JP3561151B2 - 異常診断装置および異常診断方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物から発生する波形信号を検出してウェーブレット変換を施し、ウェーブレット変換の結果に基づいて対象物の異常診断を行う異常診断装置及びその方法に係り、とりわけ、ウェーブレット変換のマザーウェーブレットに工夫をして異常の検出感度を向上させた異常診断装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
振動波形解析の有力な手法の一つとして、FFT(高速フーリエ変換)がある。従来、電気設備や機械設備等の異常診断では、診断対象から発生する波形信号を診断パラメータとして観測し、その時間波形にFFTを実施した結果得られるフーリエスペクトルの強度分布に基づいて異常の判定を行なうことが行われている。
【0003】
しかしFFTは、変換結果に時間(位相)情報を持たないため、対象とする振動波形の時間範囲内に含まれる周波数成分のTOTAL値しか分からず、そこに含まれる周波数成分の時間的変化の情報を得ることができない。従って、異常の有無だけでなく、異常の発生時刻等の時間情報をも捕らえたい場合にはFFTは不十分であり、時間情報と周波数情報の両方を取り扱う事が出来る時間周波数解析手法の確立が望まれている。
【0004】
時間情報と周波数情報の両方を取り扱う振動波形解析の有力な手法として、ウェーブレット変換がある。ウェーブレット変換は、マザーウェーブレットとよばれる局在関数のスケールパラメータ(周波数)と位置パラメータ(時間)とを変えながら対象波形との内積をとり、診断対象の時間波形を時間−周波数スペクトルに変換する手法である。
【0005】
ウェーブレット変換を用いれば、診断対象の時間波形から、どの時刻にどのような周波数成分が発生しているかという情報を得ることができ、異常の検知に極めて有効である。ウェーブレット変換は、純粋数学論的な研究の歴史は長いが、その工学的応用については歴史が浅い。
【0006】
関数f(x)のウェーブレット変換は、純粋数学論的に、
【数1】
と定義されている。ここでΨ(t)は、マザーウェーブレットと呼ばれる解析関数であり、aはスケールパラメータ、bは位置パラメータと呼ばれ、それぞれ時間周波数解析の周波数と時間に対応するパラメータである。フーリエ変換は、f(t)を周期的関数として、上式のマザーウェーブレットΨ(t)が三角関数で定義され、a=1/ω(三角関数の各振動数)、b=0とした場合に相当すると考えることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ウェーブレット変換は、その定義式から明らかなように、変換対象となるf(t)はどのような計測波形でもよい。しかしながらマザーウェーブレットは、純粋数学論的には[−∞,∞]区間における積分値が0となる局在関数でなければならない。このような条件を満たす関数としては、例えば、
【数2】
【数3】
【数4】
【数5】
などがある。式(2)はメキシカンハット、式(3)はフレンチハット、式(4)はHaarのウェーブレット、式(5)はShanonのウェーブレットと呼ばれている。
【0008】
局在関数は、前記の関数に限られず無数に存在する。従って、一つの計測信号f(t)に対するウェーブレット変換は、マザーウェーブレットの関数の数だけ存在することになる。ここで、どのマザーウェーブレットを採用することが異常診断にとって有効かということが問題となる。
【0009】
異常診断においては、異常の特徴を顕著に検出できるようなマザーウェーブレットによってウェーブレット変換を実行することが望まれる。しかし、どのような波形信号の解析にどのようなマザーウェーブレットが有効であるかは、一部の波形信号に関してのみ明らかになっているにすぎない。
【0010】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、診断対象の異常の特徴を抽出し易いマザーウェーブレットを自動的に決定し、決定されたマザーウェーブレットを用いて診断対象の計測波形やシミュレーション結果にウェーブレット変換を行なうことにより、異常を容易に検出できる異常診断装置及びその方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、対象物から発生する波形信号を検出してウェーブレット変換を施し、ウェーブレット変換の結果に基づいて対象物の異常診断を行う異常診断装置において、波形信号を検出するセンサと、入力波形信号に基づいて、ウェーブレット変換に用いるマザーウェーブレットを自動的に決定する解析関数決定手段と、解析関数決定手段が決定したマザーウェーブレットを用いて、センサが検出した波形信号をウェーブレット変換する変換処理手段と、変換処理手段による変換結果に基づいて、対象物の異常診断を行う診断判定手段と、を備えたことを特徴とする異常診断装置である。
【0012】
本発明によれば、異常診断に適するマザーウェーブレットを入力波形信号に基づいて自動的に決定するので、診断対象から得られる波形信号の態様に関わらず、異常検出感度を容易に向上させることができる。
【0013】
また本発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載の異常診断装置を用いて異常診断を行う方法において、センサにより、波形信号を検出する工程と、解析関数決定手段により、センサが検出した波形信号に基づいて、ウェーブレット変換に用いるマザーウェーブレットを自動的に決定する工程と、変換処理手段により、解析関数決定手段が決定したマザーウェーブレットを用いて、センサが検出した波形信号をウェーブレット変換する工程と、診断判定手段により、変換処理手段による変換結果に基づいて、対象物の異常診断を行う工程と、を備えたことを特徴とする異常診断方法である。
【0014】
本発明によれば、異常診断に適するマザーウェーブレットを入力波形信号に基づいて自動的に決定するので、診断対象から得られる波形信号の態様に関わらず、異常検出感度を容易に向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
第1の実施の形態
図1乃至図6は、本発明による異常診断装置の第1の実施の形態を示す図である。このうち図1は、本実施の形態の異常診断装置の構成を示す概略図であり、図2は、図1の解析関数決定手段の詳細な構成を示す概略図である。
【0017】
図1に示すように、異常診断装置10は、対象物から発生する波形信号を検出するセンサ1と、データベース4とを備えている。データベース4には、例えば診断対象種毎に設定された診断アルゴリズムや状態判定しきい値等が蓄積される。
【0018】
センサ1には、センサ1からの波形信号に基づいてウェーブレット変換に用いるマザーウェーブレットを自動的に決定する解析関数決定手段2が接続されている。そして解析関数決定手段2は、解析関数決定手段2が決定したマザーウェーブレットを用いて、センサ1が検出した波形信号をウェーブレット変換する変換処理手段3が接続されている。
【0019】
変換処理手段3及びデータベース4には、変換処理手段3による変換結果及びデータベース4に設定された診断アルゴリズムに基づいて、対象物の異常診断を行う診断判定手段5とが接続されている。さらに診断判定手段5には、判定結果を表示するための出力手段6が接続されている。
【0020】
解析関数決定手段2は、図2に示すように、センサ1で検出した信号波形を周波数成分にフーリエ変換するフーリエ変換部21と、フーリエ変換部21の出力である複数のフーリエ変換結果から、例えば最確値を求め、強度が微小な周波数成分をカットして平均フーリエデータを作成するフーリエ近似部22と、平均フーリエデータを逆フーリエ変換する逆フーリエ変換部23と、逆フーリエ変換部23によってフーリエ変換された関数を補助的に処理してマザーウェーブレットとする補助処理部24とを有している。
【0021】
次に、以上のような構成からなる異常診断装置10の作用について説明する。図3は、本実施の形態の異常診断装置10を用いる異常診断方法を示すフロー図である。
【0022】
図3に示すように、まず対象物の異常信号(特徴信号でもよい)を模擬実験やシミュレーションで発生させる(STEP11)。そして、センサ1によってその異常信号を検出し(STEP12)、解析関数決定手段2に入力する。解析関数決定手段2は、この検出信号からマザーウェーブレットを決定する(STEP13)。
【0023】
解析関数決定手段2がマザーウェーブレットを決定する過程について、図4を用いて説明する。
【0024】
図4に示すように、センサ1から入力された信号波形について、フーリエ変換部7によって周波数スペクトルを求める。ここで、信号波形のばらつきを考慮し、最も確からしいフーリエ変換結果を得るため、センサ1による検出を複数回行い、複数の測定データについて同様にフーリエ変換する(手順1)。
【0025】
次に、フーリエ近似部8により、それらの周波数スペクトルの平均値を取り、スペクトル強度が小さい周波数成分についてはカットして平均フーリエデータを作成する(手順2)。
【0026】
その後、フーリエ近似部8で得られた平均フーリエデータ(平均の周波数スペクトル)を逆フーリエ変換部9によって逆フーリエ変換し、信号波形の時間関数ψ(t)を求める(手順3)。
【0027】
ここで、逆フーリエ変換部9によって求められたψ(t)は、フーリエ変換−逆フーリエ変換で求めた関数であるので時間軸の無限遠まで続く周期関数である。一方、マザーウェーブレットは、数学的には[−∞、∞]における積分値がゼロとなる局在関数でなければならない。そこで、補助処理部24によって、解析したい時間領域のみψ(t)に値を持たせ、それ以外の時間領域においてはψ(t)=0とし、この部分的なψ(t)をマザーウェーブレットとする。すなわち、ψ(t)に1周期分の窓関数を掛けて得られるψ(t)1周期分の波形をマザーウェーブレットとする(手順4)。この場合、マザーウェーブレットは、三角関数で近似されているとも言える。最終的なマザーウェーブレットを図5に示す。
【0028】
なお、このマザーウェーブレットは、依然として[−∞、∞]における積分値がゼロという条件を満たしていないが、ψ(t)を用いた診断ではウェーブレット係数の計算ができれば足り、逆ウェーブレット変換を必要としないので、以上のような補助処理で十分である。
【0029】
次に、図3に示すように、実際の対象物からの波形信号f(t)をセンサ1で計測し(STEP14)、解析関数決定手段2で導出したマザーウェーブレットを用いて変換処理手段3によってウェーブレット変換を実行する(STEP15)。この時、マザーウェーブレットが異常信号に基づいて決定されているため、得られるウェーブレット変換結果では、異常信号成分が含まれる時間−周波数領域においてウェーブレット係数が大きくなる。なぜなら、ウェーブレット変換の定義(式(1))から、診断で検出したい信号とマザーウェーブレットとの一致度が高い場合にウェーブレット係数(ウェーブレット変換スペクトル)が大きくなると言えるからである。従って、ウェーブレット係数のピークの大きさとピーク位置とから、対象物の状態を判定することができる。
【0030】
本実施の形態の変換処理手段3は、以下の式(6)
【数6】
に従い、各パラメータ(a:スケールパラメータ、b:位値パラメータ)に対するウェーブレット係数を計算する。
【0031】
ウェーブレット係数のピークの大きさは異常(劣化)の度合いを表し、ピークの位置は異常(劣化)のモードを示す。診断対象となる対象物毎に、ピークの大きさと劣化の度合いとの関係、あるいは、ピークの位置と劣化モードとの関係は異なるため、その時の対象物に関するデータと、対応する状態判定しきい値とをデータベース4から読み込む(STEP16)。
【0032】
そして、ウェーブレット変換結果によるウェーブレット係数とデータベース4から読み込んだ状態判定しきい値とから診断判定手段5が状態を判定し(STEP17)、異常と判定した場合、警報や異常シグナルを出力手段6に出力する、例えばディスプレイ等に表示する(STEP18)。異常でないと判断した場合も、異常(劣化)の度合いや異常(劣化)モードを判定して出力手段6に出力する(STEP19)。診断の結果は、診断情報としてデータベース4に保存され、同様の診断ケースなどがあった場合の診断辞書として再利用できるように処理される。
【0033】
具体例として、例えば絶縁劣化診断において、部分放電信号を波形信号として診断した場合を説明する。この場合、波形信号のウェーブレット変換結果におけるスペクトルの位置(周波数成分と位相(時刻))とスペクトル強度(ウェーブレット係数の大きさ)により、その位置から劣化のモードが判定され、その強度から劣化の度合い(余寿命)が推定される。
【0034】
以上のように、図3に示す方法によれば、検出したい異常(劣化)モードを特定して診断することができる。
【0035】
一方、検出したい対象物の異常信号(あるいは特徴信号)を、予め模擬実験やシミュレーションで発生させることが出来ない場合もあり得る。この場合、本実施の形態の異常診断装置20は、図6に示す異常診断方法が適用される。
【0036】
この場合、図6に示すように、予め対象物の正常品や新品の動作チェックなどにより、対象物の正常信号を発生させる(STEP21)。そして、センサ1がその正常信号を検出して(STEP22)、解析関数決定手段2に入力する。解析関数決定手段2は、この検出信号に基づいてマザーウェーブレットを決定する(STEP23)。解析関数決定手段2がマザーウェーブレットを決定する過程は、図4及び図5を用いて前述した過程と同様である。
【0037】
次に、実際の対象物からの波形信号をセンサ1で計測し(STEP24)、解析関数決定手段2で導出したマザーウェーブレットを用いてウェーブレット変換を実行する(STEP25)。この時、マザーウェーブレットが正常信号に基づいて決定されているため、得られるウェーブレット変換結果では、正常信号成分が含まれる時間−周波数領域においてウェーブレット係数が大きくなる。逆に、波形信号に異常や劣化が存在する場合、正常信号成分が変動したり、それ以外の成分が検出されるようになる。従って、正常状態でのウェーブレット係数のピークの大きさ及び位置を比較して、どれだけの変動(ずれ)があるかを調べることによって対象物の状態を判定することができる。
【0038】
変動の大きさは異常(劣化)の度合いを表し、変動の種類は異常(劣化)のモードを示す。診断対象となる対象物毎に、変動の大きさと劣化の度合いとの関係、あるいは、変動の種類と劣化モードとの関係は異なるため、その時の対象物に関するデータと、対応する状態判定しきい値とをデータベース4から読み込む(STEP26)。
【0039】
そして、ウェーブレット変換結果によるウェーブレット係数とデータベース4から読み込んだ状態判定しきい値とから診断判定手段5が状態を判定し(STEP27)、異常と判定した場合、警報や異常シグナルを出力手段6に出力する(STEP28)。異常でないと判断した場合も、異常(劣化)の度合いや異常(劣化)モードを判定して出力手段6に出力する(STEP29)。
【0040】
図6に示す方法によれば、対象物の異常についての模擬実験やシミュレーションが困難な場合でも、起こりうる異常や劣化の全てのモードに対応する診断が可能である。
【0041】
以上に示すように、本実施の形態によれば、異常診断に適するマザーウェーブレットを、診断対象の波形信号にFFT及び逆FFTを適用して波形信号との一致度が高くなるように自動的に決定するため、ウェーブレット係数による異常検出感度を容易に向上させることができる。
【0042】
また本実施の形態によれば、ウェーブレット変換を用いることにより、波形信号を入力として診断できる対象物であれば、どのような対象物も診断可能であり、例えば、光や音等をセンシングするセンサを用いれば、センサを移動させることができるので、異常部位の特定がより容易となる。
【0043】
その他、本実施の形態によれば、個々の対象物について導出したマザーウェーブレットや診断の結果をデータベース4に蓄積し、診断辞書として利用することも可能である。
【0044】
第2の実施の形態
次に、図7及び図8を用いて、本発明による異常診断装置の第2の実施の形態について説明する。図7に示すように、本実施の形態の異常診断装置10では、データベース4が解析関数決定手段2に接続されている。データベース4には、既存の複数のマザーウェーブレット関数が予め選択可能に設定されている。
【0045】
また図8に示すように、解析関数決定手段2は、センサ1で検出した信号波形をウェーブレット変換するウェーブレット変換部31と、ウェーブレット変換部31の出力である複数のウェーブレット変換結果から、平均計算及びノイズ成分除去処理などにより平均ウェーブレットデータを作成するウェーブレット近似部32と、平均ウェーブレットデータを逆ウェーブレット変換してマザーウェーブレットとする逆ウェーブレット変換部33とを有している。
【0046】
その他の構成は図1乃至図6に示す第1の実施の形態と同様である。第2の実施の形態において、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0047】
本実施の形態の解析関数決定手段2では、以下のようにマザーウェーブレットが決定される。
【0048】
まずセンサ1から入力された信号波形について、ウェーブレット変換部31によってウェーブレット変換がなされる。このウェーブレット変換に用いられるマザーウェーブレット(仮マザーウェーブレット)は、データベース4に設定されている既存のマザーウェーブレットの関数群から選択される。
【0049】
また、信号波形のばらつきを考慮し、最も確からしいフーリエ変換結果を得るため、センサ1による検出を複数回行い、複数の測定データについて同様にマザーウェーブレット変換する。
【0050】
次に、ウェーブレット近似部32により、複数のマザーウェーブレット変換結果に平均計算及びノイズ除去成分などを施して、平均ウェーブレットデータを作成する。
【0051】
その後、平均ウェーブレットデータを逆ウェーブレット変換部33によって逆ウェーブレット変換し、得られた信号波形の時間関数ψ(t)をマザーウェーブレットとする。
【0052】
本実施の形態によれば、異常診断に適するマザーウェーブレットを、診断対象の波形信号にウェーブレット変換及び逆ウェーブレット変換を適用して波形信号との一致度が高くなるように自動的に決定するため、周期的波形関数だけでなく非周期的波形関数をマザーウェーブレットとして近似することが可能で、広範囲の対象について効果的に異常検出感度を向上させることができる。
【0053】
第3の実施の形態
次に、図9を用いて、本発明による異常診断装置の第3の実施の形態について説明する。図9に示すように、本実施の形態の異常診断装置10は、解析関数決定手段2が包絡線処理部26からなる点が異なるのみであり、その他の構成は図1乃至図6に示す第1の実施の形態と同様である。第2の実施の形態において、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0054】
包絡線処理部26は、センサ1が検出した波形信号の包絡線関数を演算し、この包絡線関数をマザーウェーブレットとするようになっている。
【0055】
本実施の形態によれば、マザーウェーブレットの導出過程が簡易であるため、より迅速な診断ができる。
【0056】
第4の実施の形態
次に、図10を用いて、本発明による異常診断装置の第4の実施の形態について説明する。図10に示すように、本実施の形態の異常診断装置10は、解析関数決定手段2が、A/D変換器27と離散データ処理部28とからなる点が異なるのみであり、その他の構成は図1乃至図6に示す第1の実施の形態と同様である。第2の実施の形態において、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0057】
離散データ処理部28は、センサ1が検出し、A/D変換器27によってデジタル化された複数の波形信号の離散データを、間引き、補間及び間隔調整のうち少なくともいずれか1つを行って、調節後の離散データを離散的なマザーウェーブレットとするようになっている。
【0058】
本実施の形態においては、まずセンサ1が検出した信号波形がA/D変換器27で高速サンプリングされる。次に、離散データ処理部28によって、高速サンプリングされた離散データの中から診断対象信号波形のサンプリング周波数に合うように、データの間引き、補間、間隔調整のいずれかが行なわれる。
【0059】
例えば、診断対象信号波形のサンプリング周波数をf[Hz]とすると、診断対象信号波形をt0 秒間測定した場合、測定データ数nはn=f×t0 個となる。このデータを配列D(i)(i=1〜n)とする。
【0060】
一方、マザーウェーブレットのサンプリング周波数をf’[Hz]とすると、そのデータ点数kはk=f’×t0 個であるから、k個のデータ点数の中からある一定の時間間隔でn個を抜き出す必要がある。例えば、データを抜き出す時間間隔を1/(f×a)(a:スケールパラメータ)、抜き出すデータの時間範囲を(k/(2f’))−b≦t≦(k/(2f’))−b+n/(f×a)(b:位置パラメーター)とし、時間範囲が0≦t≦t0 の領域以外の時は、データをゼロとする。これにより、k個の高速サンプリングデータの中からマザーウェーブレットとしてn個のデータが得られる。これらのデータを配列Ma,b(i)(i=1〜n)とする。
【0061】
この場合、変換処理部3によるウェーブレット係数の演算は、
【数7】
として行われる。
【0062】
本実施の形態によれば、検出したい波形関数の高速サンプリングデータ自体をマザーウェーブレットにすることが可能であり、より迅速な診断ができる。
【0063】
第5の実施の形態
次に、図11及び図12を用いて、本発明による異常診断装置の第5の実施の形態について説明する。
【0064】
図11に示すように、解析関数決定手段2は、データベース4からマザーウェーブレットの候補となる関数群を読み取って蓄積するデータベース部51と、データベース部51に蓄積された関数群を試行用マザーウェーブレットとしてセンサ1が検出した波形信号をウェーブレット変換し、ウェーブレット係数の絶対値の総和を演算する第1変換試行部52と、第1変換試行部52による演算結果に基づいて、ウェーブレット係数の絶対値の総和が最も大きくなる関数をマザーウェーブレットとする判別部53とを有している。
【0065】
その他の構成は図7及び図8に示す第2の実施の形態と同様である。第2の実施の形態において、図7及び図8に示す第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0066】
本実施の形態の解析関数決定手段2では、図12に示すようにマザーウェーブレットが決定される。
【0067】
まず、データベース4に設定されている既存のマザーウェーブレット関数を、データベース4からデータベース部51に読み取らせる(STEP31)。次に、読み取ったマザーウェーブレットを用いて、第1変換試行部52は、センサ1によって検出された特徴信号波形をウェーブレット変換する(STEP32)。そして、得られたウェーブレット変換結果についてウェーブレット係数の絶対値の総和を計算する(STEP33)。以上の工程をデータベース4に設定された全種類のマザーウェーブレット関数について繰返す。そして判別部53によって、ウェーブレット係数の絶対値の総和の最も大きい関数(これは、検出したい特徴信号波形に対して高い感度を与える関数である)がマザーウェーブレットとして選択される(STEP34)。
【0068】
なお、マザーウェーブレット決定のためにセンサ1によって検出された信号が実際の診断対象である場合には、第1変換試行部52によるウェーブレット変換結果を保存しておくことにより、変換処理部3による再度の計算を回避することも可能である(この場合、第1変換試行部52が変換処理部3を兼ねていると言える)。
【0069】
さらに、本実施の形態によって決定(選択)されたマザーウェーブレットを、第2の実施の形態における仮マザーウェーブレットとすることも可能である。
【0070】
本実施の形態によれば、既存のマザーウェーブレット関数群の中から、検出したい信号に適したマザーウェーブレットを自動的に選択することができ、検出感度の高い異常診断を実現できる。また、既存のアドミッシブル条件を満たしたマザーウェーブレットのみを採用すれば、ウェーブレット変換後に逆ウェーブレット変換を行うことも可能となる。本実施の形態は、特に、検出したい信号の計測データやシミュレーション結果から何らかの理由で新規のマザーウェーブレットを作成することが困難な場合に有効である。
【0071】
第6の実施の形態
次に、図13及び図14を用いて、本発明による異常診断装置の第6の実施の形態について説明する。
【0072】
図13に示すように、解析関数決定手段2は、第1変換試行部52と判別部53の代わりに、データベース部51に蓄積された関数群を試行用マザーウェーブレットとしてセンサ1が検出した波形信号をウェーブレット変換し、ウェーブレット係数の変化率の総和を演算する第2変換試行部62と、第2変換試行部62による演算結果に基づいて、ウェーブレット係数の変化率の総和が最も大きくなる関数をマザーウェーブレットとする判別部63とを有している点が異なるのみであり、その他の構成は図11及び図12に示す第5の実施の形態と同様である。第6の実施の形態において、図11及び図12に示す第5の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0073】
本実施の形態の解析関数決定手段2では、図14に示すようにマザーウェーブレットが決定される。
【0074】
まず、データベース4に設定されている既存のマザーウェーブレット関数を、データベース4からデータベース部51に読み取らせる(STEP41)。次に、読み取ったマザーウェーブレットを用いて、第2変換試行部62は、センサ1によって検出された特徴信号波形をウェーブレット変換する(STEP42)。そして、得られたウェーブレット変換結果についてウェーブレット係数の変化率の総和を計算する(STEP43)。すなわち、各時間−周波数点(b,a)における偏微分を計算し、その微分係数の絶対値の総和をとる。演算式は、
【数8】
と表せる。以上の工程をデータベース4に設定された全種類のマザーウェーブレット関数について繰返す。そして判別部63によって、ウェーブレット係数の変化率の総和の最も大きい関数(これは、検出したい特徴信号波形に対して高い感度を与える関数である)がマザーウェーブレットとして選択される(STEP44)。
【0075】
なお、第5の実施の形態と同様、マザーウェーブレット決定のためにセンサ1によって検出された信号が実際の診断対象である場合には、第2変換試行部62によるウェーブレット変換結果を保存しておくことにより、変換処理部3による再度の計算を回避することも可能である(この場合、第2変換試行部62が変換処理部3を兼ねていると言える)。
【0076】
さらに、第5の実施の形態と同様、本実施の形態によって決定(選択)されたマザーウェーブレットを、第2の実施の形態における仮マザーウェーブレットとすることも可能である。
【0077】
本実施の形態によっても、第5の実施の形態と同様、既存のマザーウェーブレット関数群の中から、検出したい信号に適したマザーウェーブレットを自動的に選択することができ、検出感度の高い異常診断を実現できる。
【0078】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば診断に適したマザーウェーブレットを自動的に導出できるため、診断の異常検出感度を向上させることができる。
【0079】
特に、FFTと逆FFTを用いて、検出したい周期的波形関数を三角関数で近似してマザーウェーブレットとすることができる。あるいは、ウェーブレット変換と逆ウェーブレット変換を用いて、周期的波形関数だけでなく非周期的波形関数の近似関数をマザーウェーブレットとすることができる。
【0080】
また、本発明によれば、データベースにある既存のマザーウェーブレットの中から、最も感度よく異常信号や特徴信号を検出することができるマザーウェーブレットを選び出すことができ、異常検出感度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による異常診断装置の第1の実施の形態の構成を示す概略図。
【図2】図1の解析関数決定手段の構成を示す概略図。
【図3】図1の異常診断装置を用いる異常診断方法を示すフロー図。
【図4】図1の解析関数決定手段の作用を示すフロー図。
【図5】図1の解析関数決定手段によって決定されるマザーウェーブレットの一例を示す図。
【図6】図1の異常診断装置を用いる別の異常診断方法を示すフロー図。
【図7】本発明による異常診断装置の第2の実施の形態の構成を示す概略図。
【図8】図7の解析関数決定手段の構成を示す概略図。
【図9】本発明による異常診断装置の第3の実施の形態の解析関数決定手段の構成を示す概略図。
【図10】本発明による異常診断装置の第4の実施の形態の解析関数決定手段の構成を示す概略図。
【図11】本発明による異常診断装置の第5の実施の形態の解析関数決定手段の構成を示す概略図。
【図12】図11の解析関数決定手段の作用を示すフロー図。
【図13】本発明による異常診断装置の第6の実施の形態の解析関数決定手段の構成を示す概略図。
【図14】図13の解析関数決定手段の作用を示すフロー図。
【符号の説明】
1 センサ
2 解析関数決定手段
3 変換処理手段
4 データベース
5 診断判定手段
6 出力手段
10 異常診断装置
21 フーリエ変換部
22 フーリエ近似部
23 逆フーリエ変換部
24 補助処理部
26 包絡線処理部
27 A/D変換器
28 離散データ処理部
31 ウェーブレット変換部
32 ウェーブレット近似部
33 逆ウェーブレット変換部
51 データベース部
52 第1変換試行部
53 判別部
62 第2変換試行部
63 判別部
Claims (10)
- 対象物から発生する波形信号を検出してウェーブレット変換を施し、ウェーブレット変換の結果に基づいて対象物の異常診断を行う異常診断装置において、
波形信号を検出するセンサと、
ウェーブレット変換に用いるマザーウェーブレットであって対象物の異常診断に適したマザーウェーブレットを、入力波形信号に基づいて自動的に導出する解析関数決定手段と、
解析関数決定手段が導出したマザーウェーブレットを用いて、センサが検出した波形信号をウェーブレット変換する変換処理手段と、
変換処理手段による変換結果に基づいて、対象物の異常診断を行う診断判定手段と、
を備え、
解析関数決定手段は、
センサが検出した複数の波形信号をフーリエ変換するフーリエ変換部と、
フーリエ変換部による複数の変換結果から平均フーリエデータを作成するフーリエ近似部と、
平均フーリエデータを逆フーリエ変換してマザーウェーブレットとする逆フーリエ変換部と、
を有している
ことを特徴とする異常診断装置。 - 対象物から発生する波形信号を検出してウェーブレット変換を施し、ウェーブレット変換の結果に基づいて対象物の異常診断を行う異常診断装置において、
波形信号を検出するセンサと、
ウェーブレット変換に用いるマザーウェーブレットであって対象物の異常診断に適したマザーウェーブレットを、入力波形信号に基づいて自動的に導出する解析関数決定手段と、
解析関数決定手段が導出したマザーウェーブレットを用いて、センサが検出した波形信号をウェーブレット変換する変換処理手段と、
変換処理手段による変換結果に基づいて、対象物の異常診断を行う診断判定手段と、
を備え、
解析関数決定手段は、
センサが検出した複数の波形信号をウェーブレット変換するウェーブレット変換部と、
ウェーブレット変換部による複数の変換結果から平均ウェーブレットデータを作成するウェーブレット近似部と、
平均ウェーブレットデータを逆ウェーブレット変換してマザーウェーブレットとする逆ウェーブレット変換部と、
を有している
ことを特徴とする異常診断装置。 - 対象物から発生する波形信号を検出してウェーブレット変換を施し、ウェーブレット変換の結果に基づいて対象物の異常診断を行う異常診断装置において、
波形信号を検出するセンサと、
ウェーブレット変換に用いるマザーウェーブレットであって対象物の異常診断に適したマザーウェーブレットを、入力波形信号に基づいて自動的に導出する解析関数決定手段と、
解析関数決定手段が導出したマザーウェーブレットを用いて、センサが検出した波形信号をウェーブレット変換する変換処理手段と、
変換処理手段による変換結果に基づいて、対象物の異常診断を行う診断判定手段と、
を備え、
解析関数決定手段は、センサが検出した波形信号の包絡線関数を演算して、包絡線関数をマザーウェーブレットとする包絡線処理部を有する
ことを特徴とする異常診断装置。 - 対象物から発生する波形信号を検出してウェーブレット変換を施し、ウェーブレット変換の結果に基づいて対象物の異常診断を行う異常診断装置において、
波形信号を検出するセンサと、
ウェーブレット変換に用いるマザーウェーブレットであって対象物の異常診断に適したマザーウェーブレットを、入力波形信号に基づいて自動的に導出する解析関数決定手段と、
解析関数決定手段が導出したマザーウェーブレットを用いて、センサが検出した波形信号をウェーブレット変換する変換処理手段と、
変換処理手段による変換結果に基づいて、対象物の異常診断を行う診断判定手段と、
を備え、
解析関数決定手段は、センサが検出した複数の波形信号の離散データを、間引き、補間及び間隔調整のうち少なくともいずれか1つを行って、調節後の離散データを離散的なマザーウェーブレットとする離散データ処理部を有する
ことを特徴とする異常診断装置。 - 対象物から発生する波形信号を検出してウェーブレット変換を施し、ウェーブレット変換の結果に基づいて対象物の異常診断を行う異常診断装置において、
波形信号を検出するセンサと、
ウェーブレット変換に用いるマザーウェーブレットであって対象物の異常診断に適したマザーウェーブレットを、入力波形信号に基づいて既存のウェーブレット関数群の中から自動的に選択する解析関数決定手段と、
解析関数決定手段が選択したマザーウェーブレットを用いて、センサが検出した波形信号をウェーブレット変換する変換処理手段と、
変換処理手段による変換結果に基づいて、対象物の異常診断を行う診断判定手段と、
を備え、
解析関数決定手段は、
マザーウェーブレットの候補となる関数群を蓄積するデータベース部と、
データベース部に蓄積された関数群を試行用マザーウェーブレットとしてセンサが検出した波形信号をウェーブレット変換し、ウェーブレット係数の絶対値の総和を演算する第1変換試行部と、
第1変換試行部による演算結果に基づいて、ウェーブレット係数の絶対値の総和が最も大きくなる関数をマザーウェーブレットとする判別部と、
を有する
ことを特徴とする異常診断装置。 - 対象物から発生する波形信号を検出してウェーブレット変換を施し、ウェーブレット変換の結果に基づいて対象物の異常診断を行う異常診断装置において、
波形信号を検出するセンサと、
ウェーブレット変換に用いるマザーウェーブレットであって対象物の異常診断に適したマザーウェーブレットを、入力波形信号に基づいて既存のウェーブレット関数群の中から自動的に選択する解析関数決定手段と、
解析関数決定手段が選択したマザーウェーブレットを用いて、センサが検出した波形信号をウェーブレット変換する変換処理手段と、
変換処理手段による変換結果に基づいて、対象物の異常診断を行う診断判定手段と、
を備え、
解析関数決定手段は、
マザーウェーブレットの候補となる関数群を蓄積するデータベース部と、
データベース部に蓄積された関数群を試行用マザーウェーブレットとしてセンサが検出した波形信号をウェーブレット変換し、ウェーブレット係数の変化率の総和を演算する第2変換試行部と、
第2変換試行部による演算結果に基づいて、ウェーブレット係数の変化率の総和が最も大きくなる関数をマザーウェーブレットとする判別部と、
を有する
ことを特徴とする異常診断装置。 - 対象物から発生する波形信号を検出してウェーブレット変換を施し、ウェーブレット変換の結果に基づいて対象物の異常診断を行う異常診断装置において、
波形信号を検出するセンサと、
ウェーブレット変換に用いるマザーウェーブレットであって対象物の異常診断に適したマザーウェーブレットを、入力波形信号に基づいて自動的に導出するか、あるいは、入力波形信号に基づいて既存のウェーブレット関数群の中から自動的に選択する解析関数決定手段と、
解析関数決定手段が導出または選択したマザーウェーブレットを用いて、センサが検出した波形信号をウェーブレット変換する変換処理手段と、
変換処理手段による変換結果に基づいて、対象物の異常診断を行う診断判定手段と、
を備え、
解析関数決定手段は、対象物の異常な波形信号を入力波形信号として、ウェーブレット変換に用いるマザーウェーブレットを自動的に決定し、
診断判定手段は、ウェーブレット係数の大きい信号成分から実際の波形信号の異常状態を診断する、
ことを特徴とする異常診断装置。 - 対象物から発生する波形信号を検出してウェーブレット変換を施し、ウェーブレット変換の結果に基づいて対象物の異常診断を行う異常診断装置において、
波形信号を検出するセンサと、
ウェーブレット変換に用いるマザーウェーブレットであって対象物の異常診断に適したマザーウェーブレットを、入力波形信号に基づいて自動的に導出するか、あるいは、入力波形信号に基づいて既存のウェーブレット関数群の中から自動的に選択する解析関数決定手段と、
解析関数決定手段が導出または選択したマザーウェーブレットを用いて、センサが検出した波形信号をウェーブレット変換する変換処理手段と、
変換処理手段による変換結果に基づいて、対象物の異常診断を行う診断判定手段と、
を備え、
解析関数決定手段は、対象物の正常な波形信号を入力波形信号として、ウェーブレット変換に用いるマザーウェーブレットを自動的に決定し、
診断判定手段は、ウェーブレット係数の変動から実際の波形信号の異常状態を診断する、
ことを特徴とする異常診断装置。 - 対象物から発生する波形信号を検出してウェーブレット変換を施し、ウェーブレット変換の結果に基づいて対象物の異常診断を行う異常診断装置において、
波形信号を検出するセンサと、
ウェーブレット変換に用いるマザーウェーブレットであって対象物の異常診断に適したマザーウェーブレットを、入力波形信号に基づいて自動的に導出する解析関数決定手段と、
解析関数決定手段が導出したマザーウェーブレットを用いて、センサが検出した波形信号をウェーブレット変換する変換処理手段と、
変換処理手段による変換結果に基づいて、対象物の異常診断を行う診断判定手段と、
を備えたことを特徴とする異常診断装置
を用いて異常診断を行う方法において、
センサにより、波形信号を検出する工程と
解析関数決定手段により、センサが検出した波形信号に基づいて、ウェーブレット変換に用いるマザーウェーブレットであって対象物の異常診断に適したマザーウェーブレットを、自動的に導出する工程と、
変換処理手段により、解析関数決定手段が決定したマザーウェーブレットを用いて、センサが検出した波形信号をウェーブレット変換する工程と、
診断判定手段により、変換処理手段による変換結果に基づいて、対象物の異常診断を行う工程と、
を備え、
関数決定工程は、
フーリエ変換部により、センサが検出した複数の波形信号をフーリエ変換する工程と、
フーリエ近似部により、フーリエ変換部による複数の変換結果から平均フーリエデータを作成する工程と、
逆フーリエ変換部により、平均フーリエデータを逆フーリエ変換してマザーウェーブレットとする工程と、
を有している
ことを特徴とする異常診断方法。 - 対象物から発生する波形信号を検出してウェーブレット変換を施し、ウェーブレット変換の結果に基づいて対象物の異常診断を行う異常診断装置において、
波形信号を検出するセンサと、
ウェーブレット変換に用いるマザーウェーブレットであって対象物の異常診断に適したマザーウェーブレットを、入力波形信号に基づいて自動的に導出する解析関数決定手段と、
解析関数決定手段が導出したマザーウェーブレットを用いて、センサが検出した波形信号をウェーブレット変換する変換処理手段と、
変換処理手段による変換結果に基づいて、対象物の異常診断を行う診断判定手段と、
を備えたことを特徴とする異常診断装置
を用いて異常診断を行う方法において、
センサにより、波形信号を検出する工程と
解析関数決定手段により、センサが検出した波形信号に基づいて、ウェーブレット変換に用いるマザーウェーブレットであって対象物の異常診断に適したマザーウェーブレットを、自動的に導出する工程と、
変換処理手段により、解析関数決定手段が決定したマザーウェーブレットを用いて、センサが検出した波形信号をウェーブレット変換する工程と、
診断判定手段により、変換処理手段による変換結果に基づいて、対象物の異常診断を行う工程と、
を備え、
関数決定工程は、
ウェーブレット変換部により、センサが検出した複数の波形信号をウェーブレット変換する工程と、
ウェーブレット近似部により、ウェーブレット変換部による複数の変換結果から平均ウェーブレットデータを作成する工程と、
逆ウェーブレット変換部により、平均ウェーブレットデータを逆ウェーブレット変換してマザーウェーブレットとする工程と、
を有している
ことを特徴とする異常診断方法。
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1998
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