JP6485346B2 - 二次電池を再利用するための処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、拘束機構により荷重が加えられた状態で互いに拘束された複数のセルを含む二次電池を再利用するための処理方法に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等のバッテリを搭載した車両であるハイブリッド車および電気自動車の普及が進んでいる。これらの車両の買い替えまたは電池交換に伴い、使用済みとなったバッテリが多く発生している。よって、使用済みのバッテリを再利用(リユース)するために、各バッテリが再利用可能であるか否かを検査し、再利用可能である場合には再利用するための処理を行なう方法が求められている。
一般に、バッテリの充放電が繰り返されると、各セルの電極体内の電解液の塩濃度分布に偏り(ムラ)が生じ得る。以下、この塩濃度分布の偏りを「濃度ムラ」とも略す。濃度ムラが生じた場合、セルの内部抵抗が増加し、セルの出力特性が低くなる可性がある。そのため、濃度ムラの緩和(解消)を促進するための技術が提案されている。
たとえば特開2011−151943号公報(特許文献1)によれば、充電電流の平均値が放電電流の平均値よりも十分に大きい場合(具体的には10倍以上の場合)に濃度ムラが大きくなり得る。このような場合には、放電電流が充電電流よりも大きい状態で充放電を繰り返す処理を行なう。反対に、放電電流の平均値が充電電流の平均値よりも十分に大きい場合(具体的には10倍以上の場合)にも濃度ムラが大きくなり得る。このような場合には、充電電流が放電電流よりも大きい状態で充放電を繰り返す処理を行なう。このような処理を行なうことによって、濃度ムラを緩和して内部抵抗を減少させることができる。
特開2011−151943号公報
リチウムイオン二次電池等のバッテリでは、充放電サイクル数の増加または時間の経過に伴い、電解液が分解されてガスが発生することが知られている。発生したガスは、各セルの電池ケース内に蓄積される。したがって、使用済みバッテリでは、複数のセルのうちの一部または全部において、多くのガスが発生し内圧が高くなっている可能性がある。
一般に、車載用バッテリでは、複数のセルによりスタックが形成される。スタックにおいては、複数のセルが拘束バンド等によって互いに拘束されることで各セルに拘束荷重が印加されている。そのため、再利用に際し、拘束バンドを取り外して複数のセルを互いに分離させると、拘束荷重が解消されることで、内圧が高い状態のセルが膨張してしまう可能性がある。その結果、たとえば電池ケースと蓋体との溶接部分に亀裂が生じて密閉性が損なわれ、そのセルの再利用が困難となり得る。
このような理由により、スタックを形成するすべてのセルの内圧が基準値を下回る場合は、各セルが互いに分離された状態(以下「単セル状態」とも称する)でバッテリを再利用する一方で、少なくとも1つのセルの内圧が基準値を上回る場合には、スタックが形成された状態(以下「スタック状態」とも称する)のままバッテリを再利用することが考えられる。これにより、再利用が困難となるセルが発生することを回避できるので、より多くのセルを再利用することが可能になる。
また、使用済みバッテリの検査において、大きな濃度ムラが生じていると判定された場合には、たとえば特許文献1に記載されているように濃度ムラの緩和を促進する処理(以下「緩和促進処理」と略す)を行なうことが望ましい。
しかしながら、従来、たとえば特許文献1では、単セル状態およびスタック状態のうちのどちらの状態において緩和促進処理を行なうことが望ましいかについて、何ら考慮されていない。よって、濃度ムラを効果的に緩和する点において改善の余地がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、拘束機構により荷重が加えられた状態で互いに拘束された複数のセルを含む二次電池を再利用するための処理方法において、濃度ムラを効果的に緩和することである。
本発明のある局面に従う二次電池を再利用するための処理方法は、拘束機構により荷重が加えられた状態で互いに拘束された複数のセルを含む二次電池を再利用するための処理方法である。処理方法は、複数のセルの各々の塩濃度分布の偏り(濃度ムラ)を緩和するための緩和促進処理を実行する必要があるか否かを判定するステップと、緩和促進処理を実行する必要がある場合に、荷重を測定するステップと、荷重が所定の基準値以下である場合に、拘束機構を取り外して複数のセルを互いに分離させた状態で緩和促進処理を実行するステップと、荷重が基準値以下でない場合に、複数のセルが互いに拘束された状態で緩和促進処理を実行するステップとを含む。
複数のセルの各々が互いに分離された状態(単セル状態)では、荷重が加えられていない分だけ、複数のセルが拘束された状態(拘束状態)と比べて、電極体内に電解液が占有可能な空間が大きい。そのため、電極体内部において、あるいは電極体の内部と外部との間において、電解液の移動が起こりやすい。したがって、単セル状態の方が拘束状態と比べて濃度ムラの緩和が進みやすい。上記方法によれば、荷重が基準値以下でない場合には、内圧が比較的高いセルが含まれるとして、拘束状態で緩和促進処理を実行する。これにより、セルの密閉性が保たれるので、再利用が困難となるセルが発生することを回避できる。一方、荷重が基準値以下である場合には、すべてのセルの内圧が十分に低いとして、単セル状態で緩和促進処理を実行する。これにより、濃度ムラを効果的に緩和することができる。
車載用バッテリの再利用を説明するための概念図である。 バッテリの斜視図である。 図2に示すzx平面に沿うセルの断面図である。 緩和促進処理の効果を説明するための図である。 拘束荷重の有無に応じた内部抵抗の減少を説明するための図である。 拘束荷重の測定手法を説明するための図である。 処理システムの構成を概略的に示す回路ブロック図である。 本実施の形態に係るバッテリを再利用するための処理方法を示すフローチャートである。 緩和促進処理を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
以下に示す実施の形態においては、バッテリの再利用の一例として、車載用バッテリを定置用バッテリに再利用する場合を例に説明する。
<バッテリの再利用>
図1は、車載用バッテリの再利用を説明するための概念図である。市場において、ハイブリッド車、電気自動車または燃料自動車である車両100に搭載されていたバッテリ1が回収される。そして、回収されたバッテリ1に処理システム300を用いて検査し、検査後のバッテリ1に所定の処理を施すことにより、工場、住宅または店舗等の施設200における定置用バッテリとして再利用することが可能になる。なお、バッテリ1の再利用の用途は特に限定されるものではなく、たとえば車載用バッテリを他の車両に搭載するために再利用してもよいし、定置用バッテリを車載用または別の定置用として再利用してもよい。
図2は、バッテリ1の斜視図である。図3は、図2に示すzx平面に沿うセルの断面図である。本実施の形態において、バッテリ1はリチウムイオン二次電池を含んで構成される。
バッテリ1は、互いに並列に接続された複数のスタック2を含む(煩雑になるのを防ぐため図2では1つのみを示す)。複数のスタック2の各々は、y方向に沿って配列された複数のセル3を含む。図2では一例として10個のセル3が示されているが、セル3の数は複数であれば特に限定されるものではない。
複数のスタック2の各々は、複数のセル3と、複数の冷却板4と、1対のエンドプレート51,52と、4本の拘束バンド61〜64と、複数のバスバー7とを含む。各冷却板4は、隣り合うセル3間に設けられる。エンドプレート51,52は、その間に複数のセル3および複数の冷却板4を挟んで固定する。各拘束バンド(拘束機構)61〜64は、エンドプレート51とエンドプレート52とを連結する。このように、複数のセル3は、y方向に所定の拘束荷重Fが加えられた状態でエンドプレート51,52および拘束バンド61〜64により拘束されている。
図3を参照して、複数のセル3の各々は、電池ケース31と、蓋体32と、安全弁33と、電極体34と、接続部材35A,35Bと、正極外部端子36Aと、負極外部端子36Bとを含む。
セル3は密閉型のセルである。電池ケース31と蓋体32とは全周溶接により接合されている。蓋体32には安全弁33が設けられている。セル3内部でガスが発生しセル3内部の圧力(内圧)が上昇すると、安全弁33が開放されることによって、発生したガスがセル3外部へと排出される。
電極体34は、各々がシート状である正極341および負極342がシート状のセパレータ343を介して捲回された捲回型の電極体である。電極体34は、正極341の一部のみが重なる正極捲回部34Aと、負極342の一部のみが重なる負極捲回部34Bとを含む。接続部材35A,35Bは、正極捲回部34Aおよび負極捲回部34Bにそれぞれ溶接されている。接続部材35Aは、正極外部端子36Aに電気的に接続されている。接続部材35Bは、負極外部端子36Bに電気的に接続されている。
さらに、図2に示すように、複数のバスバー7の各々は、隣り合う2つのセル3のうちの一方のセル3の正極外部端子36Aと、他方のセル3の負極外部端子36Bとを電気的に接続する。これにより、複数のセル3が電気的に直列に接続されている。
<濃度ムラの緩和>
正極341の活物質層、負極342の活物質層、およびセパレータ343はいずれも多孔質物質からなるため、電極体34の内部には図示しない電解液が含浸されている。セル3の温度変化またはSOC(State Of Charge)変化が生じると、電解液および電極体34の体積変化が起こり得る。このような体積変化に起因して、電極体34の内部において電解液の流れが発生し得る。その結果、電解液中の塩(本実施の形態ではリチウム塩)の濃度分布が初期状態から変化することになるので、塩濃度の偏り(濃度ムラ)が生じる劣化(いわゆるハイレート劣化)が生じ得る。ハイレート劣化が生じると、セル3の内部抵抗が大きくなり、セル3の出力特性が低くなってしまう。
この濃度ムラは、塩の拡散により時間の経過とともに緩和される。しかし、多くの場合、濃度ムラが完全に解消され初期状態へと復帰するには長時間を要する。そのため、バッテリ1の再利用工程においては、バッテリ1の充放電を行なうことによって緩和を促進することが望ましい。
本実施の形態において、処理システム300は、バッテリ1が車両100に搭載されていたときのバッテリ1の充放電履歴を車両100のECU(Electronic Control Unit)(図示せず)から取得する(図1参照)。この充放電履歴には、バッテリ1の充電電流の平均値および放電履歴の平均値等の情報が含まれる。
充電電流の平均値が放電電流の平均値よりも過度に大きい(たとえば10倍以上)ことによるハイレート劣化が生じていた場合には、放電レートを充電レートよりも大きく設定してバッテリ1を充放電させる処理が行なわれる。放電レートは充電レートの2倍以上であることが好ましい。本実施の形態では、上記ハイレート劣化を「充電過多によるハイレート劣化」とも称し、上記充放電処理を「充電過多時の緩和促進処理」とも称する。
反対に、放電電流の平均値が充電電流の平均値よりも過度に大きい(たとえば10倍以上)ことによるハイレート劣化が生じていた場合には、充電レートを放電レートよりも大きく設定してバッテリ1を充放電させる処理が行なわれる。充電レートは放電レートの2倍以上であることが好ましい。本実施の形態では、上記ハイレート劣化を「放電過多によるハイレート劣化」とも称し、上記充放電処理を「放電過多時の緩和促進処理」とも称する。
このような緩和促進処理を行なうことによって、濃度ムラの緩和を促進してセル3の内部抵抗を減少させ、再利用に適した状態へと復帰させることができる。なお、緩和促進処理には、充放電サイクルとして、バッテリ1の充電および放電を1回ずつ行なう場合も含むし、2回以上行なう場合も含む。
図4は、緩和促進処理の効果を説明するための図である。図4では、1つのセル3について、SOCを所定値(たとえば60%)に調整した状態で室温にて放置した場合の内部抵抗の変化を示す。図4において、横軸は経過時間(放置時間)を示し、縦軸はセル3の内部抵抗を示す。
曲線L1は、放電過多のハイレート劣化が生じたセル3について、緩和促進処理を実行せずに放置した場合の内部抵抗の時間変化を示す。緩和促進処理を行なわなかった場合、放置開始から長時間(数10時間)が経過した時刻t1においても内部抵抗が減少し続けており収束していないことが分かる。これは、塩の拡散だけでは濃度ムラが十分に緩和されにくいことを意味する。
これに対し、曲線L2は、曲線L1と同様に放電過多のハイレート劣化が生じたセル3について、緩和促進処理を行なった後に放置した場合の内部抵抗の時間変化を示す。ここでの緩和促進処理とは、放電レートを0.4Cに設定し、充電レートを2Cに設定して、SOCの許容範囲の上限値と下限値との間でセル3の充放電サイクルを行なったものである。
曲線L2を曲線L1と比較すると、緩和促進処理により内部抵抗が大きく(ΔRだけ)減少したことが分かる。また、時刻t1よりも早い時刻t2において、内部抵抗の減少がほぼ収束している。このことは、緩和促進処理を行なうことで濃度ムラが緩和されやすくなることを意味する。なお、上記充電レートおよび放電レートは一例に過ぎず、他の値を用いることも可能である。
<拘束荷重の解消>
バッテリ1では、充放電サイクル数の増加または時間の経過に伴い、電解液が分解されてガスが発生することが知られている。発生したガスは、各セル3の電池ケース31内に蓄積される。したがって、使用済みのバッテリ1では、複数のセル3のうちの一部または全部において、多くのガスが発生し内圧が高くなっている可能性がある。
上述のように、バッテリ1のスタック2においては、複数のセル3が拘束バンド61〜64によって互いに拘束されることで各セル3に拘束荷重が印加されている。そのため、再利用に際し、拘束バンド61〜64を取り外して複数のセル3を互いに分離させると、拘束荷重Fが解消されることで、内圧が高い状態のセル3が膨張してしまう可能性がある。その結果、たとえば電池ケース31と蓋体32との溶接部分に亀裂が生じて密閉性が損なわれ、そのセル3の再利用が困難となり得る。
このような理由により、スタック2を形成するすべてのセル3の内圧が所定の基準値を下回る場合は、各セル3が互いに分離された状態(単セル状態)でバッテリ1を再利用する一方で、少なくとも1つのセル3の内圧が基準値を上回る場合には、スタック2が形成された状態(スタック状態)のままバッテリ1を再利用することが考えられる。これにより、より多くのセル3を再利用することが可能になる。
ここで、本発明者は、拘束荷重Fが解消された単セル状態と、拘束荷重Fが印加されたスタック状態とでは、緩和促進処理の効果が異なり得ることを見出した。
図5は、拘束荷重Fの有無に応じた内部抵抗の減少を説明するための図である。図5において、横軸は、緩和促進処理の実行回数(充放電サイクルの回数)を示す。縦軸は内部抵抗を示す。曲線L3は、拘束荷重Fが加えられたスタック状態での内部抵抗の時間変化を示す。曲線L4は、拘束荷重Fが解消された単セル状態での内部抵抗の時間変化を示す。
図5より、単セル状態の方がスタック状態と比べて、内部抵抗が減少しやすいことが分かる(たとえばΔR3,ΔR4参照)。つまり、バッテリ1をセル3単体に分離してから緩和促進処理を行なった方が、セル3がスタック2に組まれた状態で緩和促進処理を行なう場合と比べて、濃度ムラが緩和されやすい。
これは以下の理由によるものと考えられる。すなわち、単セル状態の場合、拘束荷重Fが印加されていない分だけ、スタック状態と比べて電極体34内に電解液が占有可能な空間(スペース)が大きい。そのため、電極体34内部において、あるいは電極体34の内部と外部との間において、電解液の移動が起こりやすい。したがって、単セル状態の方がスタック状態と比べて濃度ムラの緩和が進みやすいと考えられる。
そこで、本実施の形態においては、緩和促進処理を実行する必要がある場合に拘束荷重Fを測定し、拘束荷重Fに基づいて、バッテリ1が単セル状態およびスタック状態のうちのどちらの状態で緩和促進処理を実行するのが良いかを判定する手法を採用する。より具体的には、拘束荷重Fが所定の基準値以下の場合に、単セル状態で緩和促進処理を実行し、拘束荷重Fが基準値よりも大きい場合(基準値以下でない場合)に、スタック状態で緩和促進処理を実行する。
<処理システムの構成>
図6は、拘束荷重Fの測定手法を説明するための図である。図6には、本実施の形態に係る処理システム300におけるバッテリ1(スタック2)の上面図が示されている。図6に示すように、荷重測定装置8は、測定プレート81,82を含む。測定プレート81,82は、それぞれ、エンドプレート51,52と隙間なく接触している。この状態で4つの拘束バンド61〜64を取り外す(切断する)と、測定プレート81の内側面81Aと測定プレート82の内側面82Aとには、スタック2に加えられていた拘束荷重Fの反力が作用する。荷重測定装置8は、この反力を測定できるように構成されている。
図7は、処理システム300の構成を概略的に示す回路ブロック図である。処理システム300は、処理装置10と、インバータ310と、コンバータ320と、負荷330と、電圧センサ340と、電流センサ350とを備える。
インバータ310は、外部電源(たとえば商用電源)400から供給された交流電力を、バッテリ1を充電するための直流電力に変換する。コンバータ320は、バッテリ1から放電された直流電力を電圧変換して負荷330に供給する。負荷330は、バッテリ1からの放電電力を消費する。電圧センサ340は、バッテリ1(より特定的には各スタック2)の電圧VBを検出する。電流センサ350は、バッテリ1(より特定的には各スタック2)に入出力される電流IBを検出する。各センサは、その検出結果を示す信号を処理装置10に出力する。
処理装置10は、たとえばマイクロコンピュータにより実現され、いずれも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリと、入出力インターフェイスとを含んで構成される。処理装置10は、各センサからの信号に基づき、予めROMに格納されたプログラムをCPUがRAMに読み出して実行することによって、バッテリ1の充放電を制御する。これにより、緩和促進処理が実行される。また、処理装置10は、拘束荷重Fに基づいて、バッテリ1が単セル状態およびスタック状態のうちのどちらの状態で緩和促進処理を実行するのが良いかを判定する。
より詳細には、処理装置10は、データ取得部11と、履歴判定部12と、荷重判定部13と、充放電制御部14と、報知部15とを含む。
データ取得部11は、車両100からバッテリ1の充放電履歴(たとえば劣化評価値Dを積算した積算値ΣD)を取得し、その充放電履歴を履歴判定部12に出力する。また、データ取得部11は、荷重測定装置8(図6参照)により測定された拘束荷重Fを取得し、その拘束荷重Fを荷重判定部13に出力する。さらに、データ取得部11は、電圧センサ340により検出された電圧VBと、電流センサ350により検出された電流IBを取得し、電圧VBおよび電流IBを充放電制御部14に出力する。
履歴判定部12は、バッテリ1の充放電履歴に基づいて、バッテリ1が車両100に搭載されていたときに充電過多によるハイレート劣化が生じている場合には、充電過多時の緩和促進処理を実行すると判定する一方で、放電過多によるハイレート劣化が生じている場合には、放電過多時の緩和促進処理を実行すると判定する。
荷重判定部13は、拘束荷重Fの測定値と、予め定められた基準値とを比較することによって、バッテリ1が単セル状態で再利用可能か、あるいはスタック状態のまま再利用すべきかを判定する。この判定手法の詳細については後述する。
充放電制御部14は、履歴判定部12による判定結果に基づいて、バッテリ1の充放電を制御する。より具体的には、電圧センサ340および電流センサ350センサからの検出信号を監視しながらインバータ310を制御することによりバッテリ1を充電させる。また、充放電制御部14は、各センサのからの検出信号を監視しながらコンバータ320を制御することによりバッテリ1を放電させる。
報知部15は、たとえばディスプレイにより実現され、荷重判定部13による判定結果を処理工程の作業者に報知する。作業者は、報知部15により報知されたバッテリ1毎の判定結果を確認し、単セル状態でバッテリ1を再利用可能であると判定された場合には、複数のセル3を互いに分離する(単セル状態にする)。一方、スタック状態のままバッテリ1を再利用すべきであると判定された場合には、作業者は、複数のセル3を互いに分離することなくスタック状態のまま処理工程を進める。
図8は、本実施の形態に係るバッテリ1を再利用するための処理方法を示すフローチャートである。このフローチャートはバッテリ1毎に実行される。このフローチャートの各ステップ(以下Sと略す)は、基本的には処理装置10によるソフトウェア処理によって実現されるが、処理装置10内に作製された電子回路を用いたハードウェア処理によって実現されてもよい。
S10において、処理装置10は、各セル3の内部抵抗および容量のうちの少なくとも一方を特性値として測定する。そして、S20において、処理装置10は、S10にて測定した特性値が許容範囲内であるか否かを判定する。なお、この処理は、緩和促進処理を実行する必要があるか否かを判定するステップに相当する。
すべてのセル3の特性値が許容範囲内の場合(S20においてYES)、すなわちバッテリ1のハイレート劣化が比較的小さい場合には、緩和促進処理の実行は不要であるとして一連の処理が終了する。一方、少なくとも1つのセル3について特性値が許容範囲外の場合(S20においてNO)、処理装置10は、緩和促進処理を実行する必要があるとして処理をS30に進める。
S30において、荷重測定装置8からバッテリ1の拘束荷重Fの測定結果を取得する。そして、処理装置10は、拘束荷重Fの測定値が所定の基準値以下であるか否かを判定する(S40)。
拘束荷重Fが基準値以下の場合(S40においてYES)、処理装置10は、どのセル3も膨張しておらず、すべてのセル3の内圧が十分に低い状態であるとして、複数のセル3を互いに分離することが可能であると判定する。そして、処理装置10は、単セル状態で緩和促進処理を実行することが好ましいと判定する(S50)。この判定結果が報知されると、作業者は、複数のセル3を互いに分離する(S60)。その後、処理はS70へと進められる。
これに対し、拘束荷重Fが基準値よりも大きい場合(S40においてNO)、処理装置10は、いずれかのセル3の内圧が過度に高い状態であり膨張しているとして、複数のセル3を互いに分離しない方がよいと判定する。そして、処理装置10は、スタック状態のまま緩和促進処理を実行することが好ましいと判定する(S55)。その後、処理はS75へと進められる。
S70,75では、S50,S55での判定結果に基づいて、バッテリ1の緩和促進処理が実行される。より詳細には、S50にて単セル状態で緩和促進処理を実行することが好ましいと判定した場合には、処理装置10は、バッテリ1の充放電履歴に基づいて、セル単位で緩和促進処理を実行する。一方、S55にてスタック状態で緩和促進処理を実行することが好ましいと判定した場合には、処理装置10は、バッテリ1の充放電履歴に基づいて、スタック単位で緩和促進処理を実行する。これらの処理は、処理単位が異なるものの、処理内容は以下に示す内容で同等である。
図9は、緩和促進処理(S70またはS75)を説明するためのフローチャートである。S71において、処理装置10は、車両100から充放電履歴を取得する。充放電履歴が充電過多であったことを示す場合(S72において「充電過多」)には、処理装置10は、上記のようにセル単位またはスタック単位で、充電過多時の緩和促進処理を実行する(S73)。一方、充放電履歴が放電過多であったことを示す場合(S72において「放電過多」)には、処理装置10は、上記のようにセル単位またはスタック単位で、放電過多時の緩和促進処理を実行する(S74)。なお、充放電履歴が充電過多でも放電過多でもなかったことを示す場合(S72において「どちらでもない」)、処理装置10は、緩和促進処理を実行することなく、処理を図8に示すフローチャートへと戻す。
図8に戻り、緩和促進処理(S70またはS75)が終了すると、処理装置10は、各セル3の特性値を再び測定する(S80)。そして、処理装置10は、すべてのセル3の特性値が許容範囲内であるか否かを判定する(S90)。
すべてのセル3の特性値が許容範囲内の場合(S90においてYES)には、処理装置10は、緩和促進処理によって濃度ムラが十分に緩和されたとして、すべてのセル3について再利用可能であると判定する(S100)。一方、少なくとも1つのセル3の特性値が許容範囲外の場合(S90においてNO)には、処理装置10は、緩和促進処理を行なったものの濃度ムラが十分に緩和されていないセル3があるとして、そのセル3については再利用できないと判定する(S110)。これにより、一連の処理が終了する。
なお、特性値が許容範囲外であるセル3が単セル状態の場合には、特性値が許容範囲内である他のセル3は再利用することができる。一方、特性値が許容範囲外であるセル3がスタック2に組み込まれた状態の場合には、スタック2全体を再利用不可能と判定してもよい。あるいは、スタック2の状態から複数のセル3を互いに分離して、各セル3について再利用可能かどうかを別途判定してもよい。
以上のように、本実施の形態によれば、拘束荷重Fが基準値よりも大きい場合には、内圧が比較的高いセル3が含まれるとして、スタック状態で緩和促進処理を実行することにより、再利用が困難となるセル3が発生することを回避できる。一方、拘束荷重Fが基準値以下の場合には、すべてのセル3の内圧が十分に低いとして、単セル状態で緩和促進処理を実行することにより、濃度ムラを効果的に解消することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 バッテリ、2 スタック、3 セル、4 冷却板、51,52 エンドプレート、61〜64 拘束バンド、7 バスバー、8 荷重測定装置、81,82 測定プレート、81A,82A 内側面、10 処理装置、11 データ取得部、12 履歴判定部、13 荷重判定部、14 充放電制御部、15 報知部、31 電池ケース、32 蓋体、33 安全弁、34 電極体、341 正極、342 負極、343 セパレータ、34A 正極捲回部、34B 負極捲回部、35A,35B 接続部材、36A 正極外部端子、36B 負極外部端子、100 車両、200 工場、300 処理システム、310 インバータ、320 コンバータ、330 負荷、340 電圧センサ、350 電流センサ。

Claims (1)

  1. 拘束機構により荷重が加えられた状態で互いに拘束された複数のセルを含む二次電池を再利用するための処理方法であって、
    前記複数のセルの各々の塩濃度分布の偏りを緩和するための緩和促進処理を実行する必要があるか否かを判定するステップと、
    前記緩和促進処理を実行する必要がある場合に、前記荷重を測定するステップと、
    前記荷重が所定の基準値以下である場合に、前記拘束機構を取り外して前記複数のセルを互いに分離させた状態で前記緩和促進処理を実行するステップと、
    前記荷重が前記基準値以下でない場合に、前記複数のセルが互いに拘束された状態で前記緩和促進処理を実行するステップとを含む、二次電池を再利用するための処理方法。
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