JP6478413B2 - 触媒材料およびこれを用いた触媒反応の促進方法 - Google Patents

触媒材料およびこれを用いた触媒反応の促進方法 Download PDF

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Description

本発明は、触媒材料およびこれを用いた触媒反応の促進方法に関する。
一般的な化学反応は、熱的に反応物が励起され、励起した反応物同士がエネルギー的に高準位な中間体を経て反応物とは異なる生成物を生成することにより進行する。これは、触媒を用いた場合でも同様であり、熱だけでなく、触媒の表面エネルギーによっても反応物が励起される点が異なっているに過ぎない。すなわち、触媒反応は、熱および触媒の表面エネルギーによって進行している。
近年、電場を触媒反応と複合する試みがなされている。例えば、メタンの水蒸気改質は、低温では平衡制約を受けるため、通常、500℃以上の高温で行われるが、非特許文献1には、電場を形成することにより、メタンの水蒸気改質が270℃において、42%の転化率で進行していることが示されている。この温度条件における平衡転化率はわずか4%であるから、電場により触媒反応が促進されていることは明白である。
大島一真、外2名、「プラズマあるいは電場によってアシストされたメタン転換」、Journal of the Japan Petroleum Institute、公益社団法人石油学会、2013年3月、第56巻、第1号、p.11−21
しかしながら、触媒反応の反応場に電場を与える場合、高電圧の電源を用意して外部から電気を取り入れることが必要となる。また、大規模化しようとする場合には、反応器の設計等で相当な困難が伴うことが予想される。
そこで、本発明は、触媒反応の反応場に簡便に電場を与えることができる触媒材料およびこれを用いた触媒反応の促進方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、触媒成分を特定の半導体単結晶に固定した触媒材料を用いることで、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[2]を提供する。
[1]半導体単結晶と、上記半導体単結晶の表面に固定された触媒成分と、を備え、上記半導体単結晶が、下記半導体単結晶A〜Dのいずれかである、触媒材料。
半導体単結晶A:n型半導体部とp型半導体部とこれらの間に真性半導体部とを有し、上記真性半導体部が、上記n型半導体部および上記p型半導体部よりも小さいバンドギャップを有する半導体単結晶。
半導体単結晶B:n型半導体部またはp型半導体部からなる第1の半導体部を有し、上記第1の半導体部における一方の端部と他方の端部のバンドギャップが異なる半導体単結晶。
半導体単結晶C:n型半導体部とp型半導体部とこれらの間に真性半導体部とを有し、下記式(I)で表わされるクラスレート化合物を含む半導体単結晶。
46−y (I)
(式(I)中、Aは、Ba,Na,SrおよびKからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示し、Bは、Au,Ag,Cu,NiおよびAlからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示し、Cは、Si,GeおよびSnからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示す。xは7〜8であり、yは3.5〜6または11〜17であり、y/xは、上記p型半導体部、上記真性半導体部、および上記n型半導体部の順に高い。)
半導体単結晶D:n型半導体部またはp型半導体部からなる第1の半導体部を有し、下記式(I)で表わされるクラスレート化合物を含む半導体単結晶。
46−y (I)
(式(I)中、Aは、Ba,Na,SrおよびKからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示し、Bは、Au,Ag,Cu,NiおよびAlからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示し、Cは、Si,GeおよびSnからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示す。上記第1の半導体部がp型半導体部からなる場合、xは7〜8であり、yは5.3〜6または16〜17であり、y/xは、上記半導体単結晶の一方の端部と他方の端部において異なる。)
[2]上記[1]に記載の触媒材料を用いる触媒反応の促進方法であって、加熱によって上記半導体単結晶を発電させることにより電場を形成し、形成した電場によって上記触媒成分の触媒反応を促進する、触媒反応の促進方法。
半導体単結晶Aは、n型半導体部とp型半導体部とこれらの間に真性半導体部を有し、真性半導体部が、n型半導体部およびp型半導体部よりも小さいバンドギャップを有する。
半導体単結晶Aを所定の温度範囲に加熱すると、n型半導体部とp型半導体部との間に温度差がなくても、pn接合部にある真性半導体部においてのみ、価電子帯から伝導帯に電子が励起する。伝導帯に励起された電子は、エネルギーの低いn型半導体部に移動し、荷電子帯に生じたホールは、p型半導体部に移動する。これらの移動によって生じたキャリアの偏りによって、p型半導体部側を正極、n型半導体部側を負極とした発電材料となる。半導体単結晶Aは、このように所定の温度範囲に加熱することによって、n型半導体部とp型半導体部との間に温度差がなくても所定の温度範囲で発電をすることができる。
半導体単結晶Aでは、単結晶を構成する元素のうち、少なくとも一種の元素の濃度が、p型半導体部、真性半導体部、およびn型半導体部の順に高くてもよい。また、半導体単結晶Aは、下記式(I)で表わされるクラスレート化合物を含んでいてもよい。半導体単結晶Aは、下記式(I)で表わされるクラスレート化合物であってもよい。
46−y (I)
式(I)中、Aは、Ba,Na,SrおよびKからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示し、Bは、Au,Ag,Cu,NおよびAlからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示し、Cは、Si,GeおよびSnからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示す。xは7〜8、およびyは3.5〜6または11〜17であり、y/xは、p型半導体部、真性半導体部、およびn型半導体部の順に高い。
半導体単結晶Aは、下記式(II)で表わされるクラスレート化合物を含んでいてもよい。半導体単結晶Aは、下記式(II)で表わされるクラスレート化合物であってもよい。
BaAuSi46−y (II)
式(II)中、xは7〜8であり、yは3.5〜6であり、y/xは、p型半導体部、真性半導体部、およびn型半導体部の順に高い。
半導体単結晶Aを構成する化合物を、式(I)または式(II)で表されるクラスレート化合物とすることによって、n型半導体部とp型半導体部との間の電位差を一層大きくすることができる。その結果、発電量を一層大きくすることができる。
半導体単結晶Bは、n型半導体部またはp型半導体部からなる第1の半導体部を有し、第1の半導体部における一方の端部と他方の端部のバンドギャップが異なる。
半導体単結晶Bを所定の温度範囲に加熱すると、第1の半導体部の一方の端部と他方の端部との間に温度差がなくても、両端部のどちらか一方においてのみ、価電子帯から伝導帯に電子を励起させることができる。例えば、一方の端部で伝導帯に励起された電子は、エネルギーの低い他方の端部に移動する。または、荷電帯に生じたホールが、エネルギーの高い他方の端部に移動する。このいずれかの移動によって生じたキャリアの偏りによって、両端部の一方が正極、他方が負極である発電材料となる。この半導体単結晶Bは、このように所定の温度範囲に加熱することによって、両端部の間に温度差がなくても所定の温度範囲で発電をすることができる。
半導体単結晶Bは、上記式(I)で表わされるクラスレート化合物を含んでもよい。ただし、上記式(I)中、Aは、Ba,Na,SrおよびKからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示し、Bは、Au,Ag,Cu,NおよびAlからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示し、Cは、Si,GeおよびSnからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示す。
第1の半導体部がn型半導体部からなる場合、xは7〜8であり、yは3.5〜5.5または11〜16である。上記第1の半導体部がp型半導体部からなる場合、xは7〜8であり、yは5.3〜6または16〜17である。y/xは、一方の端部と他方の端部において異なる。半導体単結晶Bは、上記式(II)で表わされるクラスレート化合物で含んでいてもよい。このとき、式(II)中のx、yおよびy/xは、上述のとおりである。
半導体単結晶Bは、第1の半導体部に隣り合うように真性半導体部からなる第2の半導体部を有し、第2の半導体部が、第1の半導体部よりも小さいバンドギャップを有していてもよい。
このような半導体単結晶Bを所定の温度範囲に加熱すると、第1の半導体部と第2の半導体部との間に温度差がなくても、真性半導体部においてのみ、価電子帯から伝導帯に電子が励起する。第1の半導体部がn型半導体部からなる場合、伝導帯に励起された電子は、エネルギーの低いn型半導体部に移動する。この移動によって生じたキャリアの偏りによって、真性半導体部側を正極n型半導体部側を負極とした発電材料となる。一方、第1の半導体部がp型半導体部からなる場合、第2の半導体部において、荷電帯に生じたホールは、p型半導体部に移動する。この移動によって生じたキャリアの偏りによって、p型半導体部側を正極、真正半導体部側を負極とした発電材料となるこの半導体単結晶Bは、このように所定の温度範囲に加熱することによって、第1の半導体部と第2の半導体部との間に温度差がなくても所定の温度範囲で発電をすることができる。
半導体単結晶Bにおける第1の半導体部および第2の半導体部は、上記式(I)で表わされるクラスレート化合物を含んでいてもよい。ただし、第1の半導体部がn型半導体部からなる場合、xは7〜8であり、yは3.5〜5.5または11〜16である。第1の半導体部がn型半導体部からなる場合、xは7〜8、yは3.5〜5.5または11〜16であり、y/xは真性半導体部の方がn型半導体部よりも高い。第1の半導体部がp型半導体部からなる場合、xは7〜8、yは5.3〜6または16〜17であり、y/xはp型半導体部の方が真性半導体部よりも高い。
半導体単結晶Bにおける第1の半導体部および第2の半導体部は、上記式(II)で表わされるクラスレート化合物で含んでいてもよい。式(II)中、第1の半導体部がn型半導体部からなる場合、xは7〜8であり、yは3.5〜5.5または11〜16である。第2の半導体部を有する場合、y/xは、真性半導体部の方がn型半導体部よりも高い。第1の半導体部がp型半導体部からなる場合、xは7〜8であり、yは5.3〜6または16〜17である。第2の半導体部を有する場合、y/xはp型半導体部の方が真性半導体部よりも高い。
半導体単結晶Cは、n型半導体部とp型半導体部とこれらの間に真性半導体部とを有する半導体単結品であって、下記式(I)で表わされるクラスレート化合物を含む。
半導体単結晶Cは、下記式(I)で表わされるクラスレート化合物であってもよい。
46−y (I)
式(I)中、Aは、Ba,Na,SrおよびKからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示し、Bは、Au,Ag,Cu,NおよびAlからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示し、Cは、Si,GeおよびSnからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示す。xは7〜8であり、yは3.5〜6または11〜17の値であり、y/xは、p型半導体部、真性半導体部、およびn型半導体部の順に高い。
すなわち、半導体単結晶Cは、y/xがp型半導体部、真性半導体部、およびn型半導体部の順に高い組成を有している。このような半導体単結晶Cは、p型半導体部とn型半導体部との間に温度差がなくても、所定の温度範囲で発電をすることができる。
この理由は必ずしも明らかではないが、pn接合部における真性半導体部のバンドギャップが、p型半導体部およびn型半導体部のバンドギャップよりも小さくなっていることが一因であると考えられる。すなわち、半導体単結晶Cは、所定の温度範囲に加熱すると、所定の温度範囲でn型半導体部とp型半導体部との間に温度差がなくても、バンドギャップが小さいpn接合部の真性半導体部においてのみ、価電子帯から伝導帯に電子が容易に励起する。
真性半導体部で伝導帯に励起された電子は、エネルギーの低いn型半導体部に移動する。一方、真性半導体部で荷電子帯に生じたホールは、p型半導体部に移動する。これらの移動によって生じたキャリアの偏りによって、半導体単結晶Cはp型半導体側を正極、n型半導体側を負極とした発電材料となる。このようなメカニズムによって、半導体単結晶Cは、p型半導体部とn型半導体部との温度差がなくても、所定の温度範囲で発電をすることができるものと考えている。
半導体単結晶Dは、n型半導体部またはp型半導体部からなる第1の半導体部を有し、上記式(I)で表わされるクラスレート化合物を含む。
式(I)中、第1の半導体部がn型半導体からなる場合、xは7〜8であり、yは3.5〜5.5または11〜16である。第1の半導体部がp型半導体からなる場合、xは7〜8であり、yは5.3〜6または16〜17である。y/xは、半導体単結晶Dの一方の端部と他方の端部において異なる。
半導体単結晶Dは、一方の端部と他方の端部との間に温度差がなくても、所定の温度範囲で発電をすることができる。この理由としては、一方の端部のバンドギャップが、他方の端部のバンドギャップよりも小さいか、または大きいことが一因であると考えられる。すなわち、半導体単結晶Dは、所定の温度範囲に加熱すると、一方の端部と他方の端部との間に温度差がなくても、バンドギャップが小さい方の端部においてのみ価電子帯から伝導帯に電子が容易に励起する。
一方の端部において、伝導帯に励起された電子、および荷電子帯に生じたホールのどちらか一方は、他方の端部に移動する。これによって、端部間に電位差が生じる。このようなメカニズムによって、半導体単結晶Dは、端部間に温度差がなくても、所定の温度範囲で発電をすることができるものと考えられる。
半導体単結晶Dは、第1の半導体部に隣り合うように真性半導体部からなる第2の半導体部を有し、上記真性半導体部が上記式(I)で表わされるクラスレート化合物を含んでいてもよい。第1の半導体部がn型半導体部からなる場合、y/xは真性半導体部の方がn型半導体部よりも高い。第1の半導体部がp型半導体部からなる場合、y/xはp型半導体部の方が真性半導体部よりも高い。
このような半導体単結晶Dは、第1の半導体部と第2の半導体部との間に温度差がなくても、所定の温度範囲で発電をすることができる。この理由も必ずしも明らかではないが、第2の半導体部のバンドギャップが、第1の半導体部のバンドギャップよりも小さくなっていることが一因であると考えられる。すなわち、半導体単結晶Dは、所定の温度範囲に加熱すると、第1の半導体部と第2の半導体部との間に温度差がなくても、バンドギャップが小さい真性半導体部からなる第2の半導体部においてのみ、価電子帯から伝導帯に電子が容易に励起する。
第1の半導体部がn型半導体部である場合、真性半導体部からなる第2の半導体部で伝導帯に励起された電子は、エネルギーの低いn型半導体部に移動する。この移動によって生じたキャリアの偏りによって、半導体単結晶Dは真性半導体部側を正極、n型半導体側を負極とした発電材料となる。一方、第1の半導体部がp型半導体部である場合、真性半導体部からなる第2の半導体部で荷電子帯に生じたホールは、p型半導体部に移動する。このようなメカニズムによって、半導体単結晶Dは、第1の半導体部と第2の半導体部との温度差がなくても、所定の温度範囲で発電をすることができるものと考えられる。
半導体単結晶CまたはDにおいて、クラスレート化合物は式(II)で表される化合物であってもよい。式(II)中、xは7〜8であり、yは3.5〜6である。
BaAuSi46−y (II)
半導体単結晶CまたはDを構成する化合物を、式(II)で表されるクラスレート化合物とすることによって、n型半導体部とp型半導体部との間の電位差を一層大きくすることができる。その結果、発電量を一層大きくすることができる。
本発明によれば、触媒反応の反応場に簡便に電場を与えることができる触媒材料およびこれを用いた触媒反応の促進方法を提供することができる。
図1は、半導体単結晶10の構成の一例を模式的に示す図である。 図2(A)は、半導体単結晶10を、所定の温度に加熱したときの熱励起の状態を示す概念図である。図2(B)は、半導体単結晶10を、所定の温度に加熱したときの電子およびホールの移動を示す概念図である。 図3(A)は、BaAuSi46−yのクラスレート化合物において、y=4の場合のバンドエネルギーを示す図である。図3(B)は、BaAuSi46−yのクラスレート化合物において、y=5の場合のバンドエネルギーを示す図である。図3(C)は、BaAuSi46−yのクラスレート化合物において、y=6の場合のバンドエネルギーを示す図である。 図4(A)は、BaAlSi46−yのクラスレート化合物において、y=14の場合のバンドエネルギーを示す図である。図4(B)は、BaAlSi46−yのクラスレート化合物において、y=15の場合のバンドエネルギーを示す図である。図4(C)は、BaAlSi46−yのクラスレート化合物において、y=16の場合のバンドエネルギーを示す図である。 図5(A)は、BaCuSi46−yのクラスレート化合物において、y=4の場合のバンドエネルギーを示す図である。図5(B)は、BaCuSi46−yのクラスレート化合物において、y=5の場合のバンドエネルギーを示す図である。図5(C)は、BaCuSi46−yのクラスレート化合物において、y=6の場合のバンドエネルギーを示す図である。 図6は、半導体単結晶10aの構成の一例を模式的に示す図である。 図7(A)は、半導体単結晶10aを所定の温度に加熱したときの熱励起の状態を示す概念図である。図7(B)は、半導体単結晶10aを所定の温度に加熱したときの電子の移動を示す概念図である。 図8は、半導体単結晶10bの構成の一例を模式的に示す図である。 図9(A)は、半導体単結晶10bを所定の温度に加熱したときの熱励起の状態を示す概念図である。図9(B)は、半導体単結晶10bを所定の温度に加熱したときのホールの移動を示す概念図である。 図10は、半導体単結晶10cまたは半導体単結晶10dの構成の一例を模式的に示す図である。 図11(A)は、半導体単結晶10cを所定の温度に加熱したときの熱励起の状態を示す概念図である。図11(B)は、半導体単結晶10cを所定の温度に加熱したときの電子の移動を示す概念図である。 図12(A)は、半導体単結晶10dを所定の温度に加熱したときの熱励起の状態を示す概念図である。図12(B)は、半導体単結晶10dを所定の温度に加熱したときのホールの移動を示す概念図である。 図13は、本発明の触媒材料の使用態様の一例を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
なお、図面において、同一または同等の要素には同一の符号を付し、場合により重複する説明は省略する。
[触媒材料]
本発明の触媒材料は、半導体単結晶と、上記半導体単結晶の表面に固定された触媒成分と、を備え、上記半導体単結晶が、後述する半導体単結晶A〜Dのいずれかである、触媒材料である。
本発明に用いる半導体単結晶は、後述するように、所定の温度範囲で加熱するだけで発電し、この発電によって電場が形成される。こうして、本発明によれば、高電圧の電源を用意して外部から電気を取り入れることなく、単に加熱を行なうだけで、簡便に、触媒反応(触媒の作用によって進行する化学反応)の反応場に電場を与えることができる。
次に、本発明の触媒材料が備える各構成について、詳細に説明する。
〔半導体単結晶〕
本発明に用いる半導体単結晶は、以下に詳述する半導体単結晶1010dのいずれかである。なお、以下では、便宜的に、半導体単結晶1010dのそれぞれを、単に「半導体単結晶」と表記する場合がある。
〈半導体単結晶10
図1は、半導体単結晶10の構成の一例を模式的に示す図である。半導体単結晶の形状は特に限定されず、例えば柱状であってもよい。図1に示すように、半導体単結晶10が柱状または板状である場合、半導体単結晶10の上部側にn型半導体部12を有し、下部側にp型半導体部14を有する構成とすることができる。半導体単結晶10は、n型半導体部12とp型半導体部14との間のpn接合部に真性半導体部16を有する。
このような半導体単結晶10は、n型半導体部12からp型半導体部14に向かって所定の元素の濃度が変化している。このような元素の濃度勾配が、以下に説明するような、半導体単結晶10のバンドギャップの分布に寄与している。
図2(A)および図2(B)は、半導体単結晶10のバンドギャップの状態を示す概念図である。図2(A)および図2(B)の縦軸は電子のエネルギーであり、横軸は半導体単結晶のn型半導体部12側の端部からの距離である。図2(A)および図2(B)に示すとおり、真性半導体部16におけるバンドギャップは、n型半導体部12およびp型半導体部14におけるバンドギャップよりも小さくなっている。なお、n型半導体部12は、フェルミレベルfが伝導帯側にある部分であり、p型半導体部14は、フェルミレベルfが価電子帯側にある部分である。真性半導体部16は、フェルミレベルfが、伝導帯と価電子帯との間の禁止帯の中央にある部分である。
図2(A)は、半導体単結晶10を所定の温度に加熱したときの熱励起の状態を示す概念図である。図2(A)に示すように、半導体単結晶10を所定の温度に加熱すると、価電子帯の電子が伝導帯に熱励起する。このとき、バンドギャップが相対的に小さいpn接合部の真性半導体部16のみで伝導帯に電子が熱励起される。一方、バンドギャップが真性半導体部16よりも大きいp型半導体部14およびn型半導体部12では、電子が熱励起されない。
図2(B)は、半導体単結晶10を所定の温度に加熱したときの電子(黒丸)およびホール(白丸)の移動を示す概念図である。図2(B)に示すように、伝導帯に励起した電子は、エネルギーの低い方、すなわちn型半導体部12側に移動する。一方、電子の励起により価電子帯側に生じたホール(「正孔」ともいう)はエネルギーの低いp型半導体部14側へと移動する。これによって、n型半導体部12が負に帯電し、p型半導体部14が正に帯電するため、起電力が生じる。このようにして、半導体単結晶10は、n型半導体部12とp型半導体部14との間に温度差がなくても、発電することができる。このような起電力発生のメカニズムは、温度差に基づいて起電力を生じるゼーベック効果とは異なる。
n型半導体部12およびp型半導体部14におけるバンドギャップの幅(エネルギーギャップ)に対する、真性半導体部16のバンドギャップの幅(エネルギーギャップ)の比は、特に制限はないが、小さい方が好ましい。例えば、上記比は、0.8以下であってもよく、0.1〜0.7であってもよいこの比が小さいほど、発電できる温度領域を十分に広くすることができる。
真性半導体部16のエネルギーギャップは、例えば、0.4eV以下であってもよく、0.05〜0.3eVであってもよい。n型半導体部12、p型半導体部14および真性半導体部16におけるエネルギーギャップは、例えば逆光電子分光法などによって測定することができる。
半導体単結晶10を構成する材料としては、構成元素としてA,B,Cを有する、下記式(I)で表わされるクラスレート化合物であってもよい。
46−y (I)
式(I)中、Aは、Ba,Na,SrおよびKからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示し、Bは、Au,Ag,Cu,NおよびAlからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示し、Cは、Si,GeおよびSnからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示す。xは7〜8、およびyは3.5〜6または11〜17である。
クラスレート化合物において、A元素は1価または2価のドナーとして機能し、B元素は3価または1価のアクセプタとして機能する。半導体単結晶10において、クラスレート化合物におけるB元素のモル比を示すyは、図1の矢印α方向に沿って増加している。一方、A元素のモル比を示すxは、半導体単結晶10においてほぼ均一に分布していてもよいし、図1の矢印α方向に沿って減少していてもよい。すなわち、半導体単結晶10では、y/xの値が、図1の上端から下端に向かう矢印α方向に沿って概ね増加している。したがって、下部の方がA元素に対するB元素のモル比(y/x)が高くなっている。これによって、上部はn型半導体部12となり、下部はp型半導体部14となっている。なお、y/xの値は、n型半導体部12、真性半導体部16、およびp型半導体部14の順に高くなる。すなわち、y/xの値はn型半導体部12で最も低く、p型半導体部14で最も高い。
クラスレート化合物(包接化合物)は、B元素およびC元素によって構成される力ゴ状組織と、それに内包されるA元素で構成される。通常のクラスレート化合物として、力ゴ状組織がC元素のみによって構成されたものが知られている(例えば、BaSi46)。しかしながら、このようなクラスレート化合物の製造には、非常に高い圧力が必要となる。一方、C元素(Si)の6cサイトをB元素で置換した構造のものは、常圧でアーク溶融法によって合成することができる。
クラスレート化合物の好ましい例としては、BaAuSi46−y(ただし、xは7〜8であり、yは3.5〜6である。)、BaAlSi46−y(ただし、xは7〜8であり、yは11〜17である。)、およびBaCuSi46−y(ただし、xは7〜8であり、yは3.5〜6である。)が挙げられる。このようなクラスレート化合物からなる半導体単結晶10は、B元素であるAu、AlまたはCuの濃度勾配を設けることによって、極めて良好な発電材料となる。
図3(A)は、BaAuSi46−yのクラスレート化合物において、y=4の場合のバンドエネルギーを示す図である。図3(B)は、BaAuSi46−yのクラスレート化合物において、y=5の場合のバンドエネルギーを示す図である。図3(C)は、BaAuSi46−yのクラスレート化合物において、y=6の場合のバンドエネルギーを示す図である。
図4(A)は、BaAlSi46−yのクラスレート化合物において、y=14の場合のバンドエネルギーを示す図である。図4(B)は、BaAlSi46−yのクラスレート化合物において、y=15の場合のバンドエネルギーを示す図である。図4(C)は、BaAlSi46−yのクラスレート化合物において、y=16の場合のバンドエネルギーを示す図である。
図5(A)は、BaCuSi46−yのクラスレート化合物において、y=4の場合のバンドエネルギーを示す図である。図5(B)は、BaCuSi46−yのクラスレート化合物において、y=5の場合のバンドエネルギーを示す図である。図5(C)は、BaCuSi46−yのクラスレート化合物において、y=6の場合のバンドエネルギーを示す図である。
図3(A)〜図3(C)、図4(A)〜図4(C)および図5(A)〜図5(C)に示すバンドエネルギーは、第一原理計算ソフトAdvance/PHASEを用いて導出したものである。導出にあたっては、計算速度および計算精度の観点から、密度汎関数法を用い、交換相互作用ポテンシャルはPBE−GGAを用いた。計算方法は、Projector augmented wave(PAW)法を用いた。K-point(k点)は4×4×4=64点とし、cut off energyは340eVとした。図3(A)〜図3(C)から求められるバンドギャップの幅(エネルギーギャップ)を表1に示す。
表1に示す結果から、BaAuSi46−yのようなクラスレート化合物の場合、y=5の組成では、y=4およびy=6の組成に比べてバンドギャップの幅がかなり小さくなっていることがわかる。すなわち、BaAuSi46−yのバンドギャップの幅は、Auのモル比に大きく依存する。一方、BaAlSi46−yのようなクラスレート化合物の場合、y=15の組成では、y=14およびy=16の組成に比べてバンドギャップの幅がわずかに小さくなっていることがわかる。すなわち、BaAlSi46−yのバンドギャップの幅はAlのモル比に依存するが、その依存性は、BaAuSi46−yのAuのモル比に比べて小さい。
BaAuSi46−y(ただし、y=4〜6である。)は、BaAlSi46−y(ただし、y=14〜16である。)よりも、バンドギャップの幅の差が大きい。このようにバンドギャップの幅の差が大きい材料からなる半導体単結晶10の方が、より広い温度領域において、起電力を発生することができる。したがって、汎用性が一層高い発電材料とすることができる。ただし、BaAlSi46−yも、所定の温度範囲で起電力を生じる有望な発電材料である。
BaCuSi46−yのクラスレート化合物の場合、y=6の組成では、y=4およびy=5の組成に比べてバンドギャップの幅がかなり小さくなっていることがわかる。すなわち、BaCuSi46−yのバンドギャップの幅は、Cuのモル比に大きく依存する。BaCuSi46−y(ただし、y=4〜6である。)は、BaAlSi46−y(ただし、y=14〜16である。)よりも、バンドギャップの幅の差が大きい。したがって、BaCuSi46−yからなる半導体単結晶10も、広い温度領域において、起電力を発生することができる。したがって、汎用性が一層高い発電材料とすることができる。
半導体単結晶10では、y/xがn型半導体部12からp型半導体部14に向かって増加することによって、p型半導体部とn型半導体部とこれらの間にpn接合部とを有する。式(I)で表されるようなクラスレート化合物の構成元素の濃度を、一端側から他端側に沿って傾斜した組成とすることによって、一端側から他端側に向かって、p型半導体部、pn接合部およびn型半導体部が順次配置された構造となる。このような構造を有する半導体単結晶10は、p型半導体部とn型半導体部との温度差がなくても、所定の温度範囲で発電をすることができる。
半導体単結晶10は、例えば50〜700℃に、好ましくは200〜500℃に加熱することによって、効率よく発電することができる。半導体単結晶10は、例えば、400℃における両端部の間の電位差の絶対値を0.3mV以上、または、0.5mV以上にすることが可能であり、0.3〜20mVとすることも可能である。
導体単結晶10の製造方法を、式(I)のクラスレート化合物を例にして以下に説明する。まず、式(I)の構成元素であるA元素、B元素およびC元素に対応する、金属または半金属を準備する。そして、最終目的物の組成に応じて、準備した金属および半金属を所定量秤量する。秤量は、必要に応じてアルゴンガスに置換されたグローブボックス内で行う。秤量した金属および反金属を、銅製のモールド内に入れて、アーク溶融法等によって溶解する。アーク溶解中の溶融金属の温度は、例えば約3000℃である。
アーク溶融によって得られた融液を冷却すると、式(I)のクラスレート化合物のインゴッ卜が得られる。得られたインゴッ卜を破砕して、クラスレート化合物の粒子としてもよい。この粒子を坩堝中で溶融させて、チョクラルスキー法によって単結晶を製造してもよい。これによって、式(I)のクラスレート化合物からなる半導体単結晶10を得ることができる。得られた半導体単結晶10は、所望の形状となるように切断してもよい。
ここで、チョクラルスキー法では、坩堝内の融液から結晶を引き上げて単結晶を得る方法である。式(I)のような複数の構成元素を有するクラスレート化合物の単結晶をチョクラルスキー法で作製する場合、密度の大きい成分よりも小さい成分の方が容易に引き上げられて先に結晶化する傾向がある。このため、単結晶の製造が進行するにつれて、融液の組成が変化する。したがって、チョクラルスキー法で作製された半導体単結晶は、先に形成された部分の方が、後に形成された部分よりも、密度の大きい成分の濃度が低い傾向にある。
例えば、B元素がAuであり、C元素がSiである場合、Auの方がSiよりも密度が大きいため、後に形成された部分の方が、Au濃度が高くなる。したがって、この場合、当初の各金属および半金属の配合比を調整することによって、先に形成された部分がn型半導体部12となり、後に形成された部分がp型半導体部14となる。
〈半導体単結晶10a
図6は、半導体単結晶10aの構成の一例を模式的に示す図である。半導体単結晶10aは、上側にn型半導体部12を有し、下側に真性半導体部16を有する。一方、半導体単結晶10aは、p型半導体部を有していない。n型半導体部12は第1の半導体部に相当し、真性半導体部16は第2の半導体部に相当する。
半導体単結晶10aは、n型半導体部12から真性半導体部16に向かって所定の元素の濃度が変化している。半導体単結晶10と同様に、このような元素の濃度勾配が、半導体単結晶10aのバンドギャップの分布に寄与している。
図7(A)および図7(B)は、半導体単結晶10aのバンドギャップの状態を示す概念図である。図7(A)および図7(B)の縦軸は電子のエネルギーであり、横軸は半導体単結晶のn型半導体部12側の端部からの距離である。図7(A)および図7(B)に示すとおり、真性半導体部16におけるバンドギャップは、n型半導体部12におけるバンドギャップよりも小さくなっている。n型半導体部12は、フェルミレベルfが伝導帯側にある部分である。真性半導体部16は、フェルミレベルfが、伝導帯と価電子帯との間の禁止帯の中央にある部分である。半導体単結晶10aのバンドギャップは、n型半導体部12側の端部から、真性半導体部16側の端部に向かって漸減していてもよい。
図7(A)は、半導体単結晶10aを所定の温度に加熱したときの熱励起の状態を示す概念図である。図7(A)に示すように、半導体単結晶10aを所定の温度に加熱すると、価電子帯の電子が伝導帯に熱励起する。このとき、バンドギャップが相対的に小さい真性半導体部16のみで伝導帯に電子が熱励起される。一方、バンドギャップが真性半導体部16よりも大きいn型半導体部12では、電子が熱励起されない。
図7(B)は、半導体単結晶10aを所定の温度に加熱したときの電子(黒丸)の移動を示す概念図である。図7(B)に示すように、伝導帯に励起した電子は、エネルギーの低い方、すなわちn型半導体部12側に移動する。一方、電子の励起により価電子帯側に生じたホール(白丸)は真性半導体部16に滞留する。これによって、n型半導体部12が負に帯電し、真性半導体部16が正に帯電するため、起電力が生じる。このようにして、半導体単結晶10aは、n型半導体部12と真性半導体部16との間に温度差がなくても、発電することができる。
半導体単結晶10aは、キャリアが電子のみである点で、キャリアが電子とホールである半導体単結晶10と異なる。半導体単結晶10aである半導体単結晶10aも、温度差がなくても発電できることから、半導体単結晶10と同様に有用である。半導体単結晶10aでは、p型半導体部を形成する必要がない。このため、上記式(I)で表されるクラスレート化合物によって製造することが容易となる。
半導体単結晶10aにおける、n型半導体部12および真性半導体部16のバンドギャップの幅(エネルギーギャップ)およびその比は、半導体単結晶10と同様である。また、半導体単結晶10aを構成する材料は、半導体単結晶10と同様に上記式(I)で表されるクラスレート化合物であってもよい。ただし、半導体単結晶10aは、p型半導体部を有しないことから、上記式(I)におけるxは、7〜8、およびyは3.5〜5.5または11〜16である。
半導体単結晶10aにおいて、クラスレート化合物におけるB元素のモル比を示すyは、図6の矢印α方向に沿って増加している。一方、A元素のモル比を示すxは、半導体単結晶10aにおいてほぼ均一に分布していてもよいし、図6の矢印α方向に沿って減少していてもよい。すなわち、半導体単結晶10aでは、y/xの値が、図6の上端から下端に向かう矢印α方向に沿って概ね増加している。したがって、下部の方がA元素に対するB元素のモル比(y/x)が高くなっている。これによって、上部はn型半導体部12となり、下部は真性半導体部16となっている。なお、y/xの値は、n型半導体部12よりも真性半導体部16の方が高い。半導体単結晶10aにおいて、y/xの値は、真性半導体部16側の端部から、n型半導体部12側の端部に向かって漸減していてもよい。
クラスレート化合物の好ましい例としては、BaAuSi46−y(ただし、xは7〜8であり、yは3.5〜5.5である。)、BaAlSi46−y(ただし、xは7〜8であり、yは11〜16である。)、およびBaCuSi46−y(ただし、xは7〜8であり、yは3.5〜5.5である。)が挙げられる。
半導体単結晶10aは、半導体単結晶10と同様にして製造し、同様の温度に加熱して発電することができる。半導体単結晶10におけるp型半導体部以外の上記説明内容は、半導体単結晶10aにも適用できる。
〈半導体単結晶10b
図8は、半導体単結晶10bの構成の一例を模式的に示す図である。半導体単結晶10bは、上側に真性半導体部16を有し、下側にp型半導体部14を有する。一方、半導体単結晶10bは、n型半導体部を有していない。p型半導体部14は第1の半導体部に相当し、真性半導体部16は第2の半導体部に相当する。
半導体単結晶10bは、真性半導体部16からp型半導体部14に向かって所定の元素の濃度が変化している。半導体単結晶10,10aと同様に、このような元素の濃度勾配が、半導体単結晶10bのバンドギャップの分布に寄与している。
図9(A)および図9(B)は、半導体単結晶10bのバンドギャップの状態を示す概念図である。図9(A)および図9(B)の縦軸は電子のエネルギーであり、横軸は半導体単結晶の真性半導体部16側の端部からの距離である。図9(A)および図9(B)に示すとおり、真性半導体部16におけるバンドギャップは、p型半導体部14におけるバンドギャップよりも小さくなっている。p型半導体部14は、フェルミレベルfが価電子帯側にある部分である。真性半導体部16は、フェルミレベルfが、伝導帯と価電子帯との間の禁止帯の中央にある部分である。半導体単結晶10bのバンドギャップは、真性半導体部16側の端部から、p型半導体部14側の端部に向かって漸増していてもよい。
図9(A)は、半導体単結晶10bを所定の温度に加熱したときの熱励起の状態を示す概念図である。図9(A)に示すように、半導体単結晶10bを所定の温度に加熱すると、価電子帯の電子が伝導帯に熱励起する。このとき、バンドギャップが相対的に小さい真性半導体部16のみで伝導帯に電子が熱励起される。一方、バンドギャップが真性半導体部16よりも大きいp型半導体部14では、電子が熱励起されない。
図9(B)は、半導体単結晶10bを所定の温度に加熱したときのホール(白丸)の移動を示す概念図である。図9(B)に示すように、伝導帯に励起した電子は、エネルギーの低い方、すなわち真性半導体部16側に滞留する。一方、電子の励起により価電子帯側に生じたホールはp型半導体部14に移動する。これによって、p型半導体部14が正に帯電し、真性半導体部16が負に帯電するため、起電力が生じる。このようにして、半導体単結晶10bは、p型半導体部14と真性半導体部16との間に温度差がなくても、発電することができる。
半導体単結晶10bは、キャリアがホールのみである点で、キャリアが電子とホールである半導体単結晶10と異なる。半導体単結晶10bである半導体単結晶10bも、温度差がなくても発電できることから、半導体単結晶10,10aと同様に有用である。
半導体単結晶10bにおける、p型半導体部14および真性半導体部16のバンドギャップの幅(エネルギーギャップ)およびその比は、半導体単結晶10と同様である。また、半導体単結晶10aを構成する材料は、半導体単結晶10と同様に上記式(I)で表されるクラスレート化合物であってもよい。ただし、半導体単結晶10bは、n型半導体部を有しないことから、上記式(I)におけるxは、7〜8、およびyは5.3〜6または16〜17である。
半導体単結晶10bにおいて、クラスレート化合物におけるB元素のモル比を示すyは、図8の矢印α方向に沿って増加している。一方、A元素のモル比を示すxは、半導体単結晶10bにおいてほぼ均一に分布していてもよいし、図8の矢印α方向に沿って減少していてもよい。すなわち、半導体単結晶10bでは、y/xの値が、図8の上端から下端に向かう矢印α方向に沿って概ね増加している。したがって、下部の方がA元素に対するB元素のモル比(y/x)が高くなっている。これによって、上部は真性半導体部16となり、下部はp型半導体部14となっている。なお、y/xの値は、真性半導体部16よりもp型半導体部14の方が高い。半導体単結晶10bにおいて、y/xの値は、真性半導体部16側の端部から、p型半導体部14側の端部に向かって漸増していてもよい。
クラスレート化合物の好ましい例としては、BaAuSi46−y(ただし、xは7〜8であり、yは5.3〜6である。)、BaAlSi46−y(ただし、xは7〜8であり、yは16〜17である。)、およびBaCuSi46−y(ただし、xは7〜8であり、yは5.3〜6である。)が挙げられる。
半導体単結晶10bは、半導体単結晶10,10aと同様にして製造し、同様の温度に加熱して発電することができる。半導体単結晶10におけるp型半導体部以外の上記説明内容は、半導体単結晶10bにも適用される。
〈半導体単結晶10cまたは半導体単結晶10d
図10は、半導体単結晶10cまたは半導体単結晶10dの構成の一例を模式的に示す図である。半導体単結晶10cは、n型半導体部12(第1の半導体部)を備える。すなわち、半導体単結晶10cはn型半導体のみで構成される。半導体単結晶10cは、上端部12A(一方の端部)から下端部12B(他方の端部)に向かって所定の元素の濃度が変化している。半導体単結晶10,10a,10bと同様に、このような元素の濃度勾配が、半導体単結晶10cのバンドギャップの分布に寄与している。
図11(A)および図11(B)は、半導体単結晶10cのバンドギャップの状態を示す概念図である。図11(A)および図11(B)の縦軸は電子のエネルギーであり、横軸は半導体単結晶10cの上端からの距離である。図11(A)および図11(B)に示すとおり、n型半導体12(半導体単結晶10c)の下端部12Bにおけるバンドギャップは、n型半導体12(半導体単結晶10c)の上端部12Aにおけるバンドギャップよりも小さくなっている。半導体単結晶10cは、上端部12Aから下端部12Bに向かってバンドギャップが漸減していてもよい。
図11(A)は、半導体単結晶10cを所定の温度に加熱したときの熱励起の状態を示す概念図である。図11(A)に示すように、半導体単結晶10cを所定の温度に加熱すると、価電子帯の電子が伝導帯に熱励起する。このとき、バンドギャップが相対的に小さい下端部12Bのみで伝導帯に電子が熱励起される。一方、バンドギャップが下端部12Bよりも大きい上端部12Aでは、電子が熱励起されない。
図11(B)は、半導体単結晶10cを所定の温度に加熱したときの電子(黒丸)の移動を示す概念図である。図11(B)に示すように、伝導帯に励起した電子は、上端部12A側に移動する。一方、電子の励起により価電子帯側に生じたホール(白丸)は下端部12B側に滞留する。これによって、上端部12A側が負に帯電し、下端部12B側が正に帯電するため、起電力が生じる。このようにして、半導体単結晶10cは、上端部12Aと下端部12Bとの間に温度差がなくても、発電することができる。
半導体単結晶10cは、キャリアが電子のみである点で、半導体単結晶10aと共通する。半導体単結晶10cも、温度差がなくても発電できることから、半導体単結晶10,10a,10bと同様に有用である。
半導体単結晶10cにおける、上端部12Aおよび下端部12Bのバンドギャップの幅(エネルギーギャップ)およびその比に特に制限はない。上端部12Aにおけるバンドギャップの幅(エネルギーギャップ)に対する、下端部12Bのバンドギャップの幅(エネルギーギャップ)の比は、小さい方が好ましい。上記比は、0.8以下であってもよく、0.1〜0.7であってもよい。この比が小さいほど、発電できる温度領域を十分に広くすることができる。
半導体単結晶10cを構成する材料は、半導体単結晶10と同様に上記式(I)で表されるクラスレート化合物であってもよい。ただし、半導体単結晶10cは、p型半導体部および真性半導体部を有しないことから、上記式(I)におけるxは、7〜8、およびyは3.5〜5.5または11〜16である。
半導体単結晶10cにおいて、クラスレート化合物におけるB元素のモル比を示すyは、図10の矢印α方向に沿って概ね増えていてもよい。一方、A元素のモル比を示すxは、半導体単結晶10cにおいてほぼ均一に分布していてもよいし、図10の矢印α方向に沿って概ね減少していてもよい。半導体単結晶10cでは、y/xの値が、上端部12Aよりも下端部12Bの方が大きい。すなわち、上端部14Aよりも下端部12Bの方がA元素に対するB元素のモル比(y/x)が高くなっている。
クラスレート化合物の好ましい例は、半導体単結晶10aと同様である。半導体単結晶10cは、半導体単結晶10aと同様にして製造し、同様の温度に加熱して発電することができる。半導体単結晶10における真性半導体部およびp型半導体部以外の説明内容は、半導体単結晶10cにも適用される。
図10の半導体単結晶は、p型半導体14から構成される半導体単結晶10dであってもよい。半導体単結晶10dは、p型半導体部14(第1の半導体部)を備える。すなわち、半導体単結晶10dはp型半導体のみで構成される。半導体単結晶10dは、上端部14A(一方の端部)から下端部14B(他方の端部)に向かって所定の元素の濃度が変化している。半導体単結晶10,10a,10b,10cと同様に、このような元素の濃度勾配が、半導体単結晶10dのバンドギャップの分布に寄与している。
図12(A)および図12(B)は、半導体単結晶10dのバンドギャップの状態を示す概念図である。図12(A)および図12(B)の縦軸は電子のエネルギーであり、横軸は半導体単結晶10dの上端からの距離である。図12(A)および図12(B)に示すとおり、p型半導体14(半導体単結晶10d)の上端部14Aにおけるバンドギャップは、p型半導体14(半導体単結晶10d)の下端部14Bにおけるバンドギャップよりも小さくなっている。すなわち、半導体単結晶10dは、上端部14Aから下端部14Bに向かってバンドギャップが漸増していてもよい。
図12(A)は、半導体単結晶10dを所定の温度に加熱したときの熱励起の状態を示す概念図である。図12(A)に示すように、半導体単結晶10dを所定の温度に加熱すると、価電子帯の電子が伝導帯に熱励起する。このとき、バンドギャップが相対的に小さい上端部14Aのみで伝導帯に電子が熱励起される。一方、バンドギャップが上端部14Aよりも大きい下端部14Bでは、電子が熱励起されない。
図12(B)は、半導体単結晶10dを所定の温度に加熱したときのホール(白丸)の移動を示す概念図である。図12(B)に示すように、電子の励起によって価電子帯に生じたホールは、下端部14B側に移動する。一方、伝導帯に励起された電子は上端部14A側に滞留する。これによって、上端部14A側が負に帯電し、下端部14B側が正に帯電するため、起電力が生じる。このようにして、半導体単結晶10dは、上端部14Aと下端部14Bとの間に温度差がなくても、発電することができる。
半導体単結晶10cは、キャリアがホールのみである点で、半導体単結晶10bと共通する。半導体単結晶10dも、温度差がなくても発電できることから、半導体単結晶10,10a,10b,10cと同様に有用である。
半導体単結晶10dにおける、上端部14Aおよび下端部14Bのバンドギャップの幅(エネルギーギャップ)およびその比は、半導体単結晶10cと同様である。
半導体単結晶10dを構成する材料は、半導体単結晶10と同様に上記式(I)で表されるクラスレート化合物であってもよい。ただし、半導体単結晶10dは、n型半導体部および真性半導体部を有しないことから、上記式(I)におけるxは、7〜8、およびyは5.3〜6または16〜17である。
半導体単結晶10dにおいて、クラスレート化合物におけるB元素のモル比を示すyは、図10の矢印α方向に沿って概ね増えていてもよい。一方、A元素のモル比を示すxは、半導体単結晶10dにおいてほぼ均一に分布していてもよいし、図10の矢印α方向に沿って概ね減少していてもよい。半導体単結晶10dでは、y/xの値が、上端部14Aよりも下端部14Bの方が大きい。すなわち、上端部14Aよりも下端部14Bの方がA元素に対するB元素のモル比(y/x)が高くなっている。
以上、半導体単結晶の好適な実施形態を説明したが、半導体単結晶は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、柱状の半導体単結晶を示したが、半導体単結晶の形状は角柱形状に限定されるものではなく、種々の形状にすることができる。
また、半導体単結晶の製造方法は、上述の方法に限定されるものではなく、各種の単結晶の製造方法を適用することができる。例えば、均一な組成を有する単結晶に、ドーパントなどのイオンを注入する方法、単結晶を所定の金属の融液に浸漬するシンタリングによる方法によって、単結晶に所定元素の濃度差を設けて、半導体単結晶を製造してもよい。また、予め所定の元素濃度が変化するように多結晶の試料を準備しておいて、試料にレーザ一光を照射して溶解した後、徐々に冷却して単結晶を成長させるFZ法(フローティングゾーン法)によって製造してもよい。
〔触媒成分〕
本発明の触媒材料においては、上述した半導体単結晶の表面に、触媒成分が固定されている。本発明に使用される触媒成分およびその作用によって進行する化学反応(触媒反応)としては、特に限定されず、従来公知の触媒成分および触媒反応を適宜選択できる。
もっとも、本発明の触媒材料の使用態様の観点から、本発明に使用される触媒成分としては、反応液または反応ガスと接触して働く「不均一系触媒(固体触媒)」が好適に使用される。なお、触媒反応は、発熱反応であることが好ましい。
以下に、触媒成分および触媒反応の例を記載するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
一例として、触媒成分として、銅を含む触媒が挙げられ、その具体例としては、酸化銅−酸化亜鉛−アルミナ触媒が挙げられる。この場合、触媒反応としては、例えば、メタノールおよびジメチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも一種を合成する反応;水性ガスシフト反応;等が挙げられる。
別の一例として、触媒成分として、白金を含む触媒が挙げられ、その具体例としては、白金/アルミナ触媒が挙げられる。この場合、触媒反応としては、水素、有機物および一酸化炭素からなる群から選ばれる少なくとも一種の物質を含むガス体の触媒燃焼反応が挙げられる。
さらに別の一例として、触媒成分として、酸化バナジウムを含む触媒が挙げられ、その具体例としては、五酸化バナジウム系触媒が挙げられる。この場合、触媒反応としては、有機物の部分酸化反応が挙げられ、その具体例としては、o−キシレンおよび/またはナフタレンの部分酸化反応による無水フタル酸合成反応;ブタンの部分酸化反応による無水マレイン酸合成反応;等が挙げられる。
さらに別の一例として、触媒成分として、Co,Fe,Ni,RuおよびRhからなる群から選ばれる少なくとも一種を含む触媒が挙げられ、この触媒は、例えば、担持触媒または沈殿触媒である。この場合、触媒反応としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素またはこれらの混合物の水素化反応が挙げられ、その具体例としては、一酸化炭素、二酸化炭素またはこれらの混合物の水素化によるメタン合成反応;一酸化炭素、二酸化炭素またはこれらの混合物の水素化によるフィッシャー・トロプシュ合成反応;等が挙げられる。
さらに別の一例として、触媒成分として、Cuを含む触媒が挙げられ、この触媒は、例えば、担持触媒または沈殿触媒である。この場合、触媒反応としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素またはこれらの混合物の水素化反応が挙げられ、その具体例としては、一酸化炭素、二酸化炭素またはこれらの混合物の水素化によるメタノール合成反応等が挙げられる。
さらに別の一例として、触媒成分として、ゼオライトまたはミクロ細孔を持つ結晶成分を含む触媒が挙げられる。この場合、触媒反応としては、例えば、メタノール、ジメチルエーテルまたはこれらの混合物から炭化水素を合成する反応;パラフィン、オレフィンまたはこれらの混合物から芳香族炭化水素を合成する反応;等が挙げられる。
さらに別の一例として、触媒成分として、Cuを含む触媒とゼオライトまたはミクロ細孔を持つ結晶成分を含む触媒との複合触媒が挙げられる。この場合、触媒反応としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素またはこれらの混合物の水素化反応が挙げられ、その具体例としては、一酸化炭素、二酸化炭素またはこれらの混合物の水素化によるメタノール経由の炭化水素合成反応等が挙げられる。
なお、触媒成分を、上述した半導体単結晶の表面に固定する方法は、特に限定されず、例えば、触媒成分を適当な液体に溶解または分散させたものを、公知の手段で、半導体単結晶の表面に塗布し、その後、乾燥または加熱することで固定する方法;触媒成分を、公知のバインダーを用いて、半導体単結晶の表面に固着させることで固定する方法;等が挙げられる。
[触媒反応の促進方法]
本発明の触媒反応の促進方法は、本発明の触媒材料を用いる触媒反応の促進方法であって、加熱によって上記半導体単結晶を発電させることにより電場を形成し、形成した電場によって上記触媒成分の触媒反応を促進する、触媒反応の促進方法である。
図13に基づいて、本発明の触媒材料の使用態様の一例を説明しつつ、本発明の触媒反応の促進方法を説明する。
図13は、本発明の触媒材料の使用態様の一例を示す断面図である。図13に示す筒状の反応管2は、例えばステンレス製である。反応管2の内部には、網目状のメッシュ3が固定的に取り付けられている。メッシュ3と、このメッシュ3の上面側領域を囲う反応管2の内側面とによって形成される空間(収容空間)に、複数の触媒材料1が収容されている。触媒材料1は、反応管2の上側の開口から投入するだけで、メッシュ3によって落下がせき止められて、この収容空間に収容される。触媒材料1は、薄板状(例えば、2mm×0.2mm×20mm)に成形した半導体単結晶の表面上に、触媒成分を固定したものである。メッシュ3は網目状であり、かつ、複数の触媒材料1同士の間にも空隙が多く形成されるため、反応管2の内部は通気自在となっている。そして、触媒材料1を加熱できる位置に、加熱炉4が配置されている。
このような構成において、一般的には、加熱炉4を駆動させつつ、反応管2の上側から下側に向けて、反応物(ガス)を所定の流量で流通させる。すると、反応物は、触媒材料1を通過する際に、加熱炉4の熱および触媒材料1の触媒成分の作用によって励起され、励起した反応物同士がエネルギー的に高準位な中間体を経て、反応物とは異なる生成物が生成される。このように、触媒反応が進行する。
ここで、本態様においては、加熱炉4によって、触媒材料1の半導体単結晶が加熱されて発電し、電場が形成され、形成された電場によって、触媒反応が促進される。
このため、本態様では、外部からの電力等を必要とせず、単に加熱するだけで、一般的な条件よりも緩和された条件(例えば、低温条件、低圧条件)で触媒反応を進行させることができる。
例えば、本発明者らは、触媒成分として、酸化銅−酸化亜鉛−アルミナ触媒を、半導体単結晶の表面に固定した本発明の触媒材料を用いた場合に、1MPa以下の低圧条件でメタノール合成反応が進行することを見出している。通常、メタノール合成反応は、平衡による制約のため、3〜5MPaの高圧条件で反応が行なわれ、高い圧力に耐える設備が必要とされていることから、1MPa以下という低圧条件にできるので、設備費が大幅に削減できると共に、商業プラントの安全性も大幅に軽減し得る。
1…触媒材料
2…反応管
3…メッシュ
4…加熱炉
10,10a,10b,10c,10d…半導体単結晶
12…n型半導体部(n型半導体)
14…p型半導体部(p型半導体)
16…真性半導体部

Claims (1)

  1. 半導体単結晶と、前記半導体単結晶の表面に固定された触媒成分と、を備え、
    前記半導体単結晶が、下記半導体単結晶C〜Dのいずれかである、触媒材料
    導体単結晶C:n型半導体部とp型半導体部とこれらの間に真性半導体部とを有し、下記式(I)で表わされるクラスレート化合物である半導体単結晶。
    46−y (I)
    (式(I)中、Aは、Baを示し、Bは、Au,Cまたはlを示し、Cは、Siを示す。xは7〜8であり、yは3.5〜6(BがAuまたはCuの場合)または11〜17(BがAlの場合)であり、y/xは、前記p型半導体部、前記真性半導体部、および前記n型半導体部の順に高い。)
    半導体単結晶D:n型半導体部またはp型半導体部からなる第1の半導体部を有し、下記式(I)で表わされるクラスレート化合物を含む半導体単結晶。
    46−y (I)
    (式(I)中、Aは、Baを示し、Bは、Au,Cまたはlを示し、Cは、Siを示す。前記第1の半導体部が前記n型半導体部からなる場合、xは7〜8であり、yは3.5〜5.5(BがAuまたはCuの場合)または11〜16(BがAlの場合)である。前記第1の半導体部が前記p型半導体部からなる場合、xは7〜8であり、yは5.3〜6(BがAuまたはCuの場合)または16〜17(BがAlの場合)である。y/xは、前記半導体単結晶の一方の端部と他方の端部において異なる。)
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