JP6476019B2 - 炭素−金属複合体 - Google Patents

炭素−金属複合体 Download PDF

Info

Publication number
JP6476019B2
JP6476019B2 JP2015047409A JP2015047409A JP6476019B2 JP 6476019 B2 JP6476019 B2 JP 6476019B2 JP 2015047409 A JP2015047409 A JP 2015047409A JP 2015047409 A JP2015047409 A JP 2015047409A JP 6476019 B2 JP6476019 B2 JP 6476019B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon
metal composite
metal
composite
comparative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015047409A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016166113A (ja
Inventor
勇太 仁科
勇太 仁科
博信 小野
博信 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NISINA MATERIALS CO. LTD.
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
NISINA MATERIALS CO. LTD.
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NISINA MATERIALS CO. LTD., Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical NISINA MATERIALS CO. LTD.
Priority to JP2015047409A priority Critical patent/JP6476019B2/ja
Publication of JP2016166113A publication Critical patent/JP2016166113A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6476019B2 publication Critical patent/JP6476019B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、炭素−金属複合体に関する。より詳しくは、電池の電極活物質等として好適に用いることができる炭素−金属複合体に関する。
昨今、環境問題への関心の高まりを背景に、様々な産業分野で石油や石炭から電気へとエネルギー源の転換が進んでおり、携帯電話やノートパソコン等の電子機器だけでなく、自動車や航空機等の分野をはじめ、様々な分野で電池やキャパシタ等の蓄電装置の使用が広がりをみせている。このような蓄電装置の需要の高まりを受け、より高性能な蓄電装置を実現するための研究が活発に行われている。
このような蓄電装置の中でも、リチウムイオン二次電池は、高エネルギー密度かつ高作動電圧を有し、また小型化が可能であることから、携帯電話、スマートフォン、モバイルPC、デジタルカメラ、電気自動車等の様々な用途において用いられている。現在、多くのリチウムイオン二次電池では、負極に黒鉛(グラファイト)が用いられている。黒鉛をリチウムイオン二次電池の負極として用いた場合、黒鉛にリチウムイオンを吸蔵したときの組成がLiCとなるため、黒鉛の理論電気容量は372mAh/gとなるが、近年では、このように電極として使用されている炭素材料を改良することで電池性能を向上させる試みがなされており、炭素材料と金属酸化物を複合化したものを電極材料に応用する研究も発表されている(特許文献1、2、非特許文献1〜9参照。)。
国際公開2012/172623号 国際公開2013/027686号
H.Wang, et.al, Journal of American Chemical Society, 2010, 132, 13978-13980 S.Zhu, et.al, RSC Advances, 2013, 3, 6141-6146 X. Wang, et.al, CARBON, 2011, 49, 133-139 W. Gao, et.al, NATURE CHEMISTRY, 2009, 1, 403-408 J. Yea, et.al, Electrochimica Acta, 2013, 113, 212-217 G. Wang, et.al, Journal of Power Sources, 2013, 239, 37-44 Q. Su, et.al, ACS NANO, 2013, 7, 10, 9115-9121 H. Zhang, et.al, RSC Advances, 2014, 4, 495-499 Y. Matsumoto, et.al, APPLIED MATERIALS and INTERFACES, 2010, 2, 12, 3461-3466
リチウムイオン二次電池をはじめとする蓄電池の性能への要求は、用途の広がりとともに益々高くなっており、蓄電池の性能を向上させることができる材料の開発が求められている。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、蓄電池の性能を更に向上させることができる材料を提供することを目的とする。
本発明者は、リチウムイオン二次電池の負極活物質として用いられている黒鉛に注目し、特性を更に向上させることができる材料について種々検討したところ、酸素と結合した炭素を有し、かつ、周期律表3〜14族の金属元素をアモルファス状態で含む炭素−金属複合体の製造に成功した。そして本発明者は、この炭素−金属複合体を負極活物質として用いると、黒鉛よりも高い電池容量を実現できることを見いだし、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、炭素、酸素、及び、金属元素を構成元素として含む炭素−金属複合体であって、上記炭素−金属複合体は、酸素と結合した炭素を有し、周期律表3〜14族の金属元素をアモルファス状態で含むことを特徴とする炭素−金属複合体である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明の炭素−金属複合体は、炭素、酸素、及び、金属元素を構成元素として含む炭素−金属複合体であるが、酸素(O)と結合した炭素(C)を有する炭素材料と周期律表3〜14族の金属元素の単体又は該金属元素を有する金属化合物との複合体であることが好ましい。本発明の炭素−金属複合体は、周期律表3〜14族の金属元素をアモルファス状態で含むことを特徴としているが、本発明において、周期律表3〜14族の金属元素をアモルファス状態で含むとは、金属原子(金属単体)、又は、金属元素を含む金属化合物がアモルファス状態にあることを意味する。
本発明の炭素−金属複合体においては、複合体中に含まれる周期律表3〜14族の金属元素の単体又は該金属元素を含む金属化合物の少なくとも一部がアモルファス状態になっていればよい。
周期律表3〜14族の金属元素の単体又は該金属元素を含む金属化合物がアモルファス状態になっていることは、炭素−金属複合体のXRD測定により、周期律表3〜14族の金属元素の単体又は該金属元素を含む金属化合物に帰属されるピークが観測されないことか、周期律表3〜14族の金属元素の単体又は該金属元素を含む金属化合物に帰属されるピークからScherrerの式により算出される結晶子径が1nm未満であることにより確認することができる。
上記炭素材料は、酸素(O)と結合した炭素(C)を有する限り特に制限されないが、グラフェン、グラファイト等の黒鉛質の炭素材料に酸素が結合したものが好ましい。より好ましくは、グラフェンの炭素原子に酸素が結合した酸化グラフェンである。
また本発明の炭素−金属複合体は、炭素、酸素、及び、金属元素を構成元素として含む限り、構成元素としてその他の元素を含んでいてもよいが、炭素、酸素、及び、金属元素のみを構成元素とするものであることが好ましい。
なお、一般的にグラフェンとは、sp結合で結合した炭素原子が平面的に並んだ原子1層からなるシートをいい、グラフェンシートが多数積層されたものはグラファイトといわれるが、本発明における酸化グラフェンには、炭素原子1層のみからなるシートのみではなく、数層〜20層程度積層した構造を有するものも含まれる。
本発明の炭素−金属複合体に用いられる金属元素としては、周期律表3〜14族の金属元素の中でも、周期律表5〜11族の金属元素が好ましい。金属元素としてこれらを用いることで、得られる炭素−金属複合体がより電極活物質として用いた場合の特性により優れたものとなる。より好ましくは、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Wのいずれかである。
本発明の炭素−金属複合体は、金属元素を1種含むものであってもよく、2種以上含むものであってもよい。
本発明の炭素−金属複合体は、周期律表3〜14族の金属元素を炭素−金属複合体全体に対して1〜40質量%の割合で含むものであることが好ましい。周期律表3〜14族の金属元素をこのような割合で含むことで、炭素−金属複合体となっていることの効果をより充分に発揮することができる。周期律表3〜14族の金属原子の割合は、より好ましくは、炭素−金属複合体全体に対して3〜35質量%であり、更に好ましくは、5〜30質量%である。
炭素−金属複合体中の周期律表3〜14族の金属元素の割合は、熱重量分析(TG)により測定することができる。
本発明の炭素−金属複合体は、XPS測定で得られるO1sスペクトルにおけるC−O−C結合由来のピークの面積が、C=O結合由来のピークの面積及びC−O結合由来のピークの面積より小さいことが好ましい。本発明の炭素−金属複合体は、後述するように、酸素と結合した炭素を有する炭素材料を金属化合物と混合して還元することで製造することが好ましい。酸素と結合した炭素材料を還元することで、炭素材料の構造中のC−O−C結合、C=O結合やC−Oが還元されることになるが、本発明の炭素−金属複合体は、XPS測定におけるC−O−C結合由来のピークの面積が、C=O結合由来のピークの面積及びC−O結合由来のピークの面積より小さくなっているもの、すなわち、C−O−C結合がC=O結合やC−O結合に比べて相対的により充分に還元されているものが好ましい。炭素−金属複合体がそのようなものであることで、電極活物質としてより優れた特性を発揮するものとなる。
上記XPS測定で得られるO1sスペクトルにおいて、C−O−C結合由来のピークは、532eV付近に観測され、C=O結合由来のピーク及びC−O結合由来のピークは、それぞれ531eV付近、533.5eV付近に観測される。
本発明の炭素−金属複合体は、XPS測定で得られるO1s領域の全ピーク面積とC1s領域の全ピーク面積との比率が、1/20〜1/1であることが好ましい。これらのピーク面積の比率がこのような範囲にあると、炭素−金属複合体が電極活物質としてより優れた特性を発揮するものとなる。O1s領域の全ピーク面積とC1s領域の全ピーク面積との比率は、より好ましくは、1/10〜1/1.2であり、更に好ましくは、1/5〜1/1.5であり、特に好ましくは、1/40〜1/1.8である。
ここで、O1s領域の全ピーク面積とは、O1s領域に観測される全てのピークの面積の合計のことであり、ベースラインのノイズの幅の2倍以上の高さのピーク全ての面積の合計である。C1s領域の全ピーク面積も同様である。
本発明の炭素−金属複合体は、XPS測定で得られるC1sスペクトルのC−O結合由来のピークの面積と炭素原子間の結合(C−C結合及びC=C結合)由来のピークの面積との比率が1/10〜10/10であることが好ましい。これらのピーク面積の比率がこのような範囲にあると、炭素−金属複合体が電極活物質としてより優れた特性を発揮するものとなる。C−O結合由来のピークの面積と炭素原子間の結合由来のピークの面積との比率は、より好ましくは、1/10〜8/10であり、更に好ましくは、2/10〜8/10である。
XPS測定で得られるC1sスペクトルのC−O結合由来のピークは、285〜287eV付近、炭素原子間の結合由来のピークは、284〜285eV付近に観測される。
ピーク面積は、バックグラウンド補正をShirley法で行い、フィッティング関数としてVoigt関数を用いたピークフィット(ピーク分離)により求めることができる。
上記炭素−金属複合体は、炭素材料と周期律表3〜14族の金属単体又は該金属元素を有する金属化合物とが充分に複合化されたものであることが好ましい。酸化グラフェンはXRD測定において、2θ=26°より小さい領域、特に2θ=10°付近にピークが観測されるため、炭素−金属複合体を構成する炭素材料として酸化グラフェンを用いた場合、2θ=26°より小さい領域にピークが観測されない場合には、充分に複合化されているということができる。このように、本発明の炭素−金属複合体が、XRD測定において、2θ=26°より小さい領域にピークが観測されないものであることは、本発明の好適な実施形態の1つである。
ここで、ピークが観測されないとは、ベースラインのノイズの幅の2倍以上の高さのピークが観測されないことを意味する。
本発明の炭素−金属複合体中における周期律表3〜14族の金属元素は、0価より大きい正の価数を有することが好ましい。金属元素が0価より大きい正の価数を有する、すなわち、金属単体ではなく化合物の状態にあることが好ましい。より好ましくは、当該化合物が金属と酸素の結合を有する化合物であることである。炭素−金属複合体がそのようなものであることで、炭素−金属複合体が電極活物質としてより優れた特性を発揮するものとなる。金属元素の価数は、金属元素の種類や金属化合物の種類によるが、1〜7価であることが好ましい。より好ましくは、2〜5価である。
また本発明の炭素−金属複合体中における周期律表3〜14族の金属元素は、単核の状態であることが好ましい。単核の状態であることで、炭素−金属複合体が電極活物質としてより優れた特性を発揮することができる。金属元素が単核の状態にあるとは、金属元素を含む化合物が、構造中に金属の原子を1つだけ含む化合物となっていることを意味する。
金属元素の価数や単核の状態にあるかどうかは、XAFS測定により確認することができる。
上記のとおり、本発明の炭素−金属複合体は、酸素(O)と結合した炭素(C)を有する炭素材料と周期律表3〜14族の金属単体又は該金属元素を有する金属化合物との複合体であることが好ましく、酸素(O)と結合した炭素(C)を有する炭素材料としては、酸化グラフェンが好ましく、周期律表3〜14族の金属単体又は該金属元素を有する金属化合物としては、金属と酸素の結合を有する化合物が好ましい。すなわち、本発明の炭素−金属複合体が酸化グラフェンと、金属と酸素の結合を有する化合物との複合体であることは、本発明の炭素−金属複合体の好ましい形態である。
本発明の炭素−金属複合体の製造方法は特に制限されないが、酸素(O)と結合した炭素(C)を有する炭素材料と周期律表3〜14族の金属単体又は該金属元素を有する金属化合物とを混合する混合工程と、該炭素材料と周期律表3〜14族の金属単体又は該金属元素を有する金属化合物との混合物を還元する還元工程とを含む製造方法が好ましい。還元工程は、混合工程の後に行われてもよく、混合工程の終了前に還元工程が開始してもよい。また、この製造方法は、上記2つの工程を含む限り、その他の工程を含んでいてもよい。
上記炭素−金属複合体の製造方法に用いる周期律表3〜14族の金属単体又は該金属元素を有する金属化合物の量は、炭素−金属複合体が製造されることになる限り特に制限されないが、酸素と結合した炭素を有する炭素材料1gに対して、0.1〜10gであることが好ましい。このような割合で用いることで、金属元素がアモルファス状態で存在し易くなる。より好ましくは、0.3〜5gであり、更に好ましくは、0.5〜3gである。
上記炭素−金属複合体の製造方法に用いる炭素材料としては、酸素(O)と結合した炭素(C)を有するものであれば特に制限されないが、グラフェン、グラファイト等の黒鉛質の炭素材料に酸素が結合したものが好ましい。より好ましくは、グラフェンの炭素原子に酸素が結合した酸化グラフェンである。
炭素材料として酸化グラフェンを用いる場合、グラファイトの酸化時にグラファイトの質量に対して1〜10倍の質量の酸化剤を添加して得られたものであることが好ましい。より好ましくは、グラファイトの質量に対して1〜5倍の質量の酸化剤を添加して得られたものである。
酸化グラフェンは、グラファイトに酸化剤を添加して酸化することで製造することができ、酸化剤の添加量を変化させることで、酸化グラフェンに導入される酸素原子の量を調整することができる。炭素−金属複合体の製造に使用する金属元素がSn等の特定の元素の場合には、炭素−金属複合体を電極活物質として用いた場合の電池容量が、導入される金属元素の量に影響され、多くの金属原子を導入するほうが電池容量が高くなる場合がある。複合体に導入される金属元素の量は、酸化グラフェンが有する酸素の量に影響されるため、金属元素の種類によっては、酸化剤の添加量を調整することで、得られる炭素−金属複合体を電極活物質として用いた場合の電池容量を調整することが可能となる。
上記炭素−金属複合体の製造方法に用いる周期律表3〜14族の金属元素は、上述したものと同様のものが好ましい。
炭素−金属複合体の製造方法に用いる周期律表3〜14族の金属元素を有する金属化合物としては、これらの金属元素の酸化物、水酸化物、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、有機酸塩の他、金属原子又は金属酸化物に炭素数1〜10のアルキル基又はアルコキシ基が1〜4つ結合した構造の化合物等が挙げられる。
上記混合工程において、酸素と結合した炭素を有する炭素材料と周期律表3〜14族の金属元素を有する金属化合物とを混合する方法は特に制限されず、炭素材料に金属化合物を加えて攪拌する方法を用いることができる。混合する際、必要に応じて、溶媒を添加して攪拌することもできる。
上記混合工程で添加する溶媒は、炭素−金属複合体が製造されることになる限り特に制限されず、水、エタノール、DMF、DMSO、エチレングリコール、N−メチルピロリドン、イソプロパノール、アセトン、メタノール、テトラヒドロフラン等の1種又は2種以上を用いることができる。
また、上記混合工程は、必要に応じて酸を添加して行ってもよい。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸等を用いることができる。
上記還元工程で、酸素原子と結合した炭素原子を有する炭素材料を還元する方法は、炭素材料が還元されることになる限り特に制限されないが、還元剤を用いる方法、不活性ガス雰囲気下で加熱する方法、光を照射する方法のいずれかの方法が好ましい。これらはいずれかを用いてもよく、2つ以上の方法を組合せて用いてもよい。
また、還元反応が効率的に進むよう、混合工程で炭素材料と金属化合物とを溶媒を加えて炭素材料と金属化合物との混合溶液を作製し、得られた混合溶液で薄膜を形成して還元工程を行ってもよい。
上記還元剤としては、炭素材料を還元することができるものである限り特に制限されないが、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボラン、アスコルビン酸、シュウ酸、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の1種又は2種以上を用いることができる。
還元剤は、酸素原子と結合した炭素原子を有する炭素材料1gに対して、0.1〜10gの割合で用いることが好ましい。より好ましくは、炭素材料1gに対して、0.5〜5gの割合で用いることである。
上記還元剤を用いて還元する場合、還元剤を添加した後、還元反応を充分に進行させるため、必要に応じて加熱及び/又は攪拌をしてもよい。
加熱する場合の温度や時間は、還元剤の種類等に応じて適宜設定することができるが、加熱温度は20〜200℃であることが好ましい。より好ましくは、40〜100℃である。加熱時間は、10〜600分であることが好ましい。より好ましくは、30〜180分である。
上記炭素材料を還元する方法として不活性ガス雰囲気下で加熱する方法を用いる場合、炭素材料が還元される限り、加熱する温度は特に制限されないが、100〜500℃であることが好ましい。より好ましくは、200〜400℃である。
また、不活性ガスとしては特に制限されず、窒素、ヘリウム、アルゴン等のいずれの不活性ガスを用いてもよい。
上記炭素材料を還元する方法として光を照射する方法を用いる場合、照射する光は特に制限されないが、大きなエネルギーの光を照射することが好ましい。光照射の中でも、大きなエネルギーの光を短時間で照射することができる光源を用いると、炭素材料と金属化合物とが充分に複合化した複合体を効率的に製造することができるため好ましい。そのような光源としては、例えば、僅かな電力で300−20000kWの光を作り出せるカメラストロボ等が好適である。
上記のとおり、本発明の炭素−金属複合体は、電極活物質として用いた場合に優れた性能を発揮することができるものであり、電極活物質の材料として好適に用いることができる。このような、本発明の炭素−金属複合体を含む電極活物質もまた、本発明の1つであり、また、本発明の電極活物質を用いて構成される電極、及び、該電極を用いて構成される電池もまた、本発明の1つである。
本発明の電極活物質を用いて構成される電池の種類は特に制限されないが、現在、リチウムイオン二次電池の多くで黒鉛が負極活物質として用いられていることから、黒鉛に代えて、本発明の炭素−金属複合体をリチウムイオン二次電池の負極活物質として用いることは本発明の好適な実施形態の1つであり、本発明の炭素−金属複合体をリチウムイオン二次電池負極活物質として用いたリチウムイオン二次電池もまた、本発明の1つである。
本発明の電極の製造方法は特に制限されないが、炭素−金属複合体とバインダー等を含む電極合剤を集電体上に塗布して形成する方法が好適である。
上記バインダーとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸塩含有ポリマー、ポリビニルアルコール含有ポリマー、セルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリフッ化ビニリデン含有ポリマー、ポリペンタフルオロエチレン含有ポリマー、ポリマレイン酸塩含有ポリマー、ポリイタコン酸塩含有ポリマー、イオン交換膜性重合体、スルホン酸塩含有ポリマー、第四級アンモニウム塩含有ポリマー、第四級ホスホニウム塩ポリマー等が挙げられる。
上記集電体としては、アルミ集電体、銅箔等を用いることができる。
本発明の電池を構成する電解液としては、電池の電解液として通常用いられるものを用いることができ、特に制限されないが、例えば、有機溶剤系電解液としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、フッ素基含有カーボネート、フッ素基含有エーテル、イオン性液体、ゲル化合物含有電解液、ポリマー含有電解液等が好ましく、水系電解液としては、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等が挙げられる。電解液は、上記1種又は2種以上使用してもよい。無機固体電解質を使用してもよい。
本発明の電池がリチウムイオン二次電池である場合、電解質としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiN(SOF)、LiN(SOCF、LiN(SO、Li(BC)、LiF、LiB(CN)等が挙げられる。
本発明の電池を構成するセパレータとしては、特に制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、セルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、セロファン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ビニロン、ポリ(メタ)アクリル酸等のマイクロポアを有する高分子量体やそれら共重合体、ゲル化合物、イオン交換膜性重合体やそれら共重合体、環化重合体やそれら共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸塩含有ポリマーやそれら共重合体、スルホン酸塩含有ポリマーやそれら共重合体、第四級アンモニウム塩含有ポリマーやそれら共重合体、第四級ホスホニウム塩含有ポリマーやそれら共重合体等が挙げられる。
本発明の電池を構成する正極の活物質としては、電池の種類に応じた活物質を適宜選択して用いることになるが、リチウムイオン二次電池の場合、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム等のリチウムイオン二次電池の正極活物質として機能する種々の化合物を用いることができる。
本発明の炭素−金属複合体は、上述の構成よりなり、電池を構成する電極の活物質として優れた性能を発揮するものであり、各種蓄電池、特に、現在、負極活物質として黒鉛が多く用いられているリチウムイオン二次電池の負極活物質やナトリウムイオン二次電池の負極活物質等に好適に用いることができる。
実施例1で製造したSi/rGO複合体(1)のTEM観察結果を示した図である。図1bは、図1aよりも倍率を上げて観察した観察結果である。 実施例1で製造したSi/rGO複合体(1)のXRD測定結果を示した図である。図には、複合体の原料として用いた酸化グラフェン、及び、酸化グラフェンをヒドラジンにより還元したもののXRD測定結果も併せて記載した。 比較例1で製造したFe/rGO複合体(比較1)(FeSO・7HOを1mmol使用)のXRD測定結果を示した図である。 比較例1で製造したFe/rGO複合体(比較1)(FeSO・7HOを1mmol使用)のTEM観察結果(図4a)、比較例2で製造したFe/rGO複合体(比較2)(FeSO・7HOを5mmol使用)のTEM観察結果(図4b)、比較例3で製造したFe/rGO複合体(比較3)(FeSO・7HOを10mmol使用)のTEM観察結果(図4c)を示した図である。 比較例2で製造したFe/rGO複合体(比較2)のXPS測定結果(O1s領域のスペクトル(ナロースキャン、ピーク分離済み))を示した図である。 比較例2で製造したFe/rGO複合体(比較2)のXPS測定結果(C1s領域のスペクトル(ナロースキャン、ピーク分離済み))を示した図である。 実施例2で製造したFe/rGO複合体(2)のXPS測定結果(O1s領域のスペクトル(ナロースキャン、ピーク分離済み))を示した図である。 実施例2で製造したFe/rGO複合体(2)のXPS測定結果(C1s領域のスペクトル(ナロースキャン、ピーク分離済み))を示した図である。 実施例3で製造したFe/rGO複合体(3)のXPS測定結果(O1s領域のスペクトル(ナロースキャン、ピーク分離済み))を示した図である。 実施例3で製造したFe/rGO複合体(3)のXPS測定結果(C1s領域のスペクトル(ナロースキャン、ピーク分離済み))を示した図である。 実施例2で製造したFe/rGO複合体(2)、実施例3で製造したFe/rGO複合体(3)、比較例5で製造したFe/rGO複合体(比較5)、比較例2で製造したFe/rGO複合体(比較2)、及び、比較例6で製造した炭素材料(比較6)のXRD測定結果を示した図である。 実施例2で製造したFe/rGO複合体(2)、実施例3で製造したFe/rGO複合体(3)、比較例5で製造したFe/rGO複合体(比較5)、及び、比較例2で製造したFe/rGO複合体(比較2)のXPS測定結果(C1s領域のスペクトル)を示した図(図12a)、XPS測定結果(O1s領域のスペクトル)を示した図(図12b)である。 比較例2で製造したFe/rGO複合体(比較2)のTEM観察結果(図13a)、比較例5で製造したFe/rGO複合体(比較5)のTEM観察結果(図13b)、実施例2で製造したFe/rGO複合体(2)のTEM観察結果(図13c)、及び、実施例3で製造したFe/rGO複合体(3)のTEM観察結果(図13d)を示した図である。 実施例2で製造したFe/rGO複合体(2)、実施例3で製造したFe/rGO複合体(3)、比較例2で製造したFe/rGO複合体(比較2)、及び、比較例5で製造したFe/rGO複合体(比較5)の充放電特性を評価した結果を示した図である。 実施例2で製造したFe/rGO複合体(2)、実施例3で製造したFe/rGO複合体(3)、比較例2で製造したFe/rGO複合体(比較2)、及び、比較例6で製造した炭素材料(比較6)の充放電特性を評価した結果を示した図である。 実施例4で製造したFe/rGO複合体(4)、比較例7で製造したFe/rGO複合体(比較7)、及び、比較例2で製造したFe/rGO複合体(比較2)のXRD測定結果を示した図である。 比較例8で製造したFe/rGO複合体(比較8)のTEM観察結果(図17a)、比較例7で製造したFe/rGO複合体(比較7)のTEM観察結果(図17b)、実施例4で製造したFe/rGO複合体(4)のTEM観察結果(図17c)、及び、実施例4で製造したFe/rGO複合体(4)のTEM観察結果(HAADF−STEM像)(図17d)を示した図である。 比較例7で製造したFe/rGO複合体(比較7)、比較例8で製造したFe/rGO複合体(比較8)、実施例4で製造したFe/rGO複合体(4)、並びに、二価のFeSO、三価のα−Fe及びγ−FeのXAFS測定結果(図18a)、並びに、EXAFSスペクトル解析結果(図18b)を示した図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
実施例における各種測定は、以下の装置で行った。
<XRD測定>
X線回折装置 Rigaku RINT2000(リガク社製)で測定した。
<XPS測定>
AXIS−ULTRA DLD(島津クレートス社製)で測定した。
なお、測定データの解析は、XPS解析ソフト Commom Date Processing System(COMPRO) version11を使用した。
<XAFS測定>
PF−XAFS BL−9Cで測定した。
<電子顕微鏡(TEM)撮影>
透過電子顕微鏡JEOLJEM−2100F(日本電子社製)で測定した。
<電子顕微鏡(STEM)撮影>
走査型透過電子顕微鏡JEOL2100F(日本電子社製)で測定した。
<充放電試験>
HOKUTO HJ1001SD8充放電装置(北斗電工社製)で測定した。
<熱重量測定(TG)>
Rigaku TG8120(リガク社製)で測定した。
合成例1(酸化グラフェン(GO)分散体(1)の製造)
水浴に設置した1Lビーカーに濃硫酸300mlと鱗片状黒鉛(伊藤黒鉛工業製Z−5F)12gを投入し、撹拌翼で撹拌した。ビーカーの周りを氷で冷やしながら36gのKMnOを徐々に加えた後、35℃まで昇温して、35℃で2時間撹拌を続けた。その後、ビーカーの周りを氷で冷やしながら、水300mlをゆっくりと加えた。続いて、濃度30%(w/v)の過酸化水素水18mlを加えて、20℃で30分間撹拌した。撹拌終了後、ビーカー内の液を4本の遠心瓶(500ml)に分けて入れ、遠心分離を行ってから上澄み液を除去して沈殿物を得た。沈殿物が残った遠心瓶に水を入れ、撹拌、振盪により沈殿物を分散させてから再度遠心分離を行う操作を、pHが4程度になるまで10回繰り返して、炭素原料(酸化グラフェン)が水に分散した分散体(1)を得た。
合成例2(酸化グラフェン(GO)分散体(2)の製造)
水浴に設置した1Lビーカーに濃硫酸300mlと鱗片状黒鉛(伊藤黒鉛工業製Z−5F)12gを投入し、撹拌翼で撹拌した。ビーカーの周りを氷で冷やしながら60gのKMnO4を徐々に加えた後、35℃まで昇温して、35℃で2時間撹拌を続けた。その後、ビーカーの周りを氷で冷やしながら、水300mlをゆっくりと加えた。続いて、濃度30%(w/v)の過酸化水素水30mlを加えて、20℃で30分間撹拌した。撹拌終了後、ビーカー内の液を4本の遠心瓶(500ml)に分けて入れ、遠心分離を行ってから上澄み液を除去して沈殿物を得た。沈殿物が残った遠心瓶に水を入れ、撹拌、振盪により沈殿物を分散させてから再度遠心分離を行う操作を、pHが4程度になるまで10回繰り返して、炭素原料(酸化グラフェン)が水に分散した分散体(2)を得た。
実施例1(Si/rGO複合体(1)の製造)
0.4g相当の炭素原料を含有する合成例1で得られた分散体(1)をエタノール53mLに分散させ、更に(C1633)N(CHBr(CTAB)25mg、水16mL、Si(OC(TEOS)6mLを加えて室温下で4時間撹拌した。その後、HNNH(ヒドラジン)を2mL加え、85℃で4時間撹拌した。遠心分離を行い、上澄みを除去することにより沈殿物を得た。沈殿物を水洗し、遠心分離によって再び沈殿物を得る操作を3回繰り返して得られた沈殿物を50℃で一晩減圧乾燥した。乾燥物を乳鉢で粉砕して複合体(1)を得た。TG測定により、複合体(1)には、ケイ素が含まれていることが推定された。TEM観察(図1a、b)では非晶質粒子が多数観察された。このことから非晶質SiO粒子が生成したと考えられた。複合体(1)をXRD測定で評価したところ、XRD(図2)ではケイ素の単体やケイ素を含む化合物に帰属されるピークが観測されなかった。このことから、ケイ素がアモルファス状態で含まれていることが確認された。
比較例1〜4(Fe/rGO複合体(比較1〜4)の製造(ヒドラジン還元))
100mLの水中に1g相当の炭素原料を含有する合成例1で得られた分散体(1)とFeSO・7HOとをそれぞれ1、5、10、20mmol加えた4種類の試料混合液を作成した。これらの試料混合液に対し、室温下、大気中で2時間攪拌した。その後、それぞれの試料混合液に対して遠心分離を行い、上澄みを除去することにより沈殿物を得た。沈殿物を水洗し、遠心分離によって再び沈殿物を得る操作を3回繰り返し、得られた沈殿物を100mLの水に分散させ、ヒドラジンを1mL加えて90℃で2時間加熱攪拌した。その後、遠心分離と水洗を3回繰り返してから、吸引ろ過により試料回収を行い、真空凍結乾燥で乾燥させ、乳鉢で粉砕し、複合体(比較1)〜(比較4)を得た。FeSO・7HOを1mmol加えた試料混合液から得られた複合体(比較1)中の生成した金属酸化物の同定をXRDで行い、FeSO・7HOを1、5、10mmol加えた試料混合液から得られた複合体(比較1)〜(比較3)中の生成粒子の形状、粒子径をTEMを用いて分析した。
XRD測定の結果(図3)、1mmol試料の生成物はγ−Feであることが判った。TEM観察の結果(図4a−c)、1mmol及び5mmolの試料では数nmの微粒子と50nm程度の粒子が混在し一部はかなり凝集していた。一方10mmolの試料では針状の粒子が一様に分散して生成していた。
XRDにおいて、複合体(比較1)〜(比較4)のすべてでγ−Fe由来のピークが確認され、当該ピークからScherrerの式により算出した結晶子径が、すべて1nm以上であったことから、これらの試料では、Feはアモルファス状態となっていないことが確認された。
XPS測定によって得られた複合体(比較2)のO1s領域のスペクトル(ナロースキャン、ピーク分離済み)を図5に、C1s領域のスペクトル(ナロースキャン、ピーク分離済み)を図6に示す。図5及び6より、複合体(比較2)のXPSスペクトルにおける、O1s領域の全ピーク面積とC1s領域の全ピーク面積との比率は0.222(1/4.50)であり、C1sスペクトルのC−O結合由来のピークの面積と炭素原子間の結合由来のピークの面積との比率は0.407(4.07/10)であった。また、複合体(比較2)のXPSスペクトルにおける、Fe2p領域の全ピーク面積とO1s領域およびC1s領域の全ピーク面積との比率は0.040(1/25.00)であった。
実施例2(Fe/rGO複合体(2)の製造(加熱還元))
1g相当の炭素原料を含有する合成例1で得られた分散体(1)を水100mlに分散させ、更に硫酸鉄(FeSO・7HO)を5mmol加えて室温で2時間撹拌した。その後、遠心分離を行い、上澄みを除去することにより沈殿物を得た。この沈殿物を水洗し、遠心分離する操作を3回繰り返し、得られたペースト状の沈殿物を凍結乾燥した後、乳鉢で粉砕した。粉砕後の試料0.5gを入れたアルミナボートを焼成炉に入れ、窒素雰囲気下で5℃/min昇温速度で300℃まで昇温し、温度が300℃に到達した後、そのままの温度で1時間保持して焼成処理を行った。焼成処理後、炉内の温度が室温になってから試料を取出し、乳鉢で粉砕して複合体(2)を得た。TG測定の結果、複合体(2)の鉄量は、9.4wt%(Feとして13.4wt%)であった。XPS測定によって得られた複合体(2)のO1s領域のスペクトル(ナロースキャン、ピーク分離済み)を図7に、C1s領域のスペクトル(ナロースキャン、ピーク分離済み)を図8に示す。図7及び8より、複合体(2)のXPSスペクトルにおける、O1s領域の全ピーク面積とC1s領域の全ピーク面積との比率は0.448(1/2.23)であり、C1sスペクトルのC−O結合由来のピークの面積と炭素原子間の結合由来のピークの面積との比率は0.450(4.50/10)であった。また、複合体(2)のXPSスペクトルにおける、Fe2p領域の全ピーク面積とO1s領域およびC1s領域の全ピーク面積との比率は0.122(1/8.20)であった。
実施例3(Fe/rGO複合体(3)の製造(光還元))
1g相当の炭素原料を含有する合成例1で得られた分散体(1)を水100mlに分散させ、更に硫酸鉄(FeSO・7HO)を5mmol加えて室温で2時間撹拌した。その後、遠心分離を行い、上澄みを除去することにより沈殿物を得た。この沈殿物を水洗し、遠心分離する操作を3回繰り返し、得られたペースト状の沈殿物をアルミ箔上に、ドクターブレード(100mm)を用いて塗布した。風乾後、塗布部を1.5×5cmの面積に切り取った。切り取った塗布膜に、カメラ用ストロボ(MINOLTA PROGRAM 4000AF)を用いて光照射した。光照射後、アルミ箔から試料を剥離させて回収し、乳鉢で粉砕して複合体(3)を得た。TG測定の結果、複合体(3)の鉄量は、9.5wt%(Feとして13.6wt%)であった。XPS測定によって得られた複合体(3)のO1s領域のスペクトル(ナロースキャン、ピーク分離済み)を図9に、C1s領域のスペクトル(ナロースキャン、ピーク分離済み)を図10に示す。図9及び10より、複合体(3)のXPSスペクトルにおける、O1s領域の全ピーク面積とC1s領域の全ピーク面積との比率は0.389(1/2.57)であり、C1sスペクトルのC−O結合由来のピークの面積と炭素原子間の結合由来のピークの面積との比率は0.630(6.30/10)であった。また、複合体(3)のXPSスペクトルにおける、Fe2p領域の全ピーク面積とO1s領域およびC1s領域の全ピーク面積との比率は0.094(1/10.64)であった。
比較例5(Fe/rGO複合体(比較5)の製造(NaBH還元))
1g相当の炭素原料を含有する合成例1で得られた分散体(1)を水100mlに分散させ、更に硫酸鉄(FeSO・7HO)を5mmol加えて室温で2時間撹拌した。その後、遠心分離を行い、上澄みを除去することにより沈殿物を得た。この沈殿物を水洗し、遠心分離する操作を3回繰り返し、得られた沈殿物を100mLの水に分散させ、攪拌しながらNaCOを加えて、pHを9〜10に調整した。続いて、NaBHを800mg加えて80℃で2時間加熱攪拌した。その後、遠心分離と水洗を3回繰り返してから、吸引ろ過により試料回収を行い、真空凍結乾燥で乾燥させ、乳鉢で粉砕し、複合体(比較5)を得た。
比較例6(炭素材料(比較6)の製造(ヒドラジン還元))
1g相当の炭素原料を含有する合成例1で得られた分散体(1)を水100mlに分散させ、ヒドラジンを1mL加えて90℃で2時間加熱攪拌した。その後、遠心分離と水洗を3回繰り返してから、吸引ろ過により試料回収を行い、真空凍結乾燥で乾燥させ、乳鉢で粉砕し、炭素材料(比較6)を得た。XPS測定の結果、炭素材料(比較6)のXPSスペクトルにおける、C1sスペクトルのC−O結合由来のピークの面積と炭素原子間の結合由来のピークの面積との比率は0.776(7.76/10)であった。
複合体(2)、(3)及び(比較5)の評価はXRD、XPS、TEMの各測定により行った。比較のため、複合体(比較2)(FeSO・7HOを5mmol加えた試料混合液をヒドラジン還元して得られた)についても同じ測定を行った。
XRD測定(図11)の結果、 ヒドラジン還元の場合はγ−Feの結晶が確認されたが、そのほかの試料では酸化鉄系の結晶は確認されなかった。またNaBH還元試料には2θ=10°付近にピークが検出された。これは、酸化グラフェン由来のピークであると考えられる。XPS測定の結果(図12)からもNaBH還元試料はClsの286.6eV付近のC−Oと考えられるピーク、O1s領域の532eV付近のC−O−Cと考えられるピークが観測され、酸化グラフェンの還元が充分に進んでいないと考えられる。一方ヒドラジン還元試料は、Clsの領域においてもC−O、C=O(288ev付近)と考えられるピークはほとんどなく、またO1sの領域では全体のピークが小さくなっており、よく還元されていることがわかった。熱還元、光還元ではO1s領域でC−O−Cと考えられるピーク(532.5eV付近)が顕著に減り、C=Oと考えられるピーク(531.5eV付近)、C−O と考えられるピーク(533.5eV)がかなり残っていた。これらの還元方法はヒドラジン還元とは明らかに結果が異なっており、選択的にC−O−Cを還元する可能性が示唆された。
TEMによる粒子形態観察(図13a−d)では熱還元試料(図13c)には粒子が確認されず、 ヒドラジン還元試料(図13a)とNaBH還元試料(図13b)、そして光還元試料(図13d)に粒子の存在を確認出来た。 熱還元試料、 光還元試料はヒドラジン還元試料と比べて小さな粒子が広範囲に一様に散らばって存在していた。
XRD測定の結果から、N雰囲気下で300℃の加熱還元、及び、カメラ用ストロボを照射による光還元の方法では、ヒドラジン還元の場合のようなγ−Fe由来のピークは確認されず、鉄の単体や鉄を含む他の化合物に帰属されるピークも観測されなかったことから、鉄はアモルファス状態となっていることが確認された。NaBHによる還元では、γ−Fe由来のピークは確認されず、鉄はアモルファス状態となっていることが確認された。
充放電特性評価
実施例2、3、比較例5、6で得られた試料を活物質として用いて、ハーフセルを構成し、充放電試験を行った。充放電試験は、比較例2のヒドラジン還元の試料についても行った。ハーフセルの作製方法及び充放電試験の方法は以下の通りである。
以下の方法により実施した充放電試験の結果を図14及び図15に示す。図15には、実施例2、3、比較例2の試料と、Feと複合化していない比較例6の炭素材料(比較6)の充放電試験の結果を示した。鉄がアモルファス状態となっている光還元、熱還元の試料では電池容量、サイクル特性とも良好な特性を発揮した。一方、ヒドラジン還元、NaBH還元試料では、電気容量が低い結果となった。サイクル特性は、光還元試料が最も容量が多い結果となった。
<ハーフセルの作製方法>
活物質(複合体試料)100−150mg程度を量りとり、1−methyl−2−pyrrolidinone(NMP、SIGMA−ALDRICH)を0.1−0.5ml加え、ミキサー(あわとり練太郎、AR−100、株式会社シンキー)でペースト状にしたポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF、KF POLYMER #9130、株式会社クレハ)を、活物質:PVDFが9:1になるように秤量してから加え、ミキサーで混合してペーストを得た。このペーストをガラス板上に広げた銅箔の上に、ドクターブレード(100mm)で塗り広げ、室温で減圧乾燥を2〜3日間行った。乾燥体を16mmφのパンチで打ち抜き、ロールプレス機でプレスして電極とした。電極の重量を計測した後、コインセル2032の正極缶に電極を入れ、それをシュレンク管に入れて、そのまま120℃で一晩減圧乾燥を行った。シュレンク管内を真空に保ったまま、アルゴン雰囲気下のグローブボックスの中に入れた。グローブボックス内で、電極が入った正極缶をシュレンク管から取り出し、対極にリチウム箔、セパレータにガラス繊維フィルター(257nm、Whatman)、電解液に1M−LiPF(溶媒はEC:DMC=1:1)を用いて、コインセルを組み立てた。これを25℃で大気中に一晩置き、測定セルとした。
<充放電試験の方法>
充放電測定は、HOKUTO HJ1001SD8充放電装置(北斗電工社製)を使用し、100mA/gの定電流で行い、カットオフ電圧は0.01−3V、休止時間は2時間とした。評価は、25℃のデシケータ内、大気下で行った。
実施例4(Fe/rGO複合体(4)の製造(光還元))
1g相当の炭素原料を含有する合成例2で得られた分散体(2)を水100mlに分散させ、更に硫酸鉄(FeSO・7HO)を10mmol加えて室温で2時間撹拌した。その後、遠心分離を行い、上澄みを除去することにより沈殿物を得た。この沈殿物を水洗し、遠心分離する操作を3回繰り返し、得られたペースト状の沈殿物をアルミ箔上に、ドクターブレード(100mm)を用いて塗布した。風乾後、塗布部を5×8cmの面積に切り取った。切り取った塗布膜に、ステージ照明用ストロボライト(ST−3000 DMX(PS LASER))を用いて光照射した。光照射後、アルミ箔から試料を剥離させて回収し、乳鉢で粉砕して複合体(4)を得た。TG測定の結果、複合体(4)の鉄量は、16.0wt%(Feとして22.9wt%)であった。
比較例7(Fe/rGO複合体(比較7)の製造(ヒドラジン還元))
1g相当の炭素原料を含有する合成例2で得られた分散体(2)を水100mlに分散させ、更に硫酸鉄(FeSO・7HO)を10mmol加えて室温で2時間撹拌した。その後、遠心分離を行い、上澄みを除去することにより沈殿物を得た。この沈殿物を水洗し、遠心分離する操作を3回繰り返し、得られた沈殿物を水100mlに分散させ、ヒドラジンを1mL加えて90℃で2時間加熱攪拌した。その後、遠心分離と水洗を3回繰り返してから、吸引ろ過により試料回収を行い、真空凍結乾燥で乾燥させ、乳鉢で粉砕し、複合体(比較7)を得た。TG測定の結果、複合体(比較7)の鉄量は、9.5wt%(Fe2O3として13.6wt%)であった。
比較例8(Fe/rGO複合体(比較8)の製造(還元処理なし))
1g相当の炭素原料を含有する合成例2で得られた分散体(2)を水100mlに分散させ、更に硫酸鉄(FeSO・7HO)を10mmol加えて室温で2時間撹拌した。その後、遠心分離を行ない、上澄みを除去することにより沈殿物を得た。この沈殿物を水洗し、遠心分離する操作を3回繰り返し、得られた沈殿物を真空凍結乾燥で乾燥させ、乳鉢で粉砕し、複合体(比較8)を得た。
複合体(4)、(比較7)及び(比較8)は、XRD、TEM、STEM、XAFSを用いて分析検討した。
XRD測定の結果(図16)、複合体(4)は2θ=24°付近と43°付近にブロードなピークが検出されるのみであり、ヒドラジン還元の時のような酸化鉄ピークは現れず、鉄の単体や鉄を含む他の化合物に帰属されるピークも観測されなかったことから、鉄はアモルファス状態となっていることが確認された。ヒドラジン還元を行った場合、複合体(比較2)ではγ−Feが生成し、複合体(比較7)ではα−Feが生成した。複合体(比較7)のα−FeのピークからScherrerの式により算出した結晶子径は、1nm以上であったことから、この試料では、Feはアモルファス状態となっていないことが確認された。また、複合体(比較7)には2θ=13°,20°付近に不明なピークが検出された。TEM観察(図17a−d)ではまず還元処理をしていない複合体(比較8)(図17a)には粒子が観察されなかったことから、還元前には酸化鉄粒子は生成しないものと考えられた。
複合体(4)(図17c)ではぼんやりしたまるい粒子が点在している様子が観察された。これはヒドラジン還元試料の粒子形態(図17b)とも異なり、カメラストロボで光還元した複合体(3)の粒子形態(図13d)とも異なっていた。HAADF−STEM像(図17d)では多くのFeが分散している様子が観察され、一部は5−10nmの粒子として存在しているが、多くがTEMで観察不可能な状態で存在していることがわかった。そこでFeの存在状態をXAFSで解析した(図18a、b)。XANESスペクトル(図18a)の吸収端E0の値を二価のFeSO、三価のα−Fe及びγ−Feと比較すると、 光還元試料、 ヒドラジン試料共に価数は三価であるということがわかった。 またα−Fe, γ−Feと比較して複合体(4)のフーリエ変換処理後のEXAFSスペクトル(図18b)の第二配位圏に秩序性が見られないことから、複合体(4)では、第二配位圏にFeが存在せず、Feは単核の状態であることが確認された。
これらの測定結果から、光還元により製造されたFe/rGO複合体は、鉄がアモルファス状態にあることが確認された。

Claims (8)

  1. 炭素、酸素、及び、金属元素を構成元素として含む炭素−金属複合体を製造する方法であって、
    該炭素−金属複合体は、酸素と結合した炭素を有し、
    Fe元素をアモルファス状態で含み、
    該製造方法は、酸素と結合した炭素を有する炭素材料とFe単体又はFe元素を有する金属化合物とを混合する混合工程と、
    該炭素材料とFe単体又はFe元素を有する金属化合物との混合物を不活性ガス雰囲気下で加熱する方法または光を照射する方法のいずれかの方法で還元する還元工程とを含む
    ことを特徴とする炭素−金属複合体の製造方法
  2. 前記炭素−金属複合体は、Fe元素を炭素−金属複合体全体に対して1〜40質量%の割合で含むことを特徴とする請求項1に記載の炭素−金属複合体の製造方法
  3. 前記炭素−金属複合体は、XPS測定で得られるO1s領域の全ピーク面積とC1s領域の全ピーク面積との比率が、1/20〜1/1であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素−金属複合体の製造方法
  4. 前記炭素−金属複合体は、XPS測定で得られるC1sスペクトルのC−O結合由来のピークの面積と炭素原子間の結合由来のピークの面積との比率が1/10〜10/10であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭素−金属複合体の製造方法
  5. 前記炭素−金属複合体中におけるFe元素は、0価より大きい正の価数を有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の炭素−金属複合体の製造方法
  6. 前記炭素−金属複合体中におけるFe元素は、単核の状態であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の炭素−金属複合体の製造方法
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の炭素−金属複合体の製造方法で得られた炭素−金属複合体用いることを特徴とする電極活物質の製造方法
  8. 請求項に記載の電極活物質の製造方法で得られた電極活物質を用いて構成ることを特徴とする電池の製造方法
JP2015047409A 2015-03-10 2015-03-10 炭素−金属複合体 Active JP6476019B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015047409A JP6476019B2 (ja) 2015-03-10 2015-03-10 炭素−金属複合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015047409A JP6476019B2 (ja) 2015-03-10 2015-03-10 炭素−金属複合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016166113A JP2016166113A (ja) 2016-09-15
JP6476019B2 true JP6476019B2 (ja) 2019-02-27

Family

ID=56897265

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015047409A Active JP6476019B2 (ja) 2015-03-10 2015-03-10 炭素−金属複合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6476019B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6961294B2 (ja) * 2017-04-11 2021-11-05 株式会社日本触媒 薄片状物質の製造方法
JP7254544B2 (ja) * 2018-09-14 2023-04-10 株式会社日本触媒 高く構造制御された有機無機複合体
JP7254545B2 (ja) * 2018-09-14 2023-04-10 株式会社日本触媒 高く構造制御された有機無機複合体
CN110422845A (zh) * 2019-08-08 2019-11-08 哈尔滨师范大学 高纯相的二维Nb2C材料的制备方法及其应用

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6339528B1 (en) * 1999-09-16 2002-01-15 Ness Capacitor Co., Ltd. Metal oxide electrode for supercapacitor and manufacturing method thereof
US20110038100A1 (en) * 2009-08-11 2011-02-17 Chun Lu Porous Carbon Oxide Nanocomposite Electrodes for High Energy Density Supercapacitors
KR101337994B1 (ko) * 2010-04-14 2013-12-06 한국과학기술원 그래핀/금속 나노 복합 분말 및 이의 제조 방법
JP5806596B2 (ja) * 2011-11-15 2015-11-10 株式会社日本触媒 複合体及びその製造方法
JP5357346B1 (ja) * 2013-01-15 2013-12-04 株式会社Micc Tec 還元型酸化グラフェンの製造方法
JP2014172792A (ja) * 2013-03-11 2014-09-22 Toray Ind Inc パターン加工されてなる芳香族炭素膜およびその製造方法
WO2014157503A1 (ja) * 2013-03-29 2014-10-02 日本電気株式会社 リチウム二次電池用負極炭素材料、リチウム二次電池用負極およびリチウム二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016166113A (ja) 2016-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101902071B1 (ko) 음극 활물질 입자 및 이의 제조방법
JP4954865B2 (ja) 改善された電気化学特性を有する負極活物質及びこれを含む電気化学素子
JP4782856B2 (ja) 電極材料とその製造方法、及び、リチウムイオン二次電池
US11462731B2 (en) Lithium metal oxide, negative electrode active material for lithium secondary battery comprising the same, and method of preparing the same
TWI753938B (zh) 蓄電裝置用電極材料、蓄電裝置用電極及蓄電裝置
JP5756781B2 (ja) シリコン複合体及びその製造方法と負極活物質及び非水系二次電池
JPWO2007043665A1 (ja) リチウムリン酸鉄とカーボンとの混合体、それを備えた電極、その電極を備えた電池、その混合体の製造方法、及び電池の製造方法
WO2018003150A1 (ja) シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン、その焼成物、及びそれらの製造方法
JP6476019B2 (ja) 炭素−金属複合体
JP7345125B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法
WO2014196615A1 (ja) リチウムイオン二次電池用正極材料及びその製造方法
JP2020068191A (ja) リチウム二次電池用複合活物質およびその製造方法
WO2015182123A1 (ja) シリコン材料及び二次電池の負極
WO2015068351A1 (ja) 負極活物質及び蓄電装置
JP6727558B2 (ja) シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物、リチウムイオン電池用負極活物質、リチウムイオン電池用負極、及びリチウムイオン電池
Penki et al. Polymer template-assisted microemulsion synthesis of large surface area, porous Li 2 MnO 3 and its characterization as a positive electrode material of Li-ion cells
Zhang et al. Synthesis of LiNi 1/3 Co 1/3 Mn 1/3 O 2 cathode material by a modified sol–gel method for lithium-ion battery
JP6065678B2 (ja) 負極活物質とその製造方法及び蓄電装置
JP6136326B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極材料及びその製造方法
CA3145312A1 (en) Nanoporous lithium vanadium fluorophosphate materials and cathodes for fast charging li-ion batteries
CA2950251C (en) Silicon material and negative electrode of secondary battery
JP7459369B2 (ja) 改質シリコン材料及び製造方法、負極材料、負極極板、二次電池、電池モジュール、電池パック並びに電力消費装置
CN117038995B (zh) 正极活性材料及其制备方法、正极极片、电池及用电装置
JP7490590B2 (ja) 負極及び負極の製造方法
CN113078290B (zh) 正极极片及包含该正极极片的电化学装置、电子装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6476019

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250