JP6479709B2 - 制御信号推定装置、擬似力覚発生装置、制御信号推定方法、およびプログラム - Google Patents
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Description
[概要]
まず概要を説明する。
実施形態では、「制御信号波形」に応じた周期的な「非対称運動」を行う「運動部材」と、非対称運動によって生じた力が与えられる「把持部」と、を有する「擬似力覚発生装置」の力学特性モデル、および、「把持部」に接触する皮膚の力学特性モデル、を含む複数のモデルに基づいて得られる、「把持部の位置、速度、加速度、ならびに皮膚に与える力(例えば、応力)の少なくとも何れかに対応する波形」と「制御信号波形」との関係を表す「制御対象の逆ダイナミクスモデル(例えば、皮膚に与える力に対応する波形が与えられると制御信号に応じた駆動信号を供給する「電気回路」の入力側電圧を求めるモデル)」に、目標となる「把持部」の位置、速度、加速度、ならびに皮膚に与える力の少なくとも何れかに対応する「目標応答波形パターン」を適用し、「非対称運動」を制御するための「目標制御信号波形」を得る。「制御対象の逆ダイナミクスモデル」は少なくとも「擬似力覚発生装置の力学特性モデル」および「皮膚の力学特性モデル」の両方を考慮したモデルである。そのため、様々な「擬似力覚発生装置」の構成および持ち方で所望の「目標応答波形パターン」を実現するために必要な「目標制御信号波形」を容易に得ることができる。これにより、「擬似力覚発生装置」の構成やその持ち方にかかわらず、所望の「目標応答波形パターン」を実現できる。また「制御対象の逆ダイナミクスモデル」を事前に求めておくことができるため、入力された所望の「目標応答波形パターン」に対してリアルタイムに「目標制御信号波形」を得ることができる。なお「モデル」とは複数の値の関係を表す数式を意味する。また「把持部の位置、速度、加速度、ならびに皮膚に与える力の少なくとも何れか」は、これらの何れか一つであってもよいし、これらの何れか複数であってもよい。「把持部の位置、速度、加速度、ならびに皮膚に与える力の少なくとも何れかに対応する波形」は、「把持部の位置、速度、加速度、ならびに皮膚に与える力の少なくとも何れか」の時間波形であってもよいし、その関数値の時間波形であってもよい。「制御信号波形」は、制御信号に応じた波形を意味する。例えば、「制御信号波形」は、制御信号そのものであってもよいし、制御信号に応じた駆動信号を供給する「電気回路」の入力側電圧であってもよいし、出力側電圧(駆動電圧)であってもよいし、入力電流であってもよいし、出力電流(駆動電流)であってもよい。「目標制御信号波形」は、目的の制御信号に応じた波形を意味する。「目標制御信号波形」の例は、電圧の時間波形や電流の時間波形などである。なお、ある物理量の時間波形とは、各時間での物理量からなる波形を意味する。
以下、図面を用いて第1実施形態を説明する。
<構成>
図1に例示するように、本形態のシステムは目標応答波形パターンから目標制御信号波形を得る制御信号推定装置11、擬似力覚を呈示する擬似力覚発生装置12、および制御信号推定装置11で得られた目標制御信号波形から擬似力覚発生装置12(アクチュエータ)の駆動信号を得る電気回路13を有する。制御信号推定装置11は、記憶部111、入力部112、およびモデル適用部113を有する。
制御信号推定装置11は、例えば、CPU(central processing unit)等のプロセッサ(ハードウェア・プロセッサ)およびRAM(random-access memory)・ROM(read-only memory)等のメモリ等を備える汎用または専用のコンピュータが所定のプログラムを実行することで構成される装置である。このコンピュータは1個のプロセッサやメモリを備えていてもよいし、複数個のプロセッサやメモリを備えていてもよい。このプログラムはコンピュータにインストールされてもよいし、予めROM等に記録されていてもよい。また、CPUのようにプログラムが読み込まれることで機能構成を実現する電子回路(circuitry)ではなく、プログラムを用いることなく処理機能を実現する電子回路を用いて一部またはすべての処理部が構成されてもよい。また、1個の装置を構成する電子回路が複数のCPUを含んでいてもよい。
電気回路13は、例えばハイパスフィルタ等の特性を持った回路である。
擬似力覚発生装置12は、例えば、支持部121、ばね122,123(弾性体)、コイル124、永久磁石である運動部材125、および把持部126(ケース)を有する。本形態の把持部126および支持部121は、ともに筒(例えば、円筒や多角筒)の両方の開放端を閉じた形状からなる中空の部材である。ただし、支持部121は、把持部126よりも小さく、把持部126の内部に収容可能な大きさである。把持部126および支持部121は、例えば、ABS樹脂等の合成樹脂から構成される。ばね122,123は、例えば、金属等から構成されるつるまきばねや板ばね等である。ばね122,123の弾性係数(ばね定数)は同一であることが望ましいが、互いに相違していてもよい。運動部材125は、例えば、円柱形状の永久磁石であり、長手方向の一方の端部125a側がN極であり、他方の端部125b側がS極である。コイル124は、例えば、一つながりのエナメル線であり、第1巻き部124aと第2巻き部124bとを有する。
本形態の前処理では制御対象の逆ダイナミクスモデルMcが設定され、記憶部111に格納される。本形態の制御対象の逆ダイナミクスモデルMcは、擬似力覚発生装置12の把持部126の位置、速度、加速度、ならびに把持部126に接触する皮膚に与える力の少なくとも何れかに対応する波形に対し、運動部材125を駆動させるための制御信号の波形(制御信号波形)に基づく波形を得るための数式モデルである。本形態の制御対象の逆ダイナミクスモデルMcは、擬似力覚発生装置12の力学特性モデルMd、および把持部126に接触する皮膚の力学特性モデルMsに基づいて得られる。
と表記する。ただし、記載表記の制約上、本明細書ではこれらをx・ 1,x・ 2と表記する場合もある。図3Bに例示する皮膚の力学特性モデルMsは、質点M1と指100の重心との間の弾性係数k1のばねおよび粘性係数b1のダンパからなる力学系の特性を表す。ここで把持部126に接触する指100の皮膚に与える力(例えば、応力)をfsと表現する。
≪力学特性モデルMdの例≫
力学特性モデルMdの力学系パラメータm1,m2,k2,b2は、擬似力覚発生装置12の設計値あるいは計測値から得られてもよいし、システム同定などの方法で得られてもよい。
≪力学特性モデルMsの例≫
fs=k1・x1+b1・x・ 1 (2)
力学特性モデルMsの力学系パラメータk1,b1は、システム同定などの方法で得られてもよいし、典型的な値とされてもよい。
上記の式(1)(2)の未知の時系列パラメータはf,x1,x・ 1,x2,x・ 2,fsであるが、上記の式(1)(2)を用いてx1,x・ 1,x2,x・ 2,を消去することにより、fとfsとの関係式fs=F(f)が得られる。ここで図2Aおよび図2Bの例ではf=i2BLと表記できる。BおよびLは擬似力覚発生装置12の設計値やシステム同定などの方法で得られる。fs=F(i2BL)=F2(i2)より、関係式
fs=F2(i2) (3A)
が得られる。この関係式(3A)の逆関数または近似逆関数である
i2=Inv(fs) (3B)
を制御対象の逆ダイナミクスモデルMcとしてもよい。
fs=FR(Vout)(4A)
の逆関数または近似逆関数である
Vout=InvR(fs) (4B)
を制御対象の逆ダイナミクスモデルMcとしてもよい。
x・・ 1=Fm(i2) (5A)
を計算し、この関係式(5A)の逆関数または近似逆関数である
i2=Invm(x・・ 1) (5B)
を制御対象の逆ダイナミクスモデルMcとしてもよい。
x・・ 1=FRm(Vout) (6A)
を計算し、この関係式(6A)の逆関数または近似逆関数であるVout=InvRm(x・・ 1) (6B)
を制御対象の逆ダイナミクスモデルMcとしてもよい。
x・ 1=F’(f) (7A)
を計算し、この関係式(7A)の逆関数または近似逆関数である
i2=Inv(x・ 1) (7B)
を制御対象の逆ダイナミクスモデルMcとしてもよい。
x・ 1=F’x・R(Vout) (8A)
を計算し、この関係式(8A)の逆関数または近似逆関数である
Vout=Invx・R(x・ 1) (8B)
を制御対象の逆ダイナミクスモデルMcとしてもよい。
x1=Fx(f) (9A)
を計算し、この関係式(9A)の逆関数または近似逆関数であるi2=Invx(x1) (9B)
を制御対象の逆ダイナミクスモデルMcとしてもよい。
x1=FV(Vout) (10A)
を計算し、この関係式(10A)の逆関数または近似逆関数である
Vout=InvR(x1) (10B)
を制御対象の逆ダイナミクスモデルMcとしてもよい。
本形態の目標制御信号波形の推定処理では、目標応答波形パターンが入力部112に入力される。目標応答波形パターンは、目標となる把持部126の位置、速度、加速度、ならびに指100の皮膚に与える力の少なくとも何れかに対応する。いずれの物理量の時間波形パターン(各時間での物理量からなる波形パターン)を目標応答波形パターンとするかは制御対象の逆ダイナミクスモデルMcの構成に依存する。すなわち、制御対象の逆ダイナミクスモデルMcは目標応答波形パターンから目標制御信号波形を得るモデルであり、入力部112に入力される目標応答波形パターンはこの制御対象の逆ダイナミクスモデルMcに対応した時間波形パターンとなる。例えば、式(3B)または式(4B)の制御対象の逆ダイナミクスモデルMcの場合には力fsの時間波形パターンを目標応答波形パターンとする。式(5B)または式(6B)の制御対象の逆ダイナミクスモデルMcの場合には加速度x・・ 1の時間波形パターンを目標応答波形パターンとする。式(7B)または式(8B)の制御対象の逆ダイナミクスモデルMcの場合には速度x・ 1の時間波形パターンを目標応答波形パターンとする。式(9B)または式(10B)の制御対象の逆ダイナミクスモデルMcの場合には位置x1の時間波形パターンを目標応答波形パターンとする。また目標応答波形パターンは、擬似力覚発生装置12の運動部材125を周期的に非対称運動させるための制御信号のパターンである。例えば、目標応答波形パターンは、第1の時間区間T1では、向きが所定方向であって絶対値が第1の閾値以上である力を表し、第1の時間区間T1と異なる第2の時間区間T2では、向きが所定方向の反対方向であって絶対値が第2の閾値以内である力を表す周期的な波形パターンである。第1の時間区間T1は第2の時間区間T2よりも短い(T1<T2)。例えば、この周期の1周期はT1およびT2からなる。好ましくは、目標応答波形パターンが矩形波形パターンまたは略矩形波形パターンであることが望ましい。
本形態では、擬似力覚の呈示のための目標応答波形パターンから擬似力覚発生装置12の制御のための目標制御信号波形を推定できる。これにより、擬似力覚発生装置12の構成や持ち方が変わった場合でも、それぞれに応じて適切な目標制御信号波形を推定できる。また、逆関数または近似逆関数によって事前に制御対象の逆ダイナミクスモデルMcを求めることが可能であるため、目標応答波形パターンからリアルタイムに目標制御信号波形を推定できる。
第2実施形態は第1実施形態の変形例であり、制御対象の逆ダイナミクスモデルMcが、擬似力覚発生装置12の力学特性モデルMd、皮膚の力学特性モデルMs、および制御信号波形と電気回路の出力との関係を表す電気回路特性モデルMeに基づく点が相違する。以下では第1実施形態との相違点を中心に説明し、既に説明した事項については同じ参照番号を用いて説明を簡略化する。
図1に例示するように、本形態のシステムは目標応答波形パターンから目標制御信号波形を得る制御信号推定装置21、擬似力覚発生装置12、および電気回路13を有する。制御信号推定装置21は、記憶部211、入力部112、およびモデル適用部213を有する。制御信号推定装置21は、例えば前述した汎用または専用のコンピュータが所定のプログラムを実行することで構成される装置である。
本形態の前処理では制御対象の逆ダイナミクスモデルMcが設定され、記憶部211に格納される。本形態の制御対象の逆ダイナミクスモデルMcは、擬似力覚発生装置12の把持部126の位置、速度、加速度、ならびに把持部126に接触する皮膚に与える力の少なくとも何れかに対応する波形と、運動部材125を駆動させるための制御信号の波形(制御信号波形)との関係を表す数式モデルである。本形態の制御対象の逆ダイナミクスモデルMcは、擬似力覚発生装置12の力学特性モデルMd、把持部126に接触する皮膚の力学特性モデルMs、および制御信号波形と擬似力覚発生装置12に駆動信号を供給する電気回路の出力との関係を表す電気回路特性モデルMeに基づいて得られる。
制御電圧Vinと駆動電圧Voutには以下の関係が成り立つ。
Vout=H(S)・Vin (11)
ただし、H(S)=S・T/(1+S・T)であり、Sはラプラス変換の変数であり、Tはフィルタの時定数である。これらの特性は設計値から得られてもよいし、システム同定などの方法で得られてもよい。
前述の式(1)(2)および上述の式(11)に基づいた関係式を制御対象の逆ダイナミクスモデルMcとする。例えば、前述の式(3B)〜(10B)の何れかと式(11)とに基づいた関係式を制御対象の逆ダイナミクスモデルMcとする。例えば、式(4B)と式(11)からVout=InvR(fs)=H(S)・Vinが成り立つ。そのため、以下の関係式を制御対象の逆ダイナミクスモデルMcとできる。
Vin=H−1(S)・InvR(fs) (12)
あるいは、式(6B)と式(11)から得られる以下の関係式を制御対象の逆ダイナミクスモデルMcとしてもよい。
Vin=H−1(S)・InvR(x・・ 1) (13)
あるいは、例えばVoutが±1で飽和する特性を示すこととし、Voutに代えて以下のVout’を用いた制御対象の逆ダイナミクスモデルMcであってもよい。
本形態の目標制御信号波形の推定処理では、目標応答波形パターンが入力部112に入力される。例えば、式(12)の制御対象の逆ダイナミクスモデルMcの場合には力fsの時間波形パターンを目標応答波形パターンとする。例えば、式(13)の制御対象の逆ダイナミクスモデルMcの場合には加速度x・・ 1の時間波形パターンを目標応答波形パターンとする。
非特許文献1の従来手法と本形態との比較実験結果を例示する。
《実験結果1:[T1,T2]=[2,10]msec》
図4A〜図4Cは従来手法による実験結果を表す。図4Aに示すように、従来手法では擬似力覚発生装置12の制御電圧[V]を[T1,T2]=[2,10]msecの略矩形波とした。すなわち、2[msec]の時間区間T1と10[msec]の時間区間とが交互に繰り返され、時間区間T1での制御電圧Vinを正とし、時間区間T2での制御電圧Vinを負とした。時間区間T1での制御電圧Vinの絶対値は、時間区間T2での制御電圧Vinの絶対値よりも大きい。図4Bはこのように制御された擬似力覚発生装置12がその把持部126に接触する指100の皮膚に与える力[N]の波形を表し、図4Cは把持部12の位置[m]の波形を表す。
図6A〜図6Cは従来手法による実験結果を表し、図7A〜図7Cは本形態による実験結果を表す。比較実験結果1と異なり、[T1,T2]=[3,16]msecとした。その他の条件は比較実験結果1と同じである。
本形態でも、擬似力覚の呈示のための目標応答波形パターンから擬似力覚発生装置12の制御のための目標制御信号波形を推定できる。これにより、擬似力覚発生装置12の構成や持ち方が変わった場合でも、それぞれに応じて適切な目標制御信号波形を推定できる。また、逆関数または近似逆関数によって事前に制御対象の逆ダイナミクスモデルMcを求めることが可能であるため、目標応答波形パターンからリアルタイムに目標制御信号波形を推定できる。さらに電気回路特性モデルMeを考慮して制御対象の逆ダイナミクスモデルMcが得られるため、電気回路13の特性が変わった場合でも、それぞれに応じて適切な目標制御信号波形を推定できる。
擬似力覚発生装置12(図2Aおよび図2B)の変形例として、運動部材125の端部125a側(N極側)または端部125b側(S極側)のみにコイル124が巻き付けられていてもよい。例えば、図8Aおよび図8Bの擬似力覚発生装置12’のように、支持部121の外周側の端部125b側(S極側)のみにコイル124が巻き付けられていてもよい。擬似力覚発生装置12’のその他の構成は擬似力覚発生装置12と同じである。擬似力覚発生装置12’の擬似力覚発生装置12と共通する部位には、擬似力覚発生装置12と同じ参照符号を用いている。
あるいは、図9の擬似力覚発生装置12”のように、擬似力覚発生装置12(図2Aおよび図2B)のコイル124に代えて、支持部121の外周側の端部125a側(N極側)にA1方向に巻きつけられた第1巻き部124a’側のコイルと、支持部121の外周側の端部125b側(S極側)にB1方向(A1方向と反対向き)に巻き付けられた第2巻き部124b’側のコイルとが独立したものが用いられてもよい。すなわち、第1巻き部124a’側のコイルと第2巻き部124b’側のコイルとが電気的に接続されておらず、互いに異なる電気信号を与えることができる構成であってもよい。擬似力覚発生装置12”のその他の構成は擬似力覚発生装置12と同じである。擬似力覚発生装置12”の擬似力覚発生装置12と共通する部位には、擬似力覚発生装置12と同じ参照符号を用いている。
擬似力覚発生装置が複数の運動部材を備えていてもよい。例えば、2個以上の運動部材を備えている擬似力覚発生装置の力学特性モデルMdおよびその把持部に接触する指の皮膚の力学特性モデルMsは図10のようになる。
と表記する。記載表記の制約上、本明細書ではこれをx・ jと表記する場合もある。x・ jの時間微分値、すなわち加速度を
と表記する。本明細書ではこれをx・・ jと表記する場合もある。
ただし、f1は質点M1に指の皮膚から与えられる力を表す。これらの式(14)〜(17)を用いて制御対象の逆ダイナミクスモデルMcが設定されてもよい。
擬似力覚発生装置12を把持する力の強さが変わると皮膚の力学特性モデルが変化するため、制御対象の逆ダイナミクスモデルMcも変化する。この様な変化に対応するため、たとえば、擬似力覚発生装置12の把持部126に、皮膚に与える力[N]を計測するセンサを設置し、ある時刻にセンサで検出した力と、検出時刻に対応する目標応答波形パターンでの力との誤差の絶対値が所定の閾値以上の場合、制御対象の逆ダイナミクスモデルMcが適切でないと判定して、皮膚の力学特性モデルMsのパラメータを所定の方法で変更して制御対象の逆ダイナミクスモデルMcを再計算することとしても良い。
本形態では、上述の実施形態とは逆に、制御対象の順ダイナミクスモデルに制御信号波形を適用し、その応答波形を推定する。
図11に例示するように、本形態の波形推定装置31は、記憶部311、入力部312、モデル適用部313、および出力部314を有する。波形推定装置31は、例えば前述した汎用または専用のコンピュータが所定のプログラムを実行することで構成される装置である。
本形態の前処理では制御対象の順ダイナミクスモデルMpが設定され、記憶部311に格納される。本形態の制御対象の順ダイナミクスモデルMpは、前述した運動部材125を駆動させるための制御信号の波形(制御信号波形)に対し、擬似力覚発生装置12の把持部126の位置、速度、加速度、ならびに把持部126に接触する皮膚に与える力の少なくとも何れかに対応する応答波形を得るための数式モデルである。本形態の制御対象の順ダイナミクスモデルMpは、擬似力覚発生装置12の力学特性モデルMd、および把持部126に接触する皮膚の力学特性モデルMsに基づいて得られる。力学特性モデルMdや力学特性モデルMsの例は前述の通りである。制御対象の順ダイナミクスモデルMpの逆関数または近似逆関数が前述した制御対象の逆ダイナミクスモデルMcとなる。制御対象の順ダイナミクスモデルMpの例は前述した関係式(3A)〜(10A)である。
本形態の応答波形の推定処理では、制御信号波形が入力部312に入力される。制御信号波形は、前述した運動部材125を駆動させるための制御信号波形である。制御信号波形は、運動部材125の制御に必要な物理量の時間波形(各時間での物理量からなる波形)である。制御信号波形は、例えば、正値の波形と負値の波形とが非対称な周期的な波形である(例えば、図4A,図5A,図6A,図7A)。また、いずれの物理量の時間波形を制御信号波形とするかは制御対象の順ダイナミクスモデルMpの構成に依存する。すなわち、制御対象の順ダイナミクスモデルMpは、制御信号波形から応答波形を得るモデルであり、入力部112に入力される制御信号波形はこの制御対象の順ダイナミクスモデルMpに対応した時間波形となる。例えば、制御対象の順ダイナミクスモデルMpが関係式(3A)の場合、電流i2の時間波形を制御信号波形とする。例えば、制御対象の順ダイナミクスモデルMpが関係式(4A)の場合、電圧Voutの時間波形を制御信号波形とする。
本形態により、制御信号波形および擬似力覚発生装置12の構成や持ち方に応じた応答波形を推定できる。
第4実施形態は第3実施形態の変形例であり、制御対象の順ダイナミクスモデルMpが、擬似力覚発生装置12の力学特性モデルMd、皮膚の力学特性モデルMs、および制御信号波形と電気回路の出力との関係を表す電気回路特性モデルMeに基づく点が相違する。
図11に例示するように、本形態の波形推定装置41は、記憶部411、入力部312、モデル適用部413、および出力部314を有する。波形推定装置41は、例えば前述した汎用または専用のコンピュータが所定のプログラムを実行することで構成される装置である。
fs=FR(H(S)・Vin)=FRH(Vin) (18)
を制御対象の順ダイナミクスモデルMpとしてもよい。あるいは、関係式(5A)と式(11)とi2=Vout/Rに基づいた関係式
x・・ 1=Fm(H(S)・Vin/R)=FmRH(Vin) (19)
を制御対象の順ダイナミクスモデルMpとしてもよい。
本形態の応答波形の推定処理では、制御信号波形が入力部312に入力される。制御信号波形は、前述した運動部材125を駆動させるための制御信号波形である。前述のように、いずれの物理量の時間波形を制御信号波形とするかは制御対象の順ダイナミクスモデルMpの構成に依存する。例えば、制御対象の順ダイナミクスモデルMpが関係式(18)の場合、電圧Vinの時間波形を制御信号波形とする。
本形態により、制御信号波形、擬似力覚発生装置12の構成や持ち方、および電気回路13に応じた応答波形を推定できる。
制御対象の順ダイナミクスモデルMpに制御信号波形として試行信号波形を適用して得られる、把持部の位置、速度、加速度、ならびに皮膚に与える力の少なくとも何れかに対応する推定波形と、入力された目標応答波形パターンとの誤差に基づいて(例えば、最急降下法などを用いて誤差が最小になるように)試行信号波形を調整し、擬似力覚発生装置12の非対称運動を制御するための目標制御信号波形を得てもよい。
図12に例示するように、本形態のシステムは目標応答波形パターンから目標制御信号波形を得る制御信号推定装置51、擬似力覚発生装置12、および電気回路13を有する。制御信号推定装置51は、記憶部311、入力部112、モデル適用部313、試行信号更新部514、および誤差計算部515を有する。制御信号推定装置51は、例えば前述した汎用または専用のコンピュータが所定のプログラムを実行することで構成される装置である。
第3実施形態で説明したように制御対象の順ダイナミクスモデルMpが設定され、記憶部311に格納される。本形態の制御対象の順ダイナミクスモデルMpは、運動部材125を駆動させるための制御信号波形に対し、擬似力覚発生装置12の把持部126の位置、速度、加速度、ならびに把持部126に接触する皮膚に与える力の少なくとも何れかに対応する応答波形を得るための数式モデルである。本形態の制御対象の順ダイナミクスモデルMpは、力学特性モデルMd,Msに基づく。
本形態の目標制御信号波形の推定処理では、目標応答波形パターンTA(t)が入力部112に入力される。tは時刻を表す。目標応答波形パターンTA(t)は、目標となる把持部126の位置、速度、加速度、ならびに指100の皮膚に与える力の少なくとも何れかに対応する。いずれの物理量の時間波形パターンを目標応答波形パターンTA(t)とするかは制御対象の順ダイナミクスモデルMpの構成に依存する。すなわち、制御対象の順ダイナミクスモデルMpは制御信号波形から応答波形を得るモデルであり、入力部112に入力される目標応答波形パターンTA(t)はこの制御対象の順ダイナミクスモデルMpの応答波形に対応したものである。例えば、制御対象の順ダイナミクスモデルMpが関係式(3A)の場合、目標となる力fsの時間波形を目標応答波形パターンTA(t)とする。目標応答波形パターンTA(t)は誤差計算部515に送られる(ステップS51)。
本形態では、擬似力覚の呈示のための目標応答波形パターンから擬似力覚発生装置12の制御のための目標制御信号波形を推定できる。これにより、擬似力覚発生装置12の構成や持ち方が変わった場合でも、それぞれに応じて適切な目標制御信号波形を推定できる。また、逆関数または近似逆関数によって制御対象の逆ダイナミクスモデルを求める場合と異なり、制御対象の順ダイナミクスモデルが非線形であったとしても、精度よく目標制御信号波形を推定できる。
第6実施形態は第5実施形態の変形例であり、制御対象の順ダイナミクスモデルMpが、擬似力覚発生装置12の力学特性モデルMd、皮膚の力学特性モデルMs、および制御信号波形と電気回路の出力との関係を表す電気回路特性モデルMeに基づく点が相違する。
第4実施形態で説明したように制御対象の順ダイナミクスモデルMpが設定され、記憶部311に格納される。本形態の制御対象の順ダイナミクスモデルMpは、運動部材125を駆動させるための制御信号波形に対し、擬似力覚発生装置12の把持部126の位置、速度、加速度、ならびに把持部126に接触する皮膚に与える力の少なくとも何れかに対応する応答波形を得るための数式モデルである。本形態の制御対象の順ダイナミクスモデルMpは、力学特性モデルMd,Msおよび電気回路特性モデルMeに基づく。
力学特性モデルMd,Msおよび電気回路特性モデルMeに基づく制御対象の順ダイナミクスモデルMpを用いる以外、第5実施形態の目標制御信号波形の推定処理と同じである。
本形態の比較実験結果を例示する。
《実験結果2:[T1,T2]=[2,10]msec》
図13A〜図13Cは本形態による実験結果を表す。この実験では図13Bの破線で表示した目標応答波形パターンを用い、図13Aの制御信号波形を得た。この目標応答波形パターン(図13B)は、把持部126に接触する指100の皮膚に与える力[N]の時間波形である。この目標応答波形パターンは、2[msec]の時間区間T1とそれに続く10[msec]の時間区間T2とを繰り返す周期的なパターンであり、その1周期には時間区間T1と時間区間T2が1ずつ含まれ、1周期は時間区間T1および時間区間T2からなる12[msec]である。この目標応答波形パターン(図13A)によって制御された擬似力覚発生装置12がその把持部126に接触する指100の皮膚に与える力[N]の応答波形を図13Bの実線で示す。図13Bより、目標応答波形パターンに近似する応答波形が得られていることが分かる。図13Cはこの際の把持部12の位置[m]の波形を表す。
図14A〜図14Cは本形態による実験結果を表す。実験結果4と異なり、[T1,T2]=[3,16]msecとした。その他の条件は比較実験結果1と同じである。
本形態でも、擬似力覚の呈示のための目標応答波形パターンから擬似力覚発生装置12の制御のための目標制御信号波形を推定できる。これにより、擬似力覚発生装置12の構成や持ち方が変わった場合でも、それぞれに応じて適切な目標制御信号波形を推定できる。また、逆関数または近似逆関数によって制御対象の逆ダイナミクスモデルを求める場合と異なり、制御対象の順ダイナミクスモデルが非線形(例えば、電気回路の出力が飽和する場合)であったとしても、その非線形特性をも反映させ、精度よく目標制御信号波形を推定できる。
第5,6実施形態の変形例として、擬似力覚発生装置12に代えて第1,2実施形態の変形例1,2で例示した擬似力覚発生装置12’,12”が用いられてもよい。第1,2実施形態の変形例3で例示したように、擬似力覚発生装置が複数の運動部材を備えていてもよい。
第1〜6実施形態の何れかまたはその変形例の目標制御信号波形を用い、第1の皮膚に直接的または間接的に支持されるベース機構と、ベース機構に対して目標制御信号波形に応じた周期的な非対称運動を行い、直接的または間接的に接触した第2の皮膚に非対称運動に基づく力を与える接触機構とを有する擬似力覚発生装置を駆動させてもよい。ただし、この接触機構の質量はベース機構の質量よりも小さい。
図15A〜図15Dに例示するように、本形態の擬似力覚発生装置1000は、基部1001、支持部1026−1および支持部1026−1に対する非対称振動(周期的な非対称運動)を行う運動部材1025−1を含む振動子1020−1、ならびに接触部1003−1を有する。本形態の運動部材1025−1は、前述の電気回路13から出力された駆動信号に基づいて、支持部1026−1に支持された状態で、D−1軸に沿った非対称振動を行う。基部1001は手200の皮膚201(第1の皮膚)に直接的または間接的に支持され、接触部1003−1は直接的または間接的に接触した手200の皮膚202(第2の皮膚)に非対称振動に基づく力を与える。この非対称振動は擬似的な力覚を知覚させるための振動である。
図15A〜図15Dに例示するように、本形態の基部1001は板状の部材であり、その上面1001b側には振動子1020−1が配置される凹部1001d−1が設けられている。基部1001はどのようなものであってもよい。基部1001の例は、スマートフォン端末装置、タブレット端末装置、電子書籍リーダー装置、携帯電話端末装置、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機などの移動体端末装置である。コントローラーその他の電子機器が基部1001であってもよいし、電子機器以外の部材が基部1001であってもよい。基部1001が携帯電話端末装置などの移動体端末装置とその他の部材とを含んでもよい。
振動子1020−1の支持部1026−1が凹部1001d−1の底面1001e−1に取り付けられている。なお「αがβに取り付けられている」とは、αがβに固定されていること、αがβに接続されていること、αがβに着脱可能に保持されていること、または、αが「遊び(余裕)」または「ガタ」を持った状態でβに保持されていること、の何れかを意味する。また「αがβに取り付けられている」とは、αがβに直接取り付けられていることのみならず、αが介在物を介して間接的にβに取り付けられていることも含む概念である。「βにαが取り付けられている」も同義である。これによって振動子1020−1は基部1001に支持され、振動子1020−1は凹部1001d−1の内部に配置されている。振動子1020−1の運動部材1025−1は、支持部1026−1に支持された状態で、D−1軸に沿って支持部1026−1に対する非対称振動を行うことが可能である。本形態のD−1軸は基部1001の短手方向に沿った軸であり、運動部材1025−1は、基部1001の短手方向に非対称振動する。以下、振動子1020−1の具体的な構成を例示する。
振動子1020−1の運動部材1025−1には接触部1003−1が取り付けられ、これによって接触部1003−1が振動子1020−1によって支持される。すなわち、接触部1003−1は、運動部材1025−iに取り付けられており、かつ、支持部1026−1に対して振動可能とされている。図15A〜図15Dに例示するように、本形態の接触部1003−1は、平面形状(板面1003a−1,1003b−1の形状)が略矩形(例えば、長方形や正方形)の板状部材である。板面1003a−1,1003b−1の大きさは、基部1001の凹部1001d−1の開口部の領域よりも小さい。すなわち、接触部1003−1の板面1003a−1の領域は、基部1001の上面1001bの領域よりも狭い。接触部1003−1は、運動部材1025−iの非対称振動に基づく振動を伝導可能な硬さを持ち、かつ、できるだけ軽量な材質で構成されることが望ましい。このような材質としては、例えば、ABS樹脂等の合成樹脂を例示できる。
前述のように、本形態の「ベース機構」は基部1001および支持部1026−1を含む機構であり、例えば、基部1001および支持部1026−1からなる機構である。「ベース機構」が、さらに、ばね1022−i,1023−i、およびコイル1024−iの少なくとも何れかを含んでもよい。また「接触機構」は接触部1003−1および運動部材1025−1を含む機構であり、例えば、接触部1003−1、運動部材1025−1、および連結部1029a−i,1029b−i,1029c−i,1029d−iからなる機構である。「接触機構」の質量m1は「ベース機構」の質量m2よりも小さい。これによって効率的に擬似的な力覚を呈示できる。好ましくは、「接触機構」の質量m1が、零よりも大きく、「ベース機構」の質量m2の質量の三分の一以下である。言い換えると、0<m1/m2≦1/3である。これにより、より効率的に擬似的な力覚を呈示できる。
図15Dに例示するように、擬似力覚発生装置1000の利用時には、基部1001の底面1001c側が手200の掌や親指を除く指などの皮膚201で保持(把持)され、接触部1003−1に手200の親指などの皮膚202が接触する。基部1001は皮膚201に直接接触していてもよいし、介在物を介して保持されていてもよい。同様に、接触部1003−1も皮膚202に直接接触していてもよいし、介在物を介して接触していてもよい。ただし、接触部1003−1の振動に基づく力が皮膚202に伝導されなければならない。
第7実施形態ではD−1軸は基部1001の短手方向に沿った軸であったが、図17Aおよび図17Bに例示するように、基部1001の長手方向に沿った軸をD−1軸としてもよい。
第7実施形態では、振動子1020−1の支持部1026−1が基部1001の凹部1001d−1の底面1001e−1に取り付けられ、振動子1020−1の運動部材1025−1に接触部1003−1が取り付けられていた。しかし、図17Cに例示するように、振動子1020−1の運動部材1025−1が連結部を介して基部1001の凹部1001d−1の底面1001e−1に取り付けられ、振動子1020−1の支持部1026−1に接触部1003−1が取り付けられていてもよい。この場合、「ベース機構」は基部1001および運動部材1025−1を含む機構であり、例えば、基部1001、運動部材1025−1、およびそれらの連結部1029a−1,1029b−1,1029c−1,1029d−1からなる機構である。また、この場合の「接触機構」は接触部1003−1および支持部1026−1を含む機構であり、例えば、接触部1003−1および支持部1026−1からなる機構である。「接触機構」が、さらに、ばね1022−i,1023−i、およびコイル1024−iの少なくとも何れかを含んでもよい。「接触機構」の質量m1は「ベース機構」の質量m2よりも小さい。これによって効率的に擬似的な力覚を呈示できる。好ましくは、「接触機構」の質量m1が、零よりも大きく、「ベース機構」の質量m2の質量の三分の一以下である。
擬似力覚発生装置1000が基部1001を含まなくてもよい。例えば、振動子1020−1および接触部1003−1を含む機構と基部1001とが別々に流通し、利用時に第7実施形態の変形例1または2のように、基部1001に振動子1020−1および接触部1003−1が取り付けられてもよい。
第8実施形態は第7実施形態の変形例であり、擬似力覚発生装置が複数個の接触機構を有する。
図19A〜図19Cに例示する擬似力覚発生装置1200のように、D−1軸とD−2軸とが互いに略直交していてもよい。「略直交」の例は直交である。この擬似力覚発生装置1200は、基部1201、支持部1026−iおよび支持部1026−iに対する非対称振動(周期的な非対称運動)を行う運動部材1025−iを含む振動子1020−i、ならびに接触部1003−iを有する(ただし、i=1,2)。基部1201の上面1201b側には接触部1003−1が配置されており、基部1201の下面1201c側には接触部1003−2が配置されている。各接触部1003−iは振動子1020−iを介して基部1201に取り付けられており、振動子1020−iの駆動によって接触部1003−iが基部1201に対して非対称振動する。D−1軸は基部1201の短手方向に沿った軸であり、D−2軸は基部1201の長手方向に沿った軸であり、互いに略直交する。接触部1003−1は上面1201bと略平行に配置され、接触部1003−2は下面1201cと略平行に配置されている。この例では、接触部1003−1と接触部1003−2とは互いにずれた位置に配置されている。すなわち、上面1201bと下面1201cとの中間に位置するこれらと略平行な中間面に対して、接触部1003−1と面対称となる領域に、接触部1003−2は存在していない。擬似力覚発生装置1200の使用時には、基部1201、および接触部1003−1,1003−2が利用者の皮膚に接触する。擬似力覚発生装置1200の振動子1020−1,1020−2を駆動することで、利用者は接触部1003−1,1003−2の非対称振動に基づく擬似的な力覚を知覚する。
図20A〜図20Cに例示した擬似力覚発生装置1300のように、上面1201bと下面1201cとの中間に位置するこれらと略平行な中間面に対して、接触部1003−1と面対称となる領域に接触部1003−2が存在していてもよい。このような擬似力覚発生装置1300の使用時には、基部1201、および接触部1003−1,1003−2が利用者の皮膚に接触する。擬似力覚発生装置1200の振動子1020−iを駆動することで、擬似力覚発生装置1300の振動子1020−1,1020−2を駆動することで、利用者は接触部1003−1,1003−2の非対称振動に基づく擬似的な力覚を知覚する。
図21A〜図21Cに例示する擬似力覚発生装置1400は、基部1401、振動子1020−i、ならびに接触部1003−iを有する(ただし、i=1,2)。基部1401の内部には、振動子1020−2の支持部1026−2または運動部材1025−2の何れか一方側が取り付けられており、その他方側には接触部1003−2に取り付けられている。接触部1003−2には、振動子1020−1の支持部1026−1または運動部材1025−1の何れか一方側が取り付けられており、その他方側には接触部1003−1に取り付けられている。振動子1020−1は、その運動部材1025−1が基部1401の短手方向に沿ったD−1軸に沿って非対称振動可能なように取り付けられており、振動子1020−2は、その運動部材1025−2が基部1401の長手方向に沿ったD−2軸に沿って非対称振動可能なように取り付けられている。すなわち、振動子1020−1,1020−2はD−1軸とD−2軸とが互いに略直交するように取り付けられている。例えば、図22Aおよび図22Bに例示するように、振動子1020−2の支持部1026−2が基部1401の内部に固定されており、振動子1020−2の運動部材1025−2が連結部1029a−2,1029b−2,1029c−2,1029d−2を介して接触部1003−2に取り付けられている。接触部1003−2には、振動子1020−1の支持部1026−1が取り付けられており、振動子1020−1の運動部材1025−1が連結部1029a−1,1029b−1,1029c−1,1029d−1を介して接触部1003−1に取り付けられている。接触部1003−1,1003−2は、基部1401の上面1401bおよび下面1401cと略平行であり、接触部1003−1は上面1401bと略同一平面上に配置されている。
図23Aおよび図23Bに例示するように、本形態の擬似力覚発生装置1500は、振動子1020−1、板状の接触部1503および帯状(バンド状)の接触部1504を有する。接触部1503は合成樹脂等から構成され、接触部1504は合成樹脂や皮などから構成される。振動子1020−1の運動部材1025−1は連結部1029a−1,1029b−1,1029c−1,1029d−1を介して接触部1503の板面1503cに取り付けられている。さらに振動子1020−1の支持部1026−1には接触部1504に取り付けられている。図23Aおよび図23Bの例では、支持部1026−1に対し、D−1軸と略直交する向きに、帯状の接触部1504が取り付けられている。すなわち、接触部1504は、D−1軸と略直交する向きに支持部1026−1に取り付けられている。図23Bに例示するように、擬似力覚発生装置1500は、例えば、接触部1503,1504が利用者の腕1510の皮膚に接触するように装着される。
図24に例示する擬似力覚発生装置1600のように、支持部1026−1に合成樹脂や皮などから構成される帯状部材1604が取り付けられ、さらに帯状部材1604に対し、D−1軸に沿った向きに、帯状の接触部1504が環状に取り付けられていいてもよい。すなわち、接触部1504が、D−1軸に沿った方向に支持部1026−1に取り付けられている。この構成の場合、「ベース機構」は、支持部1026−1、帯状部材1604、および接触部1504を含む機構であり、例えば、支持部1026−1、帯状部材1604、および接触部1504からなる機構である。「ベース機構」が、さらに、ばね1022−i,1023−i、およびコイル1024−iの少なくとも何れかを含んでもよい。また「接触機構」は接触部1503および運動部材1025−1を含む機構であり、例えば、接触部1503−1、運動部材1025−1、および連結部1029a−i,1029b−i,1029c−i,1029d−iからなる機構である。「接触機構」の質量m1は「ベース機構」の質量m2よりも小さい。この構成では、腕1510を横切る何れかの向きに擬似的な力覚を呈示できる。
接触機構およびベース機構の両方が皮膚に接触する構成(例えば、第7〜9実施形態およびそれらの変形例)の場合、接触機構が目標制御信号波形およびバイアス成分に応じた非対称振動を行ってもよい。ただし、バイアス成分は非対称振動の振動中心を制御する成分である。すなわち、接触機構の非対称振動の振動中心の位置を制御可能としてもよい。例えば、バイアス成分によって非対称振動による擬似的な力覚を呈示する方向に振動中心を移動させてもよい。これにより、擬似的な力覚をより明確に知覚させることができる。
比較シミュレーション結果を示す。
<擬似力覚発生装置12と擬似力覚発生装置1000との比較>
図26A〜図26Cおよび図27A〜図27Cを用い、時間非対称矩形波の制御電圧で制御した場合の比較シミュレーション結果を示す。ただし、この時間非対称矩形波は、正である期間T1および負である期間T2が[T1,T2]=[6,12][ms]のものである。図26A〜図26Cは、スマートフォンケース等の接触部が取り付けられたスマートフォン端末装置等の本体に、擬似力覚発生装置12(図3A)を内蔵した場合のシミュレーション結果を表し、図27A〜図27Cは擬似力覚発生装置1000(図15A)でのシミュレーション結果を表す。図26Aおよび図27Aは、擬似力覚発生装置12のおよび擬似力覚発生装置1000の制御電圧を表す。縦軸は制御電圧の電圧値[V]を表し、横軸は時間[sec]を表す。図26Bおよび図27Bは、図26Aおよび図27Aの制御電圧で駆動させたときの、擬似力覚発生装置12が内蔵された本体に取り付けられた接触部および擬似力覚発生装置1000の接触部1003−1から皮膚に与えられる力を表す。縦軸は皮膚に与えられる力[N]を表し、横軸は時間[sec]を表す。図26Cおよび図27Cは、図26Aおよび図27Aの制御電圧で駆動させたときの、擬似力覚発生装置12が内蔵された本体に取り付けられた接触部および擬似力覚発生装置1000の接触部1003−1の位置(振動波形)を表す。縦軸は接触部の位置[m]を表し、横軸は時間[sec]を表す。ただし、図26A〜図26Cでは、質量145gの本体(例えば、スマートフォン端末装置)、質量10gの接触部(例えば、スマートフォンケース)、質量10gの支持部(例えば、アクチュエータケース)からなる系の質量をm1=155gとし、質量5gの運動部材(例えば、アクチュエータ可動子)からなる系の質量をm2=5gとした。一方、図27A〜図27Cでは、質量5gの接触部1003−1および質量5gの運動部材1025−i(例えば、アクチュエータ可動子)からなる系の質量をm1=10gとし、質量10gの支持部1026−i(例えば、アクチュエータケース)および質量135gの基部1001(例えば、スマートフォン端末装置)からなる系の質量をm2=145gとした。これらの図から分かるように、擬似力覚発生装置1000は、接触部が取り付けられた本体に擬似力覚発生装置12を内蔵した構成に比べて質量m1に対して質量m2を大きくでき、接触部の振動の非対称性および皮膚に与えられる力の非対称性をともに大きくできる。その結果、本形態の構成では従来よりも明確に擬似的な力覚を呈示できる。
図28A〜図28Cに擬似力覚発生装置1000を時間非対称矩形波の制御電圧で制御した場合のシミュレーション結果を示し、図29A〜図29Cに擬似力覚発生装置1000を目標制御信号波形の制御電圧で制御した場合の比較シミュレーション結果を示す。ただし、時間非対称矩形波および目標制御信号波形は、いずれも正である期間T1および負である期間T2が[T1,T2]=[3,16][ms]のものである。擬似力覚発生装置1000の構成は図27A〜図27Cの構成と同じである。図28Aおよび図29Aは、擬似力覚発生装置1000の制御電圧を表す。縦軸は制御電圧の電圧値[V]を表し、横軸は時間[sec]を表す。図28Bおよび図29Bは、図28Aおよび図29Aの制御電圧で駆動させたときの、擬似力覚発生装置1000の接触部1003−1から皮膚に与えられる力を表す。縦軸は皮膚に与えられる力[N]を表し、横軸は時間[sec]を表す。ただし、図29Bの破線は目標応答波形パターンを表し、実線は応答波形を表す。図28Cおよび図29Cは、図28Aおよび図29Aの制御電圧で駆動させたときの、擬似力覚発生装置1000の接触部1003−1の位置を表す。縦軸は接触部の位置[m]を表し、横軸は時間[sec]を表す。これらの図から分かるように、目標制御信号波形の制御電圧で制御した場合、時間非対称矩形波の制御電圧で制御した場合に比べ、皮膚に与え力および接触部1003−1の位置ともにノイズとなる波形の微細振動が少なく、一方で正方向の極大値と負方向との極大値との差が大きく、非対称性が大きい。これより、目標制御信号波形の制御電圧で制御することで、よりも明確な力覚を提示できることが分かる。
図30A〜図30Cに擬似力覚発生装置1000を時間非対称矩形波の制御電圧で制御した場合のシミュレーション結果を示し、図31A〜図31Cに擬似力覚発生装置1000を目標制御信号波形の制御電圧で制御した場合の比較シミュレーション結果を示す。ただし、時間非対称矩形波および目標制御信号波形は、いずれも正である期間T1および負である期間T2が[T1,T2]=[6,12][ms]のものである。その他の条件は<時間非対称矩形波の制御電圧と目標制御信号波形の制御電圧との比較1>のものと同じである。これらの図からも、目標制御信号波形の制御電圧で制御することで、よりも明確な力覚を提示できることが分かる。
図32Aは、擬似力覚発生装置1000を[T1,T2][ms]の時間非対称矩形波の制御電圧で制御した場合に、接触部1003−1から皮膚に与えられる力の非対称性の一例をステムプロットした図である。図32Bは、擬似力覚発生装置1000を[T1,T2][ms]の目標制御信号波形の制御電圧で制御した場合に、接触部1003−1から皮膚に与えられる力の非対称性の一例をステムプロットした図である。各図の底面の二軸が期間T1およびT2をそれぞれ表し、縦軸が皮膚に与えられる力の非対称性である正負極大力の差(より正確には、正方向の極大値と、負方向の極小値の和。すなわち、正方向の極大値の絶対値から、負方向の極小値の絶対値を引いたもの。)[N]を表している。その他の条件は<時間非対称矩形波の制御電圧と目標制御信号波形の制御電圧との比較1>のものと同じである。これらの図より、目標制御信号波形の制御電圧で制御することで、時間非対称矩形波の制御電圧で制御する場合に比べ、接触部1003−1から皮膚に与えられる力の非対称性が大きくなることが分かる。さらに、目標制御信号波形の制御電圧で制御することで、[T1,T2]の変化に対してもロバストな傾向を持つことが分かる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、擬似力覚発生装置の構成は前述したものには限定されず、周期的な非対称運動によって擬似力覚を発生するその他の擬似力覚発生装置であってもよい。把持部の構成も前述のものには限定されない。すなわち、把持部が擬似力覚発生装置のケースそのものである必要はなく、擬似力覚発生装置に機械的に固定された把持部などであってもよい。また、擬似力覚発生装置は前記実施形態またはその変形例のものに限定されず、例えば、擬似力覚発生装置内に設置された加速度センサによる加速度計測結果が所定の閾値以下の期間が所定の長さ以上の場合には擬似力覚発生装置が把持されていないと判定して、異なるモードで動作する様な機能を追加で有することとしても良い。この様な機能を追加すると、たとえば、把持されていない時には擬似力覚提示を停止しても良いし、さらには、第1、2実施形態の第4の変形例も行わないこととしても良い。把持されていない場合に処理を停止することにより、把持していないのに装置が動作することによる落下、破損のリスクや電池消耗を低減できる。
≪特徴1≫運動部材1025−iをある方向に加速させるために電圧もしくは電流の値または電流の方向を急激に変化させた「加速期間」の後に、変化後の値を持続させる時間区間である「持続期間」(例えば、図33AのTB)がある。
≪特徴2≫「持続期間」の後(より望ましくは、直後)に、運動部材1025−iを急激に減速させる時間区間である「減速期間」(例えば、図33AのTC)がある。例えば、「持続期間」と「減速期間」で電圧値の符号(正負)を反転させ、かつ、「減速期間」での電圧値ができるだけ大きくなるように変化させると、急激に運動部材1025−iを減速させる効果が期待できる。電流の場合には、「持続期間」と「減速期間」で電流の流れる方向を逆方向とし、かつ、「減速期間」での電流量ができるだけ大きくなるように変化させると、急激に運動部材1025−iを減速させる効果が期待できる。
≪特徴3≫「減速期間」の後(より望ましくは、直後)に、運動部材1025−iの位置を「加速期間」で加速する前の位置に戻すために、運動部材1025−iに与える加速度(または力)を「加速期間」での加速方向の逆方向に緩やかに変化させる「復帰期間」(図33AのTD)がある。例えば、「復帰期間」において、電圧の値を一次関数に従い変化させてもよい。ただし、図33Bのように「特徴2」を有さない波形であっても擬似力覚の提示に有効な波形となる場合もある。
12,12’,12” 擬似力覚発生装置
31,41 波形推定装置
Claims (15)
- 目標制御信号波形を制御信号波形とし、前記制御信号波形に応じた周期的な非対称運動を行う運動部材と、前記非対称運動によって生じた力が与えられる把持部と、を有する擬似力覚発生装置を駆動し、前記運動部材が前記非対称運動を行うことで、前記把持部に直接的または間接的に接触した皮膚に擬似力覚を知覚させる前記目標制御信号波形を得る制御信号推定装置であって、
前記擬似力覚発生装置の力学特性モデル、および、前記把持部に接触する皮膚の力学特性モデル、を含む複数のモデルに基づいて得られる、前記把持部の位置、速度、加速度、ならびに前記皮膚に与える力の少なくとも何れかに対応する波形と前記制御信号波形との関係を表す制御対象の逆ダイナミクスモデルに、前記擬似力覚を知覚させるための目標となる前記把持部の位置、速度、加速度、ならびに前記皮膚に与える力の少なくとも何れかに対応する目標応答波形パターンを適用し、前記非対称運動を制御するための前記目標制御信号波形を得る制御信号推定装置。 - 請求項1の制御信号推定装置であって、
前記制御対象の逆ダイナミクスモデルは、前記擬似力覚発生装置の力学特性モデル、前記皮膚の力学特性モデル、および前記制御信号波形と前記擬似力覚発生装置に駆動信号を供給する電気回路の出力との関係を表す電気回路特性モデルに基づいて得られる、制御信号推定装置。 - 請求項1または2の制御信号推定装置であって、
前記擬似力覚発生装置は、
前記把持部と、
前記把持部に対する相対位置が固定された支持部と、
前記支持部に支持された弾性体と、
前記弾性体に支持され、前記支持部に対して周期的な非対称運動を行う前記運動部材と、
前記制御信号波形に応じた力を前記運動部材に与えるコイルと、を有し、
前記擬似力覚発生装置の力学系モデルは、
前記コイルによって前記運動部材に与えられる力と、前記把持部に対応する位置および速度と、前記運動部材に対応する位置および速度と、の関係をモデル化したものであり、
前記皮膚の力学系モデルは、
前記把持部に対応する位置および速度と、前記皮膚に与える力との関係をモデル化したものである、制御信号推定装置。 - 請求項1から3の何れかの制御信号推定装置であって、
前記目標応答波形パターンは、
第1の時間区間では、向きが所定方向であって絶対値が第1の閾値以上である力または加速度を表し、
前記第1の時間区間と異なる第2の時間区間では、向きが前記所定方向の反対方向であって絶対値が前記第1の閾値以内または前記第1の閾値よりも小さな第2の閾値以内である力または加速度を表し、
前記第1の時間区間が前記第2の時間区間よりも短い、制御信号推定装置。 - 請求項1から4の何れかの制御信号推定装置であって、
前記逆ダイナミクスモデルに前記目標応答波形パターンを適用して得られた逆ダイナミクス波形を、所定のパラメータ群で定義づけられる波形パターンによって表現した前記目標制御信号波形を得る、制御信号推定装置。 - 請求項1から5の何れかの制御信号推定装置で得られる目標制御信号波形に応じた周期的な非対称運動を行う運動部材と、
前記非対称運動によって生じた力が与えられる把持部と、
を有する擬似力覚発生装置。 - 対象者に直接的または間接的に支持される第1ベース機構と、
前記第1ベース機構に対して目標制御信号波形に応じた周期的な第1非対称運動を行う第1運動部材と、前記第1非対称運動によって生じた力が与えられる第1把持部と、を含み、前記第1運動部材が前記第1非対称運動を行うことで、前記第1把持部に直接的または間接的に接触した第1の皮膚に前記第1非対称運動に基づく力を与えて第1擬似力覚を知覚させる第1接触機構と、を有し、
前記第1接触機構の質量が前記第1ベース機構の質量よりも小さい、または、前記第1接触機構の質量が前記第1ベース機構の質量と前記第1ベース機構に取り付けられる機構の質量との合計よりも小さく、
前記目標制御信号波形は、
人に直接的または間接的に支持される第2ベース機構と、前記第2ベース機構に対して制御信号波形に応じた周期的な第2非対称運動を行う第2運動部材と、前記第2非対称運動によって生じた力が与えられる第2把持部と、を含み、前記第2運動部材が前記第2非対称運動を行うことで、前記第2把持部に前記人の第2の皮膚に前記第2非対称運動に基づく力を与えて第2擬似力覚を知覚させる第2接触機構と、を有するモデル化用擬似力覚発生装置の力学特性モデル、および、前記第2接触機構に接触する皮膚の力学特性モデル、を含む複数のモデルに基づいて得られる、前記第2接触機構の位置、速度、加速度、ならびに前記第2の皮膚に与える力の少なくとも何れかに対応する波形と前記制御信号波形との関係を表す制御対象の逆ダイナミクスモデルに、前記第2擬似力覚を知覚させるための目標となる前記第2接触機構の位置、速度、加速度、ならびに前記第2の皮膚に与える力の少なくとも何れかに対応する目標応答波形パターンを適用して得られる波形である、擬似力覚発生装置。 - 請求項7の擬似力覚発生装置であって、
前記制御対象の逆ダイナミクスモデルは、前記モデル化用擬似力覚発生装置の力学特性モデル、前記皮膚の力学特性モデル、および前記制御信号波形と前記モデル化用擬似力覚発生装置に駆動信号を供給する電気回路の出力との関係を表す電気回路特性モデルに基づいて得られる、擬似力覚発生装置。 - 請求項7または8の擬似力覚発生装置であって、
前記目標応答波形パターンは、
第1の時間区間では、向きが所定方向であって絶対値が第1の閾値以上である力または加速度を表し、
前記第1の時間区間と異なる第2の時間区間では、向きが前記所定方向の反対方向であって絶対値が前記第1の閾値以内または前記第1の閾値よりも小さな第2の閾値以内である力または加速度を表し、
前記第1の時間区間が前記第2の時間区間よりも短い、擬似力覚発生装置。 - 請求項7から9の何れかの擬似力覚発生装置であって、
前記第1接触機構の質量が、零よりも大きく、前記第1ベース機構の質量の三分の一以下である、擬似力覚発生装置。 - 請求項7から10の何れかの擬似力覚発生装置であって、
前記第1非対称運動は、前記目標制御信号波形およびバイアス成分に応じた非対称振動であり、
前記バイアス成分は、前記非対称振動の振動中心を制御する成分である、擬似力覚発生装置。 - 請求項11の擬似力覚発生装置であって、
前記バイアス成分は、前記非対称振動による擬似的な力覚の呈示方向に前記振動中心を移動させる成分である、擬似力覚発生装置。 - 請求項7から12のいずれかの擬似力覚発生装置であって、
前記目標制御信号波形は、
前記逆ダイナミクスモデルに前記目標応答波形パターンを適用して得られた逆ダイナミクス波形を、所定のパラメータ群で定義づけられる波形パターンによって表現した波形である、擬似力覚発生装置。 - 目標制御信号波形を制御信号波形とし、前記制御信号波形に応じた周期的な非対称運動を行う運動部材と、前記非対称運動によって生じた力が与えられる把持部と、を有する擬似力覚発生装置を駆動し、前記運動部材が前記非対称運動を行うことで、前記把持部に直接的または間接的に接触した皮膚に擬似力覚を知覚させる前記目標制御信号波形を得る制御信号推定方法であって、
前記擬似力覚発生装置の力学特性モデル、および、前記把持部に接触する皮膚の力学特性モデル、を含む複数のモデルに基づいて得られる、前記把持部の位置、速度、加速度、ならびに前記皮膚に与える力の少なくとも何れかに対応する波形と前記制御信号波形との関係を表す制御対象の逆ダイナミクスモデルに、前記擬似力覚を知覚させるための目標となる前記把持部の位置、速度、加速度、ならびに前記皮膚に与える力の少なくとも何れかに対応する目標応答波形パターンを適用し、前記非対称運動を制御するための前記目標制御信号波形を得る制御信号推定方法。 - 請求項1から5の何れかの制御信号推定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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