以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[画像形成装置]
図1は、本発明の実施の形態に係る画像読取装置2を備えた画像形成装置1の概略構成を示す正面図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、画像読取装置2及び装置本体10を備えており、画像読取装置2により読み取った画像データに基づいて装置本体10によりカラー画像を用紙等の記録シートに画像形成する。
画像読取装置2は、原稿搬送部61及び走査部41を備え、原稿搬送部61で搬送される原稿Gを走査部41で読み取るか、或いは、原稿載置台40に載置された原稿Gを走査部41で読み取り、読み取った原稿Gの画像を画像データとして出力する。なお、画像読取装置2については、後ほど詳しく説明する。
装置本体10は、光走査装置11、現像装置12、感光体ドラム13、ドラムクリーニング装置14、帯電器15、中間転写ベルト21、定着装置17、シート搬送経路R1、給紙トレイ18及び排出トレイ39を備えている。
カラー画像は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロー(Y)の各色のトナー像を重ねて形成される。このため、現像装置12、感光体ドラム13、ドラムクリーニング装置14及び帯電器15は、各色に応じた4種類のトナー像を形成するようにそれぞれ4つずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、およびイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
各画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdの何れにおいても、以下に示す同様の動作がなされる。ドラムクリーニング装置14は、感光体ドラム13の表面の残留トナーを除去および回収する。帯電器15は、感光体ドラム13の表面を所定の電位に均一に帯電させる。光走査装置11は、感光体ドラム13の表面を露光して静電潜像を形成する。現像装置12は、感光体ドラム13の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム13の表面にトナー像を形成する。前述した一連の動作によって、各感光体ドラム13の表面に各色のトナー像が形成される。
引き続いて、中間転写ベルト21は、矢印Cの方向へ周回移動し、ベルトクリーニング装置25によって残留トナーが除去及び回収され、各感光体ドラム13の表面に形成された各色のトナー像が順次転写して重ね合わされて、中間転写ベルト21の表面にカラーのトナー像が形成される。
2次転写装置26の転写ローラ26aは、中間転写ベルト21との間にニップ域が形成されており、シート搬送経路R1を通じて搬送されてきた記録シートをニップ域に挟み込んで搬送する。記録シートは、ニップ域を通過する際に、中間転写ベルト21の表面のトナー像が転写される。定着装置17は、加熱ローラ31および加圧ローラ32の間にトナー像が転写された記録シートを挟み込んで加熱および加圧し、トナー像を記録シートに定着させる。
給紙トレイ18には、記録シートが積載されている。記録シートは、ピックアップローラ33によって給紙トレイ18から引き出されて、シート搬送経路R1を通じて搬送され、2次転写装置26や定着装置17を経由し、排出ローラ36を介して排出トレイ39へ排出される。
シート搬送経路R1には、記録シートを一端停止させて記録シートの先端を揃えた後、中間転写ベルト21と転写ローラ26aとの間のニップ域におけるトナー像の転写タイミングに合わせて、記録シートの搬送を開始するレジストローラ34、記録シートの搬送を促す各搬送ローラ35及び排出ローラ36が配置されている。
また、装置本体10は、記録シートの表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、記録シートを排出ローラ36から反転経路Rrへ逆方向に搬送して、記録シートの表裏を反転させてレジストローラ34へ再度導き、記録シートの表面と同様にして、記録シートの裏面にトナー像を定着させて排出トレイ39へ排出する。
なお、図1において、符号Xは、主走査方向を示しており、符号Yは、主走査方向Xに直交する副走査方向Yを示しており、符号Zは、原稿載置台40に対する鉛直方向(具体的には上下方向)を示している。
[画像読取装置]
図2は、図1に示す画像読取装置2を正面から視た概略断面図である。図3は、図1に示す画像読取装置2における原稿搬送部61を取り外した状態において走査部41を平面から視た平面図である。また、図4は、図1に示す画像読取装置2における走査部41の内部構造を示す図である。図4(a)は、その平面図を示しており、図4(b)は、その右側面図を示している。
本実施の形態に係る画像読取装置2は、密着型イメージセンサ48を備えた走査体SUと、原稿Gを載置する原稿載置台40とを備え、走査体SUを副走査方向Yの一方側(図中の右側)に移動させながら原稿載置台40に載置された原稿Gを走査することで原稿Gの画像を密着型イメージセンサ48で読み取るようになっている。
画像読取装置2は、装置本体10(図1参照)の上面に配設されて走査体SU及び原稿載置台40を備えた走査部41と、走査部41の上面に配設された原稿搬送部61(図1及び図2参照)とを備えている。
原稿搬送部61は、走査部41に対して主走査方向Xにおける一方側である背面側(操作側とは反対側)において副走査方向Yに沿った枢支軸回りに回動自在に設けられており、正面側(操作側)から開放されることによって走査部41における原稿載置台40が開放されるようになっている。
走査部41は、走査体SU及び原稿載置台40に加えて、透明な平板状の原稿読取板(具体的には原稿読取ガラス42)、透明な平板状の原稿載置板(具体的には原稿載置ガラス43)、筐体44及び駆動部MU(図2及び図4)を備えている。
走査体SUは、原稿読取ガラス42及び原稿載置ガラス43の下方において、筐体44に対して副走査方向Yに沿って往復移動自在に設けられ、駆動部MUにより駆動されるようになっている。
画像読取装置2は、図示を省略した制御部の指示の下、駆動部MUにより走査体SUを原稿読取ガラス42の下方の位置に停止させて、原稿搬送部61により搬送されて原稿読取ガラス42上を通過する原稿Gの画像を読み取る原稿移動読取動作と、走査体SUを原稿載置ガラス43の下面43aに沿って副走査方向Yに移動させつつ、原稿載置ガラス43上に載置された原稿Gの画像を読み取る原稿固定読取動作とを行う構成とされている。
詳しくは、原稿搬送部61(図2参照)は、原稿Gを載置する原稿トレイ62と、原稿トレイ62に載置された原稿Gを1枚ずつ引き出す読取側ピックアップローラ63と、読取側ピックアップローラ63にて引き出された原稿Gを、原稿読取ガラス42を経て排出側(原稿トレイ62の下方)へ導く原稿搬送路64と、原稿搬送路64上に設けられて読取側ピックアップローラ63にて引き出された原稿Gを搬送する上流側中間搬送ローラ65と、原稿搬送路64上に設けられて上流側中間搬送ローラ65にて搬送された原稿Gの先端を揃えると共に原稿Gの原稿読取ガラス42での読取タイミングを調整する読取側レジストローラ66と、原稿搬送路64上に設けられて原稿読取ガラス42から搬送された原稿Gを搬送する下流側中間搬送ローラ67と、原稿搬送路64上に設けられて下流側中間搬送ローラ67にて搬送された原稿Gを外部に排出する読取側排出ローラ68と、読取側排出ローラ68にて外部に排出された原稿Gを載置する原稿排出トレイ69とを備えている。
かかる構成を備えた原稿搬送部61では、原稿トレイ62に載置された原稿Gは、読取側ピックアップローラ63によって引き出されて原稿搬送路64に供給され、原稿搬送路64において、上流側中間搬送ローラ65によって読取側レジストローラ66に向けて搬送される。読取側レジストローラ66に搬送された原稿Gは、読取側レジストローラ66によって先端が揃えられて所定の読取タイミングで画像面が原稿読取ガラス42の上面に密着するように搬送される。このとき、原稿読取ガラス42の下方の位置に停止した状態の走査体SUにおける密着型イメージセンサ48が原稿読取ガラス42の上面に沿って搬送される原稿Gの画像を読み取る。その後、原稿読取ガラス42を通過した原稿Gは、下流側中間搬送ローラ67を経て読取側排出ローラ68によって原稿排出トレイ69へ排出される。
原稿読取ガラス42は、密着型イメージセンサ48における読取部481が収まる程度(読取部481よりも大きめ)のサイズとされており、長尺な形状(具体的には矩形状)とされている。原稿載置ガラス43は、最大サイズの原稿Gが収まる程度(大サイズの原稿Gよりも大きめ)のサイズとされており、長尺な形状(具体的には矩形状)とされている。
筐体44は、鉛直方向Z(上下方向)に沿って設けられて走査部41の主走査方向Xにおける正面及び背面をそれぞれ構成する各側板44a,44aと、鉛直方向Z(上下方向)に沿って設けられて走査部41の副走査方向Yにおける両側面をそれぞれ構成する各側板44b,44bと、水平方向(主走査方向X及び副走査方向Y)に沿って設けられて走査部41の上面を構成し、かつ、副走査方向Yに長尺な形状(具体的には矩形状)開口部Q(図3参照)を有する上板44cと、水平方向(主走査方向X及び副走査方向Y)に沿って設けられて走査部41の底面を構成する底板44dとを備えている。
筐体44の上板44cには、長手方向が主走査方向Xに向くように配置された原稿読取ガラス42と、長手方向が副走査方向Yに向くように配置された原稿載置ガラス43とが開口部Qを覆うように副走査方向Yに沿って並設されている。なお、原稿載置ガラス43と筐体44の上板44cとで原稿載置台40を構成している。
ここで、原稿読取ガラス42の長手方向(主走査方向X)のサイズと原稿載置ガラス43の短手方向(主走査方向X)のサイズとは、同程度されており、開口部Qは、短手方向のサイズが原稿読取ガラス42の長手方向のサイズ及び原稿載置ガラス43の短手方向のサイズよりも小さめのサイズとされ、長手方向のサイズが原稿読取ガラス42の短手方向のサイズと原稿載置ガラス43の長手方向のサイズとを合計したサイズよりも大きめのサイズとされている。
走査部41は、原稿読取ガラス42及び原稿載置ガラス43を保持する保持部材45(図2及び図3参照)をさらに備えている。保持部材45は、筐体44の上板44cに対して、原稿読取ガラス42及び原稿載置ガラス43の主走査方向X、副走査方向Y及び鉛直方向Zの何れの移動も規制するように設けられている。
本実施の形態では、保持部材45は、原稿読取ガラス42の4辺および原稿載置ガラス43の原稿読取ガラス42側の1辺を保持する矩形状の枠部材とされている。保持部材45は、原稿読取ガラス42の原稿載置ガラス43側の辺、原稿読取ガラス42の主走査方向Xにおける両辺及び原稿載置ガラス43の原稿読取ガラス42側の辺を保持する第1保持部46と、原稿読取ガラス42の原稿載置ガラス43とは反対側の辺を保持する第2保持部47とを有している。
第1保持部46は、原稿読取ガラス42の原稿載置ガラス43側の端面、原稿読取ガラス42の主走査方向Xにおける両端面及び原稿載置ガラス43の原稿読取ガラス42側の端面に接触している。また、第1保持部46は、原稿載置ガラス43の原稿読取ガラス42側の端部を押さえる第1押さえ部46aを有している。
第1保持部46における第1押さえ部46aは、原稿載置ガラス43に載置される原稿Gの副走査方向Yにおける原稿読取ガラス42側への移動を規制する原稿ガイド部を兼ねている。なお、原稿載置ガラス43に載置される原稿Gの主走査方向Xにおける一方側(この例では背面側)への移動の規制は、筐体44を覆う図示を省略したカバー部材によってなされる。
また、第1保持部46の上面部分は、原稿搬送部61において原稿読取ガラス42から搬送されてくる原稿Gを原稿読取ガラス42よりも下流側に導く搬送路の一部を構成している。
第2保持部47は、原稿読取ガラス42の原稿載置ガラス43とは反対側の端面に接触している。また、第2保持部47は、原稿読取ガラス42の原稿読取ガラス42とは反対側の端部を押さえる第2押さえ部47aを有している。
また、第2保持部47の上面部分は、原稿搬送部61において原稿読取ガラス42よりも上流側から搬送されてくる原稿Gを原稿読取ガラス42に導く搬送路の一部を構成している。
第1保持部46は、原稿読取ガラス42の原稿載置ガラス43側の端面並びに原稿載置ガラス43の原稿読取ガラス42側の端面及び上面に接着されている。第2保持部47は、原稿読取ガラス42の原稿載置ガラス43側とは反対側の端面及び上面に接着されている。つまり、原稿読取ガラス42及び原稿載置ガラス43は、保持部材45を介して連結され一体化されている。
また、第1保持部46は、原稿載置ガラス43の上面に接着された部分が第1押さえ部46aとされている。第1押さえ部46aは、フィルム状の白色基準部材W(図2参照)を介して原稿載置ガラス43に接着されている。但し、それに限定されるものではなく、第1押さえ部46aを白色の材料で形成して、第1押さえ部46a自体を白色基準部材として兼用したり、第1押さえ部46aの裏面に白色塗料を塗布して白色基準部材を形成したりしても構わない。
本実施の形態では、原稿読取ガラス42と原稿載置ガラス43とは、同じ厚さとされている(図2参照)。また、原稿読取ガラス42の下面42a、原稿載置ガラス43の下面43a、第1保持部46の下面46b及び第2保持部47の下面47bは、同一の平面とされ、走査体SUにおける後述する摺動部材100が円滑に摺動できるようになっている。
走査部41は、走査体SUを副走査方向Yに沿って案内するガイド部80(図2及び図3では図示省略、図4参照)をさらに備えている。
ガイド部80は、筐体44の主走査方向Xにおける中央部において、副走査方向Yに沿って配設され、走査体SUを副走査方向Yに沿って往復移動自在に支持するようになっている。
詳しくは、ガイド部80は、棒状(具体的には円柱状)のシャフトとされており、筐体44の副走査方向Yにおける両側板44b,44bに副走査方向Yと平行に架け渡されて固定されている。
走査体SUにおける走査基台71の基台底板72(図2及び図4(b)参照)の下面には、主走査方向Xの中央部に基台接続部76が設けられている。基台接続部76には、ガイド摺動部76aが形成されている。ガイド摺動部76aは、ガイド部80の外周の形状に対応する形状(具体的には下方に向く平面視円弧状の凹部)とされており、ガイド部80に摺動される構造となっている。この例では、走査基台71は、基台接続部76を介してガイド部80に載せられ、ガイド部80に対して副走査方向Yに沿って摺動自在に支持されている。なお、ガイド部80は、棒状のシャフトに限定されるものではなく、例えば、筐体44における底板44dから上方に突出し、かつ、副走査方向Yに沿って延びた凸部とされていてもよい。
駆動部MUは、筐体44における底板44dに対して副走査方向Yに離間した状態で鉛直方向Zに沿って固定された一対の回転軸81,82と、一対の回転軸81,82に軸線回り回転自在にそれぞれ支持された一対の小プーリ83,84と、一対の小プーリ83,84に巻き掛けられた無端状の従動ベルト85と、一対の小プーリ83,84のうち何れか一方(この例では副走査方向Yにおける走査体SUの初期位置側とは反対側(図中の右側)の小プーリ84)の回転軸(この例では回転軸82)に軸線回り回転自在に支持されて一方の小プーリ84に連結された大プーリ86と、出力軸87aが鉛直方向Zに沿うように筐体44における底板44dに固定された駆動モータ87と、駆動モータ87の出力軸87aに固定された駆動プーリ88と、大プーリ86及び駆動プーリ88に巻き掛けられた無端状の駆動ベルト89とを備えている。そして、走査基台71は、従動ベルト85における周方向の一部に固定されている。具体的には、走査基台71は、従動ベルト85の一部と連結する連結部76bを有している。連結部76bは、従動ベルト85を嵌め入れる嵌入溝76c(図4(b)参照)を有しており、従動ベルト85を嵌入溝76cに嵌め入れることにより、従動ベルト85を両側面から挟持して保持するようになっている。
かかる構成を備えた駆動部MUでは、図示を省略した制御部の指示の下、駆動モータ87の出力軸87aが回転駆動することにより、駆動プーリ88が回転し、駆動ベルト89が周回移動して大プーリ86が回転し、それに伴い小プーリ84,83が回転し、従動ベルト85が周回移動する。従って、駆動モータ87の出力軸87aが所定の回転方向及び逆回転方向に回転駆動して従動ベルト85が所定の回転方向及び逆回転方向に周回移動することで、走査体SUを副走査方向Yに往復移動させることができる。
なお、本実施の形態では、ガイド摺動部76a及び連結部76bを備えた基台接続部76を走査基台71に固定する構造としたが、これに限定されず、ガイド摺動部76a及び連結部76bと基台底板72とが一体に形成された構造としてもよい。
また、副走査方向Yにおける走査体SUの初期位置側(図中の左側)に設けられた側板44bには、走査基台71に突設された被検知片73bに対応する位置に位置センサ49が設けられている。位置センサ49は、発光素子と受光素子とが対向配置されており、発光素子と受光素子との間に侵入した被検知片73bを検知する。図示を省略した制御部は、位置センサ49の検知結果に基づいて、走査体SUを原稿読取ガラス42の下方の初期位置に位置決めすることができる。
[走査体]
(第1実施形態)
次に、第1実施形態に係る走査体SUについて図5から図20を参照しながら、以下に説明する。
図5は、第1実施形態に係る走査体SUにおける密着型イメージセンサ48と走査基台71とを分解して示す分解斜視図である。
図6は、第1実施形態に係る走査体SUにおける密着型イメージセンサ48と走査基台71とを組み合わせた状態を示す外観図である。図6(a)は、その平面図を示しており、図6(b)は、その右側面図を示している。図7は、図6に示す走査体SUにおける密着型イメージセンサ48と走査基台71とを組み合わせた状態を示す正面図である。
図8は、第1実施形態に係る走査体SUにおける密着型イメージセンサ48の斜視図である。図9は、第1実施形態に係る走査体SUにおける密着型イメージセンサ48の外観図である。図9(a)は、その平面図を示しており、図9(b)は、その右側面図を示している。図10は、図8及び図9に示す密着型イメージセンサ48の概略断面図である。
また、図11は、第1実施形態に係る走査体SUにおける走査基台71の斜視図である。図12は、第1実施形態に係る走査体SUにおける走査基台71の外観図である。図12(a)は、その平面図を示しており、図12(b)は、その右側面図を示している。図13は、図11及び図12に示す走査基台71の正面図である。
本実施の形態に係る走査体SUは、密着型イメージセンサ48が原稿載置台40(図2参照)に対して接近又は離反するように(この例では鉛直方向Zに)密着型イメージセンサ48を移動自在に支持する走査基台71と、密着型イメージセンサ48を原稿載置台40に向けて付勢する付勢部材90とをさらに備えている。なお、本実施の形態では、付勢部材90は、走査体SUにおける主走査方向Xにおいて離間して設けられた一対の付勢部材90,90とされており、例えば、コイルバネとすることができる。
密着型イメージセンサ48(図5から図10参照)は、いわゆるCIS(Contact Image Sensor)と称されるものであり、主走査方向Xに長尺な形状とされている。
密着型イメージセンサ48(図10参照)は、原稿Gを照明する光源51と、光源51にて照明されて原稿Gから反射された反射光を集光する集光レンズアレイ52と、集光レンズアレイ52を通じて受光した原稿Gからの反射光を光電変換して画像データを出力する撮像素子53を備えている。撮像素子53は、主走査方向Xに列設された受光素子を有し、原稿Gを主走査方向Xに走査して密着型イメージセンサ48の上面484における読取部481で原稿Gからの反射光を読み取るようになっている。
詳しくは、密着型イメージセンサ48は、光源51、集光レンズアレイ52及び撮像素子53を収納する筐体482(具体的には外装部材である外装カバー)を備えている。筐体482は、樹脂などで形成されており、主走査方向Xに延びた箱形の形状(具体的には隣り合う各面が直角又は略直角とされた六面体の形状)とされており、上面484に主走査方向Xに沿って延びる開口部483(図10参照)を有している。そして、開口部483に集光レンズアレイ52を固定する透明なレンズ固定部54が設けられている。
密着型イメージセンサ48は、副走査方向Yにおける何れか一方の側面(この例では正面から視て右側の側面48d)に主走査方向Xに所定の間隔をおいて設けられて走査基台71に支持される一対のセンサ側被支持部48a,48aを有している。各センサ側被支持部48a,48aには、走査基台71に対して鉛直方向Zに移動自在に支持される被支持部(この例では被支持軸48b,48b)が形成されている。具体的には、一対のセンサ側被支持部48a,48aは、筐体482から副走査方向Yの一方側(図中の右側)に突出しており、一対の被支持軸48b,48bは、センサ側被支持部48aの主走査方向Xにおける一方側(この例では背面側)の端面から主走査方向Xにおける一方側(この例では背面側)に突出している。
また、密着型イメージセンサ48は、下面に主走査方向Xに所定の間隔をおいて設けられて付勢部材90を保持する一対のセンサ側保持部48c,48c(図6(a)及び図9参照)を有している。センサ側保持部48cは、密着型イメージセンサ48の下面より上側に窪んで形成されており、付勢部材90の一端を挿入して保持するようになっている。
走査基台71(図5から図7及び図11から図13参照)は、密着型イメージセンサ48を原稿載置台40側に付勢した状態で支持するものであり、主走査方向Xに長尺な形状とされている。
走査基台71は、密着型イメージセンサ48を長手方向が主走査方向Xに向くように、かつ、読取部481が原稿載置台40側を向くように収容して鉛直方向Zに移動自在に支持するようになっている。
走査基台71は、副走査方向Yにおける何れか一方の側面(この例では正面から視て右側の外側面74a)の密着型イメージセンサ48における一対のセンサ側被支持部48a,48aに対応する位置に設けられた一対の走査基台側支持部74b,74bを有している。各走査基台側支持部74b,74bには、密着型イメージセンサ48を鉛直方向Zに移動自在に支持する支持部(この例では支持孔74c,74c)が形成されている。
詳しくは、走査基台71は、上面が開放されて主走査方向Xに延びた箱形の形状とされている。つまり、走査基台71は、水平方向に沿った基台底板72と、基台底板72の副走査方向Yにおける両端部に直角又は略直角に立設されて互いに対向する一方側基台側板73及び他方側基台側板74と、基台底板72の主走査方向Xにおける一方側(この例では背面側)に直角又は略直角に立設されたセンサ支持側板75とを備えている。本実施の形態では、基台底板72、一方側基台側板73、他方側基台側板74及びセンサ支持側板75は、一体形成されて走査基台71を構成している。走査基台71は、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)で形成することができる。
他方側基台側板74には、密着型イメージセンサ48の一対の被支持軸48bがそれぞれ挿入される一対の支持孔74c,74cが設けられている。支持孔74cは、主走査方向Xに沿って形成されており、被支持軸48bを鉛直方向Zに移動させる鉛直方向Zに延びた長孔とされている。支持孔74cは、主走査方向Xの長さが被支持軸48bの主走査方向Xの長さよりも大きくなっており、副走査方向Yの幅が被支持軸48bを鉛直方向Zに円滑に移動させる程度に被支持軸48bの直径よりも若干大きくなっている。
また、基台底板72は、上面の密着型イメージセンサ48における一対のセンサ側保持部48c,48cに対向する位置にそれぞれ設けられて付勢部材90を保持する一対の基台側保持部72a,72a(図5、図6(a)、図11及び図12(a)参照)を有している。基台側保持部72aは、基台底板72の上面より下側に窪んで形成されており、基台側保持部72aに付勢部材90の他端を挿入して保持するようになっている。これにより、基台側保持部72a及びこれに対向するセンサ側保持部48cは、付勢部材90の両端を保持することにより(図5及び図6(a)参照)、密着型イメージセンサ48を位置決めすることができる。
かかる構成を備えた走査体SUでは、密着型イメージセンサ48と走査基台71とを組み合わせるにあたり、先ず、一対の付勢部材90,90の他端を基台底板72における一対の基台側保持部72a,72aにそれぞれ保持し、密着型イメージセンサ48を主走査方向Xに沿った軸線回りの斜めの姿勢にして被支持軸48bを支持孔74cに対峙させた状態で密着型イメージセンサ48を主走査方向Xの一方側(この例では背面側)に移動させ、一対の被支持軸48b,48bを一対の支持孔74c,74cにそれぞれ挿入する。次に、密着型イメージセンサ48を被支持軸48b回りに回動し、一対の付勢部材90,90の一端を密着型イメージセンサ48の下面におけるセンサ側保持部48c,48cに保持して、走査基台71内に密着型イメージセンサ48を収容する。ここで、一対の被支持軸48b,48bに挿入される一対の支持孔74cは鉛直方向Zに沿った長孔とされているので、密着型イメージセンサ48を走査基台71に対して鉛直方向Zに移動自在に支持させることができると共に、付勢部材90は密着型イメージセンサ48と走査基台71との間に挟持されているので、走査基台71に対して密着型イメージセンサ48を原稿載置台40に向けて付勢することができる。
本実施の形態では、センサ支持側板75の内側面には、密着型イメージセンサ48の主走査方向Xにおける一方側(この例では背面側)の側面と当接するセンサ支持部75aが設けられている。本実施の形態では、センサ支持部75aは、密着型イメージセンサ48との摩擦抵抗を抑えるという観点から、副走査方向Yに間隔をおいて鉛直方向Zに沿って延びる一対のリブとされており、センサ支持側板75の内側面より内側に突出して形成されている。
また、基台底板72の主走査方向Xにおける他方側(センサ支持側板75とは反対側)の端部には、密着型イメージセンサ48の主走査方向Xにおける他方側への移動を規制するセンサ移動規制部72bが設けられている。センサ移動規制部72bは、基台底板72の主走査方向Xにおける他方側の端部から上方に直角又は略直角に立設されて形成されている。
なお、図5から図7及び図11から図13において、説明していない符号の箇所につては、後述する。
[摺動部材]
図14は、第1実施形態に係る走査体SUにおける摺動部材100を示す外観図である。図14(a)は、その正面図を示しており、図14(b)は、その左右の側面図を示している。なお、摺動部材100は、左右の側面から見て何れも同じ形状とされているため、図14(b)において一つの図で表している。
図15は、第1実施形態に係る走査体SUを示す斜視図である。図16は、第1実施形態に係る走査体SUを示す外観図である。図16(a)は、その平面図を示しており、図16(b)は、その右側面図を示している。図17は、第1実施形態に係る走査体SUの正面図である。また、図18は、図16(a)に示す矢符D−D線に沿った断面図である。図19は、図16(a)に示す矢符E−E線に沿った断面図である。また、図20は、図16(a)に示す矢符F−F線に沿った断面図である。
走査体SUは、摺動部材100をさらに備えている。摺動部材100は、密着型イメージセンサ48の原稿載置台40(図2参照)との対向面(具体的には上面484)及び原稿載置台40の密着型イメージセンサ48との対向面(この例では原稿載置ガラス43の下面43a)の間に設けられ、かつ、原稿載置台40の密着型イメージセンサ48との対向面(この例では原稿載置ガラス43の下面43a)に摺動されるものである。
走査体SUは、密着型イメージセンサ48と走査基台71とを組み合わせた状態(図6及び図7参照)において、摺動部材100を取り付けることで構成される。
摺動部材100は、摺動性を有する材料で形成されていることが好ましい。こうすることで、摩擦抵抗による摺動部材100の摩耗を効果的に防ぐことができ、密着型イメージセンサ48を円滑に移動させることができる。摺動部材100は、例えば、ポリオキシメチレン(POM)で形成することができる。
そして、摺動部材100は、原稿載置台40(この例では原稿載置ガラス43)に対して接近又は離反するように、かつ、走査基台71に対して移動が許容されるように(この例では鉛直方向Zに移動自在に)走査基台71の副走査方向Yにおける両側面(この例では一方側基台側板73の外側面73a及び他方側基台側板74の外側面74a)に係合されている。
摺動部材100は、弾性を有していることが好ましい。こうすることで、摺動部材100を簡単に弾性変形させることができ、これにより摺動部材100を走査基台71に容易に取り付けることができる。
詳しくは、摺動部材100は、密着型イメージセンサ48と原稿載置台40(この例では原稿載置ガラス43)との間に配置される摺動部101と、摺動部101の副走査方向Yにおける両端部からそれぞれ走査基台71の副走査方向Yにおける両外側面(この例では一方側基台側板73の外側面73a及び他方側基台側板74の外側面74a)に沿って原稿載置台40側とは反対側(具体的には下側)に延びた一対の延設部102,103とを備えている。
一対の延設部102,103の走査基台71と対向する側面(この例では互いに対向する内側面102a,103a)には、係合部102b,103bが設けられている。
走査基台71の副走査方向Yにおける両外側面(この例では一方側基台側板73及び他方側基台側板74の外側)には、係合部102b,103bと係合する被係合部73d,74dが設けられている。
なお、一対の延設部102,103は、摺動部101の副走査方向Yにおける両端部からそれぞれ走査基台71の副走査方向Yにおける両内側面(この例では一方側基台側板73の内側面73e及び他方側基台側板74の内側面74e)に沿って原稿載置台40側とは反対側に延びていてもよい。この場合、一対の延設部102,103の副走査方向Yにおける外側面に係合部102b,103bを設け、走査基台71の副走査方向Yにおける両内側面(この例では一方側基台側板73の内側面73e及び他方側基台側板74の内側面74e)に被係合部73d,74dを設けることができる。
本実施の形態では、摺動部材100の走査基台71に対する係合は、凹凸係合とされている。例えば、係合部102b,103bが凸部とされる一方、被係合部73d,74dが凹部とされていてもよいし、係合部102b,103bが凹部とされる一方、被係合部73d,74dが凸部とされていてもよい。また、係合部102b,103bの何れか一方が凸部とされ、他方が凹部とされる一方、被係合部73d,74dの何れか一方が凹部とされ、他方が凸部とされていてもよい。この例では、係合部102b,103bが凸部とされる一方、被係合部73d,74dが凹部とされている。
本実施の形態では、係合部102b,103b及び被係合部73d,74dは、走査基台71に対する摺動部材100の鉛直方向Zへの相対移動をガイドする構成とされている。
具体的には、摺動部材100における摺動部101(図14参照)は、副走査方向Yに延びた直線状の形状とされており、密着型イメージセンサ48の上面484と接触する接触部101aと、原稿載置台40の密着型イメージセンサ48との対向面(この例では原稿載置ガラス43の下面43a)と摺接する摺接部101bとを有している。ここでは、接触部101aは、密着型イメージセンサ48の平坦な上面484と全面的に接触する平坦面とされ、摺動部101における摺接部101bは、原稿載置台40に対し線接触又は点接触するような形状、詳しくは原稿載置台40側の端部(頂部)が原稿載置台40の密着型イメージセンサ48との対向面(この例では原稿載置ガラス43の下面43a)と副走査方向Yに沿って線接触又は点接触するような形状とされている。こうすることで、摺接部101bの原稿載置台40の密着型イメージセンサ48との対向面(この例では原稿載置ガラス43の下面43a)との摩擦抵抗を抑えることができる。
摺接部101bの原稿載置台40の密着型イメージセンサ48との対向面(この例では原稿載置ガラス43の下面43a)と副走査方向Yに沿って線接触する形状としては、例えば、副走査方向Yに沿ってドーム状(断面視円弧状)に形成されている態様、副走査方向Yに沿って三角柱状(断面視三角形状)に形成されている態様を挙げることができる。摺接部101bの原稿載置台40の密着型イメージセンサ48との対向面(この例では原稿載置ガラス43の下面43a)と点接触する形状としては、例えば、副走査方向Yに沿って複数の球面状の突起を並設した形状に形成されている態様を挙げることができる。この例では、摺接部101bは、副走査方向Yに沿ってドーム状に形成されている。
また、摺動部101の副走査方向Yにおける両端部の上面には、副走査方向Yにおける両外側へ向かうに従って原稿載置台40から次第に離間するように(両外側に行くに従って下方に)傾斜する傾斜面101cが形成されている。これにより、摺接部101bの原稿載置台40の密着型イメージセンサ48との対向面(この例では原稿載置ガラス43の下面43a)との摩擦抵抗をさらに抑えることができる上、第2保持部47の下面47b(図2参照)と原稿読取ガラス42の下面42aとの間の境界部、原稿読取ガラス42の下面42aと第1保持部46の下面46b(図2参照)との間の境界部及び第1保持部46の下面46bと原稿載置台40の密着型イメージセンサ48との対向面(この例では原稿載置ガラス43の下面43a)との境界部において、走査体SUを副走査方向Yに円滑に往復移動させることができる。
なお、摺接部101bの原稿載置台40の密着型イメージセンサ48との対向面(この例では原稿載置ガラス43の下面43a)との摩擦抵抗をより一層抑えるという観点から、摺接部101bには、副走査方向Yにおける中央部において主走査方向Xに沿った凹部(例えばV字状の溝)が形成されていてもよい。
一対の延設部102,103は、何れも鉛直方向Zに延びた直線状の形状とされており、互いに対向する内側面102a,103aを有している。ここでは、内側面102a,103aは、接触部101aと直角又は略直角とされ、それぞれ、一方側基台側板73及び他方側基台側板74の外側において互いに平行又は略平行に形成されている。そして、内側面102a,103a間の距離d1(図17参照)は、摺動部材100が走査基台71に対して円滑に相対移動できる程度に一方側基台側板73の外側面73a及び他方側基台側板74の外側面74aの距離d2(図17参照)よりも若干大きくなっている。
係合部102b,103bは、一対の延設部102,103の下端部において内側面102a,103aから内側に突設された凸部とされている。ここでは、係合部102b,103bは、副走査方向Yに沿って延びた棒状(具体的には円柱状)の形状とされている。なお、係合部102b,103bは、円柱状の形状に限定されるものではなく、四角柱等の角柱状の形状であってもよい。
係合部102b,103bは、頂部(先端面102c,103c)が一方側基台側板73の内側面73e及び他方側基台側板74の内側面74eと面一又は略面一か或いは一方側基台側板73の内側面73e及び他方側基台側板74の内側面74eよりも若干内側に突き出ていることが好ましい。この例では、係合部102b,103bは、頂部(先端面102c,103c)が一方側基台側板73の内側面73e及び他方側基台側板74の内側面74eよりも若干内側に突き出ている。
本実施の形態では、摺動部101、一対の延設部102,103及び係合部102b,103bは、一体形成されて摺動部材100を構成している。
そして、本実施の形態では、摺動部材100は、走査基台71の副走査方向Yにおける両端部に設けられている。よって、走査基台71に設けられた被係合部73d,74dは、走査基台71の主走査方向Xにおける両端部に位置している。
被係合部73dは、一方側基台側板73の主走査方向Xにおける両端部に設けられた一対の凹部とされている。被係合部73dは、一方側基台側板73の下端部において鉛直方向Zの下端から上方に延びた縦貫通孔と、基台底板72の一方側基台側板73側端部において該縦貫通孔の下端に連通しかつ他方側基台側板74側に延びた横貫通孔とからなっている。
被係合部74dは、他方側基台側板74の主走査方向Xにおける両端部に設けられた一対の凹部とされている。被係合部74dは、他方側基台側板74の下端部において鉛直方向Zの下端から上方に延びた縦貫通孔と、基台底板72の他方側基台側板74側端部において該縦貫通孔の下端に連通しかつ一方側基台側板73側に延びた横貫通孔とからなっている。
被係合部73d,74dにおける縦貫通孔の鉛直方向Zの長さは、摺動部材100が走査基台71に対して鉛直方向Zに相対移動する距離よりも大きめの長さとなっている。被係合部73d,74dにおける横貫通孔の副走査方向Yの長さは、摺動部材100における係合部102b,103bの副走査方向Yの長さよりも大きめの長さとなっている。被係合部73d,74dにおける縦貫通孔及び横貫通孔の主走査方向Xのサイズは、摺動部材100における係合部102b,103bが被係合部73d,74dに対して円滑に相対移動できる程度に係合部102b,103bの主走査方向Xのサイズよりも若干大きくなっている。
被係合部73d,74dにおける縦貫通孔の頂部(上端部)は、摺動部材100における係合部102b,103bの外形の形状に対応する形状(具体的には側面視半円形状)に形成されている(図11及び図12(b)参照)。
なお、被係合部73d,74dは、貫通孔に限定されるものではなく、一方側基台側板73及び他方側基台側板74の外側において鉛直方向Zに延びるように形成された溝とされ、係合部102b,103bは、頂部(先端部)が一方側基台側板73及び他方側基台側板74の被係合部73d,74d内に納まるように突出していてもよい。
以上説明した走査体SUでは、密着型イメージセンサ48と走査基台71とを組み合わせた状態(図6及び図7参照)において、摺動部材100を走査基台71に取り付けるにあたり、例えば、走査基台71の被係合部73d,74dの上方に摺動部材100を副走査方向Yに向くように配置し、延設部102,103が副走査方向Yにおける外側に開くように摺動部材100(具体的には摺動部101及び/又は延設部102,103)を弾性変形させて係合部102b,103bを走査基台71の副走査方向Yにおける両外側面(具体的には一方側基台側板73の外側面73a及び他方側基台側板74の外側面74a)に当接させる。そして、係合部102b,103bを走査基台71の副走査方向Yにおける両外側面(具体的には一方側基台側板73の外側面73a及び他方側基台側板74の外側面74a)に沿って下方へ移動させ、係合部102b,103bが被係合部73d,74dに到達したとき、摺動部材100(具体的には摺動部101及び/又は延設部102,103)が元の形状に戻って、自然と係合部102b,103bが被係合部73d,74dに係合される。このように、係合部102b,103bを被係合部73d,74dに係合する際に、摺動部材100を下方へ移動させるという簡単な操作で、係合部102b,103bを被係合部73d,74dに係合させることができ、従って、摺動部材100を走査基台71に容易に取り付けることができ、これにより、組み立て作業性の容易化を実現させることができる。
以上説明したように、本第1実施形態によれば、摺動部材100は、走査基台71に設けられているので、密着型イメージセンサ48に摺動部材100を設けるといった加工を行う必要がない。これにより、密着型イメージセンサ48として、安価な汎用品を用いることができる。さらに、摺動部材100は、走査基台71に対して係合されているので、摺動部材100を容易に交換することができる。しかも、摺動部材100は、原稿載置台40(この例では原稿載置ガラス43)に対して接近又は離反するように、かつ、走査基台71対して移動が許容されるように走査基台71の副走査方向Yにおける両側面に係合されているので、走査基台71の両側面と摺動部材100との間の摩擦抵抗をできるだけ小さくすることができ、ひいては、摺動部材100がたとえ走査基台71に押し込まれたり、或いは、走査基台71がたとえ原稿載置台40(この例では原稿載置ガラス43)から離反したりしても、摺動部材100を、密着型イメージセンサ48を原稿載置台40側に付勢した状態で支持する走査基台71に対して接近方向及び離反方向に円滑に相対移動させることができ、これにより、密着型イメージセンサ48の原稿Gに対する焦点距離を確実に確保することができる。
また、本第1実施形態では、摺動部材100は、走査基台71に対して鉛直方向Zに移動自在に係合されていることで、走査基台71がたとえ原稿載置台40(この例では原稿載置ガラス43)から離反しても、摺動部材100を走査基台71に対して鉛直方向Zに確実に相対移動させることができ、従って、密着型イメージセンサ48を原稿載置台40に対して平行な姿勢を保った状態を維持させやすくすることができる。
また、本第1実施形態では、摺動部材100は、密着型イメージセンサ48と原稿載置台40(この例では原稿載置ガラス43)との間に配置される摺動部101と、摺動部101の副走査方向Yにおける両端部からそれぞれ走査基台71の副走査方向Yにおける両側面に沿って原稿載置台40側とは反対側に延びた一対の延設部102,103とを備えていることで、摺動部材100の走査基台71に対する着脱を簡単な構成で実現させることができる。また、一対の延設部102,103の走査基台71と対向する側面(この例では内側面102a,103a)に係合部102b,103bが設けられ、走査基台71の副走査方向Yにおける両側面(この例では一方側基台側板73の外側面73a及び他方側基台側板74の外側面74a)に係合部102b,103bと係合する被係合部73d,74dが設けられていることで、摺動部材100の走査基台71に対する鉛直方向Zへの移動自在の係合を容易に実現させることができる。
また、本第1実施形態では、摺動部材100の走査基台71に対する係合が凹凸係合とされていることで、簡単な構成でありながら、摺動部材100を走査基台71に対して容易に係合させることができる。
[第2実施形態から第4実施形態]
次に、第2実施形態から第4実施形態に係る走査体SUについて図21から図30を参照しながら、以下に説明する。
第2実施形態から第4実施形態に係る走査体SUは、第1実施形態に係る走査体SUにおいて、走査基台71の副走査方向Yにおける両側面のうち少なくとも一方の側面(この例では両側面)に、延設部102,103の主走査方向Xにおける両側において、延設部102,103の鉛直方向Zへの移動をガイドする一対のガイド部(731,732),(741,742)を設けたものである。
第2実施形態から第4実施形態では、このように、走査基台71の副走査方向Yにおける両側面のうち少なくとも一方の側面(この例では両側面)に延設部102,103の主走査方向Xにおける両側において延設部102,103の鉛直方向Zへの移動をガイドする一対のガイド部(731,732),(741,742)が設けられていることで、走査基台71に対して摺動部材100を鉛直方向Zに安定的に相対移動させることができる。
具体的には、一対のガイド部(731,732),(741,742)は、互いに平行になるように鉛直方向Zに沿って連続的に延びている。一対のガイド部(731,732),(741,742)の主走査方向Xにおける間隔d3(図22参照)は、延設部102,103を鉛直方向Zに円滑に移動させる程度に延設部102,103の主走査方向Xにおける幅d4(図22参照)より若干大きくなっている。また、本実施の形態では、基台底板72、一方側基台側板73、他方側基台側板74及びセンサ支持側板75に加えて一対のガイド部(731,732),(741,742)が一体形成されて走査基台71を構成している。
(第2実施形態)
図21は、第2実施形態に係る走査体SUを示す斜視図である。図22は、第2実施形態に係る走査体SUの主走査方向Xにおける両端部を拡大して示す平面図である。図23は、第2実施形態に係る走査体SUの主走査方向Xにおける両端部を拡大して示す右側面図であり、図24は、第2実施形態に係る走査体SUの主走査方向Xにおける両端部を拡大して示す左側面図である。
ところで、第1実施形態に係る走査体SUでは、摺動部材100を走査基台71に対して鉛直方向Zに円滑に相対移動させるという観点から、一対の延設部102,103及び走査基台71は、摺動部材100が走査基台71に対して鉛直方向Zに相対移動するときに一対の延設部102,103における係合部102b,103bと走査基台71にける被係合部73d,74dとの摩擦抵抗を抑えるために、係合部102b,103bと被係合部73d,74dとの接触面積を可及的に小さくするように構成されている。この例では、一対の延設部102,103は、走査基台71に対して副走査方向Yに沿った回動軸線(具体的には円柱状の係合部102b,103b)回りに回動自在に係合される。こうすることで、摺動部材100を走査基台71に対して摩擦抵抗を極力抑えた状態で鉛直方向Zに円滑に相対移動させることができる。
また、一対のガイド部(731,732),(741,742)は、摺動部材100を走査基台71に対して鉛直方向Zに円滑に相対移動させる観点から、延設部102,103との接触面積を可及的に小さくすることが好ましい。
また、摺動部材100は、構成上(例えば、画像読取装置の2主走査方向Xにおけるコンパクト化を実現させるという観点から、密着型イメージセンサ48における筐体482の主走査方向Xにおけるサイズを可及的に小さくするといった構成上)、この例では、摺動部101が密着型イメージセンサ48の主走査方向Xにおける端部、詳しくは密着型イメージセンサ48における筐体482の主走査方向Xにおける端縁である外装端縁48eの内側の外装端縁48eに近接(さらに言えば隣接)した位置に配置されている(図22参照)。この場合、一対の延設部102,103が走査基台71に対して副走査方向Yに沿った回動軸線(具体的には円柱状の係合部102b,103b)回りに回動自在に係合されていると、一対の延設部102,103が副走査方向Yに沿った回動軸線回りの主走査方向Xにおける外側に回動して摺動部101が密着型イメージセンサ48の上面484から脱落することがある。このことは、本実施の形態のように、摺接部101bが原稿載置台40に対し線接触又は点接触するような形状、詳しくは原稿載置台40の密着型イメージセンサ48との対向面(この例では原稿載置ガラス43の下面43a)と副走査方向Yに沿って線接触又は点接触するような形状(この例では副走査方向Yに沿ってドーム状)に形成されている場合に、特に顕著となる。
この点に関し、第2実施形態では、図21から図24に示すように、摺動部101が密着型イメージセンサ48の主走査方向Xにおける端部、詳しくは密着型イメージセンサ48における筐体482の外装端縁48eの内側における外装端縁48eに近接した位置に配置されている場合、延設部102,103をガイドする一対のガイド部(731,732),(741,742)のうち主走査方向Xにおける外側にある一方のガイド部731,741(図23及び図24参照)は、走査体SUの副走査方向Yの移動による延設部102,103の鉛直方向Zの移動に関わらず、延設部102,103の少なくとも回動軸線(具体的には円柱状の係合部102b,103b)よりも原稿載置台40側(具体的には上側)の部分を案内するように設けられている。すなわち、外側にある一方のガイド部731,741は、延設部102,103の回動軸線よりも原稿載置台40側の部分を案内できればよく、延設部102,103の回動軸線よりも原稿載置台40側の部分のみを案内するように設けられていてもよいし、原稿載置台40側の部分及び原稿載置台40側とは反対側(具体的には下側)の部分の双方を案内するように設けられていてもよい。
この例では、外側にある一方のガイド部731,741は、走査体SUの副走査方向Yの移動による延設部102,103の鉛直方向Zの移動に関わらず、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面731a,741a)が延設部102,103の回動軸線よりも原稿載置台40側に位置し、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側とは反対側の端部(底面731b,741b)が延設部102,103の回動軸線よりも原稿載置台40側とは反対側に位置するように設けられている。
そして、外側にある一方のガイド部731,741は、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面731a,741a)が主走査方向Xにおける内側にある他方のガイド部732,742の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面732a,742a)よりも原稿載置台40側(具体的には上側)に位置するように設けられている(図23の左側及び図24参照)。
また、本第2実施形態では、内側にある他方のガイド部732,742(図23及び図24参照)は、走査体SUの副走査方向Yの移動による延設部102,103の鉛直方向Zの移動に関わらず、延設部102,103の少なくとも回動軸線(具体的には円柱状の係合部102b,103b)よりも原稿載置台40側とは反対側(具体的には下側)の部分を案内するように設けられている。すなわち、内側にある他方のガイド部732,742は、延設部102,103の回動軸線よりも原稿載置台40側とは反対側の部分を案内できればよく、延設部102,103の回動軸線よりも原稿載置台40側とは反対側の部分のみを案内するように設けられていてもよいし、原稿載置台40側(具体的には上側)の部分及び原稿載置台40側とは反対側の部分の双方を案内するように設けられていてもよい。
この例では、内側にある他方のガイド部732,742は、走査体SUの副走査方向Yの移動による延設部102,103の鉛直方向Zの移動に関わらず、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側とは反対側の端部(底面732b,742b)が延設部102,103の回動軸線よりも原稿載置台40側とは反対側に位置し、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面732a,742a)が延設部102,103の回動軸線よりも原稿載置台40側に位置するように設けられている。
また、本第2実施形態では、走査基台71の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面71a)が摺動部材100の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部である摺接部101bよりも(この例では密着型イメージセンサ48の上面484よりも)鉛直方向Zにおける原稿載置台40側とは反対側(具体的には下側)に位置し、外側にある一方のガイド部731,741は、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面731a,741a)が走査基台71の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面71a)まで設けられている。
具体的には、外側にある一方のガイド部731,741は、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面731a,741a)が一方側基台側板73及び他方側基台側板74の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面71a)に位置するように設けられている。
以上説明したように、本第2実施形態によれば、延設部102,103をガイドする一対のガイド部(731,732),(741,742)のうち主走査方向Xにおける外側にある一方のガイド部731,741は、延設部102,103の少なくとも回動軸線(具体的には円柱状の係合部102b,103b)よりも原稿載置台40側の部分を案内するように、かつ、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面731a,741a)が主走査方向Xにおける内側にある他方のガイド部732,742の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面732a,742a)よりも原稿載置台40側に位置するように設けられていることで、外側にある一方のガイド部731,741の延設部102,103との接触面積を可及的に少なくした状態で走査基台71に対して摺動部材100を鉛直方向Zに円滑に相対移動させることができる上、一対の延設部102,103の副走査方向Yに沿った回動軸線(具体的には円柱状の係合部102b,103b)回りの主走査方向Xにおける外側への回動を効果的に防止することができ、これにより摺動部101の密着型イメージセンサ48の上面484からの脱落を回避することができる。このことは、本実施の形態のように、摺接部101bが原稿載置台40に対し線接触又は点接触するような形状、詳しくは原稿載置台40の密着型イメージセンサ48との対向面(この例では原稿載置ガラス43の下面43a)と副走査方向Yに沿って線接触又は点接触するような形状(この例では副走査方向Yに沿ってドーム状)に形成されている場合に、特に有効となる。
また、本第2実施形態では、内側にある他方のガイド部732,742は、延設部102,103の少なくとも回動軸線(具体的には円柱状の係合部102b,103b)よりも原稿載置台40側とは反対側の部分を案内するように設けられていることで、一対の延設部102,103の副走査方向Yに沿った回動軸線(具体的には円柱状の係合部102b,103b)回りの主走査方向Xにおける外側への回動をさらに効果的に防止することができる。
また、本第2実施形態では、走査基台71の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面71a)が摺動部材100の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部である摺接部101bよりも(この例では密着型イメージセンサ48の上面484よりも)鉛直方向Zにおける原稿載置台40側とは反対側に位置し、外側にある一方のガイド部731,741は、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面731a,741a)が走査基台71の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面71a)まで設けられていることで、一対の延設部102,103の主走査方向Xにおける外側への回動を確実に防止できると共に、密着型イメージセンサ48が原稿載置台40に最も近づいた状態であっても、走査基台71及び一方のガイド部731,741を何れも原稿載置台40の密着型イメージセンサ48との対向面(この例では原稿載置ガラス43の下面43a)とは接触しないようにすることができ、これにより、摺動部101による密着型イメージセンサ48と原稿載置台40(この例では原稿載置ガラス43)との間の距離、すなわち密着型イメージセンサ48の原稿Gに対する焦点距離を支障なく確保することができる。
(第3実施形態)
図25は、第3実施形態に係る走査体SUの主走査方向Xにおける両端部を拡大して示す平面図である。図26は、第3実施形態に係る走査体SUの主走査方向Xにおける両端部を拡大して示す右側面図であり、図27は、第3実施形態に係る走査体SUの主走査方向Xにおける両端部を拡大して示す左側面図である。
ところで、摺動部材100は、構成上(例えば、画像読取装置2の主走査方向Xにおけるコンパクト化を実現させるという観点から、密着型イメージセンサ48における筐体482の主走査方向Xにおけるサイズを可及的に小さくするといった構成上)、この例では、摺動部101が密着型イメージセンサ48における読取部481の主走査方向Xにおける端部、詳しくは密着型イメージセンサ48における読取部481(具体的には上面484における読取面)の主走査方向Xにおける端縁である読取端縁48fの外側の読取端縁48fに近接(さらに言えば隣接)した位置に配置されている(図25参照)。この場合、一対の延設部102,103が走査基台71に対して副走査方向Yに沿った回動軸線(具体的には円柱状の係合部102b,103b)回りに回動自在に係合されていると、一対の延設部102,103が副走査方向Yに沿った回動軸線回りの主走査方向Xにおける内側に回動して摺動部101が読取部481を遮蔽することがある。このことは、本実施の形態のように、摺接部101bが原稿載置台40に対し線接触又は点接触するような形状、詳しくは原稿載置台40の密着型イメージセンサ48との対向面(この例では原稿載置ガラス43の下面43a)と副走査方向Yに沿って線接触又は点接触するような形状(この例では副走査方向Yに沿ってドーム状)に形成されている場合に、特に顕著となる。
この点に関し、第3実施形態では、図25から図27に示すように、摺動部101が密着型イメージセンサ48における読取部481の主走査方向Xにおける端部、詳しくは密着型イメージセンサ48における読取部481の読取端縁48fの外側における読取端縁48fに近接した位置に配置されている場合、延設部102,103をガイドする一対のガイド部(731,732),(741,742)のうち主走査方向Xにおける内側にある一方のガイド部732,742(図26及び図27参照)は、走査体SUの副走査方向Yの移動による延設部102,103の鉛直方向Zの移動に関わらず、延設部102,103の少なくとも回動軸線(具体的には円柱状の係合部102b,103b)よりも原稿載置台40側(具体的には上側)の部分を案内するように設けられている。すなわち、内側にある一方のガイド部732,742は、延設部102,103の回動軸線よりも原稿載置台40側の部分を案内できればよく、延設部102,103の回動軸線よりも原稿載置台40側の部分のみを案内するように設けられていてもよいし、原稿載置台40側の部分及び原稿載置台40側とは反対側(具体的には下側)の部分の双方を案内するように設けられていてもよい。
この例では、内側にある一方のガイド部732,742は、走査体SUの副走査方向Yの移動による延設部102,103の鉛直方向Zの移動に関わらず、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面732a,742a)が延設部102,103の回動軸線よりも原稿載置台40側に位置し、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側とは反対側の端部(底面732b,742b)が延設部102,103の回動軸線よりも原稿載置台40側とは反対側に位置するように設けられている。
そして、内側にある一方のガイド部732,742は、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面732a,742a)が主走査方向Xにおける外側にある他方のガイド部731,741の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面731a,741a)よりも原稿載置台40側(具体的には上側)に位置するように設けられている。
また、本第3実施形態では、外側にある他方のガイド部731,741(図26及び図27参照)は、走査体SUの副走査方向Yの移動による延設部102,103の鉛直方向Zの移動に関わらず、延設部102,103の少なくとも回動軸線(具体的には円柱状の係合部102b,103b)よりも原稿載置台40側とは反対側(具体的には下側)の部分を案内するように設けられている。すなわち、外側にある他方のガイド部731,741は、延設部102,103の回動軸線よりも原稿載置台40側とは反対側の部分を案内できればよく、延設部102,103の回動軸線よりも原稿載置台40側とは反対側の部分のみを案内するように設けられていてもよいし、原稿載置台40側(具体的には上側)の部分及び原稿載置台40側とは反対側の部分の双方を案内するように設けられていてもよい。
この例では、外側にある他方のガイド部731,741は、走査体SUの副走査方向Yの移動による延設部102,103の鉛直方向Zの移動に関わらず、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側とは反対側の端部(底面731b,741b)が延設部102,103の回動軸線よりも原稿載置台40側とは反対側に位置し、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面731a,741a)が延設部102,103の回動軸線よりも原稿載置台40側に位置するように設けられている。
また、本第3実施形態では、走査基台71の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面71a)が摺動部材100の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部である摺接部101bよりも(この例では密着型イメージセンサ48の上面484よりも)鉛直方向Zにおける原稿載置台40側とは反対側(具体的には下側)に位置し、内側にある一方のガイド部732,742は、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面732a,742a)が走査基台71の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面71a)まで設けられている。
具体的には、内側にある一方のガイド部732,742は、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面732a,742a)が一方側基台側板73及び他方側基台側板74の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面71a)に位置するように設けられている。
以上説明したように、本第3実施形態によれば、延設部102,103をガイドする一対のガイド部(731,732),(741,742)のうち主走査方向Xにおける内側にある一方のガイド部732,742は、延設部102,103の少なくとも回動軸線(具体的には円柱状の係合部102b,103b)よりも原稿載置台40側の部分を案内するように、かつ、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面732a,742a)が主走査方向Xにおける外側にある他方のガイド部731,741の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面731a,741a)よりも原稿載置台40側に位置するように設けられていることで、内側にある一方のガイド部732,742の延設部102,103との接触面積を可及的に少なくした状態で走査基台71に対して摺動部材100を鉛直方向Zに円滑に相対移動させることができる上、一対の延設部102,103の副走査方向Yに沿った回動軸線(具体的には円柱状の係合部102b,103b)回りの主走査方向Xにおける内側への回動を効果的に防止することができ、これにより摺動部101による読取部481の遮蔽を回避することができる。このことは、本実施の形態のように、摺接部101bが原稿載置台40に対し線接触又は点接触するような形状、詳しくは原稿載置台40の密着型イメージセンサ48との対向面(この例では原稿載置ガラス43の下面43a)と副走査方向Yに沿って線接触又は点接触するような形状(この例では副走査方向Yに沿ってドーム状)に形成されている場合に、特に有効となる。
また、本第3実施形態では、外側にある他方のガイド部731,741は、延設部102,103の少なくとも回動軸線(具体的には円柱状の係合部102b,103b)よりも原稿載置台40側とは反対側の部分を案内するように設けられていることで、一対の延設部102,103の副走査方向Yに沿った回動軸線(具体的には円柱状の係合部102b,103b)回りの主走査方向Xにおける内側への回動をさらに効果的に防止することができる。
また、本第3実施形態では、走査基台71の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面71a)が摺動部材100の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部である摺接部101bよりも(この例では密着型イメージセンサ48の上面484よりも)鉛直方向Zにおける原稿載置台40側とは反対側に位置し、内側にある一方のガイド部732,742は、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面732a,742a)が走査基台71の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面71a)まで設けられていることで、一対の延設部102,103の主走査方向Xにおける内側への回動を確実に防止できると共に、密着型イメージセンサ48が原稿載置台40に最も近づいた状態であっても、走査基台71及び一方のガイド部732,742を何れも原稿載置台40の密着型イメージセンサ48との対向面(この例では原稿載置ガラス43の下面43a)とは接触しないようにすることができ、これにより、摺動部101による密着型イメージセンサ48と原稿載置台40(この例では原稿載置ガラス43)との間の距離、すなわち密着型イメージセンサ48の原稿Gに対する焦点距離を支障なく確保することができる。
(第4実施形態)
図28は、第4実施形態に係る走査体SUの主走査方向Xにおける両端部を拡大して示す平面図である。図29は、第4実施形態に係る走査体SUの主走査方向Xにおける両端部を拡大して示す右側面図であり、図30は、第4実施形態に係る走査体SUの主走査方向Xにおける両端部を拡大して示す左側面図である。
ところで、摺動部材100は、構成上(例えば、画像読取装置の2主走査方向Xにおけるコンパクト化を実現させるという観点から、密着型イメージセンサ48における筐体482の主走査方向Xにおけるサイズを可及的に小さくするといった構成上)、この例では、摺動部101が密着型イメージセンサ48の主走査方向Xにおける端部、詳しくは密着型イメージセンサ48における筐体482の主走査方向Xにおける端縁である外装端縁48eの内側の外装端縁48eに近接(さらに言えば隣接)した位置であって摺動部101が密着型イメージセンサ48における読取部481の主走査方向Xにおける端部、詳しくは密着型イメージセンサ48における読取部481の主走査方向Xにおける端縁である読取端縁48fの外側の読取端縁48fに近接(さらに言えば隣接)した位置に配置されている(図28参照)。この場合、一対の延設部102,103が走査基台71に対して副走査方向Yに沿った回動軸線(具体的には円柱状の係合部102b,103b)回りに回動自在に係合されていると、一対の延設部102,103が副走査方向Yに沿った回動軸線回りの主走査方向Xにおける外側に回動して摺動部101が密着型イメージセンサ48の上面484から脱落したり、一対の延設部102,103が副走査方向Yに沿った回動軸線回りの主走査方向Xにおける内側に回動して摺動部101が読取部481を遮蔽したりすることがある。このことは、本実施の形態のように、摺接部101bが原稿載置台40に対し線接触又は点接触するような形状、詳しくは原稿載置台40の密着型イメージセンサ48との対向面(この例では原稿載置ガラス43の下面43a)と副走査方向Yに沿って線接触又は点接触するような形状(この例では副走査方向Yに沿ってドーム状)に形成されている場合に、特に顕著となる。
この点に関し、第4実施形態では、図28から図30に示すように、摺動部101が密着型イメージセンサ48の主走査方向Xにおける端部、詳しくは密着型イメージセンサ48における筐体482の外装端縁48eの内側における外装端縁48eに近接した位置であって密着型イメージセンサ48における読取部481の主走査方向Xにおける端部、詳しくは密着型イメージセンサ48における読取部481の読取端縁48fの外側における読取端縁48fに近接した位置に配置されている場合、延設部102,103をガイドする一対のガイド部(731,732),(741,742)(図29及び図30参照)は、走査体SUの副走査方向Yの移動による延設部102,103の鉛直方向Zの移動に関わらず、何れも延設部102,103の少なくとも回動軸線(具体的には円柱状の係合部102b,103b)よりも原稿載置台40側(具体的には上側)の部分を案内するように設けられている。すなわち、主走査方向Xにおける外側及び内側にある一対のガイド部(731,732),(741,742)は、延設部102,103の回動軸線よりも原稿載置台40側の部分を案内できればよく、延設部102,103の回動軸線よりも原稿載置台40側の部分のみを案内するように設けられていてもよいし、原稿載置台40側の部分及び原稿載置台40側とは反対側(具体的には下側)の部分の双方を案内するように設けられていてもよい。
この例では、外側及び内側にある一対のガイド部(731,732),(741,742)は、走査体SUの副走査方向Yの移動による延設部102,103の鉛直方向Zの移動に関わらず、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面(731a,732a),(741a,742a))及び鉛直方向Zにおける原稿載置台40側とは反対側の端部(底面(731b,732b),(741a,742b))が何れも延設部102,103の回動軸線よりも原稿載置台40側に位置するように設けられている。
また、本第4実施形態では、走査基台71の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面71a)が摺動部材100の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部である摺接部101bよりも(この例では密着型イメージセンサ48の上面484よりも)鉛直方向Zにおける原稿載置台40側とは反対側(具体的には下側)に位置し、外側及び内側にある一対のガイド部(731,732),(741,742)は、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面(731a,732a),(741a,742a))が走査基台71の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面71a)まで設けられている。
具体的には、外側及び内側にある一対のガイド部(731,732),(741,742)は、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面(731a,732a),(741a,742a))が一方側基台側板73及び他方側基台側板74の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面71a)に位置するように設けられている。
以上説明したように、本第4実施形態によれば、延設部102,103をガイドする一対のガイド部(731,732),(741,742)は、何れも延設部102,103の少なくとも回動軸線(具体的には円柱状の係合部102b,103b)よりも原稿載置台40側の部分を案内するように設けられていることで、外側及び内側にある一対のガイド部(731,732),(741,742)の延設部102,103との接触面積を可及的に少なくした状態で走査基台71に対して摺動部材100を鉛直方向Zに円滑に相対移動させることができる上、一対の延設部102,103の副走査方向Yに沿った回動軸線(具体的には円柱状の係合部102b,103b)回りの主走査方向Xにおける外側及び内側への回動を効果的に防止することができ、これにより摺動部101の密着型イメージセンサ48の上面484からの脱落を回避することができると共に摺動部101による読取部481の遮蔽を回避することができる。このことは、本実施の形態のように、摺接部101bが原稿載置台40に対し線接触又は点接触するような形状、詳しくは原稿載置台40の密着型イメージセンサ48との対向面(この例では原稿載置ガラス43の下面43a)と副走査方向Yに沿って線接触又は点接触するような形状(この例では副走査方向Yに沿ってドーム状)に形成されている場合に、特に有効となる。
また、本第4実施形態では、走査基台71の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面71a)が摺動部材100の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部である摺接部101bよりも(この例では密着型イメージセンサ48の上面484よりも)鉛直方向Zにおける原稿載置台40側とは反対側に位置し、外側及び内側にある一対のガイド部(731,732),(741,742)は、鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面(731a,732a),(741a,742a))が走査基台71の鉛直方向Zにおける原稿載置台40側の端部(頂面71a)まで設けられていることで、一対の延設部102,103の主走査方向Xにおける外側及び内側への回動を確実に防止できると共に、密着型イメージセンサ48が原稿載置台40に最も近づいた状態であっても、走査基台71及び一対のガイド部(731,732),(741,742)を何れも原稿載置台40の密着型イメージセンサ48との対向面(この例では原稿載置ガラス43の下面43a)とは接触しないようにすることができ、これにより、摺動部101による密着型イメージセンサ48と原稿載置台40(この例では原稿載置ガラス43)との間の距離、すなわち密着型イメージセンサ48の原稿Gに対する焦点距離を支障なく確保することができる。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。