JP6471081B2 - めっき付着量制御装置及びめっき付着量制御方法 - Google Patents

めっき付着量制御装置及びめっき付着量制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、めっきプラントにおけるノズルの制御を行うめっき付着量制御装置及びめっき付着量制御方法の技術に関する。
鉄鋼にめっきを施す連続めっきラインにおいて、鋼板に付着するめっきの量は、ライン速度と呼ばれる鋼板の速度である板速(鋼板速度)、ノズルと鋼板との距離であるノズルギャップ(ノズル鋼板距離)、ノズルから噴き出すガスの圧力であるノズル圧力(ガス圧)等で決定される。めっき付着量を自動制御する多くのプラントは、オペレータの手動操作で決まる板速とノズルギャップとに対して、上位計算機から送られてくる目標めっき付着量を実現するノズル圧力を、めっき付着量予測モデルで算出することにより制御している。このようなめっき付着量の制御を高精度化する従来手法として、例えば、特許文献1に記載の技術が開示されている。
特許文献1には、「制御量目標値に対応した操作量指令値を制御モデルを用いて算出しプリセット値とする第1のプリセット部と、制御仕様の変化量に対して変更すべき操作量の値を算出し、現在の操作量指令値に対して加減算することでプリセット値を求める第2のプリセット部を設け、制御誤差とモデル誤差に着目して、製造情報やプラントから得た制御情報から良好な制御が行えるプリセット部を選択し、操作値の指令値を変更する」制御モデルを用いた制御系のプリセット制御方法及び制御装置が開示されている(要約参照)。
特開2004−013393号公報
グレードの低い鋼板では、溶接点周り(鋼板の先後端)の板形状が良好でない場合が多い。これにより、溶接点周りではノズルが鋼板に接触すること恐れがある。このような事態を避けるため、溶接点がノズル位置を通過するのに先立って、ノズルを開放し(ノズルギャップを大きくし)、溶接点通過後に、ノズルを再び適切な位置まで閉じる、いわゆるノズルオープンクローズ制御が行われる。このため、特許文献1におけるプリセット算出が行われる溶接点近傍で、ノズルは通常の操業位置ではない、鋼板から大きく離れたところに位置している。
プリセット算出にはめっき付着量予測モデルが用いられることが多い。このめっき付着量予測モデルは安定状態時のデータを用いて構築される。ここで、安定状態時とは、ノズルギャップやノズル圧力を変化させない状態でめっき付けを行っている時のことである。言い換えれば、安定状態とは、めっきプラントから取得しためっき付着量が、めっきプラントから取り込んだ、現在の板速と、現在のノズル圧力と、現在のノズルギャップと、のそれぞれに基づいた(それぞれによって定められる)めっき付着量となっている状態である。しかしながら、ノズルオープンクローズ制御時には、非定常に大きな値となるノズルギャップを入力としてめっき付着量が予測されることになる。特許文献1に記載の技術では、この点に対する配慮がなされていないため、ノズルオープンクローズ制御時のプリセット算出におけるめっき付着量の予測精度が低下する。この結果、特許文献1に記載の技術には、ノズル圧力の算出精度が低下する問題がある。
また、ノズルオープン時、一般的に、めっき付着量を維持するためノズル圧力が高圧になり、飽和圧力となる。特許文献1に記載の技術では、相対値算出を行う第2のプリセット制御が行われる時、第2のプリセット制御を行う第2のプリセット部は、現在の操作量指令値(ノズル圧力指令値)に対して制御仕様(めっき付着量の目標値)の変化量に対応した操作量(ノズル圧力)を加減算する。すなわち、現在の操作量指令値(ノズル圧力指令値)を基に、次の時刻における操作量(ノズル圧力)が算出される。ノズル圧力が飽和状態に達している場合、この飽和圧力を基点に、次の時刻におけるノズル圧力が算出されることになる。この結果、次の時刻において、大きく低下したノズル圧力が算出される問題がある。つまり、飽和圧力でリミットされることで、本来のノズル圧力より大きく低下している現在のノズル圧力を基に、次の時刻のノズル圧力が算出されるため、次の時刻のノズル圧力が本来算出されるべきノズル圧力より大きく低下してしまうという問題がある。
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、精度の高いノズル制御を行うことを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明は、連続的に送られてくる鋼板を溶融めっきの浴槽に浸し、引き上げざまにノズルから高圧のガスを吹き付け、不要なめっきを落とすことで前記鋼板に所望の厚みの前記めっきを付着させるめっきプラントから実績情報を受信し、受信した前記実績情報を基に前記めっきの付着量であるめっき付着量を制御するための制御情報を生成して、前記めっきプラントへ送信するめっき付着量制御装置において、少なくとも前記鋼板の移動速度である鋼板速度と、前記ノズルから吹付けられる前記ガスの圧力であるガス圧と、前記ノズル及び前記鋼板の距離であるノズル鋼板距離と、前記鋼板に付着するめっき付着量と、の関係を示すめっき付着量予測モデルに基づいた演算で、前記所望の厚みのめっきを付着させるための前記ノズルの操作量の指令値として、少なくともガス圧を算出するプリセット制御部と、前記めっきプラントから前記鋼板速度を取り込み、取り込んだ当該鋼板速度を積算した前記鋼板の移動距離に基づいて、前記鋼板における位置情報を特定するトラッキング部と、前記トラッキング部が特定した前記鋼板の位置情報を基に、前記めっきプラントから取り込んだ、現在のめっき付着量が、前記めっきプラントから取り込んだ、現在の鋼板速度と、現在のガス圧と、現在のノズル鋼板距離と、のそれぞれに基づいためっき付着量であるか否かを判定することによって、前記めっきプラントから取り込まれためっき付着量が、安定に検出されためっき付着量であるか否かを判定する安定状態判定部と、前記安定状態判定部によって、前記めっきプラントから取り込まれためっき付着量が、安定に検出されためっき付着量と判定された際に取り込まれた、第2のめっき付着量と、第2の鋼板速度と、第2のガス圧と、第2のノズル鋼板距離と、の組み合わせを安定値記憶部に記憶する安定値記憶処理部と、を備え、前記プリセット制御部は、前記めっきプラントから現在の鋼板速度である第1の鋼板速度と、現在のノズル鋼板距離である第1のノズル鋼板距離と、を取り込み、めっき付着量制御装置に情報を入力する上位計算機から現在のめっき付着量の目標値である第1の目標めっき付着量取り込み、前記めっき付着量予測モデルに基づいて、前記第1の目標めっき付着量を実現するためのガス圧である指令値の第1のガス圧を算出し、前記安定値記憶部から前記第2の鋼板速度と、前記第2のノズル鋼板距離と、前記第2のめっき付着量を取り込み、前記めっき付着量予測モデルを用いて、前記第2の鋼板速度と、前記第2のノズル鋼板距離と、に対応して該第2のめっき付着量を実現するためのガス圧である指令値の第3のガス圧を算出し、前記安定値記憶部から取り込んだ前記第2のガス圧に、前記第1のガス圧を加算し、さらに、前記第3のガス圧を減算することで前記ノズルの操作量の指令値である第4のガス圧を算出することを特徴とする。
その他の解決手段については実施形態中で説明する。
本発明によれば、精度の高いノズル制御を行うことができる。
第1実施形態に係るめっき付着システムの構成例を示す図である。 第1実施形態に係る制御装置のハードウェア構成を示す図である。 第1実施形態に係るプリセット制御部における処理の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態に係るトラッキング部における処理の手順を示すフローチャートである。 ひとつの鋼板内における安定状態成立タイミングを模式的に示す図である。 第1実施形態に係る安定付着量判定部における処理手順を示すフローチャートである。 第1実施形態に係るノズル制御の例を示す図である。 第2実施形態に係るめっき付着システムの構成例を示す図である。 第2実施形態に係る制御装置のハードウェア構成を示す図である。 第2実施形態に係る絶対値算出部における処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る溶接点近傍判定部における処理手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る制御方式選択部における処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るノズル制御の例を示す図である。
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るめっき付着システムの構成例を示す図である。
めっき付着システムは、制御装置(めっき付着量制御装置)1と、めっきプラント2と、上位計算機(外部装置)3とを有している。
制御装置1は、制御対象であるめっきプラント2を制御し、鋼板401に所望の厚みのめっきを付着させる。
めっきプラント2は、前記したように制御装置1の制御対象であり、制御装置1の指令に基づいて、鋼板401にめっきを付着させる。
上位計算機3は、制御装置1に目標めっき付着量等の情報を入力する。
まず、めっきプラント2の構成を説明する。めっきプラント2は、連続的に送られてくる鋼板401をポット201に溜められている溶融めっき202に浸す。これにより、鋼板401がめっきされる。そして、めっきプラント2は、融解めっき202から鋼板401を引上げざまにノズル211で高圧ガスを噴き付け不要なめっきをそぎ落とす。これにより、めっきプラント2は、鋼板401に付着するめっきの厚みを所望の値に制御する。鋼板401(コイル)同士は溶接で接続されており、連続的にめっき処理を施せる構成となっている。
溶接点411は、通常、目標めっき付着量の変化点と一致する。しかし、ひとつの鋼板401から複数のコイルを生産する場合がある。つまり、ひとつの鋼板401に異なるめっきを施す場合がある。この場合、溶接点411以外にもめっき付着量の目標値変化点が存在することになり、ひとつの鋼板401が異なった目標めっき付着量で制御される。鋼板401に付着しているめっき付着量Wは付着量検出器212により検出される。付着量検出器212はノズル211から隔たった位置に取り付けられている。また、検出の方法として、付着量検出器212が鋼板401の幅方向にトラバースすることで、幅方向に対するめっき付着量の平均値を出力するのが一般的である。このため、ノズルから噴き出すガスの圧力であるノズル圧力(ガス圧)や、ノズル211と鋼板401との距離であるノズルギャップ(ノズル鋼板距離)を操作しても、その結果としてのめっき付着量を検出できるのは1〜2分程度後である。従って、めっき付着量を予測してノズル圧力を決定するプリセット制御は、重要性が高い制御対象である。
ロール203やトップロール204は鋼板401を支持している。めっき付着量Wは種々の要因の影響を受けて変化するが、主として鋼板401の移動速度である鋼板401の板速(鋼板速度)V、ノズル圧力P、ノズルギャップDにより決定される。なお、鋼板401の板速Vはロール203や、トップロール204の回転速度等を基に算出される。
これらの関係は、例えば、以下の式(1)で表される。
ln(W)=a0+a1・ln(P)+a2・ln(V)+a3・ln(D)
・・・(1)
ここで、a0〜a3は定数である。
図1に示すように、一般的に、ノズル211は鋼板401の表側及び裏側にそれぞれ備えられていることが多い。ノズル圧力Pが鋼板401の表側と裏側で異なるときは、両方を平均した値をノズル圧力Pとすればよい。同様に、ノズルギャップDが鋼板401の表側と裏側、あるいは右サイドと左サイドとで異なるときは、これらを平均した値をノズルギャップDとすればよい。また、現実にはめっき付着量Wは、溶融めっきや鋼板401の温度、ノズル211の高さ、ノズル211の鋼板401に対する角度等によっても変化すると考えられる。しかし、式(1)のような回帰モデルでは、溶融めっきや鋼板401の温度、ノズル211の高さ、ノズル211の鋼板401に対する角度等に変数としての有意性が見出せず、省略されることが多い。本実施形態では、以下、めっき付着量予測モデルを式(1)として説明する。
なお、付着量検出器212でめっき付着量を検出された鋼板401は、最終的に図示しない切断機で切断され、コイルとして巻取られる。
次に、制御装置1の構成を説明する。
制御装置1は、次に処理される鋼板401に対応した目標めっき付着量Wに加えて、その鋼板401の鋼種、板厚、板幅等の製造情報を上位計算機3から受信する。製造情報には、めっき付着量Wの上下限値や鋼板401の規格情報等が含まれる場合もある。
制御装置1は、プリセット制御部101、トラッキング部(安定状態判定部)102、安定付着量判定部(安定値記憶処理部)103、安定値記憶部(記憶部)104、FB(Feedback:フィードバック)制御部105及び加算出力部106を有する。
プリセット制御部101は、上位計算機3から取得した現在の目標めっき付着量Wcと、めっきプラント2から取得した現在のノズル圧力Pc、現在の板速Vc、現在のノズルギャップDc、及び安定値記憶部104の安定データ等を用いて、ノズル圧力Pの指令値(プリセット値Pref)を算出する。安定データについては後記する。また、プリセット制御部101は、上位計算機3から目標めっき付着量Wの変化、めっきプラント2からノズルギャップD、板速Vのいずれかの変化を受信したタイミングで処理を開始し、安定付着量判定部103から安定状態トリガを受けると処理を終了する。
トラッキング部102は、めっきプラント2から取得した板速Vを積算することで、鋼板401の移動距離を追尾する。また、トラッキング部102は、安定状態である場合、安定状態トリガを発行する。
ここで安定状態とは、ノズル圧力P、ノズルギャップD、板速Vに対応して付着されためっきが、その後、ノズル圧力P、ノズルギャップD、板速Vが変化しないまま付着量検出器212でめっき付着量Wとして検出される状態を示している。逆に、該当部位のめっき付着量が付着量検出器212で検出される前にノズル圧力P、ノズルギャップD、板速Vのいずれかが変化したときは、安定状態とは認識されない。言い換えれば、安定状態とは、めっきプラント2から取得された、現在のめっき付着量Wの実績値が、めっきプラント1から取り込んだ、現在の板速Vと、現在のノズル圧力Pと、現在のノズルギャップDと、のそれぞれに基づいた(それぞれによって定められた)めっき付着量Wとなっている状態である。
安定付着量判定部103は、めっきプラント2から現在のめっき付着量Wc、ノズル圧力Pc、ノズルギャップDc、板速Vcを取得する。また、安定付着量判定部103は、トラッキング部102から安定状態トリガを受けると、取得した現在のめっき付着量Wc、ノズル圧力Pc、ノズルギャップDc、板速Vcを、安定状態におけるめっき付着量Ws、ノズル圧力Ps、ノズルギャップDs、板速Vsとして安定値記憶部104に格納する。以下、安定状態におけるめっき付着量Ws、ノズル圧力Ps、ノズルギャップDs及び板速Vsをそれぞれ安定めっき付着量Ws、安定ノズル圧力Ps、安定ノズルギャップDs及び安定板速Vsと称する。安定めっき付着量Ws、安定ノズル圧力Ps、安定ノズルギャップDs及び安定板速Vsは、いずれも実績値である。
安定値記憶部104には、安定付着量判定部103によって格納された安定めっき付着量Ws、安定ノズル圧力Ps、安定ノズルギャップDs、安定板速Vs等が保持される
FB制御部105は、安定状態付着量判定部103から安定状態トリガをうけると、めっきプラント2から取得された安定めっき付着量Wsと、上位計算装置3から取得した現在の目標めっき付着量Wcとの偏差を基に、この偏差が小さくなる方向にノズル圧力Pを変化させる。
加算出力部106は、プリセット制御部101の出力と、FB制御部105の出力とを加算し出力する。
以下、本実施形態では簡単のため、めっきプラント2の制御対象がノズル圧力Pである場合を例に説明する。制御装置1は、目標めっき付着量Wやめっきプラント2から取得した板速V、ノズルギャップDが変化したタイミングでプリセット制御部101がプリセット制御を行い、現在のノズル圧力Pcを所望のめっき付着量を実現するガス圧力Pに切り替える。
なお、本実施形態では、制御対象がノズル圧力Pである場合について説明しているが、制御対象はノズル圧力Pに限らず、ノズルギャップD等が制御対象でもよい。
(ハードウェア構成)
図2は、第1実施形態に係る制御装置のハードウェア構成を示す図である。
制御装置1は、PC(Personal Computer)でもよいし、PLC(Programmable Logic Controller)でもよい。
制御装置1は、RAM(Random Access Memory)等のメモリ501、CPU(Central Processing Unit)502、HD(Hard Disc)等の記憶装置503を有している。ここで、記憶装置503は、図1の安定値記憶部104に相当するものである。
メモリ501には、記憶装置503に格納されているプログラムがロードされ、CPU502によって、ロードされたプログラムが実行されることで、プリセット制御部101、トラッキング部102、安定付着量判定部103、FB制御部105、加算出力部106が具現化されている。
(プリセット制御処理)
図3は、第1実施形態に係るプリセット制御部における処理の手順を示すフローチャートである。適宜図1を参照する。
なお、この処理は、ノズルオープンクローズ処理が行われることにともなって行われる処理である。具体的には、溶接点411がノズル211を通過する前後で、制御装置1がノズルギャップDの変化を受信したタイミングで開始される処理である。
また、図3に示す処理は、ノズルギャップDの変化が終了すると終了する。なお、プリセット制御部101による処理が行われている間、FB制御部104による処理は停止している。
まず、プリセット制御部101は、めっきプラント2から現在の板速(第1の鋼板速度)Vc、現在のノズルギャップ(第1のノズル鋼板距離)Dc、及び現在のノズル圧力Pcを取得する(S101)。ちなみに、現在のノズル圧力Pcとは、現在におけるノズル圧力Pの設定値である。なお、ステップS101では、プリセット制御部101は、現在のノズル圧力Pcを取得しなくてもよい。
次に、プリセット制御部101は、上位計算機3から現在の目標めっき付着量Wcを取得する(S102)。
次に、プリセット制御部101は、安定値記憶部104から、安定データを取得する(S103)。安定データとは、安定板速(第2の鋼板速度)Vs、安定ノズルギャップ(第2のノズル鋼板距離)Ds、安定めっき付着量(めっき付着量の情報)Wsの組み合わせである。
安定状態の判定方法や、安定値記憶部104への安定データの格納については後記する。
そして、プリセット制御部101は、取得した安定データを基に、ノズル圧力の指令値であるプリセット値Prefを算出する(S104)。
ここで、ステップS104におけるプリセット値Prefの算出方法について、詳細に説明する。
めっき付着量予測モデルとして、式(1)を仮定した場合、式(1)は以下の式(2)に書き換えることができる。
W=f(P、V、D)
=exp(a0+a1・ln(P)+a2・ln(V)+a3・ln(D))
・・・(2)
式(2)より、板速がV、ノズルギャップがDのとき、付着量Wを実現するノズル圧力Pは、以下の式(3)で表すことができる。
P=exp{(ln(W)−a0−a2・ln(V)−a3・ln(D))/a1}
・・・(3)
従って、プリセット制御部101が算出するプリセット値Prefは、安定値記憶部104に記憶されている安定ノズル圧力(第2のガス圧)Psに、現在の目標めっき付着量Wc、現在の板速Vc、現在のノズルギャップDc、安定値記憶部104に記憶されている安定めっき付着量Ws、安定板速Vs、安定ノズルギャップDsの偏差を加減算する以下の式(4)により算出される。
Pref=Ps+f−1(Wc、Vc、Dc)−f−1(Ws、Vs、Ds)
・・・(4)
式(4)の右辺における第2項(f−1(Wc、Vc、Dc))は、現在の目標めっき付着量(第1の目標めっき付着量)Wc、現在の板速Vc、現在のノズルギャップDcに対応するノズル圧力(第1のガス圧)を示している。また、式(4)の右辺における第3項(f−1(Ws、Vs、Ds))は、安定値記憶部104に記憶されている安定めっき付着量(めっき付着量の実績値)Ws、安定板速Vs、安定ノズルギャップDsに対応するノズル圧力(第3のガス圧)を示している。式(4)の第2項と第3項を展開することにより、プリセット値Pref(第4のガス圧)は、以下の式(5)により決定される。
Pref=Ps+exp{(ln(Wc)−a0−a2・ln(Vc)−a3・ln(Dc))/a1}
−exp{(ln(Ws)−a0−a2・ln(Vs)−a3・ln(Ds))/a1}
・・・(5)
プリセット制御部101における制御のイメージは後記して説明する。なお、式(5)等のめっき付着量予測モデルに関する情報は、安定値記憶部104等に格納されている。
(トラッキング処理)
図4は、第1実施形態に係るトラッキング部における処理の手順を示すフローチャートである。適宜、図1を参照する。
トラッキング部102は、付着量検出器212で検出した鋼板401のめっき付着量が安定付着量か否かを判定する。安定付着量を判定するために、トラッキング部102は鋼板401の移動距離であるトラッキング距離Lを定義する。トラッキング距離Lは鋼板401の移動に伴って加算され、溶接点411がノズル211を通過したタイミング及びノズル圧力P、ノズルギャップD、板速Vのいずれかが変化したタイミングでリセットされる。
なお、図4の処理はめっきプラント2が稼働している間、実行され続ける
まず、トラッキング部102は、初期化処理としてトラッキング距離Lをリセットする(S201)。
次に、トラッキング部102は、トラッキング距離Lを基に、溶接点411がノズル211の位置(ノズル位置)を通過したか否かを判定する(S211)。めっきプラント2では、図1で図示していない箇所を含めて、最初から最後まで一貫して鋼板401の移動が管理されている。従って、ステップS211において、トラッキング部102は、溶接点411がノズル211の位置(ノズル位置)を通過したか否かを容易に判定することができる。
ステップS211において、溶接点411がノズル位置を通過していないと判定した場合(S211→N)、トラッキング部102はステップS213へ処理を進める。
ステップS211において、溶接点411がノズル位置を通過したと判定した場合(S211→Y)、トラッキング部102は、新しい鋼板401の処理が始まったと判定し、トラッキング距離Lをリセットし(S212)、ステップS213へ処理を進める。
ステップS213において、トラッキング部102は、めっきプラント2から現在の板速Vcを取得する。
そして、トラッキング部102は、取得した板速Vcを積算することで、鋼板401のトラッキング距離Lを算出する(S214)。すなわち、トラッキング部102は、以下の式(6)により、トラッキング距離Lを算出する。
L=ΣVc・Δt・・・(6)
なお、式(6)においてΔtは、板速Vcの取得周期である。
次に、トラッキング部102は、現在の板速Vcと基準速度Voとを比較し、板速Vcが基準速度Vo未満であるか否かを判定する(S221)。基準速度Voとは、めっきプラント2が稼働中か否かの判定指標である。すなわち板速Vcが基準速度Voより小さいとき、トラッキング部102は、ラインが停止していると判定する。
ステップS221の結果、板速Vcが基準速度Vo未満である場合(S221→Y)、トラッキング部102はめっきプラント2の稼動が終了したと判定し、処理を終了する。
ステップS221の結果、板速Vcが基準速度Vo以上である場合(S221→N)、トラッキング部102は、トラッキング距離Lが基準距離Lsより大きいか否かを判定する(S222)。基準距離Lsは、安定状態が成立する距離と対応する距離であり、ノズル211と付着量検出器212との距離に付着量検出器212の検出遅れに相当する距離を加算した値で定義される。つまり、基準距離Lsは、溶接点411が付着量検出器212に到達している否かを判定するための距離である。
ステップS222の結果、トラッキング距離Lが基準距離Ls以下である場合(S222→N)、トラッキング部102は、ステップS224へ処理を進める。
ステップS222の結果、トラッキング距離Lが基準距離Lsより大きい場合(S222→Y)、トラッキング部102は、安定状態が成立していると判定し、安定状態トリガを安定付着量判定部103に発行する(S223)。安定状態の成立条件は前記した通りである。トラッキング距離Lが基準距離Lsより大きいことは、ノズル211の直下にあった鋼板401の部位が付着量検出器212でめっき付着量を検出されるまで、ノズル圧力、ノズルギャップ、板速のいずれも変化していないことを示しているためである。すなわち、トラッキング距離Lが基準距離Lsより大きいということは、溶接点411が付着量検出器212を通過していることを意味している。そして、この間、ノズル211の直下にあった鋼板401の部位が付着量検出器212でめっき付着量を検出されるまで、ノズル圧力、ノズルギャップ、板速のいずれも変化していないことから、トラッキング部102は、前記めっきプラントから取り込んだ、現在の鋼板速度と、現在のガス圧と、現在のノズル鋼板距離と、のそれぞれに基づいためっき付着量であると判定する。
このように、トラッキング部102は、鋼板401のトラッキング距離に基づく、鋼板401の位置情報を用いて、めっきプラント2から取得されたためっき付着量が、安定に検出されためっき付着量であるか否か(安定状態であるか否か)を判定する。
そして、ステップS224において、トラッキング部102は、ノズル圧力P、ノズルギャップD、板速Vの少なくともひとつが変化したか否かを判定する。
ステップS224の結果、ノズル圧力P、ノズルギャップD、板速Vの少なくともひとつが変化した場合(S224→Y)、トラッキング部102は、所定時間(Δt)待機した後、ステップS212へ処理を戻し、トラッキング距離Lをリセットする。このとき、トラッキング部102は、プリセット制御部101へ安定状態ではなくなった旨の通知を行い、この通知を受信したプリセット制御部101が図3に示す処理を開始してもよい。
ノズル圧力P、ノズルギャップD、板速Vのいずれも変化していない場合(S224→N)、トラッキング部102は、所定時間(Δt)待機した後、ステップS211へ処理を戻し、ステップS211以降の処理を繰り返す。
このように、安定状態であるか否かの判定は、所定時間(Δt)の周期で行われる。
図5は、ひとつの鋼板内における安定状態成立タイミングを模式的に示す図である。
ここでは、前鋼板401aと次鋼板401bが溶接点411における溶接により接続されている。図5の例では、前鋼板401aにおいて、溶接点411がノズル211の位置を通過した後、符号602a〜602dで示す4回の安定状態が成立した例を示している。ここで、溶接点411と符号602aとの間の距離が大きいのは、その間に例えばノズルギャップが変化してトラッキング距離Lがリセットされているためである。同様に、符号602bと符号602cとの間の距離が大きいのは、その間に、例えば符号601の時点で板速が変化してトラッキング距離Lがリセットされているためである。
(安定付着量判定処理)
図6は、第1実施形態に係る安定付着量判定部における処理手順を示すフローチャートである。適宜図1を参照する。
安定付着量判定部103はめっきプラント2の付着量検出器212からめっき付着量の検出値が得られたタイミングで、得られためっき付着量が安定状態の値か否かをトラッキング部102の出力にしたがって判定する。そして、安定付着量判定部103は、安定状態の値のとき、安定値記憶部104に記憶している安定データをこれらの値で更新する。ここで安定めっき付着量Wsとは、めっき付着量の検出部位がノズル211から付着量検出器212に移動する間、ノズル圧力P、ノズルギャップD、板速Vが変化しなかったときのめっき付着量Wのことである。言い換えれば、安定めっき付着量Wsとは、めっきプラント2から取得された、現在のめっき付着量の実績値Wが、めっきプラント2から取得された、現在の板速Vと、現在のノズル圧力Pと、現在のノズルギャップDと、のそれぞれに基づいためっき付着量Wとなっている状態のときのめっき付着量Wである。このときのめっき付着量(安定めっき付着量Ws)、ノズル圧力(安定ノズル圧力Ps)、板速(安定板速Vs)、ノズルギャップ(安定ノズルギャップDs)は組のデータ(安定データ)として安定値記憶部104に格納される。
まず、安定付着量判定部103は、めっきプラント2から現在のめっき付着量Wc、ノズル圧力Pc、ノズルギャップDc、板速Vcを取得する(S301)。
次に、安定付着量判定部103は、トラッキング部102が安定状態トリガを発行したか否かを判定する(S302)。
ステップS302の結果、トラッキング部102が安定状態トリガを発行していない場合(S302→N)、安定付着量判定部103は処理を終了する。
ステップS302の結果、トラッキング部102が安定状態トリガを発行している場合(S302→Y)、安定付着量判定部103は、ステップS301で取得しためっき付着量Wc、ノズル圧力Pc、ノズルギャップDc、板速Vcをそれぞれ安定めっき付着量Ws、安定ノズル圧力Ps、安定ノズルギャップDs、安定板速Vsとして、安定値記憶部104に記憶している安定データを更新する(S303)。
そして、安定付着量判定部103はFB制御部105にフィードバック制御を行わせる(S304)。FB制御部105は、安定状態で得られた安定めっき付着量Wsと、現在の目標めっき付着量Wcとを比較し、安定めっき付着量Wsを目標めっき付着量Wcに近づけるためのノズル圧力の補正量ΔPを、例えば、式(7)により算出する。
ΔP=α×(∂P/∂W)×(Wc−Ws)・・・(7)
ここで、αは制御ゲインに対応する定数であり、(∂P/∂W)は影響係数に対応する定数である。
加算出力部106はノズル211に対し、プリセット制御部101が出力したプリセット値Prefと、FB制御部105が出力したノズル圧力の補正量ΔPとを加算した値をノズル圧力の指令値(プリセット値)として出力する。
(第1実施形態の変形例)
なお、本実施形態では、安定値記憶部104に記憶するめっき付着量として、付着量検出器212で検出しためっき付着量の実績値を記憶する例を示したが、代わりに上位計算機3から取得した目標めっき付着量が記憶されてもよい。めっき付着量の実績値は目標めっき付着量に近づくように制御されている。従って、安定めっき付着量が得られたタイミングでは、めっき付着量と、目標めっき付着量は類似の値となる。従って、めっき付着量の実績値の代わりに目標めっき付着量を使用することが可能である。
なお、安定ノズル圧力Ps、安定板速Vs、安定ノズルギャップDsが取得されるタイミングにおいて、上位計算機3から安定状態時におけるめっき付着量の実績値の代わりに、安定状態時における目標めっき付着量(第2のめっき付着量)Wsが取得される場合、式(4)及び式(5)は、以下の式(4a)及び式(5a)に置き換えられる。
Pref=Ps+f−1(Wc、Vc、Dc)−f−1(Ws、Vs、Ds)
・・・(4a)

Pref=Ps+exp{(ln(Wc)−a0−a2・ln(Vc)−a3・ln(Dc)/a1}
−exp{(ln(Wc)−a0−a2・ln(Vs)−a3・ln(Ds)/a1}・・・(5a)
なお、式(4a)及び式(5a)を用いた場合においても、式(4)及び式(5)を用いた制御と同様の効果を得ることができる。
また、一般のめっき付着量制御装置にはノズル211と鋼板401の距離を測定する検出器は備えられていない場合が多い。しかしこの場合でも、鋼板401の表ノズルと裏ノズルの距離をノズル位置情報から把握できるので、この距離の1/2をノズルギャップ(ノズル鋼板距離)と考えることで、本実施形態をそのまま適用できる。
(ノズル制御)
図7は、第1実施形態に係るノズル制御の例を示す図である。
図7では、溶接点411の近傍でノズルオープンクローズが施されたときの、ノズルギャップと、プリセット制御部101によるノズル圧力の変化を模式的に示す。
図7において、前鋼板401aと次鋼板401bとは溶接点411で接続されている。ノズルギャップの開閉動作(ノズルギャップの変化)を、図7の上段の線701、プリセット制御部101が出力するノズル圧力の変化を下段の線702に示す。
溶接点411が近づきノズルギャップが開き出すと、プリセット制御部101のノズル圧力算出によりノズル圧力が大きくなり、ノズルギャップ開放がめっき付着量に及ぼす影響が相殺される。
符号611は、ノズルギャップが変化する前において、前鋼板401aで最後に安定状態が成立したタイミングを示している。
プリセット制御部101は、符号611以降におけるノズル圧力Pの算出タイミングにおいて、めっきプラント2から現在のノズルギャップDc及び板速Vc等を取得する(図3のステップS101参照)。
また、プリセット制御部101は、符号611以降におけるノズル圧力Pの算出タイミングにおいて、上位計算機3から現在のめっき付着量の目標値Wcを取得する(図3のステップS102参照)。
そして、プリセット制御部101は、符号611以降におけるノズル圧力Pの算出タイミングにおいて、符号611のタイミングで取得された安定ノズルギャップDs、安定板速Vs、安定目標めっき付着量Wsを取得する(図3のステップS103参照)。
そして、プリセット制御部101は、符号611以降におけるノズル圧力Pの算出タイミングにおいて、式(5)によりプリセット値Prefを算出する(図3のステップS104参照)。
一般に、ノズルギャップDはめっき付着量Wに大きな影響を及ぼすので、これを打ち消すため、図7に示すように、ノズル圧力PはノズルギャップDが開放される過程で上昇し、ノズルギャップが完全に開放する前に上限値で飽和する。
そして、溶接点411がノズル位置を通過し、ノズルギャップDが閉じられるのに伴いノズル圧力Pも下降する。ノズルクローズが完了した後のノズル圧力も、同様に、次に安定状態が成立するまで、安定値記憶部104に格納された安定ノズル圧力Ps、安定ノズルギャップDs、安定板速Vs、安定めっき付着量Wsを基に、プリセット算出される。
つまり、プリセット制御部101は、符号712に示すように、前鋼板401aで最後に安定状態が成立したタイミング611におけるノズル圧力711を基点として、その後のノズル圧力を算出している。この状態は、ノズルギャップDのオープンクローズの動作が終了すると終了する。
なお、次鋼板401bにおいて、安定状態が検出された後は、FB制御部105(図2参照)によるフィードバック制御が行われる。
本実施形態では、図7に示すように、前鋼板401aで最後に安定状態が成立したタイミング611における安定ノズル圧力711を基点として、その後のノズル圧力を算出している。このようにすることで、算出されたノズル圧力のプリセット値が、ノズルギャップが大きく開放した動作点での算出結果に影響されることはない。すなわち、飽和出力が終了した時点でも、基点となるノズル圧力はタイミング611におけるノズル圧力711のままであるので、安定したノズル圧力の制御が可能となる。
また、本実施形態では、前鋼板401aで最後に安定状態が成立したタイミング611におけるノズル圧力711を基点として、その後のノズル圧力を算出することにより、誤差が蓄積するのを防ぐことができるので、精度の高いノズル圧力の制御が可能となる。
なお、本実施形態に示す制御装置1は、図7に示すように、前鋼板401aで最後に安定状態が成立したタイミング611における安定ノズル圧力711を基点として、その後のノズル圧力を算出しているが、これに限らない。安定状態が成立しているときにおけるノズル圧力であれば、最後に安定状態が成立したタイミング611における安定ノズル圧力711でなくてもよい。
このとき、式(4)、式(5)、式(4a)、式(5a)で使用される安定めっき付着量Ws、安定状態時における目標めっき付着量Ws、安定板速Vs、安定ノズルギャップDsは、各式で使用されている安定ノズル圧力Psが取得されたタイミングで取得されたものとなる。
本実施形態では、制御の操作量がノズル圧力Pの場合を例に説明したが、実際のプラントでは操作量がノズルギャップDの場合もあるし、ノズル圧力PとノズルギャップDの両方の場合もある。いずれの場合も、本実施形態の手法を適用できる。
なお、本実施形態では、ノズル圧力が飽和圧力でリミットされているが、リミットする必要がなければ、飽和圧力でリミットされなくてもよい。
[第2実施形態]
(システム)
図8は、第2実施形態に係るめっき付着システムの構成例を示す図である。
なお、図8において、図1と同様の構成要素については、図1と同一の符号を付して説明を省略する。
まず、図8における制御装置1aにおけるプリセット制御部101aは、絶対値算出部(第1のプリセット制御部)111、相対値算出部(第2のプリセット制御部)112、制御方式選択部(選択部)113及び切替部114を有している。
絶対値算出部111は、めっき付着量予測モデルを用いて、ノズル圧力の絶対値を算出することで、ノズル圧力のプリセットを行う。ここで、ノズル圧力の絶対値とは、前の時刻のノズル圧力を参照せず、現在時刻における情報のみを基に算出されるノズル圧力である。
相対値算出部112は、目標めっき付着量の変化量に対して変更すべきノズル圧力を算出し、現在のノズル圧力に対して加減算することでプリセットを行う。つまり、相対値算出部112が行うプリセット処理は、第1実施形態におけるプリセット制御部101と同様の処理である。
以下、絶対値算出部111が実行するプリセット制御を絶対値プリセット、相対値算出部112が実行するプリセット制御を相対値プリセットと称する。また、絶対値算出部111が算出するノズル圧力のプリセット値を絶対プリセット値と適宜称し、相対値算出部112が算出するノズル圧力のプリセット値を絶対プリセット値と適宜称する。
また、制御方式選択部113は、溶接点近傍判定部121から送られる情報等を基に、絶対値算出部111が算出する絶対プリセット値と、相対値算出部112が算出する相対プリセット値のどちらを実際に使用するかを選択する。
切替部114は、制御方式選択部113の出力に従ってプリセット制御部101aの出力を、絶対値算出部111からの出力と、相対値算出部112からの出力とで切り替える。
また、図8に示す制御装置1aは溶接点近傍判定部121を有している。
溶接点近傍判定部121は、めっきプラント2から取得した現在の板速Vc、溶接点411がノズル位置を通過したタイミング等から、溶接点411がノズル位置の近くにあるか否かを判定し、近くにあるときにはその旨をプリセット制御部101aに通知する。
そして、プリセット制御部101aは、溶接点近傍判定部121によって溶接点411がノズル位置の近くにあると判定されたタイミングに限って起動される。すなわち、後記する図11のステップS503,S533で溶接点近傍判定部121が発行する近傍トリガをプリセット制御部101aが受けると、プリセット制御部101aが処理を開始する。また、後記する図11のステップS523で溶接点近傍判定部121が発行する近傍解除トリガをプリセット制御部101aが受けると、プリセット制御部101aは処理を終了する。
(ハードウェア構成)
図9は、第2実施形態に係る制御装置のハードウェア構成を示す図である。
なお、図9において、図2と同様の要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
制御装置1aにおいて、記憶装置503に格納されているプログラムがメモリ501にロードされ、CPU502によって実行されることで、図2に示す各部102,103,105,106に加えて、溶接点近傍判定部121や、プリセット制御部101aで実行される絶対値算出部111、相対値算出部112、制御方式選択部113、切替部114等が具現化している。
以下、絶対値算出部111、溶接点近傍判定部121、制御方式選択部113の処理について説明する。トラッキング部102、安定付着量判定部103、FB制御部105、加算出力部106の処理は第1実施形態と同様であるので、ここでの説明を省略する。
また、前記したように、相対値算出部112が行う処理は式(4)、式(5)を使用する第1実施形態におけるプリセット制御部101が行う処理と同様であるので、ここでの説明を省略する。
(絶対値算出処理)
図10は、第2実施形態に係る絶対値算出部における処理の手順を示すフローチャートである。
まず、絶対値算出部111は、めっきプラント2から現在の板速Vcと、現在のノズルギャップDcを取得し、上位計算機3から現在の目標めっき付着量Wcを取得する(S401)。なお、絶対値算出部111は、例えば、一定時間ごとに現在の板速Vcと、現在のノズルギャップDcと、目標めっき付着量Wcとを取得し、第1実施形態のように、安定状態であるか否かについては問わない。
そして、絶対値算出部111は、以下の式(8)により、ノズル圧力のプリセット値Pref(第5のガス圧)を算出する(S402)。
Pref=f−1(Wc、Vc、Dc)・・・(8)
なお、目標めっき付着量Wcは、以下の式(9)で示される。
c=f(Pref、Vc、Dc)
=exp(a0+a1・ln(Pref)+a2・ln(Vc)+a3・ln(Dc))
・・・(9)
従って、式(8)は、式(9)により、以下の式(10)に書き換えることができる。
Pref=exp{(ln(Wc)−a0−a2・ln(Vc)−a3・ln(Dc))/a1}・・・(10)
(溶接点近傍判定処理)
図11は、第2実施形態に係る溶接点近傍判定部における処理手順を示すフローチャートである。
ここでは、鋼板401の溶接点411に対して、ノズルオープンクローズが施される範囲を包含する領域をトラッキング距離を用いて判定する例を示す。
まず、溶接点近傍判定部121は、現在の板速Vcが基準速度Voより大きいか否かを判定する(S501)。基準速度Voは、前記したようにめっきプラント2が稼働中か否かの判定指標であり、板速Vcが基準速度Voより大きいことは、めっきプラント2が鋼板401の処理を実行中であることを示す。
ステップS501の結果、現在の板速Vcが基準速度Vo以下の場合(S501→N)、溶接点近傍判定部121はステップS501に処理を戻す。
ステップS501の結果、現在の板速Vcが基準速度Voより大きい場合(S501→Y)、溶接点近傍判定部121は、溶接点411がノズル位置を通過したか否かを判定する(S502)。溶接点411がノズル位置を通過したか否かの判定は、トラッキング部102が算出するトラッキング距離Lを基に行われる。
ステップS502の結果、溶接点411がノズル位置を通過していない場合(S502→N)、溶接点近傍判定部121は、ステップS501へ処理を戻す。
ステップS502の結果、溶接点411がノズル211の位置を通過している場合(S502→Y)、すなわち、新しい鋼板401(コイル)の処理が開始されたことをもって、溶接点近傍判定部121は、ノズル位置が溶接点411の近傍であると判定し、近傍トリガを発行し(S503)、以下の処理を開始する。
次に、溶接点近傍判定部121は、溶接点411がノズル211の位置を通過したか否かを判定する(S511)。
ステップS511の結果、溶接点411がノズル211の位置を通過していない場合(S511→N)、溶接点近傍判定部121はステップS513へ処理を進める。
ステップS511の結果、溶接点411がノズル211の位置を通過している場合(S511→Y)、溶接点近傍判定部121はトラッキング距離Lをリセットし(S512)、ステップS513へ処理を進める。
ステップS513において、溶接点近傍判定部121はめっきプラント2から板速Vcを取得し、取得する都度、式(6)によって鋼板401のトラッキング距離Lを算出する(S514)。
そして、溶接点近傍判定部121は、取得した板速Vcが基準速度Voより大きいか否かを判定する(S521)。
ステップS521の結果、板速Vcが基準速度Vo以下である場合(S521→N)、溶接点近傍判定部121は、めっきプラント2の稼動が終了したと判定し、処理を終了する。
ステップS521の結果、板速Vcが基準速度Voより大きい場合(S521→Y)、溶接点近傍判定部121は、トラッキング距離Lが第1基準距離Ldより大きいか否かを判定する(S522)。第1基準距離Ldは、溶接点411の通過後の次鋼板401でノズルオープンクローズが終了するタイミングと溶接点411の間の長さより十分長い値に、あらかじめ設定しておく。第1基準距離Ldの例を図13に示す。
つまり、ステップS522において、溶接点近傍判定部112は、ノズル211通過時において図13において第1基準距離Ldの範囲にあった鋼板401の箇所が、付着量検出器212を通過済みであるか否かを判定している。
ステップS522の結果、トラッキング距離Lが、第1基準距離Ld以下の場合(S522→N)、所定時間(Δt)待機した後、溶接点近傍判定部121は、ステップS513へ処理を戻す。
ステップS522の結果、トラッキング距離Lが第1基準距離Ldより大きい場合(S522→Y)、溶接点近傍判定部121は溶接点411の近傍ではないと判定し、近傍解除トリガを発行し(S523)、溶接点近傍判定を解除する。
そして、溶接点近傍判定部121は、めっきプラント2から板速Vcを取得し(S524)、取得する都度、式(6)によって鋼板401のトラッキング距離Lを算出する(S525)。
次に、溶接点近傍判定部121は、取得した板速Vcが基準速度Voより大きいか否かを判定する(S531)
ステップS531の結果、板速Vcが基準速度Vo以下である場合(S531→N)、溶接点近傍判定部121はめっきプラント2の稼動が終了したと判定し、処理を終了する。
ステップS531の結果、板速Vcが基準速度Voより大きい場合(S531→Y)、溶接点近傍判定部121は、コイル長さLcからトラックング距離Lを減じた値(Lc−L)が、第2基準距離Le未満であるか否かを判定する(S532)。ここで、第2基準距離Leは、溶接点411を通過前の現鋼板401でノズルオープンクローズが開始するタイミングと溶接点411の間の長さより十分長い値に、あらかじめ設定しておく。第2基準距離Leを図13に示す。また、コイル長さLcは、ここでは溶接点411から溶接点411までの長さである。
つまり、ステップS532において、溶接点近傍判定部112は、ノズル211通過時において図13において第2基準距離Leの範囲にあった鋼板401の箇所が、現在、付着量検出器212を通過しているか否かを判定している。
ステップS532の結果、コイル長さLcからトラッキング距離Lを減じた値(Lc−L)がLe以上である場合(S532→N)、溶接点近傍判定部121は、所定時間(Δt)待機した後、ステップS524へ処理を戻す。
コイル長さLcからトラッキング距離Lを減じた値(Lc−L)がLeより小さい場合(S532→Y)、溶接点近傍判定部121は溶接点411の近傍と判定し、近傍トリガを発行し(S533)、ステップS511に処理を戻す。
(制御方式選択処理)
図12は、第2実施形態に係る制御方式選択部における処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、プリセット制御部101aの処理が始められるとともに始まる。すなわち、図11のステップS503,S533で溶接点近傍判定部121が発行する近傍トリガをプリセット制御部101aが受けると、図12の処理が開始される。また、図11のステップS523で溶接点近傍判定部121が発行する近傍解除トリガをプリセット制御部101aが受けると、図12の処理が終了される。
制御方式選択部113はめっき制御における制御値等の制御仕様の類似度に加えて、溶接点411がノズル211の位置を通過したか否かにしたがって、絶対プリセット値と相対プリセット値のどちらを使用するかを選択する。本実施形態では溶接点411を通過後における制御仕様の類似度を、めっき付着量の目標値で代表する例を示す。
まず、制御方式選択部113は、上位計算機3から現在の目標めっき付着量Wcを取得し、さらに、めっきプラント2における付着量検出器212から直近の制御で得られためっき付着量の実績値Wを取得する(S601)。なお、直近の制御で得られためっき付着量の実績値Wは、実際には現在のめっき付着量の実績値であると考えられるので、ここではめっき付着量Wcとする。
次に、制御方式選択部113は、溶接点411がノズル211の位置を通過したか否かを判定する(S602)。制御方式選択部113は、図11のステップS511における処理において溶接点近傍判定部121がトラッキング距離Lをリセットする信号を取得し、この信号を基に溶接点411がノズル211の位置を通過したか否かを判定する。
ステップS602の結果、溶接点411がノズル211の位置を通過していない場合(S602→N)、制御方式選択部113は、相対値算出部112を選択するよう切替部114に指示する(S605)。
ステップS602の結果、溶接点411がノズル211の位置を通過している場合(S602→Y)、制御方式選択部113は、目標めっき付着量Wcと、めっき付着量Wcの差の絶対値(偏差)が一定値ΔZより大きいか否かを判定する(S603)。
ステップS603の結果、目標めっき付着量Wcと、実績めっき付着量Wcの差の絶対値が一定値ΔZ以下の場合(S603→N)、制御方式選択部113は、相対値算出部112を選択するよう切替部114に指示する(S605)。
ステップS604の結果、目標めっき付着量Wcと、実績めっき付着量Wcの差の絶対値が一定値ΔZより大きい場合(S603→Y)、制御方式選択部113は、絶対値算出部111を選択するよう切替部114に指示する(S604)。
切替部114は、制御方式選択部113の指示に従い、相対値算出部112の出力及び絶対値算出部111の出力を切り替えて、出力する。
第2実施形態では、制御方式選択部113が出力を選択する指針とし目標めっき付着量に着目したが、前鋼板401a(図13)と、後鋼板402b(図13)におけるめっき付着量の下限値の相違等を加えて類似度を算出することも考えられる。
(ノズル制御)
図13は、第2実施形態に係るノズル制御の例を示す図である。
図13では、ノズル211に対し溶接点411の近傍でオープンクローズが施されたときの、プリセット制御部101aが出力するノズル圧力を模式的に示す。
図13において、前鋼板401aと後鋼板401bが溶接点411で接続されている。
溶接点411の近傍範囲はノズルギャップが溶接点411をまたいで開閉する範囲を十分に含んで定義される。ノズルギャップの開閉動作を図13の上段の線801、プリセット制御部101aが出力するノズル圧力動作を、図13の下段の線802として示す。
溶接点411が近づきノズルギャップが開き出すと、プリセット制御部101aのノズル圧力算出によりノズル圧力が大きくなり、ノズルギャップ開放がめっき付着量に及ぼす影響が相殺される。そして溶接点411がノズル位置を通過し、ノズルギャップが閉じられるのに伴いノズル圧力も下降する。
ここで、符号611は前鋼板401aで最後に安定状態が成立したタイミングを示している。図13に示すように、溶接点411がノズル211の位置を通過する前、プリセット制御部101aでは相対値算出部112が選択される。つまり、溶接点411がノズル211の位置を通過する前の時間領域811では、第1実施形態と同様の処理が行われる。
その後、次鋼板401bが処理対象となった後(時間領域812)、プリセット制御部101aは、現在の目標めっき付着量Wcと付着量検出器212から取得した実績めっき付着量Wcの差に着目し、差が大きいときは絶対値算出部111による絶対プリセットで、小さいときは安定値記憶部104に記憶している安定データを用いた相対値算出でノズル圧力を算出する。
なお、時間領域811,812は、それぞれ溶接点411の近傍で、かつ、ノズルオープンクローズ制御がなされている時間を含んでいる。
すなわち、第2実施形態では、溶接点411がノズル位置を通過し、次鋼板401bの処理となると、類似度を比較する。第2実施形態では、類似度として現在の目標めっき付着量Wcと実績めっき付着量Wcの差を適用している。そして、前項番401aと、あと次鋼板401bにおける処理が類似していれば、第1実施形態と同様の処理を行う。また、前項番401aと、次鋼板401bにおける処理が類似していなければ、前鋼板401aにおける最後の安定状態時で取得した安定データを、次鋼板401bで使用すると信頼性が低くなるため、絶対プリセット値によるノズル圧力制御を行う。
このようにすることで、ノズル圧力制御の信頼性を向上させることができる。
ちなみに、図8におけるトラッキング部102及び溶接点近傍判定部121を1つにまとめてもよい。
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を有するものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記した各構成、機能、各部101〜103,105,106,101a,111〜114,121、安定値記憶部104等は、それらの一部又はすべてを、例えば集積回路で設計すること等によりハードウェアで実現してもよい。また、図2、図9に示すように、前記した各構成、機能等は、CPU502等のプロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、HD(Hard Disk)に格納すること以外に、メモリや、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、IC(Integrated Circuit)カードや、SD(Secure Digital)カード、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に格納することができる。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。
1 制御装置(めっき付着量制御装置)
2 めっきプラント
3 上位計算機(外部装置)
101 プリセット制御部
102 トラッキング部(安定状態判定部)
103 安定付着量判定部(安定値記憶処理部)
104 安定値記憶部(記憶部)
105 FB制御部
106 加算出力部
111 絶対値制御部(第1のプリセット制御部)
112 相対値制御部(第2のプリセット制御部)
113 制御方式選択部(選択部)
114 切替部
121 溶接点近傍判定部
201 ポット
202 溶解めっき
203 ロール
204 トップロール
211 ノズル
212 付着量検出器
401 鋼板
401a 前鋼板
402b 次鋼板
411 溶接点

Claims (8)

  1. 連続的に送られてくる鋼板を溶融めっきの浴槽に浸し、引き上げざまにノズルから高圧のガスを吹き付け、不要なめっきを落とすことで前記鋼板に所望の厚みの前記めっきを付着させるめっきプラントから実績情報を受信し、受信した前記実績情報を基に前記めっきの付着量であるめっき付着量を制御するための制御情報を生成して、前記めっきプラントへ送信するめっき付着量制御装置において、
    少なくとも前記鋼板の移動速度である鋼板速度と、前記ノズルから吹付けられる前記ガスの圧力であるガス圧と、前記ノズル及び前記鋼板の距離であるノズル鋼板距離と、前記鋼板に付着するめっき付着量と、の関係を示すめっき付着量予測モデルに基づいた演算で、前記所望の厚みのめっきを付着させるための前記ノズルの操作量の指令値として、少なくともガス圧を算出するプリセット制御部と、
    前記めっきプラントから前記鋼板速度を取り込み、取り込んだ当該鋼板速度を積算した前記鋼板の移動距離に基づいて、前記鋼板における位置情報を特定するトラッキング部と、
    前記トラッキング部が特定した前記鋼板の位置情報を基に、前記めっきプラントから取り込んだ、現在のめっき付着量が、前記めっきプラントから取り込んだ、現在の鋼板速度と、現在のガス圧と、現在のノズル鋼板距離と、のそれぞれに基づいためっき付着量であるか否かを判定することによって、前記めっきプラントから取り込まれためっき付着量が、安定に検出されためっき付着量であるか否かを判定する安定状態判定部と、
    前記安定状態判定部によって、前記めっきプラントから取り込まれためっき付着量が、安定に検出されためっき付着量と判定された際に取り込まれた、第2のめっき付着量と、第2の鋼板速度と、第2のガス圧と、第2のノズル鋼板距離と、の組み合わせを安定値記憶部に記憶する安定値記憶処理部と、
    を備え、
    前記プリセット制御部は、
    前記めっきプラントから現在の鋼板速度である第1の鋼板速度と、現在のノズル鋼板距離である第1のノズル鋼板距離と、を取り込み、めっき付着量制御装置に情報を入力する上位計算機から現在のめっき付着量の目標値である第1の目標めっき付着量を取り込み、前記めっき付着量予測モデルに基づいて、前記第1の目標めっき付着量を実現するためのガス圧である指令値の第1のガス圧を算出し、前記安定値記憶部から前記第2の鋼板速度と、前記第2のノズル鋼板距離と、前記第2のめっき付着量を取り込み、前記めっき付着量予測モデルを用いて、前記第2の鋼板速度と、前記第2のノズル鋼板距離と、に対応して該第2のめっき付着量を実現するためのガス圧である指令値の第3のガス圧を算出し、前記安定値記憶部から取り込んだ前記第2のガス圧に、前記第1のガス圧を加算し、さらに、前記第3のガス圧を減算することで前記ノズルの操作量の指令値である第4のガス圧を算出する
    ことを特徴とするめっき付着量制御装置。
  2. 前記第2のめっき付着量は、前記安定状態判定部によって、前記めっきプラントから取り込まれためっき付着量が、安定に検出されためっき付着量と判定されたタイミングにおいて、前記めっきプラントから取り込まれためっき付着量の実績値である
    ことを特徴とする請求項1に記載のめっき付着量制御装置。
  3. 前記第2のめっき付着量は、前記安定状態判定部によって、前記めっきプラントから取り込まれためっき付着量が、安定に検出されためっき付着量と判定タイミングにおいて前記上位計算機から取り込まれためっき付着量の目標値である目標めっき付着量である
    ことを特徴とする請求項1に記載のめっき付着量制御装置。
  4. 前記プリセット制御部は、第2のプリセット制御部であり、
    前記めっきプラントから取り込んだ、少なくとも鋼板速度とノズル鋼板距離に対応して所望のめっき付着量を実現するための第5のガス圧を、前記めっき付着量予測モデルを用いて算出する第1のプリセット制御部をさらに有し、
    前記上位計算機から取り込んだめっき付着量の目標値と実績値の偏差を算出し、当該偏差が所定の値より大きいときは前記第1のプリセット制御部を選択し、当該偏差が所定の値未満のときは前記第2のプリセット制御部を選択する選択部と、
    該選択部の判定結果に従って、前記第1のプリセット制御部と、前記第2のプリセット制御部と、を切り替えて実行する切替部を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のめっき付着量制御装置。
  5. 連続的に送られてくる鋼板を溶融めっきの浴槽に浸し、引き上げざまにノズルから高圧のガスを吹き付け、不要なめっきを落とすことで前記鋼板に所望の厚みの前記めっきを付着させるめっきプラントから実績情報を受信し、受信した前記実績情報を基に前記めっきの付着量であるめっき付着量を制御するための制御情報を生成して、前記めっきプラントへ送信するめっき付着量制御装置におけるめっき付着量制御方法において、
    前記めっき付着量制御装置は、
    少なくとも前記鋼板の移動速度である鋼板速度と、前記ノズルから吹付けられる前記ガスの圧力であるガス圧と、前記ノズル及び前記鋼板の距離であるノズル鋼板距離と、前記鋼板に付着するめっき付着量と、の関係を示すめっき付着量予測モデルを記憶部に保持しており、
    前記めっき付着量制御装置が、
    前記めっきプラントから前記鋼板速度を取り込み、取り込んだ当該鋼板速度を積算した前記鋼板の移動距離に基づいて、前記鋼板における位置情報を特定し、
    当該特定した前記鋼板の位置情報を基に、前記めっきプラントから取り込んだ、現在のめっき付着量が、前記めっきプラントから取り込んだ、現在の鋼板速度と、現在のガス圧と、現在のノズル鋼板距離と、のそれぞれに基づいためっき付着量であるか否かを判定することによって、前記めっきプラントから取り込まれためっき付着量が、安定に検出されためっき付着量であるか否かを判定し、
    前記めっきプラントから取り込まれためっき付着量が、安定に検出されためっき付着量と判定された際に取り込まれた、第2のめっき付着量と、第2の鋼板速度と、第2のガス圧と、第2のノズル鋼板距離と、の組み合わせを安定値記憶部に記憶し、
    前記めっきプラントから現在の鋼板速度である第1の鋼板速度と、現在のノズル鋼板距離である第1のノズル鋼板距離と、を取り込み、めっき付着量制御装置に情報を入力する上位計算機から現在のめっき付着量の目標値である第1の目標めっき付着量を取り込み、前記めっき付着量予測モデルに基づいて、前記第1の目標めっき付着量を実現するためのガス圧である指令値の第1のガス圧を算出し、前記安定値記憶部から前記第2の鋼板速度と、前記第2のノズル鋼板距離と、前記第2のめっき付着量を取り込み、前記めっき付着量予測モデルを用いて、前記第2の鋼板速度と、前記第2のノズル鋼板距離と、に対応して該第2のめっき付着量を実現するためのガス圧である指令値の第3のガス圧を算出し、前記安定値記憶部から取り込んだ前記第2のガス圧に、前記第1のガス圧を加算し、さらに、前記第3のガス圧を減算することで前記ノズルの操作量の指令値である第4のガス圧を算出する
    ことを特徴とするめっき付着量制御方法。
  6. 前記第2のめっき付着量は、前記めっきプラントから取り込まれためっき付着量が、安定に検出されためっき付着量と判定されたタイミングにおいて、前記めっきプラントから取り込まれためっき付着量の実績値である
    ことを特徴とする請求項5に記載のめっき付着量制御方法。
  7. 前記第2のめっき付着量は、前記めっきプラントから取り込まれためっき付着量が、安定に検出されためっき付着量と判定タイミングにおいて前記上位計算機から取り込まれためっき付着量の目標値である目標めっき付着量である
    ことを特徴とする請求項5に記載のめっき付着量制御方法。
  8. 前記めっき付着量制御装置が、
    所望のめっき付着量と、前記めっきプラントから取り込んだめっき付着量の実績値の偏差を算出し、当該偏差が所定の値より大きいときは前記めっきプラントから取り込んだ、少なくとも鋼板速度とノズル鋼板距離に対応して所望のめっき付着量を実現するための第5のガス圧を前記ノズルの操作量の指令値として選択し、当該偏差が所定の値未満のときは前記第4のガス圧を前記ノズルの操作量の指令値として選択する
    ことを特徴とする請求項5に記載のめっき付着量制御方法。
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