以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。実施形態としては、空気調和機の室内機のような電気機器に搭載されるファンを回転駆動する3相ブラシレスDCモータを駆動制御するモータ制御装置を例に挙げて説明する。尚、本発明は以下の実施形態に限定されることはなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
モータ制御装置1の制御対象であるモータ30は、3相ブラシレスDCモータである。具体的には、モータ30は、3相(U相、V相、W相)の巻線を有する図示しない円筒形状のステータと、ステータの円筒内部に配設され永久磁石を有して回転する図示しない8極のロータを備えた3相8極のブラシレスDCモータである。
図1に示すように、本実施形態のモータ制御装置1は、本体制御部10とモータ30を駆動するモータ駆動部20で構成される。本体制御部10は、図示しない室内機の電装品箱に格納されている。本体制御部10は、図示しないリモコンから送信される使用者の運転指示信号や室内機に設けられている図示しない各種温度センサから取り込む検出値に応じて、モータ駆動部20を介してのモータ30の駆動制御、室内機に設けられている図示しない各種弁類の開閉制御、図示しない風向板の駆動制御、図示しない室外機への運転能力の要求等、空気調和機による空調運転に関わる様々な制御を行う。
本体制御部10は、CPU11と、記憶部12と、コンバータ部13を有する。記憶部12は、ROMやRAMで構成されており、室内機の制御プログラムや各種温度センサから取り込んだ検出値、後述するパルス数範囲テーブル100等を記憶している。
コンバータ13は、室内機に設けられている電源部40から供給された交流電力を直流電力に変換して後述するモータ駆動部20のインバータ部23に供給する。
CPU11は、取り込んだ各種情報を記憶部12に記憶する。また、CPU11は、記憶部12に記憶している情報を記憶部12から読み出し、読み出した情報を用いて室内機の運転に関わる各種制御を実行する。また、CPU11は、現在の運転状況や室内温度等といった空調運転情報を、室内機の図示しない前面パネルに配置される表示部50に表示する。さらには、CPU11は後述するように、モータ駆動部20のPWM生成部24に速度指令電圧を印加するとともに、モータ駆動部20の回転数パルス信号出力部22が出力する回転数パルス信号を取り込む。
モータ駆動部20は、モータ30の図示しないモータブラケット内部にロータやステータとともに格納されている。モータ駆動部20は、モータ30をインバータ駆動するとともに、モータ30のロータの位置を検出しこれに基づいた回転数パルス信号を生成して本体制御部10に出力する。ここで、回転数パルス信号とは、モータ30の回転数に応じた数のパルスを含むものであり、含まれるパルス数を用いてモータ30の回転数を検出するのに使用される。
モータ駆動部20は、位置検出部21と、回転数パルス信号出力部22と、インバータ部23と、PWM生成部24を有する。位置検出部21は、モータ30のU相、V相、W相の巻線を有するステータに配置される図示しない3個のホール素子で形成されている。これら各ホール素子は、モータ30のロータの位置変化に伴う磁界の変化を電圧の変化に変換することで、ロータの位置変化に応じた周期でパルス信号を発生するものであり、3個のホール素子は互いに所定の電気角ずつ位相ずれしたパルス信号を発するように配置される。
回転数パルス信号出力部22は、位置検出部21から取り込んだ各ホール素子が出力するパルス信号を用いて回転数パルス信号を生成し、生成した回転数パルス信号を本体制御部10のCPU11に出力する。本実施形態では、回転数パルス信号出力部22は、各ホール素子が出力するパルス信号のうちの1つのパルス信号をそのまま使用して回転数パルス信号を生成する。従って、生成された回転数パルス信号のモータ30の1回転当たりのパルス数は、ロータの極数が8極であることから4パルスとなる。
PWM生成部24は、本体制御部10のCPU11から印加される速度指令電圧に基づいてPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、生成したPWM信号をインバータ部23へ出力する。ここで、速度指令電圧とは、モータ30の回転数に対応して定められるものであり、予め本体制御部10の記憶部12に記憶されているものである。
インバータ部23は、上アームに3個のスイッチング素子を、下アームに3個のスイッチング素子をそれぞれ有し、これらがブリッジ接続されて3相ブリッジ回路を構成している。インバータ部23は、入力したPWM信号と本体制御部10のコンバータ部13から供給された直流電圧を用いて3相の矩形波電圧を生成し、この各矩形波電圧を所定の通電タイミングでモータ30に印加する。
次に、以上のように構成されたモータ制御装置1がモータ30を駆動制御する際の動作について説明する。使用者がリモコンを操作して室内機の風量(例えば、強/中/弱)を指示すると、本体制御部10のCPU11は、指示された風量に応じた回転数でモータ30を駆動する。具体的には、CPU11は、モータ30の回転数に応じた速度指令電圧をモータ駆動部20のPWM生成部24に印加する。
速度指令電圧を印加されたPWM生成部24は、印加された速度指令電圧に基づいてPWM信号を生成し、生成したPWM信号をモータ駆動部20のインバータ部23へ出力する。PWM信号を入力したインバータ部23は、入力したPWM信号と本体制御部10のコンバータ部13から供給された直流電圧を用いて3相の矩形波電圧を生成し、この各矩形波電圧を所定の通電タイミングでモータ30に印加する。これにより、モータ30は印加された速度指令電圧に対応する回転数で駆動する。
モータ30が回転しているとき、モータ駆動部20の位置検出部21(を構成する3個のホール素子)では、モータ30のロータの位置に応じた周期でパルス信号を発生する。このパルス信号をモータ駆動部20の回転数パルス信号出力部22が取り込み、取り込んだパルス信号を用いて回転数パルス信号を生成し、本体制御部10のCPU11に出力する。
モータ駆動部20の回転数パルス信号出力部22から回転数パルス信号を取り込んだCPU11は、回転数パルス信号の単位時間当たりのパルス数を検出し、検出したパルス数をロータの極数の半分の値(本実施例の場合、8極/2=4)で割ることで現在のモータ30の回転数を検出する。そして、検出した回転数と指示した回転数の差に応じて速度指令電圧を変更し、変更した速度指令電圧をモータ駆動部20のPWM生成部24に印加する。CPU11は、以上の動作を繰り返すことで、モータ制御装置1はモータ30の回転数が指示した回転数となるように駆動制御する。
次に、本体制御部10が、室内機に搭載されているモータ30が正しいものであるか否かを判断するために実行するモータ正誤判定について説明する。このモータ正誤判定は、空気調和機の工場出荷前や空気調和機の設置時に行われるものである。尚、以下に説明するパルス数範囲テーブル100やモータ正誤判定の手順は、予め本体制御部10の記憶部12に記憶されている。
前述したように、本体制御部10のCPU11は、使用者が指示した運転条件(風量)とするために必要な回転数でモータ30が駆動するように、この回転数に応じた速度指令電圧をモータ駆動部20のPWM生成部24に印加し、モータ駆動部20の回転数パルス信号出力部22から取り込んだ回転数パルス信号を用いてモータ30の現在の回転数を検出し、この回転数が指示した回転数となるように速度指令電圧を調整する。
ところで、室内機に搭載されているモータ30が、本来搭載されるべきモータ(以降、正モータと記載する)とは仕様が異なるモータ(以降、誤モータと記載する)である場合は、速度指令電圧をモータ駆動部20のPWM生成部24に印加したときのモータ30の回転数は、印加した速度指令電圧に対応する回転数とは異なる値となる。このような場合に、CPU11が、モータ駆動部20の回転数パルス信号出力部22から取り込んだ回転数パルス信号を用いてモータ30の現在の正しい回転数を検出できず、この回転数が指示した回転数となるように速度指令電圧を調整しようとしても、調整ができない場合がある。
そこで、本発明のモータ制御装置1では、以下に説明するパルス数範囲テーブル100を用いて、室内機に搭載されているモータ30が正モータであるかあるいは誤モータであるかを判定するモータ正誤判定が実行できるようになっている。空気調和機の工場出荷前や空気調和機の設置時にこのモータ正誤判定を行い、搭載されているモータ30が誤モータであることが判明すれば、工場出荷前にモータ30を正モータに交換できる、あるいは、使用者が空気調和機を使用し始める前に誤モータが搭載された室内機を正モータが搭載された室内機に交換することができる。
次に、図2を用いて、パルス数範囲テーブル100について説明する。尚、これ以降の説明では、速度指令電圧をVs(単位:V)、モータ30の回転数をRm(単位:rpm)、回転数パルス信号における単位時間(本実施形態では、1分)当たりのパルス数をP(単位:パルス/分)、パルス数範囲をPr(単位:パルス/分)として説明する。
図2に示すパルス数範囲テーブル100は、本体制御部10の記憶部12に予め記憶されているものであり、試験等を行って各速度指令電圧Vsおよびこれに対応する各モータ回転数Rmおよび各パルス数範囲Prをそれぞれ求めて作成されたものである。
パルス数範囲テーブル100には、モータ正誤判定を実行する際に使用する正誤判定速度指令電圧Vseと、これに対応するモータ回転数Rmおよび正誤判定パルス数範囲Preが定められている。具体的には、モータ正誤判定を実行する際にモータ駆動部20のPWM生成部24に印加される正誤判定速度指令電圧Vseが5.5V、正誤判定速度指令電圧VseをPWM生成部24に印加したときのモータ30の回転数Rmが1700rpm、モータ30が1700rpmで回転しているときにモータ駆動部20の回転数パルス信号出力部22から出力される回転数パルス信号の単位時間当たりのパルス数が取り得る正誤判定パルス数範囲Preが6600パルス以上7000パルス以下、とされている。
また、パルス数範囲テーブル100には、上述したモータ正誤判定を実行する際に使用する正誤判定速度指令電圧Vseと、これに対応するモータ回転数Rmおよび正誤判定パルス数範囲Preに加えて、室内機に搭載されているモータ30が不良品であるか否かを判定するモータ不良判定を実行する際に使用する不良判定速度指令電圧Vsdとこれに対応するモータ回転数Rmおよび不良判定パルス数範囲Prdが定められている。尚、これら不良判定速度指令電圧Vsd、不良判定速度指令電圧Vsdに対応するモータ回転数Rm、および不良判定速度指令電圧Vsdも、予め試験等を行って求められたものである。
具体的には、モータ不良判定を実行する際に最初にモータ駆動部20のPWM生成部24に印加される第1不良判定速度指令電圧Vsd1が4.0V、第1不良判定速度指令電圧Vsd1をPWM生成部24に印加したときのモータ30の回転数Rmが800rpm、モータ30が800rpmで回転しているときにモータ駆動部20の回転数パルス信号出力部22から出力される回転数パルス信号の単位時間当たりのパルス数が取り得る第1不良判定パルス数範囲Prd1が2800パルス以上3600パルス以下とされている。
また、モータ不良判定を実行する際に第1不良判定速度指令電圧Vsd1に続いて印加される第2不良判定速度指令電圧Vsd2が5.0V、第2不良判定速度指令電圧Vsd2をPWM生成部24に印加したときのモータ30の回転数Rmが1400rpm、モータ30が1400rpmで回転しているときにモータ駆動部20の回転数パルス信号出力部22から出力される回転数パルス信号の単位時間当たりのパルス数が取り得る第2不良判定パルス数範囲Prd2が5400パルス以上5800パルス以下とされている。
パルス数範囲テーブル100の各速度指令電圧の設定理由は次の通りである。まず、第1不良判定速度指令電圧Vsd1は、空気調和機の通年エネルギー消費効率(APF)が大きくなるように設定されたモータ30の回転数Rm(本実施形態では、800rpm)に対応するものである。
空気調和機における室内機から吹き出す風量は、真夏の冷房開始時や真冬の暖房開始時のように設定温度と室内温度の差が大きいときは風量を強とすることが多く、これ以外、例えば、夏と冬の中間期や冷房運転もしくは暖房運転を開始してある程度時間が経過した後のように、室内温度と設定温度の差が小さいときは、風量を低下させる(風量を強から中あるいは弱に変更する)ことが多いと考えられる。
ところで、空気調和機の年間を通しての運転状態としては、一般的に上記の風量を強として運転している時間に対して風量を中あるいは弱として運転している時間の方が大幅に長いと考えられる。従って、前述した通年エネルギー消費効率を大きくするためには、風量を中あるいは弱として運転しているときに、室内機で要求される空調能力を満たしつつできる限りモータ30での消費電力を小さくできるような回転数Rmで、モータ30を駆動することが望ましい。パルス数範囲テーブル100の第1不良判定速度指令電圧Vsd1は、以上のような要件を満たすモータ回転数Rmを試験等を行って求め、求めたモータ回転数Rmに対応する速度指令電圧として定めたものである。
次に、第2不良判定速度指令電圧Vsd2は、モータ30が搭載される室内機の運転範囲における上限回転数に対応する速度指令電圧として定めたものである。ここでの運転範囲とは、室内機で設定できる風量の段階(例えば、強/中/弱)を指し、風量を最大、例えば、上述した段階における「強」とするときのモータ30の回転数(本実施形態では、1400rpm)が運転範囲における上限回転数となる。
以上説明した第1不良判定速度指令電圧Vsd1および第2不良判定速度指令電圧Vsd2は、各々が室内機の風量制御を行う上で重要な値である。すなわち、第1不良判定速度指令電圧Vsd1は前述したように通年エネルギー消費効率を大きくするために定められたものであり、第2不良判定速度指令電圧Vsd2は室内機で最大風量が要求されるときに必要となるモータ30の回転数Rmに対応するものである。これら第1不良判定速度指令電圧Vsd1および第2不良判定速度指令電圧Vsd2をモータ駆動部20のPWM生成部24に印加し、回転数パルス信号出力部22から出力される回転数パルス信号を用いてモータ30の回転数Rmが第1不良判定速度指令電圧Vsd1および第2不良判定速度指令電圧Vsd2に対応する回転数となっているか否かを判断する。これにより、モータ30の不良判定を行うとともに、第1不良判定速度指令電圧Vsd1および第2不良判定速度指令電圧Vsd2をPWM生成部24に印加したときに、これら各不良判定速度指令電圧Vsdに対応するものでありかつモータ30の制御上重要である回転数でモータ30が回転しているか否かも同時に判断できる。
そして、正誤判定速度指令電圧Vseは、上述した運転範囲における上限回転数に対応する第2不良判定速度指令電圧Vsd2よりも高い値である。本実施形態の正誤判定速度指令電圧Vseは、PWM信号のデューティ比がモータ駆動部20で許容できる最大値(例えば、95%)であるときのモータ30の回転数である1700rpm、つまり、モータ駆動部20で許容できるモータ30の性能上の最高回転数に応じた値とされている。
一般的に、モータ30の図示しない回転軸にファンの重さや室内機の図示しない通風路の流路抵抗等といった負荷が加わっている場合には、回転数Rmが高い程モータ30の回転が安定する、つまり、モータ30の回転数のばらつきが小さくなるので、高い回転数であるときに回転数パルス信号出力部22で生成される回転数パルス信号の単位時間当たりのパルス数Pのばらつきも小さくなる。従って、モータ正誤判定を実行するときは、できる限り高い回転数でモータ30を駆動すること、つまり、できる限り大きい速度指令電圧Vsをモータ駆動部20のPWM生成部24に印加し、このときにモータ駆動部20の回転数パルス信号出力部22から出力される回転数パルス信号の単位時間当たりのパルス数Pを検出し、検出したパルス数Pが印加した大きい速度指令電圧Vsに対応する狭いパルス数範囲Pr内であるか否かを判断するようにして、判定確度を上げることが望ましい。
特に、モータ30の図示しない回転軸に上述したような負荷が加わっている場合であって前述した正モータの仕様と誤モータの仕様が近い場合、例えば、ロータの極数やホール素子の個数は正モータ/誤モータともに同じであるが、誤モータのロータの磁石の強さが正モータのロータより少し強いあるいは弱いものである場合や、誤モータのステータ巻き線の巻回数が正モータのステータ巻き線の巻回数より少し多いあるいは少ないものである場合に、印加する速度指令電圧Vsに対応するパルス数範囲Prが広いと、回転数パルス信号出力部22で生成される回転数パルス信号のパルス数Pが、両者とも速度指令電圧Vsに対応するパルス数範囲Pr内の数値となる恐れがある。この場合、モータ制御装置1は、モータ30として誤モータが室内機に搭載されていても正モータが室内機に搭載されていると誤判断する恐れがある。
これに対し、本発明では、モータ正誤判定を行う際には、第2不良判定速度指令電圧Vsd2よりも高い値である正誤判定速度指令電圧Vseをモータ駆動部20のPWM生成部24に印加し、このときに回転数パルス信号出力部22から出力される回転数パルス信号の単位時間当たりのパルス数Pを検出し、検出したパルス数Pが狭い正誤判定パルス数範囲Pre内の値であるか否かを判断することで、現在搭載されているモータ30が正モータであるかあるいは誤モータであるかを判定する。このように、速度指令電圧Vsを印加して得られるパルス数Pのばらつきが小さくなる(パルス数範囲Prが狭くなる)正誤判定速度指令電圧Vseを印加して得られるパルス数Pでモータ30の正誤を判定するので、モータ30の正誤判定の確度が向上する。
次に、図3に示すフローチャートを用いて、本実施形態におけるCPU11がモータ30の正誤判定を実行し、これに続いてモータの不良判定を実行するときの処理の流れについて説明する。図3において、STはステップを表しこれに続く番号はステップ番号を表している。尚、図3ではモータ30の正誤判定および不良判定に関わる処理を中心に説明しており、モータ30の通常の回転制御等といった、その他の一般的な処理については説明を省略している。
モータ正誤判定および不良判定の実行指示を受けた本体制御部10のCPU11は、まずはモータ正誤判定を実行する。CPU11は、記憶部12に記憶されているパルス数範囲テーブル100を参照して抽出した正誤判定速度指令電圧Vseをモータ駆動部20のPWM生成部24に印加する(ST1)。次に、CPU11は、モータ駆動部20の回転数パルス信号出力部22から取り込んだ回転数パルス信号から単位時間当たりのパルス数Pを検出する(ST2)。
次に、CPU11は、ST2で検出したパルス数Pが正誤判定パルス数範囲Pre内の値であるか否かを判断する(ST3)。具体的には、CPU11は、パルス数範囲テーブル100を参照し、検出したパルス数Pが印加した正誤判定速度指令電圧Vseに対応する正誤判定パルス数範囲Preである6600パルス以上7000パルス以下であるか否かを判断する。検出したパルス数Pが正誤判定パルス数範囲Pre内の値でなければ(ST3−No)、CPU11は、現在搭載されているモータ30が誤モータであると判定し(ST13)、ST12に処理を進める。
検出したパルス数Pが正誤判定パルス数範囲Pre内の値であれば(ST3−Yes)、CPU11は、現在搭載されているモータ30が正モータであると判定し、続いてモータ30の不良判定を実行する。CPU11は、パルス数範囲テーブル100を参照して抽出した第1不良判定速度指令電圧Vsd1をモータ駆動部20のPWM生成部24に印加する(ST4)。次に、CPU11は、モータ駆動部20の回転数パルス信号出力部22から取り込んだ回転数パルス信号から単位時間当たりのパルス数Pを検出する(ST5)。
次に、CPU11は、ST5で検出したパルス数Pが第1不良判定パルス数範囲Prd1内の値であるか否かを判断する(ST6)。具体的には、CPU11は、パルス数範囲テーブル100を参照し、検出したパルス数Pが印加した第1不良判定速度指令電圧Vsd1に対応する第1不良判定パルス数範囲Prd1である2800パルス以上3600パルス以下であるか否かを判断する。検出したパルス数Pが第1不良判定パルス数範囲Prd1内の値でなければ(ST6−No)、CPU11は、現在搭載されているモータ30が不良品であると判定し(ST11)、ST12に処理を進める。
検出したパルス数Pが第1不良判定パルス数範囲Prd1内であれば(ST6−Yes)、CPU11は、パルス数範囲テーブル100を参照して抽出した第2不良判定速度指令電圧Vsd2をモータ駆動部20のPWM生成部24に印加する(ST7)。次に、CPU11は、モータ駆動部20の回転数パルス信号出力部22から取り込んだ回転数パルス信号から単位時間当たりのパルス数Pを検出する(ST8)。
次に、CPU11は、ST8で検出したパルス数Pが第2不良判定パルス数範囲Prd2内の値であるか否かを判断する(ST9)。具体的には、CPU11は、パルス数範囲テーブル100を参照し、検出したパルス数Pが印加した第2不良判定速度指令電圧Vsd2に対応する第2不良判定パルス数範囲Prd2である5400パルス以上5800パルス以下であるか否かを判断する。検出したパルス数Pが第2不良判定パルス数範囲Prd2内の値でなければ(ST9−No)、CPU11は、現在搭載されているモータ30が不良品あると判定し(ST11)、ST12に処理を進める。
検出したパルス数Pが第2不良判定パルス数範囲Prd2内の値であれば(ST9−Yes)、CPU11は、現在搭載されているモータ30が不良品ではないと判定し、ST3までの処理によるモータ正誤判定結果も加えて、現在搭載されているモータ30が正モータでありかつ不良品でないためOKと判定する(ST10)。そして、CPU11は、ST10あるいはST11あるいはST13の判定結果を室内機の表示部50に表示する(ST12)。ここで、CPU11は、ST10に示す判定の後では表示部50に「搭載されているモータは問題ありません」という旨の表示を行い、ST11およびST13に示す判定の後では表示部50に「搭載されているモータに問題があります」という旨の表示を行う。
ST12の処理を終えたCPU11は、モータ正誤判定および不良判定を終了する。
尚、本実施形態では、上述したように本体制御部10とモータ駆動部20が個別に形成・配置されている場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば本体制御部10とモータ駆動部20が一体で形成されて室内機の電装品箱に格納されていてもよい。
また、本実施形態では、回転数パルス信号出力部22は、位置検出部21を構成する各ホール素子が出力するパルス信号のうち1つのパルス信号をそのまま使用して回転数パルス信号を生成する場合について説明したが、これに限るものではなく、各ホール素子が出力するパルス信号を合成して回転数パルス信号を生成してもよく、パルス数範囲テーブル100もこれに対応して予め試験等を行って作成してもよい。