JP6481967B2 - 制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は制御装置に関し、詳しくは、内燃機関の排気ガス中の粒子状物質を捕集して、捕集した粒子状物質の量に応じた値を出力するセンサの粒子状物質の捕集開始を制御する制御装置に関する。
従来、内燃機関から排出される排気ガス中の粒子状物質(パティキュレートマター、PM)を捕集するフィルタの故障検出装置の提案がある(例えば特許文献1参照)。特許文献1の故障検出装置では、排気ガス中の粒子状物質の量に応じた出力を発生する電気抵抗式のセンサを利用して、フィルタの故障検出を行っている。電気抵抗式のセンサは、対向する複数の電極を表面に有した絶縁体の素子を有し、それら電極間に電圧が印加されることにより排気ガス中の粒子状物質を素子に捕集させる静電捕集を実施する。粒子状物質は主に導電性を有するSoot(煤)から構成されているので、素子に一定量以上の粒子状物質が捕集されると電極間が導通して、素子に捕集された粒子状物質の量に応じた電流が流れる。センサは、その電流又はそれに相関した値を出力する。
特許文献1では、内燃機関の運転状態に基づいて、故障判定の基準となるフィルタを使用した場合におけるセンサ(素子)に捕集される各時点の粒子状物質量を推定し、推定した各時点の粒子状物質量の積算を行う。その積算値が所定値に達した時期より前にセンサ出力が立ち上がった場合にフィルタ故障と判定している。
特開2015−81561号公報
ところで、この種のセンサでは、素子を加熱する加熱部を有して、その加熱部により素子に捕集された粒子状物質を燃焼除去するセンサ再生が行われる。そのセンサ再生後に静電捕集及び、排気管を流れる粒子状物質量又は素子に捕集される粒子状物質量の積算を開始している。しかし、その開始タイミングによっては、素子に捕集された実際の粒子状物質量の積算値(実際値)と、静電捕集の開始と同時に素子への捕集が開始したと想定したときにおける素子に捕集された粒子状物質量の積算値(想定値)との間に誤差が生じる。具体的には、素子近傍には、素子近傍の排気ガスの温度勾配に応じた熱泳動力が作用している。その温度勾配として素子側が高温、素子近傍の排気ガス側が低温の場合には、粒子状物質を素子から遠ざける方向に熱泳動力が作用する。その熱泳動力が大きい時に静電捕集を開始すると、熱泳動力により静電捕集の開始からしばらくの間は素子への捕集が行われず、結果、上記実際値は上記想定値よりも少なくなってしまう。
また、センサの構造によっては、静電捕集を実施していない時にも、排気ガスの流れに乗って移動する粒子状物質の慣性により粒子状物質が素子に捕集されることがある(以下、この捕集を慣性捕集という)。そのため、開始タイミングによっては、静電捕集を開始した時には慣性捕集により素子への粒子状物質の捕集が既に始まっており、その結果、上記実際値が上記想定値よりも多くなってしまう。特許文献1の手法によるフィルタの故障判定では、静電捕集の開始と同時に素子への粒子状物質の捕集が開始されることを想定しているので、実際値と想定値との間に誤差が生じると、フィルタの故障判定の精度が低下してしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、センサ再生後において素子に捕集された実際の粒子状物質量の積算値(実際値)と、静電捕集の開始と同時に素子への捕集が開始したと想定したときにおける素子に捕集された粒子状物質の積算値(想定値)との間の誤差を小さくできる制御装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、第1の発明は、内燃機関(2)の排気管(3)に設けられ、対向する複数の電極(59)が表面に配置された絶縁体の素子(57)と前記素子を加熱する加熱部(65)とを有し、前記電極間に電圧が印加されることにより前記排気管を流れる排気ガス中の粒子状物質を前記素子に捕集させる静電捕集を実施して、前記素子に捕集された粒子状物質の量に応じて前記電極間を流れる電流又はそれに相関する値を出力するセンサ(5)の、前記静電捕集の実施を制御する捕集制御部(1、7)と、
前記素子の温度を取得する素子温取得部(73、S14、1)と、
前記素子の近傍に作用する熱泳動力により前記素子への粒子状物質の捕集が不能となる前記素子の温度の下限である熱泳動力限界温度を取得する限界温度取得部(S13、S21、1)とを備え、
前記捕集制御部(S14〜S16、S22、S24)は、前記加熱部により前記素子に捕集された粒子状物質を燃焼除去するセンサ再生の実施後、前記素子の温度が前記熱泳動力限界温度を下回った時に前記静電捕集を開始する制御装置(1、7)である。
素子の温度が高いときには低いときに比べて熱泳動力により素子への粒子状物質の捕集が抑制され、静電捕集を実施しても素子への粒子状物質の捕集が不能となる素子温度が存在する。本発明は、熱泳動力により素子への粒子状物質の捕集が不能となる素子温度の下限(熱泳動力限界温度)を取得する。そして、センサ再生後に、素子温度が熱泳動力限界温度を下回った時に静電捕集を開始する。これにより、熱泳動力限界温度からかけ離れたタイミングで静電捕集を開始するのを抑制できるので、熱泳動力の影響で静電捕集を開始したにもかかわらず素子への粒子状物質の捕集ができないという状況を抑制できる。また、慣性捕集の影響で、静電捕集の開始時には既に捕集が始まっている状況を抑制できる。よって、上記実際値と上記想定値との間の誤差を小さくできる。
第2の発明は、内燃機関(2)の排気管(3)に設けられ、対向する複数の電極(59)が表面に配置された絶縁体の素子(57)と前記素子を加熱する加熱部(65)とを有し、前記電極間に電圧が印加されることにより前記排気管を流れる排気ガス中の粒子状物質を前記素子に捕集させる静電捕集を実施して、前記素子に捕集された粒子状物質の量に応じて前記電極間を流れる電流又はそれに相関する値を出力するセンサ(5)の、前記静電捕集の実施を制御する捕集制御部(1、7)と、
前記素子の温度を取得する素子温取得部(73、S141、1)とを備え、
前記捕集制御部(S141〜S16)は、前記素子の近傍に作用する熱泳動力により前記素子への粒子状物質の捕集が不能となる前記素子の温度の下限を熱泳動力限界温度として、前記加熱部により前記素子に捕集された粒子状物質を燃焼除去するセンサ再生の実施後、前記素子の温度が、前記熱泳動力限界温度として取り得る範囲の中から予め定められた固定温度を下回った時に前記静電捕集を開始する制御装置(1、7)である。
第2の発明によれば、センサ再生後に、素子温度が、熱泳動力限界温度として取り得る範囲の中から予め定められた固定温度を下回った時に静電捕集を開始する。この固定温度は、取り得る熱泳動力限界温度の範囲に含まれる温度であるので、この範囲外の素子温度で静電捕集を開始してしまうのを抑制できる。これにより、上記実際値と上記想定値との間の誤差を小さくできる。また、固定温度を用いることで処理を簡素化できる。
排気浄化システムの構成図である。 PMセンサの先端側の断面図である。 PMセンサの素子構造と、SCUの内部構成とを示した図である。 PMセンサの素子及び櫛歯電極の断面図を示し、櫛歯電極間に電圧を印加した状態を示した図である。 PMセンサの素子及び櫛歯電極の断面図を示し、素子に捕集されたPMにより櫛歯電極間が導通した状態を示した図である。 DPFの故障判定方法を説明する図であり、(a)DPF下流のPM量積算値と(b)PMセンサの出力とのタイムチャートを示した図である。 PMセンサの素子近傍に斥力の熱泳動力が作用している様子を示した図である。 PMセンサの素子近傍に引力の熱泳動力が作用している様子を示した図である。 PMセンサのカバー内の排気ガス温度と素子温度との差と、PMセンサの出力が立ち上がるまでの期間に排気管内を流れるPM量積算値との関係を示した図である。 素子近傍の排気ガス温度と熱泳動力限界温度との関係を示した図である。 センサ再生後に、素子温度が熱泳動力限界温度より高い温度の時に、静電捕集及びPM量積算を開始した場合における各パラメータのタイムチャートである。 静電捕集のみでPM捕集を行う形式のPMセンサにおける素子に対する排気ガスの流れを示した図である。 センサ再生後に、素子温度が熱泳動力限界温度より十分に低い温度の時に、静電捕集及びPM量積算を開始した場合における各パラメータのタイムチャートである。 静電捕集及び慣性捕集の両方によりPM捕集を行う形式のPMセンサにおける素子に対する排気ガスの流れを示した図である。 第1、第2実施形態におけるセンサ再生後の静電捕集及びPM量積算の開始を制御する処理のフローチャートである。 第1実施形態におけるセンサ再生後の静電捕集及びPM量積算の開始タイミングを説明するタイムチャートである。 第1実施形態における排気ガス温度と静電捕集開始の閾値となる素子温度(捕集開始温度)との関係を示した図である。 第2実施形態における捕集開始温度の算出処理を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるセンサ再生後の静電捕集及びPM量積算の開始タイミングを説明するタイムチャートである。 第2実施形態における排気ガス温度と静電捕集開始の閾値となる素子温度(捕集開始温度)との関係を示した図である。 第3実施形態におけるセンサ再生後の静電捕集及びPM量積算の開始を制御する処理のフローチャートである。 第3実施形態における排気ガス温度と静電捕集開始の閾値となる素子温度(捕集開始温度)との関係を示した図である。 第3実施形態におけるセンサ再生後の静電捕集及びPM量積算の開始タイミングを説明するタイムチャートである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明が適用された排気浄化システムの構成図である。図1の排気浄化システムは車両に搭載されて、車両のエンジン2から排出された排気ガス中のPM(粒子状物質)を除去するシステムである。エンジン2は、例えば、筒内に燃料を噴射するインジェクタを備えて、そのインジェクタから噴射された燃料が筒内で自己着火することで、車両を駆動するための動力を生み出すディーゼルエンジンである。
エンジン2の排気管3には、フィルタに相当するディーゼルパティキュレートフィルタ4(以下DPFという)が設置されている。DPF4は公知の構造のセラミック製フィルタであり、例えば、コーディエライト等の耐熱性セラミックスをハニカム構造に成形して、ガス流路となる多数のセルを入口側または出口側が互い違いとなるように目封じして構成される。エンジン2から排出された排気ガスは、DPF4の多孔性の隔壁を通過しながら下流へ流れ、その間に排気ガスに含まれるPMが捕集されて次第に堆積する。
排気管3のDPF4よりも下流には、排気ガス中のPM量を検出するセンサとしての電気抵抗式のPMセンサ5が設けられている。ここで、図2は、PMセンサ5の先端側の断面図を示している。PMセンサ5は、先端側の一部(図2の部分)が排気管3内に露出する形に設けられる。PMセンサ5は、第1のカバー51と、第1のカバー51の内側に設けられた第2のカバー53と、第2のカバー53の内側に設けられた素子57とを備えている。このように、PMセンサ5は、2重のカバー51、53により素子57を収容した構造に構成されている。
第1のカバー51は、先端面を有した円筒形状に形成されている。第1のカバー51の側面には円周方向に、排気ガスをカバー51内に導入するための多数の導入孔52が形成されている。第1のカバー51の先端面にはガス排出孔56が形成されている。
第2のカバー53は、第1のカバー51よりも小径の、先端面を有した円筒形状に形成されている。第2のカバー53は、第1のカバー51の内側において第1のカバー51と同軸に配置される。第2のカバー53の側面には、第1のカバー51の導入孔52の軸方向位置と異なる軸方向位置において、円周方向に、排気ガスを第2のカバー53内に導入するための多数の導入孔54が形成されている。本実施形態では、導入孔54は、導入孔52よりも軸方向の基端側の位置に形成されている。これによれば、導入孔52から第1のカバー51内に導入された排気ガスは、一旦、軸方向の基端側に進行方向を変えた後、導入孔54から第2のカバー53内に導入される。これにより、第2のカバー53内に水分が入ってしまうのを抑制でき、つまり素子57への被水を抑制できる。
また、導入孔54は、素子57に形成された櫛歯電極59に垂直にガスを当てるよう櫛歯電極59と同じ軸方向位置に形成されている。なお、櫛歯電極59と異なる軸方向位置にガス導入部を設けて、そのガス導入部を例えばルーバーのように櫛歯電極59の方に排気ガスが流れるよう排気ガスを案内する形態に構成することで、斜めの方向から排気ガスを櫛歯電極59に当てるようにしても良い。また、第2のカバー53の先端面にはガス排出孔55が形成されている。ガス排出孔55、56は同軸上に形成されている。第2のカバー53内に導入されたガスは、ガス排出孔55、56を介して、カバー51、53外に排出される。
素子57は、平板状に形成されて、第2のカバー53内においてカバー53の中心軸線に略一致した位置で、素子57の板面がカバー53の側面側に向くように、配置されている。素子57は、セラミックス等の絶縁体により形成された絶縁基板が複数積層された構造を有する。詳しくは、素子57は、図3に示すように、第1の絶縁基板58と、第2の絶縁基板64とを有する。第1の絶縁基板58の一方の表面には白金等により櫛歯電極59が形成されている。櫛歯電極59は、櫛歯状となるよう間隔を空けて並置された複数の電極60、61から構成される。各電極60、61は、電極リード部62、63により後述の検出回路71に設けられた直流電圧部の正極側、負極側のどちらかに接続されている。そして、電極リード部62により正極側に接続された電極60と、電極リード部63により負極側に接続された電極61とが互い違い(交互)となるよう配置される。つまり、正極側の電極60と負極側の電極61とが互いに向き合うように配置される。また、電極60、61の間隔は、どの位置においても同じ間隔となっている。
第2の絶縁基板64は、第1の絶縁基板58の櫛歯電極59が形成されていない面側に積層されている。第2の絶縁基板64の表面又は内部には、櫛歯電極59間に捕集(付着)されたPMを燃焼除去するなどの目的で第1の絶縁基板58を加熱する加熱部としてのヒータ65が設けられている。ヒータ65は、例えば白金(Pt)等の電熱線から構成されている。ヒータ65は、ヒータリード部66によりSCU7内に設けられたヒータ電源72に接続されており、そのヒータ電源72からの電力供給により発熱する。
PMセンサ5によるPMの検出原理を説明する。PMを検出する際には、図4に示すように、櫛歯電極59間に予め定められた直流電圧(例えば35Vの直流電圧)を印加させる。直流電圧の印加により、櫛歯電極59間に電界が発生し、その電界により櫛歯電極59近傍を浮遊するPMを引き寄せて素子57(厳密には第1の絶縁基板58の電極59が形成された面)に捕集(付着)させる。以下では、櫛歯電極59間に電圧を印加することによる素子57へのPM捕集を静電捕集という。なお、PMセンサ5は、櫛歯電極59に垂直にガスを当てるよう構成されているので、第2のカバー53内に導入されたガスの流れに乗って移動するPMの慣性により、素子57にPMを捕集しやすくしている。つまり、PMセンサ5においては、静電捕集及び慣性捕集により素子57にPMを捕集している。
PMセンサ5は、素子57に捕集されたPMによって櫛歯電極59間の抵抗が変化することを利用して、素子57に捕集されたPM量に応じた出力を発生する。つまり、PMセンサ5は、電極59間の抵抗値に応じた値をPM量として出力する。詳細には、素子57へのPM捕集量が少ないうちはセンサ出力は発生しない(厳密には、センサ出力が立ち上がったとみなせる閾値出力よりも小さい出力しか発生しない)。PMに含まれるSoot成分はカーボン粒子から構成されており導電性を有するので、図5に示すように、PM捕集量が一定以上の量になった時に電極59間が導通して、センサ出力が立ち上がる(閾値出力以上の出力が発生する)。センサ出力の立ち上がり後は、PM捕集量が多くなるほど電極59間の抵抗が小さくなるので、電極59間に流れる電流、つまりセンサ出力が大きくなっていく。
このように、PMセンサ5は、電極59間に電圧を印加した時に電極59間を流れる電流又はそれに相関する値(抵抗値、電圧値)を出力する。PMセンサ5の出力値は、素子57に捕集されたPM量に相関し、ひいてはDPF4下流を流れる排気ガス中のPM量に相関する。
図1に示すように、PMセンサ5はSCU(Sensor Control Unit)7に接続されている。SCU7は、図3に示すように検出回路71とヒータ電源72とを備えている。検出回路71は、電極59間に直流電圧を印加する直流電圧部と、直流電圧の印加時に電極59間を流れる電流又はそれに相関する値を検出する検出部とを有する。
ヒータ電源72は、ヒータリード部66を介してヒータ65への通電を行う部分である。ヒータ電源72は、ヒータ65を作動させる際には、ヒータ65への通電量や通電時間を調整する。また、ヒータ電源72には、ヒータ65の温度すなわち素子57の温度を検出する温度検出部73が備えられている。温度検出部73による温度検出原理に関し、ヒータ65の温度(素子57の温度)が高いほどヒータ65を構成する電熱線の抵抗(ヒータ抵抗)が大きくなり、ヒータ65に供給された通電信号に対してヒータ65にはヒータ抵抗に応じた電流が流れる。温度検出部73は、例えば、ヒータ抵抗に応じた電流を検出するためのシャント抵抗を備えて、そのシャント抵抗の両端電圧を、素子57の温度に相関する値として検出する回路に構成される。SCU7のメモリには、温度検出部73の検出値(シャント抵抗に基づく電圧値)と、素子57の温度との関係データが記憶されている。SCU7は、温度検出部73の検出値とこの関係データとに基づいて、素子57の温度が目標温度となるように、ヒータ電源72にヒータ65への通電を行わせる。例えば、PMセンサ5の再生においては、素子57の温度が、PMを構成する各成分(Soot、SOF等)の全てを燃焼除去できる温度、具体的には例えば600℃以上の温度(例えば800℃)となるように、ヒータ65の通電が制御される。
SCU7は、後述のECU1にCAN(Controller Area Network)等の通信線で接続されており、双方向に通信が可能となっている。
排気浄化システムには、PMセンサ5の他に、エンジン2の運転や排気ガスの浄化に必要な各種センサが設けられている。具体的には、例えば排気ガスの温度を検出する排気温センサ81、エンジン2の回転数を検出する回転数センサ82、車両の運転者の要求トルクを車両側に知らせるためのアクセルペダルの操作量(踏み込み量)を検出するアクセルペダルセンサ83などが設けられている。排気温センサ81は、例えば排気管3のDPF4とPMセンサ5の間の位置に設けられている。各センサ81〜83の検出値はECU1に入力されるようになっている。
排気浄化システムは、排気浄化システムの全体制御を司るECU(Electronic Control Unit)1を備えている。そのECU1は、通常のコンピュータの構造を有するものとし、各種演算を行うCPU(図示外)や各種情報の記憶を行うROM、RAM等のメモリ11を備えている。ECU1は、SCU7からPMセンサ5の出力値を取得して、その出力値に基づいてDPF4の故障判定を行う故障判定処理を実行する。この故障判定処理は、例えば、エンジン2の始動後、PMセンサ5(特に素子57)が被水しない程度に排気管3内が乾燥したか否かの乾燥判定が成立した後、ヒータ65を通電して素子57に捕集されたPMを燃焼除去するセンサ再生を実施した後に、実行される。なお、乾燥判定においては、例えば排気温センサ81が検出する排気ガスの温度が、結露水が蒸発により消失する所定温度(例えば100℃)以上か否かを判定する。
故障判定処理においては、ECU1は、先ず、SCU7に指令をして、櫛歯電極59間に電圧を印加させて静電捕集を開始させる。これと同時に、DPF4が故障判定の基準となるDPF(以下基準故障DPFという)の場合におけるDPF4を通過する各時点のPM量を推定し、推定した各時点のPM量の積算(図6(a)参照)を開始する。ここで、基準故障DPFとは、故障によりDPFの捕集率が著しく低下し、DPFを通過するPM量が自己故障診断(OBD:On−board−diagnostics)の規制値相当の量であるDPFを言う。
PM量の積算値の推定方法は、具体的には、エンジン2の回転数や負荷(燃料噴射量)等のエンジン2の運転状態に基づいてエンジン2から排出される各時点でのPM量、言い換えると、基準故障DPFに流入する各時点でのPM量(流入PM量)を推定する。例えば、エンジン2の運転状態(回転数、負荷等)に対する単位時間当たりの流入PM量のマップをメモリ11に予め記憶しておく。そして、そのマップから、今回のエンジン2の運転状態に対応する流入PM量を読み出せばよい。エンジン回転数は、回転数センサ82により検出できる。エンジン負荷は、エンジン回転数及びアクセルペダルセンサ83の検出値に基づいてECU1が設定した燃料噴射量の指令値とすれば良い。
また、基準故障DPFのPM捕集率を推定する。具体的には例えば、基準故障DPFのPM捕集率として予め定められた値αを用いる。また、DPFのPM捕集率は、DPF内に堆積されているPM量(PM堆積量)や排気流量によっても変わってくるので、それらPM堆積量、排気流量に応じて上記PM捕集率αを補正しても良い。なお、PM堆積量は、例えば、DPF4の前後差圧に基づいて推定すれば良い。また、排気流量は、例えば、エアフロメータで検出される吸入空気量に基づいて推定すれば良い。
そして、推定した流入PM量と基準故障DPFのPM捕集率とに基づいて、基準故障DPFから流出する各時点でのPM量f(流出PM量)が得られる。得られた各時点の流出PM量fを、静電捕集開始からの経過時間に亘って積算することで、DPF下流のPM量積算値F1を求める。
なお、排気管3を流れるPM量積算値F1に代えて、素子57に捕集されたPM量積算値F2を推定しても良い。この場合、例えば、PM量積算値F1を推定した後、そのPM量積算値F1に1より小さい所定の捕集率(素子57へのPM捕集率)を乗じることで、PM量積算値F2を求める。この捕集率は、排気ガス流量、λ(空気過剰率)、排気ガスの温度、素子57の温度等の各種状態にかかわらず一定値としても良いし、各種状態に応じた値を用いても良い。例えば、排気ガス流量が大きいほどPMはカバー51、53内に導入されにくくなり、カバー51、53に導入されたPMは素子57に捕集されにくくなり、捕集されたとしても素子57から離脱しやすくなる。よって、捕集率は、例えば、排気ガス流量が大きいほど小さい値にする。
推定した排気管3を流れるPM量積算値F1又は素子57に捕集されたPM量積算値F2が所定値に達したタイミングt0(図6参照)の時点で既にPMセンサ5の出力が発生している場合、言い換えるとPMセンサ5の出力値が予め定められた検出閾値以上の場合(図6(b)のライン101の場合)には、DPF4の故障と判定する。これに対し、タイミングt0の時点ではまだPMセンサ5の出力が発生していない場合、言い換えるとPMセンサ5の出力値が検出閾値未満の場合(図6(b)のライン102の場合)には、DPF4は正常と判定する。
なお、タイミングt0を判定するための上記所定値は、例えば櫛歯電極59間の導通が開始するPM捕集量に相当する値に設定される。この場合、図6(a)のPM量積算値から換算されるPMセンサ5の推定出力(図6(b)のライン103)の出力発生タイミングt0より前に、実際の出力が発生した場合にDPF故障と判定し、出力発生タイミングt0より後に実際の出力が発生した場合にDPF正常と判定することを意味する。
以下では、センサ再生の実施後に、どのタイミングで静電捕集及び推定のPM量積算を開始するかについて説明する。先ず、図7、図8を参照して素子57近傍に作用する熱泳動力について説明する。図7に示すように、素子57の温度の方が素子57近傍の排気ガス温度よりも高い場合には、素子57の近傍エリアにおいては素子57から離れるほど低温となる温度勾配が形成されて、その温度勾配により素子57から遠ざける熱泳動力(斥力)がPMに作用する。反対に、素子57近傍の排気ガス温度の方が素子57の温度よりも高い場合には、図8に示すように、素子57の近傍エリアにおいては素子57に近づくほど低温となる温度勾配が形成されて、その温度勾配により素子57に引き寄せる熱泳動力(引力)がPMに作用する。熱泳動力は、素子57の温度T1と、素子57近傍の排気ガス温度T2との温度差が大きいほど大きくなる。なお、素子57近傍の排気ガスとは、素子57との間で熱泳動力が作用するエリアに存在する排気ガスをいい、具体的には第2のカバー53内の排気ガスをいう。
ここで、図9は、素子の温度T1とPMセンサのカバー内の排気ガス温度T2(カバー内温度)との差ΔT(=T1−T2)と、PMセンサの出力が立ち上がるまでの期間に排気管内を流れるPM量積算値ΣPMとの関係を示している。また、図9では、カバー内温度が200℃の場合と、300℃の場合とで、温度差ΔTとPM量積算値ΣPMとの関係を示している。また、図9の実験では、排気ガスの流速は10m/s、Soot濃度は3mg/mとしている。
図9に示すように、温度差ΔTがマイナス側に大きくなるほど、PMを素子から遠ざける熱泳動力が大きくなり、PMセンサの出力が立ち上がるまでの期間が長くなる(PMの検出感度が低下する)。よって、温度差ΔTがマイナス側に大きくなるほど、PM量積算値ΣPMが大きくなる。そして、カバー内ガス温度が200℃の場合では、温度差ΔTが‐100℃よりマイナス側に大きくなると、PMを素子から遠ざける熱泳動力により素子へのPM捕集が不能となって、PMセンサの出力の立ち上がりが発生しない。他方、カバー内ガス温度が300℃の場合では、温度差ΔTが‐80℃よりマイナス側に大きくなると、PMセンサの出力が発生しない。以上より、カバー内ガス温度が200℃の場合では、−100℃の温度差ΔTが、熱泳動力により素子へのPM捕集が不能となる温度差ΔTの領域と、熱泳動力が作用してもPM捕集が可能である温度差ΔTの領域とを区分する限界温度差となる。同様に、カバー内ガス温度が300℃の場合では、−80℃の温度差ΔTが限界温度差となる。
また、カバー内ガス温度が200℃の条件で、限界温度差である‐100℃を与える素子温度は300℃となる。この300℃は、カバー内ガス温度が200℃の条件で、熱泳動力により素子へのPM捕集が不能となる素子温度の下限である熱泳動力限界温度である。また、カバー内ガス温度が300℃の条件では、限界温度差である‐80℃を与える素子温度は380℃となる。この380℃は、カバー内ガス温度が300℃の条件における熱泳動力限界温度である。
そして、図9の結果から、図10に示す、素子近傍の排気ガス温度と熱泳動力限界温度との関係が求まる。図10に示すように、素子近傍の排気ガス温度に応じて熱泳動力限界温度が変化し、具体的には、排気ガス温度が高いほど熱泳動力限界温度が高くなる。なお、素子近傍の排気ガス温度(素子を収容したカバー内の排気ガス温度)は、素子近傍以外(素子遠方)の位置での排気ガス温度(カバー外の排気ガス温度)と同等か、異なっていたとしても素子近傍以外の位置での排気ガス温度に応じて変化する。つまり、素子近傍以外の位置での排気ガス温度が高いと、素子近傍の排気ガス温度も高くなる。よって、素子近傍に作用する熱泳動力の方向や大きさは、素子近傍以外の位置での排気ガス温度と素子温度との大小関係によって決まるとも言える。ひいては、熱泳動力限界温度は、素子近傍以外の位置での排気ガス温度に応じて変化するとも言える。よって、図10の横軸は、素子近傍以外の排気ガス温度に置き換えることができる。
従来では、熱泳動力を考慮しないで、センサ再生後に静電捕集及びPM量積算を開始していたので、以下に説明する問題がある。ここで、図11は、センサ再生後に、素子温度が熱泳動力限界温度より高い温度の時に、静電捕集及びPM量積算を開始した場合における各パラメータのタイムチャートを示している。詳しくは、上から、素子温度(同図(a))、静電捕集の実行/停止(同図(b))、DPF下流の排気管を流れるPM量又はPMセンサ(素子)に捕集されたPM量の積算値(同図(c))を示している。図11(c)では、PMセンサの出力から換算される実際のPM量積算値を実線で示し、エンジン運転状態に基づく推定のPM量積算値を点線で示している。なお、図11(c)の推定値(点線)は、上記基準故障DPFの場合におけるPM量積算値を示しているが、静電捕集の開始と同時に素子へのPM捕集が開始したと想定したときにおける素子に捕集されたPM量の積算値(想定値)に相当する。
また、図11は、図12に示す、PMセンサのカバー内において、素子の電極形成面に平行に排気ガスを流す形式のPMセンサを使用した場合のタイムチャートを示している。図12のPMセンサにおいては慣性捕集が行われず、つまり静電捕集のみで素子へのPM捕集が行われる。
センサ再生の実施後、素子温度は時間経過に伴い次第に低下していき(図11(a)参照)、素子温度の低下がある程度進んだ段階で静電捕集及びPM量積算を開始する。このとき、熱泳動力を考慮しないと、図11(a)、(b)に示すように、素子温度が熱泳動力限界温度より高い時に、静電捕集を開始してしまう場合がある。また、図11(c)の点線で示すように、静電捕集の開始と同時に、PM量の積算を開始する。この場合、静電捕集の開始時には素子温度は熱泳動力限界温度より高くなっているので、静電捕集の開始からしばらくの間(素子温度が熱泳動力限界温度を下回るまでの間)は、素子にPMを捕集できない。その結果、図11(c)に示すように、実際のPM量積算値と、推定のPM量積算値との間で誤差が生じ、具体的には、実際のPM量積算値は、推定のPM量積算値よりも小さい。なお、推定のPM量積算値は基準故障DPFを想定した場合のPM量積算値である一方で、実際のPM量積算値はDPFの故障状態(正常か故障かの違いや故障の場合には故障の程度)によって変化する。ここで言う誤差とは、DPFの故障状態に起因した実際のPM量積算値と推定のPM量積算値との差は問題にしておらず、素子へのPM捕集の開始が静電捕集の開始からずれることによる実際のPM量積算値と推定のPM量積算値との誤差を意味する。
また、図13は、センサ再生後に、素子温度が熱泳動力限界温度より十分に低い温度の時に、静電捕集及びPM量積算を開始した場合における各パラメータのタイムチャートを示している。図13の各パラメータは図11と同じである。なお、図13は、図14に示す、PMセンサのカバー内において、素子の電極に向けて排気ガスの流れを当てる形式のPMセンサ(つまり図2のPMセンサ5と同様の構造のPMセンサ)を使用した場合のタイムチャートを示している。図14のPMセンサにおいては静電捕集に加えて慣性捕集によってもPM捕集が行われる。
図13の例では、エンジン運転状態に基づくPM量積算値の推定(図13(c)の点線)は静電捕集の開始と同時に開始する一方で、実際の素子へのPM捕集(図13(c)の実線)は静電捕集の開始から遅れて開始している。これは、素子温度が熱泳動力限界温度を下回ると静電捕集を実施していなくても慣性捕集により素子へのPM捕集が開始するためである。このように、素子温度が熱泳動力限界温度よりも十分に低温の時に静電捕集及びPM量積算の推定を開始すると、図13(c)に示すように、実際のPM量積算値と推定のPM量積算値との間に誤差が生じ、具体的には、実際のPM量積算値は推定のPM量積算値よりも大きい。
なお、図11(c)、図13(c)の誤差を言い換えると、素子に捕集された実際のPM量積算値(図11(c)、図13(c)の実線に相当)と、静電捕集の開始と同時に素子へのPM捕集が開始したと想定したときにおける素子に捕集されたPM量積算値(図11(c)、図13(c)の点線に相当)との間に誤差が生じることを意味する。
実際のPM量積算値と推定のPM量積算値との間に誤差が生じるとDPFの故障判定の精度が低下する。以上の問題に鑑み、ECU1は、熱泳動力限界温度に基づいて、センサ再生後の静電捕集及びPM量積算の開始を制御している。以下、この制御の詳細を説明する。図15は、ECU1が実行する、センサ再生後の静電捕集及びPM量積算の開始を制御する処理のフローチャートである。図15の処理は例えばエンジン2の始動と同時に開始し、エンジン2が停止するまで所定周期で繰り返し実行される。また、図16は、図15の処理に関連する各パラメータのタイムチャートを示している。詳しくは、上から、素子温度(同図(a))、静電捕集の実行/停止(同図(b))、推定のPM量積算値(同図(c))、及び排気ガス温度(同図(d))を示している。図16(c)では、推定のPM量積算値として、DPF4が基準故障DPFである場合におけるDPF4下流の排気管を流れるPM量積算値の推定値を実線で示し、DPF4が基準故障DPFである場合における素子57に捕集されたPM量積算値の推定値を一点鎖線で示している。また、図16(d)の排気ガス温度として200℃を例示している。
また、図15の処理の前提として、図17に示す、排気ガス温度と静電捕集開始の閾値となる素子温度(捕集開始温度)との関係が記憶されているものとする。図17には、捕集開始温度(実線)の他に、(1)PM燃焼温度下限、(2)絶縁限界温度、(3)熱泳動力限界温度を図示している。(1)のPM燃焼温度下限はPMが燃焼する温度の下限を意味し、具体的には例えば600℃である。(2)の絶縁限界温度は、素子57が絶縁体としての性質を確保できる上限温度を意味し、素子57の材質に応じた値(例えば300℃〜500℃程度)となる。絶縁限界温度より素子57が高温となると、素子57の絶縁抵抗が著しく低下して、櫛歯電極59間に電圧を印加した時に素子57内に電流が流れてしまう。結果、素子57に同一のPM量が捕集されていたとしても、素子温度が絶縁限界温度未満の正常時に対してPMセンサ5の出力が変化してしまい、DPF4の故障判定の精度が低下してしまう。
また、(3)の熱泳動力限界温度は、図10の熱泳動力限界温度と同じである。図17の捕集開始温度(実線)は、(3)の熱泳動力限界温度に一致した温度に設定されている。つまり、図17の関係は図10の関係と同じであり、メモリ11には図10の関係が記憶されていることと同義である。なお、図17の横軸の排気ガスは、素子57近傍の排気ガス温度、具体的には第2のカバー53内の排気ガス温度であっても良いし、素子57近傍以外の位置での排気ガス温度、具体的には排気温センサ81(図1参照)が設置された位置での排気ガス温度であっても良い。また、本実施形態においては、(3)の熱泳動力限界温度は、(1)のPM燃焼温度下限、(2)の絶縁限界温度よりも低温であることを想定している。
図15の処理を開始すると、センサ再生が完了したか否かを判断する(S11)。センサ再生が未だ完了していない場合、具体的にはセンサ再生を未だ実施していない、又はセンサ再生の実施中の場合には(S11:No)、図15の処理を終了する。センサ再生を完了した場合には(S11:Yes)、次に、静電捕集が未実施か否かを判断する(S12)。静電捕集を実施中の場合には(S12:No)、図15の処理を終了する。
静電捕集の未実施の場合には(S12:Yes)、静電捕集及びPM量積算を開始させる閾値となる素子57の温度である捕集開始温度を算出する(S13)。具体的には、排気温センサ81が検出する排気ガス温度を取得する。この場合、図17の横軸の排気ガス温度は、排気温センサ81が設置された位置での排気ガス温度であるものとする。なお、素子57近傍の排気ガス温度を検出する手段を設けて、S13では、その手段により素子57近傍の排気ガス温度を取得しても良い。その手段としては、例えばPMセンサ5内に温度センサを設けて、その温度センサの検出値を取得する。また、素子57近傍の排気ガス温度は、排気温センサ81が検出する排気ガス温度に相関すると考えられる。よって、排気温センサ81が検出する排気ガス温度と素子57近傍の排気ガス温度との相関関係を予め調べてメモリ11に記憶しておく。そして、その相関関係と排気温センサ81が検出する排気ガス温度とに基づいて、素子57近傍の排気ガス温度を推定しても良い。なお、排気温センサ81が検出する排気ガス温度と、素子57近傍の排気ガス温度とが同等である場合には、排気温センサ81が検出する排気ガス温度を、素子57近傍の排気ガス温度として取得する。S13では、取得した排気ガス温度と図17の関係とに基づいて、排気ガス温度に応じた熱泳動力限界温度を捕集開始温度として算出する。例えば、図16(d)のように排気ガス温度が200℃の場合には、その200℃に応じた熱泳動力限界温度(例えば300℃)を求めて、この熱泳動力限界温度(例えば300℃)を捕集開始温度とする。
次に、素子57の温度がS13で求めた捕集開始温度(熱泳動力限界温度)を下回ったか否かを判断する(S14)。ここで、「素子57の温度が捕集開始温度を下回った」とは、素子57の温度が捕集開始温度を下回った瞬間を想定しており、具体的には、前回時点で検出した素子57の温度が捕集開始温度以上であり、今回時点で検出した素子57の温度が捕集開始温度未満の場合を言う。前回時点で検出した素子57の温度が既に捕集開始温度を下回っている場合は、ここでいう「素子57の温度が捕集開始温度を下回った」には含まない。つまり、「素子57の温度が捕集開始温度を下回った」とは、素子57の温度が捕集開始温度より低温であるものの、捕集開始温度に可能な限り近い温度の時を想定している。S14では、素子57の温度が、捕集開始温度以上の状態から捕集開始温度未満の状態に変わったか否かを判断することを意味する。
図16(a)に示すようにセンサ再生の完了後は時間の経過にしたがって徐々に素子57の温度が低下していく。ECU1は、SCU7に指令をして、温度検出部73(図3参照)によりセンサ再生後の素子温度を継続的に検出させて、検出させた素子温度を取得する。SCU7は、素子温度を検出する際には、素子57が昇温しない程度にヒータ65を微通電して、その微通電時にヒータ65に流れる電流(ヒータ抵抗)を温度検出部73に検出させて、その検出値から素子温度を求める(S14)。
素子温度が捕集開始温度以上の場合には(S14:No)、静電捕集及びPM量積算を停止して(S16)、図15の処理を終了する。素子温度が捕集開始温度を下回った時に(S14:Yes)、静電捕集及びPM量積算を開始する(S15)(図16も参照)。S15の後、図15の処理を終了する。
このように、本実施形態では、排気ガス温度に応じた熱泳動力限界温度を求めて、センサ再生後に素子57の温度がこの熱泳動力限界温度を下回った時(瞬間)に、静電捕集及びPM量積算を開始する。これによって、熱泳動力限界温度からかけ離れたタイミングで、静電捕集及びPM量積算が開始されてしまうのを抑制できる。その結果、熱泳動力により静電捕集を開始したにもかかわらず素子57へのPM捕集が行われないという状況を抑制できる。また、慣性捕集により静電捕集を開始した時には既に素子57へのPM捕集が開始しているという状況を抑制できる。ゆえに、実際に素子57に捕集されたPM量積算値(実際値)と、静電捕集の開始と同時に素子57へのPM捕集が開始したと想定したときの素子57に捕集されたPM量積算値(想定値)との誤差を小さくできる。また、上記実際値と、図16(c)のPM量積算値の推定値との誤差を小さくでき、DPF4の故障判定の精度が低下してしまうのを抑制できる。また、排気ガス温度に基づいて熱泳動力限界温度を取得するので、今回の排気ガス温度に応じた正確な熱泳動力限界温度を取得できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態では、図15のS13の内容が第1実施形態と異なっており、それ以外は第1実施形態と同じである。以下、図15のS13の詳細を説明する。S13では、具体的には図18のフローチャートの処理を実行する。図18の処理に移行すると、先ず、素子57近傍の排気ガス温度又は素子57近傍以外の位置での排気ガス温度(排気温センサ81の検出値)を取得して、取得した排気ガス温度と、メモリ11に記憶された図10の関係とに基づいて、排気ガス温度に応じた熱泳動力限界温度を算出する(S21)。
次に、S21で算出した熱泳動力限界温度と、素子57が絶縁体としての性質を確保できる上限温度として予め定められた絶縁限界温度とを比較する(S22)。熱泳動力限界温度が絶縁限界温度より小さい場合には、捕集開始温度を熱泳動力限界温度に設定する(S24)。熱泳動力限界温度が絶縁限界温度以上の場合には、捕集開始温度を絶縁限界温度に設定する(S23)。S23又はS24の後、図18の処理を終了して、図15の処理に戻る。
ここで、図19は、本実施形態を適用した場合の、図16と同じパラメータのタイムチャートを示している。図19では、排気ガス温度を300℃として(図19(d)参照)、その300℃に応じた熱泳動力限界温度が絶縁限界温度よりも高い場合におけるタイムチャートを例示している。また、図20は、本実施形態における排気ガス温度と捕集開始温度との関係を示している。図20には、捕集開始温度(実線)の他に、(1)PM燃焼温度下限、(2)絶縁限界温度、(3)熱泳動力限界温度を図示している。本実施形態では、図20に示すように、排気ガス温度がある温度T0より低温範囲では、絶縁限界温度のほうが熱泳動力限界温度より高温となっているのに対し、ある温度T0より高温範囲では、熱泳動力限界温度のほうが絶縁限界温度よりも高温となることを想定している。捕集開始温度は、絶縁限界温度のほうが熱泳動力限界温度より高温となる範囲では熱泳動力限界温度に設定され、熱泳動力限界温度のほうが絶縁限界温度よりも高温となる範囲では絶縁限界温度に設定される。
図20の例では、排気ガス温度が300℃の場合には、熱泳動力限界温度のほうが絶縁限界温度よりも高温であるので、絶縁限界温度が捕集開始温度に設定される。この場合、図15のS14では、素子温度が捕集開始温度としての絶縁限界温度を下回ったか否かを判断し、下回っていない間は(S14:No)静電捕集及びPM量積算を停止し(S16)、下回った時に静電捕集及びPM量積算を開始する(S15)(図19も参照)。
これによって、第1実施形態と同様の効果が得られることに加えて、絶縁限界温度以上の温度で静電捕集を開始してしまうことによるPMセンサ5の出力の精度低下及びDPF4の故障判定の精度低下を抑制できる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態では、ECU1は、図15の処理に代えて、図21の処理を実行する。図21において、図15の処理と同一の処理には同一の符号を付している。図21の処理においては、センサ再生が完了し、静電捕集が未実施の場合には(S11:Yes、S12:Yes)、次に、素子57の温度が予め定められた捕集開始温度を下回ったか否かを判断する(S141)。第1実施形態では、排気ガス温度に応じて変化する熱泳動力限界温度を算出して、この熱泳動力限界温度を捕集開始温度に設定していたが、本実施形態の捕集開始温度は、排気ガス温度にかかわらず一定の固定温度に設定される。
ここで、図22は、本実施形態における排気ガス温度と捕集開始温度との関係を示している。図22には、捕集開始温度(実線)の他に、(1)PM燃焼温度下限、(2)絶縁限界温度、(3)熱泳動力限界温度を図示している。図22に示すように、排気ガス温度が取り得る範囲(例えば800℃以下の範囲)をPMセンサ5の使用領域として定める。そして、この使用領域に対して取り得る熱泳動力限界温度の範囲を予め調べて、その熱泳動力限界温度の範囲に含まれる温度のうち最高温度を捕集開始温度として予め定めておく。言い換えると、排気ガス温度として取り得る範囲のうち最高排気ガス温度Tmax(例えば800℃)での熱泳動力限界温度を予め調べておき、その熱泳動力限界温度を捕集開始温度として定める。例えば排気ガス温度が200℃の場合には、捕集開始温度は、熱泳動力限界温度よりも高温となっている。また、捕集開始温度は、PM燃焼温度下限及び絶縁限界温度よりも低温に設定される。このようにして予め定めた捕集開始温度はメモリ11に記憶しておく。
S141では、素子温度がメモリ11に記憶された捕集開始温度を下回ったか否かを判断する。下回っていない場合には(S141:No)静電捕集及びPM量積算を停止し(S16)、下回った時に(S141:Yes)静電捕集及びPM量積算を開始する(S15)。
図23には、本実施形態を適用した場合の、図16と同じパラメータのタイムチャートを示している。図23では、排気ガス温度を200℃としている(図23(d)参照)。図23に示すように、排気ガス温度が200℃の時の熱泳動力限界温度よりも高温の捕集開始温度が予め定められて(図23(a)参照)、その捕集開始温度を閾値として静電捕集及びPM量積算を開始している(図23(b)、(c)参照)。
このように、本実施形態では、素子温度が実際の熱泳動力限界温度よりも高温(捕集開始温度)の時に静電捕集及びPM量積算を開始する。このようにするのは以下の理由によるものである。
すなわち、素子温度が熱泳動力限界温度より高温の時に静電捕集及びPM量積算を開始すると、素子温度が熱泳動力限界温度を下回るまでの間は、素子へのPM捕集が開始されない。これにより、実際に素子に捕集されたPM量積算値(実際値)と、静電捕集の開始と同時に素子へのPM捕集が開始したと想定したときの素子に捕集されたPM量積算値(想定値)との間で誤差Aが生じる。
一方、素子温度が熱泳動力限界温度より十分に低い温度の時に静電捕集及びPM量積算を開始したとする。この場合、素子温度が熱泳動力限界温度を下回った瞬間に慣性捕集により素子へのPM捕集が開始され、つまり静電捕集の開始時には慣性捕集により既に素子へのPM捕集が開始されている。これによっても、上記実際値と上記想定値との間で誤差Bが生じる。
ここで、誤差Aと誤差Bを比較した場合、エンジン運転状態に応じて排気ガス流速やSoot濃度が大きく変化(変化の速度も速い)するため、誤差Aのばらつきより誤差Bのばらつきのほうが大きい。
以上より、誤差Bをできるだけ小さくするために、PMセンサの使用領域において取り得る熱泳動力限界温度の範囲のうち最高温度を捕集開始温度に設定している。これによれば、誤差Aを含むことになるが、誤差Bを可能なかぎり小さくでき、結果として、実際値と想定値との間の誤差を小さくできる。また、捕集開始温度は、PMセンサの使用領域において取り得る熱泳動力限界温度の範囲に含まれる温度であるので、その範囲外の素子温度で静電捕集を開始してしまう場合に比べて、実際値と想定値との間の誤差を小さくできる。よって、DPFの故障判定の精度が低下するのを抑制できる。
また、本実施形態では、捕集開始温度を予め定められた固定温度とすることで、排気ガス温度に応じた熱泳動力限界温度をその都度求める必要がなく、処理を簡素化できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限度で種々の変更が可能である。例えば、第2実施形態では、PM燃焼温度下限より絶縁限界温度が低温であることを想定していた。仮に、絶縁限界温度のほうがPM燃焼温度下限(例えば600℃)より高温の場合には、熱泳動力限界温度がPM燃焼温度下限より高温となる領域ではPM燃焼温度下限を捕集開始温度に設定しても良い。
また、上記実施形態では静電捕集及び慣性捕集の両方でPM捕集を行うPMセンサを用いた例を示したが、静電捕集のみでPM捕集を行うPMセンサ(図12に示すPMセンサ)を用いても良い。この場合、第3実施形態においては、慣性捕集を考慮する必要がない、つまり上記誤差Bを考慮する必要がないので、上記誤差Aを可能なかぎり小さくすることを狙って、PMセンサの使用領域(排気ガス温度の取り得る範囲)において取り得る熱泳動力限界温度の範囲のうち最低温度を捕集開始温度に設定しても良い。
また、第3実施形態では、誤差Aのばらつきより誤差Bのばらつきのほうが大きいことを前提としていた。逆に、誤差Bのばらつきのほうが誤差Aのばらつきより大きい場合や、誤差Aのばらつきと誤差Bのばらつきとが同等である場合には、PMセンサの使用領域において取り得る熱泳動力限界温度の範囲のうち最高温度以外の温度(例えば最低温度や中間温度)に捕集開始温度を設定しても良い。
また、第1、第2実施形態では、排気ガス温度に基づいて熱泳動力限界温度を求めていたが、排気ガス温度に加えて、排気ガス流速やSoot濃度に基づいて熱泳動力限界温度を求めても良い。これによれば、より正確な熱泳動力限界温度が得られる。排気ガス流速やSoot濃度は、例えばエンジンの運転状態(エンジン回転数、燃料噴射量等)から推定すれば良い。
なお、上記実施形態において、ECU1及びSCU7が制御装置に相当する。また、図15のS14〜S16、図18のS22〜S24、図21のS141〜S16の処理を実行するECU1及びSCU7が捕集制御部に相当する。温度検出部73及び図15のS14の処理、図21のS141の処理を実行するECU1が素子温取得部に相当する。図15のS13、図18のS21の処理を実行するECU1が限界温度取得部、ガス温取得部に相当する。ECU1が推定部及び判定部に相当する。
1 ECU
2 エンジン(内燃機関)
3 排気管
4 DPF(フィルタ)
5 PMセンサ(センサ)
57 素子
59 櫛歯電極(電極)
65 ヒータ(加熱部)
73 温度検出部

Claims (8)

  1. 内燃機関(2)の排気管(3)に設けられ、対向する複数の電極(59)が表面に配置された絶縁体の素子(57)と前記素子を加熱する加熱部(65)とを有し、前記電極間に電圧が印加されることにより前記排気管を流れる排気ガス中の粒子状物質を前記素子に捕集させる静電捕集を実施して、前記素子に捕集された粒子状物質の量に応じて前記電極間を流れる電流又はそれに相関する値を出力するセンサ(5)の、前記静電捕集の実施を制御する捕集制御部(1、7)と、
    前記素子の温度を取得する素子温取得部(73、S14、1)と、
    前記素子の近傍に作用する熱泳動力により前記素子への粒子状物質の捕集が不能となる前記素子の温度の下限である熱泳動力限界温度を取得する限界温度取得部(S13、S21、1)とを備え、
    前記捕集制御部(S14〜S16、S22、S24)は、前記加熱部により前記素子に捕集された粒子状物質を燃焼除去するセンサ再生の実施後、前記素子の温度が前記熱泳動力限界温度を下回った時に前記静電捕集を開始する制御装置(1、7)。
  2. 排気ガスの温度を取得するガス温取得部(S13、S21、1)を備え、
    前記限界温度取得部は、前記ガス温取得部が取得した排気ガスの温度に応じた前記熱泳動力限界温度を取得する請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記センサが設けられた位置での前記排気管を流れる各時点の粒子状物質量又は前記素子に捕集される各時点の粒子状物質量を推定し、推定した各時点の粒子状物質量の積算を行う推定部(1)を備え、
    前記推定部(S15)は、前記センサ再生の実施後、前記静電捕集の開始と同時に前記積算を開始する請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記捕集制御部(S14〜S16、S22、S23)は、前記熱泳動力限界温度が、粒子状物質が燃焼する燃焼温度の下限と、前記素子の絶縁体としての性質を確保できる上限温度として予め定められた絶縁限界温度のうち低い方よりも高い場合には、前記センサ再生の実施後、前記素子の温度が前記低い方の温度を下回った時に前記静電捕集を開始する請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御装置。
  5. 内燃機関(2)の排気管(3)に設けられ、対向する複数の電極(59)が表面に配置された絶縁体の素子(57)と前記素子を加熱する加熱部(65)とを有し、前記電極間に電圧が印加されることにより前記排気管を流れる排気ガス中の粒子状物質を前記素子に捕集させる静電捕集を実施して、前記素子に捕集された粒子状物質の量に応じて前記電極間を流れる電流又はそれに相関する値を出力するセンサ(5)の、前記静電捕集の実施を制御する捕集制御部(1、7)と、
    前記素子の温度を取得する素子温取得部(73、S141、1)とを備え、
    前記捕集制御部(S141〜S16)は、前記素子の近傍に作用する熱泳動力により前記素子への粒子状物質の捕集が不能となる前記素子の温度の下限を熱泳動力限界温度として、前記加熱部により前記素子に捕集された粒子状物質を燃焼除去するセンサ再生の実施後、前記素子の温度が、前記熱泳動力限界温度として取り得る範囲の中から予め定められた固定温度を下回った時に前記静電捕集を開始する制御装置(1、7)。
  6. 前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記センサが設けられた位置での前記排気管を流れる各時点の粒子状物質量又は前記素子に捕集される各時点の粒子状物質量を推定し、推定した各時点の粒子状物質量の積算を行う推定部(1)を備え、
    前記推定部(S15)は、前記センサ再生の実施後、前記静電捕集の開始と同時に前記積算を開始する請求項5に記載の制御装置。
  7. 前記固定温度は前記範囲の最高温度である請求項5又は6に記載の制御装置。
  8. 前記センサは、前記排気管に配置された粒子状物質を捕集するフィルタ(4)より下流に設けられ、
    前記推定部は、前記フィルタが故障判定の基準となるフィルタである場合における粒子状物質量の積算を行い、
    前記推定部が推定した積算値と前記センサの出力値とに基づいて前記フィルタの故障判定を行う判定部(1)を備える請求項3又は6に記載の制御装置。
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