次に、本発明の実施形態について説明する。
(A)第1実施形態の構成の説明
図1は、本発明の第1実施形態に係る電源装置を有する車両の電源系統を示す図である。この図に示すように、車両の電源系統は、オルタネータ10、二次電池11、電圧センサ12、電流センサ13、温度センサ14、制御部15、切替スイッチ16、半導体スイッチ17−1〜17−3、昇圧回路18、および、負荷19−1〜19−4を有している。
ここで、オルタネータ10は、図示しないエンジンによって駆動され、交流電力を発生して整流回路によって直流電力に変換し、二次電池11を充電する。
二次電池11は、例えば、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、または、リチウムイオン電池等によって構成され、オルタネータ10によって充電され、図示しないスタータモータを駆動してエンジンを始動するとともに、負荷19−1〜19−4に電力を供給する。
電圧センサ12は、二次電池11の端子電圧を検出し、制御部15に通知する。電流センサ13は、二次電池11に流れる電流を検出し、制御部15に通知する。温度センサ14は、二次電池11自体または周囲の環境温度を検出し、制御部15に通知する。
制御部15は、電圧センサ12、電流センサ13、および、温度センサ14の出力を参照し、二次電池11の状態を検出するとともに、オルタネータ10の発電電圧を制御することで二次電池11の充電状態を制御する。
切替スイッチ16は、制御部15によって制御され、二次電池11の出力電圧を半導体スイッチ17−1〜17−3および昇圧回路18のいずれか一方に供給する。
半導体スイッチ17−1〜17−3は、例えば、MOS−FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)によって構成される。半導体スイッチ17−1〜17−3は、制御部15によってPWM(Pulse Width Modulation)制御され、二次電池11から負荷19−2〜19−4に供給される電圧を降圧する。なお、これらの半導体スイッチ17−1〜17−3は、同じ場所にまとめて格納するか、または、各負荷を制御するECUに個別に格納することができる。
昇圧回路18は、例えば、DC/DCコンバータ等によって構成される。昇圧回路18は、制御部15によって制御され、二次電池11から負荷19−2〜19−4に供給される電圧を昇圧する。なお、昇圧回路18は、制御部10と同じ筐体内に格納したり、制御部10とは異なる筐体内に独立して収容するようにしてもよい。
負荷19−1は、例えば、定電圧電源回路を有する負荷や、デフォガ等の熱源として動作する負荷であり、二次電池11の端子電圧がそのまま供給される。
負荷19−2〜19−4は、例えば、エアコンディショナの送風モータ、ワイパーの駆動モータ、および、ヘッドライト等によって構成される。負荷19−2〜19−4には、半導体スイッチ17−1〜17−3または昇圧回路18によって電圧が調整された電力が供給される。
(B)第1実施形態の動作の説明
つぎに、第1実施形態の動作を説明する。図2は車両の減速時(回生時)の動作を説明する図である。より詳細には、図2(A)は減速時における二次電池11の端子電圧の時間的な変化を示し、図2(B)は減速時における負荷19−2〜19−4への供給電圧を示している。なお、図2の横軸は時刻を示し、縦軸は電圧を示している。また、V1およびV2は閾値を示しており、一例を挙げると、14.5V前後と12V前後にそれぞれ設定されている。
二次電池11の端子電圧が、図2に示す閾値V2および閾値V1の範囲内に収まっている場合には、制御部15は、切替スイッチ16の接続をA側に設定するとともに、半導体スイッチ17−1〜17−3のスイッチングのデューティ比を100%に設定する。この結果、二次電池11から出力される電力は、切替スイッチ16を介して半導体スイッチ17−1〜17−3に供給される。前述のように、半導体スイッチ17−1〜17−3は、デューティ比100%に設定される(オンの状態を保持される)ので、負荷19−2〜19−4には二次電池11の端子電圧がそのまま供給される。
このような状態において、例えば、走行中の車両が、図2(A)に示す時刻t1において減速状態になると、図示しないECU(Electric Control Unit)は、オルタネータ10を制御して発電電圧を上昇させる。この結果、図2(A)に示すように、二次電池11の端子電圧は上昇する。また、前述したように、半導体スイッチ17−1〜17−3は、デューティ比100%に設定されているので、図2(B)に示すように、負荷19−2〜19−4に供給される電圧も追従して上昇する。
図2(A)に示すように、二次電池11の端子電圧が上昇し、時刻t2において閾値V1を超えると、制御部15は、半導体スイッチ17−1〜17−3のスイッチングのデューティ比を制御し、負荷19−2〜19−4に供給される電圧がV1で略一定となるようにする。この結果、二次電池11の端子電圧は、図2(A)に示すようにオルタネータ10からの供給電圧に応じて閾値V1を超えて変動するが、負荷19−2〜19−4に供給される電圧は、図2(B)に示すようにV1で略一定となる。
そして、図2の時刻t3において減速が終了すると、回生が終了し、図示しないECUは、オルタネータ10の発電電圧を元に戻すので二次電池11の端子電圧も下降を開始する。時刻t4において二次電池11の端子電圧が閾値V1以下になると、制御部15は、半導体スイッチ17−1〜17−3のスイッチングのデューティ比を徐々に100%に戻す。この結果、図2(B)に示すように、時刻t5以降は二次電池11の端子電圧と、負荷19−2〜19−4に供給される電圧は同じになる。
つぎに、車両が加速する場合の動作について図3を参照して説明する。図3は車両の加速時の動作を説明する図である。より詳細には、図3(A)は加速時における二次電池11の端子電圧の時間的な変化を示し、図3(B)は加速時における負荷19−2〜19−4への供給電圧を示している。なお、図3の横軸は時刻を示し、縦軸は電圧を示している。
二次電池11の端子電圧が、図3に示す閾値V2および閾値V1の範囲内に収まっている場合には、制御部15は、切替スイッチ16の接続をA側に設定するとともに、半導体スイッチ17−1〜17−3のスイッチングのデューティ比を100%に設定する。この結果、二次電池11から出力される電力は、切替スイッチ16を介して半導体スイッチ17−1〜17−3に供給される。半導体スイッチ17−1〜17−3は、デューティ比100%に設定される(オンの状態を保持される)ので、負荷19−2〜19−4には二次電池11の端子電圧がそのまま供給される。
このような状態において、例えば、走行中の車両が、図3(A)に示す時刻t1において加速状態になると、制御部15は、オルタネータ10を制御して、エンジンにかかる負荷を軽減させるために発電電圧を下降させる。この結果、図3(A)に示すように、二次電池11の端子電圧は下降する。また、前述したように、半導体スイッチ17−1〜17−3は、デューティ比100%に設定されているので、図3(B)に示すように、負荷19−2〜19−4に供給される電圧も下降する。
図3(A)に示すように、二次電池11の端子電圧が下降し、時刻t2において閾値V2を下回ると、制御部15は、まず、昇圧回路18の昇圧比を1に設定し、動作を開始させる。この結果、昇圧回路18に電圧が入力された場合には、入力された電圧と同じ電圧が出力されることになる。
つぎに、制御部15は、切替スイッチ16を制御し、B側を選択させる。この結果、二次電池11から出力される電力は、切替スイッチ16を介して昇圧回路18に供給される。昇圧回路18は前述したように、昇圧比が1になるように設定されているので、二次電池11から出力された電力は同じ電圧のまま負荷19−2〜19−4に供給される。なお、切替スイッチ16は高速に動作するので、A側からB側に切り替える際に、ライトやモータの動作が中断することはない。
つぎに、制御部15は、出力電圧がV2で略一定になるように昇圧回路18を制御する。このような制御の結果、図3(A)に示すように、二次電池11の端子電圧が低下した場合でも、昇圧回路18からの出力電圧は、図3(B)に示すようにV2で略一定になる。
そして、時刻t3において加速が終了すると、制御部15は、オルタネータ10の出力電圧を元の状態に復元する。この結果、図3(A)に示すように二次電池11の電圧は上昇する。
二次電池11の電圧が上昇し、時刻t4において、閾値V2よりも大きくなると、制御部15は、昇圧回路18の昇圧比を徐々に1に復元する。この結果、時刻t5において、昇圧回路18の出力電圧は、二次電池11の出力電圧に等しくなる。
昇圧回路18の昇圧比を1に復元した後、制御部15は、切替スイッチ16をA側に切り替え、昇圧回路18の動作を停止させる。なお、切替スイッチ16を切り替える際には、昇圧回路18の昇圧比は1になっており、半導体スイッチ17−1〜17−3は、デューティ比が100%の状態になっているので、切替スイッチ16をB側からA側に切り替えても負荷19−2〜19−4に供給される電圧は変化しない。
以上に説明したように、本発明の第1実施形態によれば、例えば、車両の減速に応じて回生発電がされ、二次電池11の端子電圧が閾値V1を超えた場合には、半導体スイッチ17−1〜17−3のスイッチングのデューティ比を調整することで、負荷19−2〜19−4に供給される電圧がV1で略一定になるように制御する。このような制御により、図3(A)に示すように電圧が大きく変化する場合でも、図3(B)に示すように負荷19−2〜19−4に供給される電圧の変化を抑制することができる。これにより、例えば、ヘッドライトが急に明るくなったり、エアコンディショナの送風モータの回転数が急に増加したり、ワイパー駆動モータの回転数が急に増加することを防止できるので、ユーザに不快感を与えたり、機器が故障したと誤認識されることを防止できる。また、高い電圧が印加されることでこれらの負荷の寿命が短縮することを防止できる。
つぎに、図4〜図6を参照して、第1実施形態において実行される処理の流れを説明する。まず、図4は第1実施形態において実行されるメインの処理の流れを説明するフローチャートである。図5は図4のステップS12に示す昇圧処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図6は図4のステップS14に示す降圧処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
以下では、図4に示すフローチャートについて説明した後、図5および図6に示すフローチャートについて説明する。図4に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS10では、制御部15は、電圧センサ12の出力を参照し、二次電池11の端子電圧Vbを検出する。
ステップS11では、制御部15は、ステップS10で検出した二次電池11の端子電圧Vbが閾値V2よりも小さいか否かを判定し、端子電圧Vbが閾値V2よりも小さいと判定した場合(ステップS11:Yes)にはステップS12に進み、それ以外の場合(ステップS11:No)にはステップS13に進む。
ステップS12では、制御部15は、切替スイッチ16をB側に切り替えるとともに、昇圧回路18によって二次電池11の電圧を昇圧して負荷19−2〜19−4に供給する処理を実行する。なお、この処理の詳細については、図5を参照して後述する。
ステップS13では、制御部15は、ステップS10で検出した二次電池11の端子電圧Vbが閾値V1よりも大きいか否かを判定し、端子電圧Vbが閾値V1よりも大きいと判定した場合(ステップS13:Yes)にはステップS14に進み、それ以外の場合(ステップS13:No)にはステップS15に進む。
ステップS14では、制御部15は、半導体スイッチ17−1〜17−3によって二次電池11の電圧を降圧して負荷19−2〜19−4に供給する処理を実行する。なお、この処理の詳細については、図6を参照して後述する。
ステップS15では、制御部15は、切替スイッチ16の接続をA側に設定する。これにより、二次電池11の出力電圧は、半導体スイッチ17−1〜17−3に供給される。
ステップS16では、制御部15は、半導体スイッチ17−1〜17−3のスイッチングをデューティ比100%で駆動する。すなわち、半導体スイッチ17−1〜17−3が継続してオンの状態となるように制御する。この結果、二次電池11の出力電力は降圧または昇圧されることなく、負荷19−2〜19−4に供給される。
ステップS17では、制御部15は、繰り返し処理を実行するか否かを判定し、繰り返し処理を実行すると判定した場合(ステップS17:Yes)にはステップS10に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返し、それ以外の場合(ステップS17:No)には処理を終了する。例えば、車両のイグニッションスイッチがオフの状態にされた場合にはNoと判定して処理を終了し、それ以外の場合にはYesと判定してステップS10に戻って同様の処理を繰り返す。
つぎに、図5を参照して、図4のステップS12に示す昇圧処理の詳細について説明する。図5に示す処理が開始されると以下のステップが実行される。
ステップS30では、制御部15は、昇圧回路18の昇圧比を1に設定する。この結果、昇圧回路18に電圧が入力された場合には、入力された電圧と同じ電圧が出力されることになる。
ステップS31では、制御部15は、昇圧回路18の動作を開始させる。この結果、昇圧回路18は、昇圧比が1の状態で動作を開始する。
ステップS32では、制御部15は、切替スイッチ16の接続をB側に切り替える。前述したように、昇圧回路18の昇圧比は1に設定されているので、二次電池11から出力される電力は同じ電圧のまま負荷19−2〜19−4に供給される。より詳細には、図5の処理が実行されるのは、二次電池11の端子電圧Vbが閾値V2よりも小さくなった直後であり、Vb≒V2であるので、切替スイッチ16がB側に切り替えられた直後は、昇圧回路18からはV2に近い電圧が出力される。これにより、切替スイッチ16の切替に伴って、負荷19−2〜19−4に供給される電圧が変化することを防止できる。
ステップS33では、制御部15は、昇圧回路18の出力電圧が略V2になるように昇圧比を調整する。この結果、図3(B)に示すように、昇圧回路18の出力は略V2に維持される。
ステップS34では、制御部15は、電圧センサ12の出力を参照し、二次電池11の端子電圧Vbを検出する。
ステップS35では、制御部15は、ステップS34で検出した二次電池11の端子電圧Vbが閾値V2よりも大きいか否かを判定し、端子電圧Vbが閾値V2よりも大きいと判定した場合(ステップS35:Yes)にはステップS36に進み、それ以外の場合(ステップS35:No)にはステップS33に戻って同様の処理を繰り返す。例えば、車両の加速が終了し、オルタネータ10の電圧が上昇し、二次電池11の端子電圧Vbが閾値V2よりも大きくなった場合にはステップS36に進む。
ステップS36では、制御部15は、昇圧回路18を制御し、昇圧回路18の出力電圧をV2からVbに徐々に変更する。これにより、図3(B)の時刻t4〜t5に示すように、負荷19−2〜19−4に供給される電圧がV2から二次電池11の電圧であるVbに徐々に変更される。このように徐々に変更することで、例えば、ヘッドライトが急に明るくなったり、エアコンディショナの送風モータの回転数が急に増加したり、ワイパー駆動モータの回転数が急に増加することを防止できる。
ステップS37では、制御部15は、切替スイッチ16の接続をA側に切り替える。これにより、負荷19−2〜19−4には、半導体スイッチ17−1〜17−3を介して電力が供給される。なお、半導体スイッチ17−1〜17−3は、デューティ比が100%の状態(オンを継続する状態)とされているので、負荷19−2〜19−4には、二次電池11の電力が同じ電圧のまま供給される。また、切り替える直前には、ステップS36の処理によって、昇圧回路18の出力電圧はVbに変更されているので、切替スイッチ16の切替による電圧の変化は生じない。
ステップS38では、制御部15は、昇圧回路18の動作を停止させ、元の処理に復帰(リターン)する。
つぎに、図6を参照して、図4のステップS14に示す降圧処理の詳細について説明する。図6に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS50では、制御部15は、半導体スイッチ17−1〜17−3を制御し、降圧動作を開始させる。より詳細には、制御部15は、半導体スイッチ17−1〜17−3のスイッチングのデューティ比を100%から低下させることで電圧を降下させる。
ステップS51では、制御部15は、半導体スイッチ17−1〜17−3の出力電圧が略V1になるようにデューティ比を調整する。この結果、半導体スイッチ17−1〜17−3の出力電圧は略V1に固定される。
ステップS52では、制御部15は、電圧センサ12の出力を参照し、二次電池11の端子電圧Vbを検出する。
ステップS53では、制御部15は、ステップS52で検出した二次電池11の端子電圧Vbが閾値V1よりも小さいか否かを判定し、端子電圧Vbが閾値V1よりも小さいと判定した場合(ステップS53:Yes)にはステップS54に進み、それ以外の場合(ステップS53:No)にはステップS51に戻って同様の処理を繰り返す。例えば、車両の減速が終了し、オルタネータ10の電圧が下降し、二次電池11の端子電圧Vbが閾値V1よりも小さくなった場合にはステップS54に進む。
ステップS54では、制御部15は、半導体スイッチ17−1〜17−3のスイッチングのデューティ比を制御し、半導体スイッチ17−1〜17−3の出力電圧をV1からVbに徐々に変更する。これにより、図2(B)の時刻t4〜t5に示すように、負荷19−2〜19−4に供給される電圧がV1から、二次電池11の電圧であるVbに徐々に変更される。このように徐々に変更することで、例えば、ヘッドライトが急に暗くなったり、エアコンディショナの送風モータの回転数が急に減少したり、ワイパー駆動モータの回転数が急に減少することを防止できる。
ステップS55では、制御部15は、半導体スイッチ17−1〜17−3のスイッチングのデューティ比を100%に設定し、元の処理に復帰(リターン)する。
以上の処理によれば、車両の減速に応じて回生発電がされ、二次電池11の端子電圧が閾値V1を超えた場合には、半導体スイッチ17−1〜17−3のデューティ比を調整することで、負荷19−2〜19−4に供給される電圧が略V1になるように制御する。また、車両の加速に応じてオルタネータ10の発電電圧が低下され、閾値V2よりも小さくなった場合には、昇圧回路18によって昇圧することで、負荷19−2〜19−4に供給される電圧が略V2になるように制御する。これにより、図2(A)および図3(A)に示すように、電圧が大きく変化する場合でも、図2(B)および図3(B)に示すように負荷19−2〜19−4に供給される電圧の変化を抑制することができる。これにより、例えば、ヘッドライトの明るさが急に変化したり、エアコンディショナの送風モータの回転数が急に変化したり、ワイパー駆動モータの回転数が急に変化することを防止できるので、ユーザに不快感を与えたり、機器が故障したと誤認識されることを防止できる。
(C)第2実施形態の説明
つぎに、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の構成は図1と同様であるのでその説明は省略する。第2実施形態では、図1において実行される処理の一部が異なっているので、異なる部分を中心に説明する。
図7は第2実施形態において実行される処理の流れを説明するためのフローチャートである。なお、図7において図4と対応する部分には同一の符号を付してあるのでその説明は省略する。図7では、図4と比較するとステップS71〜S73の処理が追加されている。これら以外の処理は図4と同様である。以下では、ステップS71〜S73を中心に説明する。ステップS13において、Noと判定されると以下のステップが実行される。
ステップS71では、制御部15は、電流センサ13の出力を参照し、二次電池11に流れる充電電流Ibを検出する。なお、充電電流とは、二次電池11にオルタネータ10から流入する電流から、負荷19−1〜19−4に供給される電流を減算して得られる電流値をいう。
ステップS72では、ステップS71で検出した電流Ibが閾値I2よりも小さいか否かを判定し、電流Ibが閾値I2よりも小さいと判定した場合(ステップS72:Yes)にはステップS12に進み、それ以外の場合(ステップS72:No)にはステップS73に進む。例えば、二次電池11の充電電流が、−数Aよりも小さくなった場合(+数A以上の放電電流となった場合)にはステップS12に進む。より詳細には、オルタネータ10から供給される電流よりも、負荷19−1〜19−4に供給される電流の方が大きくなった場合には、二次電池11の端子電圧が下降することが予想されるので、ステップS12に進む。
ステップS73では、ステップS71で検出した電流Ibが閾値I1(>I2)よりも大きいか否かを判定し、電流Ibが閾値I1よりも大きいと判定した場合(ステップS73:Yes)にはステップS14に進み、それ以外の場合(ステップS73:No)にはステップS16に進む。例えば、二次電池11の充電電流が、数十〜百Aよりも大きくなった場合にはステップS14に進む。より詳細には、オルタネータ10から供給される電流が通常よりも大きくなった場合には、二次電池11の端子電圧が上昇することが予想されるので、ステップS14に進む。
以上の処理によれば、充電電流Ibが閾値I2よりも小さくなった場合には、二次電池11の端子電圧が低下することが予想されるので、その場合には図5に示す昇圧処理を実行する。また、充電電流Ibが閾値I1よりも大きくなった場合には、二次電池11の端子電圧が上昇することが予想されるので、その場合には図6に示す降圧処理を実行する。これにより、端子電圧が変化する前に、昇圧動作または降圧動作を実行することで、端子電圧の急激な変化にも対応することができる。
なお、ステップS72でYesと判定される場合に実行される昇圧処理では、図5に示すように、出力電圧をV2に固定するのではなく、その時点における端子電圧に固定するようにしてもよい。例えば、図5の処理が実行された時点での端子電圧をVb0とすると、ステップS33では出力電圧をVb0に固定し、ステップS35では端子電圧VbがVb0を上回った場合にステップS36に進むようにしてもよい。このような処理によれば、早い段階から昇圧を実行することができる。
同様に、図6についても、図6の処理が実行された時点での端子電圧をVb0とすると、ステップS51では出力電圧をVb0に固定し、ステップS53では端子電圧VbがVb0を下回った場合にステップS54に進むようにしてもよい。
(D)第3実施形態の説明
つぎに、本発明の第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態の構成は図1と同様であるのでその説明は省略する。第3実施形態では、図1において実行される処理の一部が異なっているので、異なる部分を中心に説明する。
図8は第3実施形態において実行される処理の流れを説明するためのフローチャートである。なお、図8において図7と対応する部分には同一の符号を付してあるのでその説明は省略する。図8では、図7と比較するとステップS91〜S93の処理が追加されている。これら以外の処理は図7と同様である。以下では、ステップS91〜S93を中心に説明する。ステップS73において、Noと判定されると以下のステップが実行される。
ステップS91では、制御部15は、動作中の負荷数nを検出する。より詳細には、制御部15は、例えば、上位のECUに問い合わせることで、その時点において動作中の負荷数nを検出する。
ステップS92では、ステップS91で検出した動作中の負荷数nが閾値n1よりも大きいか否かを判定し、負荷数nが閾値n1よりも大きいと判定した場合(ステップS92:Yes)にはステップS12に進み、それ以外の場合(ステップS92:No)にはステップS93に進む。例えば、動作中の負荷数nが10よりも大きくなった場合には、二次電池11の端子電圧が下降することが予想されるので、ステップS12に進む。
ステップS93では、動作中の負荷数nが閾値n2よりも小さいか否かを判定し、負荷数nが閾値n2よりも小さいと判定した場合(ステップS93:Yes)にはステップS14に進み、それ以外の場合(ステップS93:No)にはステップS16に進む。例えば、動作中の負荷数nが2よりも小さくなった場合には、放電電流の減少により、二次電池11の端子電圧が上昇することが予想されるので、ステップS14に進む。
以上の処理によれば、動作中の負荷数nが閾値n1よりも大きくなった場合には、二次電池11の端子電圧が低下することが予想されるので、その場合には図5に示す昇圧処理を実行する。また、動作中の負荷数nが閾値n2よりも小さくなった場合には、二次電池11の端子電圧が上昇することが予想されるので、その場合には図6に示す降圧処理を実行する。これにより、端子電圧が変化する前に、昇圧動作または降圧動作を実行することで、端子電圧の急激な変化にも対応することができる。
なお、第2実施形態で説明したように、ステップS92でYesと判定される場合に実行される昇圧処理では、その時点における端子電圧に固定するようにしてもよい。同様に、ステップS93でYesと判定される場合に実行される降圧処理では、その時点における端子電圧に固定するようにしてもよい。
(E)第4実施形態の説明
つぎに、本発明の第4実施形態について説明する。なお、第4実施形態の構成は図1と同様であるのでその説明は省略する。第4実施形態では、図1において実行される処理の一部が異なっているので、異なる部分を中心に説明する。
図9は第4実施形態において実行される処理の流れを説明するためのフローチャートである。図9に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS100では、制御部15は、車両の走行状態に関する情報を取得する。より詳細には、制御部15は、図示しないECUから車両の走行状態に関する情報(例えば、回生発電の状態、アイドリングストップの状態、コースティングの状態、および、セーリングの状態等を示す情報)を取得する。
ステップS101では、制御部15は、ステップS100で取得した情報を参照し、回生充電を実行中か否かを判定し、回生充電を実行中である場合(ステップS101:Yes)にはステップS102に進み、それ以外の場合(ステップS101:No)にはステップS103に進む。
ステップS102では、制御部15は、降圧処理を実行する。この処理は、図6に示す処理と同様である。なお、前述したように、この降圧処理では、V1ではなく、その時点における端子電圧に固定するようにしてもよい。
ステップS103では、制御部15は、ステップS100で取得した情報を参照し、アイドリングストップ中か否かを判定し、アイドリングストップ中である場合(ステップS103:Yes)にはステップS104に進み、それ以外の場合(ステップS103:No)にはステップS105に進む。
ステップS104では、制御部15は、昇圧処理を実行する。この処理は、図5に示す処理と同様である。なお、前述したように、この昇圧処理では、V2ではなく、その時点における端子電圧に固定するようにしてもよい。
ステップS105では、制御部15は、ステップS100で取得した情報を参照し、コースティング中か否かを判定し、コースティング中である場合(ステップS105:Yes)にはステップS104に進み、それ以外の場合(ステップS105:No)にはステップS106に進む。なお、コースティングとは、燃費改善のために、車両が減速して停車する寸前にエンジンを停止することをいう。
ステップS106では、制御部15は、ステップS100で取得した情報を参照し、セーリング中か否かを判定し、セーリング中である場合(ステップS106:Yes)にはステップS104に進み、それ以外の場合(ステップS106:No)にはステップS107に進む。なお、セーリングとは、燃費改善のために、車両の高速走行時に、トランスミッションをニュートラルにすることをいう。あるいは、トランスミッションをニュートラルにするとともに、エンジンを停止することをいう。
ステップS107では、制御部15は、図8と同様の処理を実行する。なお、図8の処理では、ステップS17において繰り返し処理を実行するようになっているが、図9の処理の一部として実行される場合には、ステップS17では繰り返しは行わずに元の処理に復帰(リターン)する。
ステップS108では、制御部15は、繰り返し処理を実行するか否かを判定し、繰り返し処理を実行すると判定した場合(ステップS108:Yes)にはステップS100に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返し、それ以外の場合(ステップS108:No)には処理を終了する。
以上の処理によれば、二次電池11の端子電圧が上昇することが予想される回生充電が実行されている場合には降圧処理を実行し、二次電池11の端子電圧が下降することが予想されるアイドリングストップ、コースティング、および、セーリングの実行中には昇圧処理が実行されるので、端子電圧の変化に備えることができる。
(F)第5実施形態の説明
つぎに、本発明の第5実施形態について説明する。なお、第5実施形態の構成は図1と同様であるのでその説明は省略する。第5実施形態では、図1において実行される処理の一部が異なっているので、異なる部分を中心に説明する。
図10は第5実施形態において実行される処理の流れを説明するためのフローチャートである。図10に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS110では、制御部15は、車両の正常または異常に関する情報を取得する。より詳細には、制御部15は、図示しないECUから車両の正常/異常に関する情報を取得する。なお、車両の異常としては、例えば、オルタネータ10の故障や、二次電池11の端子が外れた場合がある。
ステップS111では、制御部15は、電圧センサ12の出力を参照し、二次電池11の端子電圧Vbを取得する。
ステップS112では、制御部15は、ステップS110で取得した情報を参照し、車両の異常が発生したか否かを判定し、異常が発生したと判定した場合(ステップS112:Yes)にはステップS113に進み、それ以外の場合(ステップS112:No)にはステップS114に進む。
ステップS113では、制御部15は、ステップS111で検出した二次電池11の端子電圧Vbと閾値V3を比較し、端子電圧Vbが閾値V3よりも大きい場合(ステップS113:Yes)にはステップS114に進み、それ以外の場合(ステップS113:No)にはステップS115に進む。例えば、端子電圧Vbが、V2<V3<V1である所定の閾値V3よりも大きい場合にはステップS114に進む。
ステップS114では、制御部15は、降圧処理を実行する。この降圧処理は、図6と同様である。なお、前述したように、この降圧処理では、V1ではなく、その時点における端子電圧(例えば、V3)に固定するようにしてもよい。
ステップS115では、制御部15は、ステップS111で検出した二次電池11の端子電圧Vbと閾値V3を比較し、端子電圧Vbが閾値V3よりも小さい場合(ステップS115:Yes)にはステップS116に進み、それ以外の場合(ステップS115:No)にはステップS117に進む。例えば、端子電圧Vbが、閾値V3よりも小さい場合にはステップS116に進む。
ステップS116では、制御部15は、昇圧処理を実行する。この昇圧処理は、図5と同様である。なお、前述したように、この昇圧処理では、V1ではなく、その時点における端子電圧(例えば、V3)に固定するようにしてもよい。
ステップS117では、制御部15は、繰り返し処理を実行するか否かを判定し、繰り返し処理を実行すると判定した場合(ステップS117:Yes)にはステップS110に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返し、それ以外の場合(ステップS117:No)には処理を終了する。
以上の処理によれば、車両に異常が発生した場合には、V2<V3<V1である所定の閾値V3を用いて、電圧が上昇傾向にあるか、または、下降傾向にあるかを判定し、判定結果に基づいて昇圧処理または降圧処理を事前に実行することができる。
(G)第6実施形態の説明
つぎに、本発明の第6実施形態について説明する。なお、第6実施形態の構成は図1と同様であるのでその説明は省略する。第6実施形態では、図1において実行される処理の一部が異なっているので、異なる部分を中心に説明する。
図11は第6実施形態において実行される処理の流れを説明するためのフローチャートである。図11に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS130では、制御部15は、二次電池11の充電率SOC(State of Charge)を推定する。例えば、制御部15は、エンジン停止時に二次電池11の端子電圧を測定することで開回路電圧を測定し、この開回路電圧とSOCの関係を示す式からSOCを推定することができる。もちろん、これ以外の方法によってSOCを推定してもよい。
ステップS131では、制御部15は、ステップS130で推定したSOCがSOC下限値よりも小さいか否かを判定し、SOCがSOC下限値よりも小さい場合(ステップS131:Yes)にはステップS132に進み、それ以外の場合(ステップS131:No)にはステップS133に進む。なお、SOC下限値としては、例えば、エンジンの再始動が可能なSOC(例えば、40%)を選択することができる。
ステップS132では、制御部15は、降圧処理を実行する。なお、この降圧処理としては、二次電池11の充電を優先するために、例えば、半導体スイッチ17−1〜17−3の出力電圧をV1よりも低いV2に固定することで負荷19−2〜19−4による消費を抑制し、SOCがSOC下限値の値を上回った場合、または、SOC下限値に所定のマージンを加えて得た値を上回った場合に、デューティ比を100%に戻す処理を行うことができる。
ステップS133では、制御部15は、処理を繰り返し実行するか否かを判定し、繰り返し実行すると判定した場合(ステップS133:Yes)にはステップS130に戻って同様の処理を繰り返し、それ以外の場合(ステップS133:No)には処理を終了する。
以上の処理によれば、SOCがSOC下限値を下回った場合には、さらにSOCが低下することを防止するために、降圧処理を実行することができる。このため、例えば、SOC下限値として、エンジンが再始動可能なSOCの値を選択した場合には、エンジンの再始動が不能になることを防止できる。
(G)第7実施形態の説明
つぎに、本発明の第7実施形態について説明する。なお、第7実施形態の構成は図1と同様であるのでその説明は省略する。第7実施形態では、図1において実行される処理の一部が異なっているので、異なる部分を中心に説明する。
図12は第7実施形態において実行される処理の流れを説明するためのフローチャートである。なお、図12において図4と対応する部分には同一の符号を付してあるのでその説明は省略する。図12では、図4と比較するとステップS150〜S152の処理が追加されている。これら以外の処理は図4と同様である。図12に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS150では、制御部15は、二次電池11の劣化状態を示すSOH(State of Health)を推定する。より詳細には、制御部15は、エンジン始動前の二次電池11の電圧と、スタータモータによってエンジンをクランキングする際の電圧の差分値を、クランキングの際の電流値で除算することで得られる内部抵抗の値に基づいてSOHを推定することができる。もちろん、これ以外の方法によってSOHを求めるようにしてもよい。
ステップS151では、制御部15は、ステップS150で推定したSOHがSOH下限値を下回っているか否かを判定し、下限値を下回っていると判定した場合(ステップS151:Yes)にはステップS152に進み、それ以外の場合(ステップS151:No)にはステップS10に進む。例えば、SOH下限値として、例えば、新品時の70%にSOHが低下した場合にはステップS152に進む。もちろん、これ以外の値をSOH下限値としてもよい。
ステップS152では、制御部15は、閾値V1と閾値V2を共に新品時よりも小さい値に設定する。より詳細には、二次電池11の劣化が進行すると、端子電圧Vbは低下するので、この低下に応じて閾値V1と閾値V2を小さい値に設定する。例えば、新品時に比較して、閾値V1と閾値V2をそれぞれX(<1)倍した値を用いたり、閾値V1と閾値V2から所定の値Yを減算した値を用いたりすることができる。もちろん、これ以外の方法で新たな閾値V1と閾値V2を求めてもよい。なお、ステップS152の処理が実行された場合には、ステップS11およびステップS13では、ステップS152で求めた閾値V1および閾値V2を用いた判定が実行される。
以上の処理によれば、二次電池11の劣化に応じた最適な閾値V1および閾値V2を用いて制御を行うことができるので、例えば、昇圧処理や降圧処理が頻繁に実行されることを防止できる。
(C)変形実施形態の説明
以上の実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、以上の各実施形態では、二次電池11の端子電圧Vbと閾値V1および閾値V2を比較し、比較結果に基づいて昇圧または降圧を実行するようにしたが、例えば、昇圧および降圧のいずれか一方のみを実行するようにしてもよい。
また、以上の各実施形態では、負荷19−2〜19−4を一括して制御するようにしたが、例えば、負荷の種類に応じて制御するようにしてもよい。例えば、ライト等の負荷の場合には、ユーザは電圧の変化を明るさの変化として視認しやすいので、モータ等に比較して閾値V1および閾値V2の範囲を狭く設定するようにしてもよい。
また、以上の各実施形態では、電圧センサ12によって検出された電圧をそのまま閾値V1および閾値V2と比較するようにしたが、電圧センサ12によって検出された電圧の平均値と閾値V1および閾値V2を比較するようにしてもよい。そのような方法によれば、瞬間的な電圧変動によって降圧または昇圧が実行されることを防止できる。なお、平均する時間としては、例えば、電圧変動が生じた場合に、負荷の変化をユーザが気づかない時間(例えば、ライトの場合には、電圧変動が生じても照度の変化をユーザが気づかない時間(例えば、数ms〜数百ms))を採用すればよい。
すなわち、閾値V1および閾値V2ならびに平均時間等は、負荷の性質に応じて個別に設定するようにしてもよい。
また、以上の各実施形態では、二次電池11の端子電圧Vbと閾値V1および閾値V2を比較して、昇圧または降圧を実行するようにしたが、端子電圧Vbの時間的変化値(=dVb/dt)を求め、この値がプラスの所定の閾値を上回る場合には降圧処理を実行し、マイナスの所定の閾値を下回る場合には昇圧処理を実行するようにしてもよい。すなわち、端子電圧の変化が緩慢である場合には、ライトの明るさの変化またはモータの回転数の変化として認識することは困難であるが、端子電圧の変化が迅速である場合には容易に認識するので、時間あたりの変化が大きい場合にはこのような変化を抑制する方向で昇圧または降圧を実行するようにしてもよい。なお、負荷の種類によって時間的変化に対するユーザの感度が異なることが考えられるので、負荷の種類毎に閾値を設けるようにしてもよい。例えば、ライトの明るさの変化は、モータの回転数の変化に比較して、認識されやすいので、ライトに対する閾値をモータに対する閾値よりも小さい値を設定するようにしてもよい。
また、以上の実施形態では、端子電圧が所定の閾値V1を上回った場合または閾値V2を下回った場合に昇圧または降圧を実行するようにしたが、例えば、回生発電の場合にはECUが車両の減速状態を検出した場合にオルタネータ10の電圧を上昇させる制御を行うことから、車両の減速状態が検出された段階から、徐々に降圧動作を開始するようにしてもよい。そのような実施形態によれば、図2(B)の時刻t1〜t2の電圧の立ち上がりを緩やかにすることができる。もちろん、車両の加速時も同様であり、車両の加速状態が検出された段階から、徐々に昇圧動作を開始するようにしてもよい。そのような実施形態によれば、図3(B)の時刻t1〜t2の電圧の立ち下がりを緩やかにすることができる。なお、減速終了時の電圧の立ち下がり(図2の時刻t4〜t5)については、図6のステップS54の処理に時間をかけるようにすれば緩やかにすることができる。また、加速終了時の電圧の立ち上がり(図3の時刻t4〜t5)については、図5のステップS36の処理に時間をかけるようにすれば緩やかにすることができる。
また、図1に示す実施形態では、半導体スイッチ17−1〜17−3と昇圧回路18を別の構成としたが、これらを、例えば、電圧調整回路として一の構成としてもよい。より詳細には、例えば、スイッチング回路と、インダクタンス素子を組み合わせることで、降圧および昇圧が可能な電圧調整回路を構成することができる。
また、図8に示す第3実施形態では、動作中の負荷数に応じて昇圧または降圧を実行するようにしたが、負荷数だけでなく、負荷の消費電力も考慮して昇圧または降圧を実行するようにしてもよい。より詳細には、それぞれの負荷の想定される最大消費電力に関する情報を記憶しておき、動作中の負荷の最大消費電力の和が所定の閾値を超えた場合には降圧を実行し、所定の閾値を下回った場合には昇圧を実行するようにしてもよい。
また、図10に示す第5実施形態では、1つの閾値V3を用いて判断するようにしたが、2つの閾値を用いて判断するようにしてもよい。例えば、V2<V4<V3<V1の関係を有する2つの閾値V3およびV4を用いて、Vb>V3の場合には降圧処理を実行し、Vb>V4の場合には昇圧処理を実行するようにしてもよい。
また、図12に示す第7実施形態では、SOHがSOH下限値を下回った場合に、閾値V1と閾値V2をともに小さい値に変更するようにしたが、SOHの値に応じて、閾値V1と閾値V2が連続的に小さくなるようにしてもよい。