JP6482241B2 - 移動式電源システム - Google Patents
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Description
この特許文献1に開示された構成においては、シャシー上に設けられたサブプレートに、発電機と、発電機を覆う防音カバーとが着脱自在に設けられている。発電機をメンテナンスする際には、防音カバーをつり上げてサブプレートから取り外し、発電機の保守点検を行う。また、発電機自体をオーバーホールする際には、発電機をサブプレートから取り外してオーバーホール作業行う。
より出力の大きな発電機を備えた移動用電源車を実現しようとすると、発電機や制御盤のサイズ及び重量が大きくなるのにともない、発電機や制御盤を搭載する車両も大型化する必要がある。すると、車両自体も重量が増大する。その結果、重量物である発電機や制御盤を搭載する車両において、安定性の確保が困難となる。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、大きな出力を有した発電機を備えるとともに、安定性に優れた移動式電源システムを提供することを目的とする。
この発明の第一態様によれば、移動式電源システムは、トラクターにより牽引されるトレーラと、前記トレーラの後部に配置され、箱状のコンテナと、前記コンテナ内に収容されたエンジンと、前記エンジンと共に前記コンテナ内に収容されて前記エンジンにより駆動される発電機と、を有した発電ユニットと、前記トレーラの前部に配置され、前記エンジン及び前記発電機を制御する制御盤と、を備え、前記トレーラ上において、前記発電ユニットと前記制御盤との間に空所が形成され、前記発電ユニットは、前記エンジンの冷却液を冷却するラジエタと、前記コンテナの後部領域の上面に設けられた排気ファンと、をさらに備え、前記ラジエタは、前記コンテナの後端部に配置され、前記コンテナの後部の開口を塞ぐように設けられている。
また、エンジンと制御盤との間に空所を形成することで、トレーラ上で、この空所から発電ユニットや制御盤のメンテナンス等を容易に行うことができる。
さらに、ラジエタの周囲が制御盤等によって遮られるのを抑え、ラジエタにおける冷却効率を容易に確保することができる。
このように構成することで、発電ユニットを、トレーラの後部に設けられた車軸および車輪により安定して支持することができる。また、制御盤は、接続部を介し、その下方に接続されるトラクターにより、安定して支持することができる。
このように構成することで、トレーラ上に搭載した発電ユニットの高さを抑えることが可能となる。これにより、道路交通のための法規の範囲内で、最大限に大きな発電ユニットを搭載することが可能となる。
このように構成することで、トレーラの前部には、制御盤と燃料タンクとが配置される。これにより、トレーラの前部に配置された制御盤及び燃料タンクと、トレーラの後部に配置された発電ユニットとで、トレーラの前後のバランスを良好なものとすることができる。
このように構成することで、トレーラの前部には、制御盤と燃料タンクとが配置される。これにより、トレーラの前部に配置された制御盤及び燃料タンクと、トレーラの後部に配置された発電ユニットとで、トレーラの前後のバランスを良好なものとすることができる。さらに、制御盤と燃料タンクとの荷重を、接続部を介し、その下方に接続されるトラクターにより、安定して支持することができる。
このように構成することで、発電ユニットの稼働時には、マフラーを装着することで、エンジンからの排気音を消音することができる。また、トレーラをトラクターで牽引して移動するときには、マフラーを取り外す。これにより、道路交通のための法規の範囲内で、最大限に大きな発電ユニットを搭載することが可能となる。
このように構成することで、発電機と制御盤とを配線により接続する際に、空所側から作業を容易に行うことができる。
このように構成することで、発電ユニットの稼働時には、ルーバーを通して発電ユニット内に外気を導入することができる。これにより、エンジンへの空気供給効率、およびエンジン、発電機ならびにラジエタの冷却効率を高めることができる。
このように構成することで、コンテナの前部の扉またはシャッターは、発電ユニットと制御盤との間に形成された空所において、容易に開くことができる。これにより、開いた扉またはシャッターからコンテナ内に容易にアクセスすることができる。
図1は、この発明の一実施形態における移動式電源システムの構成を示す側面図である。図2は、上記移動式電源システムの構成を示す平面図である。図3は、上記移動式電源システムを構成する発電ユニットを後方から見た図である。
図1、図2に示すように、この実施形態の移動式電源システム10は、発電ユニット20と、制御盤30と、燃料タンク40と、潤滑油タンク50と、マフラー60と、を備える。
シャシー13は、高床部(接続部)13aと、低床部(床部)13bを備える。高床部13aは、シャシー13の前部に形成されている。高床部13aは、トラクター12のフレーム12f上に支持される。高床部13aの後端部には、下方に向かって延びる垂下部13cが一体に形成されている。
図1に示すように、この実施形態における車輪部14の車軸14sは、シャシー13の後部に、前後方向に間隔をあけて3組設けられている。ここで、車輪部14の車軸14sの数は、1以上であればよく、その数を限定するものではない。
図4〜図6に示すように、発電ユニット20は、コンテナ21と、エンジン70と、発電機80と、を備える。
図1に示すように、コンテナ21は、トレーラ11の低床部13b上に搭載される。コンテナ21は、その一部が、シャシー13の後部に設けられた複数の車軸14s,14s,14sの鉛直上方に配置されている。
このコンテナ21は、低床部13bに対し、ツイストロック等の締結部材によって、着脱可能に固定される。
排気ノズル63は、他方のマフラーチャンバ61から上方に向けての延びるよう設けられている。
ラジエタ72は、コンテナ21の上面21uに設けられた排気ファン27を作動させると、コンテナ21内で、コンテナ21の後部21rの開口から排気ファン27に向かう流れが生じる。この空気の流れがラジエタ72を通過することで、ラジエタ72内を通る冷却液との熱交換がなされ、冷却液が冷却される。
制御盤30は、トレーラ11をトラクター12に連結した状態で、トラクター12のフレーム12fの後部に設けられた車輪12rの上方に配置されている。制御盤30は、配線31を介し、コンテナ21内のエンジン70や発電機80に接続されている。
潤滑油タンク50は、トレーラ11の低床部13bの最前部、すなわち垂下部13cに近接した位置に、燃料タンク40に隣接して設けられている。潤滑油タンク50は、潤滑油供給配管51を介し、エンジン70の下部に設けられたオイルパン(図示無し)に潤滑油を供給する。
第二接続部33k,21kは、配線31、燃料配管41、および、潤滑油供給配管51を手作業でつなぎ込むようにしてもよい。
また、第二接続部33k,21kは、制御盤30、コンテナ21内に設けても良い。この場合、制御盤30、コンテナ21の壁部33x、21xに開口部(図示無し)を形成しておく。このような構成においては、配線31、燃料配管41、および、潤滑油供給配管51のそれぞれの先端部を、開口部を通して、制御盤30、コンテナ21内に引き込み、制御盤30、コンテナ21内で第二接続部33k,21kに接続する。また、このような構成においては、不使用時に開口部(図示無し)を閉塞可能な蓋体(図示無し)を備えても良い。
この図7に示すように、発電ユニット20は、第一接続部21jと、第二接続部21kとを選択的に切り換えるスイッチ21m、三方弁21n等の切換機構(図示無し)を備える。これにより、発電ユニット20は、コンテナ21の底壁部21zにおいて第一接続部21jを介して配線31、燃料配管41、および、潤滑油供給配管51が接続される状態と、コンテナ21の底壁部21zよりも上方の壁部21xにおいて第二接続部21kで配線31、燃料配管41、および、潤滑油供給配管51が接続される状態と、を切り替え可能とされている。
この図8に示すように、トレーラ11から、移動式電源システム10を構成する制御盤30、燃料タンク40、潤滑油タンク50、発電ユニット20を降ろし、任意の場所に設置(陸置き)することもできる。
この場合、トレーラ11のシャシー13に固定された配線31、燃料配管41、および、潤滑油供給配管51は、制御盤30、燃料タンク40、潤滑油タンク50、および、コンテナ21から取り外す。
次いで、任意の場所に設置した制御盤30の第二接続部33k、燃料タンク40、潤滑油タンク50、および、発電ユニット20の第二接続部21kに、別途用意した配線(他の配線)31B、燃料配管(他の配管)41B、潤滑油供給配管(他の配管)51Bを接続する。
この図9に示すように、接地面に、ピットP等が形成されている場合には、別途用意した配線31B、燃料配管41B、および、潤滑油供給配管51BをピットP内に通し、制御盤30、燃料タンク40、潤滑油タンク50、および、発電ユニット20に対して、下方から接続することもできる。
ここで、上記実施形態では、燃料タンク40、潤滑油タンク50を、トレーラ11の低床部13bの前部に配置するようにしたが、これに限るものではない。
図10は、上記移動式電源システムの変形例の構成を示す側面図である。
この図10に示すように、この実施形態の変形例において、燃料タンク40、潤滑油タンク50は、トレーラ11の高床部13aにおいて、制御盤30の後方に配置している。これにより、トラクター12のフレーム12fの後部に設けられた車輪12rには、制御盤30に加えて、燃料タンク40、潤滑油タンク50の荷重が作用する。これにともなって、トラクター12は、車輪12rを前後に複数組備えるようにした。
なお、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、トレーラ11は、高床部13aと低床部13bとを備えるようにしたが、トレーラ11のシャシー13上面が、段違いではなく、同一の高さを有しているようにしてもよい。
11 トレーラ
12 トラクター
12c キャブ
12f フレーム
12k カプラ
12r 車輪
13 シャシー
13a 高床部(接続部)
13b 低床部(床部)
13c 垂下部
14 車輪部
14s 車軸
15 連結ピン
16 ランディングギヤ
20 発電ユニット
21 コンテナ
21f 前部
21m スイッチ
21n 三方弁
21r 後部
21s 側面
21u 上面
21x 壁部
21z 底壁部
23 支柱
24 前方扉
25 後方扉
24r,25r ルーバー
26 側部扉
27 排気ファン
28 吸気口
29 排気口
30 制御盤
31 配線
31B 配線
33 筐体
33k 第二接続部
33x 壁部
33z 底壁部
40 燃料タンク
41 燃料配管
41B 燃料配管
50 潤滑油タンク
51 潤滑油供給配管
51B 潤滑油供給配管
60 マフラー
61 マフラーチャンバ
61a 脚部
62 排気取込部
63 排気ノズル
64 接続部
70 エンジン
71 排気ダクト
72 ラジエタ
80 発電機
P ピット
S1 空所
Claims (9)
- トラクターにより牽引されるトレーラと、
前記トレーラの後部に配置され、箱状のコンテナと、前記コンテナ内に収容されたエンジンと、前記エンジンと共に前記コンテナ内に収容されて前記エンジンにより駆動される発電機と、を有した発電ユニットと、
前記トレーラの前部に配置され、前記エンジン及び前記発電機を制御する制御盤と、を備え、
前記トレーラ上において、前記発電ユニットと前記制御盤との間に空所が形成され、
前記発電ユニットは、
前記エンジンの冷却液を冷却するラジエタと、前記コンテナの後部領域の上面に設けられた排気ファンと、をさらに備え、
前記ラジエタは、前記コンテナの後端部に配置され、前記コンテナの後部の開口を塞ぐように設けられている移動式電源システム。 - 前記トレーラは、
前記トラクターに接続される接続部と、
前記接続部の後方に設けられた床部と、
前記床部の後部を下方から支持する車輪部と、を備え、
前記発電ユニットは、少なくともその一部が前記車輪部の鉛直上方に位置するよう配置され、
前記制御盤は、前記接続部上に配置されている請求項1に記載の移動式電源システム。 - 前記床部は、その上面が前記接続部よりも低く形成されている請求項2に記載の移動式電源システム。
- 前記エンジンに燃料を供給する燃料タンクをさらに備え、
前記燃料タンクは、前記床部上において、前記制御盤と前記発電ユニットとの間に配置されている請求項2又は3に記載の移動式電源システム。 - 前記エンジンに燃料を供給する燃料タンクをさらに備え、
前記燃料タンクは、前記接続部上に配置されている請求項2又は3に記載の移動式電源システム。 - 前記エンジンからの排気音を消音するマフラーをさらに備え、
前記マフラーは、前記発電ユニットに対して着脱可能とされている請求項1から5の何れか一項に記載の移動式電源システム。 - 前記発電機は、前記コンテナ内で前記エンジンよりも前方に配置されている請求項1から6の何れか一項に記載の移動式電源システム。
- 前記コンテナの前部と後部とに、それぞれ前記コンテナの内部と外部とを連通するルーバーが設けられている請求項1から7の何れか一項に記載の移動式電源システム。
- 前記コンテナの前部と後部とに、それぞれ開閉自在な扉またはシャッターが設けられている請求項1から8の何れか一項に記載の移動式電源システム。
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