JP6473004B2 - 破壊状態観測装置と方法 - Google Patents

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Description

本発明は、宇宙空間から地表側へ向けて機体が大気圏に突入し、大気圏を通過している間にその機体が破壊される状態を観測する破壊状態観測装置と方法に関する。
宇宙空間から地表側へ向けて大気圏に突入する機体が大気圏を通過している間に破壊される状態を観測する方法としては、(1)地上または航空機からレーダ又は光学的に観測する方法、(2)別途飛行している衛星や国際宇宙ステーションから撮影する方法、(3)機体に搭載した観測装置が機体と一緒に再突入する方法がある。
(3)の機体に搭載した観測装置が機体と一緒に再突入する方法として、例えば特許文献1に開示された方法がある。
特開2012−91682号公報
再突入する機体が地上に害を及ぼす可能性があるものの場合は、通常、再突入場所として、海洋上のリスクの少ない場所が選択される。また地球は陸地より海が占める面積の方が広いため、機体の再突入場所が海上となる可能性が高い。しかし、そのような再突入場所は、船舶も航空機も通らず、陸地もない場所であるからこそ再突入場所として選択されているため、地上(陸上)から再突入を観測できる可能性は低い。また航空機から観測しようすると、非常に大型の基材を航空機に搭載しなければならず、地上からその地点に行くのは大変である。
また再突入する機体とは別の軌道上を移動する衛星や国際宇宙ステーションから再突入する機体を観測しようとしても、衛星や国際宇宙ステーションは、機体とは別の軌道上を移動しているため、撮影のタイミングをあわせるのが非常に難しい。
別の軌道上を移動する衛星や国際宇宙ステーションから機体の再突入を観測するには、事前に厳密な検討をして、衛星や国際宇宙ステーションの近傍で機体を再突入させなければならない。例えば国際宇宙ステーションの軌道は変えられないため、機体の軌道を、再突入を観察するためだけに国際宇宙ステーションの近傍に来るようにわざわざ調整しなければならない。
また、どのような順番で機体が破壊されるかについては、まだ明らかになっていないため、機体が壊れる際に、機体のある一箇所が最後まで壊れないように機体を設計することができない。つまり観測装置が最後まで機体に接続し続けるように機体を設計しようとしても、どの部分が最後まで壊れないのかがまだ明らかではないため、そのように設計できない。そのため観測したい特定の破壊事象を観測する前に破壊によって受動的に観測装置が機体から外れて、機体と異なる軌道で落下してしまい、その破壊事象を観測できない可能性があった。
また機体から能動的に観測装置を分離する場合でも、落下途中にカメラのレンズがどの方向に向くかについてはコントロールできない。そのため、たとえ観測装置が機体と同じ軌道で落下したとしても、目的の破壊事象を観測できない可能性があった。
また機体と共に再突入する観測装置は、機体の破壊が終わってから観測装置が空力加熱や地面との衝突で破壊されるまでの間(例えば5分以下)しか、画像データを地上に送信できなかった。そのため観測装置が機体と共に再突入する場合には、その非常に短い時間(例えば5分)の間に送信できるだけのデータ量しか、地上に送信できなかった。また大量のデータ量を送信するためには、例えば観測装置にパラシュートを付けたり、海上に浮くための工夫をするなど、再突入した観測装置が壊れないための様々な工夫を施さなければならなかった。
さらに大量のデータを取得するべく観測装置を回収するためには、膨大な人手と費用が必要となる。そのため膨大な人手や費用をかけなければ、大量のデータを取得できなかった。
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、大気圏を通過する機体が破壊される状態を確実に容易に観測でき、大量のデータ量を送信できる破壊状態観測装置と方法を提供することにある。
本発明によれば、宇宙空間から大気圏に突入した機体が空力加熱により破壊される状態を観測する破壊状態観測装置であって、
前記機体に予め搭載された観測用の衛星と、
前記機体又は前記衛星に設けられ、前記機体が地球を周回する軌道を離脱する前に、前記機体から前記衛星を前記軌道に放出する放出機構と、を備え、
前記衛星は、前記機体を撮像する撮像装置と、
撮像により取得した画像データを記録する制御装置と、
前記画像データを地上の基地局に送信するデータ送信機と、を有し、
前記軌道上を周回しながら前記基地局の上空を複数回通る間に前記画像データを該基地局へ向けて送信する、ことを特徴とする破壊状態観測装置が提供される。
また宇宙空間から大気圏に突入した機体が空力加熱により破壊される状態を観測する破壊状態観測装置であって、
前記機体に予め搭載された観測用の衛星と、
前記機体又は前記衛星に設けられ、前記機体が軌道を離脱する前に、前記機体から前記衛星を前記軌道に放出する放出機構と、を備え、
前記衛星は、前記機体を撮像する撮像装置と、
撮像により取得した画像データを記録する制御装置と、
前記画像データを地上に送信するデータ送信機と、
前記撮像装置の撮像範囲を制御できる撮像範囲制御機構と、を有し、
前記撮像範囲制御機構は、予め行われた解析予測で求められた前記機体の予測位置の方向に前記撮像装置を向けることにより前記撮像範囲内に前記機体を捉え続け、
さらに前記撮像範囲制御機構は、前記撮像装置の向きを変える駆動装置又は前記衛星の全体の姿勢を変更する姿勢制御機構である、ことを特徴とする破壊状態観測装置が提供される
また本発明によれば、宇宙空間から大気圏に突入した機体が空力加熱により破壊される状態を観測する破壊状態観測方法であって、
(A)前記機体に、観測用の衛星を予め搭載しておき、
(B)前記機体が地球を周回する軌道を離脱する前に、前記機体から前記衛星を前記軌道に放出し、
(C)前記衛星に設けた撮像装置により、前記機体を撮像し、
(D)前記軌道上を周回する前記衛星が地上の基地局の上空を複数回通る間に撮像により取得した画像データを該基地局へ向けて送信する、ことを特徴とする破壊状態観測方法が提供される。
また宇宙空間から大気圏に突入した機体が空力加熱により破壊される状態を観測する破壊状態観測方法であって、
(A)前記機体に、観測用の衛星を予め搭載しておき、
(B)前記機体が軌道を離脱する前に、前記機体から前記衛星を前記軌道に放出し、
(C)前記衛星に設けた撮像装置により、前記機体を撮像し、
(D)撮像により取得した画像データを前記衛星から地上に送信し、
前記(C)の前に、予め解析予測を行い前記機体の予測位置の方向を求め、
前記(C)において、前記機体の予測位置の方向に前記撮像装置を向けることにより前記撮像装置の撮像範囲内に前記機体を捉え続け、前記機体を撮像する、ことを特徴とする破壊状態観測方法が提供される
また前記(C)において前記機体を撮像する際の前記衛星と前記機体との距離を、前記(B)において前記機体が前記衛星を放出するときの速度又は方向の設定を変えることにより調整する。
上述した本発明の装置と方法によれば、機体が軌道を離脱する前に、衛星を機体から軌道上に放出するので、自動的に機体を追尾するような軌道上に、容易に衛星を入れることができる。そのため本発明は、異なる軌道上を移動する衛星や国際宇宙ステーションとの撮影のタイミングを合わせるためのスケジューリングを必要とせず、大気圏を通過する機体が破壊される状態を容易に観測できる。
また撮像装置を搭載する衛星を軌道に残すため、撮像装置は空力加熱で破壊されない。そのうえ機体が軌道を離脱する前に衛星を放出することで機体の落下方向と同じ方向に延びる軌道上に衛星を放出できるので、衛星が、機体を追尾できる。それにより、撮像装置で機体の状態を捉えることができる位置に衛星を配置できるので、本発明は、大気圏通過中に機体が破壊される状態を確実に観測することができる。
また衛星は、機体の再突入後も軌道を離脱せず、地球の周りを回り続けるので、長期間(例えば機体の再突入から約1か月〜3か月間)にわたり、軌道上に留まることができる。それにより撮像装置が撮像した画像データが大量のデータ量であっても、複数回に分けて地上に送信することが可能である。
さらに衛星は、長期間にわたり地球の周りを回り続けながら大量のデータを地上に送信し、その後落下し、焼失するので、衛星を回収しなくても大量のデータを取得できる。そのため本発明の装置と方法によれば、観測装置を回収するのに必要な膨大な人手や費用をかけなくても、大量のデータを取得できる。
本発明の破壊状態観測装置の説明図である。 本発明の衛星の説明図である。 本発明の衛星と落下する機体との位置関係の説明図である。 衛星と機体との位置関係の一例を表した図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明の破壊状態観測装置1の説明図である。図1(A)は、まだ放出されていない衛星3と機体Fの図、図1(B)は、機体Fから衛星3が放出されたときの図である。図1(C)は、機体Fが軌道Vを離脱するときの図であり、図1(D)は、機体Fが破壊される状態を衛星3が撮像しているときの図である。図1において、図1(A)から(D)にかけて時間が経過する。
本発明の破壊状態観測装置1は、宇宙空間Lから大気圏Jに突入した機体Fが空力加熱により破壊される状態を観測する装置である。
機体Fは、大気圏Jの通過中に破壊される宇宙機である。機体Fは、例えば直径が約4〜6mであり、長さが約8〜12mの宇宙機であるが、その他の大きさの宇宙機であってもよい。
破壊状態観測装置1は、図1に示すように、機体Fに予め搭載された観測用の衛星3と、機体Fから衛星3を軌道Vに放出する放出機構5と、を備える。
放出機構5は、機体Fが軌道Vを離脱する前に、機体Fから衛星3を軌道Vに放出する。放出機構5は、機体Fと衛星3のいずれに設けられていてもよい。例えば放出機構5は、圧縮した状態で両端が機体Fと衛星3に接しているバネであってもよく、衛星3の後述する電源15(図2を参照)又は機体Fに搭載された電源の電力により作動するシリンダ等のアクチュエータや、既知の火工品であってもよい。放出機構5が衛星3側に設けられている場合、放出機構5の放出動作は、後述する衛星3の制御装置11(図2を参照)により制御されることが好ましい。
図2は、本発明の衛星3の説明図である。
衛星3は、撮像装置7、制御装置11、データ送信機13、電源15を有する。衛星3は、例えば質量が1kg程度〜50kgのものであってもよく、大きさが約10cm角〜50cm角のものであってもよい。
また衛星3は、制御装置11により撮像装置7の撮像範囲を制御できる撮像範囲制御機構17を有していることが好ましい。それにより撮像範囲内に機体Fを捉え続けるように制御装置11で撮像装置7を制御することができる。なお、地上の基地局Kから撮像範囲制御機構17を制御して撮像範囲を調整してもよい。
撮像範囲制御機構17は、予め行われた解析予測で求められた機体Fの予測位置の方向に撮像装置7を向けることにより、撮像範囲内に機体Fを捉え続ける。
撮像範囲制御機構17は、例えばカメラやレーダ等の撮像装置7を動かし、その向きを変えるアクチュエータやモータ等の駆動装置であってもよい。もしくは撮像範囲制御機構17は、衛星3の全体の姿勢を変更することで撮像装置7の撮像範囲を制御する例えばガスジェット等の姿勢制御機構であってもよい。
撮像装置7は、機体Fを撮像するカメラ又はレーダである。撮像装置7は、例えば700km以上前方でも10m程度が識別できる高解像度の遠隔観測用のカメラ又はレーダであることが好ましい。また撮像装置7は、広角のカメラであってもよい。またカメラは、可視光を撮像するカメラでもよく、赤外線カメラであってもよい。赤外線カメラは、衛星3の温度が機体F及びその周辺の温度より低いときに撮像装置7として使用できる。
制御装置11は、撮像装置7とデータ送信機13を制御するとともに、撮像により取得した画像データを記録する制御装置である。また衛星3が撮像範囲制御機構17を有する場合、制御装置11は、撮像範囲制御機構17をも制御することが好ましい。
データ送信機13は、画像データを地上に送信する送信機である。なお、地上の基地局Kから受信した指令で撮像範囲制御機構17を制御する場合には、データ送信機13は、地上からの指令を受信する受信機をも有していることが好ましい。
電源15は、衛星3に搭載された電池であってもよく、衛星3の外側に取り付けられた太陽光発電電池であってもよい。またその他の電池であってもよい。電源15は、撮像装置7、制御装置11、及びデータ送信機13や撮像範囲制御機構17と接続され、その電力を撮像装置7、制御装置11、及びデータ送信機13や撮像範囲制御機構17に供給する。
次に、本発明の破壊状態観測方法について説明する。
図3は、本発明の衛星3と落下する機体Fとの位置関係の説明図である。図3(A)は、まだ放出されていない衛星3と機体Fの図、図3(B)は、機体Fから衛星3が放出されたときの図である。図3(C)は、機体Fが軌道Vを離脱するときの図であり、図3(D)と図3(E)は、機体Fが破壊される状態を衛星3が撮像しているときの図である。図3において、図3(A)から(E)にかけて時間が経過する。
本発明の破壊状態観測方法は、宇宙空間Lから大気圏Jに突入した機体Fが空力加熱により破壊される状態を観測する方法である。
(ステップS1)機体Fに、観測用の衛星3を予め搭載しておく。衛星3には、例えば700km以上前方まで撮像できる遠隔観測用の撮像装置7を搭載することが好ましい。その状態で、機体Fをロケットで宇宙空間Lへ打ち上げ、宇宙空間Lで機体Fの任務を完了させる。
(ステップS2)次に任務を完了した機体Fが地球Eに帰還するときに、機体Fが軌道V上にある状態で(図3(A))、機体Fが軌道Vを離脱する前に、機体Fから衛星3を同じ軌道V上に放出する(図3(B))。機体Fが軌道V上にあるときに放出機構5を駆動させ、衛星3を機体Fから放出することにより、容易に衛星3を軌道Vに乗せることができる。
その後、図3(C)に示すように、機体Fは、それがもつロケットエンジンに点火して、方向を転換し、軌道Vから地表側に離脱する。機体Fは、大気圏Jに突入し、地球Eの引力に引っ張られて落下する。衛星3は、その軌道V上における機体Fが落下する方向と同じ方向へ進む。このとき、軌道には、一般的に、高度が下がると速度が上がるという特性がある。そのため衛星3を放出した直後は、機体Fと衛星3はほぼ同じ位置にあるが(図3(B)、図3(C))、機体Fが落下すればする程、機体Fが衛星3より前方に進むようになる。それにより、機体Fが落下すればする程、機体Fと衛星3との距離Tが大きくなる。
図4は、衛星3と機体Fとの位置関係の一例を表した図である。図4は、横軸が経過時間であり、縦軸が距離、高度、又は角度を表している。
また図4において、線Pは機体Fの高度を表し、線Qは衛星3の高度を表している。線Rは衛星3と機体Fとの距離Tを表し、線Sは俯角θを表している。ここで、水平とは、衛星3を通る軌道V上の接線である局所水平H(図3(D)、(E)を参照)を意味する。また俯角θとは、水平に対して下方に機体Fが見える角度を意味し、具体的には図3(D)と(E)に示すように、衛星3と機体Fを結ぶ線と局所水平Hとが成す角度を意味する。
図4は、衛星3と機体Fの相対速度が0とし、機体Fからの衛星3の放出と同時に機体Fが軌道Vを離脱した場合を例としている。
機体Fの高度が約100〜80km(軌道離脱から約1600〜1700秒後)になると、空力加熱により、機体Fの破壊が開始する(図4の機体Fの高度を参照)。
(ステップS3)図3(D)(E)と図4の線Sに示すように、機体Fは、衛星3からその進行方向の前方下方に見えた状態となる。衛星3は、撮像装置7により機体Fを撮像し、その画像データを制御装置11に記憶する。
例えばステップS3の前に、予め解析予測を行い機体Fの予測位置の方向を求めておき、ステップS3において、機体Fの予測位置の方向に撮像装置7を向けることが好ましい。それにより、撮像装置7の撮像範囲内に機体Fを捉え続け、機体Fを撮像することができる。
例えば図4の例では、機体Fの破壊が始まる高度100km付近において、衛星3と機体Fとの距離T(図3(D)、(E)を参照)は500km程度であり、機体Fは、衛星3の前方下方約10°から30°の間に収まって見える。そのため、衛星3が軌道上を移動する間は、撮像範囲に、衛星3の軌道V上の進行方向に対して前方かつ下方(地表側)約10°〜40°の範囲を含めるように、撮像装置7が設置されていることが好ましい。つまり例えば撮像装置7がカメラであり、衛星3の本体の内部でカメラのレンズの向きを変えられない場合、ステップS2で、衛星3の進行方向に対して前方かつ下方約20°〜30°の方向にレンズを向けた姿勢で、衛星3を機体Fから軌道V上に放出することが好ましい。撮像装置7がレーダである場合も同様に、衛星3の進行方向に対して前方かつ下方約20°〜30°の方向にレーダの送受信機を向けた姿勢のまま、ステップS2で、衛星3を機体Fから軌道V上に放出することが好ましい。
それにより図4に示すように機体Fの破壊が始まる高度100km付近から機体Fが焼失するまで、終始、機体Fの破壊事象を撮像できる。
なお、本発明の破壊状態観測装置1は、進行方向に対して前方かつ下方(地表側)約10°〜40°の範囲を撮像範囲に含めるように、もしくは撮像範囲に必ず機体Fが含められるように、上述の撮像範囲制御機構17で撮像装置7を制御してもよい。
撮像装置7による撮像は、機体Fが焼失するまで続けられる。例えば図4の例の場合、機体Fは、軌道離脱から約1800〜1900秒後に焼失する。
なお、ステップS3において機体Fを撮像する際の衛星3と機体Fとの距離Tは、ステップS2において機体Fが衛星3を放出するときの速度又は方向の設定を変えることにより調整できる。それにより、例えば撮像したい撮像事象によって、機体Fと衛星3との位置関係を調節することができる。
例えば機体Fから近い位置で破壊事象を観測したい場合、上述のステップS2で、機体Fから衛星3を同じ軌道V上の進行方向の前方に向けて放出すれば、その分、衛星3の移動速度を速くすることができるので、距離Tを短く設定できる。反対に遠くから撮像した方が破壊事象の全体が判りやすい場合には、ステップS2で機体Fから衛星3を同じ軌道V上の進行方向の後方に放出することにより、衛星3の移動速度を遅くすることができる。それにより、衛星3と機体Fとの距離Tを大きく設定でき、機体Fから大きく離れた位置から破壊事象を撮像できる。
(ステップS4)次いで、図2に示すように、撮像により取得した画像データを衛星3から地上に送信する。
撮像装置7が撮像した画像データは膨大なデータ量になるので、それを一度に地上に送信することは難しい。しかし衛星3は、例えば高度約300km以上にある軌道Vに沿って地球Eの周りを回りながら、長期間(例えば約1か月〜3か月)を掛けて少しずつ高度を下げ、いずれは落下し、焼失する。そのため衛星3は、軌道V上で地球Eの周りを何度も回りながら、地上の基地局Kの上空を通る度に複数回に分けて画像データを地上の基地局Kに向けて送信できる。それにより地上の基地局Kは、複数回にわたって衛星3からの画像データを受信できる。したがって本発明の破壊状態観測装置1は、機体と一緒に再突入する従来の方法に比べてはるかに長い時間、画像データを地上に送信する機会を有することができる。
上述した本発明の装置と方法によれば、機体Fが軌道Vを離脱する前に、衛星3を機体Fから軌道V上に放出するので、自動的に機体Fを追尾するような軌道V上に、容易に衛星3を入れることができる。そのため本発明は、異なる軌道上を移動する衛星や国際宇宙ステーションとの撮影のタイミングを合わせるためのスケジューリングを必要とせず、大気圏Jを通過する機体Fが破壊される状態を容易に観測できる。
また撮像装置7を搭載する衛星3を軌道Vに残すため、撮像装置7は空力加熱で破壊されない。そのうえ機体Fが軌道Vを離脱する前に衛星3を放出することで機体Fの落下方向と同じ方向に延びる軌道V上に衛星3を放出できるので、衛星3が、機体Fを追尾できる。それにより、撮像装置7が機体Fの状態を捉えることができる位置に衛星3を配置できるので、本発明は、大気圏J通過中に機体Fが破壊される状態を確実に観測することができる。
また衛星3は、機体Fの再突入後も軌道Vを離脱せず、地球Eの周りを回り続けるので、長期間(例えば機体Fの再突入から約1か月〜3か月間)にわたり、軌道V上に留まることができる。それにより撮像装置7が撮像した画像データが大量のデータ量であっても、複数回に分けて地上に送信することが可能である。
さらに衛星3は、長期間にわたり地球Eの周りを回り続けながら大量のデータを地上に送信し、その後落下し、焼失するので、衛星3を回収しなくても大量のデータを取得できる。そのため本発明の装置と方法によれば、観測装置を回収するのに必要な膨大な人手や費用をかけなくても、大量のデータを取得できる。
なお本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
1 破壊状態観測装置、3 衛星、5 放出機構、
7 撮像装置、11 制御装置、13 データ送信機、
15 電源、17 撮像範囲制御機構、
E 地球、F 機体、H 局所水平、J 大気圏、
K 基地局、L 宇宙空間、
P 機体の高度を表す線、Q 衛星の高度を表す線、
R 衛星と機体との距離を表す線、S 俯角を表す線、
T 距離、V 軌道、θ 俯角

Claims (5)

  1. 宇宙空間から大気圏に突入した機体が空力加熱により破壊される状態を観測する破壊状態観測装置であって、
    前記機体に予め搭載された観測用の衛星と、
    前記機体又は前記衛星に設けられ、前記機体が地球を周回する軌道を離脱する前に、前記機体から前記衛星を前記軌道に放出する放出機構と、を備え、
    前記衛星は、前記機体を撮像する撮像装置と、
    撮像により取得した画像データを記録する制御装置と、
    前記画像データを地上の基地局に送信するデータ送信機と、を有し、
    前記軌道上を周回しながら前記基地局の上空を複数回通る間に前記画像データを該基地局へ向けて送信する、ことを特徴とする破壊状態観測装置。
  2. 宇宙空間から大気圏に突入した機体が空力加熱により破壊される状態を観測する破壊状態観測装置であって、
    前記機体に予め搭載された観測用の衛星と、
    前記機体又は前記衛星に設けられ、前記機体が軌道を離脱する前に、前記機体から前記衛星を前記軌道に放出する放出機構と、を備え、
    前記衛星は、前記機体を撮像する撮像装置と、
    撮像により取得した画像データを記録する制御装置と、
    前記画像データを地上に送信するデータ送信機と、
    前記撮像装置の撮像範囲を制御できる撮像範囲制御機構と、を有し、
    前記撮像範囲制御機構は、予め行われた解析予測で求められた前記機体の予測位置の方向に前記撮像装置を向けることにより前記撮像範囲内に前記機体を捉え続け、
    さらに前記撮像範囲制御機構は、前記撮像装置の向きを変える駆動装置又は前記衛星の全体の姿勢を変更する姿勢制御機構である、ことを特徴とする破壊状態観測装置。
  3. 宇宙空間から大気圏に突入した機体が空力加熱により破壊される状態を観測する破壊状態観測方法であって、
    (A)前記機体に、観測用の衛星を予め搭載しておき、
    (B)前記機体が地球を周回する軌道を離脱する前に、前記機体から前記衛星を前記軌道に放出し、
    (C)前記衛星に設けた撮像装置により、前記機体を撮像し、
    (D)前記軌道上を周回する前記衛星が地上の基地局の上空を複数回通る間に撮像により取得した画像データを該基地局へ向けて送信する、ことを特徴とする破壊状態観測方法。
  4. 宇宙空間から大気圏に突入した機体が空力加熱により破壊される状態を観測する破壊状態観測方法であって、
    (A)前記機体に、観測用の衛星を予め搭載しておき、
    (B)前記機体が軌道を離脱する前に、前記機体から前記衛星を前記軌道に放出し、
    (C)前記衛星に設けた撮像装置により、前記機体を撮像し、
    (D)撮像により取得した画像データを前記衛星から地上に送信し、
    前記(C)の前に、予め解析予測を行い前記機体の予測位置の方向を求め、
    前記(C)において、前記機体の予測位置の方向に前記撮像装置を向けることにより前記撮像装置の撮像範囲内に前記機体を捉え続け、前記機体を撮像する、ことを特徴とする破壊状態観測方法。
  5. 前記(C)において前記機体を撮像する際の前記衛星と前記機体との距離を、前記(B)において前記機体が前記衛星を放出するときの速度又は方向の設定を変えることにより調整する、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の破壊状態観測方法。
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