JP6482772B2 - 競技場 - Google Patents
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Description
特に、通風に関しては、芝に対する二酸化炭素の供給作用に加えて、芝の表面に付着して二酸化炭素の供給の障害となる水膜や水滴等を除去する作用もあり、芝面の全域にわたって通風されることが好ましい。
しかし、芝に対する通風に関しては、アリーナの四隅に形成された通路によれば、風向きによっては風が通路に入らないし、仮に風向きが良好であっても、競技場の角部に当たる風は通路以外に逃げ易いから、風が通路を通してアリーナへ到達し難く、強風時を除けば、アリーナの芝面上において空気が澱み易い。
その結果、アリーナの芝の全域への充分な通風環境が得られない問題点がある。
また、各連通路は、スタンドの下方空間を貫通する状態に設けられているから、連通路のアリーナ側の開口は、アリーナの上面に近接した高さに位置し、アリーナ上への通風を効率よく実施することができる。
以上の結果、従来のように、アリーナの四隅付近に通風が偏るのではなく、アリーナの全域にわたる充分な通風が可能となる通風環境が得られる。
よって、アリーナの天然芝に対する好ましい生育環境を提供することができる。
また、本構成によれば、連通路を介してスタンドの外方とアリーナとを連通させる一連の流路の線形が、同一レベルの極めて単純な形状に構成することができ、通風空気の流下損失を更に小さくできる。従って、周辺の風が微風であっても、効率よくアリーナの通風に反映させることが可能となる。
また、競技場の建設において、アリーナ部分を深く掘り下げる必要がなくなり、地盤掘削工数の減少によって工期短縮やコストダウンを図ることが可能となる。
しかし、本構成によれば、居室ゾーンで隣り合って設けられている居室の間に、前記連通路を配置してあるから、居室ゾーンとしての機能を維持しながら、前記連通路を設けることができる。
その結果、アリーナの辺部に多くの連通路を設けることが可能となり、アリーナを対象としたキメの細かな通風環境を構築することができる。また、連通路そのものを、居室ゾーン内におけるゾーニング手段としても利用することができる。
その結果、空間の有効利用によって、居室ゾーンとしての機能の低下を招かずに、複数の連通路を確保することが可能となる。
よって、周辺の風速が低い場合でも、アリーナの天然芝に対する通風を好ましい状態で実施できるようになる。
尚、当該実施形態で説明するサッカー場Kは、主たる構造に鉄骨構造を採用してあり、その平面形状は、南北方向に細長い略矩形形状である。図1においては、紙面右側が北の方位を示している。
また、アリーナ1は、サッカー場Kの周囲(観客席2Aの外方)Rに略水平状態に広がる地表面Gと略同レベルに形成してある(図2、図3参照)。
即ち、屋根板3Aの前端ラインは、直下の観客席2A(後述)の前端ラインに平面視で略重なるように設定してあり、雨粒が、観客席2Aに垂下するのを防止している。
また、屋根大梁3Bは、スタンド構造部2の柱によって支持されている。
尚、図には示さないが、現実的には、屋根大梁3Bに架設された小梁や桁等を介して屋根板3Aは支持されている。
また、スタンド構造部2は、アリーナ1に面する前端側より後端側ほど高くなる「すり鉢」状に形成された観客席(スタンドに相当)2Aと、その観客席2Aの下方空間に形成されて観客席2Aを下方から支持する複数階層の支持構造部2Bとを備えて構成してある(図2、図3参照)。
当該実施形態のサッカー場Kにおいては、スタンド構造部2の全周の内、西側に配置されているスタンド構造部2がメインスタンド構造部S1として構成され(図2参照)、北側、東側、南側にそれぞれ配置されているスタンド構造部2は、一般スタンド構造部S2として構成されている(図3参照)。
支持構造部2Bには、例えば、駐車場5や、クラブハウス、更衣室、事務室、会議室、倉庫、レストラン、売店、便所等の居室6や、サッカー場Kの周囲Rとアリーナ1とを通風可能な状態に連通させる連通路7や、図には示さないが、階段室や、エレベータ等が設けてある。
メインスタンド構造部S1に形成されている第一連通路7Aは、隣り合う居室6の間に配置され、サッカー場Kの周囲Rとアリーナ1とにわたって居室ゾーンを貫通する状態に設けられている。
よって、第一連通路7Aを通したアリーナ1への通風において、空気抵抗をより少なくでき、効率良く通風を図ることができる。尚、この第一連通路7Aは、アリーナ1に対する通風を叶える手段以外にも使用され、例えば、一般の通路としても利用できるように構成されている。図2中の記号Wは、第一連通路7Aの側壁を示しており、第一連通路7Aのアリーナ1側の端部は、上方が解放された構造に形成してある。この解放部分においては、側壁Wの上縁部は、観客席2A側の手摺壁に相当するもので、例えば、上縁部に手摺を設けてあってもよい。
一般スタンド構造部S2に形成されている第二連通路7Bは、図3に示すように、観客席2Aの最前列のスラブと、その下方に位置するアリーナ1とにわたって設けられた垂れ壁8の部分に、通風可能な状態に形成した開口部9を備えて構成してある。
従って、サッカー場Kの周囲Rとアリーナ1とは、駐車場5と開口部9を通して通風可能な状態に連通されている。
この開口部9は、アリーナ1の北側の辺部1a、東側の辺部1b、南側の辺部1cそれぞれの長手方向に間隔をあけた複数個所に形成してある(図1参照)。
従って、アリーナ1の全域に植栽されている天然芝の光合成を促進できる好ましい生育環境を整備することができる。
更には、周囲Rの地表面Gに合わせた構造を採用したことで、複雑な根切り工事を実施せずに、短時間に且つ経済的に建設を進めることができるようになった。
尚、試合運営エリアA1の内、一部、第一連通路7Aと重複する部分A1aに関しては、選手のウォームアップに使用できる空間として構成してあり、第一連通路7Aの通風を許容できるように構成してある。
また、周回路のアリーナ1側の内周部には、車椅子に乗車したまま観戦ができる車椅子席A6aが多数設けられており、サッカー場Kに入場してからの車椅子の移動を最小限にできるように考慮されている。
以下に他の実施の形態を説明する。
従って、競技場K全体としても、平面形状が矩形形状に限るものではなく、正方形形状や、4角形以外の多角形形状であったり、円弧を組み合わせた形状であってもよい。
また、連通路7とアリーナ1とスタンド2Aの外方の地表面Gとが同じレベルに形成してあることに限らず、それら三つの内の何れか二つが同じレベルであったり、それぞれが異なったレベルとして形成してあってもよい。
また、連通路7は、略水平状態に形成してあることに限らず、傾斜状態に形成してあってもよい。
例えば、図7に示すように、地表面Gとそれより低いアリーナ1とにわたって下り勾配の連通路7が設けてあったり、図8に示すように、地表面Gとそれより高いアリーナ1とにわたって上り勾配の連通路7が設けてあってもよい。
2A 観客席(スタンドに相当)
6 居室
7 連通路
7A 第一連通路
7B 第二連通路
G 地表面
Claims (4)
- アリーナと、
前記アリーナの周部に配置し、前記周部の一辺にメインスタンドを有するスタンドとを備えた競技場であって、
平面視において、前記スタンドの外方と前記アリーナとを通風可能な状態に連通させる複数の連通路を、前記スタンドの下方空間を貫通する状態で、前記アリーナの各辺部に設けてあり、
前記アリーナと、前記スタンドの外方の地表面と、前記連通路とは、同じレベルに形成してあり、
前記複数の連通路として、前記メインスタンドの位置する側の前記スタンドのうち前記アリーナの位置する側の端部を上方が解放された構造に形成された複数の第一連通路と、前記メインスタンドの位置する側以外の前記スタンドのうち最前端の下方に設けられた垂れ壁に備えられた開口を介した複数の第二連通路と、が備えられ、かつ、前記複数の第一連通路と複数の第二連通路とによって、前記スタンドの外方と前記アリーナとが連通され、
前記複数の第二連通路のうち、前記メインスタンドと対向する側の前記スタンドに設けられている前記第二連通路は、前記第一連通路よりも多く備えられている競技場。 - 前記スタンドの下方空間には、前記アリーナの辺部に沿って複数の居室が連設された居室ゾーンが形成してあり、
前記居室ゾーンには、隣り合う前記居室の間に前記連通路が配置してある請求項1に記載の競技場。 - 前記居室ゾーンは、複数の居室を上下に配置してある請求項2に記載の競技場。
- 前記連通路は、前記アリーナと同じレベルで接続してある請求項1〜3の何れか一項に記載の競技場。
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JP2014090113A JP6482772B2 (ja) | 2014-04-24 | 2014-04-24 | 競技場 |
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JP2014090113A JP6482772B2 (ja) | 2014-04-24 | 2014-04-24 | 競技場 |
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Family Applications (1)
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- 2014-04-24 JP JP2014090113A patent/JP6482772B2/ja active Active
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