JP6481812B2 - 立体造形用樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は立体造形用樹脂組成物及びそれを用いた立体造形物の製造方法に関する。
従来、樹脂材料等を積層させて立体造形物を得る方法が知られている。例えば光造形法、粉末焼結法、熱溶解積層(Fused deposition modeling:FDM)法等種々の方法が提案され実用化されている(例えば特許文献1参照)。
例えば光造形法は、細やかな造形や正確なサイズ表現に優れており、広く普及している。この方法は以下のようにして立体造形物を作製するものである。まず液状の光硬化性樹脂を満たした槽内に造形ステージを設け、造形ステージ上の光硬化性樹脂に紫外線レーザー等の活性エネルギー線を照射して所望のパターンの硬化層を作成する。このようにして硬化層を1層造ると造形ステージを1層分だけ下げて、硬化層上に未硬化の樹脂を導入し、同様にして活性エネルギー線を光硬化性樹脂に照射して前記硬化層上に新たな硬化層を積み上げる。この操作を繰り返すことにより、所定の立体造形物を得る。また、粉末焼結法は、樹脂、金属、セラミックスまたはガラスの粉末を満たした槽内に造形ステージを設け、造形ステージ上の粉末に活性エネルギー線を照射し、軟化変形にて所望のパターンの硬化層を作製するものである。
近年、上記のような立体造形物を作製するに際し、原料の樹脂組成物中に蛍光体を含有させることにより、発光特性を有する立体造形物を製造する方法が提案されている。例えば特許文献2には、蛍光体を混合した光硬化性樹脂を原料として、光造形法により人工発光毛髪構造体や人工発光皮膚等の発光性立体構造物を製造する方法が開示されている。
特開平7−26060号公報 特開2004−136577号公報
蛍光体は活性エネルギー線により励起されて発光するが、同時に活性エネルギー線を遮断するため、樹脂組成物内部に活性エネルギー線が行き渡りにくくなる傾向がある。そのため、樹脂組成物の硬化速度が低下して立体造形物の製造効率が低下しやすくなるという問題がある。また、得られる発光部材においても、部材表層に存在する蛍光体が励起光を遮断するため、励起光が部材内部まで行き渡らず、発光効率が不十分になる傾向がある。
以上に鑑み、本発明は、蛍光体粒子を含む立体造形用樹脂組成物であって、立体造形物の製造効率に優れ、かつ得られる発光部材の発光効率に優れた立体造形用樹脂組成物を提供することを技術課題とする。
本発明の立体造形用樹脂組成物は、硬化性樹脂と、蛍光体粒子と、ガラス粒子とを含むことを特徴とする。
本発明の立体造形用樹脂組成物ではガラス粒子が導波路の役割をして、活性エネルギー線を樹脂組成物中に行き渡らせやすくなる。そのため、本発明の立体造形用樹脂組成物は活性エネルギー線を遮断する蛍光体粒子を含有しているにもかかわらず、立体造形物を効率良く製造することが可能となる。
本発明の立体造形用樹脂組成物において、硬化性樹脂が光硬化性樹脂であることが好ましい。このようにすれば、本発明の効果を享受しやすくなる。
本発明の立体造形用樹脂組成物において、蛍光体粒子の平均粒子径は1μm未満であることが好ましい。特に硬化性樹脂が液状である場合(例えば光硬化性樹脂)、樹脂組成物中に蛍光体粒子が沈降しやすく、均一に分散させることが困難である。蛍光体粒子の平均粒子径が1μm未満と小さい場合、蛍光体粒子の質量が小さくなり、樹脂組成物中に沈降しにくくなる。結果として、樹脂組成物中に蛍光体粒子を均一に分散させやすくなり、得られる発光部材の発光色が均質になりやすい。
本発明の立体造形用樹脂組成物において、ガラス粒子の表面に蛍光体粒子が付着していることが好ましい。このようにすれば、蛍光体粒子同士の凝集を抑制でき、蛍光体粒子を樹脂中に均一に分散させやすくなる。特に、蛍光体粒子の平均粒子径が小さい場合は、上記構成とすることで、凝集を効果的に抑制することができる。
本発明の立体造形用樹脂組成物において、ガラス粒子が球状であることが好ましい。このようにすれば、表面での光散乱ロスを抑制し、光透過率を向上させることが可能となり、本発明の効果を享受しやすくなる。また硬化性樹脂の粘度が不当に上昇することを抑制でき、流動性が損なわれにくくなる。
本発明の立体造形用樹脂組成物において、ガラス粒子の波長400nmにおける光透過率が10%以上であることが好ましい。このようにすれば、導波路としての機能を高めることができる。
本発明の立体造形用樹脂組成物において、硬化性樹脂とガラス粒子の屈折率差(Δnd)が±0.014以内、アッベ数の差(Δνd)が±5以内であることが好ましい。このようにすることで、硬化性樹脂とガラス粒子の界面での光散乱ロスを抑制し、樹脂組成物全体に活性エネルギー線が照射されやすくなる。また、得られる発光部材においても、励起光の散乱ロスを抑制し、部材全体に渡って蛍光体粒子に励起光が照射されやすくなるため、発光効率が向上しやすくなる。
本発明の立体造形用樹脂組成物において、ガラス粒子の平均粒子径が0.1〜300μmであることが好ましい。
本発明の立体造形用樹脂組成物は、体積%で、硬化性樹脂 30〜99%(ただし99%を含まない)、蛍光体粒子 0〜30%(ただし0%を含まない)、ガラス粒子 1〜70%(ただし70%を含まない)を含有することが好ましい。
本発明の立体造形用樹脂組成物において、蛍光体粒子が、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、酸化物蛍光体、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体、アルミン酸塩蛍光体及び量子ドット蛍光体から選択される少なくとも1種からなるものを用いることができる。
本発明の立体造形物の製造方法は、樹脂組成物からなる液状層に選択的に活性エネルギー線を照射して所定のパターンを有する硬化層を形成し、前記硬化層上に新たな液状層を形成した後に活性エネルギー線を照射して前記硬化層と連続した所定パターンを有する新たな硬化層を形成し、所定の立体造形物が得られるまで前記硬化層の積層を繰り返す立体造形物の製造方法であって、樹脂組成物として、上記の立体造形用樹脂組成物を使用することを特徴とする。
本発明の発光部材は、上記の方法により作製されてなることを特徴とする。
本発明の立体造形用樹脂組成物は、硬化性樹脂と、蛍光体粒子と、ガラス粒子とを含む。各々の含有量割合は、体積%で、硬化性樹脂 30〜99%(ただし99%を含まない)、蛍光体粒子 0〜30%(ただし0%を含まない)、ガラス粒子 1〜70%(ただし70%を含まない)であることが好ましい。より好ましくは、硬化性樹脂が30〜98.9%、35〜95%、40〜90%、特に45〜85%であり、蛍光体粒子が0.0001〜30%、0.001〜27%、特に0.1〜25%、ガラス粒子が1〜69.9%、5〜65%、10〜60%、特に15〜55%である。ガラス粒子の含有量が少なすぎると、導波路としての役割を果たしにくく、活性エネルギー線が樹脂組成物中に行き渡りにくくなる。蛍光体粒子の含有量が少なすぎると、得られる発光部材の発光効率が不十分となる傾向がある。一方、ガラス粒子または蛍光体粒子の含有量が多すぎると、硬化性樹脂との接着する表面積が少なく機械的強度が低くなる傾向がある。また光造形法の場合は、樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎて、造形ステージ上に新たな液状層を形成しにくくなる等の不具合が生じやすくなる。
本発明で使用する硬化性樹脂は、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよく、採用する造形法によって適宜選択することができる。例えば光造形法を使用する場合は液状の光硬化性樹脂を選択すればよく、また粉末焼結法を採用する場合は粉末状の熱硬化性樹脂を選択すればよい。
光硬化性樹脂としては、重合性のビニル系化合物、エポキシ系化合物等種々の樹脂を選択することができる。また単官能性化合物や多官能性化合物のモノマーやオリゴマーが用いられる。これらの単官能性化合物、多官能性化合物は、特に限定されるものではない。例えば、以下に光硬化性樹脂の代表的なものを挙げる。
重合性のビニル系化合物の単官能性化合物としては、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジンクロペンテニルアクリレート、ボルニルアクリレート、ボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、プロピレングリコールアクリレート、ビニルピロリドン、アクリルアミド、酢酸ビニル、スチレン等が挙げられる。また多官能性化合物としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジシクロペンテニルジアクリレート、ポリエステルジアクリレート、ジアリルフタレート等が挙げられる。これらの単官能性化合物や多官能性化合物の1種以上を単独又は混合物の形で使用することができる。
ビニル系化合物の重合開始剤としては、光重合開始剤が用いられる。光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントン、フルオレノン、ベズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、ミヒラーケトン等が代表的なものとして挙げることができ、これらの開始剤を1種または2種以上組み合わせて使用することができる。必要に応じてアミン系化合物等の増感剤を併用することも可能である。これらの重合開始剤の使用量は、ビニル系化合物に対してそれぞれ0.1〜10質量%であることが好ましい。
エポキシ系化合物としては、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等が挙げられる。これらのエポキシ系化合物を用いる場合には、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のエネルギー活性カチオン開始剤を用いることができる。
さらに光硬化性樹脂には、レベリング剤、界面活性剤、有機高分子化合物、有機可塑剤等を必要に応じて添加してもよい。
ガラス粒子は球状(例えばガラスビーズ)であることが好ましい。このようにすれば、表面での光反射ロスを抑制し、光透過率を向上させることが可能となり、本発明の効果を享受しやすくなる。また硬化性樹脂の流動性が損なわれにくくなる。球状のガラス粒子はファイアポリッシュ等の方法で作製すれば、表面粗さを小さくすることができる。なお、「球状」とは必ずしも真球状であることを要しない。
ガラス粒子の粒度は、平均粒子径が0.1〜300μm、1〜200μm、特に3〜100μmであることが好ましい。また、ガラス粒子の最大粒子径は500μm以下、特に300μm以下であることが好ましく、最小粒子径は0.1μm以上、特に0.5μm以上であることが好ましい。ガラス粒子の粒度が小さくなるほど充填率を高めることができるが、硬化性樹脂の流動性を低下させたり、界面泡が抜けにくくなったりしてしまう。一方、ガラス粒子の粒度が大きいほど充填率が低下しやすくなる。
なお本発明において、平均粒子径、最大粒子径、最小粒子径は、それぞれ一次粒子のメジアン径でD50(50%体積累積径)、D99(99%体積累積径)、D1(1%体積累積径)を示し、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定された値をいう。
ガラス粒子の波長400nmにおける光透過率は10%以上、30%以上、50%以上、特に70%以上であることが好ましい。当該光透過率が低すぎると、ガラス粒子の導波路としての機能が十分に得られにくくなる。なお、ガラス粒子の光透過率は、後述する実施例に記載の方法により測定された値を指す。
ガラス粒子は、屈折率ndが1.40〜1.65、特に1.45〜1.6、さらに1.5〜1.55であることが好ましく、アッべ数νdが40〜65、特に45〜60さらに50〜55であることが好ましい。このように光学定数を規制すれば、硬化性樹脂と整合した光学定数が得られやすくなる。結果として、硬化性樹脂とガラス粒子の界面での光散乱ロスを抑制し、樹脂全体に活性エネルギー線が照射されやすくなる。また、得られる発光部材においても、励起光の散乱ロスを抑制し、部材全体に渡って蛍光体粒子に励起光が照射されやすくなるため、発光効率が向上しやすくなる。なお、硬化性樹脂とガラス粒子の屈折率差(Δnd)は±0.014以内、特に±0.01以内、アッベ数の差(Δνd)は±5以内、特に±3以内であることが好ましい。
ガラス粉末としては、例えばSiO−B−R’O(R’はアルカリ金属元素)系ガラス、SiO−Al−RO(Rはアルカリ土類金属元素)系ガラス、SiO−Al−R’O−RO系ガラス、SiO−Al−B−R’O系ガラス、SiO−Al−B−R’O−RO系ガラス、SiO−R’O系ガラス、SiO−R’O−RO系ガラス等が使用できる。
ガラス粒子は、着色を抑制するために、ガラス組成中のFe、NiO、Cr及びCuOの含有量が合量で1質量%以下、0.75質量%以下、特に0.5質量%以下であることが好ましい。
またガラス組成中のTiO、WO、La、Gd及びBiの含有量は合量で5質量%以下、2.5質量%以下、特に1質量%以下とすることが好ましい。これらの成分の範囲を上記のように限定すれば、ガラス粒子の着色を抑制することができる。また屈折率の上昇が抑制できることから、硬化性樹脂と屈折率を整合させやすくなる。
またガラス組成中のNaO、KO及びLiOの含有量は合量で5質量%以下、2.5質量%以下、特に1質量%以下とすることが好ましい。これらの成分の範囲を上記のように限定すれば、化学耐久性の低下や、樹脂組成物硬化時におけるガラス中のアルカリ成分の蒸発を抑制できる。
また環境上の理由から、ガラス組成中のフッ素、鉛、アンチモン、ヒ素、塩素、硫黄の各成分の含有量は合量で1質量%以下、0.5質量%以下、特に0.1質量%以下とすることが好ましい。
ガラス粒子は、表面がシランカップリング剤によって処理されていることが好ましい。シランカップリング剤で処理すれば、ガラス粒子と硬化性樹脂の結合力を高めることができ、より機械的強度の優れた造形物を得ることが可能になる。さらに、ガラス粒子と硬化性樹脂のなじみがよくなり、界面泡を低減できる。シランカップリング剤としては、例えばアミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン等が好ましい。なおシランカップリング剤は、用いる硬化性樹脂によって適宜選択すればよく、例えば光硬化性樹脂としてビニル系不飽和化合物を用いる場合にはアクリルシラン系シランカップリング剤が最も好ましく、またエポキシ系化合物を用いる場合にはエポキシシラン系シランカップリング剤を用いることが望ましい。
さらに、機械的強度向上を目的として、酸化物ナノ粒子を、樹脂組成物中に1体積%以下の割合で添加してもよい。酸化物ナノ粒子としては、ZrO、AlまたはSiO等を使用することができる。
蛍光体粒子としては、例えば窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、酸化物蛍光体(YAG蛍光体等のガーネット系蛍光体を含む)、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体、アルミン酸塩蛍光体及び量子ドット蛍光体からなるものが挙げられる。
上記蛍光体粒子としては、波長300〜500nmに励起帯を有し波長380〜780nmに発光ピークを有するもの、特に青色(波長440〜480nm)、緑色(波長500〜540nm)、黄色(波長540〜595nm)または赤色(波長600〜700nm)に発光するものが挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると青色の発光を発する蛍光体粒子としては、(Sr,Ba)MgAl1017:Eu2+、(Sr,Ba)MgSi:Eu2+等が挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると緑色の蛍光を発する蛍光体粒子としては、SrAl:Eu2+、SrBaSiO:Eu2+、Y(Al,Gd)12:Ce3+、SrSiO:Eu2+、BaMgAl1017:Eu2+,Mn2+、BaMgSi:Eu2+、BaSiO:Eu2+、BaLiSi:Eu2+、BaAl:Eu2+等が挙げられる。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると緑色の蛍光を発する蛍光体粒子としては、SrAl:Eu2+、SrBaSiO:Eu2+、Y(Al,Gd)12:Ce3+、SrSiOn:Eu2+、β−SiAlON:Eu2+等が挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると黄色の蛍光を発する蛍光体粒子としては、LaSi11:Ce3+等が挙げられる。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると黄色の蛍光を発する蛍光体粒子としては、Y(Al,Gd)12:Ce3+、SrSiO:Eu2+が挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると赤色の蛍光を発する蛍光体粒子としては、CaGa:Mn2+、MgSrSi:Eu2+,Mn2+、CaMgSi:Eu2+,Mn2+等が挙げられる。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると赤色の蛍光を発する蛍光体粒子としては、CaAlSiN:Eu2+、CaSiN:Eu2+、(Ca,Sr)Si:Eu2+、α−SiAlON:Eu2+等が挙げられる。
量子ドット蛍光体の具体例としては、CdSe、CdTe、ZnSe、CdS、PbSe、PbS、CIS、ZCIS、ZCIGS、CdSe/ZnS、ZnS/CdSe/ZnS、CdSe/ZnSe/ZnS等が挙げられる。量子ドット蛍光体は通常、有機溶媒に分散させた状態で取り扱われる。
励起光や発光の波長域に合わせて、複数の蛍光体粒子を混合して用いてもよい。例えば、紫外域の励起光を照射して白色光を得る場合は、青色、緑色、黄色、赤色の蛍光を発する蛍光体粒子を混合して使用すればよい。
蛍光体粒子の平均粒子径は特に限定されず、例えば0.001〜500μmの範囲で適宜選択されるが、樹脂組成物中での沈降を抑制し、均一に分散させる観点からは、蛍光体粒子の平均粒子径は1μm未満、特に0.9μm以下であることが好ましい。なお、量子ドット蛍光体の平均粒子径は0.001〜0.1μm、0.0015〜0.05μm、さらには0.002〜0.02μmの範囲で適宜選択される。
なお、本発明の立体造形用樹脂組成物において、ガラス粒子の表面に蛍光体粒子が付着していることが好ましい。このようにすれば、蛍光体粒子同士の凝集を抑制でき、蛍光体粒子を樹脂中に均一に分散させやすくなる。例えば、本発明の立体造形用樹脂組成物を作製するに際し、まずガラス粒子(ガラス粉末)と蛍光体粒子(蛍光体粒子)を混合することにより、ガラス粒子表面に蛍光体粒子を付着させ、その後硬化性樹脂を混合することにより、立体造形用樹脂組成物において、ガラス粒子の表面に蛍光体粒子を付着させることが可能となる。
次に、本発明の立体造形物の製造方法の一例を説明する。具体的には、光硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた立体造形物の製造方法について説明する。なお樹脂組成物は既述の通りであり、ここでは説明を省略する。
まず光硬化性樹脂組成物からなる1層の液状層を準備する。例えば液状の光硬化性樹脂組成物を満たした槽内に、造形用ステージを設け、ステージ上面が液面から所望の深さ、(例えば0.2mm程度)となるように位置させる。このようにすることで、ステージ上に液状層を準備することができる。
次にこの液状層に活性エネルギー線、例えば紫外線レーザーを照射して光硬化性樹脂を効果させ、所定のパターンを有する硬化層を形成する。なお活性エネルギー線としては、紫外線の他に、可視光線、赤外線等のレーザー光を用いることができる。
続いて、形成した硬化層上に、光硬化性樹脂組成物からなる新たな液状層を準備する。例えば、前記した造形用ステージを1層分下降させることにより、硬化層上に光硬化性樹脂を導入し、新たな液状層を準備することができる。
その後、硬化層上に準備した新たな液状層に活性エネルギー線を照射して、前記硬化層と連続した新たな硬化層を形成する。
以上の操作を繰り返すことによって硬化層を連続的に積層し、所定の立体造形物を得る。なお本発明では樹脂組成物が蛍光体粒子を含むため、得られる立体造形物は発光部材となる。発光部材は、所定の励起光を照射することにより、当該励起光の波長を変換して蛍光を発する。
以下に本発明の立体造形用樹脂組成物を実施例に基づいて説明する。表1は本発明の実施例(試料No.1〜3)及び比較例(試料No.4、5)を示している。
(光硬化性樹脂の作製)
まずイソホロンジイソシアネート、モルホリンアクリルアミド及びジブチル錫ジラウレートをオイルバスで加熱した。次に、グリセリンモノメタクリレートモノアクリレートにメチルヒドロキノンを均一に混合溶解させた液を入れ撹拌混合して、反応させた。ペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド4モル付加物(ペンタエリスリトールの4個の水酸基にプロピレンオキサイドをそれぞれ1モル付加したもの)を加え、反応させて、ウレタンアクリレートオリゴマーとモルホリンアクリルアミドを含む反応生成物を製造した。
得られたウレタンアクリレートオリゴマーとモルホリンアクリルアミドに、モルホリンアクリルアミド、ジシクロペンタニルジアクリレートを添加した。さらに、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(光重合開始剤)を添加し、無色透明なアクリル系光硬化性樹脂を得た。得られたアクリル系光硬化性樹脂の屈折率ndは1.510、アッベ数νdは51.2であった。
なお、アクリル系光硬化性樹脂及び後述するガラス粒子の屈折率nd及びアッベ数νdは精密屈折率計(島津デバイス製KPR−2000)を用いて測定した。
(ガラス粒子の作製)
質量%で、SiO 81.1%、Al 1%、NaO 8.7% TiO 5.8% Nb 3.4%のガラス組成となるように原料を調合し、1400〜1500℃で4〜8時間溶融した。溶融ガラスをフィルム状に成形した後、粉砕し、平均粒子径5μmのガラス粒子を作製した。ガラス粒子を酸素バーナーの火炎中に投入し、球状に成形した。その後、分級をすることで平均粒子径4μmの球状ガラス粒子を得た。得られたガラス粒子の屈折率ndは1.512、アッベ数νdは51.2であった。また、波長400nmにおける光透過率は93%であった。
ガラス粒子の光透過率は次のようにして測定した。上記のガラス組成となるように調合した原料を溶融した後、板状に成形し、肉厚1mmとなるように両面を鏡面研磨することにより測定用試料を作製した。得られた試料について、波長400nmにおける光透過率を、分光光度計(島津製作所製UV−3100)を用いて測定した。
(樹脂組成物の作製及び評価)
上記のアクリル系光硬化性樹脂、ガラス粒子、さらに表1に記載の蛍光体粒子を所定の比率で混合し、3本ローラーにより混練を行うことにより立体造形用樹脂組成物を得た。樹脂組成物をテフロン製の内寸30mm□の型枠に流し入れた。その後、500mW、波長405nmの光を10秒間照射し、80℃にてキュアを行い、硬化樹脂層を形成した。硬化樹脂層の厚みから硬化速度(硬化樹脂層の厚み/10(μm/秒))を算出した。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例であるNo.1〜3では、硬化速度が14μm/秒以上であったのに対し、比較例であるNo.4、5では、硬化速度が0.8μm/秒以下と劣っていた。
(発光部材の作製及び評価)
上記の方法により、厚み0.2mmの硬化樹脂層からなる発光部材を作製した。得られた発光部材の発光効率を以下のようにして測定した。まず、励起波長460nmのLED光源上に発光部材を設置し、積分球内で、発光部材上面から発せられる光のエネルギー分布スペクトルを測定した。次に、得られたスペクトルに標準比視感度を掛け合わせて全光束を計算し、全光束を光源の電力で除して発光効率を算出した。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例であるNo.1〜3の発光部材は発光効率が1.0ルーメン/W以上であったのに対し、比較例であるNo.4、5では、発光効率が0.5ルーメン/W以下と劣っていた。

Claims (11)

  1. 硬化性樹脂と、蛍光体粒子と、ガラス粒子とを含み、前記硬化性樹脂が光硬化性樹脂であることを特徴とする立体造形用樹脂組成物。
  2. 蛍光体粒子の平均粒子径が1μm未満であることを特徴とする請求項1に記載の立体造形用樹脂組成物。
  3. ガラス粒子の表面に蛍光体粒子が付着していることを特徴とする請求項1又は2に記載の立体造形用樹脂組成物。
  4. ガラス粒子が球状であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の立体造形用樹脂組成物。
  5. ガラス粒子の波長400nmにおける透過率が10%以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の立体造形用樹脂組成物。
  6. 硬化性樹脂とガラス粒子の屈折率差(Δnd)が±0.014以内、アッベ数の差(Δνd)が±5以内であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の立体造形用樹脂組成物。
  7. ガラス粒子の平均粒子径が0.1〜300μmであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の立体造形用樹脂組成物。
  8. 体積%で、硬化性樹脂 30〜99%(ただし99%を含まない)、蛍光体粒子 0〜30%(ただし0%を含まない)、ガラス粒子 1〜70%(ただし70%を含まない)を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の立体造形用樹脂組成物。
  9. 蛍光体粒子が、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、酸化物蛍光体、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体、アルミン酸塩蛍光体及び量子ドット蛍光体から選択される少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の立体造形用樹脂組成物。
  10. 樹脂組成物からなる液状層に選択的に活性エネルギー光線を照射して所定のパターンを有する硬化層を形成し、前記硬化層上に新たな液状層を形成した後に活性エネルギー線を照射して前記硬化層と連続した所定パターンを有する新たな硬化層を形成し、所定の立体造形物が得られるまで前記硬化層の積層を繰り返す立体造形物の製造方法であって、樹脂組成物として、請求項1〜のいずれか一項に記載の立体造形用樹脂組成物を使用することを特徴とする立体造形物の製造方法。
  11. 請求項10に記載の方法により作製されてなることを特徴とする発光部材。
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