JP2013210293A - 音・画像解析による設備診断システム - Google Patents

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保徳 須貝
Junkai Hara
潤海 原
Yutaka Tachibana
裕 橘
Tomomasa Kita
知将 北
Kunihiro Azuma
邦浩 我妻
Takashi Ezu
貴司 江蔵
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Abstract

【課題】設備の異常の有無の判定を自動的に行うこと
【解決手段】本発明は、設備診断システム、および、設備診断方法、ならびにプログラムに関する。設備診断システムの判定処理装置の演算処理部は、ウェーブレット変換後のサンプル画像データと基準データの供給を受けるとともに、判定に必要な閾値A、および、閾値Bの供給を受け、サンプル画像データと基準画像データの積分値の差の絶対値を閾値Aと比較し、差の絶対値が閾値Aより大きかった場合のカウント数と閾値Bを比較することにより、集音された音が異常を示しているか否かを示す判定処理を実行し、その結果を出力装置に供給する。
【選択図】図4

Description

本発明は、設備診断システム、および、設備診断方法、ならびにプログラムに関する。
従来、機械設備や機械構造物の欠陥(例えば、亀裂、空隙、緩み、異物混入、傷など)を、その機械設備または機械構造物が発する音を用いて解析するためには、逆フィルタ法、フーリエ変換法、または、ウェーブレット変換法などが利用されていた。
逆フィルタ法は、音解析の対象となる機械設備または機械構造物の正常時の音を基準として定め、診断時に集音された音と比較し、その差異を基に、正常であるか異常であるかを判断する手法である。
すなわち逆フィルタ法を用いた音解析では、音解析の対象となる機械設備または機械構造物の正常時の音データを用いて逆フィルタを構成し、その逆フィルタに、診断時に集音された音を入力する。その結果、図1に示されるように、正常時には、出力信号が小さくなり、異常時には、出力信号が大きくなる。そして、逆フィルタ法では、出力信号の大きさを基に、機械設備または機械構造物の欠陥の有無を判断することができる。
次に、フーリエ変換法を用いることによって、音解析の対象となる機械設備または機械構造物が発生する音の波形に、どのような周波数の波が含まれるかを解析することが可能である。
図2に示されるように、音解析の対象となる機械設備または機械構造物から診断時に集音された音データから、縦軸を振幅、横軸を時間とした時間信号波形データを得て、この時間信号波形データをフーリエ変換すると、縦軸が信号の強さ、横軸が周波数を示す周波数スペクトルデータに変換される。フーリエ変換法は、周波数スペクトルデータをもとに、どの周波数にどの程度の強さの信号が含まれるかを解析することができるものである。音解析の対象となる機械設備または機械構造物になんらかの異常が発生していた場合には、周波数スペクトルデータのいずれかの周波数帯域に特異的なピークが発生する場合がある。このように、フーリエ変換法では、得られた周波数スペクトルデータ波形の状態を基に、機械設備または機械構造物の欠陥の有無を判断することができる。
次に、ウェーブレット変換について説明する。ウェーブレット変換は、周波数解析の手法の一つであり、基底関数として、ウェーブレット関数を用いる。ウェーブレット変換法では、時間領域の情報を残すことが可能である。
ウェーブレット変換は連続量を扱う連続ウェーブレット変換を基本とするものだが、計算機上では連続量を扱うのが難しい。このため、逆変換を考慮した形のウェーブレット変換もあり、これを離散ウェーブレット変換という。離散ウェーブレット変換は、一度変換した情報を加工して逆変換することで、例えば、ノイズの除去などの処理に応用することができる。連続ウェーブレット変換は逆変換を持たないものの、離散ウェーブレット変換よりも緻密な解析ができるという特徴がある。以下、ウェーブレット変換とは、連続ウェーブレット変換を示すものとして説明する。
図3に示されるように、ウェーブレット変換法とは、マザーウェーブレットと呼ばれる有限長波形(もしくは速やかに減衰しながら振動する波形)を拡大縮小するとともに、シフト(平行移動)して足し合わせることで、与えられた分析対象の波形を表現しようとし、その結果、分析対象の波形とマザーウェーブレットとの相関性が強いところと弱いところが解析されるので、周波数軸と時間軸とのマトリクス上に、相関性の強弱を明暗で示した画像データを生成するものである。ある入力波形を所定のマザーウェーブレットを用いてウェーブレット変換することにより得られる画像データが、図3内最下部の画像データである。このように、ウェーブレット変換法は、周波数に合わせてウェーブレットの幅が変化するので、広い周波数領域の解析が可能であるとともに、周波数解像度が格段に良くなる。
しかしながら、機械設備または機械構造物などの設備の診断システムに逆フィルタ法を用いる場合、逆フィルタの作成方法は、いくつか提案されているが、出力信号がインパルス信号となるような完全な逆フィルタを作成することは困難であり、実際には、残差の平均値や最大値を複合的に組み合わせたり、周波数帯域を制限するなど、ある程度の近似解で妥協することが一般的である。
また、機械設備または機械構造物などの設備の診断システムにフーリエ変換法を用いた場合、フーリエ変換法では、周波数特性を求める際に時間領域の情報が失われてしまう。なお、フーリエ変換でも、窓関数を用いる窓フーリエ変換では、時間領域の情報を残すことが可能であるが、この場合窓幅を周波数に合わせて固定する必要があるため、広い周波数領域の解析には向かない。
そして、機械設備または機械構造物などの設備の診断システムに、従来のウェーブレット変換法をそのまま用いた場合、異常の有無等の判定は、図3を用いて説明したような、分析結果を示す画像データを、ウェーブレット変換の専門知識を有する者などが確認し、その明暗の度合いによって行うようになされており、判断方法に個人差が生じてしまう恐れがある。このように、従来のウェーブレット変換法を用いて機械設備または機械構造物などの設備の診断システムを構築した場合、専門的知識のない者には扱えず、かつ、判断に個人差が発生してしまうのみならず、異常の有無の判定を自動的に行うものではなかった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、時間領域の情報を失わず、広い周波数帯域での解析が可能なウェーブレット変換を用いて、機械設備または機械構造物などの設備の異常の有無の判定を自動的に行うことができるようにするものである。
本発明の一側面は、設備が発生する音データを取得し、所定の時間幅に切り取る切り取り手段と、切り取り手段により切り取られた設備が発生する音データをウェーブレット変換して得られる第1の画像データを取得する第1の画像データ取得手段と、第1の画像データと時間幅が同一であり、かつ、マザーウェーブレットが同一であって、設備に異常がないときに設備が発生する音データをウェーブレット変換して得られる第2の画像データを取得する第2の画像データ取得手段と、第1の画像データ取得手段により取得された第1の画像データ、および、第2の画像データ取得手段により取得された第2の画像データを、それぞれ所定のライン位置から所定の幅で積分し、その差の絶対値を算出する算出手段と、算出手段により算出された差の絶対値と所定の第1の閾値とを比較する比較手段と、比較手段により差の絶対値が所定の第1の閾値よりも大きい場合をカウントする第1のカウント手段と、第1のカウント手段によりカウントされた値と所定の第2の閾値とを比較することにより、設備に異常が発生しているかの判定を実行する判定手段とを備える判定処理装置を含んで構成されることを特徴とする。
切り取り手段は、設備が発生する音データを、同一時点を含む異なる複数の時間幅に切り取るものとすると好適である。
切り取り手段は、設備が発生する音データを、異なる複数の時刻において切り取るものとすると好適である。
算出手段は、異なる種類の複数のマザーウェーブレットを用いてウェーブレット変換された第1の画像データおよび第2の画像データをそれぞれ積分するものとすると好適である。
算出手段は、第1の画像データ取得手段により取得された第1の画像データ、および、第2の画像データ取得手段により取得された第2の画像データを、それぞれ所定のライン位置から、第1の画像データの横ピクセル数の半分まで積分するものとすると好適である。
所定のライン数をカウントする第2のカウント手段をさらに備えるものとすると好適である。
切り取り手段により切り取られた設備が発生する音データをウェーブレット変換して第1の画像データを生成するウェーブレット変換手段をさらに備えるものとすると好適である。
切り取り手段により切り取られた設備が発生する音データをウェーブレット変換する際に用いられるマザーウェーブレットの入力を受けるマザーウェーブレット入力手段をさらに備えるものとすると好適である。
第1の閾値の入力を受ける第1の入力手段をさらに備えるものとすると好適である。
第2の閾値の入力を受ける第2の入力手段をさらに備えるものとすると好適である。
第2の画像データの入力を受ける第2の画像データ入力手段をさらに備えるものとすると好適である。
切り取り手段は、設備が発生する音データを、同一時点を含む異なる3種類の時間の時間幅に切り取り、算出手段は、3種類のマザーウェーブレットを用いてウェーブレット変換された第1の画像データおよび第2の画像データを積分するものとすると好適である。
切り取り手段が取得する設備が発生する音データは、超指向性マイクを用いて集音されたものとすると好適である。
切り取り手段が取得する設備が発生する音データは、音信号の特定の周波数帯域が強調されるように加工されたものとすると好適である。
本発明の一側面は、設備が発生する音データをウェーブレット変換して得られる第1の画像データを利用して、設備に異常が発生しているかを診断するための診断方法であって、設備が発生する音データを取得し、所定の時間幅に切り取る切り取りステップと、切り取りステップの処理により切り取られた設備が発生する音データをウェーブレット変換して得られる第1の画像データを取得する第1の画像データ取得ステップと、第1の画像データと時間幅が同一であり、かつ、マザーウェーブレットが同一であって、設備に異常がないときに設備が発生する音データをウェーブレット変換して得られる第2の画像データを取得する第2の画像データ取得ステップと、第1の画像データ取得ステップの処理により取得された第1の画像データ、および、第2の画像データ取得ステップの処理により取得された第2の画像データを、それぞれ所定のライン位置から所定の幅で積分し、その差の絶対値を算出する算出ステップと、算出ステップの処理により算出された差の絶対値と所定の第1の閾値とを比較する比較ステップと、比較ステップの処理により差の絶対値が所定の第1の閾値よりも大きい場合をカウントする第1のカウントステップと、第1のカウントステップの処理によりカウントされた値と所定の第2の閾値とを比較することにより、設備に異常が発生しているかの判定を実行する判定ステップとを含む。
以上のように、本発明の一側面によれば、ウェーブレット変換を用いて、機械設備または機械構造物などの異常の有無の判定を自動的に行うことができる。
図1は、従来の逆フィルタ法について説明するための図である。 図2は、従来のフーリエ変換法について説明するための図である。 図3は、従来のウェーブレット変換について説明するための図である。 図4は、設備診断システムについて説明するための図である。 図5は、演算処理部について説明するための図である。 図6は、UI画面について説明するための図である。 図7は、設備診断システムが実行する処理について説明するためのフローチャートである。 図8は、設備診断システムが実行する処理について説明するためのフローチャートである。 図9は、単一指向性マイクについて説明するための図である。 図10は、超指向性マイクについて説明するための図である。 図11は、図4とは異なる構成の設備診断システムについて説明するための図である。 図12は、図4とは異なる構成の設備診断システムについて説明するための図である。 図13は、図4とは異なる構成の設備診断システムについて説明するための図である 14は、図4とは異なる構成の設備診断システムについて説明するための図である 図15は、設備診断システムについて説明するための図である。 図16は、演算処理部について説明するための図である。 図17は、閾値Bの設定値による診断の正確性ついて説明するための図である。 図18は、閾値Bの設定値による診断の正確性ついて説明するための図である。 図19は、閾値Bの設定値による診断の正確性ついて説明するための図である。 図20は、閾値Bの設定値による診断の正確性ついて説明するための図である。 図21は、閾値Bの設定値による診断の正確性ついて説明するための図である。 図22は、UI画面について説明するための図である。 図23は、設備診断システムが実行する処理について説明するためのフローチャートである。 図24は、設備診断システムが実行する処理について説明するためのフローチャートである。 図25は、図15とは異なる構成の設備診断システムについて説明するための図である。 図26は、図15とは異なる構成の設備診断システムについて説明するための図である。 図27は、図15とは異なる構成の設備診断システムについて説明するための図である 図28は、図15とは異なる構成の設備診断システムについて説明するための図である
図4を用いて、本発明を適用した設備診断システムの一例である設備診断システム1について説明する。
設備診断システム1は、音入力装置11、入力装置12、ウェーブレット変換装置13、判定処理装置14、および、出力装置15で構成されている。
音入力装置11は、例えば、マイクロフォン(以下、マイクと称する)など、集音可能なデバイスと、必要に応じて、入力された音信号の周波数特性を変更することが可能な、例えば、イコライザなどのデバイスで構成され、音解析の対象となる機械設備または機械構造物の周囲を集音、すなわち、音解析の対象となる機械設備または機械構造物から発生される音を採取し、後述する判定処理装置14のサンプルデータ取得部41に供給するものである。イコライザは、音信号の特定の周波数帯域(倍音成分や高調波成分、または、ノイズ成分)を強調したり、逆に減少させる事ができる。
入力装置12は、マザーウェーブレット入力部21、閾値A入力部22、閾値B入力部23、および、基準画像入力部24によって構成されている。入力装置12は、例えば、キーボード、タッチパッド、テンキー、マウス、ダイヤル、または、ボタンなどの入力デバイスを含み、ユーザの操作入力を受けるものである。また、入力装置12は、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394、RS(Recommended Standard )232C、または、USB(Universal
Serial Bus)などのデータバスをさらに含み、他の装置、または、記録媒体などからデータの入力を受けることが可能である。
マザーウェーブレット入力部21は、ウェーブレット変換を行うためのマザーウェーブレットと呼ばれる有限長波形(もしくは速やかに減衰しながら振動する波形)の入力を受け、後述するウェーブレット変換装置13のマザーウェーブレット記憶部31に供給するものである。マザーウェーブレットの代表的なものとして、例えば、Daubechies、Mexican hat、およびMorletなどがある。また、音解析の対象となる機械設備または機械構造物の異常時に発生する異音の音データがあらかじめ分かっている場合には、異常時の音波形をマザーウェーブレットとして用いるようにすると好適である。
閾値A入力部22は、後述する判定処理装置14の演算処理部42において用いられる第1の閾値である閾値Aの入力を受け、後述する判定処理装置14の演算処理部42に供給するものである。閾値Aの詳細については後述する。
閾値B入力部23は、後述する判定処理装置14の演算処理部42において用いられる第2の閾値である閾値Bの入力を受け、後述する判定処理装置14の演算処理部42に供給するものである。閾値Bの詳細については後述する。
基準画像入力部24は、後述する判定処理装置14において実行される判定処理に用いられる基準画像データの入力を受け、判定処理装置14の演算処理部42に供給する。
基準画像データは、音解析の対象となる機械設備または機械構造物に異常が発生していない正常状態において集音された音データ波形をウェーブレット変換したものである。このウェーブレット変換の時間幅、および使用するマザーウェーブレットの条件は、後述するウェーブレット変換装置13において実行されるサンプルデータのウェーブレット変換と同一でなければならない。すなわち、基準画像入力部24により入力される画像データは、後述するウェーブレット変換装置13を用いて異常が発生していない正常状態において音解析の対象となる機械設備または機械構造物から集音された音データ波形をウェーブレット変換したものであってもよいことは言うまでもない。
ウェーブレット変換装置13は、マザーウェーブレット記憶部31、相関関係算出部32、および画像処理部33によって構成されており、上述したウェーブレット変換を実行するものである。
マザーウェーブレット記憶部31は、入力装置12のマザーウェーブレット入力部21より、ウェーブレット変換に用いるマザーウェーブレットの供給を受けて記憶するものである。
相関関係算出部32は、マザーウェーブレット記憶部31に記憶されているマザーウェーブレットを読み出し、マザーウェーブレットを拡大縮小するとともに、シフトして足し合わせることで、後述する判定処理装置14のサンプルデータ取得部41から供給された判定に用いるサンプルデータの波形を表現しようとすることにより、マザーウェーブレットとサンプルデータの相関関係を算出する。そして、相関関係算出部32は、相関関係の算出結果を画像処理部33に供給する。
画像処理部33は、相関関係算出部32から供給された相関関係の算出結果を基に、マザーウェーブレットとサンプルデータの相関性が強いところと弱いところとを明暗で示し、周波数軸と時間軸とで表現した画像データを生成し、後述する判定処理装置14の演算処理部42に供給するものである。
判定処理装置14は、サンプルデータ取得部41、および、演算処理部42から構成されている。判定処理装置14は、ウェーブレット変換装置13より、マザーウェーブレットとサンプルデータの相関性を明暗で示して周波数軸と時間軸とで表現した画像データの供給を受けるとともに、入力装置12の閾値A入力部22および閾値B入力部23から、判定に必要な第1の閾値である閾値A、および、判定に必要な第2の閾値である閾値Bの供給を受け、音入力装置11によって集音された音が異常を示しているか否かを示す判定処理を実行し、その結果を出力装置15に供給する。
サンプルデータ取得部41は、音入力装置11によって集音された音のデータの供給を受け、所定の時間幅(例えば、1秒、1秒の1/9である0.11秒、もしくは、0.11秒の2/5である0.04秒、または、実験的、経験的に適当とされる所定の時間幅など)に切り出して、判定に用いるサンプルデータとして相関関係算出部32に供給するものである。
演算処理部42は、ウェーブレット変換装置13の画像処理部33から供給される、サンプルデータを基に生成された画像データ(以下、サンプル画像データと称する)と、入力装置12の基準画像入力部24から供給される基準画像データを用いて、音解析の対象となる機械設備または機械構造物において異常が発生しているかを示す判定結果を生成し、出力装置15に供給する。
図5を参照して、演算処理部42の詳細な機能について説明する。
演算処理部42は、制御部51、サンプル画像データ取得部52、基準画像データ取得部53、積分部54、差の絶対値算出部55、比較部56、閾値A取得部57、閾値B取得部58、カウンタL59、カウンタM60、カウンタN61、判定部62、および、診断結果出力制御部63で構成されている。
制御部51は、演算処理部42の各部を制御するものである。
サンプル画像データ取得部52は、画像処理部33から供給されたウェーブレット変換後のサンプル画像データを取得し、積分部54に供給するとともに、サンプル画像データの横ピクセル数Sの情報を制御部51に供給する。また、サンプル画像データ取得部52は、診断結果出力制御部63による診断結果の出力形態に基づいて、画像処理部33から供給されたウェーブレット変換後のサンプル画像データを診断結果出力制御部63に供給する。
基準画像データ取得部53は、基準画像入力部24から供給された基準画像データの横ピクセル数Tの情報を制御部51に供給するとともに、基準画像データの横ピクセル数Tの数が、サンプル画像データの横ピクセル数Sと異なる場合、制御部51の制御にしたがって、基準画像データの横ピクセル数をSに修正して、積分部54に供給する。また、基準画像データ取得部53は、診断結果出力制御部63による診断結果の出力形態に基づいて、基準画像入力部24から供給された基準画像データを診断結果出力制御部63に供給する。
閾値A取得部57は、後述する比較部56において行われる比較処理に用いられる第1の閾値である閾値Aの値を閾値A入力部22から取得し、比較部56に供給する。閾値Aとは、サンプル画像データと基準画像データ、それぞれ横S/2ピクセル分の積分値の差の絶対値と比較される閾値であり、差の絶対値が閾値Aより大きい場合、後述するカウンタN61がインクリメントされる。
閾値B取得部58は、後述する比較部56において行われる比較処理に用いられる第2の閾値である閾値Bの値を閾値B入力部23から取得し、比較部56に供給する。閾値Bとは、後述するカウンタN61の示す値と比較される閾値であり、後述する判定部62は、比較部56による閾値BとカウンタN61の値との比較結果に基づいて、音解析の対象となる機械設備または機械構造物の異常発生について判定する。
カウンタL59は、制御部51の制御に基づいて、その値がインクリメントされたり、初期化されるカウンタであり、現在処理中のサンプル画像データの積分が先頭から何ライン目から開始されるものであるかを示すものである。
カウンタM60は、制御部51の制御に基づいて、その値がインクリメントされたり、初期化されるカウンタであり、現在処理中の基準画像データの積分が先頭から何ライン目から開始されるものであるかを示すものである。
カウンタN61は、制御部51の制御に基づいて、その値がインクリメントされたり、初期化されるカウンタであり、比較部56によって、サンプル画像データと基準画像データ、それぞれ横S/2ピクセル分の積分値の差の絶対値と閾値Aとが比較され、閾値Aより差の絶対値が大きいという比較結果が得られた場合にインクリメントされる。
積分部54は、制御部51の制御に基づいて、サンプル画像データ取得部52から供給されたサンプル画像データにおいて、カウンタL59に示されるLラインからサンプル画像データの横ピクセル数Sの半分となる横S/2ピクセル分を切り取って積分するとともに、基準画像データ取得部53から供給された基準画像データにおいて、カウンタM60に示されるMラインから、横S/2ピクセル分を切り取って積分し、それぞれの積分結果を差の絶対値算出部55に供給する。
差の絶対値算出部55は、制御部51の制御に基づいて、積分部54から供給された、サンプル画像データのLラインから横S/2ピクセル分の積分結果と、基準画像データのMラインから横S/2ピクセル分の積分結果との差の絶対値を算出し、比較部56に供給する。
比較部56は、制御部51の制御に基づいて、差の絶対値算出部55から供給された積分結果の差の絶対値と、閾値A取得部57から供給される閾値Aと比較し、その結果を制御部51に供給するものである。制御部51は、積分結果の差の絶対値が閾値Aより大きいという結果を比較部56から受けた場合、カウンタN61を1インクリメントする。また、比較部56は、制御部51の制御に基づいて、カウンタN61が示す値と閾値Bとを比較し、その結果を判定部62に供給するものである。
判定部62は、制御部51の制御に基づいて、比較部56から供給されたカウンタN61が示す値と閾値Bとの比較結果に基づいて、音解析の対象となる機械設備または機械構造物の異常発生について判定し、診断結果出力制御部63に判定結果を供給する。
判定部62は、例えば、N≧Bであれば「異常あり」、N<Bであれば「正常」という判定を行うものであってもよいし、また、N≧Bであれば「異常あり」、B>N≧B/2であれば「注意」、B/2>Nであれば「正常」としてもよいし、さらに変数x(変数xの値は、実験的経験的に求められるものであっても良いし、ユーザによって入力可能な値であっても良い)を用いて、N≧Bであれば「異常あり」、B>N≧B―xであれば「注意」、B―x>Nであれば「正常」とするなど、より細かい判定を行うものとしても良い。
診断結果出力制御部63は、演算の結果得られた判定結果を少なくとも含む情報を、出力装置15に供給する。診断結果出力制御部63は、例えば、ユーザによって入力装置12を用いて入力された、例えば、各種閾値などの値や、ウェーブレット変換後のサンプル画像データや基準画像データをさらに含むUI(User-Interface)画面を表示出力させるためのデータを生成し、出力装置15に供給するものであっても良い。
再び、図4に戻り、出力装置15は、例えば、液晶、LED(Light Emitting
Diode)もしくは有機EL(light-emitting)を用いた表示画面、各種発光素子などで構成された表示パネル、または、各種発光素子によるライトなどで構成され、演算処理装置による演算の結果得られた判定結果を含む情報を表示したり、例えば、スピーカーなどの音声出力デバイスを含んで構成され、演算処理装置による演算の結果得られた判定結果を音声出力するものである。また、出力装置15は、例えば、ユーザによって入力装置12を用いて入力された、例えば、各種閾値などの値や、ウェーブレット変換後のサンプル画像データや基準画像データをさらに含むUI画面を表示出力することができるものであっても良い。
図6に、出力装置15が表示デバイスである場合に表示可能なUI画面の一例を示す。
図6に示されるように、UI画面71には、判定結果を表示する判定結果表示ボックス81が表示される。そして、UI画面71には、例えば、基準画像データや、ウェーブレット変換後のサンプル画像データが表示されていても良い。また、UI画面71には、例えば、音入力装置11に含まれている集音デバイスの種類を特定するデータが表示されていても良い。さらに、UI画面71に、閾値Aの入力値を示す数値表示ボックスや、閾値Bの入力値を示す数値表示ボックスが表示されることによって、ユーザに現在の評価条件を示すことができ、また、必要に応じて、ユーザに閾値Aおよび閾値Bの値の再入力を促すことなどができる。
次に、図7および図8のフローチャートを参照して、図4を用いて説明した設備診断システム1が実行する処理について説明する。
ステップS1において、判定処理装置14のサンプルデータ取得部41は、音入力装置11により集音されたサンプルデータを取得し、所定の時間幅のサンプルデータを切り出して、ウェーブレット変換装置13の相関関係算出部32に供給する。
ステップS2において、ウェーブレット変換装置13の相関関係算出部32は、マザーウェーブレット記憶部31に記憶されているマザーウェーブレットを読み出し、マザーウェーブレットを拡大縮小するとともに、シフトして足し合わせることでサンプルデータの波形を表現しようとすることにより、マザーウェーブレットとサンプルデータの相関関係を算出し、相関関係の算出結果を画像処理部33に供給する。ウェーブレット変換装置13の画像処理部33は、相関関係の算出結果を基に、マザーウェーブレットとサンプルデータの相関性が強いところと弱いところとを明暗で示し、周波数軸と時間軸とで表現した、ウェーブレット変換後の画像データを生成し、判定処理装置14の演算処理部42に供給する。すなわち、ウェーブレット変換装置13は、サンプルデータのウェーブレット変換処理を実行して生成したサンプル画像データを判定処理装置14の演算処理部42に供給する。
ステップS3において、判定処理装置14の演算処理部42の基準画像データ取得部53は、入力装置12の基準画像入力部24に入力された基準画像データを取得し、サンプル画像データ取得部52は、ウェーブレット変換装置13から供給されたサンプル画像データを取得して、それぞれ積分部54に供給する。
ステップS4において、制御部51は、サンプル画像データ取得部52から、サンプル画像データの横ピクセル数を示す値Sを取得するとともに、基準画像データ取得部53から、基準画像データの横ピクセル数を示す値Tを取得する。基準画像データ取得部53は、制御部51の制御にしたがって、必要に応じて、積分部54に供給する基準画像データの横ピクセル数をサンプル画像データの横ピクセル数に合わせるものとしてもよい。
ステップS5において、制御部51は、カウンタL59、カウンタM60、および、カウンタN61の初期設定を実行する。すなわち、制御部51は、カウンタL59の値をL=1とし、カウンタM60の値をM=1とし、カウンタN61の値をN=0とする。
ステップS6において、閾値A取得部57は、閾値Aの値を取得して比較部56に供給し、閾値B取得部58は、閾値Bの値を取得して比較部56に供給する。
ステップS7において、積分部54は、制御部51の制御に基づいて、サンプル画像データ取得部52から供給されたサンプル画像データにおいて、カウンタL59に示されるLラインからサンプル画像データの横ピクセル数Sの半分となる横S/2ピクセル分を切り取る。
ステップS8において、積分部54は、制御部51の制御に基づいて、ステップS7において切り取られたサンプル画像データを積分し、差の絶対値算出部55に供給する。
ステップS9において、積分部54は、制御部51の制御に基づいて、基準画像データ取得部53から供給された基準画像データにおいて、カウンタM60に示されるMラインから横S/2ピクセル分を切り取る。
ステップS10において、積分部54は、制御部51の制御に基づいて、ステップS9において切り取られた基準画像データを積分し、差の絶対値算出部55に供給する。
ステップS11において、差の絶対値算出部55は、積分部54から供給された、サンプル画像のNライン目からN+S/2ライン目までのデータの積分値と、基準画像のMライン目からM+S/2ライン目までのデータの積分値の差の絶対値Wを演算し、比較部56に供給する。
ステップS12において、比較部56は、ステップS11において算出された積分値の差の絶対値Wと、閾値A取得部57から供給された閾値Aとを比較し、W>閾値Aであるか否かを判断する。ステップS12において、W>閾値Aではないと判断された場合、処理は、ステップS14に進む。
ステップS12において、W>閾値Aであると判断された場合、ステップS13において、比較部56は、制御部51に、W>閾値Aであると通知する。制御部51は、カウンタN61をインクリメントして、N=N+1とする。
ステップS12において、W>閾値Aではないと判断された場合、または、ステップS13の処理の終了後、ステップS14において、制御部51は、カウンタL59の値を参照し、L=S/2であるか否かを判断する。ステップS14において、L=S/2であると判断された場合、処理は、ステップS16に進む。
ステップS14において、L=S/2でないと判断された場合、ステップS15において、制御部51は、カウンタL59の値をインクリメントして、L=L+1とし、処理は、ステップS7に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS14において、L=S/2であると判断された場合、ステップS16において、制御部51は、カウンタM60を参照して、M=S/2であるか否かを判断する。ステップS16において、M=S/2であると判断された場合、処理は、後述するステップS19に進む。
ステップS16において、M=S/2ではないと判断された場合、ステップS17において、制御部51は、カウンタL59の値をL=1に初期化する。
ステップS18において、制御部51は、カウンタM60の値をインクリメントしてM=M+1とし、処理は、ステップS7に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS16において、M=S/2であると判断された場合、ステップS19において、比較部56は、制御部51の制御に基づいて、カウンタN61の値と閾値Bの値とを比較し、その結果を判定部62に供給する。
ステップ20において、判定部62は、例えば、N≧Bであれば「異常」、N<Bであれば「正常」という判定を行って、判定結果を診断結果出力制御部63に供給する。
ステップS21において、診断結果出力制御部63は、例えば、図6を用いて説明したような、判定結果を含むUI画面を生成したり、判定結果を示す音声データを生成したり、または、判定結果をあらかじめ定められた所定の電気信号に変換するなどして、判定結果を示す情報を、出力装置15に供給する。
ステップS22において、出力装置15は、判定結果を含むUI画面を表示したり、判定結果を示す音声データを出力したり、または、あらかじめ定められた所定の電気信号を基に、例えば、ライトの点灯等を実行することなどにより、判定結果をユーザに理解可能な形状で出力し、処理が終了される。
また、図4の音入力装置11に含まれる集音デバイスが、例えば、図9に示されるような一般的な指向性を有する、いわゆる単一指向性マイクより、例えば、図10に示されるようなさらに鋭い指向特性を有する超指向性マイクであるほうが、集音されたサンプルデータの異音部分が強調されるため、得られる判定結果の精度が高くなる。
また、音入力装置11に含まれる集音デバイスが、例えば、図9に示されるような一般的な指向性を有するマイクである場合、音入力装置11は、音解析の対象となる機械設備または機械構造物から発生される音を加工することが可能な、例えば、イコライザなどのデバイスを含んで構成されていると、集音されたサンプルデータの異音部分が強調されるため、得られる判定結果の精度が高くなり好適である。
なお、音入力装置11に含まれる集音デバイスが、例えば、図9に示されるような一般的な指向性を有するマイクであって、さらに、例えば、イコライザなどのデバイスを含まない場合、音入力装置11の出力にイコライザなどのデバイスを接続し、加工された音を判定処理装置14に供給するような構成であると、得られる判定結果の精度が高くなり好適である。
以上においては、音入力装置11、入力装置12、ウェーブレット変換装置13、判定処理装置14、および、出力装置15が、それぞれ異なる装置で構成される設備診断システムについて説明したが、例えば、図11、図12、図13、および、図14に示されるように、設備診断システムは、図4を用いて説明した場合とは異なる装置構成であっても良い。
まず、図11を参照して、図4を用いて説明した場合とは異なる装置構成の一例である設備診断システム101について説明する。
設備診断システム101は、音入力装置11と、情報処理装置111とで構成されている。
情報処理装置111は、入力部121、ウェーブレット変換部122、判定処理部123、および出力部124で構成されている。
なお、入力部121は、図4を用いて説明した入力装置12と同様の機能を有し、ウェーブレット変換部122は、図4を用いて説明したウェーブレット変換装置13と同様の機能を有し、判定処理部123は、図4を用いて説明した判定処理装置14と同様の機能を有し、出力部124は、図4を用いて説明した出力装置15と同様の機能を有しているので、その説明は省略する。
すなわち、図11に示される設備診断システム101は、図4を用いて説明した入力装置12、ウェーブレット変換装置13、判定処理装置14、および出力装置15の機能を有する情報処理装置111と、汎用的な音入力装置11とで構成されるものである。
このような構成にすることにより、例えば、診断対象となる設備などに備え付けられているマイクなどを用いて、設備診断システムを利用することができる。
次に、図12を参照して、図4を用いて説明した場合とは異なる装置構成の他の例である設備診断システム131について説明する。
設備診断システム131は、音入力装置11と、情報処理装置135とで構成されている。
情報処理装置135は、イコライザ141、入力部121、ウェーブレット変換部122、判定処理部123、および出力部124で構成されている。
イコライザ141は集音された音を加工することが可能なデバイスであり、音入力装置11から供給された解析の対象となる機械設備または機械構造物から発生される音に異音が存在する場合にそれが強調されるように音データを加工し、判定処理部123のサンプルデータ取得部41に供給する。
なお、入力部121は、図4を用いて説明した入力装置12と同様の機能を有し、ウェーブレット変換部122は、図4を用いて説明したウェーブレット変換装置13と同様の機能を有し、判定処理部123は、図4を用いて説明した判定処理装置14と同様の機能を有し、出力部124は、図4を用いて説明した出力装置15と同様の機能を有しているので、その説明は省略する。
すなわち、図12に示される設備診断システム131は、図4を用いて説明した入力装置12、ウェーブレット変換装置13、判定処理装置14、および出力装置15の機能を有するとともに、さらにイコライザ141の機能を有する情報処理装置135と、汎用的な音入力装置11とで構成されるものである。
このような構成にすることにより、例えば、診断対象となる設備などに備え付けられているマイクなどが図9を用いて説明した一般的な単一指向性を有するものであっても、設備診断システムによって得られる判定結果の精度を高めることができる。
次に、図13を参照して、図4を用いて説明した場合とは異なる装置構成の他の例である設備診断システム151について説明する。
設備診断システム151は、情報処理装置161で構成されている。
情報処理装置161は、音入力部171、入力部121、ウェーブレット変換部122、判定処理部123、および出力部124で構成されている。
なお、音入力部171は、図4を用いて説明した音入力装置11と同様の機能を有し、入力部121は、図4を用いて説明した入力装置12と同様の機能を有し、ウェーブレット変換部122は、図4を用いて説明したウェーブレット変換装置13と同様の機能を有し、判定処理部123は、図4を用いて説明した判定処理装置14と同様の機能を有し、出力部124は、図4を用いて説明した出力装置15と同様の機能を有しているので、その説明は省略する。
すなわち、図13に示される設備診断151システムは、図4を用いて説明した設備診断システム1の機能を1つの装置で実現することが可能なようにしたものである。
次に、図14を参照して、図4を用いて説明した場合とは異なる装置構成の他の例である設備診断システム181について説明する。
設備診断システム181は、情報処理装置191で構成されている。
情報処理装置191は、音入力部171、イコライザ141、入力部121、ウェーブレット変換部122、判定処理部123、および出力部124で構成されている。
なお、音入力部171は、図4を用いて説明した音入力装置11と同様の機能を有し、入力部121は、図4を用いて説明した入力装置12と同様の機能を有し、ウェーブレット変換部122は、図4を用いて説明したウェーブレット変換装置13と同様の機能を有し、判定処理部123は、図4を用いて説明した判定処理装置14と同様の機能を有し、出力部124は、図4を用いて説明した出力装置15と同様の機能を有しているので、その説明は省略する。
また、イコライザ141は、図12を用いて説明した場合と同様であるので、その説明は省略する。
すなわち、図14に示される設備診断システム181は、図9を用いて説明した一般的な単一指向性を有する音入力部171、および、入力部121、ならびに、出力部124の機能を有する情報処理装置191に、さらに、ウェーブレット変換部122および判定処理部123の機能が加えられた(例えば、ウェーブレット変換部122および判定処理部123の機能を有するソフトウェアが所定の記録媒体やネットワークを介して汎用的な情報処理装置191にインストールされた)状態において、さらに精度の高い判定結果を得るために、ソフトウェアとしてイコライザ141がインストールされた場合などに対応している。
このように、汎用的な情報処理装置を用いる場合においても、イコライザの機能を追加することにより、判定結果の精度をさらに高めることができるものである。
なお、図11、図12、図13、および図14を用いて説明した場合において、入力部121に対応する機能と出力部124に対応する機能の全体、または、少なくともその一部が、それぞれ、情報処理装置とは異なる装置であって、外部接続されているもので実現されていてもかまわないことは言うまでもない。
以上においては、音解析の対象となる機械設備または機械構造物が発生する音を集音し、所定の時間幅にて切り出した後、1つの種類のマザーウェーブレットを用いてウェーブレット変換を実行し、その画像データに基づいて、音解析の対象となる機械設備または機械構造物に異常が発生しているか否かを判定する場合について説明したが、複数の所定の時間幅を設定して音データを切り出したり、異なる時間から所定の時間幅の音データを切り出したり、または、複数種類のマザーウェーブレットを用いてウェーブレット変換を行うことなどにより、処理データ数を多くして、さらに判定結果の精度を高めるようにすることができる。
次に、図15を参照して、処理データ数を多くすることが可能な設備診断システム201について説明する。
図15の設備診断システム201は、音入力装置11、入力装置211、ウェーブレット変換装置212、判定処理装置213、および、出力装置15で構成されている。音入力装置11および出力装置15については、図4を用いて説明した場合と同様であるので、その説明は省略する。
入力装置211は、マザーウェーブレット入力部21、閾値A入力部22、閾値B入力部23、閾値C入力部221、および、基準画像入力部222によって構成されている。入力装置211は、例えば、キーボード、タッチパッド、テンキー、マウス、ダイヤル、または、ボタンなどの入力デバイスを含み、ユーザの操作入力を受けるものである。また、入力装置211は例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394、RS(Recommended Standard )232C、または、USB(Universal
Serial Bus)などのデータバスをさらに含み、他の装置、または、記録媒体などからデータの入力を受けることが可能である。
なお、マザーウェーブレット入力部21、閾値A入力部22、および、閾値B入力部23については、図4を用いて説明した場合と同様であるので、その説明は省略する。
閾値C入力部221は、後述する判定処理装置213の演算処理部242において用いられる第3の閾値である閾値Cの入力を受け、後述する判定処理装置213の演算処理部242に供給するものである。閾値Cの詳細については後述する。
基準画像入力部222は、後述する判定処理装置213において実行される判定処理に用いられる複数の基準画像データの入力を受け、判定処理装置213の演算処理部242に供給する。
基準画像データは、音解析の対象となる機械設備または機械構造物に異常が発生していない正常状態において集音された音データ波形をウェーブレット変換したものである。このウェーブレット変換の時間幅、および、使用するマザーウェーブレットの条件は、後述するウェーブレット変換装置212において実行されるサンプルデータのウェーブレット変換と同一でなければならない。すなわち、基準画像入力部222により入力される画像データは、後述するウェーブレット変換装置212において実行されるそれぞれのサンプルデータのウェーブレット変換と同一条件でウェーブレット変換された複数の基準画像である。
ウェーブレット変換装置212は、マザーウェーブレット記憶部231、相関関係算出部32、および画像処理部33によって構成されており、上述したウェーブレット変換を実行するものである。
なお、相関関係算出部32、および画像処理部33は、図4を用いて説明した場合と同一であるので、その説明は省略する。
マザーウェーブレット記憶部231は、入力装置211のマザーウェーブレット入力部21より、ウェーブレット変換に用いるマザーウェーブレットの供給を受けて記憶するものであり、後述する判定処理装置213による判定処理に、複数種類のマザーウェーブレットを用いてウェーブレット変換が実行されて生成されたサンプル画像データが用いられる場合、複数種類のマザーウェーブレットを記憶する。マザーウェーブレットの代表的なものとして、例えば、Daubechies、Mexican hat、およびMorletなどがあるので、例えば、これら3種類のマザーウェーブレットを用いてウェーブレット変換が実行されて生成されたサンプル画像データが用いられる場合、マザーウェーブレット記憶部231は、これら3種類のマザーウェーブレットを記憶する。
判定処理装置213は、サンプルデータ取得部241、および、演算処理部242から構成されている。判定処理装置213は、ウェーブレット変換装置212より、マザーウェーブレットとサンプルデータの相関性を明暗で示して周波数軸と時間軸とで表現した画像データの供給を受けるとともに、入力装置211の閾値A入力部22、閾値B入力部23、および、閾値C入力部221から、判定に必要な第1の閾値である閾値A、判定に必要な第2の閾値である閾値B、および、判定に必要な第3の閾値である閾値Cの供給を受け、音入力装置11によって集音された音が異常を示しているか否かを示す判定処理を実行し、その結果を出力装置15に供給する。
サンプルデータ取得部241は、音入力装置11によって集音された音のデータの供給を受け、複数の時間幅(例えば、1秒、1秒の1/9である0.11秒、および、0.11秒の2/5である0.04秒の3種類、または、実験的、経験的に適当とされる複数の時間幅など)に切り出すか、異なる複数の時点において所定の時間幅に切り出して、判定に用いるサンプルデータとして相関関係算出部32に供給するものである。
演算処理部242は、ウェーブレット変換装置212の画像処理部33から供給される複数のサンプル画像データと、入力装置211の基準画像入力部222から供給される複数の基準画像データを用いて、音解析の対象となる機械設備または機械構造物において異常が発生しているかを示す判定結果を生成し、出力装置15に供給する。
図16を参照して、演算処理部242の詳細な機能について説明する。
演算処理部242は、制御部251、サンプル画像データ取得部252、基準画像データ取得部253、積分部54、差の絶対値算出部55、比較部254、閾値A取得部57、閾値B取得部58、閾値C取得部255、カウンタL59、カウンタM60、カウンタN61、カウンタP256、判定部257、および、診断結果出力制御部63で構成されている。
なお、積分部54、差の絶対値算出部55、閾値A取得部57、閾値B取得部58、カウンタL59、カウンタM60、カウンタN61、および、診断結果出力制御部63については、図5を用いて説明した場合と同様であるので、その説明は省略する。
制御部251は、演算処理部242の各部を制御するものである。
サンプル画像データ取得部252は、画像処理部33から供給されたウェーブレット変換後のサンプル画像データを複数取得し、積分部54に供給するとともに、サンプル画像データの横ピクセル数Sの情報を制御部251に供給する。また、サンプル画像データ取得部252は、診断結果出力制御部63による診断結果の出力形態に基づいて、画像処理部33から供給されたウェーブレット変換後のサンプル画像データを診断結果出力制御部63に供給する。
基準画像データ取得部253は、基準画像入力部222から供給された基準画像データの横ピクセル数Tの情報を制御部251に供給するとともに、基準画像データの横ピクセル数Tの数が、サンプル画像データの横ピクセル数Sと異なる場合、制御部251の制御にしたがって、基準画像データの横ピクセル数をSに修正して、積分部54に供給する。また、基準画像データ取得部253は、診断結果出力制御部63による診断結果の出力形態に基づいて、基準画像入力部222から供給された基準画像データを診断結果出力制御部63に供給する。
閾値C取得部255は、後述する比較部254において行われる比較処理に用いられる第3の閾値である閾値Cの値を閾値C入力部221から取得し、比較部254に供給する。閾値Cとは、後述するカウンタP256の示す値と比較される閾値であり、後述する判定部257は、比較部254による閾値CとカウンタP256の値との比較結果に基づいて、音解析の対象となる機械設備または機械構造物の異常発生について判定する。
カウンタP256は、制御部251の制御に基づいて、その値がインクリメントされたり、初期化されるカウンタであり、比較部254によって、カウンタN61が示す値と閾値Bとが比較された結果、閾値BよりカウンタN61が示す値が多かった場合にインクリメントされるものである。
比較部254は、制御部251の制御に基づいて、差の絶対値算出部55から供給された積分結果の差の絶対値と、閾値A取得部57から供給される閾値Aと比較し、その結果を制御部251に供給するものである。制御部251は、積分結果の差の絶対値が閾値Aより大きいという結果を比較部254から受けた場合、カウンタN61を1インクリメントする。また、比較部254は、制御部251の制御に基づいて、閾値B取得部58から供給される閾値BとカウンタN61が示す値とを比較し、その結果を制御部251に供給する。制御部251は、カウンタN61が示す値が閾値Bより大きいという結果を比較部254から受けた場合、カウンタP256を1インクリメントする。さらに、比較部254は、制御部251の制御に基づいて、カウンタP256が示す値と閾値Cとを比較し、その結果を判定部257に供給する。
判定部257は、制御部251の制御に基づいて、比較部254から供給されたカウンタP256が示す値と閾値Cとの比較結果に基づいて、音解析の対象となる機械設備または機械構造物の異常発生について判定し、診断結果出力制御部63に判定結果を供給する。
判定部257は、例えば、P≧Cであれば「異常あり」、P<Cであれば「正常」という判定を行うものであってもよいし、また、P≧Cであれば「異常あり」、C>P≧C/2であれば「注意」、C/2>Pであれば「正常」としてもよいし、さらに変数y(変数yの値は、実験的経験的に求められるものであっても良いし、ユーザによって入力可能な値であっても良い)を用いて、P≧Cであれば「異常あり」、C>P≧C―yであれば「注意」、C―y>Pであれば「正常」とするなど、より細かい判定を行うものとしても良い。
ここで、図15および図16を用いて説明した設備診断システム201において実行される処理の一例を具体的な数値を示して説明する。
図15に示される設備診断システム201においては、収集した音データの中から、例えば、ランダムに1秒だけの音データが切り取られ、3種類のマザーウェーブレット(例えば、Daubechies,Mexican hat,Morlet)を用いてウェーブレット変換が実施される。そして、その1秒の音の中心部から、例えば、0.11秒が切り取られ、それぞれ、3種類のマザーウェーブレットでウェーブレット変換が実施される。そして、さらにその0.11秒の中心部から、例えば、0.04秒が切り出され、再度3種類のマザーウェーブレットでウェーブレット変換が実施される。
すなわち、図15に示される設備診断システム201においては、1つのサンプルデータに対して3つの時間幅、3種類のマザーウェーブレットがそれぞれ用いられた、合計9種類のウェーブレット変換後のサンプル画像データが用いられて、積分処理、差の絶対値算出処理、および比較処理が実行され、閾値Bを超えたファイルの数が閾値Cと比較されることにより異常判定が実行される。
また、図15に示される設備診断システム201においては、1つのサンプルデータに対して、複数の時間幅、1種類のマザーウェーブレットが用いられたウェーブレット変換が行われるものとしても良いし、1つの時間幅、複数種類のマザーウェーブレットが用いられたウェーブレット変換が行われるものとしても良いことは言うまでもない。
また、図15に示される設備診断システムにおいては、ウェーブレット変換されるサンプルデータの基となる音データの取得の方法に基づいて、閾値Bの値を決定するようにすると好適である。
図17、図18、図19、図20、および、図21を参照して、ウェーブレット変換されるサンプルデータの基となる音データの取得の方法と閾値Bの設定値による診断の正確性ついて説明する。なお、ここでは、音の発生源として、モータが用いられた。
図17に示される第1の表において、第1の音データとは、モータが停止している場合にイコライザ未使用かつ単一指向性マイクで第1の時刻に収集されたものを示し、第2の音データとは、モータが停止している場合にイコライザ未使用かつ単一指向性マイクで第1の時刻とは異なる第2の時刻に収集されたものを示し、第3の音データとは、モータが正常に駆動している場合にイコライザ未使用かつ単一指向性マイクで第1の時刻に収集されたものを示している。そして、第4の音データとは、モータが異常駆動している場合にイコライザ未使用かつ単一指向性マイクで第3の時刻に収集されたものを示し、第5の音データとは、モータが異常駆動している場合にイコライザ未使用かつ単一指向性マイクで第3の時刻とは異なる第4の時刻に収集されたものを示している。
第1の音データを基準データとし、第3の音データをサンプルデータとした場合、サンプルデータは正常駆動している状態で得られたものであるから、その診断結果は「正常」でなければならない。
これに対して、第1の音データを基準データとし、第4の音データをサンプルデータとした場合、第1の音データを基準データとし、第5の音データをサンプルデータとした場合、第2の音データを基準データとし、第4の音データをサンプルデータとした場合、および、第2の音データを基準データとし、第5の音データをサンプルデータとした場合、モータは異常駆動しているのであるから、その診断結果はすべて「異常」でならなければならない。
ここで、閾値Bの値を「5」とした場合、正しい診断結果が出されているが、閾値Bの値を「35000」とした場合、正しくは「異常」と判断されなければならない場合においても、「正常」または「注意」と診断されている。
これは、超指向性マイクもイコライザも使用せずに集音されているデータを用いて診断処理を実行しているため、閾値Bがあまりに高いと、異常音が発生していると検出するべき部分において正しく検出されないためであると考えられる。
次に、図18に示される第2の表において、第1の音データとは、モータが停止している場合にイコライザ使用かつ単一指向性マイクで第1の時刻に収集されたものを示し、第2の音データとは、モータが停止している場合にイコライザ使用かつ単一指向性マイクで第1の時刻とは異なる第2の時刻に収集されたものを示し、第3の音データとは、モータが正常に駆動している場合にイコライザ使用かつ単一指向性マイクで第1の時刻に収集されたものを示している。そして、第4の音データとは、モータが異常駆動している場合にイコライザ使用かつ単一指向性マイクで第3の時刻に収集されたものを示し、第5の音データとは、モータが異常駆動している場合にイコライザ使用かつ単一指向性マイクで第3の時刻とは異なる第4の時刻に収集されたものを示している。
第1の音データを基準データとし、第3の音データをサンプルデータとした場合、サンプルデータは正常駆動している状態で得られたものであるから、その診断結果は「正常」でなければならない。
これに対して、第1の音データを基準データとし、第4の音データをサンプルデータとした場合、第1の音データを基準データとし、第5の音データをサンプルデータとした場合、第2の音データを基準データとし、第4の音データをサンプルデータとした場合、および、第2の音データを基準データとし、第5の音データをサンプルデータとした場合、モータは異常駆動しているのであるから、その診断結果はすべて「異常」でならなければならない。
ここで、閾値Bの値を「35000」とした場合、正しい診断結果が出されているが、閾値Bの値を「5」とした場合、正しくは「正常」と判断されなければならない場合においても、「異常」と診断されている。
これは、図17を用いて説明した場合と比較して、イコライザが使用されている分、異常時でなくてもある程度発生するノイズも強調されているため、閾値Bの値が低いと、正常時のノイズを異音として間違えて判定してしまう可能性が高くなるためである。
次に、図19に示される第3の表において、第1の音データとは、モータが停止している場合にイコライザ未使用かつ超指向性マイクで第1の時刻に収集されたものを示し、第2の音データとは、モータが停止している場合にイコライザ未使用かつ超指向性マイクで第1の時刻とは異なる第2の時刻に収集されたものを示し、第3の音データとは、モータが正常に駆動している場合にイコライザ未使用かつ超指向性マイクで第1の時刻に収集されたものを示している。そして、第4の音データとは、モータが異常駆動している場合にイコライザ未使用かつ超向性マイクで第3の時刻に収集されたものを示し、第5の音データとは、モータが異常駆動している場合にイコライザ未使用かつ超指向性マイクで第3の時刻とは異なる第4の時刻に収集されたものを示している。
第1の音データを基準データとし、第3の音データをサンプルデータとした場合、サンプルデータは正常駆動している状態で得られたものであるから、その診断結果は「正常」でなければならない。
これに対して、第1の音データを基準データとし、第4の音データをサンプルデータとした場合、第1の音データを基準データとし、第5の音データをサンプルデータとした場合、第2の音データを基準データとし、第4の音データをサンプルデータとした場合、および、第2の音データを基準データとし、第5の音データをサンプルデータとした場合、モータは異常駆動しているのであるから、その診断結果はすべて「異常」でならなければならない。
ここで、閾値Bの値を「35000」とした場合、正しい診断結果が出されているが、閾値Bの値を「5」とした場合、正しくは「正常」と判断されなければならない場合においても、「異常」と診断されている。
これは、図17を用いて説明した場合と比較して、単一指向性マイクでは無く、超指向性マイクが使用されている分、異常時でなくてもある程度発生するノイズも強調されているため、閾値Bの値が低いと、正常時のノイズを異音として間違えて判定してしまう可能性が高くなるためである。
次に図20に示される第4の表において、第1の音データとは、モータが正常に駆動している場合にイコライザ未使用かつ単一指向性マイクで第1の時刻に収集されたものを示し、第2の音データとは、モータが正常に駆動している場合にイコライザ未使用かつ単一指向性マイクで第1の時刻とは異なる第2の時刻に収集されたものを示している。そして、第3の音データとは、モータが異常運転している場合にイコライザ未使用かつ単一指向性マイクで第3の時刻に収集されたものを示し、第4の音データとは、モータが異常駆動している場合にイコライザ未使用かつ単一指向性マイクで第3の時刻とは異なる第4の時刻に収集されたものを示している。
第1の音データを基準データとし、第2の音データをサンプルデータとした場合、サンプルデータは正常駆動している状態で得られたものであるから、その診断結果は「正常」でなければならない。
これに対して、第1の音データを基準データとし、第3の音データをサンプルデータとした場合、第1の音データを基準データとし、第4の音データをサンプルデータとした場合、第2の音データを基準データとし、第3の音データをサンプルデータとした場合、および、第2の音データを基準データとし、第4の音データをサンプルデータとした場合、モータは異常駆動しているのであるから、その診断結果はすべて「異常」でならなければならない。
ここで、閾値Bの値を「5」とした場合、正しい診断結果が出されているが、閾値Bの値を「35000」とした場合、正しくは「異常」と判断されなければならない場合においても、「正常」または「注意」と診断されている。
これは、超指向性マイクもイコライザも使用せずに集音されているデータを用いて診断処理を実行しているため、閾値Bがあまりに高いと、異常音が発生していると検出するべき部分において正しく検出されないためであると考えられる。
次に、図21に示される第5の表において、第1の音データとは、モータが正常に駆動している場合にイコライザ未使用かつ超指向性マイクで第1の時刻に収集されたものを示し、第2の音データとは、モータが正常に駆動している場合にイコライザ未使用かつ超指向性マイクで第1の時刻とは異なる第2の時刻に収集されたものを示している。そして、第3の音データとは、モータが異常駆動している場合にイコライザ未使用かつ超向性マイクで第3の時刻に収集されたものを示し、第4の音データとは、モータが異常駆動している場合にイコライザ未使用かつ超指向性マイクで第3の時刻とは異なる第4の時刻に収集されたものを示している。
第1の音データを基準データとし、第3の音データをサンプルデータとした場合、サンプルデータは正常駆動している状態で得られたものであるから、その診断結果は「正常」でなければならない。
これに対して、第1の音データを基準データとし、第3の音データをサンプルデータとした場合、第1の音データを基準データとし、第4の音データをサンプルデータとした場合、第2の音データを基準データとし、第3の音データをサンプルデータとした場合、および、第2の音データを基準データとし、第4の音データをサンプルデータとした場合、モータは異常駆動しているのであるから、その診断結果はすべて「異常」でならなければならない。
ここでは、閾値Bの値を「35000」とした場合でも、値Bの値を「5」とした場合でも正しい診断結果が出されている。
ウェーブレット変換されるサンプルデータの基となる音データの取得の方法を考慮すると、単一指向性マイクでは無く、超指向性マイクが使用されている分、閾値Bに値が高く設定されているほうが正常時のノイズを異音として間違えて判定してしまうことを防ぐことができ、実際、閾値Bの値を「35000」とした場合、正しい判定結果を得ることができているが、ここでは、単一指向性マイクを用いて集音した場合に強調される正常時のノイズ音が少ないなどの状況であったために、閾値Bを「5」としても、誤判定が起こることが無かったものと考えられる。
図22に、出力装置15が表示デバイスである場合に表示可能なUI画面261の一例を示す。
図22に示されるように、UI画面261には、判定結果を表示する判定結果表示ボックス271が表示される。そして、UI画面261には、例えば、基準画像データや、ウェーブレット変換後のサンプル画像データが表示されていても良い。また、UI画面261には、例えば、音入力装置11に含まれている集音デバイスの種類を特定するデータが表示されていても良い。さらに、UI画面261に、閾値Aの入力値を示す数値表示ボックス272、閾値Bの入力値を示す数値表示ボックス273、および、閾値Cの入力値を示す数値表示ボックス274が表示されることによって、ユーザに現在の評価条件を示すことができ、また、必要に応じて、ユーザに閾値A、閾値Bおよび閾値Cの値の再入力を促すことなどができる。
次に、図23および図24のフローチャートを参照して、図15を用いて説明した設備診断システムが実行する処理について説明する。
ステップS51において、判定処理装置213のサンプルデータ取得部241は、音入力装置11により集音されたサンプルデータを取得し、所定の複数の時間幅または複数の時刻においてサンプルデータを切り出して、ウェーブレット変換装置212の相関関係算出部32に供給する。
サンプルデータ取得部241は、例えば、音入力装置11により集音されたサンプルデータから、第1の所定の時間幅(例えば、1秒)でサンプルデータを切り出すとともに、第1の所定の時間幅内から、所定の第2の時間幅(例えば、1秒の1/9である0.11秒)でサンプルデータを切り出し、さらに、第2の所定の時間幅内から、所定の第3の時間幅(例えば、0.11秒の2/5である0.04秒)でサンプルデータを切り出し、これら複数のサンプルデータをウェーブレット変換装置212の相関関係算出部32に供給するものとしてもよい。このようにした場合、第1の所定の時間幅における診断の精度が上がるため、たとえば、異音の発生元が、ある程度周波数の小さなモータなどである場合に好適である。
また、サンプルデータ取得部241は、例えば、音入力装置11により集音されたサンプルデータから、第1の所定の時刻を含む所定の時間幅(例えば、1秒であっても良いし、または、実験的、経験的に適当とされる所定の時間幅であってもよい)を切り出すとともに、第1の所定の時刻とは異なる第2の所定の時刻を含む所定の時間幅を切り出すなど、複数の時刻を含む所定の時間幅でサンプルデータを切り出し、これら複数のサンプルデータをウェーブレット変換装置212の相関関係算出部32に供給するものとしてもよい。このようにした場合、異音発生周期が不規則で、その発生周期が第1の所定の時間幅に収まらないような場合にも、サンプルデータの切り出し時刻数を増やすことによって異音発生部分を切り出して解析することができる可能性が高まり、好適である。
ステップS52において、ウェーブレット変換装置212の相関関係算出部32は、マザーウェーブレット記憶部231に記憶されている複数のマザーウェーブレットを読み出し、マザーウェーブレットを拡大縮小するとともに、シフトして足し合わせることで、ステップS51においてサンプルデータ取得部241から供給された複数のサンプルデータの波形を表現しようとすることにより、マザーウェーブレットとサンプルデータの相関関係を算出し、相関関係の算出結果を画像処理部33に供給する。ウェーブレット変換装置212の画像処理部33は、相関関係の算出結果を基に、マザーウェーブレットとサンプルデータの相関性が強いところと弱いところとを明暗で示し、周波数軸と時間軸とで表現した、ウェーブレット変換後の画像データを複数、すなわち、マザーウェーブレットの数と切り出されて供給されたサンプルデータの数との積に対応する数だけ生成し、判定処理装置213の演算処理部242に供給する。すなわち、ウェーブレット変換装置212は、複数のサンプルデータのウェーブレット変換処理を実行し、その結果得られた複数のサンプル画像データを判定処理装置213の演算処理部242に供給する。
ステップS53において、判定処理装置213の演算処理部242の基準画像データ取得部253は、入力装置211の基準画像入力部222に入力された複数の基準画像データを取得し、サンプル画像データ取得部252は、ウェーブレット変換装置212から供給された複数のサンプル画像データを取得して、それぞれ積分部54に供給する。
ステップS54において、制御部251は、サンプル画像データ取得部252から、サンプル画像データの横ピクセル数を示す値Sを取得するとともに、基準画像データ取得部253から、基準画像データの横ピクセル数を示す値Tを取得する。基準画像データ取得部253は、制御部251の制御にしたがって、必要に応じて、積分部54に供給する基準画像データの横ピクセル数をサンプル画像データの横ピクセル数に合わせるものとしてもよい。
ステップS55において、制御部251は、カウンタL59、カウンタM60、および、カウンタN61、および、カウンタP256の初期設定を実行する。すなわち、制御部251は、カウンタL59の値をL=1とし、カウンタM60に値をM=1とし、カウンタN61の値をN=0とするとともに、カウンタP256の値をP=0とする。
ステップS56において、閾値A取得部57は、閾値Aの値を取得して比較部254に供給し、閾値B取得部58は、閾値Bの値を取得して比較部254に供給し、閾値C取得部255は、閾値Cの値を取得して比較部254に供給する。
続くステップS57乃至ステップS68の処理については、図7および図8のフローチャートを参照して説明したステップS7乃至ステップS18における場合と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
すなわち、ステップS57乃至ステップS68において、カウンタL59に示されるLラインから横S/2ピクセル分のサンプル画像データが切り取られて積分されるとともに、カウンタM60に示されるMラインから横S/2ピクセル分の基準画像データが切り取られて積分される。そして、それぞれの積分値の差の絶対値Wが算出される。
そして、算出された積分値の差の絶対値Wと、閾値A取得部57から供給された閾値Aとが比較され、W>閾値Aであるか否かが判断される。W>閾値Aであると判断された場合、カウンタN61がインクリメントされる。W>閾値Aではないと判断された場合、または、カウンタN61がインクリメントされた後、カウンタL59の値が参照されて、L=S/2であるか否かが判断される。
L=S/2でないと判断された場合、カウンタL59の値がインクリメントされて、処理は、ステップS57に戻り、それ以降の処理が繰り返される。L=S/2であると判断された場合、カウンタM60を参照して、M=S/2であるか否が判断される。
M=S/2ではないと判断された場合、カウンタL59の値がL=1に初期化され、カウンタM60の値がインクリメントされて、処理は、ステップS57に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS66において、M=S/2であると判断された場合、ステップS69において、比較部254は、制御部251の制御に基づいて、カウンタN61の値は閾値Bの値よりも大きいか否かを判断する。
ステップS69において、カウンタN61の値は閾値Bの値よりも大きいと判断された場合、ステップS70において、制御部251は、カウンタP256の値をインクリメントしてP=P+1とする。
ステップS69において、カウンタN61の値は閾値Bの値よりも大きくないと判断された場合、または、ステップS70の処理の終了後、ステップS71において、制御部251は、処理終了していない画像データが存在するか?
ステップS71において、処理終了していない画像データが存在すると判断された場合、S72において、制御部251は、判定処理に用いられる基準が像データおよびサンプル画像データを、処理終了していないものに切り替える。
ステップS73において、制御部251は、カウンタL59の値をL=1、カウンタM60の値をM=1、カウンタN61の値をN=0に初期化し、処理は、ステップS57に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS71において、処理終了していない画像データが存在しないと判断された場合、S74において、比較部254は、制御部251の制御に基づいて、カウンタP256の値と閾値Cの値とを比較し、その結果を判定部257に供給する。
ステップS75において、判定部257は、例えば、P≧Cであれば「異常あり」、P<Cであれば「正常」という判定を行って、判定結果を診断結果出力制御部63に供給する。
ステップS76において、診断結果出力制御部63は、例えば、図21を用いて説明したような、判定結果を含むUI画面を生成したり、判定結果を示す音声データを生成したり、または、判定結果をあらかじめ定められた所定の電気信号に変換するなどして、判定結果を示す情報を、出力装置15に供給する。
ステップS77において、出力装置15は、判定結果を含むUI画面を表示したり、判定結果を示す音声データを出力したり、または、あらかじめ定められた所定の電気信号を基に、例えば、ライトの点灯等を実行することなどにより、判定結果をユーザに理解可能な形状で出力し、処理が終了される。
以上においては、複数の基準画像データおよびサンプル画像データを用いる設備診断システムであって、音入力装置11、入力装置211、ウェーブレット変換装置212、判定処理装置213、および、出力装置15が、それぞれ異なる装置で構成される設備診断システムについて説明したが、例えば、図25、図26、図27、および、図28に示されるように、設備診断システムは、図15を用いて説明した場合とは異なる装置構成であっても良い。
まず、図25を参照して、図15を用いて説明した場合とは異なる装置構成の一例である設備診断システム301について説明する。
設備診断システム301は、音入力装置11と、情報処理装置305とで構成されている。
情報処理装置305は、入力部311、ウェーブレット変換部312、判定処理部313、および出力部124で構成されている。
なお、入力部311は、図15を用いて説明した入力装置211と同様の機能を有し、ウェーブレット変換部312は、図15を用いて説明したウェーブレット変換装置212と同様の機能を有し、判定処理部313は、図15を用いて説明した判定処理装置213と同様の機能を有し、出力部124は、図15を用いて説明した出力装置15と同様の機能を有しているので、その説明は省略する。
すなわち、図25に示される設備診断システム301は、図15を用いて説明した入力装置211、ウェーブレット変換装置212、判定処理装置213、および出力装置15の機能を有する情報処理装置305と、汎用的な音入力装置11とで構成されるものである。
このような構成にすることにより、例えば、診断対象となる設備などに備え付けられているマイクなどを用いて、設備診断システムを利用することができる。
次に、図26を参照して、図15を用いて説明した場合とは異なる装置構成の他の例である設備診断システム321について説明する。
設備診断システム321は、音入力装置11と、情報処理装置331とで構成されている。
情報処理装置311は、イコライザ141、入力部311、ウェーブレット変換部312、判定処理部313、および出力部124で構成されている。
イコライザ141は、図12を用いて説明したものであり、音入力装置11から供給された解析の対象となる機械設備または機械構造物から発生される音に異音が存在する場合にそれが強調されるように音データを加工し、判定処理部のサンプルデータ取得部241に供給する。
なお、入力部311は、図15を用いて説明した入力装置211と同様の機能を有し、ウェーブレット変換部312は、図15を用いて説明したウェーブレット変換装置212と同様の機能を有し、判定処理部313は、図15を用いて説明した判定処理装置213と同様の機能を有し、出力部124は、図15を用いて説明した出力装置15と同様の機能を有しているので、その説明は省略する。
すなわち、図26に示される設備診断システム321は、図15を用いて説明した入力装置211、ウェーブレット変換装置212、判定処理装置213、および出力装置15の機能を有するとともに、さらにイコライザ141の機能を有する情報処理装置331と、汎用的な音入力装置11とで構成されるものである。
このような構成にすることにより、例えば、診断対象となる設備などに備え付けられているマイクなどが図9を用いて説明した一般的な単一指向性を有するものであっても、設備診断システムによって得られる判定結果の精度を高めることができる。
次に、図27を参照して、図15を用いて説明した場合とは異なる装置構成の他の例である設備診断システム341について説明する。
設備診断システム341は、情報処理装置351で構成されている。
情報処理装置351は、音入力部171、入力部311、ウェーブレット変換部312、判定処理部313、および出力部124で構成されている。
なお、音入力部171は、図15を用いて説明した音入力装置11と同様の機能を有し、入力部は311、図15を用いて説明した入力装置211と同様の機能を有し、ウェーブレット変換部312は、図15を用いて説明したウェーブレット変換装置212と同様の機能を有し、判定処理部313は、図15を用いて説明した判定処理装置213と同様の機能を有し、出力部124は、図15を用いて説明した出力装置15と同様の機能を有しているので、その説明は省略する。
すなわち、図27に示される設備診断システム341は、図15を用いて説明した設備診断システム101の機能を1つの装置で実現することが可能なようにしたものである。
次に、図28を参照して、図15を用いて説明した場合とは異なる装置構成の他の例で
ある設備診断システム361について説明する。
設備診断システム361は、情報処理装置371で構成されている。
情報処理装置371は、音入力部171、イコライザ141、入力部311、ウェーブレット変換部312、判定処理部313、および出力部124で構成されている。
なお、音入力部171は、図15を用いて説明した音入力装置11と同様の機能を有し、入力部311は、図15を用いて説明した入力装置211と同様の機能を有し、ウェーブレット変換部312は、図15を用いて説明したウェーブレット変換装置212と同様の機能を有し、判定処理部313は、図15を用いて説明した判定処理装置213と同様の機能を有し、出力部124は、図15を用いて説明した出力装置15と同様の機能を有しているので、その説明は省略する。
また、イコライザ141は、図12を用いて説明した場合と同様であるので、その説明は省略する。
すなわち、図28に示される設備診断システム361は、汎用的な音入力部171、入力部311および出力部124の機能を有する情報処理装置371に、さらに、ウェーブレット変換部312および判定処理部313の機能が加えられ(例えば、ウェーブレット変換部312および判定処理部313の機能を有するソフトウェアが所定の記録媒体やネットワークを介して汎用的な情報処理装置にインストールされ)、その情報処理装置371が有している音入力部171の機能が、図9を用いて説明した単一指向性を有するものである場合に、より精度の高い判定結果を得るためにソフトウェアとしてイコライザ141をインストールした場合などに対応している。このように、汎用的な情報処理装置371を用いる場合においても、イコライザ141の機能を追加することにより、判定結果の精度をさらに高めることができるものである。
なお、図25、図26、図27、および図28を用いて説明した場合において、入力部311に対応する機能と出力部124に対応する機能の全体、または、少なくともその一部が、それぞれ、情報処理装置とは異なる装置であって、外部接続されているもので実現されていてもかまわないことは言うまでもない。
以上説明した設備診断システム1、設備診断システム101、設備診断システム131、設備診断システム151、設備診断システム181、設備診断システム201、設備診断システム301、設備診断システム321、設備診断システム341、および、設備診断システム361においては、時間領域の情報を失わず、広い周波数大域での解析が可能なウェーブレット変換を用いて、機械設備または機械構造物などの設備の異常の有無の判定を自動的に行うことができる。
上述した一連の処理は、ハードウェアのみならず、ソフトウェアにより実行可能である。そのソフトウェアは、例えば汎用のコンピュータやマイクロコンピュータなどに、各種記録媒体からインストールされたり、各種ネットワークを介してインストールされることにより実行可能である。
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
なお、本明細書において、システムとは、1つ、または、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
1 設備診断システム
14 判定処理装置
41 サンプルデータ取得部
42 演算処理部
51 制御部
52 サンプルデータ画像取得部
53 基準画像データ取得部
54 積分部
55 差の絶対値算出部
56 比較部
57 閾値A取得部
58 閾値B取得部
59 カウンタL
60 カウンタM
61 カウンタN
62 判定部
63 診断結果出力制御部
121 入力部
122 ウェーブレット変換部
101 判定処理装置
131 判定処理装置
151 判定処理装置
181 判定処理装置
201 判定処理装置
301 判定処理装置
321 判定処理装置
341 判定処理装置
361 判定処理装置

Claims (16)

  1. 設備が発生する音データをウェーブレット変換して得られる第1の画像データを利用して、上記設備に異常が発生しているかを診断する設備診断システムであって、
    上記設備が発生する上記音データを取得し、所定の時間幅に切り取る切り取り手段と、
    上記切り取り手段により切り取られた上記設備が発生する音データをウェーブレット変換して得られる上記第1の画像データを取得する第1の画像データ取得手段と、
    上記第1の画像データと時間幅が同一であり、かつ、マザーウェーブレットが同一であって、上記設備に異常がないときに上記設備が発生する音データをウェーブレット変換して得られる第2の画像データを取得する第2の画像データ取得手段と、
    上記第1の画像データ取得手段により取得された上記第1の画像データ、および、上記第2の画像データ取得手段により取得された上記第2の画像データを、それぞれ所定のライン位置から所定の幅で積分し、その差の絶対値を算出する算出手段と、
    上記算出手段により算出された上記差の絶対値と所定の第1の閾値とを比較する比較手段と、
    上記比較手段により上記差の絶対値が所定の第1の閾値よりも大きい場合をカウントする第1のカウント手段と、
    上記第1のカウント手段によりカウントされた値と所定の第2の閾値とを比較することにより、上記設備に異常が発生しているかの判定を実行する判定手段と
    を備える判定処理装置
    を含んで構成されることを特徴とする設備診断システム。
  2. 請求項1に記載の設備診断システムにおいて、
    前記切り取り手段は、前記設備が発生する前記音データを、同一時点を含む異なる複数の時間幅に切り取る
    ことを特徴とする設備診断システム。
  3. 請求項1に記載の設備診断システムにおいて、
    前記切り取り手段は、前記設備が発生する前記音データを、異なる複数の時刻において切り取る
    ことを特徴とする設備診断システム。
  4. 請求項1に記載の設備診断システムにおいて、
    前記算出手段は、異なる種類の複数の前記マザーウェーブレットを用いてウェーブレット変換された前記第1の画像データおよび前記第2の画像データをそれぞれ積分する
    ことを特徴とする設備診断システム。
  5. 請求項1に記載の設備診断システムにおいて、
    前記算出手段は、前記第1の画像データ取得手段により取得された前記第1の画像データ、および、前記第2の画像データ取得手段により取得された前記第2の画像データを、それぞれ前記所定のライン位置から、上記第1の画像データの横ピクセル数の半分まで積分する
    ことを特徴とする設備診断システム。
  6. 請求項5に記載の設備診断システムにおいて、
    前記所定のライン数をカウントする第2のカウント手段
    をさらに備えることを特徴とする設備診断システム。
  7. 請求項1に記載の設備診断システムにおいて、
    前記切り取り手段により切り取られた前記設備が発生する前記音データをウェーブレット変換して前記第1の画像データを生成するウェーブレット変換手段
    をさらに備えることを特徴とする設備診断システム。
  8. 請求項7に記載の設備診断システムにおいて、
    前記切り取り手段により切り取られた前記設備が発生する前記音データをウェーブレット変換する際に用いられるマザーウェーブレットの入力を受けるマザーウェーブレット入力手段
    をさらに備えることを特徴とする設備診断システム。
  9. 請求項1に記載の設備診断システムにおいて、
    前記第1の閾値の入力を受ける第1の入力手段
    をさらに備えることを特徴とする設備診断システム。
  10. 請求項1に記載の設備診断システムにおいて、
    前記第2の閾値の入力を受ける第2の入力手段
    をさらに備えることを特徴とする設備診断システム。
  11. 請求項1に記載の設備診断システムにおいて、
    前記第2の画像データの入力を受ける第2の画像データ入力手段
    をさらに備えることを特徴とする設備診断システム。
  12. 請求項1に記載の設備診断システムにおいて、
    前記切り取り手段は、前記設備が発生する前記音データを、同一時点を含む異なる3種類の時間の時間幅に切り取り、
    前記算出手段は、3種類の前記マザーウェーブレットを用いてウェーブレット変換された前記第1の画像データおよび前記第2の画像データを積分する
    ことを特徴とする設備診断システム。
  13. 請求項1に記載の設備診断システムにおいて、
    前記切り取り手段が取得する前記設備が発生する音データは、超指向性マイクを用いて集音されたものである
    ことを特徴とする設備診断システム。
  14. 請求項1に記載の設備診断システムにおいて、
    前記切り取り手段が取得する前記設備が発生する音データは、音信号の特定の周波数帯域が強調されるように加工されたものである
    ことを特徴とする設備診断システム。
  15. 設備が発生する音データをウェーブレット変換して得られる第1の画像データを利用して、上記設備に異常が発生しているかを診断するための診断方法であって、
    上記設備が発生する上記音データを取得し、所定の時間幅に切り取る切り取りステップと、
    上記切り取りステップの処理により切り取られた上記設備が発生する音データをウェーブレット変換して得られる上記第1の画像データを取得する第1の画像データ取得ステップと、
    上記第1の画像データと時間幅が同一であり、かつ、マザーウェーブレットが同一であって、上記設備に異常がないときに上記設備が発生する音データをウェーブレット変換して得られる第2の画像データを取得する第2の画像データ取得ステップと、
    上記第1の画像データ取得ステップの処理により取得された上記第1の画像データ、および、上記第2の画像データ取得ステップの処理により取得された上記第2の画像データを、それぞれ所定のライン位置から所定の幅で積分し、その差の絶対値を算出する算出ステップと、
    上記算出ステップの処理により算出された上記差の絶対値と所定の第1の閾値とを比較する比較ステップと、
    上記比較ステップの処理により上記差の絶対値が所定の第1の閾値よりも大きい場合をカウントする第1のカウントステップと、
    上記第1のカウントステップの処理によりカウントされた値と所定の第2の閾値とを比較することにより、上記設備に異常が発生しているかの判定を実行する判定ステップと
    を含む設備診断方法。
  16. 設備が発生する音データをウェーブレット変換して得られる第1の画像データを利用して、上記設備に異常が発生しているかを診断する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    上記設備が発生する上記音データを取得し、所定の時間幅に切り取る切り取りステップと、
    上記切り取りステップの処理により切り取られた上記設備が発生する音データをウェーブレット変換して得られる上記第1の画像データを取得する第1の画像データ取得ステップと、
    上記第1の画像データと時間幅が同一であり、かつ、マザーウェーブレットが同一であって、上記設備に異常がないときに上記設備が発生する音データをウェーブレット変換して得られる第2の画像データを取得する第2の画像データ取得ステップと、
    上記第1の画像データ取得ステップの処理により取得された上記第1の画像データ、および、上記第2の画像データ取得ステップの処理により取得された上記第2の画像データを、それぞれ所定のライン位置から所定の幅で積分し、その差の絶対値を算出する算出ステップと、
    上記算出ステップの処理により算出された上記差の絶対値と所定の第1の閾値とを比較する比較ステップと、
    上記比較ステップの処理により上記差の絶対値が所定の第1の閾値よりも大きい場合をカウントする第1のカウントステップと、
    上記第1のカウントステップの処理によりカウントされた値と所定の第2の閾値とを比較することにより、上記設備に異常が発生しているかの判定を実行する判定ステップと
    を含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。

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JP2016148549A (ja) * 2015-02-10 2016-08-18 国立大学法人東京工業大学 構造物変位解析装置、および構造物変位解析プログラム
JP2017142124A (ja) * 2016-02-09 2017-08-17 株式会社荏原製作所 診断補助装置、診断補助システム、診断補助方法および診断補助プログラム
JP2018128358A (ja) * 2017-02-09 2018-08-16 株式会社明和eテック 異常監視方法および異常監視装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016148549A (ja) * 2015-02-10 2016-08-18 国立大学法人東京工業大学 構造物変位解析装置、および構造物変位解析プログラム
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