JP6476003B2 - 自動分析システム - Google Patents

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Description

本発明は、血液、尿などの試料の定性・定量を行う自動分析システムに関し、特に、個々の測定を独立して行う測定ポートを有し、血液凝固時間測定等を行う自動分析システム及び自動分析方法に関するものである。
近年、臨床検査の分野では、緊急検査の結果報告時間の短縮が求められている。このニーズに対応するため、各種自動分析装置では、検体を緊急度に応じて通常検体と緊急検体に区分して管理し、緊急検体が依頼された場合には、投入順に測定される通常検体を追い越して優先的にサンプリングを開始させることで、結果報告までの時間の短縮を図っている。
例えば、特許文献1には、複数の検体容器を収容する検体ラックを複数搬送可能な検体搬送機構を備え、検体搬送機構上に既に設置された複数の検体ラックを後退させ、先頭に緊急検体ラックを設置可能とする構成が開示されている。
また、特許文献2には、略円弧状に複数の反応容器を配し、反応容器毎に透過光を測定する測定部を備え、血液凝固反応過程を同時に計測する構成が開示されている。
特開2010−181384号公報 特開2000−321286号公報
特許文献1では、検体搬送機構において緊急検体ラックをその先頭に設置可能とする構成が開示されるものの、測定部における通常検体計測との関係についての開示は無く、通常検体に緊急検体が混在する状況での計測処理についは考慮されていない。従って、特許文献1に記載される構成では、不要に通常検体計測の遅延を招く恐れがある。
また、特許文献2では、複数の検体を同時に計測する構成であるものの、緊急検体計測に関する記載は無く、仮に、緊急検体計測が必要となる場合には、対をなす反応容器と測定部を所定数緊急検体用に予め確保しなければならず、通常時における自動分析装置のスループットの低下を招く恐れがある。また、自動分析装置全体での大型化が避けられない。
そこで本発明は、個々の測定を独立して行う測定ポートを有する自動分析システムにおいて、通常検体の分析スループットを維持しつつ、緊急検体への対応を可能とする自動分析システム及び自動分析方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の自動分析システムは、生体試料である検体に所定の試薬を添加し収容する反応容器と、前記反応容器毎に設置された測定部と、緊急検体を受け付ける緊急検体受付処理部を有し、前記測定部により測定される通常検体に対し、予め設定された通常検体測定スケジュールを、前記緊急検体受付処理部より入力される緊急検体数及び/又は緊急検体計測時間に基づき、少なくとも、前記緊急検体が測定部に搬送される前に、当該緊急検体を含む通常検体測定スケジュールを作成する制御装置と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の自動分析システムは、生体試料である検体に所定の試薬を添加し収容する反応容器と、前記反応容器毎に設置された測定部と、緊急検体を受け付ける緊急検体受付処理部を有し、少なくとも、前記緊急検体受付処理部より入力される緊急検体の計測時間、緊急検体数及び、予め設定された通常検体測定スケジュールに基づき、前記受け付けられた緊急検体を前記測定部へ搬送し、直ちに計測可能か否かを判定する制御装置と、を備え、前記制御装置は、判定結果を表示装置に出力することを特徴とする。
更にまた、本発明の自動分析方法は、生体試料である検体に所定の試薬を添加し収容する反応容器と、前記反応容器毎に設けられた測定部よりなる測定ポートを複数備え、前記測定ポート毎に所定の分析項目の測定を行う自動分析方法であって、緊急検体が受け付けられると、前記測定ポート毎に通常検体の分析終了時刻を算出し、前記緊急検体の分析開始予定時刻と前記算出された測定ポート毎の分析終了時刻とを比較し、前記緊急検体の分析開始予定時刻以下となる測定ポート数を抽出し、前記抽出された測定ポート数が前記緊急検体数を超える場合、当該差分に応じた測定ポートに通常検体の分析を割り付けることを特徴とする。
本発明によれば、個々の測定を独立して行う測定ポートを有する自動分析システムにおいて、通常検体の分析スループットを維持しつつ、緊急検体への対応を可能とする自動分析システムを提供することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態に係る自動分析システムの全体構成図である。 図1の自動分析システムにおける制御装置の概略構成図である。 図2に示す制御装置の機能ブロック図である。 検体情報データベース(DB)に格納される情報の一例を示す図である。 測定スケジュールデーダベース(DB)に格納される情報の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る実施例1による緊急検体設置時刻の予約画面の表示例である。 緊急検体設置前に行う準備作業設定画面の表示例である。 図7に示す設定された準備作業に基づき緊急検体設置予定時刻を推奨表示する画面の表示例である。 制御装置の処理フローであって、緊急検体割り込みによる通常検体分析可否判定処理フロー図である。 緊急検体到着時における各測定ポートでの分析状況を示すタイミングチャートである。 通常検体分析継続時における各測定ポートでの分析状況を示すタイミングチャートである。 リスケジューリング後における緊急検体到着時の各測定ポートでの分析状況を示すタイミングチャートである。 緊急検体設置予定時刻登録後の通常検体分析割付の状況を示すタイミングチャートである。 緊急検体設置予定時刻登録後の通常検体分析割付の状況を示すタイミングチャートである。 緊急検体設置予定時刻登録後の通常検体分析割付の状況を示すタイミングチャートである。 緊急検体設置予定時刻登録後の通常検体分析割付の状況を示すタイミングチャートである。 緊急検体の設置が登録された緊急検体設置予定時刻を超過する場合における通常検体分析割付の状況を示すタイミングチャートである。 本発明の他の実施例に係る実施例2による緊急検体設置時刻の予約画面の表示例である。 制御装置の処理フローであって、緊急検体着手可能時刻を求める処理フロー図である。 緊急検体到着予定時刻における各測定ポートでの分析状況を示すタイミングチャートである。
図1は、本発明の一実施形態に係る自動分析システムの全体構成図である。図1に示すように、自動分析システム1は、血液凝固時間等を測定する自動分析装置2、自動分析装置2を制御する制御装置3、反応容器移送機構制御部4、検体分注制御部5、試薬分注制御部6、及びA/D変換器7より構成される。
自動分析装置2は、複数の反応容器22が設置され反応容器22毎に設けられた検出部21を有する反応容器測定ポート20、複数の反応容器22が収容される反応容器供給部23、反応容器22を移送する反応容器移送機構25、試薬昇温機能付き試薬分注機構26、測定後の反応容器22を廃棄するための反応容器廃棄部27、複数の検体容器41を収容する検体ディスク40、検体分注機構28、及び複数の試薬容器43を収容する試薬ディスク42を備える。ここで、反応容器22として、ディスポーザブル反応容器が用いられ、検体間でのコンタミが防止される。また、検体に対する分析項目として、血液凝固時間測定が含まれる場合では、反応容器22内にフィブリンによる血餅の固化が生じるため、反応容器22をディスポーザブル反応容器とすることが望ましい。なお、図1では反応容器測定ポート20に設置される反応容器22の数を一例として5個の場合を示しているが、これに限られず、反応容器測定ポート20への反応容器22の配置数を所望の個数に増減させても良い。また、図1では、反応容器測定ポート20は、複数の反応容器22を1ライン上に配置する構成を示すが、これに限られず、円環状に複数の反応容器22を配するディスク状の構成としても良い。
次に、自動分析装置2の動作について説明する。反応容器測定ポート20に測定可能な空ポートが存在すると、反応容器移送機構25は、反応容器移送機構制御部4からの指令に応じて、未使用の複数の反応容器22を収容する反応容器供給部23上を2次元的に移動する。反応容器移送機構25は、所望の未使用の反応容器22の直上に到達すると、一旦停止し、続いて当該反応容器22を把持するために下方へと下降する(図1において奥行方向へ移動)。未使用の反応容器22を把持した後、反応容器移送機構25は、上昇し再び2次元的に移動し把持された反応容器22を検体分注ポジション24に設置する。その後、反応容器移送機構24は、所定の待機位置へと戻る。なお、図1では、反応容器移送機構25がロボットアームで構成される場合を示すが、これは、反応容器供給部23が複数の反応容器22をX,Y方向に2次元配列し収容する構成であることによる。従って、この構成に代えて、円環状に未使用の複数の反応容器22を収容する反応容器供給部23を用いる場合には、後述する検体分注機構28と同様に円弧状の起動に沿って回動するよう反応容器移送機構25を構成しても良い。
検体分注ポジション24に反応容器22が設置されると、検体分注機構28は、検体ディスク40に収容される複数の検体容器41の中から、測定対象となる検体を収容する検体容器41の直上へ、検体分注制御部5の指令に応じて、図1の破線円弧に示される軌道に沿って回動する。その後、検体分注機構28は、所定量の検体を吸引し、検体分注ポジション24に設置された反応容器22の直上へと回動し、当該反応容器22内へ所定量の検体を吐出する。
検体が分注された反応容器22は、反応容器移送機構25により検出部21を有する反応容器測定ポート20のうち、空いている反応容器測定ポート20へ移送される。反応容器測定ポート20は、図示しない加温機構を備えており、反応容器測定ポート20に移送された反応容器22内の検体は37℃まで昇温される。また、試薬分注機構26は、試薬分注制御部6の指令に応じて、上記反応容器測定ポート20へ移送された検体に対する分析項目に応じた試薬を収容する試薬容器42の直上へと移動する。ここで、試薬分注機構26は、図示しない試薬昇温機能を備えており、試薬容器42より所定量吸引した後、試薬を37℃にプリヒート(昇温)する。試薬分注機構26により、吸引され、37℃にプリヒートされた試薬は、反応容器測定ポート20に移送され、37℃まで昇温された検体を収容する反応容器22へ吐出される。このとき、試薬吐出勢い、すなわち、試薬分注機構26による試薬吐出圧により、反応容器22内の検体と試薬は攪拌され混合される。
ここで、例えば、反応容器22内で試薬と混合された検体に対する分析項目が、血液凝固時間測定である場合、検出部21による血液凝固時間測定が開始される。検出部21は、例えば、LED等、所望の波長の照射光を反応容器22へ照射する光源、光源からの照射光により試薬と混合された検体から発する散乱光あるいは透過光を検出する受光部(測定部)から構成される。以下では、散乱光測定方式により血液凝固時間を測定する場合を例に説明するが、透過光測定方式、又は、吸光度測定方式等、その他所望の測定方式を採用することができる。
検出部21により測定された散乱光は、A/D変換器7によってデジタル信号に変換され、測定値として制御装置3へ送信される。なお、血液凝固時間測定についての詳細は後述する。血液凝固時間測定が完了すると、反応容器移送制御部4の指令により、反応容器移送機構25は、待機位置から、反応容器測定ポート20中の血液凝固時間測定が完了した反応容器22の直上へと移動する。その後、反応容器移送機構25は、測定完了後の反応容器22を把持し、反応容器廃棄部27へと移動し、当該反応容器22を廃棄する。測定完了後の反応容器22が廃棄されると、反応容器測定ポート20には空ポートが確保されるため、当該空きポートを用いて次の検体に対する分析が実行される。
次に、図1に示す制御装置の構成について説明する。図2は、図1の自動分析システム1における制御装置3の概略構成図である。制御装置3は、プロセッサ30、測定スケジュールデータベース(以下、測定スケジュールDB)31、検体情報データベース(以下、検体情報DB)32、記憶装置33、I/Oインターフェース(IF)34、通信インターフェース(IF)35、これらを相互に接続する内部バス36を備える。また、制御装置3は、I/OIF34を介して接続される、例えば、キーボード又はマウス等の入力装置37、プリンタあるいは表示装置等の出力装置38を備える。
プロセッサ30は、CPUあるいはMPU等が用いられ、記憶装置33は、プロセッサ30により読み出され実行される各種プログラムを格納するROM、或いは、プロセッサ30による演算過程のデータを一時的に格納するRAM等により実現される。また、記憶装置33は、各操作者のパスワード、出力装置38を構成する例えば液晶表示装置あるいはCRTディスプレイ等の各画面の表示レベル、分析パラメータ、分析項目依頼内容、キャリブレーション結果、分析結果等の情報を記憶する。ここで、各種プログラムは、図1に示した、反応容器移送機構制御部4、検体分注制御部5、及び試薬分注制御部6を制御するための制御プログラム、更には、後述する各検体に対する測定スケジュールを設定するプログラム等が含まれる。プロセッサ30は、内部バス36を介して記憶装置33へアクセスし、上記制御プログラムを読み出し実行する。制御プログラムの実行により得られた、反応容器移送機構制御部4への指令、検体分注制御部5への指令、及び試薬分注制御部6への指令は、内部バス36及び通信IF35を介してそれぞれ出力される。また、A/D変換器7によりデジタル信号に変換された分析項目に対応する測定結果は、通信IF35を介して制御装置3内に取り込まれる。取り込まれた測定結果は、分析結果として記憶装置33に格納されると共に、I/OIFを介して出力装置38へ出力される。
図3に、図2に示す制御装置3の機能ブロック図を示す。図3では、制御装置3が実行する機能のうち、特に、複数の検体に対する測定スケジューリング機能のブロック図を示している。図3に示すように、制御装置3は、測定スケジュールDB31、検体情報DB32、スケジューラ44、緊急検体受付処理部45、緊急検体前処理登録部46、及びリスケジューラ47を有する。スケジューラ44は、検体情報DB32を参照し、通常検体毎に設定された分析項目の測定を、反応容器測定ポート20内の測定ポート毎に割り付け(測定スケジュールの作成)、測定スケジュールDB31に格納する。リスケジューラ47は、緊急検体受付処理部45により緊急検体の受け付けが検出されると、当該緊急検体に対する分析項目及び、緊急検体前処理登録部46にて登録された内容、すなわち、当該緊急検体に対し施されるバーコード貼付、遠心分離、及び検体分取等の準備作業工程(前処理)に基づき、測定スケジュールDBに格納されるポート毎の測定スケジュールをリスケジューリングする。
ここで、測定スケジュールDB31及び検体情報DB32内の格納情報について説明する。図4は、検体情報DB32に格納される情報の一例を示す図であり、図5は、測定スケジュールDB31に格納される情報の一例を示す図である。
図4に示すように、検体情報DB32は、測定対象である検体を特定する「検体ID」毎に、例えば、「分析項目」、「分析時間」、「検体容器位置」、及び分析項目に対応して使用される「試薬」を紐付けて格納する。「検体容器位置」は、図1に示す検体ディスク40内における検体容器41の位置を示す情報である。図4に示すように、例えば、「検体ID」が“AAAA”の検体(通常検体)については、「分析項目」として、“血液凝固項目A”及び“血液凝固項目B”が設定されている。すなわち、異なる2種類の分析項目の測定を必要とする検体であることを意味している。血液凝固項目Aの測定に要する時間である「分析時間」は“T1”であり、血液凝固項目Bの測定に要する時間である「分析時間」は“T2”である。また、「検体容器位置」は、座標“X1,Y1”であり、この座標にて特定される検体ディスク40内の検体容器41内に、「検体ID」が“AAAA”で特定される通常検体が収容されていることが分かる。また、「試薬」欄に示されるように、血液凝固項目Aの測定では試薬R1が、また、血液凝固項目Bの測定では試薬R2が使用されことが分かる。なお、図4では、検体情報DBに格納される情報として、「検体ID」、「分析項目」、「分析時間」、「検体容器位置」及び「試薬」を示すが、これに限られず、更に、「試薬容器位置」等、必要に応じて適宜格納するよう構成すれば良い。また、「検体容器位置」を特定する情報として(X,Y)座標を用いる例を示すが、これに代えて、検体ディスク40に基準位置を設定し、この基準位置からの回転角度にて検体容器41の位置を特定しても良い。
また、図4では、「検体ID」が“BBBB”で特定される通常検体については、「分析項目」は“血液凝固項目A”のみが設定された場合を例示している。ここで、「分析時間」は、上述の反応容器22への検体分注(吐出)、反応容器測定ポート20への反応容器22の設置、試薬分注(反応容器22への試薬の吐出)、検出部21による測定、及び測定完了後の反応容器22の廃棄までに要する時間の総計である。また、例えば、血液凝固項目Aの測定に要する分析時間T1は10分であり、血液凝固項目Bの測定に要する分析時間T2は5分である。
図5に示すように、測定スケジュールDB31は、反応容器測定ポート20を構成する「測定ポート」毎に、例えば、「検体ID」、「分析項目」、「分析時間」、「分析開始時刻(t)」、及び「分析終了時刻(t)」を紐付けて格納する。図5では、説明の便宜上、「分析項目」として“血液凝固項目A”のみが設定された場合を示している。“測定ポート1”では、「検体ID」が“AAAA”で特定される通常検体に対し、“14:55”より血液凝固時間測定のための分析動作が開始(反応容器22への検体分注)し、“15:05”に分析動作が終了(測定完了後の反応容器22の廃棄)することを示している。また、同様に、“測定ポート2”では、「検体ID」が“BBBB”で特定される通常検体に対し、“14:56”より血液凝固時間測定のための分析動作が開始し、“15:06”に分析動作が終了することを示している。また、図5に示すように、時刻“15:05”にて、「検体ID」が“AAAA”で特定される通常検体の血液凝固時間測定のための分析動作が終了し、空きポートとなる“測定ポート1”には、「検体ID」が“FFFF”で特定される通常検体の血液凝固項目Aの測定が割り付けられ、時刻“15:05”より血液凝固時間測定のための分析動作が開始される。
このように、スケジューラ44は、図4に示す検体情報DB32を参照し、少なくとも、「検体ID」、「分析項目」、及び「分析時間」を参照し、反応容器測定ポート20内の各測定ポートに「検体ID」及び「分析項目」を割り付けると共に、「分析時間」に基づいて、図5に示す「分析開始時刻(t)」及び「分析終了時刻(t)」を求め、通常検体の測定スケジュールを作成し、測定スケジュールDB31に格納する。
図1では、反応容器測定ポート20にて、血液凝固時間測定のみを行う構成としたが、これに限られない。例えば、反応容器測定ポート20を用いて、血液凝固時間測定及び生化学分析を行うよう構成しても良い。また、図1に示す自動分析装置2に加え、他に生化学自動分析装置を設置し接続し、自動分析システム1を形成する構成としても良い。
以下、血液凝固項目Aを分析項目とし、緊急検体が受け付けられた場合を例に、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
図6は、本発明の一実施例に係る実施例1による緊急検体設置時刻の予約画面の表示例である。緊急検査を行う対象の検体である、緊急検体が検査室に到着すると、図6に示すように、出力装置38(図2)を構成する表示装置の画面上に、緊急検体設置時刻予約画面201及び現在時刻「15:20」が表示される。緊急検体設置時刻予約画面201は、緊急検体設置予定時刻入力領域202と測定項目数入力領域203から構成される。ここで、測定項目数とは、緊急検体数のことである。操作者は、緊急検体の測定準備を行う前に、先ず、緊急検体設置時刻入力領域202に、自動分析システム1に緊急検体を設置する予定時刻を入力する。また、このとき操作者は、緊急検体数を測定項目数入力欄203に入力する。図6では、2体の緊急検体が時刻15:20に自動分析システムに設置されることを示している。操作者は、緊急検体設置予定時刻入力領域202及び測定項目数入力領域203の入力内容に誤りがないことを確認すると、「登録」ボタンをマウス等の入力装置37によりクリックする。ここで、仮に、入力した緊急検体設置予定時刻及び/又は測定項目数に誤りがある場合には、「キャンセル」ボタンをマウス等によりクリックすることで、再度、緊急検体設置予定時刻入力領域202及び測定項目数入力領域203に、所望の時刻及び緊急検体数を入力することが可能な状態となる。このように、緊急検体設置時刻予約画面201の表示、入力される緊急検体設置予定時刻及び測定項目数の受け付けは、上述の図3に示す緊急検体受付処理部45にて実行される。
なお、操作者によって、緊急検体設置予定時刻入力領域202に入力される時刻は、緊急検体の測定前に操作者が行う準備作業である、緊急検体の遠心分離、検体容器41への分取処理、及び分取後の検体容器41へのバーコードの貼付等が完了し、準備作業完了後の緊急検体を分析システム1に設置しスタートできる時刻となる。ここで、緊急検体設置時刻の入力の仕方として、緊急検体設置予定時刻入力領域202に、キーボード等の入力装置37により直接「時」、「分」を入力する構成あるいは、「時」及び「分」をプルダウンメニューから選択し入力する構成のいずれとしても良い。また、緊急検体を自動分析システム1に設置する予定時刻に替えて、緊急検体を自動分析システム1に設置するまでの時間[分]としても良く、特にその単位に限定はしない。
図7に、緊急検体設置前に行う準備作業設定画面の表示例を示し、図8に、図7に示す設定された準備作業に基づき緊急検体設置予定時刻を推奨表示する画面の表示例を示す。図7に示すように、出力装置38を構成する表示装置の画面上に、緊急検体設置前準備設定画面301が表示される。緊急検体設置前準備設定画面301は、前準備作業の登録有無指定領域302、前準備作業工程候補表示領域303、と前準備作業工程作業時間入力領域303から構成される。操作者は、検査室に到着した緊急検体に対し、測定前に行うべき準備作業工程を、前準備作業工程候補表示領域303に表示される候補の中から選択し、該当する作業工程候補の左欄の前準備作業の登録有無指定領域302にマウス等の入力装置37を介してチェックし、「登録」ボタンをマウス等によりクリックすることで、緊急検体に対する前準備作業工程を容易に登録できる。図7に示す例では、緊急検体に対する前準備作業工程として、「遠心分離」、「検体分取」、及び「バーコード貼付」が選択された状態を示しており、それぞれの作業時間は「10分」、「8分」、「2分」である。このように、緊急検体設置前準備設定画面301の表示、操作者により選択された前準備作業工程の受け付け、及びその登録処理は、上述の図3に示す緊急検体前処理登録部46にて実行される。
図7に示す画面表示状態にて、上述のように「登録」ボタンがクリックされると、図8に示す緊急検体設置時刻予約画面201に遷移する。図8に示すように、緊急検体設置時刻予約画面201は、図6と同様に、緊急検体設置予定時刻入力領域202及び測定項目数入力領域203を有する。緊急検体設置時刻予約画面201は、更に、緊急検体に対し実施される前準備作業工程表示領域305を備える。この前準備作業工程表示領域305に表示される情報は、上述の図7にて登録された内容である。また、図8中の緊急検体設置予定時刻入力領域201には、図7にて登録された準備作業工程である「遠心分離」、「検体分取」及び「バーコード貼付」に要する作業時間の総計20分を現在時刻「15:00」に加算し、自動的に「15:20」が推奨時刻として表示される。図7及び図8の表示画面構成及び表示画面遷移とすることで、図6の表示画面構成の場合に比べ、操作者に対する緊急検体設置予定時刻入力の負荷が軽減される。
図9は、制御装置3(図1)の処理フローであって、緊急検体割り込みによる通常検体分析可否判定処理フロー図である。
上述の図6又は図8にて、「登録」ボタンがマウス等によりクリックされると、自動分析システム1は、緊急検体が設置される時刻と測定項目数(緊急検体数)を予め把握でき、緊急検体設置後、直ちに分析開始できるよう通常検体の測定スケジュールの割付チェックを開始する。
図3に示す制御装置3を構成するリスケジューラ47は、測定スケジュールDB31を参照し、反応容器測定ポート20を構成する測定ポートiの分析完了時刻(分析終了時刻t)を算出する(ステップS11)。リスケジューラ47は、ステップS11にて算出された測定ポートiの分析完了時刻が、緊急検体受付処理部45から取得される緊急検体設置予定時刻以下か否かを判定する(ステップS12)。判定の結果、測定ポートiの分析完了時刻が緊急検体設置予定時刻以下の場合にはステップS13へ進む。また、判定の結果、測定ポートiの分析完了時刻が緊急検体設置予定時刻より大の場合には、後述するステップS16へ進む。
ステップS13において、リスケジューラ47は、N=iか否かを判定する。すなわち、リスケジューラ47は、ステップS11及びステップS12の処理を、反応容器測定ポート20が有する全ての測定ポート(N個)について実行したか否かを判定する。ここで、図1に示す場合を一例とし、Nは5である。判定の結果、N=iでない場合、ステップS14へ進みiを1インクリメント(i=i+1)し、ステップS11へ戻る。また、判定の結果、全ての測定ポートについてステップS11及びステップS12の処理が完了している場合(N=iの場合)、ステップS15へ進む。
ステップS15にて、リスケジューラ47は、緊急検体用に使用可能な測定ポート数をカウントする。続いて、ステップS16にて、緊急検体の分析に必要な測定ポート数が、緊急検体設置予定時刻に使用可能な測定ポート数(ステップS15で得られた測定ポート数)以上か否かを、リスケジューラ47が判定する。判定の結果、緊急検体の分析に必要な測定ポート数よりも、緊急検体設置予定時刻に使用可能な測定ポート数が大の場合、ステップS18に進む。また、判定の結果、緊急検体の分析に必要な測定ポート数が、緊急検体設置予定時刻に使用可能なポート数以上の場合には、ステップS17に進む。
ステップS17では、今回の通常検体の分析完了時刻が緊急検体設置予定時刻以下か否かを、リスケジューラ47が判定する。判定の結果、今回の通常検体の分析完了時刻が緊急検体設置予定時刻以下の場合、ステップS18に進む。また、今回の通常検体の分析終了時刻が緊急検体設置予定時刻より大の場合には、ステップS19に進み、通常検体分析不可として、今回、通常検体の測定スケジュールを測定ポートに割り付けることなく処理を終了する。
ステップS18では、リスケジューラ47は、本タイミングで通常検体の分析を行っても、緊急検体設置時の分析に影響を与えないことから、通常検体分析可能とし、当該今回の通常検体に対応する通常検体測定スケジュールを、測定スケジュールDB31に登録し、通常検体の測定スケジュール割付チェックを終了する。
図10は、緊急検体到着時における各測定ポートでの分析状況を示すタイミングチャートである。図10に示すように、現在時刻が「15:00」のときの緊急検体到着時の分析状況401では、図6又は図8にて登録された緊急検体の設置予定時刻が15:20の状況で、「分析時間」が10分である通常検体の測定を連続して実施している状況である。この状況は、上述の図5に示す測定スケジュールDB31に格納される、1行目“測定ポート1”〜5行目“測定ポート5”のように、スケジューラ44が測定ポート毎に通常検体の測定スケジュールを割り付けた状況に対応する。また、図10に示す状況では、図9に示すステップS16において、リスケジューラ47は、緊急検体の分析に必要なポート数は2個、緊急検体到着予定時刻「15:20」に使用可能な測定ポート数は5個であり、ステップS18に進み、通常検体分析可能とし、通常検体の測定スケジュールを割り付ける。
図11は、図10に示す状態から通常検体分析を継続した場合における各測定ポートでの分析状況を示すタイミングチャートである。図11では、仮に、図9に示す通常検体の測定スケジュールの割付チェックを行うことなく、各測定ポートに、通常検体の測定スケジュールを継続的に割り付けた場合の状況を示している。図11の通常検体の分析を継続した場合の緊急検体設置予定時刻の状況402に示すとおり、緊急検体設置予定時刻「15:20」には、反応容器測定ポート20を構成する測定ポート1〜測定ポート5の全てにおいて空きがない。従って、このような状況下で仮に緊急検体を自動分析システム1に設置しても、測定ポートに空きが生ずる「15:25」まで、緊急検体に対する分析を着手できず、5分間のロスが発生してしまう。しかも、図6又は図8にて登録された「測定項目数(緊急検体数)」は2個であることから、更に、測定ポート2に空きが生ずる「15:26」まで2個目の緊急検体に対する分析を着手することができない。
これに対し、上述の図9に示すリスケジューラ47による通常検体測定スケジュール割付チェックを行うことにより、図12に示すリスケジューリング後における緊急検体到着時の各測定ポートでの分析状況を示すタイミングチャートとなる。すなわち、図12に示すように、登録された緊急検体設置予定時刻「15:20」において、測定ポート4及び測定ポート5は空き状態となり、緊急検体の分析に必要な測定ポート数(2個)分だけ測定ポートが確保され、2個の緊急検体を自動分析システム1に設置すると、直ちに分析に着手でき、緊急検体に対する分析結果を迅速に報告することが可能となる。
以下、更に、現在時刻の経過と共に、各測定ポートでの分析状況を説明する。図13は、図10に示す状態から5分経過後の状態、すなわち、現在時刻が「15:05」における緊急検体設置予定時刻登録後の通常検体分析割付の状況を示すタイミングチャートである。図13の現在時刻15:05の分析状況501に示すように、測定ポート1で測定していた通常検体の分析が完了し、測定ポート1は空き状態となることから、次の通常検体の分析で使用可能となる。ここで、通常の場合は、スケジューラ44が検体情報DB32及び測定スケジュールDB31を参照し、空き状態の測定ポート1に対し、次の通常検体の測定スケジュールを割り付ける。しかし、時刻「15:00」にて、図6又は図8に示すように、緊急検体設置予約時間「15:20」が登録されているため、リスケジューラ47は、上述の図9に示す通常検体の測定スケジュール割付チェック処理を実行する。図9に示すステップS11〜ステップS16までの処理を実行することにより、図13に示す状況では、緊急検体の分析に必要な測定ポート数は「2個」、緊急検体設置予定時刻「15:20」に使用可能なポート数は「5個」であり、ステップS18にて、全ての測定ポート1〜測定ポート5にて通常検体分析可能とし、各測定ポートへ次の通常検体の測定スケジュールを割り付け、通常検体の分析を継続して実施させる。なお、ここでの通常検体の測定は、「分析項目」が“血液凝固項目A”であり、「分析時間」がT1=10分である。
次に、図13に示す状態から11分経過後の状態、すなわち、現在時刻が「15:16」における緊急検体設置予定時刻登録後の通常検体分析割付の状況を示すタイミングチャートを図14に示す。同様にリスケジューラ47は、図9のステップS11〜ステップS16までの処理を実行する。このとき、測定ポート1は、通常検体の分析終了時刻(t)が「15:25」と、緊急検体設置予定時刻である「15:20」を超えているため、緊急検体設置予定時刻に使用可能な測定ポート数は「4個」となる。しかし、緊急検体の分析に必要な測定ポート数は「2個」であるため、まだ使用可能な測定ポート数の方が多いことから、図13の場合と同様に、緊急検体設置時の分析に影響を与えないことから、測定ポート2へ次の通常検体の測定スケジュールを割り付け、通常検体の分析を開始させる。同様に、通常検体の分析終了時刻(t)が「15:17」である測定ポート3へ次の通常検体の測定スケジュールを割り付け、通常検体の分析を開始させる。
続いて、図14に示す状態から2分経過後の状態、すなわち、現在時刻が「15:18」における緊急検体設置予定時刻登録後の通常検体分析割付の状況を示すタイミングチャートを図15に示す。同様にリスケジューラ47は、図9のステップS11〜ステップS16までの処理を実行する。このとき、測定ポート1は通常検体の分析終了時刻(t)が「15:25」、測定ポート2は通常検体の分析終了時刻(t)が「15:26」、及び測定ポート3は通常検体の分析終了時刻(t)が「15:27」であり、いずれも、緊急検体設置予定時刻である「15:20」を超えており、緊急検体設置予定時刻に使用可能な測定ポート数は、測定ポート4及び測定ポート5の「2個」となる。従って、ステップS16では、緊急検体の分析に必要な測定ポート数と緊急検体設置予定時刻に使用可能な測定ポート数が同一であることから、ステップS17に進む。
ステップS17では、リスケジューラ47は次のように判定する。すなわち、測定ポート4に今回、次の通常検体の測定スケジュールを割り付けると、「分析時間」が10分であることから、測定ポート4での通常検体の分析終了時刻(t)は「15:28」となる。また、同様に測定ポート5に今回、次の通常検体の測定スケジュールを割り付けると、測定ポート5での通常検体の分析終了時刻(t)は「15:29」となり、これら測定ポート4及び測定ポート5での通常検体の分析終了時刻が緊急検体設置予定時刻「15:20」を超過することから、ステップS19へ進み、測定ポート4及び測定ポート5へ通常検体の測定スケジュールを割り付けることなく、割り付けチェックを終了する。すなわち、測定ポート4及び測定ポート5に対する通常検体の測定スケジュールの割付が待機状態となる。これにより、緊急検体設置予定時刻「15:20」に到達時、緊急検体を自動分析システム1に設置後、直ちに、緊急検体の分析を開始できる状況を確保できる。
図16に、図15に示す状態から更に2分経過後、すなわち、現在時刻が登録された緊急検体設置予定時刻「15:20」に達した時点での通常検体分析割付お状況を示すタイミングチャートである。図16の測定ポート4の分析スケジュールより明らかなように、緊急検体が自動分析システム1に設置後、直ちに緊急検体の分析が開始される。
なお、上述のとおり図9に示すステップS17では、今回の通常検体の分析完了時刻(測定スケジュールDB31に格納される分析終了時刻(t))を、図6又は図8にて登録された緊急検体の設置予定時刻と比較することにより、通常検体の測定スケジュールの割付け可否を判定する構成としたが、これに限られるものではない。例えば、登録された緊急検体の設置予定時刻に、予め定めた時間(Δt)の差分を求め、ステップS17にて、リスケジューラ47が、「今回の通常検体の分析完了時刻≦(登録された緊急検体設置予定時刻―Δt)」の関係を満たすか否かを判定する構成としても良い。この場合、Δtは、例えば、1分から2分の間で設定することが望ましい。これにより、通常検体の分析スループットを維持しつつ、緊急検体設置後、直ちに緊急検体の分析を開始することがより確実となる。
また、図4に示したように、同一の検体に対し、「血液凝固項目A」及び「血液凝固項目B」等の異なる種類の分析項目が設定され、或いは、異なる検体に、それぞれ異なる分析項目の測定が設定されている場合、「分析項目」に応じて「分析時間」が異なる。従って、このような場合において、図9に示すステップS17にて、仮に、ある「分析項目」に対応する通常検体の分析完了時刻が、緊急検体設置予定時刻を超過すると判定された場合、当該「分析項目」に代えて、「分析時間」の短い他の「分析項目」であれば登録された緊急検体設置予定時刻「15:20」以内に、分析が完了する場合、上記他の「分析項目」に入れ替え、通常検体の測定スケジュールを割り付ける構成としても良い。この場合、例えば、「分析項目」が“血液凝固項目A”(分析時間10分)から“血液凝固項目B”(分析時間5分)に入れ替えられる。
図17は、緊急検体の設置が登録された緊急検体設置予定時刻を超過する場合における通常検体分析割付の状況を示すタイミングチャートである。図17は、現在時刻「15:25」における分析状況505を示しており、登録された緊急検体設置予定時刻「15:20」を超過しても、緊急検体が自動分析システム1に設置されない場合を示している。このように、緊急検体設置予定時刻を超過しても、緊急検体が設置されない状況が発生する要因として、例えば、操作者によるバーコード貼付ミスによる貼り直し作業、遠心分離後の検体分取は人手による作業であるため、分取作業を誤った場合、再度分取する必要が生じ、その作業時間分、前処理後の緊急検体が自動分析システム1へ設置される時刻が遅れることになる。図17に示す状況で、リスケジューラ47は、図9に示す通常検体の測定スケジュール割付チェックにおいて、スッテプS12、ステップS16及びステップS17における、登録された緊急検体設置予定時刻を現在時刻に置き換え、同様の処理を実行する。換言すれば、図17に示す状況では、登録された緊急検体設置予定時刻が現在時刻である「15:25」の時点に移動させることとなる。「15:25」に緊急検体設置予定時刻が移動されたことにより、ステップS15までの処理にて、使用可能な測定ポート数は「3個」となる。これら3個の測定ポートは、緊急検体測定用に既に通常検体の測定スケジュール割付が待機中の測定ポート4及び測定ポート5、及び更に、通常検体の分析が完了し、空きポートとなる測定ポート1である。また、その後の、ステップS16〜ステップS18の処理を実行することにより、測定ポート1に、通常検体の測定スケジュールが割り付けられる。これより、測定ポート1での通常検体の分析が直ちに開始される。このように、仮に操作者による緊急検体の前準備作業が遅れ、自動分析システム1への緊急検体設置に遅れが生じた場合であっても、緊急検体設置予定時刻を現在時刻に追従させて移動させることで、反応容器測定ポート20を構成する測定ポートに余裕ができた時点で、通常検体の分析を行うことができ、緊急検体の設置待ちによる通常検体の分析スループットの低下を最小限にすることができる。
なお、本実施例では、図9に示す通常検体の測定スケジュール割付チェックを、図3に示すリスケジューラ47が実行する場合を例に説明したが、これに限られるものではなく、図3に示すスケジューラ44が通常検体の測定スケジュール割付チェックを実行するよう構成しても良い。
本実施例によれば、個々の測定を独立して行う測定ポートを有する自動分析システムにおいて、通常検体の分析スループットを維持しつつ、緊急検体への対応を可能とする自動分析システムを提供することが可能となる。
また、本実施例によれば、前準備作業が完了した緊急検体を自動分析システムに設置後、直ちに、当該緊急検体の分析を開始できるため、緊急検体測定開始までの時間的ロスを抑制し、緊急検体の測定結果を迅速に報告することができる。
更にまた、本実施例によれば、登録される緊急検体設置予定時刻までに尤度がある場合には、通常検体の分析を継続することができるため、通常検体の分析スループットを維持することができる。
また、緊急検体の分析に必要な測定ポートの数、および、通常検体の分析に要する時間(分析時間)から、各測定ポートへの通常検体の測定スケジュール割付可否を判定する構成であるため、測定ポート数の拡張、緊急検体を専用に測定する測定ポートを設置する必要がなく、自動分析システム全体での大型化を回避できる。
図18は、本発明の他の実施例に係る実施例2による緊急検体設置時刻の予約画面の表示例である。本実施例では、操作者による緊急検体の登録時に、緊急検体設置予定時刻に緊急検体を直ちに分析開始可能か否か、また、緊急検体の分析開始可能時刻を操作者へ提供する構成とした点が実施例1と異なる。その他の構成は、実施例1と同様であるため、以下では実施例1と重複する説明は省略する。
緊急検体が検査室に到着すると、図18に示すように、出力装置38(図2)を構成する表示装置の画面上に、緊急検体設置時刻予約画面601及び現在時刻「15:00」が表示される。緊急検体設置時刻予約画面601は、緊急検体設置予定時刻入力領域602、測定項目数(緊急検体数)入力領域、及び緊急検体に対し、測定前に行うべき準備作業工程を入力及び/又は表示する領域から構成される。ここで、緊急検体に対し、その測定前に行うべき準備作業工程の設定については、上述の実施例1にて説明した図7と同様に行われる。
図18の上段に示す緊急検体設置時刻予約画面601では、緊急検体設置予定時刻として、「15:02」、測定項目数(緊急検体数)「2個」、緊急検体に対する準備作業工程として、「バーコード貼付」のみが指定入力された状態を示している。この状態で、操作者によるマウス等のクリックにより「登録」ボタンが指定されると、仮に、登録された緊急検体設置予定時刻に緊急検体の分析を直ちに開始できない場合、図18の下段に示す登録確認画面603が表示される。図18に示すように、登録確認画面603には、登録された緊急検体設置予定時刻「15:02」に緊急検体の分析を開始できない旨のメッセージ、及び、緊急検体測定可能時刻として「15:06(4分超過)」が表示される。これにより操作者は、先に緊急検体設置予定時刻として入力した「15:02」より4分遅れで、緊急検体の分析が開始される状況で問題無き場合には、「登録」ボタンをマウス等によりクリックすれば良い。
次に、図18の上段に示す緊急検体設置時刻予約画面601にて、緊急検体設置予定時刻及び測定項目数が入力され、「登録」ボタンへの入力に応じて、リスケジューラ47が実行する登録前チェック処理について説明する。図19に、緊急検体着手可能時刻を求める登録前チェック処理のフロー図を示す。図19において、ステップS11〜ステップS16までの処理は、上述の実施例1にて説明した図9のフロー図と同様であるため、ここでは説明を省略する。ステップS16にて、緊急検体の分析に必要な測定ポート数が、緊急検体設置予定時刻に使用可能な測定ポート数よりも少ない場合、その時点で登録前チェック処理を終了する。一方、緊急検体の分析に必要な測定ポート数が、緊急検体設置予定時刻に使用可能な測定ポート数以上の場合には、ステップS20へ進む。
ステップS20では、リスケジューラ47は、検体情報DB32及び測定スケジュールDB31を参照し、測定ポートiの分析完了時刻(分析終了時刻(t))を算出する。続いて、ステップS21にて、リスケジューラ47は、N=iか否かを判定する。判定の結果、N=iでない場合、ステップS22へ進み、iを1インクリメント(i=i+1)し、スッテプS20へ戻る。また、判定の結果、全ての測定ポートに対しステップS20の処理が完了(N=iの場合)している場合、ステップS23へ進む。
ステップS23では、リスケジューラ47は、ステップS20にて算出された各測定ポートの分析完了時刻(分析終了時刻(t))を昇順にソートし、次のステップS24へ進む。ステップS24では、緊急検体の分析に必要な測定ポート数に対応する測定ポートにおける通常検体の分析完了時刻を、「緊急検体着手可能時刻」とする。ステップS25では、登録確認画面603に「緊急検体着手可能時刻」を表示するよう、リスケジューラ47は、得られた「緊急検体着手可能時刻」を図2に示す、内部バス33、I/OIF34を介して、出力装置38を構成する表示装置へ出力する。
図20は、図18に示す現在時刻「15:00」における各測定ポートでの分析状況を示すタイミングチャートである。緊急検体設置予定時刻「15:02」において、図19に示すステップS16の処理により、緊急検体の分析に必要な測定ポート数は「2個」であり、緊急検体設置予定時刻に使用可能なポート数は「0個」である。但し、ステップS20〜ステップS24までの処理をリスケジューラ47が実行することにより、測定ポート1は、時刻「15:05」に通常検体の分析を完了し空きポートとなること、及び、測定ポート2は、時刻「15:06」に通常検体の分析を完了し空きポートとなることが得られる。よって、2個の緊急検体の測定スケジュールを、上記測定ポート1及び測定ポート2に割り付けることが可能となることから、「緊急検体測定可能時刻」として、時刻「15:06」が登録確認画面603に表示される。
なお、本実施例では、登録前チェック処理をリスケジューラ47にて実行する構成としたが、これに限られず、例えば、スケジューラ44が上述の登録前チェック処理を実行する構成としても良い。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、更に、操作者が緊急検体設置予定時刻を登録する時点で、緊急検体設置予定時刻に、直ちに分析を開始することが可能か否か容易に確認することが可能となる。
また、例えば、分析時間の長い分析項目を測定している場合、又は、前準備作業が不要な緊急検査が依頼された場合等において、緊急検体設置予定時刻を登録する時点で、既に予定時刻に緊急検体の分析に必要な測定ポート数が確保できないケースが生じ得る。このようなケースが生じた場合において、本実施例によれば、緊急検査を行う前に、操作者は予め遅れることを把握することが可能となり、他の自動分析システムあるいは自動分析装置により、当該緊急検体を測定すべきが、即座に判断でき、早期対処が可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の実施例の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…自動分析システム
2…自動分析装置
3…制御装置
4…反応容器移送機構制御部
5…検体分注制御部
6…試薬分注制御部
7…A/D変換器
20…反応容器測定ポート
21…検出部
22…反応容器
23…反応容器供給部
24…凝固時間検体分注ポジション
25…反応容器移送機構
26…試薬分注機構
27…反応容器廃棄部
28…検体分注機構
30…プロセッサ
31…測定スケジュールDB
32…検体情報DB
33…記憶装置
34…I/Oインターフェース(IF)
35…通信インターフェース(IF)
36…内部バス
37…入力装置
38…出力装置
40…検体ディスク
41…検体容器
42…試薬ディスク
43…試薬容器
44…スケジューラ
45…緊急検体受付処理部
46…緊急検体前処理登録部
47…リスケジューラ
201…緊急検体設置時刻予約画面
202…緊急検体設置予定時刻入力領域
203…測定項目数入力領域
301…緊急検体設置前準備設定画面
302…前準備作業の登録有無指定領域
303…前準備作業工程候補表示領域
304…前準備作業工程作業時間入力領域
305…緊急検体に対し実施される前準備作業工程表示領域
401…緊急検体到着時の分析状況
402…通常検体の分析を継続した場合の緊急検体設置予定時刻の分析状況
403…リスケジューリング後の緊急検体設置予定時刻の分析状況
501…現在時刻15:05の分析状況
502…現在時刻15:16の分析状況
503…現在時刻15:18の分析状況
504…現在時刻15:20の分析状況
505…現在時刻15:25の分析状況
601…緊急検体設置時刻予約画面
602…緊急検体設置予定時刻入力領域
603…登録確認画面
604…緊急検体測定可能時刻の表示領域
701…緊急検体到着時の分析状況

Claims (7)

  1. 生体試料である検体に所定の試薬を添加し収容する反応容器と、
    前記反応容器毎に設置された測定部と、
    緊急検体を受け付ける緊急検体受付処理部を有し、前記測定部により測定される通常検体に対し、予め設定された通常検体測定スケジュールを、前記緊急検体受付処理部より入力される緊急検体数及び/又は緊急検体計測時間に基づき、少なくとも、前記緊急検体が測定部に搬送される前に、当該緊急検体を含む通常検体測定スケジュールを作成する制御装置と、を備えることを特徴とする自動分析システム。
  2. 請求項1に記載の自動分析システムにおいて、
    前記制御装置は、
    前記反応容器と対をなす計測部を有する測定ポートを複数有する反応容器測定ポートと、
    少なくとも、前記通常検体を特定する検体ID、分析項目、及び分析時間を、予め対応付けて格納する検体情報データベースと、を備え、
    前記検体情報データベースを参照し、前記各測定ポートにおける通常検体測定スケジュールを予め設定することを特徴とする自動分析システム。
  3. 請求項2に記載の自動分析システムにおいて、
    前記緊急検体受付処理部は、緊急検体数、前記緊急検体に対する分析項目、及び、前記緊急検体の分析開始予定時刻を受け付けることを特徴とする自動分析システム。
  4. 請求項3に記載の自動分析システムにおいて、
    前記分析項目は、少なくとも、血液凝固時間測定のための血液凝固項目及び生化学分析を含み、
    前記制御装置は、前記測定ポート毎に、前記通常検体の分析終了時刻を求め、当該求めた通常検体の分析終了時刻が前記緊急検体の分析開始予定時刻前となる測定ポートを抽出し、前記通常検体測定スケジュールを作成することを特徴とする自動分析システム。
  5. 請求項4に記載の自動分析システムにおいて、
    前記制御装置は、前記緊急検体の分析前に実行すべき、少なくともバーコード貼付を含む前準備作業を受け付ける緊急検体前処理登録部を備え、
    前記緊急検体前処理登録部より受け付けた前記前準備作業に要する時間及び、前記測定ポート毎の通常検体分析終了時刻に基づき、前記緊急検体分析開始予定時刻の推奨時刻を表示装置に表示することを特徴とする自動分析システム。
  6. 請求項4に記載の自動分析システムにおいて、
    前記求めた通常検体の分析終了時刻が前記緊急検体の分析開始予定時刻前となる測定ポート数が、前記緊急検体の分析に必要な測定ポート数を超える場合、前記制御装置は、前記測定ポート数の差分に応じた測定ポートに対し、他の通常検体の測定スケジュールを割り付けることを特徴とする自動分析システム。
  7. 生体試料である検体に所定の試薬を添加し収容する反応容器と、
    前記反応容器毎に設置された測定部と、
    緊急検体を受け付ける緊急検体受付処理部を有し、前記測定部により測定される通常検体に対し、前記緊急検体受付処理部より入力される緊急検体数及び/又は緊急検体計測時間に基づき、少なくとも前記緊急検体が測定部に搬送される前に当該緊急検体を含む通常検体測定スケジュールを作成する制御装置と、を備えることを特徴とする自動分析システム。
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