JP6479367B2 - 電力変換装置の制御装置、電力システム、及び電力変換装置の制御方法 - Google Patents
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また、特許文献1では、発電装置の発電電力の変動が所定の基準よりも小さくなる状態が所定期間以上継続した場合に、蓄電池の充放電制御を停止し、蓄電池の長寿命化を図る充放電システムが記載されている。
電力変換装置は、直流電力と交流電力とを変換する電力変換部、及び蓄電池と電力系統とを接続又は遮断するスイッチを有する。電力変換部は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor、絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)を用いて構成される。また、スイッチは、物理的に蓄電池と電力系統とを接続又は遮断する。
電力変換部を停止させることによって、蓄電池による充放電を停止させた場合の電力損失を抑制できる。また、電力変換部は、停止させても迅速に起動させることができる。
従って、本構成は、電力変換装置を停止させる時間に応じて一部遮断モード又は全遮断モードを選択することによって、電力変換装置をより効率的に停止できる。
ここで、電力変換装置は、フィルタ回路によって無効電力を出力しているため、第1停止モードとされた状態では発電装置から電力系統へ送電される電圧が変動する可能性がある。このため、第1停止モードとされた状態で電力系統への送電電圧が変動する場合、一部遮断モードが選択される。一部遮断モードは、電力変換装置と電力系統とを遮断するので、電力変換装置による無効電力によって電力系統への送電電圧に変動を及ぼすことはない。
従って、本構成は、電力変換装置を停止させることによって生じる送電電圧の変動を防止できる。
発電装置12は、一例として、回転軸20に発電機22が設けられたガスタービン24である。
なお、蓄電池26は、リチウムイオン二次電池、鉛蓄電池、ニッケル水素二次電池など特に限定されないが、充放電の追従性がよいことが好ましい。
このため、蓄電池26と電力系統16との間に設けられるPCS28によって直流電力と交流電力とが変換される。
PCS28は、直流電力と交流電力とを変換する電力変換部31、及び蓄電池26と電力系統16とを接続又は遮断するスイッチである遮断機32−1,32−2を有する。
遮断機32−1は、電力変換部31と電力系統16との間に備えられ、遮断機32−2は、電力変換部31と蓄電池26との間に備えられる。これにより、遮断機32−1,32−2は、物理的に蓄電池26と電力系統16とを接続又は遮断する。
なお、以下の説明において、各遮断機32−1,32−2を区別する場合は、符号の末尾に1,2の何れかを付し、各遮断機32−1,32−2を区別しない場合は、1,2を省略する。
CSP30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
CSP30は、記憶部40、選択部42、停止部44、及び起動部46を備える。
タイムスケジュールは、系統要求電力量の予定又は予測に基づいた系統要求電力量の時間変化を示したスケジュールであり、系統要求電力量が時刻毎に示されている。タイムスケジュールは、例えば、電力需要に対して各所に存在する発電設備の発電量を指示する電力系統16の管理者によって、1日毎に更新されて記憶部40に記憶される。
選択部42は、予め定められたタイムスケジュールに基づいて停止モード及び起動の選択を行うので、PCS28の停止及び起動を効率良く実行できる。
このように、第1停止モード及び第2停止モードは、共に電力変換部31を停止させる。電力変換部31を停止させることによって、蓄電池26による充放電を停止させた場合の電力損失を抑制できる。また、電力変換部31は、停止させてもIGBT等のスイッチング素子のオン、オフを切り替えるだけなので、迅速に起動させることができる。
このように、蓄電池26による充放電を停止させる場合に、第1停止モード及び第2停止モードを使い分けることによって、蓄電池26からの充放電が停止状態とされても迅速な起動(復帰)が可能でかつ、充放電の停止状態における電力損失を抑制できる。
このため、停止させたPCS28を起動させるまでに要する時間である起動時間が最も短い。他方、遮断機32は、物理的に接続、遮断を切り替えるので、その動作時間がスイッチング素子のオン、オフに比べて長い。
そこで、突入電流の発生を防止するために、遮断機32−2をオンする前に、蓄電池26と電力変換部31との間に設けられている初期充電回路(不図示)のコンデンサに蓄電池26から充電を行い、蓄電池26と電力変換部31との電位差を同等とする。その後、遮断機32−2がオンとされ、蓄電池26の充放電が可能とされる。このように、全遮断モードからの起動では、突入電流の発生を防止するためのコンデンサを充電する時間を要するため、起動時間が長くなる。
この理由は、全遮断モードでは、電力変換部31と蓄電池26とが遮断されるので、蓄電池26の充電電力が自然放電によって電力変換部31で消費されることが防止されるためである。一方、第1停止モード及び一部遮断モードは、電力変換部31と蓄電池26とが接続されているので、蓄電池26の充電電力が電力変換部31によって徐々にではあるが消費されるので、これが電力損失となる。
このように、第1停止モード及び一部遮断モードは起動時間が短いものの、電力損失の観点からは、第1停止モード及び一部遮断モードでPCS28を停止させる時間は短い方が好ましい。
PCS28は、フィルタ回路34によって無効電力を出力している。このため、遮断機32−1を遮断しない第1停止モードでは、この無効電力の供給過不足によって発電端電圧が変動する可能性があり、発電端電圧の変動は好ましくない。
このため、PCS28が第1停止モードとされた状態で発電端電圧が変動する場合、第2停止モードが選択される。第2停止モードは、PCS28と電力系統16とを遮断するので、フィルタ回路34が出力する無効電力によって発電端電圧に変動を及ぼすことはない。これにより、PCS28を停止させることによって生じる発電端電圧の変動が防止される。
このように、第1停止モードでは発電端電圧に変動が生じる可能性があるため、電圧安定度の観点からは、第1停止モードでPCS28を停止させる時間は短い方が好ましい。
そこで、選択部42は、例えば図4に示されるようにタイムスケジュールに応じて、PCS28の停止時間が長い場合は全遮断モードを選択し、PCS28の停止時間が短い場合は第1停止モードを選択する。そして、系統要求電力量と発電電力量とが一致しない場合に、選択部42は、PCS28の起動を選択する。これにより、起動部46がPCS28を起動させることで、ESS14は、蓄電池26に充電又は放電させ、電力系統16に送電される電力を系統要求電力量と一致させる。
図5は、系統要求電力量が発電電力の75%から100%(定格値)にまで上昇するタイムスケジュールにおける停止モードの選択状態を示している。
そして、タイムスケジュールは、時刻tから系統要求電力量が100%に増加するように設定されている。
このため、本実施形態に係る選択部42は、PCS28が第2停止モード(図5の例では全遮断モード)とされた状態でタイムスケジュールに基づいて蓄電池26を充放電させる場合、充放電の開始時刻tよりも所定時間早い時刻t1に達したら第1停止モードを選択する。
これにより、第2停止モードは電力損失が少ない一方、第1停止モードは起動が速いので、CSP30は、PCS28を長時間停止させる場合の電力損失を抑制すると共に蓄電池26の充放電を迅速に開始できる。
図5の例では、時刻t2において選択部42が全遮断モードを選択することで、PCS28を停止させる。
なお、PCS28の停止が短時間の場合は、時刻t2において選択部42が第1停止モード又は一部遮断モードを選択してもよい。
図7の例は、時刻tから時刻t2の間、系統要求電力量が発電装置12からの発電電力100%を超える場合における停止モードの選択状態を示している。
そして、図7の例では、系統要求電力量と発電電力100%とが一致する時刻t2において、選択部42が全遮断モードを選択することで、PCS28を停止させる。
図8は、発電装置12を太陽電池とした場合における停止モード選択の運用例を示すグラフである。
そして、タイムスケジュールで設定された日出から日没までの間(図8の例では6時から18時)、PCS28は起動される。PCS28は、太陽電池の発電量が設定値よりも多い場合は、余剰分を蓄電池26に充電し、太陽電池の発電量が設定値よりも少ない場合は、不足分を蓄電池26から放電することで、発電電力を平準化する。
一方、日没から日出までの間、PCS28は停止されるため全遮断モードとされ、タイムスケジュールにおける発電開始時刻の所定時間早い時刻に達するとPCS28の起動時間短縮のために、第1停止モードとされる。
この形態の場合、例えば、PCS28は所定時間帯(一例として夜間)に電力系統16からの送電で蓄電池26を充電させる。PCS28は、蓄電池26が満充電となり、かつ放電を要しない時間帯に第2停止モードで停止される。そして、PCS28は、蓄電池26が負荷に対する送電の開始時刻よりも所定時間早い時刻に達すると起動時間短縮のために、第1停止モードとされる。
16 電力系統
26 蓄電池
28 PCS(双方向電力変換装置)
30 CSP(制御装置)
31 電力変換部
32 遮断機
42 選択部
44 停止部
Claims (9)
- 電力系統に接続される蓄電池と前記電力系統との間に設けられ、直流電力と交流電力とを変換する電力変換部及び前記蓄電池と前記電力系統とを接続又は遮断するスイッチを有する電力変換装置の制御装置であって、
前記蓄電池による充放電を停止させる場合に、前記スイッチによる遮断を行うことなく前記電力変換部を停止させる第1停止モード、又は前記スイッチによる遮断と共に前記電力変換部を停止させる第2停止モードを、前記電力系統の要求電力量の予定又は予測に基づいて選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された前記第1停止モード又は前記第2停止モードによって、前記蓄電池による充放電を停止させる停止手段と、
を備える電力変換装置の制御装置。 - 前記スイッチは、前記電力変換部と前記蓄電池との間に設けられる請求項1記載の電力変換装置の制御装置。
- 前記電力系統に発電装置が接続され、
前記電力系統の要求電力量が前記発電装置の発電電力量より大きくなる場合に、前記蓄電池を放電させて不足する電力量を補う請求項1又は請求項2記載の電力変換装置の制御装置。 - 前記選択手段は、前記第2停止モードによって前記蓄電池による充放電を停止した状態から前記蓄電池を充放電させる場合、充放電の開始時刻よりも所定時間早い時刻に達したら前記第1停止モードを選択する請求項1から請求項3の何れか1項記載の電力変換装置の制御装置。
- 前記スイッチは、前記電力変換部と前記電力系統との間に設けられる第1スイッチ、前記電力変換部と前記蓄電池との間に設けられる第2スイッチであり、
前記電力系統に接続された発電装置の発電電力が前記電力系統の要求電力量と等しくなるまで前記蓄電池を充放電させた後に、
前記選択手段は、前記電力系統の要求電力量の予定又は予測に基づいて、前記第1停止モード又は前記第2停止モードを選択し、前記第2停止モードとして、前記第1スイッチを遮断して前記第2スイッチを遮断しない一部遮断モード、又は前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを遮断する全遮断モードを選択する請求項1から請求項4の何れか1項記載の電力変換装置の制御装置。 - 前記選択手段は、前記電力変換装置が前記第1停止モードとされた状態で前記発電装置から前記電力系統へ送電される電圧が変動する場合、前記一部遮断モードを選択する請求項5記載の電力変換装置の制御装置。
- 前記選択手段は、前記蓄電池からの充放電を所定時間以上停止させる場合、前記全遮断モードを選択する請求項5又は請求項6記載の電力変換装置の制御装置。
- 電力系統に接続される蓄電池と、
直流電力と交流電力とを変換する電力変換部及び前記蓄電池と前記電力系統とを接続又は遮断するスイッチを有する電力変換装置と、
請求項1から請求項7の何れか1項記載の制御装置と、
を備える電力システム。 - 電力系統に接続される蓄電池と前記電力系統との間に設けられ、直流電力と交流電力とを変換する電力変換部及び前記蓄電池と前記電力系統とを接続又は遮断するスイッチを有する電力変換装置の制御方法であって、
前記蓄電池による充放電を停止させる場合に、前記スイッチによる遮断を行うことなく前記電力変換部を停止させる第1停止モード、又は前記スイッチによる遮断と共に前記電力変換部を停止させる第2停止モードを、前記電力系統の要求電力量の予定又は予測に基づいて選択する第1工程と、
選択した前記第1停止モード又は前記第2停止モードによって、前記蓄電池による充放電を停止させる第2工程と、
を含む電力変換装置の制御方法。
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