると、図17のタイミングB5にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステッピングモータ19を保持通電する。これによって、駆動バネ18をチャージした状態でカムギア15を停止させることができる。このとき、システム制御部153が、ミラー制御部161を制御して、ミラーダウンしているミラーユニットをミラーアップさせる。
第2スイッチ(SW2)がオンすると、図17のタイミングA5にて、撮像素子116は、画面全体の電荷がリセットされる。その後、撮像素子116は、図17のタイミングD5から1ラインずつ電荷の蓄積を行う電子先幕走行を開始する。
システム制御部153が、第2スイッチ(SW2)がオンしてからの経過時間が所定時間を超えると判定すると、図17のタイミングN5にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステップ駆動でステッピングモータ19を第2の方向に駆動する。これによって、ステッピングモータ19がカムギア15を反時計回り方向に回転させて、シャッターユニット100を図7に示す走行待機状態から図6に示す停止状態に動作させる。そして、図17のタイミングO5にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステッピングモータ19を停止させる。すなわち、駆動バネ18のチャージを解除して、ステッピングモータ19を停止させる。
その後、第2スイッチ(SW2)がオフすると、図17のタイミングC5にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステップ駆動でステッピングモータ19を第2の方向に駆動する。これによって、ステッピングモータ19がカムギア15を反時計回り方向に回転させて、シャッターユニット100を図6に示す停止状態から図8に示す空走状態に動作させる。
図17のタイミングE5〜タイミングM5の動作は、図14のタイミングC2〜タイミングM2の動作と同様であるので、説明を省略する。
このように、露光時間が30秒を超えるバルブ露光では、露光中に駆動バネ18のチャージを解除する。駆動バネ18のチャージを解除した後は、駆動回路313がステッピングモータ19を保持通電することがないので、カメラ本体101の電力消費を低減させることができる。露光時間が30秒を超えるバルブ露光では、シャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを閉鎖し始める際には、駆動バネ18の付勢力を利用しない。しかし、露光時間が30秒を超える場合には、シャッタ羽根4、5、6の走行速度や走行安定性が低下しても画像に影響を与えることがない。
図18は、モードダイアル169によって長秒時露光モードが選択された場合であって、かつ設定ダイアル170によって30秒を超える露光時間が設定された場合における静止画の記録動作を説明するタイミングチャートである。なお、30秒以下の露光時間が設定された場合(所定の露光時間以下)における静止画の記録動作を説明するタイミングチャートは、図13〜図15にて説明したタイミングチャートと同じである。長秒時露光モードが選択されると、第2スイッチ(SW2)がオンしてから所定時間が経過した後、シャッターユニット100を開放状態から閉鎖状態に移動させる。所定時間は、露光時間およびシャッターユニット100や撮像素子116の動作に要する時間に基づいて設定されている。
図18のタイミングA6にて、レリーズボタン168が深く押下され、第2スイッチ(SW2)がオンすると、撮像素子116は、画面全体の電荷がリセットされる。その後、撮像素子116は、図16のタイミングD6から1ラインずつ電荷の蓄積を行う電子先幕走行を開始する。第2スイッチ(SW2)がオンすると、システム制御部153が、ミラー制御部161を制御して、ミラーダウンしているミラーユニットをミラーアップさせる。
電子先幕走行開始から設定された露光時間が経過すると、図18のタイミングC6にて、制御回路312は駆動回路313を介して、ステップ駆動でステッピングモータ19を第2の方向に駆動する。これによって、ステッピングモータ19がカムギア15を反時計回り方向に回転させて、シャッターユニット100を図6に示す停止状態から図8に示す空走状態に動作させる。
図18のタイミングE6〜タイミングM6の動作は、図14のタイミングE2〜タイミングM2の動作と同様であるので、説明を省略する。
このように、露光時間が30秒を超える長秒時露光では、シャッタ羽根4、5、6がアパーチャ1a、8aを閉鎖し始める際には、駆動バネ18の付勢力を利用しない。したがって、駆動回路313がステッピングモータ19を保持通電することがないので、カメラ本体101の電力消費を低減させることができる。露光時間が30秒を超える場合には、シャッタ羽根4、5、6の走行速度や走行安定性が低下しても画像に影響を与えることがない。
[シャッターユニット100の環境補正]
シャッターユニット100が走行動作を行う際の動作特性は、カメラ本体101の姿勢およびシャッターユニット100の周辺の環境温度によって、変化する。本実施形態では、制御回路312が、カメラ本体101の姿勢およびシャッターユニット100の周辺の環境温度などのシャッターユニット100が使用される環境に関する情報を取得している。そして、制御回路312は、取得した情報に基づいて、シャッターユニット100の動作特性を補正している。
まず、カメラ本体101の姿勢によるシャッターユニット100動作特性補正について説明する。
カメラ本体101の姿勢が変化すると、カメラ本体101に作用する重力方向が変化して、シャッターユニット100に作用する重力方向も変化する。シャッターユニット100に作用する重力方向によっては、シャッターユニット100に作用する重力がシャッタ羽根4、5、6を開放状態から閉鎖状態への移動を妨げる。本実施形態では、図6〜図12に示すように、シャッターユニット100が走行動作を行う際に、シャッタ羽根4、5、6が上から下に移動する。シャッターユニット100がカメラ本体101に取り付けられた状態でも、シャッターユニット100が走行動作を行う際には、シャッタ羽根4、5、6が上から下に移動する。
カメラ本体101が正位置(横位置)であれば、シャッターユニット100が走行動作を行う際に、シャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3の重心が移動する方向は、カメラ本体101に作用する重力方向と、おおむね一致する。よって、この姿勢において、シャッターユニット100に作用する重力は、シャッターユニット100が走行動作を妨げない。
正位置からカメラ本体101の天地を逆さにした逆位置であれば、シャッターユニット100が走行動作を行う際に、シャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3の重心が移動する方向は、カメラ本体101に作用する重力方向と、おおむね逆方向になる。よって、この姿勢において、シャッターユニット100に作用する重力は、シャッターユニット100が走行動作を妨げる。
シャッターユニット100は、ステッピングモータ19やカムギア15などの駆動部が、カメラ本体101のグリップ部側に位置するように、カメラ本体101に取り付けられている。
カメラ本体101のグリップ部が上になるように、カメラ本体101を縦位置にした場合には、ステッピングモータ19やカムギア15などの駆動部がアパーチャ1a、8aよりも上に位置する。
この姿勢では、羽根アーム2、3がシャッタ羽根4、5、6より上になる。したがって、シャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3の走行動作初期にて、シャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3の重心が移動する方向が、シャッターユニット100に作用する重力方向と、おおむね一致する。シャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3を動かし始める際には、静止摩擦力に抗する必要があるので、シャッターユニット100に作用する重力が効果的に作用する。よって、この姿勢において、シャッターユニット100に作用する重力は、シャッターユニット100が走行動作を妨げない。
カメラ本体101のグリップ部が下になるように、カメラ本体101を縦位置にした場合には、ステッピングモータ19やカムギア15などの駆動部がアパーチャ1a、8aよりも下に位置する。この姿勢では、羽根アーム2、3がシャッタ羽根4、5、6より下になる。したがって、シャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3の走行動作初期にて、シャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3の重心が移動する方向が、シャッターユニット100に作用する重力方向と、おおむね逆方向になる。よって、この姿勢において、シャッターユニット100に作用する重力は、シャッターユニット100が走行動作を妨げる。
カメラ本体101に装着された交換レンズ201が上または下を向く姿勢では、シャッターユニット100に作用する重力によって、シャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3と、シャッタ地板1およびカバー板8との摺動抵抗が増加する。よって、この姿勢において、シャッターユニット100に作用する重力は、シャッターユニット100が走行動作を妨げる。
本実施形態では、このような点を考慮して、カメラ本体101の姿勢によって、シャッターユニット100動作特性を補正している。
本実施形態では、姿勢センサ172が、カメラ本体101に作用する重力方向を、所定の周期で検出して、制御回路312に出力している。制御回路312は、重力方向の情報に基づいて、カメラ本体101の姿勢を判定している。制御回路312は、カメラ本体101の姿勢を判定する度に、図19(a)に示すテーブルに基づいて、シャッターユニット100動作特性の補正を実行する。
図19(a)は、カメラ本体101の姿勢によって、シャッターユニット100の動作特性を補正するテーブルの一例である。
図19(a)に示すように、カメラ本体101の姿勢によって、図7に示す走行待機状態からステッピングモータ19を駆動するタイミング(C1〜C6)を調整する。図7に示す走行待機状態からステッピングモータ19を駆動するタイミング(C1〜C6)は、本発明の駆動開始タイミングの一例に相当する。
図19(a)に示すように、カメラ本体101の姿勢によって、図9に示す走行開始状態から図11に示す走行終了直後状態までステッピングモータ19を駆動する際の駆動パルス周波数を調整する。
カメラ本体101が正位置であると判定される場合には、シャッターユニット100に作用する重力は、シャッターユニット100が走行動作を妨げない。したがって、図7に示す走行待機状態からステッピングモータ19を駆動するタイミングを調整せず、図9に示す走行開始状態から図11に示す走行終了直後状態までステッピングモータ19を駆動する際の駆動パルス周波数も調整しない。
カメラ本体101が逆位置であると判定される場合には、カメラ本体101に作用する重力によって、シャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3の走行開始タイミングが遅れ、シャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3の走行速度が低下する。したがって、図7に示す走行待機状態からステッピングモータ19を駆動するタイミングを時間T11だけ早め、図9に示す走行開始状態から図11に示す走行終了直後状態までステッピングモータ19を駆動する際の駆動パルス周波数を周波数F11だけ上げる。
カメラ本体101のグリップ部が上になる姿勢であると判定される場合には、シャッターユニット100に作用する重力は、シャッターユニット100が走行動作を妨げない。したがって、図7に示す走行待機状態からステッピングモータ19を駆動するタイミングを調整せず、図9に示す走行開始状態から図11に示す走行終了直後状態までステッピングモータ19を駆動する際の駆動パルス周波数も調整しない。
カメラ本体101のグリップ部が下になる姿勢であると判定される場合には、カメラ本体101に作用する重力によって、シャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3の走行開始タイミングが遅れる。しかし、この場合には、シャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3の走行速度は低下しない。したがって、図7に示す走行待機状態からステッピングモータ19を駆動するタイミングを時間T13だけ早め、図9に示す走行開始状態から図11に示す走行終了直後状態までステッピングモータ19を駆動する際の駆動パルス周波数を調整しない。
装着された交換レンズ201が上を向く姿勢であると判定される場合には、カメラ本体101に作用する重力によって、シャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3の走行開始タイミングが遅れる。しかし、この場合には、シャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3の走行速度が低下する。したがって、図7に示す走行待機状態からステッピングモータ19を駆動するタイミングを時間T14だけ早め、図9に示す走行開始状態から図11に示す走行終了直後状態までステッピングモータ19を駆動する際の駆動パルス周波数を周波数F14だけ上げる。
装着された交換レンズ201が下を向く姿勢であると判定される場合には、カメラ本体101に作用する重力によって、シャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3の走行開始タイミングが遅れる。そして、この場合には、シャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3の走行速度も低下する。したがって、図7に示す走行待機状態からステッピングモータ19を駆動するタイミングを時間T15だけ早め、図9に示す走行開始状態から図11に示す走行終了直後状態までステッピングモータ19を駆動する際の駆動パルス周波数を周波数F15だけ上げる。
次に、シャッターユニット100の周辺の環境温度によるシャッターユニット100動作特性補正について説明する。
シャッターユニット100の周辺の環境温度が低温になると、シャッターユニット100の摺動部に使用しているグリス等の潤滑剤が硬化して、潤滑剤による抵抗が増加する。これによって、シャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3の走行開始タイミングが遅れ、シャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3の走行速度が低下する。
一方、シャッターユニット100の周辺の環境温度が低温になると、グリス等の潤滑剤が軟化して、潤滑剤による抵抗は減少するが、合成樹脂材料で形成した部品は、熱による膨張によって形状の精度が低下する。これによって、シャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3の走行開始タイミングが遅れるが、潤滑剤の軟化によってシャッタ羽根4、5、6および羽根アーム2、3の走行速度は増加する。
本実施形態では、このような点を考慮して、シャッターユニット100の周辺の環境温度によって、シャッターユニット100動作特性を補正している。
本実施形態では、温度センサ170が所定の周期で、シャッターユニット100の周辺の環境温度を検出して、制御回路312に出力している。制御回路312は、シャッターユニット100の周辺の環境温度を検出する度に、図19(b)に示すテーブルに基づいて、シャッターユニット100動作特性の補正を実行する。
図19(b)は、シャッターユニット100の周辺の環境温度によって、シャッターユニット100動作特性を補正するテーブルの一例である。
温度センサ170で検出されたシャッターユニット100の周辺の環境温度が0°以上40°未満の温度範囲にある場合には、シャッターユニット100の周辺の環境温度が設計時の基準温度範囲にある。したがって、図7に示す走行待機状態からステッピングモータ19を駆動するタイミングを調整せず、図9に示す走行開始状態から図11に示す走行終了直後状態までステッピングモータ19を駆動する際の駆動パルス周波数も調整しない。
温度センサ170で検出されたシャッターユニット100の周辺の環境温度が0°未満である場合には、シャッターユニット100が所定の温度範囲を下回る低温環境下にある。したがって、図7に示す走行待機状態からステッピングモータ19を駆動するタイミングを時間T21だけ早め、図9に示す走行開始状態から図11に示す走行終了直後状態までステッピングモータ19を駆動する際の駆動パルス周波数を周波数F21だけ上げる。
温度センサ170で検出されたシャッターユニット100の周辺の環境温度が40°以上である場合には、シャッターユニット100が所定の温度範囲を上回る高温環境下にある。したがって、図7に示す走行待機状態からステッピングモータ19を駆動するタイミングを時間T22だけ早め、図9に示す走行開始状態から図11に示す走行終了直後状態までステッピングモータ19を駆動する際の駆動パルス周波数を周波数F22だけ下げる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。