JP6477322B2 - トロリ線把持具及び電力供給設備 - Google Patents
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Description
特許文献1には、T型架台のウエブ先端に添わせたトロリ線を該ウエブの両側から挾みつけて支持する2個が一対のボルト締め方式のイヤー金具に関する構成が示されている。また、このようなイヤー金具では、イヤー金具の先端に位置する爪部にて、トロリ線の周面に形成された溝部を把持するようにしている。
このような構造でトロリ線を把持する理由としては、パンタグラフなどの集電器との摺動によりトロリ線の摺動面が中心付近にまで摩耗したとしても、該集電器がイヤー片と衝突することを防止できるからである。
すなわち、第1の発明では、基台となる支持ブロックと、該支持ブロックに設置されかつ水平方向に延びるトロリ線を側方から押圧して支持する押圧部材と、前記押圧部材を貫通した上で前記支持ブロックに螺合されるとともに、該押圧部材をその頭部で押さえ付けるねじ部材と、から構成され、前記支持ブロック及び前記押圧部材は、先端部が半円筒状に形成されて前記トロリ線の外周面に形成された溝部に線接触される固定イヤー片及び可動イヤー片をそれぞれ有し、前記ねじ部材を前記支持ブロックに螺合することにより、これらイヤー片の先端部で前記トロリ線の溝部を側方から把持させることを特徴とする。
これによって、支持ブロック及び押圧部材のイヤー片がガタつくことなく、安定した状態で、これら支持ブロック及び押圧部材の間にトロリ線を把持させることができる。具体的には、従来のイヤーなどの把持具では、締めシロや形状製造誤差がある場合には把持具の爪部と、トロリ線の溝部表面とは密着しないことがあるが、本発明では、イヤー片の半円筒状の先端部が、該トロリ線の外周面に形成された溝部に線接触されるので、該イヤー片がガタつかず、安定した状態で、該押圧部材にトロリ線を把持させることが可能となる。
その結果、本発明では、トロリ線と相互接触するイヤー片先端の角度及び寸法の製作精度を緩和して、製作に係るコストを削減することが可能となる。
また、本発明では、支持ブロック、押圧部材及びねじ部材といった僅か三部材でトロリ線を把持できる構成であり、最小の部品点数により製作に係るコスト削減が可能となるとともに、押圧部材を介した支持ブロックへのねじ部材の締付けだけでトロリ線を把持できるために、トロリ線設置の作業性も向上させることができる。
また、本発明では、支持ブロック、押圧部材及びねじ部材といった僅か三部材でトロリ線を把持できる構成であり、最小の部品点数により製作に係るコスト削減が可能となるとともに、押圧部材を介した支持ブロックへのねじ部材の締付けだけでトロリ線を把持できるために、トロリ線設置の作業性も向上させることができる。
第1実施形態に係るトロリ線把持具について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は第三軌条方式などの給電用レール、クレーンなどの電力供給設備に適用されるトロリ線把持具100が示されるものであって、符号1で示すものはトロリ線Tを支持するための基台となる支持ブロックである。
また、トロリ線Tは、摺動面Aが上側に向くように配置され、該摺動面Aの上方位置にて接触子が移動して、該トロリ線Tの上方から接触子へ電力供給を行う方式が採用されている。
また、トロリ線Tの他方側には、トロリ線Tの他方側の外周面10に形成された溝部11Bに当接される可動イヤー片3を有する押圧部材4が配置されている。
また、押圧部材4において、貫通孔5を挟んで可動イヤー片3の反対側には、支持ブロック1の段部1Aと係合して該支持ブロック1との接触点となるベース接触部6が設けられている。
該ねじ部材7は、押圧部材4の貫通孔5を経由した上で支持ブロック1に螺合されるとともに、トロリ線Tの中心Оを通過する法線Yに対して傾斜した方向に配置されるものであって、その頭部8で押圧部材4を押さえ付けている。また、このねじ部材7は、トロリ線Tの中心Oを通過する法線Yに先端の螺合部9が向くように配置されている。
そして、上記のようなトロリ線把持具100では、押圧部材4の貫通孔5に挿通したねじ部材7を支持ブロック1に螺合することにより、支持ブロック1の固定イヤー片2と、押圧部材4の可動イヤー片3とで、トロリ線Tの一方側及び他方側に形成された溝部11A、11Bを挟み込むように把持する。
その結果、トロリ線把持具100では、押圧部材4を介在させつつ、ねじ部材7を支持ブロック1に傾斜方向から螺合させる構造となることで、締結手段となる螺合部9を一定長さ確保して締結力を保持し、これによってトロリ線Tへの把持力を確保しつつ上下方向の全体寸法を短くすることが可能となる。
これによって、支持ブロック1の固定イヤー片2及び押圧部材4の可動イヤー片3がガタつくことなく、安定した状態で、支持ブロック1及び押圧部材4にトロリ線Tを把持させることができる。具体的には、従来のイヤーなどの把持具では、締めシロや形状製造誤差がある場合には把持具の爪部と、トロリ線Tの溝部表面とは密着しないことがあるが、本実施形態に示されるトロリ線把持具100では、支持ブロック1の固定イヤー片2及び押圧部材4の可動イヤー片3の半円筒状先端部が、該トロリ線Tの外周面10に形成された溝部11(11A、11B)に線接触されるので、これらイヤー片2、3がガタつかず、安定した状態で、支持ブロック1及び押圧部材4にトロリ線Tを把持させることが可能となる。
その結果、本実施形態に示されるトロリ線把持具100では、トロリ線Tと相互に接触するイヤー片2、3先端の角度及び寸法の製作精度を緩和して、製作に係るコストを削減することが可能となる。
また、上記トロリ線把持具100では、支持ブロック1、押圧部材4及びねじ部材7といった僅か三部材でトロリ線Tを把持できる構成であり、最小の部品点数により製作に係るコスト削減が可能となるとともに、押圧部材4を介した支持ブロック1へのねじ部材7の締付けだけでトロリ線Tを把持できるために、トロリ線設置の作業性も向上させることができる。
なお、上記第1実施形態に示される電力供給設備のトロリ線把持具100では、トロリ線Tの摺動面Aが上側に向くように配置され、該摺動面Aの上方位置にて接触子が移動して、該トロリ線Tの上方から接触子へ電力供給を行う方式が示されているが、これに限定されず、図2で示される方式であっても良い。
すなわち、図2に示される電力供給設備のトロリ線把持具101では、トロリ線Tの摺動面Aが下側に向くように配置され、該摺動面Aの下方位置にて接触子が移動して、該トロリ線Tの下方から接触子へ電力供給を行う方式が示されている。
そして、このような方式を採用することにより、架空電車線方式などの電力供給設備において、トロリ線Tへの把持力を確保しつつ上下方向の全体寸法を短くすることが可能となり、設置スペースに関する制約を最小限に抑えることができる。
第2実施形態に係るトロリ線把持具について、図3及び図4を参照して説明する。
まず、この第2実施形態に係るトロリ線把持具200が第1実施形態と構成を異にする点は、図3に示されるように、トロリ線Tの外周面10に形成された溝部11A、11Bを支持するための支持形態である。
すなわち、この第2実施形態では、支持ブロック20に対して、押圧部材21を水平に貫通したねじ部材22を螺合することにより、トロリ線Tの両側の溝部11A、11Bを締結支持するようにしている。
押圧部材21は、トロリ線Tの他方側に配置されるものであって、トロリ線Tの一方側の外周面10に形成された溝部11Bに当接される可動イヤー片24を有するとともに、その中央部には、ねじ部材22を挿通させる水平方向(イ)に沿う貫通孔25を有している。
ねじ部材22は、押圧部材21の貫通孔25を経由した上で支持ブロック20に螺合される螺合部26を有し、かつトロリ線Tの中心Оを通過する法線Yに対して直交した水平方向(イ)に配置されるものであって、その頭部27にて押圧部材21を押さえ付けている。
そして、上記のようなトロリ線把持具200では、押圧部材21の貫通孔25に挿通したねじ部材22を支持ブロック20に螺合することにより、支持ブロック20の固定イヤー片23と、押圧部材21の可動イヤー片24とで、トロリ線Tの一方側及び他方側に形成された溝部11A、11Bを挟み込むように把持する。
これによって、固定イヤー片23及び可動イヤー片24がガタつくことなく、安定した状態でトロリ線Tを把持することができる。具体的には、従来のイヤーなどの把持具では、締めシロや形状製造誤差がある場合には把持具の爪部と、トロリ線Tの溝部表面とは密着しないことがあるが、本実施形態に示されるトロリ線把持具200では、固定イヤー片23及び可動イヤー片24の半円筒状先端部が、該トロリ線Tの外周面10に形成された溝部11(11A、11B)に線接触されるので、これらイヤー片23、24がガタつかず、安定した状態で、支持ブロック20及び押圧部材21にトロリ線Tを把持させることが可能となる。
その結果、本実施形態に示されるトロリ線把持具200では、トロリ線Tと相互に接触する固定イヤー片23及び可動イヤー片24先端の角度及び寸法の製作精度を緩和して、製作に係るコストを削減することが可能となる。
また、上記トロリ線把持具200では、支持ブロック20、押圧部材21及びねじ部材22といった僅か三部材でトロリ線Tを把持できる構成であり、最小の部品点数により製作に係るコスト削減が可能となるとともに、押圧部材21を介した支持ブロック20へのねじ部材22の締付けだけでトロリ線Tを把持できるために、トロリ線設置の作業性も向上させることができる。
なお、第2実施形態に示される電力供給設備のトロリ線把持具200では、トロリ線Tの摺動面Aが上側に向くように配置され、該摺動面Aの上方位置にて接触子が移動して、該トロリ線Tの上方から接触子へ電力供給を行う方式が示されているが、これに限定されず、図4で示される方式であっても良い。
すなわち、図4に示される電力供給設備のトロリ線把持具201では、トロリ線Tの摺動面Aが下側に向くように配置され、該摺動面Aの下方位置にて接触子が移動して、該トロリ線Tの下方から接触子へ電力供給を行う方式が示されている。
第3実施形態に係るトロリ線把持具100´について、図5を参照して説明する。
この第3実施形態に係るトロリ線把持具100´は第1実施形態と近似する構成を有するものであり、その相違点は、支持ブロック1において、押圧部材4のベース接触部6の外側を引っ掛かり部1Bに接触させるようにした点にある。
引っ掛かり部1Bは支持ブロック1の外側に配置されるものであって、該引っ掛かり部1Bにより、押圧部材4のベース接触部6の水平方向(イ)へのスライドを規制して、該支持ブロック1上の所定位置に押圧部材4を保持する。
また、押圧部材4のベース接触部6は、支持ブロック1上に形成された水平な設置面1S上に設置されており、その外側角部が、該支持ブロック1の引っ掛かり部1Bに接触配置されることにより、水平方向(イ)へのスライドが規制されている。
通常、1本のトロリ線Tには複数の把持具が設けられるため、前記干渉があると、1本のトロリ線Tに付く全ての把持具の取り付け取り外し作業を同時に行わなくてはならず、押圧部材4の取付け及び取外しの作業性が損なわれる。
本実施形態では、引っ掛かり部1Bの傾斜面1Cにおける斜面角度θ3と、押圧部材4の設置角度θ2との関係を「θ3<θ2」となるように、押圧部材4の移動範囲における支持ブロック1の形状を設定することにより、押圧部材4を容易に取付けあるいは取外すことができる。
2 固定イヤー片
3 可動イヤー片
4 押圧部材
5 貫通孔
6 ベース接触部
7 ねじ部材
8 頭部
9 螺合部
10 外周面
11A 溝部
11B 溝部
20 支持ブロック
21 押圧部材
22 ねじ部材
23 固定イヤー片
24 可動イヤー片
25 貫通孔
26 螺合部
27 頭部
100 トロリ線把持具
100´トロリ線把持具
101 トロリ線把持具
200 トロリ線把持具
201 トロリ線把持具
T トロリ線
A 摺動面
Claims (7)
- 基台となる支持ブロックと、
該支持ブロックに設置されかつ水平方向に延びるトロリ線を側方から押圧して支持する押圧部材と、
前記押圧部材を貫通した上で前記支持ブロックに螺合されるとともに、該押圧部材をその頭部で押さえ付けるねじ部材と、から構成され、
前記支持ブロック及び前記押圧部材は、先端部が半円筒状に形成されて前記トロリ線の外周面に形成された溝部に線接触される固定イヤー片及び可動イヤー片をそれぞれ有し、
前記ねじ部材を前記支持ブロックに螺合することにより、これらイヤー片の先端部で前記トロリ線の溝部を側方から把持させて構成され、
前記ねじ部材は、前記トロリ線の中心を通過する法線に対して傾斜した方向に配置され、
前記押圧部材は、前記トロリ線の溝部に接触する前記可動イヤー片の先端部と、前記支持ブロックに接触するベース接触部とを結ぶ直線が傾斜するように設けられることを特徴とするトロリ線把持具。 - 前記トロリ線の溝部は、2つの傾斜した平面が所定の角度で合わさることで形成され、該平面に前記支持ブロック及び前記押圧部材のイヤー片先端部が線接触されることを特徴とする請求項1に記載のトロリ線把持具。
- 前記支持ブロックの固定イヤー片は、前記トロリ線の一方側の外周面に形成された溝部に線接触され、
前記押圧部材は、前記トロリ線の他方側に配置されて、前記可動イヤー片が該トロリ線の他方側の外周面に形成された溝部に線接触され、
前記ねじ部材は、前記支持ブロックに螺合した場合に、前記支持ブロックの固定イヤー片と、前記押圧部材の可動イヤー片とで、前記トロリ線の一方側及び他方側に形成された溝部を挟み込むように把持することを特徴とする請求項1に記載のトロリ線把持具。 - 前記トロリ線の溝部は、該トロリ線の周面でかつ該トロリ線と摺動する摺動面と反対側に位置する偏心箇所に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトロリ線把持具。
- 前記押圧部材は、前記可動イヤー片の先端部と前記支持ブロックに接触するベース接触部とを結ぶ直線が、水平面に対して45°以下の角度で傾斜するように設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトロリ線把持具。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のトロリ線把持具を、前記トロリ線の摺動面が上側に向くように配置し、該摺動面の上方位置にて接触子を移動させることにより、該トロリ線から接触子へ電力供給を行うことを特徴とする電力供給設備。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のトロリ線把持具を、前記トロリ線の摺動面が下側に向くように配置し、該摺動面の下方位置にて接触子を移動させることにより、該トロリ線から接触子へ電力供給を行うことを特徴とする電力供給設備。
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