JP6485827B1 - 害虫の殺虫施設及びその殺虫施設を用いた植物体の殺虫方法 - Google Patents

害虫の殺虫施設及びその殺虫施設を用いた植物体の殺虫方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6485827B1
JP6485827B1 JP2018008563A JP2018008563A JP6485827B1 JP 6485827 B1 JP6485827 B1 JP 6485827B1 JP 2018008563 A JP2018008563 A JP 2018008563A JP 2018008563 A JP2018008563 A JP 2018008563A JP 6485827 B1 JP6485827 B1 JP 6485827B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon dioxide
cover sheet
insecticidal
air
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018008563A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019126271A (ja
Inventor
村井 保
保 村井
Original Assignee
株式会社アグリクリニック研究所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社アグリクリニック研究所 filed Critical 株式会社アグリクリニック研究所
Priority to JP2018008563A priority Critical patent/JP6485827B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6485827B1 publication Critical patent/JP6485827B1/ja
Publication of JP2019126271A publication Critical patent/JP2019126271A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Catching Or Destruction (AREA)

Abstract

【課題】植物体が高濃度の炭酸ガスに暴露されることなく、害虫を効果的に防除することが可能な炭酸ガスによる殺虫方法を提供すること。
【解決手段】カバーシートと、炭酸ガスを供給する二酸化炭素供給装置と、前記カバーシート内に設けられ、前記二酸化炭素供給装置により供給された炭酸ガスと前記カバーシート内の空気を混合する炭酸ガス混合装置とを備えた殺虫施設を用いた殺虫方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、害虫の殺虫施設及びその殺虫施設を用いた植物体の殺虫方法に関し、さらに詳しくは、二酸化炭素を用いて植物に付いた害虫を殺虫する害虫の殺虫施設及びその殺虫施設を用いて害虫を殺虫する工程を有する植物体の殺虫方法に関する。
植物の苗は、所定の温度に管理された育苗施設に1日のうち一定の時間収容することによって、自然界とは異なる環境の下で育苗する方法が適用されることがある。そうした環境の下で育苗された苗は、苗に付いた害虫を苗から除去するために殺虫することが行われている。近年、食の安全や環境保全への配慮から、化学農薬の使用量低減が広く求められており、化学農薬を使用せずに二酸化炭素を用いて害虫を殺虫する手法は、こうした化学農薬を使わない殺虫技術として一般に知られている。
このような二酸化炭素を用いた殺虫技術として、例えば、特許文献1には、害虫殺虫バッグ外部に設置したエジェクターで外気と炭酸ガスを混合して所定濃度の混合炭酸ガスを生成し、害虫殺虫バッグ内に注入するとともに、ガス供給前に容器内を満たしていた空気を抜いて空気を炭酸ガスに置換する方法が開示されている。
かかる害虫殺虫バッグには、炭酸ガス注入用の開閉口と、空気抜き用の開閉口が設けられているが、それぞれの開閉口は、容器内に注入されたガスがそのまま排出されないように、例えば、炭酸ガス注入用の開閉口は害虫殺虫バッグ下部に、空気抜き用の開閉口が害虫殺虫バッグ上部にという具合に、離れた位置に取り付けられている。
このように、従来技術ではガス注入用の開閉口と空気抜き用の開閉口が離れて設置されており、さらに、ガス注入用の開閉口に分岐手を設けることにより炭酸ガスの流速を弱めるため、比重が軽い害虫殺虫バッグ内の空気と、比重が重く、害虫殺虫バッグ下部から上部に向けて満たされる炭酸ガスの境界層を極力乱すことなく、害虫殺虫バッグ内の空気が排出される。
国際公開第2014/203972号
しかしながら、例えばイチゴ苗の害虫であるハダニを殺虫するためには、害虫殺虫バッグ内を最終的に40〜60%程度の炭酸ガス濃度に調整・維持する必要があるところ、特許文献1に記載された予め害虫殺虫バック外部で濃度を調整した炭酸ガスを害虫殺虫バック内に導入し、害虫殺虫バッグ内の空気を抜いて炭酸ガスに置換する方法では、以下のような課題が生じる。
すなわち、予め害虫殺虫バッグ外部で炭酸ガス濃度を調整する場合、かかる炭酸ガスの濃度をどの程度に設定するかにより、おおむね2つの方法が考えられるところ、第一に、注入した炭酸ガスが害虫殺虫バック内の空気と混合して希釈されることを予め勘案し、最終的な炭酸ガス濃度以上の濃度の炭酸ガスをバッグ内に導入する方法が考えられる。例えば、最終的な炭酸ガス濃度を60%とするために、炭酸ガス濃度80%にバッグ外で調整してからバッグ内に導入し、最終的にバッグ内の濃度が60%となるまで、徐々にバッグ内の空気と置換していくことになる。
しかし、炭酸ガスは空気より比重が大きいため、バッグ内に導入された炭酸ガスはバッグ内の底部に滞留し、底部付近の植物が高濃度の炭酸ガスに暴露される。高濃度の炭酸ガスは植物体に対し毒性を有するため、このような高濃度の炭酸ガスに暴露されると生育障害や局所的な組織の褐変などを引き起こすという問題が生じる。
かかる炭酸ガスの滞留を防ぐために、バッグ内において炭酸ガスと空気を対流させてガス濃度を低くすると、空気排出口より空気のみならず、炭酸ガスも排出されることになり、置換効率が低下する。
一方、第二の方法として、最終的に植物体の処理に用いる所望濃度の炭酸ガスをバッグ内に導入する方法が考えられる。例えば、炭酸ガスを当初から60%に調整してバッグ内に導入する場合である。かかる場合、上記のような生育障害や局所的な組織の褐変などの問題は生じない。しかし、特許文献1では、比重の重い炭酸ガスをバッグ下部にある注入口からバッグ内に注入するとともに、ガス供給前にバッグ内を満たしていた比重の軽い空気をバッグの上部にある開閉口から外部に排出して、バッグ内を空気から炭酸ガスに置換するため、バッグ内部下側の領域に滞留した炭酸ガスがバッグ内部上側の領域に満つるまでに時間がかかるという課題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、植物体が高濃度の炭酸ガスに暴露されることを防止し、かつ、炭酸ガスを密閉空間内に効果的に拡散することにより、害虫を効果的に防除することが可能な炭酸ガスによる殺虫方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係る害虫の殺虫施設は、カバーシートと、炭酸ガスを供給する二酸化炭素供給装置と、前記カバーシート内に設けられ、前記二酸化炭素供給装置により供給された炭酸ガスと前記カバーシート内の空気を混合する炭酸ガス混合装置とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、カバーシート内に設けられた炭酸ガス混合装置において、供給された炭酸ガスとカバーシート内の空気が混合されて混合炭酸ガスとなって再度カバーシート内に放出されるため、カバーシート内の炭酸ガス濃度が徐々に高まっていく。そのため、当初カバーシート内に導入される炭酸ガス濃度を低くしておき、徐々に設定した最終濃度まで上昇させることができる。
例えば、炭酸ガス混合装置において混合される炭酸ガスの割合を20%とし、最終濃度を60%とすると、当初カバーシート内に放出される混合炭酸ガスの濃度は20%であるが、炭酸ガスが含まれたカバーシート内の混合炭酸ガスが、繰り返し炭酸ガス混合装置で炭酸ガスと混合されるため、徐々に炭酸ガス混合装置から放出される混合炭酸ガス濃度が高まるとともに、カバーシート内の炭酸ガス濃度も高まっていき最終濃度まで到達できる。このようにカバーシート内の炭酸ガス濃度を低い範囲から徐々に害虫防除に必要な濃度にまで高めていくことができるため、カバーシート内の植物体が高濃度の炭酸ガスに暴露されるおそれがない。
また、炭酸ガス混合装置は、該混合装置の吸気口から底部に滞留している炭酸ガスも含めて吸い上げ、容器内に対流を生ぜしめる。本実施態様では、通常、特許文献1のように空気抜き用開閉口を開いて使用しないため、炭酸ガスはカバーシート内部を循環する。したがって、特許文献1のようにカバーシート内に導入した炭酸ガスの一部が外部へ排出されることによって炭酸ガスの濃度が下がることはない。
以上の構成により、本願発明では、高濃度の炭酸ガスの滞留による植物への悪影響を防ぎつつ害虫を効果的に防除し、また、効率的(短時間で)に炭酸ガスを所定の濃度まで到達させることができる。
上記課題を解決するための本発明に係る植物体の殺虫方法は、上記殺虫施設を用いて植物体の害虫を殺虫する方法であって、殺虫施設内に植物体を収容し、カバーシート内に設けられた炭酸ガス混合装置により、二酸化炭素供給装置から供給された炭酸ガスとカバーシート内の空気を混合することによってカバーシート内の炭酸ガス濃度を所定の濃度に調整し、収容された植物体を所定の炭酸ガス濃度に調整されたカバーシート内の混合炭酸ガスに暴露する殺虫工程、を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、上述のとおり、カバーシート内の炭酸ガス濃度を低い範囲から徐々に害虫防除に必要な濃度にまで高めていくことができるため、殺虫施設内に収容した植物は高濃度の炭酸ガスによる影響を受けることなく、炭酸ガスは害虫のみに作用し殺虫効果が発揮される。
本発明によれば、植物体に高濃度の炭酸ガスを曝すことなく、害虫の殺虫に必要な濃度まで調整・維持できるため、植物体の生育に影響を与えることなく、かつ、炭酸ガスを密閉空間内に効果的に拡散することにより、効果的に害虫を防除することが可能である。
本発明の実施形態に係る殺虫施設の概要を示す斜視図である。 カバーシートを構成する周面の裾及び底面シートの周縁が水封枠に挿入された状態を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る殺虫施設の概要を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の技術的範囲は、以下の記載や図面にのみ限定されるものではない。
<殺虫施設の基本構成>
本実施形態に係る害虫の殺虫施設1は、図1及び図2に示すように、輪郭面を構成し、フィルム材により形成されたカバーシート10と、カバーシートの裾12aが全周域にわたって挿入され、液体が流し込まれる水封枠30と、周縁又は周縁の内側の一定範囲の領域が全周にわたって前記水封枠30に挿入されるようにして前記カバーシート10が設けられる領域に敷かれる底面シート40と、を備えている。殺虫施設1は、炭酸ガスを供給する二酸化炭素供給装置50と、カバーシート10内に設けられ、二酸化炭素供給装置50により供給された炭酸ガスとカバーシート10内の空気を混合する炭酸ガス混合装置70と、を備えていることを特徴とする。なお、本明細書において、輪郭面とは、カバーシートと底面シートが形成する輪郭の面、すなわち、カバーシートと底面シートの内部に形成される内部空間とカバーシートと底面シートよりも外側の外界とを仕切っている面を意味する。
本発明の殺虫施設1は、簡易な施設を簡単に設置するだけで植物についた害虫を効果的に殺虫することができるという特有の効果を奏する。
こうした殺虫施設1は、前記カバーシート10を前記底面シート40及び前記水封枠30に被せて設置する。以下、前記殺虫施設1の具体的な構成を説明する。
〈カバーシート〉
カバーシート10は、図1に示すように、天面11及び周面12を覆うフィルム材からなり、底面シート40とともに殺虫施設1の輪郭面を構成している。このカバーシート10は、角底袋構造で植物苗箱20に被せることによって設置される。カバーシート10は、植物苗箱に被せることによって、カバーシート10及び底面シート40の内部に形成されている内部空間と、カバーシート10及び底面シート40よりも外側の外界とを遮蔽している。なお、本明細書において遮蔽するとは、カバーシート10及び底面シート40の内部に導入した二酸化炭素をカバーシート10及び底面シート40の外に漏らさないことを意味する。こうしたカバーシート10を構成しているフィルム材は、有色でも半透明でもよい。また、光を全く透過させないものでもよい。フィルム材としては、例えば、アルミニウム蒸着されたフィルム材が用いられる。ただし、カバーシート10の材質は、アルミニウム蒸着されたフィルム材には限定されず、他の材質からなるフィルム材、例えば、空気バリア性に優れたフィルム材を用いることもできる。空気バリア性に優れたフィルム材としては、アルミニウム蒸着フィルム材の他、例えば、ビニルアルコール−オレフィン共重合体やポリアミド等を使用したフィルム材を挙げることができる。
こうしたカバーシート10は、カバーシート10の内部の炭酸ガスの濃度を計測するための炭酸ガス濃度計81と、カバーシート10の内部と前記炭酸ガス濃度計81とをつなぐ点検口・排出口80とを備えている。
<炭酸ガス混合装置>
炭酸ガスの導入は、カバーシート10を構成している周面12の下部から、ホース53を通じてカバーシート10の内部に設けられた炭酸ガス混合装置70に炭酸ガスを供給することにより行われる。ホース53は、二酸化炭素供給装置50から逆止弁コネクタ130を介してカバーシート10の空間内に設置された炭酸ガス混合装置70に接続され、逆止弁130が介在することで、カバーシート10の外側から内側の方向にのみ二酸化炭素を通すことを許容している。また、ホース53は、カバーシート10の周面12の裾12aの下部をくぐり抜けてカバーシート10の空間内に導入され、カバーシート10内の下部でガス拡散管73に接続されているため、カバーシート10の内部において、二酸化炭素供給装置50から供給された炭酸ガスと、カバーシート10空間の内部の空気が混合し生成した混合炭酸ガスは、まず、カバーシート10の内部下側の領域に滞留し、徐々にカバーシート10の内部上側の領域に向けて拡散する。
本実施形態では、炭酸ガス混合装置70は、大気吸気管72と真空発生バルブ71を備え、真空発生バルブを介して、二酸化炭素供給装置50から供給される炭酸ガスと、大気吸気管72から供給されるカバーシート10内の空気とを混合する。大気吸気管72は、図3に示すようにカバーシート10の内部領域の中程度の高さに吸気口を下側に向けて設置されているため、二酸化炭素供給装置50から炭酸ガスを供給し始めた初期段階においてカバーシート10の内部下側に滞留している炭酸ガスを吸い上げて、さらに二酸化炭素供給装置50から供給される炭酸ガスと混合することにより、カバーシート10の内部下側に対流を生み出す効果を有し、カバーシート10内部の炭酸ガス拡散のための時間を短縮することができる。
<大気吸気管>
本実施態様の大気吸気管72は、カバーシート10内において垂設された本体721と該本体721の上端より左右に分岐した分岐部722により全体が略T字に形成され、本体721の下端部は真空発生バルブ71に連設されるとともに、分岐部722の端部にはそれぞれ吸気口723が形成されている。そして、真空発生バルブ71を作動させることにより大気吸気管72内は負圧となるため、吸気口723よりカバーシート10内部下部の空気と炭酸ガスが取り込まれ、分岐部722から本体721を通って、真空発生バルブ71により吸引される。吸気口723の数は特に制限はされないが、複数設けることが好ましく、1つの大気吸気管72に対して、本実施態様のように2つ設けることがより好ましい。また、吸気口723は、本実施態様のように、下方へ向くように設けることが好ましい。さらに、吸気口723の高さは特に制限はないが、本実施態様のように、カバーシートの内部領域の中程度に設けることが好ましい。このように、吸気口723を中程度の高さで下方へ向けることにより、カバーシート内において炭酸ガスと空気を効果的に対流させることができる。さらに、大気吸気管72の形状は本実施態様のような略T字に限定されず、逆J字や、逆L字などとしてもよく、さらに、吸気口723の数を3つとして、そのうち1つは上方へ向けて、略十字としてもよい。
エジェクターなどで混合する場合は、炭酸ガスの流速に基づくベンチュリ効果により空気を引き込み混合するため、炭酸ガスのガス圧を高くする必要があるが、真空発生バルブを介することで、ガス圧を低くすることができるとともに、作業効率やコストの面でも有利である。
カバーシート10空間の内部の空気には、拡散された炭酸ガスが含まれるため、これが再度炭酸ガス混合装置70に取り込まれ、供給された炭酸ガスと混合、放出されることで、カバーシート10内部の混合炭酸ガス濃度は徐々に上昇していく。高濃度の炭酸ガスの暴露による植物体の生育障害などを防止するため、炭酸ガス混合装置70における炭酸ガスの混合割合は、45〜65%が好ましく、より好ましくは45〜55%である。
〈水封枠30〉
水封枠30は、カバーシート10の周面12が配置される位置に一致して設けられており、周面12の裾12aが挿入されている。この水封枠30は、図2に示すように、U字型のプラスチック製枠である。この水封枠30には、水等の液体Wが流し込まれるが、流し込まれる液体は水に限定されない。水封枠30は、液体Wが流し込まれ且つ、カバーシート10を構成する周面12の裾12aが水封枠30に挿入され重し12bで固定されることによって、カバーシート10の下部を密閉している。なお、重しの重量や形状は、カバーシートで形成される輪郭面の内外を遮断すればよく、特定の重量や形状に限定されない。
〈底面シート〉
底面シート40は、地面等に敷いて用いられるものであり、殺虫施設1の底面を構成している。底面シート40は、カバーシート10の天面11よりも面積が大きく形成されており、底面シート40の周縁40aがカバーシート10の周面12の裾12aよりも外側に張り出す大きさに形成されている。この底面シート40もアルミニウム蒸着されたフィルム材が用いられる。ただし、底面シート40の材質は、アルミニウム蒸着されたフィルム材には限定されず、他の材質からなるフィルム材、例えば、空気バリア性に優れたフィルム材を用いることもできる。空気バリア性に優れたフィルム材としては、アルミニウム蒸着フィルム材の他、例えば、ビニルアルコール−オレフィン共重合体やポリアミド等を使用したフィルム材を挙げることができる。この底面シート40は、図2に示すように、周面12の裾12aの外側又は周面12の裾12aの内側の一定範囲の領域を前記水封枠30の内部に挿入させて地面に敷かれる。なお、底面シート40の周縁40a又は周縁40aの内側の領域は、カバーシート10を構成する周面12の裾12aよりも下側に配置されるようにして水封枠30の内側に挿入される。
殺虫施設1は、底面シート40の周縁40a又は周縁40aの内側の一定範囲の領域を水封枠30の内部に挿入すると共にカバーシート10を構成する周面12の裾12aを水封枠30の内部に挿入し且つ、水封枠30の内部に水等の液体Wを流し込み、重し12bで固定されるので、カバーシート10及び底面シート40との間に隙間が形成されることを防止することができる。そのため、カバーシート10及び底面シート40とで形成される空間を密閉状態にすることができる。ただし、カバーシート10の内部に形成される空間を密閉状態にする方法は上記の方法に限定されない。
<二酸化炭素供給装置>
二酸化炭素供給装置50は、二酸化炭素が充填されたボンベ51と、前記ボンベ51に充填された二酸化炭素を放出させる開閉バルブ52と、ボンベ51に接続されたホース53とを有している。この二酸化炭素供給装置50は、開閉バルブ52を開き、所望の流量及び圧力でボンベ51から二酸化炭素を放出することによってカバーシート10内部の炭酸ガス混合装置70に二酸化炭素を供給する。炭酸ガス混合装置70において、供給された炭酸ガスと、大気吸気管72から供給されたカバーシート10空間の内部の空気とが混合されて混合炭酸ガスを生成し、これがカバーシート10の内部に放出され、再度炭酸ガス混合装置に取り込まれることで、カバーシート10内部の炭酸ガス濃度は徐々に上昇していく。上記のように、カバーシート10の内部に形成されている空間は、カバーシート10、底面シート40及び水封枠30によって密閉されているので、前記カバーシート10の内部の炭酸ガスは、漏れ出すことがなく、一定の濃度に維持される。その場合、例えば、二酸化炭素の濃度が45%濃度以上、65%濃度以下になるように調整すればよい。
以上、殺虫施設1について説明したが、カバーシートの形状は、直方体であることには限定されない。カバーシートは、例えば、一定の長さを有するフィルム材からなる周面を半円の輪郭に一致するように配した形状(トンネルの輪郭に類似する形状)のものやドーム型に形成されたものを利用してもよい。
<植物体の殺虫方法>
次に、殺虫施設1を利用した場合を例にして本発明に係る植物体の殺虫方法について説明する。本発明に係る植物体の殺虫方法は、殺虫施設1内に植物体を収容し、炭酸ガス混合装置70により、二酸化炭素供給装置50から供給された炭酸ガスとカバーシート10内の空気を混合することによってカバーシート10内の炭酸ガス濃度を所定の濃度に調整し、収容された植物体を所定の炭酸ガス濃度に調整されたカバーシート10内の混合炭酸ガスに暴露する殺虫工程を備えている。これにより、カバーシート10内の炭酸ガス濃度を低い範囲から徐々に高くすることができるため、植物体が高濃度の炭酸ガスに曝されることなく、害虫のみに作用させることができる。また、カバーシート10空間の内部の炭酸ガスは、カバーシート10を底面シート40及び水封枠30から取り外すことで外部に開放する。この殺虫工程において、炭酸ガス混合装置70により炭酸ガスとカバーシート10内の空気を混合するにあたって、予めカバーシート10内上部の空気を、点検口・排出口80からカバーシート外へ排出しておくと、混合炭酸ガスの形成に伴い、その濃度が速やかに上昇し、所定の濃度までの到達時間が短縮される。
本実施形態では、カバーシート10がフィルム材で構成されており、形状が変形可能であるため、カバーシート10内の空気の一部を排出しても内部が負圧になることがない。例えば、カバーシート内の空気の20〜30%、好ましくは30%を予め排出しておくと炭酸ガス濃度調整を迅速に行うことができる。
本発明の植物体の殺虫方法は、苗がある程度生育した後に、植物の苗を所定のビニールカバーシートや畑等に定植する植物体の殺虫方法に適用している。上記した殺虫方法は、育苗した苗を所定の場所に植え替える定植工程を実施する前に、6時間以上、24時間以下の時間をかけて行われる。
カバーシート10に植物体を収容した後、カバーシート10の内部に炭酸ガスを供給する。炭酸ガスは、上述のように、カバーシート10の周面12の裾12aの下部からホース53を介して供給する。炭酸ガスの供給は、まず、二酸化炭素供給装置50を構成するホース53の先端をカバーシート10内に設置された炭酸ガス混合装置70に接続し、次いで、開閉バルブ52を開いて、ボンベ51に充填されている炭酸ガスをボンベ51から放出させる。カバーシート10の内部において、二酸化炭素供給装置50から供給された炭酸ガスと、カバーシート10空間の内部の空気が混合されて混合炭酸ガスを形成し、さらに外部から導入された炭酸ガスと混合されることを繰り返す。これがカバーシート10内で循環することによって、混合炭酸ガスの濃度が高められる。
このようにしてカバーシート10に炭酸ガスを供給して植物体に付いた害虫を殺虫する場合、カバーシート10の内部の炭酸ガス濃度は、40%以上、60%以下になるように濃度を設定するとよい。殺虫工程は、カバーシート10に二酸化炭素をその濃度が45%以上、65%以下になるように注入し、6時間以上、24時間以下の間、植物体をカバーシート10に収容したまま放置することによって行う。なお、ホース53は、上述のように、逆止弁により連結されているので、注入した二酸化炭素がカバーシート10の外部に漏れ出すことはない。
なお、本願は、炭酸ガスを対流させることでカバーシート10内部の炭酸ガス拡散のための時間を短縮することができるという特徴を有するが、かかる対流効果をさらに促進させる場合、カバーシート10内部に炭酸ガスを撹拌することができるファン等を設置するとよい。
以上に説明した殺虫工程が終了した後、植物体は、あらかじめ定められた所定の場所に定植される。
以上の植物体の殺虫方法は、苺の苗に対して適用できるが、これに限定されず、他の農作物に適用することもできる。
1 … … 殺虫施設
10 … … カバーシート
11 … … 天面
12 … … 周面
12a … … 裾
12b … … 重し
20 … … 植物苗箱
30 … … 水封枠
40 … … 底面シート
40a … … 周縁
50 … … 二酸化炭素供給装置
51 … … ボンベ
52 … … 開閉バルブ
53 … … ホース
60 … … ガス混合架台
70 … … 炭酸ガス混合装置
71 … … 真空発生バルブ
72 … … 大気吸気管
721 … … 本体
722 … … 分岐部
723 … … 吸気口
73 … … ガス拡散管
74 … … ガス拡散ファン
80 … … 点検口・排出口
81 … … 炭酸ガス濃度計
130 … … 逆止弁コネクタ
140 … … ニードルバルブ付き流量計
150 … … 加温式圧力調節器
W … … 液体

Claims (10)

  1. 輪郭面を構成するカバーシートと、炭酸ガスを供給する二酸化炭素供給装置と、前記カバーシート内に設けられ、前記二酸化炭素供給装置により供給された炭酸ガスと前記カバーシート内の空気を混合する炭酸ガス混合装置とを備え、該炭酸ガス混合装置において、吸気管から吸入した前記カバーシート内の空気と、前記二酸化炭素供給装置から供給された炭酸ガスとを真空発生バルブを介して混合する害虫の殺虫施設。
  2. 前記炭酸ガス混合装置において、吸気口は、前記カバーシートで構成される空間の中位に位置し、下向きである請求項に記載の殺虫施設。
  3. 前記カバーシートは、フィルム材により形成されるものである請求項1又は2に記載の殺虫施設。
  4. さらに、前記カバーシートの裾が全周域にわたって挿入され、液体が流し込まれる溝と、周縁又は周縁の内側の一定範囲の領域が全周にわたって前記溝に挿入されるようにして前記カバーシートが設けられる領域に敷かれる底面シートとを備えた請求項1〜のいずれか1項に記載の殺虫施設。
  5. 前記カバーシート内にファンと、前記炭酸ガス混合装置に接続されたガス拡散管とを備え、前記ファンにより前記ガス拡散管を経て排出される混合炭酸ガスを前記カバーシート内に循環させる請求項1〜のいずれか1項に記載の殺虫施設。
  6. 前記二酸化炭素供給装置が、前記カバーシート外に設けられ、前記カバーシートの裾からホースを通じて炭酸ガスをカバーシート内の炭酸ガス混合装置へ供給する請求項1〜のいずれか1項に記載の殺虫施設。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の殺虫施設を用いて植物体の害虫を殺虫する方法であって、
    前記殺虫施設内に植物体を収容し、前記炭酸ガス混合装置により、前記二酸化炭素供給装置から供給された炭酸ガスと前記カバーシート内の空気を混合することによってカバーシート内の炭酸ガス濃度を所定の濃度に調整し、前記収容された植物体を前記所定の炭酸ガス濃度に調整されたカバーシート内の混合炭酸ガスに暴露する殺虫工程、
    を有することを特徴とする殺虫方法。
  8. 前記殺虫工程において、前記炭酸ガス混合装置で混合される炭酸ガスの割合が45〜65%、より好ましくは45〜55%である請求項に記載の殺虫方法。
  9. 前記殺虫工程において、前記炭酸ガス混合装置により炭酸ガスと前記カバーシート内の空気を混合するにあたって、予め前記カバーシート内の空気の一部をカバーシート外へ排出する請求項7又は8に記載の殺虫方法。
  10. さらに、前記植物体の苗を、該植物の苗の種類に応じて温度管理された育苗庫に収容して育苗を行う育苗工程と、
    前記育苗工程の後に、前記植物体の苗を生育地に植え替える定植工程と、を有し、
    前記育苗工程が終了した後かつ前記定植工程を行う前に、前記殺虫工程を6時間以上24時間以下の時間をかけて行う、請求項7〜9のいずれか1項に記載の殺虫方法。
JP2018008563A 2018-01-23 2018-01-23 害虫の殺虫施設及びその殺虫施設を用いた植物体の殺虫方法 Active JP6485827B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018008563A JP6485827B1 (ja) 2018-01-23 2018-01-23 害虫の殺虫施設及びその殺虫施設を用いた植物体の殺虫方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018008563A JP6485827B1 (ja) 2018-01-23 2018-01-23 害虫の殺虫施設及びその殺虫施設を用いた植物体の殺虫方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6485827B1 true JP6485827B1 (ja) 2019-03-20
JP2019126271A JP2019126271A (ja) 2019-08-01

Family

ID=65802361

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018008563A Active JP6485827B1 (ja) 2018-01-23 2018-01-23 害虫の殺虫施設及びその殺虫施設を用いた植物体の殺虫方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6485827B1 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5468761U (ja) * 1977-10-23 1979-05-16
US20080127548A1 (en) * 2004-09-02 2008-06-05 Zhangjing Chen Killing Insect Pests Inside Wood By Vacuum Dehydration
JP2014117275A (ja) * 2012-12-19 2014-06-30 Nippon Ekitan Corp 植物の炭酸ガスによる害虫殺虫用設備と殺虫方法
JP2015146745A (ja) * 2014-02-05 2015-08-20 日立エーアイシー株式会社 害虫駆除装置
JP2016093150A (ja) * 2014-11-17 2016-05-26 日立エーアイシー株式会社 害虫駆除装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5468761U (ja) * 1977-10-23 1979-05-16
US20080127548A1 (en) * 2004-09-02 2008-06-05 Zhangjing Chen Killing Insect Pests Inside Wood By Vacuum Dehydration
JP2014117275A (ja) * 2012-12-19 2014-06-30 Nippon Ekitan Corp 植物の炭酸ガスによる害虫殺虫用設備と殺虫方法
JP2015146745A (ja) * 2014-02-05 2015-08-20 日立エーアイシー株式会社 害虫駆除装置
JP2016093150A (ja) * 2014-11-17 2016-05-26 日立エーアイシー株式会社 害虫駆除装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019126271A (ja) 2019-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5918415A (en) Multi-purpose self-watering system
CN105979769A (zh) 用于生产植物的系统和方法
CN106358936B (zh) 一种茶-紫花苜蓿-圆叶决明-除虫菊立体种植方法
JP7203151B2 (ja) 二酸化炭素水中放出デバイス及び補充システム
US20070175093A1 (en) Gnat-trapping hydroponic lid and wrapper and method for use thereof
US20180220604A1 (en) In-ground root protection system and method
CN106134966A (zh) 生态种植箱
KR100794260B1 (ko) 통기성 조절이 용이한 이중 구조 화분
JP5775985B2 (ja) 植物体の害虫防除設備、及び植物体の害虫防除方法
JP6485827B1 (ja) 害虫の殺虫施設及びその殺虫施設を用いた植物体の殺虫方法
KR20160077358A (ko) 식물재배장치
CN110972758A (zh) 一种用于水晶杨梅防烂根培育装置及其方法
KR101923879B1 (ko) 토양 생육환경개선용 통수·통기장치
KR101576724B1 (ko) 주머니형 식물 재배기
CN109328765A (zh) 一种无药害农产品的生产方法及装置
KR20140104707A (ko) 식물을 이용한 백신용 항원 생산장치 및 방법
CN107278681A (zh) 一种高硒作物的种植系统
TW202202039A (zh) 種植盆、配合該種植盆使用之供水盆、及包含該種植盆和該供水盆之植栽結構
KR20110087846A (ko) 흡입식 포충기가 설치된 식물 생육 램프 장치
WO2018216422A1 (ja) 水耕栽培装置および水耕栽培方法
KR101864596B1 (ko) 절수형 토양 양액 재배 겸용 화분
KR102300685B1 (ko) 식물재배용 물 공급장치
CN211721210U (zh) 一种用于水晶杨梅防烂根培育装置
JP6194228B2 (ja) 害虫の殺虫施設及びその殺虫施設を用いた育苗方法
JP2005112815A (ja) 土壌充填による還元消毒法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180123

A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20180129

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20180402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6485827

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250