JP6485422B2 - 方向性電磁鋼板の製造方法及び製造装置 - Google Patents

方向性電磁鋼板の製造方法及び製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6485422B2
JP6485422B2 JP2016163557A JP2016163557A JP6485422B2 JP 6485422 B2 JP6485422 B2 JP 6485422B2 JP 2016163557 A JP2016163557 A JP 2016163557A JP 2016163557 A JP2016163557 A JP 2016163557A JP 6485422 B2 JP6485422 B2 JP 6485422B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
grain
electrode
oriented electrical
electrical steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016163557A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018031049A (ja
Inventor
悠平 岩見
悠平 岩見
翔太 辻
翔太 辻
泰成 古賀
泰成 古賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2016163557A priority Critical patent/JP6485422B2/ja
Publication of JP2018031049A publication Critical patent/JP2018031049A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6485422B2 publication Critical patent/JP6485422B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Description

本発明は、方向性電磁鋼板の製造方法及び製造装置に関する。
従来、鋼板に対し熱間圧延を施し、次いで1回又は中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施した後、最終仕上げ焼鈍を施すまでの間に局所的なエッチング処理を施して鋼板に溝を形成する方向性電磁鋼板の製造方法が知られている(特許文献1参照)。この製造方法において用いられるエッチング処理方法としては、化学的エッチング方法と電解エッチング方法とがあるが、電解エッチング方法は電解電流の大きさによって形成される溝の深さを制御することが容易である点で有利である。この電解エッチング方法では、予め鋼板の表面にインキ等の絶縁材をエッチングマスクとして塗布、焼付けした後、電解エッチング処理を施し、その後、エッチングマスクを除去する工程が一般的である。
特開昭63−42332号公報
従来の電解エッチング方法では、電解電流を一定に保ちながら電解エッチング処理が行われるが、その際、印加電圧が、電解浴内における鋼板と鋼板に対向配置された電極との間の間隔の変動によって変動することがある。また、鋼板と電極との間の間隔が一定となるように制御した場合であっても、形成される溝の深さに変動が生じることがあった。本発明の発明者らは、このような現象の原因を鋭意調査したところ、電解液の濃度や温度変化等による電導度の変化によって溝の深さが変動することを知見した。
印加電圧が変動すると、所望の溝を安定的に形成できないばかりでなく、印加電圧が高くなった場合には、エッチングマスクが剥がれる等してエッチングマスクがその機能を失うことによって、マスキングすべき領域もエッチングされてしまう。エッチングマスクとして使用される絶縁材は高価であるため、製造コスト削減の観点からその塗布量を削減することが望まれている。しかしながら、絶縁材の塗布量をむやみに削減すると、印加電圧の変動によって絶縁抵抗が低下し、絶縁材の機能が失われてしまう場合がある。このため、絶縁材の塗布量の削減量については制限がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、方向性電磁鋼板の表面に形成される溝の深さを所定範囲内に制御可能な方向性電磁鋼板の製造方法及び製造装置を提供することにある。
本発明の発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、印加電圧の変動が鋼板の形状に起因する鋼板と電極との間の距離の変化に伴う電解浴抵抗の変動及び電解液の電導度の変動によることに着目し、そこから、鋼板の形状や溝の深さの変動に応じて鋼板と電極との間の距離を制御することによって印加電圧を一定範囲に保ち、安定して電解エッチング処理を行うことができることを知見した。本発明は、上記知見に立脚するものである。
本発明に係る方向性電磁鋼板の製造方法は、鋼板の表面にエッチングマスクを形成した後に電解エッチング処理を施すことによって鋼板の表面に線状又は点状の溝を形成するステップを含む方向性電磁鋼板の製造方法であって、前記電解エッチング処理は、電解液を貯留した電解槽内で前記鋼板に対して電極を対向配置し、前記電解液を介して前記鋼板と前記電極との間を通電させて前記鋼板の表面にエッチングを施す処理であり、前記電解エッチング処理前に前記鋼板の形状を測定し、及び/又は、前記電解エッチング処理後に前記溝の深さを測定し、測定された前記鋼板の形状及び/又は前記溝の深さに応じて前記鋼板と前記電極との間の距離を調整するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る方向性電磁鋼板の製造方法は、上記発明において、前記方向性電磁鋼板の幅方向の形状の測定位置のうち、前記電極に最も近い測定位置での前記方向性電磁鋼板と前記電極との間の距離を、印加電圧によってエッチングマスクが破壊されない所定の距離となるように制御するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る方向性電磁鋼板の製造方法は、上記発明において、前記電極の幅方向の位置毎に、測定された前記鋼板の形状及び/又は前記溝の深さに応じて前記鋼板と前記電極との間の距離を調整するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る方向性電磁鋼板の製造装置は、鋼板の表面にエッチングマスクを形成した後に電解エッチング処理を施すことによって鋼板の表面に線状又は点状の溝を形成する方向性電磁鋼板の製造装置であって、前記電解エッチング処理は、電解液を貯留した電解槽内で前記鋼板に対して電極を対向配置し、前記電解液を介して前記鋼板と前記電極との間を通電させて前記鋼板の表面にエッチングを施す処理であり、前記電解エッチング処理前に前記鋼板の形状を測定する手段、及び/又は、前記電解エッチング処理後に前記溝の深さを測定する手段と、測定された前記鋼板の形状及び/又は前記溝の深さに応じて前記鋼板と前記電極との間の距離を調整する手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る方向性電磁鋼板の製造方法及び製造装置によれば、方向性電磁鋼板の表面に形成される溝の深さを所定範囲内に制御することができる。
図1は、本発明の一実施形態である方向性電磁鋼板の連続電解エッチング装置の構成を示す模式図である。 図2は、方向性電磁鋼板に形成されるエッチングマスクの一例を示す平面図である。 図3は、図1に示す方向性電磁鋼板の連続電解エッチング装置の要部を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である方向性電磁鋼板の製造方法及び製造装置について説明する。
本発明の一実施形態である方向性電磁鋼板の製造方法は、例えば最終板厚まで冷間圧延された方向性電磁鋼板の表面にエッチングマスクを選択的に形成した後、電解槽内に方向性電磁鋼板を連続的に装入して電解エッチング処理を施すことにより、方向性電磁鋼板の表面に線状又は点状(点列状)の溝(以下、総称して線状溝とする)を形成するステップを含む。
図1は、本発明の一実施形態である方向性電磁鋼板の連続電解エッチング装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明の一実施形態である方向性電磁鋼板の製造方法に用いられる連続電解エッチング装置100は、エッチングレジスト塗布装置2、乾燥焼付け装置3、電解エッチング装置4、エッチングレジスト除去装置5、水洗槽6、リンス槽7、形状計8、及び溝深さ検出計9を備えている。また、連続電解エッチング装置100によって実行される本実施形態の連続電解エッチング方法は、マスク形成工程、溝形成工程、形状計測工程及び/又は溝深さ計測工程、及び鋼板−電極間調整工程を含む。
〔マスク形成工程〕
マスク形成工程は、最終板厚まで冷間圧延された方向性電磁鋼板1の表面11に線状の露出部1b(図2参照)を残してエッチングマスク1a(図2参照)を形成する工程である。連続電解エッチング装置100は、マスク形成装置としてエッチングレジスト塗布装置2及び乾燥焼付け装置3を有しており、エッチングレジスト塗布装置2及び乾燥焼付け装置3を用いてマスク形成工程を実行する。連続電解エッチング装置100は、最終板厚まで冷間圧延された方向性電磁鋼板1の表面11にエッチングレジストを塗布し、乾燥焼付けしてエッチングマスク1a(図2参照)を選択的に形成する。
〔形状計測工程〕
形状計測工程は、電解エッチング装置4の入口側に配置された形状計8によって方向性電磁鋼板1の形状を測定する工程である。この形状計測工程によって方向性電磁鋼板1の幅方向の形状(プロファイル)が測定される。形状計測工程において測定された方向性電磁鋼板1の形状に応じて、後述する鋼板−電極間調整工程によって方向性電磁鋼板1と電極42との間の距離が調整される。
〔溝形成工程〕
溝形成工程は、電解エッチング装置4において方向性電磁鋼板1を入口側コンダクタロール43a及び出口側コンダクタロール43bに接触させると共に電解浴46中に浸漬させて電解浴46中に配置された電極42と対向させ、入口側コンダクタロール43a及び出口側コンダクタロール43bと電極42との間に通電してエッチングする電解エッチング処理を施して方向性電磁鋼板1の表面11に線状溝を形成する工程である。線状溝が形成された方向性電磁鋼板1は、エッチングレジスト除去装置5によって表面11からエッチングマスク1a(図2参照)が除去され、水洗槽6とリンス槽7とで洗浄される。
〔溝深さ計測工程〕
溝深さ計測工程は、電解エッチング装置4の出口側に配置された溝深さ検出計9によって方向性電磁鋼板1の表面に形成された線状溝の深さを計測する工程である。この溝深さ計測工程によって方向性電磁鋼板1の所定位置での線状溝の深さ、好ましくは方向性電磁鋼板1の幅方向での線状溝の深さが測定される。溝深さ計測工程において測定された線状溝の深さに応じて、後述する鋼板−電極間調整工程によって方向性電磁鋼板1と電極42との間の距離が調整される。
〔鋼板−電極間調整工程〕
鋼板−電極間調整工程は、形状計8によって計測された方向性電磁鋼板1の形状及び/又は溝深さ検出計9によって計測された方向性電磁鋼板1の表面に形成された線状溝の深さに応じて、方向性電磁鋼板1と電極42との間の距離を調整する工程である。形状に基づく調整では、得られた形状のデータに基づいて電極42の位置が所定の位置となるように電極42を移動させる。例えば、方向性電磁鋼板1の幅方向の形状の測定位置のうち、電極42に最も近い測定位置での方向性電磁鋼板1と電極42との間の距離を、印加電圧によってエッチングマスク1aが破壊されない所定の距離となるようにフィードフォワード制御する。方向性電磁鋼板1と電極42との間の距離が小さくなると印加電圧が高くなってエッチングマスク1aが破壊されるおそれがあるが、方向性電磁鋼板1と電極42との間の距離が最も短くなる位置での方向性電磁鋼板1と電極42との間の距離を制御することにより、方向性電磁鋼板1の幅方向全体でのエッチングマスク1a(図2参照)の破壊を抑制できる。
線状溝の深さに基づく調整では、得られた線状溝の深さのデータに基づいて電極42の位置が所定の位置となるように電極42を移動させる。例えば、線状溝の深さが目標深さより浅い場合には、方向性電磁鋼板1と電極42との間の距離を短くし、印加電圧が高くなるようにすることによって線状溝の深さを深くし、線状溝の深さを目標深さに制御することができる。計測された線状溝の深さを方向性電磁鋼板1と電極42との間の距離にフィードバック制御することで、電解液の濃度や温度によって刻々と変化する方向性電磁鋼板1と電極42との間での実質的な印加電圧を適正化することが可能となり、線状溝の形状の精度を高めることができる。形状に基づく方向性電磁鋼板1と電極42との間の距離の調整と線状溝の深さに基づく方向性電磁鋼板1と電極42との間の距離の調整とはいずれか一方を行ってもよいし、両者を併用してもよい。また、電極42を幅方向に複数に分割し、電極42の各分割位置において、形状及び/又は線状溝の深さに基づいて方向性電磁鋼板1と電極42との間の距離を調整してもよい。
以下、本発明の一実施形態である方向性電磁鋼板の製造方法について説明する。
最終板厚に冷間圧延された方向性電磁鋼板1は、搬送ロール等の搬送装置によって、エッチングレジスト塗布装置2、乾燥焼付け装置3、電解エッチング装置4、エッチングレジスト除去装置5、水洗槽6、及びリンス槽7の順に搬送される。エッチングレジスト塗布装置2は、方向性電磁鋼板1の表面11にエッチングレジストを塗布する。本実施形態のエッチングレジスト塗布装置2は、グラビヤオフセット印刷によって、方向性電磁鋼板1の表面11に線状の露出部1b(図2参照)を残してエッチングレジストを塗布する。
図2は、方向性電磁鋼板1に形成されるエッチングマスクの一例を示す平面図である。図2に示すように、方向性電磁鋼板1の表面11には、線状の露出部1bを残して帯状のエッチングマスク1aが形成される。露出部1bは、例えば方向性電磁鋼板1の長手方向(搬送方向)に対して所定の傾斜角θで傾斜している。搬送方向における露出部1bの幅はd、搬送方向におけるエッチングマスク1aの幅はLである。
図1に戻り、エッチングレジスト塗布装置2は、バックアップロール2a、グラビヤロール2b、及びゴム転写ロール2cを備えている。ゴム転写ロール2cは、グラビヤロール2bとバックアップロール2aとの間に配置されており、各ロール2a,2bと接触している。グラビヤロール2bには、方向性電磁鋼板1に形成するエッチングマスク1aの形状に対応する凹部が形成されている。この凹部に溜まったエッチングレジストのインキは、ゴム転写ロール2cを介して方向性電磁鋼板1の表面11に転写される。
ゴム転写ロール2cは、バックアップロール2aとの間に方向性電磁鋼板1を挟み込み、押圧しながらインキを方向性電磁鋼板1に塗布する。エッチングレジストとして使用するインキは、アルキド系樹脂、エポキシ系樹脂、及びポリエチレン系樹脂のうちのいずれかの樹脂を主成分とするレジストインキが好適である。乾燥焼付け装置3は、方向性電磁鋼板1の表面11に塗布されたエッチングレジストのインキを乾燥させて焼付ける。これにより、方向性電磁鋼板1の表面11には、線状の露出部1b(図2参照)を残してエッチングマスク1a(図2参照)が形成される。
図3は、図1に示す方向性電磁鋼板の連続電解エッチング装置の要部を示す図である。図3に示すように、電解エッチング装置4の入口側には形状計8が配置されている。形状計8は、方向性電磁鋼板1の幅方向の形状(プロファイル)を計測する。形状計8によって計測された方向性電磁鋼板1の幅方向位置に関する情報は、電極位置制御装置10に送られる。電極位置制御装置10は、形状計8の計測結果に基づいて電極42の位置を制御する。典型的には、電極位置制御装置10は、形状計8から取得した方向性電磁鋼板1の幅方向位置に関する情報に基づいて、方向性電磁鋼板1と電極42との間の距離が最も小さくなる幅方向位置を選出する。そして、電極位置制御装置10は、選出された幅方向位置における方向性電磁鋼板1と電極42との間の距離を予め定められたエッチングマスクが破壊されない電圧となる距離とするべく、電極42を鉛直方向(方向性電磁鋼板1から離間する方向)に移動させる。なお、電極42を移動させる代わりに、電解浴46中で方向性電磁鋼板1を電極42に対向させるための入口側シンクロール45a及び出口側シンクロール45bの位置を鉛直方向(電極42から離間する方向)に移動させることによって方向性電磁鋼板1と電極42との間の距離を調整してもよい。
電解エッチング装置4は、電解エッチング槽41、電極42、入口側コンダクタロール43a及び出口側コンダクタロール43b、入口側バックアップロール44a及び出口側バックアップロール44b、入口側シンクロール45a及び出口側シンクロール45b、電解浴46、及び電源47を備えている。電解エッチング装置4は、入口側コンダクタロール43a及び出口側コンダクタロール43bを方向性電磁鋼板1と接触させた状態で入口側シンクロール45a及び出口側シンクロール45bによって方向性電磁鋼板1の一部を電解浴46に浸漬させ、入口側シンクロール45aと出口側シンクロール45bとの間で方向性電磁鋼板1と電極42とを対向させる。電解エッチング装置4は、入口側コンダクタロール43a及び出口側コンダクタロール43bと電極42との間で通電し、電解エッチング処理により方向性電磁鋼板1の表面11に線状溝を形成する。
電解浴46は、電解エッチング槽41内に貯留されている。電解浴46は、例えばNaCl水溶液やKCl水溶液等の電解液である。電極42は、電解浴46中に配置されている。入口側コンダクタロール43a及び出口側コンダクタロール43bと入口側バックアップロール44a及び出口側バックアップロール44bとは、電解エッチング槽41内における電解浴46の液面よりも上方に配置されている。入口側コンダクタロール43a及び入口側バックアップロール44aは、電解エッチング槽41における入口側に配置されている。出口側コンダクタロール43b及び出口側バックアップロール44bは、電解エッチング槽41における出口側に配置されている。入口側コンダクタロール43a及び出口側コンダクタロール43bは、方向性電磁鋼板1に接触する陽極である。入口側コンダクタロール43aと入口側バックアップロール44aとの間に方向性電磁鋼板1が挟み込まれることで、方向性電磁鋼板1と入口側コンダクタロール43aとの接触状態が維持される。また、出口側コンダクタロール43bと出口側バックアップロール44bとの間に方向性電磁鋼板1が挟み込まれることで、方向性電磁鋼板1と出口側コンダクタロール43bとの接触状態が維持される。
入口側シンクロール45a及び出口側シンクロール45bは、電解浴46に浸漬されており、方向性電磁鋼板1を電解浴46内に浸漬させる。電解エッチング槽41において、入口側シンクロール45aは入口側に、出口側シンクロール45bは出口側に配置されている。方向性電磁鋼板1は、入口側バックアップロール44a、入口側シンクロール45a、出口側シンクロール45b、及び出口側バックアップロール44bにそれぞれ巻き掛けられた状態で電解エッチング槽41内を搬送される。搬送される方向性電磁鋼板1は、入口側バックアップロール44aと入口側シンクロール45aとの間で電解浴46内に入り、入口側シンクロール45a及び出口側シンクロール45bの下側を通り、出口側シンクロール45bと出口側バックアップロール44bとの間で電解浴46から出る。
電極42は、入口側コンダクタロール43a及び出口側コンダクタロール43bと対となる負極である。電極42は電源47の負極側に、入口側コンダクタロール43a及び出口側コンダクタロール43bは電源47の陽極側に接続されている。電解エッチング装置4では、電源47、入口側コンダクタロール43a及び出口側コンダクタロール43b、方向性電磁鋼板1、電解浴46、及び電極42を経由する電流回路が構成される。電解エッチング処理における電流密度は、1〜100[A/dm]の範囲内にあることが好ましい。電解エッチング処理における電流密度が低すぎるとエッチング効果が十分に得られず、逆に高すぎるとエッチングマスク1a(図2参照)が損なわれてしまう。
図3に示すように、平板状の電極42は、電解浴46中において方向性電磁鋼板1の表面11と対向する位置に配置されている。より具体的には、電極42は、電解浴46中における方向性電磁鋼板1よりも下方に配置されており、且つ、方向性電磁鋼板1の表面11における入口側シンクロール45aから出口側シンクロール45bまでの範囲と対向している。また、電解エッチング装置4の出口側には溝深さ検出計9が配置されている。溝深さ計検出計9は、方向性電磁鋼板1の表面に形成された線状溝の深さを計測する。
溝深さ計測計9によって計測された線状溝の深さに関する情報は、電極位置制御装置10に送られる。電極位置制御装置10は、溝深さ計測計9の計測結果に基づいて電極42の位置を制御する。典型的には、電極位置制御装置10は、溝深さ計測計9から取得した線状溝の深さに関する情報に基づいて、線状溝の深さが所定の目標値となるよう電極42を鉛直方向(方向性電磁鋼板1から離間する方向)に移動させる。この制御量については、方向性電磁鋼板1の品種に応じて目安となる制御量を予め求めておいてもよいし、所定の距離だけ変化させた後の線状溝の深さを計測し、その方向性電磁鋼板1と電極42との間の距離の変更前後での線状溝の深さから適正な制御量を求めてもよい。なお、電極42を移動させる代わりに、電解浴46中で方向性電磁鋼板1を電極42に対向させるための入口側シンクロール45a及び出口側シンクロール45bの位置を鉛直方向(電極42から離間する方向)に移動させることで、方向性電磁鋼板1と電極42との間の距離を調整してもよい。
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態である方向性電磁鋼板の製造方法は、方向性電磁鋼板1の表面にエッチングマスクを形成した後に電解エッチング処理を施すことによって方向性電磁鋼板1の表面に線状溝を形成するステップを含む方向性電磁鋼板の製造方法であって、電解エッチング処理は、電解浴46を貯留した電解槽41内で方向性電磁鋼板1に対して電極42を対向配置し、電解液を介して方向性電磁鋼板1と電極42との間を通電させて方向性電磁鋼板1の表面にエッチングを施す処理であり、電解エッチング処理前に方向性電磁鋼板1の形状を測定し、及び/又は、電解エッチング処理後に線状溝の深さを測定し、測定された方向性電磁鋼板の形状及び/又は線状溝の深さに応じて方向性電磁鋼板1と電極42との間の距離を調整するステップを含むので、方向性電磁鋼板の表面に形成される溝の深さを所定範囲内に制御できる。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。例えば、このように、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
1 方向性電磁鋼板
1a エッチングマスク
1b 露出部
11 表面
2 エッチングレジスト塗布装置
2a バックアップロール
2b グラビヤロール
2c ゴム転写ロール
3 乾燥焼付け装置
4 電解エッチング装置
41 電解エッチング槽
42 電極
43a 入口側コンダクタロール
43b 出口側コンダクタロール
44a 入口側バックアップロール
44b 出口側バックアップロール
45a 入口側シンクロール
45b 出口側シンクロール
46 電解浴
47 電源
5 エッチングレジスト除去装置
6 水洗槽
7 リンス槽
8 形状計
9 溝深さ検出計
100 連続電解エッチング装置

Claims (4)

  1. 鋼板の表面にエッチングマスクを形成した後に電解エッチング処理を施すことによって鋼板の表面に線状又は点状の溝を形成するステップを含む方向性電磁鋼板の製造方法であって、
    前記電解エッチング処理は、電解液を貯留した電解槽内で前記鋼板に対して電極を対向配置し、前記電解液を介して前記鋼板と前記電極との間を通電させて前記鋼板の表面にエッチングを施す処理であり、
    前記電解エッチング処理前に前記鋼板の形状を測定し、及び/又は、前記電解エッチング処理後に前記溝の深さを測定し、測定された前記鋼板の形状及び/又は前記溝の深さに応じて前記鋼板と前記電極との間の距離を調整するステップを含むことを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 前記方向性電磁鋼板の幅方向の形状の測定位置のうち、前記電極に最も近い測定位置での前記方向性電磁鋼板と前記電極との間の距離を、印加電圧によって前記エッチングマスクが破壊されない所定の距離となるように制御するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 前記電極の幅方向の位置毎に、測定された前記鋼板の形状及び/又は前記溝の深さに応じて前記鋼板と前記電極との間の距離を調整するステップを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 鋼板の表面にエッチングマスクを形成した後に電解エッチング処理を施すことによって鋼板の表面に線状又は点状の溝を形成する方向性電磁鋼板の製造装置であって、
    前記電解エッチング処理は、電解液を貯留した電解槽内で前記鋼板に対して電極を対向配置し、前記電解液を介して前記鋼板と前記電極との間を通電させて前記鋼板の表面にエッチングを施す処理であり、
    前記電解エッチング処理前に前記鋼板の形状を測定する手段、及び/又は、前記電解エッチング処理後に前記溝の深さを測定する手段と、
    測定された前記鋼板の形状及び/又は前記溝の深さに応じて前記鋼板と前記電極との間の距離を調整する手段と、
    を備えることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造装置。
JP2016163557A 2016-08-24 2016-08-24 方向性電磁鋼板の製造方法及び製造装置 Active JP6485422B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016163557A JP6485422B2 (ja) 2016-08-24 2016-08-24 方向性電磁鋼板の製造方法及び製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016163557A JP6485422B2 (ja) 2016-08-24 2016-08-24 方向性電磁鋼板の製造方法及び製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018031049A JP2018031049A (ja) 2018-03-01
JP6485422B2 true JP6485422B2 (ja) 2019-03-20

Family

ID=61304944

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016163557A Active JP6485422B2 (ja) 2016-08-24 2016-08-24 方向性電磁鋼板の製造方法及び製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6485422B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05320999A (ja) * 1992-05-27 1993-12-07 Kawasaki Steel Corp 低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法
JPH07331332A (ja) * 1994-06-01 1995-12-19 Kawasaki Steel Corp 低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法
JP3725852B2 (ja) * 2002-10-17 2005-12-14 新日本製鐵株式会社 金属ストリップの連続処理用電極
JP2004285439A (ja) * 2003-03-24 2004-10-14 Jfe Steel Kk 電解効率に優れた金属帯の電解処理装置および電解処理方法
JP4643690B2 (ja) * 2008-07-30 2011-03-02 太陽電化工業株式会社 電気めっき用ニッケルめっき浴
JP6007883B2 (ja) * 2012-10-22 2016-10-19 Jfeスチール株式会社 金属ストリップの処理装置および金属ストリップの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018031049A (ja) 2018-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10036095B2 (en) Electrolytic treatment method and electrolytic treatment apparatus
US11492717B2 (en) Manufacturing apparatus of electrolytic copper foil
JP6485422B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法及び製造装置
JP6233334B2 (ja) 方向性電磁鋼帯の連続電解エッチング方法および方向性電磁鋼帯の連続電解エッチング装置
JP2009522810A5 (ja)
US2197653A (en) Method of electrically pickling and cleaning stainless steel and other metals
KR20160058557A (ko) 벨트형 전기 주조 장치
KR20120026487A (ko) 전기 화학적 표면 공정을 제어하기 위한 방법 및 장치
JP2011246790A (ja) 金属帯の連続電解エッチング方法及び連続電解エッチング装置
JPH05320999A (ja) 低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法
KR100425595B1 (ko) 전기장을 이용한 전기도금강판의 도금부착량 제어장치 및제어방법
JP2004131841A (ja) 金属帯の間接通電式連続電解エッチング方法および間接通電式連続電解エッチング装置
JP4203311B2 (ja) アルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の製造装置および製造方法
JP3589157B2 (ja) アルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法
KR101325390B1 (ko) 수평 전주장치
JP4890387B2 (ja) 方向性珪素鋼板の製造方法および製造装置
Masliy et al. Effect of the variable profile of substrate conductivity on the dynamics of metal deposition on resistive tape
RU2578623C1 (ru) Способ электролитической очистки от окалины ленточного проката
JP2004131842A (ja) 金属帯の直接通電式連続電解エッチング方法および直接通電式連続電解エッチング装置
US20130233702A1 (en) Multi-Stationed Continuous Electro-Polishing System
JP3901641B2 (ja) 表面積測定方法および表面積測定装置、並びにメッキ方法
JP2018129440A (ja) 電解コンデンサ用電極箔の製造方法
JP2023084362A (ja) 金属皮膜の成膜装置
JP2003105592A (ja) 金属ウエブの電解処理装置
JP2014100701A (ja) 金属ストリップの処理装置および金属ストリップの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6485422

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250