JP6476603B2 - 光学センサ、光学検査装置、および内部特性推定方法 - Google Patents

光学センサ、光学検査装置、および内部特性推定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6476603B2
JP6476603B2 JP2014123056A JP2014123056A JP6476603B2 JP 6476603 B2 JP6476603 B2 JP 6476603B2 JP 2014123056 A JP2014123056 A JP 2014123056A JP 2014123056 A JP2014123056 A JP 2014123056A JP 6476603 B2 JP6476603 B2 JP 6476603B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
subject
optical sensor
sensor according
light sources
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014123056A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016002164A (ja
Inventor
陽一郎 ▲高▼橋
陽一郎 ▲高▼橋
石井 稔浩
稔浩 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2014123056A priority Critical patent/JP6476603B2/ja
Publication of JP2016002164A publication Critical patent/JP2016002164A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6476603B2 publication Critical patent/JP6476603B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Description

本発明は、光学センサ、光学検査装置、および内部特性推定方法に係り、更に詳しくは、被検体内の情報を計測する光学センサ、該光学センサを備える光学検査装置、および前記被検体の内部特性を推定する内部特性推定方法に関する。
従来、生体(被検体)に光を照射し、該被検体内を伝播した光を検出することで該被検体内の情報を計測する生体光計測装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に開示されている生体光計測装置では、手間をかけずに被検体内の情報をより多く得ることが望まれていた。
本発明は、被検体内の情報を計測する光学センサであって、前記被検体に光を照射する少なくとも1つの光照射器と、前記被検体内を伝播し該被検体から出射した光を検出する少なくとも1つの光検出器と、を備え、前記光照射器は、複数の光源を含み、前記複数の光源からの複数の光は、前記被検体の異なる複数位置に個別に入射され、前記複数の光源は、直径が2mm以下の同一の仮想円形領域内に1次元又は2次元に配置され、前記複数の光源それぞれの前記仮想円形領域内における占有面積は、直径が0.5mmの円の面積以上である光学センサである。
本発明によれば、手間をかけずに被検体内の情報をより多く得ることができる。
本発明の一実施形態に係る光学検査装置の概略構成を説明するための図である。 光学センサにおける複数の光源モジュールと複数の検出モジュールの配置を説明するための図である。 光源モジュールの概略構成を説明するための図である。 LEDアレイの一例を説明するための図である。 光源モジュールの構成の一例を示す図である。 光源モジュールの構成の他の例を示す図である。 光源モジュールの大きさ(設置面積)について説明するための図である。 突起状の接触部材について説明するための図である。 検出モジュールの概略構成を説明するための図である。 光源モジュールと検出モジュールの動作を説明するための図である。 大脳皮質内の血流濃度を推定する方法を説明するためのフローチャートである。 変分ベイズ法のアルゴリズムに関するフローチャートである。 制御部の構成を示すブロック図である。
以下に、本発明の一実施形態を図1〜図13に基づいて説明する。図1には、本実施形態に係る光学検査装置100の概略構成が示されている。
光学検査装置100は、一例として、拡散光トモグラフィー(DOT)に用いられる。DOTは、例えば生体などの被検体(散乱体)に光を照射し、被検体内を伝播した光を検出して、被検体の内部特性を推定する技術である。特に、脳内の血流を検出することで、うつ症状の鑑別診断補助やリハビリテーションの補助機器として利用されている。
光学検査装置100は、図1に示されるように、光学センサ10、制御部、表示部、計算部などを備えている。
光学センサ10は、被検体中の吸光体を検出するセンサとして汎用的に利用できるが、最も利用価値が高い被検体は生体である。
光学センサ10は、一例として、図2に示されるように、複数(例えば8つ)の光源モジュールLMを含む照射系と、複数(例えば8つ)の検出モジュールDMを含む検出系と、を備えている。複数の光源モジュールLMおよび複数の検出モジュールDMは、それぞれ制御部に対して電気配線を介して接続されている。本明細書中、光源モジュールおよび検出モジュールを、区別しない場合は、プローブとも呼ぶ。また、本実施形態では、適宜、生体、被検体の文言を用いるが、生体が被検体の具体例であることに変わりはない。プローブは、被検体内の情報を計測する際、該被検体に装着される。
制御部は、各光源モジュールLMにおける光源の発光タイミングや各検出モジュールDMでの検出タイミングを制御して、得られた検出結果を記録部(A−3、図13参照)に転送する。また、制御部は、記録部(A−3)に記録されているデータを読み取り、その数値を利用した計算を行い、その計算結果を表示部に表示させる制御を行う。
制御部は、図13のブロック図に示されるように構成されている。制御部では、中央処理装置A−1からの情報によって、スイッチ部が制御され、発光する光源モジュールLMが選択される。このとき、スイッチ部を介して光源モジュールLMに供給される電流が電流制御部で所望の値に制御される。検出モジュールDMでの検出結果(データ)は、A/D変換され、演算部(A−2)で平均化処理などの演算が行われる。演算部(A−2)での演算結果は、順次記録部(A−3)に記録される。
図2に示されるように、8つの光源モジュールLMおよび8つの検出モジュールDMは、一例として、生体(不図示)上に、互いに直交するX方向およびY方向のいずれに関しても光源モジュールLMと検出モジュールDMとが隣り合うようにX方向およびY方向に等ピッチa(例えば30mm)でマトリクス状に配置される。すなわち、光源モジュールLMと検出モジュールDMは、正方格子状に交互に配置される。図2では、LMは四角印で示され、DMは丸印で示されている。ここでは、生体側を+Z側とする。なお、光源モジュールLMと検出モジュールDMの配置は、上記マトリクス状の配置に限らず、適宜変更可能である。
光源モジュールLMは、図3に示されるように、一例として、複数のLEDを含むLEDアレイ、複数のLEDからの光の光路上に個別に配置された複数のレンズ(図5、図6参照)、LEDアレイが実装されたセラミックパッケージ(図4参照)、フレキ基板上に設けられた複数の配線(図4参照)を介してLEDアレイに接続されたアナログ電子回路、該アナログ電子回路に一端が接続され他端が制御部に接続された配線、コネクタ部(不図示)、これらが収容された筐体、該筐体に設けられ、被検体と接触する透明樹脂からなる窓部材(光透過窓部材)などを含む。
各LEDからの光は、対応するレンズで平行光とされ、窓部材を介して、筐体外に出射される(図5、図6参照)。窓部材は、光源モジュールLMの被検体への装着性を良くするために出射端に配置されている。
光源に長寿命の安定したLEDを用いることで、計測のバラツキを減らし、計測精度を向上させることができる。LEDアレイの各LEDの点灯タイミングを制御させることで、該LEDからの光を被験体に順次照射することができる。また、窓部材の材料に透明樹脂を用いることで、被検体への装着が容易になる。
光源モジュールLMを被検体に装着するときには、窓部材と被検体表面との間に透明なジェルを介在させ、空気が入らないようにする。ジェルとしては、例えば、生体と整合性の良い粘性の高いグリセリン水溶液が挙げられる。ジェルは、屈折率が被検体表面に近くなるように調合されることが好ましい。
従来の光源モジュールでは、空気中に一旦放射された光が被検体表面から被検体内に伝播していく。このとき、空気中の屈折率1.0と被検体の屈折率(例えば頭皮の屈折率1.60)との間で、屈折率差が生じてしまう。屈折率差が生じることで、反射および散乱が起きてしまう。そこで、本実施形態のようにジェルを使用することで屈折率差による反射、散乱を抑制することができる。
図5及び図6には、光源モジュールLMの構成の一例が示されている。各レンズとしては、LEDからの光を精度良く平行光にするために、非球面レンズが用いられている。
光源モジュールLMを組み立てる際、各レンズは、筐体底面に実装された対応するLEDに対して筐体内で位置決めされた後、筐体に窓部材が取り付けられることで封止されるため、計測中の該レンズの位置ずれが防止される。
図5に示される例では、各LEDから出射されレンズを介した光は、屈折率が一様に分布する窓部材に垂直に(入射角0で)入射される。この場合、窓部材に入射した光は、窓部材内をそのまま直進し、出射される。すなわち、この場合、互いに平行な複数の光を被検体の異なる複数位置に個別に入射させることができる。
一方、図6に示される例では、窓部材の屈折率は、非一様に分布している。例えば、窓部材は、互いに異なる屈折率n1、n2(n1<n2)の部分を有している。窓部材の屈折率分布が図6に示されるようにLEDからの光に対して傾斜した分布を持っている場合、この屈折率分布の複数(例えば2つ)の境界面に複数(例えば2つ)のLEDからの複数(例えば2つ)の光を個別に入射させると、入射した光は境界面で反射され、窓部材から被検体に向けて傾斜した状態で出射する。この結果、複数(例えば2つ)の出射光を異なる強度分布で被検体の異なる複数(例えば2つ)の位置に個別に入射させることができ、被検体内の情報をより多く得ることができる。
各LEDの発光波長としては、生体組織を透過しやすい近赤外域(700nm〜900nm)を用いることが好ましい。複数の発光波長で計測することでも、被検体内の情報をより多く得ることができる。
そこで、本実施形態では、各LEDの発光波長として、一例として2種類の発光波長(780nm、900nm)を用いる。なお、LEDアレイにおけるLEDの個数に応じて、発光波長の種類を1種類又は3種類以上にしても良い。
ここで、光源モジュールLMの被検体に対する設置面の最大寸法は、頭部への装着性を考えて毛根間隔(約2mm)以下であることが望ましい。すなわち、光源モジュールLMの被検体に対する設置面は、直径2mmの仮想円形領域内に収まることが好ましい。この場合、図7に示されるように、光源モジュールLMと頭皮との間に毛髪を介在させることなく頭皮に直接的に光を入射させることができる。なお、図7では、レンズ、窓部材の図示が省略されている。
そこで、LEDアレイは、光源モジュールLMの一部なので、最大寸法が上記毛根間隔以下となるように、すなわち直径2mmの仮想円形領域内に収まるようにレイアウト(構成)されることが好ましい。すなわち、LEDアレイにおける複数のLEDが上記仮想円形領域内に1次元又は2次元に配置されることが好ましい。そして、各LED(光源)のサイズは、推定を行うのに必要な演算装置の性能や検出モジュールDMの検出精度により検出可能なサイズは異なるため、条件に応じて決める必要がある。
ただし、出力一定で光源を小さくして行くとエネルギー密度が高くなり、生体に照射すると害を及ぼす可能性があるため、光源サイズを決める際は光源の安全基準を考慮する必要がある。
そこで、本実施形態では、図4に示されるように、LEDアレイを全LEDが直径2mmの同一の仮想円形領域内に収まるように構成し、かつ各LEDのサイズを直径0.5mmの円の面積(0.25mm)以上に設定している。このように、各LEDは、微小光源である。
また、光源モジュールLMは、図8に示されるように、複数のLEDに対応し、対応するLEDからの光の光路上に位置するように筐体に突設され、該光を被検体に接触する先端部から出射する突起状の複数の接触部材を有していても良い。この場合、筐体における各接触部材が設けられる箇所に、該接触部材にLEDからの光を入射させるための開口が形成されることが好ましい。また、各接触部材の内部に、基端と先端との間で延びる光通過路が形成されることが好ましい。なお、図8では、レンズの図示が省略されている。
平面度の高い透明樹脂製の窓部材では、該窓部材と頭皮との間に毛髪が入ってしまった場合に、窓部材と頭皮との間に空気層が介在してしまう。空気層は屈折率が1であり、窓部材(樹脂)の屈折率を1.5、頭皮の屈折率を1.3とすると、この界面での反射が大きく無視できなくなる。
そこで、窓部材に代えて突起状の接触部材を用いることで、光を出射する接触部材の先端部のみを選択的に頭皮に接触させることが可能となる。
また、接触部材の先端部を先細りの形状(例えば円錐、角錐等)とすることで、より皮膚との接触が選択的になされる。先端部は曲率半径Rが小さいと、皮膚を傷つけ、痛みを感じることになる。痛みを感じ無いようにするには、曲率半径Rを0.25mm以上に設定することが好ましい。
逆に、曲率半径Rが大きすぎると、接触部材の先端部で毛髪を頭皮に押し付けることになってしまい、装着性が悪くなるため、曲率半径Rは1mm以下であることが望ましい。曲率半径Rが1mmを超えてしまうと、人の毛根間隔が2mm程度であるため、毛髪の上に重なってしまう可能性が高くなるからである。
そして、接触部材は、弾性体(弾性変形可能なもの)からなることが望まれる。例えば、この弾性体は、例えばシリコーンのように弾性率が1E5Pa以下になるような材料であれば、痛みを感じることがない。なぜなら、人間の皮膚の弾性率が約1E4Pa程度であり、それよりも小さいものであれば、皮膚の変形を生じる前に接触部材が変形を起こすからである。
フレキ基板には、スイッチング用の半導体や電流安定化用の半導体が配置されている。スイッチング用の半導体により、LEDのON/OFF(点灯/消灯)が制御される。スイッチング用半導体は、外部のシリアル信号によって、選択されたLEDを発光させる。このシリアル信号用の信号線の一端、電源供給線の一端は、アナログ電子回路に接続され、該信号線の他端、電源供給線の他端は、制御部に接続されている。
以上の説明から分かるように、被検体に装着された光源モジュールLMは、該被検体の異なる複数位置に複数の光を個別に照射可能である。
検出モジュールDMは、図9に示されるように、受光部およびアナログ電子回路が実装されたフレキ基板(不図示)、該フレキ基板に接続された配線、コネクタ部(不図示)、筐体を含んで構成されている。
被検体に装着された検出モジュールDMは、図10に示されるように、光源モジュールLMから被検体に照射され該被検体を伝播した光を被検体の同一位置から受光部に入射させる。
以下に、検出モジュールDMについて詳しく説明する。検出モジュールDMは黒い樹脂製の筐体、該筐体の先端に取り付けられた弾性体からなる接触部材、受光部を含んで構成されている。筐体の先端および接触部材には、アパーチャ(開口)が形成されている。
受光部としては、一例として、フォトダイオード(PD)が用いられる。受光部は電気配線を介してオペアンプに接続されている。検出される光量は非常に小さいため、オペアンプの倍率は高めの2段階の構成されている。例えば、前段で約5桁程度の倍率をかけ、後段では3桁程度の倍率をかける。
接触部材としては遮光性及び装着性を高めるために黒いゴム製のものを利用している。
アパーチャは、筐体の先端および接触部材を貫通する例えば約1mm程度の円形の穴であり、被検体内を伝播して出てくる光の位置を限定する機能を有している。
上述した被検体からの光が「同一位置」から受光部に入射されることは、このアパーチャによって実現されている。
以下に、生体の大脳皮質内の血流濃度(生体の内部特性)を推定する方法を説明する。
先ず、プローブ(光源モジュールLMおよび検出モジュールDM)を生体の頭部にセッティング(装着)する。この際、頭部と各プローブとの間に透明ジェルを塗布し、透明ジェルに気泡が入らないように、固定部材によって決められた位置にセッティングする。
プローブは、光源モジュールLMが8個、検出モジュールDMが8個の計16個であり、光源モジュールLMと検出モジュールDMを格子状に交互に等ピッチで配置する(図2参照)。格子のピッチa(格子点間隔)が30mmであり、光源モジュールLMと検出モジュールDMとの間隔が30mmとなる。
そこで、光源モジュールLMのLEDを発光させて頭部に光を照射する。発光は、各光源モジュールLM毎に、さらに該光源モジュールのLED毎に順に行う。本実施形態では、光の強度が生体に害を及ぼさない程度の大きさ(例えば4mW)になるように電流値を決定している。発光時間は例えば10msec程度とした。LEDが発光中は、全ての受光部で光を検出して値を読み取り、1msecの発光および計測、データ格納を繰り返す。ある光源モジュールLMを用いた測定を終えた段階で、別の光源モジュールLMでも同様の測定を順に実行して行き、全ての光源モジュールLMについて測定データ(光強度データ)を得る。
以上のようにして得られた光強度データから、大脳皮質内の血流濃度を推定するが、その際、事前情報として頭部モデル、および該頭部モデルの情報から得られる感度分布を用いて、図11のフローチャートに従って推定を行う。
最初のステップS301では、推定に必要な光強度データを取得する。具体的には、安静時、脳活動時それぞれで上述のような光強度測定を行い、それらのデータから複数の波長・偏光毎およびプローブセット毎に光強度変化情報を取得する。光強度変化情報は、例えば光強度の変化率、光強度の変化率の対数をとった値、光強度の変化量等である。
次のステップS302では、推定に必要な初期値を読み出す。本実施形態の場合、初期値として推定に必要なのは大脳皮質の各ボクセルにおける正則化に関するガンマ分布のシェイプパラメータγα0i、大脳皮質の各ボクセルにおけるガンマ分布の平均値α0i ̄( ̄はαの真上に配置)、頭皮の各ボクセルにおける正則化に関するガンマ分布のシェイプパラメータγβ0および頭皮の各ボクセルにおけるガンマ分布の平均値β0 ̄( ̄はβの真上に配置)である。
次のステップS303では、初期値を基に、後述する変分ベイズ法と呼ばれる方法を用いて逆問題の推定を行う。
次のステップS304では、推定結果が収束したか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合(収束した場合)は、ステップS305に移行し、否定された場合は、ステップS303に戻り、再推定する。
ステップS305では、推定結果を処理し、得られた結果を可視化する。
以下では、ステップS303の変分ベイズ法について、図12のフローチャートを用いて説明する。
変分ベイズ法の計算では、2つのステップにより、血流内のオキシヘモグロビン・デオキシヘモグロビンの濃度変化を推定する。
最初のステップS401は、「X,σ最大化ステップ」と呼ばれる。このステップでは次のステップS402で必要な量を計算している。ここで、Xはヘモグロビンの濃度変化、σは脳活動時の分散共分散行列の安静時に比べての割合の逆数である。図12に記載されているΣは、次の(1)式で定義される。
Figure 0006476603
上記(1)式において、Σyは安静時の観測値Yの分散共分散行列である。Gは感度行列であり、右上の添字で、大脳皮質(cortex)か頭皮(scalp)かを、右下の添字で酸素を含むヘモグロビン(Oxy Hb)か、酸素を含まないヘモグロビン(Deoxy Hb)かを示している。Wはスムージングフィルタで、右上のTがある行列は転置行列であることを示している。
次のステップS402は、「Α、β最大化ステップ」と呼ばれ、大脳皮質の各ボクセルにおける正則化に関するガンマ分布のシェイプパラメータγαi、大脳皮質の各ボクセルにおけるガンマ分布の平均値αi ̄( ̄はαの真上に配置)、頭皮の各ボクセルにおける正則化に関するガンマ分布のシェイプパラメータγβ、および頭皮の各ボクセルにおけるガンマ分布の平均値β ̄( ̄はβの真上に配置)を計算する。これら4つの値が収束する(n回目と(n−1)回目の値との差が指定した範囲内である)ならば(ステップS403においてYes)、計算の最後に再度X、σを計算した(ステップS404)後に終了する。一方、これら4つの値が収束しないならば(ステップS403においてNo)、ステップS401に戻る。ここで、Αはそれぞれのボクセルにおける、正則化に関するパラメータを対角成分に持つ行列、βは頭皮における正則化に関するパラメータである。
以上のようにして、ヘモグロビンの濃度変化Xが推定される。変分ベイズ法の詳細に関しては、特開2012−187376号公報に譲る。
以上説明した本実施形態の光学センサ10は、被検体内の情報を計測する光学センサであり、被検体に光を照射する複数の光源モジュールLM(光照射器)と、被検体内を伝播し該被検体から出射した光を検出する複数の検出モジュールDM(光検出器)と、を備え、複数の光源モジュールLMそれぞれは、複数の光源(微小光源)を含み、該複数の光源からの複数の光は、被検体の異なる複数位置に個別に入射される。
この場合、各光源モジュールLMから被検体の異なる複数位置に個別に入射され、被検体内の異なる複数経路を伝播した複数の光を少なくとも1つの検出モジュールDMで検出できる。この結果、単一の光源を含む光源モジュールに比べ、光源モジュール毎に得られる被検体内の情報量を増やすことができる。すなわち、少数の光源モジュールを用いて被検体内の情報を多く得ることができる。
結果として、光学センサ10では、光源モジュールLMを被検体上に高密度に多数配置しなくても、被検体内の情報をより多く得ることができる。すなわち、手間をかけずに被検体内の情報をより多く得ることができる。
また、光源モジュールLMは、複数の微小光源を含むため、例えば単一の光源を含む光源モジュールのサイズ以下のサイズに設計することができる。この場合、光源モジュールLMは、被検体の微小領域(例えば頭皮の毛根間の領域)への装着性が、単一の光源を含む光源モジュールに劣らない。
また、光源モジュールLM及び検出モジュールDMが、被検体上に格子状に交互に配置される場合、光源モジュールLM及び検出モジュールDMを移動させることなく、被検体内の情報を効率的に得ることができる。
また、複数の微小光源が、直径が2mm以下の仮想円形領域内に配置される場合、光源モジュールLMの小型化を図りつつ(被検体の微小領域(例えば頭皮の毛根間の領域)への装着性を向上させつつ)被検体内の情報をより多く得ることができる。
また、複数の微小光源それぞれの上記仮想円形領域内における占有面積が、直径が0.5mmの円の面積以上である場合、エネルギー密度が過剰になることを抑制でき、被検体に害を及ぼすのを防止できる。
また、複数の微小光源それぞれが、LED(発光ダイオード)である場合、長寿命化及び出力の安定化を図ることができ、ひいては信頼性及び計測精度を向上できる。
また、光源モジュールLMが、筐体と、複数の微小光源からの光の光路上に位置するように筐体に設けられた屈折率分布が一様でない窓部材とを含み、複数のLEDから出射され窓部材を透過した光が被検体に入射される場合、被検体への光源モジュールLMの装着性を向上させることができ、かつ複数の微小光源からの光を角度を持たせて被検体の異なる位置に入射させることができる。
また、光源モジュールLMが、筐体と、複数の微小光源に対応し、対応する微小光源からの光の光路上に位置するように筐体に突設された、被検体に先端部が接触する複数の接触部材とを含み、複数の接触部材それぞれは、対応する微小光源からの光を先端部から被検体に向けて出射する場合、被検体の微小領域(例えば頭皮の毛根間の領域)への装着性を向上させることができ、例えば毛髪による光量低下を防ぐことが可能となり、精度の良い計測が可能となる。
また、接触部材の先端部が、0.25mm〜1mmの曲率半径を有している場合、装着性を損なうことなく被検体が傷むのを防止できる。
また、接触部材が、弾性体からなる場合、被検体が傷むのを防止できる。
また、上記弾性体の弾性率が、1E5Pa以下である場合、被検体が傷むのをより確実に防止できる。
また、複数のLEDのうち少なくとも2つのLEDの発光波長が、互いに異なる場合、被検体内の情報をさらにより多く得ることができる。
また、上記発光波長が、700nm〜900nmである場合、生体(被検体)の透過率が高く、計測精度の向上を図ることができる。
また、本実施形態の光学検査装置100は、光学センサ10での計測結果に基づいて被検体の内部特性を推定するため、該内部特性(例えばヘモグロビンの濃度変化)を精度良く推定できる。
また、本実施形態の内部特性推定方法は、光学センサ10での計測結果に基づいて被検体の内部特性を推定するため、該内部特性(例えばヘモグロビンの濃度変化)を精度良く推定できる。
なお、上記実施形態では、光源モジュールLMの微小光源として、LEDが用いられているが、これに限らず、例えば、LD(端面発光レーザ)、VCSEL(面発光レーザ)、有機EL素子などを用いても良い。この場合も、複数の微小光源を直径2mm以下の仮想円形領域内に1次元又は2次元に配置することが好ましい。また、この場合も、微小光源の上記仮想円形領域内における占有面積を、直径が0.5mmの円の面積以上に設定することが好ましい。
ここで、LD(端面発光レーザ)は放射角が非対称であり、レンズで精度の良い平行光をつくるには、曲率が縦と横とで異なるレンズやシリンドリカルレンズを2枚組み合わせる必要があり、構成が複雑になり、実装も高精度なものが必要となる。
これに対し、面発光レーザ(VCSEL)からの出射光の断面形状(ファーフィールドパターン)はほぼ円形であるため、出射光の断面形状が楕円形である端面発光レーザ(LD)と違い、回転方向の設置誤差はほとんどない。そのため、平行光を作るには例えば球面レンズを1つ設ければ良い。
以上の説明から分かるように、本発明の光学センサは、簡易な構成により被検体からの情報をより多く得ることができる光学センサであり、例えばDOT等の様々な分野での利用が期待される。
なお、照射系における光源モジュールの数、および検出系における検出モジュールの数は、適宜変更可能である。要は、照射系は、少なくとも1つの光源モジュールを有していれば良い。検出系は、少なくとも1つの検出モジュールを有していれば良い。
また、光源モジュールの構成は、適宜変更可能である。例えば光源モジュールにおけるLEDの数および配置は、適宜変更可能である。また、LEDアレイにおけるLEDの数、配置、発光波長は、適宜変更可能である。また、レンズ、窓部材や突起状の接触部材を含む光学系の構成も適宜変更可能である。例えば突起状の接触部材の材料は、プラスチック、ウレタン等であっても良い。
また、検出モジュールの構成は、適宜変更可能である。例えば、アパーチャは、必ずしも設けられていなくても良い。検出モジュールにおける受光部の数も適宜変更可能である。また、受光部は、PD(フォトダイオード)に限らず、要は、光検出器(フォトディテクタ)であれば良い。また、受光部は、単一構造でなくアレイ構造であっても良い。また、検出モジュールは、被検体から出射された光を受光部に集光させるレンズを有していても良い。
以下に、本発明に至った思考プロセスを簡単に説明する。
拡散光トモグラフィー(Diffuse Optical Tomography、DOT)は、大脳皮質の各位置でのオキシヘモグロビン・デオキシヘモグロビンの濃度変化が観測光強度変化にどのように反映されるかを計算し、それらの関係から濃度変化を三次元的に推定する手法であり、近年ますます広まってきている(D.A.Boas and A.M.Dale, “Simulation study of magnetic resonance imaging-guided cortically constrained diffuse optical tomography of human brain function”, Applied Optics 44(2005) pp.1957-1968)。
しかしながら、得られる解はあくまで推定値であり、推定精度を向上させるには観測値の情報を増やす必要がある。観測値の情報を増やすには例えば光照射器、光検出器をより高密度にする方法があるが、被験体に装着する手間やコストがかかってしまっていた。そこで、本発明の目的は、手間をかけずに観測値の情報を増やして推定精度を向上させることにある。
本発明の光学センサを用いることにより、光照射器の複数の微小光源から被験体に照射され該被検体を伝播した光の検出データに基づいて精度良く被検体内(例えば生体の大脳皮質内)の各位置の情報(例えばオキシヘモグロビン・デオキシヘモグロビン)の濃度変化を推定できる。
10…光学センサ、100…光学検査装置、LM…光源モジュール(光照射器)、DM…検出モジュール(光検出器)。
特許3779134号公報

Claims (12)

  1. 被検体内の情報を計測する光学センサであって、
    前記被検体に光を照射する少なくとも1つの光照射器と、
    前記被検体内を伝播し該被検体から出射した光を検出する少なくとも1つの光検出器と、を備え、
    前記光照射器は、複数の光源を含み、
    前記複数の光源からの複数の光は、前記被検体の異なる複数位置に個別に入射され
    前記複数の光源は、直径が2mm以下の同一の仮想円形領域内に1次元又は2次元に配置され、
    前記複数の光源それぞれの前記仮想円形領域内における占有面積は、直径が0.5mmの円の面積以上である光学センサ。
  2. 前記少なくとも1つの光照射器は、複数の光照射器であり、
    前記少なくとも1つの光検出器は、複数の光検出器であり、
    前記光照射器及び前記光検出器は、前記被検体上に格子状に交互に配置されることを特徴とする請求項1に記載の光学センサ。
  3. 前記複数の光源それぞれは、発光ダイオードであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学センサ。
  4. 前記光照射器は、筐体と、前記複数の光源からの光の光路上に位置するように前記筐体に設けられた屈折率分布が一様でない光透過窓部材とを含み、
    前記複数の光源から出射され前記光透過窓部材を透過した光が前記被検体に入射されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光学センサ。
  5. 前記光照射器は、筐体と、前記複数の光源に対応し、対応する前記光源からの光の光路上に位置するように前記筐体に突設された、前記被検体に先端部が接触する複数の接触部材と、を含み、
    前記複数の接触部材それぞれは、対応する前記光源からの光を先端部から出射することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光学センサ。
  6. 前記複数の接触部材それぞれの先端部は、0.25mm〜1mmの曲率半径を有することを特徴とする請求項に記載の光学センサ。
  7. 前記複数の接触部材それぞれは、弾性体からなることを特徴とする請求項5又は6に記載の光学センサ。
  8. 前記弾性体の弾性率は、1E5Pa以下であることを特徴とする請求項に記載の光学センサ。
  9. 前記複数の光源のうち少なくとも2つの光源の発光波長は、互いに異なることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光学センサ。
  10. 前記発光波長は、700nm〜900nmであることを特徴とする請求項に記載の光学センサ。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学センサを備え、
    前記光学センサでの計測結果に基づいて、前記被検体の内部特性を推定する光学検査装置。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学センサでの計測結果に基づいて、前記被検体の内部特性を推定する工程を含む内部特性推定方法。
JP2014123056A 2014-06-16 2014-06-16 光学センサ、光学検査装置、および内部特性推定方法 Expired - Fee Related JP6476603B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014123056A JP6476603B2 (ja) 2014-06-16 2014-06-16 光学センサ、光学検査装置、および内部特性推定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014123056A JP6476603B2 (ja) 2014-06-16 2014-06-16 光学センサ、光学検査装置、および内部特性推定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016002164A JP2016002164A (ja) 2016-01-12
JP6476603B2 true JP6476603B2 (ja) 2019-03-06

Family

ID=55221970

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014123056A Expired - Fee Related JP6476603B2 (ja) 2014-06-16 2014-06-16 光学センサ、光学検査装置、および内部特性推定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6476603B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107550474A (zh) 2016-06-30 2018-01-09 松下知识产权经营株式会社 生物体信息检测装置
JP7117733B2 (ja) 2018-08-23 2022-08-15 株式会社リコー 光学センサ

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3779134B2 (ja) * 2000-06-19 2006-05-24 株式会社日立製作所 生体光計測装置
JP4835428B2 (ja) * 2006-12-27 2011-12-14 株式会社日立製作所 プローブ装置
JP5565837B2 (ja) * 2010-07-19 2014-08-06 独立行政法人情報通信研究機構 生体光計測用プローブ装置
JP2014113467A (ja) * 2012-11-16 2014-06-26 Toshiba Corp 生体検査装置及び生体検査方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016002164A (ja) 2016-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6502630B2 (ja) 光学センサ、光学検査装置、及び光学特性検出方法
JP6786798B2 (ja) 光学センサ、光学検査装置、及び光学特性検出方法
KR102085712B1 (ko) 로버스트 캘리브레이션 및 자가-수정을 위한 조직 옥시메트리 프로브 기하학
US10067056B2 (en) Optical sensor, optical inspection device, and optical property detection method for detecting light propagated inside a test object
US10175169B2 (en) Optical sensor, optical testing apparatus, and optical characteristics detection method
US20160360966A1 (en) Optical examination method and optical examination device
US10638975B2 (en) Biological light measurement device
JP2006297125A (ja) 生体光計測装置
JP6555503B2 (ja) 光学センサ、光学検査装置、及び光学特性検出方法
JP6476603B2 (ja) 光学センサ、光学検査装置、および内部特性推定方法
JP2009106376A (ja) 生体表層組織用センシング装置
JP6723510B2 (ja) 光学モデルの選定方法、検出光量分布補正方法、光学モデルの補正方法及び光学検査装置
JP6464558B2 (ja) 光学センサ、光学検査装置、および内部特性推定方法
JP2009106373A (ja) 生体表層組織用センシング装置
JP6592900B2 (ja) 光学センサ、光学検査装置、被検体内部特性推定方法、及び被検体内部情報計測方法
JP2017106869A (ja) 光学センサ装置
JP7039825B2 (ja) 光学センサ、光学検査装置
US10463255B1 (en) Optical source for diffuse optical tomography
JP2016128802A (ja) 光学センサ、光学検査装置、及び光学特性検出方法
US20240164646A1 (en) Instrument Response Function Monitor on an Optical Measurement Device
Kang et al. Thin patch type tissue oximeter with deep light penetration depth by integrating micro lens array (MLA)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170607

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180604

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190121

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6476603

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees