JP6473008B2 - 構造物変位解析装置、および構造物変位解析プログラム - Google Patents

構造物変位解析装置、および構造物変位解析プログラム Download PDF

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Description

本発明は、構造物変位解析装置、および構造物変位解析プログラムに関する。
近年、多くの社会インフラが経年劣化しており、社会インフラを構成する構造物の状態診断を行う効果的な手法について注目が集められている。社会インフラの一つである道路インフラ、より具体的には橋梁に関して、変位を監視することは、橋梁の疲弊の原因を特定したり、その上を通過する車両の数や重量を見積もる上で重要である。ここで、変位を直接測定しようとすると、基準点を定めるのが困難であったり、配線や足場といった設備に要するコストが増大するといった課題が生じる。
これに対し、近年、微小電気機械システム(MEMS)をベースとした安価な加速度センサを使用し、無線によってセンサ出力値を取得して変位を解析することについて研究が進められている。加速度センサは測定箇所への取り付けが容易であるため、変位の監視に用いるメリットが大きい。
上記に関連し、加速度センサによって測定された加速度を時間方向に2階積分することで、測定対象の変位を求める装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−10353号公報
理論的には、加速度センサにより測定された加速度を2階積分すると変位が得られる筈である。しかしながら、現実には、この方法で正確な結果を得るのは困難である。加速度センサの測定結果は無視できないノイズを含んでおり、積分の際に用いる積分定数が不明な場合が多いからである。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、より正確に構造物の変位を算出することができる構造物変位解析装置、および構造物変位解析プログラムを提供することを目的の一つとする。
本発明の一態様は、測定対象の構造物に取り付けられた加速度センサによって測定された加速度データを取得する取得部と、前記加速度データにウェーブレット変換を行うウェーブレット変換部と、前記構造物の変位解析に適した周波数範囲を設定する周波数範囲設定部と、前記設定部により設定された周波数範囲内で、前記ウェーブレット変換によって得られるウェーブレット係数を2階積分するウェーブレット係数積分部と、前記積分部によって積分された結果に対してウェーブレット逆変換を行って前記構造物の変位を算出するウェーブレット逆変換部と、を備える構造物変位解析装置である。
本発明の一態様において、前記構造物は、車両が通過する橋梁であり、前記ウェーブレット変換部は、逆二重直交ウェーブレットをマザーウェーブレットとして使用するものとしてもよい。
また、本発明の一態様において、利用者による入力操作を受け付ける入力部を更に備え、前記周波数範囲設定部は、前記入力部に対してなされた入力操作に基づいて、前記周波数範囲を設定するものとしてもよい。
また、本発明の一態様において、前記周波数範囲設定部は、前記ウェーブレット逆変換部により算出された変位を解析することにより、前記周波数範囲を自動的に再設定するものとしてもよい。
本発明の他の態様は、コンピュータに、測定対象の構造物に取り付けられた加速度センサによって測定された加速度データを取得させ、前記加速度データにウェーブレット変換を行わせ、前記構造物の変位解析に適した周波数範囲を設定させ、前記設定された周波数範囲内で、前記ウェーブレット変換によって得られるウェーブレット係数を2階積分させ、前記2階積分された結果に対してウェーブレット逆変換を行って前記構造物の変位を算出させる、構造物変位解析プログラムである。
本発明の一態様によれば、より正確に構造物の変位を算出することができる。
構造物変位解析装置1の使用環境と構成の一例を示す図である。 構造物変位解析装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。 構造物変位解析装置1により実行される処理の流れを示すフローチャートである。 構造物変位解析装置1による処理過程を説明するための図である。 橋梁Bの変位が示す半波長波形の一例を示す図である。 逆二重直交ウェーブレットの一例を示す図である。 車両Vが通過する橋梁Bについて得られたウェーブレット係数の2階積分を示す図である。 周波数範囲の再設定を支援するための結果出力画面の一例を示す図である。 構造物変位解析装置1により実行される、周波数範囲の再設定を含む処理の流れを示すフローチャートである。 検証の対象となった橋梁Bの俯瞰図である。 図10におけるA−A方向の断面図である。 高速フーリエ変換(FFT;Fast Fourier Transform)によって解析される橋梁Bの周波数解析結果である。 構造物変位解析装置1による解析結果(解析値)と、レーザードップラー変位計によって測定された測定結果(測定値)とを比較した図である。
[構成]
以下、図面を参照し、本発明の構造物変位解析装置、および構造物変位解析プログラムの実施形態について説明する。図1は、構造物変位解析装置1の使用環境と構成の一例を示す図である。構造物変位解析装置1は、車両Vが通過することにより振動する橋梁Bなどの構造物の変位を解析する装置である。橋梁Bには、加速度センサ60が取り付けられる。加速度センサ60は、例えば、所定のサンプリング周波数で加速度を測定し、測定結果を無線等により通信装置80に送信する。通信装置80は、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)等のネットワークNWを介して、加速度センサ60の測定結果を構造物変位解析装置1に転送する。なお、構造物変位解析装置1が直接、加速度センサ60と通信する仕組みであってもよい。
図2は、構造物変位解析装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。以下、図1と図2を参照して構造物変位解析装置1の構成について説明する。図1および図2に示すように、構造物変位解析装置1は、通信部10と、入力部12と、出力部14とを備える。通信部10は、例えばネットワークNWに接続するためのネットワークカード等を含む。入力部12は、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイスである。出力部14は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)表示装置等である。なお、構造物変位解析装置1は、出力部14によって解析結果を表示するものに限らず、ネットワークNWを介して他のコンピュータ装置に画像データ等を提供するものであってもよい。
図2に示すように、構造物変位解析装置1は、CPU(Central Processing Unit)20と、記憶装置22と、ドライブ装置24と、メモリ装置26とを備える。CPU20は、記憶装置22に記憶されたプログラム(構造物変位解析プログラム)を実行する。記憶装置22は、例えば、ROM、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等である。ドライブ装置24には、各種の可搬型の記憶媒体28が装着される。メモリ装置26は、例えばRAM(Random Access Memory)であり、CPU20によってワーキングメモリとして使用される。記憶装置22に格納されるプログラムは、構造物変位解析装置1の出荷時に予め記憶装置22に格納されていてもよいし、記憶媒体28に格納されたものが記憶装置22にインストールされてもよい。また、記憶装置22に格納されるプログラムは、ネットワークNWおよび通信部10を介して他のコンピュータ装置からダウンロードされてもよい。
図1に示すように、構造物変位解析装置1は、前処理部30と、ウェーブレット変換部32と、周波数範囲設定部34と、ウェーブレット係数積分部36と、ウェーブレット逆変換部38とを備える。これらの機能部は、例えば、CPU20がプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。
[処理の流れ]
以下、構造物変位解析装置1の各機能部の処理について、フローチャートに即して説明する。図3は、構造物変位解析装置1により実行される処理の流れを示すフローチャートである。以下、このフローチャートの処理について、図4を参照しつつ説明する。図4は、構造物変位解析装置1による処理過程を説明するための図である。
まず、通信部10により、加速度データが取得される(ステップS100)。取得された加速度データは、メモリ装置26または記憶装置22に格納される。図4の(a)は、通信部10により取得される加速度データの一例を示す図である。
次に、前処理部30によって、フィルタリング処理およびゼロパディング処理が行われる(ステップS102、S104)。図1に示す場面について解析する場合、フィルタリング処理は、例えば0.1[Hz]以下の低周波を除外するハイパスフィルタを用いて行われる。これによって、積分過程でノイズに起因して発生し得る大きな変位を予め除外することができる。また、ゼロパディング処理は、ウェーブレット変換におけるコンボリューション処理を正常に動作させるために行われる。
次に、ウェーブレット変換部32が、マザーウェーブレットを選択する(ステップS106。図1に示す場面について解析する場合、車両Vが通行することによって引き起こされる橋梁Bの変位は、周波数が非常に低いハーフレングス波、すなわち半波長波形を示す。半波長波形とは、プラス側とマイナス側を含む1波長を形成しない局所的波形である。これは、橋梁Bに車両が進入して退出するまでの変位は、主に鉛直下向きに強制的に沈みこむ動きを示し、車両が退出すると元の位置に復帰する動きを示すからである。図5は、橋梁Bの変位が示す半波長波形の一例を示す図である。従来、半波長波形の解析は困難であったが、逆二重直交ウェーブレット(Reversebiothorgonal wavelet 2.2 (rbio2.2))を、マザーウェーブレット関数として用いることで、半波長波形を正確に解析することができる。図6は、逆二重直交ウェーブレットの一例を示す図である。逆二重直交ウェーブレットは、車両が通行することによって引き起こされる変位への追従性が高いからである。また、逆二重直交ウェーブレットは、後述する再構成における位相の再現性にも優れている。この逆二重直交ウェーブレットは、時間領域に逆変換する際に位相変化が生じさせないため、解析全体において位相ずれが生じるのを抑制することができる。
次に、ウェーブレット変換部32が、前処理部30による処理が行われた加速度データに対して、ステップS106で選択したマザーウェーブレットを用いたウェーブレット変換を行う(ステップS108)。ウェーブレット変換は、加速度データとマザーウェーブレットのコンボリューション処理によって行われる。
ウェーブレット変換は、例えば式(1)で定義される。ここで、W(b,a)はウェーブレット係数であり、x(t)は時系列加速度であり、ψはマザーウェーブレットであり、aはスケール決定要因であり、bはシフト決定要因である。また、「*」は共役複素数を表す。
式(2)は、ウェーブレット逆変換が可能か否かを示す条件式である。ウェーブレット逆変換は、式(3)で定義される。
式(2)、(3)より、時系列データは時間とスケール決定要因aに応じて連続でなければならないが、測定された加速度データは一般的に離散データである。従って、ウェーブレット変換部32は、式(4)に示す離散連続ウェーブレット変換を行う。
図4の(b)は、ウェーブレット変換部32による処理結果の一例を示す図である。ウェーブレット変換の結果、時間と周波数を軸とする平面上の座標に対し、ウェーブレット係数が対応付けられた三次元データが得られる。
フローチャートの説明に戻る。ウェーブレット変換が行われると、周波数範囲設定部34が、ウェーブレット係数の積分、および再構成を行う周波数範囲を設定する(ステップS110)。周波数範囲設定部34は、例えば、利用者により入力部12に対してなされた入力操作に応じて、ウェーブレット変換およびウェーブレット逆変換を行う周波数範囲を設定する。図4の(b)における破線領域Rは、周波数範囲設定部34により設定される周波数範囲の一例である。後述するように、図1に示す場面について解析する場合、周波数範囲は、例えば0.3[Hz]〜10[Hz]に設定される。周波数範囲の設定の詳細については後述する。
次に、ウェーブレット係数積分部36は、周波数範囲設定部34により設定された周波数範囲内で、ウェーブレット係数を2階積分する(ステップS112)。図4の(c)は、ウェーブレット係数を2階積分した結果の一例を示している。ウェーブレット係数の2階積分は式(5)で定義される。
次に、ウェーブレット逆変換部38が、ウェーブレット係数の2階積分に対してウェーブレット逆変換を行う(ステップS114)。加速度データをウェーブレット変換したウェーブレット係数を2階積分すると、変位をウェーブレット変換したウェーブレット係数と同じになる。従って、加速度データをウェーブレット変換したウェーブレット係数の2階積分を、ウェーブレット逆変換によって再構成すると、変位が得られることになる。図4の(d)は、ウェーブレット逆変換によって得られる変位の一例を示している。
ここで、マザーウェーブレットの特性に依存した変位は、測定された加速度に基づくウェーブレット係数を再構成することにより得ることができる。ウェーブレット係数の再構成が式(6)によって示される場合、ウェーブレット逆変換はデルタ関数を用いて表される。ここで、aとJは、便宜上、二乗されたスケールであるものとする。aは最小スケールであり、δは、スケール解の有効数字を示す指標である。
また、下記はウェーブレット係数の実部である。
再構成要因Cδは式(7)で表される
ウェーブレット逆変換の過程において、推定変位値は、再構成された周波数範囲に依存する。従って、推定された変位は、再構成の際に、周波数範囲が適切に選択された場合に、正確な値が得られることになる。式(8)から分かるように、変位は、測定された加速度をウェーブレット変換したウェーブレット領域内のウェーブレット係数の積分値を、数値的に再構成することによって得られる。
そして、構造物変位解析装置1は、ウェーブレット逆変換によって得られた変位(結果)を出力部14によって出力する(ステップS116)。
[周波数範囲の設定に関して]
図3のフローチャートにおけるステップS110の周波数範囲の設定は、前述したように、例えば、利用者により入力部12に対してなされた入力操作に応じて行われる。また、周波数範囲設定部34は、解析対象の構造物に応じて予め設定され、記憶装置22等に記憶された周波数範囲に設定してもよい。
周波数範囲は、ウェーブレット係数の2階積分を解析することにより求めると好適である。図7は、車両Vが通過する橋梁Bについて得られたウェーブレット係数の2階積分を示す図である。図7の上図は、0〜1[Hz]までの結果を示し、図7の下図は、0〜10[Hz]までの結果を示している。図7の上図に示すように、橋梁の加速度データは0.2[Hz]のところで大きな異常値を示すため、これを除外するため、周波数範囲の下限を若干高い値、例えば0.3[Hz]に設定すると好適である。周波数範囲の上限に関しては、1〜11[Hz]が考えられるが、10[Hz]を超える領域ではウェーブレット係数の積分値はゼロに近くなるため、10[Hz]を上限として設定すると好適である。
ここで、周波数範囲は、図3のステップS116における結果出力を参照しながら再設定できるようにすると好適である。図8は、周波数範囲の再設定を支援するための結果出力画面の一例を示す図である。図示するように、構造物変位解析装置1は、車両Vによる強制振動が発生する前の第1安定期間T1と、車両Vによる強制振動が発生した後の第2安定期間T2とを視認可能となるように出力部14を用いて表示する。各安定期間は、監視期間全体を所定幅で区切って分散や標準偏差等の統計的指標値を求め、分散等が小さい期間として設定される。周波数範囲が適切に設定されていない場合、第1安定期間T1と第2安定期間T2との間にバイアスが生じ、例えば第1安定期間T1の変位の平均値と、第2安定期間T2の変位の平均値にズレが生じることになる。このズレを利用者が視認し、手動で周波数範囲を再設定してもよいし、構造物変位解析装置1が、ズレが許容範囲内となるまで繰り返し周波数範囲の再設定を行ってもよい。また、構造物変位解析装置1は、ズレが許容範囲内であれば「OK」といった表示を、ズレが許容範囲外であれば「NG」といった表示を行い、利用者の手動による再設定を支援してもよい。
図9は、構造物変位解析装置1により実行される、周波数範囲の再設定を含む処理の流れを示すフローチャートである。結果出力(ステップS116)の後、構造物変位解析装置1は、周波数範囲の再設定が必要か否かを判定する(ステップS118)。この判定は、利用者による入力部12に対する入力操作に基づいて行ってもよいし、図8に示す第1安定期間T1と第2安定期間T2との間で、例えば平均値の差分を求め、差分が許容範囲内であれば周波数範囲の再設定が不要、差分が許容範囲外であれば周波数範囲の再設定が必要と判定してもよい。
周波数範囲の再設定が必要と判定した場合、構造物変位解析装置1は、周波数範囲を再設定し(ステップS120)、再設定した周波数範囲に基づいてステップS112以下の処理を行う。周波数範囲の再設定は、所定幅ずつ自動的に行うようにしてもよいし、利用者が出力部14の表示画面を見ながら手動で入力部12に対して入力してもよい。
[検証例]
本出願の発明者は、構造物変位解析装置1の処理の精度を確認するための検証を行った。図10は、検証の対象となった橋梁Bの俯瞰図である。また、図11は、図10におけるA−A方向の断面図である。この検証に採用されたシングルスパンでコンポジット式の橋梁は、3つの梁(G1、G2、G3)により支持される。加速度の測定は、三軸ワイヤレス加速度センサ(S1、S2、S3)を橋梁Bに取り付け、更に正確に解析ができたかどうかを検証するためにレーザードップラー変位計を使用した。加速度センサの近傍には、レーザー反射点(R1、R2、R3)が設けられた。梁は35.8mの長さを有し、両端が伸縮継手に連結される。加速度センサのサンプリング周波数は、280Hzとした。
この条件において、車両が通過した際の強制振動は、0.3[Hz]、橋梁Bの共振周波数は2.1[Hz]および2.8[Hz]となった。図12は、高速フーリエ変換(FFT;Fast Fourier Transform)によって解析される橋梁Bの周波数解析結果である。
そして、加速度センサS1、S2、S3のそれぞれによって測定される加速度データに対して実施例で説明したものと同等の処理を行い、対応するレーザー反射点において直接測定される変位とを比較した。図13は、構造物変位解析装置1による解析結果(解析値)と、レーザードップラー変位計によって測定された測定結果(測定値)とを比較した図である。図13の上図は、梁G1に取り付けられた加速度センサS1の測定値に基づく解析結果と、レーザー反射点R1において測定された測定結果とを比較した図である。図13の中図は、梁G2に取り付けられた加速度センサS2の測定値に基づく解析結果と、レーザー反射点R2において測定された測定結果とを比較した図である。図13の下図は、梁G2に取り付けられた加速度センサS2の測定値に基づく解析結果と、レーザー反射点R2において測定された測定結果とを比較した図である。図示するように、全ての測定箇所において、測定結果に十分に近い解析結果が得られることが判った。
以上説明した本実施形態の構造物変位解析装置、および構造物変位解析プログラムによれば、加速度データにウェーブレット変換を行い、構造物の変位解析に適した周波数範囲を設定し、設定された周波数範囲内で、ウェーブレット変換によって得られるウェーブレット係数を2階積分し、積分された結果に対してウェーブレット逆変換を行って構造物の変位を算出することにより、より正確に構造物の変位を解析することができる。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
1 構造物変位解析装置
10 通信部
12 入力部
14 出力部
30 前処理部
32 ウェーブレット変換部
34 周波数範囲設定部
36 ウェーブレット係数積分部
38 ウェーブレット逆変換部

Claims (5)

  1. 測定対象の構造物に取り付けられた加速度センサによって測定された加速度データを取得する取得部と、
    前記加速度データにウェーブレット変換を行うウェーブレット変換部と、
    前記構造物の変位解析に適した周波数範囲を設定する周波数範囲設定部と、
    前記周波数範囲設定部により設定された周波数範囲内で、前記ウェーブレット変換によって得られるウェーブレット係数を2階積分するウェーブレット係数積分部と、
    前記ウェーブレット係数積分部によって2階積分された結果に対してウェーブレット逆変換を行って前記構造物の変位を算出するウェーブレット逆変換部と、
    を備える構造物変位解析装置。
  2. 前記構造物は、車両が通過する橋梁であり、
    前記ウェーブレット変換部は、逆二重直交ウェーブレットをマザーウェーブレットとして使用する、
    請求項1記載の構造物変位解析装置。
  3. 利用者による入力操作を受け付ける入力部を更に備え、
    前記周波数範囲設定部は、前記入力部に対してなされた入力操作に基づいて、前記周波数範囲を設定する、
    請求項1または2記載の構造物変位解析装置。
  4. 前記周波数範囲設定部は、前記ウェーブレット逆変換部により算出された変位を解析することにより、前記周波数範囲を自動的に再設定する、
    請求項1から3のうちいずれか1項記載の構造物変位解析装置。
  5. コンピュータに、
    測定対象の構造物に取り付けられた加速度センサによって測定された加速度データを取得させ、
    前記加速度データにウェーブレット変換を行わせ、
    利用者が入力部に対して入力した周波数範囲内、または記憶装置に記憶された周波数範囲内で、前記ウェーブレット変換によって得られるウェーブレット係数を2階積分させ、
    前記2階積分された結果に対してウェーブレット逆変換を行って前記構造物の変位を算出させる、
    構造物変位解析プログラム。
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