JP6472624B2 - ロボットマニピュレータ - Google Patents
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アクチュエータの動作を駆動手段の駆動を介して把持部の移動に変換することができ、簡素な構造の把持ユニットとすることができる。
図1はロボットマニピュレータの構成図である。
本実施形態のロボットマニピュレータ1は、スレーブマニピュレータ1aとマスタマニピュレータ1bとを有する。スレーブマニピュレータ1aは、並進ユニット10と回転ユニット20を有する。回転ユニット20には把持ユニット30が取り付けられている。スレーブマニピュレータ1aは制御装置2で制御される。マスタマニピュレータ1bは操作者(手術を行う術者Op)によって操作される。
本実施形態のマスタマニピュレータ1bには術者Opの指示が操作として入力される。そして、マスタコントローラ40は、術者Opの指示(操作)を姿勢制御信号に変換して制御装置2に送信する。
スレーブマニピュレータ1aの並進ユニット10は、互いに直交する3軸(X軸,Y軸,Z軸)方向に回転ユニット20を変位させる。例えば、患者Ptが横たわっているベッドの水平面に沿って互いに直交する2軸をY軸,Z軸とする。患者Ptの身長方向をZ軸とした場合、肩幅方向をY軸とする。Y軸,及びZ軸に直交する1軸(鉛直方向の1軸)をX軸とする。並進ユニット10は、患者Ptに対して自在に配置される取付スタンド100等に固定される。
図2は並進ユニットの斜視図である。
図2に示すように、並進ユニット10は、円形状の設置板111、3台のモータ112、3本のリンク113、及び三角形状の固定板115を備える。3台のモータ112は、モータ軸112aが設置板111と平行になるように取り付けられている。設置板111は、取付スタンド100にねじ止め等によって固定される。
また、2本のリンクアーム114aは、2本のリンク軸114bに対して直交する回転軸114c周りに回転可能に取り付けられている。
また、3本のリンク113は全て長さが等しく、リンクアーム114aも全て長さが等しくなっている。また、リンクアーム114aの両端に備わるリンク軸114bも長さが等しくなっている。したがって、設置板111に対して固定板115が平行に備わる。
なお、モータ112は、例えば、ハーモニックギヤとエンコーダを内蔵したACサーボモータが使用される。
そして、並進ユニット10は、前記した3軸(X軸,Y軸,Z軸)方向に3自由度で固定板115を変位させる。また、固定板115に回転ユニット20(図1参照)が取り付けられる。したがって、並進ユニット10は3自由度で回転ユニット20を変位(動作)させることができる。
図3はスレーブマニピュレータの斜視図である。
図3に示すように、スレーブマニピュレータ1aの回転ユニット20には把持ユニット30が取り付けられる。本実施形態の把持ユニット30は、ピンセット50を被把持物として把持する。図3を参照して回転ユニット20の構造を説明する。
アーム部材21bは、ブラケット16aに対するマウントヘッド21aの好適な位置を設定する部材であり、例えば、取付スタンド100(図1参照)と回転ユニット20が好適な位置関係になるように適宜配置される。複数のアーム部材21bはクランプ部材21cで連結される。
また、第1連結アーム141bと第2鉛直アーム142aは、回動軸14aを介して互いに回動可能に連結される。
回動軸16b1及び回動軸14aは横方向軸18bと平行に延設される。
なお、空気圧シリンダ12は、図示しないブラケット等で第2連結アーム142bに固定される。
空気圧シリンダ12が伸長すると(ロッドの突出量が増えると)、スライドレール18aは、ブラケット16aに対して回転軸(横方向軸18b)周りq2の一方に回転(図3では右回転)する。また、空気圧シリンダ12が収縮すると(ロッドの突出量が減少すると)、スライドレール18aは、ブラケット16aに対して横方向軸18b周りq2の他方に回転(図3では左回転)する。
回転機構部31はスライド部31aを有する。スライド部31aはスライドレール18aが貫通する貫通部を有する。スライド部31aにスライドレール18aが貫通して回転機構部31がスライドレール18aをスライド移動可能になっている。スライド部31aにはロックねじ31bが備わる。ロックねじ31bはスライド部31aにねじ込まれて先端部がスライドレール18aに当接する。ロックねじ31bがスライド部31aに締め込まれることによってスライドレール18aに対するスライド部31aのスライド移動が規制される。
マスタマニピュレータ1b(図1参照)は、回転ユニット20による2自由度の動作を、例えば、術者Op(図1参照)が右手で操作する操作子の2次元の動作(前後左右方向の傾倒動作など)で操作可能になっている。そして、回転ユニット20は、マスタマニピュレータ1bに入力される術者Opの指示(操作)に応じて動作する。つまり、回転ユニット20は、術者Opの指示に応じて縦方向軸16b(主回転軸)周りに、並進ユニット10に対して回転する。
図4の(a)は回転機構部の斜視図、(b)は把持ユニットの斜視図である。
図4の(a)に示すように、スライドレール18aには、平行リンク機構14(図3参照)が取り付けられるマウント(リンクマウント32)と、空気圧シリンダ12(図3参照)が取り付けられるマウント(シリンダマウント33)と、が備わっている。
第1回動軸32aには、第1アーム部141の第1鉛直アーム141a(図3参照)が回動可能に取り付けられる。第2回動軸32bには、第2アーム部142の第2鉛直アーム142a(図3参照)が回動可能に取り付けられる。
なお、回転機構部31には第2ベーンモータ34の回転角度を検出するエンコーダ35が備わっている。エンコーダ35は検出軸35aの回転数に応じたパルス信号を出力する。エンコーダ35の検出軸35aは、第2ベーンモータ34の回転軸34aとベルト等で接続され、回転軸34aとともに回転する。符号q3は、第2ベーンモータ34の回転軸34aの回転方向を示す。
このように、把持ユニット30は、スライドレール18a、及び回転機構部31を介して平行リンク機構14(図3参照)に取り付けられる。
マスタマニピュレータ1b(図1参照)は、把持ユニット30における1自由度の動作を、例えば、術者Op(図1参照)が右手で操作する操作子の1次元の動作(ねじり動作など)で操作可能になっている。そして、把持ユニット30は、マスタマニピュレータ1bに入力される術者Opの指示(操作)に応じて動作する。
なお、把持ユニット30には、把持ユニット30が把持しているピンセット50を磁力で保持する磁石74(保持手段)も備わっている。磁石74によって、把持ユニット30からのピンセット50の脱落が防止される。また、把持ユニット30に対するピンセット50の変位が抑制される。
なお、保持手段は磁石74に限定されない。例えば、ピンセット50や他の被把持物を真空吸着する吸盤構造の保持手段であってもよい。
図5の(a)に示すように、空気圧シリンダ71は、ロッド71aが基部60の軸線方向に変位するように配置される。ロッド71aにはベルト固定ヘッド71bが備わる。
プーリ機構72は、第1プーリ72a(駆動手段)と、第2プーリ72b(補助プーリ)と、駆動ベルト72cを有する。第1プーリ72a及び第2プーリ72bはプーリ取付部60aに取り付けられる。
また、把持ヘッド73は第1プーリ72aと同軸に回動可能に取り付けられる。そして、把持ヘッド73は把持ユニット30に対して着脱可能となっている。
なお、把持ヘッド73が取り付けられる駆動手段はプーリ(第1プーリ72a)に限定されず、回転アーム(図示せず)など、プーリ以外の回転体であってもよい。
また、把持部73bにはピンセット50(図3参照)に接触する接触面73eが形成されている。なお、ピンセット50の脱落及び位置ずれを防止する係合部73e1が接触面73eに形成されていてもよい。係合部73e1は、例えば、接触面73eに対して凸状に形成され、ピンセット50の長手方向に係合するような形状を呈する。
図5の(b)には1つの係合部73e1が図示されているが、2つの係合部73e1が対向するように形成されていてもよい。
左把持ヘッド73Lと右把持ヘッド73Rは基部60を中心とする対称な形状を呈する。そして、左把持ヘッド73Lが基部60の延伸方向を中心とする一方(例えば左側)に配置される場合、右把持ヘッド73Rは基部60の延伸方向を中心とする他方(例えば右側)に配置される。
また、基部60において、左把持ヘッド73Lの接触面73eと右把持ヘッド73Rの接触面73eが対向するように把持ヘッド73が取り付けられる。
例えば、図6に示すように、第1プーリ72aには一体に回転する回転軸75が備わる。回転軸75はプーリ取付部60aの軸受部材60bに取り付けられて先端がプーリ取付部60aの下方に突出する。
プーリ取付部60aから突出した回転軸75の先端が把持ヘッド73の取付孔73cに挿入される。固定用ねじ孔73dに固定ねじ76がねじ込まれたときに固定ねじ76の先端が回転軸75に当接し、把持ヘッド73が第1プーリ72aの回転軸75に固定される。
図6に示すように、本実施形態の把持ヘッド73はプーリ取付部60aへ着脱可能になっている。
ピンセット50(図4の(b)参照)は患者Ptに接触する部位であり滅菌消毒された清潔な状態に維持されることが要求される。つまり、ピンセット50は滅菌消毒された清潔部となることが必要になる。一方、把持ヘッド73を除くスレーブマニピュレータ1aは清潔な状態に維持される必要がない。つまり、把持ヘッド73を除くスレーブマニピュレータ1aは消毒されない不潔部であってもよい。
なお、隔離シート90において、プーリ取付部60aの軸受部材60b(図6参照)に対応する位置が開口していれば、当該開口を介して把持ヘッド73の取り付けが可能になる。また、把持ヘッド73及び固定ねじ76は加熱消毒される場合があるため、把持ヘッド73及び固定ねじ76は耐熱性のある素材(金属素材、耐熱樹脂等)で形成されることが好ましい。
図8は把持駆動部の動作を示す図であり、(a)は把持部が近接する動作を示す図、(b)は把持部が離反する動作を示す図である。
図6に示すように、把持ヘッド73は第1プーリ72aの回転軸75に固定される。したがって、把持ヘッド73は第1プーリ72aと一体に駆動(回動)する。
また、図8の(a)に示すように、空気圧シリンダ71のベルト固定ヘッド71bは基部60の幅方向両側に配置される駆動ベルト72cの間に配置されて駆動ベルト72cに固定される。
また、図8の(b)に示すように、ロッド71aが空気圧シリンダ71から突出する側に変位すると、2つの第1プーリ72aは把持ヘッド73が基部60から離反する側に、回転軸75周りq4に回転して2つの把持ヘッド73(左把持ヘッド73L,右把持ヘッド73R)の把持部73bが互いに離反する。
このように、把持駆動部70は、空気圧シリンダ71の動作(ロッド71aの変位)で2つの第1プーリ72aを回転させて、2つの把持ヘッド73の把持部73bを、互いに近接する方向、及び互いに離反する方向に移動させる。
マスタマニピュレータ1b(図1参照)は、把持駆動部70による1自由度の動作を、例えば、術者Op(図1参照)が右手で操作する操作子の1方向の動作(親指と人差し指による把持動作等)で操作可能になっている。そして、把持駆動部70は、マスタマニピュレータ1bに入力される術者Opの指示(操作)に応じて動作する。
図9に示すように、把持ユニット30は、互いに近接する方向に移動する把持部73bでピンセット50(被把持物)を把持する。また、把持ヘッド73における把持部73b間の距離の変化(実線→二点鎖線)に応じてピンセット50の開度が調節される。つまり、本実施形態のスレーブマニピュレータ1a(図1参照)は、把持ユニット30が把持する被把持物がピンセット50の場合、空気圧シリンダ71(図8参照)の動作(ロッド71aの変位)によってピンセット50の開度の調節が可能になっている。
この場合、ハンドル41の動作角度θhと第1プーリ72aの回転角度θpが等しくなる構成であってもよい。
このように、把持ユニット30は、術者Opの指示に応じて把持ヘッド73が動作してピンセット50(被把持物)を把持する。このとき、把持ユニット30は、把持部73bが互いに近接する方向に移動したときに、2つの把持部73bでピンセット50を挟んで把持する。
さらに、把持ユニット30は、術者Opの指示に応じて把持ヘッド73が動作して把持部73bが移動し、ピンセット50の開度を調節する。これによって、術者Opの指示に応じたピンセット50の操作が可能になる。
図10は、平行リンク機構の動作を説明する図である。
図10は、実線が第1状態を示し、破線が第2状態を示し、一点鎖線(太い一点鎖線)が第3状態を示している。第1状態(実線)から空気圧シリンダ12(図2参照)が伸長すると第2状態(破線)に移行する。第1状態から第2状態に移行すると、第2連結アーム142bが回動軸16b1周りに回動し、第1連結アーム141bが横方向軸18b周りに回動する。第2連結アーム142b及び第1連結アーム141bと回動可能に連結される第2鉛直アーム142aが平行移動する。第2鉛直アーム142aの移動にともなってリンクマウント32(図4の(a)参照)の第2回動軸32b及び第1回動軸32aが変位する。
また、第1鉛直アーム141aは、第1連結アーム141bと回動可能に連結され、さらに、第1回動軸32aに回動可能に連結される。このため、第1連結アーム141bが横方向軸18b周りに回動すると第1鉛直アーム141aが平行移動する。
このような第1鉛直アーム141aと第2鉛直アーム142aの平行移動にともなって、第1回動軸32aから第2回動軸32bに向かう傾斜が変化する。つまり、第1回動軸32aと第2回動軸32bを結ぶ仮想線L32の傾斜が変化する。
つまり、平行リンク機構14は、動作中心RCMを通る傾動基準軸Lsを中心に仮想線L32が回動するジンバル機構を構成する。
また、動作中心RCMは、回動軸16b1(の中心)と横方向軸18b(の中心)を結び縦方向軸16b(主回転軸)の中心線となる鉛直基準線Lv上に設定される。つまり、傾動基準軸Lsと鉛直基準線Lvは直交し、動作中心RCMは傾動基準軸Lsと鉛直基準線Lvの交点になる。
また、先端が動作中心RCMの位置になるように、ピンセット50(図3参照)が把持ユニット30(図3参照)に把持される。つまり、先端が動作中心RCMの位置になるようにピンセット50を把持可能な把持ユニット30となっている。
なお、被把持物はピンセット50などの長尺物に限定されない。また、ピンセット50の先端が動作中心RCMから離れた位置にあることが好ましい状況にも対応可能であることが好適である。
したがって、把持ユニット30は、被把持物(ピンセット50)が動作中心RCMを通るように、当該被把持物(ピンセット50)を把持可能に構成されていればよい。例えば、把持ユニット30は、先端が動作中心RCMを通るようにピンセット50を把持可能に構成されていればよい。
このような構成であれば、術者Op(図1参照)等が、把持ユニット30をスライドレール18aに沿ってスライド移動させて、患者Pt(図1参照)に対するピンセット50の位置を微調整できる。さらに、微調整によって、ピンセット50の先端を動作中心RCMの位置に合わせることができる。
したがって、ピンセット50の先端が動作中心RCMにある場合、平行リンク機構14が縦方向軸16b周りに回動し、かつ、平行リンク機構14の動作によって仮想線L32の傾斜が変化してもピンセット50の先端は移動しない。つまり、ピンセット50の先端は不動点になる。
ピンセット50の先端が動作中心RCMにあると不動点になり、平行リンク機構14(図3参照)の動作で先端が移動しない。したがって、ピンセット50の先端が顕微鏡視野に入った状態を維持したままでのマイクロサージェリーが可能になる。
また、本実施形態のロボットマニピュレータ1(図1参照)は、把持ユニット30(図3参照)に備わる把持ヘッド73の把持部73b(図3参照)がピンセット50(図3参照)を把持するときの把持力を検出可能に構成されている。
本実施形態では、把持ヘッド73(図9参照)に把持されたピンセット50から把持部73bに入力される圧力(外圧Px)を把持力として検出可能に構成されている(感圧機能を有する)。
図8の(a),(b)に示すように、把持ヘッド73(把持部73b)は空気圧シリンダ71のロッド71aの変位によって動作(移動)する。したがって、ロッド71aの変位量(ベルト固定ヘッド71bの移動量)は把持部73bの移動量に対応する。
図11の(a)はモデル化した把持駆動部を示す図、(b)は空気圧シリンダの概略構成図である。
第1プーリ72aの半径(プーリ半径Rp)と、把持ヘッド73の動作半径Rhと、ベルト固定ヘッド71bの移動量と、把持ヘッド73(把持部73b)の移動量(ヘッド移動量Dh)と、の関係が次式(1)で示される。
なお、ベルト固定ヘッド71bの移動量はロッド71a(図8の(a)参照)の変位量に相当する量であり、式(1)ではロッド変位量Drで示している。
Dh=Dr×Rh/Rp ・・・(1)
空気圧シリンダ71は、ロッド71aを駆動するピストンを基本的な構造としている。空気圧シリンダ71の筺体710の内部は、ロッド71aに接続されるピストンヘッド711によって前室712aと後室712bに区画されている。前室712aがロッド71a側に形成されている。
空気圧シリンダ71(前室712a,後室712b)には圧縮された空気の空気圧Paが供給される。サーボバルブ81は、伸長状態と、中立状態と、収縮状態と、が切り替わる。伸長状態では、空気圧供給装置80が後室712bに接続される。収縮状態では、空気圧供給装置80が前室712aに接続される。また、中立状態では、空気圧供給装置80が前室712aと後室712bのいずれにも接続されない。
サーボバルブ81が収縮状態に切り替わると、空気圧供給装置80から前室712aに空気圧Paが供給される。また、後室712bが大気に開放される。前室712aの圧力が後室712bの圧力より高くなってピストンヘッド711が後室712bの側に押圧される。これによって、ロッド71aが後室712bの側(空気圧シリンダ71に収納される側)に変位し、空気圧シリンダ71が収縮する。
図12の(a)は後室に供給される空気圧とロッド変位量の特性の一例を示す図、(b)は把持部に圧力が印加された状態を示す図である。図12の(a)に示すマップは縦軸がロッド変位量Drを示し横軸が空気圧Paを示す。
図12の(a)に示すように、後室712bに供給される空気圧Paが高いほどロッド変位量Drが大きくなる。そして、式(1)に示すように、ロッド変位量Drに応じたヘッド移動量Dhが生じる。つまり、後室712bに供給される空気圧Paが高いほど大きなヘッド移動量Dhが生じる。
図12の(b)に示すように、後室712bに供給される空気圧Paが「pa1」のときに、「px1」の大きさの外圧Pxが把持部73bに入力されてロッド変位量Drが「dr2」になった場合、外圧Pxが入力されない状態でのロッド変位量Dr「dr1」と偏差「ΔDr」が発生する。
制御装置2は、所定のインターバルで図13に示す手順で外圧Px(把持力)を算出する。図13を参照して、制御装置2が外圧Pxを算出する手順を説明する(適宜図1〜図12参照)。
制御装置2は、第2空気圧センサ82bが出力する計測信号にもとづいて後室712bに供給されている空気圧Paを算出し(ステップS2)、手順をステップS3に進める。
制御装置2は、ストロークセンサ71Sが出力する信号にもとづいて算出したロッド変位量Drに対応する空気圧Paを算出し(ステップS3)、手順をステップS4に進める。このとき、制御装置2は、図12の(a)に示すマップに基づいて、ロッド変位量Drに対応する空気圧Paを算出する。
制御装置2は、第2空気圧センサ82bが出力する計測信号にもとづいて算出した空気圧Paと、ロッド変位量Drに対応する空気圧Paと、の圧力差(ΔPa)を算出し(ステップS4)、手順をステップS5に進める。
制御装置2は、算出した圧力差(ΔPa)を外圧Pxに設定する。そして、制御装置2は設定した外圧Pxを、把持ヘッド73がピンセット50を把持する把持力とする。つまり、制御装置2は、算出した圧力差(ΔPa)を把持力に設定する。
図2に示す並進ユニット10は、モータ112が3本のリンク113を駆動する。この構成に限定されず、例えば、モータ112に替えて、空気圧シリンダ等で3本のリンク113を駆動する構成であってもよい。
また、3本のリンク113と3組の平行リンク114からなるデルタ機構を有する並進ユニット10に限定されない。例えば、互いに直交する3軸(X軸,Y軸,Z軸)方向に延設される3本のガイドレール(図示せず)と、各ガイドレールに案内されて走行する3つの走行ヘッド(図示せず)からなる並進ユニット(図示せず)であってもよい。
把持駆動部70の第1プーリ72aを回転させるアクチュエータが電動アクチュエータである場合、制御装置2(図1参照)は、図13に示すフローチャートにおいて、空気圧シリンダ71の後室712b(図11の(b)参照)に供給される空気圧Paを、電動アクチュエータに供給される電力の電圧に置き換えることによって外圧Px(把持力)を検出可能である。この場合、図12の(a)に示すマップに替わって、電動アクチュエータに供給される電圧とロッド変位量Drの特性を示すマップが設定されていることが好ましい。
また、空気圧シリンダ71や電動アクチュエータが把持ヘッド73を直接動作する構成であってもよい。
1a スレーブマニピュレータ
1b マスタマニピュレータ
2 制御装置(把持力検出手段)
10 並進ユニット
14 平行リンク機構
16b 縦方向軸(主回転軸)
20 回転ユニット
30 把持ユニット
50 ピンセット(被把持物)
71 空気圧シリンダ(アクチュエータ)
72 プーリ機構
72a 第1プーリ(駆動手段)
73 把持ヘッド
73b 把持部
90 隔離シート
Ls 傾動基準軸(基準軸)
Lv 鉛直基準線(主回転軸の中心線)
Op 術者
RCM 動作中心(主回転軸の中心線と基準軸の交点)
Claims (10)
- 術者の指示が入力されるマスタマニピュレータと、
並進ユニット、回転ユニット、及び把持ユニットを備えるスレーブマニピュレータと、を有し、
前記並進ユニットは、前記マスタマニピュレータに入力される指示に応じて前記回転ユニットを互いに直交する3軸方向に姿勢を変化させることなく変位させ、
前記把持ユニットは前記回転ユニットに備わる平行リンク機構に取り付けられて、前記マスタマニピュレータに入力される指示に応じて被把持物を把持し、
前記回転ユニットは、前記マスタマニピュレータに入力される指示に応じて、所定の主回転軸周りに前記並進ユニットに対して回転可能であり、
前記平行リンク機構はジンバル機構を構成し、前記マスタマニピュレータに入力される指示に応じて、前記主回転軸の中心線と直交する基準軸周りに前記把持ユニットを傾動可能であり、
前記把持ユニットは、
前記マスタマニピュレータに入力される指示に応じて、前記主回転軸に直交する副回転軸周りに回転するとともに、自転可能であり、かつ、
前記中心線と前記基準軸の交点を通るように前記被把持物を把持可能に構成されている
ことを特徴とするロボットマニピュレータ。 - 前記把持ユニットは、
把持部を備える2つの把持ヘッドと、
2つの前記把持ヘッドに備わる前記把持部を、互いに近接する方向、及び互いに離反する方向に移動させる駆動手段と、
前記駆動手段を駆動するアクチュエータと、を有し、
前記把持部は、互いに近接する方向に移動したときに前記被把持物を挟んで把持し、
前記把持ヘッドは、前記駆動手段と一体に駆動して前記把持部を移動させることを特徴とする請求項1に記載のロボットマニピュレータ。 - 前記把持ヘッドが着脱自在に前記把持ユニットに備わり、
前記把持ヘッドを除く前記スレーブマニピュレータが消毒されない不潔部となり、前記被把持物及び前記把持ヘッドが消毒された清潔部となって前記不潔部と前記清潔部が隔離シートで隔離されたときに、
前記清潔部の側から前記把持ヘッドを前記把持ユニットに取り付け可能であることを特徴とする請求項2に記載のロボットマニピュレータ。 - 前記把持部が前記被把持物を把持する把持力を検出する把持力検出手段を備えることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のロボットマニピュレータ。
- 前記アクチュエータが空気圧で駆動する空気圧シリンダであって、
前記把持力検出手段は、前記空気圧シリンダに供給される空気圧にもとづいて前記把持力を検出することを特徴とする請求項4に記載のロボットマニピュレータ。 - 前記アクチュエータが電動アクチュエータであって、
前記把持力検出手段は、前記電動アクチュエータに供給される電力の電圧にもとづいて前記把持力を検出することを特徴とする請求項4に記載のロボットマニピュレータ。 - 前記被把持物がピンセットであって、
前記アクチュエータは、前記マスタマニピュレータに入力される指示に応じて前記駆動手段を駆動して前記ピンセットを操作することを特徴とする請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載のロボットマニピュレータ。 - 前記把持ユニットは、
前記ピンセットの先端が前記中心線と前記基準軸の交点を通るように当該ピンセットを把持可能に構成されていることを特徴とする請求項7に記載のロボットマニピュレータ。 - 前記把持ユニットに把持された前記被把持物が、前記中心線と前記基準軸の交点に向かう方向へ移動可能なように、当該把持ユニットをスライド移動可能に支持するスライドレールを有することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のロボットマニピュレータ。
- 前記把持ユニットに把持された前記被把持物を保持可能な保持手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のロボットマニピュレータ。
Priority Applications (1)
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