JP6481461B2 - 電子機器の排水構造、電子機器、及びキーボード装置 - Google Patents
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キーボードを有する電子機器の排水構造としては、キーボード部を構成するベースプレートに形成された孔を介して排出された液体を、キーボード部の下方に配置された受け部材にて受け入れた後、受け部材に形成された孔及びコンピュータ本体の筐体の底面に形成されている孔を介して排水する構造が知られている(例えば特許文献1参照)。
即ち、本発明に係る電子機器の排水構造は、電子機器の筐体に配置されたキーボード部の下側に配置され、前記キーボード部を通って浸入した液体を表面に沿って所定方向に導く傾斜を有する受け板と、前記受け板に設けられて前記所定方向に導かれた液体を落下させる開口部と、前記開口部から落下した液体を前記受け板の下方で受け入れ、前記キーボード部に沿う平面の端部へ向かう所定方向へ導く傾斜を有する案内路と、を有し、前記案内路は、前記開口部の直下の位置から、前記端部へ向かう少なくとも一の方向へ傾斜した案内面を有し、前記案内面は、第一の端部から前記第一の端部とは反対側の第二の端部まで延在する排水溝に形成され、前記受け板は、平面視で四辺形状をなし、前記開口部は、前記受け板の4つの隅部に形成され、前記案内面は、4つの前記開口部のうち2つの前記開口部の直下に設けられた第一排水溝と、他の2つの前記開口部の直下に設けられた第二排水溝と、を有し、前記第一排水溝及び前記第二排水溝のそれぞれは、前記第一の端部に向かって徐々に低くなるように傾斜する第一案内面と、前記第二の端部に向かって徐々に低くなるように傾斜する第二案内面と、を有することを特徴とする。
本発明に係る別の電子機器の排水構造は、電子機器の筐体に配置されたキーボード部の下側に配置され、前記キーボード部を通って浸入した液体を表面に沿って所定方向に導く傾斜を有する受け板と、前記受け板に設けられて前記所定方向に導かれた液体を落下させる開口部と、前記開口部から落下した液体を前記受け板の下方で受け入れ、前記キーボード部に沿う平面の端部へ向かう所定方向へ導く傾斜を有する案内路と、を有し、前記案内路は、前記開口部の直下の位置から、前記端部へ向かう少なくとも一の方向へ傾斜した案内面を有し、前記案内面は曲面状をなし、第一の端部から前記第一の端部とは反対側の第二の端部まで延在し、前記受け板は、平面視で四辺形状をなし、前記開口部は、前記受け板の4つの隅部に形成され、前記案内面は、4つの前記開口部の直下の位置の間に最も上方に凸となる曲面状をなすことを特徴とする。
本発明に係るさらに別の電子機器の排水構造は、電子機器の筐体に配置されたキーボード部の下側に配置され、前記キーボード部を通って浸入した液体を表面に沿って所定方向に導く傾斜を有する受け板と、前記受け板に設けられて前記所定方向に導かれた液体を落下させる開口部と、前記開口部から落下した液体を前記受け板の下方で受け入れ、前記キーボード部に沿う平面の端部へ向かう所定方向へ導く傾斜を有する案内路と、を有し、
前記受け板は、四辺形状をなし、上面の所定箇所から各々の隅部へ向かう複数の平面を有することを特徴とする。
また、本発明に係るキーボード装置は、上記電子機器の排水構造を備えることを特徴とする。
以下、本発明の第一実施形態の電子機器であるノート型パソコン(ノート型パーソナルコンピュータ)について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態のノート型パソコン1の斜視図である。ノート型パソコン1は、液晶ディスプレイ等を有する表示装置と、キーボード(入力装置)、マザーボード、記憶装置、バッテリー、等を有するコンピュータ本体10と、を有している。
ノート型パソコン1は、上記表示装置、入力装置、コンピュータ本体10等が一体化されたパーソナルコンピュータである。ノート型パソコン1は、使用者が屋外等任意の場所へ移動させて利用することを前提として設計されている。
図1、図2に示すように、コンピュータ本体10は、コンピュータ本体10の外形をなす箱型の筐体13を有している。筐体13には、キーボード部2が取り付けられている。筐体13は、筐体13にキーボード部2が取り付けられた際に、キーボード部2の複数のキートップ18を露出させるための四辺形状のキーボード孔14を有している。
メンブレンシート17は、メンブレン接点を用いた一体型の接点である。メンブレンシート17とキートップ18との間には、ドームラバー(ラバードーム)やパンタグラフ(シザーズ)機構などのストローク部材19が介在している。
図2及び図4に示すように、受け部材3は、平面視で四辺形状をなす平面板状の受け板22と、受け板22の四辺より立ち上がるように形成された囲い板23と、を有している。受け板22は、キーボード部2を通って浸入した液体を表面に沿って所定方向に導く傾斜を有している。
受け板22は、平面視で、キーボード部2と略同等か、やや小さな外形を有している。平面視での受け板22の大きさは、キーボード部2と略同等であればよく、具体的には、キーボード部2の貫通孔20を介して落下する液体を受け入れることができる大きさであればよい。
排水溝8は、コンピュータ本体10の幅方向Yの第一の側の2本の垂直管7の下端を接続するとともに筐体13の前面及び筐体13の後面まで延在しているトンネル状の空間である。排水溝8は、筐体13の前面及び後面にて開口して、筐体13内に侵入した液体を排出(排水)するための排水口26,27を形成している。
第一排水溝8aは、4つの開口部4のうち2つの開口部4の直下に設けられている。第二排水溝8bは、他の2つの開口部4の直下に設けられている。
換言すれば、案内路6は、受け部材3より受け入れた液体を、筐体13におけるキーボード部2に沿う平面の端部へ向かう所定方向へ導く傾斜を有している。
排水溝8の下面(上方を向く面)は、開口部4の直下の位置から筐体13におけるキーボード部2に沿う平面の端部へ向かう少なくとも一の方向へ傾斜して、液体を案内する案内面9として機能する。以下、排水溝8の下面を案内面9と呼ぶ。案内面9は、筐体13におけるキーボード部2に沿う平面の端部のうち、第一の端部である前面排水口26から、第一の端部とは反対側の第二の端部である後面排水口27まで延在している排水溝8に形成されている。
(ノート型パソコン1が水平に設置されている場合)
<ノート型パソコン1上面からの浸水>
ノート型パソコン1の上面からキーボード部2に水が浸入した際、キーボード部2の貫通孔20を通して受け部材3の受け板22に水が排出される。受け板22は、第一隅部24aが最も低くなるような傾斜を有しているため、水は、図5の矢印F1方向に移動する。
移動した水は、第一隅部24aの開口部4aから垂直管7を通って第一排水溝8aに排出される。第一排水溝8aの案内面9は、前後方向Xの後方に向かうに従って低くなるように形成されているため、水は傾斜に沿って前後方向Xの後方に移動する。移動した水は、筐体13後面の後面排水口27から筐体13の外部へ排出される。
筐体13前面に設けられている前面排水口26、あるいは後面に設けられている後面排水口27から水が浸入した際、水は、排水溝8に移動する。排水溝8の案内面9は、前後方向Xの後方に向かうに従って低くなるように形成されているため、水は傾斜に沿って前後方向Xの後方に移動する。移動した水は、筐体13後面の後面排水口27から筐体13の外部へ排出される。
<ノート型パソコン1上面からの浸水>
図6に示すように、水平な面Hに対してコンピュータ本体10の前方が低くなるように傾いて設置されている場合について説明する。
ノート型パソコン1の上面からキーボード部2に水が浸入した際、キーボード部2の貫通孔20を通して受け部材3の受け板22に水が排出される。受け板22は、第一隅部24aが最も低くなるような傾斜を有しているが、コンピュータ本体10がコンピュータ本体10の前方が低くなるように傾いているため、液体は、図6の矢印F2方向に移動する。
移動した水は、第二隅部24b又は第四隅部24dの開口部4b,4dから垂直管7を通って排水溝8に排出される。排水溝8の案内面9は、前後方向Xの後方に向かうに従って低くなるように形成されているが、コンピュータ本体10の前方が低くなるように傾いているため、水は、前後方向Xの前方に移動する。移動した水は、筐体13前面の前面排水口26から筐体13の外部へ排出される。
筐体13前面に設けられている前面排水口26、あるいは後面に設けられている後面排水口27から水が浸入した際、水は、排水溝8に移動する。排水溝8の案内面9は、前後方向Xの後方に向かうに従って低くなるように形成されているが、コンピュータ本体10の前方が低くなるように傾いているため、水は、前後方向Xの前方に移動する。移動した水は、前面排水口26から筐体13の外部へ排出される。
また、受け部材3が第一隅部24aが最も低くなるような平面状をなしているため、キーボード部2より浸入した液体を確実に開口部4に導くことができる。また、四辺形状をなす受け部材3の4つの隅部24にそれぞれ開口部4が設けられていることによって、ノート型パソコン1が傾いて設置されている場合においても液体を案内路6に導くことができる。
また、案内路6の排水溝8に設けられている案内面9が排水口26,27に向かって傾斜して形成されているため、液体を確実に排水口26,27に導くことができる。
以下、本発明の第二実施形態のノート型パソコン1Bを図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態の排水構造30Bの案内路6Bは、排水溝8Bの形状が第一実施形態の排水溝8の形状と異なっている。本実施形態の排水溝8Bは、前後方向Xの前方の開口部4b(垂直管7)の直下の位置から前面排水口26(第一の端部)へ向かって徐々に低くなるように傾斜する第一案内面9aと、前後方向Xの後方の開口部4a(垂直管7)の直下の位置から後面排水口27(第二の端部)へ向かって徐々に低くなるように傾斜する第二案内面9bと、を有している。
第一案内面9aと水平面15とによって形成される稜線である第一稜線28は、開口部4の直下の位置よりやや後方(中央寄り)に配置されている。第二案内面9bと水平面15とによって形成される稜線である第二稜線29は、開口部4の直下の位置よりやや前方(中央寄り)に配置されている。
(ノート型パソコン1Bが水平に設置されている場合)
図7に示すように、第一案内面9a及び第二案内面9bは、開口部4の直下の位置から筐体13の前方又は後方に傾斜しているため、受け板22の開口部4を及び垂直管7を通って落下した液体は、矢印F3,F4に示すように、第一案内面9a及び第二案内面9bに落下する。即ち、液体は、水平面15に落下することはない。
第一案内面9aは、前面排水口26に向かって低くなるように傾斜しているため、液体は、前面排水口26に向かって移動して筐体13の外部へ排出される。第二案内面9bは、後面排水口27に向かって低くなるように傾斜しているため、液体は、後面排水口27に向かって移動して筐体13の外部へ排出される。
図8に示すように、水平面15は、前方と後方のいずれかが低くなるように傾く。受け板22の開口部4を及び垂直管7を通って落下した液体は、第一案内面9a又は第二案内面9bと、水平面15に落下する。
図8に示すように、水平な面Hに対してコンピュータ本体10の前方が低くなるように傾いている場合、矢印F5,F6に示すように、液体は、第一案内面9aと水平面15に落下する。第一案内面9aは、前面排水口26に向かって低くなるように傾斜しているため、液体は、前面排水口26に向かって移動して筐体13の外部へ排出される。水平面15も、前面排水口26に向かって低くなるように傾斜するため、液体は、前面排水口26に向かって移動して筐体13の外部へ排出される。
以下、本発明の第三実施形態のノート型パソコン1Cを図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、上述した第二実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態の排水構造30Cを構成する排水溝8の案内面9Cは、排水溝8の延在方向に直交する水平方向から見た(コンピュータ本体10の幅方向Yに沿う方向から見た)断面形状が上方に凸の曲線状をなしている。
本実施形態の案内面9Cは、例えば、ブロー成形を用いることによって容易に形成することができる。即ち、ブロー成形によって形成される膨らみを利用することによって、曲面状の案内面9Cを形成することができる。
以下、本発明の第四実施形態のノート型パソコンを図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態の受け部材3Dの受け板22Dは、平面視では四辺形状をなすが、上面の所定箇所を頂部とする凸曲面状をなしている。具体的には、前後方向X及び幅方向Yの中央部近傍を頂点として、この頂点が最も高くなるような球面状をなしている。
本実施形態の受け板22Dは、例えば、ブロー成形を用いることによって容易に形成することができる。
以下、本発明の第五実施形態のノート型パソコンを図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態の受け部材3Eの受け板22Eは、上面の所定箇所から各々の隅部24へ向かって漸次低くなるように傾斜する複数の平面32を有している。
具体的には、キーボード部2の貫通孔20の直下近傍に頂点Pを有し、頂点Pから第一隅部24aに向かって漸次低くなるように傾斜する第一平面32aと隅部24bに向かって漸次低くなるように傾斜する第二平面32bと、隅部24cに向かって漸次低くなるように傾斜する第三平面32cと、隅部24dに向かって漸次低くなるように傾斜する第四平面32dと、を有している。
以下、本実施形態の第六実施形態の電子機器であるキーボード装置40を図面に基づいて説明する。
図12に示すように、本実施形態のキーボード装置40は、キーボード部2等を有するキーボード装置本体41と、キーボード部2から侵入した水などの液体を排水する排水構造30Fと、を有している。
キーボード装置本体41は、箱型のキーボード筐体42を有している。キーボード筐体42には、キーボード部2が取り付けられている。キーボード筐体42は、キーボード筐体42にキーボード部2が取り付けられた際に、キーボード部2の複数のキートップ18を露出させるための四辺形状のキーボード孔14を有している。
2 キーボード部
3,3D 受け部材
4 開口部
6 案内路
7 垂直管
8,8B 排水溝
8a 第一排水溝
8b 第二排水溝
9 案内面
9a 第一案内面
9b 第二案内面
10 コンピュータ本体
11 表示部
11A 表示面
12 タッチパッド部
13 筐体
14 キーボード孔
15 水平面
16 ベースプレート
16A ウォール
17 メンブレンシート
18 キートップ
19 ストローク部材
20 貫通孔
22,22D 受け板
23 囲い板
24,24a,24b,24c,24d 隅部
26 前面排水口(端部)
27 後面排水口(端部)
30,30B,30C,30F 排水構造
32,32a,32b,32c,32d 平面
40 キーボード装置
41 キーボード装置本体
42 キーボード筐体
X 前後方向
Y 幅方向
Claims (9)
- 電子機器の筐体に配置されたキーボード部の下側に配置され、前記キーボード部を通って浸入した液体を表面に沿って所定方向に導く傾斜を有する受け板と、
前記受け板に設けられて前記所定方向に導かれた液体を落下させる開口部と、
前記開口部から落下した液体を前記受け板の下方で受け入れ、前記キーボード部に沿う平面の端部へ向かう所定方向へ導く傾斜を有する案内路と、
を有し、
前記案内路は、前記開口部の直下の位置から、前記端部へ向かう少なくとも一の方向へ傾斜した案内面を有し、
前記案内面は、第一の端部から前記第一の端部とは反対側の第二の端部まで延在する排水溝に形成され、
前記受け板は、平面視で四辺形状をなし、
前記開口部は、前記受け板の4つの隅部に形成され、
前記案内面は、4つの前記開口部のうち2つの前記開口部の直下に設けられた第一排水溝と、他の2つの前記開口部の直下に設けられた第二排水溝と、を有し、
前記第一排水溝及び前記第二排水溝のそれぞれは、前記第一の端部に向かって徐々に低くなるように傾斜する第一案内面と、前記第二の端部に向かって徐々に低くなるように傾斜する第二案内面と、を有する電子機器の排水構造。 - 前記第一案内面と前記第二案内面との間の案内面が平面状をなす請求項1に記載の電子機器の排水構造。
- 電子機器の筐体に配置されたキーボード部の下側に配置され、前記キーボード部を通って浸入した液体を表面に沿って所定方向に導く傾斜を有する受け板と、
前記受け板に設けられて前記所定方向に導かれた液体を落下させる開口部と、
前記開口部から落下した液体を前記受け板の下方で受け入れ、前記キーボード部に沿う平面の端部へ向かう所定方向へ導く傾斜を有する案内路と、
を有し、
前記案内路は、前記開口部の直下の位置から、前記端部へ向かう少なくとも一の方向へ傾斜した案内面を有し、
前記案内面は曲面状をなし、第一の端部から前記第一の端部とは反対側の第二の端部まで延在し、
前記受け板は、平面視で四辺形状をなし、
前記開口部は、前記受け板の4つの隅部に形成され、
前記案内面は、4つの前記開口部の直下の位置の間に最も上方に凸となる曲面状をなす電子機器の排水構造。 - 前記受け板は、平面視で四辺形状をなし、前記四辺形の少なくとも一の隅部の高さが他の隅部と異なる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子機器の排水構造。
- 前記受け板は、上面が一の平面状をなす請求項4に記載の電子機器の排水構造。
- 電子機器の筐体に配置されたキーボード部の下側に配置され、前記キーボード部を通って浸入した液体を表面に沿って所定方向に導く傾斜を有する受け板と、
前記受け板に設けられて前記所定方向に導かれた液体を落下させる開口部と、
前記開口部から落下した液体を前記受け板の下方で受け入れ、前記キーボード部に沿う平面の端部へ向かう所定方向へ導く傾斜を有する案内路と、
を有し、
前記受け板は、四辺形状をなし、上面の所定箇所から各々の隅部へ向かう複数の平面を有する電子機器の排水構造。 - 前記受け板は、四辺形状をなし、上面の所定箇所を頂部とする凸曲面状をなす請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子機器の排水構造。
- 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電子機器の排水構造を備える電子機器。
- 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電子機器の排水構造を備えるキーボード装置。
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