JP6482957B2 - 複合耐火物 - Google Patents

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Description

本明細書で開示する技術は、複合耐火物に関する。特に、炉の内壁として用いられる複合耐火物に関する。
特許文献1に、耐火部と断熱部を備える複合耐火物が開示されている。特許文献1では、マグネシアスピネル属材料を用いて耐火部を製造している。具体的には、マグネシアクリンカーとクロム鉄鉱、あるいは、マグネシアクリンカーとスピネルクリンカーを用いて耐火部を製造している。特許文献1では、断熱部を耐火部の材料より熱伝導率が低い材料で製造することにより、低熱伝導性の複合耐火物を製造している。
特公昭63−38301号公報
複合耐火物を炉の内壁として用いる場合、熱伝導性を低くすることに加え、耐久性の向上が必要とされる。炉内環境の条件が過酷になると、耐火部の耐久性によって複合耐火物の寿命が決定する。本明細書では、耐久性の高い耐火部を備える複合耐火物を実現する技術を開示する。特に、熱間強度に優れた耐火部を備える複合耐火物を提供する。
複合耐火物の耐火部は、典型的に、原料として主骨材(粗骨材)と副骨材(細骨材)を使用する。主骨材と副骨材の接合状態が耐火部の熱間強度に影響を及ぼし、複合耐火物の耐久性に密接に影響することが判明した。
本明細書で開示する複合耐火物は、耐火部と断熱部を備える。耐火部は、主骨材と副骨材と被覆層を備えている。主骨材は、MgOを主成分とする。副骨材は、主骨材同士の隙間に存在しており、主骨材より小サイズである。被覆層は、主骨材と副骨材の隙間に存在しており、主骨材を被覆している。また、被覆層は、珪酸塩を含んでいる。
上記の複合耐火物によると、主骨材が珪酸塩を含む被覆層によって被覆されている。副骨材は、被覆層を介して主骨材に付着している。研究の結果、主骨材がMgOの場合、珪酸塩を含む被覆層で主骨材を被覆することにより、主骨材の周囲に副骨材が付着しやすくなることが判明した。主骨材に副骨材が良好に付着させることができれば、耐火部の熱間強度が向上する。本明細書で開示する技術は、珪酸塩を含む被覆層で主骨材を被覆することにより、耐火部の熱間強度が従来よりも向上した複合耐火物を実現することができる。なお、本明細書でいう「主骨材(MgO)」は、耐火部に占める割合(重量%)が最大でないこともあり得る。本明細書では、耐火部の材料のうち、サイズが最大の材料のことを「主骨材」と称する。そのため、耐火部に占める副骨材の割合が主骨材(MgO)の割合より大きくなることもあり得る。
本明細書では、耐火部と断熱部を備える複合耐火物の製造方法も開示する。その製造方法は、第1混練工程と第2混練工程と成形工程を備える。第1混練工程では、MgOを主成分とする主骨材と、珪酸塩を含む結合材とを混練し、第1混練物を形成する。第2混練工程では、主骨材より小サイズの副骨材と、粘土とを混練し、第2混練物を形成する。成形工程では、第2混練物を成形型に投入する。
上記の製造方法によると、第1混練工程により、主骨材(MgO)の周囲が結合材で覆われる。すなわち、第1混練工程を実施することにより、珪酸塩を含む結合材で被覆された主骨材(第1混練物)を得ることができる。そのため、第2混練工程において、副骨材及び粘土が主骨材の周囲に付着しやすくなる。第1混練工程と第2混練工程を経ることにより、主骨材と副骨材が良好に接合した耐火部を製造することができる。
実施例1の複合耐火物を模式的に示す。 実施例1の複合耐火部の使用例を示す。 実施例1の複合耐火物について、耐火部の製造工程を説明するフロー図を示す。 耐火部のSEM写真を示す。 耐火部の元素マッピング(Al)を示す。 耐火部の元素マッピング(Si)を示す。 耐火部の元素マッピング(K)を示す。 実施例及び比較例の耐火物の原料割合を示す。 実施例及び比較例の耐火物について、主骨材の原料割合と特性との関係を示す。 実施例及び比較例の耐火物について、耐火部に占める元素の割合と特性との関係を示す。 実施例及び比較例の耐火物について、耐火部に占める結合材の割合と特性との関係を示す。
以下、本明細書で開示する複合耐火物及びその製造方法について技術的特徴の幾つかを記す。なお、以下に記す事項は、各々単独で技術的な有用性を有している。
複合耐火物は、耐火部と断熱部を備えている。断熱部は、耐火部より熱伝導率が低くてよい。耐火部と断熱部の接合面は、平面であってよい。あるいは、耐火部と断熱部の接合面は、凹凸を有する面であってもよい。なお、耐火部と断熱部の間に、両者の材料が混ざり合った中間部が設けられていてもよい。この場合、耐火部と断熱部は、中間部を介して接合している。
耐火部は、MgOを主成分とする主骨材を含んでいる。主骨材(MgO)の粒径は1mm以上5mm以下であることが好ましい。主骨材の粒径が1mm未満の場合、ラミネーションが起こり(成形体の内部に欠陥が生じ)、耐火部の強度が低下することがある。主骨材の粒径が5mmを超えると、主骨材の充填率が低下し、耐火部に必要な強度が得られないことがある。また、主骨材は、耐火部に占める割合が30重量%以上70重量%以下であってよい。上記したように、主骨材は、MgOを主成分とする。MgOは、耐反応性を有している。そのため、主骨材の割合が30重量%以上であれば、耐反応性が良好な耐火部を得ることができる。また、主骨材の割合が70重量%を超えると、相対的に副骨材の量が低下し、主骨材と副骨材のバランスが悪くなる。具体的には、主骨材と副骨材のバランスが低下すると、強度(圧縮強度)が低下する。なお、本明細書でいう骨材の「粒径」とは、骨材を櫛を通過させることにより計測した櫛の目開きの大きさを示している。具体的には、粒径1mm以上5mm以下の骨材とは、5mm□の穴は通過でき、1mm□の穴は通過できない骨材のことを示す。また、耐反応性とは、高温下で対象物(耐火部)にスラグ等の浸食材を接触させ、対象物の浸食性を示すものである。
副骨材は、Al(アルミナ)とMgAl(スピネル)の少なくとも一方を含んでいてよい。なお、副骨材は、AlとMgAlの双方をふくんでいることがより好ましい。AlとMgAlは、耐火部の耐熱性及び強度を向上させることに寄与する。副骨材は、主骨材同士の隙間に存在しており、主骨材より小サイズである。具体的には、副骨材の粒径は1mm以下であることが好ましい。副骨材の粒径が1mm以下であれば、副骨材が、主骨材同士の隙間に存在しやすい。なお、副骨材の材料としてAl,MgAl以外の材料を用いることもできる。しかしながら、本明細書で開示する複合耐火物では、副骨材としてMgOは用いない。副骨材としてMgOを用いると、熱間強度が低下することが起こり得る。
主骨材は、珪酸塩を含む被覆層によって被覆されている。被覆層は、主骨材の周囲において、主骨材と副骨材の隙間に存在している。より正確には、被覆層は、主骨材と副骨材が直接接する部分を除き、主骨材の周囲を被覆している。なお、被覆層は、珪酸塩の他に粘土を含んでいてもよい。この場合、被覆層は、耐火部におけるクレイボンドということもできる。副骨材は、珪酸塩を含む被覆層(珪酸塩クレイボンド)に付着しやすい。そのため、主骨材を被覆層で被覆することにより、主骨材の周りに副骨材が良好に付着した耐火部を得ることができる。このような珪酸塩として、珪酸カリウム,珪酸ナトリウムが挙げられる。被覆層は、珪酸カリウムと珪酸ナトリウムの少なくとも一方の珪酸塩を含んでいることが好ましい。なお、被覆層の厚さは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。被覆層の厚みが1μm未満の場合、副骨材が主骨材に付着しにくくなる。また、被覆層の厚みを15μmより厚くしても、原料コストは上昇するものの、特性の向上(例えば、熱間強度の向上)は得られない。被覆層の厚みが上記範囲であれば、原料コストの上昇を抑制しながら副骨材を主骨材に付着させる効果を得ることができる。
珪酸塩を構成するアルカリ成分(例えば、カリウム、ナトリウム)の割合は、耐火部に対して、外掛けで0.5重量%以上3.0重量%以下であることが好ましい。具体的には、珪酸塩を構成するアルカリ成分の割合が、珪酸塩を除く耐火部の重量を100重量%としたときに、0.5重量%以上3.0重量%以下であることが好ましい。アルカリ成分の割合は、熱間強度に影響を及ぼす。耐火部に含まれるアルカリ成分の割合が多すぎても少なすぎても熱間強度は低下する。耐火部に含まれるアルカリ成分の割合が上記範囲であれば、熱間強度を良好に維持することができる。
耐火部は、Mg元素,Al元素及びSi元素を含んでいてよい。Mg元素は、例えば、上記したMgO(主骨材),MgAl(副骨材),粘土に由来する。また、Al元素は、例えば、上記したAl,MgAl(副骨材)に由来する。Si元素は、例えば、上記した珪酸塩(珪酸カリウム,珪酸ナトリウム),粘土に由来する。本明細書で開示する複合耐火物では、耐火部に含まれるMg元素,Al元素及びSi元素を酸化物換算したときの耐火部に占める割合が、以下に示す範囲であることが好ましい。MgO:40重量%以上70重量%以下。Al:28重量%以上56重量%以下。SiO:2重量%以上4重量%以下。耐火部に含まれるMg元素,Al元素及びSi元素の割合を上記範囲とすることにより、耐反応性及び熱間強度に優れた耐火部を備える複合耐火物を得ることができる。
複合耐火物は、第1混練工程と第2混練工程を経た混練物を成形することにより製造される。この製造方法は、特に、複合耐火物の耐火層を製造する際に適用することが好ましい。具体的には、第1混練工程では、MgOを主成分とする主骨材と、珪酸塩を含む結合材とを混練し、第1混練物を形成する。珪酸塩として、例えば、上記した珪酸カリウム,珪酸ナトリウムを用いることができる。第2混練工程は、第1混練工程に次いで実行される。第2混練工程では、第1混練物と、主骨材より小サイズの副骨材と、粘土とを混練し、第2混練物を形成する。耐火部は、第2混練物を成形型に投入する成形工程を経て製造される。第1混練工程に次いで第2混練工程を実施することにより、主骨材の周囲に副骨材及び粘土を付着しやすくすることができる。
成形工程に次いで、乾燥工程を実施してもよい。この場合、乾燥温度は、100℃以上400℃以下であってよい。換言すると、本明細書で開示する製造方法では、成形工程終了後の耐火部を焼成することなく、乾燥のみを行ってもよい。第1混練工程において主骨材の周囲を結合材が被覆し、結合材に副骨材及び粘土が付着するので、乾燥のみであっても、主骨材と副骨材が良好に接合する。
(実施例1)
図1を参照し、複合耐火物10について説明する。図1は、複合耐火物10の表面を示している。複合耐火物10は、耐火部2と断熱部4を備えている。耐火部2と断熱部4の接合面6は、凹凸を有している。換言すると、耐火部2の断熱部4側の端面、及び、断熱部4の耐火部2側の端面は、凹凸を有している。なお、耐火部2の組成と断熱部4の組成は異なる。図示は省略しているが、耐火部2と断熱部4が接合する部分(接合面6)では、両者の組成が混在した(中間部)が存在することもある。複合耐火物10の側面の形状は、略台形である。耐火部2の端面2a(断熱部4から遠い側の端面)の長さ2Lは、断熱部4の端面4a(耐火部2から遠い側の端面)の長さ4Lより短い。
図2は、複合耐火物10をロータリーキルン20の内張り材として使用した例を示している。図2に示すように、複数の複合耐火物10の表面同士が向かい合うように配置することにより、ロータリーキルン20の内張り材が形成される。耐火部2は、ロータリーキルン20の炉内側に配置される。断熱部4は、ロータリーキルン20のシェル12側に配置される。耐火部2と断熱部4を備える複合耐火物10を用いることにより、ロータリーキルン20のエネルギー効率を向上させることができる。
以下、耐火部2について詳細に説明する。まず、図3を参照し、耐火部2の製造工程について説明する。耐火部2を製造するための混練物は、主骨材(MgO),副骨材(MgAl及びAl),結合材及び粘土を混練して形成される。まず、主骨材を混練機に投入する(ステップ:S1)。次いで、結合材として珪酸カリウム(KSiO)を混練機に投入する(ステップ:S2)。その後、主骨材と結合材を所定時間混練し、第1混練物を形成する(第1混練工程)。第1混練物は、主骨材の周囲が結合材で被覆されている。
次に、副骨材(MgAl及びAl)及び粘土を混練機に投入する(ステップ:S3)。その後、第1混練物,副骨材及び粘土を所定時間混練し、第2混練物を形成する(第2混練工程)。その後、第2混練物を成形型に投入し、耐火部の形状を仕上げる(ステップ:S4)。成形型から成形品を脱型(ステップ:S5)し、290±30℃で3時間乾燥を行う(ステップ:S6,乾燥工程)ことにより、耐火部2が完成する。なお、成形品の乾燥温度は、100℃以上400℃以下の範囲で任意に選択することができる。図8は、主骨材,副骨材,粘土及び結合材の配合率(wt%)を示している(実施例1)。なお、図8は、結合材を外掛けで加えた数値を示している。すなわち、結合材以外の材料(主骨材,副骨材,粘土)の配合率の合計を100wt%とし、それらの材料の合計(100wt%)に対する配合率を示している。また、結合材の数値は、結合材(珪酸塩)自体の配合率を示しているのではなく、結合材以外の材料に対するアルカリ成分(K:カリウム)の割合を示している。そのため、原料として供給される結合材(KSiO:珪酸カリウム)の割合は、図8中の数値より高い。また、図8に示す主骨材,副骨材及び粘土の配合率は、耐火部2を構成している(耐火部2内に残存している)主骨材,副骨材及び粘土の割合と同一である。なお、図8中に示す「wt%」は、重量%と同意である。
上記したように、耐火部2は、主骨材の周囲を結合材で被覆した後(第1混練工程実施後)に、第1混練物,副骨材及び粘土を混練する(第2混練工程)。主骨材が結合材で被覆されているので、粘土が主骨材によく付着し、主骨材同士が珪酸塩クレイボンドで良好に結合される。主骨材同士を珪酸塩クレイボンドで結合することにより、強固な熱間強度を得ることができる。なお、従来、良好な熱間強度を得るために、耐火部では、MgO(主骨材)をMgO(副骨材)で結合することが一般的であった。その場合、成形品を焼成することが必要である。本実施例の耐火部2は、主骨材同士を珪酸塩クレイボンドで結合することにより、成形品を焼成することなく、良好な熱間強度を得ることができる。
図4から図6を参照し、耐火部2における主骨材の結合状態を説明する。図5から図7は、図4に示す耐火部2の元素マッピングを示している。図5はAlマッピングを示し、図6はSiマッピングを示し、図7はKマッピングを示している。なお、元素マッピングは、EDS(エネルギー分散型X線分光器)を用いて実施した。図4に現れている粒子は、MgO(主骨材)である。図5に示すように、主骨材の周りにAlが分布している。上記したように、Alは副骨材に由来する。すなわち、耐火部2は、主骨材の周囲に副骨材がよく付着しており、主骨材の隙間を副骨材が充填していることが分かる。また、図6及び図7に示すように、珪酸カリウム(被覆層)が主骨材を被覆していることが分かる。
上記したように、耐火部2は、原料を一度に混練するのではなく、まず主骨材と結合材を混練する(第1混練工程)。それにより、主骨材の周りが結合材で被覆された第1混合物が得られる。その後、第1混合物と副骨材を混練することにより、主骨材の周りに副骨材が付着しやすくなり、耐熱性及び強度が良好な耐火部2を得ることができる。
(実施例2〜11)
図8に、実施例2〜11の耐火部の配合率を示している。また、併せて、比較例1〜9の耐火部の配合率も示している。なお、実施例2〜11,比較例1〜9においても、結合材の数値は、結合材以外の材料の配合率の合計を100wt%とし、それらの材料の合計に対する配合率を示している。また、結合材の数値は、結合材以外の材料に対するアルカリ成分(K:カリウム、又は、Na:ナトリウム)の割合(wt%)を示している。そのため、図8の結合材の数値は、結合材の配合率を直接的に表現するものではない。
実施例2〜4,比較例1及び2は、主骨材の配合率が実施例1と異なる。なお、実施例2〜4,比較例1及び2において、主骨材の増加分は、副骨材の割合を減らして調整している。実施例5〜7,比較例3〜7も、主骨材の配合率が実施例1と異なる。しかしながら、実施例5〜7,比較例3〜7は、主骨材の配合率を実施例1と異ならせることが主目的ではない。主骨材の配合率は結果として異なるものであり、主目的は製造後の耐火部に含まれる元素割合を異ならせることである。実施例5〜7,比較例3〜7の詳細については後述する。実施例8〜11,比較例8及び9は、結合材の配合率及び/又は種類が実施例1と異なる。
図9〜図11は、実施例1〜11,比較例1〜9の試料に関する物性を示している。なお、圧縮強度は、JISR2553に基づいて試験した結果を示している。熱間強度は、高温雰囲気における3点曲げ試験による強度であり、JISR2656に基づいて、1200℃で試験した結果を示している。耐反応性については、後述する試験結果に基づいて、極めて良好「◎」,良好「○」,合格レベル「△」,不合格「×」の評価を付している。また、各物性を総合的に考慮した総合評価についても、耐反応性と同様に「◎」,「○」,「△」,「×」の評価を付している。
耐反応性の試験方法について説明する。まず、耐火部から表面70×70mm,厚み65mmの試料を切り取り、表面の中心に直径30mm,深さ35mmの孔(穿孔)を作成した。次に、穿孔にスラグ微粉(食剤)を15g入れた状態で、試料を、大気雰囲気,1500℃の電気炉内で12時間加熱した。なお、スラグ微粉は710μm以下に粉砕したものを用意した。また、用いたスラグの化学成分は、CaOが95%、NaSOが5%であった。次に、試料を電気炉から取り出し、穿孔線(穿孔の中心軸)に沿って試料を切断し、切断面の状態を目視で観察した。切断面における食剤の浸食面積(mm),試料の軟化,変形,発泡の有無を観察し、以下の基準に基づいて「◎」,「○」,「△」,「×」の評価を行った。
「◎」:浸食面積0.1mm以下。かつ、軟化、変形、発泡の全てが検出されない。
「〇」:浸食面積1mm以下。かつ、軟化、変形、発泡の全てが検出されない。
「△」:浸食面積3mm以下。かつ、軟化、変形、発泡の全てが検出されない。
「×」:浸食面積3mm超。または、軟化、変形、発泡のうちの一つ以上を検出。
図9に示すように、主骨材の割合が30%未満になると、耐反応性が低下する(比較例1)。また、主骨材の割合が70%を超えると、圧縮強度が低下する(比較例2)。図9は、主骨材の割合を30%以上70%以下に調整することにより、耐反応性及び圧縮強度に優れた耐火部が得られることを示している(実施例1〜4)。なお、実施例4の試料が良好な結果を示していることから明らかなように、必ずしも2種の副骨材(MgAl及びAl)を用いる必要はない。実施例4の試料は、スピネル(MgAl)を含んでいない。しかしながら、実施例4の試料は、実施例1〜3の試料と比較して、若干圧縮強度が低い。そのため、耐火部は、2種(又は2種以上)の副骨材を用いることがより好ましい。
図10は、耐火部の配合率に加え、耐火部に占める各元素の割合も示している。なお、各元素の割合については、各元素を酸化物換算したときの重量%を示している。また、図10において、「耐火部に占める割合」の欄に示すMgO,Al,SiOの組成比の合計が100%になっていない。これは、実際の耐火部は、図中の元素の他、例えば、K(KO)等の微量の不純物が含まれているからである。図10に示すように、Mg,Al及びSi元素(酸化物換算)の何れかが少なくなりすぎても、多くなりすぎても、良好な耐火部は得られない。具体的には、比較例3の試料は、Mgの割合が少なすぎ(MgO:37.2wt%)、また、Alの割合が多すぎる(Al:57.9wt%)。そのため、比較例3の試料は、良好な耐反応性を得られない。比較例4の試料は、Siの割合が少なすぎる(SiO:1.0wt%)ので、熱間強度が低下している。また、比較例5の試料のように、Siの割合が多すぎる(SiO:5.8wt%)場合も、熱間強度が低下している。比較例6の試料は、Alの割合が少なすぎる(Al:26.3wt%)。比較例6の試料は、特性が大きく低下する項目はないが、圧縮強度が若干低い。比較例7の試料は、Mgの割合が多すぎ(MgO:73.7wt%)、また、Alの割合が少なすぎる(Al:21.2wt%)。比較例7の試料も、熱間強度が低下している。
それに対して、実施例1,5〜7の試料は、Mg,Al及びSi元素がバランスよく含まれており、全ての項目において良好な結果が得られている。図10に示す結果より、耐火部に含まれる元素(酸化物換算)の割合が、MgO:40重量%以上70重量%以下、Al2O3:28重量%以上56重量%以下、SiO2:2重量%以上4重量%以下を満足することにより、良好な特性を有する耐火部が得られるといえる。
図11は、結合材の割合が特性に及ぼす影響をまとめて示している。なお、上記したように、図11の結合材の数値は、結合材以外の材料の配合率の合計を100wt%とし、それらの材料の合計に対する配合率を示している。また、結合材の数値は、結合材以外の材料に対するアルカリ成分(K:カリウム、又は、Na:ナトリウム)の割合(wt%)を示している。実施例1,8〜10から明らかなように、K(カリウム)の割合が0.5wt%以上3.0wt%以下であれば、良好な特性を有する耐火部が得られる。なお、実施例1及び11の比較から明らかなように、結合材に含まれるアルカリ成分はNa(ナトリウム)であっても、良好な特性が得られる。結合材の割合は少なすぎても多すぎても熱間強度に悪影響を及ぼす(比較例8及び9)。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:耐火部
4:断熱部
10:複合耐火物

Claims (8)

  1. 耐火部と断熱部を備える複合耐火物であって、
    耐火部は、
    MgOを主成分とする主骨材と、
    主骨材同士の隙間に存在しており、主骨材より小サイズであるとともにAl酸化物である副骨材と、
    主骨材と副骨材の隙間に存在しているとともに主骨材を被覆しており、珪酸塩を含む被覆層と、を備えており、
    耐火部において、Mg元素、Al元素、Si元素の各々の元素を酸化物換算したときの割合が、下記に示す範囲である複合耐火物。
    MgO:40重量%以上70重量%以下
    Al :28重量%以上56重量%以下
    SiO :2重量%以上4重量%以下
  2. 主骨材に含まれるMgOは、粒径が1mm以上5mm以下であり、耐火部に占める割合が30重量%以上70重量%以下である請求項1に記載の複合耐火物。
  3. 副骨材は、AlとMgAlの少なくとも一方を含む請求項1又は2に記載の複合耐火物。
  4. 被覆層が、珪酸カリウムと珪酸ナトリウムの少なくとも一方の珪酸塩を含んでいる請求項1から3のいずれか一項に記載の複合耐火物。
  5. 珪酸塩を構成するアルカリ成分の割合が、珪酸塩を除く耐火部の重量を100重量%としたときに、0.5重量%以上3.0重量%以下である請求項に記載の複合耐火物。
  6. 被覆層の厚さが、1μm以上15μm以下である請求項1から5のいずれか一項に記載の複合耐火物。
  7. 耐火部と断熱部を備え、耐火部において、Mg元素、Al元素、Si元素の各々の元素を酸化物換算したときの割合が、MgO:40重量%以上70重量%以下、Al :28重量%以上56重量%以下、SiO :2重量%以上4重量%以下である複合耐火物の製造方法であって、
    MgOを主成分とする主骨材と、珪酸塩を含む結合材とを混練し、第1混練物を形成する第1混練工程と、
    第1混練物と、主骨材より小サイズであるとともにAl酸化物である副骨材と、粘土とを混練し、第2混練物を形成する第2混練工程と、
    第2混練物を成形型に投入する成形工程と、を備える複合耐火物の製造方法。
  8. さらに、成形工程終了後、100℃以上400℃以下で乾燥する乾燥工程を備える請求項に記載の複合耐火物の製造方法。
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