JP6478145B2 - インプリント用モールド、インプリント方法、ワイヤーグリッド偏光子の製造方法及びワイヤーグリッド偏光子 - Google Patents

インプリント用モールド、インプリント方法、ワイヤーグリッド偏光子の製造方法及びワイヤーグリッド偏光子 Download PDF

Info

Publication number
JP6478145B2
JP6478145B2 JP2014232110A JP2014232110A JP6478145B2 JP 6478145 B2 JP6478145 B2 JP 6478145B2 JP 2014232110 A JP2014232110 A JP 2014232110A JP 2014232110 A JP2014232110 A JP 2014232110A JP 6478145 B2 JP6478145 B2 JP 6478145B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
pattern region
wire grid
region
imprint mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014232110A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016096275A (ja
Inventor
村 慶 太 飯
村 慶 太 飯
川 泰 央 大
川 泰 央 大
本 和 雄 笹
本 和 雄 笹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2014232110A priority Critical patent/JP6478145B2/ja
Publication of JP2016096275A publication Critical patent/JP2016096275A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6478145B2 publication Critical patent/JP6478145B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

本発明は、インプリント用モールド、インプリント方法、ワイヤーグリッド偏光子の製造方法及びワイヤーグリッド偏光子に関する。
近年、フォトリソグラフィ技術に代わるパターン形成技術として、インプリント方法を用いたパターン形成技術が注目されている。インプリント方法は、例えば微細な凹凸形状が形成されたパターン領域を有するインプリント用モールド(以下、モールドと呼ぶ。)を用い、前記凹凸形状を被成形材料に転写することで微細な凹凸形状を等倍転写するパターン形成技術である。
例えば、被成形材料として光硬化性の樹脂組成物を用いたインプリント方法は、以下のように行われる。まず、転写基板の表面に光硬化性樹脂組成物の液滴を供給する。次に、所望の凹凸形状が形成されたパターン領域を有するモールドと光硬化性樹脂組成物とを所定の距離まで近接させる又は接触させることにより前記凹凸形状内に光硬化性樹脂組成物を充填する。この状態でモールド側から光を照射して光硬化性樹脂組成物を硬化させることにより樹脂層を形成する。その後、モールドと樹脂層とを引き離すことにより、モールドのパターン領域における凹凸形状が反転した凹凸形状を有するパターン構造体を形成する。また、その後、このようなパターン構造体をエッチングレジストとして転写基板をエッチング加工する場合もある。
インプリント用のモールドとしては、石英等からなる可撓性を具備しないモールド(特許文献1参照)と、樹脂製フィルム等からなる可撓性を具備するモールドとが、従来から知られている(特許文献2参照)。
可撓性を具備しないモールドを使用するインプリントでは、モールドから引き離された樹脂層における残膜厚みを均一とするために、モールドと転写基板との平行が維持されることが要求される。しかし、このような可撓性を具備しないモールドは、面積が拡大すると、樹脂層との引き離しの際に大きな剥離応力が作用するため、パターンに欠陥を生じさせないような離型が難しくなる。このため、可撓性を具備しないインプリント用のモールドは、極端に大面積化することが困難であり、大型のパターン構造体の形成に関しては不向きといえる。
一方、可撓性を具備するモールドを使用する場合には、ローラーインプリントを行うことができる。このローラーインプリントは、可撓性を有する基材に微細な凹凸形状を含むパターン領域を形成することによりモールドを作製し、このモールドの裏面(凹凸形状が形成されていない面)からローラーでモールドを加圧することにより、例えばエッチングレジスト等の樹脂組成物に対してモールドを接触させ、接触後に樹脂組成物を硬化させ、その後、樹脂組成物が硬化した樹脂層とモールドとの離型を行う手法である。このようなローラーインプリントを採用する場合、離型の際にモールドと転写基板との平行を必ずしも維持しなくてもよいため、可撓性のないモールドを用いたインプリント方法に比べて大面積化が容易である。
このようなインプリント用モールドを使用したインプリント方法は、近年、種々の製品の製造に採用されることが期待されている。例えば、インプリント方法により製造可能な製品として、ワイヤーグリッド偏光子を挙げることができる。
ワイヤーグリッド偏光子は、複数の微細な金属細線を平行に備えており、光配向処理等に使用されている(特許文献3)。例えば、特許文献4においては、金属細線を一方向に揃えるようにして複数のワイヤーグリッド偏光子を保持枠体内に配置することにより偏光素子ユニットを構成し、この偏光素子ユニットに紫外線を照射し、出射された直線偏光を硬化性樹脂組成物に照射することにより異方性を持たせて光配向処理を施すことが開示されている。このようなワイヤーグリッド偏光子は、光配向処理の他にも、例えば、ディスプレイの輝度を向上する部材等、種々の用途に使用可能である。ワイヤーグリッド偏光子は、大面積であることが要求される場合があり、大面積のワイヤーグリッド偏光子を製造する場合には、可撓性を具備するモールドを用いるローラーインプリントが適している。
特開2013−161893号公報 特開2011−183782号公報 特開2009−265290号公報 特開2012−203294号公報
ところで、上述のようなローラーインプリントで使用される従来のモールドは、一般的に、可撓性を有する。これにより、従来のモールドは、柔軟性が確保され、ローラーによって加圧された際に容易に撓むことが可能となっている。
しかしながら、本件発明者は、従来のモールドは、その柔軟性によって、傾きやうねり等の変形が生じ易く、このような変形が生じた場合に、モールドに接触される樹脂組成物において膜厚が局所的に薄くなった欠陥領域が生じ易くなることを知見した。
詳しくは、モールドにおいて、パターン領域の凹凸形状の外周部分が平坦な面に形成されており、この平坦な面の高さがパターン領域の高さよりも低く形成されている場合、特に、前記凹凸形状と前記平坦な面との境界又はその近傍が変形し易く、当該境界又はその近傍に接触された樹脂組成物に、特に、欠陥領域が生じ易いことを知見した。
このような欠陥領域は、以下の現象により生じているものと推認される。
まず、モールドと樹脂組成物とを接触させる際には、モールドにおける凹凸形状の凸部が樹脂組成物から抵抗を受ける。これにより、凹凸形状では、凹部に樹脂組成物を至らせるまでの時間がかかる一方で、凹凸形状の外周部分に位置する平坦な面では、何ら抵抗がないので樹脂組成物に接触するまでの時間がかからない。この時間差により、当該平坦な面が、凹凸形状との境界又はその近傍を起点に樹脂組成物側に傾く或いはうねる。そして、このような傾斜やうねりが生じた場合に、モールドと樹脂組成物との間に圧力ムラが生じ、圧力が低い領域に空隙が生じ、樹脂組成物の膜厚が不均一になる。その結果、樹脂組成物において、膜厚が局所的に薄くなった欠陥領域が生じると推認される。
また、モールドと樹脂組成物とを接触させる際には、樹脂組成物が流動する。このような流動の影響で、モールドが樹脂組成物側に凹むように傾斜したり、うねりが生じたりする。そして、このような傾斜やうねりが生じた場合に、モールドと樹脂組成物との間に圧力ムラが生じ、圧力が低い領域に空隙が生じ、樹脂組成物の膜厚が不均一になる。その結果、樹脂組成物において、膜厚が局所的に薄くなった欠陥領域が生じるとも推認される。
上記のような欠陥領域が生じた場合、樹脂組成物に欠陥が生じるだけでなく、その後に形成される形成物にも欠陥が生じ得る。例えば、上記樹脂組成物がマスクを形成するためのエッチングレジスト(以下、レジストと呼ぶ。)であり、このレジストに上記のような欠陥領域が生じた場合には、レジストをエッチングした後の形成物にも欠陥が生じ得る。具体的には例えば、ローラーインプリントによるワイヤーグリッド偏光子の製造の際に上記のような欠陥領域が生じた場合には、エッチング後に形成されるワイヤーグリッド偏光子にも欠陥が生じ得て、その品質が劣化する虞がある。
また、この種のモールドを用いたインプリントでは、通常、凹凸形状が形成されたパターン領域と、パターン領域の外周部分とが共に、樹脂組成物に接触される。また、パターン領域の外周部分は、樹脂組成物にパターンを転写する目的で形成される部分ではないため、通常、パターン領域に形成された凹凸形状と同じパターンは有していない。したがって、このようなインプリント後の樹脂組成物では、パターン領域に接触した部分の形状と、その外周部分に接触した部分の形状とが異なる。このため、形状の違いから、樹脂組成物におけるパターン領域に接触した部分と、パターン領域の外周部分に接触した部分とで、光学特性等の物性が相違し得る。しかしながら、このような物性の相違が、パターン転写後の樹脂組成物又は当該樹脂組成物を加工して形成される形成物にとって、望ましくない状況を引き起こす場合もある。
例えば、ワイヤーグリッド偏光子は、ライン形状の開口部が所望のスペース(ワイヤーグリッド材料層)を介して複数配列されて構成されたワイヤーグリッドを有する。このようなワイヤーグリッドは、モールドのパターン領域に接触されパターンを転写された樹脂組成物をマスクとして、当該樹脂組成物を積層した転写基板をエッチングすることにより作製される。この際、モールドのパターン領域の外周部分が樹脂組成物に接触されている場合には、ワイヤーグリッド偏光子のワイヤーグリッドの外周部分において、ワイヤーグリッドとは異なる形状の領域が形成される。このようなワイヤーグリッドとは異なる形状の領域の光学特性は、当然、ワイヤーグリッドの光学特性とは異なる。
そして、通常、このようなワイヤーグリッド偏光子は、その外周部分のワイヤーグリッドとは異なる形状の領域が例えば保持枠体で被覆されつつ保持され、保持枠体の内側の全域にワイヤーグリッドが位置する状態で、使用される。このような使用状態である場合、基本的に、保持枠体の内側に入射した光は、所望の光配向処理を施される。しかしながら、このような使用状態であっても、光が、ワイヤーグリッドの外周部分に位置するワイヤーグリッドとは異なる形状の領域を透過することもあり得る。このような場合、ワイヤーグリッドとは異なる形状の領域の光学特性はワイヤーグリッドの光学特性とは相違することにより、不所望な光が出射される状況が生じ得る。
このようにインプリント後の樹脂組成物において、パターン領域に接触した部分の形状と、その外周部分に接触した部分の形状とが異なり、形状の違いから生じる物性の相違が、パターン転写後の樹脂組成物又は当該樹脂組成物を加工して形成される形成物にとって、望ましくない状況を引き起こす場合もある。
したがって、このような望ましくない状況が生じる可能性を考慮し、インプリント後の樹脂組成物におけるパターン領域に接触した部分の形状と、その外周部分に接触した部分の形状とで、物性が相違することを抑制して、パターン転写後の樹脂組成物又は当該樹脂組成物を加工して形成される形成物において部分的に物性に差が生じることを抑制する対策がなされていてもよい。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであって、その目的は、インプリント用モールドのパターン領域に接触される被成形材料に、当該モールドの可撓性に起因した変形により欠陥領域が生じることを防止することができ、且つ、パターン転写後の被成形材料又は当該被成形材料を加工して形成される形成物において部分的に物性に差が生じることを抑制することができるインプリント用モールド及びインプリント方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、高品質なワイヤーグリッド偏光子であって、ワイヤーグリッドが形成されていない領域に光が入射されたとしても、不所望な状態で光が出射されることを防止することができるワイヤーグリッド偏光子及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、互いに隣接する第1パターン領域と第2パターン領域とが形成され、全体として可撓性を有するインプリント用モールドであって、前記第1パターン領域を形成する第1パターン部と、前記第2パターン領域を形成する第2パターン部と、を備え、前記第1パターン領域及び前記第2パターン領域の各々に凹凸形状が形成され、前記第2パターン領域の凹凸形状は、ダミーパターンとして機能し、前記第1パターン部の高さと、前記第2パターン部の高さとが、互いに同一であり、前記第1パターン領域の凹凸形状及び前記第2パターン領域の凹凸形状の各々は、ラインアンドスペースパターンにて形成され、前記第1パターン領域の凹凸形状の凹部と凸部とが並ぶ方向と、前記第2パターン領域の凹凸形状の凹部と凸部とが並ぶ方向とが、互いに同一であり、前記第2パターン領域の凹凸形状のピッチは、前記第1パターン領域の凹凸形状のピッチよりも大きくなっており、前記第2パターン領域の凹凸形状の凸部は、ラインアンドスペースパターンにて形成されたサブ凹凸形状から構成されており、前記サブ凹凸形状のピッチは、前記第1パターン領域の凹凸形状のピッチと同一である、ことを特徴とするインプリント用モールド、である。
また、前記第2パターン領域の凹凸形状のピッチは、前記第1パターン領域の凹凸形状のピッチの10倍〜20倍である、ことが好ましい。
また、前記第1パターン領域の凹凸形状のデューティー比と、前記第2パターン領域の凹凸形状のデューティー比及び前記サブ凹凸形状のデューティー比と、が、互いに同一である、ことが好ましい。
また、当該インプリント用モールドの曲げ剛性は、全体として0.35Nm以下であってもよい。また、当該インプリント用モールドは、ローラー転写方式のインプリントに使用されるモールドであってもよい。また、当該インプリント用モールドは、ワイヤーグリッド偏光子の製造用のモールドであってもよい。
また、本発明は、互いに隣接する第1パターン領域と第2パターン領域とが形成され、全体として可撓性を有するインプリント用モールドであって、前記第1パターン領域を形成する第1パターン部と、前記第2パターン領域を形成する第2パターン部と、を備え、前記第1パターン領域及び前記第2パターン領域の各々に凹凸形状が形成され、前記第2パターン領域の凹凸形状は、ダミーパターンとして機能し、前記第1パターン部の高さと、前記第2パターン部の高さとが、互いに同一であり、前記第1パターン領域の凹凸形状及び前記第2パターン領域の凹凸形状の各々は、ラインアンドスペースパターンにて形成され、前記第1パターン領域の凹凸形状の凹部と凸部とが並ぶ方向と、前記第2パターン領域の凹凸形状の凹部と凸部とが並ぶ方向とが、互いに同一であり、前記第2パターン領域の凹凸形状のピッチは、前記第1パターン領域の凹凸形状のピッチよりも大きくなっており、前記第2パターン領域の凹凸形状の凸部は、ラインアンドスペースパターンにて形成された凹凸形状を有する、ことを特徴とするインプリント用モールド、である。
また、本発明は、
前記のインプリント用モールドを準備する準備工程と、
前記インプリント用モールドの前記第1パターン領域および前記第2パターン領域を、前記第1パターン領域および前記第2パターン領域が設けられた面とは反対側の面からローラーで加圧することにより、転写基板の一方の面に位置する被成形材料に接触させる接触工程と、
前記インプリント用モールドに接触させた前記被成形材料を硬化させることにより前記第1パターン領域および前記第2パターン領域に対応するパターンが転写された転写層とする硬化工程と、
前記転写層と前記インプリント用モールドとを引き離すことにより、前記転写層であるパターン構造体を前記転写基板上に位置させた状態とする離型工程と、を備える
ことを特徴とするインプリント方法、である。
また、本発明は、
前記のインプリント用モールドを準備する準備工程と、
前記インプリント用モールドの前記第1パターン領域および前記第2パターン領域を、前記第1パターン領域および前記第2パターン領域が設けられた面とは反対側の面からローラーで加圧することにより、一の面にワイヤーグリッド材料層を備える透明基板の前記ワイヤーグリッド材料層上に位置するエッチングレジスト層に接触させる接触工程と、
前記インプリント用モールドに接触させた前記エッチングレジスト層を硬化させることにより前記第1パターン領域および前記第2パターン領域に対応するパターンが転写されたレジストパターン層とする硬化工程と、
前記レジストパターン層と前記インプリント用モールドとを引き離す離型工程と、
前記レジストパターン層をエッチングマスクとして前記ワイヤーグリッド材料層をエッチングすることにより、ワイヤーグリッドを形成するエッチング工程と、を備える
ことを特徴とするワイヤーグリッド偏光子の製造方法、である。
また、本発明は、透明基板と、前記透明基板の一の面に位置するワイヤーグリッド材料層と、を備え、前記ワイヤーグリッド材料層に、ワイヤーグリッド領域と、このワイヤーグリッド領域に隣接するダミーパターン領域とが形成されており、前記ワイヤーグリッド領域には、ライン形状のメイン開口部がスペースを介して複数配列されて構成されたワイヤーグリッドが形成され、前記ダミーパターン領域には、前記メイン開口部が配列される方向に、平坦領域とダミーワイヤーグリッド領域とが交互に配列され、前記平坦領域の幅と前記ダミーワイヤーグリッド領域の幅とを加算して規定されるピッチが、前記ワイヤーグリッドのピッチよりも大きくなっており、前記ダミーワイヤーグリッド領域には、ライン形状のダミー用開口部がスペースを介して複数配列されて構成されたダミーワイヤーグリッドが形成され、前記メイン開口部のライン方向と、前記ダミー用開口部のライン方向とが互いに同一であり、前記ワイヤーグリッドのピッチと、前記ダミーワイヤーグリッドのピッチとが互いに同一である、ことを特徴とするワイヤーグリッド偏光子、である。
本発明によれば、インプリント用モールドのパターン領域に接触される被成形材料に、当該モールドの可撓性に起因した変形により欠陥領域が生じることを防止することができ、且つ、パターン転写後の被成形材料又は当該被成形材料を加工して形成される形成物において部分的に物性に差が生じることを抑制することができるインプリント用モールド及びインプリント方法を提供することができる。
また、本発明によれば、高品質なワイヤーグリッド偏光子であって、ワイヤーグリッドが形成されていない領域に光が入射されたとしても、不所望な状態で光が出射されることを防止することができるワイヤーグリッド偏光子及びその製造方法を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態にかかるインプリント用モールドの平面図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 図1のインプリント用モールドの要部を拡大した平面図である。 第1の実施の形態にかかるインプリント方法の工程図である。 第1の実施の形態にかかるインプリント方法の工程図である。 図5(B)のVI−VI線に沿う部分断面図である。 第1の実施の形態の作用効果を説明する図である。 比較例によるインプリント用モールドでのインプリントの様子を説明する図である。 第1の実施の形態にかかるインプリント用モールドを使用して製造されるワイヤーグリッド偏光子の平面図である。 第1の実施の形態にかかるインプリント用モールドを使用して製造されるワイヤーグリッド偏光子の製造方法の工程図である。 図9のD−D線に沿う部分断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の各実施の形態について説明する。図面は例示であり、説明のために特徴部を誇張することがあり、実物とは異なる場合がある。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付している。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるインプリント用モールド11の平面図であり、図2は、図1のII−II線に沿う断面図であり、図3は、図1の符号IIIで示す二点鎖線で囲まれた領域においてインプリント用モールド11の要部を拡大した平面図である。このインプリント用モールド11は全体として可撓性を有し、ローラー転写方式のインプリント、すなわちローラーインプリントに使用される。まず、図1乃至図3を参照して、第1の実施の形態にかかるインプリント用モールド11について説明する。
[インプリント用モールド]
図1乃至図3に示すように、本実施の形態にかかるインプリント用モールド11は、シート状に形成され、その対向する一対の面のうちの一方の面に、互いに隣接する第1パターン領域12と第2パターン領域13とが形成されている。図1の例においては、ドットを付して示した矩形の領域が、第1パターン領域12を示し、第1パターン領域12の周囲を囲んだ矩形枠状の領域が、第2パターン領域13を示している。本実施の形態では、一例として、第1パターン領域12及び第2パターン領域13の輪郭が共に矩形に形成されているが、これらは他の形状に形成されていてもよい。
図1乃至図3おいて、符号22は、インプリント用モールド11のうちの第1パターン領域12を形成する第1パターン部を示し、符号23は、インプリント用モールド11のうちの第2パターン領域13を形成する第2パターン部を示している。図示の例では、第1パターン部22及び第2パターン部23は、同一の材料から一体に形成されている。
このインプリント用モールド11は、単層構造で形成されていてもよいし、多層構造で形成されていてもよい。例えば、インプリント用モールド11は、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂組成物から形成されたシート状の基材と、基材の一方の面上に形成され第1パターン領域12と第2パターン領域13とを形成する樹脂層と、で構成されていてもよい。この場合、第1パターン部22及び第2パターン部23はそれぞれ、基材の一部と樹脂層の一部とからなる2層構造で構成されていてもよい。
図2及び図3に示すように、第1パターン領域12及び第2パターン領域13の各々には、凹凸形状32,33が形成されており、本実施の形態の凹凸形状32,33は、ラインアンドスペースパターンにて形成されている。
詳しくは、第1パターン領域12には、幅W1を有し矢印Aで示される方向にライン形状に延びる凹部32Aと、幅W2を有し矢印Aで示される方向にライン形状に延びる凸部32Bとで構成される凹凸のペアを矢印B方向に配列して構成された凹凸形状32が形成されている。一方、第2パターン領域13には、幅W3を有し矢印Aで示される方向にライン形状に延びる凹部33Aと、幅W4を有し矢印Aで示される方向にライン形状に延びる、詳細は後述するサブ凹凸形状331から構成され、特にその凸部331Bの集合によって凸状をなす凸部33Bとで構成される凹凸のペアを矢印B方向に配列して構成された凹凸形状33が形成されている。図2及び図3から明らかなように、本実施の形態では、第1パターン領域12の凹凸形状32の凹部32Aと凸部32Bとが並ぶ方向と、第2パターン領域13の凹凸形状33の凹部33Aと凸部33Bとが並ぶ方向とが、同一となっている。なお、図2及び図3では、詳細は後述するサブ凹凸形状331の凸部331Bの数が一致していないが、これは、説明の便宜上、簡易的にこのように図示したものである。
図示の例では、第1パターン領域12の全域に、凹凸形状32が形成され、第1パターン領域12には、凹部32Aと凸部32Bとで構成される凹凸のペアが複数含まれている。各凹部32A及び各凸部32Bは、第1パターン領域12の矢印A方向における両端に跨がって延びている。一方、第2パターン領域13の全域においても、凹凸形状33が形成されている。第2パターン領域13においても、凹部33Aと凸部33Bとで構成される凹凸のペアが複数含まれている。
なお、本実施の形態では、第2パターン領域13の凹凸形状33が、第1パターン領域12の外周部分の全域を囲むように形成されているが、第2パターン領域13の凹凸形状33は、第1パターン領域12に隣接した状態で第1パターン領域12の外周部分を部分的に囲むように形成されてもよい。例えば、第1パターン領域12のB方向における一方側のみに、第2パターン領域の凹凸形状33が形成されてもよいし、第1パターン領域12のB方向における両側のみに、第2パターン領域の凹凸形状33が形成されてもよいし、他の態様でも構わない。
また、本実施の形態では、第2パターン領域13の凹凸形状33のピッチP2は、第1パターン領域12の凹凸形状32のピッチP1よりも大きくなっている。なお、第1パターン領域12の凹凸形状32のピッチP1は、「W1+W2」で表され、第2パターン領域13の凹凸形状33のピッチP2は、「W3+W4」で表される。
また、本実施の形態では、上述したように、第2パターン領域13の凹凸形状33の凸部33Bは、ラインアンドスペースパターンにて形成されたサブ凹凸形状331から構成されている。このサブ凹凸形状331は、幅W1を有し矢印Aで示される方向にライン形状に延びる凹部331Aと、幅W2を有し矢印Aで示される方向にライン形状に延びる凸部331Bとで構成される凹凸のペアを矢印B方向に配列して構成されている。すなわち、このサブ凹凸形状331のピッチは、第1パターン領域12の凹凸形状32のピッチP1と同一となっている。より詳しくは、第1パターン領域12の凹凸形状32の凸部32Bの凹部32Aからの高さと、サブ凹凸形状331の凸部331Bの凹部331Aからの高さとが、同一である。
本実施の形態では、このような第1パターン領域12の凹凸形状32及びサブ凹凸形状331を含む第2パターン領域13の凹凸形状33が共に、後述する転写基板101の一の面101aに位置付けられた被成形材料103(図4及び図5参照)に接触されるようになっており、被成形材料103にパターンを転写するようになっている。このうち、第1パターン領域12の凹凸形状32が、「メインパターン」として機能し、第2パターン領域13の凹凸形状33が、「ダミーパターン」として機能するようになっている。
本実施の形態でいう「メインパターン」とは、被成形材料103に特定の機能を有するパターンを作製する目的又は転写基板101に特定の機能を有するパターンを作製するための下地部分(レジストパターン層等)を被成形材料103に作製する目的で、被成形材料103にパターンを転写する部分のことを意味する。一方で、「ダミーパターン」とは、上述のような目的を有することなく、被成形材料103にパターンを転写する部分を意味する。
ここで、図2に示すように、本実施の形態では、「メインパターン」に対応する第1パターン領域12を形成する第1パターン部22の高さH1と、「ダミーパターン」に対応する第2パターン領域13を形成する第2パターン部23の高さH2とが、互いに同一となっている。これにより、本実施の形態では、第1パターン領域12の凹凸形状32と第2パターン領域13の凹凸形状33とを被成形材料103に接触させる際に、凹凸形状32(特に凸部32B)と凹凸形状33(特に凸部33B)とを同じタイミングで、被成形材料103に接触させることが可能となっている。
上述のように第1パターン領域12の凹凸形状32と第2パターン領域13の凹凸形状33とを同じタイミングで、被成形材料103に接触させることが可能である場合、凹凸形状32の凸部32Bと凹凸形状33の凸部33Bとが被成形材料103から同様に抵抗を受けて、各凹部32A,33Aの各々に被成形材料103を至らせるまでの時間に差が生じることを抑制することができる。これにより、本実施の形態のインプリント用モールド11は、第1パターン領域12と第2パターン領域13との境界又はその近傍を起点に被成形材料103側に傾く或いはうねることが抑制される。その結果、被成形材料103に欠陥領域が生じることを抑制することができるようになっている。
また、本実施の形態では、第1パターン領域12の凹凸形状32と第2パターン領域13の凹凸形状33とが共にラインアンドスペースパターンにて形成されており、第1パターン領域12の凹凸形状32のデュ−ティー比と、第2パターン領域13の凹凸形状33のデュ−ティー比とが、互いに同一となっている。なお、ラインアンドスペースパターンである場合、第1パターン領域12の凹凸形状32のデュ−ティー比は、「W2/W1+W2」で表され、第2パターン領域13の凹凸形状33のデュ−ティー比は、「W4/W3+W4」で表される。
さらに、サブ凹凸形状331は、第1パターン領域12の凹凸形状32と同様のパターンで形成されているので、そのデューティー比は、第1パターン領域12の凹凸形状32のデュ−ティー比及び第2パターン領域13の凹凸形状33のデュ−ティー比と、同一となっている。
第1パターン領域12の凹凸形状32と第2パターン領域13の凹凸形状33とを被成形材料103に接触させる際には、凸部に接触した被成形材料103が凹部内に流動する。ここで、第1パターン領域12の凹凸形状32のデュ−ティー比と、第2パターン領域13の凹凸形状33のデュ−ティー比と、サブ凹凸形状331の凹凸形状33のデュ−ティー比とが、互いに同一である場合には、第1パターン領域12の凹凸形状32と第2パターン領域13の凹凸形状33とサブ凹凸形状331とのそれぞれの領域で、凸部に接触した被成形材料103の流動を均一にするまたは近似させることができる。これにより、凹凸形状32の凸部32Bが被成形材料103から受ける抵抗と、凹凸形状33の凸部33Bが被成形材料103から受ける抵抗と、サブ凹凸形状331の凸部331Bが被成形材料103から受ける抵抗を、均一化することができる。このため、本実施の形態では、インプリント用モールド11が傾く或いはうねることが効果的に抑制されるようになっている。
また、本実施の形態では、第2パターン領域13の凹凸形状33のピッチP2は、第1パターン領域12の凹凸形状32のピッチP1よりも大きくなっていると説明したが、ピッチP2は、第1パターン領域12の凹凸形状32のピッチP1の10倍〜100倍であることが好ましく、より好ましくは、10倍〜20倍である。ピッチP2は、ピッチP1の10倍未満(ピッチP1よりも小さい場合、ピッチP1と等倍の場合も含む)でもよいが、この場合、凹凸形状33と凹凸形状32との境界が視覚的に認識し難くなる。ピッチP2を、ピッチP1の10倍以上とすれば、凹凸形状33と凹凸形状32との境界が視覚的に認識し易くなるため、取り扱い性が向上する。そのため、ピッチP2は、ピッチP1の10倍以上が好ましい。
一方、ピッチP2は、ピッチP1の100倍よりも大きくてもよいが、この場合、凹凸形状33の凹部33Aの幅が大きくなり過ぎて、変形が生じ易くなる虞がある。そのため、ピッチP2は、ピッチP1の100倍以下が好ましい。また、変形を極力抑制することを重視するのであれば、ピッチP2は、ピッチP1の20倍以下であることがより好ましい。
また、このようなインプリント用モールド11は、ローラーインプリントに使用可能な可撓性を有し、具体的には、その曲げ剛性が、全体として0.35Nm以下であることが好ましい。また、その曲げ剛性は、0.35Nm以下で且つ0.0055Nm以上であることがより好ましい。これは、インプリント用モールド11の曲げ剛性が0.0055Nm未満となると、容易に撓み易くなり過ぎて取り扱い性が良好でなくなるからである。なお、インプリント用モールド11は、ローラーインプリント時にローラーによって湾曲させられるが、少なくとも、このようにローラーによって湾曲させる方向での曲げ剛性が、全体として0.35Nm以下であることが良い。
また、本実施の形態では、ローラーインプリントにおいて後述する被成形材料103に光硬化性樹脂組成物を用いるため、インプリント用モールド11として、光、例えば紫外線等を透過可能な光透過性を有する材料が選択されることが好ましい。なお、上述の光透過性とは、波長200〜400nmにおける光透過率が50%以上、好ましくは70%以上であることを意味する。光透過率の測定は、日本分光(株)製V−650を用いて行うことができる。なお、ローラーインプリントにおいて被成形材料103として熱硬化性樹脂組成物を用いる場合には、光透過性は特に要求されない。インプリント用モールド11は、一例として、光学特性に優れるポリエチレンテレフタレート(PET)からなる透明基材と、透明基材上に設けられパターン領域12,13を形成する樹脂層と、で構成され得る。この場合、透明基材としては、可撓性を有するものであれば、その他の透明樹脂フィルム、薄板ガラス等の透明なフレキシブル材を用いることもできる。また、光透過性を要求されない場合には、有色の樹脂フィルム、有色の薄板ガラス等のフレキシブル材を用いることもできる。
以上に説明したインプリント用モールド11では、第1パターン部22の高さH1と、第2パターン部23の高さH2とが、同一であることで、第1パターン領域12と第2パターン領域13との境界又はその近傍を起点にインプリント用モールド11が被成形材料103側に傾く或いはうねることが抑制され、その結果、被成形材料103に欠陥領域が生じることを抑制することができる。このようなインプリント用モールド11は、接近・離間で行われる通常のインプリントで用いられても、ローラーインプリントで用いられても有益であるが、ローラーインプリントで用いられる場合に特に有益である。
また、このインプリント用モールド11では、第2パターン領域13の凹凸形状33の凸部33Aに形成されたサブ凹凸形状331のピッチが、第1パターン領域12の凹凸形状32のピッチP1と同一であることで、パターン転写後の被成形材料103又は当該被成形材料103を加工して形成される形成物において部分的に物性に差が生じることを抑制することができる。このような利点は、例えば、ワイヤーグリッド偏光子の製造において有益となる。以下では、インプリント用モールド11を使用したローラーインプリントについて、まず説明し、その後、ワイヤーグリッド偏光子の製造方法を説明する。
[インプリント方法]
上述したインプリント用モールド11を使用したインプリント方法、すなわちローラーインプリントについて、以下に、説明する。本実施の形態では、ローラーインプリントにおいて被成形材料として光硬化性樹脂組成物を用いる光ローラーインプリントについて説明する。
本実施の形態のインプリント方法では、概略として、上述のインプリント用モールド11を使用し、このインプリント用モールド11の裏面(第1パターン領域12及び第2パターン領域13が形成されていない面)からローラーで加圧することにより、被成形材料103(図4及び図5参照)にインプリント用モールド11を接触させ、接触後に被成形材料103を硬化させ、その後、硬化した転写層104(図4及び図5参照)とインプリント用モールド11との離型を行う。図4および図5は、本実施の形態のインプリント方法を説明するための工程図である。また、図6は、図5(B)に示される転写基板のVI−VI線に沿う断面図である。以下、各工程について詳述する。
<準備工程>
この実施の形態では、まず、図1乃至図3に示したインプリント用モールド11を準備する。また、図4(A)に示す転写基板101を準備する。この転写基板101では、その一方の面101aに被エッチング層102が設けられ、この被エッチング層102上に、被成形材料103が位置付けられている。
ここで使用する転写基板101は、適宜選択することができ、例えば、石英やソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラス、シリコンやガリウム砒素、窒化ガリウム等の半導体、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂基板、金属基板、あるいは、これらの材料の任意の組み合わせからなる複合材料基板が、用いられ得る。また、例えば、半導体やディスプレイ等に用いられる微細配線や、フォトニック結晶構造、光導波路、ホログラフィのような光学的構造等の所望のパターン構造物が形成されたものであってもよい。また、被エッチング層102は、転写基板101上に形成するパターンの材質として要求される材質からなる薄膜であってよく、例えば、無機物薄膜、有機物薄膜、有機無機複合薄膜等、適宜選択することができる。なお、転写基板101の形状は、図示例では、平板形状であるが、例えば、周囲よりも突出した凸構造平面部位を一方の面101aに有するメサ構造であってもよい。
また、被成形材料103は、所望の樹脂組成物、例えば、光硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物等を用いて、スピンコート法、ディスペンスコート法、ディップコート法、スプレーコート法、インクジェット法等の公知の塗布手段で形成することができる。本実施の形態では、被成形材料103として光硬化性樹脂組成物を用いる光ローラーインプリントを行うため、被成形材料103は、光硬化性樹脂組成物である。この被成形材料103の厚みは、使用するインプリント用モールド11の第1パターン領域12の凹凸形状32及び第2パターン領域の凹凸形状33の各々における、凸部の高さ、凹部の深さ、および、形成するパターン構造体に生じる残膜(凸部間に位置する部位)の厚みの許容範囲等を考慮して設定することができる。なお、残膜の厚みは、好ましくは100nm未満であり、より好ましくは20nm未満である。
<接触工程>
次に、接触工程にて、可撓性のインプリント用モールド11の第1パターン領域12及び第2パターン領域13が形成されていない面からローラー151でインプリント用モールド11を加圧することにより、インプリント用モールド11の第1パターン領域12及び第2パターン領域13を被成形材料103に接触させる(図4(B)、図5(A))。
図4(B)、図5(A)に示すように、ローラー151の加圧によるインプリント用モールド11の第1パターン領域12及び第2パターン領域13と被成形材料103との接触では、転写基板101を図4(B)に示された矢印a方向に搬送するとともに、ローラー151を図4(B)に示された矢印b方向に回転することにより、インプリント用モールド11と被成形材料103とを同じ速度で移動させ、両者間にズレを生じないようにする。そして、この接触工程では、インプリント用モールド11の第1パターン領域12及び第2パターン領域13の各凹凸形状において凹部及び凸部がライン形状に延びる矢印A(図3等参照)で示す方向に沿って、インプリント用モールド11を被成形材料103に接触させる。これにより、インプリント用モールド11の第1パターン領域12及び第2パターン領域13の各凹凸形状の変形を防止することできる。
また、ローラー151による加圧は、インプリント用モールド11の第1パターン領域12及び第2パターン領域13の各凹凸形状を被成形材料103に完全に埋め込むことができる範囲で適宜設定することができる。したがって、例えば、転写基板101を搬送するステージ(図示せず)からローラー151までの間隔を所望の値に固定し、ステージとローラー151との間を転写基板101とインプリント用モールド11が通過することにより、インプリント用モールド11の第1パターン領域12及び第2パターン領域13の凹凸が被成形材料103に完全に埋め込まれる場合には、ローラー151を転写基板101方向に付勢することにより加圧する必要はない。
<硬化工程>
次に、インプリント用モールド11と接触された被成形材料103を、硬化させることにより、インプリント用モールド11の第1パターン領域12及び第2パターン領域13の各凹凸形状に対応するパターンが転写された転写層104とする。図4(B)、図5(A)に示される例では、インプリント用モールド11と接触された直後に、インプリント用モールド11を介して光照射装置161から光を照射し、これにより被成形材料103を硬化させて転写層104としているが、インプリント用モールド11と被成形材料103との接触が完了した後に、被成形材料103を硬化させることにより転写層104としてもよい。また、転写基板101が光透過性である場合、転写基板101の裏面側に光照射装置161を配設し、インプリント用モールド11との接触が完了した被成形材料103に対して、転写基板101を介して光照射装置161から光を照射し、これにより被成形材料103を硬化させてもよい。さらに、インプリント用モールド11を介した光照射装置161からの光照射と、転写基板101を介した光照射装置161からの光照射を併用して、インプリント用モールド11との接触が完了した被成形材料103の硬化を行ってもよい。
<離型工程>
次に、転写層104とインプリント用モールド11とを引き離すことにより、転写層104であるパターン構造体を転写基板101上に位置させた状態とする(図4(C)、図5(B))。このように形成された転写層104は、図6に示されるように、インプリント用モールド11の第1パターン領域12及び第2パターン領域13の各凹凸形状が反転した第1パターン部115と第2パターン部116を有する。第2パターン部116には、サブ凹凸形状331によって転写された第3パターン部117も形成されている。図2も参照しつつ、第1パターン部115における、凹凸形状32の凹部32Aが転写した凸部の幅と、凸部32Bが転写した凹部の幅とを加算したピッチをXとし、第2パターン部116における、凹凸形状33の凹部33Aが転写した凸部の幅と、凸部33Bが転写した凹部の幅とを加算したピッチをYとすると、ピッチYは、ピッチXよりも大きい。また、第2パターン部116に含まれる第3パターン部117は、第1パターン部115と同様のラインアンドスペースパターンが形成され、そのピッチは上記ピッチXと同一である。
転写層104とインプリント用モールド11との引き離しの方向は、上述の接触工程と同様に、インプリント用モールド11の第1パターン領域12及び第2パターン領域13の各凹凸形状の凹部及び凸部のライン方向とすることが好ましい。これにより、転写層104の各パターン部115,116の変形、損傷によるパターン欠陥の発生を防止することできる。
転写層104とインプリント用モールド11との引き離しは、被成形材料103に対するインプリント用モールド11の接触と、被成形材料103の硬化による転写層104の形成が完了した後に行うことができる。また、被成形材料103に対するインプリント用モールド11の接触が完了する前に、既にインプリント用モールド11の接触がなされている被成形材料103を硬化することにより形成した転写層104からインプリント用モールド11を適宜引き離してもよい。また、転写層104とインプリント用モールド11とが引き離された後に、転写層104を完全に硬化するため追加露光を行ってもよい。
そして、その後は、上述のように形成された転写層104であるパターン構造体104の各パターン部115,116から、残膜を除去し、その後、パターン構造体104をマスクとして被エッチング層102をエッチングすることにより、所望のパターンを転写基板101上に形成することができる。また、このように形成したパターンをマスクとして転写基板101をエッチングすることにより、転写基板101に凹凸構造を形成することもできる。
以上に説明した本実施の形態では、インプリント用モールド11において、第1パターン部22の高さH1と、第2パターン部23の高さH2とが、互いに同一であることで、第1パターン領域12と第2パターン領域13との境界又はその近傍を起点にインプリント用モールド11が被成形材料103側に傾く或いはうねることが抑制され、その結果、被成形材料103に欠陥領域が生じることを抑制することができる。このことについて、以下に詳述する。
図7は、第1の実施の形態の作用効果を説明する図である。すなわち、インプリント用モールド11によるインプリントでは、図7(A)に示す状態から、図7(B)に示すように、インプリント用モールド11が被成形材料103に接触され、その後、第1パターン領域12の凹凸形状32及び第2パターン領域13の凹凸形状33が被成形材料103に埋め込まれるように、インプリント用モールド11が被成形材料103に向けて加圧される。この際、図7(B)に示すように、第1パターン領域12の凹凸形状32と第2パターン領域13の凹凸形状33とを同じタイミングで、被成形材料103に接触させることができるため、その後の埋め込み操作において、図7(C)に示すように、凹凸形状32の凸部32Bと凹凸形状33の凸部33Bとが被成形材料103から同様に抵抗を受ける。これにより、図7(D)に示すように、各凹部32A,33A,331Aの各々に被成形材料103を至らせるまでの時間に差が生じることを抑制することができる。このことにより、本実施の形態のインプリント用モールド11は、第1パターン領域12と第2パターン領域13との境界又はその近傍を起点に被成形材料103側に傾く或いはうねることが抑制される。また、本実施の形態では、第2パターン領域13が凹凸形状33となっていることで、凸部33Bに接触した被成形材料103が凹33A部内に流動する勢いが緩和されるので、被成形材料103の流動に起因して、インプリント用モールド11が傾く或いはうねることも抑制される。その結果、図7(E)に示すように、被成形材料103に欠陥領域が生じることを抑制することができる。
一方、図8は、比較例として、第2パターン領域に凹凸形状が設けられていないインプリント用モールド1000でのインプリントの様子を説明する図である。比較例によるインプリント用モールド1000では、当該モールドと被成形材料とを接触させる際に、図8(A)に示すように、モールドにおける凹凸形状の凸部が被成形材料から抵抗を受ける。これにより、凹凸形状では、凹部に被成形材料を至らせるまでの時間がかかる一方で、凹凸形状の外周部分に位置する平坦な面では、何ら抵抗がないので被成形材料に接触するのに時間がかからない。この時間差により、図8(B)に示すように、当該平坦面が、凹凸形状との境界を起点に被成形材料側に傾き得る或いはうねり得る。その結果、被成形材料において、膜厚が局所的に薄くなった欠陥領域が生じ得る。
また、本実施の形態では、第2パターン領域13の凹凸形状33の凸部33Aに形成されたサブ凹凸形状331のピッチが、第1パターン領域12の凹凸形状32のピッチP1と同一であることで、パターン転写後の被成形材料103又は当該被成形材料103を加工して形成される形成物において部分的に物性に差が生じることを抑制することができる。すなわち、図6に示すように、パターン転写後の転写層104においては、第1パターン領域12の凹凸形状32によって形成された第1パターン部115と、第2パターン領域13のサブ凹凸形状331によって形成された第3パターン部117とが互いに同一の形状であり、これらの間に物性の差が生じることを抑制できる。このような利点は、例えば、ワイヤーグリッド偏光子の製造において有益となる。その詳細は、後述する。
また、本実施の形態では、第1パターン領域12の凹凸形状32のデュ−ティー比と、第2パターン領域13の凹凸形状33及びサブ凹凸形状331のデュ−ティー比とが、互いに同一となっていることで、第1パターン領域12の凹凸形状32と第2パターン領域13の凹凸形状33とサブ凹凸形状331とのそれぞれの領域で、凸部に接触した被成形材料103の流動を均一にするまたは近似させることができる。これにより、凹凸形状32の凸部32Bが被成形材料103から受ける抵抗と、凹凸形状33の凸部33Bが被成形材料103から受ける抵抗とを、均一化することができるため、インプリント用モールド11が傾く或いはうねることを効果的に抑制することができる。その結果、被成形材料103に欠陥領域が生じることを、より効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態では、第2パターン領域13の凹凸形状33のピッチP2は、第1パターン領域12の凹凸形状32のピッチP1よりも大きく、ピッチP1の10倍〜20倍となっている。これにより、凹凸形状33と凹凸形状32との境界が視覚的に認識し易くなるため、インプリント用モールド11取り扱い性を向上させることができる。また、ピッチP2を、ピッチP1に対して極端に大きくしないことで、インプリント用モールド11の可撓性に起因した変形を効果的に抑制することができる。
[ワイヤーグリッド偏光子の製造方法]
以下では、第1の実施の形態のインプリント用モールド11によるインプリント方法を具体的に採用した方法の一例として、インプリント用モールド11を使用したワイヤーグリッド偏光子の製造方法を説明する。
図9は、インプリント用モールド11を使用して製造されるワイヤーグリッド偏光子の平面図である。また、図10は、インプリント用モールド11を使用して製造されるワイヤーグリッド偏光子201の製造方法の工程図である。図10(A)〜(D)のうちの図10(D)及び図11には、図9のD−D線に沿う部分断面図が示されている。まず、製造されるワイヤーグリッド偏光子201の構成について説明する。
図9及び図10(D)に示すように、ワイヤーグリッド偏光子201は、透明基板202と、この透明基板202の一の面202aに位置するワイヤーグリッド材料層203と、を備えている。このワイヤーグリッド材料層203には、ワイヤーグリッド領域213と、ワイヤーグリッド領域213に隣接して全周を囲むダミーパターン領域214とが形成されている。図9に示すように、ワイヤーグリッド領域213は、外郭の形状が矩形に形成されており、ダミーパターン領域214は、ワイヤーグリッド領域213を囲う矩形枠状に形成されている。ワイヤーグリッド領域213は、インプリント用モールド11の第1パターン領域12に接触されたエッチングレジスト層204から形成されたレジストパターン層205をマスクとして、ワイヤーグリッド材料層203をエッチングして形成される領域である。一方、ダミーパターン領域214は、インプリント用モールド11の第2パターン領域13に接触されたエッチングレジスト層204から形成されたレジストパターン層205をマスクとして、ワイヤーグリッド材料層203をエッチングして形成される領域である。
図10(D)及び図11に示すように、ワイヤーグリッド領域213には、ライン形状のメイン開口部215Lが所定のスペース(ワイヤーグリッド材料層)を介して複数配列されて構成されたワイヤーグリッド215が位置している。図示例では、図9の矢印Aで示される方向に延設されたライン形状のメイン開口部215Lが、ワイヤーグリッド領域213の全域に形成されている。
一方、ダミーパターン領域214には、前記メイン開口部215Lが配列される方向に、平坦領域216Aとダミーワイヤーグリッド領域216Bとが交互に配列されている。ここで、平坦領域216Aの幅とダミーワイヤーグリッド領域216Bの幅とを加算して規定されるピッチは、ワイヤーグリッド215のピッチよりも大きくなっている。また、ダミーワイヤーグリッド領域216Bには、ライン形状のダミー用開口部216Lがスペースを介して複数配列されて構成されたダミーワイヤーグリッド217が形成され、メイン開口部215Lのライン方向と、ダミー用開口部216Lのライン方向とは互いに同一となっている。また、ワイヤーグリッド215のピッチと、ダミーワイヤーグリッドのピッチ217とが互いに同一となっている。
インプリント用モールド11を使用したワイヤーグリッド偏光子201の製造方法は、概略として、上述した本実施の形態にかかるインプリント方法により、透明基板202に設けたワイヤーグリッド材料層203上にレジストパターン層205(図10(C)参照)を形成し、このレジストパターン層205をエッチングマスクとしてワイヤーグリッド材料層203をエッチングし、これによりワイヤーグリッド215及びダミーワイヤーグリッド217を形成する。以下、各工程について詳述する。
<準備工程>
この製造方法では、まず、図1乃至図3に示したインプリント用モールド11を準備する。また、図10(A)に示す透明基板202を準備する。この透明基板202では、その一方の面202aにワイヤーグリッド材料層203が設けられ、このワイヤーグリッド材料層203上に、エッチングレジスト層204が位置付けられている。
ここで使用する透明基板202は、適宜選択することができ、例えば、石英ガラス、合成石英、フッ化マグネシウム等のリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材等が、用いられ得る。なお、ここで透明とは、波長200〜800nmにおける光線透過率が50%以上、好ましくは70%以上であることを意味する。光線透過率の測定は、日本分光(株)製 V−650を用いて行うことができる。
また、ワイヤーグリッド材料層203の材質としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、白金、珪素化モリブデン、酸化チタン等の金属、金属化合物等の導電性材料、誘電性材料を挙げることができ、これらのいずれかを単独で、あるいは、組み合わせで使用することができる。このようなワイヤーグリッド材料層の厚みは、10〜500nmの範囲で適宜設定することができる。また、ワイヤーグリッド材料層203は、真空成膜法等により所望の厚みに形成することができる。
また、エッチングレジスト層204は、ワイヤーグリッド材料層203のエッチングにおいてエッチング耐性を発現するものであり、従来のエッチングレジスト材料の中から、ワイヤーグリッド材料層203の材質等に応じて適宜選択することができる。また、ワイヤーグリッド材料層203上に金属薄膜を形成し、この金属薄膜をエッチングレジスト層204を介してエッチングすることによりハードマスクを形成し、このハードマスクを介してワイヤーグリッド材料層203をエッチングしてもよい。エッチングレジスト層204の形成は、スピンコート法、ディスペンスコート法、ディップコート法、スプレーコート法、インクジェット法等の公知の塗布手段を用いて行うことができる。このエッチングレジスト層204の厚みは、使用するインプリント用モールド11のパターン領域の凸部の高さ、これらの間の深さ、および、形成するレジストパターンに生じる残膜(凸パターン間に位置する部位)の厚みの許容範囲等を考慮して設定できる。
<接触工程>
次に、接触工程にて、可撓性のインプリント用モールド11の第1パターン領域12及び第2パターン領域13が形成されていない他の面からローラー271でインプリント用モールド11を加圧することにより、インプリント用モールド11の第1パターン領域12及び第2パターン領域13をエッチングレジスト層204に接触させる(図10(B))。
図10(B)に示すように、ローラー271の加圧によるインプリント用モールド11の第1パターン領域12及び第2パターン領域13とエッチングレジスト層204との接触では、透明基板202を矢印a方向に搬送するとともに、ローラー271を矢印b方向に回転することにより、インプリント用モールド11とエッチングレジスト層204とを同じ速度で移動させ、両者間にズレを生じないようにする。そして、この接触工程では、インプリント用モールド11の第1パターン領域12及び第2パターン領域13の各凹凸形状において凹部及び凸部がライン形状に延びる矢印A(図3等参照)で示す方向に沿って、インプリント用モールド11をエッチングレジスト層204に接触させる。
また、ローラー271による加圧は、インプリント用モールド11の第1パターン領域12及び第2パターン領域13の各凹凸形状をエッチングレジスト層204に完全に埋め込むことができる範囲で適宜設定することができる。したがって、例えば、透明基板202を搬送するステージ(図示せず)からローラー271までの間隔を所望の値に固定し、ステージとローラー271との間を透明基板202とインプリント用モールド11が通過することにより、インプリント用モールド11の第1パターン領域12及び第2パターン領域13の凹凸がエッチングレジスト層204に完全に埋め込まれる場合には、ローラー271を透明基板202方向に付勢することにより加圧する必要はない。
<硬化工程>
次に、インプリント用モールド11と接触されたエッチングレジスト層204を硬化させることにより、インプリント用モールド11の第1パターン領域12及び第2パターン領域13の各凹凸形状に対応するパターンが転写されたレジストパターン層205とする。図10(B)に示される例では、インプリント用モールド11と接触された直後に、インプリント用モールド11を介して光照射装置281から光を照射することにより、エッチングレジスト層204を硬化させているが、インプリント用モールド11とエッチングレジスト層204との接触が完了した後に、エッチングレジスト層204を硬化させてもよい。
<離型工程>
次に、レジストパターン層205とインプリント用モールド11とを引き離すことにより、レジストパターン層205をワイヤーグリッド材料層203上に位置させた状態とする(図10(C))。図10(C)は、図10(B)に示す透明基板202の搬送方向(矢印aで示される方向)と直交する方向での縦断面を示している。このレジストパターン層205は、インプリント用モールド11の第1パターン領域の凹凸形状32が反転したパターン部206と、第2パターン領域33の凹凸形状33が反転したパターン部207を有するものである。第1パターン部206は、ライン形状に延びる凸パターン206Lを複数配列した形状となっている。また、第2パターン部207は、第2パターン領域13の凹凸形状33におけるサブ凹凸形状331が接触した位置に、ライン形状に延びる凸パターン207Lを複数配列した形状となっている。なお、図10(C)では、レジストパターン層205における残膜(凸部の間に残存するレジスト層)を省略している。
レジストパターン層205とインプリント用モールド11の引き離しの方向は、上述の接着工程と同様に、インプリント用モールド11の第1パターン領域12及び第2パターン領域13の各凹凸形状の凹部及び凸部のライン方向とする。これにより、形成されたレジストパターン層205は、パターン部206,207の変形、損傷によるパターン欠陥の発生を防止することできる。なお、レジストパターン層205とインプリント用モールド11の引き離しは、エッチングレジスト層204に対するインプリント用モールド11の接触と、エッチングレジスト層204の硬化によるレジストパターン層205の形成が完了した後に行うことができる。また、エッチングレジスト層204に対するインプリント用モールド11の接触が完了する前であっても、接触後のエッチングレジスト層204を硬化することにより形成したレジストパターン層205からインプリント用モールド11を適宜引き離してもよい。
<エッチング工程>
次に、上述のように形成されたレジストパターン層205のパターン部206,207から、残膜(図示せず)を除去し、その後、レジストパターン層205をマスクとしてワイヤーグリッド材料層203をエッチングすることにより、メイン開口部215Lで構成されたワイヤーグリッド215と、ダミー用開口部216Lで構成されたダミーワイヤーグリッド217を形成する(図10(D))。
以上に説明した製造方法では、本実施の形態にかかるインプリント用モールド11が使用されることにより、インプリント用モールド11とエッチングレジスト層204とが接触された際に、インプリント用モールド11が不所望に変形することが防止される。これにより、インプリント用モールド11の第1パターン領域12及び第2パターン領域13に接触されるエッチングレジスト層204に、当該モールドの可撓性に起因した変形により欠陥領域が生じることを防止することができる。このため、エッチング後に製造されるワイヤーグリッド偏光子201においても欠陥が生じることを防止でき、ワイヤーグリッド偏光子201の品質を向上させることができる。
また、本実施の形態にかかるインプリント用モールド11が使用されることにより、ワイヤーグリッド偏光子201では、ダミーワイヤーグリッド領域216Bに、ライン形状のダミー用開口部216Lがスペースを介して複数配列されて構成されたダミーワイヤーグリッド217が形成される。そして、ワイヤーグリッド215におけるメイン開口部215Lのライン方向と、このダミーワイヤーグリッド217におけるダミー用開口部216Lのライン方向とが互いに同一となり、ワイヤーグリッド215のピッチと、ダミーワイヤーグリッド217のピッチとが互いに同一となる。
このようなワイヤーグリッド偏光子201では、ワイヤーグリッド215と、ダミーワイヤーグリッドとの間に物性、特に偏光特性の差が生じることを抑制できるため、ワイヤーグリッド偏光子201において部分的に物性に差が生じることを抑制することができる。これにより、このワイヤーグリッド偏光子201では、図11に示すように、本来、ワイヤーグリッド215を透過すべき光Lが、偶発的にダミーワイヤーグリッド217を透過した場合であっても、ダミーワイヤーグリッド217の偏光特性が、ワイヤーグリッド215の偏光特性と同様であるので不所望な光が出射されることが抑制される。したがって、本実施の形態にかかるインプリント用モールド11を使用してワイヤーグリッド偏光子を製造すれば、ワイヤーグリッドが形成されていない領域に光が入射されたとしても、不所望な状態で光が出射されることを防止することができる有益なワイヤーグリッド偏光子を提供することができる。
11 インプリント用モールド
12 第1パターン領域
13 第2パターン領域
22 第1パターン部
23 第2パターン部
32 凹凸形状
32A 凹部
32B 凸部
33 凹凸形状
33A 凹部
33B 凸部
331 サブ凹凸形状
331A 凹部
331B 凸部
101 転写基板
101a面
102 被エッチング層
103 被成形材料
104 転写層
115 第1パターン部
116 第2パターン部
117 第3パターン部
151 ローラー
161 光照射装置
201 ワイヤーグリッド偏光子
202 透明基板
202a 面
203 ワイヤーグリッド材料層
204 エッチングレジスト層
205 レジストパターン層
206 第1パターン部
206L 凸パターン部
207L 凸パターン部
207 第2パターン部
213 ワイヤーグリッド領域
214 ダミーパターン領域
215 ワイヤーグリッド
215L メイン開口部
216A 平坦領域
216B ダミーワイヤーグリッド領域
216L ダミー用開口部
217 ダミーワイヤーグリッド
271 ローラー
281 光照射装置

Claims (10)

  1. 互いに隣接する第1パターン領域と第2パターン領域とが形成され、全体として可撓性を有するインプリント用モールドであって、
    前記第1パターン領域を形成する第1パターン部と、前記第2パターン領域を形成する第2パターン部と、を備え、
    前記第1パターン領域及び前記第2パターン領域の各々に凹凸形状が形成され、
    前記第2パターン領域の凹凸形状は、ダミーパターンとして機能し、
    前記第1パターン部の高さと、前記第2パターン部の高さとが、互いに同一であり、
    前記第1パターン領域の凹凸形状及び前記第2パターン領域の凹凸形状の各々は、ラインアンドスペースパターンにて形成され、前記第1パターン領域の凹凸形状の凹部と凸部とが並ぶ方向と、前記第2パターン領域の凹凸形状の凹部と凸部とが並ぶ方向とが、互いに同一であり、
    前記第2パターン領域の凹凸形状のピッチは、前記第1パターン領域の凹凸形状のピッチよりも大きくなっており、
    前記第2パターン領域の凹凸形状の凸部は、ラインアンドスペースパターンにて形成されたサブ凹凸形状から構成されており、
    前記サブ凹凸形状のピッチは、前記第1パターン領域の凹凸形状のピッチと同一である、
    ことを特徴とするインプリント用モールド。
  2. 前記第2パターン領域の凹凸形状のピッチは、前記第1パターン領域の凹凸形状のピッチの10倍〜20倍である
    ことを特徴とする請求項1に記載のインプリント用モールド。
  3. 前記第1パターン領域の凹凸形状のデューティー比と、前記第2パターン領域の凹凸形状のデューティー比及び前記サブ凹凸形状のデューティー比と、が、互いに同一である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のインプリント用モールド。
  4. 当該インプリント用モールドの曲げ剛性は、全体として0.35Nm以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインプリント用モールド。
  5. 当該インプリント用モールドは、ローラー転写方式のインプリントに使用されるモールドである
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のインプリント用モールド。
  6. 当該インプリント用モールドは、ワイヤーグリッド偏光子の製造用のモールドである
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のインプリント用モールド。
  7. 互いに隣接する第1パターン領域と第2パターン領域とが形成され、全体として可撓性を有するインプリント用モールドであって、
    前記第1パターン領域を形成する第1パターン部と、前記第2パターン領域を形成する第2パターン部と、を備え、
    前記第1パターン領域及び前記第2パターン領域の各々に凹凸形状が形成され、
    前記第2パターン領域の凹凸形状は、ダミーパターンとして機能し、
    前記第1パターン部の高さと、前記第2パターン部の高さとが、互いに同一であり、
    前記第1パターン領域の凹凸形状及び前記第2パターン領域の凹凸形状の各々は、ラインアンドスペースパターンにて形成され、前記第1パターン領域の凹凸形状の凹部と凸部とが並ぶ方向と、前記第2パターン領域の凹凸形状の凹部と凸部とが並ぶ方向とが、互いに同一であり、
    前記第2パターン領域の凹凸形状のピッチは、前記第1パターン領域の凹凸形状のピッチよりも大きくなっており、
    前記第2パターン領域の凹凸形状の凸部は、ラインアンドスペースパターンにて形成された凹凸形状を有する、
    ことを特徴とするインプリント用モールド。
  8. インプリント方法において、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインプリント用モールドを準備する準備工程と、
    前記インプリント用モールドの前記第1パターン領域および前記第2パターン領域を、前記第1パターン領域および前記第2パターン領域が設けられた面とは反対側の面からローラーで加圧することにより、転写基板の一方の面に位置する被成形材料に接触させる接触工程と、
    前記インプリント用モールドに接触させた前記被成形材料を硬化させることにより前記第1パターン領域および前記第2パターン領域に対応するパターンが転写された転写層とする硬化工程と、
    前記転写層と前記インプリント用モールドとを引き離すことにより、前記転写層であるパターン構造体を前記転写基板上に位置させた状態とする離型工程と、を備える
    ことを特徴とするインプリント方法。
  9. ワイヤーグリッド偏光子の製造方法において、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインプリント用モールドを準備する準備工程と、
    前記インプリント用モールドの前記第1パターン領域および前記第2パターン領域を、前記第1パターン領域および前記第2パターン領域が設けられた面とは反対側の面からローラーで加圧することにより、一の面にワイヤーグリッド材料層を備える透明基板の前記ワイヤーグリッド材料層上に位置するエッチングレジスト層に接触させる接触工程と、
    前記インプリント用モールドに接触させた前記エッチングレジスト層を硬化させることにより前記第1パターン領域および前記第2パターン領域に対応するパターンが転写されたレジストパターン層とする硬化工程と、
    前記レジストパターン層と前記インプリント用モールドとを引き離す離型工程と、
    前記レジストパターン層をエッチングマスクとして前記ワイヤーグリッド材料層をエッチングすることにより、ワイヤーグリッドを形成するエッチング工程と、を備える
    ことを特徴とするワイヤーグリッド偏光子の製造方法。
  10. 透明基板と、前記透明基板の一の面に位置するワイヤーグリッド材料層と、を備え、
    前記ワイヤーグリッド材料層に、ワイヤーグリッド領域と、このワイヤーグリッド領域に隣接するダミーパターン領域とが形成されており、
    前記ワイヤーグリッド領域には、ライン形状のメイン開口部がスペースを介して複数配列されて構成されたワイヤーグリッドが形成され、
    前記ダミーパターン領域には、前記メイン開口部が配列される方向に、平坦領域とダミーワイヤーグリッド領域とが交互に配列され、
    前記平坦領域の幅と前記ダミーワイヤーグリッド領域の幅とを加算して規定されるピッチが、前記ワイヤーグリッドのピッチよりも大きくなっており、
    前記ダミーワイヤーグリッド領域には、ライン形状のダミー用開口部がスペースを介して複数配列されて構成されたダミーワイヤーグリッドが形成され、
    前記メイン開口部のライン方向と、前記ダミー用開口部のライン方向とが互いに同一であり、
    前記ワイヤーグリッドのピッチと、前記ダミーワイヤーグリッドのピッチとが互いに同一である、
    ことを特徴とするワイヤーグリッド偏光子。
JP2014232110A 2014-11-14 2014-11-14 インプリント用モールド、インプリント方法、ワイヤーグリッド偏光子の製造方法及びワイヤーグリッド偏光子 Active JP6478145B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014232110A JP6478145B2 (ja) 2014-11-14 2014-11-14 インプリント用モールド、インプリント方法、ワイヤーグリッド偏光子の製造方法及びワイヤーグリッド偏光子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014232110A JP6478145B2 (ja) 2014-11-14 2014-11-14 インプリント用モールド、インプリント方法、ワイヤーグリッド偏光子の製造方法及びワイヤーグリッド偏光子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016096275A JP2016096275A (ja) 2016-05-26
JP6478145B2 true JP6478145B2 (ja) 2019-03-06

Family

ID=56070099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014232110A Active JP6478145B2 (ja) 2014-11-14 2014-11-14 インプリント用モールド、インプリント方法、ワイヤーグリッド偏光子の製造方法及びワイヤーグリッド偏光子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6478145B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018089891A (ja) * 2016-12-06 2018-06-14 株式会社Monaコーポレーション フレキシブル賦形型フィルムおよびその製造方法、三次元加工用フィルムおよびその製造方法、ならびに三次元加工成形体の製造方法
US10859744B2 (en) 2017-12-25 2020-12-08 Seiko Epson Corporation Method of manufacturing wire grid polarization element
JP6610702B2 (ja) * 2017-12-25 2019-11-27 セイコーエプソン株式会社 ワイヤーグリッド偏光素子の製造方法
JP2020118743A (ja) * 2019-01-21 2020-08-06 セイコーエプソン株式会社 偏光素子の製造方法
KR20220133188A (ko) * 2020-01-29 2022-10-04 니폰 제온 가부시키가이샤 성형 시트 및 성형 시트의 제조 방법, 그리고, 광학 소자의 제조 방법
JP2022056710A (ja) * 2020-09-30 2022-04-11 デクセリアルズ株式会社 光学フィルムおよび光学フィルムの製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20100068830A (ko) * 2008-12-15 2010-06-24 삼성전자주식회사 임프린트 몰드, 임프린트 장치 및 패턴 형성 방법
JP4792096B2 (ja) * 2009-03-19 2011-10-12 株式会社東芝 テンプレートパターンの設計方法、テンプレートの製造方法及び半導体装置の製造方法。
JP2012108352A (ja) * 2010-11-18 2012-06-07 Asahi Kasei Corp 光学素子及びその製造方法
JP5695608B2 (ja) * 2011-11-11 2015-04-08 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 ゾルゲル法を用いた凹凸基板の製造方法、それに用いるゾル溶液、及びそれを用いた有機el素子の製造方法並びにそれから得られた有機el素子
JP2014052593A (ja) * 2012-09-10 2014-03-20 Sumitomo Electric Ind Ltd ナノインプリント用モールド、回折格子の形成方法及び回折格子を有する光素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016096275A (ja) 2016-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6478145B2 (ja) インプリント用モールド、インプリント方法、ワイヤーグリッド偏光子の製造方法及びワイヤーグリッド偏光子
TWI717692B (zh) 無接縫之大面積壓印光刻方法和設備
JP5188192B2 (ja) モールド、モールドの製造方法、インプリント装置及びインプリント方法、インプリント方法を用いた構造体の製造方法
EP2942667B1 (en) Patterning method using imprint mold
JP6060796B2 (ja) インプリントモールド及びダミーパターン設計方法
WO2015012161A1 (ja) 第1モールドの凹凸パターンを転写した第2モールド、第2モールドの製造方法、第2モールドを用いた物品の製造方法、光学パネルの製造方法、および光学素子の製造方法
CN108352301B (zh) 薄膜模具以及压印方法
KR102666843B1 (ko) 나노 임프린트용 스탬프 및 이의 제조 방법
JP6579233B2 (ja) インプリント用モールドおよびインプリント方法
JP6326916B2 (ja) インプリント用モールドおよびインプリント方法
JP6106949B2 (ja) パターン形成方法
JP6076946B2 (ja) ローラーインプリント用モールドとインプリント方法およびワイヤーグリッド偏光子とその製造方法
JP6468478B2 (ja) インプリント用モールド、インプリント方法及びワイヤーグリッド偏光子の製造方法
WO2016060170A1 (ja) 偏光板及びその製造方法、媒体
JP6221795B2 (ja) インプリントモールドとこれを用いたインプリント方法およびインプリントモールドを製造するためのマスターモールド
JP7360064B2 (ja) フィラー充填フィルム、枚葉フィルム、積層フィルム、貼合体、及びフィラー充填フィルムの製造方法
JP6583713B2 (ja) インプリント用マスターモールド及びその製造方法、インプリント用フィルムモールド及びその製造方法、並びにワイヤーグリッド偏光子の製造方法
JP6476780B2 (ja) インプリント用モールド及びインプリント方法
JP6587124B2 (ja) インプリント装置及びインプリント方法
WO2020261856A1 (ja) ワイヤグリッド構造を有する偏光素子およびその製造方法
WO2015151323A1 (ja) インプリント用モールドおよびインプリント方法
JP6264930B2 (ja) インプリント用モールドおよびインプリント方法
JPWO2015166851A1 (ja) 光学素子の製造方法
JP2017034276A (ja) インプリント用モールドとインプリント方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180724

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180725

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6478145

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150